JP2004284462A - フューエルインレットと燃料タンクとの取付構造、取付ユニット、及び燃料タンク - Google Patents

フューエルインレットと燃料タンクとの取付構造、取付ユニット、及び燃料タンク Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂製燃料タンクと金属製フューエルインレットとをワンタッチで結合する取付構造において、燃料の大気への漏洩を防止又は低減する。
【解決手段】樹脂製燃料タンク50と金属製フューエルインレット10との取付構造において、金属製筒状部材240は、樹脂製筒状部材230の内径とほぼ同じ大きさの外径を有する本体部241と、燃料タンク50側の一端で拡管された拡管部242とを有する。そして、射出成形により樹脂製筒状部材230と一体成形される際に、その本体部241が内方に露出し、拡管部242が樹脂製筒状部材230に埋設される。このため、金属製筒状部材240及び樹脂製筒状部材230が夫々熱膨張又は収縮してその径方向の変化があっても、これら樹脂製筒状部材230と金属製筒状部材240とが常に部分的に密着するため、漏洩しようとする揮発燃料がその密着部分でシャットアウトされる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された樹脂製燃料タンクと、燃料タンクに燃料を供給するために用いられる金属製フューエルインレットとを結合するための取付構造,取付ユニット,及び燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料タンクに燃料を注入する際には、例えば図7に示すようなフューエルインレット101が用いられる。このフューエルインレット101は、給油ノズルが差し込まれる大径の燃料注入部102を有する金属製のフューエルインレット本体103を備え、その先端部が、ゴムホース105を介し、燃料タンク50の燃料供給口から延設されたタンク接合管104の先端部に接続されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このフューエルインレット101の燃料注入部102には、燃料タンク50に連通するブリーザチューブ106が設けられ、給油時には、給油ノズルを燃料注入部102に差し込み、給油を行う。すると、燃料はフューエルインレット本体103、ゴムホース105及びタンク接合管104を介して燃料タンク50へと導びかれる。燃料タンク50に燃料が供給され始めると、燃料タンク50の空気がブリーザチューブ106を介して燃料注入部102側に押し出される。そして、燃料が供給され続けると、ついにはブリーザチューブ106の燃料注入部102側の開口から燃料が溢れ出す。給油者は、これを確認して給油作業を終了する。
【0004】
そして特に近年では、車載装置の軽量化等の要請から、燃料タンク50及びタンク接合管104に、従来の金属製のものではなく、樹脂製のものが採用されるようになってきている。尚、当該近年の構成について、発明者らは先行技術文献情報を備えておらず、この説明は、当業者間での公知技術に基づくものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−191802号公報 (図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、LEV(Low emission vehicles)IIに基づく米国カリフォルニア州の排ガス規制に対応し、燃料の大気への漏洩を一定基準値以下に抑えることが義務付けられている。このため、上記フューエルインレット本体103とタンク接合管104とを接続するために使用されるゴムホース105についても、燃料が透過しないように十分配慮がなされているものの、更にこの点を充実させることが好ましいという要望があった。
【0007】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、車両に搭載された樹脂製燃料タンクと金属製フューエルインレットとを結合する取付構造において、燃料の大気への漏洩の防止又は低減機能を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題に鑑み、本願請求項1記載の発明は、車両に搭載された樹脂製又は鉄製(SUSを含む)の燃料タンクと、燃料タンクに燃料を供給するために用いられる金属製フューエルインレットとを結合するための取付構造であって、燃料タンクの燃料供給口から外方に延設された樹脂製筒状部材と、この樹脂製筒状部材の延設方向に沿って一体的に嵌着されると共に、この樹脂製筒状部材とは反対側面にフューエルインレットの出口側先端部を挿通して装着させる金属製筒状部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、かかる構成においては、樹脂製燃料タンクの燃料供給口から樹脂製筒状部材が外方に延設されている。この樹脂製筒状部材は、例えば燃料タンクと同じ樹脂材から一体に成形されてもよいし、燃料タンクとは別部材として構成し、燃料タンクに後付けで溶着等するものでもよい。かかる構成によれば、燃料タンクと樹脂製筒状部材とが樹脂同士であるため互いに溶着しやすく、容易に成形することができる。尚、近年の樹脂製燃料タンクには、上記LEVIIに鑑みて燃料透過性が低い多層樹脂製のものが採用されているため、樹脂製筒状部材についてもこの多層樹脂からなるものを採用するのが好ましい。
【0010】
また、この樹脂製筒状部材には、その延設方向に沿って金属製筒状部材が一体的に嵌着され、その金属製筒状部材の樹脂製筒状部材とは反対側面にフューエルインレットの出口側先端部が挿通され装着される。すなわち、上記樹脂製筒状部材に直接フューエルインレットの出口側先端部を挿通して装着することも考えられるが、車両のエンジン駆動時やエンジン停止直後、或いは高温環境下などに、樹脂製筒状部材及びフューエルインレットが個々に熱膨張し、その熱膨張差により、フューエルインレットの出口側先端部と樹脂製筒状部材との間に微小な隙間が形成され、微量なりとも揮発燃料が漏洩してしまう虞がある。そこで、本発明の構成のように、樹脂製筒状部材に対し、金属製フューエルインレットと熱膨張差がない(又は小さい)金属製筒状部材を嵌着し、その金属製筒状部材にフューエルインレットの出口側先端部を挿通して装着することで、熱膨張時の燃料の漏洩を効果的に防止又は抑制するものである。かかる効果は、熱膨張時だけでなく、逆に寒冷環境下における収縮時においても同様に得られるものである。
【0011】
尚、この金属製筒状部材の樹脂製筒状部材への嵌着方法については、金属製筒状部材を樹脂製筒状部材に対して圧入したり、射出成形により金属製筒状部材と樹脂製筒状部材とを一体的に形成したりする等、種々の方法が考えられる。
また、当該金属製筒状部材とフューエルインレットとの間の気密性は、例えばフューエルインレットの出口側先端部における当該金属製筒状部材との装着面に、少なくとも部分的に配設されたシール部材を配設することにより、十分に確保することができる。
【0012】
このように、樹脂製筒状部材と金属製筒状部材の個々の利点が活かされることで、樹脂製燃料タンクの軽量化の保持と、金属製フューエルインレットを単に差込む動作により結合可能な簡便さの保持と、燃料の漏洩の防止又は低減効果の向上とを同時に実現することができるのである。
【0013】
この場合、例えば金属製筒状部材を樹脂製筒状部材の外周面に嵌着し、フューエルインレットの出口側先端部を、当該金属製筒状部材に外挿して装着する取付構造も考えられるが、その場合、フューエルインレットの出口側先端部の先端が、取付構造の外側に配置されることになる。その際、フューエルインレットと金属製筒状部材との間のシール性を、例えば上記シール部材により確保することも可能であるが、このシール部材が劣化してそのメンテナンスを怠った場合には、フューエルインレット内を通って燃料タンクに供給される液体燃料が、その液圧により金属製筒状部材の外周面をつたって漏洩する虞がある。
【0014】
そこで、請求項2に記載のように、金属製筒状部材が樹脂製筒状部材の内周面に嵌着され、フューエルインレットの出口側先端部が、この金属製筒状部材の内周面に沿って挿通されているように構成するのが好ましい。
かかる構成によれば、フューエルインレットの出口側先端部が金属製筒状部材の内側にあるため、たとえシール部材が劣化しても、フューエルインレット内を通ってきた液体燃料は、その流れに沿ってそのまま燃料タンクに流入することになるからである。
【0015】
ただし、金属製筒状部材を樹脂製筒状部材に対して、例えば圧入等により単に挿通嵌合しているような場合には、熱膨張又は収縮の程度により、金属製筒状部材と樹脂製筒状部材との間に隙間を生じさせ、その僅かな隙間を通って揮発燃料が漏洩してしまうことも考えられる。
【0016】
そこで、請求項3に記載のように、金属製筒状部材は、その長手方向の一部が上記樹脂製筒状部材に埋設され、その長手方向の残りの部分において、フューエルインレットの出口側先端部に少なくとも部分的に当接するように構成するのがよい。具体的には、例えば金属製筒状部材及び樹脂製筒状部材の少なくとも一方に拡管部や縮管部を設け、射出成形により、金属製筒状部材の一部を樹脂製筒状部材に埋設するようにすることが考えられる。
【0017】
かかる構成によれば、後述する実施例でも述べるように、熱膨張又は収縮時の金属製筒状部材及び樹脂製筒状部材の径方向の変化があっても、樹脂製筒状部材が、埋設された金属製筒状部材に対して常時少なくとも部分的に密着することになるため、漏洩しようとする揮発燃料はその部分でシャットアウトされる。このため、揮発燃料の大気への漏洩を効果的に防止又は抑制することができる。また、金属製筒状部材の樹脂製筒状部材に対する長手方向のずれも防止又は抑制することができる。
【0018】
また、以上の構成においては、フューエルインレットが燃料タンクに対してワンタッチで結合可能であるが、その結合力の補強のために補強部材を設けるようにしてもよい。
すなわち、請求項4に記載のように、金属製筒状部材が、燃料タンクとは反対側の端部にて樹脂製筒状部材よりも延出し、この延出部に金属製筒状部材とフューエルインレットの出口側先端部とを固定するためのクランプが設けられていてもよい。
【0019】
次に、請求項5に記載の取付ユニットは、以上に述べたフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造に用いられるものであり、上記燃料タンクとは別体で形成された上記樹脂製筒状部材と、上記金属製筒状部材とにより構成されたことを特徴とする。
【0020】
すなわち、上述した取付構造における樹脂製筒状部材及び金属製筒状部材からなる取付ユニットとして、燃料タンクとは別に構成されたものである。かかる取付ユニットを燃料タンクに組み付けることにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【0021】
その場合、請求項6に記載したように、樹脂製筒状部材が燃料タンクを形成する樹脂材と同種の樹脂材により形成されていると、燃料タンクへの取り付け(溶着等)が容易となって好ましい。
以上に述べた取付ユニットが燃料供給口から外方に延設された請求項7に記載の燃料タンクは、フューエルインレットを介して供給される燃料の漏洩の防止又は低減効果を有効に発揮することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を一層明確にすべく、本発明の好適な実施例を図面と共に説明する。
[第1実施例]
図1は本実施例のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造を表す概略説明図である。
【0023】
同図に示すように、本実施例のフューエルインレット10は、タンク接合部11(出口側先端部)と、燃料注入部12と、ベローズ部13とを備えたものであり、これら各部11,12,13は、1本のステンレスパイプにより形成されている。
【0024】
タンク接合部11は、その燃料タンク50の燃料供給口51の周辺に接合された円筒状の取付ユニット20に内挿され装着されている。燃料注入部12は、給油ノズル(図示略)が差し込まれる箇所であり、タンク接合部11が設けられた端部とは反対側の端部にて他の部分に比べて大径に形成されている。また、燃料注入部12のうち、テーパ面が一部平坦化された平坦部分12bには燃料タンク50に連通するブリーザチューブ16が設けられている。
【0025】
ベローズ部13は、タンク接合部11と燃料注入部12との間であってタンク接合部11寄りに設けられている。このベローズ部13は、軸方向に伸縮可能であると共に曲げ方向に屈曲可能である。
図2に燃料タンク50の燃料供給口51近傍の拡大図を示すように、取付ユニット20は、燃料供給口51から外方に延設された円筒状の樹脂製筒状部材30と、この樹脂製筒状部材30の内側に圧入され、樹脂製筒状部材30の延設方向に沿って一体的に嵌着された円筒状の金属製筒状部材40とから構成されている。
【0026】
樹脂製筒状部材30は、燃料タンク50と同じ燃料透過性の小さい多層樹脂からなり、その燃料タンク50側の基端部に径方向外側に延設されたフランジ部31を有し、このフランジ部31の先端が、燃料供給口51に沿って燃料タンク50に溶着され固定されている。
【0027】
金属製筒状部材40は、樹脂製筒状部材30の内径より僅かに大きな外径を有するステンレスの円筒体からなり、樹脂製筒状部材30の内周面に圧入され、しっかりと固定されている。
一方、フューエルインレット10のタンク接合部11は、その先端にかけて径方向に加締められて形成された複数のビード11a,11b,11cを有し、各ビード間にOリング60(シール部材)が介装されている。
【0028】
このため、フューエルインレット10と燃料タンク50との結合の際には、フューエルインレット10のタンク接合部11が、取付ユニット20内にワンタッチで装着される。その際、取付ユニット20(ひいては燃料タンク50)とフューエルインレット10との間の気密性は、タンク接合部11に外挿されたOリング60と金属製筒状部材40との間のシール作用によって確保される。
【0029】
以上に説明したように、本実施例のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造によれば、樹脂製筒状部材30を燃料タンク50と同じ燃料透過性の低い多層樹脂から構成するため、軽量化を保持すると共に揮発燃料の漏洩を効果的に防止又は抑制することができる。また、同じ樹脂材からなるため、その組み付けの際の溶着がスムーズに行われる。
【0030】
また、この樹脂製筒状部材30には、ステンレスからなる金属製筒状部材40が一体的に嵌着されており、この金属製筒状部材40とフューエルインレット10の熱膨張差がないため、取付ユニット20の周囲温度が変化しても、金属製筒状部材40とタンク接合部11との気密性を安定して保持することができる。さらに、ステンレスは燃料透過性が極めて低いため、揮発燃料の漏洩防止に優れた効果を発揮する。
【0031】
このように、樹脂製筒状部材30と金属製筒状部材40の個々の利点が活かされることで、樹脂製燃料タンク50の軽量化の保持と、金属製フューエルインレット10をワンタッチで結合可能な簡便さの保持と、燃料の漏洩の防止又は低減効果の向上とを同時に実現することができる。
【0032】
尚、フューエルインレット10と取付ユニット20との結合強度を高めるために、例えば図3に示すように、金属製筒状部材40’が、燃料タンク50とは反対側の端部にて樹脂製筒状部材30’よりも延出し、この延出部に金属製筒状部材40’とフューエルインレット10のタンク接合部11とを一定の付勢力で固定するためのクランプ70を設けるようにしてもよい。
[第2実施例]
上記第1実施例では、金属製筒状部材40を樹脂製筒状部材30に対して圧入嵌合して取付ユニット20を構成した例を示したが、環境の変化等に基づく熱膨張又は収縮の程度が大きい場合には、図4に誇張して示すように、金属製筒状部材40と樹脂製筒状部材30との間に隙間Cを生じさせ、その僅かな隙間を通って揮発燃料が漏洩してしまう虞がある(図中矢印)。
【0033】
そこで、本実施例では、かかる熱膨張又は収縮によっても揮発燃料の漏洩を有効に防止し得るフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造について説明する。尚、当該取付構造の構成において、第1実施例と同様の構成部分については同一符号を付す等してその説明を省略する。図5は燃料タンク50の燃料供給口51近傍の拡大図である。
【0034】
同図に示すように、本実施例の取付ユニット220は、燃料供給口51から外方に延設された円筒状の樹脂製筒状部材230と、この樹脂製筒状部材230の内側に一体的に嵌着された円筒状の金属製筒状部材240とから構成されている。
【0035】
樹脂製筒状部材230は、燃料タンク50と同じ多層樹脂からなり、その内周面に金属製筒状部材240を嵌合すると共に、その一部に金属製筒状部材240の一端部を部分的に埋設している。
すなわち、金属製筒状部材240は、ステンレスの円筒体からなり、樹脂製筒状部材230の内径とほぼ同じ大きさ外径を有する本体部241と、その本体部241の燃料タンク50側の一端で拡管された拡管部242とを有する。そして、金属製筒状部材240は、射出成形により樹脂製筒状部材230と一体成形される際に、その本体部241が内方に露出し、拡管部242が樹脂製筒状部材230に埋設される。
【0036】
そして、フューエルインレット10と燃料タンク50との結合の際には、フューエルインレット10のタンク接合部11が、取付ユニット220内にワンタッチで装着される。その際、取付ユニット220(ひいては燃料タンク50)とフューエルインレット10との間の気密性は、タンク接合部11に外挿されたOリング60と金属製筒状部材240の本体部241との間のシール作用によって確保される。
【0037】
以上のように、本実施例の取付構造では、金属製筒状部材240の長手方向の一部が樹脂製筒状部材230に埋設され、その長手方向の残りの部分において、フューエルインレット10のタンク接合部11に部分的に当接するように構成されている。
【0038】
このため、金属製筒状部材240及び樹脂製筒状部材230が夫々熱膨張又は収縮してその径方向の変化があっても、樹脂製筒状部材230の部分がその埋設された金属製筒状部材240の少なくとも一部に常に密着することになるため、漏洩しようとする揮発燃料はその部分でシャットアウトされる。
【0039】
具体的には、例えば車両のエンジン駆動時やエンジン停止直後、或いは高温環境下などに、金属製筒状部材240及び樹脂製筒状部材230が熱膨張した場合には、樹脂製筒状部材230の方が熱膨張率が高いため、例えば図6(a)に示すように、金属製筒状部材240と樹脂製筒状部材230との間に隙間C1,C2,C3が形成されることが想定される。しかし、このような場合でも、同図中クロスハッチングで示した部分が密着しているため、漏洩しようとする揮発燃料は、隙間C1のつきあたりでシャットアウトされる(図中矢印)。また、金属製筒状部材240の樹脂製筒状部材230に対する長手方向のずれも防止又は抑制することができる。
【0040】
また逆に、例えば寒冷環境下において金属製筒状部材240及び樹脂製筒状部材230が収縮した場合には、例えば図6(b)に示すように、金属製筒状部材240と樹脂製筒状部材230との間に隙間C4が形成されることが想定される。しかし、このような場合でも、同図中クロスハッチングで示した部分が密着しているため、漏洩しようとする揮発燃料は、隙間C4のつきあたりでシャットアウトされる(図中矢印)。その結果、あらゆる状況下においても、揮発燃料が大気に漏洩することを有効に防止又は抑制することができるのである。
【0041】
尚、本実施例の構成においても、図3に示すようなフューエルインレット10のタンク接合部11とを固定するためのクランプを設けることができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0042】
例えば、上記各実施例では、フューエルインレット10のタンク接合部11を取付ユニット20,220の内部に装着する態様を示したが、タンク接合部(出口側先端部)を取付ユニットの外部に装着する態様であっても、本発明の一定の効果が得られる。その場合、金属製筒状部材を樹脂製筒状部材の外周面に嵌着し、タンク接合部を当該金属製筒状部材に外挿して装着することになる。
【0043】
また、上記第2実施例では、金属製筒状部材240が燃料タンク50側の一端で拡管され、その拡管部242が樹脂製筒状部材230に埋設された態様を示したが、拡管部が燃料タンクとは反対側にあって埋設されていてもよい。或いは、金属製筒状部材の長手方向の一部分から、外方に突出した突出部を有し、その突出部が樹脂製筒状部材に埋設されたものでもよい。かかる形状でも、例えば射出成形により容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造を表す説明図である。
【図2】第1実施例に係る取付構造の要部を表す断面図である。
【図3】第1実施例の変形例を表す説明図である。
【図4】第1実施例の問題点を表す説明図である。
【図5】第2実施例に係る取付構造の要部を表す断面図である。
【図6】第2実施例に係る取付構造の効果を表す説明図である。
【図7】従来のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造を表す説明図である。
【符号の説明】
10・・・フューエルインレット、 11・・・タンク接合部、
20,220・・・取付ユニット、 30,230・・・樹脂製筒状部材、
40,240・・・金属製筒状部材、 50・・・燃料タンク、
51・・・燃料供給口、 60・・・Oリング、 70・・・クランプ、
241・・・本体部、 242・・・拡管部

Claims (7)

  1. 車両に搭載された樹脂製又は鉄製の燃料タンクと、該燃料タンクに燃料を供給するために用いられる金属製フューエルインレットとを結合するための取付構造であって、
    前記燃料タンクの燃料供給口から外方に延設された樹脂製筒状部材と、
    該樹脂製筒状部材の延設方向に沿って一体的に嵌着されると共に、該樹脂製筒状部材とは反対側面に前記フューエルインレットの出口側先端部を挿通して装着させる金属製筒状部材と、
    を備えたことを特徴とするフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造。
  2. 前記金属製筒状部材が前記樹脂製筒状部材の内周面に嵌着され、
    前記フューエルインレットの出口側先端部が、該金属製筒状部材の内周面に沿って挿通されていることを特徴とする請求項1記載のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造。
  3. 前記金属製筒状部材は、その長手方向の一部が前記樹脂製筒状部材に埋設され、その長手方向の残りの部分において、前記フューエルインレットの出口側先端部に少なくとも部分的に当接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造。
  4. 前記金属製筒状部材が、前記燃料タンクとは反対側の端部にて前記樹脂製筒状部材よりも該反対側に延出し、該延出部に該金属製筒状部材と前記フューエルインレットの出口側先端部とを固定するためのクランプが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造に用いられる取付ユニットであって、
    前記燃料タンクとは別体で形成された前記樹脂製筒状部材と、前記金属製筒状部材とにより構成されたことを特徴とする取付ユニット。
  6. 前記樹脂製筒状部材は、前記燃料タンクを形成する樹脂材と同種の樹脂材により形成されたことを特徴とする請求項5記載の取付ユニット。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のフューエルインレットと燃料タンクとの取付構造に用いられる取付ユニットが、燃料供給口から外方に延設されたことを特徴とする燃料タンク。
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