JP2004280450A - プラントモデルの自動モデリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非線形性が強い又は状態方程式が未知なプラントに対しても、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができ、納入・運用後は経年劣化に対しても追従する。
【解決手段】プラント挙動をモデリングするために使用するデータを記憶するデータ記憶手段2に記憶されているデータからプラント挙動をモデリングするモデリング手段3と、プラント挙動をモデリングするために使用するデータ及びモデリング後のモデルの入出力処理を行う入出力手段4と、前記モデリング手段3でモデリングされたプラント挙動をシミュレーションするモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションするシミュレーション手段5とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】プラント挙動をモデリングするために使用するデータを記憶するデータ記憶手段2に記憶されているデータからプラント挙動をモデリングするモデリング手段3と、プラント挙動をモデリングするために使用するデータ及びモデリング後のモデルの入出力処理を行う入出力手段4と、前記モデリング手段3でモデリングされたプラント挙動をシミュレーションするモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションするシミュレーション手段5とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラントシミュレーションにおいて必要とするプラントモデルを自動的にモデリングし、またプラントシミュレーションにおけるモデルパラメータを自動フィッティングする、プラントモデルの自動モデリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上下水道プラントをはじめとし、鉄鋼プラントなどの産業プラント、地域冷暖房プラントや各ビルごとの熱源プラント、発電所等のプラント運用においては、プラントの安全又は効率的もしくはその両方を満たすように、プラントの数学的もしくは物理的なモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションすることが行われる。
【0003】
このようなプラント挙動のシミュレーションには、プラントの数学的もしくは物理的なモデルを、計測値もしくはこれに代替可能な数値データからモデリングすることが行われ、シミュレーションモデルの非線形性が強い又は一般的に状態方程式が未知な場合は、専門知識を有する技術者が近似モデルを求めていた。
【0004】
また、シミュレーションモデルがプラントの経年変化に追従できないと、シミュレーションした挙動が現実と乖離してしまうので、モデル特性パラメータもまた専門知識と経験を有する技術者によって調整されていた。
【0005】
一方、上述したような特性パラメータの調整を、専門知識等を有する技術者によって行う手法に代えて、計算機によりパラメータを導出する手法が提案されている(特許文献1,2を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−289907号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−328702
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、モデル特性パラメータだけを自動調整するものが提案されているが、このモデル特性パラメータの調整だけでなく、対象となるシステムもモデリングし、専門知識を持たない調整員でも調整可能なプラントモデルの自動モデリング装置の実現が必要となっている。
【0009】
本発明の目的は、非線形性が強い又は状態方程式が未知なプラントに対しても、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができ、納入・運用後は経年劣化に対しても追従する自動モデリングを行い、モデルパラメータの自動フィッティングを行うプラントモデルの自動モデリング装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るプラントモデルの自動モデリング装置は、プラント挙動をモデリングするために使用するデータを記憶するデータ記憶手段に記憶されているデータからプラント挙動をモデリングするモデリング手段と、プラント挙動をモデリングするために使用するデータ及びモデリング後のモデルの入出力処理を行う入出力手段と、前記モデリング手段でモデリングされたプラント挙動をシミュレーションするモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションするシミュレーション手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができ、納入・運用後はプラントの経年変化に自動的に追従し更新が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ここでは、具体的な適用対象として、上水道プラントの送水プロセスを例にする。
【0013】
上水道プラントにおいては、河川などから原水を取水ポンプで取水し、着水井を経て、凝集・沈澱・ろ過による浄水処理を行う。混和池では薬品が注入され、フロック形成池にてフロックが形成され、沈澱池にて汚物が沈澱していく。上澄み水は、ろ過池でろ過され、塩素等による殺菌処理を施されたあと、浄水池を経て、送水ポンプによって、配水池を経由して需要家である配水区へ配水される。
【0014】
図1においては、上述した上水処理後の処理、すなわち、処理水が、水位計25aが設けられた浄水池21aを経て、送水ポンプ22、電磁弁23、流量計24を経て、水位計25bが設けられた配水池21bへ送水されるプロセスを表している。
【0015】
上水道プラントの運転管理において、運転員は水の需要に対して断水させることなく水を安定的に供給することが求められる。そのため、運転員は浄水場での浄水処理のための薬品注入量や必要とされる水量に合う原水の取水及び供給(送配水)を各プロセスにおける諸条件(各池の容量や水位、ポンプや管、バルブといった構成機器の特性など)を考慮しながら判断し、プラントを運用・制御・管理している。その際、将来にわたる浄水の需要量を想定しながら、運用方針を決めるため、プロセスの挙動を予め把握できるとその意思決定が容易となる。
【0016】
将来にわたるプロセスの挙動を予め把握するためには、プロセス挙動をシミュレーションできる数学的もしくは物理的なモデルが必要となる。そのモデルには各プロセスの特性を表す特性パラメータが存在し、現在のプロセス挙動に十分な精度で追従可能なように調整することはプロセスモデルに関する専門的な知識を必要とするため、決して容易ではない。
【0017】
したがって、このような機能をシステムに組み込んだ場合、初めてプロセス挙動をシミュレーションする際には、専門的な知識をもって計測データから調整する必要がある。また、調整完了後、使用しているうちに、プロセスの経年変化などにより、特性パラメータが変化することもある。この場合にも、専門的な知識をもって計測データから調整する必要がある。
【0018】
本実施形態の自動モデリング装置1は、データ記憶手段2と、モデリング手段3と、入出力手段4と、プラントシミュレーション手段5と、更新判定手段6と、フィルタリング手段7と、モデリング選択手段8と、モデルパラメータ推定手段9とを備え、上述の課題を解決している。
【0019】
本実施形態の自動モデリング装置1におけるデータ記憶手段2は、プラント挙動をモデリングするために使用するデータを記憶する。
【0020】
モデリング手段3は、複数のモデリング手段として、自己組織化マップによりモデリングする第1モデリング手段、ネオファジーニューロンによりモデリングする第2モデリング手段、ウェーブレットニューロンによりモデリングする第3モデリング手段からなり、これら手段の一に従ってデータ記憶手段2に記憶されているデータからプラント挙動をモデリングする。
【0021】
入出力手段4は、プラント挙動をモデリングするために使用するデータやモデリング後のモデルの入出力処理を行うものであり、図1のプロセスでは、浄水池21aの水位計25a、電磁弁23、流量計24、配水池21bの水位計25b夫々の計測値が取り込まれる。
【0022】
プラントシミュレーション手段5は、モデリング手段3でモデリングされたプラント挙動をシミュレーションするモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションする。
【0023】
さらに、自動モデリング装置1における更新判定手段6は、シミュレーション精度の劣化や指定時間によりモデルの更新を必要とするか否かを判定する。フィルタリング手段7は、データ記憶装置2に記憶されているデータのうち、不適切なデータを除去する。モデリング選択手段8は、モデリング手段3の各モデリングを調整したい対象プラントの特徴に応じてユーザーがどの手段とするかを選択する。モデルパラメータ推定手段9は、モデル式が既知の場合には、そのモデル式の係数パラメータを前記記憶手段に記憶されているデータから推定する。
【0024】
さらに、各要素を詳細に説明する。すなちわ、モデリング手段3は、データ記憶手段2に記憶されているプロセスの計測データをもとにモデリングを行い、シミュレータの挙動を現実の挙動に合うようモデルを構築する。その。このファジィ推論ニューラルネットワークは、学習、推定の2つフェーズからなり、学習のフェーズにおいては、図3に示す自己組織化マップを用いて、対象のモデリングを行う。このように自己組織化マップを用いたモデリングを行うモデリング手段3によれば、教師信号を必要としないため、さまざまなプラントに適用でき、その対象の特徴を、図4に示すように、マップ上に写像することができる。
【0025】
一方、推定のフェーズでは、学習のフェーズにより求められたモデルより、ファジィ推論と呼ばれる推定法を用いて出力ベクトルの推定を行っている。
【0026】
また図2を用いて、ファジィ推論ニューラルネットワークによる出力ベクトルの推定方法について説明する。
【0027】
データ記憶手段2に記憶されているプロセスの計測データを入力ベクトルとし、ファジィ推論ニューラルネットワークへ入力する変数の数をN1とすると、入力ベクトルは、U=(u1,u2,…,ui,…,uN1)と定義し、このベクトルを入力層に入力する。また入力層のユニットiから、ルール層上のユニットjに対しての前件部メンバシップ関数は、ファジィルールの数をN2とすると、次式より算出する。
【0028】
【数1】
【0029】
ここで、wij,σijはそれぞれ、メンバシップ関数の中心値と分散値である。ルール層では各ユニットに入力されるあいまいさμijの最小値をとり、適応度と呼ばれる確かさρjを計算する。ρj=min[μ1j,μ2j,…,μij,…,μN1j]そして各ルールの後件部定数wjkを各ファジィ推論規則の適応度ρjで重み付け平均をとることによって、最終的な出力ベクトルの推定値を得る。この推定値は、出力変数の数をN3とすると次の式で与えられる。
【0030】
【数2】
【0031】
自己組織化マップの機能を用いたファジィ推論ニューラルネットワークを用いたモデリング手段3によると、上述のようなモデリングを行うことができ、ある入力ベクトルを入力したときの、対象モデルの出力ベクトルを得ることができる。
【0032】
次に、自己組織化マップの学習方法について説明する。自己組織化マップの学習の際には、自己組織化マップへの入出力ベクトルを、
U=(u1,u2,…,ui,…,uN1)、Y=(y1,y2,…,yi,…,yN2)
のように定義する。例えば、図1に示した上水道プラントの送水プロセスにおいては、入力Uには圧力や流量が入力され、出力Yには、水位などが入力される。この入出力ベクトルより学習ベクトルI=(U,0)+(0,Y)を生成し、これをもとに重みベクトル
【数3】
を求める。次に、
【数4】
より入出力ベクトルと最も類似した自己組織化マップ上のユニットを検索し、勝者ユニットとする。その勝者ユニット及びその近傍のユニットを
【数5】
により更新する。なお、この式におけるεselfは学習係数を表す。
【0033】
この勝者ユニットの決定と更新を繰り返し行うことにより、対象の特徴を写像したマップが形成される。
【0034】
次に、データフィルタリング手段7について詳細に説明する。すなわち、プロセスデータの中には、何らかの原因によって、ノイズ成分を含んでいたり、システム上の理由などにより、欠測となり、データがない場合に計算機での扱い上、マイナス値や非常に大きい値とする。このようなデータはそのプロセスモデルのモデリングに利用するには不都合であるので、除去する必要がある。そこで、自己組織化マップを用いた不適切データを除去する方法を示す。
【0035】
自己組織化マップは、先述のように特徴の似たデータは近くに集まり、特徴の違うデータはその集合から離れた場所に集合するというクラスタリング機能を持つので、データ記憶手段2に記憶されているプロセスデータを自己組織化マップに入力し、自己組織化学習により、プロセスデータの特徴マップを形成する。
【0036】
次に、不適切なデータの除去を行うために、適切なデータの集合を判別する。その際、予め欠測データやノイズの入っていない測定データを選定し、自己組織化マップに入力する。そのとき、勝者ユニットの属する集合を適切なデータの特徴を表した集合とする。
【0037】
以後、モデリングに計測データを用いる際には、そのデータを自己組織化マップに入力し、適切なデータ集合から外れたものは不適切データとして除去する。
【0038】
次に、モデリング手段3が、図5に示すようなネオファジィニューロンが適用されたものである場合について説明する。ネオファジィニューロンとは、ファジィ推論の出力ベクトル推論能力と、ニューラルネットワークの対象モデリング能力を融合させたものである。
【0039】
ファジィ推論には、一般的なIF THENルールで表される1入力1出力の簡易型ファジィ推論を用い、ニューラルネットワークには、図5に示すような、複数の基底関数と重み係数がそれぞれ線形結合され、その出力の総和がニューラルネットワークの出力となる、非線形シナプスニューロンと呼ばれるニューラルネットワークを用いる。
【0040】
非線形シナプスをL個のファジィルールで記述すると、i番目の非線形シナプスを次式のようになる。
【0041】
【数6】
【0042】
ここで、μil,wilは、それぞれi番目の非線形シナプスのl番目のファジィルールの前件部メンバシップ関数及び後件部定数を表す。ネオファジィニューロンでは、前件部メンバシップ関数に、三角形の相補型メンバシップ関数を用いるため、同時に発火するメンバシップ関数のグレード(適合度)の和が常に1になる。このことから、ネオファジィニューロンにおける非線形シナプスの出力は次式で表現する。
【0043】
【数7】
【0044】
この式より、非線形シナプスは前件部メンバシップ関数の重みつき和になる。
【0045】
ネオファジィニューロンは、後件部定数wilを学習によって調整することで、システムの入出力特性を近似する。ここでは、入力1出力のネオファジィニューロンにおける、後件部定数の学習方法について説明する。
【0046】
学習データとして、n個の要素からなるK個の入力データxk
【数8】
及び、K組のxkに対するK個の教師データ
te1,…,tek
を考え、そのときの出力を
y1,…,yk
とする。学習は、次式に示す誤差関数を定義し、その誤差関数が最小になるように勾配法(最急降下法)を用いて行う。
【0047】
【数9】
【0048】
ここで、誤差関数E(yk,tek)は、wilに関して2次関数であるので、E−wil空間上では最小値が存在せず、勾配法を用いた学習を行うと、(yk,tek)は最小値に収束し、初期値に関係なく、与えられた条件下で最適な後件部定数wilが決定される。
【0049】
一組のデータが与えられる毎に後件部定数wilを更新する逐次修正方式を適用するとwilの変更量は、
【数10】
となる。ここで、ηは学習率である。学習の速度に関しては、従来のニューラルネットワークと比較して、十分に速いことが知られている。これにより、プラントモデルを正確かつ素早くモデリングすることができる。
【0050】
次に、モデリング手段3が、図6に示すウェーブレットニューロンが適用されたものである場合について説明する。ウェーブレットニューロンは、図6における非線形シナプスの部分をウェーブレット級数展開で表現した非線形シナプスニューロンである。ウェーブレットニューロンでは、次式で定義される単峰型のウェーブレット関数を用いる。その外形は図7のようになる。
【0051】
【数11】
【0052】
このウェーブレット関数を次式に従って関数の広がりを変えるシフティング及び関数の最大値を変更するスケーリングを行うことによって、図8に示したような様々なウェーブレット基底関数を生成し、非線形シナプスにおける基底関数として用いる。
【0053】
【数12】
【0054】
ここで、dsc,dshはそれぞれスケーリングの度合いを表すパラメータ及びシフティングの度合いを表すパラメータである。
【0055】
直流成分とウェーブレット基底関数に対して、ウェーブレット係数との積和をとることでウェーブレット級数展開を実現する。i番目の非線形シナプスの入出力特性は次式で定義する。
【0056】
【数13】
はそれぞれi番目の非線形シナプスの(dsc,dsh)番目のウェーブレット基底関数及びウェーブレット係数である。この図7に示したような単峰性ウェーブレット関数を用いたウェーブレット級数展開は、その収束性が証明されており、任意の1入力1出力関数を任意の精度で近似することができる。さらに、単峰性ウェーブレット関数は、関数で囲まれた部分以外の計算を行う必要がないため、計算速度が速くなる。また、級数展開によって表現される関数は、基底関数と係数の関係の積和で表されるので、その表現された関数に基底関数の形状が現れる。基底関数の数が少ない場合には、その傾向が顕著になり、振動的な形状をもつ基底関数を用いた場合に、表現される関数も振動的になる。単峰性のウェーブレット関数を用いた場合には、その振動がある程度抑えられ、汎化能力が高くなる。
【0057】
上述したウェーブレットニューロンの性質より、モデリング手段3がウェーブレットニューロンが適用されたものである場合には、非線形性強い対象のモデリングに適したものとなる。
【0058】
次に、モデリング手法3が、図9に示すようなRadial Basis Function Network(以下RBFネットワークと呼ぶ)が適用したものである場合について説明する。RBFネットワークは、1入力1出力構成の場合に、ネオファジィニューロンの非線形シナプスと等価な構造になる。ここでは、基底関数として放射状基底関数を用いているところが異なる。一般に、次式で定義されたガウス関数gを放射状基底関数として用いる。
【0059】
【数14】
【0060】
ここで、α,βはそれぞれガウス関数の中心位置及び広がり具合を表すパラメータである。L個の基底関数を配置した場合、1入力1出力のRBFネットワークの入出力特性は次式で定義する。
【0061】
【数15】
【0062】
ここで、gl,wlはそれぞれ番目のガウス基底関数及び結合荷重である。RBFネットワークもまた、他のニューラルネットワークと同様に学習を行うことにより、結合荷重を更新し、それにより対象のモデリングを行う。
【0063】
次に、更新判別手段6について詳細に説明する。更新判別手段6は、プロセスの計測データからプラントモデルが不適切で、モデル更新が必要か否かを判定する。まず、予め自己組織化学習により正常に動作しているプラントの特徴を抽出しておき、逐次、プロセスからの出力値がどの集合に属するかを判定する。もし、正しい集合にマッピングされない場合があると、モデルに誤差が生じているということになるので、その場合にはモデルの更新を行う。その際、偶然何らかの誤動作により正しい集合にマッピングされない場合も考えられるので、連続して不適切な集合にマッピングされた場合にのみモデリング手段3を起動させる。これによってモデル更新が必要か否かを判定できる。
【0064】
次に、モデリング選択手段8について詳細に説明する。モデリング選択手段8は、プロセス条件によって取得できるデータが限られたり、モデリング精度が良くなかった場合に、モデリング手段3の各モデリング手法からユーザーが選択できるというものである。
【0065】
このモデリング選択手段8により、図示しない本装置によって選択することも可能である。このような本装置によりモデリング手段3の各モデリング手法の一を選択する場合には、計算速度やモデルの規模、教師信号を必要とするか否かなどに基づいて行う。
【0066】
次に、モデルパラメータ推定手段9について詳細に説明する。モデルパラメータ推定手段9は、モデル式が既知であり、データフィルタリング手段7によりデータ処理されたデータを用いて自己組織化マップをもとに実プラントの特性を表す適切なパラメータの推定を行うというものである。
【0067】
例えば、図1に示す送水プロセスのように、池21aから送水ポンプ22により、池21b及び池21cに送水される場合、送水ポンプ22の吐出量と揚程の関係は特性方程式
【数16】
(ただし、水頭H、吐出量Q、k1〜k3は調整すべきパラメータ)
によって表すことができる。また、このとき、電磁弁23での圧力損失は
【数17】
で表される。ただし、hI,h0は弁前後の水頭値、吐出量Q、uは弁開度とする。
【0068】
なお、式(2)におけるfv(u)は式(3)で表される。
【0069】
【数18】
このとき、調整すべきパラメータはnとなる。
【0070】
同様に、管路における圧力損失はヘーゼンウィリアムスの式より、
【数19】
で表される。ただし、hI,h0は管路前後の水頭値、流量Qとする。
【0071】
なお、式(4)におけるf1は式(5)で表される。
【0072】
【数20】
【0073】
このとき、Dは管路の口径、Lは管路長であり、調整すべきパラメータはCとなる。
【0074】
ここに、配水池21bの水位をh2、配水池21aの水位をh1とし、配水池21aから21bに至る管路の流量Qをとすると、その圧力損失は総じて(4)式及び(5)式で表せる。また、ポンプの吐出圧と流量の関係は(1)式、バルブの圧力損失は式(2)、(3)となる。すると、これらからプロセスの圧力平衡式を作成すると、以下となる。
【0075】
【数21】
【0076】
ただし、ここでは管路の圧力損失は説明を容易にするため、その特性を1つに集約しているが、実際には、管の途中で材質や口径が違ったり、バルブの1次側、2次側でも異なったりするので、管が異なる場合にはその都度、式(4)、(5)と対応するパラメータを設定し、調整する必要がある。
【0077】
いま、式(6)は非線形方程式となっているので、Q1.85をある初期流量Q=q0でのテイラー展開(3次項以降は無視)して線形化を行うと、以下のようになる。
【0078】
【数22】
【0079】
これを式(6)に代入、整理すると、
【数23】
【0080】
この式(8)において調整すべきパラメータは、k1,k2,k3,n,Cであり、これらを、自己組織化マップにより調整する。
【0081】
自己組織化マップを用いたパラメータ調整方法としては、まずデータフィルタリング手段7により処理されたプロセスデータをもとに、自己組織化マップの学習を行う。次に式(8)に示した圧力平衡式のパラメータにランダムに値を代入し、その出力を得る。ここで得た出力が自己組織化マップの学習により得られた特徴マップのどの集合に属するかを判定し、所望の集合に属した場合はそのパラメータの組を採用し、所望の集合以外に属した場合は、再度パラメータの設定を変更し、所望の集合に属するまでその操作を繰り返し行う。これにより、実プラントの特性を表す適切なパラメータの推定を行うことができる。
【0082】
モデルパラメータ推定手段9は、モデル式が既知であり、デーフィルタリング手段7によりデータ処理されたデータを用いて最急降下法などの最適化手法をもとに実プラントの特性を表す適切なパラメータの推定を行うというものである。データフィルタリング手段7により処理されたプロセスデータをもとに、実プラントのモデリングを行う。次に、モデル式からの出力をとし、モデリングにより得たモデルからの出力をとする。この実値と推定値の誤差関数
【数24】
が最小になるように次の最急降下法などの最適化手法を用いて各パラメータの調整を行う。
【0083】
【数25】
【0084】
最急降下法は、パラメータの調整を行う一例であり、ファジィ推論ニューラルネットワーク、ネオファジィニューロン、ウェーブレットニューロン、RBFネットワーク及び遺伝的アルゴリズムといったヒューリスティック最適化手法や、その他数学的手法のどれを用いてもよい。
【0085】
以上のように本実施形態によれば、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができ、納入・運用後はプラントの経年変化に自動的に追従し更新可能な、プラントモデルの自動モデリング装置を提供することができる。
【0086】
なお、図1において、データ記憶手段2は自動モデリング装置1内に構成していたが、この自動モデリング装置1の外部又は自動モデリング装置1にネットワークにより遠隔して接続されたものであっても良い。
【0087】
また、本実施形態の自動モデリング装置1は、データ記憶手段2と、モデリング手段3と、入出力手段4と、プラントシミュレーション手段5と、更新判定手段6と、フィルタリング手段7と、モデリング選択手段8と、モデルパラメータ推定手段9とを備えたものとしたが、データ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置として構成することができ、また、このデータ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置に、更新判定手段6と、フィルタリング手段7と、モデリング選択手段8と、モデルパラメータ推定手段9とのうち少なくとも一つを組み合わせた装置であっても良い。
【0088】
例えば、このデータ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置に、フィルタリング手段7としてモデル式が既知であり,モデルパラメータを推定する際に自己組織化マップを用いてパラメータフィッティングを行うように構成した場合は、自動モデリングとモデルパラメータの自動フィッティングが可能な装置が提供できるものである。
【0089】
また、このデータ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置に、最急降下法およびその他各種最適化手法を用いてモデルパラメータの推定を行うように構成した場合は、自動モデリングとモデルパラメータの自動フィッティングが可能な装置が提供できるものである。
【0090】
さらに、本発明は、上水道プラントだけでなく、下水道プラントはもちろん、鉄鋼プラントなどの産業プラント、地域冷暖房プラントや各ビルごとの熱源プラント、発電所等のプラント運転に関わる運用監視制御システムにも適用できる。また、オフラインでも計測値が与えられれば、対象をモデリングすることが可能なので、制御系設計のためのモデル同定ツールとしても使用可能であることはいうまでもない。
【0091】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができる。また、プラントの経年変化に対してもモデルを自動更新するので、その変化に追従することを可能としたプラントモデルの自動モデリング装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として上水道プラント送水プロセスにおけるプラントモデルのモデリング装置を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるファジィ推論ニューラルネットワークの構成を表す図。
【図3】同実施形態における自己組織化マップの構成を表す図。
【図4】同実施形態における自己組織化マップのユニットの更新及び、それにより形成される特徴マップの例を示す図。
【図5】同実施形態におけるネオファジィニューロンの構成を表す図。
【図6】同実施形態におけるウェーブレットニューロンの構成を表す図。
【図7】同実施形態におけるウェーブレットニューロンに用いる単峰性のマザーウェーブレット関数の外形を示す図。
【図8】同実施形態におけるウェーブレットニューロンに用いるウェーブレット基底関数の外形を示す図。
【図9】同実施形態におけるRBFネットワークの構成を表す図。
【符号の説明】
1…プラントモデリング装置、2…データ記憶手段、3…モデリング手段、4…入出力手段、5…プラントシミュレーション手段、6…更新判定手段、7…データフィルタリング手段、8…モデリング手法選択手段、21a…浄水池、21b…配水池、22…送水ポンプ、23…電磁弁、24…流量計、25…水位計。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラントシミュレーションにおいて必要とするプラントモデルを自動的にモデリングし、またプラントシミュレーションにおけるモデルパラメータを自動フィッティングする、プラントモデルの自動モデリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上下水道プラントをはじめとし、鉄鋼プラントなどの産業プラント、地域冷暖房プラントや各ビルごとの熱源プラント、発電所等のプラント運用においては、プラントの安全又は効率的もしくはその両方を満たすように、プラントの数学的もしくは物理的なモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションすることが行われる。
【0003】
このようなプラント挙動のシミュレーションには、プラントの数学的もしくは物理的なモデルを、計測値もしくはこれに代替可能な数値データからモデリングすることが行われ、シミュレーションモデルの非線形性が強い又は一般的に状態方程式が未知な場合は、専門知識を有する技術者が近似モデルを求めていた。
【0004】
また、シミュレーションモデルがプラントの経年変化に追従できないと、シミュレーションした挙動が現実と乖離してしまうので、モデル特性パラメータもまた専門知識と経験を有する技術者によって調整されていた。
【0005】
一方、上述したような特性パラメータの調整を、専門知識等を有する技術者によって行う手法に代えて、計算機によりパラメータを導出する手法が提案されている(特許文献1,2を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−289907号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−328702
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、モデル特性パラメータだけを自動調整するものが提案されているが、このモデル特性パラメータの調整だけでなく、対象となるシステムもモデリングし、専門知識を持たない調整員でも調整可能なプラントモデルの自動モデリング装置の実現が必要となっている。
【0009】
本発明の目的は、非線形性が強い又は状態方程式が未知なプラントに対しても、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができ、納入・運用後は経年劣化に対しても追従する自動モデリングを行い、モデルパラメータの自動フィッティングを行うプラントモデルの自動モデリング装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るプラントモデルの自動モデリング装置は、プラント挙動をモデリングするために使用するデータを記憶するデータ記憶手段に記憶されているデータからプラント挙動をモデリングするモデリング手段と、プラント挙動をモデリングするために使用するデータ及びモデリング後のモデルの入出力処理を行う入出力手段と、前記モデリング手段でモデリングされたプラント挙動をシミュレーションするモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションするシミュレーション手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができ、納入・運用後はプラントの経年変化に自動的に追従し更新が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ここでは、具体的な適用対象として、上水道プラントの送水プロセスを例にする。
【0013】
上水道プラントにおいては、河川などから原水を取水ポンプで取水し、着水井を経て、凝集・沈澱・ろ過による浄水処理を行う。混和池では薬品が注入され、フロック形成池にてフロックが形成され、沈澱池にて汚物が沈澱していく。上澄み水は、ろ過池でろ過され、塩素等による殺菌処理を施されたあと、浄水池を経て、送水ポンプによって、配水池を経由して需要家である配水区へ配水される。
【0014】
図1においては、上述した上水処理後の処理、すなわち、処理水が、水位計25aが設けられた浄水池21aを経て、送水ポンプ22、電磁弁23、流量計24を経て、水位計25bが設けられた配水池21bへ送水されるプロセスを表している。
【0015】
上水道プラントの運転管理において、運転員は水の需要に対して断水させることなく水を安定的に供給することが求められる。そのため、運転員は浄水場での浄水処理のための薬品注入量や必要とされる水量に合う原水の取水及び供給(送配水)を各プロセスにおける諸条件(各池の容量や水位、ポンプや管、バルブといった構成機器の特性など)を考慮しながら判断し、プラントを運用・制御・管理している。その際、将来にわたる浄水の需要量を想定しながら、運用方針を決めるため、プロセスの挙動を予め把握できるとその意思決定が容易となる。
【0016】
将来にわたるプロセスの挙動を予め把握するためには、プロセス挙動をシミュレーションできる数学的もしくは物理的なモデルが必要となる。そのモデルには各プロセスの特性を表す特性パラメータが存在し、現在のプロセス挙動に十分な精度で追従可能なように調整することはプロセスモデルに関する専門的な知識を必要とするため、決して容易ではない。
【0017】
したがって、このような機能をシステムに組み込んだ場合、初めてプロセス挙動をシミュレーションする際には、専門的な知識をもって計測データから調整する必要がある。また、調整完了後、使用しているうちに、プロセスの経年変化などにより、特性パラメータが変化することもある。この場合にも、専門的な知識をもって計測データから調整する必要がある。
【0018】
本実施形態の自動モデリング装置1は、データ記憶手段2と、モデリング手段3と、入出力手段4と、プラントシミュレーション手段5と、更新判定手段6と、フィルタリング手段7と、モデリング選択手段8と、モデルパラメータ推定手段9とを備え、上述の課題を解決している。
【0019】
本実施形態の自動モデリング装置1におけるデータ記憶手段2は、プラント挙動をモデリングするために使用するデータを記憶する。
【0020】
モデリング手段3は、複数のモデリング手段として、自己組織化マップによりモデリングする第1モデリング手段、ネオファジーニューロンによりモデリングする第2モデリング手段、ウェーブレットニューロンによりモデリングする第3モデリング手段からなり、これら手段の一に従ってデータ記憶手段2に記憶されているデータからプラント挙動をモデリングする。
【0021】
入出力手段4は、プラント挙動をモデリングするために使用するデータやモデリング後のモデルの入出力処理を行うものであり、図1のプロセスでは、浄水池21aの水位計25a、電磁弁23、流量計24、配水池21bの水位計25b夫々の計測値が取り込まれる。
【0022】
プラントシミュレーション手段5は、モデリング手段3でモデリングされたプラント挙動をシミュレーションするモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションする。
【0023】
さらに、自動モデリング装置1における更新判定手段6は、シミュレーション精度の劣化や指定時間によりモデルの更新を必要とするか否かを判定する。フィルタリング手段7は、データ記憶装置2に記憶されているデータのうち、不適切なデータを除去する。モデリング選択手段8は、モデリング手段3の各モデリングを調整したい対象プラントの特徴に応じてユーザーがどの手段とするかを選択する。モデルパラメータ推定手段9は、モデル式が既知の場合には、そのモデル式の係数パラメータを前記記憶手段に記憶されているデータから推定する。
【0024】
さらに、各要素を詳細に説明する。すなちわ、モデリング手段3は、データ記憶手段2に記憶されているプロセスの計測データをもとにモデリングを行い、シミュレータの挙動を現実の挙動に合うようモデルを構築する。その。このファジィ推論ニューラルネットワークは、学習、推定の2つフェーズからなり、学習のフェーズにおいては、図3に示す自己組織化マップを用いて、対象のモデリングを行う。このように自己組織化マップを用いたモデリングを行うモデリング手段3によれば、教師信号を必要としないため、さまざまなプラントに適用でき、その対象の特徴を、図4に示すように、マップ上に写像することができる。
【0025】
一方、推定のフェーズでは、学習のフェーズにより求められたモデルより、ファジィ推論と呼ばれる推定法を用いて出力ベクトルの推定を行っている。
【0026】
また図2を用いて、ファジィ推論ニューラルネットワークによる出力ベクトルの推定方法について説明する。
【0027】
データ記憶手段2に記憶されているプロセスの計測データを入力ベクトルとし、ファジィ推論ニューラルネットワークへ入力する変数の数をN1とすると、入力ベクトルは、U=(u1,u2,…,ui,…,uN1)と定義し、このベクトルを入力層に入力する。また入力層のユニットiから、ルール層上のユニットjに対しての前件部メンバシップ関数は、ファジィルールの数をN2とすると、次式より算出する。
【0028】
【数1】
【0029】
ここで、wij,σijはそれぞれ、メンバシップ関数の中心値と分散値である。ルール層では各ユニットに入力されるあいまいさμijの最小値をとり、適応度と呼ばれる確かさρjを計算する。ρj=min[μ1j,μ2j,…,μij,…,μN1j]そして各ルールの後件部定数wjkを各ファジィ推論規則の適応度ρjで重み付け平均をとることによって、最終的な出力ベクトルの推定値を得る。この推定値は、出力変数の数をN3とすると次の式で与えられる。
【0030】
【数2】
【0031】
自己組織化マップの機能を用いたファジィ推論ニューラルネットワークを用いたモデリング手段3によると、上述のようなモデリングを行うことができ、ある入力ベクトルを入力したときの、対象モデルの出力ベクトルを得ることができる。
【0032】
次に、自己組織化マップの学習方法について説明する。自己組織化マップの学習の際には、自己組織化マップへの入出力ベクトルを、
U=(u1,u2,…,ui,…,uN1)、Y=(y1,y2,…,yi,…,yN2)
のように定義する。例えば、図1に示した上水道プラントの送水プロセスにおいては、入力Uには圧力や流量が入力され、出力Yには、水位などが入力される。この入出力ベクトルより学習ベクトルI=(U,0)+(0,Y)を生成し、これをもとに重みベクトル
【数3】
を求める。次に、
【数4】
より入出力ベクトルと最も類似した自己組織化マップ上のユニットを検索し、勝者ユニットとする。その勝者ユニット及びその近傍のユニットを
【数5】
により更新する。なお、この式におけるεselfは学習係数を表す。
【0033】
この勝者ユニットの決定と更新を繰り返し行うことにより、対象の特徴を写像したマップが形成される。
【0034】
次に、データフィルタリング手段7について詳細に説明する。すなわち、プロセスデータの中には、何らかの原因によって、ノイズ成分を含んでいたり、システム上の理由などにより、欠測となり、データがない場合に計算機での扱い上、マイナス値や非常に大きい値とする。このようなデータはそのプロセスモデルのモデリングに利用するには不都合であるので、除去する必要がある。そこで、自己組織化マップを用いた不適切データを除去する方法を示す。
【0035】
自己組織化マップは、先述のように特徴の似たデータは近くに集まり、特徴の違うデータはその集合から離れた場所に集合するというクラスタリング機能を持つので、データ記憶手段2に記憶されているプロセスデータを自己組織化マップに入力し、自己組織化学習により、プロセスデータの特徴マップを形成する。
【0036】
次に、不適切なデータの除去を行うために、適切なデータの集合を判別する。その際、予め欠測データやノイズの入っていない測定データを選定し、自己組織化マップに入力する。そのとき、勝者ユニットの属する集合を適切なデータの特徴を表した集合とする。
【0037】
以後、モデリングに計測データを用いる際には、そのデータを自己組織化マップに入力し、適切なデータ集合から外れたものは不適切データとして除去する。
【0038】
次に、モデリング手段3が、図5に示すようなネオファジィニューロンが適用されたものである場合について説明する。ネオファジィニューロンとは、ファジィ推論の出力ベクトル推論能力と、ニューラルネットワークの対象モデリング能力を融合させたものである。
【0039】
ファジィ推論には、一般的なIF THENルールで表される1入力1出力の簡易型ファジィ推論を用い、ニューラルネットワークには、図5に示すような、複数の基底関数と重み係数がそれぞれ線形結合され、その出力の総和がニューラルネットワークの出力となる、非線形シナプスニューロンと呼ばれるニューラルネットワークを用いる。
【0040】
非線形シナプスをL個のファジィルールで記述すると、i番目の非線形シナプスを次式のようになる。
【0041】
【数6】
【0042】
ここで、μil,wilは、それぞれi番目の非線形シナプスのl番目のファジィルールの前件部メンバシップ関数及び後件部定数を表す。ネオファジィニューロンでは、前件部メンバシップ関数に、三角形の相補型メンバシップ関数を用いるため、同時に発火するメンバシップ関数のグレード(適合度)の和が常に1になる。このことから、ネオファジィニューロンにおける非線形シナプスの出力は次式で表現する。
【0043】
【数7】
【0044】
この式より、非線形シナプスは前件部メンバシップ関数の重みつき和になる。
【0045】
ネオファジィニューロンは、後件部定数wilを学習によって調整することで、システムの入出力特性を近似する。ここでは、入力1出力のネオファジィニューロンにおける、後件部定数の学習方法について説明する。
【0046】
学習データとして、n個の要素からなるK個の入力データxk
【数8】
及び、K組のxkに対するK個の教師データ
te1,…,tek
を考え、そのときの出力を
y1,…,yk
とする。学習は、次式に示す誤差関数を定義し、その誤差関数が最小になるように勾配法(最急降下法)を用いて行う。
【0047】
【数9】
【0048】
ここで、誤差関数E(yk,tek)は、wilに関して2次関数であるので、E−wil空間上では最小値が存在せず、勾配法を用いた学習を行うと、(yk,tek)は最小値に収束し、初期値に関係なく、与えられた条件下で最適な後件部定数wilが決定される。
【0049】
一組のデータが与えられる毎に後件部定数wilを更新する逐次修正方式を適用するとwilの変更量は、
【数10】
となる。ここで、ηは学習率である。学習の速度に関しては、従来のニューラルネットワークと比較して、十分に速いことが知られている。これにより、プラントモデルを正確かつ素早くモデリングすることができる。
【0050】
次に、モデリング手段3が、図6に示すウェーブレットニューロンが適用されたものである場合について説明する。ウェーブレットニューロンは、図6における非線形シナプスの部分をウェーブレット級数展開で表現した非線形シナプスニューロンである。ウェーブレットニューロンでは、次式で定義される単峰型のウェーブレット関数を用いる。その外形は図7のようになる。
【0051】
【数11】
【0052】
このウェーブレット関数を次式に従って関数の広がりを変えるシフティング及び関数の最大値を変更するスケーリングを行うことによって、図8に示したような様々なウェーブレット基底関数を生成し、非線形シナプスにおける基底関数として用いる。
【0053】
【数12】
【0054】
ここで、dsc,dshはそれぞれスケーリングの度合いを表すパラメータ及びシフティングの度合いを表すパラメータである。
【0055】
直流成分とウェーブレット基底関数に対して、ウェーブレット係数との積和をとることでウェーブレット級数展開を実現する。i番目の非線形シナプスの入出力特性は次式で定義する。
【0056】
【数13】
はそれぞれi番目の非線形シナプスの(dsc,dsh)番目のウェーブレット基底関数及びウェーブレット係数である。この図7に示したような単峰性ウェーブレット関数を用いたウェーブレット級数展開は、その収束性が証明されており、任意の1入力1出力関数を任意の精度で近似することができる。さらに、単峰性ウェーブレット関数は、関数で囲まれた部分以外の計算を行う必要がないため、計算速度が速くなる。また、級数展開によって表現される関数は、基底関数と係数の関係の積和で表されるので、その表現された関数に基底関数の形状が現れる。基底関数の数が少ない場合には、その傾向が顕著になり、振動的な形状をもつ基底関数を用いた場合に、表現される関数も振動的になる。単峰性のウェーブレット関数を用いた場合には、その振動がある程度抑えられ、汎化能力が高くなる。
【0057】
上述したウェーブレットニューロンの性質より、モデリング手段3がウェーブレットニューロンが適用されたものである場合には、非線形性強い対象のモデリングに適したものとなる。
【0058】
次に、モデリング手法3が、図9に示すようなRadial Basis Function Network(以下RBFネットワークと呼ぶ)が適用したものである場合について説明する。RBFネットワークは、1入力1出力構成の場合に、ネオファジィニューロンの非線形シナプスと等価な構造になる。ここでは、基底関数として放射状基底関数を用いているところが異なる。一般に、次式で定義されたガウス関数gを放射状基底関数として用いる。
【0059】
【数14】
【0060】
ここで、α,βはそれぞれガウス関数の中心位置及び広がり具合を表すパラメータである。L個の基底関数を配置した場合、1入力1出力のRBFネットワークの入出力特性は次式で定義する。
【0061】
【数15】
【0062】
ここで、gl,wlはそれぞれ番目のガウス基底関数及び結合荷重である。RBFネットワークもまた、他のニューラルネットワークと同様に学習を行うことにより、結合荷重を更新し、それにより対象のモデリングを行う。
【0063】
次に、更新判別手段6について詳細に説明する。更新判別手段6は、プロセスの計測データからプラントモデルが不適切で、モデル更新が必要か否かを判定する。まず、予め自己組織化学習により正常に動作しているプラントの特徴を抽出しておき、逐次、プロセスからの出力値がどの集合に属するかを判定する。もし、正しい集合にマッピングされない場合があると、モデルに誤差が生じているということになるので、その場合にはモデルの更新を行う。その際、偶然何らかの誤動作により正しい集合にマッピングされない場合も考えられるので、連続して不適切な集合にマッピングされた場合にのみモデリング手段3を起動させる。これによってモデル更新が必要か否かを判定できる。
【0064】
次に、モデリング選択手段8について詳細に説明する。モデリング選択手段8は、プロセス条件によって取得できるデータが限られたり、モデリング精度が良くなかった場合に、モデリング手段3の各モデリング手法からユーザーが選択できるというものである。
【0065】
このモデリング選択手段8により、図示しない本装置によって選択することも可能である。このような本装置によりモデリング手段3の各モデリング手法の一を選択する場合には、計算速度やモデルの規模、教師信号を必要とするか否かなどに基づいて行う。
【0066】
次に、モデルパラメータ推定手段9について詳細に説明する。モデルパラメータ推定手段9は、モデル式が既知であり、データフィルタリング手段7によりデータ処理されたデータを用いて自己組織化マップをもとに実プラントの特性を表す適切なパラメータの推定を行うというものである。
【0067】
例えば、図1に示す送水プロセスのように、池21aから送水ポンプ22により、池21b及び池21cに送水される場合、送水ポンプ22の吐出量と揚程の関係は特性方程式
【数16】
(ただし、水頭H、吐出量Q、k1〜k3は調整すべきパラメータ)
によって表すことができる。また、このとき、電磁弁23での圧力損失は
【数17】
で表される。ただし、hI,h0は弁前後の水頭値、吐出量Q、uは弁開度とする。
【0068】
なお、式(2)におけるfv(u)は式(3)で表される。
【0069】
【数18】
このとき、調整すべきパラメータはnとなる。
【0070】
同様に、管路における圧力損失はヘーゼンウィリアムスの式より、
【数19】
で表される。ただし、hI,h0は管路前後の水頭値、流量Qとする。
【0071】
なお、式(4)におけるf1は式(5)で表される。
【0072】
【数20】
【0073】
このとき、Dは管路の口径、Lは管路長であり、調整すべきパラメータはCとなる。
【0074】
ここに、配水池21bの水位をh2、配水池21aの水位をh1とし、配水池21aから21bに至る管路の流量Qをとすると、その圧力損失は総じて(4)式及び(5)式で表せる。また、ポンプの吐出圧と流量の関係は(1)式、バルブの圧力損失は式(2)、(3)となる。すると、これらからプロセスの圧力平衡式を作成すると、以下となる。
【0075】
【数21】
【0076】
ただし、ここでは管路の圧力損失は説明を容易にするため、その特性を1つに集約しているが、実際には、管の途中で材質や口径が違ったり、バルブの1次側、2次側でも異なったりするので、管が異なる場合にはその都度、式(4)、(5)と対応するパラメータを設定し、調整する必要がある。
【0077】
いま、式(6)は非線形方程式となっているので、Q1.85をある初期流量Q=q0でのテイラー展開(3次項以降は無視)して線形化を行うと、以下のようになる。
【0078】
【数22】
【0079】
これを式(6)に代入、整理すると、
【数23】
【0080】
この式(8)において調整すべきパラメータは、k1,k2,k3,n,Cであり、これらを、自己組織化マップにより調整する。
【0081】
自己組織化マップを用いたパラメータ調整方法としては、まずデータフィルタリング手段7により処理されたプロセスデータをもとに、自己組織化マップの学習を行う。次に式(8)に示した圧力平衡式のパラメータにランダムに値を代入し、その出力を得る。ここで得た出力が自己組織化マップの学習により得られた特徴マップのどの集合に属するかを判定し、所望の集合に属した場合はそのパラメータの組を採用し、所望の集合以外に属した場合は、再度パラメータの設定を変更し、所望の集合に属するまでその操作を繰り返し行う。これにより、実プラントの特性を表す適切なパラメータの推定を行うことができる。
【0082】
モデルパラメータ推定手段9は、モデル式が既知であり、デーフィルタリング手段7によりデータ処理されたデータを用いて最急降下法などの最適化手法をもとに実プラントの特性を表す適切なパラメータの推定を行うというものである。データフィルタリング手段7により処理されたプロセスデータをもとに、実プラントのモデリングを行う。次に、モデル式からの出力をとし、モデリングにより得たモデルからの出力をとする。この実値と推定値の誤差関数
【数24】
が最小になるように次の最急降下法などの最適化手法を用いて各パラメータの調整を行う。
【0083】
【数25】
【0084】
最急降下法は、パラメータの調整を行う一例であり、ファジィ推論ニューラルネットワーク、ネオファジィニューロン、ウェーブレットニューロン、RBFネットワーク及び遺伝的アルゴリズムといったヒューリスティック最適化手法や、その他数学的手法のどれを用いてもよい。
【0085】
以上のように本実施形態によれば、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができ、納入・運用後はプラントの経年変化に自動的に追従し更新可能な、プラントモデルの自動モデリング装置を提供することができる。
【0086】
なお、図1において、データ記憶手段2は自動モデリング装置1内に構成していたが、この自動モデリング装置1の外部又は自動モデリング装置1にネットワークにより遠隔して接続されたものであっても良い。
【0087】
また、本実施形態の自動モデリング装置1は、データ記憶手段2と、モデリング手段3と、入出力手段4と、プラントシミュレーション手段5と、更新判定手段6と、フィルタリング手段7と、モデリング選択手段8と、モデルパラメータ推定手段9とを備えたものとしたが、データ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置として構成することができ、また、このデータ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置に、更新判定手段6と、フィルタリング手段7と、モデリング選択手段8と、モデルパラメータ推定手段9とのうち少なくとも一つを組み合わせた装置であっても良い。
【0088】
例えば、このデータ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置に、フィルタリング手段7としてモデル式が既知であり,モデルパラメータを推定する際に自己組織化マップを用いてパラメータフィッティングを行うように構成した場合は、自動モデリングとモデルパラメータの自動フィッティングが可能な装置が提供できるものである。
【0089】
また、このデータ記憶手段2とモデリング手段3と入出力手段4とプラントシミュレーション手段5とからなる装置に、最急降下法およびその他各種最適化手法を用いてモデルパラメータの推定を行うように構成した場合は、自動モデリングとモデルパラメータの自動フィッティングが可能な装置が提供できるものである。
【0090】
さらに、本発明は、上水道プラントだけでなく、下水道プラントはもちろん、鉄鋼プラントなどの産業プラント、地域冷暖房プラントや各ビルごとの熱源プラント、発電所等のプラント運転に関わる運用監視制御システムにも適用できる。また、オフラインでも計測値が与えられれば、対象をモデリングすることが可能なので、制御系設計のためのモデル同定ツールとしても使用可能であることはいうまでもない。
【0091】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、プラント運用支援システムのシミュレーションモデルを計測値から自動で更新し、システムを納入する際、専門知識や経験に頼ることなく現地調整を行うことができる。また、プラントの経年変化に対してもモデルを自動更新するので、その変化に追従することを可能としたプラントモデルの自動モデリング装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として上水道プラント送水プロセスにおけるプラントモデルのモデリング装置を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるファジィ推論ニューラルネットワークの構成を表す図。
【図3】同実施形態における自己組織化マップの構成を表す図。
【図4】同実施形態における自己組織化マップのユニットの更新及び、それにより形成される特徴マップの例を示す図。
【図5】同実施形態におけるネオファジィニューロンの構成を表す図。
【図6】同実施形態におけるウェーブレットニューロンの構成を表す図。
【図7】同実施形態におけるウェーブレットニューロンに用いる単峰性のマザーウェーブレット関数の外形を示す図。
【図8】同実施形態におけるウェーブレットニューロンに用いるウェーブレット基底関数の外形を示す図。
【図9】同実施形態におけるRBFネットワークの構成を表す図。
【符号の説明】
1…プラントモデリング装置、2…データ記憶手段、3…モデリング手段、4…入出力手段、5…プラントシミュレーション手段、6…更新判定手段、7…データフィルタリング手段、8…モデリング手法選択手段、21a…浄水池、21b…配水池、22…送水ポンプ、23…電磁弁、24…流量計、25…水位計。
Claims (9)
- プラント挙動をモデリングするために使用するデータを記憶するデータ記憶手段に記憶されているデータからプラント挙動をモデリングするモデリング手段と、
プラント挙動をモデリングするために使用するデータ及びモデリング後のモデルの入出力処理を行う入出力手段と、
前記モデリング手段でモデリングされたプラント挙動をシミュレーションするモデルに基づいてプラント挙動をシミュレーションするシミュレーション手段と
を具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。 - 請求項1に記載の前記モデリング手段は、自己組織化マップを用いてプラント挙動をモデリングするために使用するデータのうち不適切なデータを除去するデータフィルタリング手段を具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。
- 請求項1に記載の前記モデリング手段は、ネオファジィニューロンによりモデリングする手段を具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。
- 請求項1に記載の前記モデリング手段は、ウェーブレットニューロンによりモデリングする手段を具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。
- 請求項1に記載の前記モデリング手段は、Radial Basis Function Networkによりモデリングする手段を具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。
- 請求項1記載のデータフィルタリング手段は、モデル式が既知であるとき自己組織化マップを用いてパラメータフィッティングを行う手段を具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項記載のプラントモデルの自動モデリング装置において、最急降下法及びその他各種最適化手法を用いてモデルパラメータの推定を行うモデルパラメータ推定手段を更に具備することを特徴とするモデルパラメータの自動フィッティング装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項記載のプラントモデルの自動モデリング装置において、モデル更新を必要とするか否かを判定する更新判定手段を更に具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。
- 請求項1乃至8のいずれか一項記載のプラントモデルの自動モデリング装置において、前記モデリング手段は、前記データ記憶手段に記憶されているデータからプラント挙動をシミュレーションする複数のモデリング手法を有し、調整したい対象プラントの特徴に応じて前記複数のモデリング手法の一を選択するモデリング選択手段を更に具備することを特徴とするプラントモデルの自動モデリング装置。
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