JP2004282674A - データ処理装置、その方法およびそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】高い攻撃耐性で付加データを付加することができるデータ処理装置を提供する。
【解決手段】配置変換部13が原画像データに付加しようとする電子透かしデータWM0 を構成するデータを配置変換して電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)をそれぞれ生成する。そして、WM付加部15において、選択された周波数変換係数に、電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)を付加する。
【選択図】 図2
【解決手段】配置変換部13が原画像データに付加しようとする電子透かしデータWM0 を構成するデータを配置変換して電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)をそれぞれ生成する。そして、WM付加部15において、選択された周波数変換係数に、電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)を付加する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高いロバスト性で付加データをデータに付加するデータ処理装置、その方法およびそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk),MD(Mini Disk) などのメディアを介したデジタルのコンテンツデータの提供が盛んになっている。また、インターネット等のネットワークを利用した、メディアを必要としない情報配信が頻繁に利用されるようになった。
これらのコンテンツデータはデジタルデータであるため、悪意を持った第三者が、品質劣化を伴わない複製を容易に作成する事が可能である。このため、コンテンツデータの著作権保護対策が求められている。
その対策の一つとして電子透かし技術がある。これは、静止画像、動画像、音声、音楽などのコンテンツデータの中に、人間には感知できない形で著作権情報を示す電子透かしデータを付加する(埋め込む)技術である。
コンテンツデータからこの電子透かしデータを抽出することにより著作権情報や利用者情報、及び識別情報などを得ることができ、不正コピーを追跡することが可能である。
【0003】
このような電子透かしデータの付加は、(1)埋め込まれたデータを人間が知覚できず(invisible) 、しかも、(2)埋め込まれたデータを第三者が人為的に加工しても、付加された情報が失われない(robust)ことが要求される。
上記(1)と(2)は、互いにトレードオフの関係にある。
一般に、このような電子透かし技術では、データが画質として感知されにくい領域では強く、感知されやすい領域では弱く電子透かしデータを付加するように設計されている。
【0004】
ところで、電子透かしデータは、それが付加されたコンテンツデータに対してシフト処理、反転処理または回転処理などの変換処理が施された場合でも、正しく検出できる必要がある。
そのため、従来から以下の手法が採用されている。
従来の第1の方法は、例えば、図11に示すように、原電子透かしデータWMに同期データを加えた電子透かしデータWM_Aをコンテンツデータに付加する。この手法では、検出の際にその同期データを基に位置ズレを補償できる。
また、従来の第2の方法は、例えば、図11に示すように、原電子透かしデータWMに巡回符号化を施して電子透かしデータWM_Bを生成し、これをコンテンツデータに付加するものである。この手法では、検出の際に位置ズレに関係なく原電子透かしデータWMを復号して検出できる。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
ところで、従来から、電子透かしデータは、例えば、当該電子透かしデータを構成する各データを拡散処理し、コンテンツデータの異なる部分に複数回繰り返して付加される。これにより、攻撃耐性(ロバスト性)を高めている。
しかしながら、上述した従来の手法では、図11に示すように、同期データの付加および巡回符号化により電子透かしデータのデータ量が多くなるため、電子透かしデータを構成するデータを繰り返しコンテンツデータに付加する回数、すなわち拡散率が低くなり、攻撃耐性が落ちるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、高い攻撃耐性で付加データを付加することができるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することである。
また、本発明の目的は、データから付加データを高精度に検出できるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、第1の発明のデータ処理装置は、第1のデータに第2のデータを付加するデータ処理装置であって、前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する配置変換手段と、前記配置変換手段が生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する付加手段とを有する。
【0008】
第1の発明のデータ処理装置の作用は以下のようになる。
配置変換手段が、第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する。
次に、付加手段が、前記配置変換手段が生成した前記複数の第3のデータを、第1のデータに付加する。
【0009】
第1の発明のデータ処理装置は、好ましくは、前記配置変換手段は、第1の配置変換処理と、前記第2のデータの検出側において前記第1のデータに対して施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理を前記第1の配置変換処理に続けて行う配置変換処理と異なる第3の配置変換処理とをそれぞれ前記第2のデータに施して2つの前記第3のデータを生成する。
また、第1の発明のデータ処理装置は、好ましくは、前記第2のデータが、マトリクスの構成要素として前記複数のデータの配置を規定している場合に、前記第3の配置変換処理は、前記マトリクスを構成する前記複数のデータに対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理である。
【0010】
第2の発明のデータ処理装置は、複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出するデータ処理装置であって、前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第1の変換手段と、前記第1の変換手段が生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第2の変換手段と、前記第2の変換手段が生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する検出手段とを有する。
【0011】
第2の発明のデータ処理装置の作用は以下のようになる。
抽出手段が、複数の第2の付加データを被検データから抽出する。
次に、第1の変換手段が、前記抽出手段が抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する。
次に、第2の変換手段が、前記第1の変換手段が生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する。
次に、検出手段が、前記第2の変換手段が生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する。
【0012】
第3の発明のデータ処理方法は、第1のデータに第2のデータを付加するデータ処理方法であって、前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する第2の工程とを有する。
【0013】
第4の発明のデータ処理方法は、複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出するデータ処理方法であって、前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する第1の工程と、前記第1の工程で抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第2の工程と、前記第2の工程で生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第3の工程と、前記第3の工程で生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する第4の工程とを有する。
【0014】
第5の発明のプログラムは、第1のデータに第2のデータを付加する手順を記述し、データ処理装置で実行されるプログラムであって、前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する第1の手順と、前記第1の手順で生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する第2の手順とを記述している。
【0015】
第6の発明のプログラムは、複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出する手順を記述し、データ処理装置で実行されるプログラムであって、前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する第1の手順と、前記第1の手順で抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第2の手順と、前記第2の手順で生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第3の手順と、前記第3の手順で生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する第4の手順とを記述している。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係わる画像処理システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態の画像処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、画像処理システム1は、例えば、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3を有する。
電子透かし付加装置2は、例えば、原画像データに電子透かしデータ(WM:Water Mark)を付加し(埋め込み)、電子透かしが付加された画像データPICを、例えば、ネットワークなどを介して他の通信装置に提供する。
【0017】
電子透かし検出装置3は、例えば、他の通信装置から受けた被検画像データPIC*から上記電子透かしデータを検出する。
このとき、電子透かし付加装置2が提供した画像データPICには、電子透かし検出装置3に被検画像データPIC*として提供されるまでの間に、例えば、画像変換装置4によって、シフト処理、反転処理または回転処理などの何らかの幾何学的攻撃である画像変換(変形)処理Fが施される場合がある。
画像処理システム1は、電子透かし付加装置2が生成した画像データPICに対して、画像変換装置4によって上述した画像変換処理Fが施され位置ずれが生じた場合でも、電子透かし検出装置3において当該位置ずれを補償して画像データPIC*から電子透かしデータを適切に検出できるように、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3を構成している。
電子透かし付加装置2は、前述した従来のように同期データの挿入および巡回符号化などを行わずに電子透かしデータを画像データに付加するため、電子透かしデータの拡散率が従来に比べて高く、高いロバスト特性を実現している。
【0018】
以下、図1に示す電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3について説明する。
なお、本実施形態におけるデータは、デジタルデータである
〔画像変換処理F〕
先ず、画像処理システム1が予め想定(規定)している画像変換装置4における画像変換処理Fについて説明する。
画像変換装置4は、例えば、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3が想定している画像データPICに対してのシフト処理、反転処理または回転処理などの画像変換処理F(本発明の第2の配置変換処理)を行い、画像データPIC*を生成する。
なお、上述した複数の画像変換処理Fのうち何れの画像変換処理Fを画像変換装置4が行うかに関する情報は、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3は有していないものとする。
【0019】
画像データPIC,PIC*は、2次元領域にマトリクス状に配設された複数の画素の画素データによって構成されている。
本実施形態では、上記画像データPIC,PIC*を構成する画素データの位置を上記マトリクスに対応して規定した場合に、画像変換装置4が行う画像変換処理Fは、当該マトリクスの各要素に対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、90度単位の回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理であると想定している。
また、本実施形態では、電子透かしデータWM0 は、16ビットのデータWM1〜WM16で構成され、各データが下記式(1)に示すように、4列×4行に配置されていると仮定する。
【0020】
【数1】
【0021】
以下、上述した画像変換処理Fによる、上記式(1)の電子透かしデータWM0 のデータ配置の変換パターンの一例を示す。
【0022】
例えば、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを列方向(例えば、左向き)にシフトする処理であり、その関数をfxi()と定義し、当該処理により上記式(1)に示す電子透かしデータWMがどのように変換されるかを示す。
ここで、iは、シフト量を示し、シフトにより左方向にはみ出るデータ(要素)は右端に移動させることとする。また、iの最大値は、電子透かしデータWM0 の大きさに依存し、上記式(1)の場合には、i∈0,1,2,3となる。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(2)に示すように変換される。式(2)では、i=2の場合を示している。
【0023】
【数2】
【0024】
また、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを行方向(例えば、上向き)にjだけシフトする処理であり、その関数をfyj()とした場合を示す。
ここで、シフトにより上方向にはみ出るデータは、最下の行に移動させるものとする。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(3)に示すように変換される。式(3)では、j=1の場合を示している。
【0025】
【数3】
【0026】
また、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを左右反転したり、上下反転させる処理であり、左右反転させる処理の関数をfh()とし、上下反転させる処理の関数をfv()とした場合を示す。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(4),(5)に示すように変換される。
【0027】
【数4】
【0028】
【数5】
【0029】
また、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを90°単位で回転する処理であり、kを回転回数とし、その処理の関数をfrkとした場合を考える。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(6)に示すように変換される。式(6)では、k=1の場合を示している。
【0030】
【数6】
【0031】
また、画像変換処理が、画像データを構成する画素データを90°単位で回転した後に、右方向に1ビットシフトする処理である場合には、電子透かしデータWM0 は、下記式(7)に示すように変換される。
【0032】
【数7】
【0033】
〔電子透かし付加装置2〕
図2は、図1に示す電子透かし付加装置2の機能ブロック図である。
図2に示すように、電子透かし付加装置2は、例えば、周波数変換部11、係数選択部12、配置変換部13、拡散部14、WM付加部15、周波数逆変換部16を有する。
なお、図2に示す電子透かし付加装置2の各構成要素の全てあるいは一部は、ハードウェアとして実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit) などのデータ処理装置で以下に示す機能を記述したプログラムを実行して実現してもよい。
【0034】
周波数変換部11が第1の発明の周波数変換手段に対応し、係数選択部12が第1の発明の選択手段に対応し、配置変換部13が第1の発明の配置変換手段に対応し、拡散部14が第1の発明の拡散手段に対応し、WM付加部15が第1の発明の付加手段に対応している。
【0035】
周波数変換部11は、原画像データPIC_O(第1、第3および第5の発明の第1のデータ)に対して所定の周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_Fを係数選択部12に出力する。
具体的には、周波数変換部11は、例えば、図3に示すように、原画像データPIC_Oに対してウェーブレット変換(Wavelet transform) を施し、4つの周波数領域LL,HL,LH,HHからなるウェーブレット係数を示す画像データPIC_Fを生成する。
ここで、ウェーブレット変換で得られた周波数領域内で、周波数領域LLは水平および垂直方向の双方が低周波数側の領域、周波数領域HLは水平方向が高周波数側で垂直方向が低高周波数側の領域、周波数領域LHは水平方向が低周波数側で垂直方向が高周波数側の領域、並びに周波数領域HHは水平および垂直方向の双方が高周波数側の領域である。
【0036】
図3に示すように、本実施形態において、原画像データPIC_Oは、縦H×横Wピクセルで構成される。本実施形態では、例えば、HおよびWは共に256である。
【0037】
係数選択部12は、図4に示すように、周波数変換部11から入力した上記画像データPIC_Fを構成する周波数領域LL,HL,LH,HHのうち、周波数領域HL,LHの周波数変換係数を選択してWM付加部15に出力する。
【0038】
配置変換部13は、図5に示すように、原画像データに付加しようとする電子透かしデータWM0 (第1、第3および第5の発明の第2のデータ、第2、第4および第6の発明の第1の付加データ)を配置変換して電子透かしデータWM0(HL),WM0 (LH)をそれぞれ生成する。
具体的には、配置変換部13は、電子透かしデータWM0 に第1の配置変換処理fLH(第1の発明および第2の発明の第1の配置変換処理)を施して電子透かしデータWM0 (LH)を生成する。
ここで、第1の配置変換処理fLHは、図5に示すように、電子透かしデータWM0 を構成するデータWM1〜16を、最外周の位置から最内周の位置に向けて渦巻き状に順に配置した電子透かしデータWM0 (LH)のように配置変換する処理である。
また、配置変換部13は、電子透かしデータWM0 に第2の配置変換処理fHL(第1の発明の第2の配置変換処理、第2の発明の第1の配置変換処理)を施して電子透かしデータWM0 (HL)を生成する。
ここで、第2の配置変換処理fHLは、図5に示すように、電子透かしデータWM0 を構成するデータWM1〜16を、最内周の位置から最外周の位置に向けて渦巻き状に順に配置した電子透かしデータWM0 (HL)のように配置変換する処理である。
ここで、電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)が、第1、第3および第4の発明の複数の第3のデータに対応している。
このように、電子透かしデータWM0 (LH)とWM0 (HL)とは、共に電子透かしデータWM0 を構成する複数のデータで構成され、その配置のみが相互に異なる。
なお、配置変換部13は、例えば、第1の配置変換処理fLHおよび第2の配置変換処理fHLを、予め用意した変換表データ(ルックアップテーブル)を参照して実現する。
【0039】
上記式(2)〜(7)を用いて前述したマトリクスの各要素に対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、90度単位の回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する画像変換処理Fを基に、上記第1の配置変換処理fLHと第2の配置変換処理fHLとは、下記式(8)の関係を満たすように規定されている。
【0040】
【数8】
fHL≠F(fLH) …(8)
【0041】
上記式(8)は、第2の配置変換処理fHLが、上記画像変換処理Fを第1の配置変換処理fLHに続けて行うことと等価でないことを意味している。
本実施形態では、上記式(8)に示すように、上記第1の配置変換処理fLHと第2の配置変換処理fHLを規定することで、画像変換装置4における画像変換処理Fの種類を特定する情報を電子透かし検出装置3が有していなくても、後述するように、画像データPIC*に付加された電子透かしデータWM0 を電子透かし検出装置3で適切に検出できる。
【0042】
拡散部14は、図6に示すように、配置変換部13から入力した電子透かしデータWM0 (LH)を、画像データPIC_Fの周波数領域LHに対応させて拡散して電子透かしデータWM1 (LH)を生成する。
拡散部14は、図7に示すように、配置変換部13から入力した電子透かしデータWM0 (HL)を、画像データPIC_Fの周波数領域HLに対応させて拡散して電子透かしデータWM1 (HL)を生成する。
【0043】
WM付加部15は、例えば、図8に示すように、周波数領域LH内の全ての周波数変換係数を、4つ(2×2)の周波数変換係数を単位として変更を加えて電子透かしデータWM1 (LH)の1ビットを付加することで、周波数領域LH*の画像データを生成する。
また、WM付加部15は、例えば、図9に示すように、周波数領域HL内の全ての周波数変換係数を、4つ(2×2)の周波数変換係数を単位として変更を加えて、電子透かしデータWM1 (WH)の1ビットを付加することで周波数領域HL*の画像データを生成する。
【0044】
ところで、隣接するピクチャの画素データには高い相関があるという画像データの性質から、例えば、隣接するピクセルの4つの周波数変換係数C(i0 ,j0 ),C(i0 +1,j0 ),C(i0 ,j0 +1),C(i0 +1,j0 +1)には下記式(9)で示す関係が統計的にある。ここで、i0 およびj0 は、マトリクス内での行(x)方向の位置および列(y)方向の位置をそれぞれ示している。
【0045】
【数9】
C(i0 ,j0 )+C(i0 +1,j0 +1)
≒C(i0 ,j0 +1)+C(i0 +1,j0 ) …(9)
【0046】
この関係を利用して、WM付加部15は、WM1 (x0 ,y0 )=1の場合は、下記式(10)が成り立つように周波数変換係数Cを変更する。
【0047】
【数10】
C(i0 ,j0 )+C(i0 +1,j0 +1)
>C(i0 ,j0 +1)+C(i0 +1,j0 ) …(10)
【0048】
また、WM付加部15は、WM1 (x0 ,y0 )=−1の場合は、下記式(11)が成り立つように周波数変換係数Cを変更する。
【0049】
【数11】
C(i0 ,j0 )+C(i0 +1,j0 +1)
<C(i0 ,j0 +1)+C(i0 +1,j0 ) …(11)
【0050】
なお、WM付加部15による上記周波数変換係数Cの変更は、その変更による影響を視聴者が画像から略認識できないように行われる。
【0051】
周波数逆変換部16は、係数選択部12からの周波数領域LL,HHの周波数変換係数と、WM付加部15からの周波数領域LH*,HL*の周波数変換係数とに、周波数変換部11の周波数変換と逆の変換処理を施して画像データPICを生成する。
【0052】
以下、図2に示す電子透かし付加装置2の動作例を説明する。
周波数変換部11が、原画像データPIC_Oに対して所定の周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_Fを係数選択部12に出力する。
そして、係数選択部12が、図4に示すように、周波数変換部11から入力した上記画像データPIC_Fを構成する周波数領域LL,HL,LH,HHのうち、周波数領域HL,LHの周波数変換係数を選択してWM付加部15に出力する。
【0053】
また、上述した周波数変換部11および係数選択部12の処理とは独立して、配置変換部13が、図5に示すように、原画像データに付加しようとする電子透かしデータWM0 を配置変換して電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)をそれぞれ生成する。
そして、拡散部14が、図6に示すように、配置変換部13から入力した電子透かしデータWM0 (LH),WM0 (HL)を、画像データPIC_Fの周波数領域LH,HLにそれぞれ対応させて拡散して電子透かしデータWM1 (LH),WM1 (HL)を生成する。
【0054】
そして、WM付加部15が、例えば、図8および図9に示すように、周波数領域LH,HL内の全ての周波数変換係数を、4つ(2×2)の周波数変換係数を単位として変更を加えて電子透かしデータWM1 (LH),WM1 (HL)の1ビットを付加することで、周波数領域LH*,HL*の画像データを生成する。
【0055】
そして、周波数逆変換部16は、係数選択部12からの周波数領域LL,HHの周波数変換係数と、WM付加部15からの周波数領域LH*,HL*の周波数変換係数とに、周波数変換部11の周波数変換と逆の変換処理を施して画像データPICを生成する。
電子透かし付加装置2は、上述した画像データPICを例えば他の通信装置に提供する。
【0056】
〔電子透かし検出装置3〕
図10は、図1に示す電子透かし検出装置3の機能ブロック図である。
図10に示すように、電子透かし検出装置3は、例えば、周波数変換部31、係数選択部32、拡散データ抽出部33、逆拡散部34、第1の配置変換部35、第2の配置変換部36、相関検出部37およびWM検出部38を有する。
なお、図10に示す電子透かし検出装置3の各構成要素の全てあるいは一部は、ハードウェアとして実現してもよいし、CPUなどのデータ処理装置で以下に示す機能を記述したプログラムを実行して実現してもよい。
【0057】
ここで、周波数変換部31が第2の発明の周波数変換手段に対応し、係数選択部32が第2の発明の選択手段に対応し、拡散データ抽出部33が第2の発明の抽出手段に対応し、逆拡散部34が第2の発明の逆拡散手段に対応し、第1の配置変換部35が第2の発明の第1の変換手段に対応し、第2の配置変換部36が第2の発明の第2の変換手段に対応し、相関検出部37およびWM検出部38が第2の発明の検出手段に対応している。
【0058】
周波数変換部31は、例えば、図1に示す電子透かし付加装置2が提供し、画像変換装置4によって画像変換が施された可能性のある画像データPIC*(第2、第4および第6の発明の被検データ)を入力する。
周波数変換部31は、当該入力した画像データPIC*に対して図2に示す周波数変換部11と同じ周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_F*を係数選択部32に出力する。
【0059】
係数選択部32は、画像データPIC_F*を構成する周波数変換係数のなかから、周波数領域HL,LHの周波数変換係HL*,LH*を選択して拡散データ抽出部33に出力する。
【0060】
拡散データ抽出部33は、拡散データ抽出部33が選択した周波数変換係HL*の全域の周波数変換係数から、電子透かしデータWM1 (HL)*を抽出し、これを逆拡散部34に出力する。
また、拡散データ抽出部33は、拡散データ抽出部33が選択した周波数変換係LH*の全域の周波数変換係数から、電子透かしデータWM1 (LH)*を抽出し、これを逆拡散部34に出力する。
具体的には、図8および図9を用いて説明した周波数変換係HL*,LH*の全域の周波数変換係数C*について、4つの周波数変換係数を単位として、電子透かしデータWM1 (HL)*,WM1 (LH)*の各1ビットWM1 *を下記式(12)を基に抽出する。
【0061】
【数12】
【0062】
逆拡散部34は、拡散データ抽出部33から入力した電子透かしデータWM1(HL)*,WM1 (LH)*に対して、図2に示す拡散部14の拡散処理と逆の逆拡散処理を施して、それぞれ電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*を生成し、これを第1の配置変換部35に出力する。
【0063】
第1の配置変換部35は、前述した画像変換処理F、すなわち、マトリクスの各要素に対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、90度単位の回転処理、または、上記シフト処理、上記入れ換え処理および上記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理の逆変換である配置変換処理F−1を、逆拡散部34から入力した電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*に施して、電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)を生成する。
ここで、電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)が、第2、第4および第6の発明の第3の付加データに対応している。
【0064】
第2の配置変換部36は、第1の配置変換部35から入力した電子透かしデータWM01(HL)に対して、それぞれ図5に示す配置変換部13の配置変換処理fHLの逆変換である配置変換処理fHL −1を施して、電子透かしデータWM02(HL)を生成し、これを相関検出部37に出力する。
また、第2の配置変換部36は、第1の配置変換部35から入力した電子透かしデータWM01(LH)に対して、それぞれ図5に示す配置変換部13の配置変換処理fLHの逆変換である配置変換処理fLH −1 を施して、電子透かしデータWM02(LH)を生成し、これを相関検出部37に出力する。
なお、第2の配置変換部36は、配置変換処理fLH −1,fHL −1を、予め用意した変換表データ(ルックアップテ−ブル)参照して実現する。
ここで、電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)が、第2、第4および第6の発明の第4の付加データに対応している。
【0065】
相関検出部37は、第2の配置変換部36から入力した電子透かしデータWM02(HL)とWM02(LH)との相関を検出し、その結果を示す相関データCOをWM検出部38に出力する。
相関検出部37は、例えば、第1の配置変換部35において前述した複数の種類の画像変換処理Fに対応する配置変換処理F−1の全てについて、上記相関を検出して相関データCOをWM検出部38に出力する。
なお、相関検出部37は、WM検出部38からの終了指示を基に、一部の配置変換処理F−1について、上記相関を検出して相関データCOを生成してもよい。
【0066】
WM検出部38は、相関検出部37からの相関データCOを基に、画像データPIC*に付加された電子透かしデータWM0 を検出(特定)する。
具体的には、WM検出部38は、前述した複数の種類の画像変換処理Fに対応する配置変換処理F−1の全てについて得られた相関データCOのうち、最も高い相関値を示した相関データCOに対応する電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)を特定し、これを電子透かしデータWM0 として検出する。
【0067】
以下、図10に示す電子透かし検出装置3の動作例を説明する。
先ず、周波数変換部31が、例えば、図1に示す電子透かし付加装置2が提供し、画像変換装置4によって画像変換が施された可能性のある画像データPIC*を入力する。
そして、周波数変換部31が、当該入力した画像データPIC*に対して図2に示す周波数変換部11と同じ周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_F*を係数選択部32に出力する。
【0068】
次に、係数選択部32が、画像データPIC_F*を構成する周波数変換係数のなかから、周波数領域HL,LHの周波数変換係HL*,LH*を選択して拡散データ抽出部33に出力する。
次に、拡散データ抽出部33が、係数選択部32が選択した周波数変換係HL*,HL*の全域の周波数変換係数から、電子透かしデータWM1 (HL)*,WM1 (LH)*をそれぞれ抽出し、これを逆拡散部34に出力する。
【0069】
次に、逆拡散部34が、拡散データ抽出部33から入力した電子透かしデータWM1 (HL)*,WM1 (LH)*に対して、図2に示す拡散部14の拡散処理と逆の逆拡散処理を施して、それぞれ電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*を生成し、これを第1の配置変換部35に出力する。
【0070】
次に、第1の配置変換部35が、前述した画像変換処理Fの逆変換である配置変換処理F−1を、逆拡散部34から入力した電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*に施して、電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)を生成する。
【0071】
次に、第2の配置変換部36が、第1の配置変換部35から入力した電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)に対して、それぞれ図5に示す配置変換部13の配置変換処理fHL,fLHの逆変換である配置変換処理fHL −1,fLH −1を施して、電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)を生成し、これを相関検出部37に出力する。
次に、相関検出部37が、第2の配置変換部36から入力した電子透かしデータWM02(HL)とWM02(LH)との相関を検出し、その結果を示す相関データCOをWM検出部38に出力する。
次に、WM検出部38が、相関検出部37からの相関データCOを基に、画像データPIC*に付加された電子透かしデータWM0 を検出(特定)する。
具体的には、WM検出部38は、前述した複数の種類の画像変換処理Fに対応する配置変換処理F−1の全てについて得られた相関データCOのうち、最も高い相関値を示した相関データCOに対応する電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)を特定し、これを電子透かしデータWM0 として検出する。
【0072】
以上説明したように、画像処理システム1では、電子透かし付加装置2において、共に電子透かしデータWM0 を構成する複数のデータの配置を上記fLH,fHLを基に変換して得られ、その配置のみが相互に異なる電子透かしデータWM0(LH),WM0 (HL)を付加して画像データPICを生成する。
そして、電子透かし検出装置3において、複数の画像変換処理Fの逆変換F−1および上記fLH −1,fHL −1をそれぞれ施して電子透かしデータWM02(LH),WM02(HL)を生成し、これらの相関を検出する。
このとき、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された相関が最も高くなることから、当該画像変換処理Fを特定できる。
そのため、電子透かし検出装置3において、当該特定した画像変換処理Fに対応して上記逆変換F−1で得た電子透かしデータWM02(LH),(HL)を電子透かしデータWM0 として検出できる。
このように、画像処理システム1によれば、従来技術で説明したように、画像データに電子透かしデータを付加する際に、同期データの付加、並びに巡回符号化を行わないため、電子透かしデータWM0 (LH),(HL)を拡散部14で拡散してWM付加部15において画像データに付加する際の拡散率(同じ電子透かしデータを付加する領域の数)を従来に比べて高めることができ、付加された情報を失われ難くできる。すなわち、ロバスト特性を高めることができる。
【0073】
さらに、電子透かし付加装置2において、上記fLH,fHLを上記式(8)のように規定したことで、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された相関のみが唯一最も高くなり、電子透かしデータWM0をさらに高精度に検出できる。
以下、その根拠を示す。
画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関以外に、最も高いその他の第2の相関がある場合には、上記第1の相関については下記式(13)が成り立ち、上記第2の相関に関して以下の式(14)が成り立つ。
なお、式(14)においては、電子透かし検出装置3の図10に示す第2の配置変換部36において、実際の配置変換処理Fの逆変換とは異なる配置変換処理Fxyを施したことを示している。
【0074】
【数13】
fHL −1F−1FfHLWM0 =fLH −1 F−1FfLHWM0 …(13)
【0075】
【数14】
fHL −1FxyFfHLWM0 =fLH −1 FxyFfLHWM0 …(14)
【0076】
上記式(14)のFxyFは、前述した配置変換処理Fの定義から、Fと同意であるとして扱うことができ、上記式(14)は下記式(15)のように変形できる。
【0077】
【数15】
(fHL −1F)fHL=fLH −1 (FfLH) …(15)
【0078】
上記式(15)は、下記式(16),(17)を満たす場合に成り立つ。
【0079】
【数16】
fHL=(FfLH) …(16)
【0080】
【数17】
【0081】
(fHL −1F)=fLH −1 …(17)
【0082】
上記式(17)の両辺にfHLを施し、さらにfLHを施すと、上記式(16)が導き出される。
そのため、上記式(16)が成り立つと、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関以外に、最も高いその他の第2の相関がある可能性が生じる。
すなわち、上記式(16)が成り立たなければ、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関のみが唯一最も高くなる。
ここで、上記式(16)は、前述した式(8)と同じである。
このように、上記式(8)を満たせば、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関のみが唯一最も高くなり、電子透かしデータWM0 の検出精度を高めることができる。
【0083】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
例えば、上述した実施形態では、図2に示す電子透かし付加装置2の配置変換部13の配置変換として図5に示すものを例示したが、当該配置変換処理は前述した式(8)の関係を満たすものであれば特に限定されない。
また、上述した実施形態では、電子透かしデータとして4(行)×4(列)の16ビットのものを例示したが、電子透かしデータのビット長は任意である。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い攻撃耐性で付加データを付加することができるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することができる。
また、第1、第3および第5の発明によれば、第1のデータから第2のデータを検出側が適切に検出できるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することができる。
また、第2、第4および第6の発明によれば、被検データから第1の付加データを適切に検出できるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態の画像処理システムの全体構成図である。
【図2】図2は、図1に示す電子透かし付加装置の機能ブロック図である。
【図3】図3は、図2に示す周波数変換部の処理を説明するための図である。
【図4】図4は、図2に示す係数選択部の処理を説明するための図である。
【図5】図5は、図2に示す配置変換部の処理を説明するための図である。
【図6】図6は、図2に示す拡散部の処理を説明するための図である。
【図7】図7は、図2に示す拡散部の処理を説明するための図である。
【図8】図8は、図2に示すWM付加部の処理を説明するための図である。
【図9】図9は、図2に示すWM付加部の処理を説明するための図である。
【図10】図10は、図1に示す電子透かし検出装置の機能ブロック図である。
【図11】図11は、従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…画像処理システム、2…電子透かし付加装置、3…電子透かし検出装置、4…画像変換装置、11…周波数変換部、12…係数選択部、13…配置変換部、14…拡散部、15…WM付加部、16…周波数逆変換部
【発明の属する技術分野】
本発明は、高いロバスト性で付加データをデータに付加するデータ処理装置、その方法およびそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk),MD(Mini Disk) などのメディアを介したデジタルのコンテンツデータの提供が盛んになっている。また、インターネット等のネットワークを利用した、メディアを必要としない情報配信が頻繁に利用されるようになった。
これらのコンテンツデータはデジタルデータであるため、悪意を持った第三者が、品質劣化を伴わない複製を容易に作成する事が可能である。このため、コンテンツデータの著作権保護対策が求められている。
その対策の一つとして電子透かし技術がある。これは、静止画像、動画像、音声、音楽などのコンテンツデータの中に、人間には感知できない形で著作権情報を示す電子透かしデータを付加する(埋め込む)技術である。
コンテンツデータからこの電子透かしデータを抽出することにより著作権情報や利用者情報、及び識別情報などを得ることができ、不正コピーを追跡することが可能である。
【0003】
このような電子透かしデータの付加は、(1)埋め込まれたデータを人間が知覚できず(invisible) 、しかも、(2)埋め込まれたデータを第三者が人為的に加工しても、付加された情報が失われない(robust)ことが要求される。
上記(1)と(2)は、互いにトレードオフの関係にある。
一般に、このような電子透かし技術では、データが画質として感知されにくい領域では強く、感知されやすい領域では弱く電子透かしデータを付加するように設計されている。
【0004】
ところで、電子透かしデータは、それが付加されたコンテンツデータに対してシフト処理、反転処理または回転処理などの変換処理が施された場合でも、正しく検出できる必要がある。
そのため、従来から以下の手法が採用されている。
従来の第1の方法は、例えば、図11に示すように、原電子透かしデータWMに同期データを加えた電子透かしデータWM_Aをコンテンツデータに付加する。この手法では、検出の際にその同期データを基に位置ズレを補償できる。
また、従来の第2の方法は、例えば、図11に示すように、原電子透かしデータWMに巡回符号化を施して電子透かしデータWM_Bを生成し、これをコンテンツデータに付加するものである。この手法では、検出の際に位置ズレに関係なく原電子透かしデータWMを復号して検出できる。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
ところで、従来から、電子透かしデータは、例えば、当該電子透かしデータを構成する各データを拡散処理し、コンテンツデータの異なる部分に複数回繰り返して付加される。これにより、攻撃耐性(ロバスト性)を高めている。
しかしながら、上述した従来の手法では、図11に示すように、同期データの付加および巡回符号化により電子透かしデータのデータ量が多くなるため、電子透かしデータを構成するデータを繰り返しコンテンツデータに付加する回数、すなわち拡散率が低くなり、攻撃耐性が落ちるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、高い攻撃耐性で付加データを付加することができるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することである。
また、本発明の目的は、データから付加データを高精度に検出できるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、第1の発明のデータ処理装置は、第1のデータに第2のデータを付加するデータ処理装置であって、前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する配置変換手段と、前記配置変換手段が生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する付加手段とを有する。
【0008】
第1の発明のデータ処理装置の作用は以下のようになる。
配置変換手段が、第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する。
次に、付加手段が、前記配置変換手段が生成した前記複数の第3のデータを、第1のデータに付加する。
【0009】
第1の発明のデータ処理装置は、好ましくは、前記配置変換手段は、第1の配置変換処理と、前記第2のデータの検出側において前記第1のデータに対して施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理を前記第1の配置変換処理に続けて行う配置変換処理と異なる第3の配置変換処理とをそれぞれ前記第2のデータに施して2つの前記第3のデータを生成する。
また、第1の発明のデータ処理装置は、好ましくは、前記第2のデータが、マトリクスの構成要素として前記複数のデータの配置を規定している場合に、前記第3の配置変換処理は、前記マトリクスを構成する前記複数のデータに対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理である。
【0010】
第2の発明のデータ処理装置は、複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出するデータ処理装置であって、前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第1の変換手段と、前記第1の変換手段が生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第2の変換手段と、前記第2の変換手段が生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する検出手段とを有する。
【0011】
第2の発明のデータ処理装置の作用は以下のようになる。
抽出手段が、複数の第2の付加データを被検データから抽出する。
次に、第1の変換手段が、前記抽出手段が抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する。
次に、第2の変換手段が、前記第1の変換手段が生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する。
次に、検出手段が、前記第2の変換手段が生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する。
【0012】
第3の発明のデータ処理方法は、第1のデータに第2のデータを付加するデータ処理方法であって、前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する第1の工程と、前記第1の工程で生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する第2の工程とを有する。
【0013】
第4の発明のデータ処理方法は、複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出するデータ処理方法であって、前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する第1の工程と、前記第1の工程で抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第2の工程と、前記第2の工程で生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第3の工程と、前記第3の工程で生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する第4の工程とを有する。
【0014】
第5の発明のプログラムは、第1のデータに第2のデータを付加する手順を記述し、データ処理装置で実行されるプログラムであって、前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する第1の手順と、前記第1の手順で生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する第2の手順とを記述している。
【0015】
第6の発明のプログラムは、複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出する手順を記述し、データ処理装置で実行されるプログラムであって、前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する第1の手順と、前記第1の手順で抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第2の手順と、前記第2の手順で生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第3の手順と、前記第3の手順で生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する第4の手順とを記述している。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係わる画像処理システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態の画像処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、画像処理システム1は、例えば、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3を有する。
電子透かし付加装置2は、例えば、原画像データに電子透かしデータ(WM:Water Mark)を付加し(埋め込み)、電子透かしが付加された画像データPICを、例えば、ネットワークなどを介して他の通信装置に提供する。
【0017】
電子透かし検出装置3は、例えば、他の通信装置から受けた被検画像データPIC*から上記電子透かしデータを検出する。
このとき、電子透かし付加装置2が提供した画像データPICには、電子透かし検出装置3に被検画像データPIC*として提供されるまでの間に、例えば、画像変換装置4によって、シフト処理、反転処理または回転処理などの何らかの幾何学的攻撃である画像変換(変形)処理Fが施される場合がある。
画像処理システム1は、電子透かし付加装置2が生成した画像データPICに対して、画像変換装置4によって上述した画像変換処理Fが施され位置ずれが生じた場合でも、電子透かし検出装置3において当該位置ずれを補償して画像データPIC*から電子透かしデータを適切に検出できるように、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3を構成している。
電子透かし付加装置2は、前述した従来のように同期データの挿入および巡回符号化などを行わずに電子透かしデータを画像データに付加するため、電子透かしデータの拡散率が従来に比べて高く、高いロバスト特性を実現している。
【0018】
以下、図1に示す電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3について説明する。
なお、本実施形態におけるデータは、デジタルデータである
〔画像変換処理F〕
先ず、画像処理システム1が予め想定(規定)している画像変換装置4における画像変換処理Fについて説明する。
画像変換装置4は、例えば、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3が想定している画像データPICに対してのシフト処理、反転処理または回転処理などの画像変換処理F(本発明の第2の配置変換処理)を行い、画像データPIC*を生成する。
なお、上述した複数の画像変換処理Fのうち何れの画像変換処理Fを画像変換装置4が行うかに関する情報は、電子透かし付加装置2および電子透かし検出装置3は有していないものとする。
【0019】
画像データPIC,PIC*は、2次元領域にマトリクス状に配設された複数の画素の画素データによって構成されている。
本実施形態では、上記画像データPIC,PIC*を構成する画素データの位置を上記マトリクスに対応して規定した場合に、画像変換装置4が行う画像変換処理Fは、当該マトリクスの各要素に対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、90度単位の回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理であると想定している。
また、本実施形態では、電子透かしデータWM0 は、16ビットのデータWM1〜WM16で構成され、各データが下記式(1)に示すように、4列×4行に配置されていると仮定する。
【0020】
【数1】
【0021】
以下、上述した画像変換処理Fによる、上記式(1)の電子透かしデータWM0 のデータ配置の変換パターンの一例を示す。
【0022】
例えば、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを列方向(例えば、左向き)にシフトする処理であり、その関数をfxi()と定義し、当該処理により上記式(1)に示す電子透かしデータWMがどのように変換されるかを示す。
ここで、iは、シフト量を示し、シフトにより左方向にはみ出るデータ(要素)は右端に移動させることとする。また、iの最大値は、電子透かしデータWM0 の大きさに依存し、上記式(1)の場合には、i∈0,1,2,3となる。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(2)に示すように変換される。式(2)では、i=2の場合を示している。
【0023】
【数2】
【0024】
また、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを行方向(例えば、上向き)にjだけシフトする処理であり、その関数をfyj()とした場合を示す。
ここで、シフトにより上方向にはみ出るデータは、最下の行に移動させるものとする。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(3)に示すように変換される。式(3)では、j=1の場合を示している。
【0025】
【数3】
【0026】
また、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを左右反転したり、上下反転させる処理であり、左右反転させる処理の関数をfh()とし、上下反転させる処理の関数をfv()とした場合を示す。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(4),(5)に示すように変換される。
【0027】
【数4】
【0028】
【数5】
【0029】
また、画像変換処理Fが、画像データを構成する画素データを90°単位で回転する処理であり、kを回転回数とし、その処理の関数をfrkとした場合を考える。
この場合に、電子透かしデータWM0 は、例えば、下記式(6)に示すように変換される。式(6)では、k=1の場合を示している。
【0030】
【数6】
【0031】
また、画像変換処理が、画像データを構成する画素データを90°単位で回転した後に、右方向に1ビットシフトする処理である場合には、電子透かしデータWM0 は、下記式(7)に示すように変換される。
【0032】
【数7】
【0033】
〔電子透かし付加装置2〕
図2は、図1に示す電子透かし付加装置2の機能ブロック図である。
図2に示すように、電子透かし付加装置2は、例えば、周波数変換部11、係数選択部12、配置変換部13、拡散部14、WM付加部15、周波数逆変換部16を有する。
なお、図2に示す電子透かし付加装置2の各構成要素の全てあるいは一部は、ハードウェアとして実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit) などのデータ処理装置で以下に示す機能を記述したプログラムを実行して実現してもよい。
【0034】
周波数変換部11が第1の発明の周波数変換手段に対応し、係数選択部12が第1の発明の選択手段に対応し、配置変換部13が第1の発明の配置変換手段に対応し、拡散部14が第1の発明の拡散手段に対応し、WM付加部15が第1の発明の付加手段に対応している。
【0035】
周波数変換部11は、原画像データPIC_O(第1、第3および第5の発明の第1のデータ)に対して所定の周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_Fを係数選択部12に出力する。
具体的には、周波数変換部11は、例えば、図3に示すように、原画像データPIC_Oに対してウェーブレット変換(Wavelet transform) を施し、4つの周波数領域LL,HL,LH,HHからなるウェーブレット係数を示す画像データPIC_Fを生成する。
ここで、ウェーブレット変換で得られた周波数領域内で、周波数領域LLは水平および垂直方向の双方が低周波数側の領域、周波数領域HLは水平方向が高周波数側で垂直方向が低高周波数側の領域、周波数領域LHは水平方向が低周波数側で垂直方向が高周波数側の領域、並びに周波数領域HHは水平および垂直方向の双方が高周波数側の領域である。
【0036】
図3に示すように、本実施形態において、原画像データPIC_Oは、縦H×横Wピクセルで構成される。本実施形態では、例えば、HおよびWは共に256である。
【0037】
係数選択部12は、図4に示すように、周波数変換部11から入力した上記画像データPIC_Fを構成する周波数領域LL,HL,LH,HHのうち、周波数領域HL,LHの周波数変換係数を選択してWM付加部15に出力する。
【0038】
配置変換部13は、図5に示すように、原画像データに付加しようとする電子透かしデータWM0 (第1、第3および第5の発明の第2のデータ、第2、第4および第6の発明の第1の付加データ)を配置変換して電子透かしデータWM0(HL),WM0 (LH)をそれぞれ生成する。
具体的には、配置変換部13は、電子透かしデータWM0 に第1の配置変換処理fLH(第1の発明および第2の発明の第1の配置変換処理)を施して電子透かしデータWM0 (LH)を生成する。
ここで、第1の配置変換処理fLHは、図5に示すように、電子透かしデータWM0 を構成するデータWM1〜16を、最外周の位置から最内周の位置に向けて渦巻き状に順に配置した電子透かしデータWM0 (LH)のように配置変換する処理である。
また、配置変換部13は、電子透かしデータWM0 に第2の配置変換処理fHL(第1の発明の第2の配置変換処理、第2の発明の第1の配置変換処理)を施して電子透かしデータWM0 (HL)を生成する。
ここで、第2の配置変換処理fHLは、図5に示すように、電子透かしデータWM0 を構成するデータWM1〜16を、最内周の位置から最外周の位置に向けて渦巻き状に順に配置した電子透かしデータWM0 (HL)のように配置変換する処理である。
ここで、電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)が、第1、第3および第4の発明の複数の第3のデータに対応している。
このように、電子透かしデータWM0 (LH)とWM0 (HL)とは、共に電子透かしデータWM0 を構成する複数のデータで構成され、その配置のみが相互に異なる。
なお、配置変換部13は、例えば、第1の配置変換処理fLHおよび第2の配置変換処理fHLを、予め用意した変換表データ(ルックアップテーブル)を参照して実現する。
【0039】
上記式(2)〜(7)を用いて前述したマトリクスの各要素に対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、90度単位の回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する画像変換処理Fを基に、上記第1の配置変換処理fLHと第2の配置変換処理fHLとは、下記式(8)の関係を満たすように規定されている。
【0040】
【数8】
fHL≠F(fLH) …(8)
【0041】
上記式(8)は、第2の配置変換処理fHLが、上記画像変換処理Fを第1の配置変換処理fLHに続けて行うことと等価でないことを意味している。
本実施形態では、上記式(8)に示すように、上記第1の配置変換処理fLHと第2の配置変換処理fHLを規定することで、画像変換装置4における画像変換処理Fの種類を特定する情報を電子透かし検出装置3が有していなくても、後述するように、画像データPIC*に付加された電子透かしデータWM0 を電子透かし検出装置3で適切に検出できる。
【0042】
拡散部14は、図6に示すように、配置変換部13から入力した電子透かしデータWM0 (LH)を、画像データPIC_Fの周波数領域LHに対応させて拡散して電子透かしデータWM1 (LH)を生成する。
拡散部14は、図7に示すように、配置変換部13から入力した電子透かしデータWM0 (HL)を、画像データPIC_Fの周波数領域HLに対応させて拡散して電子透かしデータWM1 (HL)を生成する。
【0043】
WM付加部15は、例えば、図8に示すように、周波数領域LH内の全ての周波数変換係数を、4つ(2×2)の周波数変換係数を単位として変更を加えて電子透かしデータWM1 (LH)の1ビットを付加することで、周波数領域LH*の画像データを生成する。
また、WM付加部15は、例えば、図9に示すように、周波数領域HL内の全ての周波数変換係数を、4つ(2×2)の周波数変換係数を単位として変更を加えて、電子透かしデータWM1 (WH)の1ビットを付加することで周波数領域HL*の画像データを生成する。
【0044】
ところで、隣接するピクチャの画素データには高い相関があるという画像データの性質から、例えば、隣接するピクセルの4つの周波数変換係数C(i0 ,j0 ),C(i0 +1,j0 ),C(i0 ,j0 +1),C(i0 +1,j0 +1)には下記式(9)で示す関係が統計的にある。ここで、i0 およびj0 は、マトリクス内での行(x)方向の位置および列(y)方向の位置をそれぞれ示している。
【0045】
【数9】
C(i0 ,j0 )+C(i0 +1,j0 +1)
≒C(i0 ,j0 +1)+C(i0 +1,j0 ) …(9)
【0046】
この関係を利用して、WM付加部15は、WM1 (x0 ,y0 )=1の場合は、下記式(10)が成り立つように周波数変換係数Cを変更する。
【0047】
【数10】
C(i0 ,j0 )+C(i0 +1,j0 +1)
>C(i0 ,j0 +1)+C(i0 +1,j0 ) …(10)
【0048】
また、WM付加部15は、WM1 (x0 ,y0 )=−1の場合は、下記式(11)が成り立つように周波数変換係数Cを変更する。
【0049】
【数11】
C(i0 ,j0 )+C(i0 +1,j0 +1)
<C(i0 ,j0 +1)+C(i0 +1,j0 ) …(11)
【0050】
なお、WM付加部15による上記周波数変換係数Cの変更は、その変更による影響を視聴者が画像から略認識できないように行われる。
【0051】
周波数逆変換部16は、係数選択部12からの周波数領域LL,HHの周波数変換係数と、WM付加部15からの周波数領域LH*,HL*の周波数変換係数とに、周波数変換部11の周波数変換と逆の変換処理を施して画像データPICを生成する。
【0052】
以下、図2に示す電子透かし付加装置2の動作例を説明する。
周波数変換部11が、原画像データPIC_Oに対して所定の周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_Fを係数選択部12に出力する。
そして、係数選択部12が、図4に示すように、周波数変換部11から入力した上記画像データPIC_Fを構成する周波数領域LL,HL,LH,HHのうち、周波数領域HL,LHの周波数変換係数を選択してWM付加部15に出力する。
【0053】
また、上述した周波数変換部11および係数選択部12の処理とは独立して、配置変換部13が、図5に示すように、原画像データに付加しようとする電子透かしデータWM0 を配置変換して電子透かしデータWM0 (HL),WM0 (LH)をそれぞれ生成する。
そして、拡散部14が、図6に示すように、配置変換部13から入力した電子透かしデータWM0 (LH),WM0 (HL)を、画像データPIC_Fの周波数領域LH,HLにそれぞれ対応させて拡散して電子透かしデータWM1 (LH),WM1 (HL)を生成する。
【0054】
そして、WM付加部15が、例えば、図8および図9に示すように、周波数領域LH,HL内の全ての周波数変換係数を、4つ(2×2)の周波数変換係数を単位として変更を加えて電子透かしデータWM1 (LH),WM1 (HL)の1ビットを付加することで、周波数領域LH*,HL*の画像データを生成する。
【0055】
そして、周波数逆変換部16は、係数選択部12からの周波数領域LL,HHの周波数変換係数と、WM付加部15からの周波数領域LH*,HL*の周波数変換係数とに、周波数変換部11の周波数変換と逆の変換処理を施して画像データPICを生成する。
電子透かし付加装置2は、上述した画像データPICを例えば他の通信装置に提供する。
【0056】
〔電子透かし検出装置3〕
図10は、図1に示す電子透かし検出装置3の機能ブロック図である。
図10に示すように、電子透かし検出装置3は、例えば、周波数変換部31、係数選択部32、拡散データ抽出部33、逆拡散部34、第1の配置変換部35、第2の配置変換部36、相関検出部37およびWM検出部38を有する。
なお、図10に示す電子透かし検出装置3の各構成要素の全てあるいは一部は、ハードウェアとして実現してもよいし、CPUなどのデータ処理装置で以下に示す機能を記述したプログラムを実行して実現してもよい。
【0057】
ここで、周波数変換部31が第2の発明の周波数変換手段に対応し、係数選択部32が第2の発明の選択手段に対応し、拡散データ抽出部33が第2の発明の抽出手段に対応し、逆拡散部34が第2の発明の逆拡散手段に対応し、第1の配置変換部35が第2の発明の第1の変換手段に対応し、第2の配置変換部36が第2の発明の第2の変換手段に対応し、相関検出部37およびWM検出部38が第2の発明の検出手段に対応している。
【0058】
周波数変換部31は、例えば、図1に示す電子透かし付加装置2が提供し、画像変換装置4によって画像変換が施された可能性のある画像データPIC*(第2、第4および第6の発明の被検データ)を入力する。
周波数変換部31は、当該入力した画像データPIC*に対して図2に示す周波数変換部11と同じ周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_F*を係数選択部32に出力する。
【0059】
係数選択部32は、画像データPIC_F*を構成する周波数変換係数のなかから、周波数領域HL,LHの周波数変換係HL*,LH*を選択して拡散データ抽出部33に出力する。
【0060】
拡散データ抽出部33は、拡散データ抽出部33が選択した周波数変換係HL*の全域の周波数変換係数から、電子透かしデータWM1 (HL)*を抽出し、これを逆拡散部34に出力する。
また、拡散データ抽出部33は、拡散データ抽出部33が選択した周波数変換係LH*の全域の周波数変換係数から、電子透かしデータWM1 (LH)*を抽出し、これを逆拡散部34に出力する。
具体的には、図8および図9を用いて説明した周波数変換係HL*,LH*の全域の周波数変換係数C*について、4つの周波数変換係数を単位として、電子透かしデータWM1 (HL)*,WM1 (LH)*の各1ビットWM1 *を下記式(12)を基に抽出する。
【0061】
【数12】
【0062】
逆拡散部34は、拡散データ抽出部33から入力した電子透かしデータWM1(HL)*,WM1 (LH)*に対して、図2に示す拡散部14の拡散処理と逆の逆拡散処理を施して、それぞれ電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*を生成し、これを第1の配置変換部35に出力する。
【0063】
第1の配置変換部35は、前述した画像変換処理F、すなわち、マトリクスの各要素に対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、90度単位の回転処理、または、上記シフト処理、上記入れ換え処理および上記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理の逆変換である配置変換処理F−1を、逆拡散部34から入力した電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*に施して、電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)を生成する。
ここで、電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)が、第2、第4および第6の発明の第3の付加データに対応している。
【0064】
第2の配置変換部36は、第1の配置変換部35から入力した電子透かしデータWM01(HL)に対して、それぞれ図5に示す配置変換部13の配置変換処理fHLの逆変換である配置変換処理fHL −1を施して、電子透かしデータWM02(HL)を生成し、これを相関検出部37に出力する。
また、第2の配置変換部36は、第1の配置変換部35から入力した電子透かしデータWM01(LH)に対して、それぞれ図5に示す配置変換部13の配置変換処理fLHの逆変換である配置変換処理fLH −1 を施して、電子透かしデータWM02(LH)を生成し、これを相関検出部37に出力する。
なお、第2の配置変換部36は、配置変換処理fLH −1,fHL −1を、予め用意した変換表データ(ルックアップテ−ブル)参照して実現する。
ここで、電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)が、第2、第4および第6の発明の第4の付加データに対応している。
【0065】
相関検出部37は、第2の配置変換部36から入力した電子透かしデータWM02(HL)とWM02(LH)との相関を検出し、その結果を示す相関データCOをWM検出部38に出力する。
相関検出部37は、例えば、第1の配置変換部35において前述した複数の種類の画像変換処理Fに対応する配置変換処理F−1の全てについて、上記相関を検出して相関データCOをWM検出部38に出力する。
なお、相関検出部37は、WM検出部38からの終了指示を基に、一部の配置変換処理F−1について、上記相関を検出して相関データCOを生成してもよい。
【0066】
WM検出部38は、相関検出部37からの相関データCOを基に、画像データPIC*に付加された電子透かしデータWM0 を検出(特定)する。
具体的には、WM検出部38は、前述した複数の種類の画像変換処理Fに対応する配置変換処理F−1の全てについて得られた相関データCOのうち、最も高い相関値を示した相関データCOに対応する電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)を特定し、これを電子透かしデータWM0 として検出する。
【0067】
以下、図10に示す電子透かし検出装置3の動作例を説明する。
先ず、周波数変換部31が、例えば、図1に示す電子透かし付加装置2が提供し、画像変換装置4によって画像変換が施された可能性のある画像データPIC*を入力する。
そして、周波数変換部31が、当該入力した画像データPIC*に対して図2に示す周波数変換部11と同じ周波数変換を施し、それによって得られた周波数変換係数から構成される画像データPIC_F*を係数選択部32に出力する。
【0068】
次に、係数選択部32が、画像データPIC_F*を構成する周波数変換係数のなかから、周波数領域HL,LHの周波数変換係HL*,LH*を選択して拡散データ抽出部33に出力する。
次に、拡散データ抽出部33が、係数選択部32が選択した周波数変換係HL*,HL*の全域の周波数変換係数から、電子透かしデータWM1 (HL)*,WM1 (LH)*をそれぞれ抽出し、これを逆拡散部34に出力する。
【0069】
次に、逆拡散部34が、拡散データ抽出部33から入力した電子透かしデータWM1 (HL)*,WM1 (LH)*に対して、図2に示す拡散部14の拡散処理と逆の逆拡散処理を施して、それぞれ電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*を生成し、これを第1の配置変換部35に出力する。
【0070】
次に、第1の配置変換部35が、前述した画像変換処理Fの逆変換である配置変換処理F−1を、逆拡散部34から入力した電子透かしデータWM00(HL)*,WM00(LH)*に施して、電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)を生成する。
【0071】
次に、第2の配置変換部36が、第1の配置変換部35から入力した電子透かしデータWM01(HL),WM01(LH)に対して、それぞれ図5に示す配置変換部13の配置変換処理fHL,fLHの逆変換である配置変換処理fHL −1,fLH −1を施して、電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)を生成し、これを相関検出部37に出力する。
次に、相関検出部37が、第2の配置変換部36から入力した電子透かしデータWM02(HL)とWM02(LH)との相関を検出し、その結果を示す相関データCOをWM検出部38に出力する。
次に、WM検出部38が、相関検出部37からの相関データCOを基に、画像データPIC*に付加された電子透かしデータWM0 を検出(特定)する。
具体的には、WM検出部38は、前述した複数の種類の画像変換処理Fに対応する配置変換処理F−1の全てについて得られた相関データCOのうち、最も高い相関値を示した相関データCOに対応する電子透かしデータWM02(HL),WM02(LH)を特定し、これを電子透かしデータWM0 として検出する。
【0072】
以上説明したように、画像処理システム1では、電子透かし付加装置2において、共に電子透かしデータWM0 を構成する複数のデータの配置を上記fLH,fHLを基に変換して得られ、その配置のみが相互に異なる電子透かしデータWM0(LH),WM0 (HL)を付加して画像データPICを生成する。
そして、電子透かし検出装置3において、複数の画像変換処理Fの逆変換F−1および上記fLH −1,fHL −1をそれぞれ施して電子透かしデータWM02(LH),WM02(HL)を生成し、これらの相関を検出する。
このとき、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された相関が最も高くなることから、当該画像変換処理Fを特定できる。
そのため、電子透かし検出装置3において、当該特定した画像変換処理Fに対応して上記逆変換F−1で得た電子透かしデータWM02(LH),(HL)を電子透かしデータWM0 として検出できる。
このように、画像処理システム1によれば、従来技術で説明したように、画像データに電子透かしデータを付加する際に、同期データの付加、並びに巡回符号化を行わないため、電子透かしデータWM0 (LH),(HL)を拡散部14で拡散してWM付加部15において画像データに付加する際の拡散率(同じ電子透かしデータを付加する領域の数)を従来に比べて高めることができ、付加された情報を失われ難くできる。すなわち、ロバスト特性を高めることができる。
【0073】
さらに、電子透かし付加装置2において、上記fLH,fHLを上記式(8)のように規定したことで、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された相関のみが唯一最も高くなり、電子透かしデータWM0をさらに高精度に検出できる。
以下、その根拠を示す。
画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関以外に、最も高いその他の第2の相関がある場合には、上記第1の相関については下記式(13)が成り立ち、上記第2の相関に関して以下の式(14)が成り立つ。
なお、式(14)においては、電子透かし検出装置3の図10に示す第2の配置変換部36において、実際の配置変換処理Fの逆変換とは異なる配置変換処理Fxyを施したことを示している。
【0074】
【数13】
fHL −1F−1FfHLWM0 =fLH −1 F−1FfLHWM0 …(13)
【0075】
【数14】
fHL −1FxyFfHLWM0 =fLH −1 FxyFfLHWM0 …(14)
【0076】
上記式(14)のFxyFは、前述した配置変換処理Fの定義から、Fと同意であるとして扱うことができ、上記式(14)は下記式(15)のように変形できる。
【0077】
【数15】
(fHL −1F)fHL=fLH −1 (FfLH) …(15)
【0078】
上記式(15)は、下記式(16),(17)を満たす場合に成り立つ。
【0079】
【数16】
fHL=(FfLH) …(16)
【0080】
【数17】
【0081】
(fHL −1F)=fLH −1 …(17)
【0082】
上記式(17)の両辺にfHLを施し、さらにfLHを施すと、上記式(16)が導き出される。
そのため、上記式(16)が成り立つと、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関以外に、最も高いその他の第2の相関がある可能性が生じる。
すなわち、上記式(16)が成り立たなければ、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関のみが唯一最も高くなる。
ここで、上記式(16)は、前述した式(8)と同じである。
このように、上記式(8)を満たせば、画像変換装置4によって実際に施された画像変換処理Fに対応して検出された第1の相関のみが唯一最も高くなり、電子透かしデータWM0 の検出精度を高めることができる。
【0083】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
例えば、上述した実施形態では、図2に示す電子透かし付加装置2の配置変換部13の配置変換として図5に示すものを例示したが、当該配置変換処理は前述した式(8)の関係を満たすものであれば特に限定されない。
また、上述した実施形態では、電子透かしデータとして4(行)×4(列)の16ビットのものを例示したが、電子透かしデータのビット長は任意である。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高い攻撃耐性で付加データを付加することができるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することができる。
また、第1、第3および第5の発明によれば、第1のデータから第2のデータを検出側が適切に検出できるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することができる。
また、第2、第4および第6の発明によれば、被検データから第1の付加データを適切に検出できるデータ処理装置、その方法およびそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態の画像処理システムの全体構成図である。
【図2】図2は、図1に示す電子透かし付加装置の機能ブロック図である。
【図3】図3は、図2に示す周波数変換部の処理を説明するための図である。
【図4】図4は、図2に示す係数選択部の処理を説明するための図である。
【図5】図5は、図2に示す配置変換部の処理を説明するための図である。
【図6】図6は、図2に示す拡散部の処理を説明するための図である。
【図7】図7は、図2に示す拡散部の処理を説明するための図である。
【図8】図8は、図2に示すWM付加部の処理を説明するための図である。
【図9】図9は、図2に示すWM付加部の処理を説明するための図である。
【図10】図10は、図1に示す電子透かし検出装置の機能ブロック図である。
【図11】図11は、従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…画像処理システム、2…電子透かし付加装置、3…電子透かし検出装置、4…画像変換装置、11…周波数変換部、12…係数選択部、13…配置変換部、14…拡散部、15…WM付加部、16…周波数逆変換部
Claims (21)
- 第1のデータに第2のデータを付加するデータ処理装置であって、
前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する配置変換手段と、
前記配置変換手段が生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する付加手段と
を有するデータ処理装置。 - 前記配置変換手段は、第1の配置変換処理と、前記第2のデータの検出側において前記第1のデータに対して施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理を前記第1の配置変換処理に続けて行う配置変換処理と異なる第3の配置変換処理とをそれぞれ前記第2のデータに施して2つの前記第3のデータを生成する
請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記第2のデータが、マトリクスの構成要素として前記複数のデータの配置を規定している場合に、
前記第3の配置変換処理は、前記マトリクスを構成する前記複数のデータに対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理である
請求項2に記載のデータ処理装置。 - 前記第1のデータに対して周波数変換を施す周波数変換手段と、
前記周波数変換手段によって得られた周波数変換係数のうち、前記複数の第3のデータの各々を付加する周波数変換係数を選択する選択手段と
をさらに有し、
前記付加手段は、前記選択手段が選択した周波数変換係数を前記第3のデータに応じて変更して、前記配置変換手段が生成した前記第3のデータを前記第1のデータに付加する
請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記選択手段は、前記複数の第3のデータの各々をそれぞれ付加する異なる複数の周波数領域を選択し、
前記データ処理装置は、
前記選択手段が選択した前記周波数領域の大きさに応じて、前記配置変換手段が生成した前記第3のデータを拡散する拡散手段
をさらに有し、
前記付加手段は、前記拡散手段が拡散した前記第3のデータに応じて、前記選択手段が選択した前記周波数領域に属する前記周波数変換係数を変更する
請求項4に記載のデータ処理装置。 - 前記付加手段は、前記第1のデータが画像データである場合に、前記画像データを構成する画素データのうち、隣接する画素の画素データ間で生じる相関関係を基に、前記画素データを前記第3のデータに応じて変更する
請求項1に記載のデータ処理装置。 - 複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出するデータ処理装置であって、
前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第1の変換手段と、
前記第1の変換手段が生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段が生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する検出手段と
を有するデータ処理装置。 - 前記第1の変換手段は、前記抽出手段が抽出した前記複数の第2の付加データの各々に対して、異なる複数の前記第2の配置変換処理を施し、
前記検出手段は、前記第1の変換手段の前記複数の第2配置変換処理の各々に対応して、前記複数の第4の付加データを相互に比較し、当該比較の結果、最も高い一致度が得られた前記第2の配置変換処理を特定し、当該特定した前記第2の配置変換処理に対応して得られた前記第4の付加データを、前記第1の付加データとして検出する
請求項7に記載のデータ処理装置。 - 前記異なる複数の第1の配置変換処理が2つの前記第1の配置変換処理である場合に、一方の前記第1の配置変換処理は、他方の前記第1の配置変換処理に続けて前記第2の配置変換処理を行う処理と異なるように規定されている
請求項7に記載のデータ処理装置。 - 前記第2のデータが、マトリクスの構成要素として前記複数のデータの配置を規定している場合に、
前記第1の変換手段は、前記マトリクスを構成する前記複数のデータに対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する前記第2の配置変換処理を行う
請求項7に記載のデータ処理装置。 - 前記被検データに対して周波数変換を施す周波数変換手段と、
前記周波数変換手段によって得られた周波数変換係数のうち、前記第2の付加データの抽出を行う前記周波数変換係数を選択する選択手段と
をさらに有し、
前記抽出手段は、前記選択手段が選択した周波数変換係数を基に、前記第2の付加データを抽出する
請求項7に記載のデータ処理装置。 - 前記抽出手段が抽出した前記第2の付加データを、逆拡散する逆拡散手段
をさらに有し、
前記第1の変換手段は、前記逆拡散手段が前記逆拡散した前記第2の付加データに対して前記第2の配置変換処理を施す
請求項7に記載のデータ処理装置。 - 前記抽出手段は、前記被検データが画像データである場合に、前記画像データを構成する画素データのうち、隣接する画素の画素データ間で生じる相関関係を基に前記第2の付加データを抽出する
請求項7に記載のデータ処理装置。 - 第1のデータに第2のデータを付加するデータ処理方法であって、
前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する第1の工程と、
前記第1の工程で生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する第2の工程と
を有するデータ処理方法。 - 前記第1の工程は、第1の配置変換処理と、前記第2のデータの検出側において前記第1のデータに対して施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理を前記第1の配置変換処理に続けて行う配置変換処理と異なる第3の配置変換処理とをそれぞれ前記第2のデータに施して2つの前記第3のデータを生成する
請求項14に記載のデータ処理方法。 - 前記第2のデータが、マトリクスの構成要素として前記複数のデータの配置を規定している場合に、
前記第3の配置変換処理は、前記マトリクスを構成する前記複数のデータに対しての列方向または行方向のシフト処理、行または列の入れ換え処理、回転処理、または、前記シフト処理、前記入れ換え処理および前記回転処理の2以上の処理の組み合わせに相当する処理である
請求項15に記載のデータ処理方法。 - 複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出するデータ処理方法であって、
前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する第1の工程と、
前記第1の工程で抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第2の工程と、
前記第2の工程で生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第3の工程と、
前記第3の工程で生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する第4の工程と
を有するデータ処理方法。 - 前記第2の工程は、前記第1の工程が抽出した前記複数の第2の付加データの各々に対して、異なる複数の前記第2の配置変換処理を施し、
前記第4の工程は、前記第2の配置変換処理の各々に対応して、前記複数の第4の付加データを相互に比較し、当該比較の結果、最も高い一致度が得られた前記第2の配置変換処理を特定し、当該特定した前記第2の配置変換処理に対応して得られた前記第4の付加データを、前記第1の付加データとして検出する
請求項17に記載のデータ処理方法。 - 前記異なる複数の第1の配置変換処理が2つの前記第1の配置変換処理である場合に、一方の前記第1の配置変換処理は、他方の前記第1の配置変換処理に続けて前記第2の配置変換処理を行う処理と異なるように規定されている
請求項17に記載のデータ処理方法。 - 第1のデータに第2のデータを付加する手順を記述し、データ処理装置で実行されるプログラムであって、
前記第2のデータを構成する複数のデータで構成され前記複数のデータの配置が相互に異なる複数の第3のデータを生成する第1の手順と、
前記第1の手順で生成した前記複数の第3のデータを、前記第1のデータに付加する第2の手順と
を記述しているプログラム。 - 複数のデータで構成される第1の付加データに前記複数のデータの配置を変換する異なる第1の配置変換処理を施して得られた複数の第2の付加データが、付加側で付加されて被検データが得られる場合に、前記被検データから前記第1の付加データを検出する手順を記述し、データ処理装置で実行されるプログラムであって、
前記複数の第2の付加データを前記被検データから抽出する第1の手順と、
前記第1の手順で抽出した前記複数の第2の付加データのそれぞれに対して、前記被付加データに施される可能性があるとして予め規定された第2の配置変換処理の逆変換と等価な処理と異なる配置変換処理を施して第3の付加データを生成する第2の手順と、
前記第2の手順で生成した複数の前記第3の付加データのそれぞれに対して、前記第1の配置変換処理の逆変換と等価な処理を施して第4の付加データを生成する第3の手順と、
前記第3の手順で生成した複数の前記第4の付加データを相互に比較した結果を基に、前記被検データの前記第1の付加データを検出する第4の手順と
を記述しているプログラム。
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