JP2004283194A - 生体情報モニタ装置、治療システム - Google Patents

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洋之 川辺
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Abstract

【課題】スリープラボのような大規模の検査用設備を有する施設への入院を要することなく、CHF(慢性心不全)患者の中からチェーンストークス呼吸症状を合併する患者を確実に選び出す患者選択作業と、患者に対し実施された酸素療法の治療効果の確認作業とを、簡潔な設備を用いて容易且つ確実に実行可能とする生体情報モニタ装置、治療システムを提供する。
【解決手段】被検患者の呼吸気流レベル、及び呼吸努力レベルを表示するとともに、被検患者の心電図を心拍数変動解析を用いて解析して表示することにより、チェーンストークス呼吸が原因となる自律神経変調の発現と、その改善とを確認可能とした生体情報モニタ装置1aを備える治療システム1a−2aとする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体情報モニタ装置、治療システムに関し、特に、慢性心不全の合併症状であるチェーンストークス呼吸症状の平静化のために酸素富化気体を患者の呼吸用に供給する酸素療法を実行するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
[在宅酸素療法の概要]
従来、呼吸器疾患の患者に対して酸素ボンベから供給する酸素療法が行われており、最近では空気中の酸素を分離濃縮して酸素富化気体を得るための呼吸用気体供給装置が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになってきた。
【0003】
斯かる酸素療法は患者が医療機関に入院して実施される場合もあるが、患者の呼吸器疾患が慢性症状を呈し、長期に亘ってこの酸素療法を実行して症状の平静化、安定化を図る必要がある場合には、患者の自宅に上記の呼吸用気体供給装置を設置し、この呼吸用気体供給装置が供給する酸素富化された気体をカニューラと呼ぶ管部材を用いて患者の鼻腔付近まで導いて、患者が吸引を行う治療方法も行われている。この種の酸素療法を「在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)」とも称する。
【0004】
上記の在宅酸素療法は1985年に保険が適用されて以降、主に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症を対象として処方が行なわれており、その患者数の概要はわが国においては人口10万人に対して60〜65人で、凡そ8万人に上る(2000年時点)。またこの在宅酸素療法が患者の生命予後を改善する点も、旧厚生省特定疾患呼吸不全調査研究班などから報告がなされている。このように在宅酸素療法が効果を奏する理由は、例えば上記のCOPD患者において、呼吸が十分にできない状態が長く続き肺へ血液を送っている右心室の負担が重くなり心臓が肥大して働きが悪くなる「右心不全」の進行を防ぐのに効果的であるからであると推察される。
【0005】
患者に対して上記の在宅酸素療法を導入して治療を継続するまでの過程を順に説明する。
まず、呼吸疾患を患う患者が医療機関に来診して医師の診察を受ける。診察の結果、この患者は上記の在宅酸素療法が必要であることをこの医師が判断すると、医師はこの患者に対して、在宅酸素療法を受けるための導入と、初期の医学的指導を行なう。かかる指導は、この医療機関に所定日数入院して行なうこともあるし、あるいは、他の医療機関、例えば地域の中核的な基幹病院に紹介を受けてこの基幹病院に入院をすることによって行なう場合もある。
【0006】
上記の導入と初期の医学的指導を行った結果、経過が良好である場合、担当の医師はこの患者に対して、在宅酸素療法を実行する旨の処方を記載した指示書を発行する。発行された指示書に基き、この医療機関と予め契約を締結してある呼吸用気体供給装置供給業者は、この患者宅に処方に基く呼吸用気体供給装置を搬入し、更にこの患者が処方に基く在宅酸素療法を適切に受けられるよう呼吸用気体供給装置の設置、気体の酸素濃度や流量等の諸条件の設定を行なう。
【0007】
上記の手順で準備が完了すると、患者は在宅で、設置された呼吸用気体供給装置が供給する酸素富化気体を吸引する在宅酸素療法を継続的に受けることとなる。尚、この在宅酸素療法が健康保険の適用を受けるためには毎月1回、必ず外来もしくは往診により医師の診察を受けることが必要となる。
【0008】
ところで、上記に説明した在宅酸素療法を適用すべき疾患として、上記したCOPD、肺結核後遺症等の他に、慢性心不全(以下、CHF:Chronic Heart Failureともいう)が提唱されている。このCHFに対して在宅酸素療法を適用しようとする理由は、主に、CHFに多く現れるチェーンストークス呼吸症状(後出、チェーンストークス呼吸ともいう)を改善して、CHF患者の症状軽減を図ろうとする点にある。以下、CHF患者に対し酸素療法を施す治療方法の効果について、公知の資料に基き説明を行う。
【0009】
[慢性心不全に対する酸素療法の効果]
1.はじめに
CHFとは、慢性の左室機能低下に起因する末梢循環障害、運動耐容能、QOL(Quality Of Life:生活の質)および生命予後の悪化をもたらす症候群と定義される。慢性心不全の治療目標は、心機能障害の進展抑制(急性増悪の防止)と自覚症状、運動耐容能、QOLおよび生命予後の改善である。
【0010】
CHFに対する治療法としては、利尿剤、ACE阻害剤(腎臓に働いて血管を広げると同時に血圧を低下させる物質(ブラジキニン)が欠乏しないようにする薬、アンジオテンシン変換酵素阻害剤)、β−遮断薬(β受容体を遮断する交感神経遮断薬(アドレナリン作動性遮断薬))等を主体とする薬物療法と食事指導や患者教育といった日常の生活管理が主体となる。
【0011】
酸素療法は動脈血酸素飽和度の向上と肺血管抵抗の低減効果があるといわれており、慢性心不全の急性増悪による入院時は酸素療法が実施されている。
【0012】
2.CHFの夜間呼吸状態と予後
近年、CHFでは、その40%にチェーンストークス呼吸症状(CSR:Cheyne−Stokes respiration、チェーンストークス呼吸ともいう。呼吸気流の漸増漸減が繰り返される症状。)を合併するといわれている。チェーンストークス呼吸症状を合併する患者とチェーンストークス呼吸症状の合併が見られない患者について、追跡調査を行った結果、チェーンストークス呼吸症状の合併が無い例では7例中1例が死亡、チェーンストークス呼吸症状の合併する例では9例中5例が死亡、2例が心移植(心臓死)を受けた。この結果、チェーンストークス呼吸症状の合併を有する患者は、チェーンストークス呼吸症状の合併が無い場合と比較して、予後が不良であることが示された(非特許文献1)。
【0013】
3.CHFに対する酸素療法の効果
CHFに於いてチェーンストークス呼吸症状はしばしば観察され、夜間低酸素と覚醒による睡眠障害を伴う。夜間低酸素と覚醒は肺動脈圧と交感神経活性を増大させる原因となり、運動耐容能を低下させる。酸素療法はチェーンストークス呼吸症状の改善に効果が有り、チェーンストークス呼吸症状を合併するCHF患者の運動耐容能を向上させることが予想される。
【0014】
無作為、クロスオーバー、DBT(Double Blind Test:二重盲検試験) 条件下で22名のCHF患者で酸素療法と空気吸入を各々1週間行い、PSG(Polysomnography)検査(後出)、運動負荷試験、心不全症状の観察等を行いその結果を比較した結果では、夜間酸素療法によりチェーンストークス呼吸症状を改善し、運動耐容能の指標となる最高酸素摂取量を改善した。日中の心不全症状は有意な改善は見られない(非特許文献2)。
【0015】
チェーンストークス呼吸症状は睡眠を障害し、日中の傾眠、認識障害を引起す。又、チェーンストークス呼吸症状は独立した予後の因子である。
【0016】
無作為、クロスオーバー、DBT 条件下で11名のCHF患者で酸素療法と空気吸入を各々4週間行い、PSG検査、交感神経活性の指標として尿中カテコールアミン検査を行いその結果を比較した結果では、夜間酸素療法によりチェーンストークス呼吸症状を改善し、尿中ノルアドレナリンの量が低下した。日中の心不全症状は有意な改善は見られない(非特許文献3)。
【0017】
また、在宅酸素療法をCHF患者に導入し、導入前と導入1ヶ月後において労作時呼吸困難感を自覚する最少運動量をSAS(Specific Activity scale)の問診と在宅酸素療法導入前の心不全増悪による入院頻度と導入後1年間の入院頻度を比較した結果では、在宅酸素療法によりSASは在宅酸素療法導入前後1ヶ月で2.5±0.9から3.3±1.0METsへ改善し、入院頻度は導入前後1年間で1.2±1.3から0.8±1.2回へと有意に減少している(非特許文献4)。
【0018】
上記の如く、CHFにおけるチェーンストークス呼吸症状の合併率は高く、このチェーンストークス呼吸症状は夜間低酸素と覚醒による睡眠障害とを招来し、この結果、CHF患者の運動耐容能を低下させる。一方、酸素療法はチェーンストークス呼吸症状の改善に効果があり、チェーンストークス呼吸症状を合併するCHF患者の運動耐容能を向上させる事が出来る。
【0019】
更に、在宅で上記の酸素療法を行なう在宅酸素療法を行なうことにより、入院を行なう必要なく少ない経済的、社会的負担の下で酸素療法を長期に亘って継続することが可能となり、上記したチェーンストークス呼吸症状の改善とこれに伴うCHF患者の運動耐容能向上を、より少ない負担で、より確実に実行することが出来る。
【0020】
【非特許文献1】
Increased Mortality Associated with Cheyne−Strokes Respiration in Patients with Congestive Heart Hally PJ & Zuberi−Khokhar NS : Am J Respir Crit Care Med Vol 153, 272−276, 1996。
【非特許文献2】
Improvement of Exercise Capacity With Treatment of Cheyne−Stokes Respiration in Patients With Congestive Heart Failure Andreas S et al : JACC Vol 27 (6), 1486−90, 1996。
【非特許文献3】
Effect of Oxygen on Sleep Quality, Cognitive Function and Sympathetic Activity in Patients With Chronic Heart Failure and Chyene−Stokes Respiration Staniforth AD et al : Eur Heart J Vol 19, 922−928, 1998。
【非特許文献4】
慢性心不全患者に対する在宅酸素療法(Effects of Home Oxygen Therapy on Patients With Chronic Heart Failure) R. Kojima, M. Nakatani, et al: JAC Vol38, 81−86, 2001。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、チェーンストークス呼吸症状を合併するCHF患者に対して酸素療法、特に在宅酸素療法を実施することが有効であることが知られている。
【0022】
ところが従来の技術構成においては、「CHF患者の中からチェーンストークス呼吸症状を合併する患者を確実に選び出し、酸素療法を行なうべき患者として選択を行なう患者選択作業が、容易に行なえない」ということと、「チェーンストークス呼吸症状を合併するCHF患者に対して酸素療法を実施した際の治療効果を容易且つ確実に確認することが出来ない」というそれぞれが解決困難である問題が存在した。このことを以下に説明する。
【0023】
[従来の患者選択方法〜PSG]
従来、CHFあるいはその他の疾患の患者について、チェーンストークス呼吸の発現の有無を確認するためには、「PSG(Polysomnography)」と呼ばれる睡眠検査を行なうことが一般的であった。
【0024】
上記のPSGは、呼吸気流、いびき音、動脈血酸素飽和度(SpO)といった基礎的な項目に加え、脳波や筋電図、眼球の動きなどより詳細な生体情報を測定することで、睡眠の深さ(睡眠段階)、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効率などを呼吸状態の詳細とあわせて定量的に算出するための検査である。
【0025】
PSGを行なうためには、患者は多くの場合2泊3日(一泊目がPSG実施、二泊目が治療における処方の決定)の日程で医療機関や、スリープラボと呼ばれる専用の検査施設に入院を行ない、睡眠ポリグラフィー測定記録装置と呼ばれる検査器具に付属する各種センサを患者の各体位部に装着し就寝する。そして睡眠中は上記の各センサからの出力信号が所定の記録媒体(パーソナルコンピュータのハードディスクや、メモリーカード等)に連続的に記録される。
【0026】
記録後のデータは、医療従事者が直接検査データを解析するマニュアル解析、もしくは睡眠ポリグラフィー自動解析装置と呼ばれる専用の装置を用いて解析が行なわれる。自動解析の場合、複数の項目についての評価をまとめたレポートが自動的に作成される。かかる複数の評価項目とは、例えば下記する各項目である。
【0027】
【表1】
Figure 2004283194
【0028】
医療従事者は、PSGを行なって得られた上記レポートの記載内容に基き、次のような観点からチェーンストークス呼吸の発現を知ることが出来る。すなわちStage 1〜2(浅い睡眠)の時に、呼吸気流及び呼吸努力の漸増漸減が繰り返し現れれば、チェーンストークス呼吸の発現が疑われる。
【0029】
以上のように、PSGを用いれば、医療従事者は睡眠時の被検患者にチェーンストークス呼吸の発現が有ったかどうかを知ることが出来、この知得の結果に基いてチェーンストークス呼吸が見られた患者に対し必要に応じて酸素療法の実行を指示することが可能である。
【0030】
ところが上記したPSGを用いた患者選択の方法では、以下の諸点が障害となり、チェーンストークス呼吸症状を合併するCHF患者への在宅酸素療法の普及が阻害されている。
【0031】
(1)PSGは入院を必要とする検査であるので、患者の負担が大である点
上記のようにPSGを用いた睡眠検査は、多数のセンサを患者の各体位部分に装着して検査を行なう必要があるため、センサの装着作業、及びその確認作業、更には記録途中の専門の検査技師による確認作業が必要となるとともに、上記した多数の項目についての記録が行えるよう大型の測定設備が必要となるので、これらの設備と上記した専門の検査技師とを擁する医療機関等へ入院することが必須である。検査を行なう際に入院が必須となることは患者の負担増を招き、患者が検査の受診をためらう恐れもあり、検査の受診機会、及び治療の機会を狭めるものであった。
【0032】
(2)PSGを実施するにあたって、設備負担及び運営負担が検査実施者にとって大きい点
上記したようにPSGの実行運営を行なうためには、多数の測定項目を記録できるように構成した睡眠ポリグラフィー測定記録装置や、それら多数の測定項目について解析を行なうための睡眠ポリグラフィー自動解析装置を含めた諸設備と、患者が入院するための諸設備を設ける必要があるとともに、各種センサの患者への装着等を行なう検査技師を配置する必要があり、これら検査のための設備設置と検査の運営とは検査実施者にとり大きな負担となるものであった。そのために、上記したように検査を受けることが患者にとって大きな負担となり多数の利用患者を見込めないこととあわせて、PSGの検査実施及び運営は多大な困難が伴った。
【0033】
事実、公衆からアクセス可能なようにインターネット上に設けられたホームページである<http://nsleep.com/japanese/jpn−psg/psg−exp.htm >(医療法人HSR 名嘉村クリニック名義)の記載においては、PSG検査の説明として、「検査は10時ごろから朝の6時ごろまで約8時間行なわれます(準備は一番早い方で午後8時半から始めます)。現在は検査室が6つあり、月・火・木・金・土曜日の週5日、1日6人が検査を受けています。この間検査担当者が常時モニタにて観察をします。この検査は検査をする側の時間や労力の負担が大きいので全国でも限られた施設でしか実施されていません。検査にも解析にも時間がかかり、結果の報告には約2〜3週間かかります。ご了承下さい。」と記されている。
【0034】
(3)PSGを実施可能な施設数が少なく、患者が検査を受ける機会が阻害される点
上記のようにPSGを行ない得る医療機関やスリープラボなどの施設におけるPSGの検査実施と運営には多大な困難が伴い、その結果、患者が利用可能な施設は数が限られており、更にPSGは、近年注目されつつある閉塞型の睡眠時無呼吸症候群の発現確認にも用いられる検査であることから、多数の患者が検査受診を予約して待機しているのが現状である。そのために、医療従事者が、あるCHF患者に対してPSG検査の実施を意図したとしても、実際に検査が実施できるのは予約待ちの後日となり、迅速な検査と治療とが実施できない恐れがあった。更に、PSG検査が実施できる施設数が限られ、例えばひとつの県での施設数が1〜2施設に限られる場合もあることから、これらの施設から遠方に居住する患者が検査を受けることが困難な場合も考えられる。
【0035】
[従来の酸素療法の治療効果確認方法]
上記のようなPSGあるいはその他の検査方法によりチェーンストークス呼吸症状の合併が見つかったCHF患者に対して酸素療法を実施した場合、この酸素療法の治療効果を容易且つ確実に確認する事が、従来は困難であった。
【0036】
すなわち患者の夜間睡眠時の状態を観察して、酸素療法の期待される治療効果である上記したチェーンストークス呼吸症状自身の改善や交感神経活性の低下を確認するためには、上記したPSGや尿中カテコールアミン検査を医療機関等に入院して夜間睡眠時に行なわねばならず、先に説明したように患者、及び医療機関側に多大な負担を強いるものであった。
【0037】
このように、CHF患者中からチェーンストークス呼吸症状を合併する患者を選び出す患者選択作業、及びこの選択された患者に対して実施した酸素療法の治療効果を確認する作業を、患者の医療機関等への入院を伴わずに、自宅で簡潔な設備を用いて容易且つ確実に実行することが従来は極めて困難であった。
【0038】
尚、上記した問題点は、上記した非特許文献1乃至非特許文献4のいずれにおいても解決方法が示されていないことはいうまでもない。
【0039】
本発明は、上記の状況に鑑みなされたものであって、CHF(慢性心不全)患者の中からチェーンストークス呼吸症状を合併する患者を確実に選び出し、酸素療法を行なうべき患者として選択を行なう患者選択作業と、選択された患者に対して実施された酸素療法の治療効果の確認作業とを、医療機関等に入院することなく例えば患者宅にて簡潔な設備を用いて容易且つ確実に実行可能とすることにより、CHF患者に対する酸素療法の普及を促進可能とする生体情報モニタ装置、治療システムを提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、下記する1)乃至6)に記載の各構成を有する生体情報モニタ装置、および治療システムを提供する。
1)被検者の呼吸気流及び呼吸努力の遷移を記録する記録部と、記録された呼吸気流及び呼吸努力の遷移の解析部、解析結果を表示又は印字する出力部とを備え、チェーンストークス呼吸症状を観察する生体情報モニタ装置において、前記記録部に心電図波形の記録手段を備え、記録された心電図波形から自律神経の変調を解析し、解析結果を前記出力部に表示又は印字させることを特徴とする生体情報モニタ装置。
2)該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を平均値及び標準偏差に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする1)記載の生体情報モニタ装置。
3)該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を示す指標を周波数解析に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動を示す指標との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする1)記載の生体情報モニタ装置。
4)被検者の呼吸気流及び呼吸努力の遷移を記録する記録部と、記録された呼吸気流及び呼吸努力の遷移の解析部、解析結果を表示又は印字する出力部を備えた生体情報モニタ装置と、該被検患者に酸素療法を実施するための呼吸用酸素富化気体供給装置とを有する治療システムにおいて、前記記録部に心電図波形の記録手段を備え、記録された心電図波形から自律神経の変調を解析し、解析結果に基づいてチェーンストークス呼吸症状を有する患者の発見、該患者に対する酸素療法の実施、又は酸素療法の効果を、前記出力部に表示又は印字させる手段を備えることを特徴とする治療システム。
5)該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を平均値及び標準偏差に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする4)記載の治療システム。
6)該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を示す指標を周波数解析に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動を示す指標との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする4)記載の治療システム。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4に従い、本発明の実施形態に係る好ましい実施例である、チェーンストークス呼吸症状を有する患者のための治療システム(以下、単に「治療システム」ともいう)の説明を行なう。
【0042】
図1は本実施例の治療システムが有する生体情報モニタ装置の構成図、図2は同じく本実施例の治療システムが有する酸素富化空気供給装置の概略のフロー図、図3は本実施例の治療システムを用いて治療を行なう手順を示すフローチャート、図4は図1の生体情報モニタ装置を用いて得られた測定及び解析結果の模式図である。
【0043】
[治療システムの構成の概要]
以下に説明を行なう本実施例のチェーンストークス呼吸症状を有する患者のための治療システム1a−2aは、その主要な構成として図1に図示する生体情報モニタ装置1aと、図2に図示する呼吸用気体供給装置2aとを有している。
【0044】
そして、チェーンストークス呼吸症状を有することが疑われる患者、例えばCHF患者に対して上記の生体情報モニタ装置1aを用いた下記する手順に従う検査を行なってチェーンストークス呼吸症状の発現の有無と、このチェーンストークス呼吸症状により患者に生起された自律神経の変調の発現とを調べ、発現を見た患者に対しては医療従事者の処方指示に基いて上記呼吸用気体供給装置2aを用いた酸素療法を実施することにより、酸素療法を実施すべきチェーンストークス呼吸症状を有する患者を確実且つ容易に選択して治療実施することが可能となるとともに、この酸素療法の治療効果についても容易且つ確実に確認することが出来る。
【0045】
尚、上記の生体情報モニタ装置1aは、本実施例の治療システム1a−2a以外の構成のために単独又は他の構成と組み合わせて用いることにより、チェーンストークス呼吸症状を有する患者の選択に用いてもよい。
【0046】
更に、上記した呼吸用気体供給装置2aに代えて他の酸素富化気体供給手段、例えば液体酸素を用いた気体酸素の供給手段、圧縮気体酸素を収納する酸素ボンベ等を用いて、チェーンストークス呼吸症状を有する患者のための治療システムを構成することも無論可能である。以下、本実施例の治療システム1a−2aの構成につき、より詳細に説明を行う。
【0047】
[生体情報モニタシステムの構成]
図1の構成図に示す如く生体情報モニタ装置1aは、その構成は大きく、生体情報モニタ1a−2と、生体情報解析装置1a−3とに分かれる。更に、生体情報モニタ1a−2は、その本体1a−2a内部に配設されたアンプ部1a−2b、書き込み部1a−2c、本体1a−2a内部に着脱可能に配設されたICカード1a−2e、本体1a−2aの外部であって、リード線を介してアンプ部1a−2bに接続する電極部1a−2d、呼吸気流センサ1a−2g、胸腹ベルトセンサ1a−2f、及び動脈血酸素飽和度センサ1a−2h、を有している。尚、上記した以外のセンサを有するよう構成してもよい。
【0048】
上記の本体1a−2aは軽量小型に構成された筐体構造であって、ベルト等を用いて患者の腰部等に容易に装着することが出来、この結果、患者は生体情報モニタ1a−2を装着した状態で、例えば医療機関から自宅へ移動することが容易であるし、睡眠中の患者について下記する各測定を患者の負担無く実行することが容易である。
【0049】
またアンプ部1a−2bは、このアンプ部1a−2bにリード線を介して接続する上記した各センサ手段に電力を供給し、各センサ手段からセンサ信号を受信して所定の増幅、及びA/D変換を実行して、変換済み信号を書き込み部1a−2cに出力する機能を有する。
【0050】
書き込み部1a−2cは、アンプ部1a−2bから入力したデジタル信号をICカード1a−2eに記録する機能を有する。ICカード1a−2eはデジタル信号を書き込み/読み出し可能とした記録媒体であって、本体1a−2aに対して着脱可能に構成したことにより、患者のデータを測定して書き込みがなされた後のICカード1a−2eを上記の生体情報モニタ本体1a−2aから取り外して、後に述べる生体情報解析装置1a−3に装着して、測定したデータの解析が実行可能である。
【0051】
また、電極部1a−2dは、この電極部1a−2dが有する各電極を患者の所定部位の皮膚面に貼り付けて、この患者の心電図波形を取得するためのセンサである。
【0052】
また、呼吸気流センサ1a−2gは、患者の鼻腔付近に貼り付けて、呼吸気流の温度とその他の外気の温度とを測定検知することにより、この患者の呼吸による気流の有無、強弱を測定するためのセンサである。また、胸腹ベルトセンサ1a−2fは、患者の胸郭周囲及び腹部周囲に巻いて装着し、患者の呼吸に伴って胸郭及び/又は腹部が拡張、収縮を繰り返した際に、この胸腹ベルトセンサ自身の伸び縮みによってこの胸郭及び/又は腹部の動きを検知し、この結果、患者の呼吸努力を検知するためのセンサである。
【0053】
また、動脈血酸素飽和度センサ1a−2hは、動脈血の酸素化レベルと脈拍数を、非侵襲的に、連続的に測るためのセンサであり、測定に際してはセンサ部を患者の指先に粘着テープ等を用いて固定して指先に光をあてるだけで測定ができるため、採血の必要が無く、操作も簡単ですぐに結果が判明し、又、校正の必用もない。測定原理は、波長の異なる2種類の光を指にあて、透過した光の量を測定することにより動脈血酸素飽和度を算出するものであって、動脈血の識別は脈拍に一致して変化する成分に着目することにより行われ、酸素飽和度の算出は、酸素ヘモグロビンの、2種類の光に対する透過度が異なることを利用している。
【0054】
次に、生体情報モニタ装置1aを構成するもう一方の大きな構成単位である、生体情報解析装置1a−3の説明を行なう。
生体情報解析装置1a−3は、同じく図1の構成図に示すように、上述のICカード1a−2eが着脱可能なように構成したリーダ1a−3a、このリーダ1a−3aに接続する主処理装置1a−3b、この主処理装置1a−3bに接続するモニタ1a−3c、同じく主処理装置1a−3bに接続するエディタ1a−3d、同じく主処理装置1a−3bに接続するプリンタ1a−3eを有している。上記のリーダ1a−3aは、装着したICカード1a−2eからそこに記録されてあるデータを読み出して、主処理装置1a−3bへ出力する機能を有する。
【0055】
尚、本実施例の生体情報モニタ装置1aにおいては、患者から測定したデータを記録するための媒体としてICカード1a−2eを用いる点は既に説明した通りであるが、その他の構成として、ICカード1a−2e以外の媒体、例えばフラッシュメモリ、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、磁気ディスケット等を用いるよう構成することも無論可能である。
【0056】
再び構成の説明に戻ると、主処理装置1a−3bは、リーダ1a−3aから入力したこの患者の様々な生体情報を用いて、所定の処理手順に従い処理を実行し、処理結果を表示、記録、送信等するために制御及び出力を行なう機能を有する。尚、処理手順の実際は、後記する。
【0057】
上記の主処理装置1a−3bは、具体的には汎用のパーソナルコンピュータに専用のプログラムがインストールされた構成を用いている。勿論、専用のハードウェア構成として実現することもまた可能である。
【0058】
エディタ1a−3dは、リーダ1a−3aから主処理装置1a−3bへ入力した生体情報の編集に用いるための構成であって、例えば、24時間の如く長時間に亘って測定した生体情報を所定の医療従事者が目視で確認し、情報処理を行なうべき区間を選択すること、などが可能である。
【0059】
この目的のために、エディタ1a−3dは、パッドやキイボード等の入力手段、選択手段を備えている。
【0060】
またモニタ1a−3cは、上記した各種センサ手段により測定された患者の生体情報が主処理装置1a−3bに取り込まれて処理された測定値、あるいは別途示すような解析を経て得られた解析結果を表示して、医療従事者等に示すための表示画面を備えた装置であって、CRTディスプレイ、あるいは液晶ディスプレイ等で実現される。
【0061】
またプリンタ1a−3eは、上記したモニタ1a−3cが表示可能である情報や、これらの測定結果や解析結果をまとめたレポートを、主処理装置1a−3bからの入力に応じて印字媒体である紙媒体に印字する機能を有する。
【0062】
なお、本発明の実施にあたっては、上記に説明した好ましい実施例である生体情報モニタ装置1aの構成に限定されること無く、種々の変形が可能である。
【0063】
たとえば、アンプ部1a−2bや書き込み部1a−2cが患者の体に装着されること無く他の位置に配置されて有線あるいは無線伝送路を介して電極部1a−2dなどのセンサ手段と接続する構成、ICカード1a−2c以外の記録メディアを介してデータが生体情報モニタ1a−2から生体情報解析装置1a−3へ渡されたり、あるいは記録メディアを介することなく直接に有線又は無線伝送路を介してデータが渡される構成、主処理装置1a−3bと同様のデータ解析動作を実行するための構成が生体情報モニタ1a−2側に配置される構成などが考えられる。すなわち患者の呼吸気流、呼吸努力、あるいは心電図波形などバイタルデータを検出するセンサ手段以外は、患者の体に装着される構造に限らず、いずれの位置に配置されて構成されてもよい。
【0064】
これら本発明の主旨を逸脱することの無い範囲での変形例もまた、後に説明を行なう本実施例の効果を同様に奏するものであって、これらもまた本発明は包含する点は言うまでも無い。
【0065】
[呼吸気体供給装置の構成]
次に、図2に従い呼吸気体供給装置2aの構成について説明を行う。
本実施例の治療システム1a−2aが有する呼吸気体供給装置2aは、下記する構成を有することにより予め定めた範囲内で流量を任意に設定して酸素富化空気の供給を実行出来るので、上記した生体情報モニタ装置1aを用いて患者の各生体情報を観察した結果に基いて医療従事者が作成した酸素療法処方指示書に則った流量の設定にて酸素療法を実行することが出来る。
【0066】
上記の呼吸気体供給装置2aの概略フローチャートである図2は、酸素よりも窒素を吸着しやすいモレキュラーシーブ5A等の吸着剤が充填された圧力変動型酸素濃縮器1であり、コンプレッサー4が流路切換え弁5を介して導管によって該酸素濃縮器1に連結されており、酸素富化空気を一時的に貯留するサージタンク9が自動開閉弁12を介して導管13によって酸素濃縮器1に連結されている。また流路切換え弁5には吸気マフラー等を備えた吸気用導管と排気マフラー等を備えた排気用導管が設けられている。なお、コンプレッサー4からサージタンク9までが本実施例においては酸素富化空気の発生手段を構成している。
【0067】
さらに、サージタンク9には、減圧弁19等を備えた酸素富化空気流路用導管14が取付けられており、この導管14に流量制御手段としてオリフィス型流量設定器2が設けられ、導管23によって鼻カニューラあるいは口マスクのような酸素富化空気供給手段(図示せず)が連結されている。
【0068】
また、供給量設定手段3として、例えば酸素濃度選択ツマミが設けられ、該ツマミは発生手段の切換え弁5と連動して吸脱着サイクルタイムを変更し、酸素濃縮器1からの酸素富化空気の酸素濃度を増減させる。圧力検出手段21がオリフィス型流量設定器2の上流側の圧力を検知し、その圧力の異常が生じた場合に警報を発生する手段(図示せず)に情報を伝達するものである。また、導管14には、さらに自動開閉弁18、除菌フィルタ20、加湿器7等が具備されて、導管23により、鼻カニューラあるいは口マスク(酸素富化空気供給手段)に連結していることが実用上好ましい。
【0069】
上記供給量設定手段3は、表示としては流量設定器であることもできるが、本発明においては、該設定により切り換え弁5の吸脱着サイクルタイムが変化し、結果的には酸素濃度が設定されるものである。
【0070】
図2の酸素富化空気供給装置2aの運転態様としては、電磁弁12,18を開いた状態で、図2の如く弁5を介してコンプレッサー4により、加圧空気を酸素濃縮器1に導入して窒素を吸着させ、得られた酸素富化空気が導管13を介してサージタンク9に貯留される。
【0071】
サージタンク9に貯留された酸素富化空気は、減圧弁19、除菌フィルタ20を通過した後、オリフィス型流量設定器2により所定の流量に調整されて、加湿器7により加湿され、導管23に連結された鼻カニューラ等を経て呼吸器疾患の患者等に供給される。
【0072】
酸素富化空気の発生手段においては、上記供給量設定手段3としての酸素濃度選択ツマミ等によって設定された酸素濃度に従い、所定時間吸着を続けた後、弁12を閉じて、弁5を切り換えることによってコンプレッサー4を真空ポンプとして使用して、酸素濃縮器1内の圧力を減圧して、脱着を行う。所定の時間脱着を行った後、弁5を切り換えて加圧空気を酸素濃縮器1に導入せしめ、さらには弁12を開いてサージタンク9から酸素富化空気を逆流させることによって、酸素濃縮器1を再加圧したうえで、引続き加圧空気を酸素濃縮器1に導入しながら吸着工程を実施する。
【0073】
このような吸着、脱着の工程を繰り返して酸素富化空気が得られ、供給量設定手段3において設定された酸素濃度に変化がない場合には、酸素濃縮器1の吸脱着サイクルタイムは所定の比率及び時間長さによって、運転され、酸素富化空気が得られる。
【0074】
供給量設定手段3における設定酸素濃度の増減に伴い、基本的には酸素富化空気発生手段における上記の運転条件、すなわち酸素濃縮器1の吸脱着サイクルタイムが、その吸着サイクルタイムと脱着サイクルタイムとの比率はほとんど変化しないでそれらの時間長さが変化し、または吸着サイクルタイムと脱着サイクルタイムとの比率が変化することにより、設定酸素濃度の変化に連動する。このようにして、サージタンク9内に所望の酸素濃度の酸素富化空気が貯留されることとなる。
【0075】
サージタンク9内に貯留された酸素富化空気は、導管14を通ってその流量は流量制御手段2によって調整されて、鼻カニューラ等の酸素富化空気供給手段4から患者に供給される。流量制御手段2により、利用者に好ましい流量が設定されると、それ以後、供給量の変化があってもほとんどこの制御手段はさわらないことができる。
【0076】
サイクルタイムの調整により、更に必要なら流路14内に設けられた放出制御弁における放出量の調整により、流量制御手段2に供給される酸素富化空気の流量は略一定に保持される。すなわち、本実施例の呼吸気体供給装置2aによれば、供給量設定手段3の酸素濃度調整ツマミを用いることにより、予め決められた範囲内で酸素濃度を調整することが出来るし、流量制御手段2を用いることにより、同じく予め決められた範囲内で酸素富化空気の供給量(流量)を調節することが出来、これら酸素濃度と流量の双方、あるいはいずれか一方を予め定めた範囲内で所望の値に設定して運転することが可能である。
【0077】
流量のみが所定範囲内で変更設定可能であり、酸素濃度が固定されている構成の呼吸気体供給装置の場合は、呼吸気体供給装置の提供業者が、異なる酸素濃度を実現する複数種類の装置を予め用意しておき、処方に適合する仕様の装置をこの患者の自宅に設置して酸素療法に用いることとなる。
【0078】
なお、呼吸用気体供給装置の構成は上記に説明した態様に限られるものではなく、公知の技術的構成を用いて上記とは異なる構成として治療システムを実現しても良い。
【0079】
[治療システムを用いた治療手順の概要]
次に、上記に説明を行った構成を有する治療システム1a−2aを用いてチェーンストークス呼吸症状を合併したCHF患者の治療を行なう手順を順次説明する。
【0080】
治療を行なう手順は、図3のフローチャート中の(A)に示すように、まずCHF患者その他の患者群から事前に検査対象候補患者を予備選択するための動脈血酸素飽和度を用いたスクリーニングの実行(ステップS1)、それに続く上記した生体情報モニタ装置1aを用いたチェーンストークス呼吸症状と自律神経変調の発現の確認検査(ステップS2)、その結果に基いて医療従事者が酸素療法の実施可否の判断(ステップS3)、実施が判断されると呼吸用気体供給装置2aを用いた酸素療法の実施(ステップS4)が順次実行される。
【0081】
そして所定の治療期間が終了すると生体情報モニタ装置1aを用いて酸素療法の治療効果を確認する検査を行なう(ステップS5)。治療効果が確認出来れば一連の治療手順を終了し、確認できないかあるいは不十分である場合には、同じ治療を繰り返すかあるいは効果が不十分である原因を特定してその原因を回避するよう条件設定を変えるなどして再び酸素療法の実施を行なう。
【0082】
なお、上記の手順は必要に応じて改変が可能であり、例えば同じ図3の(B)に示すように、動脈血酸素飽和度を用いた患者のスクリーニングを行なわず、その他の各ステップを実行することも可能である。
【0083】
以下の説明では、図3の(A)に示した手順に従い、各ステップを説明することとする。
【0084】
[動脈血酸素飽和度を用いた患者のスクリーニング(ステップS1)]
CHFでは、その凡そ40%の患者にチェーンストークス呼吸を合併するといわれている点は、先に説明した通りである。
【0085】
そして、このチェーンストークス呼吸における無呼吸若しくは低呼吸の状態においては患者の動脈血酸素飽和度が正常値よりも低下する点が知られている。そこで患者の動脈血酸素飽和度を一定の測定期間、例えば24時間に亘って連続的に測定し、もしも測定期間中にこの動脈血酸素飽和度の低下が認められれば、チェーンストークス呼吸が疑われる患者として、患者のスクリーニングを行なう方法が有効である。
【0086】
ここで動脈血酸素飽和度を測定するための構成としては、例えば、本出願人が既に市販を行っている「酸素飽和度モニタ」(商品名:PULSOX(登録商標)−M24、医療用具製造承認番号20900BZZ00154000)を用いることも考えられる(図示しない)。
【0087】
上記のPULSOX(登録商標)−M24は、24時間のメモリーを内蔵しているパルスオキシメータであって、腕時計型で軽量、コンパクトなため、患者の日常の睡眠状態を崩すことなく睡眠中のデータ測定が可能である。24時間分のデータを蓄積できるので、2〜3晩分の記録が可能である。また、専用のDS−Mという解析ソフトを用いることで、ODI(SpO2低下回数/時間)、最低SpO2値、低酸素状態に陥っている時間の合計などを算出できる。
【0088】
上記の動脈血酸素飽和度を測定する対象の患者、即ち酸素療法の予測を行なう対象の患者を選択するための患者母集団としては、慢性心不全患者、慢性心不全が疑われる患者、あるいは慢性心不全患者の中でチェーンストークス呼吸症状合併が疑われる患者などが望ましいし、あるいは集団検診等で無作為の対象患者に対して実施することも考えられる。
【0089】
なお、動脈血酸素飽和度の低下はチェーンストークス呼吸以外の症状においても見られるので、上記した動脈血酸素飽和度の測定ステップは、あくまでもチェーンストークス呼吸に関して疑わしい患者をスクリーニングするに過ぎない点はいうまでもない。
【0090】
[チェーンストークス呼吸症状と自律神経変調の発現確認検査(ステップS2)]
チェーンストークス呼吸症状を確認する検査を実行するためには、まず患者が医療機関の外来に来院し、この医療機関にて先に説明した生体情報モニタ1a−2がこの患者に装着される。
【0091】
装着に際しては、例えば電極が正しく患者の部位に装着されているなどの点を専門の技師が確認することが望ましい。確認が終了すると患者は、生体情報モニタ1a−2を装着したまま帰宅し、睡眠時間を含めた生体情報の収集が例えば24時間に亘って行なわれる。
【0092】
測定が終了すると、患者は生体情報モニタ1a−2を装着したまま医療機関を再び訪れ、生体情報モニタ1a−2の取り外しと測定データを記録してあるICカード1a−2eの回収が行われる。
【0093】
なお、生体情報モニタ1a−2とICカード1a−2eの回収は、上記の方法とは異なる方法にて行なわれても良い。例えば測定後に医療従事者(臨床検査技師等)が患者宅を訪れて、センサ類の装着状況を確認しつつ生体情報モニタ1a−2の患者からの取り外しとICカード1a−2eの回収を行なうことも可能である。
【0094】
また、生体情報モニタ1a−2を装着した患者が自宅に帰って測定を行うのではなく、この医療機関に入院して睡眠時の測定を行うようにしてもよく、この場合、生体情報モニタ1a−2の構成が先に説明したPSG用の設備よりもはるかに簡潔で低コストであり、また常時専門の技師による測定の監視も行う必要が無いことから、PSGを実施することと比較して医療機関の負担は大きく軽減される。
【0095】
回収されたICカード1a−2eに記録されているデータの解析は、この医療機関において先に説明した生体情報解析装置1a−3を用いて行なってもよいが、効率的に解析を行なうために多くの場合、この医療機関から、同じく生体情報解析装置1a−3を有する専門の解析センターへ送られて専門の技師による解析が行なわれる。
【0096】
解析に際しては、技師は、エディタ1a−3dを用いて全測定区間のデータ中から診断に有用と思われる特徴を有する測定区間を選択し、選択した測定区間に含まれる呼吸レベル、呼吸努力レベル、酸素飽和度の各測定値と、この区間内で測定された心電図波形について主処理装置1a−3bが心拍数変動解析の手法(後出)を用いてこの患者の自律神経の変調を解析した解析結果を含んだレポートを作成する。レポートの具体的な記載内容は後記する。
【0097】
完成したレポートは、モニタ1a−3cに表示して確認することも可能であるし、プリンタ1a−3eを用いて印刷媒体である紙媒体に印字してもよい。あるいはレポートを電子データとして医療機関へ送信、又は記録媒体に記録して医療機関へ送付がなされるなど、医療機関の医療従事者が観察可能な態様にて、上記のレポートが出力される。
【0098】
紙媒体に印字されたレポートは、先に医療機関から送付されたICカード1a−2eとともに医療機関へ送付され、医師等医療従事者の診断に用いられる。なお、酸素飽和度の測定値を含まないようにするなど、レポートの内容の改変は可能である。
【0099】
[心拍数変動解析の手法を用いた自律神経の変調解析]
ここで、上記した、心拍数変動解析の手法を用いて患者の自律神経の変調を解析する手法について説明する。
【0100】
本実施例の治療システム1a,2aが備える主処理装置1a−3bは、患者から採取した心電図波形を用いて心拍数変動解析を行い、この解析結果から医療従事者は、患者の自律神経の変調が現在発現しているか否か、について知ることが出来る。
【0101】
上記の心拍数変動解析は、公知技術として既にレポートされている構成を利用してもよい。これら心拍数変動解析には、下記するように、(1)心拍数の平均、標準偏差、心拍の時間間隔などを用いた解析手法である時間ドメイン分析、あるいは(2)心電図波形をフーリエ変換等を用いて周波数成分への分解を行って解析を行う手法である周波数ドメイン分析が含まれている。またその他の心拍数変動解析手法である、フラクタル分析などを用いてもよい。
【0102】
上記の時間ドメイン分析の一例として、「心拍数変動分析に反応する移植可能な医療器具」の構成について記載した特表2001−505441号公報第7ページ第4行〜第16行には、「一つの実施例では、患者が正常もしくは健康な心拍数変動を示す間にホルター・モニターでR−R区間を記録する。それから、平均及び標準偏差に基づくアルゴリズムが固定記憶装置に記憶されている単一ユーザー値を計算する。このユーザー値は、正常な心拍数変動条件下における患者のストレス状態を表す。その後、患者は、個別の心拍期間におけるR−R区間、例えば100心拍をモニタする検知器を手首につける。この心拍期間が終了すると、手首検知器とアルゴリズムを使って患者の現時点におけるユーザー値、つまり、ストレス状態を計算する。そして、この現時点におけるユーザー値は、正常な心拍数条件下においてすでに記録されたユーザー値と比較される。理論的には、この比較が正常な心拍数変動からの偏差を示し、患者の心臓ストレス状態を表わす基準となる。2個のユーザー値に大きな偏差があれば、それは交感神経・副交感神経間の自律神経系バランスにおける大きな偏差を反映することになる。」との記載がある。
【0103】
また上記の時間ドメイン分析及び周波数ドメイン分析(回数ドメイン分析ともいう)の一例として、同じく上記の特表2001−505441号公報の第17ページ第1行〜第12行には、「例えば、時間ドメイン分析もしくは回数ドメイン分析は、研究者が心拍数変動を検討する際によく使用する二つの方法である。時間ドメイン分析では、グラフはR−R区間を特定時間内に発生する心拍数として典型的に表わしている。例としてECGモニタがあり、これは心拍数変動を記録して計算する。回数ドメイン分析では、フーリエ変換アルゴリズムは順次R−R区間をシヌソイド函数の合計として分解する。グラフはこのアルゴリズムの結果を典型的に表わし、異なる振動周波数での患者の心拍数変動の振幅を示している。回数ドメイン分析は、分光分析内のある周波数帯域が洞結節期間の自律神経系統と関連しているため、ある場合によっては非常に有利である。Jトーマス・ビッガー他著「心筋梗塞後の心拍数変動と死亡率の回数ドメイン測定」循環 第85巻(1992)164−171ページ参照。」との記載がある。
【0104】
同じく上記した、その他の分析手法であるフラクタル分析の一例として、公衆よりアクセス可能なインターネット上のホームページである<<http://kansai.anesth.or.jp/kako/JSAKansai02/abs/4.html>>には、「ブトルファノール併用プロポフォール緩徐投与による麻酔導入・気管内挿管時の自律神経活動を心拍数変動解析装置MCSA Medical Control社のAnemon−I(R−R間隔をフラクタル解析し、自律神経反応を数値化)を用いて評価した.」との記載がある。
【0105】
更に、同じく上記の周波数ドメイン分析の一例ではあるものの、本発明人の検討結果に係る構成であって未だ開示がなされていない解析手法である、「(1)心電図波形におけるR−R区間の変動に含まれる所定周波数を上回る高周波成分を抽出し、(2)この高周波成分の周波数スペクトラムにおける特定周波数を中心としたピーク波形が囲む幾何学的面積を算出し、(3)算出されたこの面積を判断指標として用いて、同一患者における推移の観察や、標準的指標との対比判断を行って、自律神経の変調の有無を判断する手法」を用いることも出来る。
【0106】
あるいはまた、公刊書籍である、井上、麻野ほか:循環器疾患と自律神経機能(医学書院、1996年)の特に71ページから195ページまでの記載、あるいは、同じく公刊書籍である、林、谷ほか:心拍変動の臨床応用(医学書院、1999年)の特に28ページから36ページの記載中にある心拍数変動解析の手法を利用してもよい。
【0107】
本実施例では、これらの公知資料に係る構成、あるいは他の構成に基づき、主処理装置1a−3bが心拍数変動解析を行って患者の自律神経の変調が現在発現しているか否か、について検知を行うように構成することが出来る。
【0108】
[酸素療法の実施判断(ステップS3)]
医療機関へ送られた上記のレポートには、例えば、図4の模式図に示す如くの各測定グラフ、検知結果が含まれている。
【0109】
図4において、T1及びT3は正常呼吸の区間、T2はチェーンストークス呼吸が見られた区間、aは呼吸気流レベルの遷移グラフ、bは胸部呼吸努力レベルの遷移グラフ、cは腹部呼吸努力レベルの遷移グラフ、dは動脈血酸素飽和度の遷移グラフ、eは上記した心拍数変動解析の手順にて検出された、被検患者の自律神経の変調の有無を示すフラグである。
【0110】
これらの記載事項、及びその他の情報に基いて医療機関の医療従事者は、この被検患者にチェーンストークス呼吸症状が見られるかどうか、及びこの被検患者に対して酸素療法を実施するか否かを判断する。
【0111】
上記の判断における指針は、例えば次のとおりである。
【0112】
図4の例示において、まず、この患者の呼吸気流レベルaを見ると、T1なる期間内では定常的なレベルを維持していたものの(a1)、T2なる期間に入ると、レベルの漸増漸減を繰り返す波形a2と、レベルが低下している無呼吸の波形a3とが繰り返されるので、チェーンストークス呼吸が疑われる。
【0113】
一方、胸部呼吸努力レベルbを見ると、上記した無呼吸の波形a3と同期して呼吸努力が低下した波形b3が現われていることがわかる。従って上記の無呼吸の波形a3は、呼吸努力がなされているにもかかわらず呼吸気流が低下する閉塞型無呼吸ではなく、呼吸気流と呼吸努力が共に低下する中枢型無呼吸であることがわかる。
【0114】
更に、動脈血酸素飽和度dを見ると、上記の中枢型無呼吸a3と同期して暫減する領域d2が認められ、呼吸気流の漸増漸減と同期して急増している領域d3も見られることから、この区間T2がチェーンストークス呼吸であることが裏付けられる。
【0115】
また、自律神経の変調の有無フラグeが「変調有り」であることから、上記のチェーンストークス呼吸が発生した場合にこのチェーンストークス呼吸によって生起された自律神経の変調を、医療従事者は知得することが出来る。
【0116】
従って医療従事者は、自立神経変調の発生を知って、上記の呼吸気流及び呼吸努力の漸増漸減現象と合わせてチェーンストークス呼吸の発生を確定的、自明的に知ることが出来るので、この患者に対して酸素療法を実施してチェーンストークス呼吸症状の改善、自律神経の変調の改善を図ることは有効であることを、医療従事者は確定的、自明的に知得することが出来る。
【0117】
[酸素療法の実施(ステップS4)]
酸素療法の実施が決まると、医療従事者は、上記した如くの患者の呼吸気流、呼吸努力、及び自律神経の変調等についての観察結果やその他の所見に基づき、この患者に対する呼吸用酸素富化気体の酸素濃度、流量等を決定して処方として記載した指示書を発行する。
【0118】
そして、処方された酸素濃度に適合する呼吸用気体供給装置2aが患者宅など患者の下に設置され、処方された流量に設定されて運転継続されることにより、この患者に対する酸素療法が実行される。
【0119】
[酸素療法の治療効果確認検査(ステップS5)]
酸素療法が開始されて一定期間が過ぎると、医療従事者はこの酸素療法の治療効果を確認すべく検査の実施を指示する。
【0120】
検査は、先に説明をしたチェーンストークス呼吸と自律神経変調の発現確認検査(ステップS2)と同じ手順、方法にて実行することが出来、再び図4図示の如くの項目を含んだレポートが作成される。
【0121】
医療従事者は、このレポートを見ることにより、(1)酸素療法を実施してチェーンストークス呼吸症状自身が改善されたか否かを確認出来るとともに、(2)このチェーンストクークス呼吸症状を原因とする自律神経変調が改善されたか否かをも直接確認することが出来る。
【0122】
即ち、酸素療法における治療目標項目の一つである自律神経変調の有無をダイレクトに、且つ確実容易に確認出来るので、本実施例の治療システム1a−2aによれば医療に関わる業務の改善効果大である。
【0123】
【発明の効果】
上述した如く、本発明は、CHF(慢性心不全)患者の中からチェーンストークス呼吸症状を合併する患者を確実に選び出し、酸素療法を行なうべき患者として選択を行なう患者選択作業と、選択された患者に対し実施された酸素療法の治療効果の確認作業とを、医療機関等に入院することなく例えば患者宅にて簡潔な設備を用いて容易且つ確実に実行可能とすることにより、CHF患者に対する酸素療法の普及を促進可能とする生体情報モニタ装置、治療システムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である治療システムが有する、生体情報モニタ装置の構成図である。
【図2】本実施例の治療システムが有する酸素富化空気供給装置の概略のフロー図である。
【図3】本実施例の治療システムを用いて治療を行なう手順を示すフローチャートである。
【図4】図1の生体情報モニタ装置を用いて得られた測定及び解析結果の模式図である。
【符号の説明】
1a−2a 治療システム
1a 生体情報モニタ装置
1a−2 生体情報モニタ(記録部)
1a−3 生体情報解析装置(出力部)
2a 呼吸用気体供給装置(呼吸用酸素富化気体の供給装置)
2 流量制御手段(気体流量を調整するための手段)

Claims (6)

  1. 被検者の呼吸気流及び呼吸努力の遷移を記録する記録部と、記録された呼吸気流及び呼吸努力の遷移の解析部、解析結果を表示又は印字する出力部とを備え、チェーンストークス呼吸症状を観察する生体情報モニタ装置において、前記記録部に心電図波形の記録手段を備え、記録された心電図波形から自律神経の変調を解析し、解析結果を前記出力部に表示又は印字させることを特徴とする生体情報モニタ装置。
  2. 該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を平均値及び標準偏差に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ装置。
  3. 該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を示す指標を周波数解析に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動を示す指標との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ装置。
  4. 被検者の呼吸気流及び呼吸努力の遷移を記録する記録部と、記録された呼吸気流及び呼吸努力の遷移の解析部、解析結果を表示又は印字する出力部を備えた生体情報モニタ装置と、該被検患者に酸素療法を実施するための呼吸用酸素富化気体供給装置とを有する治療システムにおいて、前記記録部に心電図波形の記録手段を備え、記録された心電図波形から自律神経の変調を解析し、解析結果に基づいてチェーンストークス呼吸症状を有する患者の発見、該患者に対する酸素療法の実施、又は酸素療法の効果を、前記出力部に表示又は印字させる手段を備えることを特徴とする治療システム。
  5. 該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を平均値及び標準偏差に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする請求項4記載の治療システム。
  6. 該解析部が、前記記録された心電図波形から心拍数変動を示す指標を周波数解析に基づいて算出し、予め記憶された正常時の心拍数の変動を示す指標との比較から自律神経の変調を求める解析手段を備えることを特徴とする請求項4記載の治療システム。
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