JP2004285741A - 木質化粧床材 - Google Patents
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Abstract
【課題】木質基材に耐水性の化粧シートを貼着した床材において、床面に滴下した水分が、その継ぎ目の部分から奥部に侵入しやすく、この水分が木質の基材に浸透してこれを腐らせたり、床材を支持する床下地に迄至る場合には、床下地を腐らせたり、白蟻等有害小動物の繁殖を招き易いという問題がある。
【解決手段】矩形状の基板の両側部に側方に開口する溝と側方に突出する凸部を形成すると共に上面に防水性に富む化粧シートを貼着して成り、向い合う溝と凸部を相互に嵌合する所謂実矧ぎにより連続敷設して床面の仕上げに使用する木質化粧床材であって、基板上面に貼着された化粧シートを基板上面の縁部で下方に折り曲げ、該化粧シートの一方の端部は少なくとも溝の底面の上端からその開口に至る下方に向く溝上面に至るまで連続して貼着し、他方の端部は凸部の先端面の上端から凸部の基部に至る上方に向く凸部上面に至るまで連続して貼着することを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】矩形状の基板の両側部に側方に開口する溝と側方に突出する凸部を形成すると共に上面に防水性に富む化粧シートを貼着して成り、向い合う溝と凸部を相互に嵌合する所謂実矧ぎにより連続敷設して床面の仕上げに使用する木質化粧床材であって、基板上面に貼着された化粧シートを基板上面の縁部で下方に折り曲げ、該化粧シートの一方の端部は少なくとも溝の底面の上端からその開口に至る下方に向く溝上面に至るまで連続して貼着し、他方の端部は凸部の先端面の上端から凸部の基部に至る上方に向く凸部上面に至るまで連続して貼着することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に化粧シートを貼着して形成され、実矧ぎにより連続敷設して、トイレ、洗面、キッチン等防水性が要求される床面の仕上げに好適に使用される木質化粧床材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の中でトイレ、洗面、キッチン等水廻り関係の床面は、水が飛散或いは滴下するためタイルで仕上げされることが多い。しかし、施工に熟練と時間とコストが多くかかることと、目地にカビ等の汚れが目立ち、その掃除に手間がかかるという問題がある。
【0003】
他方大理石、みかげ石等石材を用いた仕上げ仕様もあるが、施工に熟練を要し、コストが著しく高いという問題がある。
【0004】
そこで、近年防水性に優れた床材として、ビニル系、リノリュウム系、ゴム系、アスファルト系等プラスチック系床材が提案され、多彩な色や柄の製品が多用されている。この種床材はクッション性、装飾性、断熱性、コスト面で優れるが、対磨耗性、耐熱性に劣り、特に火災時有毒ガスを発生するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題点を解決するために、図5に示すように、合板やMDF等の基材aに耐水性の化粧シートbを貼着した複合床材が提案されている(例えば、特開2000−30790号公報)。そして、実矧ぎ、雇核矧ぎ、相欠矧ぎ等従来から慣用されている板矧ぎ構造で床下地cの上に連続敷設して床仕上げを施している。
【0006】
この種複合床材において、その表面は耐水性の化粧シートbで被覆されているため防水性が担保されている。しかし床面に滴下した水分が、その継ぎ目dの部分から奥部に侵入しやすく、この水分が木質の基材aに浸透してこれを腐らせたり、床下地cに迄至る場合には、床下地cを腐らせたり、白蟻等有害小動物の繁殖を招き易いという問題がある。
【0007】
また、その継ぎ目dの部分からの水分の侵入防止のため、その継ぎ目d全体に接着剤によりシールすることも考えられるが、施工に手間がかかる上に、継ぎ目dの表面からその接着剤が食み出して外観を損ねるという問題がある。
【0008】
さらに、図5に示すように、複合床材の表面縁部に面取りeを具える場合、耐水性確保のため防水塗料の塗布を必要とし、施工に手間がかかる上、塗料劣化に伴って水分の溜まり易い面取りeの表面から基材aへの水分浸透の恐れがある。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、防水性に優れ、かつ施工性の高い木質化粧床材を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、矩形状の基板の両側部に側方に開口する溝と側方に突出する凸部を形成すると共に上面に防水性に富む化粧シートを貼着して成り、向い合う溝と凸部を相互に嵌合する所謂実矧ぎにより連続敷設して床面の仕上げに使用する木質化粧床材であって、基板上面に貼着された化粧シートを基板上面の縁部で下方に折り曲げ、該化粧シートの一方の端部は少なくとも溝の底面の上端からその開口に至る下方に向く溝上面に至るまで連続して貼着し、他方の端部は凸部の先端面の上端から凸部の基部に至る上方に向く凸部上面に至るまで連続して貼着することを特徴としている。
【0011】
また請求項2記載の発明は、溝の底面の下端からその開口に至る上方に向く溝下面が、開口側が低くなる傾斜を有すること特徴としている。
【0012】
また請求項3記載の発明は、矩形状の基板の縁部であって、溝又は凸部を具える側面に続く縁部にテーパ面を形成し、双方のテーパ面の高さ寸法を同一としたことを特徴とし、更に請求項4記載の発明では、前記テーパ面の下端から下方に連続して、下方が内側に傾く逆傾斜面を形成することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の木質化粧床材を連続敷設した状態を表し、図2(a)(b)はその取付工程を表す要部の拡大斜視図である。本発明の木質化粧床材は、両側部に溝2及び凸部3を具えた矩形状の基板1と、その上面に貼着された化粧シート4とからなる。
【0014】
前記基板1は、矩形形状を基本とし、長さ1〜3m、幅10〜50cm、厚み10〜30mmの大きさに加工された杉、米松、ラジアタパイン等の無垢材の他ラワン合板、MDF、集成木材等を使用する。
【0015】
前記凸部3は、基板1の一方の側部の略中位の高さに、基板1の全長において、その厚みの略3分の1の厚さで側方に突出するものであり、その突出長は4〜20mmである。
【0016】
溝2は、基板1の他方の側部で前記凸部3と同じ高さに形成され、その開口高さは凸部3の厚みと略同じで、その深さは凸部3の突出長に同じか、或いは少し長く形成される。凸部3と溝2は、上記のような形状に形成されているので、図1及び図2(b)に示すように、隣接する床材間で、相互に嵌合して所謂実矧ぎ継ぎ手を形成し、一連の床仕上げを構成する。
【0017】
前記化粧シート4は、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS 樹脂等を厚さ0.005〜0.3mmに成形した防水性に富むものを採用し、表面には例えばグラビア印刷等によって木目、幾何学模様等を施してあり、ウレタン系接着剤、合成ゴム系接着剤等により、基板1表面に貼着される。
【0018】
化粧シート4の両側部は基板1の上面縁部で各々下方に折れ曲り、一方は基板1の側面に沿って下方に延び、更に溝2の開口端で溝奥方向に折れ曲り、溝2の底面2Bの上端からその開口に至る下方に向く溝上面2U上に貼着される。又化粧シート4の他方の側部は、基板1の側面に沿って下方に延び、凸部3の基部で外側へ折れ曲り、凸部3の先端面の上端から凸部3の基部に至る上方に向く凸部上面3Uに貼着される。
【0019】
本実施形態の木質化粧床材を用いて床仕上げを行う作業工程は、先ず図1及び図2(a)に示すように、床面の一方側から(図1において図面左側から)裏面にウレタン系、もしくは、変性シリコーン系接着剤を塗布した木質化粧床材を床下地11 に載置し、凸部3基部近傍に斜め方向に打ち込んだ釘1 2により固定する。次に図2(b)に示すように、同じく裏面にウレタン系、もしくは、変性シリコーン系接着剤を塗布した隣接する木質化粧床材を、その溝2に前記先に固定した木質化粧床材の凸部3を嵌合する状態で、隙間なく床下地1に載置し、釘12により固定する。この工程を繰り返し、床下地11 全面に木質化粧床材を敷設し、床仕上げを行う。
【0020】
このように、向い合う凸部3と溝2を嵌合して連続敷設された本実施形態の木質化粧床材では、溝上面2U上に貼着された化粧シート4と凸部上面3Uに貼着された化粧シート4が重なり合い、しかも凸部3の厚みと溝2の開口幅は略同じ寸法に形成されているため、双方の化粧シート4は圧接され、従って表面から侵入した水は、この圧接部から奥には侵入することが阻止され、基板1や床下地11 に至って含浸し、これを腐らせたり白蟻等有害小動物の繁殖を招くことが完全に防止される。
【0021】
また本実施形態では、基板1の側部に形成された溝2の底面2Bの下端からその開口に至る上方に向く溝下面2Lに開口側が低くなる傾斜が設けられており、従って溝2が開口から奥に向かいその開口幅が漸次小さくなっている。これにより、所謂楔効果が働き、凸部3と溝2の嵌合時より大きな面圧が双方の化粧シート4に作用して防水性能をより確実とする。また、基板1に含水率変化等による経時的な寸法収縮があっても、これを吸収し、防水性能を維持しうる。
【0022】
さらに本実施形態では、基板1の表面の縁部であって、溝2又は凸部3を具える側部に続く双方の縁部に同じ高さのテーパ面5を形成している。このテーパ面5上には溝上面2U及び凸部上面3Uに至る化粧シート4が積層されており、図2(b)に示すように、隣接する木質化粧床材の接合部で化粧シート4に被覆されたV字溝1 3が形成され、外観を良好とする。また該基板1表面から側面に折れ曲る化粧シート4の曲がり角度が、テーパ面5により直角よりも大きな角度(本実施形態では、120度)に緩和されるため、化粧シート4の折り曲げによる強度劣化が緩和され、亀裂発生等を防止しうる。
【0023】
更に本実施形態では、前記テーパ面5の下端から下方に連続して、下方が内側へ30度傾く逆傾斜面6を形成しており、テーパ面5から逆傾斜面6の表面には溝上面2U及び凸部上面3Uに至る化粧シート4が連続積層されている。前記のように、双方のテーパ面5は同じ高さに形成されているので、図2(b)に示すように、隣接する木質化粧床材の接合部でテーパ面5と逆傾斜面6の稜線相互が線接触することとなり、該接触部分での化粧シート4の圧接により、表面からの水の侵入を阻止し、一時止水を形成する。
【0024】
本実施形態の木質化粧床材を製造するに際して、溝2を具える側の加工は、定尺寸法に切断加工した基板1の側面に対し、先ず図3(a)に示すように、従来周知のルーター加工装置を用い、溝2、テーパ面5及び逆傾斜面6を切削形成する。次に図3(b)に示すように、定盤1 4に載置した基板1の上面に化粧シート4を大型水平ロール15で圧接し貼着する。次に図3(c)に示すように、基板1側面に折れ曲る化粧シート4を、周面にV字溝を備えた側部ローラ16でテーパ面5及び逆傾斜面6に圧接し貼着する。最後に図3(d)に示すように、溝2内に折れ曲る化粧シート4を片持ち状態で軸支されたミニローラ1 7により溝上面2Uに圧接し貼着する。
【0025】
凸部3を具える側の加工は、基板1の側面に対し、先ず図4(a)に示すように、凸部3、テーパ面5及び逆傾斜面6を切削形成する。次に図4(b)、図4(c)に示すように、前記溝2の側の加工と同様にして、基板1の上面、テーパ面5及び逆傾斜面6に化粧シート4を貼着する。最後に図4(d)に示すように、凸部3の基部から外側に折れ曲る化粧シート4を中ローラ18で凸部上面3Uに圧接し貼着する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、基板上面に貼着された化粧シートを基板上面の縁部で下方に折り曲げ、該化粧シートの一方の端部は少なくとも溝の底面の上端からその開口に至る下方に向く溝上面に至るまで連続して貼着し、他方の端部は凸部の先端面の上端から凸部の基部に至る上方に向く凸部上面に至るまで連続して貼着することを特徴とするため、連続敷設した床仕上げにおいて、継ぎ手部分から侵入した水は、溝と凸部の嵌合部で双方の化粧シートが圧接されるので、それより奥には侵入することが阻止され、従って基板や床下地に含浸して、これらを腐らせたり白蟻等有害小動物の繁殖を招くことを完全に防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の使用状態を示す断面図である。
【図2】その施工手順を示す、要部拡大図である。
【図3】その製造手順を示す、工程図である。
【図4】その異なる部分の製造手順を示す、工程図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 溝
2B 底面
2L 溝下面
2U 溝上面
3 凸部
3T 先端面
3U 凸部上面
4 化粧シート
5 テーパ面
6 逆傾斜面
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に化粧シートを貼着して形成され、実矧ぎにより連続敷設して、トイレ、洗面、キッチン等防水性が要求される床面の仕上げに好適に使用される木質化粧床材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の中でトイレ、洗面、キッチン等水廻り関係の床面は、水が飛散或いは滴下するためタイルで仕上げされることが多い。しかし、施工に熟練と時間とコストが多くかかることと、目地にカビ等の汚れが目立ち、その掃除に手間がかかるという問題がある。
【0003】
他方大理石、みかげ石等石材を用いた仕上げ仕様もあるが、施工に熟練を要し、コストが著しく高いという問題がある。
【0004】
そこで、近年防水性に優れた床材として、ビニル系、リノリュウム系、ゴム系、アスファルト系等プラスチック系床材が提案され、多彩な色や柄の製品が多用されている。この種床材はクッション性、装飾性、断熱性、コスト面で優れるが、対磨耗性、耐熱性に劣り、特に火災時有毒ガスを発生するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題点を解決するために、図5に示すように、合板やMDF等の基材aに耐水性の化粧シートbを貼着した複合床材が提案されている(例えば、特開2000−30790号公報)。そして、実矧ぎ、雇核矧ぎ、相欠矧ぎ等従来から慣用されている板矧ぎ構造で床下地cの上に連続敷設して床仕上げを施している。
【0006】
この種複合床材において、その表面は耐水性の化粧シートbで被覆されているため防水性が担保されている。しかし床面に滴下した水分が、その継ぎ目dの部分から奥部に侵入しやすく、この水分が木質の基材aに浸透してこれを腐らせたり、床下地cに迄至る場合には、床下地cを腐らせたり、白蟻等有害小動物の繁殖を招き易いという問題がある。
【0007】
また、その継ぎ目dの部分からの水分の侵入防止のため、その継ぎ目d全体に接着剤によりシールすることも考えられるが、施工に手間がかかる上に、継ぎ目dの表面からその接着剤が食み出して外観を損ねるという問題がある。
【0008】
さらに、図5に示すように、複合床材の表面縁部に面取りeを具える場合、耐水性確保のため防水塗料の塗布を必要とし、施工に手間がかかる上、塗料劣化に伴って水分の溜まり易い面取りeの表面から基材aへの水分浸透の恐れがある。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、防水性に優れ、かつ施工性の高い木質化粧床材を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、矩形状の基板の両側部に側方に開口する溝と側方に突出する凸部を形成すると共に上面に防水性に富む化粧シートを貼着して成り、向い合う溝と凸部を相互に嵌合する所謂実矧ぎにより連続敷設して床面の仕上げに使用する木質化粧床材であって、基板上面に貼着された化粧シートを基板上面の縁部で下方に折り曲げ、該化粧シートの一方の端部は少なくとも溝の底面の上端からその開口に至る下方に向く溝上面に至るまで連続して貼着し、他方の端部は凸部の先端面の上端から凸部の基部に至る上方に向く凸部上面に至るまで連続して貼着することを特徴としている。
【0011】
また請求項2記載の発明は、溝の底面の下端からその開口に至る上方に向く溝下面が、開口側が低くなる傾斜を有すること特徴としている。
【0012】
また請求項3記載の発明は、矩形状の基板の縁部であって、溝又は凸部を具える側面に続く縁部にテーパ面を形成し、双方のテーパ面の高さ寸法を同一としたことを特徴とし、更に請求項4記載の発明では、前記テーパ面の下端から下方に連続して、下方が内側に傾く逆傾斜面を形成することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の木質化粧床材を連続敷設した状態を表し、図2(a)(b)はその取付工程を表す要部の拡大斜視図である。本発明の木質化粧床材は、両側部に溝2及び凸部3を具えた矩形状の基板1と、その上面に貼着された化粧シート4とからなる。
【0014】
前記基板1は、矩形形状を基本とし、長さ1〜3m、幅10〜50cm、厚み10〜30mmの大きさに加工された杉、米松、ラジアタパイン等の無垢材の他ラワン合板、MDF、集成木材等を使用する。
【0015】
前記凸部3は、基板1の一方の側部の略中位の高さに、基板1の全長において、その厚みの略3分の1の厚さで側方に突出するものであり、その突出長は4〜20mmである。
【0016】
溝2は、基板1の他方の側部で前記凸部3と同じ高さに形成され、その開口高さは凸部3の厚みと略同じで、その深さは凸部3の突出長に同じか、或いは少し長く形成される。凸部3と溝2は、上記のような形状に形成されているので、図1及び図2(b)に示すように、隣接する床材間で、相互に嵌合して所謂実矧ぎ継ぎ手を形成し、一連の床仕上げを構成する。
【0017】
前記化粧シート4は、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS 樹脂等を厚さ0.005〜0.3mmに成形した防水性に富むものを採用し、表面には例えばグラビア印刷等によって木目、幾何学模様等を施してあり、ウレタン系接着剤、合成ゴム系接着剤等により、基板1表面に貼着される。
【0018】
化粧シート4の両側部は基板1の上面縁部で各々下方に折れ曲り、一方は基板1の側面に沿って下方に延び、更に溝2の開口端で溝奥方向に折れ曲り、溝2の底面2Bの上端からその開口に至る下方に向く溝上面2U上に貼着される。又化粧シート4の他方の側部は、基板1の側面に沿って下方に延び、凸部3の基部で外側へ折れ曲り、凸部3の先端面の上端から凸部3の基部に至る上方に向く凸部上面3Uに貼着される。
【0019】
本実施形態の木質化粧床材を用いて床仕上げを行う作業工程は、先ず図1及び図2(a)に示すように、床面の一方側から(図1において図面左側から)裏面にウレタン系、もしくは、変性シリコーン系接着剤を塗布した木質化粧床材を床下地11 に載置し、凸部3基部近傍に斜め方向に打ち込んだ釘1 2により固定する。次に図2(b)に示すように、同じく裏面にウレタン系、もしくは、変性シリコーン系接着剤を塗布した隣接する木質化粧床材を、その溝2に前記先に固定した木質化粧床材の凸部3を嵌合する状態で、隙間なく床下地1に載置し、釘12により固定する。この工程を繰り返し、床下地11 全面に木質化粧床材を敷設し、床仕上げを行う。
【0020】
このように、向い合う凸部3と溝2を嵌合して連続敷設された本実施形態の木質化粧床材では、溝上面2U上に貼着された化粧シート4と凸部上面3Uに貼着された化粧シート4が重なり合い、しかも凸部3の厚みと溝2の開口幅は略同じ寸法に形成されているため、双方の化粧シート4は圧接され、従って表面から侵入した水は、この圧接部から奥には侵入することが阻止され、基板1や床下地11 に至って含浸し、これを腐らせたり白蟻等有害小動物の繁殖を招くことが完全に防止される。
【0021】
また本実施形態では、基板1の側部に形成された溝2の底面2Bの下端からその開口に至る上方に向く溝下面2Lに開口側が低くなる傾斜が設けられており、従って溝2が開口から奥に向かいその開口幅が漸次小さくなっている。これにより、所謂楔効果が働き、凸部3と溝2の嵌合時より大きな面圧が双方の化粧シート4に作用して防水性能をより確実とする。また、基板1に含水率変化等による経時的な寸法収縮があっても、これを吸収し、防水性能を維持しうる。
【0022】
さらに本実施形態では、基板1の表面の縁部であって、溝2又は凸部3を具える側部に続く双方の縁部に同じ高さのテーパ面5を形成している。このテーパ面5上には溝上面2U及び凸部上面3Uに至る化粧シート4が積層されており、図2(b)に示すように、隣接する木質化粧床材の接合部で化粧シート4に被覆されたV字溝1 3が形成され、外観を良好とする。また該基板1表面から側面に折れ曲る化粧シート4の曲がり角度が、テーパ面5により直角よりも大きな角度(本実施形態では、120度)に緩和されるため、化粧シート4の折り曲げによる強度劣化が緩和され、亀裂発生等を防止しうる。
【0023】
更に本実施形態では、前記テーパ面5の下端から下方に連続して、下方が内側へ30度傾く逆傾斜面6を形成しており、テーパ面5から逆傾斜面6の表面には溝上面2U及び凸部上面3Uに至る化粧シート4が連続積層されている。前記のように、双方のテーパ面5は同じ高さに形成されているので、図2(b)に示すように、隣接する木質化粧床材の接合部でテーパ面5と逆傾斜面6の稜線相互が線接触することとなり、該接触部分での化粧シート4の圧接により、表面からの水の侵入を阻止し、一時止水を形成する。
【0024】
本実施形態の木質化粧床材を製造するに際して、溝2を具える側の加工は、定尺寸法に切断加工した基板1の側面に対し、先ず図3(a)に示すように、従来周知のルーター加工装置を用い、溝2、テーパ面5及び逆傾斜面6を切削形成する。次に図3(b)に示すように、定盤1 4に載置した基板1の上面に化粧シート4を大型水平ロール15で圧接し貼着する。次に図3(c)に示すように、基板1側面に折れ曲る化粧シート4を、周面にV字溝を備えた側部ローラ16でテーパ面5及び逆傾斜面6に圧接し貼着する。最後に図3(d)に示すように、溝2内に折れ曲る化粧シート4を片持ち状態で軸支されたミニローラ1 7により溝上面2Uに圧接し貼着する。
【0025】
凸部3を具える側の加工は、基板1の側面に対し、先ず図4(a)に示すように、凸部3、テーパ面5及び逆傾斜面6を切削形成する。次に図4(b)、図4(c)に示すように、前記溝2の側の加工と同様にして、基板1の上面、テーパ面5及び逆傾斜面6に化粧シート4を貼着する。最後に図4(d)に示すように、凸部3の基部から外側に折れ曲る化粧シート4を中ローラ18で凸部上面3Uに圧接し貼着する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、基板上面に貼着された化粧シートを基板上面の縁部で下方に折り曲げ、該化粧シートの一方の端部は少なくとも溝の底面の上端からその開口に至る下方に向く溝上面に至るまで連続して貼着し、他方の端部は凸部の先端面の上端から凸部の基部に至る上方に向く凸部上面に至るまで連続して貼着することを特徴とするため、連続敷設した床仕上げにおいて、継ぎ手部分から侵入した水は、溝と凸部の嵌合部で双方の化粧シートが圧接されるので、それより奥には侵入することが阻止され、従って基板や床下地に含浸して、これらを腐らせたり白蟻等有害小動物の繁殖を招くことを完全に防止しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の使用状態を示す断面図である。
【図2】その施工手順を示す、要部拡大図である。
【図3】その製造手順を示す、工程図である。
【図4】その異なる部分の製造手順を示す、工程図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 溝
2B 底面
2L 溝下面
2U 溝上面
3 凸部
3T 先端面
3U 凸部上面
4 化粧シート
5 テーパ面
6 逆傾斜面
Claims (4)
- 矩形状の基板の両側部に側方に開口する溝と側方に突出する凸部を形成すると共に上面に防水性に富む化粧シートを貼着して成り、向い合う溝と凸部を相互に嵌合する所謂実矧ぎにより連続敷設して床面の仕上げに使用する木質化粧床材であって、基板上面に貼着された化粧シートを基板上面の縁部で下方に折り曲げ、該化粧シートの一方の端部は少なくとも溝の底面の上端からその開口に至る下方に向く溝上面に至るまで連続して貼着し、他方の端部は凸部の先端面の上端から凸部の基部に至る上方に向く凸部上面に至るまで連続して貼着することを特徴とする木質化粧床材。
- 溝の底面の下端からその開口に至る上方に向く溝下面が、開口側が低くなる傾斜を有することを特徴とする請求項1記載の木質化粧床材。
- 矩形状の基板の縁部であって、溝又は凸部を具える側面に続く縁部にテーパ面を形成し、双方のテーパ面の高さ寸法を同一としたことを特徴とする請求項1又は2記載の木質化粧床材。
- 上記テーパ面の下端から下方に連続して、下方が内側に傾く逆傾斜面を形成することを特徴とする請求項3記載の木質化粧床材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003080580A JP2004285741A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 木質化粧床材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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