JP2004286626A - Gps測位解析における仮想現実空間とドップラー効果 - Google Patents

Gps測位解析における仮想現実空間とドップラー効果 Download PDF

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JP2004286626A JP2003079818A JP2003079818A JP2004286626A JP 2004286626 A JP2004286626 A JP 2004286626A JP 2003079818 A JP2003079818 A JP 2003079818A JP 2003079818 A JP2003079818 A JP 2003079818A JP 2004286626 A JP2004286626 A JP 2004286626A
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Abstract

【課題】これからその位置を測定しようとする観測点と基準観測点との間の距離即ち基線長が数kmと短い場合は問題がないが、基線長が数km以上と長くなるとその長さに比例して測位誤差が大きくなるという問題があった。
【解決手段】観測点における受信マイクロ波のドップラー効果による周波数変化を考慮し、そして仮想現実空間理論の適用により測位の精度に大きな影響を与える伝搬遅延を無くし、更に従来の技術に在った論理的間違いを正して、これからその位置を測定しようとする観測点と基準観測点との間の距離即ち基線長をその長さの如何に拘わらず、測位精度を常に1cm以内に保持することに成功した。
【選択図】 図24

Description

【発明が解決しょうとする課題】
測定時間間隔1msから100ms毎に、静止物体、高速移動体の如何を問わず、測位精度1cm以内の位置認識を行う。
【従来の技術】
現在の測量用のGPS受信機は、基準観測点とこれからその位置を測定しようとする点との間の基線長が数km以内は問題がないが,それ以上になると測定誤差が大きくなり測量機器としては使用出来ない。特に、地殻変動の様に基線長が数十kmから数百kmとなる領域で最近他の測定系との衝突を頻繁に繰り返している。又、ITS分野におけるカーナビではその測位精度が30m前後であり、他のセンサを併用しても自動運転等の高度利用には不向きである。
【産業上の利用分野及び発明の効果】
1 船舶、自動車、列車及び航空機の運行管理
2 測地測量への応用
3 大規模土木工事への応用
4 構造物の変形・移動の監視への応用
5 科学観測(地震・火山噴火予知、プレートテクニクスの移動)への応用
本技術の開発により、静止物体と移動物体の位置認識が、広範囲に、早くそして高精度で行える。
【問題を解決する手段・作用】
【0001】
時刻tの時点Pに位置する衛星から放射されたマイクロ波は、点Pと観測点Aとの間の距離をXとすれば、時刻t+X/uの時観測点Aに到達します。この到達時刻をtとすれば、
=t−X/u
が成立します。
又、時刻tの時点Pに位置する衛星から放射されたマイクロ波は、点Pと観測点Aとの間の距離をXとすれば、時刻t+X/uの時観測点Aに到達します。この到達時刻をtとすれば、
=t−X/u
が成立します。従って、時刻tからtの間に観測点Aで受信する波数は、
(t−t)f=((t−t)+X/u−X/u)f
で表すことができます。但し、uは真空中の光の速度そしてfは搬送波の周波数を表します。
そこで、時刻tからtの間に観測点Aで受信する波数を正しく測定できなかったとします。そうすると、Xの表す距離を正確に求めることができた場合、Xから求めた観測点Aの位置は正しい位置を表します。併しながら、Xは正しい距離を表していませんから、Xから求めた観測点の位置を点A′とすると、点A′は正しい位置を表していません。一般に、この様にして求めた点A及びA′のいずれが正しいか判定することは大変難しくなります。むしろ、点A及びA′のいずれも正しくない場合の確立が高くなります。
故に、観測点Aの位置を正しく求めるには、衛星の位置の確定が容易であり、しかも時刻tからtの間に観測点Aで受信する波数を正しく求めることができる必要があることが判ります。
実際の位置にある衛星は、その位置とこれからその位置を測定しようとする観測点との間の波数即ち径路長を容易に確定することが出来ますが、その位置を確定するのは容易ではありません。
精密暦で表される位置にある衛星は、その位置情報の取得には20日以上の日時を要し、それを利用するには不便です。
ところが、放送暦で表される位置にある衛星は、その位置の確定は容易ですが、その位置とこれから測位する観測点との間の距離は不明です。しかし、何等かの方法によりこの距離即ち波数を確定できるなら、測位計算は格段に容易となり、又格別に精度の高い測位が可能となります。
そこで、位置の確定している観測点で、ある時間内に受信するマイクロ波の波数を、実際の位置にある衛星、精密暦で表される位置にある衛星及び放送暦で表される位置にある衛星の各場合について、Geonetデータにより調べました。
【0002】
その前に、各衛星からの受信波数をどの様にして求めたかを説明します。この説
明に先立って、各衛星の速度について検討しました。
【図1・1】を参照ください。
精密暦で表される位置にある衛星と放送暦で表される位置にある衛星の各速度はGeonetデータにより、km単位で小数点4桁即ち10cmオーダまで一致し、900秒間における距離変化は小数点3桁即ちmオーダまで一致していることが分ります。そこで、実際の位置にある衛星の速度は正確には判りませんが、精密暦で表される位置にある衛星と放送暦で表される位置にある衛星の各速度の間にあると考えます。
いま、時刻t及びtの時の実際の位置にある衛星と観測点Mとの間の径路長を直線状に引き伸ばした端点をそれぞれ実際の位置にある衛星R及びRとします。時刻tの時の精密暦で表される位置にある衛星Aと観測点Mとの間の径路長を、時刻tの時の実際の位置にある衛星Rと観測点Mとの間の径路長に重ね合わせたとしても、精密暦で表される位置にある衛星の速度と実際の位置にある衛星の速度は必ずしも一致するとは限りませんから、時刻tの時の精密暦で表される位置にある衛星Aと観測点Mとの間の径路は、時刻tのときの実際の位置にある衛星Rと観測点Mとの間の径路に重なるとは限りません。
いま、径路MR上に点A′を
MA′=MA
となる様にとると、A′はMAと比較して無視出来るほど小さく、従って
∠AMA′≒0
となり、
∠AM=∠A′M
となり、MA=MA′から、点Aと点A′はほぼ一致します。
しかも、各衛星間の距離は衛星と観測点との間の距離に比較して無視できる程小さく、従って各衛星の時刻tからtの間の速度は同じであると考えることが出来ます。
【0003】
(1) 精密暦で表される位置にある衛星の場合。
【図2】を参照しながら説明しますと、時刻t及びtの時の精密暦で表される位置にある衛星の位置座標をそれぞれ点A(XA0,YA0,ZA0)及びA(XA3,YA3,ZA3)として、観測点Mの位置座標を点M(X,Y,Z)とします。そうすれば、点Mと点A及びAとの間の距離をそれぞれXA及びXAとすれば、
Figure 2004286626
が成立します。いま、直線AM及び直線AMと衛星の進行方向とのなす角度をそれぞれα及びβとすれば、
cosα=(XA +(V・T)−XA )/(2・XA・V・T) (1−3)
cosβ=−(XA +(V・T)−XA )/(2・XA・V・T) (1−4)
が成立します。但し、
T=t−t (1−5)
そして、Vは時刻tからtの間の衛星の速度であります。
そこで、時刻tの時点Aに位置する衛星から放射されたマイクロ波は点Aと点Mとの間の距離をXAとすれば、時刻t+XA/uの時点Mに到達します。その到達時刻をtとすれば、
+XA/u=t ∴t=t−XA/u (1−6)
この間に衛星は点Aから点Aに移動します。従って、
XA +V・(XA/u)−2・XA・V・(XA/u)・cos(π−α)=XA (1−7)
故に、(1−1)、(1−3)及び(1−7)からXAは確定します。
次に、時刻tの時点Aに位置する衛星から放射されたマイクロ波は点Aと点Mとの間の距離をXAとすれば、時刻t+XA/uの時点Mに到達します。その到達時刻をtとすれば、
+XA/u=t ∴t=t−XA/u (1−8)
この間に衛星は点Aから点Aに移動します。従って、
XA +V・(XA/u)−2・XA・V・(XA/u)・cos(π−β)=XA (1−9)
故に、(1−2)、(1−4)及び(1−9)からXAは確定します。
そうすると、時刻tからtの間に放射されるマイクロ波の波数は、(1−6)及び(1−8)から
(t−t)・f=((t−XA/u)−(t−XA/u))・f=(T+XA/u−XA/u)・f (1−10)
となります。但し、fは搬送波の周波数であります。
従って、点Mで時刻tからtの間に(1−10)で表される波数を受信します。
【0004】
(2) 実際の位置にある衛星の場合。
時刻t及びtの時の実際の位置にある衛星と観測点との間の径路長をXR及びXR、精密暦で表される位置にある衛星と観測点との間の径路長をXA及びXAとすると、
XR=XA−S (2−1)
XR=XA−S (2−2)
が成立する。但し、S及びSはIGS精密暦の右端記載の数値で、マイクロ波伝搬遅延時間により新たに発生する径路長誤差である。いま、径路長XR及びXRを直線状に引き伸ばした端点をR及びRとすると、
=V・T
となる。直線RM及び直線RMと端点の進行方向とのなす角度をそれぞれα及びβとすれば、
cosα=(XR +(V・T)−XR )/(2・XR・V・T) (2−3)
cosβ=−(XR +(V・T)−XR )/(2・XR・V・T) (2−4)
が成立する。但し、
T=t−t (2−5)
そして、Vは時刻tからtの間の衛星の速度である。
そこで、時刻tR1の時点Rに位置する衛星から放射されたマイクロ波は点Rと点Mとの間の距離をXRとすれば、時刻tR1+XR/uの時点Mに到達する。その到達時刻をtとすれば、
R1+XR/u=t ∴tR1=t−XR/u (2−6)
この間に衛星は点Rから点Rに移動する。従って、
XR +V・(XR/u)−2・XR・V・(XR/u)・cos(π−α)=XR (2−7)
故に、(2−1)、(2−3)及び(2−7)からXRは確定する。
次に、時刻tRiの時点Rに位置する衛星から放射されたマイクロ波は点Rと点Mとの間の距離をXRとすれば、時刻tRi+XR/uの時点Mに到達する。その到達時刻をtとすれば、
Ri+XR/u=t ∴tRi=t−XR/u (2−8)
この間に衛星は点Rから点Rに移動する。従って、
XR +V・(XR/u)−2・XR・V・(XR/u)・cos(π−β)=XR (2−9)
故に、(2−2)、(2−4)及び(2−9)からXRは確定する。
そうすると、時刻tR1からtRiの間に放射されるマイクロ波の波数は、(2−6)及び(2−8)から
(tRi−tR1)・f=((t−XR/u)−(t−XR/u))・f=(T+XR/u−XR/u)・f (2−10)
となる。但し、fは搬送波の周波数である。
従って、点Mで時刻tからtの間に(2−10)で表される波数を受信する。
【0005】
(3) 放送暦で表される位置にある衛星の場合。
時刻t及びtの時の放送暦で表される位置にある衛星の位置座標をそれぞれ点B(XB0,YB0,ZB0)及びB(XB3,YB3,ZB3)とすれば、
Figure 2004286626
が成立する。いま、直線BM及び直線BMと衛星の進行方向とのなす角度をそれぞれα及びβとすれば、
cosα=(XB +(V・T)−XB )/(2・XB・V・T) (3−3)
cosβ=−(XB +(V・T)−XB )/(2・XB・V・T) (3−4)
が成立する。但し、
T=t−t (3−5)
そして、Vは時刻tからtの間の衛星の速度である。
そこで、時刻tB1の時点Bに位置する衛星から放射されたマイクロ波は点Bと点Mとの間の距離をXBとすれば、時刻tB1+XB/uの時点Mに到達する。その到達時刻をtとすれば、
B1+XB/u=t ∴tB1=t−XB/u (3−6)
この間に衛星は点Bから点Bに移動する。従って、
XB +V・(XB/u)−2・XB・V・(XB/u)・cos(π−α)=XB (3−7)
故に、(3−1)、(3−3)及び(3−7)からXBは確定する。
次に、時刻tBiの時点Bに位置する衛星から放射されたマイクロ波は点Bと点Mとの間の距離をXBとすれば、時刻tBi+XB/uの時点Mに到達する。その到達時刻をtとすれば、
Bi+XB/u=t ∴tBi=t−XB/u (3−8)
この間に衛星は点Bから点Bに移動する。従って、
XB +V・(XB/u)−2・XB・V・(XB/u)・cos(π−β)=XB (3−9)
故に、(3−2)、(3−4)及び(3−9)からXBは確定する。
そうすると、時刻tB1からtBiの間に放射されるマイクロ波の波数は、(3−6)及び(3−8)から
(tBi−tB1)・f=((t−XB/u)−(t−XB/u))・f=(T+XB/u−XB/u)・f (3−10)
となる。但し、fは搬送波の周波数である。
従って、点Mで時刻tからtの間に(3−10)で表される波数を受信する。
【0006】
そこで、観測点として小田原久野兎河原公園及び稚内声門公園の電子基準点、衛星は2002年3月1日0時0分から8時00分の間の03,02,22,27及び31を選び、測定時間間隔を15分として、観測点で受信する各波数残差を式(1−10)、(2−10)及び(3−10)より求め、幾つかの表及び図を得ました。その内の一部を表1、2、3,4、5,6,7,8,9、10,11,12及び図3、4、5、6、7、8、9、10として紹介します。
【表1】
作成プログラム名称BRC.REA.WAV.NUM.ODW.S03.2002.03.01.hh.mm
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;03
電子基準点;小田原久野兎河原公園
Figure 2004286626
【表2】
作成プログラム名称;BRC.REA.WAV.NUM.ODW.S02.2002.03.01.hh.mm
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;02
電子基準点;小田原久野兎河原公園
Figure 2004286626
【表3】
作成プログラム名称BRC.REA.WAV.NUM.WKN.S03.2002.03.01.hh.mm
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;03
電子基準点;稚内声門公園
Figure 2004286626
【表4】
作成プログラム名称;BRC.REA.WAV.NUM.WKN.S02.2002.03.01.hh.mm
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;02
電子基準点;稚内声門公園
Figure 2004286626
【表5】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s03.Odw.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;03
電子基準点;小田原久野兎河原公園
Figure 2004286626
【表6】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s03.Odw.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;03
電子基準点;小田原久野兎河原公園
Figure 2004286626
【表7】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s02.Odw.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;02
電子基準点;小田原久野兎河原公園
Figure 2004286626
【表8】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s02.Odw.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;02
電子基準点;小田原久野兎河原公園
Figure 2004286626
【表9】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s03.Wkn.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;03
電子基準点;稚内声門公園
Figure 2004286626
【表10】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s03.Wkn.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;03
電子基準点;稚内声門公園
Figure 2004286626
【表11】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s02.Wkn.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;02
電子基準点;稚内声門公園
Figure 2004286626
【表12】
作成プログラム名称;2002.03.01.hh.mm..s02.Wkn.Mt900
測年月日;2002年3月1日
衛星番号;02
電子基準点;稚内声門公園
Figure 2004286626
図において、横軸目盛りは時間で15分、距離で表すと約2700kmを表し、縦軸目盛りは実際の位置にある衛星からの波数に対する精密暦及び放送暦で表される位置にある各衛星からの波数の各残差を表します。図3、4,5、及び6から15分間隔の精密暦で表される位置にある衛星の軌道と実際の位置にある衛星と観測点との間の径路長を直線状に引き伸ばした端点の軌道(以後、実際の位置にある衛星の軌道と呼びます)はほぼ完全に平行であることが分ります。又、図7、8,9及び10から放送暦で表される位置にある衛星の軌道と実際の位置にある衛星の軌道は、前者より劣るがその平行度は可也高いことが分ります。そこで、平行度と波数残差の間の関係を調べてみました。
【0007】
実際の位置にある衛星をS、精密暦で表される位置にある衛星をSそして放送暦で表される位置にある衛星をSで表す。観測点Aと衛星Sを結ぶ直線上に衛星S及びSが位置することは稀であり、一般にはその様な事は起こりません。併しながら、各衛星間の距離は各衛星と観測点Aとの間の距離と比較して無視できる程小さく、又各衛星の速度は同じであると考えられるから、観測点Aと衛星Sとの間の直線径路の上に、観測点Aを基準として衛星S及びSの径路を重
ね合わせ、図11(t及びtの線上の点P、Q及び点P、Q)の様にする事が出来ます。
そこで、時刻tの時の衛星Sの位置点Pから放射されたマイクロ波は点Pと観測点Aとの間の径路長をXとすれば時刻t+X/uの時観測点Aに到達する。この到達時刻をtとすれば、
+X/u=t ∴t=t−X/u
この間に衛星Sは点Pから点Pへ移動する。
又、時刻tの時点Pから放射されたマイクロ波は点Pと観点Aとの間の径路長をXとすれば、時刻t+X/uの時観測点Aに到達する。この到達時刻をtとすれば、
+X/u=t ∴t=t−X/u
この間に衛星Sは点Pから点Pへ移動する。
従って、時刻tからtの間に観測点Aで受信するマイクロ波の波数は、
(t−t)f=(t−t+X/u−X/u)f
となる。但しfは搬送波の周波数である。
【0008】
次に、放送暦で表される位置にある衛星Sが仮にマイクロ波を放射する機能があるものとします。
そこで、時刻t1Bの時の衛星Sの位置点Qから放射されたマイクロ波は点Qと観測点Aとの間の径路長をX1Bとすれば。時刻t1B+X1B/uの時観測点Aに到達する。この到達時刻をtとすれば、
1B+X1B/u=t ∴t1B=t−X1B/u
この間に衛星Sは点Qから点Qへ移動する。
又、時刻tiBの時点Qから放射されたマイクロ波は、点Qと観測点Aとの間の径路長をXiBとすれば、時刻tiB+XiB/uの時観測点Aに到達する。この到達時刻をtとすれば、
iB+XiB/u=t ∴tiB=t−XiB/u
この間に衛星Sは点Qから点Qへ移動する。
従って、時刻tからtの間に観測点Aで受信する波数は、
(tiB−t1B)f=(t−t+X1B/u−XiB/u)f
となる。
そこで、いま衛星SとSの各軌道が完全に平行であるとすれば、即ち
‖Q
とする。時刻tとtとの間の各衛星の距離即ちP及びQは各衛星と観測点Aとの間の距離に比較して無視出来る程小さいからPはPと平行となり、点P及びQから直線Pに下ろした垂線の足をそれぞれ点M及びNとすれば、
△PM≡△Q
から、
M=Q
となる。従って、
−X=X1B−XiB
が成立する。故に、衛星SとSの各軌道が平行であれば、観測点Aで両衛星からある時間内に受信する波数は等しいことが分る。従って、両衛星の各軌道の平行度が低下するにつれ、観測点Aで両衛星から受信する波数の残差は大きくなる。
【0009】
そこで、測定時間間隔が長くなるに従い、両衛星の各軌道の平行度が低下することが図3、4,5,6、7、8、9及び10のグラフより分るから、測定時間間隔と両衛星の波数残差の関係について調べて見ましょう。
時刻t′の時点P′に位置する衛星から放射されたマイクロ波は、点P′と観測点Aとの間の距離をX′とすると、時刻t′+X′/uの時観測点Aに到達する。この到達時刻をt′とすると、
′+X′/u=t′ ∴t′=t′−X′/u
となる。
いま、時刻tからtまでの間に放射する波数と、時刻tからt′までの間に放射する波数の比がkであるとすると、
((t′−t)f)/((t−t)f)=1/k
∴(t′−t)/(t−t)=1/k
そこで、点P′から観測点Aと点Pを結ぶ直線に下ろした垂線の足を点M′とすると、
(X−X′)/(X−X)=((t′−t)Vcosα)/((t−t)Vcosα)=(t′−t)/(t−t)=1/k
となる。但し、αは時刻tの時の衛星Sの位置である点Pと観測点Aを結ぶ直線と衛星Sの進行方向とのなす角度である。
従って、時刻tからt′の間に観測点Aで受信する波数は、
(t′−t)f=((t′−t)+X/u−X′/u)f
上式を変形して、
Figure 2004286626
即ち、測定時間間隔がk分の1倍になれば、その時間内に観測点で受信する波数もk分の1倍となる。
従って、測定時間間隔がk分の1倍になれば、その時間内に観測点で受信する両衛星SとSからの波数の残差もk分の1倍となる。
【0010】
2002年3月1日0時00分から8時00分の間に衛星03、02,22,27及び31について測定時間間隔900秒で求めた放送暦で表される位置にある衛星と実際の位置にある衛星からの波数残差の内最大のものを各衛星毎に求め、
下表を得ました。
Figure 2004286626
測定時間間隔が900秒であるから、測定時間間隔を100m秒にすることにより、観測点Aで受信する放送暦で表される位置にある衛星からの波数と実際の位置にある衛星からの波数の残差は最大で−.0293となるから、観測点Aで100m秒内に受信する実際の位置にある衛星からの波数と等しい波数を、対応する放送暦で表される位置にある衛星は同じ100m秒の間に放射し、そのマイクロ波はいかなる屈折現象も伴はない直進性のマイクロ波として取り扱うことができます。
換言すれば、観測者は実際の位置にある衛星が放射する波数と等しい波数を放射する放送暦で表される位置にある衛星を基準衛星として選択したことにより、現実の世界から屈折率が一様な媒質から構成される仮想現実の世界に入りこみました。
【0011】
GPS測位では放送暦で表される位置にある衛星と基準観測点を結ぶ直線上に、実際の位置にある衛星と基準観測点との間のマイクロ波の経路を直線状に引き伸ばしたものを重ね合わせています。ところが、実際の位置にある衛星と放送暦で表される位置にある衛星はその位置か互いに異なりぴったり一致しません。そこで、その残差を最小二乗法で補正しています。更に、具体的に言いますと、実際の位置にある衛星と基準観測点との間の径路長を加減し、放送暦で表される位置にある衛星と基準観測点との間の直線距離に合わせ、両者の差を出来るだけ小さくなる様にしています。従って、電離層における伝搬遅延、位相揺らぎや水蒸気等による伝搬遅延を補正したとしても、最小二乗法の使用によりこれら補正値はクリャされ全て無意味となります。
従って、最小二乗法を使用するGPS測位解析では、大量のデータを使って、強引に屈折率が同じである一様な媒質から構成される仮想現実空間に知らないうちに割り込んでいる訳です。そして、これからその位置を測定しようとする観測点の位置座標をX,Y,Zとして、つぎの方程式の右辺Sの二乗の和が最小となるXijを求め、それからX,Y,Zを求めている訳です。
{Xij′−Xij−(Wij−Wij′)(u/f)}−{Xij+1′−Xij+1−(Wij+1−Wij+1′)(u/f)=S ▲1▼
(i=t,t,・・・・,t)(j=1,2,3,4)
ここで、Xij′はある時刻tのときの放送暦で表される位置にある衛星jと基準観測点との間の直線距離、Xijはある時刻tのときの実際の位置にある衛星jとこれからその位置を測定しようとする観測点との間の直線距離、Wij及びWij′はそれぞれ時刻tのときのこれからその位置を測定しようとする観測点及び基準観測点における実際の位置にある衛星からの累積波数、uは真空中の光の速度そしてfは搬送波の周波数を示します。
そこで、図12を参照願います。いま時刻tのとき点Pkjにある衛星から放射されたマイクロ波は、点Pkjとこれからその位置を測定しようとする観測点Aとの間の距離をXkjとすれば、時刻t+Xkj/uの時観測点Aに到達します。その到達時刻をtとすれば、
+Xkj/u=t
が成立します。その間に衛星は点Pijに移動します。そして、マイクロ波は時刻tのときには、点Pkjを中心とする半径Xkjの球の表面上にあります。従って、時刻tのとき基準観測点Bに向かっていたマイクロ波は点Pijと観測点Bを結ぶ直線と点Pkjを中心とする半径Xkjの球の交点Cにあります。いま、点Cと点Pijとの間の直線距離をXcjで表すと、
ij′−Xcj−(Wij−Wij′)(u/f)=0 ▲2▼
となる様に、Xcjを調整したとしても、基線長ABが極めて短い場合、Xcj≒Xijとなるが、基線長ABが長くなるとXcj≠Xijとなり、式▲2▼より基線長が極めて短い場合は問題が生じませんが、基線長が長くなると測位誤差が大きくなり問題になることが分ります。
即ち、通説はXcjとXijは常に等しいという前提で式▲1▼を構成していますが、∠PijkjCと∠PijkjAが一致するのは、これからその位置を測定しようとする点Aが基準観測点Bと一致する場合だけです。従って、常に
cj≠Xij
となり、式▲1▼は成立しないことが判ります。即ち、通説の一重差及び二重差は成立しないことが分かります。
【0012】
そこで、測定時間間隔は100msとして、その時間内に観測点で受信する波数を、実際の位置にある衛星からの場合と、放送暦で表される位置にある衛星からの場合とほぼ同じにしました。即ち、最小二乗法で行ったと同じことを唯一回のデータで行っている訳です。
又、Wij及びWij′は実際の位置にある衛星からの累積波数です。ところが、放送暦で表される位置にある衛星からの受信波数が、実際の位置にある衛星からの受信波数と一致しているから、Wij及びWij′は又、放送暦で表される位置にある衛星からの累積波数と考えることが出来ます。
更に、これからその位置を測定しようとする点が特定すれば、放送暦で表される位置にある衛星からのその点の受信波数も特定します。その波数が実際の位置にある衛星からの波数になる訳です。
従って、測位の計算は格段に容易となり、又その精度も格段に向上します。
【0013】
そこで、観測点に到達するマイクロ波の周波数の変動は無視出来るものとして、時刻tのときの衛星の位置点Pkjとこれからその位置を求めようとする観測点Aとの間の距離Xkjを色々に変え、
ij′−Xcj−(Wij−Wij′)(u/f)≦10−8 (km) ▲3▼
が成立するときのXkjを求め、更にXijを求めました。その結果、常に1m前後の測定誤差がありました。その原因は式▲3▼からマイクロ波の周波数fにあることが分ります。
【0014】
それで、観測点に到達するマイクロ波の周波数はドップラー効果により変動するものとして、観測点Aの位置を測定しました。
、前と同様時刻tのときの衛星の位置である点Pkjと観測点Aとの間の距離Xkjを色々に変え、
ij′−Xcj−(Wij−Wij′)(u/f′)≦10−08 (km) ▲4▼
が成立するときのXkjを求め、更にXijを求めました。その結果、常に1cm以内の測定精度が得られました。その原因は式▲4▼から基準観測点Bで受信するマイクロ波の周波数f′であることは歴然としています。
【0015】
これまでは累積波数にambiguityは含まないものとして処理してきました。そこで、累積波数にambiguityが含まれる場合の処理について説明します。
図12・2において、時刻t及びtの時の放送暦で現される位置にある衛星(以後、単に衛星と呼ぶ。)の位置をそれぞれP及びPとします。いま、時刻tの時点Pに位置する衛星から放射されたマイクロ波は、点Pと観測点Aとの間の距離をXとすれば、時刻t+X/uの時点Aに到達します。この到達時刻をtとすれば、
=t+X/u ∴t=t−X/u
が成立します。又、時刻tの時点Pに位置する衛星から放射されたマイクロ波は、点Pと観測点Aとの間の距離をXとすれば、時刻t+X/uの時点Aに到達します。この到達時刻をtとすれば、
=t+X/u ∴t=t−X/u
が成立します。従って、時刻tからtの間に衛星から放射される波数は
(t−t)f=((t−t)+X/u−X/u)f
となり、これだけの波数を点Aで時刻tからtの間に受信します。依って、点Aで時刻tからtの間に受信するマイクロ波の周波数をfとすれば、
=((t−t)+X/u−X/u)f/(t−t
が成立します。但し、fは搬送波の周波数です。そこで点Aと点Pを結ぶ直線と衛星の進行方向とのなす角度をα、点Aと点Pとの間の距離をXとすると、
+(X/u)−2X(X/u)Vcos(π−α)=X
及び、
(X/u)f(u/f)=X ・・・・・(15−1)
が成立します。次に、時刻t′の時点P′に位置する衛星から放射されたマイクロ波は、点P′と基準観測点Aとの間の距離をX′とすれば、時刻t′+X′/uの時点Bに到達します。この到達時刻をtとすれば、
=t′+X′/u ∴t′=t−X′/u
が成立します。又、時刻t′の時点P′に位置する衛星から放射されたマイクロ波は、点P′と基準観測点Bとの間の距離をX′とすれば、時刻t′+X′/uの時点Bに到達します。この到達時刻をtとすれば、
=t′+X′/u ∴t′=t−X′/u
が成立します。従って、時刻t′からt′の間に衛星から放射される波数は
(t′−t′)f=((t−t)+X′/u−X′/u)f
となり、これだけの波数を点Bで時刻tからtの間に受信します。依って、点Bで時刻tからtの間に受信するマイクロ波の周波数をf′とすれば、
′=((t−t)+X′/u−X′/u)f/(t−t
が成立します。さて、時刻tの時点Pから放射されたマイクロ波は時刻tの時点Pを中心とする半径Xの球表面上にあります。この球表面と点Pと点Bを結ぶ直線との交点を点Cとし、点Cと点Pを結ぶ直線距離をXC0とすると、
(X/u)f(u/f′)=XC0・・・・・(15−2)
となります。従って、式(15−1)及び(15−2)から、
=f′XC0・・・・・(15−3)
が成立します。従って、基準観測点Bに向かうマイクロ波上にある時刻tの時の点Aの累積波数と同じ累積波数を持つ点Cと点Pを結ぶ直線距離XC0はXと異なることが式(15−3)から分かります。但し、この累積波数はambiguityを含まないものとします。
次に、時刻tの時の衛星の位置点Pと点Aとの間の距離をX、基準観測点Bに向かうマイクロ波上にある時刻tの時の点Aの累積波数と同じ累積波数を持つ点を点Cとし、点Pと点Cを結ぶ直線距離をXC3とすると、
=f′XC3
が成立します。この場合も、前と同様累積波数にはambiguityは含まれないものとします。
そこで、時刻tの時の点A及びBの観測累積波数をWA0及びWB0、そして時刻tの時の点A及びBの観測累積波数をWA3及びWB3とすると、
′−XC0−(WA0−WB0)f′−(X′−XC3−(WA3−WB3))f′=0
が成立します。この式においてambiguityは消去されるからambiguityは考慮する必要はなく、この式の解が観測点Aの位置を示します。
【実施例】
測定時間間隔を100msとして、仮想現実空間の導入により、マイクロ波の位相を小数点2桁まで正しく読みとれるものとして、基線長600km前後で、周波数変化を考慮しない場合、測位誤差は1m前後となり、又周波数変化を考慮した場合その測位誤差は1cm以内になることを机上シュミュレーションで確認しました。詳細次の通りです。
測定観測点;小田原久野兎河原公園電子基準点
測定観測点の正しい位置座標(単位km)
X=−3943.03932
Y= 3410.461875
Z= 3662.273965
基準観測点;稚内声門公園電子基準点
基準観測点位置座標(単位km)
X=−3522.845061
Y= 2777.14398
Z= 4518.959145
基準衛星(放送暦で表される位置にある衛星);03,02,22,27,31観測年月日;2002年3月1日
観測時刻;1時21分.005秒、1時21分.105秒、1時21分.205秒測定方法
図12・1を参照願います。
▲1▼
ドップラー効果を考慮しない場合と考慮する場合の二通りを選択しました。
▲2▼
時刻t、t、t、t、t及びtの時の各衛星の位置を中心として、時刻t、t、t、t、t及びtの時の各衛星の位置とこれからその位置を求めようとする観測点との間の直線距離を半径とする四個の球を描き、その交点を求める観測点の位置としました。
▲3▼
時刻t、t及びtは時刻t、t及びtとこの時の衛星と観測点との間の距離により定まる定数で、
=2002年3月1日1時21分.005秒
=2002年3月1日1時21分.105秒
=2002年3月1日1時21分.205秒
としました。
▲4▼ 小田原久野兎河原公園電子基準点の正しい位置座標と測定値の位置座標の残差を測定誤差(ΔX,ΔY、ΔZ)としました。
1.
ドップラー効果を考慮しない場合。(単位km)
【表13】
衛星配置;03,02,22,31
Figure 2004286626
【表14】
衛星配置;03,02,22,27
Figure 2004286626
【表15】
衛星配置;03,02,27,31
Figure 2004286626
【表16】
衛星配置;03,22,22,31
Figure 2004286626
【表17】
衛星配置;02,22,27,31
Figure 2004286626
【表18】
表13,14,15,16及び17の各平均値を更に平均して、表18を作成しました。
Figure 2004286626
2.
ドップラー効果を考慮した場合。(単位mm)
【表19】
衛星配置;03,02,22,31
Figure 2004286626
【表20】
衛星配置;03,02,22,27
Figure 2004286626
【表21】
衛星配置;03,02,27,31
Figure 2004286626
【表22】
衛星配置;03,22,27,31
Figure 2004286626
【表23】
衛星配置;02,22,27,31
Figure 2004286626
【表24】
表19,20,21,22及び23の各平均値を更に平均して、表24を作成しました。
Figure 2004286626
【発明の効果】
日本国内に1点の基準観測点をその周囲にマイクロ波の伝搬を妨げる構造物のない場所に設置するだけで、国内全領域にある静止物体及び移動物体の位置認識が測定精度1cm以内で瞬時に認識出来ます。
【図面の簡単な説明】
【図1・1】実際の位置にある衛星と精密暦で表される位置にある衛星の時刻tからtの間に描く三角形を重ね合わせたもので、点R及びRは実際の位置にある衛星と観測点Mとの間の径路長を直線状に引き伸ばした時刻t及びtの時の端点、点A及びAは時刻t及びtの時の精密暦で表される位置にある衛星の位置そして点A′は直線MR上にMA=MA′となるように取った点である。
【図1・2】観測点で受信する波数が測位の精度に及ぼす影響を説明するための図で、点Aはこれからその位置を測定しようとする観測点、点P、P、P及びPは時刻t、t、t及びtの時の各衛星(実際の位置にある衛星、精密暦及び放送暦で表される位置にある衛星)の位置を表します。但し、実際の位置にある衛星とは、その実際の位置と観測点との間の径路長を直線状に引き伸ばした端点であるとします。
それから、X、X、X及びXは時刻t、t、t及びtの時の各衛星の位置と観測点Aとの間の直線距離を表します。
【図2】観測点Mで時刻tからtの間に精密暦で表される位置にある衛星Aから受信するマイクロ波の波数を求める方法を説明する図です。点A及びAは時刻t及びtの時の衛星Aの位置、α及びβは時刻t及びtの時の衛星Aの進行方向と直線MA及びMAとなす角度、点A及びAは時刻t及びtの時の衛星Aの位置、XA及びXAは観測点Mと時刻t及びtの時の衛星Aの位置A及びAを結ぶ直線距離、そしてXA及びXAは観測点Mと時刻t及びtの時の衛星Aの位置A及びAを結ぶ直線距離を表します。
【図3】2002年3月1日0時00分から4時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星03及び精密暦で表される位置にある衛星03からの受信波数を測定し、その残差を求めて表に表した
【表1】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に小田原電子基準点で受信する精密暦で表される位置にある衛星03からの波数と実際の位置にある衛星03からの波数の残差を表します。
【図4】2002年3月1日0時00分から4時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星02及び精密暦で表される位置にある衛星02からの受信波数を測定し、その残差を求めて表に表した
【表2】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に小田原電子基準点で受信する精密暦で表される位置にある衛星02からの波数と実際の位置にある衛星02からの波数の残差を表します。
【図5】2002年3月1日0時00分から4時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星03及び精密暦で表される位置にある衛星03からの受信波数を稚内電子基準点で測定し、その残差を求めて表に表した
【表3】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に稚内電子基準点で受信する精密暦で表される位置にある衛星03からの波数と実際の位置にある衛星03からの波数の残差を表します。
【図6】2002年3月1日0時00分から4時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星02及び精密暦で表される位置にある衛星02からの受信波数を測定し、その残差を求めて表に表した
【表4】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に稚内電子基準点で受信する精密暦で表される位置にある衛星02からの波数と実際の位置にある衛星02からの波数の残差を表します。
【図7】2002年3月1日0時00分から8時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星03及び放送暦で表される位置にある衛星03からの受信波数を小田原電子基準点で測定し、その残差を求めて表に表した
【表5】及び
【表6】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に小田原電子基準点で受信する放送暦で表される位置にある衛星03からの波数と実際の位置にある衛星03からの波数の残差を表します。
【図8】2002年3月1日0時00分から6時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星02及び放送暦で表される位置にある衛星02からの受信波数を小田原電子基準点で測定し、その残差を求めて表に表した
【表7】及び
【表8】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に小田原電子基準点で受信する放送暦で表される位置にある衛星02からの波数と実際の位置にある衛星02からの波数の残差を表します。
【図9】2002年3月1日0時00分から8時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星03及び放送暦で表される位置にある衛星03からの受信波数を稚内電子基準点で測定し、その残差を求めて表に表した
【表9】及び
【表10】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に稚内電子基準点で受信する放送暦で表される位置にある衛星03からの波数と実際の位置にある衛星03からの波数の残差を表します。
【図10】2002年3月1日0時00分から8時00分まで15分間隔で実際の位置にある衛星02及び放送暦で表される位置にある衛星02からの受信波数を稚内電子基準点で測定し、その残差を求めて表に表した
【表11】及び
【表12】を棒グラフで図示したもので、横軸は時間を表し1間隔15分そして縦軸は15分の間に稚内電子基準点で受信する放送暦で表される位置にある衛星02からの波数と実際の位置にある衛星02からの波数の残差を表します。
【図11】Sは精密暦で表される位置にある衛星、Sは実際の位置にある衛星と観測点との間の径路長を直線状に引き伸ばした端点、そしてSは放送暦で表される位置にある衛星です。点P、P、P及びPはSの時刻t、t、t及びtの時の各位置を表し、同様に点Q、Q、Q及びQはSの時刻t1B、t、tiB及びtの時の各位置を表します。Xは点Pと観測点Aとの間の距離、Xは点Pと観測点Aとの間の距離、X1Bは点Qと観測点Aとの間の距離そしてXiBは点Qと観測点Aとの間の距離を表します。
【図12】点Aはこれからその位置を求めようとする観測点、そして点Bは基準観測点を表します。点Pkj及びPijは時刻t及びtの時の基準衛星として使用されている放送暦で表される位置にある衛星の各位置を表します。Xkjは点Pkjと観測点Aとの間の直線距離を表し、点Cは点Pkjを中心とする半径Xkjのマイクロ波の球面波と点Pijと点Bを結ぶ直線との交点を表します。そしてαは時刻tの時の放送暦で表される位置にある衛星の位置する点Pijと点Bを結ぶ直線と放送暦で表される位置にある衛星の軌道とのなす角度です。
【図12・1】実施例を説明する為の図です。時刻t,t,t,t,t及びtの時の放送暦で表される位置にある衛星のその各位置を中心とするある半径の球を描きその交点を求める観測点の位置とします。
【図12・2】点Aはこれからその位置を測定しようとする観測点、点Bは基準観測点、点Pは放送暦で表される位置にある衛星の時刻tのときの位置、点Pは放送暦で表される位置にある衛星の時刻tのときの位置、点Pは放送暦で表される位置にある衛星の時刻tのときの位置、点Pは放送暦で表される位置にある衛星の時刻tのときの位置、Xは点Pと点Aを結ぶ直線距離、Xは点Pと点Aを結ぶ直線距離、Xは点Pと点Aを結ぶ直線距離、Xは点Pと点Aを結ぶ直線距離、X′は点Pと点Bを結ぶ直線距離、X′は点Pと点Bを結ぶ直線距離、点Cは点Pと点Bを結ぶ直線と点Pを中心とする半径Xの球の交点、点Cは点Pと点Bを結ぶ直線と点Pを中心とする半径Xの球の交点、
【図13】表13を棒グラフで表したものです。
【図14】表14を棒グラフで表したものです。
【図15】表15を棒グラフで表したものです。
【図16】表16を棒グラフで表したものです。
【図17】表17を棒グラフで表したものです。
【図18】表18を棒グラフで表したものです。
【図19】表19を棒グラフで表したものです。
【図20】表20を棒グラフで表したものです。
【図21】表21を棒グラフで表したものです。
【図22】表22を棒グラフで表したものです。
【図23】表23を棒グラフで表したものです。
【図24】表24を棒グラフで表したものです。
各右端の棒グラフは、これまでの30回の測定の平均値を表したもので、測定誤差は1mm以下になっています。

Claims (5)

  1. 時刻tからtの間に観測点Aで受信する衛星からのマイクロ波の波数は,次の式で表される.
    (T+X/u−X/u)f
    但し,T=t−t,uは真空中の光の速度,fは搬送波の周波数,Xは時刻tの時観測点Aに到達する様に放射された時刻tの時点Pに位置する衛星と観測点Aとの間の経路長で,t,t及びXの間にt+X/u=tの関係がある.又,Xは時刻tの時観測点Aに到達する様に放射された時刻tの時点Pに位置する衛星と観測点Aとの間の経路長で,t,t及びXの間にt+X/u=tの関係がある.
  2. 実際の位置にある衛星と観測点Aとの間の経路長を直線状に引き伸ばした端点で表される衛星Pの軌道と放送暦(又は精密暦)で表される位置にある衛星Q(又はR)の軌道が,時刻tからtの間において完全に平行であれば,時刻tからtの間において観測点Aで受信する衛星Pからの波数と衛星Q(又はR)からの波数の残差ΔWは完全に0に一致し,両衛星の平行度が悪くなるに連れ,残差ΔWは大きくなる.又,この残差ΔWは測定時間間隔T(=t−t)に比例する.
    従って,衛星Rの軌道はT≦900(単位は秒)の間ほぼ完全に衛星Pの軌道と平行であるから,T≦900(単位は秒)の間常に基準衛星に選択できるが,衛星Qの軌道はT≦900(単位は秒)の間において衛星Pの軌道との平行度は衛星Rの場合よりも大きく落ちるから,衛星Qを基準衛星として選択する場合,求める測定精度によりTを調整する必要がある.
  3. (図12参照)
    観測点で受信する実際の位置にある衛星からの波数と放送暦で表される位置にある衛星からの波数が,小数点2桁まで一致するように測定時間間隔Tを選び,Xkj(またはXij)を色々に変え,次式が成立するようなXkj(又はXij)を求め.観測点Aの位置を決定する.従って,観測点Aの位置は基準観測点Bで受信するマイクロ波の周波数に依存し,基線長ABの大きさは関係しない.
    ij′−Xcj−(Wij−Wij′)(u/fij′)≦10−08 (単位はkm)
    但し,Xij′は基準観測点Bと時刻tの時の放送暦で表される位置にある衛星との間の距離,Wij及びWij′は時刻tの時の観測点A及び基準観測点Bの累積波数,fij′は測定時間間隔Tの間に基準観測点Bで受信されたドップラー効果を考慮したマイクロ波の周波数,uは真空中の光の速度,そしてXcjは時刻tの時点Pkjから放射された半径Xkjの球面波と点Pijと基準観測点Bを結ぶ直線との交点Cと点Pijとの間の距離,Xkjは時刻tの時観測点Aに到達する様に放射された時刻tの時点Pに位置する衛星と観測点Aとの間の経路長である.又、XcjとXkjとの間に次の関係がある。
    kj =Xcj +V(Xkj/u)−2XkjV(Xkj/u)cos(π−α
    但し、Vは放送暦で表される位置にある衛星の速度、αは時刻tの時の放送暦で表される位置にある衛星の位置する点Pijと点Bを結ぶ直線と放送暦で表される位置にある衛星の軌道方向とのなす角度。
  4. 放送暦で表される位置にある衛星Qを基準衛星に選び、測位精度1cm以内を目標とする場合、実際の位置にある衛星Pからの受信波数と衛星Qからの波数の残差は、小数点2桁まで一致する必要がある。そのためには、測定時間間隔Tを100ms以下にする必要がある。そして、衛星Pと衛星Qとの間に次の関係式が成立する。
    (T+X/u−X/u)f=m−W+m・n+W
    但し、Xは時刻tの時観測点Aに到達する様に放射された時刻tの時点Qに位置する衛星Qと観測点Aとの間の経路長で、t、t及びXの間に
    +X/u=t
    の関係がある。又、Xは時刻tの時観測点Aに到達する様に放射された時刻tの時点Qに位置する衛星Qと観測点Aとの間の経路長で、t、t及びXの間に
    +X/u=t
    の関係がある。但し、観測点Aが移動体の場合、時刻tの時の観測点Aの位置は時刻tの時の観測点Aの位置とは異なる。
    uは真空中の光の速度、fは搬送波の周波数、Tは測定時間間隔でT=t−tで表される。そしてW及びWは時刻t及びtの時の衛星Pからの累積波数、mは位相カウンタの大きさ、そしてnは時刻tからtの間における位相カウンタのオーバーフロー回数
  5. 時刻tからtの間に、これからその位置を測定しようとする観測点A及び基準観測点Bにおける受信マイクロ波の周波数をそれぞれf及びf′、時刻t及びtの時の放送暦で表される位置にある衛星の位置点P及びPと点Aとの間の直線距離をX及びX又、点Bとの間の直線距離をX′及びX′、時刻t及びtのときの点Aにおけるambiguityを含まない累積波数と同じ累積波数を持つ点P及びPと基準観測点Bを結ぶ直線上にある点をそれぞれ点C及びCとして、点Pと点Cを結ぶ直線距離をXC0そして点Pと点Cを結ぶ直線距離をXC3とすれば、
    =f′XC0
    =f′XC3
    が成立し、点Aの位置は
    ′−XC0−(WA0−WB0)f′−(X′−XC3−(WA3−WB3))f′=0
    の解として与えられ、その解は時間差測定による二重差の為、観測点A及びBの時計の誤差が消去され、極めて精度の高い解となります。
    但し、WA0及びWB0は時刻tの時の観測点A及びBにおけるambiguityを含む観測累積波数そしてWA3及びWB3は時刻tの時の観測点A及びBにおけるambiguityを含む観測累積波数です。
    又、放送暦で表される位置にある衛星の軌道方向と観測点A及びBと時刻tの時の放送暦で表される位置にある衛星の位置する点Pを結ぶ直線とのなす角度をそれぞれα及びαとすると、
    =X +(X/u)+2X(X/u)Vcosα
    C0 =X +(X/u)+2X(X/u)Vcosα
    で表され、点Aと点Bが一致しない限り、
    α=α
    とならない。従って、点Pと点Bを結ぶ直線上に点Dを取り、点Pと点Dとの間の距離を点Pと点Aを結ぶ直線距離Xに等しくとっても、点Dにおける累積波数は時刻tの時の点Aにおける累積波数と同じではない。但し、この累積波数にはambiguityは含まれないものとする。又、Xは時刻tの時観測点Aに丁度到達するようにマイクロ波を放射出来る位置にあった放送歴で表される位置にある衛星のその位置と観測点Aとの間の距離を表す。又、Vは放送暦で表される位置にある衛星の速度です。
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