JP2004286453A - 蛍光読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自家蛍光の大きいゲルカセットを使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像を取得することができる蛍光読取装置を提供すること。
【解決手段】光学フィルターを介してCCDカメラ3で取得した蛍光検出画像には、泳動用ゲル1内の核酸の試片蛍光成分に加え、ゲルカセット7の自家蛍光成分までも映し出されることがある。そこで、泳動用ゲル1内の核酸の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加え、ゲルカセット7の反射光成分までも映し出される第1比較画像を光学フィルターを介さずにCCDカメラ3で取得し、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、第1比較画像の明るさを蛍光検出画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算することにより、蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得する。
【選択図】 図1
【解決手段】光学フィルターを介してCCDカメラ3で取得した蛍光検出画像には、泳動用ゲル1内の核酸の試片蛍光成分に加え、ゲルカセット7の自家蛍光成分までも映し出されることがある。そこで、泳動用ゲル1内の核酸の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加え、ゲルカセット7の反射光成分までも映し出される第1比較画像を光学フィルターを介さずにCCDカメラ3で取得し、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、第1比較画像の明るさを蛍光検出画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算することにより、蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、泳動用ゲル内で電気泳動により分離した核酸(DNA)や蛋白質等を蛍光検出する蛍光読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、泳動用ゲル内で電気泳動により分離した核酸(DNA)や蛋白質等を蛍光検出する蛍光読取装置としては、例えば、図8に示すような蛍光読取装置100がある。そして、図8の蛍光読取装置100では、CCDカメラ111及び、光学フィルター112、泳動用ゲル115を保持したゲルカセット113、励起光を照射する一対の励起光源114などを備えており、各励起光源114からの励起光を泳動用ゲル115に落射することによって、CCDカメラ111で蛍光検出画像を取得している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−271827号公報
【0004】
このとき、泳動用ゲル115としては、作業者自らが作製したものを使用することが多いが、作業者自らが作製する手間を省くため、既製ゲルを使用することもある。
【0005】
この点、既製ゲルを保持するゲルカセット113は、ガラス製のものを使用するが、その理由は、各励起光源114からの励起光を泳動用ゲル(既製ゲル)115に落射した際に、ゲルカセット113を照射しても、ガラス(を材料とするゲルカセット113)から発生する光(自家蛍光)が少ないからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大量生産によるコストダウンを考慮すれば、泳動用ゲル(既製ゲル)115を保持するゲルカセット113は、ガラスではなく、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂で製造することが望ましいが、この点、ポリカーボネードやアクリルなどの樹脂は、各励起光源114からの励起光が照射された際に発生する光(自家蛍光)が大きく、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂で製造されたゲルカセット113を使用すると、この自家蛍光がバックノイズになって、鮮明な蛍光検出画像をCCDカメラ111で取得することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、自家蛍光の大きいゲルカセットを使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像を取得することができる蛍光読取装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、蛍光標識された試料断片が電気泳動により分離されている泳動用ゲルを保持するゲルカセットと、前記泳動用ゲル内の試験断片を蛍光させるための励起光を出射する光源と、前記泳動用ゲルの方面からの光のうち、前記光源の励起光により前記試料断片が蛍光した試片蛍光成分を透過させる一方、前記光源の励起光が前記ゲルカセットで反射した反射光成分をカットする光学フィルターと、前記光学フィルターを介して前記試料断片の蛍光検出画像を取得する撮像機器と、を有する蛍光読取装置において、前記光源の励起光により前記ゲルカセットが蛍光した自家蛍光成分も前記蛍光検出画像に映し出される場合には、前記試片蛍光成分及び前記自家蛍光成分に加え前記反射光成分までも映し出される第1比較画像を前記光学フィルターを介さずに前記撮像機器で取得し、前記ゲルカセットのみが映し出され前記ゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、前記第1比較画像の明るさを前記蛍光検出画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、前記蛍光検出画像に対して前記第2比較画像を画素間減算することにより、前記蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得すること、を特徴としている。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する蛍光読取装置であって、前記ゲルカセットと前記撮像機器の間に前記光学フィルターを出入させる移動手段を備えたこと、を特徴としている。
【0010】
このような特徴を有する本発明の蛍光読取装置では、光源から出射された励起光が、ゲルカセットに保持された泳動用ゲルへ照射されると、蛍光標識された試料断片が泳動用ゲル内で蛍光発光することになる。従って、光学フィルターを介すれば、泳動用ゲルの方面からの光のうち、試料断片の試片蛍光成分は透過するとともにゲルカセットの反射光成分はカットされるので、撮像機器により、試料断片の蛍光検出画像を取得することができる。
【0011】
このとき、光源からの励起光がゲルカセットを照射すると、ゲルカセットが自家蛍光の大きい材料で製造されていた場合には、ゲルカセットまでも蛍光発光するので、撮像機器で取得された蛍光検出画像には、ゲルカセットの自家蛍光成分がバックノイズとして映し出されてしまう。
【0012】
そこで、本発明の蛍光読取装置では、ゲルカセットの自家蛍光成分までも蛍光検出画像に映し出される場合には、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分と比べて格段に明るいゲルカセットの反射光成分に注目し、以下の手順で、蛍光検出画像の画像処理を行う。
【0013】
先ず、光学フィルターを介さずに撮像することにより、試料断片の試片蛍光成分及びゲルカセットの自家蛍光成分に加えてゲルカセットの反射光成分までも映し出される第1比較画像を撮像機器で取得する。このとき、ゲルカセットの反射光成分は、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分と比べて格段に明るいことから、第1比較画像の明るさは、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分の影響を残しつつも、ゲルカセットの反射光成分が大きな割合を占めることになる。
【0014】
次に、蛍光検出画像と第1比較画像において、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比を求め、この輝度比をもって、第1比較画像の明るさを蛍光検出画像の明るさに修正した第1比較画像を、第2比較画像として作成する。このとき、蛍光検出画像において、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素には、ゲルカセットの自家蛍光成分のみが映し出されていることから、第2比較画像の明るさは、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分の影響を残しつつも、蛍光検出画像におけるゲルカセットの自家蛍光成分による明るさに殆ど等しくなる。そこで、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算すると、ゲルカセットの自家蛍光成分の明るさが除かれた蛍光検出画像を、補正画像として取得することができる。
【0015】
すなわち、本発明の蛍光読取装置では、光源の励起光によりゲルカセットが蛍光した自家蛍光成分も蛍光検出画像に映し出される場合には、試片蛍光成分及び自家蛍光成分に加え反射光成分までも映し出される第1比較画像を光学フィルターを介さずに撮像機器で取得し、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、第1比較画像の明るさを第2比較画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算することにより、蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得しており、この補正画像には、ゲルカセットの自家蛍光成分の明るさが除かれているので、自家蛍光の大きいゲルカセットを使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像(補正画像)を取得することができる。
【0016】
また、本発明の蛍光読取装置において、ゲルカセットと撮像機器の間に光学フィルターを出入させる移動手段に設ければ、ゲルカセットと光源と撮像機器との三者の相対的位置関係を確保した状態で、蛍光検出画像及び第1比較画像を撮像機器で取得することができるので、蛍光検出画像及び第1比較画像などに基づいて画像処理された補正画像の信頼性は大きなものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本実施の形態は、泳動用ゲル内で電気泳動により分離した核酸(DNA)や蛋白質等を蛍光検出する蛍光読取装置に関するものである。
【0018】
先ず、図1に、本実施の形態の蛍光読取装置10の概要を示す。図1の蛍光読取装置10は、、ゲルカセット7及び、一対の励起光源2、CCDカメラ3、フィルターホイール4、モータ5などから構成されており、暗室内に設置されることにより、外光が入らないようにしている。尚、図1の蛍光読取装置10が暗室内に設置されない場合には、これらの構成要素を、図示しない筐体の中にセットする。また、励起光源2としては、例えば、青色LEDを採用することができる。そして、励起光源2として、青色LEDを用いる場合は、ゲルカセット7との間に、図示しない励起光フィルターを配置しておく。
【0019】
ゲルカセット7は、図4の平面図に示すように、泳動用ゲル1を保持するものである。さらに、詳しく言えば、図3の斜視図に示すように、ゲルカセット7は、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂を材料とする2枚のプレート21,22を重ね合わせ、ゲル1を作成させた後に、試料断片を入れるためのウェルを(泳動用ゲル1に)形成するコーム23を外す構造になっている。
【0020】
尚、2枚のプレート21,22で保持された泳動用ゲル1は、およそ25mm角で厚さは1mmである。また、泳動用ゲル1の中には、ウェルから入れられた核酸(DNA)が、図示しない電気泳動槽を用いた処理により分離されており、さらに、蛍光色素FITCで標識されている。
【0021】
各励起光源2は、蛍光色素FITCを励起させるための励起光を出射する光源で、その中心波長が473nmのものを用いている。この点、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)は、蛍光色素FITCで標識されていることから、各励起光源2からの励起光が照射されると、蛍光発光することができる。
【0022】
CCDカメラ3は、後述する光学フィルター6(図2参照)を介して、ゲルカセット7を撮像することにより、ゲルカセット7に保持された泳動用ゲル1内で蛍光色素FITCに標識された核酸(DNA)の蛍光検出画像を取得するものである。
【0023】
フィルターホイール4は、図2の平面図に示すように、光学フィルター6及び空隙8が対称的に設けられており、モータ5で回転させることにより、光学フィルター6又は空隙8をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させるものである。
【0024】
この点、光学フィルター6は、泳動用ゲル1の方面からの光のうち、各励起光源2の励起光により泳動用ゲル1内の核酸(DNA)が蛍光した試片蛍光成分を透過させる一方、各励起光源2の励起光がゲルカセット7で反射した反射光成分をカットする性質を備えるものである。すなわち、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)は、蛍光色素FITCで標識されていることから、各励起光源2からの励起光が照射されると、蛍光を発する。従って、泳動用ゲル1内で核酸(DNA)に標識された蛍光色素FITCからの蛍光(試片蛍光成分)は光学フィルター6を透過できる一方、各励起光源2からの励起光がゲルカセット7で反射して光学フィルター6に向かっても、(反射光成分は)光学フィルター6を透過できない。
【0025】
但し、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂を材料とする2枚のプレート21,22などで構成されるゲルカセット7に対しては、各励起光源2からの励起光が照射されているので、ゲルカセット7(2枚のプレート21,22)から光(自家蛍光)が発すると、ゲルカセット7(2枚のプレート21,22)からの蛍光(自家蛍光成分)は光学フィルター6を透過することがある。
【0026】
尚、空隙8には、何も介在しないので、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及び、各励起光源2の励起光の反射光成分、ゲルカセット7の自家蛍光成分のいずれも、通過することができる。
【0027】
次に、本実施の形態の蛍光読取装置10の画像処理機能について説明する。図5は、本実施の形態の蛍光読取装置10の画像処理のフローチャートであり、図示しない制御機器で行われるものである。
【0028】
先ず、S11において、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、光学フィルター6をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させる。そして、S12において、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、蛍光検出画像Aを取得する。
【0029】
ここで、図6(a)に、蛍光検出画像Aの一例を示す。このとき、蛍光検出画像Aの各画素の輝度は、図7(a)に示すように、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度αと、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βとに区別することができる。すなわち、図7(a)について言えば、蛍光検出画像Aには、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βの二者を有する画素と、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βのみを有する画素がある。
【0030】
尚、図7(a)は、説明の便宜のために、図6(a)の蛍光検出画像Aにおける或る一次元画素の輝度を簡略化した一例である。また、図7(a)のPとは、図4に示すように、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素を示す。これらの点は、図7(b),(c),(d)においても同様である。また、図7(a)においては、説明の便宜のために、ゲルカセット7のみが映し出される各画素の輝度は、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素の輝度と同じ値K1をとるものとする。
【0031】
次に、S13において、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、空隙8をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させる。そして、S14において、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、第1比較画像Bを取得する。このとき、第1比較画像Bを取得する際のCCDカメラ3のシャッター時間は、本画像処理の目的(後述する補正画像A′を作成すること)を達成するためには、蛍光検出画像Aを取得する際のCCDカメラ3のシャッター時間と異なることが多い。従って、各シャッター時間は、予め最適なものに設定する必要がある。
【0032】
ここで、図6(b)に、第1比較画像Bの一例を示す。このとき、第1比較画像Bの各画素の輝度は、図7(b)に示すように、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α′と、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′と、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γに区別することができる。すなわち、図7(b)について言えば、第1比較画像Bには、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α′及び、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γの三者を有する画素と、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′及びゲルカセット7の反射光成分による濃度γの二者を有する画素がある。
【0033】
そして、第1比較画像Bでは、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分やゲルカセット7の自家蛍光成分と比べてゲルカセット7の反射光成分が相対的に大きいことから、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α′及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′の占める割合は小さく、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γの占める割合は大きい。そのため、第1比較画像Bを、蛍光検出画像Aと比べると、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βが縮小された状態にある。
【0034】
次に、S15において、蛍光検出画像Aと第1比較画像Bを比較し、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素における輝度比を求める。ここでは、図7(a),(b)に示すように、蛍光検出画像Aの輝度の値がK1であり、第1比較画像Bの輝度の値がK2であるから、輝度比はK1/K2となる。
【0035】
次に、S16において、第1比較画像Bの各画素の輝度について、輝度比K1/K2をそれぞれ乗じることにより、第2比較画像B′を作成する。
【0036】
ここで、図6(c)に、第2比較画像B′の一例を示す。このとき、第2比較画像B′の各画素の輝度は、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度も存在するものの、図7(c)に示すように、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γ′で殆ど占められる。従って、図7(c)では、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度は図示していない。また、第2比較画像B′では、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素の輝度の値が、蛍光検出画像Aにおける輝度の値K1と同じになる。さらに、第2比較画像B′では、ゲルカセット7のみが映し出される各画素の輝度についても、蛍光検出画像Aにおける輝度の値K1と同じになる。
【0037】
次に、S17において、蛍光検出画像Aの各画素の輝度に対して、第2比較画像B′の各画素の輝度を減算することにより、補正画像A′を作成する。
【0038】
ここで、図6(d)に、補正画像A′の一例を示す。このとき、補正画像A′の各画素の輝度は、図7(d)に示すように、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α″のみとなる。また、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素を含めて、ゲルカセット7のみが映し出される画素は、最も暗い輝度の値になる。すなわち、補正画像A′は、蛍光検出画像Aに対し、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度αに多少の影響を与えるものの、ゲルカセット7の自家蛍光成分βを除いたものと言うことができる。
【0039】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の蛍光読取装置10では、各励起光源2から出射された励起光が、ゲルカセット7に保持された泳動用ゲル1へ照射されると、蛍光標識された核酸(DNA)が泳動用ゲル1内で蛍光発光することになる。従って、光学フィルター6を介すれば、泳動用ゲル1の方面からの光のうち、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分は透過するとともにゲルカセット7の反射光成分はカットされるので、CCDカメラ3により、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の蛍光検出画像Aを取得することができる。
【0040】
このとき、各励起光源2からの励起光がゲルカセット7を照射すると、ゲルカセット7が、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂を材料とする2枚のプレート21,22などで構成されており、自家蛍光の大きい材料で製造されているので、ゲルカセット7までも蛍光発光し、CCDカメラ3で取得された蛍光検出画像Aには、ゲルカセット7の自家蛍光成分がバックノイズとして映し出されてしまう(図6(a),図7(a)参照)。
【0041】
そこで、本実施の形態の蛍光読取装置10では、ゲルカセット7の自家蛍光成分までも蛍光検出画像Aに映し出される場合には、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分と比べて格段に明るいゲルカセット7の反射光成分に注目し、以下の手順で(図5参照)、蛍光検出画像Aの画像処理を行う。
【0042】
先ず、光学フィルター6を介さずにCCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加えてゲルカセット7の反射光成分までも映し出される第1比較画像BをCCDカメラ3で取得する(S13,S14)。このとき、ゲルカセット7の反射光成分は、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分と比べて格段に明るいことから、第1比較画像Bの明るさは、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分の影響を残しつつも、ゲルカセット7の反射光成分が大きな割合を占めることになる(図7(b)参照)。
【0043】
次に、蛍光検出画像Aと第1比較画像Bにおいて、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素同士の輝度比K1/K2を求め(S15)、この輝度比K1/K2をもって、第1比較画像Bの明るさを蛍光検出画像Aの明るさに修正した第1比較画像Bを、第2比較画像B′として作成する(S16)。このとき、蛍光検出画像Aにおいて、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素には、ゲルカセット7の自家蛍光成分のみが映し出されていることから(図7(a)参照)、第2比較画像B′の明るさ(各輝度の値)は、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分の影響を残しつつも、蛍光検出画像Aにおけるゲルカセット7の自家蛍光成分による明るさ(輝度の値K1)に殆ど等しくなる(図7(c)参照)。そこで、蛍光検出画像Aに対して第2比較画像B′を画素間減算すると(S17)、ゲルカセット7の自家蛍光成分の明るさが除かれた蛍光検出画像Aを、補正画像A′として取得することができる(図6(a),図7(a)と図6(d),図7(d)を比較参照)。
【0044】
すなわち、本実施の形態の蛍光読取装置10では、各励起光源2の励起光によりゲルカセット7が蛍光した自家蛍光成分も蛍光検出画像Aに映し出される場合には(図6(a),図7(a)参照)、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加え、ゲルカセット7の反射光成分までも映し出される第1比較画像Bを光学フィルター6を介さずにCCDカメラ3で取得し(S14)、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素同士の輝度比K1/K2をもって、第1比較画像Bの明るさを蛍光検出画像Aの明るさに修正した第2比較画像B′を作成し(S16)、蛍光検出画像Aに対して第2比較画像B′を画素間減算することにより(S17)、蛍光検出画像Aを画像処理した補正画像A′を取得しており、この補正画像A′には、ゲルカセット7の自家蛍光成分の明るさが除かれているので(図6(d),図7(d)参照)、自家蛍光の大きいゲルカセット7を使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像(補正画像A′)を取得することができる。
【0045】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10において、ゲルカセット7とCCDカメラ3の間に光学フィルター6を出入させるフィルターホイール4が設けられており、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、ゲルカセット7と各励起光源2とCCDカメラ3との三者の相対的位置関係を確保した状態で、蛍光検出画像A及び第1比較画像BをCCDカメラ3で取得することができるので、図5のフローチャートを実行することにより、蛍光検出画像A及び第1比較画像Bなどに基づいて画像処理された補正画像A′の信頼性は大きなものとなる。
【0046】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、図7(a),(b)を比較すればわかるように、第1比較画像Bは蛍光検出画像Aよりも明るいものであったが、この点、第1比較画像Bが蛍光検出画像Aよりも暗いものであったとしても、第1比較画像Bを撮像する際のCCDカメラ3のシャッター時間が適切なものであれば、図5のフローチャートにより、ゲルカセット7の自家蛍光成分の明るさが除かれた蛍光検出画像Aを、補正画像A′として取得することができる。
【0047】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、図1に示すように、各励起光源2の励起光をゲルカセット7の上方から照射する所謂落射式のものであるが、この点、各励起光源2の励起光をゲルカセット7の下方から照射する所謂透過式のものであってもよく、また、励起光源2の励起光をゲルカセット7の側面から照射する方式のものであってもよい。
【0048】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、S13において、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、空隙8をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させ、S14において、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、第1比較画像Bを取得している。この点、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加えてゲルカセット7の反射光成分までも透過し得る別個の光学フィルターを介して、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、第1比較画像Bを取得してもよい。
【0049】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、図5に示すように、蛍光検出画像Aを取得する度に(S12)、第1比較画像Bを取得し(S14)、第2比較画像B′を作成していたが(S16)、この点、ゲルカセット7のセット位置の精度が確保されるのであれば、蛍光検出画像Aを取得する度に第2比較画像B′を作成するのではなく、予め作成した第2比較画像B′を共用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の蛍光読取装置では、光源の励起光によりゲルカセットが蛍光した自家蛍光成分も蛍光検出画像に映し出される場合には、試片蛍光成分及び自家蛍光成分に加え反射光成分までも映し出される第1比較画像を光学フィルターを介さずに撮像機器で取得し、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、第1比較画像の明るさを第2比較画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算することにより、蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得しており、この補正画像には、ゲルカセットの自家蛍光成分の明るさが除かれているので、自家蛍光の大きいゲルカセットを使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像(補正画像)を取得することができる。
【0051】
また、本発明の蛍光読取装置において、ゲルカセットと撮像機器の間に光学フィルターを出入させる移動手段に設ければ、ゲルカセットと光源と撮像機器との三者の相対的位置関係を確保した状態で、蛍光検出画像及び第1比較画像を撮像機器で取得することができるので、蛍光検出画像及び第1比較画像などに基づいて画像処理された補正画像の信頼性は大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による蛍光読取装置の概要を示す。
【図2】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で使用されるフィルターホイールの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で使用されるゲルカセットの斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で使用されるゲルカセットの平面図である。
【図5】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で行われる画像処理のフローチャートを示した図である。
【図6】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で撮像又は処理された各画像の一例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で撮像又は処理された各画像について、或る一次元画素と輝度の関係の一例を簡略して示した図である。
【図8】従来技術の蛍光読取装置の概要を示す。
【符号の説明】
1 泳動用ゲル
2 励起光源
3 CCDカメラ
4 フィルターホイール
5 モータ
6 光学フィルター
7 ゲルカセット
8 空隙
A 蛍光検出画像
A′補正画像
B 第1比較画像
B′第2比較画像
P ゲルカセットのみが画像に映し出されるゲルカセットの特定箇所
【発明の属する技術分野】
本発明は、泳動用ゲル内で電気泳動により分離した核酸(DNA)や蛋白質等を蛍光検出する蛍光読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、泳動用ゲル内で電気泳動により分離した核酸(DNA)や蛋白質等を蛍光検出する蛍光読取装置としては、例えば、図8に示すような蛍光読取装置100がある。そして、図8の蛍光読取装置100では、CCDカメラ111及び、光学フィルター112、泳動用ゲル115を保持したゲルカセット113、励起光を照射する一対の励起光源114などを備えており、各励起光源114からの励起光を泳動用ゲル115に落射することによって、CCDカメラ111で蛍光検出画像を取得している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−271827号公報
【0004】
このとき、泳動用ゲル115としては、作業者自らが作製したものを使用することが多いが、作業者自らが作製する手間を省くため、既製ゲルを使用することもある。
【0005】
この点、既製ゲルを保持するゲルカセット113は、ガラス製のものを使用するが、その理由は、各励起光源114からの励起光を泳動用ゲル(既製ゲル)115に落射した際に、ゲルカセット113を照射しても、ガラス(を材料とするゲルカセット113)から発生する光(自家蛍光)が少ないからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大量生産によるコストダウンを考慮すれば、泳動用ゲル(既製ゲル)115を保持するゲルカセット113は、ガラスではなく、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂で製造することが望ましいが、この点、ポリカーボネードやアクリルなどの樹脂は、各励起光源114からの励起光が照射された際に発生する光(自家蛍光)が大きく、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂で製造されたゲルカセット113を使用すると、この自家蛍光がバックノイズになって、鮮明な蛍光検出画像をCCDカメラ111で取得することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、自家蛍光の大きいゲルカセットを使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像を取得することができる蛍光読取装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、蛍光標識された試料断片が電気泳動により分離されている泳動用ゲルを保持するゲルカセットと、前記泳動用ゲル内の試験断片を蛍光させるための励起光を出射する光源と、前記泳動用ゲルの方面からの光のうち、前記光源の励起光により前記試料断片が蛍光した試片蛍光成分を透過させる一方、前記光源の励起光が前記ゲルカセットで反射した反射光成分をカットする光学フィルターと、前記光学フィルターを介して前記試料断片の蛍光検出画像を取得する撮像機器と、を有する蛍光読取装置において、前記光源の励起光により前記ゲルカセットが蛍光した自家蛍光成分も前記蛍光検出画像に映し出される場合には、前記試片蛍光成分及び前記自家蛍光成分に加え前記反射光成分までも映し出される第1比較画像を前記光学フィルターを介さずに前記撮像機器で取得し、前記ゲルカセットのみが映し出され前記ゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、前記第1比較画像の明るさを前記蛍光検出画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、前記蛍光検出画像に対して前記第2比較画像を画素間減算することにより、前記蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得すること、を特徴としている。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する蛍光読取装置であって、前記ゲルカセットと前記撮像機器の間に前記光学フィルターを出入させる移動手段を備えたこと、を特徴としている。
【0010】
このような特徴を有する本発明の蛍光読取装置では、光源から出射された励起光が、ゲルカセットに保持された泳動用ゲルへ照射されると、蛍光標識された試料断片が泳動用ゲル内で蛍光発光することになる。従って、光学フィルターを介すれば、泳動用ゲルの方面からの光のうち、試料断片の試片蛍光成分は透過するとともにゲルカセットの反射光成分はカットされるので、撮像機器により、試料断片の蛍光検出画像を取得することができる。
【0011】
このとき、光源からの励起光がゲルカセットを照射すると、ゲルカセットが自家蛍光の大きい材料で製造されていた場合には、ゲルカセットまでも蛍光発光するので、撮像機器で取得された蛍光検出画像には、ゲルカセットの自家蛍光成分がバックノイズとして映し出されてしまう。
【0012】
そこで、本発明の蛍光読取装置では、ゲルカセットの自家蛍光成分までも蛍光検出画像に映し出される場合には、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分と比べて格段に明るいゲルカセットの反射光成分に注目し、以下の手順で、蛍光検出画像の画像処理を行う。
【0013】
先ず、光学フィルターを介さずに撮像することにより、試料断片の試片蛍光成分及びゲルカセットの自家蛍光成分に加えてゲルカセットの反射光成分までも映し出される第1比較画像を撮像機器で取得する。このとき、ゲルカセットの反射光成分は、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分と比べて格段に明るいことから、第1比較画像の明るさは、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分の影響を残しつつも、ゲルカセットの反射光成分が大きな割合を占めることになる。
【0014】
次に、蛍光検出画像と第1比較画像において、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比を求め、この輝度比をもって、第1比較画像の明るさを蛍光検出画像の明るさに修正した第1比較画像を、第2比較画像として作成する。このとき、蛍光検出画像において、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素には、ゲルカセットの自家蛍光成分のみが映し出されていることから、第2比較画像の明るさは、ゲルカセットの自家蛍光成分や試料断片の試片蛍光成分の影響を残しつつも、蛍光検出画像におけるゲルカセットの自家蛍光成分による明るさに殆ど等しくなる。そこで、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算すると、ゲルカセットの自家蛍光成分の明るさが除かれた蛍光検出画像を、補正画像として取得することができる。
【0015】
すなわち、本発明の蛍光読取装置では、光源の励起光によりゲルカセットが蛍光した自家蛍光成分も蛍光検出画像に映し出される場合には、試片蛍光成分及び自家蛍光成分に加え反射光成分までも映し出される第1比較画像を光学フィルターを介さずに撮像機器で取得し、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、第1比較画像の明るさを第2比較画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算することにより、蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得しており、この補正画像には、ゲルカセットの自家蛍光成分の明るさが除かれているので、自家蛍光の大きいゲルカセットを使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像(補正画像)を取得することができる。
【0016】
また、本発明の蛍光読取装置において、ゲルカセットと撮像機器の間に光学フィルターを出入させる移動手段に設ければ、ゲルカセットと光源と撮像機器との三者の相対的位置関係を確保した状態で、蛍光検出画像及び第1比較画像を撮像機器で取得することができるので、蛍光検出画像及び第1比較画像などに基づいて画像処理された補正画像の信頼性は大きなものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本実施の形態は、泳動用ゲル内で電気泳動により分離した核酸(DNA)や蛋白質等を蛍光検出する蛍光読取装置に関するものである。
【0018】
先ず、図1に、本実施の形態の蛍光読取装置10の概要を示す。図1の蛍光読取装置10は、、ゲルカセット7及び、一対の励起光源2、CCDカメラ3、フィルターホイール4、モータ5などから構成されており、暗室内に設置されることにより、外光が入らないようにしている。尚、図1の蛍光読取装置10が暗室内に設置されない場合には、これらの構成要素を、図示しない筐体の中にセットする。また、励起光源2としては、例えば、青色LEDを採用することができる。そして、励起光源2として、青色LEDを用いる場合は、ゲルカセット7との間に、図示しない励起光フィルターを配置しておく。
【0019】
ゲルカセット7は、図4の平面図に示すように、泳動用ゲル1を保持するものである。さらに、詳しく言えば、図3の斜視図に示すように、ゲルカセット7は、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂を材料とする2枚のプレート21,22を重ね合わせ、ゲル1を作成させた後に、試料断片を入れるためのウェルを(泳動用ゲル1に)形成するコーム23を外す構造になっている。
【0020】
尚、2枚のプレート21,22で保持された泳動用ゲル1は、およそ25mm角で厚さは1mmである。また、泳動用ゲル1の中には、ウェルから入れられた核酸(DNA)が、図示しない電気泳動槽を用いた処理により分離されており、さらに、蛍光色素FITCで標識されている。
【0021】
各励起光源2は、蛍光色素FITCを励起させるための励起光を出射する光源で、その中心波長が473nmのものを用いている。この点、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)は、蛍光色素FITCで標識されていることから、各励起光源2からの励起光が照射されると、蛍光発光することができる。
【0022】
CCDカメラ3は、後述する光学フィルター6(図2参照)を介して、ゲルカセット7を撮像することにより、ゲルカセット7に保持された泳動用ゲル1内で蛍光色素FITCに標識された核酸(DNA)の蛍光検出画像を取得するものである。
【0023】
フィルターホイール4は、図2の平面図に示すように、光学フィルター6及び空隙8が対称的に設けられており、モータ5で回転させることにより、光学フィルター6又は空隙8をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させるものである。
【0024】
この点、光学フィルター6は、泳動用ゲル1の方面からの光のうち、各励起光源2の励起光により泳動用ゲル1内の核酸(DNA)が蛍光した試片蛍光成分を透過させる一方、各励起光源2の励起光がゲルカセット7で反射した反射光成分をカットする性質を備えるものである。すなわち、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)は、蛍光色素FITCで標識されていることから、各励起光源2からの励起光が照射されると、蛍光を発する。従って、泳動用ゲル1内で核酸(DNA)に標識された蛍光色素FITCからの蛍光(試片蛍光成分)は光学フィルター6を透過できる一方、各励起光源2からの励起光がゲルカセット7で反射して光学フィルター6に向かっても、(反射光成分は)光学フィルター6を透過できない。
【0025】
但し、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂を材料とする2枚のプレート21,22などで構成されるゲルカセット7に対しては、各励起光源2からの励起光が照射されているので、ゲルカセット7(2枚のプレート21,22)から光(自家蛍光)が発すると、ゲルカセット7(2枚のプレート21,22)からの蛍光(自家蛍光成分)は光学フィルター6を透過することがある。
【0026】
尚、空隙8には、何も介在しないので、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及び、各励起光源2の励起光の反射光成分、ゲルカセット7の自家蛍光成分のいずれも、通過することができる。
【0027】
次に、本実施の形態の蛍光読取装置10の画像処理機能について説明する。図5は、本実施の形態の蛍光読取装置10の画像処理のフローチャートであり、図示しない制御機器で行われるものである。
【0028】
先ず、S11において、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、光学フィルター6をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させる。そして、S12において、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、蛍光検出画像Aを取得する。
【0029】
ここで、図6(a)に、蛍光検出画像Aの一例を示す。このとき、蛍光検出画像Aの各画素の輝度は、図7(a)に示すように、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度αと、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βとに区別することができる。すなわち、図7(a)について言えば、蛍光検出画像Aには、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βの二者を有する画素と、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βのみを有する画素がある。
【0030】
尚、図7(a)は、説明の便宜のために、図6(a)の蛍光検出画像Aにおける或る一次元画素の輝度を簡略化した一例である。また、図7(a)のPとは、図4に示すように、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素を示す。これらの点は、図7(b),(c),(d)においても同様である。また、図7(a)においては、説明の便宜のために、ゲルカセット7のみが映し出される各画素の輝度は、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素の輝度と同じ値K1をとるものとする。
【0031】
次に、S13において、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、空隙8をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させる。そして、S14において、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、第1比較画像Bを取得する。このとき、第1比較画像Bを取得する際のCCDカメラ3のシャッター時間は、本画像処理の目的(後述する補正画像A′を作成すること)を達成するためには、蛍光検出画像Aを取得する際のCCDカメラ3のシャッター時間と異なることが多い。従って、各シャッター時間は、予め最適なものに設定する必要がある。
【0032】
ここで、図6(b)に、第1比較画像Bの一例を示す。このとき、第1比較画像Bの各画素の輝度は、図7(b)に示すように、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α′と、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′と、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γに区別することができる。すなわち、図7(b)について言えば、第1比較画像Bには、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α′及び、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γの三者を有する画素と、ゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′及びゲルカセット7の反射光成分による濃度γの二者を有する画素がある。
【0033】
そして、第1比較画像Bでは、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分やゲルカセット7の自家蛍光成分と比べてゲルカセット7の反射光成分が相対的に大きいことから、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α′及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度β′の占める割合は小さく、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γの占める割合は大きい。そのため、第1比較画像Bを、蛍光検出画像Aと比べると、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度βが縮小された状態にある。
【0034】
次に、S15において、蛍光検出画像Aと第1比較画像Bを比較し、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素における輝度比を求める。ここでは、図7(a),(b)に示すように、蛍光検出画像Aの輝度の値がK1であり、第1比較画像Bの輝度の値がK2であるから、輝度比はK1/K2となる。
【0035】
次に、S16において、第1比較画像Bの各画素の輝度について、輝度比K1/K2をそれぞれ乗じることにより、第2比較画像B′を作成する。
【0036】
ここで、図6(c)に、第2比較画像B′の一例を示す。このとき、第2比較画像B′の各画素の輝度は、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度も存在するものの、図7(c)に示すように、ゲルカセット7の反射光成分による濃度γ′で殆ど占められる。従って、図7(c)では、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度及びゲルカセット7の自家蛍光成分による濃度は図示していない。また、第2比較画像B′では、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素の輝度の値が、蛍光検出画像Aにおける輝度の値K1と同じになる。さらに、第2比較画像B′では、ゲルカセット7のみが映し出される各画素の輝度についても、蛍光検出画像Aにおける輝度の値K1と同じになる。
【0037】
次に、S17において、蛍光検出画像Aの各画素の輝度に対して、第2比較画像B′の各画素の輝度を減算することにより、補正画像A′を作成する。
【0038】
ここで、図6(d)に、補正画像A′の一例を示す。このとき、補正画像A′の各画素の輝度は、図7(d)に示すように、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度α″のみとなる。また、ゲルカセット7のみが映し出されるゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素を含めて、ゲルカセット7のみが映し出される画素は、最も暗い輝度の値になる。すなわち、補正画像A′は、蛍光検出画像Aに対し、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分による濃度αに多少の影響を与えるものの、ゲルカセット7の自家蛍光成分βを除いたものと言うことができる。
【0039】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の蛍光読取装置10では、各励起光源2から出射された励起光が、ゲルカセット7に保持された泳動用ゲル1へ照射されると、蛍光標識された核酸(DNA)が泳動用ゲル1内で蛍光発光することになる。従って、光学フィルター6を介すれば、泳動用ゲル1の方面からの光のうち、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分は透過するとともにゲルカセット7の反射光成分はカットされるので、CCDカメラ3により、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の蛍光検出画像Aを取得することができる。
【0040】
このとき、各励起光源2からの励起光がゲルカセット7を照射すると、ゲルカセット7が、ポリカーボネードやアクリルなどの透明な樹脂を材料とする2枚のプレート21,22などで構成されており、自家蛍光の大きい材料で製造されているので、ゲルカセット7までも蛍光発光し、CCDカメラ3で取得された蛍光検出画像Aには、ゲルカセット7の自家蛍光成分がバックノイズとして映し出されてしまう(図6(a),図7(a)参照)。
【0041】
そこで、本実施の形態の蛍光読取装置10では、ゲルカセット7の自家蛍光成分までも蛍光検出画像Aに映し出される場合には、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分と比べて格段に明るいゲルカセット7の反射光成分に注目し、以下の手順で(図5参照)、蛍光検出画像Aの画像処理を行う。
【0042】
先ず、光学フィルター6を介さずにCCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加えてゲルカセット7の反射光成分までも映し出される第1比較画像BをCCDカメラ3で取得する(S13,S14)。このとき、ゲルカセット7の反射光成分は、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分と比べて格段に明るいことから、第1比較画像Bの明るさは、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分の影響を残しつつも、ゲルカセット7の反射光成分が大きな割合を占めることになる(図7(b)参照)。
【0043】
次に、蛍光検出画像Aと第1比較画像Bにおいて、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素同士の輝度比K1/K2を求め(S15)、この輝度比K1/K2をもって、第1比較画像Bの明るさを蛍光検出画像Aの明るさに修正した第1比較画像Bを、第2比較画像B′として作成する(S16)。このとき、蛍光検出画像Aにおいて、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素には、ゲルカセット7の自家蛍光成分のみが映し出されていることから(図7(a)参照)、第2比較画像B′の明るさ(各輝度の値)は、ゲルカセット7の自家蛍光成分や泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分の影響を残しつつも、蛍光検出画像Aにおけるゲルカセット7の自家蛍光成分による明るさ(輝度の値K1)に殆ど等しくなる(図7(c)参照)。そこで、蛍光検出画像Aに対して第2比較画像B′を画素間減算すると(S17)、ゲルカセット7の自家蛍光成分の明るさが除かれた蛍光検出画像Aを、補正画像A′として取得することができる(図6(a),図7(a)と図6(d),図7(d)を比較参照)。
【0044】
すなわち、本実施の形態の蛍光読取装置10では、各励起光源2の励起光によりゲルカセット7が蛍光した自家蛍光成分も蛍光検出画像Aに映し出される場合には(図6(a),図7(a)参照)、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加え、ゲルカセット7の反射光成分までも映し出される第1比較画像Bを光学フィルター6を介さずにCCDカメラ3で取得し(S14)、ゲルカセット7のみが映し出されゲルカセット7の特定箇所Pに該当する画素同士の輝度比K1/K2をもって、第1比較画像Bの明るさを蛍光検出画像Aの明るさに修正した第2比較画像B′を作成し(S16)、蛍光検出画像Aに対して第2比較画像B′を画素間減算することにより(S17)、蛍光検出画像Aを画像処理した補正画像A′を取得しており、この補正画像A′には、ゲルカセット7の自家蛍光成分の明るさが除かれているので(図6(d),図7(d)参照)、自家蛍光の大きいゲルカセット7を使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像(補正画像A′)を取得することができる。
【0045】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10において、ゲルカセット7とCCDカメラ3の間に光学フィルター6を出入させるフィルターホイール4が設けられており、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、ゲルカセット7と各励起光源2とCCDカメラ3との三者の相対的位置関係を確保した状態で、蛍光検出画像A及び第1比較画像BをCCDカメラ3で取得することができるので、図5のフローチャートを実行することにより、蛍光検出画像A及び第1比較画像Bなどに基づいて画像処理された補正画像A′の信頼性は大きなものとなる。
【0046】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、図7(a),(b)を比較すればわかるように、第1比較画像Bは蛍光検出画像Aよりも明るいものであったが、この点、第1比較画像Bが蛍光検出画像Aよりも暗いものであったとしても、第1比較画像Bを撮像する際のCCDカメラ3のシャッター時間が適切なものであれば、図5のフローチャートにより、ゲルカセット7の自家蛍光成分の明るさが除かれた蛍光検出画像Aを、補正画像A′として取得することができる。
【0047】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、図1に示すように、各励起光源2の励起光をゲルカセット7の上方から照射する所謂落射式のものであるが、この点、各励起光源2の励起光をゲルカセット7の下方から照射する所謂透過式のものであってもよく、また、励起光源2の励起光をゲルカセット7の側面から照射する方式のものであってもよい。
【0048】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、S13において、フィルターホイール4をモータ5で回転させることにより、空隙8をCCDカメラ3とゲルカセット7の間に介在させ、S14において、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、第1比較画像Bを取得している。この点、泳動用ゲル1内の核酸(DNA)の試片蛍光成分及びゲルカセット7の自家蛍光成分に加えてゲルカセット7の反射光成分までも透過し得る別個の光学フィルターを介して、CCDカメラ3でゲルカセット7を撮像することにより、第1比較画像Bを取得してもよい。
【0049】
また、本実施の形態の蛍光読取装置10においては、図5に示すように、蛍光検出画像Aを取得する度に(S12)、第1比較画像Bを取得し(S14)、第2比較画像B′を作成していたが(S16)、この点、ゲルカセット7のセット位置の精度が確保されるのであれば、蛍光検出画像Aを取得する度に第2比較画像B′を作成するのではなく、予め作成した第2比較画像B′を共用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明の蛍光読取装置では、光源の励起光によりゲルカセットが蛍光した自家蛍光成分も蛍光検出画像に映し出される場合には、試片蛍光成分及び自家蛍光成分に加え反射光成分までも映し出される第1比較画像を光学フィルターを介さずに撮像機器で取得し、ゲルカセットのみが映し出されゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、第1比較画像の明るさを第2比較画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、蛍光検出画像に対して第2比較画像を画素間減算することにより、蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得しており、この補正画像には、ゲルカセットの自家蛍光成分の明るさが除かれているので、自家蛍光の大きいゲルカセットを使用しても、バックノイズが小さな蛍光検出画像(補正画像)を取得することができる。
【0051】
また、本発明の蛍光読取装置において、ゲルカセットと撮像機器の間に光学フィルターを出入させる移動手段に設ければ、ゲルカセットと光源と撮像機器との三者の相対的位置関係を確保した状態で、蛍光検出画像及び第1比較画像を撮像機器で取得することができるので、蛍光検出画像及び第1比較画像などに基づいて画像処理された補正画像の信頼性は大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による蛍光読取装置の概要を示す。
【図2】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で使用されるフィルターホイールの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で使用されるゲルカセットの斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で使用されるゲルカセットの平面図である。
【図5】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で行われる画像処理のフローチャートを示した図である。
【図6】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で撮像又は処理された各画像の一例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態による蛍光読取装置で撮像又は処理された各画像について、或る一次元画素と輝度の関係の一例を簡略して示した図である。
【図8】従来技術の蛍光読取装置の概要を示す。
【符号の説明】
1 泳動用ゲル
2 励起光源
3 CCDカメラ
4 フィルターホイール
5 モータ
6 光学フィルター
7 ゲルカセット
8 空隙
A 蛍光検出画像
A′補正画像
B 第1比較画像
B′第2比較画像
P ゲルカセットのみが画像に映し出されるゲルカセットの特定箇所
Claims (2)
- 蛍光標識された試料断片が電気泳動により分離されている泳動用ゲルを保持するゲルカセットと、前記泳動用ゲル内の試験断片を蛍光させるための励起光を出射する光源と、前記泳動用ゲルの方面からの光のうち、前記光源の励起光により前記試料断片が蛍光した試片蛍光成分を透過させる一方、前記光源の励起光が前記ゲルカセットで反射した反射光成分をカットする光学フィルターと、前記光学フィルターを介して前記試料断片の蛍光検出画像を取得する撮像機器と、を有する蛍光読取装置において、
前記光源の励起光により前記ゲルカセットが蛍光した自家蛍光成分も前記蛍光検出画像に映し出される場合には、前記試片蛍光成分及び前記自家蛍光成分に加え前記反射光成分までも映し出される第1比較画像を前記光学フィルターを介さずに前記撮像機器で取得し、前記ゲルカセットのみが映し出され前記ゲルカセットの特定箇所に該当する画素同士の輝度比をもって、前記第1比較画像の明るさを前記蛍光検出画像の明るさに修正した第2比較画像を作成し、前記蛍光検出画像に対して前記第2比較画像を画素間減算することにより、前記蛍光検出画像を画像処理した補正画像を取得すること、を特徴とする蛍光読取装置。 - 請求項1に記載する蛍光読取装置であって、
前記ゲルカセットと前記撮像機器の間に前記光学フィルターを出入させる移動手段を備えたこと、を特徴とする蛍光読取装置。
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