JP2004288419A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、固体高分子電解質膜の両面にアノード電極及びカソード電極を配置した燃料電池セルを隔離するセパレータであって、該セパレータが金属板からなり、該金属板の少なくとも片面にリン含有層が形成されているセパレータである。リン含有層は、例えば、アミノ化フェノール重合体(A)、アクリル系重合体(B)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含有する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セパレータ、更に詳しくは燃料電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を配置し、水素と酸素の電気化学反応により発電するシステムである。燃料電池は、発電時に発生するのは水のみであり、従来の内燃機関と異なり、二酸化炭素等の環境負荷ガスを発生しない。そのために、燃料電池は、次世代のクリーンエネルギーシステムとして注目されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池は、電解質膜として水素イオン伝導性高分子電解質膜を用い、その両面にアノード電極及びカソード電極を配置した、電極−電解質膜接合体と呼ばれる単電池を、炭素系材料又は金属材料からなるセパレータを介して複数枚積層したスタックと呼ばれる構造からなる。
【0004】
燃料電池から電気を発生させるには、電池反応を起こすための燃料として、燃料ガスとなる水素を主成分とする混合ガス及び水蒸気をアノード極側に、酸化剤ガスとなる空気及び水蒸気をカソード極側にそれぞれ供給する。供給されるガスの温度は、電池の運転条件により異なるが、それぞれ約80〜90℃程度の高温であり、それ故、セパレータはそれら高温のガスに晒されることから、高い耐熱性を備えていることが要求される。また、セパレータは、固体高分子電解質がスーパアシッド(超酸)であること、酸化雰囲気及び還元雰囲気の両雰囲気下で使用されること等から、高い耐食性(耐腐食性)を備えていることが必要とされる。
【0005】
セパレータに耐熱性及び耐食性を付与する方法として、例えば、(1)単電池を挟持するセパレータをカーボンによって構成する方法(例えば、特許文献1)。
【0006】
(2) 単電池を挟持するセパレータを金属により構成し、金属の表面にクロム、白金族金属又はその酸化物、導電性ポリマー等の導電性材料からなる被膜を形成する方法(例えば、特許文献2)、(3)単電池を挟持するセパレータを金属によって構成し、金属の表面に銀、白金族の複合酸化物、窒化クロム等の材料によるメッキ処理を施す方法(例えば、特許文献3)等が知られている。
【0007】
しかしながら、これらの方法には種々の欠点がある。
【0008】
(1)の方法では、セパレータは耐熱性及び耐食性に優れているものの、カーボンの加工が困難であるため、セパレータにガスを供給するためのガス供給流路を形成させるのに多大のコストを必要とする。また、カーボンの加工が難しいという理由から、薄い形状のセパレータを製造することが極めて困難である。それ故、該方法は、一段のコスト低減及び低容積化が求められる燃料電池の部材(セパレータ)の製造に適していない。更に、カーボンにより構成されるセパレータは、耐震性に乏しく、ピンホール、ひび割れ等の発生を回避できない。
【0009】
(2)の方法により、セパレータにクロム又は導電性ポリマーからなる被膜を形成させるだけでは、耐食性、殊に高温高湿環境での耐食性が不十分である。また白金族金属又はその酸化物からなる被膜は耐食性が向上するものの、尚不十分であり、しかも長時間での安定性が十分ではない。
【0010】
(3)の方法では、銀、白金等の高価な貴金属の使用が必要であったり、また窒化クロムの形成にもコストの要するスパッタリング法、PVD法等の適用が不可欠である。それ故、該方法は、(1)の方法と同様に、一段のコスト低減が求められる燃料電池の部材(セパレータ)の製造に適していない。更に、窒化クロムをスパッタリング法、PVD法等により形成した場合、クロムがイオン化して電極及び/又は電解質膜中に溶出するのが避けられず、そのために電池性能が低下する欠点がある。
【0011】
【特許文献1】
特開平7−272731号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献2】
特開平6−349508号公報(特許請求の範囲)
【0013】
【特許文献3】
特開平11−162478号公報(特許請求の範囲)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高度の耐熱性及び耐食性を備えた燃料電池用セパレータを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、金属板からなるセパレータの少なくとも片面にリン含有層を形成させることにより、高度に優れた耐熱性及び耐食性を備えたセパレータが得られることを見い出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
1.本発明は、固体高分子電解質膜の両面にアノード電極及びカソード電極を配置した燃料電池セルを隔離するセパレータであって、該セパレータが金属板からなり、該金属板の少なくとも片面にリン含有層が形成されているセパレータである。
2.本発明は、金属板の一方面にリン含有層が形成されている上記1に記載のセパレータである。
3.本発明は、金属板の両面にリン含有層が形成されている上記2に記載のセパレータである。
4.本発明は、リン含有層に含まれるリン化合物が無機リン化合物である上記1〜3のいずれかに記載のセパレータである。
5.本発明は、リン含有層が水溶性樹脂及びリン化合物を含有する上記1〜4のいずれかに記載のセパレータである。
6.本発明は、水溶性樹脂がアクリル系樹脂、フェノール系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種である上記5に記載のセパレータである。
7.本発明は、リン含有層が、アミノ化フェノール重合体(A)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含む樹脂膜である上記1〜6のいずれかに記載のセパレータである。
8.本発明は、リン含有層が、アミノ化フェノール重合体(A)、アクリル系重合体(B)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含む樹脂膜である上記1〜6のいずれかに記載のセパレータである。
9.本発明は、金属板がアルミニウム板又はアルミニウム合金板である上記1〜8のいずれかに記載のセパレータである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のセパレータは金属板からなり、該金属板の少なくとも片面にリン含有層が形成されている。
【0017】
本発明のセパレータに用いる金属板は、電極に対して電気導電性を有し集電機能を発現すると共に、酸化剤ガスと燃料ガスとの混合を防止する仕切り機能を有する。
【0018】
金属板としては、酸化雰囲気及び還元雰囲気の両方の雰囲気下で劣化しない又は劣化し難い公知の金属板を広く使用できる。このような金属板としては、例えば、アルミニウム板、チタン板、鉄板、アルミニウム合金板、チタン合金板、SUS(ステンレス鋼板)等が挙げられる。
【0019】
アルミニウム合金としては、例えば、アルミニウムと銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛等の金属との合金を例示できる。より具体的には、アルミニウム合金は、銅を添加したアルミニウム−銅系合金、マンガンを添加したアルミニウム−マンガン系合金、ケイ素を添加したアルミニウム−ケイ素系合金、マグネシウムを添加したアルミニウム−マグネシウム系合金、マグネシウム及びケイ素を添加したアルミニウム−マグネシウム−ケイ素系合金、亜鉛及びマグネシウムを添加したアルミニウム−亜鉛−マグネシウム系合金を含む。
【0020】
使用される金属板は、低コスト且つ軽量であるアルミニウムが好ましい。
【0021】
金属板の厚さは、金属板単体のピンホール、加工時又はハンドリング時の耐ピンホール性等を考慮すると、80μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましい。また、加工適性(エッチング加工、エンボス加工、ダイカスト加工等)、製品とした時の取り扱い易さ等を考慮すると、金属板の厚さは、400μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。
【0022】
本発明において、金属板は、少なくとも片面に、好ましくは両面に、燃料とする燃料ガス又は酸化剤ガスを電極表面上に実質的に分散させ、副生産物である水の移動を促進する燃料用ガス流路溝が形成されている。
【0023】
ガス流路溝の構造としては、例えば、連続する波形又は蛇行(サーペンタインフロー型)模様、棒状(カラムフロー型)模様、メッシュ等の規則的又は不規則的な公知の構造のいずれでもよい。
【0024】
このようなガス流路溝は、公知の技術、例えば、エンボス、ダイカスト、エッチング等により、金属板上に形成できる。
【0025】
リン含有層
本発明のセパレータは、セパレータを構成する金属板の少なくとも片面に、好ましくは金属板の両面に、より好ましくは金属板の全表面にリン含有層が形成されている。リン含有層は、固体高分子電解質のスーパアシッド(超酸)による腐食から、金属板の表面を保護する。
【0026】
リン含有層を構成する物質は、金属板の種類、リン含有層形成の際に使用されるリン化合物の種類等により異なる。
【0027】
リン含有層を形成の際に使用されるリン化合物としては、公知の無機リン化合物を広く使用でき、例えばリン酸、ポリリン酸等の縮合リン酸及びこれらの塩等が挙げられる。ここで塩としては、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、金属塩が挙げられる。
【0028】
リン酸の金属塩としては、例えば、リン酸Cr(III)塩、リン酸Cr(VI)塩、リン酸Zr塩、リン酸Ti塩、リン酸Li塩、リン酸Cu塩、リン酸Fe塩、リン酸Mn塩、リン酸Mg塩、リン酸Zn塩、リン酸Co塩、リン酸Sn塩、リン酸Ni塩、リン酸W塩、リン酸Mo塩、リン酸Pt塩、リン酸Ru塩、リン酸Ta塩、リン酸Sb塩、リン酸Ce塩、リン酸Pd塩等が挙げられる。これらリン酸金属塩の中では、コスト面、リン含有層形成のために使用される処理液の安定性等の観点から、リン酸Cr(III)塩、リン酸Zr塩等が好ましい。
【0029】
上記リン化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0030】
例えば、金属板としてアルミニウム板を使用し、このアルミニウム板をリン酸Cr(III)塩を含む液で処理した場合は、リン含有層は、CrPO4(リン酸クロム)、AlPO4(リン酸アルミニウム)、Al2O3(酸化アルミニウム)、Al(OH)x(水酸化アルミニウム)、AlFx(フツ化アルミニウム)等からなる物質から構成される。また、金属板としてアルミニウム板を使用し、このアルミニウム板をリン酸Zn(亜鉛)塩を含む液で処理した場合は、リン含有層は、Zn2PO4・4H2O(リン酸亜鉛水和物)、AlPO4(リン酸アルミニウム)、Al2O3(酸化アルミニウム)、Al(OH)x(水酸化アルミニウム)、AlFx(フツ化アルミニウム)等から構成される。
【0031】
リン含有層の厚さは、通常1〜200nm(ナノメーター)程度、好ましくは10〜50nm程度である。
【0032】
本発明では、リン含有層は、更に水溶性樹脂を含有していてもよい。
【0033】
水溶性樹脂としては、公知のものを広く使用でき、例えばアクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。
【0034】
アクリル系樹脂としては、公知のものを広く使用でき、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のモノマーからなる単独重合体又はこれらモノマーの2種以上からなる共重合体等が挙げられる。
【0035】
フェノール系樹脂としては、公知のものを広く使用することができ、例えば、フェノール化合物、アミノフェノール化合物等のフェノール化合物とホルムアルデヒドとを重縮合したもの、フェノール化合物とホルムアルデヒドとを重縮合したものにアミノ基を導入したもの等を挙げることができる。
【0036】
ウレタン樹脂は、例えば分子中にアニオン性基又はカチオン性基を導入したウレタン樹脂、ウレタンポリマー末端のイソシアネート基に重亜硫酸塩を付加させて水性化したウレタン樹脂等を挙げることができる。
【0037】
本発明では、これら水溶性樹脂を1種単独又は2種以上混合して使用できる。
【0038】
リン含有層が更に水溶性樹脂を含有している場合、該リン含有層の厚さは、通常100〜500nm(ナノメーター)程度である。
【0039】
水溶性樹脂を更に含むリン含有層は、リン化合物及び水溶性樹脂の架橋反応に基づく共有結合、配位結合等により金属板上に緻密且つ強固に形成されている。
【0040】
本発明において、リン含有層は、アミノ化フェノール重合体(A)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含有する樹脂膜から構成されているのが好ましい。
【0041】
また、本発明において、リン含有層は、アミノ化フェノール重合体(A)、アクリル系重合体(B)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含有する樹脂膜から構成されているのが好ましい。
【0042】
アミノ化フェノール重合体(A)、アクリル系重合体(B)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)は、配位結合、共有結合等の化学結合を介して相互に結合したり、アルミニウム板等の金属板に強固に付着している。より具体的には、アクリル系重合体(B)と金属化合物(D)とは金属架橋により結合し、更にリン化合物(C)と金属化合物(D)とは反応により不溶性塩を形成している。
【0043】
上記樹脂膜は、水、フッ酸等の酸成分を含有した酸性水溶液、有機溶剤等に対して難溶性を示し、優れた耐腐食性を発現する。
【0044】
本発明では、上記(A)、(C)及び(D)の三成分又は上記(A)〜(D)の四成分が相乗的に作用して、高度に優れた耐腐食性を発揮すると共に、金属板との間に格段に優れた密着性を発現することができる。
【0045】
樹脂膜中におけるアミノ化フェノール重合体(A)及びアクリル系重合体(B)の含有割合は、密着性、耐腐食性等を考慮して、適宜選択される。
【0046】
樹脂膜中におけるリン化合物(C)の含有割合は、密着性等を考慮して、適宜選択される。
【0047】
樹脂膜中における金属化合物(D)の含有割合は、耐腐食性等を考慮して、適宜選択される。
【0048】
本発明においては、樹脂膜1m2当たり、アミノ化フェノール重合体(A)が約1〜約200mg、リン化合物(C)がリン換算で約0.5〜約50mg及び金属化合物(D)が金属換算で約0.5〜約50mgの割合で含有されているのが好ましく、アミノ化フェノール重合体(A)が約5〜約150mg、リン化合物(C)がリン換算で約1〜約40mg及び金属化合物(D)が金属換算で約1〜約40mgの割合で含有されているのがより好ましい。
【0049】
換言すると、本発明においては、樹脂膜1m2当たり、アミノ化フェノール重合体(A)が約1〜約200重量部、リン化合物(C)がリン換算で約0.5〜約50重量部及び金属化合物(D)が金属換算で約0.5〜約50重量部の割合で含有されているのが好ましく、アミノ化フェノール重合体(A)が約5〜約150重量部、リン化合物(C)がリン換算で約1〜約40重量部及び金属化合物(D)が金属換算で約1〜約40重量部の割合で含有されているのがより好ましい。
【0050】
本発明においては、樹脂膜1m2当たり、アミノ化フェノール重合体(A)とアクリル系重合体(B)とが合計で約1〜約200mg、リン化合物(C)がリン換算で約0.5〜約50mg及び金属化合物(D)が金属換算で約0.5〜約50mgの割合で含有されているのが好ましく、アミノ化フェノール重合体(A)とアクリル系重合体(B)とが合計で約5〜約150mg、リン化合物(C)がリン換算で約1〜約40mg及び金属化合物(D)が金属換算で約1〜約40mgの割合で含有されているのがより好ましい。
【0051】
換言すると、本発明においては、樹脂膜1m2当たり、アミノ化フェノール重合体(A)とアクリル系重合体(B)とが合計で約1〜約200重量部、リン化合物(C)がリン換算で約0.5〜約50重量部及び金属化合物(D)が金属換算で約0.5〜約50重量部の割合で含有されているのが好ましく、アミノ化フェノール重合体(A)とアクリル系重合体(B)とが合計で約5〜約150重量部、リン化合物(C)がリン換算で約1〜約40重量部及び金属化合物(D)が金属換算で約1〜約40重量部の割合で含有されているのがより好ましい。
【0052】
樹脂膜を構成するアミノ化フェノール重合体(A)とアクリル系重合体(B)との割合は、耐腐食性等を考慮すると、通常、重量比で前者1重量部に対して後者が0.05〜20重量部、好ましくは0.06〜10重量部の範囲とするのがよい。
【0053】
上記樹脂膜は極めて薄く、膜厚は、通常ナノオーダーのレベル、より具体的には100〜500nm程度である。
【0054】
アミノ化フェノール重合体(A)
アミノ化フェノール重合体(A)としては、公知のものを広く使用でき、例えば、以下に示すアミノ化フェノール重合体を挙げることができる。
(1):一般式(I)
【0055】
【化1】
【0056】
〔式中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基及びベンジル基から選ばれる少なくとも1種の基である。〕
で表される繰返し単位及び一般式(II)
【0057】
【化2】
【0058】
〔式中、Xは前記に同じ。R1及びR2は、同一又は異なって、ヒドロキシル基、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。〕
で表される繰返し単位を有するアミノ化フェノール重合体
(2):上記一般式(II)で表される繰返し単位からなるアミノ化フェノール重合体
(3):一般式(III)で表される
【0059】
【化3】
【0060】
〔式中、Xは前記に同じ。〕
繰返し単位及び一般式(IV)
【0061】
【化4】
【0062】
〔式中、X、R1及びR2は前記に同じ。〕
で表される繰返し単位を有するアミノ化フェノール重合体
(4):上記一般式(IV)で表される繰返し単位からなるアミノ化フェノール重合体
上記一般式(I)〜(IV)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等のヒドロキシル基が1個置換した炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。
【0063】
一般式(I)〜(IV)におけるXは、水素原子、ヒドロキシル基及びヒドロキシアルキル基であるのが好ましい。
【0064】
上記(1)のアミノ化フェノール重合体は、好ましくは上記一般式(I)で表される繰返し単位を約80モル%以下の割合で含むアミノ化フェノール重合体、より好ましくは上記一般式(I)で表される繰返し単位を約25〜約55モル%の割合で含むアミノ化フェノール重合体である。
【0065】
上記(3)のアミノ化フェノール重合体は、好ましくは上記一般式(III)で表される繰返し単位を約80モル%以下の割合で含むアミノ化フェノール重合体、より好ましくは上記一般式(III)で表される繰返し単位を約25〜約55モル%の割合で含むアミノ化フェノール重合体である。
【0066】
アミノ化フェノール重合体(A)の数平均分子量は、好ましくは約500〜約100万、より好ましくは約1000〜約2万である。
【0067】
アミノ化フェノール重合体(A)は、例えば、フェノール化合物又はナフトール化合物とホルムアルデヒドとを重縮合して上記一般式(I)又は一般式(III)で表される繰返し単位からなる重合体を製造し、次いでホルムアルデヒド及びアミン(R1R2NH)を用いて水溶性官能基(−CH2NR1R2)を上記で得られた重合体に導入することにより、製造される。
【0068】
アミノ化フェノール重合体(A)は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0069】
アクリル系重合体(B)
アクリル系重合体(B)としては、公知のものを広く使用できる。アクリル系重合体(B)としては、例えば下記一般式(V)で表される繰返し単位からなるアクリル系重合体、下記一般式(VI)で表される繰返し単位からなるメタクリル系重合体、下記一般式(V)で表される繰返し単位と下記一般式(VI)で表される繰返し単位とを含有するアクリル系重合体等を挙げることができる。
【0070】
−(CH2−CHCOR)− (V)
−(CH2−C(CH3)COR)− (VI)
〔式(V)及び(VI)において、Rはヒドロキシル基、アミノ基又はヒドロキシエチル基を示す。〕
アクリル系重合体(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーを構成単位とする重合体であるのが好ましい。
【0071】
アクリル系重合体(B)は、上記モノマーの単独重合体及び共重合体のいずれでもよく、またこれら単独重合体及び共重合体の2種類以上を後で混合(ブレンド)したものであってもよい。
【0072】
アクリル系重合体(B)の分子量は、数平均分子量5000〜100万程度が適当であり、好ましくは1万〜20万である。
【0073】
リン化合物(C)
リン化合物としては、上記したリン化合物を広く使用できる。これらのリン化合物の中でも、リン酸、ポリリン酸等の縮合リン酸及びこれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩等が好ましい。ここでアルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
【0074】
金属化合物(D)
金属化合物としては、樹脂膜形成時にアミノ化フェノール重合体(A)及び/又はアクリル系重合体(B)と結合可能なものであれば公知のものを広く使用できる。このような金属化合物としては、例えばジルコニウム、チタン、モリブデン、タングステン、バナジウム、マンガン、コバルト、セリウム等の遷移元素又は内遷移元素の塩、オキソ酸又はその塩、錯フッ化物酸又はその塩等が挙げられる。
【0075】
これら金属化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0076】
コスト及び上記重合体との結合強度(架橋強度)を考慮すると、ジルコニウム化合物が好適である。ジルコニウム化合物としては、例えば、フッ化ジルコニウム(ジルコニウムフッ化水素酸)、フッ化ジルコニウムアンモニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウム等が挙げられる。
【0077】
リン含有層の形成
金属板面へのリン含有層の形成は、例えば、リン化合物、更に水溶性樹脂を含有する水溶性処理剤を、金属板の一方面、好ましくは金属板の両面、より好ましくは金属板の全面に塗布し、次いで加熱乾燥することにより容易に行うことができる。
【0078】
リン含有層を形成するに先立ち、金属板の表面に付着した圧延油、防錆油等を除去する目的で、脱脂処理を行うことができる。脱脂処理については特に制限されず、一般に行われているアルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法等を広く採用することができる。
【0079】
水溶性処理剤は、リン化合物及び必要に応じて水溶性樹脂を含有する水性溶媒である。リン化合物及び水溶性樹脂の濃度は限定されるものではない。
【0080】
水性溶媒は、通常、水であるが、水溶性処理剤の物性を調整するためにアルコール類が添加されていてもよい。ここでアルコール類としては、公知のアルコールを広く使用でき、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルコール等を挙げることができる。これらアルコール類の添加量は、水に対して通常約20重量%以下、好ましくは約0.5〜約10重量%でよい。
【0081】
上記水溶性処理剤は、pH6以下の酸性を呈するものがよい。pHの調整には、通常公知のpH調整剤が広く使用できる。このようなpH調整剤として、例えばリン酸、フッ酸、硝酸、硫酸等の無機酸、酢酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸、或いはこれらの塩等が挙げられる。ここで塩としては、例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0082】
リン含有層の形成は、金属板面に上記水溶性処理剤を浸漬法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法、グラビア印刷法等の周知の塗布方法に従い塗布した後に、加熱乾燥することにより行われる。
【0083】
加熱乾燥は、水溶性処理剤の水分を蒸発させるため、並びにリン化合物、水溶性樹脂等の反応を促進して、得られるリン含有層を不溶化させるために行われる。加熱乾燥のエネルギー源としては、例えばガス、電気、赤外線等を挙げることができる。
【0084】
加熱乾燥温度は、約80〜約300℃の範囲が好ましく、約120〜約250℃の範囲がより好ましい。加熱乾燥に要する時間は、加熱乾燥温度、塗布される水溶性処理剤の塗布量等に対応して任意に設定すればよい。
【0085】
アミノ化フェノール重合体(A)、アクリル系重合体(B)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含有する樹脂膜も、上記リン含有層の形成方法と同様にして、金属板の一方面、好ましくは金属板の両面、より好ましくは金属板の全面に形成させることができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、高度の耐熱性及び耐食性を備えた燃料電池用セパレータを提供することができる。
【0087】
本発明のセパレータは、安定性に優れているため、セパレータに形成されているリン含有層からリン等の元素が漏出する虞れは殆どない。
【0088】
本発明のセパレータは、その加工を簡易に行うことができり、容易に低容積化を図ることができる。
【0089】
本発明のセパレータは、耐震性に優れており、ピンホール、ひび割れ等の発生の虞れがない。
【0090】
本発明によれば、金属板上へのリン含有層の形成が容易であり、それ故所望の性能を備えたセパレータを低コストで提供できる。
【0091】
【実施例】
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
【0092】
参考例1(金属板の作製)
金属板として軟質アルミニウム箔(厚さ100μm、住軽アルミ箔(株)、商品名:べスパ8021)を、予め50℃の10重量%水酸化ナトリウム溶液に30秒間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、次いで温風乾燥することにより脱脂処理を行い、脱脂処理済アルミニウム板を作製した。
【0093】
実施例1
予め、(A)アミノ化フェノール重合体(Xが水素原子である一般式(I)で表される繰り返し単位を50モル%、Xが水素原子、R1がメチル基、R2がメチル基である一般式(II)で表される繰り返し単位50モル%の割合で含む、数平均分子量5000の重合体)を10重量%含む水溶液と、(C)リン化合物(リン酸)を20重量%及び(D)金属化合物(フッ化クロム)を5.5重量%含む水溶液とを調製しておいた。
【0094】
(A)アミノ化フェノール重合体1重量部に対して(C)リン酸及び(D)フッ化クロムの合計量が4重量部になるように、上記2種の水溶液を混合して混合液とした。ディップコータを用い、上記混合液の塗布量が3ml/m2となるように、参考例1で作製した調製した脱脂処理済アルミニウム板の両面に該混合液を塗布し、180℃で加熱乾燥して、アルミニウム板の両面に樹脂膜を形成させて、本発明の燃料電池用セパレータとした。
【0095】
実施例2
予め、(A)アミノ化フェノール重合体(Xが水素原子である一般式(I)で表される繰り返し単位を50モル%、Xが水素原子、R1がメチル基、R2がメチル基である一般式(II)で表される繰り返し単位50モル%の割合で含む、数平均分子量5000の重合体)を5重量%及び(B)アクリル系重合体(アクリルアミド単独重合体、数平均分子量50000、酸化0mgKOH/g)を5重量%含む水溶液と、(C)リン化合物(リン酸)を20重量%及び(D)金属化合物(ジルコニウムフッ化水素酸)を5.5重量%含む水溶液とを調製しておいた。
【0096】
(A)アミノ化フェノール重合体及び(B)アクリル系重合体の合計1重量部に対して(C)リン酸及び(D)フッ化クロムの合計量が1重量部になるように、上記2種の水溶液を混合して混合液とした。ロールコータを用い、上記混合液の塗布量が3ml/m2となるように、参考例1で作製した調製した脱脂処理済アルミニウム板の両面に該混合液を塗布し、180℃で加熱乾燥して、アルミニウム板の両面に樹脂膜を形成させて、本発明の燃料電池用セパレータとした。
【0097】
実施例3
予め、(A)アミノ化フェノール重合体(Xが水素原子である一般式(I)で表される繰り返し単位を50モル%、Xが水素原子、R1がメチル基、R2がメチル基である一般式(II)で表される繰り返し単位50モル%の割合で含む、数平均分子量5000の重合体)を10重量%、(B1)アクリル系重合体(アクリルアミド単独重合体、数平均分子量50000、酸化0mgKOH/g)を4.5重量%及び(B2)アクリル系重合体(アクリル酸・2−ヒドロキシエチルアクリレート(アクリル酸:2−ヒドロキシエチルアクリレート=0.8:9.2)(モル比)、数平均分子量20000、酸価50mgKOH/g)を0.5重量%含む水溶液と、(C)リン化合物(リン酸)を20重量%及び(D)金属化合物(ジルコニウムフッ化水素酸)を5.5重量%含む水溶液とを調製しておいた。
【0098】
(A)アミノ化フェノール重合体、(B1)アクリル系重合体及び(B2)アクリル系重合体の合計1重量部に対して(C)リン酸及び(D)フッ化クロムの合計量が1重量部になるように、上記2種の水溶液を混合して混合液とした。ロールコータを用い、上記混合液の塗布量が3ml/m2となるように、参考例1で作製した調製した脱脂処理済アルミニウム板の両面に該混合液を塗布し、180℃で加熱乾燥して、アルミニウム板の両面に樹脂膜を形成させて、本発明の燃料電池用セパレータとした。
【0099】
比較例1
耐食性に優れたSUS304(住友金属(株)製)を、比較のための燃料電池用セパレータとした。
【0100】
比較例2
未処理の軟質アルミニウム箔(厚さ100μm、住軽アルミ箔(株)、商品名:べスパ8021)を、比較のための燃料電池用セパレータとした。
【0101】
比較例3
膨張黒鉛(日立化成(株)、商品名:カーボフィット)90重量%にフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、商品名:スミライトレジン(R)PR)を10重量%配合した複合材を用いて、燃料電池用セパレータを作製した。これを比較のための燃料電池用セパレータとした。
【0102】
比較例4
膨張黒鉛(日立化成(株)、商品名:カーボフィット)60重量%にフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製、商品名:スミライトレジン(R)PR)を40重量%配合した複合材を用いて、燃料電池用セパレータを作製した。これを比較のための燃料電池用セパレータとした。
【0103】
試験例1(腐食性能促進試験)
上記で作製した実施例1〜3及び比較例1〜2のアルミニウム板を用いて、30×50mmの試験片を作製した。これらのアルミニウム板を60℃の5重量%硫酸水溶液中に浸漬した。
【0104】
3日後、5日後及び7日後における試験片の腐食状態及び表面状態を調べた。また、実施例1〜3の各アルミニウム板で作成した試験片については、樹脂膜中に含まれる重合体の官能基(カルボニル基)が流出しているがどうかを調べた。
【0105】
アルミニウム板の腐食状態の評価法:
各試験片を目視にて評価した。腐食の認められないものを良好として○印で示し,腐食の認められるものを不良として×印で示した。結果を表1に示す。
【0106】
アルミニウム板の表面状態の評価法:
各試験片を、ESCAにてアルミニウム板上の存在原子(Al、Cr、P等)のピーク面積から、アルミニウム及び樹脂膜の流出の有無を確認した。面積が減少したならば、溶けていると判断し、×とした。変化なき場合は変化なしとした。結果を表2に示す。
【0107】
樹脂膜に含まれる重合体官能基流出の評価法:
各試験片のIRスペクトルから、樹脂膜に含まれる重合体官能基(カルボニル基)の流出の有無を確認した。官能基のピーク面積が30%以上減少した場合は、官能基が溶けていると判断し、×とした。変化なき場合は変化なしとした。結果を表3に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
試験例2(電気抵抗の測定)
上記で作製した実施例1〜3及び比較例1〜4の各アルミニウム板の電気抵抗を評価するために、該アルミニウム板を電極基材として使用したカーボンペーパー(厚さ0.275mm、東レ(株)製、商品名:TGP−H−090)と接触させた時の電気抵抗(接触抵抗)を測定した。
【0112】
各アルミニウム板の試料面積を25cm2とし、該アルミニウム板の両面にカーボンペーパーを挟持して積層体を得た。これらの積層体に、プレス機により荷重をかけながら、直流4端子法により、接触抵抗(mΩ・cm2)を測定した。結果を図1に示す。
【0113】
使用例1
実施例1、実施例2又は実施例3で得られた燃料電池用セパレータを用いて固体高分子型燃料電池用スタックを作製した。具体的には、固体高分子電解質膜の両面にアノード電極及びカソード電極を配置した電極−電解質膜接合体(MEA)の50セルの間に、実施例1、実施例2又は実施例3で得られた燃料電池用セパレータとを挿入して積層し、絶縁体を介して、ステンレス製の単板と締結ロッドで20kgf/cm2の圧力で締結して、固体高分子型燃料電池用スタックを作製した。
【0114】
使用例2
実施例1、実施例2又は実施例3で得られた燃料電池用セパレータを用いて直接燃料形用のシングルセルを作製した。具体的には、固体高分子電解質膜の両面にアノード電極及びカソード電極を配置した電極−電解質膜接合体(MEA)の両面に、実施例1、実施例2又は実施例3で得られた燃料電池用セパレータを配置し、絶縁体を介して、ステンレス製の単板と締結ロッドで20kgf/cm2の圧力で締結して、シングルセルを作製した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜3及び比較例1〜4の各アルミニウム板の両面にカーボンペーパーを挟持して得られる積層体の荷重(kgf/cm2)と接触抵抗(mΩ・cm2)との関係を示すグラフである。
Claims (9)
- 固体高分子電解質膜の両面にアノード電極及びカソード電極を配置した燃料電池セルを隔離するセパレータであって、該セパレータが金属板からなり、該金属板の少なくとも片面にリン含有層が形成されているセパレータ。
- 金属板の一方面にリン含有層が形成されている請求項1に記載のセパレータ。
- 金属板の両面にリン含有層が形成されている請求項2に記載のセパレータ。
- リン含有層に含まれるリン化合物が無機リン化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のセパレータ。
- リン含有層が水溶性樹脂及びリン化合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のセパレータ。
- 水溶性樹脂がアクリル系樹脂、フェノール系樹脂及びウレタン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項5に記載のセパレータ。
- リン含有層が、アミノ化フェノール重合体(A)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含む樹脂膜である請求項1〜6のいずれかに記載のセパレータ。
- リン含有層が、アミノ化フェノール重合体(A)、アクリル系重合体(B)、リン化合物(C)及び金属化合物(D)を含む樹脂膜である請求項1〜6のいずれかに記載のセパレータ。
- 金属板がアルミニウム板又はアルミニウム合金板である請求項1〜8のいずれかに記載のセパレータ。
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