JP2004286195A

JP2004286195A - リング型金属ガスケット

Info

Publication number: JP2004286195A
Application number: JP2003082501A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Takahiro; 憲一高広; Hideaki Mori; 英明森; Katsumi Watanabe; 勝美渡辺; Kanji Hanashima; 完治花島
Original assignee: Nichias Corp
Current assignee: Nichias Corp
Priority date: 2003-03-25
Filing date: 2003-03-25
Publication date: 2004-10-14
Also published as: US20040188955A1

Abstract

【課題】クランプを締め付けるボルト・ナットの位置に関係なく、フランジ面にわたって均等なシール性を確保することができるリング型金属ガスケットを提供する。
【解決手段】リング型金属ガスケットＡ_１は、断面角形の環状本体１と、その外周側に所要の角度をもってラッパ状に突出する一対の環状腕部２，２と、内周側に環状本体１の軸方向の高さより大きな高さをもって張り出す環状突出部３とで構成する。環状突出部３はフランジ４での位置決めとなる。クランプＣの締め付けによる楔作用でフランジ部を締め付けると、一対の環状腕部２，２は弾性変形し、その弾性反撥力によりフランジ面に圧接してシールする。
【選択図】図４

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体輸送配管のフランジ間のシールに用いて好適なリング型金属ガスケットの改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、高温流体の輸送配管のフランジ間にリング型金属ガスケットを挿入し、フランジの周りからクランプで挟み込むようにしてシールする構造の密封装置がある。
例えば、特開２００１−２４８７７２号公報には、クランプを締め付けネジによって、あるいはクランプ本体のボルト・ナットで締め付け、クランプ全体の径を縮小させることにより、クランプ本体の内側傾斜面による楔作用により管体のフランジ部を締め付け、それによりシール材を管軸方向および径方向に弾性変形させ、フランジ面にシール材を密接させる密封装置が記載されている。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−２４８７７２号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造の密封装置では、ボルト・ナットの締め付けによりクランプ全体の径を縮小させることでシール材を変形させる構造である。
このため、ボルト・ナットの位置が１箇所であると、クランプの締め付け圧がシール材に均等に作用しないため、シール材の部分により面圧が異なり、そのことでシール材との間に隙間が生じて漏れが生じる不具合がある。
【０００５】
また、ボルト・ナットが複数あっても、締め付け力はそれぞれボルト・ナットで均一ではないため、同様にクランプの締め付け圧が均等に作用しないため、ガスケットとの間に隙間が生じて漏れが生じることになる。
加えて、クランプを介してフランジを締め付けるため、フランジを直接ボルトで締め付ける場合に比較し、締め付け力が弱いという問題がある。
【０００６】
シール材が金属ガスケットであれば、ガスケット自体や、フランジの歪みを吸収できないため、変形し難く、フランジ面との間に隙間が生じ、それが顕著に現われる。
【０００７】
本発明の目的は、クランプを用いて管体のフランジを締め付ける構造の密封装置において、クランプを締め付けるボルト・ナットの位置に関係なく、フランジ全面にわたって均等なシール性を確保することができるリング型金属ガスケットを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであって、請求項１の発明によるリング型金属ガスケットは、断面角形の環状本体と、この環状本体の外周側に所要の角度をもってラッパ状に突出する一対の環状腕部と、前記環状本体の内周側に環状本体の軸方向の高さより大きな高さをもって張り出す環状突出部とから成ることを要旨とする。
請求項２の発明によるリング型金属ガスケットは、断面角形の環状本体と、この環状本体の内周側に所要の角度をもってラッパ状に突出する一対の環状腕部と、前記環状本体の外周側に環状本体の軸方向の高さより大きな高さをもって張り出す環状突出部とから成ることを要旨としている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態としては、図１〜図３に示すように、リング型金属ガスケットＡ_１は、断面角形の環状本体１と、この環状本体の外周側に所要の角度をもってラッパ状に突出する一対の環状腕部２，２と、前記環状本体１の内周側に環状本体の軸方向の高さより大きな高さをもって張り出す環状突出部３とで構成する。
【００１０】
本発明のリング型金属ガスケットに使用する材料は、一般にステンレス鋼やインコネル等の金属材料あるいは、それらの表面に銀、錫等の軟質金属メッキあるいは蒸着させたものを使用できるが、耐食性に優れているＳＵＳ３１６Ｌ等の使用が好ましい。
本発明のガスケットの加工方法は、金属を周知の機械加工法である切削加工等によるか、または材料を切除しない型鍛造等の方法によって形成することができる。
【００１１】
上記の構成のガスケットＡ_１において、環状本体１の外周側にラッパ状に突出する一対の環状腕部２，２の突出角度αは１０°〜１５°の範囲が好ましい。また、環状腕部２の厚さは１ｍｍ以下で、特に０．５ｍｍが好ましい。環状突出部３の突出長さは２ｍｍ以上が好ましい。
【００１２】
図３に、前記ガスケットの使用状態を示す。図中、Ａ_１は前記ガスケット、Ｂは管体、４はフランジ、Ｃはクランプである。
前記ガスケットＡ_１は、これをフランジ間に置くとき、環状突出部３をフランジ４，４の接合面に設けられた環状の溝部５内に挿入することにより、定められた位置に置くことができる。
【００１３】
前記ガスケットＡ_１をフランジ間に置いたあと、クランプＣによってフランジ間を締め付けると、一対の環状腕部２，２は弾性変形し、その際に発生する弾性反撥力によりフランジ面に圧接する。前記腕部２，２は低い荷重で変形し、荷重を取り除くと元に戻る。
前記腕部２，２は、上述したように、フランジの締め付けにより弾性変形するが、フランジ４，４の接合面が環状本体１に接した後は、環状本体１がスペーサの役割を果たすため、それ以上のフランジが締め付けることはない。
【００１４】
本発明の他の好ましい実施の形態を図５に示し、その使用状態を図６に示す。上記実施の形態によるガスケットＡ_２は、環状本体１の内周側に一対の環状腕部２，２を設け、外周側に環状突出部３を設けた構成としている。この構成によるガスケットＡ_２は環状突出部３がフランジ４の外側端面に当接することで、位置が定められる。
【００１５】
上記に示したガスケットＡ_１，Ａ_２の構成によれば、クランプを用いて管体のフランジを締め付ける構造の密封装置において、クランプの締め付けボルト・ナットの位置に関係なく、フランジ全面にわたって均等なシール性を確保することができる。
【００１６】
【実施例】
ＳＵＳ３１６Ｌ製金属からなる断面角形の環状本体を切削加工し、図３に示すように、環状腕部２の長さＬが２．１ｍｍ、環状本体１の幅Ｍが２．５ｍｍ、環状突出部３の管軸方向突出長さＮが２．０ｍｍのガスケット本体を作製した。
【００１７】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、クランプを用いて管体のフランジを締め付ける構造の密封装置において、クランプの締め付けボルト・ナットの位置に関係なく、フランジ面にわたって均等なシール性を確保することができるリング型金属ガスケットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示すガスケットの平面図である。
【図２】図１のＸ−Ｘ線拡大断面図である。
【図３】一部の拡大断面図である。
【図４】ガスケットの使用状態を示す断面図である。
【図５】本発明の他の実施例を示すガスケットの断面図である。
【図６】ガスケットの使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
Ａ_１，Ａ_２ガスケット
１断面角形の環状本体
２環状腕部
３環状突出部
Ｂ管体
４フランジ
Ｃクランプ

Claims

断面角形の環状本体と、この環状本体の外周側に所要の角度をもってラッパ状に突出する一対の環状腕部と、前記環状本体の内周側に環状本体の軸方向の高さより大きな高さをもって張り出す環状突出部とから成ることを特徴とするリング型金属ガスケット。
断面角形の環状本体と、この環状本体の内周側に所要の角度をもってラッパ状に突出する一対の環状腕部と、前記環状本体の外周側に環状本体の軸方向の高さより大きな高さをもって張り出す環状突出部とから成ることを特徴とするリング型金属ガスケット。