JP2004286737A - p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体を検出するための免疫測定用試薬 - Google Patents

p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体を検出するための免疫測定用試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体を簡便かつ高感度で再現よく検出することができる免疫測定用試薬を提供すること。
【解決手段】p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物(R)に対する自己抗体を検出するための免疫測定用試薬であって、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とが結合されてなることを特徴とする免疫測定用試薬を用いる。また、この試薬と、抗ヒトイムノグロブリン抗体(酵素等の標識化合物で標識されていることが好ましい)とを含有してなる免疫測定用試薬キットを用いることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物(R)に対する自己抗体を検出するための免疫測定用試薬、これを含有する免疫測定用試薬キット及び産物(R)に対する自己抗体の免疫測定方法に関する。
p16遺伝子は、サイクリン依存性キナーゼインヒビター2A(cyclin-dependent kinase inhibitor 2A)[以下、p16遺伝子産物]をコードする癌抑制遺伝子である。そして、p15遺伝子、p18遺伝子及びp19遺伝子は、p16遺伝子と共通点が多くあり、p16遺伝子ファミリーとして知られている(非特許文献1)。種々のヒト癌において、これらのp16遺伝子ファミリーに高頻度に異常が起こることが知られている(非特許文献2及び3)。一方、肺癌患者においては、血中にp16遺伝子産物と反応する自己抗体が出現することがウエスタンブロット法で認められている(非特許文献4)。
ネイチャージェネティクス(Nature Genet.),8,15頁,1994年 ネイチャージェネティクス(Nature Genet.),8,27頁,1994年 キャンサーリサーチ(Cancer Res.),54,6353頁,1994年 インターナショナル ジャーナル オブ オンコロジー(Int.J.Oncology),14,681頁,1999年
p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体の存在が確認されていたウエスタンブロット法には、電気泳動又はブロッティング等の煩雑かつ長時間の操作が必要であるという問題があり、特に、多数の検体を測定する場合、臨床検査薬等への適応は困難である。さらに、ウエスタンブロット法は感度及び再現性等にも問題がある。すなわち、本発明の目的は、p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体を簡便かつ高感度に再現性よく検出することができる免疫測定用試薬を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、特定の蛋白質を含む試薬を用いることにより、産物(R)に対する自己抗体を簡便かつ高感度で再現性良く検出できることを見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明の免疫測定試薬の特徴は、p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物(R)に対する自己抗体を検出するための免疫測定用試薬であって、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とが結合されてなる点を要旨とする。
本発明のp16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体を検出するための免疫測定用試薬は、非特異的反応が少なく、感度及び特異性に極めて優れている。すなわち、自己抗体を保有しない健常人からの検体の測定値と自己抗体を保有する癌患者からの検体の測定値との差が充分に大きく(高感度)、また自己抗体を保有しない健常人の検体に対して非特異的反応が極めて少ないので高精度の測定ができる。また、簡便に測定することができるため、数多くの検体を短時間に容易に測定することができる。すなわち、本発明の免疫測定用試薬は、p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体を簡便かつ高感度で再現よく検出することができる。従って、本発明の測定試薬、測定試薬キット及び測定法を用いると、極めて迅速かつ正確な癌の診断ができる。
p16遺伝子からの発現産物であるp16遺伝子産物は、サイクリン依存性キナーゼインヒビター2A(cyclin-dependent kinase inhibitor 2A){配列番号(1)のアミノ酸配列からなるポリペプチド}である。p15遺伝子からの発現産物であるp15遺伝子産物は、サイクリン依存性キナーゼインヒビター2B(cyclin-dependent kinase inhibitor 2B){配列番号(2)のアミノ酸配列からなるポリペプチド}である。p18遺伝子からの発現産物であるp18遺伝子産物は、サイクリン依存性キナーゼインヒビター2C(cyclin-dependent kinase inhibitor 2C){配列番号(3)のアミノ酸配列からなるポリペプチド}である。p19遺伝子からの発現産物であるp19遺伝子産物は、サイクリン依存性キナーゼインヒビター2D(cyclin-dependent kinase inhibitor 2D){配列番号(4)のアミノ酸配列からなるポリペプチド}である。
配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質(P)としては、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質(P1)及び配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列に含まれる一部のアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質(P2)等が使用できる。これらのうち、調製の観点及び抗原性の観点等から、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質(P1)が好ましい。
蛋白質(P2)としては、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列をアミノ酸10〜130個(好ましくは30〜120個、さらに好ましくは50〜90個)となるように分割した断片(アミノ酸配列)を構成単位としてなる蛋白質等が含まれ、例えば、配列番号(5)〜(24)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列番号のアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質等が挙げられる。これらのうち、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列のN末端領域(アミノ酸配列)又はC末端領域(アミノ酸配列)を含むアミノ酸配列が好ましく、例えば配列番号(5)、(6)、(7)、(9)、(10)、(11)、(12)、(14)、(15)、(16)、(17)、(19)、(20)、(21)、(22)及び/又は(24)のアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質が好ましい。蛋白質(P2)が2種以上のアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質である場合、N末端領域のアミノ酸配列{たとえば、配列番号(5)、(7)、(10)、(12)、(15)、(17)、(20)及び/又は(22)}とC末端領域のアミノ酸配列{たとえば、配列番号(6)、(9)、(11)、(14)、(16)、(19)、(21)及び/又は(24)}とを含むアミノ酸配列が好ましく、例えば、(5)と(6)、(7)と(9)、(10)と(11)、(12)と(14)、(15)と(16)、(17)と(19)、(20)と(21)又は(22)と(24)を含むことが好ましい。これらのうち、(7)と(9)、(12)と(14)、(17)と(19)又は(22)と(24)を含むことがさらに好ましい。
蛋白質(P)が10〜100個(好ましくは20〜50個)のアミノ酸で構成されている場合、蛋白質(P)は、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸配列のみから構成されていてもよく、さらにN末端及び/又はC末端がビオチン、チオグリコール酸、及び/又はリンカーとして用いるアミノ酸(システイン、リジン、チロシン、グルタミン酸及びアスパラギン酸等)等で修飾されていてもよい。また、さらにN末端が無水酢酸又はN−アセチルイミダゾール等でアセチル化されていてもよく、C末端が水溶性カルボジイミド(例えば、1−エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩)又はイソオキサゾリウム(例えば、N−メチル−5−フェニルイソオキサゾリウムフルオロボレート)等でアミド化されていてもよい。また、これらの修飾は組み合わせて用いることもできる。N末端及び/又はC末端がアミノ酸で修飾されている場合、このアミノ酸の個数(個)は、N末端又はC末端当たり、1〜5が好ましく、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2である。N末端及び/又はC末端がビオチン及び/又はチオグリコール酸で修飾されている場合、ビオチン又はチオグリコール酸の個数(個)は、蛋白質(P)1分子当たり、1〜5が好ましく、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2である。これらのうち、ビオチン又はチオグリコール酸で修飾されていることが好ましく、蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とを結合する場合の簡便性等の観点から、さらに好ましくはN末端及び/又はC末端がビオチンで修飾されていることである。
蛋白質(P)が100個を越えるアミノ酸(好ましくは1000個以下、さらに好ましくは500個以下)で構成されている場合、蛋白質(P)は配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸配列{(P1)及び/又は(P2)}のみから構成されていてもよく、上述の修飾をされていてもよく、蛋白質発現用ベクターから発現した蛋白質を含んでいてもよい。蛋白質発現用ベクターから発現した蛋白質としては、グルタチオントランスフェラーゼ、ヒスチジンタグ(例えば、ヒスチジンが6個結合したペプチド)及びプロテインAのZZ領域部分の蛋白質等が挙げられる。これらのうち、蛋白質発現用ベクターから発現した蛋白質を含んでいることが好ましく、さらに好ましくはグルタチオントランスフェラーゼの蛋白質又はプロテインAのZZ領域部分の蛋白質を含んでいることである。
蛋白質(P)は、遺伝子組み換え等で作成した融合蛋白質であってもよく、例えば配列番号(1)〜(24)のいずれかのアミノ酸配列を構成単位としてなるポリペプチドを、GST(グルタチオン S−トランスフェラーゼ)と融合した蛋白質等が含まれる。蛋白質(P)が、100個を越えるアミノ酸で構成されている場合、調製等の観点から融合蛋白質が好ましい。
蛋白質(P)は、従来公知のペプチド合成法、又は遺伝子組み換え法等で作成できる。ペプチド合成法によるとアミノ酸の個数が20個を越えると蛋白質(P)の合成が極めて困難であるのに対して、遺伝子組み換え法であるとそれが容易であるため、調製の容易性等の観点から、遺伝子組み換え法が好ましい。
ペプチド合成法は、溶液中でも、あるいは固体支持体上でも達成できるが固相支持体を用いた固相合成法が好ましく、さらに好ましくは自動ペプチド合成機を用いた固相合成法である。ペプチド合成法は、一般に、t−ブチルオキシカルボニル(BOC基)又は9−フルオレニルメトキシ−カルボニル(Fmoc基)で保護された活性化アミノ酸を使用する。この他、具体的な合成操作、側鎖保護の種類、および切断法等は、例えば、ソリッド フェーズ ペプタイド シンセシス第2版、ピース ケミカル社、1984年(Stewart及びYoung,“Solid Phase Peptide Synthesis",第2版,Pierce Chemical Company,1984)、及びソリッド フェーズ ペプタイド シンセシス、アイ アール エル社、1989年(Atherton及びSheppard,“Solid Phase Peptide Synthesis",IRL Press,1989)に詳細に記述されている。
遺伝子組み換え法としては、ヒト細胞、例えばヒト血管内皮細胞又はヒト線維芽細胞等から抽出したmRNAから、目的とするアミノ酸配列に対応するプライマーを用いてcDNAを作製し、これをPCR法(ポリメラーゼチェーンリアクション法)によって増幅した後制限酵素で切断し、この断片をベクターに組み込み、得られた発現ベクターで大腸菌等の宿主を形質転換し、必要あれば誘導処理した後、宿主を培養し、菌体溶解物から目的とする融合蛋白質を抽出・精製する。このようにして、蛋白質(P)を含む融合蛋白質が作成できる(例えば、生化学実験法45「組み換えタンパク質生産法」,学会出版センター社,2001年)。以上の他に、p16遺伝子ファミリーの遺伝子産物のアミノ酸配列から目的のアミノ酸配列に該当する遺伝子をDNA合成機で合成した後、その遺伝子をベクターに組み込み発現させることにより、蛋白質(P)を作成できる。
本発明の免疫測定用試薬は、このような蛋白質(P)の少なくとも1種を含んでいればよいが、2種以上の蛋白質(P)を含んでいることが、自己抗体との反応性(特異性及び感度)がより高くなる点で好ましい。例えば、p16遺伝子産物に対応する配列番号(1)、(5)、(6)、(7)、(8)及び(9)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質と、p15遺伝子産物に対応する配列番号(2)、(10)、(11)、(12)、(13)及び(14)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸配列を構成単位とする蛋白質とを組み合わせることにより、p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物に対する自己抗体検出の特異性及び感度がより向上する。
本発明の免疫測定用試薬の好ましい蛋白質の組合せ例としては、例えば、次の組合せが例示できる。なお、カッコ内の数字は、配列番号に対応しており、その配列番号のアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質を表す。すなわち、(2)+(3)は、配列番号(2)のアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質と配列番号(3)のアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質との組合せを表す。
すなわち、(1)+(2)、(1)+(3)、(1)+(4)、(2)+(3)、(2)+(4)、(3)+(4)、(1)+(2)+(3)、(1)+(2)+(4)、(2)+(3)+(4)、(1)+(3)+(4)、(1)+(2)+(3)+(4)、(5)+(6)+(2)、(5)+(6)+(3)、(5)+(6)+(4)、(5)+(6)+(2)+(3)、(5)+(6)+(2)+(4)、(5)+(6)+(3)+(4)、(5)+(6)+(2)+(3)+(4)、(7)+(9)+(2)、(7)+(9)+(3)、(7)+(9)+(4)、(7)+(9)+(2)+(3)、(7)+(9)+(2)+(4)、(7)+(9)+(3)+(4)、(7)+(9)+(2)+(3)+(4)、(1)+(10)+(11)、(10)+(11)+(3)、(10)+(11)+(4)、(1)+(10)+(11)+(3)、(1)+(10)+(11)+(4)、(10)+(11)+(3)+(4)、(1)+(10)+(11)+(3)+(4)、(1)+(12)+(14)、(12)+(14)+(3)、(12)+(14)+(4)、(1)+(12)+(14)+(3)、(1)+(12)+(14)+(4)、(12)+(14)+(3)+(4)、(1)+(12)+(14)+(3)+(4)、(1)+(15)+(16)、(2)+(15)+(16)、(15)+(16)+(4)、(1)+(2)+(15)+(16)、(2)+(15)+(16)+(4)、(1)+(15)+(16)+(4)、(1)+(2)+(15)+(16)+(4)、(1)+(17)+(19)、(2)+(17)+(19)、(17)+(19)+(4)、(1)+(2)+(17)+(19)、(2)+(17)+(19)+(4)、(1)+(17)+(19)+(4)、(1)+(2)+(17)+(19)+(4)、(1)+(20)+(21)、(2)+(20)+(21)、(3)+(20)+(21)、(1)+(2)+(20)+(21)、(2)+(3)+(20)+(21)、(1)+(3)+(20)+(21)、(1)+(2)+(3)+(20)+(21)、(1)+(22)+(24)、(2)+(22)+(24)、(3)+(22)+(24)、(1)+(2)+(22)+(24)、(2)+(3)+(22)+(24)、(1)+(3)+(22)+(24)、(1)+(2)+(3)+(22)+(24)、(5)+(6)+(10)+(11)、(5)+(6)+(15)+(16)、(5)+(6)+(20)+(21)、(10)+(11)+(15)+(16)、(10)+(11)+(20)+(21)、(15)+(16)+(20)+(21)、(5)+(6)+(10)+(11)+(15)+(16)、(5)+(6)+(10)+(11)+(20)+(21)、(10)+(11)+(15)+(16)+(20)+(21)、(5)+(6)+(15)+(16)+(20)+(21)、(5)+(6)+(10)+(11)+(15)+(16)+(20)+(21)、(7)+(9)+(12)+(14)、(7)+(9)+(17)+(19)、(7)+(9)+(22)+(24)、(12)+(14)+(17)+(19)、(12)+(14)+(22)+(24)、(17)+(19)+(22)+(24)、(7)+(9)+(12)+(14)+(17)+(19)、(7)+(9)+(12)+(14)+(22)+(24)、(12)+(14)+(17)+(19)+(22)+(24)、(7)+(9)+(17)+(19)+(22)+(24)、(7)+(9)+(12)+(14)+(17)+(19)+(22)+(24)、(5)+(6)+(12)+(14)、(5)+(6)+(15)+(16)、(5)+(6)+(22)+(24)、(12)+(14)+(15)+(16)、(12)+(14)+(22)+(24)、(15)+(16)+(22)+(24)、(5)+(6)+(12)+(14)+(15)+(16)、(5)+(6)+(12)+(14)+(22)+(24)、(12)+(14)+(15)+(16)+(22)+(24)、(5)+(6)+(15)+(16)+(22)+(24)及び(5)+(6)+(12)+(14)+(15)+(16)+(22)+(24)等が挙げられる。
これらのうち、(1)+(2)+(3)+(4)、(7)+(9)+(2)+(3)+(4)、(1)+(2)+(17)+(19)+(4)、(1)+(2)+(3)+(22)+(24)、(5)+(6)+(10)+(11)+(15)+(16)+(20)+(21)、(7)+(9)+(12)+(14)+(17)+(19)+(22)+(24)及び(5)+(6)+(12)+(14)+(15)+(16)+(22)+(24)が好ましく、さらに好ましくは(5)+(6)+(10)+(11)+(15)+(16)+(20)+(21)、(7)+(9)+(12)+(14)+(17)+(19)+(22)+(24)及び(5)+(6)+(12)+(14)+(15)+(16)+(22)+(24)、特に好ましはく(7)+(9)+(12)+(14)+(17)+(19)+(22)+(24)である。
蛋白質(P)は、これ自体で免疫凝集法等の免疫測定用試薬として用いることができるが、本発明においては、蛋白質(P)が水不溶性担体(B)と結合したかたちで免疫用試薬に含まれる。なお、水不溶性担体の水不溶性とは、1〜50℃のいずれの温度においても、水に対する溶解度が0.01g/水100g以下であることを意味し、担体とは1〜50℃のいずれの温度においても固体(ゲルを含む)であってp16遺伝子産物と結合できる物質を意味する。水不溶性担体(B)としては、特開平2−205774号公報に記載の担体等が使用でき、無機物及び有機物等が使用でき、例えば、セルロース、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ニトロセルロース、セルロースアセテート、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、絹、フィブロイン、リグニン、ヘミセルロース、キチン、エボナイト、ゴム、ガラス、石英、シリコン及びセラミックス等が挙げられる。これらのうち、ポリスチレン、ガラス、石英及びシリコンが好ましく、さらに好ましくはポリスチレン及びガラス、特に好ましくはガラスである。
水不溶性担体(B)の形状は、使用する目的に合わせて自由に決定でき、真球状や円盤状のビーズ、板状や棒状のスティック、試験管、及び不織布やフィルターのストリップ(短冊状の細片)、微粒子等が挙げられる。これらのうち、ビーズ及び微粒子が好ましく、さらに好ましくは真球状のビーズである。
水不溶性担体(B)の大きさは、使用する目的に合わせて自由に決定できるが、通常は内径4〜10mm、深さ10〜20mm程度の円柱形反応容器(ビーカー等)に投入できる大きさである(水不溶性担体が試験管の場合を除く。)。真球状ビーズの場合、直径(mm)は1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜7である。円盤状ビーズの場合、直径(mm)は1〜10が好ましく、さらに好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜7であり、厚さは(mm)は0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜2、特に好ましくは0.3〜1である。スティックの場合、長さ(mm)は2〜10が好ましく、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜7である。また、スティックの断面積(mm2)は1〜25が好ましく、さらに好ましくは2〜16、特に好ましくは3〜9である。なお、断面積とは、長軸方向に対して垂直に切断した際の切断部分の断面積を意味する。試験管の場合、長さ(mm)は5〜100が好ましく、さらに好ましくは8〜80、特に好ましくは10〜20である。また、試験管の内径(mm)は、5〜20が好ましく、さらに好ましくは6〜16、特に好ましくは8〜12である。ストリップの場合、長さ(mm)は、5〜100が好ましく、さらに好ましくは10〜80、特に好ましくは10〜50である。また、ストリップの幅(mm)は、1〜20が好ましく、さらに好ましくは2〜16、特に好ましくは3〜10である。厚さは(mm)は0.1〜2が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5である。不織布やフィルターの平均孔径(μm)は、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.3〜5である。微粒子の場合、平均粒子径(μm)は0.01〜200が好ましく、さらに好ましくは0.1〜50、特に好ましくは0.2〜10である。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡法、光学顕微鏡による整列測定法等で測定できる。
蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とを結合する方法としては、化学的に結合する方法及び物理吸着により結合する方法等の従来公知の方法等で行うことができる。化学的に結合する方法としては、水不溶性担体(B)の表面に導入されたアミノ基及び/又はスルフヒドリル基等の官能基と、蛋白質(P)のアミノ基及び/又はスルフヒドリル基等の官能基とを結合剤(グルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロサクシンイミドエステル及びo−フェニレンビスマレイミド等)で架橋する方法(米国特許第4280992号明細書及び同第3652761号明細書等)等が挙げられる。物理吸着により結合する方法としては、水不溶性担体(B)がポリスチレンの場合、蛋白質(P)の0.001〜0.04%(W/V)炭酸緩衝水溶液(pH9.0)に水不溶性担体を適当時間浸漬する方法(バイオシム・バイオフィズ・アクタ、251巻、427頁、1971年)等が挙げられる。この方法は、担体がポリスチレン以外の物質、例えばポリプロピレン、シリコン、ガラス及びセルロース等にも適用できる。また、特異的結合物質(例えば、抗原−抗体、アビジン−ビオチン、レクチン−糖鎖、相補的遺伝子鎖等)を利用して間接的に、蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とを結合することもできる。例えば、蛋白質(P)をビオチンで修飾し、アビジンを結合した水不溶性担体と反応することにより、蛋白質(P)を水不溶性担体(B)に結合できる。アビジンとしては、卵白由来アビジン及びストレプトアビジン等が使用でき、ストレプトアビジンが好ましい。これら特異的結合物質のうち抗原−抗体、アビジン−ビオチン、レクチン−糖鎖については、[生化学実験法11「エンザイムイムノアッセイ」,東京化学同人社,1989年]に記載のもの、相補的な遺伝子としては特開平6−186232号公報に記載の相補的な遺伝子、例えばポリデオキシアデニル酸とポリチミジル酸の組み合わせ等が挙げられる。
これらのうち、蛋白質(P)のアミノ酸個数が20〜100個の場合、特異的結合物質を用いる方法が好ましく用いられ、特異的結合物質を用いる方法のうち、アビジン−ビオチン結合を利用した方法が特に好ましい。蛋白質(P)のアミノ酸個数が100を越える場合、化学的に結合する方法及び物理吸着による方法が好ましく、最も好ましくは化学的に結合する方法である。なお、アミノ酸個数20〜100個の蛋白質と、アミノ酸個数100個を越える蛋白質とを結合する場合、例えば、アビチンとアミノ酸個数100個を越える蛋白質を混合して、水不溶性担体(B)と結合させた後、ビオチンで修飾した蛋白質(アミノ酸個数20〜100個)と水不溶性担体(B)とを反応させる方法等が好ましい。
本発明の免疫測定用試薬は、適当な緩衝液に浸漬した状態でもよいが、蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とを結合した後、糖類及び/又は蛋白質でコーティングし乾燥した状態が好ましい。緩衝液としては、リン酸緩衝液及びグッド(Good)の緩衝液等が使用でき、蛋白、塩及び/又は界面活性剤等を含有していてもよい。蛋白としては、アルブミン(牛血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、マウス血清アルブミン、オバルブミン、コナルブミン及びラクトアルブミン等)、抗体(正常ウサギIgG及び正常マウスIgG等の蛋白質(P)との結合性がない抗体)及びゼラチン等が挙げられる。塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び臭化リチウム等が挙げられる。界面活性剤としては、ソルビタンラウリン酸モノエステルエチレンオキシド付加物(商品名:ツイーン20及びツイーン40、ICIアメリカ社)等のノニオン界面活性剤等が挙げられる。コーティング・乾燥方法としては、少なくとも糖類を含有する溶液中に浸漬したのち乾燥させる方法(特開平09−318628号公報及び特公平5−41946号公報)等が挙げられる。糖類としては、ニ糖類及び単糖類が好ましく、ニ糖類としては、麦芽糖、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ショ糖、ラクトース及びイソサッカロース等が挙げられ、単糖類としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース及びキシリトース等が挙げられる。これらのうち、ラクトース、ショ糖、グルコース及びフルクトースが好ましく、さらに好ましくはラクトース及びショ糖、特に好ましくはショ糖である。コーティングするとき、コーティング量(糖類などの含有量)、糖類などを含む溶液(コーティング液)の濃度、及び溶液の種類等は、公知の範囲でよく、例えば、特開平09−318628号公報及び特公平5−41946号公報等に記載されている。
本発明の免疫測定用試薬キットは、本発明の免疫測定用試薬と共に、抗ヒトイムノグロブリン抗体とを含有していることが好ましい。抗ヒトイムノグロブリン抗体は、従来公知の方法で作成されたものが使用でる。この抗体は、例えば、ヒトイムノグロブリンを適当な動物(例えば、マウス、ウサギ、ブタ、ヤギ、ウマ等)に免疫し、得られた抗血清を塩析、イオン交換カラムクロマトグラフィー等で精製することにより得られる。抗ヒトイムノグロブリン抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、また、(Fab’)2、Fab’等の抗体断片でもよい。なお、ヒトイムノグロブリンとは、IgG、IgA、IgM等の全てのイムノグロブリンを含むが、通常はIgG及びIgMであり、主にIgGである。
抗ヒトイムノグロブリン抗体は、標識されていなくでもよいが、感度、測定の簡便性等の点から標識化合物で標識されていることが好ましい。抗ヒトイムノグロブリン抗体が標識化合物で標識されていない場合、抗ヒトグロブリン抗体を認識する抗体(例えば抗ヒトイムノグロブリン抗体がマウスのIgGである場合、ウサギで作成した抗マウスIgG抗体)を標識した試薬等が用いられる。標識化合物としては従来公知のものが使用でき、ラジオアイソトープ、蛍光物質、発光物質及び酵素等が用いられる。アイソトープとしては、125I等が挙げられ、蛍光物質としてはユーロピウム錯体等が挙げられ、発光物質としてはN−メチルアクリジウムエステル等が挙げられ、酵素としては西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ及びβ−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。これらの標識化合物のうち、酵素が好ましく、さらに好ましくは西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ及びβ−ガラクトシダーゼ、特に好ましくは西洋ワサビペルオキシダーゼ及びアルカリホスファターゼである。
標識化合物を抗ヒトイムノグロブリン抗体に標識する方法は従来公知の方法等が適用でき、「続生化学実験講座5 免疫生化学実験法」(日本生化学会編、東京化学同人、1986年発行、102〜112頁に記載の方法等が用いられ、例えば、次の(1)〜(4)の方法等が適用できる。
(1)標識化合物がアイソトープの場合、クロラミンTを酸化剤として用いて放射性ヨウ素を抗ヒトイムノグロブリン抗体のチロシン残基に導入する方法。
(2)標識化合物が蛍光物質の場合、フルオレセインイソチオシアネートを緩衝液中で抗ヒトイムノグロブリン抗体に反応させ、抗ヒトイムノグロブリン抗体のリシン残基に結合させる方法。
(3)標識物質が発光物質の場合、商品名「アクリジニウム誘導体−I」(同人化学研究所社製)を緩衝液中で抗ヒトイムノグロブリン抗体に反応させ、抗ヒトイムノグロブリン抗体のアミノ基に結合させる方法。
(4)標識物質が酵素の場合、酵素の持つアミノ基と抗ヒトイムノグロブリン抗体の持つチオール基をN−スクシンイミジル−6−マレイドヘキサノエート等のニ架橋性試薬で結合する方法。
本発明の免疫測定用試薬キットには、本発明の免疫測定用試薬を含めば、試薬の剤型及び試薬キットの構成等に制限はない。すなわち本発明の試薬キットは、ラテックス凝集法及びラテックス比濁法等のホモジニアス免疫測定法にも、ヘテロジニアス免疫測定法にも適用できる。これらのうち、測定感度の点で、ヘテロジニアス免疫測定方法が好ましく、さらに好ましくは標識化合物を標識した抗ヒトイムノグロブリン抗体を含むヘテロジニアスなサンドイッチ免疫測定法(ビーズ法)である。すなわち、本発明の免疫測定用試薬と検体とを反応させると産物(R)に対する自己抗体のみが特異的に蛋白質(P)と結合する。そこで、抗ヒトイムノグロブン抗体を加えると、この抗体は自己抗体と結合し、免疫複合体「蛋白質(P)−自己抗体−抗ヒトイムノグロブリン抗体」を形成する。この免疫複合体中の抗ヒトイムノグロブリン抗体を定量することにより自己抗体量を定量できる。抗ヒトイムノグロブリン抗体が標識化合物で標識している場合、抗ヒトイムノグロブリン抗体量は標識化合物の量を測定することにより定量することができる。
標識化合物の測定は、標識化合物の種類により従来公知の方法等で実施できる。標識化合物が蛍光物質の場合、例えば適当な波長の励起光の照射によって生じる蛍光量を光電子増倍管により定量する。標識化合物が化学発光物質の場合、例えばアクリジニウムエステルではアルカリ溶液を加えることにより生じる発光量を光電子増倍管により定量する。
標識化合物が酵素の場合、適当な基質を反応させることにより酵素活性を吸光度(吸光度測定法)、蛍光量(蛍光量測定法)又は発光量(化学発光量測定法)として測定できる。例えば、酵素がペルオキシダーゼの場合、基質としては2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)二アンモニウム(ABTS)(吸光度測定法)及びルミノール/過酸化物(化学発光量測定法)等を選択できる。酵素がアルカリフォスファターゼの場合、基質としてはp−ニトロフェニルフォスフェート(吸光度測定法)、4−メチルウンベリフェリルリン酸(4−MUP)(蛍光量測定法)及び3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3’’ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン・二ナトリウム(AMPPD)(化学発光量測定法)等を選択できる。吸光度は分光光度計、蛍光量及び化学発光量は光電子増倍管により定量される。これらのうち、化学発光量測定法が好ましく(すなわち、本発明の試薬キットを用いて自己抗体を定量する方法としては化学発光酵素免疫測定法が好ましい。)、さらに好ましくはペルオキシダーゼとルミノール/過酸化物との組合せ又はアルカリフォスファターゼとAMPPDとの組み合わせによる化学発光量測定法である。
ルミノールとしては、ルミノール、イソルミノール、N−アミノヘキシル−N−エチルイソルミノール(AHEI)、N−アミノブチル−N−エチルイソルミノール(ABEI)及びこれらの金属塩等が含まれる。これらの金属塩としては、アルカリ金属(ナトリウム及びカリウム等)塩及びアルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)塩等が使用できる。これらのうち、ルミノール及びルミノールの金属塩が好ましく、さらに好ましくはルミノールの金属塩、特に好ましくはルミノールのナトリウム塩である。過酸化物としては、無機過酸化物及び有機過酸化物のいずれも使用できる。無機過酸化物としては、過酸化水素、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化酸、過酸化炭酸、過酸化二炭酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸カリウム、亜塩素酸、塩素酸、塩素酸ナトリウム、過塩素酸、過臭素酸、ペルオクソ硫酸及びペルオクソリン酸等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酢酸、過プロピオン酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリエチルアミンオキサイド、メチルジエチルアミンオキサイド及び過酸化フタロイル等が挙げられる。これらのうち、保存安定性等の観点から、無機過酸化物が好ましく、さらに好ましくは過酸化水素である。
本発明の免疫測定用試薬キットには、蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とが結合してなる試薬(本発明の免疫測定用試薬)に好ましくは抗ヒトイムノグロブリンを含む試薬を加えて、さらに免疫反応用緩衝液、B/F分離用緩衝液及びコントロール試料等を含むことができる。免疫反応用緩衝液及びB/F分離用緩衝液としては従来免疫測定に使用される緩衝液等が使用でき、蛋白、塩及び/又は界面活性剤等を含有するリン酸緩衝液及びグッド(Good)の緩衝液等が使用できる。蛋白、塩及び界面活性剤としては上記と同じもの等が挙げられる。
コントロール試料は、検体に産物(R)に対する自己抗体が存在するかを判断するための比較試料として用いるものであり、通常、自己抗体を含まない試料(陰性コントロール)及び自己抗体を含む試料(陽性コントロール)が用意される。陰性コントロールとしては、免疫反応用緩衝液と同様な蛋白等を含有した緩衝液、産物(R)に対する自己抗体を保有しないヒトプール血清等が使用できる。陽性コントロールとしては、p16遺伝子産物に対する自己抗体を保有するヒトプール血清、及び産物(R)に対する自己抗体を含む血清を添加した緩衝液(免疫反応用緩衝液と同様な蛋白等を含有)等が使用できる。
本発明の免疫測定用試薬キットで測定される検体は、ヒト由来の体液であれば特に限定されず、血液、尿、唾液、リンパ液、胆汁、胃液及び膵液等が挙げられ、さらに生体から採取された組織のホモジネート抽出液等も用いることができる。これらのうち、血液及び尿が好ましく、さらに好ましくは血液(全血、血清又は血漿等を含む)である。
本発明の試薬キットを用いた産物(R)に対する自己抗体を検出する方法(サンドイッチ測定法)の具体例(工程1〜6)を以下に示す。
工程1.検体と、蛋白質(P)及び水不溶性担体(B)が結合されてなる免疫測定用試薬(本発明の免疫測定用試薬)とを反応させて反応混合物(工程2の複合体1を含む)を得る。
工程2.工程1の反応混合物から未反応物を除き(B/F分離)、複合体1を得る。
工程3.工程2で得られた複合体1と、標識化合物で標識された抗ヒトイムノグロブリン抗体とを反応させて反応混合物(工程4の複合体2を含む)を得る。
工程4.工程3の反応混合物から未反応物を除き(B/F分離)、複合体2を得る。
工程5.複合体2の標識化合物の量を測定する。
工程6.標識化合物の量を用いて、基準値(陰性コントロール及び/又は陽性コントロール)と比較し、自己抗体の有無を判定する。
検体中の産物(R)に対する自己抗体の有無を判断する工程(上述の例では工程6)において、検体である血液に対する抗ヒトイムノグロブリン抗体量(抗ヒトイムノグロブリンに標識された標識化合物量として測定される)と、複数の健常人の血液での抗ヒトイムノグロブリン量(抗ヒトイムノグロブリンに標識された標識化合物量として測定される)から設定される基準値とを比較することにより自己抗体の有無を判定することが好ましい。基準値の設定方法は、例えば「臨床検査薬ガイド1999〜2000,p64〜71、文光堂(1999)」、「臨床検査データブック1997−1998、p8〜13,医学書院(1997)」に記載された方法で行うことができる。すなわち複数の健常人(少なくとも50人以上、好ましくは120人以上)を測定し、標識化合物量を求める(化学発光酵素免疫測定法の場合、発光量となる)。標識化合物量を統計処理{パラメトリック法、ノンパラメトリック法等[パラメトリック法は母集団が正規分布(べき乗変換しても可)を示す場合に使用し、ノンパラメトリック法は母集団が正規分布しない場合に使用される。]}し、標本群の95%を含む範囲を求める基準範囲とし、上限を上限基準値、下限を下限基準値と設定する。従って、上限基準値を越えた検体については自己抗体を有する可能性が高いが、5%の確率で健常人でも越える場合がある。これを防ぐため、通常は上限基準値にさらに係数を乗じ、及び/又は付加したカットオフ値を設定することが行われる。すなわちカットオフ値を超えた検体を自己抗体が有るものとして判定する。カットオフ値の設定は、上限基準値と産物(R)に対する自己抗体を有する検体の分布下限の値との関係で設定するが、通常は上限基準値の1.5〜3倍程度の値である。
上述の陰性コントロール及び陽性コントロールは、設定したカットオフ値を簡易に再現できるように調製したものである。例えば、陰性コントロールの測定値(標識化合物量)の3倍がカットオフ値となる、陰性コントロールと陽性コントロールの平均値がカットオフ値となる等、の設定が可能である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<作成例1>p16遺伝子産物(GST融合蛋白質)の作製
インターナショナル ジャーナル オブ オンコロジー(Int.J.Oncology),19,1035頁,2001年に記載の方法に準じて、GST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)との融合蛋白質を以下の通り作製した。
1.p16遺伝子の調製
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞{Human Umbilical Vein Endothelial Cell(フナコシ社より購入)}からRNAを抽出した。抽出は、AGPC(Acetate buffer,Guanidinium thiocyanate,phenol,chloroform)法を用いて、次のようにして行った。
(AGPC法試薬の調製)
(1)1M クエン酸ナトリウム(pH7.0)の調製
クエン酸三ナトリウムの29.4gを蒸留水80mlに溶解した後、クエン酸を加えて、pH7.0にあわせた後、25℃で蒸留水を加えて100mlとした。そして、オートクレーブ滅菌(120℃、20分)してから使用した。
(2)D液の調製
GTC(グアニジウムチオシアネート)236.3g(4M)、ザルコシル (L-Lauroylsarcosine)2.5g(0.8重量%)、1M クエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0) 12.5ml(25mM)及び蒸留水250mlを85℃で均一溶解した後、室温(25℃)に戻し、蒸留水で496mlにあわせた。細孔径0.45μmボトルトップフィルターで濾過して保存した。使用時にこの保存溶液50mlに対して2−メルカプトエタノール360μl(0.1M)を加え、D液とした。
(3)2M 酢酸ナトリウム(pH4.0)の調製
酢酸ナトリウム・トリハイドレート27.2gを蒸留水10mlに溶解させた後、酢酸を用いてpH4.0にあわせ、25℃で蒸留水を加えて100mlとした。細孔径0.45μmボトルトップフィルターで濾過して使用した。
(AGPC法の操作)
(1)チューブにD液0.5mlを加え、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞を分散し、細胞を破壊した。
(2)さらに、2M 酢酸ナトリウム50μl、フェノール0.5ml及びクロロホルム/イソアミルアルコール(体積比49/l)100μlを順次加え、1種類いれるごとに、チューブを2〜3回振り、混ぜた。
(3)10秒間激しく混ぜた後、15分間氷冷した。
(4)遠心加速度10,000Gで10℃、20分間遠心した後、下部に分離した水層を、DNAを含む中間層が混入しないように、別のチューブに分取した。
(5)分取した水層に、イソプロパノール0.5mlを加え、−20℃で1時間冷やした。次に、10分間遠心(10,000G、0℃)し、RNAを沈殿させた。
(6)沈殿したRNAを0.5mlのD液に再び溶解し、イソプロパノール0.5mlを加え、−20℃で1時間置いた。
(7)遠心してRNAを沈殿させ、沈殿を80重量%エタノール水溶液1mLで洗い、乾燥させた後、水に溶解した。
このようにして抽出したRNAから、商品名「レディ−トゥ−ゴウ RT−PCR ビーズ」(Ready-To-Go RT-PCR Beads,アマシャム社)を使用して、cDNAの合成及び増幅を行った。すなわち、レディ−トゥ−ゴウ RT−PCR ビーズにRNA及び表1の作成例1記載のアミノ酸配列に対応した3’プライマー溶液を加え、42℃、1時間反応した後、95℃、5分間加温処理し、cDNAを合成した。引き続き、cDNAを含む反応液に5’プライマーを加え、PCR(ポリメラーゼチェーンリアクション)をデナチュレイション反応(95℃、1分)、アニーリング反応(60℃、1分)、伸長反応(72℃、1分)の条件でPCR用サーマルサイクラー(MP PCR サーマルサイクラー、宝酒造製)を用いて30サイクルで行い、増幅されたcDNAを得た。
2.組み換え遺伝子の作成及び発現
得られたcDNAを発現用ベクターpGEX−4T−3(アマシャム社より購入)のBamHI/EcoRI部位にモレキュラークローニング,ア ラボラトリー マニュアル第2版(Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd ed),1989年記載の方法で組み込んだ。シークエンス法にてcDNAの挿入方向が正しく組み込まれていることを確認した後、大腸菌BL21(DE3),LysS(Novagen社)にトランスフォーム後、0.1mMのイソプロピルチオベータガラクトシド(IPTG)を含む培地にて37℃、2時間誘導をかけた。超音波破砕により調製した大腸菌の細胞ライゼイトより目的の融合蛋白質をグルタチオン結合アフィニティーゲル(商品名:グルタチオンセファロース4B、アマシャム社製)を用いたアフィニティークロマトグラフィー法にて精製(溶出液:10mMの還元型グルタチオンを含む0.02Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/塩酸緩衝液)し、GST融合蛋白質GST1{配列番号(1)のアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質}を調製した。
<作成例2〜12>
表1に示した3’プライマー及び5’プライマーを使用した以外は作成例1と同様にして、GST融合蛋白質(GST2〜12)を調製した。
<実施例1>
1.GST1結合ビーズの作成
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有アセトン溶液20mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に直径3.2mmのガラスビーズ(イムノケミカル社製)1000個を加え、1時間、25℃で反応させ、反応残液をアスピレーターで吸引除去した。
次いで脱イオン水20mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌したのち、液をアスピレーターで吸引除去してガラスビーズを洗浄した。この洗浄操作を3回行った。
次いで、この洗浄後のガラスビーズ1000個を2重量%グルタルアルデヒド含有水溶液20mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、1時間、25℃で反応させ、反応残液をアスピレーターで吸引除去した。そして、脱イオン水20mLを加えて蓋をし、ポリスチレン瓶をゆっくりと2回倒置攪拌したのち、液をアスピレーターで吸引除去してガラスビーズを洗浄した。この洗浄操作を3回行った。
さらにこの洗浄後のガラスビーズ1000個をGST1を20μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)20mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、1時間、25℃で反応させた。
反応後、GST1含有リン酸緩衝液を除去し、20mLの0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.2)に4℃、8時間浸漬した。その後、緩衝水溶液をアスピレーターで吸引除去し、20mLの0.1重量%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.2)でビーズを2回洗浄した。その後、10重量%のショ糖を含むリン酸緩衝液(pH7.2)に30分間浸漬した後、リン酸緩衝液をアスピレーターで除き、ビーズをろ紙上に撒き室温(約25℃)で風乾し、GST融合蛋白質結合ビーズ1(本発明の免疫測定用試薬1)を調整し、乾燥剤(シリカゲル)を入れた密閉容器中で冷蔵(2〜10℃)保存した。
2.免疫反応用緩衝液の作成
0.02Mのリン酸緩衝液(pH8.0)に、カゼインを3g/L及び塩化ナトリウムを8.5g/Lの濃度になるように添加し、免疫反応用緩衝液を作成した。使用時まで冷蔵(2〜10℃)保存した。
3.ペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリン抗体の作成
抗ヒトイムノグロブリンポリクローナル抗体(ダコジャパン(株)製)及び西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ(東洋紡(株)製)を用い、文献[エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;ジェイ.バイオケム,Vol.92(1982年)1413−1424頁]に記載の方法でペルオキシダーゼ標識抗β2−マイクログロブリンポリクローナル抗体[1mg/mLの蛋白質濃度である0.02Mのリン酸緩衝液(pH6.0)の溶液]を調製し、冷凍(−30℃)保存した。
4.酵素標識抗体液の作成
上記で作成した免疫反応緩衝液及びペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリン抗体を用いて次の通り酵素標識抗体液を作成した。すなわち、免疫反応用緩衝液100mLにペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリン抗体を蛋白量で100μg添加し、攪拌混合し、これを酵素標識抗体液とした。
5.過酸化水素液の調製
200μlの35重量%過酸化水素水を脱イオン水1リットルに溶解し、過酸化水素水とした。使用するまで冷蔵(2〜10℃)保存した。
6.基質液の調製
ルミノール(東京化成製)0.18g及び4−(シアノメチルチオ)フェノール0.1g(三新化学製)を0.1M(モル/L)、pH8.5のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/塩酸緩衝液1リットルに溶解した。使用するまで遮光、冷蔵(2〜10℃)保存した。
<実施例2〜10>
1.GST融合蛋白質結合ビーズの作成
GST1に換えて、表2に示したGST融合蛋白質を用いた以外実施例1と同様にして、GST融合蛋白質結合ビーズ2〜10(本発明の測定用試薬2〜10)を調整し、乾燥剤(シリカゲル)を入れた密閉容器中で冷蔵(2〜10℃)保存した。
なお、複数のGST融合蛋白質を組み合わせて使用する場合(実施例5〜10)、各GST融合蛋白質の量は同じとし、総量が20μg/mLになるようにした。また、免疫反応用緩衝液、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリン抗体、酵素標識抗体液、過酸化水素液及び基質液は、実施例1で作成したものを用いた。
<実施例11>
健常人プール血清及び癌患者血清を測定した例である。
1.検体
健常人ボランティア50名から採取した血清を各0.2mLずつ混合し、健常人プール血清10mLを作成し検体1とした。又、癌患者から得た血清(患者1〜3)を各10mLを用意し検体2〜4として用いた。
2.免疫反応操作
12×75mm試験管中に、免疫測定用緩衝液300μL、検体1(健常人プール血清)10μL、及びGST融合蛋白質結合ビーズ1個を加え、37℃で、10分間反応させた。反応残液をアスピレータで除去した後、生理食塩水2mLを加てビーズを洗浄し、洗浄液をアスピレーターで除去した。さらに生理食塩水2mLを加え同様に洗浄した。次に、酵素標識抗体液300μLを、洗浄後のビーズに加え37℃、10分反応させた。反応液をアスピレーターで除去し、生理食塩水2mLを加えビーズを洗浄し、洗浄液をアスピレーターで除去した。さらに生理食塩水2mLを加え同様に2回洗浄した。洗浄後のビーズについて、次のようにして酵素活性の測定を行った。また、検体2〜4についても同様にして酵素活性の測定を行った。
3.酵素活性測定操作
洗浄後のビーズが入った試験管(12×75mm)をアロカ社製ルミネッセンスリーダーBLR−201型のサンプルホルダーにセットし、基質液200μL及び過酸化水素水200μLを加え化学発光反応を開始した。発光反応開始40秒後から10秒間の発光量を積算計測し、これを酵素活性を示す発光量とした。
4.測定結果
発光量の測定結果を表2に示した。なお、表2中の数値は、上段が発光量を示し、下段は健常人プール血清の発光量を1.0としたときの各発光量の相対値(S/N比))である。
癌遺伝子産物のアミノ酸配列全体を用いた場合より、N末端及びC末端を含む配列を組み合わせて用いた方が、感度(S/N比)が高いことが判った(例えば、実施例1と実施例5の比較、実施例9と実施例10の比較等)。また、単独の癌抑制遺伝子に対応するGST融合蛋白質を用いた場合(実施例1〜8)、癌患者でも測定発光量が健常人プール血清と同じ場合があるが、複数の癌抑制遺伝子に対応するGST融合蛋白質を組み合わせて用いた場合(実施例9及び10)、測定発光量が全ての患者血清で高くなった。従って、患者者血清では個別のGST融合蛋白質に対して反応性が低い場合があっても、複数の癌抑制遺伝子に対応するGST融合蛋白質を組み合わせることにより特異性が向上することが判る。
<比較例1>
本比較例は従来技術による方法で測定を行った例である。
1.GST融合蛋白質のブロッティング
作成例1〜4で作成したGST1〜GST4の各1μgをファルマシア社製「ファストシステム(PhastSystem)」を用いてSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動及びニトロセルロースフィルターへのブロッティングを行った。電気泳動は、ゲルとしてファルマシア社製「ファストゲルホモジニアス(PhstGel Homogeneous)12.5」、泳動バッファーとしてファルマシア社製「ファストゲルスディエスバッファーストリップ(PhstGel SDS Buffer Strips)」を用い、温度15℃、電圧250V、泳動2時間で行った。泳動したゲルからGST蛋白質をファルマシア社製「ファストトランスファー(PhstTransfer)セミドライブロッティング」を用いてニトロセルロースメンブレン(ミリポア社製)にブロッティングした。ブロッティングバッファーは、192mMグリシン及び10容量%メタノールを含む25mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.3)を用いた。ブロッティングは、温度15℃、電圧20V、泳動30分で行った。
2.検体中の自己抗体の検出
このメンブレンを5重量%脱脂粉乳含有0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)に室温(25℃)で8時間浸した。メンブレンを取り出し、検体1(健常人プール血清)を5重量%脱脂粉乳含有0.02Mリン酸緩衝液(pH7.0)で400倍に希釈した溶液に浸漬し、25℃、3時間反応させた。次いでフィルターを取り出し、0.1重量%Tween20含有0.02Mリン酸緩衝液(7.0)に25℃、1時間振とうしながら放置した後、液をアスピレーターで除くことによりフィルターを洗浄した。この洗浄を3回実施した。洗浄したフィルターを実施例1で作成した酵素標識抗体液に浸漬し、25℃、1時間反応した。上述の洗浄を同様に6回行った。洗浄したフィルターを50mgの3,3’−ジアミノベンジジンを含む100mLの0.05Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/塩酸緩衝液(pH7.6)に浸漬し、25℃、10分反応した。上述の洗浄を5回(ただし放置時間は10分)行った後、フィルターを25℃で風乾した後、生じた発色バンドを目視で確認した。また、検体2〜4(癌患者1〜3の血清)についても同様にして、発色バンドを目視確認した。
3.評価
健常人ブール血清の場合のバンド(ほとんど生じないか、極弱い)と比較して、健常人ブール血清と同じ程度の場合を−、僅かに強い場合を±、強い場合を+で表した結果を表3に示した。実施例8で明らかにS/N差がある場合でも、比較例1では−あるいは±判定となる場合があった。また、比較例1の判定は目視による主観的な判断であり、判定者によって結果が異なる恐れがあるほど微妙なものであった。一方、本発明の方法は、実施例11で示したように数値として明確に測定できるため、こういった問題は無い。
<実施例12>
複数の健常人血清を測定して基準値を求め、カットオフ値を設定し、癌患者10名からの血清を測定し、産物(R)に対する自己抗体の有無を判断した例である。
1.検体の測定
実施例10で調製したGST融合蛋白質(GST5,GST6,GST7,GST8,GST9,GST10,GST11及びGST12)結合ビーズ10を用いて、実施例11の方法と同様にして、健常人ボランティア120名からの血清検体及び実施例11の検体1(健常人プール血清)を測定した。
健常人ボランティア120名の測定値(発光量)の分布を図1に示した。なお、図の横軸は発光量(cps)であり、点は検体の分布(1点が1検体に対応)を示す。
2.カットオフ値の設定
健常人ボランティア120名からの血清検体及び検体1の測定値(発光量)を統計処理ソフト「STATFLEX v.4.1」(アーテック社製)を用いて分布型を解析した結果、発光量分布は、歪度0.72、尖度5.23であった。なお、この分布は正規分布していなかった。ノンパラメトリック法で95%の信頼区間を求めたところ、基準値は、発光量3013〜6855であった。ここで上限発光量の1.5倍の発光量をカットオフ値と設定すると、発光量10283であった。この時、検体1(健常人プール血清)の発光量は4738であり、カットオフ値の1/2.17であった。従って、検体1(健常人プール血清)を、陰性コントロールとして測定した場合、カットオフ値=「健常人プール血清測定発光量」×2.17と設定された。
3.検体の測定
癌患者10名(患者4〜13)から採取した血清検体5〜14及び陰性コントロールとして実施例8で作成した検体1(健常人プール血清)を測定した。測定は、実施例10のGST融合蛋白質結合ビーズ10を用いて実施例11と同様にして行った。
4.判定結果
検体1(健常人プール血清)を陰性コントロールとし、上記2で設定した係数でカットオフ値(「健常人プール血清測定発光量」×係数)を求めた。発光量がカットオフ値以上(カットオフ比1.0以上)の測定値を自己抗体陽性、一方、発光量がカットオフ値未満(カットオフ比1.0未満)の測定値を自己抗体陰性と判断した。これらの結果を表4に示した。
表4から、癌患者では高頻度(10人中6人)で産物(R)に対する自己抗体が陽性と判定された。本発明の方法が、癌の診断に有用である可能性が示された。
<作成例13〜20>
表5に示した3’プライマー及び5’プライマーを使用した以外は作成例1と同様にして、GST融合蛋白質(GST13〜20)を調製した。
<実施例13〜25>
1.p16遺伝子産物(GST融合蛋白質)結合ビーズの作成
GST1に換えて、表6に示したGST融合蛋白質を用いた以外実施例1と同様にして、GST融合蛋白質結合ビーズ13〜25(本発明の測定用試薬13〜25)を調整し、乾燥剤(シリカゲル)を入れた密閉容器中で冷蔵(2〜10℃)保存した。
なお、複数のGST融合蛋白質を組み合わせて使用する場合(実施例21〜25)、各GST融合蛋白質の量は同じとし、総量が20μg/mLになるようにした。また、免疫反応用緩衝液、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリン抗体、酵素標識抗体液、過酸化水素液及び基質液は、実施例1で作成したものを用いた。
<実施例26>
実施例11と同様にして、検体を測定し表6に示した(表6中の数値は、上段が発光量を示し、下段は健常人プール血清の発光量を1.0としたときの各発光量の相対値である。)
癌患者では、測定発光量が健常人プール血清の発光量より高く、発光量比(表中下段の数値で、各測定発光量を健常人プール血清の測定発光量で除した値)が大きいことが判る。又、患者血清では個別のGST融合蛋白質に対して反応性が低い場合があっても、複数のGST融合蛋白質を組み合わせることにより感度が向上することが判る。
GST融合蛋白質結合ビーズ(本発明の免疫測定用試薬7)を用いて、健常人ボランティア120名の血清について測定した発光量の分布を示したグラフである(実施例9)。

Claims (7)

  1. p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物(R)に対する自己抗体を検出するための免疫測定用試薬であって、配列番号(1)〜(4)のいずれかのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸配列を構成単位としてなる蛋白質(P)と水不溶性担体(B)とが結合されてなることを特徴とする免疫測定用試薬。
  2. 請求項1に記載の試薬と、抗ヒトイムノグロブリン抗体とを含有してなる免疫測定用試薬キット。
  3. 抗ヒトイムノグロブリン抗体が標識化合物で標識されてなる請求項2記載の試薬キット。
  4. 標識化合物が酵素である請求項3記載の試薬キット。
  5. p16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物(R)に対する自己抗体を検出する免疫測定方法であって、請求項3又は4に記載の試薬キットをサンドイッチ法に適用し、産物(R)に対する自己抗体の有無を標識化合物の定量により判断する工程を含む免疫測定方法。
  6. 化学発光酵素免疫測定法による請求項5記載の免疫測定方法。
  7. 検体中のp16遺伝子ファミリーに含まれる癌抑制遺伝子の産物(R)に対する自己抗体の有無の判断工程において、検体として血液を用い、この検体に対する抗ヒトイムノグロブリン量と、複数の健常人の血液に対する抗ヒトイムノグロブリン量から設定される基準値とを比較することを含む請求項5又は6に記載の免疫測定方法。
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