JP2004281821A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハ搬送機内にボート溝位置検出機用のケーブルベアをなくして、省スペース化と測定精度向上、機構部品の信頼性を向上する。
【解決手段】位置測定手段6でボート217の溝の位置を自動測定し、その測定結果に基づき、基板をボート217に搬送するウェハ搬送機1を有する。位置測定を行う場合は、可動部111と固定部101とを切り離す。そして、可動部111に設けた検出部112は、固定部101とはワイヤレスになっている可動部111上に搭載した蓄電部113で電源を自己給電される。検出部112で検出した光信号は、可動部111側から固定部101側の受光部102にワイヤレスで送られる。ウェハ搬送機1の位置測定手段6で位置測定を行わない場合は、可動部111を固定部101と接触させ、固定部101側の充電部103から可動部111側の蓄電部113を充電するように構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】位置測定手段6でボート217の溝の位置を自動測定し、その測定結果に基づき、基板をボート217に搬送するウェハ搬送機1を有する。位置測定を行う場合は、可動部111と固定部101とを切り離す。そして、可動部111に設けた検出部112は、固定部101とはワイヤレスになっている可動部111上に搭載した蓄電部113で電源を自己給電される。検出部112で検出した光信号は、可動部111側から固定部101側の受光部102にワイヤレスで送られる。ウェハ搬送機1の位置測定手段6で位置測定を行わない場合は、可動部111を固定部101と接触させ、固定部101側の充電部103から可動部111側の蓄電部113を充電するように構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板保持部材に保持された基板を処理する半導体製造装置やLCD製造装置等といった基板処理装置に係り、特に、基板を保持する基板保持部材の溝の位置を検出する位置検出手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体製造装置は、ウェハ搬送機や基板保持部材(ボート)、処理炉を有し、基板を保持する溝を有する基板保持部材の溝にウェハ搬送機で基板を搬送し、基板の搬送され基板保持部材を処理炉に入れて基板を処理している。ここで、ウェハ搬送機による基板保持部材への基板の搬送は自動的に行うため、予めウェハ搬送機に基板保持部材の溝の位置を教えておく必要がある。
【0003】
ツィーザに基板を載せて搬送するウェハ搬送機は、ウェハ搬送機が上下に移動可能で、かつ水平面内で旋回可能に設けられ、ウェハ搬送機のツィーザは前後方向に移動可能に設けられる。従来、このように3次元に動くウェハ搬送機に対して、基板保持部材の溝の位置情報を教えるために位置測定プレートを、ウェハ搬送機に搭載したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この位置測定プレートは、ツィーザとは別に、かつ基板保持部材に対してアクセス可能となるように、ツィーザと同様にウェハ搬送機上で前後方向に移動可能に設けられる。基板保持部材の溝の位置を測定するときは、位置測定プレートを基板保持部材にアクセスして基板を保持する溝の位置を自動検出する。溝の位置を測定したデータをウェハ搬送機に取り込んで、測定データから基板の搬送位置を自動計算し、ウェハ搬送機が搬送可能な3次元データを生成する。そのデータに基づいてウェハ搬送機を制御し、実際に基板を基板保持部材の溝に搬送するようになっている。
【0004】
この位置測定プレートは、基板保持部材の溝の位置を測定する時に、ウェハ搬送機から基板保持部材へ何回もアクセスすることになる。そのたびに位置測定プレートはウェハ搬送機から遠ざかったり近づいたりする。このためウェハ搬送機と位置測定プレートとの間を余長のある電源ケーブルや信号ケーブルで接続して、位置測定プレートとウェハ搬送機との情報伝達を確保する必要がある。したがってケーブルベア等のケーブル支持案内装置を設けて、ウェハ搬送機を駆動する駆動部から上記ケーブルを保護している。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−9135号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では、基板を基板保持部材の溝に搬送する搬送手段に、基板保持部材の溝の位置を教える必要があるが、そのために用いる位置測定プレートが基板搬送手段から離れたり近づいたりするので、位置測定プレートと基板搬送手段との間を余長のあるケーブルで接続している。しかし、基板搬送手段にケーブル支持案内装置を必要とするために、構造や安定性等の点で改善の余地があった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、省スペース化と、測定精度向上と、機構部の信頼性を向上することが可能な半導体製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、基板を保持する溝を有する基板保持部材に対し、前記溝の位置の測定結果に基づき動く基板搬送手段を用いて前記基板保持部材の溝に基板を搬送し、前記基板の搬送された基板保持部材を反応室に収納して、基板を加熱し反応室に反応ガスを供給しつつ排気して前記基板を処理する基板処理装置において、前記基板搬送手段に、前記基板保持部材にアクセスして前記基板保持部材の溝の位置を測定する位置測定手段を設け、前記位置測定手段は、前記基板保持部材にアクセス可能な可動部と、可動部がアクセスしないとき可動部と接触可能な固定部とを備え、前記位置測定手段の可動部側に基板保持部材の溝の位置を検出する検出部と、前記検出部の電源となる蓄電部とを設け、前記固定部側に前記蓄電部を充電する充電部を設けて、
前記位置検出手段の可動部が固定部に接触するとき、前記可動部側に設けた蓄電部と前記固定部側に設けた充電部とが通電するように構成したことを特徴とする基板処理装置である。
【0008】
位置測定検出手段を構成する可動部は、検出部に電源を供給する蓄電部を備え、固定部と接触するときは、固定部に設けた充電部によって蓄電部を充電するようにしているので、固定部と可動部との間に、可動部の検出部へ電源を供給する電源ケーブルが不要となり、固定部と可動部との間をワイヤレスにすることができる。また、電源ケーブルを無くしたので、スペースを要する電源ケーブルベア等のケーブル支持案内装置が不要となり、位置測定検出手段を設ける基板搬送手段の省スペース化を実現できる。また、電源ケーブルベアに起因する振動による測定精度の低下を防止できる。また、ワイヤレスにより基板搬送手段の機構部の信頼性を向上できる。
【0009】
基板搬送手段に設けられる位置測定手段は、基板保持部材の溝に基板を実際に搬送するツィーザなどの手段とは別個に設けられて、ツィーザなどの手段とは独立して基板保持部材にアクセスできるようになっている。また、前記位置測定手段は、充電部と蓄電部との間の電源ケーブルをワイヤレスにする場合、電源ケーブルと信号ケーブルの両方をともにワイヤレスにするのが良い。しかし、検出部と固定部側に設けられることになる受信部との間の信号ケーブルは残すようにしてもよい。可動部に充電部を設けるようにして電源ケーブルのみをワイヤレスにするだけでも、電源ケーブルが存在している場合よりも機構的に有利になるからである。検出部と受信部との間の信号ケーブルを残さず、信号ケーブルもワイヤレスにするときは、可動部に検出部で検出した測定結果を一時的に保存する記憶部を設けて可動部を固定部に接触させたとき記憶部の内容を固定部側に転送するように構成しても、あるいは記憶部を設けずに検出部で検出した測定結果を無線で受信部に送信するように構成してもよい。
【0010】
また、基板保持部材の位置を測定する部位を溝としているが、溝のみに限定されない。溝の他に、基板を保持するための必要な部位、例えば基板保持部材がボートの場合には、複数本の支柱がボートの構成要素となり、それらの支柱に溝が形成されることになるが、その溝の形成された支柱の位置等も含まれる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記可動部が有する検出部が、基板保持部材の溝の位置を検出して測定結果を無線で送信するように構成され、前記固定部はさらに前記検出部の測定結果を無線で受信する受信部を有することを特徴とする基板処理装置である。
【0012】
可動部に設けた検出部で測定した結果は、有線ではなく、無線で受信部に送るようにして信号ケーブルも廃止したので、電源を含めた情報伝達のワイヤレス化を図れる。したがって、基板搬送手段の省スペース化をさらに実現できる。また、信号ケーブルベアに起因する振動による測定精度の低下も防止できる。また、信号ケーブルレスにより基板搬送手段の機構部の信頼性をさらに向上できる。
【0013】
無線での通信媒体は電波でも可能であるが、ノイズ等の発生を考慮すると光の方が好ましい。この場合、検出部を発光ダイオードで、受信部をフォトトランジスタやフォトダイオードで構成することができる。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記基板保持部材の溝の位置の測定を行うために前記可動部を前記固定部から離したとき、前記蓄電部から前記検出部に電源を供給するように構成したことを特徴とする半導体製造装置である。
【0015】
可動部を固定部から離したとき、蓄電部から検出部に電源を供給するようにしたので、充電中に検出部で蓄電部が消費されることがなく、効率的な充電ができる。この場合において、可動部と固定部とが接触又は非接触することによって可動部に設けた蓄電部を充電部側又は検出部側に切り替える切替回路を設けることによって、可動部を固定部から離したとき蓄電部から検出部に電源を供給するようにすることができる。
【0016】
第4の発明は、基板搬送手段に、基板を保持する溝を有する基板保持部材にアクセスして溝の位置を測定し、その測定結果に基づき前記基板搬送手段に基板を搬送させるための位置測定手段を設け、前記位置測定手段は前記基板保持部材にアクセス可能な可動部とアクセス不能な固定部とを備え、前記可動部は基板保持部材にアクセスするときは前記固定部から離れて動きアクセスしないときは前記固定部に接触させるようにし、前記可動部は基板保持部材の溝の位置を検出する検出部と前記検出部の電源となる蓄電部とを有し、前記固定部は前記蓄電部を充電する充電部を有し、前記可動部が固定部に接触するとき前記可動部側に設けた蓄電部と前記固定部側に設けた充電部とが通電するように構成した基板処理装置を用いて基板を処理する半導体デバイスの製造方法であって、前記位置測定手段を用いて基板保持部材の前記溝の位置を測定する工程と、前記測定結果に基づき前記基板搬送手段を用いて基板保持部材の前記溝に基板を搬送する工程と、前記基板保持部材に搬送された前記基板を反応室にロードする工程と、反応室にロードした基板を加熱し、反応ガスを供給しつつ排気して前記基板を処理する工程と、処理した基板を基板保持部材とともに反応室からアンロードする工程と、を有する半導体デバイスの製造方法である。
【0017】
可動部と固定部との間に電源ケーブルが存在しない位置検出手段を使用して基板保持部材の溝の位置を測定し、その測定結果に基づき基板搬送装置により基板を基板保持部材の溝に搬送する基板処理装置を用いるので、基板の搬送に優れた高品質の半導体デバイスを製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の基板処理装置について説明する。
【0019】
基板処理装置は、基板を処理する反応室を有する処理炉と、処理炉の下方に設けられて基板を基板保持部材に搬送する搬送室とを備え、基板の搬送された基板保持部材を搬送室から処理炉に収容して基板を処理するように構成される。この処理炉及び搬送室をそれぞれ図6及び図1に例示する。
【0020】
図6は減圧CVD処理炉の断面図である。外管(以下、アウタチューブ205)は例えば石英(SiO2)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞され、下端に開口を有する円筒状の形態である。内管(以下、インナチューブ204)は、上端及び下端の両端に開口を有する円筒状の形態を有し、アウタチューブ205内に同軸的に配置されている。アウタチューブ205とインナチューブ204の間の空間は筒状空間250を成す。インナチューブ204の上部開口から上昇したガスは、筒状空間250を通過して排気管231から排気されるようになっている。なお、処理炉の制御系は主制御部120で制御される。
【0021】
アウタチューブ205およびインナチューブ204の下端には、例えばステンレス等よりなるマニホールド209が係合され、このマニホールド209にアウタチューブ205およびインナチューブ204が保持されている。このマニホールド209は保持手段(以下ヒータベース251)に固定される。アウタチューブ205の下端部およびマニホールド209の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間には気密部材(以下、Oリング220)が配置され、両者の間が気密にシールされている。
【0022】
マニホールド209の下端開口部には、例えばステンレス等よりなる円盤状の蓋体(以下シールキャップ219)がOリング220を介して気密シール可能に着脱自在に取付けられている。シールキャップ219には、ガスの供給管232が貫通するよう設けられている。これらのガスの供給管232により、処理用のガスがアウタチューブ205内に供給されるようになっている。これらのガスの供給管232はガスの流量制御手段(以下マスフローコントローラ(MFC)241)に連結されており、MFC241は主制御部120のガス流量制御部122に接続されており、供給するガスの流量を所定の量に制御し得る。
【0023】
マニホールド209の上部には、圧力調節器(例えばAPC、N2バラスト制御器があり、以下ここではAPC242とする)及び、排気装置(以下真空ポンプ246)に連結されたガスの排気管231が接続されており、アウタチューブ205とインナチューブ204との間の筒状空間250を流れるガスを排出し、アウタチューブ205内をAPC242により圧力を制御することにより、所定の圧力の減圧雰囲気にするよう圧力検出手段(以下圧力センサ245)により検出し、主制御部120の圧力制御部123により制御する。
【0024】
シールキャップ219には、回転手段(以下回転軸254)が連結されており、回転軸254により、基板保持部材(以下ボート217)及びボート217上に保持されているウェハ200を回転させる。又、シールキャップ219は昇降手段(以下ボートエレベータ225)に連結されていて、ボート217を昇降させる。回転軸254、及びボートエレベータ225を所定のスピードにするように、主制御部120の駆動制御部124により制御する。
【0025】
アウタチューブ205の外周には加熱装置(以下ヒータ207)が同軸的にに配置されている。ヒータ207は、アウタチューブ205内の温度を所定の処理温度にするよう温度検出手段(以下熱電対263)により温度を検出し、主制御部120の温度制御部121により制御する。前述したインナチューブ204、アウタチューブ205と、マニホールド209とで、ボート217に支持されたウェハ200を収納して処理するための反応室201を構成する。
【0026】
図6に示した処理炉による減圧CVD処理方法の一例を説明すると、まず、ボートエレベータ225によりボート217を下降させる。ボート217に複数枚のウェハ200を保持する。次いで、ヒータ207により加熱しながら、反応室201内の温度を所定の処理温度にする。ガスの供給管232に接続されたMFC241により予め反応室201内を不活性ガスで充填しておき、ボートエレベータ225により、ボート217を上昇させて反応室201内に移し、反応室201の内部温度を所定の処理温度に維持する。反応室201内を所定の真空状態まで排気した後、回転軸254により、ボート217及びボート217上に保持されているウェハ200を回転させる。同時にガスの供給管232から処理用のガスを供給する。供給されたガスは、反応室201内を上昇し、ウェハ200に対して均等に供給される。
【0027】
減圧CVD処理中の反応室201内は、排気管231を介して排気され、所定の真空になるようAPC242により圧力が制御され、所定時間減圧CVD処理を行う。
【0028】
このようにして減圧CVD処理が終了すると、次のウェハ200の減圧CVD処理に移るべく、反応室201内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後、ボートエレベータ225によりボート217を下降させて、ボート217及び処理済のウェハ200を反応室201から取出す。反応室201から取出されたボート217上の処理済のウェハ200は、未処理のウェハ200と交換され、再度前述同様にして反応室201内に上昇され、減圧CVD処理が成される。
【0029】
なお、本実施例の処理炉での処理条件は、ドープトポリシリコン膜の成膜で例示すれば、ウェハ温度530℃、ガス種SiH4、その流量400sccm、ガス種PH3、その流量100sccm、処理圧力は200Paである。
【0030】
次に図1を用いて、処理炉の下方に設けられる搬送室30について説明する。搬送室30は処理炉とともに図示しないハウジング内に形成される。搬送室30内にはウェハ搬送機1と基板保持部材217(以下、ボート217)とが主に設けられている。
ウェハ搬送機1は3次元に動き、複数のウェハ200をボート217に形成した複数の溝15に搬送するように構成されている。そのためにウェハ搬送機1は、上下方向移動機構2、旋回方向移動機構3、及び半径方向移動機構4を備える。Aが上下方向、Bが旋回方向、Cが半径方向である。また、ウェハ搬送機1は、複数枚のウェハを一括して保持する複数のツィーザ11、ツィーザ11間のピッチ可変機構12、位置測定センサ可動部111(以下、単に可動部111という)を有して溝位置を検出する位置測定手段6、ウェハ搬送機制御装置7、位置測定制御装置8を備えている。ツィーザ11と位置測定手段6の可動部111とは、半径方向移動機構4によって独立して前後方向に前後移動可能に設けられ、ボート217に対して個別にアクセスできるように構成されている。なお13は各機構2、3、4のモータを制御するモータ制御ボードである。
【0031】
また、ウェハ搬送機1のアクセス可能な位置にボート217が設けられる。ボート217は、柱10−1、10−2、10−3を構成要素にもつ。柱10−1、10−2、10−3には、ウェハを多数枚水平に保持するための溝15が複数設けられている。なお、ボート217の真上に前述した処理炉が配設される。
【0032】
前述した位置測定手段6は、ボート217の溝15の位置を測定するためのものである。位置測定手段6は、ウェハ搬送機1の半径方向移動機構4に設けられた固定部101と、ボート217にアクセス可能な可動部111とを備える。可動部111はボート217の各溝15の位置の測定を行うときはボート217にアクセスし、測定を行わないときはウェハ搬送機1後方の待機位置に待避して固定部101と接触可能になっている。
可動部111は、ボート217の各溝15の位置を検出して検出結果を光検出信号として送信する検出部112と、検出部112に電源を供給するバッテリで構成される蓄電部113とを有する。検出部112は複数の位置測定センサ5(オン/オフセンサ)を有する。固定部101は、検出部112から送信される光検出信号を受信する受光部102と、可動部111を固定部101に接触したとき蓄電部113を充電する充電部103とを有する。上記位置測定センサ5は、様々な形状のボート217に対応させるために、検出距離の異なる2種類の限定反射型の光電センサを使用する。
【0033】
図7にも示すように、ウェハ搬送機1に設けたツィーザ11及び可動部111は、半径方向移動機構4の前後動作により前後(矢印C方向)に、旋回方向移動機構3の旋回動作により左右(矢印B方向)に、上下方向移動機構2の上下動作により上下(矢印A方向)に動作する。すなわち、各移動機構2、3、4は、ウェハ搬送機1のツィーザ11と、位置測定センサ5の双方を3次元移動させるのに使用される。上下方向移動機構2、旋回方向移動機構3、半径方向移動機構4は、それぞれの動作軸を有する。
【0034】
ここで、図8及び図9を用いてウェハ搬送機に設けられた5枚のツィーザ11と可動部111の動作機構について、特にツィーザ11及び可動部111が矢印C方向に独立して前後動作する機構について説明する。図8はウェハ搬送機の概略側面図、図9はウェハ搬送機の機構説明図である。ここで、ツィーザ11は5枚一括又は1枚単独のいずれかを選択して移動でき、可動部111はツィーザ11とは別個に単独移動できるようになっている。
【0035】
図8に示すように、ツィーザ11及び可動部111は半径方向移動機構4上で独立して前後(矢印C方向)動作する複数の移動ブロック 51、52、53に取り付けられる。ツィーザ11は5本で構成され、そのうちの上から4つ目までのツィーザ11−5、11−4、11−3、11−2はピッチ可変機構12を介してピッチ可変機構移動ブロック51に取り付けられる。残りのツィーザ11−1は枚葉ツィーザ移動ブロック52に取り付けられる。そして、可動部111は可動部移動ブロック53に取り付けられる。
【0036】
図9に示すように、前後及び中央に配置した複数のプーリ55にベルト56を架けて、モータ57によって中央のプーリ55を駆動してベルト56が前後動作するようにする。このベルト56にモータ移動ブロック54を取り付けて、モータ移動ブロック54がベルト56とともに前後動作するようする。前述した各移動ブロック51、52、53を移動ロック機構(図示せず)でロックし、動作させたい各部位の移動ブロック51、52、53とモータ移動ブロック54とを連結させてツィーザ11又は可動部111を動作させる。連結パターンは次の通りである。
(1)ツィーザ5枚一括移動:ピッチ可変機構移動ブロック51及び枚葉ツィーザ移動ブロック52をモータ移動ブロック54に連結する。
(2)ツィーザ1枚単独移動:枚葉ツィーザ移動ブロック52をモータ移動ブロック54に連結する。
(3)可動部単独移動:可動移動ブロック53をモータ移動ブロック54に連結する。
このようにしてウェハ搬送機1に設けられた可動部111は、ツィーザ11とは別個に単体でC方向に移動させることができるようになっている。
【0037】
さて、上述した位置測定センサ5を設けた可動部111を用いてボート位置測定を行い、測定結果に基づく位置データへの展開方法は、概略を説明すれば次の通りである(詳細は特許文献1参照)。
位置測定センサ5を用いて測定対象物であるボート217の溝や柱の位置を測定するには、位置測定センサ5が、オフ(光を検出しないとき)からオン(光を検出したとき)、またはオンからオフに変化したときの、各動作軸の位置を信号に変えるエンコーダ(図示省略)の値を読む必要がある。エンコーダは、モータ制御ボード13上にある。
【0038】
位置測定センサ5の出力、動作軸のエンコーダの出力を、位置測定制御装置8に入力する。通信回線を介し、ウェハ搬送機制御装置7に、動作軸に対して動作指示を出力し、次の手順で実際のボート位置測定を行う。
【0039】
ボート位置測定の手順は0から5である。手順0では、位置測定センサ5の光軸が変化していないかの確認する。手順1ではボート217の柱10−1、10−3の基準となる溝15の位置の測定を行う。手順2では、ボート217の柱10−1、10−3の左右位置の測定を行う。手順3ではボート217の柱10−1の前後位置の測定を行う。手順4では、ボート217の柱10−2の前後位置の測定を行う。そして、手順5ではボート217の柱10−1、10−3の溝15の上下位置の測定を行う。このようにしてボートの溝の位置を測定する。
【0040】
次に、ウェハのボート217の溝15への搬送時に使用する位置データへの展開方法について説明する。
【0041】
ウェハ200を保持して、搬送するツィーザ11と位置測定センサ5との間には、オフセットがある。したがって、位置測定センサ5で読み取った位置と、実際にウェハ200を挿入する位置とはずれが発生する。このオフセットの量を補正するために、手動によるティーチングを行う。
【0042】
ティーチングとは、溝15の中央位置を読み取り、各動作軸のエンコーダ値をウェハ搬送機制御装置7に記憶させることである。ティーチングは、ツィーザ11をウェハ搬送機1に取り付け、ツィーザ11上にウェハ200を載せ、目視により溝15の中央にウェハ200が来る位置を読み取る。この読み取り値と、同一の溝15を位置測定センサ5で読み取った値との差を補正量とする。
【0043】
すなわち、最初のティーチングを、手動、および上記手順1〜5で説明した手順でボート217の位置計測を行い、この2つのデータの差をツィーザ11と位置測定センサ5の光軸の相対位置データにする。次回からは、上記手順1〜5で説明した手順でボート217の位置計測のみを行い、前回のボート217の位置計測のデータの差から、最初に手動でティーチングした位置データを補正し、新しい位置データとする。
【0044】
手動は、最初の1回だけ、またはツィーザ11を交換等で再取付けした際に行うのみで、それ以外は人の介在がなく自動で行うことができる。
【0045】
上述したように位置測定手段6に設けた位置測定センサ5を用いてボート217の溝の位置を測定するが、その位置測定手段6の具体例を次に説明する。図2は位置測定手段6の平面図を示し、図3はその回路構成図である。
【0046】
図2に示すように、位置測定手段6は、ウェハ搬送機上に前後方向に移動可能に設けられる可動部111と、ウェハ搬送機上に固定して設けられて可動部111と接触可能な固定部101とから構成される。可動部111の先端には4個の位置測定センサ5が設けられ、固定部101と接触する側の基端には一対の充電用端子24a、測定信号送信用LEDなどから構成される発光部23、及び切替スイッチ22が設けられる。また、中間部には2個のセンサアンプ20、蓄電部113が設けられる。また、可動部111と接触する側の固定部101の端部には充電用端子24b及び受光部25が設けられる。固定部101のその他の部位には充電部103及びセンサアンプ27が設けられる。
【0047】
図3に示すように、可動部側の回路構成は、4個の位置測定センサ5と、位置測定センサ5で検出された信号を後段に必要な振幅に増幅する2個のセンサアンプ20と、増幅された信号を光送信する発光部(例えばLED)23と、これらから構成される測定回路19に電源を供給する蓄電部(例えばバッテリ)113と、蓄電部113に接続される一対の充電用端子24aと、測定時は蓄電部113を測定回路19へ切り替え、充電時は一対の充電用端子24aへ切り替える切替スイッチ22とを備える。
【0048】
固定部側の回路構成は、発光部23からの光信号を受信する受光部(例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ)25と、受光部102で受信された光信号を後段に必要な振幅をもつ電気信号に増幅するセンサアンプ27と、センサアンプ27に電源を供給する充電部103と、充電部103に接続されて一対の充電用端子24bとを備える。
【0049】
上記切替スイッチ22は、例えば接触スイッチ(マイクロスイッチ)で構成されて、可動部111が固定部101に接触したときは、充電部103から充電用端子24a、24bを介して蓄電部113を充電可能なように、蓄電部113を充電用端子24a側に切替え接続される。また、可動部111が固定部101から離れたときは、測定回路19に蓄電部113から自己給電可能なように、蓄電部113を測定回路19に切替え接続される。
【0050】
さて、上記のような位置測定手段6をウェハ搬送機1に有する基板処理装置の作用を説明する。この基板処理装置を用いて半導体デバイスを製造するには、主制御部120及びウェハ搬送機制御装置7、位置測定制御装置8等の制御のもとで、ボート溝位置測定工程、基板搬送工程、基板ロード工程、基板処理工程、基板アンロード工程等が行われる。
【0051】
ボート溝位置測定工程において、ウェハ搬送機1に設けたツィーザ11は動作させず、可動部111のみがアクセス可能となる。可動部111がボート217にアクセスしない場合は、可動部111は待機位置にあって固定部101と接触し、切替スイッチ22の切替えによって、可動部111側の充電用端子24aと固定部101側の充電用端子24bとが接続されて、固定部101側の充電部103により可動部111側の蓄電部113が充電される。このように待機位置にある可動部111の蓄電部113は、固定部101側の充電部103から充電が行われる。
【0052】
可動部111がボート217にアクセスしてボート217の溝15の位置の測定を行う場合は、可動部111は前進移動して固定部101と切り離され、測定回路19は、切替スイッチ22の切替えによって、測定回路19と同じ可動部111に設けられている蓄電部113から給電される。このようにボート217にアクセスする可動部111は、固定部101とは電源系でワイヤレスとなり、固定部101側からの給電なしに自己給電で確保される。
【0053】
自己給電状態で作動する測定回路19に接続された位置測定センサ5によって、上述した手順0から手順5にしたがってボート217の溝15の位置測定が行われる。この際、可動部111に設けたボート位置測定センサ5により検出した光信号は、センサアンプ20へ送られ増幅され、発光部23を発光させる。発光した発光部23の光信号は可動部111側から固定部101側の受光部25に光信号で送られ、センサアンプ27において増幅されて検出信号となり、図示しない上位制御装置へ送られる。このように可動部111は、固定部101とは信号系においてもワイヤレスとなり、測定結果は空間的に送受信される。
【0054】
ボート217の溝15の位置測定をウェハ搬送機1に設けた位置測定手段6で行うことによって、ウェハ搬送手段1が搬送可能な3次元データを生成する。
【0055】
基板搬送工程では、上述した測定工程において基板搬送手段4が生成した3次元データに基づいてウェハ搬送機1を制御し、実際にツィーザ11によりウェハ200をボート217の溝15に搬送する。基板ロード工程では、ボートエレベータ225でボート217を上昇して、加熱した処理炉に収納することにより、ウェハ200を反応室201にロードする。基板処理工程では、処理条件下で、反応室201にロードしたウェハ200を加熱し、反応ガスを供給しつつ排気して、ウェハ200を減圧CVD処理する。基板アンロード工程では、ボートエレベータ225でボート217を下降して、ウェハ200を反応室201からアンロードする。これらの基板搬送工程から基板アンロード工程の間、可動部111は待機位置で固定部101から充電を受けており、次のアクセスを待つ。
【0056】
以上述べたように本実施の形態によれば、ボート溝位置測定工程において、位置測定手段6を固定部101と可動部111とに分割して、アクセス時は可動部111と固定部101とは切り離されてワイヤレスとなる。ワイヤレスになっても、可動部111の測定回路19の電源は、待機時に可動部111が固定部101と接触したときに充電される可動部111の蓄電部113によって賄うようにしたので、電源ケーブルが不要になる。また位置測定センサ5で検出された測定結果は光信号を使った無線送受信で行うようにしたので、信号ケーブルも不要になる。したがって、従来必要であった位置検出手段用のケーブルベアを廃止でき、ウェハ搬送機内部にケーブルベアスペースの確保が不要になる。その結果ウェハ搬送機1の省スペース化が可能になる。また、ケーブルベア動作による振動がなくなり、位置測定センサ5の測定精度が向上される。また、ケーブルベア内の配線の断線故障がなくなり、位置測定手段6を動作させ機構部の信頼性も向上する。このことは、特に多数積載ウェハボートの場合にあっては、測定のアクセス回数が多くなるので有効である。また、可動部111が固定部101から切り離されていても、位置測定信号は光信号で可動部111から固定部101へ常に情報伝達することができるので、可動部111側に位置測定データを一時的に蓄積する記憶手段を必要としない。したがって可動部111側の回路構成を簡素化できる。
【0057】
ここに上述したケーブルベア廃止の効果を具体的に説明する。図4及び図5に実施の形態と従来例とのウェハ搬送機1の側面図をそれぞれ示す。ケーブルベア210を必要としていた図5に示す従来例のものと比べて、ケーブルベアを必要としない図4に示す実施の形態のウェハ搬送機1は、半径方向移動機構4の構成がすっきりしているのがよく理解できる。これにより半径方向移動機構4のスペースを小さくすることができる。スペースを小さくしない場合には、半径方向移動機構4のスペースの有効利用を図ることができる。
【0058】
なお、上述した実施の形態では、送受信媒体としてコスト及びノイズの問題のない光を用いたが、運用上、コスト及びノイズの問題がなければ電波を用いてもよい。
【0059】
また、実施の形態では、電源ケーブル及び信号ケーブルの両方を廃止するようにしたが、電源ケーブルのみを廃止するようにしてもよい。その場合であっても、電源ケーブル及び信号ケーブルの両方が存在するときと比べてスペースや安定性の点で有利になるからである。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、基板保持部材の溝の位置の測定結果に基づき基板を搬送する基板搬送手段から、ケーブル支持案内装置を無くすことができるので、省スペース化に貢献でき、ケーブル支持案内装置に起因する振動による測定精度の低下も防ぐことができる。また、ケーブルレスにより基板搬送手段の機構部の信頼性を向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による基板処理装置を構成する搬送室内の斜視図である。
【図2】実施の形態による位置測定手段の詳細図である。
【図3】実施の形態による位置測定手段の回路構成図である。
【図4】実施の形態によるウェハ搬送機の側面図である。
【図5】従来例によるウェハ搬送機の側面図である。
【図6】実施の形態による基板処理装置を構成する処理炉の縦断面図である。
【図7】実施の形態によるウェハ搬送機の斜視図である。
【図8】実施の形態によるツィーザ11と可動部111との機構の説明図である。
【図9】実施の形態によるツィーザ11と可動部111との動作機構の説明図である。
【符号の説明】
1 ウェハ搬送機
6 位置検出手段
5 位置検出センサ
15 溝
101 固定部
111 可動部
103 充電部
113 蓄電部
200 ウェハ(基板)
217 ボート(基板保持部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板保持部材に保持された基板を処理する半導体製造装置やLCD製造装置等といった基板処理装置に係り、特に、基板を保持する基板保持部材の溝の位置を検出する位置検出手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体製造装置は、ウェハ搬送機や基板保持部材(ボート)、処理炉を有し、基板を保持する溝を有する基板保持部材の溝にウェハ搬送機で基板を搬送し、基板の搬送され基板保持部材を処理炉に入れて基板を処理している。ここで、ウェハ搬送機による基板保持部材への基板の搬送は自動的に行うため、予めウェハ搬送機に基板保持部材の溝の位置を教えておく必要がある。
【0003】
ツィーザに基板を載せて搬送するウェハ搬送機は、ウェハ搬送機が上下に移動可能で、かつ水平面内で旋回可能に設けられ、ウェハ搬送機のツィーザは前後方向に移動可能に設けられる。従来、このように3次元に動くウェハ搬送機に対して、基板保持部材の溝の位置情報を教えるために位置測定プレートを、ウェハ搬送機に搭載したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この位置測定プレートは、ツィーザとは別に、かつ基板保持部材に対してアクセス可能となるように、ツィーザと同様にウェハ搬送機上で前後方向に移動可能に設けられる。基板保持部材の溝の位置を測定するときは、位置測定プレートを基板保持部材にアクセスして基板を保持する溝の位置を自動検出する。溝の位置を測定したデータをウェハ搬送機に取り込んで、測定データから基板の搬送位置を自動計算し、ウェハ搬送機が搬送可能な3次元データを生成する。そのデータに基づいてウェハ搬送機を制御し、実際に基板を基板保持部材の溝に搬送するようになっている。
【0004】
この位置測定プレートは、基板保持部材の溝の位置を測定する時に、ウェハ搬送機から基板保持部材へ何回もアクセスすることになる。そのたびに位置測定プレートはウェハ搬送機から遠ざかったり近づいたりする。このためウェハ搬送機と位置測定プレートとの間を余長のある電源ケーブルや信号ケーブルで接続して、位置測定プレートとウェハ搬送機との情報伝達を確保する必要がある。したがってケーブルベア等のケーブル支持案内装置を設けて、ウェハ搬送機を駆動する駆動部から上記ケーブルを保護している。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−9135号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では、基板を基板保持部材の溝に搬送する搬送手段に、基板保持部材の溝の位置を教える必要があるが、そのために用いる位置測定プレートが基板搬送手段から離れたり近づいたりするので、位置測定プレートと基板搬送手段との間を余長のあるケーブルで接続している。しかし、基板搬送手段にケーブル支持案内装置を必要とするために、構造や安定性等の点で改善の余地があった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、省スペース化と、測定精度向上と、機構部の信頼性を向上することが可能な半導体製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、基板を保持する溝を有する基板保持部材に対し、前記溝の位置の測定結果に基づき動く基板搬送手段を用いて前記基板保持部材の溝に基板を搬送し、前記基板の搬送された基板保持部材を反応室に収納して、基板を加熱し反応室に反応ガスを供給しつつ排気して前記基板を処理する基板処理装置において、前記基板搬送手段に、前記基板保持部材にアクセスして前記基板保持部材の溝の位置を測定する位置測定手段を設け、前記位置測定手段は、前記基板保持部材にアクセス可能な可動部と、可動部がアクセスしないとき可動部と接触可能な固定部とを備え、前記位置測定手段の可動部側に基板保持部材の溝の位置を検出する検出部と、前記検出部の電源となる蓄電部とを設け、前記固定部側に前記蓄電部を充電する充電部を設けて、
前記位置検出手段の可動部が固定部に接触するとき、前記可動部側に設けた蓄電部と前記固定部側に設けた充電部とが通電するように構成したことを特徴とする基板処理装置である。
【0008】
位置測定検出手段を構成する可動部は、検出部に電源を供給する蓄電部を備え、固定部と接触するときは、固定部に設けた充電部によって蓄電部を充電するようにしているので、固定部と可動部との間に、可動部の検出部へ電源を供給する電源ケーブルが不要となり、固定部と可動部との間をワイヤレスにすることができる。また、電源ケーブルを無くしたので、スペースを要する電源ケーブルベア等のケーブル支持案内装置が不要となり、位置測定検出手段を設ける基板搬送手段の省スペース化を実現できる。また、電源ケーブルベアに起因する振動による測定精度の低下を防止できる。また、ワイヤレスにより基板搬送手段の機構部の信頼性を向上できる。
【0009】
基板搬送手段に設けられる位置測定手段は、基板保持部材の溝に基板を実際に搬送するツィーザなどの手段とは別個に設けられて、ツィーザなどの手段とは独立して基板保持部材にアクセスできるようになっている。また、前記位置測定手段は、充電部と蓄電部との間の電源ケーブルをワイヤレスにする場合、電源ケーブルと信号ケーブルの両方をともにワイヤレスにするのが良い。しかし、検出部と固定部側に設けられることになる受信部との間の信号ケーブルは残すようにしてもよい。可動部に充電部を設けるようにして電源ケーブルのみをワイヤレスにするだけでも、電源ケーブルが存在している場合よりも機構的に有利になるからである。検出部と受信部との間の信号ケーブルを残さず、信号ケーブルもワイヤレスにするときは、可動部に検出部で検出した測定結果を一時的に保存する記憶部を設けて可動部を固定部に接触させたとき記憶部の内容を固定部側に転送するように構成しても、あるいは記憶部を設けずに検出部で検出した測定結果を無線で受信部に送信するように構成してもよい。
【0010】
また、基板保持部材の位置を測定する部位を溝としているが、溝のみに限定されない。溝の他に、基板を保持するための必要な部位、例えば基板保持部材がボートの場合には、複数本の支柱がボートの構成要素となり、それらの支柱に溝が形成されることになるが、その溝の形成された支柱の位置等も含まれる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記可動部が有する検出部が、基板保持部材の溝の位置を検出して測定結果を無線で送信するように構成され、前記固定部はさらに前記検出部の測定結果を無線で受信する受信部を有することを特徴とする基板処理装置である。
【0012】
可動部に設けた検出部で測定した結果は、有線ではなく、無線で受信部に送るようにして信号ケーブルも廃止したので、電源を含めた情報伝達のワイヤレス化を図れる。したがって、基板搬送手段の省スペース化をさらに実現できる。また、信号ケーブルベアに起因する振動による測定精度の低下も防止できる。また、信号ケーブルレスにより基板搬送手段の機構部の信頼性をさらに向上できる。
【0013】
無線での通信媒体は電波でも可能であるが、ノイズ等の発生を考慮すると光の方が好ましい。この場合、検出部を発光ダイオードで、受信部をフォトトランジスタやフォトダイオードで構成することができる。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記基板保持部材の溝の位置の測定を行うために前記可動部を前記固定部から離したとき、前記蓄電部から前記検出部に電源を供給するように構成したことを特徴とする半導体製造装置である。
【0015】
可動部を固定部から離したとき、蓄電部から検出部に電源を供給するようにしたので、充電中に検出部で蓄電部が消費されることがなく、効率的な充電ができる。この場合において、可動部と固定部とが接触又は非接触することによって可動部に設けた蓄電部を充電部側又は検出部側に切り替える切替回路を設けることによって、可動部を固定部から離したとき蓄電部から検出部に電源を供給するようにすることができる。
【0016】
第4の発明は、基板搬送手段に、基板を保持する溝を有する基板保持部材にアクセスして溝の位置を測定し、その測定結果に基づき前記基板搬送手段に基板を搬送させるための位置測定手段を設け、前記位置測定手段は前記基板保持部材にアクセス可能な可動部とアクセス不能な固定部とを備え、前記可動部は基板保持部材にアクセスするときは前記固定部から離れて動きアクセスしないときは前記固定部に接触させるようにし、前記可動部は基板保持部材の溝の位置を検出する検出部と前記検出部の電源となる蓄電部とを有し、前記固定部は前記蓄電部を充電する充電部を有し、前記可動部が固定部に接触するとき前記可動部側に設けた蓄電部と前記固定部側に設けた充電部とが通電するように構成した基板処理装置を用いて基板を処理する半導体デバイスの製造方法であって、前記位置測定手段を用いて基板保持部材の前記溝の位置を測定する工程と、前記測定結果に基づき前記基板搬送手段を用いて基板保持部材の前記溝に基板を搬送する工程と、前記基板保持部材に搬送された前記基板を反応室にロードする工程と、反応室にロードした基板を加熱し、反応ガスを供給しつつ排気して前記基板を処理する工程と、処理した基板を基板保持部材とともに反応室からアンロードする工程と、を有する半導体デバイスの製造方法である。
【0017】
可動部と固定部との間に電源ケーブルが存在しない位置検出手段を使用して基板保持部材の溝の位置を測定し、その測定結果に基づき基板搬送装置により基板を基板保持部材の溝に搬送する基板処理装置を用いるので、基板の搬送に優れた高品質の半導体デバイスを製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の基板処理装置について説明する。
【0019】
基板処理装置は、基板を処理する反応室を有する処理炉と、処理炉の下方に設けられて基板を基板保持部材に搬送する搬送室とを備え、基板の搬送された基板保持部材を搬送室から処理炉に収容して基板を処理するように構成される。この処理炉及び搬送室をそれぞれ図6及び図1に例示する。
【0020】
図6は減圧CVD処理炉の断面図である。外管(以下、アウタチューブ205)は例えば石英(SiO2)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞され、下端に開口を有する円筒状の形態である。内管(以下、インナチューブ204)は、上端及び下端の両端に開口を有する円筒状の形態を有し、アウタチューブ205内に同軸的に配置されている。アウタチューブ205とインナチューブ204の間の空間は筒状空間250を成す。インナチューブ204の上部開口から上昇したガスは、筒状空間250を通過して排気管231から排気されるようになっている。なお、処理炉の制御系は主制御部120で制御される。
【0021】
アウタチューブ205およびインナチューブ204の下端には、例えばステンレス等よりなるマニホールド209が係合され、このマニホールド209にアウタチューブ205およびインナチューブ204が保持されている。このマニホールド209は保持手段(以下ヒータベース251)に固定される。アウタチューブ205の下端部およびマニホールド209の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間には気密部材(以下、Oリング220)が配置され、両者の間が気密にシールされている。
【0022】
マニホールド209の下端開口部には、例えばステンレス等よりなる円盤状の蓋体(以下シールキャップ219)がOリング220を介して気密シール可能に着脱自在に取付けられている。シールキャップ219には、ガスの供給管232が貫通するよう設けられている。これらのガスの供給管232により、処理用のガスがアウタチューブ205内に供給されるようになっている。これらのガスの供給管232はガスの流量制御手段(以下マスフローコントローラ(MFC)241)に連結されており、MFC241は主制御部120のガス流量制御部122に接続されており、供給するガスの流量を所定の量に制御し得る。
【0023】
マニホールド209の上部には、圧力調節器(例えばAPC、N2バラスト制御器があり、以下ここではAPC242とする)及び、排気装置(以下真空ポンプ246)に連結されたガスの排気管231が接続されており、アウタチューブ205とインナチューブ204との間の筒状空間250を流れるガスを排出し、アウタチューブ205内をAPC242により圧力を制御することにより、所定の圧力の減圧雰囲気にするよう圧力検出手段(以下圧力センサ245)により検出し、主制御部120の圧力制御部123により制御する。
【0024】
シールキャップ219には、回転手段(以下回転軸254)が連結されており、回転軸254により、基板保持部材(以下ボート217)及びボート217上に保持されているウェハ200を回転させる。又、シールキャップ219は昇降手段(以下ボートエレベータ225)に連結されていて、ボート217を昇降させる。回転軸254、及びボートエレベータ225を所定のスピードにするように、主制御部120の駆動制御部124により制御する。
【0025】
アウタチューブ205の外周には加熱装置(以下ヒータ207)が同軸的にに配置されている。ヒータ207は、アウタチューブ205内の温度を所定の処理温度にするよう温度検出手段(以下熱電対263)により温度を検出し、主制御部120の温度制御部121により制御する。前述したインナチューブ204、アウタチューブ205と、マニホールド209とで、ボート217に支持されたウェハ200を収納して処理するための反応室201を構成する。
【0026】
図6に示した処理炉による減圧CVD処理方法の一例を説明すると、まず、ボートエレベータ225によりボート217を下降させる。ボート217に複数枚のウェハ200を保持する。次いで、ヒータ207により加熱しながら、反応室201内の温度を所定の処理温度にする。ガスの供給管232に接続されたMFC241により予め反応室201内を不活性ガスで充填しておき、ボートエレベータ225により、ボート217を上昇させて反応室201内に移し、反応室201の内部温度を所定の処理温度に維持する。反応室201内を所定の真空状態まで排気した後、回転軸254により、ボート217及びボート217上に保持されているウェハ200を回転させる。同時にガスの供給管232から処理用のガスを供給する。供給されたガスは、反応室201内を上昇し、ウェハ200に対して均等に供給される。
【0027】
減圧CVD処理中の反応室201内は、排気管231を介して排気され、所定の真空になるようAPC242により圧力が制御され、所定時間減圧CVD処理を行う。
【0028】
このようにして減圧CVD処理が終了すると、次のウェハ200の減圧CVD処理に移るべく、反応室201内のガスを不活性ガスで置換するとともに、圧力を常圧にし、その後、ボートエレベータ225によりボート217を下降させて、ボート217及び処理済のウェハ200を反応室201から取出す。反応室201から取出されたボート217上の処理済のウェハ200は、未処理のウェハ200と交換され、再度前述同様にして反応室201内に上昇され、減圧CVD処理が成される。
【0029】
なお、本実施例の処理炉での処理条件は、ドープトポリシリコン膜の成膜で例示すれば、ウェハ温度530℃、ガス種SiH4、その流量400sccm、ガス種PH3、その流量100sccm、処理圧力は200Paである。
【0030】
次に図1を用いて、処理炉の下方に設けられる搬送室30について説明する。搬送室30は処理炉とともに図示しないハウジング内に形成される。搬送室30内にはウェハ搬送機1と基板保持部材217(以下、ボート217)とが主に設けられている。
ウェハ搬送機1は3次元に動き、複数のウェハ200をボート217に形成した複数の溝15に搬送するように構成されている。そのためにウェハ搬送機1は、上下方向移動機構2、旋回方向移動機構3、及び半径方向移動機構4を備える。Aが上下方向、Bが旋回方向、Cが半径方向である。また、ウェハ搬送機1は、複数枚のウェハを一括して保持する複数のツィーザ11、ツィーザ11間のピッチ可変機構12、位置測定センサ可動部111(以下、単に可動部111という)を有して溝位置を検出する位置測定手段6、ウェハ搬送機制御装置7、位置測定制御装置8を備えている。ツィーザ11と位置測定手段6の可動部111とは、半径方向移動機構4によって独立して前後方向に前後移動可能に設けられ、ボート217に対して個別にアクセスできるように構成されている。なお13は各機構2、3、4のモータを制御するモータ制御ボードである。
【0031】
また、ウェハ搬送機1のアクセス可能な位置にボート217が設けられる。ボート217は、柱10−1、10−2、10−3を構成要素にもつ。柱10−1、10−2、10−3には、ウェハを多数枚水平に保持するための溝15が複数設けられている。なお、ボート217の真上に前述した処理炉が配設される。
【0032】
前述した位置測定手段6は、ボート217の溝15の位置を測定するためのものである。位置測定手段6は、ウェハ搬送機1の半径方向移動機構4に設けられた固定部101と、ボート217にアクセス可能な可動部111とを備える。可動部111はボート217の各溝15の位置の測定を行うときはボート217にアクセスし、測定を行わないときはウェハ搬送機1後方の待機位置に待避して固定部101と接触可能になっている。
可動部111は、ボート217の各溝15の位置を検出して検出結果を光検出信号として送信する検出部112と、検出部112に電源を供給するバッテリで構成される蓄電部113とを有する。検出部112は複数の位置測定センサ5(オン/オフセンサ)を有する。固定部101は、検出部112から送信される光検出信号を受信する受光部102と、可動部111を固定部101に接触したとき蓄電部113を充電する充電部103とを有する。上記位置測定センサ5は、様々な形状のボート217に対応させるために、検出距離の異なる2種類の限定反射型の光電センサを使用する。
【0033】
図7にも示すように、ウェハ搬送機1に設けたツィーザ11及び可動部111は、半径方向移動機構4の前後動作により前後(矢印C方向)に、旋回方向移動機構3の旋回動作により左右(矢印B方向)に、上下方向移動機構2の上下動作により上下(矢印A方向)に動作する。すなわち、各移動機構2、3、4は、ウェハ搬送機1のツィーザ11と、位置測定センサ5の双方を3次元移動させるのに使用される。上下方向移動機構2、旋回方向移動機構3、半径方向移動機構4は、それぞれの動作軸を有する。
【0034】
ここで、図8及び図9を用いてウェハ搬送機に設けられた5枚のツィーザ11と可動部111の動作機構について、特にツィーザ11及び可動部111が矢印C方向に独立して前後動作する機構について説明する。図8はウェハ搬送機の概略側面図、図9はウェハ搬送機の機構説明図である。ここで、ツィーザ11は5枚一括又は1枚単独のいずれかを選択して移動でき、可動部111はツィーザ11とは別個に単独移動できるようになっている。
【0035】
図8に示すように、ツィーザ11及び可動部111は半径方向移動機構4上で独立して前後(矢印C方向)動作する複数の移動ブロック 51、52、53に取り付けられる。ツィーザ11は5本で構成され、そのうちの上から4つ目までのツィーザ11−5、11−4、11−3、11−2はピッチ可変機構12を介してピッチ可変機構移動ブロック51に取り付けられる。残りのツィーザ11−1は枚葉ツィーザ移動ブロック52に取り付けられる。そして、可動部111は可動部移動ブロック53に取り付けられる。
【0036】
図9に示すように、前後及び中央に配置した複数のプーリ55にベルト56を架けて、モータ57によって中央のプーリ55を駆動してベルト56が前後動作するようにする。このベルト56にモータ移動ブロック54を取り付けて、モータ移動ブロック54がベルト56とともに前後動作するようする。前述した各移動ブロック51、52、53を移動ロック機構(図示せず)でロックし、動作させたい各部位の移動ブロック51、52、53とモータ移動ブロック54とを連結させてツィーザ11又は可動部111を動作させる。連結パターンは次の通りである。
(1)ツィーザ5枚一括移動:ピッチ可変機構移動ブロック51及び枚葉ツィーザ移動ブロック52をモータ移動ブロック54に連結する。
(2)ツィーザ1枚単独移動:枚葉ツィーザ移動ブロック52をモータ移動ブロック54に連結する。
(3)可動部単独移動:可動移動ブロック53をモータ移動ブロック54に連結する。
このようにしてウェハ搬送機1に設けられた可動部111は、ツィーザ11とは別個に単体でC方向に移動させることができるようになっている。
【0037】
さて、上述した位置測定センサ5を設けた可動部111を用いてボート位置測定を行い、測定結果に基づく位置データへの展開方法は、概略を説明すれば次の通りである(詳細は特許文献1参照)。
位置測定センサ5を用いて測定対象物であるボート217の溝や柱の位置を測定するには、位置測定センサ5が、オフ(光を検出しないとき)からオン(光を検出したとき)、またはオンからオフに変化したときの、各動作軸の位置を信号に変えるエンコーダ(図示省略)の値を読む必要がある。エンコーダは、モータ制御ボード13上にある。
【0038】
位置測定センサ5の出力、動作軸のエンコーダの出力を、位置測定制御装置8に入力する。通信回線を介し、ウェハ搬送機制御装置7に、動作軸に対して動作指示を出力し、次の手順で実際のボート位置測定を行う。
【0039】
ボート位置測定の手順は0から5である。手順0では、位置測定センサ5の光軸が変化していないかの確認する。手順1ではボート217の柱10−1、10−3の基準となる溝15の位置の測定を行う。手順2では、ボート217の柱10−1、10−3の左右位置の測定を行う。手順3ではボート217の柱10−1の前後位置の測定を行う。手順4では、ボート217の柱10−2の前後位置の測定を行う。そして、手順5ではボート217の柱10−1、10−3の溝15の上下位置の測定を行う。このようにしてボートの溝の位置を測定する。
【0040】
次に、ウェハのボート217の溝15への搬送時に使用する位置データへの展開方法について説明する。
【0041】
ウェハ200を保持して、搬送するツィーザ11と位置測定センサ5との間には、オフセットがある。したがって、位置測定センサ5で読み取った位置と、実際にウェハ200を挿入する位置とはずれが発生する。このオフセットの量を補正するために、手動によるティーチングを行う。
【0042】
ティーチングとは、溝15の中央位置を読み取り、各動作軸のエンコーダ値をウェハ搬送機制御装置7に記憶させることである。ティーチングは、ツィーザ11をウェハ搬送機1に取り付け、ツィーザ11上にウェハ200を載せ、目視により溝15の中央にウェハ200が来る位置を読み取る。この読み取り値と、同一の溝15を位置測定センサ5で読み取った値との差を補正量とする。
【0043】
すなわち、最初のティーチングを、手動、および上記手順1〜5で説明した手順でボート217の位置計測を行い、この2つのデータの差をツィーザ11と位置測定センサ5の光軸の相対位置データにする。次回からは、上記手順1〜5で説明した手順でボート217の位置計測のみを行い、前回のボート217の位置計測のデータの差から、最初に手動でティーチングした位置データを補正し、新しい位置データとする。
【0044】
手動は、最初の1回だけ、またはツィーザ11を交換等で再取付けした際に行うのみで、それ以外は人の介在がなく自動で行うことができる。
【0045】
上述したように位置測定手段6に設けた位置測定センサ5を用いてボート217の溝の位置を測定するが、その位置測定手段6の具体例を次に説明する。図2は位置測定手段6の平面図を示し、図3はその回路構成図である。
【0046】
図2に示すように、位置測定手段6は、ウェハ搬送機上に前後方向に移動可能に設けられる可動部111と、ウェハ搬送機上に固定して設けられて可動部111と接触可能な固定部101とから構成される。可動部111の先端には4個の位置測定センサ5が設けられ、固定部101と接触する側の基端には一対の充電用端子24a、測定信号送信用LEDなどから構成される発光部23、及び切替スイッチ22が設けられる。また、中間部には2個のセンサアンプ20、蓄電部113が設けられる。また、可動部111と接触する側の固定部101の端部には充電用端子24b及び受光部25が設けられる。固定部101のその他の部位には充電部103及びセンサアンプ27が設けられる。
【0047】
図3に示すように、可動部側の回路構成は、4個の位置測定センサ5と、位置測定センサ5で検出された信号を後段に必要な振幅に増幅する2個のセンサアンプ20と、増幅された信号を光送信する発光部(例えばLED)23と、これらから構成される測定回路19に電源を供給する蓄電部(例えばバッテリ)113と、蓄電部113に接続される一対の充電用端子24aと、測定時は蓄電部113を測定回路19へ切り替え、充電時は一対の充電用端子24aへ切り替える切替スイッチ22とを備える。
【0048】
固定部側の回路構成は、発光部23からの光信号を受信する受光部(例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ)25と、受光部102で受信された光信号を後段に必要な振幅をもつ電気信号に増幅するセンサアンプ27と、センサアンプ27に電源を供給する充電部103と、充電部103に接続されて一対の充電用端子24bとを備える。
【0049】
上記切替スイッチ22は、例えば接触スイッチ(マイクロスイッチ)で構成されて、可動部111が固定部101に接触したときは、充電部103から充電用端子24a、24bを介して蓄電部113を充電可能なように、蓄電部113を充電用端子24a側に切替え接続される。また、可動部111が固定部101から離れたときは、測定回路19に蓄電部113から自己給電可能なように、蓄電部113を測定回路19に切替え接続される。
【0050】
さて、上記のような位置測定手段6をウェハ搬送機1に有する基板処理装置の作用を説明する。この基板処理装置を用いて半導体デバイスを製造するには、主制御部120及びウェハ搬送機制御装置7、位置測定制御装置8等の制御のもとで、ボート溝位置測定工程、基板搬送工程、基板ロード工程、基板処理工程、基板アンロード工程等が行われる。
【0051】
ボート溝位置測定工程において、ウェハ搬送機1に設けたツィーザ11は動作させず、可動部111のみがアクセス可能となる。可動部111がボート217にアクセスしない場合は、可動部111は待機位置にあって固定部101と接触し、切替スイッチ22の切替えによって、可動部111側の充電用端子24aと固定部101側の充電用端子24bとが接続されて、固定部101側の充電部103により可動部111側の蓄電部113が充電される。このように待機位置にある可動部111の蓄電部113は、固定部101側の充電部103から充電が行われる。
【0052】
可動部111がボート217にアクセスしてボート217の溝15の位置の測定を行う場合は、可動部111は前進移動して固定部101と切り離され、測定回路19は、切替スイッチ22の切替えによって、測定回路19と同じ可動部111に設けられている蓄電部113から給電される。このようにボート217にアクセスする可動部111は、固定部101とは電源系でワイヤレスとなり、固定部101側からの給電なしに自己給電で確保される。
【0053】
自己給電状態で作動する測定回路19に接続された位置測定センサ5によって、上述した手順0から手順5にしたがってボート217の溝15の位置測定が行われる。この際、可動部111に設けたボート位置測定センサ5により検出した光信号は、センサアンプ20へ送られ増幅され、発光部23を発光させる。発光した発光部23の光信号は可動部111側から固定部101側の受光部25に光信号で送られ、センサアンプ27において増幅されて検出信号となり、図示しない上位制御装置へ送られる。このように可動部111は、固定部101とは信号系においてもワイヤレスとなり、測定結果は空間的に送受信される。
【0054】
ボート217の溝15の位置測定をウェハ搬送機1に設けた位置測定手段6で行うことによって、ウェハ搬送手段1が搬送可能な3次元データを生成する。
【0055】
基板搬送工程では、上述した測定工程において基板搬送手段4が生成した3次元データに基づいてウェハ搬送機1を制御し、実際にツィーザ11によりウェハ200をボート217の溝15に搬送する。基板ロード工程では、ボートエレベータ225でボート217を上昇して、加熱した処理炉に収納することにより、ウェハ200を反応室201にロードする。基板処理工程では、処理条件下で、反応室201にロードしたウェハ200を加熱し、反応ガスを供給しつつ排気して、ウェハ200を減圧CVD処理する。基板アンロード工程では、ボートエレベータ225でボート217を下降して、ウェハ200を反応室201からアンロードする。これらの基板搬送工程から基板アンロード工程の間、可動部111は待機位置で固定部101から充電を受けており、次のアクセスを待つ。
【0056】
以上述べたように本実施の形態によれば、ボート溝位置測定工程において、位置測定手段6を固定部101と可動部111とに分割して、アクセス時は可動部111と固定部101とは切り離されてワイヤレスとなる。ワイヤレスになっても、可動部111の測定回路19の電源は、待機時に可動部111が固定部101と接触したときに充電される可動部111の蓄電部113によって賄うようにしたので、電源ケーブルが不要になる。また位置測定センサ5で検出された測定結果は光信号を使った無線送受信で行うようにしたので、信号ケーブルも不要になる。したがって、従来必要であった位置検出手段用のケーブルベアを廃止でき、ウェハ搬送機内部にケーブルベアスペースの確保が不要になる。その結果ウェハ搬送機1の省スペース化が可能になる。また、ケーブルベア動作による振動がなくなり、位置測定センサ5の測定精度が向上される。また、ケーブルベア内の配線の断線故障がなくなり、位置測定手段6を動作させ機構部の信頼性も向上する。このことは、特に多数積載ウェハボートの場合にあっては、測定のアクセス回数が多くなるので有効である。また、可動部111が固定部101から切り離されていても、位置測定信号は光信号で可動部111から固定部101へ常に情報伝達することができるので、可動部111側に位置測定データを一時的に蓄積する記憶手段を必要としない。したがって可動部111側の回路構成を簡素化できる。
【0057】
ここに上述したケーブルベア廃止の効果を具体的に説明する。図4及び図5に実施の形態と従来例とのウェハ搬送機1の側面図をそれぞれ示す。ケーブルベア210を必要としていた図5に示す従来例のものと比べて、ケーブルベアを必要としない図4に示す実施の形態のウェハ搬送機1は、半径方向移動機構4の構成がすっきりしているのがよく理解できる。これにより半径方向移動機構4のスペースを小さくすることができる。スペースを小さくしない場合には、半径方向移動機構4のスペースの有効利用を図ることができる。
【0058】
なお、上述した実施の形態では、送受信媒体としてコスト及びノイズの問題のない光を用いたが、運用上、コスト及びノイズの問題がなければ電波を用いてもよい。
【0059】
また、実施の形態では、電源ケーブル及び信号ケーブルの両方を廃止するようにしたが、電源ケーブルのみを廃止するようにしてもよい。その場合であっても、電源ケーブル及び信号ケーブルの両方が存在するときと比べてスペースや安定性の点で有利になるからである。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、基板保持部材の溝の位置の測定結果に基づき基板を搬送する基板搬送手段から、ケーブル支持案内装置を無くすことができるので、省スペース化に貢献でき、ケーブル支持案内装置に起因する振動による測定精度の低下も防ぐことができる。また、ケーブルレスにより基板搬送手段の機構部の信頼性を向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による基板処理装置を構成する搬送室内の斜視図である。
【図2】実施の形態による位置測定手段の詳細図である。
【図3】実施の形態による位置測定手段の回路構成図である。
【図4】実施の形態によるウェハ搬送機の側面図である。
【図5】従来例によるウェハ搬送機の側面図である。
【図6】実施の形態による基板処理装置を構成する処理炉の縦断面図である。
【図7】実施の形態によるウェハ搬送機の斜視図である。
【図8】実施の形態によるツィーザ11と可動部111との機構の説明図である。
【図9】実施の形態によるツィーザ11と可動部111との動作機構の説明図である。
【符号の説明】
1 ウェハ搬送機
6 位置検出手段
5 位置検出センサ
15 溝
101 固定部
111 可動部
103 充電部
113 蓄電部
200 ウェハ(基板)
217 ボート(基板保持部材)
Claims (1)
- 基板を保持する溝を有する基板保持部材に対し、前記溝の位置の測定結果に基づき動く基板搬送手段を用いて前記基板保持部材の溝に基板を搬送し、前記基板の搬送された基板保持部材を反応室に収納して、基板を加熱し反応室に反応ガスを供給しつつ排気して前記基板を処理する基板処理装置において、
前記基板搬送手段に、前記基板保持部材にアクセスして前記基板保持部材の溝の位置を測定する位置測定手段を設け、
前記位置測定手段は、前記基板保持部材にアクセス可能な可動部と、可動部がアクセスしないとき可動部と接触可能な固定部とを備え、
前記位置測定手段の可動部側に基板保持部材の溝の位置を検出する検出部と、前記検出部の電源となる蓄電部とを設け、
前記固定部側に前記蓄電部を充電する充電部を設けて、
前記位置検出手段の可動部が固定部に接触するとき、前記可動部側に設けた蓄電部と前記固定部側に設けた充電部とが通電するように構成した
ことを特徴とする基板処理装置。
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2003
- 2003-03-17 JP JP2003072635A patent/JP2004281821A/ja active Pending
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