JP2004286976A - エレクトロクロミック材料を用いたカラーリライタブル表示装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレクトロクロミック材料を用いた反射型ディスプレイにて、充分満足できるカラー表示を実現する。また、エレクトロクロミック材料を使用して黒色、反射濃度の低い第二の色(例えば白色)、その他の第三の色の発現を鼎立させる。
【解決手段】電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料からなるカラーリライタブル表示装置
【選択図】 図1
【解決手段】電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料からなるカラーリライタブル表示装置
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の形成及び消去が可能で、繰り返し使用可能なカラーリライタブル表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶や有機ELとは異なる視認性に優れた表示装置を開発しようとして、種々の研究が盛んに行われている。その中には、エレクトロクロミック材料を使用したもの、マイクロカプセルを使用したもの等がある。
【0003】
エレクトロクロミック材料とは、電圧を印加すると可逆的に酸化または還元反応が起こり、可逆的に着色または消色する材料のことである。例えば非特許文献1には、無機系及びポリマーを含む有機系のエレクトロクロミック材料の例が記載されている。
さらに、特許文献1にはナノ構造を有する二酸化チタンフィルムとエレクトロクロミック材料を組み合わせた例が記載されている。さらにまた、特許文献2にはエレクトロクロミック材料と着色剤を含有した高分子固体電解質層からなる全固体型ディスプレイの例が記載されている。
【0004】
マイクロカプセル電気泳動型ディスプレイは、分散溶媒に分散させた酸化チタンの白色あるいは分散溶媒に溶解した染料の色あるいは分散溶媒に分散させた白色以外の色(例えば黒色)に着色した顔料の色のいずれか二つの色を組み合わせることにより、白色あるいは白色以外の色の表示を達成している。(特許文献3、4、5参照)
【0005】
他方、リライタブル表示装置でカラー表示することへの要求は高まる一方であり、エレクトロクロミック材料を用いたリライタブル表示装置でもカラー表示可能なことが望まれている。カラー表示の手段としては、既にCRTや液晶ディスプレイで培われた技術を利用して、カラーフィルターによるものが一般的である。
【被特許文献1】Advanced Materials、 Vol. 13、 p.783(2001年)
【特許文献1】特表2001−510590
【特許文献2】特開2002−258327
【特許文献3】特開2001−147451
【特許文献4】WO00/049593
【特許文献5】WO02/057843
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
エレクトロクロミック材料を用いた反射型ディスプレイの場合、カラーフィルターによる方法では、十分満足できるカラー表示を実現出来ていない。
また、マイクロカプセル電気泳動型ディスプレイでも、カラーフィルターによる方法では十分満足できるカラー表示を実現出来ていない。
さらには、単一のエレクトロクロミック材料のみでは、黒色、反射濃度の低い第二の色(例えば白色)、その他の第三の色の発現を鼎立させることは困難である。
また、エレクトロクロミック材料を使った素子の場合、黒色濃度が低いか、繰り返しの使用により黒色濃度の低下が生じるという問題点がある。
本発明は、十分満足できるカラー表示を実現可能な、カラーリライタブル表示装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料からなるカラーリライタブル表示装置に関する。
また本発明は、電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料により形成される工程を有するカラーリライタブル表示装置の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
エレクトロクロミック材料を用いたカラーリライタブル表示装置の形態を以下に説明する。
図1は、カラーリライタブル表示装置の電気泳動表示部の断面図である。本発明におけるカラーリライタブル表示装置は、二つの電極1、6とそれらに挟まれた電気泳動表示部をその構造として含む。電気泳動表示部は、隔壁2、マトリックス(含染料)3、顔料粒子4、隔壁5から構成される。なお、電気泳動表示部には、後述するイオン電解材料や溶媒等が適宜存在してもよい。
【0009】
エレクトロクロミック材料の例としては、プルシアンブルー、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化イリジウム、ビオロゲン、鉄バソフェナントロリン、ニッケルフェナントロリン、金属フタロシアニン、スチリル系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0010】
イオン電解材料の例としては、KCl、NaCl、LiCl、LiBr、LiI、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSCN、LiNO3、LiSCN、LiCF3SO3、NaBr、NaI、NaSCN、NaClO4、NaCF3SO3、NaAsF6、NaBF4、KI、KSCN、KClO4、KCF3SO3、NH4I、NH4SCN、NH4ClO4、NH4CF3SO3、MgCl2、MgBr2、MgI2、Mg(NO3)2、Mg(SCN)2、Mg(CF3SO3)2、Ca(Br)2、CaI2、Ca(SCN)2、Ca(ClO4)2、Ca(CF3SO3)2、Zn(Cl)2、ZnI2、Zn(SCN)2、Zn(ClO4)2、Zn(CF3SO3)2、Cu(Cl)2、CuI2、Cu(SCN)2、Cu(ClO4)2、Cu(CF3SO3)2 、(CH3)4NBF4、(C2H5)4NBF4、(n−C4H9)4NBF4、(C2H5)4NBr、(C2H5)4NClO4、(n−C4H9)4NClO4、硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン酸類、カルボン酸類、NaOH、KOH、LiOH等が挙げられる。これらのイオン電解材料は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0011】
マトリックス(含染料)に使用されるものは、導電率の低い高絶縁性の有機溶媒である。マトリックスの例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
【0012】
隔壁として使用されるものは、ナフィオン、過フルオロスルホン酸樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリエチレンオキシド(PEO)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、酢酸ビニル樹脂、キシレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレンオキサイド樹脂等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0013】
さらに隔壁を構成する樹脂に溶媒を加えることも可能である。エレクトロクロミック材料を使用した電気泳動表示装置に適した溶媒の例としては、水、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチルラクトン、テトラヘキサフラン、メタノール、エタノール、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール、γ−バレロラクトン、スルホラン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メチルピロリジノン、ジオキソラン、トリメチルホスフェイト等が挙げられる。
【0014】
エレクトロクロミック材料は、電圧を印可することにより酸化還元反応が生じて、光の吸収エネルギー状態が変化し、結果として色、光学的反射率が変化する。
電気泳動表示装置の原理は、着色した粒子が2枚の電極間を移動することにより、素子として色が変化する。例えば、白色粒子が視点から近い電極にある場合は、白色に見える。逆に黒色粒子が視点から近い電極にある場合は、黒色に見える。
【0015】
ここで、電気泳動表示装置を構成する顔料粒子、染料、隔壁にエレクトロクロミック材料を使用することにより、電気泳表示装置の原理による表示色に加えて、エレクトロクロミック材料による第3の色を表示することが可能となる。
【0016】
【実施例】次に、本発明のエレクトロクロミック材料を用いたカラーリライタブル表示装置について具体的な製造方法を説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0017】
(実施例1)
先ず、基板シート上に、透明導電膜として面積抵抗が約10Ω/cm2のITO膜を着膜して透明電極を作製した。このITO膜上にメチルビオロゲン0.05gと過塩素酸リチウム0.54gをポリビニルアルコール(PVA)樹脂分散液に溶解し、これをキャスト法により塗布した後、減圧乾燥して隔壁とした。さらに別のもう一枚のITO膜のついた透明ガラス電極上にはポリカーボネートをスピンコートして隔壁とした。スペーサとしてナイロンビーズ(商品名:SP−500、東レ(株)製)を介して上記2枚の透明基板を約100μmの間隔で隔壁を向かい合わせて貼りあわせ、エポキシ樹脂系接着剤(商品名:アラルダイト・ラピッド、チバガイギー社製)により充填口を残して周辺を接着した。
次にイソパラフィン系炭化水素(商品名:アイソパG、エクソン化学(株)製)100mlに黒色帯電粒子としてカーボンブラック1gを添加して十分に溶解混合させ、さらに白色帯電粒子として二酸化チタン微粒子20gを添加して十分に混合させた。この白黒微粒子分散液に支持電解質としてテトラn−ブチルアンモニウム過塩素酸2gを添加し、スポイトを用いてこれを充填口より注入した。最後にエポキシ樹脂系接着剤により充填口を封止することにより電気泳動表示部を作製した。
その後配線等を行い、カラーリライタブル表示装置を作製した。
【0018】
(比較例1)
実施例1のカラーリライタブル表示装置作製手順から、メチルビオロゲン及び過塩素酸リチウムを含んだ隔壁を形成する工程を除いた手順で、カラーリライタブル表示装置を作製した。
【0019】
以上の手順で作製されたカラーリライタブル表示装置の電極間に電圧を印可して発色させた。
実施例1の場合、電極6をカソードとして電極1と電極6の間に10Vの電圧を印加したところ、白色を表示した。次に電極6をアノードとして電極1と電極6の間に2Vの電圧を印加したところ、赤色表示へと変化した。さらに電極6をアノードとして電極1と電極6の間に10Vの電圧を印加したところ、黒色を表示した。
【0020】
一方、比較例1では電極6をカソードとして電極1と電極6の間に10Vの電圧を印加したところ、白色を表示した。次に電極6をアノードとして電極1と電極6の間に2Vの電圧を印加したところ、白色表示のまま、変化しなかった。さらに電極6をアノードとして電極6と電極1の間に10Vの電圧を印加したところ、黒色を表示した。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、印可する電圧に応じて黒色、反射濃度の低い第二の色(例えば白色)、その他の第三の色を表示することが可能なカラーリライタブル表示装置とその製造方法を得られる。
また、本発明により得られるカラーリライタブル表示装置は、消費電力が低いため省エネルギー性に優れ、紙に代わるリライタブルペーパーとして好適である。また、本発明により得られるカラーリライタブル表示装置は、第三の色を表示することが可能なので、カラーフィルターを使用する方法でも満足のいくカラー表示を得ることが可能である。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーリライタブル表示装置の電気泳動部の断面図。
【符号の説明】
1:電極(含基板)
2:隔壁
3:マトリックス(含染料)
4:顔料粒子
5:隔壁
6:電極(含基板)
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の形成及び消去が可能で、繰り返し使用可能なカラーリライタブル表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶や有機ELとは異なる視認性に優れた表示装置を開発しようとして、種々の研究が盛んに行われている。その中には、エレクトロクロミック材料を使用したもの、マイクロカプセルを使用したもの等がある。
【0003】
エレクトロクロミック材料とは、電圧を印加すると可逆的に酸化または還元反応が起こり、可逆的に着色または消色する材料のことである。例えば非特許文献1には、無機系及びポリマーを含む有機系のエレクトロクロミック材料の例が記載されている。
さらに、特許文献1にはナノ構造を有する二酸化チタンフィルムとエレクトロクロミック材料を組み合わせた例が記載されている。さらにまた、特許文献2にはエレクトロクロミック材料と着色剤を含有した高分子固体電解質層からなる全固体型ディスプレイの例が記載されている。
【0004】
マイクロカプセル電気泳動型ディスプレイは、分散溶媒に分散させた酸化チタンの白色あるいは分散溶媒に溶解した染料の色あるいは分散溶媒に分散させた白色以外の色(例えば黒色)に着色した顔料の色のいずれか二つの色を組み合わせることにより、白色あるいは白色以外の色の表示を達成している。(特許文献3、4、5参照)
【0005】
他方、リライタブル表示装置でカラー表示することへの要求は高まる一方であり、エレクトロクロミック材料を用いたリライタブル表示装置でもカラー表示可能なことが望まれている。カラー表示の手段としては、既にCRTや液晶ディスプレイで培われた技術を利用して、カラーフィルターによるものが一般的である。
【被特許文献1】Advanced Materials、 Vol. 13、 p.783(2001年)
【特許文献1】特表2001−510590
【特許文献2】特開2002−258327
【特許文献3】特開2001−147451
【特許文献4】WO00/049593
【特許文献5】WO02/057843
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
エレクトロクロミック材料を用いた反射型ディスプレイの場合、カラーフィルターによる方法では、十分満足できるカラー表示を実現出来ていない。
また、マイクロカプセル電気泳動型ディスプレイでも、カラーフィルターによる方法では十分満足できるカラー表示を実現出来ていない。
さらには、単一のエレクトロクロミック材料のみでは、黒色、反射濃度の低い第二の色(例えば白色)、その他の第三の色の発現を鼎立させることは困難である。
また、エレクトロクロミック材料を使った素子の場合、黒色濃度が低いか、繰り返しの使用により黒色濃度の低下が生じるという問題点がある。
本発明は、十分満足できるカラー表示を実現可能な、カラーリライタブル表示装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料からなるカラーリライタブル表示装置に関する。
また本発明は、電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料により形成される工程を有するカラーリライタブル表示装置の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
エレクトロクロミック材料を用いたカラーリライタブル表示装置の形態を以下に説明する。
図1は、カラーリライタブル表示装置の電気泳動表示部の断面図である。本発明におけるカラーリライタブル表示装置は、二つの電極1、6とそれらに挟まれた電気泳動表示部をその構造として含む。電気泳動表示部は、隔壁2、マトリックス(含染料)3、顔料粒子4、隔壁5から構成される。なお、電気泳動表示部には、後述するイオン電解材料や溶媒等が適宜存在してもよい。
【0009】
エレクトロクロミック材料の例としては、プルシアンブルー、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化イリジウム、ビオロゲン、鉄バソフェナントロリン、ニッケルフェナントロリン、金属フタロシアニン、スチリル系化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0010】
イオン電解材料の例としては、KCl、NaCl、LiCl、LiBr、LiI、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSCN、LiNO3、LiSCN、LiCF3SO3、NaBr、NaI、NaSCN、NaClO4、NaCF3SO3、NaAsF6、NaBF4、KI、KSCN、KClO4、KCF3SO3、NH4I、NH4SCN、NH4ClO4、NH4CF3SO3、MgCl2、MgBr2、MgI2、Mg(NO3)2、Mg(SCN)2、Mg(CF3SO3)2、Ca(Br)2、CaI2、Ca(SCN)2、Ca(ClO4)2、Ca(CF3SO3)2、Zn(Cl)2、ZnI2、Zn(SCN)2、Zn(ClO4)2、Zn(CF3SO3)2、Cu(Cl)2、CuI2、Cu(SCN)2、Cu(ClO4)2、Cu(CF3SO3)2 、(CH3)4NBF4、(C2H5)4NBF4、(n−C4H9)4NBF4、(C2H5)4NBr、(C2H5)4NClO4、(n−C4H9)4NClO4、硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン酸類、カルボン酸類、NaOH、KOH、LiOH等が挙げられる。これらのイオン電解材料は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0011】
マトリックス(含染料)に使用されるものは、導電率の低い高絶縁性の有機溶媒である。マトリックスの例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン系炭化水素などの芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
【0012】
隔壁として使用されるものは、ナフィオン、過フルオロスルホン酸樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリエチレンオキシド(PEO)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、酢酸ビニル樹脂、キシレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレンオキサイド樹脂等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0013】
さらに隔壁を構成する樹脂に溶媒を加えることも可能である。エレクトロクロミック材料を使用した電気泳動表示装置に適した溶媒の例としては、水、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチルラクトン、テトラヘキサフラン、メタノール、エタノール、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール、γ−バレロラクトン、スルホラン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メチルピロリジノン、ジオキソラン、トリメチルホスフェイト等が挙げられる。
【0014】
エレクトロクロミック材料は、電圧を印可することにより酸化還元反応が生じて、光の吸収エネルギー状態が変化し、結果として色、光学的反射率が変化する。
電気泳動表示装置の原理は、着色した粒子が2枚の電極間を移動することにより、素子として色が変化する。例えば、白色粒子が視点から近い電極にある場合は、白色に見える。逆に黒色粒子が視点から近い電極にある場合は、黒色に見える。
【0015】
ここで、電気泳動表示装置を構成する顔料粒子、染料、隔壁にエレクトロクロミック材料を使用することにより、電気泳表示装置の原理による表示色に加えて、エレクトロクロミック材料による第3の色を表示することが可能となる。
【0016】
【実施例】次に、本発明のエレクトロクロミック材料を用いたカラーリライタブル表示装置について具体的な製造方法を説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0017】
(実施例1)
先ず、基板シート上に、透明導電膜として面積抵抗が約10Ω/cm2のITO膜を着膜して透明電極を作製した。このITO膜上にメチルビオロゲン0.05gと過塩素酸リチウム0.54gをポリビニルアルコール(PVA)樹脂分散液に溶解し、これをキャスト法により塗布した後、減圧乾燥して隔壁とした。さらに別のもう一枚のITO膜のついた透明ガラス電極上にはポリカーボネートをスピンコートして隔壁とした。スペーサとしてナイロンビーズ(商品名:SP−500、東レ(株)製)を介して上記2枚の透明基板を約100μmの間隔で隔壁を向かい合わせて貼りあわせ、エポキシ樹脂系接着剤(商品名:アラルダイト・ラピッド、チバガイギー社製)により充填口を残して周辺を接着した。
次にイソパラフィン系炭化水素(商品名:アイソパG、エクソン化学(株)製)100mlに黒色帯電粒子としてカーボンブラック1gを添加して十分に溶解混合させ、さらに白色帯電粒子として二酸化チタン微粒子20gを添加して十分に混合させた。この白黒微粒子分散液に支持電解質としてテトラn−ブチルアンモニウム過塩素酸2gを添加し、スポイトを用いてこれを充填口より注入した。最後にエポキシ樹脂系接着剤により充填口を封止することにより電気泳動表示部を作製した。
その後配線等を行い、カラーリライタブル表示装置を作製した。
【0018】
(比較例1)
実施例1のカラーリライタブル表示装置作製手順から、メチルビオロゲン及び過塩素酸リチウムを含んだ隔壁を形成する工程を除いた手順で、カラーリライタブル表示装置を作製した。
【0019】
以上の手順で作製されたカラーリライタブル表示装置の電極間に電圧を印可して発色させた。
実施例1の場合、電極6をカソードとして電極1と電極6の間に10Vの電圧を印加したところ、白色を表示した。次に電極6をアノードとして電極1と電極6の間に2Vの電圧を印加したところ、赤色表示へと変化した。さらに電極6をアノードとして電極1と電極6の間に10Vの電圧を印加したところ、黒色を表示した。
【0020】
一方、比較例1では電極6をカソードとして電極1と電極6の間に10Vの電圧を印加したところ、白色を表示した。次に電極6をアノードとして電極1と電極6の間に2Vの電圧を印加したところ、白色表示のまま、変化しなかった。さらに電極6をアノードとして電極6と電極1の間に10Vの電圧を印加したところ、黒色を表示した。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、印可する電圧に応じて黒色、反射濃度の低い第二の色(例えば白色)、その他の第三の色を表示することが可能なカラーリライタブル表示装置とその製造方法を得られる。
また、本発明により得られるカラーリライタブル表示装置は、消費電力が低いため省エネルギー性に優れ、紙に代わるリライタブルペーパーとして好適である。また、本発明により得られるカラーリライタブル表示装置は、第三の色を表示することが可能なので、カラーフィルターを使用する方法でも満足のいくカラー表示を得ることが可能である。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーリライタブル表示装置の電気泳動部の断面図。
【符号の説明】
1:電極(含基板)
2:隔壁
3:マトリックス(含染料)
4:顔料粒子
5:隔壁
6:電極(含基板)
Claims (2)
- 電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料からなるカラーリライタブル表示装置。
- 電気泳動表示部を構成する顔料粒子、染料、隔壁の少なくともいずれか一つが、電圧を印可すると可逆的に着色または消色するエレクトロクロミック材料により形成される工程を有するカラーリライタブル表示装置の製造方法。
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JP (1) | JP2004286976A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007082369A1 (en) * | 2006-01-17 | 2007-07-26 | The University Of British Columbia | Brightness enhancement by fluid interface deformation in tir-modulated displays |
JP2008191245A (ja) * | 2007-02-01 | 2008-08-21 | Stanley Electric Co Ltd | 光学装置 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003077552A patent/JP2004286976A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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