JP2004283637A - 排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流入負荷に関係なく固形物を含まない良質な処理水を得られるようにした排水の処理方法を提供すること。
【解決手段】排水中の有機物を活性汚泥により生物処理する曝気槽4と沈殿槽5とからなる排水の処理方法において、曝気槽4内に配設した膜分離装置7により重力沈殿によらずに排水の固液分離を行い、良質な処理水を得るようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】排水中の有機物を活性汚泥により生物処理する曝気槽4と沈殿槽5とからなる排水の処理方法において、曝気槽4内に配設した膜分離装置7により重力沈殿によらずに排水の固液分離を行い、良質な処理水を得るようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水の処理方法、特に、既に稼動している下水や産業排水等の有機性汚水(以下、「排水」と言う。)を活性汚泥により生物処理するようにした曝気槽内に、膜分離装置を配設することにより、簡易に排水を処理し、良質な処理水を得るようにした排水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、既に稼動している下水や産業排水等の有機性汚水を活性汚泥により処理するシステムのなかで、特に、オキシデーションディッチ施設等(以下、「OD施設等」と言う。)では、曝気槽内を、嫌気状態と好気状態とを時間的に変動させるか、あるいは嫌気ゾーンと好気ゾーンとに分割することにより、硝化・脱窒を進行させて、窒素を除去するようにしている。
ところが、一般的に、OD施設等を含む小規模下水処理施設は、曜日及び季節により流入負荷が大きく変動し、特に、流入負荷が大きくなった場合、曝気槽容量に十分な余裕がなければ水理学的滞留時間が不十分となり、処理水質が悪化することがある。
また、流入水量の増大により沈殿槽での汚泥滞留時間が不足するようになり、これがため固形物の沈降性が悪化し、固形分が処理水に混入することもあった。
特に、近年は、河川や湖の水質改善の観点から、より高度な処理技術が求められるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の既設処理場での排水処理において、水質を向上させるためには、既設の処理場に砂ろ過等の新たな施設を追加する必要があり、特に、スペースの限られた既存のオキシデーションディッチ施設等において、曝気槽、沈殿槽、消毒槽などの役割の異なる槽を設置する必要があるため、スペース的にも無理があり、排水処理を高度化することは容易ではないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記従来の排水の処理方法の有する問題点に鑑み、流入負荷に関係なく固形物を含まない良質な処理水を得られるようにした排水の処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の排水の処理方法は、排水中の有機物を活性汚泥により生物処理する曝気槽と、沈殿槽とからなる排水の処理方法において、曝気槽内に配設される膜分離装置により重力沈殿によらずに排水の固液分離を行い、良質な処理水を得るようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明の排水の処理方法は、好気槽となる曝気槽内に設置される膜分離装置を用いて排水を処理水と汚泥との固液分離を行うことにより、流入負荷に関係なく固形物を含まない良質な処理水を得ることができる。
【0007】
また、膜分離装置を浸漬している曝気槽を好気槽に、沈殿槽を嫌気槽とすることができる。
【0008】
これにより、膜分離装置を用いることから、従来固液分離を行っていた沈殿槽を嫌気槽とし、曝気槽を好気槽とすることにより、沈殿槽も生物処理槽として利用できるため、流入負荷が増大しても処理槽の増設の必要がなく、安定した窒素、リンの除去が可能となる。
【0009】
また、この場合、流入排水を、曝気槽及び沈殿槽に可調整的に分配流入するようにすることができる。
【0010】
これにより、流入排水を、嫌気槽として用いる沈殿槽と好気槽として用いる曝気槽に分配流入させるため、沈殿槽に流入される有機物により脱窒効果を促進することができる。
【0011】
また、この場合、沈殿槽の汚泥掻寄機の周回動作を利用し、沈殿槽内の汚泥を攪拌するようにすることができる。
【0012】
これにより、汚泥掻寄機の攪拌翼の周回動作を利用して沈殿槽内の汚泥を攪拌、混合するため、沈殿槽での脱窒効果を一層促進することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排水の処理方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、小規模下水処理場として代表的なOD施設等に、本発明を適用した実施例を示す平面図、図2は、そのフロー図を示す。
本発明の排水の処理方法を、図1〜図2に示す実施例に基づいて説明する。
【0015】
各家庭、事業所等より排出される排水は、下水として下水処理場へ流入する。この流入下水Aは、流入配管3より分岐してそれぞれバルブ1、バルブ2を介して、好気槽とした曝気槽(好気槽)4と、嫌気槽とした沈殿槽(嫌気槽)5に分配して流入するようにする。この各槽への分配割合は、バルブ1、バルブ2の開閉度合いを変えることにより可調節的に分配流入できるようにする。
なお、この場合、直接全量を曝気槽4へ導入するようにすることもできるが、本実施例では分配流入するものとする。
【0016】
曝気槽4には、曝気攪拌装置6、膜71とヘッダー管72と吸引ポンプ73からなる膜分離装置7、及びブロア81と散気管82からなる膜洗浄装置8が設置されている。
曝気槽4内に浸漬するようにして配設した膜分離装置7で、曝気槽4内の汚泥混合液Bは、吸引ポンプ73の稼動により膜71を経て吸引されるので、汚泥混合液B中の固形分(汚泥)と液体分(処理水)との固液分離が行われ、分離水Dは放流管11を経由して良質な処理水として系外に放流される。
また、膜分離装置7はその下方位置に配設した膜洗浄装置8によりエア洗浄されると同時に曝気攪拌機6の攪拌流によっても膜71の洗浄が促進される。
【0017】
曝気槽4内で曝気され、かつ膜洗浄装置8にて分離水が吸引された後の汚泥混合液Bは、移送管9を介して次の嫌気槽5に移送される。嫌気槽となる沈殿槽5には、駆動装置101、駆動軸102、攪拌板103からなる攪拌装置としての汚泥掻寄機10が設置されており、曝気槽4より導入された嫌気槽5内の汚泥混合液Cを攪拌する。
【0018】
曝気槽4と嫌気槽5の槽底部には、それぞれ汚泥引抜配管12が配管され、この両汚泥引抜配管12の先端部を合流させ、この合流部に汚泥引抜ポンプ13を接続する。したがって、曝気槽4の底部に配管された汚泥引抜管12にバルブ14を介して汚泥引抜ポンプ13を、また、嫌気槽5の底部に接続した汚泥引抜管12には、バルブ15を介して前記汚泥引抜ポンプ13を接続する。
また、汚泥引抜ポンプ13の下流側には返送配管19が設けられ、返送配管19から余剰汚泥Eを排出する余剰汚泥管18が分岐している。分岐部下流側の返送配管19にはバルブ16が、余剰汚泥管18にもバルブ17が設けられている。
これらのバルブの開閉は、運転状況に応じて行われ、例えば通常の運転時は、バルブ14、バルブ17を閉、バルブ15、バルブ16を開とし、汚泥混合液Cを曝気槽4に返流し、また余剰汚泥Eを引き抜く場合には、バルブ15、バルブ16を閉、バルブ14、バルブ17を開とする。
【0019】
次に、本発明の作用を説明する。
曝気槽4と嫌気槽5への流入下水Aの分配量の調整変更は、流入配管3に設置されているバルブ1、バルブ2の開度を変えて行う。この分配比率は、流入負荷が小さいときは、曝気槽4への流入水量を嫌気槽5への流入水量より少なくするのが望ましく、流入負荷が大きくなるにつれ、曝気槽4への分配割合を大きくするようにする。
流入配管3より曝気槽4へ流入する流入下水Aは、曝気槽4内に設置された曝気攪拌装置6と膜洗浄装置8から散気される空気により活性化された曝気槽4内の微生物により好気分解(生物分解)され、無機化が進行する。
この曝気槽4内で生物分解処理された汚泥混合液Bは、その無機化によって生じたアンモニア体の窒素及び流入下水A中に既に溶存しているアンモニア体窒素は曝気槽4内で硝化菌により硝酸体の窒素に酸化され、このようにしてアンモニア体窒素は、硝化、脱窒に伴って流入下水Aから除去される。この硝酸体の窒素は、嫌気槽5に移送管9を介して流入する。
【0020】
この嫌気槽として用いる沈殿槽5で促進される脱窒には水素供与体が必要であり、水素供与体としての有機物の存在が不可欠である。したがって、流入下水Aは、曝気槽として用いる曝気槽と同様ににして嫌気槽として用いる沈殿槽にも流入配管3より流入下水Aを可調整的に分配流入させ、このように有機物を供給することにより脱窒を促進する。
また、嫌気槽として用いられる沈殿槽5では、さらに汚泥掻寄機10に攪拌板103を取り付け、汚泥掻寄機10の周回動作を利用し沈殿槽内の汚泥を攪拌、混合するため、沈殿槽5に分配流入する有機分と脱窒を促進する脱窒菌、硝酸体の窒素が混合され、一層の脱窒が促進される。
なお、このとき沈殿槽5での脱窒が不十分である場合には、曝気槽4を間欠曝気するか、空間的に嫌気ゾーンを形成させることにより、脱窒を促進するようにすることもできる。
【0021】
このようにして、沈殿槽5では硝酸体の窒素が、脱窒菌により有機物(有機炭素源)として流入下水Aが利用され窒素ガスヘと還元され系外に放出される。
沈殿槽5における汚泥混合液Cは、通常の運転中は、バルブ15、バルブ16を開とするとともに、汚泥引抜ポンプ13を稼動することにより、汚泥引抜管12から返送汚泥管19を経て曝気槽4に返送される。このとき、バルブ14、バルブ17を閉じておくものとする。
また、汚泥の系外へ引抜時は、汚泥引抜管12から余剰汚泥管18を経て余剰汚泥Eを系外に引き抜く。このとき、バルブ15、バルブ16を閉、バルブ14、バルブ17を開とする。
【0022】
ところで、流入負荷が変動した場合、特に、流入負荷が大きくなると十分な硝化、脱窒の進行が困難になり、また、流入水量の増大により沈殿槽での汚泥滞留時間が不足するようになり、固形物の沈降性が悪化し固形分が処理水に混入することがある。
そこで、良質な処理水を得るために曝気槽に、吸引ポンプ73による吸引圧力によって、処理水が膜分離装置7の膜を通過することにより、固液分離が行われ、このろ過水を処理水として放流できるようにする。
この場合、膜分離装置7を浸漬している曝気槽は、硝化を促進する曝気槽、沈殿槽は、脱窒を促進する嫌気槽とすることによって、固液分離の目的で使用されていた沈殿槽を、生物処理槽として利用できるため、その分流入負荷が大きくなっても安定した水質が確保されるものとなる。
【0023】
また、曝気槽内底部で、膜分離装置7の下部に膜洗浄装置8を設置することにより、そこから発生する気泡により膜面の目詰まりを防止するとともに、曝気槽内において好気性分解に必要な空気を供給するようにする。
【0024】
また、膜分離装置7の膜71により固液分離されるため、微生物や固形物は膜を通過できないので、膜を通過したろ分離水Dは、消毒した処理水と同等以上のレベルに衛生化されているため、消毒槽に送水して消毒処理する必要がない。
【0025】
ところで、通常、OD施設等ではリンの除去が困難であるが、本発明の方法によれば、嫌気槽となる沈殿槽5で活性汚泥構成微生物からリンを放出させ、曝気槽4で活性汚泥構成微生物に過剰吸収させることにより脱リンを行うことも可能である。
この場合は、沈殿槽5はリン放出槽として用いるため、脱窒は曝気槽で行うことになる。したがって、曝気槽4は従来のOD施設等の曝気槽と同様に間欠曝気を行ったり、あるいは嫌気−好気ゾーンに分割することにより、曝気槽内で硝化と脱窒を促進することができる。
【0026】
なお、リン放出に際しても、有機物が必要であるため、流入下水Aは、バルブ1、バルブ2の開度を調整し、リン放出に必要な有機物と脱窒に必要な有機物の量を考慮して、両者に再分配する必要がある。
リンを過剰吸収した汚泥混合液Bは余剰汚泥Eとして系外に引き抜くため、膜分離装置7による分離水Dのリン含有濃度は極めて低濃度で、良好な放流水質が達成される。
【0027】
本発明によれば、処理性能の安定化や性能の向上という目的に対して、新規処理施設の増設といった必要がなく、既存のOD施設等の曝気槽内部への浸漬型の膜分離装置の設置や部分改造することにより、安価な費用と、短期間の工事で施設を更新することができる。
また、更新後は、分離膜を通して処理水を取出し、処理場外に放流するため、既存の消毒設備が不要となり、嫌気、曝気槽を設けることにより、窒素、リンの除去性能を向上することができ、また、より清澄な処理水を得ることができ、高度処理に対応した施設として、安価に、容易に更新することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の排水の処理方法によれば、曝気槽内に設置された膜分離装置を用いて処理水と汚泥との固液分離を行うことにより、流入負荷に関係なく固形物を含まない良質な処理水を得ることができる。
また、既設のOD施設等の曝気槽内部へ浸漬型の膜分離装置を設置するという簡単な方法で排水の高度処理が可能となる。
【0029】
また、膜分離装置を用いることにより、従来固液分離を行っていた沈殿槽を嫌気槽とし、また曝気槽を好気槽とすることにより、沈殿槽も生物処理槽として利用できるため、流入負荷が増大しても処理槽の増設の必要がなく、安定した窒素、リンの除去が可能となる。
【0030】
また、流入排水を、嫌気槽として用いる沈殿槽と好気槽として用いる曝気槽に分配流入させるため、沈殿槽に流入される有機物により脱窒効果を促進することができる。
【0031】
また、汚泥掻寄機の攪拌翼の周回動作を利用して沈殿槽内の汚泥を攪拌、混合するため、沈殿槽での脱窒効果を一層促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水の処理方法を実施する水処理設備の平面図である。
【図2】本発明の排水の処理方法を実施する水処理設備のフロー図である。
【符号の説明】
1 バルブ
2 バルブ
3 流入配管
4 曝気槽(好気槽)
5 沈殿槽(嫌気槽)
6 曝気攪拌装置
7 膜分離装置
71 膜
72 ヘッダー管
73 吸引ポンプ
8 膜洗浄装置
81 ブロア
82 散気管
9 移送管
10 攪拌装置
101 駆動装置
102 駆動軸
103 攪拌板
11 放流管
12 汚泥引抜管
13 汚泥引抜ポンプ
14 バルブ
15 バルブ
16 バルブ
17 バルブ
18 余剰汚泥管
19 返送配管
A 流入下水
B 汚泥混合液
C 汚泥混合液
D 分離水
E 余剰汚泥
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水の処理方法、特に、既に稼動している下水や産業排水等の有機性汚水(以下、「排水」と言う。)を活性汚泥により生物処理するようにした曝気槽内に、膜分離装置を配設することにより、簡易に排水を処理し、良質な処理水を得るようにした排水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、既に稼動している下水や産業排水等の有機性汚水を活性汚泥により処理するシステムのなかで、特に、オキシデーションディッチ施設等(以下、「OD施設等」と言う。)では、曝気槽内を、嫌気状態と好気状態とを時間的に変動させるか、あるいは嫌気ゾーンと好気ゾーンとに分割することにより、硝化・脱窒を進行させて、窒素を除去するようにしている。
ところが、一般的に、OD施設等を含む小規模下水処理施設は、曜日及び季節により流入負荷が大きく変動し、特に、流入負荷が大きくなった場合、曝気槽容量に十分な余裕がなければ水理学的滞留時間が不十分となり、処理水質が悪化することがある。
また、流入水量の増大により沈殿槽での汚泥滞留時間が不足するようになり、これがため固形物の沈降性が悪化し、固形分が処理水に混入することもあった。
特に、近年は、河川や湖の水質改善の観点から、より高度な処理技術が求められるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の既設処理場での排水処理において、水質を向上させるためには、既設の処理場に砂ろ過等の新たな施設を追加する必要があり、特に、スペースの限られた既存のオキシデーションディッチ施設等において、曝気槽、沈殿槽、消毒槽などの役割の異なる槽を設置する必要があるため、スペース的にも無理があり、排水処理を高度化することは容易ではないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記従来の排水の処理方法の有する問題点に鑑み、流入負荷に関係なく固形物を含まない良質な処理水を得られるようにした排水の処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の排水の処理方法は、排水中の有機物を活性汚泥により生物処理する曝気槽と、沈殿槽とからなる排水の処理方法において、曝気槽内に配設される膜分離装置により重力沈殿によらずに排水の固液分離を行い、良質な処理水を得るようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明の排水の処理方法は、好気槽となる曝気槽内に設置される膜分離装置を用いて排水を処理水と汚泥との固液分離を行うことにより、流入負荷に関係なく固形物を含まない良質な処理水を得ることができる。
【0007】
また、膜分離装置を浸漬している曝気槽を好気槽に、沈殿槽を嫌気槽とすることができる。
【0008】
これにより、膜分離装置を用いることから、従来固液分離を行っていた沈殿槽を嫌気槽とし、曝気槽を好気槽とすることにより、沈殿槽も生物処理槽として利用できるため、流入負荷が増大しても処理槽の増設の必要がなく、安定した窒素、リンの除去が可能となる。
【0009】
また、この場合、流入排水を、曝気槽及び沈殿槽に可調整的に分配流入するようにすることができる。
【0010】
これにより、流入排水を、嫌気槽として用いる沈殿槽と好気槽として用いる曝気槽に分配流入させるため、沈殿槽に流入される有機物により脱窒効果を促進することができる。
【0011】
また、この場合、沈殿槽の汚泥掻寄機の周回動作を利用し、沈殿槽内の汚泥を攪拌するようにすることができる。
【0012】
これにより、汚泥掻寄機の攪拌翼の周回動作を利用して沈殿槽内の汚泥を攪拌、混合するため、沈殿槽での脱窒効果を一層促進することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排水の処理方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、小規模下水処理場として代表的なOD施設等に、本発明を適用した実施例を示す平面図、図2は、そのフロー図を示す。
本発明の排水の処理方法を、図1〜図2に示す実施例に基づいて説明する。
【0015】
各家庭、事業所等より排出される排水は、下水として下水処理場へ流入する。この流入下水Aは、流入配管3より分岐してそれぞれバルブ1、バルブ2を介して、好気槽とした曝気槽(好気槽)4と、嫌気槽とした沈殿槽(嫌気槽)5に分配して流入するようにする。この各槽への分配割合は、バルブ1、バルブ2の開閉度合いを変えることにより可調節的に分配流入できるようにする。
なお、この場合、直接全量を曝気槽4へ導入するようにすることもできるが、本実施例では分配流入するものとする。
【0016】
曝気槽4には、曝気攪拌装置6、膜71とヘッダー管72と吸引ポンプ73からなる膜分離装置7、及びブロア81と散気管82からなる膜洗浄装置8が設置されている。
曝気槽4内に浸漬するようにして配設した膜分離装置7で、曝気槽4内の汚泥混合液Bは、吸引ポンプ73の稼動により膜71を経て吸引されるので、汚泥混合液B中の固形分(汚泥)と液体分(処理水)との固液分離が行われ、分離水Dは放流管11を経由して良質な処理水として系外に放流される。
また、膜分離装置7はその下方位置に配設した膜洗浄装置8によりエア洗浄されると同時に曝気攪拌機6の攪拌流によっても膜71の洗浄が促進される。
【0017】
曝気槽4内で曝気され、かつ膜洗浄装置8にて分離水が吸引された後の汚泥混合液Bは、移送管9を介して次の嫌気槽5に移送される。嫌気槽となる沈殿槽5には、駆動装置101、駆動軸102、攪拌板103からなる攪拌装置としての汚泥掻寄機10が設置されており、曝気槽4より導入された嫌気槽5内の汚泥混合液Cを攪拌する。
【0018】
曝気槽4と嫌気槽5の槽底部には、それぞれ汚泥引抜配管12が配管され、この両汚泥引抜配管12の先端部を合流させ、この合流部に汚泥引抜ポンプ13を接続する。したがって、曝気槽4の底部に配管された汚泥引抜管12にバルブ14を介して汚泥引抜ポンプ13を、また、嫌気槽5の底部に接続した汚泥引抜管12には、バルブ15を介して前記汚泥引抜ポンプ13を接続する。
また、汚泥引抜ポンプ13の下流側には返送配管19が設けられ、返送配管19から余剰汚泥Eを排出する余剰汚泥管18が分岐している。分岐部下流側の返送配管19にはバルブ16が、余剰汚泥管18にもバルブ17が設けられている。
これらのバルブの開閉は、運転状況に応じて行われ、例えば通常の運転時は、バルブ14、バルブ17を閉、バルブ15、バルブ16を開とし、汚泥混合液Cを曝気槽4に返流し、また余剰汚泥Eを引き抜く場合には、バルブ15、バルブ16を閉、バルブ14、バルブ17を開とする。
【0019】
次に、本発明の作用を説明する。
曝気槽4と嫌気槽5への流入下水Aの分配量の調整変更は、流入配管3に設置されているバルブ1、バルブ2の開度を変えて行う。この分配比率は、流入負荷が小さいときは、曝気槽4への流入水量を嫌気槽5への流入水量より少なくするのが望ましく、流入負荷が大きくなるにつれ、曝気槽4への分配割合を大きくするようにする。
流入配管3より曝気槽4へ流入する流入下水Aは、曝気槽4内に設置された曝気攪拌装置6と膜洗浄装置8から散気される空気により活性化された曝気槽4内の微生物により好気分解(生物分解)され、無機化が進行する。
この曝気槽4内で生物分解処理された汚泥混合液Bは、その無機化によって生じたアンモニア体の窒素及び流入下水A中に既に溶存しているアンモニア体窒素は曝気槽4内で硝化菌により硝酸体の窒素に酸化され、このようにしてアンモニア体窒素は、硝化、脱窒に伴って流入下水Aから除去される。この硝酸体の窒素は、嫌気槽5に移送管9を介して流入する。
【0020】
この嫌気槽として用いる沈殿槽5で促進される脱窒には水素供与体が必要であり、水素供与体としての有機物の存在が不可欠である。したがって、流入下水Aは、曝気槽として用いる曝気槽と同様ににして嫌気槽として用いる沈殿槽にも流入配管3より流入下水Aを可調整的に分配流入させ、このように有機物を供給することにより脱窒を促進する。
また、嫌気槽として用いられる沈殿槽5では、さらに汚泥掻寄機10に攪拌板103を取り付け、汚泥掻寄機10の周回動作を利用し沈殿槽内の汚泥を攪拌、混合するため、沈殿槽5に分配流入する有機分と脱窒を促進する脱窒菌、硝酸体の窒素が混合され、一層の脱窒が促進される。
なお、このとき沈殿槽5での脱窒が不十分である場合には、曝気槽4を間欠曝気するか、空間的に嫌気ゾーンを形成させることにより、脱窒を促進するようにすることもできる。
【0021】
このようにして、沈殿槽5では硝酸体の窒素が、脱窒菌により有機物(有機炭素源)として流入下水Aが利用され窒素ガスヘと還元され系外に放出される。
沈殿槽5における汚泥混合液Cは、通常の運転中は、バルブ15、バルブ16を開とするとともに、汚泥引抜ポンプ13を稼動することにより、汚泥引抜管12から返送汚泥管19を経て曝気槽4に返送される。このとき、バルブ14、バルブ17を閉じておくものとする。
また、汚泥の系外へ引抜時は、汚泥引抜管12から余剰汚泥管18を経て余剰汚泥Eを系外に引き抜く。このとき、バルブ15、バルブ16を閉、バルブ14、バルブ17を開とする。
【0022】
ところで、流入負荷が変動した場合、特に、流入負荷が大きくなると十分な硝化、脱窒の進行が困難になり、また、流入水量の増大により沈殿槽での汚泥滞留時間が不足するようになり、固形物の沈降性が悪化し固形分が処理水に混入することがある。
そこで、良質な処理水を得るために曝気槽に、吸引ポンプ73による吸引圧力によって、処理水が膜分離装置7の膜を通過することにより、固液分離が行われ、このろ過水を処理水として放流できるようにする。
この場合、膜分離装置7を浸漬している曝気槽は、硝化を促進する曝気槽、沈殿槽は、脱窒を促進する嫌気槽とすることによって、固液分離の目的で使用されていた沈殿槽を、生物処理槽として利用できるため、その分流入負荷が大きくなっても安定した水質が確保されるものとなる。
【0023】
また、曝気槽内底部で、膜分離装置7の下部に膜洗浄装置8を設置することにより、そこから発生する気泡により膜面の目詰まりを防止するとともに、曝気槽内において好気性分解に必要な空気を供給するようにする。
【0024】
また、膜分離装置7の膜71により固液分離されるため、微生物や固形物は膜を通過できないので、膜を通過したろ分離水Dは、消毒した処理水と同等以上のレベルに衛生化されているため、消毒槽に送水して消毒処理する必要がない。
【0025】
ところで、通常、OD施設等ではリンの除去が困難であるが、本発明の方法によれば、嫌気槽となる沈殿槽5で活性汚泥構成微生物からリンを放出させ、曝気槽4で活性汚泥構成微生物に過剰吸収させることにより脱リンを行うことも可能である。
この場合は、沈殿槽5はリン放出槽として用いるため、脱窒は曝気槽で行うことになる。したがって、曝気槽4は従来のOD施設等の曝気槽と同様に間欠曝気を行ったり、あるいは嫌気−好気ゾーンに分割することにより、曝気槽内で硝化と脱窒を促進することができる。
【0026】
なお、リン放出に際しても、有機物が必要であるため、流入下水Aは、バルブ1、バルブ2の開度を調整し、リン放出に必要な有機物と脱窒に必要な有機物の量を考慮して、両者に再分配する必要がある。
リンを過剰吸収した汚泥混合液Bは余剰汚泥Eとして系外に引き抜くため、膜分離装置7による分離水Dのリン含有濃度は極めて低濃度で、良好な放流水質が達成される。
【0027】
本発明によれば、処理性能の安定化や性能の向上という目的に対して、新規処理施設の増設といった必要がなく、既存のOD施設等の曝気槽内部への浸漬型の膜分離装置の設置や部分改造することにより、安価な費用と、短期間の工事で施設を更新することができる。
また、更新後は、分離膜を通して処理水を取出し、処理場外に放流するため、既存の消毒設備が不要となり、嫌気、曝気槽を設けることにより、窒素、リンの除去性能を向上することができ、また、より清澄な処理水を得ることができ、高度処理に対応した施設として、安価に、容易に更新することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の排水の処理方法によれば、曝気槽内に設置された膜分離装置を用いて処理水と汚泥との固液分離を行うことにより、流入負荷に関係なく固形物を含まない良質な処理水を得ることができる。
また、既設のOD施設等の曝気槽内部へ浸漬型の膜分離装置を設置するという簡単な方法で排水の高度処理が可能となる。
【0029】
また、膜分離装置を用いることにより、従来固液分離を行っていた沈殿槽を嫌気槽とし、また曝気槽を好気槽とすることにより、沈殿槽も生物処理槽として利用できるため、流入負荷が増大しても処理槽の増設の必要がなく、安定した窒素、リンの除去が可能となる。
【0030】
また、流入排水を、嫌気槽として用いる沈殿槽と好気槽として用いる曝気槽に分配流入させるため、沈殿槽に流入される有機物により脱窒効果を促進することができる。
【0031】
また、汚泥掻寄機の攪拌翼の周回動作を利用して沈殿槽内の汚泥を攪拌、混合するため、沈殿槽での脱窒効果を一層促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水の処理方法を実施する水処理設備の平面図である。
【図2】本発明の排水の処理方法を実施する水処理設備のフロー図である。
【符号の説明】
1 バルブ
2 バルブ
3 流入配管
4 曝気槽(好気槽)
5 沈殿槽(嫌気槽)
6 曝気攪拌装置
7 膜分離装置
71 膜
72 ヘッダー管
73 吸引ポンプ
8 膜洗浄装置
81 ブロア
82 散気管
9 移送管
10 攪拌装置
101 駆動装置
102 駆動軸
103 攪拌板
11 放流管
12 汚泥引抜管
13 汚泥引抜ポンプ
14 バルブ
15 バルブ
16 バルブ
17 バルブ
18 余剰汚泥管
19 返送配管
A 流入下水
B 汚泥混合液
C 汚泥混合液
D 分離水
E 余剰汚泥
Claims (4)
- 排水中の有機物を活性汚泥により生物処理する曝気槽と、沈殿槽とからなる排水の処理方法において、曝気槽内に配設される膜分離装置により重力沈殿によらずに排水の固液分離を行い、良質な処理水を得るようにしたことを特徴とする排水の処理方法。
- 膜分離装置を浸漬している曝気槽を好気槽に、沈殿槽を嫌気槽としたことを特徴とする請求項1記載の排水の処理方法。
- 流入排水を、曝気槽及び沈殿槽に可調整的に分配流入するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の排水の処理方法。
- 沈殿槽内に配設した汚泥掻寄機の攪拌板の周回動作を利用し、沈殿槽内の汚泥を攪拌するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の排水の処理方法。
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- 2003-03-19 JP JP2003075363A patent/JP2004283637A/ja active Pending
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