JP2004281226A - 密閉型蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密閉式蓄電池は、合成樹脂の成形体からなる封口部材1に設けた筒状の透孔2に、電池の内部に収納した電極と電池の外面に配置した端子とを結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材3を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面と液密に当接してなる密閉式蓄電池において、前記接続部材の透孔との当接面に環状凸部11を設け、接続部材の封口部材との当接右面にシール剤12からなる層を、接続部材および封口部材の内面に撥水性の層13を配置する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉型蓄電池に関するものであり、合成樹脂の成型体からなる封口部材に設けた透孔に、電極と電池の端子を結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面とを気密に当接してなる密閉式蓄電池に関するものである。特に電池内圧の大きさに呼応して、電池の内部に収容した正極と負極のうち、一方の電極と電池の外面に配置した端子とを結ぶ電気回路のONとOFFの切り替えを司るスイッチ機能(圧力スイッチ機能)を有する密閉型蓄電池に関するものである。なおここでいう密閉型蓄電池とは完全な密閉式蓄電池のみでなく、制御弁式鉛蓄電池など逆止弁を備える蓄電池を含む。
【0002】
【従来の技術】
密閉形のアルカリ蓄電池や制御弁式鉛蓄電池等の密閉型蓄電池は、耐過充電特性に優れ、一般ユーザーにとって使い易い電池であるところから、携帯電話、小型電動工具、小型パーソナルコンピュータ等の携帯用小型電子機器類用の電源、自動車積載用電源および非常用電源として広く利用されている。
【0003】
従来より密閉型アルカリ蓄電池においてよく用いられる構成は、図8に示すように正極、セパレータおよび負極からなる極板群を金属製の有底筒状の電槽23内に収容し、電槽の開口端に合成樹脂成形体からなるガスケット27を介して金属製の蓋24を載置し電槽23の開口端を折り曲げて蓋24とガスケット27、電槽23とガスケット27をそれぞれ気密に当接させ、かつ、端子25と蓋24に囲まれた空間に配置した合成ゴムの成形体からなる弾性体28を蓋24の上面に押し当て蓋24の中央に設けた排気用の小孔29を弾性体28で塞ぐことにより気密に密閉していた。また、電極(正極)22と外面に端子25を接合した蓋24とをタブ端子26で接続していた。
【0004】
図8に示した従来の密閉式アルカリ蓄電池の場合は、急速充電や過充電などによって電池内に気体が発生し、電池の内圧が異常に高くなったときには、電池の内圧により前記弾性体が上方に押し上げられて透孔29が開口し電池内の気体は、蓋4に設けた透孔29および端子25に設けた透孔30を経由して外部に排気される(ベント機能の作動。ここでいう電池の内圧が異常に高くなるとは、ベント機能が作動するに至った状況を指す)。
【0005】
前記充電によって発生する気体は、電解液を構成する水分子が分解あるいは電池温度が上昇して気化することによって生成したものである。従って、ベント機能が作動して電池内の気体を外部に排出すると電解液量が減少し、電池性能の低下に直結するので好ましくない。このような問題は、高率で充電しようとした場合に顕著に現れる。
【0006】
従来、急速充電(高率充電)とは言っても充電を完了するまでに少なくとも1時間を要していた。しかし、最近30〜15分間という短時間で充電を完了させる高率充電が要求されるようになり、前記従来の密閉型電池で適用するのが困難な状況にある。
【0007】
充電時における電池の内圧の異常な上昇や電池温度の上昇を避ける方法として密閉式電池に前記圧力スイッチ機能を持たせることが提案されている。該提案によれば、圧力スイッチ機能を働かせることによって電池温度が電池にとって好ましい温度範囲の上限を超えて上昇しないように電池温度を制御できるとしている。
【0008】
【特許文献1】
WO 02/35618 A1 号公報(FIG.2A、FIG.2B)
【0009】
特許文献5によれば、図7に示すように筒状の電槽11の開放端(図の上部)に、電気絶縁性の封口部材1とリング状金属板5を配置し、封口部材1の中心部分に筒状の透孔2を設け、該透孔に電極10と端子6を結ぶ電気回路を構成する接続部材3を貫通させている。
【0010】
透孔2の内壁と接続部材3の側壁、封口部材1の外周面と電槽の内壁およびリング状金属板5の外周壁と封口部材1をそれぞれ気密に当接させることによって電池を気密に密閉している。
【0011】
電極10と接続部材3とはタブ端子9を介して接続している。接続部材の側壁上部にはリング状の金属製接続片4が接合されており、該接合片4の上面および接続部材3の上部は図に示すように電気絶縁層8で被覆している。前記リング状金属板5の外面(図では上の面)には端子6が接合されており、端子6とリング状金属板5で囲まれた空間に弾性体7を挿入し、該弾性体7によって接続部材3を電池の内側方向(図では下方向)に押圧している。
【0012】
電池の内圧が規定値以下のときは、弾性体7の押圧力が電池の内圧に勝るため、接続部材3が電池の内方向(図では下方)に押されて、図に示すように、接続片4の下面がリング状金属板5の上面に当接し電極10と端子6を結ぶ回路はONになる。電池の内圧が規定値を超えたときには、電池の内圧が弾性体7の押圧力に勝るため接続部材3が電池の外方向(図では上方向)押されて、接続片8とリング状金属板5が離れて電気回路がOFFに切り替わる。
【0013】
前記封口部材と金属製接続部材の当接箇所の液密性が不十分だと、該当接箇所の間を通って漏液する虞がある。特に30〜15分間で充電を終了させるという高率で充電した場合、電池の内圧が高まり、該内圧によって電解液が押し出されるために漏液が発生し易くなる。漏液が発生すると、電解液の減少による性能の低下を来したり、圧力スイッチの接触部分にソルテイングが生じ、接触不良になって電極と端子間が導通不能になるために電池が使用不能になる虞がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みなされたものであって、合成樹脂の成形体からなる封口部材に設けた筒状の透孔に、電池の内部に収納した電極と電池の外面に配置した端子とを結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面とを液密に当接してなる密閉式蓄電池において、接続部材と封口部材の当接面の液密性を高めて漏液の発生を防ぐものであり、電池性能が低下するのを抑制し、電池内部において回路の導通不良が生じない蓄電池を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合成樹脂の成形体からなる封口部材に設けた筒状の透孔に、電池の内部に収納した電極と電池の外面に配置した端子とを結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面とを気密に当接してなる密閉式蓄電池において、前記封口部材は弾性を有し、前記接続部材を前記透孔に貫通させることによって、前記透孔を拡張し、透孔を拡張変形された封口部材の復元力によって透孔の壁面を前記接続部材の壁面に押圧してなり、前記接続部材の前記透孔の壁面との当接面に環状凸部を設ける。本発明では接続部材に環状凸部を設けることによって、接続部材と封口部材の当接面積を小さくしているので、前記押圧力は小さい面積に集中し、環状凸部の先端に大きな押圧力が加わる。このことによって接続部材と封口部材の当接箇所の液密性を向上させ、電解液が接続部材の表面を伝って這い上がろうとするのを抑制することができる。
【0016】
また、本発明は、合成樹脂の成形体からなる封口部材に設けた筒状の透孔に、電極と外部端子とを結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面とを気密に当接してなる密閉型蓄電池において、前記封口部材は弾性を有し、前記接続部材を前記透孔に貫通させることによって、前記透孔を拡張し、透孔を拡張変形された封口部材の復元力によって透孔の壁面を前記接続部材の壁面に押圧してなり、前記接続部材の壁面のうち、少なくとも前記封口部材の透孔の壁面と当接する壁面にシール剤を配する。該シール剤を配置することによって電解液が接続部材の表面を伝って這い上がるのを抑制することができる。
【0017】
また、本発明は、合成樹脂の成形体からなる封口部材に設けた筒状の透孔に、電極と外部端子とを結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面とを気密に当接してなる密閉型蓄電池において、前記接続部材および封口部材が電池内空間に面する壁面に撥水性の層を配する。該撥水性の層を配置することによって、前記接続部材および封口部材が電池内空間に面する壁面に電解液が付着するのを抑制し、電池の内圧が上昇した場合にも該内圧によって電解液が押し出されたり、排出されるガスと一緒に電解液が放出されるのを抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、ニッケル電極を正極とするアルカリ電池を例に採り、図面に基づいて説明する。
(本発明の第1の実施形態)
図1は、本発明に係るアルカリ蓄電池の封口構造に関して、その第1の実施形態を説明するための図であって、円筒型密閉式アルカリ蓄電池の上部封口部分の断面図である。基本的な構造は、前記図7に示した従来例ものと同じであるが、前記接続部材3の前記封口部材1の中心部分に設けた透孔の壁面2に当接する壁面に環状凸部11を設けた点で相違している。本発明においては、前記接続部材の軸部の外径を封口部材1の透孔の内径より大きくしており、接続部材の軸部を前記透孔に貫通させたときに透孔が押し広げられる。該貫通によって封口部材が変形し、封口部材の持つ弾性に基づく復元力によって前記環状凸部の先端部分の極小さい面積に封口部材による押圧力が集中的に加わる。前記封口部材1は、合成樹脂の成形体であって、その材質は特に限定されるものではないが、耐クリープ性に優れたポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン等の樹脂が好適である。接続部材3は、ニッケルもしくは鉄にニッケルメッキを施した金属製のものが好適である。
【0019】
(本発明の第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る円筒型密閉式アルカリ蓄電池の上部封口部分の断面図である。基本的な構造は、前記図1に示した前記第1の実施形態と同じであるが、接続部材に設けた環状凸部の先端の断面形状が円弧状である点で相違している。該構成においては、前記環状凸部の先端の連なりが線であって、一つの円を形成している。該構成とすることによって、前記第1の実施形態に比べて接続部材と透孔の壁面が当接する面積がさらに小さくでき、環状凸部にはさらに大きな押圧力が加わるので接続部材と封口部材の当接部分の液密性を向上させることができる。
【0020】
(本発明の第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る円筒型密閉式アルカリ蓄電池の上部封口部分の断面図である。基本的な構造は、前記図1に示した前記第1の実施形態と同じであるが、接続部材に設けた環状凸部の先端の断面形状が鋭角に尖っている点で相違している。本第3の実施形態においても前記第2の実施形態同様に、前記環状凸部の先端の連なりが線であって、一つの円を形成している。第2の実施形態同様に接続部材と封口部材の当接部分の液密性を向上させることができる。
【0021】
(本発明の第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る円筒型密閉式アルカリ蓄電池の上部封口部分の断面図である。基本的な構造は、前記図7に示した従来の密閉型蓄電池の構造と同じであるが、接続部材の封口部材との当接面に接続部材との密着性に優れたシール材を配置した点で相違している。該シール剤を配置することによって電解液が接続部材の表面を伝って這い上がるのを抑制することができる。
【0022】
本発明に適用するシール剤の材質、シール剤層の厚さは特に限定されるものではないが、前記シール剤は、金属製の前記接続部材との密着正の高いものが好ましい。例えば、アスファルトピッチやポリアミド系樹脂が好ましい。アスファルトピッチは有機溶媒を用いて適度の濃度の溶液とし前記接続部材の壁面あるいは、封口部材の透孔の壁面に塗布したのち溶媒を揮発させて塗膜を形成させる。ポリアミド樹脂の場合は有機溶媒を用いて適度の濃度の溶液とし接続部材の壁面に塗布し、溶媒を揮発させたのち100〜120℃に加熱して樹脂を接続部材表面に接着させる。シール剤層の厚さは1〜20μmが好ましい。また、シール剤と封口部材に設けた透孔の壁面の密着を高めるために、封口部材の透孔に接続部材を貫通させた後、シール剤の軟化点よりも高い温度に一旦加熱することが好ましい。
【0023】
さらに、電解液による濡れを防ぐ意味で、前記シール剤は苛性アルカリの水溶液等の電解液との接触角が大きいものが好ましい。具体的には、接触角が80度以上が好ましく、100度以上がさらに好ましい。このような条件を満たすものとしてブローンアスファルト等のアスファルトピッチや、ポリテトラフロロエチレン、ポリ3フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。なお、シール剤の電解液との接触角は、1〜20μmのシール剤をコートした板状試料を用いて公知の方法により測定することができる。
【0024】
(本発明の第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態に係る円筒型密閉式アルカリ蓄電池の上部封口部分の断面図である。基本的な構造は、前記図3に示した前記第3の実施形態と同じであるが、図5に示したように、接続部材の封口部材との当接面に接続部材との密着性に優れたシール材12を配置した点で前記第3の実施形態と相違している。
【0025】
(本発明の第6の実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態に係る円筒型密閉式アルカリ蓄電池の上部封口部分の断面図である。基本的な構造は、前記図5に示した前記第5の実施形態と同じであるが、電極10と接続部材3を結ぶタブ状リード9の表面に前記シール剤の被膜を配した点、および接続部材3および封口部材1の電池の内部空間に面する表面に撥水性の被膜13を設けた点で相違している。タブ状リード9の表面にシール剤の被膜12を配置することによって、電解液がタブ状リードを伝い接続部材に這い上がろうとするのを抑制することができる。
【0026】
また、接続部材3および封口部材1の電池の内部空間に面する表面に撥水性の被膜13を設けることによって、例えば注液工程などで、電解液が接続部材や封口部材の内壁面に付着するのを防ぐことができる。前記電解液が付着すると、電池の内圧が高まったときに該内圧によって電解液が気体と共に押し出されて漏液に至る虞があるが、本実施形態に係る蓄電池の場合は電解液が接続部材および封口部材の内面に付着することを防止できるので電池の内圧が高まった場合に気体のみを放出し電解液が押し出されるのを抑制することができる。例えば図6にに示したように封口部材1に肉薄部分14を設けて、電池の内圧が上昇したときに前記肉薄部分14を開口させて気体を放出させようとする場合(ベントの作動)、前記肉薄部分の内壁面近傍に電解液が付着していると該電解液は気体と共に勢い良く外に放出されるが、封口部材の1の内面に電解液が付着しないようにすることによって、ベントが作動しても電解液の放出が抑制されるので、充電器など機器を損傷させる虞を低減することができる。
【0027】
前記撥水性被膜の構成材料は特に限定されるものではないが、前記電解液との接触角が80度以上が好ましく、100度以上がさらに好ましい。具体的には、ポリテトラフロロエチレン、ポリ3フッ化塩化エチレン等のフッ素樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、シリコーン等のシリコン樹脂、アスファルトピッチなどの撥水性の材料を適用することができる。また、撥水層の厚さは特に限定されるものではないが、1〜20μmであることが好ましい。
【0028】
(実施例)
(実施例1)
(評価用蓄電池の作製)
周知の方法により、容量が2000mAhのAAサイズの円筒型ニッケル水素蓄電池を作製した。ただし、正極と正極端子を結ぶ回路および電槽の開放端の封口構造を前記第1の実施形態に示した構造とした。図1に示した第1の実施形態において接続部材3として鉄にニッケルメッキを施したものを採用し、接続部材の壁面に3本の環状凸部を設けた。接続部材の封口部材1の透孔2の壁面との当接長さ(図の縦の長さ)を3mm、外径(環状凸部を設けた部分の直径)を2.5mmとした。凸部の断面形状を矩形とし、凸部の幅を0.3mm、凸部の高さを0.5mmとした。凸部と凸部の間の間隔を0.5mmとした。封口部材1は6−6ナイロンからなる成形体とし、透孔2の内径を2.2mm、透孔の長さを2.5mm、透孔を形成する筒部の肉厚を1.2mm、中央平板状部分の肉厚を1mmとした。また、正極の上端に厚さ0.05mm、幅3mm、長さ5mmのタブ状リードの一端を接合し、他端を接続部材3の底面に接合した。該蓄電池を実施例1とする。なお、詳細は省略するが、電槽8の封口部材1との当接面に、厚さ10μmのブローンアスファルトの塗布層を設けた。
【0029】
(評価用蓄電池の評価試験1)
前記評価用蓄電池30個を周知の方法にて化成し、化成終了後に温度20℃において1.65Vの定電圧で15分間充電し、1時間休止後0.2ItAで電池電圧が1.0Vになるまで放電した。該充放電を1サイクルとして充放電を5サイクル繰り返し行った。充放電サイクル終了後の電池を1.65Vの定電圧で15分間充電した後、電池を温度90℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内に移し、48時間放置した。48時間経過後に電池を取り出し、蓄電池の蓋の外面にクレゾールレッド水溶液を滴下し、蓋の外面にアルカリが存在するか否かを調べた。
【0030】
(評価用蓄電池の評価試験2)
前記評価1同様化成終了後の蓄電池30個を、評価1と同様の充放電条件にて100サイクル充放電を繰り返し行った。充放電サイクル終了後の蓄電池の蓋の外面にアルカリが存在するか否かを前記評価試験1と同様の方法で調べた。
【0031】
(実施例2)
前記実施例1において、接続部材の環状凸部の先端の断面形状を、図2に示した前記第2の実施形態のように半円状とした。その他は実施例1と同じとした。該蓄電池を実施例2とし、前記実施例1と同様の評価試験に供した。
(実施例3)
前記実施例1において、接続部材の環状凸部の断面形状を、図3に示した前記第3の実施形態のように2等辺3角形とした。その他は実施例1と同じとした。該蓄電池を実施例3とし、前記実施例1と同様の評価試験に供した。
【0032】
(実施例4)
正極と正極端子を結ぶ回路および電槽の開放端の封口構造を、図4に示した前記第4の実施形態と同じ構造とした。前記接続部材の外径を2.5mm、封口部材1の透孔2の内径を2.2mmとし、接続部材1の、前記透孔2の壁面との当接面に公知の方法によりブローンアスファルトを塗布した。ブローンアスファルトの塗布厚さを10μmとし、その他は実施例1と同じとした。該蓄電池を実施例4とし、前記実施例1と同様の評価試験に供した。
(実施例5)
正極と正極端子を結ぶ回路および電槽の開放端の封口構造を、前記図5に示した前記第5の実施形態と同じ構造とした。図5に示したように、実施例4と同様に接続部材1の前記透孔2の壁面との当接面に公知の方法によりブローンアスファルトを塗布した。ブローンアスファルトの塗布厚さを10μmとし、その他は実施例1と同じとした。該蓄電池を実施例5とし、前記実施例1と同様の評価試験に供した。
(実施例6)
前記実施例5において、図6に示したようにタブ状リード9の表面にブローンアスファルトを塗布した。塗布膜の厚さを10μmとした。さらに接続部材3および封口部材1の内面にブローンアスファルトからなる撥水層13を設けた。該撥水層の厚さを10μmとした。また、封口部材1の平板部分に図6に示すように厚さ0.2mmの肉薄部14からなる防爆弁を設けた。該蓄電池を実施例6とし、前記実施例1と同様の評価試験に供した。
【0033】
(比較例1)
前記実施例4において接続部材の接続部材1の、前記透孔2の壁面との当接面に公知の方法によりブローンアスファルトを塗布しなかった。その他は実施例4と同じとした。該蓄電池を比較例1とし、前記実施例1と同様の評価試験に供した。
【0034】
実施例1〜実施例6および比較例1の評価試験1および評価試験2の試験結果を表1に示す。
【表1】
【0035】
表1に示す如く、本発明に係るいずれの実施例も、比較例1に比べて耐漏液性が優れている。実施例1〜実施例3の耐漏液性が優れているのは、接続部材の、封口部材の透孔との当接面に環状凸部を設けた効果によるものと考えられる。特に実施例2および実施例3の効果が顕著である。このことから、前記環状凸部の先端の連なりが線であって、一つの円をなすようにすると顕著な効果が得られることが判る。
【0036】
実施例4の耐漏液性が優れているのは、接続部材の、封口部材との当接面にシール剤を配置した効果によるものと考えられる。実施例5の場合は接続部材の封口部材との当接面に環状凸部を設けたこととシール剤を配置した効果が相俟って優れた耐漏液性を示したものと考えられる。実施例6の場合は、さらにタブ状リド表面にシール剤を塗布したので電解液の這い上がりを抑制する効果によって優れた耐漏液性が得られたものと考えられる。
【0037】
(比較例2)
前記比較例1において、実施例6と同様封口部剤1の平板部分に図6に示すように厚さ0.2mmの肉薄部14からなる防爆弁を設けた。該蓄電池を比較例2とした。
【0038】
(評価用蓄電池の評価試験3)
前記実施例6及び比較例2の化成終了後の電池を各々20個づつ用意し、各々の電池の上部内部空間に通じる小孔を設けた。該小孔を通して内部空間に窒素を送り込み最大5メガパスカル(MPa)の加圧を行った後、目視により漏液の有無を調べた。
【0039】
表2に評価試験3の試験結果を示す。
【表2】
【0040】
試験に供した電池のうち全ての電池でガスの放出が確認された。表2に示したように、電池の内圧が高まりガスが放出された場合においても、本発明に係る実施例6は漏液が抑制されている。これは、接続部材、封口部材の内面に撥水層を設けることによって、同内面に電解液が付着するのを防ぐことができ、ガスが放出された場合においてもガスと一緒に電解液が放出されるのを抑制できたためと考えられる。
【0041】
以上詳述した如く、本発明は密閉型蓄電池の耐漏液性の向上に顕著な効果を奏するものである。なお、本発明に係る密閉型蓄電池の形状、寸法、部材の形状、寸法、材質等は前記実施例に記載の内容に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0042】
本発明の請求項1によれば、前記合成樹脂成形体からなる封口部材を電極と端子を結ぶ電気回路を構成する接続部材を貫通させてなる密閉型蓄電池において、封口部材と接続部材の壁面の当接圧力を高めることにより、液密性を高め、漏液を抑制した密閉型蓄電池を提供することができる。
【0043】
本発明の請求項2によれば、前記合成樹脂成形体からなる封口部材に、電極と端子を結ぶ電気回路を構成する接続部材を貫通させてなる密閉型蓄電池において、封口部材と接続部材の壁面の当接圧力をさらに高めることができる。
【0044】
本発明の請求項3および請求項4によれば、前記電極と端子を結ぶ電気回路を伝って電解液が這い上がり漏液にいたるのを抑制することができる。
【0045】
本発明の請求項5によれば、電池内の内圧が高まった場合においても漏液するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の1実施形態に係る密閉式アルカリ蓄電池内部の要部を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の1実施形態に係る密閉式アルカリ蓄電池内部の要部を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の1実施形態に係る密閉型アルカリ蓄電池内部の要部を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の1実施形態に係る密閉型アルカリ蓄電池内部の要部を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の1実施形態に係る密閉型アルカリ蓄電池内部の要部を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の1実施形態に係る密閉型アルカリ蓄電池内部の要部を示す断面図である。
【図7】図7は、従来の1実施例に密閉型アルカリ蓄電池内部の要部を示す断面図である。
【図8】図8は、従来の密閉型電池の封口の構造を示す電池要部の断面図である。
【符号の説明】
1 封口部材
2 透孔
3 接続部材
11 環状凸部
12 シール剤
13 撥水性層
Claims (5)
- 合成樹脂の成形体からなる封口部材に設けた筒状の透孔に、電極と外部端子とを結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面とを気密に当接してなる密閉型蓄電池において、前記封口部材は弾性を有し、前記接続部材を前記透孔に貫通させることによって、前記透孔を拡張し、透孔を拡張変形された封口部材の復元力によって透孔の壁面を前記接続部材の壁面に押圧してなり、前記接続部材の前記透孔の壁面との当接面に環状凸部を設けたことを特徴とする密閉型蓄電池。
- 前記環状凸部の先端の連なりが線であって、一つの円を形成している請求項1に記載の密閉型蓄電池。
- 合成樹脂の成形体からなる封口部材に設けた筒状の透孔に、電極と外部端子とを結ぶ電気回路を構成する金属製接続部材を貫通させ、前記透孔の壁面と接続部材の壁面とを気密に当接してなる密閉型蓄電池において、前記封口部材は弾性を有し、前記接続部材を前記透孔に貫通させることによって、前記透孔を拡張し、透孔を拡張変形された封口部材の復元力によって透孔の壁面を前記接続部材の壁面に押圧してなり、前記接続部材の壁面のうち、少なくとも前記封口部材の透孔の壁面と当接する壁面にシール剤を配したことを特徴とする密閉型蓄電池。
- 前記接続部材および該接続部材に接続する電極のタブ状リードの表面を前記シール剤で被覆した請求項1〜請求項3に記載の密閉式蓄電池。
- 前記接続部材および封口部材が電池内空間に面する壁面に撥水性の層を配したことを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の密閉型蓄電池。
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