JP2004279686A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口率を低下させることなく装置全体の集積度を向上させた、低解像度の画像データに基づき高精細な画像を表示する表示装置を提供する。
【解決手段】本表示装置におけるアクティブマトリクス基板は、駆動回路一体型ポリシリコン薄膜トランジスタ基板であり、複数の画素を含む画面メモリアレイ101と、各走査信号線およびその駆動回路と、各データ信号線およびその駆動回路と、画素の表示データを読み出す画面メモリ読み出し部106と、当該表示データを一時的に保持する表示データ保持部107と、読み出された表示データをデータ処理するデータプロセッサ111と、処理された表示データを再び書き込む表示データ書き込み部112とを備える。この構成により低解像度の画像データが入力される場合、所定のデータ処理により高解像度の画像データが生成され表示される。
【選択図】 図1
【解決手段】本表示装置におけるアクティブマトリクス基板は、駆動回路一体型ポリシリコン薄膜トランジスタ基板であり、複数の画素を含む画面メモリアレイ101と、各走査信号線およびその駆動回路と、各データ信号線およびその駆動回路と、画素の表示データを読み出す画面メモリ読み出し部106と、当該表示データを一時的に保持する表示データ保持部107と、読み出された表示データをデータ処理するデータプロセッサ111と、処理された表示データを再び書き込む表示データ書き込み部112とを備える。この構成により低解像度の画像データが入力される場合、所定のデータ処理により高解像度の画像データが生成され表示される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス型液晶パネルやEL(ElectronicLuminescence)ディスプレイ等の表示装置に関し、より詳しくは外部より入力される画像データよりも高精細な画像表示を行う表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶パネル等のアクティブマトリクス型画像表示装置は、1画素毎に静電容量を有しているためメモリ機能を持つことが知られており、RAM(Random Access Memory)としても用いることが可能である。従来のアクティブマトリクス型画像表示装置には、このメモリ機能に基づく表示データの読み出し機能を有することにより、その機能性がさらに高められているものがある。
【0003】
このような読み出し記憶機能を有する装置として、例えば特開昭58−64699号公報では、データ線を読み出し期間前に充電(プリチャージ)しておき、読み出し時には充電状態を保持しているか、または放電している状態かのいずれの状態にあるかの判定を行う装置が開示されている。
【0004】
また、例えば特開昭59−53892号公報では、画像データを画素容量に一旦蓄積した後に読み出す機能を有する表示装置が開示されている。この装置における画素電極に蓄積されたデータを読み出すための手段は、画素電極に蓄積されたデータを増幅する手段と、当該増幅手段により増幅されたデータを読み出す手段と、当該増幅手段により増幅されたデータを画素電極に帰還する手段とを含むことを特徴としている。
【0005】
さらに、例えば特開平4−60581号公報では、画像データを画素容量に一旦蓄積した後に読み出し、データ処理した後に再表示する表示装置が開示されている。この液晶表示装置にはリフレッシュ制御回路が内蔵されているため、新たにデータを書き換える必要のない静止画像等を表示する場合には、外部から画像信号を常に供給する必要がなくなる。この構成により低価格なシステムが実現されている。
【0006】
さらにまた、例えば特開平10−222136号公報では、静止画表示時にドレインドライバを停止させる手段と、読み出された画像信号の極性を反転する極性反転手段を含む画像信号のレベル変換手段とを備える表示装置が開示されている。
【0007】
また、特開平11−237645号公報では、光照射によりスイッチング素子のリーク電流が増加することを利用し、検出された画素の電荷変化に基づき、画像信号をデータ変換して再表示する液晶表示装置が開示されている。この表示装置では、新たなセンサ素子を設けることなく、画面全体がイメージセンサとして機能する。
【0008】
さらにまた、特開2001−100690号公報では、低解像度画像などの情報量の少ない画像信号に基づき、より高精細な画像を表示できる表示装置が開示されている。この表示装置は主画素と副画素とを有しており、主画素を形成する主画素形成部と副画素を形成する副画素形成部とは、表示部を構成する基板上にマトリクス状に配置される。主画素形成部は、データ信号線と走査信号線との交差箇所に配置されており、データ信号線および走査信号線に接続されるトランジスタ等からなるスイッチング手段により電圧を印加される。また、副画素形成部は、所定の演算回路を含んでおり、当該演算回路は、近傍に配置された主画素形成部および他の副画素形成部へ印加される電圧信号を補助信号線を介して受けとり、主画素による表示を補間するような印加電圧を出力するように、論理演算または数値演算を行う。この演算回路からの出力電圧は、副画素形成部の画素電極に印加される。このことにより主画素による表示が補間され、より高精細な画像が表示される。
【0009】
【特許文献1】
特開昭58−64699号公報
【特許文献2】
特開昭59−53892号公報
【特許文献3】
特開平4−60581号公報
【特許文献4】
特開平10−222136号公報
【特許文献5】
特開平11−237645号公報
【特許文献6】
特開2001−100690号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の表示装置における画像処理(データプロセッシング)は、外部のメモリと外部のデータ処理チップとにより行われる。典型的には従来の表示装置に備えられる、データ信号線駆動回路、走査信号線駆動回路、画素形成部、主メモリ、およびデータプロセッシング回路は、別々の基板または別々のチップ上に形成されるため、互いを接続する配線は基板外またはチップ外に設けられる。その結果、データ信号線の数および走査信号線の数が増加するにしたがい、基板外またはチップ外に出すこれらの(信号線)配線の数も増加するため、組み立ての手間が増大する。また、これらの信号線を基板外で接続するための端子を設ける必要が生じるため、不要な静電容量が増大し、さらに装置全体の集積度も低下する。
【0011】
また、近年のトランジスタの特性および集積度の向上により、表示画面がより大きくかつより高解像である画像表示装置が求められており、このような表示装置に入力されるデータは非常に大きな量となっている。このため、表示装置と演算処理装置との間をデータ転送する際に用いられるデータバスがボトルネックとなることがある。また、LAN(Local Area Network)等を介してデータの転送がなされる場合には、その伝送時間が長くなるとともに伝送路の使用帯域が増大し、さらにデータを記憶するため必要な記憶容量も増加する。したがって、データを圧縮した後に転送し、システムの内部で圧縮されたデータを展開して画像処理を行うなどの工夫が従来よりなされるが、根本的な解決とはならない。この点で、上述した特開2001−100690号公報に示されるように、データ量の少ない低解像度の画像データを入力し、主画素の周辺に設けられる副画素で主画素の表示を補間することにより高精細な画像の表示を実現する表示装置が好ましい。しかし、この従来の表示装置は、画素形成部の内部に回路等が形成されるため開口率が低下する。したがって、反射型液晶表示装置には適するが、透過型液晶表示装置には必ずしも適していない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、低解像度の画像データに基づき高精細な画像を表示する表示装置であって、開口率を低下させることなく装置全体の集積度を向上させた表示装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、表示画素を形成するために入力されるデータ信号に含まれる画像データを保持可能に構成される画素形成部と、前記画素形成部に入力されるべきデータ信号を選択的に与える第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を介して前記画素形成部に前記データ信号を供給する第1のデータ信号線と、前記データ信号を与えることにより前記第1のデータ信号線を駆動するデータ信号線駆動回路と、前記第1のスイッチング素子を制御するための第1の走査信号を前記第1のスイッチング素子に与える第1の走査信号線と、前記第1の走査信号を与えることにより前記第1の走査信号線を駆動する第1の走査信号線駆動回路とを備えるアクティブマトリクス型の表示装置であって、
前記画素形成部で保持される画像データを前記第1のデータ信号線を介して読み出す画面メモリ読み出し手段と、
前記画面メモリ読み出し手段により読み出された画像データを一時的に保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段により一時的に保持された画像データに対して所定のデータ処理を行うことにより得られる画像データを出力するデータ処理手段と、
前記データ処理手段からの画像データを前記第1のデータ信号線を介して前記画素形成部に書き込むデータ書き込み手段とを備え、
前記画素形成部は、装置外部からの画像データを受け取る場合には複数のうちの所定の一部のみが表示画素を形成し、前記データ書き込み手段からの画像データを受け取る場合には前記所定の一部よりも多くが表示画素を形成することを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、
前記データ保持手段は、
前記画像データを記憶するためのコンデンサと、
前記コンデンサに記憶されるべき画像データを選択的に与える第2のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子を介して前記コンデンサに前記画像データを供給する第2のデータ信号線と、
前記第2のスイッチング素子を制御するための第2の走査信号を前記第2のスイッチング素子に与える第2の走査信号線とを含み、
前記画面メモリ読み出し手段は、前記第2のデータ信号線を介して前記データ保持手段に前記画像データを与えるために、前記第2の走査信号を与えることにより前記第2の走査信号線を駆動する第2の走査信号線駆動回路を含むことを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、
前記第2のデータ信号線は、前記第1のデータ信号線と同数であり、
前記第2の走査信号線は、前記第1の走査信号線よりも少ないことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、第3の発明において、
前記第2の走査信号線は、2本または3本であることを特徴とする。
【0017】
第5の発明は、第1の発明において、
前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合と前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合とで段数が変更可能に構成されるシフトレジスタを含む。
【0018】
第6の発明は、第1の発明において、
前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路と、前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路との2系統の駆動回路からなることを特徴とする。
【0019】
第7の発明は、第6の発明において、
前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合には装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路が停止され、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合には前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路が停止されることを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、第1から第7までのいずれか1つの発明において、
前記第1の走査信号線の本数は、装置外部からの画像データを含む映像信号の走査線数よりも多くが設けられること、および/または、前記第1のデータ信号線の本数は、装置外部からの画像データを含む映像信号の一走査線あたりの画素数よりも多くが設けられることを特徴とする。
【0021】
第9の発明は、第1から第8までのいずれか1つの発明において、
前記画素形成部および前記第1のスイッチング素子は、同一基板上に一体形成されており、
前記データ信号線駆動回路、前記第1の走査信号線駆動回路、前記画面メモリ読み出し手段、前記データ保持手段、前記データ処理手段、前記データ書き込み手段のうちの少なくとも1つは前記画素形成部近傍の前記同一基板上に一体形成されることを特徴とする。
【0022】
第10の発明は、第1から第9までのいずれか1つの発明において、
前記画素形成部、前記第1のスイッチング素子、前記データ信号線駆動回路、前記第1の走査信号線駆動回路、前記画面メモリ読み出し手段、前記データ保持手段、前記データ処理手段、前記データ書き込み手段は、600℃以下の低温プロセスで形成された半導体素子を含むことを特徴とする。
【0023】
第11の発明は、第1から第10までのいずれか1つの発明において、
前記画素形成部は、液晶素子またはEL素子を含むことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成につき、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置におけるアクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。このアクティブマトリクス基板は、複数の画素を含む表示部を構成する画面メモリアレイ(表示部)101と、第1の走査信号線102と、第1のデータ信号線103と、所定の第1の走査信号を上記第1の走査信号線102へ順次与える第1の走査信号線駆動回路104と、各画素へのデータ信号を上記第1のデータ信号線103へ与えるデータ信号線駆動回路105と、画素を表示するための画素形成部に含まれる画像データ(以下「表示データ」とも略する)の一部を読み出す画面メモリ読み出し部106と、画面メモリ読み出し部106により読み出された表示データを一時的に保持する表示データ保持部107と、この表示データ保持部107に表示データを与える第2のデータ信号線108と、第2の走査信号線109と、第2の走査信号線を駆動する第2の走査信号線駆動回路110と、画面メモリアレイ101から読み出された表示データをデータ処理(データプロセッシング)するデータプロセッサ111と、データ処理された表示データを映像信号として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する表示データ書き込み部112とを備える。
【0026】
このアクティブマトリクス基板は、ポリシリコンの薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)からなる基板であって、上記各回路(および信号線)が一体に形成されている。これらの回路を含む上記構成要素は、典型的には全て同一基板上に形成される。このポリシリコン薄膜トランジスタ基板は、600℃以下のプロセス温度で、ガラス基板上に活性層となるポリシリコン薄膜を形成後、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極および層間絶縁膜を形成し、さらに配線層および透明導電膜等を形成することにより作製される。このプロセスにより、画素および関連する各回路を同一基板上に容易に形成することができる。また、600℃以下のプロセス温度でポリシリコン薄膜トランジスタを形成する構成により、歪み点温度が低い反面、安価で大型化が容易なガラスを基板として用いることができ、大型の画像表示装置を低コストで製造することができる。なお、上記薄膜トランジスタは各回路に含まれるスイッチング素子等として機能する。以下、アクティブマトリクス基板の各構成要素の構成および動作の概略について説明する。
【0027】
画面メモリアレイ101は、画素を表示するためのものであってマトリクス状に配置される複数の画素形成部と、当該画素形成部毎に設けられる第1のスイッチング素子とを含む。上記第1のスイッチング素子は、各画素の各行に配置される第1の走査信号線102から第1の走査信号により制御され、上記画素形成部は、当該画素形成部の各列毎に配置される第1のデータ信号線103から第1のスイッチング素子を介して上記データ信号を受け取る。
【0028】
第1の走査信号線駆動回路104は、予め定められた周期の第1のクロック信号に同期することにより互いに異なるタイミングを有する複数の第1の走査信号を生成し、この第1の走査信号を第1の走査信号線102へ順次与える。
【0029】
データ信号線駆動回路105は、予め定められた周期の第2のクロック信号に同期することにより各画素の表示状態を示す映像信号から各画素に表示されるべきデータ信号を順次抽出し、上記第1のデータ信号線103へ与える。なお、この映像信号は、以下、2値のディジタル信号であるものとする。
【0030】
画面メモリ読み出し部106は、画面メモリアレイ101の各画素形成部に画素を表示するデータである表示(画像)データの一部を第1のデータ信号線103を介して読み出す。
【0031】
表示データ保持部107は、画面メモリ読み出し部106および第2の走査信号線駆動回路110により読み出された表示データをデータ処理されるまで一時的に保持するための複数のコンデンサと、当該コンデンサ毎に設けられる第2のスイッチング素子とを含む。上記第2のスイッチング素子は、第2の走査信号線109からの第2の走査信号により制御され、上記コンデンサは、第2のデータ信号線108から第2のスイッチング素子を介して表示データを受け取る。この表示データは、データプロセッサ111により読み出されてデータ処理された後、表示データ書き込み部112により映像信号として再びデータ信号線駆動回路105へ出力される。
【0032】
さらに、上記アクティブマトリクス基板の構成および動作につき詳述する。図2は、表示部である画面メモリアレイと関連する回路とを示す図である。図では関連する回路として、第1の走査信号線駆動回路104、データ信号線駆動回路105、および制御回路120が示されている。
【0033】
図2に示す画面メモリアレイ101は、画素を形成する画素形成部PIX(以下では単に「画素PIX」と略する)と、図1に示すデータ信号線103に対応するm本の第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と、図1に示す第1の走査信号線102に対応するn本の第1の走査信号線GL11 〜GL1n とを備える。これら第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と第1の走査信号線GL11 〜GL1n とは格子状に交差するように配置されており、画素PIXは隣接する2本の第1のデータ信号線および隣接する2本の第1の走査信号線によって囲まれる領域に配置される。より詳しくは、m以下の任意の正整数をiとし、n以下の任意の正整数をjとする場合、第1のデータ信号線SL1i と第1の走査信号線GL1j との組み合せ毎に、1つの画素PIX(i,j)が設けられる。この画素PIX(i,j)は、隣接する2本の第1のデータ信号線SL1i,SL1i+1 、および隣接する2本の第1の走査信号線GL1j ,GL1j+1 により囲まれる領域に配置されている。この画素PIX(i,j)の構成および動作についてさらに説明する。
【0034】
図3は、画素PIX(i,j)の構成を示す回路図である。この画素PIX(i,j)は、上記第1のスイッチング素子に対応する電界効果トランジスタSW1と、画素の光量を調節するための液晶素子と、必要に応じて付加されるべき所定の容量を有する補助容量素子とを備える。上記電界効果トランジスタSW1は、そのゲートに第1の走査信号線GL1j が接続され、そのドレインに第1のデータ信号線SL1i が接続される。また、液晶素子および補助容量素子の一端は電界効果トランジスタSW1のソースに接続され、これらの他端は全画素形成部に共通の電極である共通電極線に接続される。なお、液晶素子の静電容量である液晶容量CLCおよび補助容量素子の静電容量である補助容量CS の和は、画素容量Cp と呼ばれており、説明の便宜のためこの画素容量Cp を有する1つの容量素子を仮定して、以下で画素容量ともいう。
【0035】
第1の走査信号線駆動回路104により第1の走査信号線GL1j に対して走査信号が与えられる場合、すなわち第1の走査信号線GL1j が選択される場合、上記画素PIX(i,j)の電界効果トランジスタSW1は導通状態になるため、第1のデータ信号線SL1i に印加される(データ信号の)電圧は画素容量に印加される。その後、第1の走査信号線GL1j に対して第1の走査信号線駆動回路104により与えられていた走査信号が停止される場合、すなわち当該第1の走査信号線GL1j の選択期間が終了する場合、電界効果トランジスタSW1が遮断状態となるが、画素容量に蓄積(保持)された電荷により遮断時の電圧が保持され続ける。ここで、液晶素子の光透過率または光反射率は、印加される電圧により変化するため、第1の走査信号線GL1j が選択される場合、第1のデータ信号線SL1j に対して画像データに応じた電圧を印加すれば、画素PIX(i,j)の表示状態を画像データに合わせて変化させることができる。
【0036】
図2に示す第1の走査信号線駆動回路104は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つ(例えば、第1の走査信号線GL11 )を選択し、データ信号線駆動回路105は、データ信号として所定の画像データを第1のデータ信号線SL11 〜SL1m に出力する。この画像データは、選択された第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つと全ての第1のデータ信号線SL11 〜SL1m との組み合わせに対応する全ての画素PIXに表示すべき画像データであり、選択された第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つ(例えば、第1の走査信号線GL11 )に接続される全ての画素PIXに書き込まれる。その後、走査信号線駆動回路104は、次に選択すべき第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つ(例えば、第1の走査信号線GL12 )を選択し、データ信号線駆動回路105は、データ信号として所定の画像データを第1のデータ信号線SL11 〜SL1m に出力する。この動作が順次繰り返されることにより、画面メモリアレイ101の画素PIXに表示すべき画像データが書き込まれる。
【0037】
さらに上記動作につき詳説する。制御回路120は、アクティブマトリクス基板の外部に設けられており、画素PIXに与えられるべき画像データであって時分割された映像信号(以下「映像信号DAT1」という)をデータ信号線駆動回路105へ伝送する。また、制御回路120は、タイミング信号である所定の周期を有するクロック信号CKSおよび後述するスタート信号SPSをデータ信号線駆動回路105に与える。データ信号線駆動回路105は、受け取ったクロック信号CKSおよびスタート信号SPSに基づく所定のタイミングで、映像信号DAT1からデータ信号として出力すべき画像データを抽出し出力する。
【0038】
このデータ信号線駆動回路105は、1クロックずつタイミングが異なる出力信号S1 〜Sm を生成するシフトレジスタ1051と、出力信号S1 〜Sm に基づき第1のデータ信号線SL11 〜SL1m へデータ信号を出力するサンプリング部1052とを備える。シフトレジスタ1051は、制御回路120から与えられるクロック信号CKSに同期してスタート信号SPSを順次シフトすることにより、1クロックずつタイミングが異なる出力信号S1 〜Sm を生成する。サンプリング部1052は、出力信号S1 〜Sm が示すタイミングで、映像信号DAT1をサンプリングすることにより、第1のデータ信号線SL11〜SL1m へ出力すべき画像データを映像信号DAT1から抽出する。
【0039】
同様に、制御回路120は、タイミング信号である所定の周期を有するクロック信号CKGと後述するスタート信号SPGとを走査信号線駆動回路104に与える。走査信号線駆動回路104は、シフトレジスタ1041を含んでおり、このシフトレジスタ1041によって上記クロック信号CKGに同期してスタート信号SPGを順次シフトすることにより、1クロックずつタイミングが異なる走査信号を第1の走査信号線GL11 〜GL1n に出力する。
【0040】
以上のように全ての画素PIXに書き込まれることにより表示される表示データは、画像メモリ読み出し部106により読み出され、データプロセッサ111によりデータ処理されることにより高精細の画像データとなり、表示データ書き込み部112により再び映像信号(以下「映像信号DAT2」という)として再びデータ信号線駆動回路105へ与えられる。よって、このデータ信号線駆動回路105は、制御回路120から与えられる映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む動作と、データプロセッサ111によりデータ処理された映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込む動作とを交互に切り替えるように繰り返す。以下、これら2つの動作を交互に切り替えるための構成および動作につき説明する。
【0041】
図4は、図2に示すシフトレジスタの構成例を示す回路図である。このシフトレジスタ1051は、複数のフリップフロップと、電界効果トランジスタからなる複数のスイッチング素子と、NOT(ゲート)回路であるインバータとを含んでおり、外部より与えられる切り替え信号IPに基づき、図の上側に示すスイッチング素子群と下側に示すスイッチング素子群とを交互に開閉することにより上記2つの動作を切り替える。すなわち、外部より供給される画像データに基づく映像信号DAT1が画素へ書き込まれる場合、切り替え信号IPはLOWとなるため、インバータにより反転された信号が入力される図の上側に示すスイッチング素子がONされる。よって、シフトレジスタ1051は、1段おきに(具体的には出力信号S1 ,S3 ,S5 ,…の順に)信号を出力する。また、データ処理後の映像信号DAT2が画素PIXに再び書き込まれる場合、切り替え信号IPはHIGHとなるため、図の下側に示すスイッチング素子がONされる。よって、シフトレジスタ1051は、1段毎に(具体的には出力信号S1 ,S2 ,S3 ,…の順に)信号を出力する。
【0042】
また、第1の走査信号線駆動回路104のシフトレジスタ1041も、データ信号線駆動回路105のシフトレジスタ1051とほぼ同様に構成され動作する。すなわち、シフトレジスタ1041も、複数のフリップフロップと、複数のスイッチング素子とを含んでおり、切り替え信号IPに基づき1段おきに出力する場合と1段毎に出力する場合とが切り替えられることにより、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む動作と、映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込む動作とが交互に切り替わるように順次行われる。すなわち、映像信号DAT1が画素へ書き込まれる場合、切り替え信号IPはLOWとなるため、シフトレジスタ1041は、1段おきに(具体的には第1の走査信号線GL11 ,GL13 ,GL15 ,…の順に)走査信号線を選択し、走査信号を出力する。また、映像信号DAT2が画素PIXに再び書き込まれる場合、切り替え信号IPはHIGHとなるため、シフトレジスタ1041は、1段毎に(具体的には第1の走査信号線GL11 ,GL12 ,GL13 ,…の順に)走査信号線を選択し、走査信号を出力する。
【0043】
次に、画面メモリ読み出し部106および表示データ保持部107の構成および動作につき詳述する。図5は、表示データ保持部と関連する回路とを示す図である。図では関連する回路として、画面メモリ読み出し部106、第2の走査信号線駆動回路110、データプロセッサ111、表示データ書き込み部112、および制御回路120が示されている。
【0044】
画面メモリ読み出し部106は、複数の増幅回路からなる増幅回路群1061を含む。この増幅回路群1061の各増幅回路は、対応する画素容量から取り出された電荷により変化する第1のデータ信号線SL11 〜SL1m のうちの1つの電位変位量を増幅し出力する。これらの増幅回路は、上述した切り替え信号IPに基づき映像信号DAT1が画素PIXへ書き込まれる場合と、映像信号DAT2が画素PIXへ再び書き込まれる場合とで作動状態が切り替えられる。すなわち、切り替え信号IPがHIGHのとき、増幅回路は動作状態(ON状態)となり、切り替え信号IPがLOWのとき、増幅回路は停止状態(OFF状態)となる。
【0045】
また、上記画面メモリ読み出し部106は、以下のプリチャージ回路を含んでいてもよい。図6は、プリチャージ回路を含む画面メモリ読み出し部の構成を示す図である。このプリチャージ回路1062は、全ての第1のデータ信号線SL11 〜SL1m を予め定められた電位になるよう充電する。このようにプリチャージ(充電)を行うのは、以下の理由による。すなわち、より高精細な表示を行うために表示部の画素数が増加するに従って、データ信号線の容量は必然的に大きくなる。そのため、その充放電に要する時間は増加することになる。また、一般にNチャネル型電界効果トランジスタで回路を構成する場合、放電に比べて充電に多くの時間を要する。そのため、データ信号線からデータを読み出す前にプリチャージを行い、読み出し時には、データ信号線が充電状態を保持しているか、または放電しているかのいずれの状態であるかが判定される。このプリチャージ回路1062の構成につき詳述する。
【0046】
プリチャージ回路1062は、m本の第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と、これらのデータ信号線SL11 〜SL1m に接続されるトランスファーゲート(アナログスイッチ)から構成される。図7(a)は、プリチャージ回路の一構成例を示す回路図であり、図7(b)は、他の構成例を示す回路図であり、図7(c)は、さらに他の構成例を示す回路図である。図7(a)に示されるように、トランスファーゲートはCMOSトランジスタによって構成されてもよいし、図7(b)に示されるようにNチャネルトランジスタのみよって構成されてもよいし、図7(c)に示されるようにPチャネルトランジスタのみよって構成されてもよい。
【0047】
上記プリチャージ回路1062のトランスファーゲートは、図示されるように、そのゲート端子が制御回路120からのプリチャージ制御信号線P_CTLまたはP_CTLBに、そのソース端子が制御回路120からのプリチャージ電位線P_VIDに、そのドレイン端子が第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の1つにそれぞれ接続される。制御回路120によりプリチャージ制御信号線P_CTLまたはP_CTLBが選択される場合、トランスファーゲートが導通するため、プリチャージ電位線P_VIDに印加される電圧が全ての第1のデータ信号線SL11 〜SL1m に印加される。また、プリチャージ制御信号線P_CTLまたはP_CTLBが選択されない場合(選択期間が終了した場合)、トランスファーゲートが遮断されるため、第1のデータ信号線SL11 〜SL1m は、次にデータ信号が書き込まれるまで遮断時の電圧を保持する。
【0048】
増幅回路群1061の各増幅回路は、その一方の入力端子を介して制御回路120から供給される基準電位Vrefを受け取り、その他方の入力端子を介して画素容量から取り出された電荷により変化する第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の1つの電位を受け取る。増幅回路群1061は、基準電位Vrefと第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の電位との電位差を所定の割合で増幅し、増幅された信号を第2のデータ信号線SL21 〜SL2m に出力する。
【0049】
表示データ保持部107は、データを記憶するためのメモリセルMEMと、図1に示すデータ信号線108に対応するm本の第2のデータ信号線SL21 〜SL2m と、図1に示す第2の走査信号線109に対応する3本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 とを備える。このように走査信号線が3本でよい理由については後述する。
【0050】
なお、上述のようにデータ信号線駆動回路105(のシフトレジスタ1051)は、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む場合には1段おきに(具体的には出力信号S1 ,S3 ,S5 ,…の順に)信号を出力するため、第2のデータ信号線SL21 〜SL2m は第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の半数とすることができる。しかし、アクティブマトリクス基板上の回路形成を簡易にするため、ここでは同数のm本であるものとする。
【0051】
上記第2のデータ信号線SL21 〜SL2m と第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 とは格子状にそれぞれが交差するよう配置されており、メモリセルMEMは隣接する2本の第2のデータ信号線および隣接する2本の第2の走査信号線により囲まれた領域に配置される。より詳しくは、m以下の任意の正整数をiとし、3以下の任意の正整数をjとする場合、第2のデータ信号線SL2i と第2の走査信号線GL2j との組み合せ毎に、1つのメモリセルMEM(i,j)が設けられる。このメモリセルMEM(i,j)は、隣接する2本の第2のデータ信号線SL2i ,SL2i+1 、および隣接する2本の第2の走査信号線GL2j ,GL2j+1 により囲まれた領域に配置されている。このメモリセルMEM(i,j)の構成および動作についてさらに説明する。
【0052】
図8は、メモリセルMEM(i,j)の構成を示す回路図である。このメモリセルMEM(i,j)は、上記第2のスイッチング素子に対応する電界効果トランジスタSW2と、所定の静電容量を有するコンデンサCmとを備える。上記電界効果トランジスタSW2のゲートには第2の走査信号線GL2j が接続され、そのドレインには第2のデータ信号線SL2i が接続される。また、コンデンサCmの一端は電界効果トランジスタSW2のソースに接続されており、その他端は全メモリセルに共通の電極である共通電極線に接続されている。
【0053】
第2の走査信号線駆動回路110により第2の走査信号線GL2j に対して走査信号が与えられるとき、すなわち第2の走査信号線GL2j が選択されるとき、上記メモリセルMEM(i,j)の電界効果トランジスタSW2は導通状態になるため、画面メモリ読み出し部106により第2のデータ信号線SL2iに印加される電位がコンデンサCmに印加される。具体的には、第2の走査信号線GL2j が選択されるタイミングに合わせて第1の走査信号線GL1j も同時に選択されるため、画素PIX(i,j)のデータがメモリセルMEM(i,j)に書き込まれる。なお、この画素PIX(i,j)のデータは、上述のように画面メモリ読み出し部106により読み出されるため、この画面メモリ読み出し部106および第2の走査信号線駆動回路110により画面メモリ読み出し手段が実現される。その後、第2の走査信号線GL2j に対して第2の走査信号線駆動回路110により与えられていた走査信号が停止されるとき、すなわち当該第2の走査信号線GL1j の選択期間が終了するとき、電界効果トランジスタSW2は遮断状態となるが、コンデンサCmに蓄積された電荷により遮断時の電圧は保持され続ける。このようにメモリセルMEMのコンデンサCmは、画素PIXとほぼ同様の構成により印加された電位を保持する。よって、第2の走査信号線駆動回路110により第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 の1つを選択する動作が順に行われることにより、表示データ保持部107の全てのメモリセルMEMに対して、所定の範囲の画素PIXにおいて表示される表示(画像)データに対応する電位が書き込まれる。このメモリセルMEMに書き込まれたデータは、データプロセッサ111により参照される。以下、データプロセッサ111の構成および動作につき詳述する。
【0054】
本実施形態において外部から与えられる映像信号は、表示画面に表示されるべき行および列がともに1ラインおきの(すなわち走査線数が走査信号線の半数でありデータ線数がデータ信号線の半数である)低解像度の映像信号である。この低解像度の映像信号に含まれる画像データは、第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と第1の走査信号線GL11 〜GL1n とがともに1本おきに用いられることにより画素PIXに書き込まれる。上記データプロセッサ111は、この低解像度の画像データを表示する画素であって1ラインおきに隣接する画素のデータに基づき、後述する論理演算回路でデータ処理(データプロセッシング)を行うことにより高解像度の画像データを形成するための所定の補間データを作成する。この補間データは、1ラインおきに隣接する上記画素の間に位置する画素PIXに書き込まれ、これにより高解像度の画像表示が行われる。
【0055】
図9は、複数の画素からなる画素アレイを示す図である。図9に示す9つの画素は、3×3の画素アレイであり、(i−1)番目および(i+1)番目のデータ信号線と(j−1)番目および(j+1)番目の走査信号線とに囲まれた画素に着目している。ここで実際には、これらの画素のデータを含む上記走査信号線3本分のデータは一括して同時に論理演算されるが、以下では説明を簡単にするため、この3×3の画素アレイに関する論理演算のみにつき考える。また、以下ではこの3×3の画素アレイを「ブロックセル」と呼ぶ。このブロックセルに対して、外部より供給される映像信号に基づくデータが(i−1)番目および(i+1)番目のデータ信号線と(j−1)番目および(j+1)番目の走査信号線とを介して、画素PIX(i−1,j−1)、画素PIX(i−1,j+1)、画素PIX(i+1,j−1)、および画素PIX(i+1,j+1)に書き込まれる場合、画素PIX(i,j−1)、画素PIX(i−1,j)、画素PIX(i,j)、画素PIX(i+1,j)、および画素PIX(i,j+1)の画像データは所定の論理演算処理により生成される。
【0056】
ここで、上述のように映像信号は2値のディジタル信号であるため、データプロセッサも2値のディジタル論理回路によって構成される。そして、ブロックセルを構成する各画素のデータは所定数の組み合わせに限定されるため、上記論理演算処理は所定の対応関係または対応関係を示すパターンに表すことができる。このパターンはいくつか考えられるが、以下では第1から第3までの論理演算処理パターンを例示する。なお、これらの論理演算処理方法は例示であって以下の方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0057】
まず、第1の論理演算処理について、図10(a)および図10(b)を参照して説明する。図10(a)は、第1の論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図10(b)は、図10(a)に示す各ブロックセルに対して第1の論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。なお、この図中の「1」は当該画素の表示データに対応する論理レベルがHIGHであり、「0」は論理レベルがLOWであることを示しており、他の図においても同様であるものとする。また、説明の便宜のため、以下では画素PIXの表示データに対応する論理値を単に画素PIXともいう。
【0058】
画素PIX(i,j−1)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、画素PIX(i,j−1)は、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により決定される。画素PIX(i,j+1)も同様に、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0059】
画素PIX(i−1,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i−1,j+1)の論理積により決定される。画素PIX(i+1,j)も同様に、画素PIX(i+1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0060】
画素PIX(i,j)は、当該画素を通る2本の対角線のうち、どちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0061】
以上の第1の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0062】
これらの論理演算処理は、専用のハードウェア、例えばゲートアレイにより実現される。図11は、ゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。図示されるように6つのANDゲートと1つのORゲートからなる組み合わせ論理回路により、図の上側に示すブロックセルが表示すべき低解像度の画像データ(具体的にはメモリセルMEMより同時に読み出されるデータ)から図の下側に示すブロックセルが表示すべき高解像度の画像データを得ることができる。なお、上記論理演算処理は、所定のソフトウェア処理を行うコンピュータにより実現することもできる。
【0063】
次に、第2の論理演算処理について、図10(c)および図10(d)を参照して説明する。図10(c)は、第2の論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図10(d)は、図10(c)に示す各ブロックセルに対して第2の論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0064】
画素PIX(i,j−1)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により決定される。画素PIX(i,j+1)も同様に、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0065】
画素PIX(i−1,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i−1,j+1)の論理積により決定される。画素PIX(i+1,j)も同様に、画素PIX(i+1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0066】
画素PIX(i,j)は、隣接する画素の論理値に関わらず0(すなわちLOW)になる。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0067】
以上の第2の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0068】
これらの論理演算処理や以下の論理演算処理も図11に示すようなゲートアレイと同様の演算処理回路により実現することができるが詳しい説明は省略する。なお、上記論理演算処理の方法は例示であって上記方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0069】
次に、第3の論理演算処理について、図10(e)および図10(f)を参照して説明する。図10(e)は、第3の論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図10(f)は、図10(e)に示す各ブロックセルに対して第3の論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0070】
画素PIX(i,j−1)および画素PIX(i,j+1)は、隣接する画素の論理値に関わらず0になる。同様に、画素PIX(i−1,j)および画素PIX(i+1,j)も、隣接する画素の論理値に関わらず0になる。
【0071】
画素PIX(i,j)は、当該画素を通る2本の対角線のうち、どちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0072】
以上の第3の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0073】
次に、図5を再び参照して、表示データ書き込み部112について説明する。表示データ書き込み部112は、図5に示すマルチプレクサ回路1121を含む。図12は、トランスファーゲートからなるマルチプレクサ回路の構成例を示す図である。より詳しくは、図12(a)に示すマルチプレクサ回路1121は、CMOSトランジスタからなるm個のトランスファーゲートで構成される。図12(b)に示すマルチプレクサ回路1121は、Nチャネルトランジスタのみからなるm個のトランスファーゲートで構成される。図12(c)に示すマルチプレクサ回路1121は、Pチャネルトランジスタのみからなるm個のトランスファーゲートで構成される。また、図13は、論理回路からなるマルチプレクサ回路の別例を示す図である。このマルチプレクサ回路1121は、m個のANDゲートおよび1つの(多入力)ORゲートからなる論理回路で構成される。このマルチプレクサ回路1121は、各データ信号線に分割された映像信号を多重化し、高精細の画像データである映像信号DAT2として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する。この構成により高解像度の画像表示が行われる。
【0074】
具体的には、上記表示データ書き込み部112からの映像信号DAT2を受け取ったデータ信号線駆動回路105は、上述の第2のクロック信号に同期することにより映像信号DAT2から各画素に表示されるべきデータ信号を順次抽出し、第1のデータ信号線103へ与える。また、このときの切り替え信号IPはHIGHとなるため、第1の走査信号線駆動回路104(のシフトレジスタ1041)は、1段毎に(例えば第1の走査信号線GL11 ,GL12 ,GL13 の順に)3つの走査信号線を選択し、走査信号を出力する。このような動作により、映像信号DAT2に含まれる画像データは、対応する3本の第1の走査信号線に配置される画素PIXに書き込まれる。
【0075】
以上の書き込み動作が終了すると、次の3本の第1の走査信号線および第2の走査信号線が1段毎に選択されることにより、対応する画素PIXに書き込まれている低解像度の画像データがメモリセルMEMに書き込まれ、さらにデータプロセッサ111により高解像度の画像データに変換される。このようにブロックセル毎(3行毎)に画素PIXに書き込まれている低解像度の画像データが読み込まれ、これらの画像データを変換することにより生成される高解像度の画像データがブロックセル毎(3行毎)に再度画素PIXに書き込まれる、という動作が繰り返されることになる。なお、このような動作を実現するため、例えば第1の走査信号線駆動回路104は、画素PIXに書き込まれている低解像度の画像データを読み取るためのシフトレジスタと、高解像度の画像データを書き込むためシフトレジスタとを含み、これらのシフトレジスタをブロックセル毎(3つの走査信号線毎)に所定のタイミングで交互に動作させる構成も考えられる。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る画像処理機能を有する表示装置は、画面メモリアレイ101の画素アレイを画像処理におけるメモリアレイとして用いるため、外部に別にメモリアレイを設ける必要がない。したがって、装置の規模を小さくすることができる。
【0077】
また、本実施形態に係る表示装置は、内部でデータプロセッシングをするため、入力すべき画像データをデータサイズの小さい低解像度データに予め変換しておくことにより、装置に入力すべき画像データの転送速度を上げることができる。よって、本表示装置は、表示画面の大型化や高解像化の要求に伴い大容量化する画像データを速やかに表示することができる。
【0078】
さらに、本実施形態に係る表示装置は、画面メモリアレイ101の画素アレイおよび関連回路が互いに同一基板上に形成されているため、互いを接続する配線も当該基板上に形成される。よって、基板外に配線を引き出す必要がないので、画素数の増加に伴いデータ信号線の数および走査信号線の数が増加する場合であっても、基板外に信号線を引き出す配線作業が不要である。そのため、本表示装置を組み立てる際の手間および製造コストを削減することができる。また、各信号線を基板外に接続するための端子を設ける必要もないため、各信号線の不要な静電容量の増大を防止することができるとともに、装置全体の集積度を上げることができる。
【0079】
さらにまた、本実施形態に係る表示装置は、表示に関連する回路を画素の内部に形成せず、画素アレイを含む画面メモリアレイ101の周囲近傍に配置するため、画素の開口率を低下させることがない。したがって、本表示装置は、反射型の画像表示装置だけでなく、透過型の画像表示装置にも好適な構成である。
【0080】
(第1の実施形態の変形例)
上記第1の実施形態における表示データ保持部107は、3本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を備えるが、これはブロックセルが3×3の画素アレイからなることに基づく。したがって、ブロックセルがさらに多くの画素アレイからなる場合には、上記第2の走査信号線の数は多くなる。
【0081】
また、上記第1の実施形態では、画素データがメモリセルMEMに書き込まれるとき、第1の走査信号線駆動回路104は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n を1段毎に順に選択し、同時に第2の走査信号線駆動回路110は、第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を1段毎に順に選択する。しかし、上記第1の実施形態では、低解像度の画像データが1段おきに画素PIXに対して書き込まれるため、ブロックセルのうち画像データを含む行は1行目と3行目のみである。したがって、切り替え信号IPがLOWに設定されることにより、第1の走査信号線駆動回路104により第1の走査信号線GL11 〜GL1n が1段おきに順に選択され、同時に第2の走査信号線駆動回路110により2本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 が選択されるように構成してもよい。この場合、第2の走査信号線GL23 およびこれに対応する行の全てのメモリセルMEMは省略される。なお、この場合、第2の走査信号線GL21から受け取られたメモリセルMEMの画像データは、画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の画像データであり、第2の走査信号線GL22 から受け取られたメモリセルMEMの画像データは、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の画像データであるため、図11に示す論理回路により高解像度の画像データを得ることができる。
【0082】
上記第1の実施形態では、データプロセッサ111は、典型的には図11に示す組み合わせ論理回路のみからなるが、これらの論理回路はメモリセルMEMの間に形成されてもよい。この場合、データ処理手段であるデータプロセッサ111とデータ保持手段であるメモリセルMEMとが一体的に機能する。また、メモリセルMEMに相当する記憶部がデータプロセッサ111に内蔵される場合、画素PIXから読み出される低解像度の画像データが直接データプロセッサ111に与えられてもよい。この場合、第2の走査信号線駆動回路110、第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 、およびメモリセルMEMの各機能はデータプロセッサ111に内蔵されることになるため、上記構成要素は省略され、データプロセッサ111はデータ処理手段およびデータ保持手段として一体的に機能する。
【0083】
上記第1の実施形態では、低解像度の画像データは一旦画素PIXに書き込まれるが、直接メモリセルMEMに書き込まれるように構成されてもよい。この場合、第1の走査信号線駆動回路104は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n を全て非選択とし、第2の走査信号線駆動回路110は、第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を1段毎に順に選択する。このようにメモリセルMEMに書き込まれた低解像度の画像データに基づきデータプロセッサ111により作成された高解像度の画像データが画素PIXに書き込まれた後、次の低解像度の画像データがメモリセルMEMに書き込まれる。
【0084】
上記第1の実施形態における表示データ保持部107は、3本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を備えるが、第1の走査信号線GL11 〜GL1n の半数であるk(=n/2)本の第2の走査信号線GL21 〜GL2k を備える構成であってもよい。この場合には、切り替え信号IPがLOWに設定されることによって、第1の走査信号線駆動回路104は第1の走査信号線GL11 〜GL1n を1段おきに順に選択し、同時に第2の走査信号線駆動回路110は第2の走査信号線GL21 〜GL2k を1段毎に順に選択する。この動作により、画素PIXに書き込まれた低解像度の画像データは、一旦全てがメモリセルMEMに書き込まれる。この動作が終了した後、第2の走査信号線駆動回路110により第2の走査信号線GL21 〜GL2k が1段毎に順に選択されることにより、データプロセッサ111(に内蔵される記憶部)に低解像度の画像データが与えられ、このデータに基づきブロックセル毎に上述の論理演算が行われることにより高解像度の画像データが生成される。このような構成では、k本の第2の走査信号線GL21 〜GL2k および同数行のメモリセルMEMが必要となるが、第1の走査信号線駆動回路104および第2の走査信号線駆動回路110は、順に走査信号線を選択する動作を行えばよいため、簡易な構成とすることができる。
【0085】
なお、上記第1の実施形態の構成は、EL素子などの電流駆動型その他の発光素子を含む表示装置にも適用可能である。
【0086】
(第2の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、外部より供給される映像信号は、1列おきかつ1行毎の(すなわち走査線数が走査信号線と同数でありデータ線数がデータ信号線の半数である)映像信号を構成する低解像度データである点が異なる。以下、第1の実施形態の構成と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記低解像度の映像信号は、第1のデータ信号線SL11〜SL1m が1本おきに用いられることにより画素形成部に書き込まれる。そのため、データプロセッサ111は、この低解像度の画像データを表示する1列おきの画素のデータに基づき、後述するデータ処理(データプロセッシング)を行うことにより高解像度の画像データを形成するための所定の補間データを作成する。この補間データは、1列おきの上記画素の間に位置する画素へ書き込まれ、これにより高解像度の画像表示が行われる。なお、本実施形態における第1の走査信号線駆動回路104(のシフトレジスタ1041)は、上記第1の実施形態の場合とは異なり、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む場合に1段毎に第1の走査信号線GL11 〜GL1n を選択することになる。
【0087】
ここで、図9に示すブロックセルに関する論理演算について説明する。このブロックセルに対して、外部より供給される映像信号が(i−1)番目および(i+1)番目のデータ信号線と(j−1)番目から(j+1)番目までの走査信号線とを介して、画素PIX(i−1,j−1)、画素PIX(i−1,j)、画素PIX(i−1,j+1)、画素PIX(i+1,j−1)、画素PIX(i+1,j)、および画素PIX(i+1,j+1)に書き込まれる場合、画素PIX(i,j−1)、画素PIX(i,j)、および画素PIX(i,j+1)の画像データは所定の論理演算処理により生成される。そして、上記論理演算処理は所定のパターンに表すことができるので、以下ではその1つを例示する。なお、論理演算処理方法は以下の方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0088】
図14(a)は、上記論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図14(b)は、図14(a)に示す各ブロックセルに対して論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0089】
画素PIX(i,j−1)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、画素PIX(i,j−1)は、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により決定される。画素PIX(i,j+1)も同様に、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0090】
画素PIX(i,j)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのとき、または当該画素を通る2本の対角線のうちどちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのとき、HIGHになる。すなわち、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j)およびPIX(i+1,j)の論理積により得られる値と、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0091】
以上の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0092】
これらの論理演算処理は、例えばゲートアレイにより実現される。図15は、ゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。図示されるように7つのANDゲートと1つのORゲートからなる組み合わせ論理回路により、図の上側に示すブロックセルが表示すべき低解像度の画像データ(具体的にはメモリセルMEMより同時に読み出されるデータ)から図の下側に示すブロックセルが表示すべき高解像度の画像データを得ることができる。なお、上記論理演算処理は、所定のソフトウェア処理により実現することもできる。
【0093】
これらの演算結果は表示データ書き込み部112に与えられ、表示データ書き込み部112は、各データ信号線に分割された映像信号を多重化し、高精細の画像データである映像信号DAT2として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する。この構成により高解像度の画像表示が行われる。
【0094】
(第3の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、外部より供給される映像信号は、1行おきかつ1列毎の(すなわち走査線数が走査信号線の半数でありデータ線数がデータ信号線と同数である)映像信号により構成される低解像度データである点が異なる。以下、第1の実施形態の構成と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記低解像度の映像信号は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n が1本おきに用いられることにより画素形成部に書き込まれるため、データプロセッサ111は、この低解像度の画像データを表示する1行おきの画素のデータに基づき、後述するデータ処理(データプロセッシング)を行うことにより高解像度の画像データを形成するための所定の補間データを作成する。この補間データは、1行おきの上記画素の間に位置する画素へ書き込まれ、これにより高解像度の画像表示が行われる。
【0095】
ここで、図9に示すブロックセルに関する論理演算について説明する。このブロックセルに対して、外部より供給される映像信号が(i−1)番目から(i+1)番目までのデータ信号線と(j−1)番目および(j+1)番目の走査信号線とを介して、画素PIX(i−1,j−1)、画素PIX(i,j−1)、画素PIX(i+1,j−1)、画素PIX(i−1,j+1)、画素PIX(i,j+1)、および画素PIX(i+1,j+1)に書き込まれる場合に、画素PIX(i−1,j)、画素PIX(i,j)、および画素PIX(i+1,j)の画像データは所定の論理演算処理により生成される。そして、上記論理演算処理は所定のパターンに表すことができるので、以下ではその1つを例示する。なお、論理演算処理方法は以下の方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0096】
図16(a)は、上記論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図16(b)は、図16(a)に示す各ブロックセルに対して論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0097】
画素PIX(i−1,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i−1,j+1)の論理積により決定される。画素PIX(i+1,j)も同様に、画素PIX(i+1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0098】
画素PIX(i,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのとき、または当該画素を通る2本の対角線のうちどちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのとき、HIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i,j−1)および画素PIX(i,j+1)の論理積により得られる値と、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0099】
以上の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0100】
これらの論理演算処理は、例えばゲートアレイにより実現される。図17は、ゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。図示されるように7つのANDゲートと1つのORゲートからなる組み合わせ論理回路により、図の上側に示すブロックセルが表示すべき低解像度の画像データ(具体的にはメモリセルMEMより同時に読み出されるデータ)から図の下側に示すブロックセルが表示すべき(高解像度の)画像データを得ることができる。なお、上記論理演算処理は、所定のソフトウェア処理により実現することもできる。
【0101】
これらの演算結果は表示データ書き込み部112に与えられ、表示データ書き込み部112は、各データ信号線に分割された映像信号を多重化し、高精細の画像データである映像信号DAT2として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する。この構成により高解像度の画像表示が行われる。
【0102】
(第4の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、第1の走査信号線駆動回路104およびデータ信号線駆動回路105の構成が異なる。すなわち、図2に示す第1の走査信号線駆動回路104は、シフトレジスタ1041を含み、データ信号線駆動回路105は、シフトレジスタ1051およびサンプリング部1052を含むが、本実施形態では、上記シフトレジスタ1041および上記シフトレジスタ1051に代えて、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むためのシフトレジスタ1041a,1051aおよび映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込むためのシフトレジスタ1041b,1051bと、シフトレジスタ1051a,1051bからの信号を受け取るサンプリング部1052a,1052bとがそれぞれに設けられる。以下、第1の実施形態の構成と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0103】
図18は、これらのシフトレジスタおよびサンプリング部を含む第1の走査信号線駆動回路およびデータ信号線駆動回路を示す図である。映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むためのシフトレジスタ1051aは、複数のフリップフロップを含んでおり、これらのフリップフロップは、制御回路120から与えられる切り替え信号IPがLOWのときに図の上部に示されるインバータで反転された信号(HIGH)が入力されることにより、1段おきに(具体的には出力信号S1 ,S3 ,S5 ,…の順に)信号を出力する。これらの信号はサンプリング部1052aに入力され、出力信号S1 〜Sm が示すタイミングで、映像信号DAT1をサンプリングすることにより、第1のデータ信号線SL11 〜SL1m へ出力すべき画像データを映像信号DAT1から抽出し出力する。
【0104】
また、映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込むためのシフトレジスタ1051bも、複数のフリップフロップを含んでおり、切り替え信号IPがHIGHのときに1段毎に(具体的には出力信号S1 ,S2 ,S3 ,…の順に)信号を出力する。これらの信号はサンプリング部1052bに入力され、同様にデータ信号が生成される。
【0105】
なお、シフトレジスタ1051a,1051bに含まれるフリップフロップは、入力される信号(切り替え信号IPまたはその反転信号)がHIGHである場合には動作し、LOWである場合には動作を停止する機能を有している。したがって、切り替え信号IPにより、シフトレジスタ1051a,1051b(に含まれるフリップフロップ)のいずれか一方の動作が停止するため、消費電力の増加を抑えることができる。
【0106】
このように、データ信号線駆動回路105は、外部の制御回路120から供給される映像信号DAT1を各画素PIXへ書き込むためのデータ信号線駆動回路と、データプロセッサによって演算処理された映像信号DAT2を各画素PIXへ再び書き込むためのデータ信号線駆動回路の2系統のデータ信号線駆動回路によって構成される。また、第1の走査信号線駆動回路104も同様に2系統の走査信号線駆動回路によって構成される。すなわち、第1の走査信号線駆動回路104は、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むためのシフトレジスタ1041aおよび映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込むためのシフトレジスタ1041bを含む。これらのシフトレジスタ1041a,1041bの構成は、上述のシフトレジスタとほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。
【0107】
なお、第1の走査信号線駆動回路104のシフトレジスタ1041aは、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むときの他、メモリセルMEMに書き込むために、画素PIXに書き込まれた低解像度の画像データを読み出すときに動作してもよい。この場合、シフトレジスタ1041aとシフトレジスタ1041bとは、所定のタイミングでブロックセル毎(3つの走査信号線毎)に交互に動作する。
【0108】
また、本実施形態における第1の走査信号線駆動回路104およびデータ信号線駆動回路105はともに2系統の回路構成であるが、いずれか一方のみが2系統の回路構成であってもよい。
【0109】
【発明の効果】
第1の発明によれば、画素形成部を画像処理におけるメモリアレイとして用いるため、外部に別にメモリアレイを設ける必要がない。したがって、装置の規模を小さくすることができる。また、データ処理手段の内部でデータプロセッシングをするため、入力すべき画像データをデータサイズの小さい低解像度データに予め変換しておくことにより、装置に入力すべき画像データの転送速度を上げることができる。よって、本表示装置は、表示画面の大型化や高解像化の要求に伴い大容量化する画像データを速やかに表示することができる。
【0110】
第2の発明によれば、所定の画像データを記憶するためのコンデンサと、スイッチング素子と、データ信号線と、走査信号線とによりデータ保持手段を構成するため、簡易な構成で画素形成部に保持される画像データを上記コンデンサに容易に保持させることができる。
【0111】
第3の発明によれば、第2のデータ信号線は第1のデータ信号線と同数であるため、共通の配線で容易に構成することができ、また第2の走査信号線は第1の走査信号線よりも少ないため、データ保持手段をより小さく形成することができる。
【0112】
第4の発明によれば、第2の走査信号線の数は、データ処理手段により一括して処理される画像データの行数に応じて、2本または3本であるため、データ保持手段をより小さく形成することができる。
【0113】
第5の発明によれば、段数が変更可能であるシフトレジスタにより、装置外部から与えられる画像データを画素形成部に与えるべき場合と表示データ書き込み部からの画像データを画素形成部に与えるべき場合とが容易に切り替え可能に構成することができる。
【0114】
第6の発明によれば、第1の走査信号線駆動回路および第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は2系統の駆動回路からなるため、シフトレジスタを省略することができる。
【0115】
第7の発明によれば、2系統の駆動回路の一方の動作が停止されるため、消費電力を抑えることができる。
【0116】
第8の発明によれば、装置外部から与えられる画像データを含む映像信号の走査線数またはデータ線数が少ない低解像度のデータ入力される。そのため、装置に入力すべき画像データの転送速度を上げることができるので、高精細な表示を速やかに行うことができる。
【0117】
第9の発明によれば、画素形成部および関連回路が互いに同一基板上に形成されているため、互いを接続する配線も当該基板上に形成される。よって、基板外に配線を引き出す必要がないので、画素数の増加に伴いデータ信号線の数および走査信号線の数が増加する場合であっても、基板外に信号線を引き出す配線作業が不要である。そのため、本表示装置を組み立てる際の手間および製造コストを削減することができる。また、各信号線を基板外に接続するための端子を設ける必要もないため、各信号線の不要な静電容量の増大を防止することができるとともに、装置全体の集積度を上げることができる。さらに、表示に関連する回路を画素の内部に形成せず、画素アレイを含む画面メモリアレイ101の周囲近傍に配置するため、画素の開口率を低下させることがない。したがって、本表示装置は、反射型の画像表示装置だけでなく、透過型の画像表示装置にも好適な構成である。
【0118】
第10の発明によれば、600℃以下のプロセス温度で半導体素子(例えばポリシリコン薄膜トランジスタ)を形成する構成により、安価で大型化が容易なガラスを基板として用いることができるため、大型の画像表示装置を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置におけるアクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。
【図2】上記実施形態における画面メモリアレイ(表示部)と関連する回路とを示す図である。
【図3】上記実施形態における画素PIX(i,j)の構成を示す回路図である。
【図4】上記実施形態におけるシフトレジスタの構成例を示す回路図である。
【図5】上記実施形態における表示データ保持部と関連する回路とを示す図である。
【図6】上記実施形態におけるプリチャージ回路を含む画面メモリ読み出し部の構成を示す図である。
【図7】上記実施形態におけるプリチャージ回路の構成例を示す回路図であり、
【図8】上記実施形態におけるメモリセルMEM(i,j)の構成を示す回路図である。
【図9】上記実施形態における複数の画素からなる画素アレイを示す図である。
【図10】上記実施形態における論理演算処理前および処理後におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【図11】上記実施形態におけるゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。
【図12】上記実施形態におけるトランスファーゲートからなるマルチプレクサ回路の構成例を示す図である。
【図13】上記実施形態における論理回路からなるマルチプレクサ回路の別例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態における論理演算処理前および処理後におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【図15】上記実施形態におけるゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態における論理演算処理前および処理後におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【図17】上記実施形態におけるゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施形態におけるシフトレジスタおよびサンプリング部を含む第1の走査信号線駆動回路およびデータ信号線駆動回路を示す図である。
【符号の説明】
101…画面メモリアレイ
102…走査信号線
103…データ信号線
104…走査信号線駆動回路
105…データ信号線駆動回路
106…画面メモリ読み出し部
107…表示データ保持部
108…データ信号線
109…走査信号線
110…走査信号線駆動回路
111…データプロセッサ
112…表示データ書き込み部
120…制御回路
1041,1051…シフトレジスタ
1052…サンプリング部
1061…増幅回路群
1062…プリチャージ回路
1121…マルチプレクサ回路
PIX…画素
MEM…メモリセル
GL1,GL2…走査信号線
SL1,SL2…データ信号線
DAT1,DAT2…映像信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス型液晶パネルやEL(ElectronicLuminescence)ディスプレイ等の表示装置に関し、より詳しくは外部より入力される画像データよりも高精細な画像表示を行う表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶パネル等のアクティブマトリクス型画像表示装置は、1画素毎に静電容量を有しているためメモリ機能を持つことが知られており、RAM(Random Access Memory)としても用いることが可能である。従来のアクティブマトリクス型画像表示装置には、このメモリ機能に基づく表示データの読み出し機能を有することにより、その機能性がさらに高められているものがある。
【0003】
このような読み出し記憶機能を有する装置として、例えば特開昭58−64699号公報では、データ線を読み出し期間前に充電(プリチャージ)しておき、読み出し時には充電状態を保持しているか、または放電している状態かのいずれの状態にあるかの判定を行う装置が開示されている。
【0004】
また、例えば特開昭59−53892号公報では、画像データを画素容量に一旦蓄積した後に読み出す機能を有する表示装置が開示されている。この装置における画素電極に蓄積されたデータを読み出すための手段は、画素電極に蓄積されたデータを増幅する手段と、当該増幅手段により増幅されたデータを読み出す手段と、当該増幅手段により増幅されたデータを画素電極に帰還する手段とを含むことを特徴としている。
【0005】
さらに、例えば特開平4−60581号公報では、画像データを画素容量に一旦蓄積した後に読み出し、データ処理した後に再表示する表示装置が開示されている。この液晶表示装置にはリフレッシュ制御回路が内蔵されているため、新たにデータを書き換える必要のない静止画像等を表示する場合には、外部から画像信号を常に供給する必要がなくなる。この構成により低価格なシステムが実現されている。
【0006】
さらにまた、例えば特開平10−222136号公報では、静止画表示時にドレインドライバを停止させる手段と、読み出された画像信号の極性を反転する極性反転手段を含む画像信号のレベル変換手段とを備える表示装置が開示されている。
【0007】
また、特開平11−237645号公報では、光照射によりスイッチング素子のリーク電流が増加することを利用し、検出された画素の電荷変化に基づき、画像信号をデータ変換して再表示する液晶表示装置が開示されている。この表示装置では、新たなセンサ素子を設けることなく、画面全体がイメージセンサとして機能する。
【0008】
さらにまた、特開2001−100690号公報では、低解像度画像などの情報量の少ない画像信号に基づき、より高精細な画像を表示できる表示装置が開示されている。この表示装置は主画素と副画素とを有しており、主画素を形成する主画素形成部と副画素を形成する副画素形成部とは、表示部を構成する基板上にマトリクス状に配置される。主画素形成部は、データ信号線と走査信号線との交差箇所に配置されており、データ信号線および走査信号線に接続されるトランジスタ等からなるスイッチング手段により電圧を印加される。また、副画素形成部は、所定の演算回路を含んでおり、当該演算回路は、近傍に配置された主画素形成部および他の副画素形成部へ印加される電圧信号を補助信号線を介して受けとり、主画素による表示を補間するような印加電圧を出力するように、論理演算または数値演算を行う。この演算回路からの出力電圧は、副画素形成部の画素電極に印加される。このことにより主画素による表示が補間され、より高精細な画像が表示される。
【0009】
【特許文献1】
特開昭58−64699号公報
【特許文献2】
特開昭59−53892号公報
【特許文献3】
特開平4−60581号公報
【特許文献4】
特開平10−222136号公報
【特許文献5】
特開平11−237645号公報
【特許文献6】
特開2001−100690号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の表示装置における画像処理(データプロセッシング)は、外部のメモリと外部のデータ処理チップとにより行われる。典型的には従来の表示装置に備えられる、データ信号線駆動回路、走査信号線駆動回路、画素形成部、主メモリ、およびデータプロセッシング回路は、別々の基板または別々のチップ上に形成されるため、互いを接続する配線は基板外またはチップ外に設けられる。その結果、データ信号線の数および走査信号線の数が増加するにしたがい、基板外またはチップ外に出すこれらの(信号線)配線の数も増加するため、組み立ての手間が増大する。また、これらの信号線を基板外で接続するための端子を設ける必要が生じるため、不要な静電容量が増大し、さらに装置全体の集積度も低下する。
【0011】
また、近年のトランジスタの特性および集積度の向上により、表示画面がより大きくかつより高解像である画像表示装置が求められており、このような表示装置に入力されるデータは非常に大きな量となっている。このため、表示装置と演算処理装置との間をデータ転送する際に用いられるデータバスがボトルネックとなることがある。また、LAN(Local Area Network)等を介してデータの転送がなされる場合には、その伝送時間が長くなるとともに伝送路の使用帯域が増大し、さらにデータを記憶するため必要な記憶容量も増加する。したがって、データを圧縮した後に転送し、システムの内部で圧縮されたデータを展開して画像処理を行うなどの工夫が従来よりなされるが、根本的な解決とはならない。この点で、上述した特開2001−100690号公報に示されるように、データ量の少ない低解像度の画像データを入力し、主画素の周辺に設けられる副画素で主画素の表示を補間することにより高精細な画像の表示を実現する表示装置が好ましい。しかし、この従来の表示装置は、画素形成部の内部に回路等が形成されるため開口率が低下する。したがって、反射型液晶表示装置には適するが、透過型液晶表示装置には必ずしも適していない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、低解像度の画像データに基づき高精細な画像を表示する表示装置であって、開口率を低下させることなく装置全体の集積度を向上させた表示装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、表示画素を形成するために入力されるデータ信号に含まれる画像データを保持可能に構成される画素形成部と、前記画素形成部に入力されるべきデータ信号を選択的に与える第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を介して前記画素形成部に前記データ信号を供給する第1のデータ信号線と、前記データ信号を与えることにより前記第1のデータ信号線を駆動するデータ信号線駆動回路と、前記第1のスイッチング素子を制御するための第1の走査信号を前記第1のスイッチング素子に与える第1の走査信号線と、前記第1の走査信号を与えることにより前記第1の走査信号線を駆動する第1の走査信号線駆動回路とを備えるアクティブマトリクス型の表示装置であって、
前記画素形成部で保持される画像データを前記第1のデータ信号線を介して読み出す画面メモリ読み出し手段と、
前記画面メモリ読み出し手段により読み出された画像データを一時的に保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段により一時的に保持された画像データに対して所定のデータ処理を行うことにより得られる画像データを出力するデータ処理手段と、
前記データ処理手段からの画像データを前記第1のデータ信号線を介して前記画素形成部に書き込むデータ書き込み手段とを備え、
前記画素形成部は、装置外部からの画像データを受け取る場合には複数のうちの所定の一部のみが表示画素を形成し、前記データ書き込み手段からの画像データを受け取る場合には前記所定の一部よりも多くが表示画素を形成することを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、
前記データ保持手段は、
前記画像データを記憶するためのコンデンサと、
前記コンデンサに記憶されるべき画像データを選択的に与える第2のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子を介して前記コンデンサに前記画像データを供給する第2のデータ信号線と、
前記第2のスイッチング素子を制御するための第2の走査信号を前記第2のスイッチング素子に与える第2の走査信号線とを含み、
前記画面メモリ読み出し手段は、前記第2のデータ信号線を介して前記データ保持手段に前記画像データを与えるために、前記第2の走査信号を与えることにより前記第2の走査信号線を駆動する第2の走査信号線駆動回路を含むことを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、
前記第2のデータ信号線は、前記第1のデータ信号線と同数であり、
前記第2の走査信号線は、前記第1の走査信号線よりも少ないことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、第3の発明において、
前記第2の走査信号線は、2本または3本であることを特徴とする。
【0017】
第5の発明は、第1の発明において、
前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合と前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合とで段数が変更可能に構成されるシフトレジスタを含む。
【0018】
第6の発明は、第1の発明において、
前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路と、前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路との2系統の駆動回路からなることを特徴とする。
【0019】
第7の発明は、第6の発明において、
前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合には装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路が停止され、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合には前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路が停止されることを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、第1から第7までのいずれか1つの発明において、
前記第1の走査信号線の本数は、装置外部からの画像データを含む映像信号の走査線数よりも多くが設けられること、および/または、前記第1のデータ信号線の本数は、装置外部からの画像データを含む映像信号の一走査線あたりの画素数よりも多くが設けられることを特徴とする。
【0021】
第9の発明は、第1から第8までのいずれか1つの発明において、
前記画素形成部および前記第1のスイッチング素子は、同一基板上に一体形成されており、
前記データ信号線駆動回路、前記第1の走査信号線駆動回路、前記画面メモリ読み出し手段、前記データ保持手段、前記データ処理手段、前記データ書き込み手段のうちの少なくとも1つは前記画素形成部近傍の前記同一基板上に一体形成されることを特徴とする。
【0022】
第10の発明は、第1から第9までのいずれか1つの発明において、
前記画素形成部、前記第1のスイッチング素子、前記データ信号線駆動回路、前記第1の走査信号線駆動回路、前記画面メモリ読み出し手段、前記データ保持手段、前記データ処理手段、前記データ書き込み手段は、600℃以下の低温プロセスで形成された半導体素子を含むことを特徴とする。
【0023】
第11の発明は、第1から第10までのいずれか1つの発明において、
前記画素形成部は、液晶素子またはEL素子を含むことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成につき、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置におけるアクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。このアクティブマトリクス基板は、複数の画素を含む表示部を構成する画面メモリアレイ(表示部)101と、第1の走査信号線102と、第1のデータ信号線103と、所定の第1の走査信号を上記第1の走査信号線102へ順次与える第1の走査信号線駆動回路104と、各画素へのデータ信号を上記第1のデータ信号線103へ与えるデータ信号線駆動回路105と、画素を表示するための画素形成部に含まれる画像データ(以下「表示データ」とも略する)の一部を読み出す画面メモリ読み出し部106と、画面メモリ読み出し部106により読み出された表示データを一時的に保持する表示データ保持部107と、この表示データ保持部107に表示データを与える第2のデータ信号線108と、第2の走査信号線109と、第2の走査信号線を駆動する第2の走査信号線駆動回路110と、画面メモリアレイ101から読み出された表示データをデータ処理(データプロセッシング)するデータプロセッサ111と、データ処理された表示データを映像信号として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する表示データ書き込み部112とを備える。
【0026】
このアクティブマトリクス基板は、ポリシリコンの薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)からなる基板であって、上記各回路(および信号線)が一体に形成されている。これらの回路を含む上記構成要素は、典型的には全て同一基板上に形成される。このポリシリコン薄膜トランジスタ基板は、600℃以下のプロセス温度で、ガラス基板上に活性層となるポリシリコン薄膜を形成後、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極および層間絶縁膜を形成し、さらに配線層および透明導電膜等を形成することにより作製される。このプロセスにより、画素および関連する各回路を同一基板上に容易に形成することができる。また、600℃以下のプロセス温度でポリシリコン薄膜トランジスタを形成する構成により、歪み点温度が低い反面、安価で大型化が容易なガラスを基板として用いることができ、大型の画像表示装置を低コストで製造することができる。なお、上記薄膜トランジスタは各回路に含まれるスイッチング素子等として機能する。以下、アクティブマトリクス基板の各構成要素の構成および動作の概略について説明する。
【0027】
画面メモリアレイ101は、画素を表示するためのものであってマトリクス状に配置される複数の画素形成部と、当該画素形成部毎に設けられる第1のスイッチング素子とを含む。上記第1のスイッチング素子は、各画素の各行に配置される第1の走査信号線102から第1の走査信号により制御され、上記画素形成部は、当該画素形成部の各列毎に配置される第1のデータ信号線103から第1のスイッチング素子を介して上記データ信号を受け取る。
【0028】
第1の走査信号線駆動回路104は、予め定められた周期の第1のクロック信号に同期することにより互いに異なるタイミングを有する複数の第1の走査信号を生成し、この第1の走査信号を第1の走査信号線102へ順次与える。
【0029】
データ信号線駆動回路105は、予め定められた周期の第2のクロック信号に同期することにより各画素の表示状態を示す映像信号から各画素に表示されるべきデータ信号を順次抽出し、上記第1のデータ信号線103へ与える。なお、この映像信号は、以下、2値のディジタル信号であるものとする。
【0030】
画面メモリ読み出し部106は、画面メモリアレイ101の各画素形成部に画素を表示するデータである表示(画像)データの一部を第1のデータ信号線103を介して読み出す。
【0031】
表示データ保持部107は、画面メモリ読み出し部106および第2の走査信号線駆動回路110により読み出された表示データをデータ処理されるまで一時的に保持するための複数のコンデンサと、当該コンデンサ毎に設けられる第2のスイッチング素子とを含む。上記第2のスイッチング素子は、第2の走査信号線109からの第2の走査信号により制御され、上記コンデンサは、第2のデータ信号線108から第2のスイッチング素子を介して表示データを受け取る。この表示データは、データプロセッサ111により読み出されてデータ処理された後、表示データ書き込み部112により映像信号として再びデータ信号線駆動回路105へ出力される。
【0032】
さらに、上記アクティブマトリクス基板の構成および動作につき詳述する。図2は、表示部である画面メモリアレイと関連する回路とを示す図である。図では関連する回路として、第1の走査信号線駆動回路104、データ信号線駆動回路105、および制御回路120が示されている。
【0033】
図2に示す画面メモリアレイ101は、画素を形成する画素形成部PIX(以下では単に「画素PIX」と略する)と、図1に示すデータ信号線103に対応するm本の第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と、図1に示す第1の走査信号線102に対応するn本の第1の走査信号線GL11 〜GL1n とを備える。これら第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と第1の走査信号線GL11 〜GL1n とは格子状に交差するように配置されており、画素PIXは隣接する2本の第1のデータ信号線および隣接する2本の第1の走査信号線によって囲まれる領域に配置される。より詳しくは、m以下の任意の正整数をiとし、n以下の任意の正整数をjとする場合、第1のデータ信号線SL1i と第1の走査信号線GL1j との組み合せ毎に、1つの画素PIX(i,j)が設けられる。この画素PIX(i,j)は、隣接する2本の第1のデータ信号線SL1i,SL1i+1 、および隣接する2本の第1の走査信号線GL1j ,GL1j+1 により囲まれる領域に配置されている。この画素PIX(i,j)の構成および動作についてさらに説明する。
【0034】
図3は、画素PIX(i,j)の構成を示す回路図である。この画素PIX(i,j)は、上記第1のスイッチング素子に対応する電界効果トランジスタSW1と、画素の光量を調節するための液晶素子と、必要に応じて付加されるべき所定の容量を有する補助容量素子とを備える。上記電界効果トランジスタSW1は、そのゲートに第1の走査信号線GL1j が接続され、そのドレインに第1のデータ信号線SL1i が接続される。また、液晶素子および補助容量素子の一端は電界効果トランジスタSW1のソースに接続され、これらの他端は全画素形成部に共通の電極である共通電極線に接続される。なお、液晶素子の静電容量である液晶容量CLCおよび補助容量素子の静電容量である補助容量CS の和は、画素容量Cp と呼ばれており、説明の便宜のためこの画素容量Cp を有する1つの容量素子を仮定して、以下で画素容量ともいう。
【0035】
第1の走査信号線駆動回路104により第1の走査信号線GL1j に対して走査信号が与えられる場合、すなわち第1の走査信号線GL1j が選択される場合、上記画素PIX(i,j)の電界効果トランジスタSW1は導通状態になるため、第1のデータ信号線SL1i に印加される(データ信号の)電圧は画素容量に印加される。その後、第1の走査信号線GL1j に対して第1の走査信号線駆動回路104により与えられていた走査信号が停止される場合、すなわち当該第1の走査信号線GL1j の選択期間が終了する場合、電界効果トランジスタSW1が遮断状態となるが、画素容量に蓄積(保持)された電荷により遮断時の電圧が保持され続ける。ここで、液晶素子の光透過率または光反射率は、印加される電圧により変化するため、第1の走査信号線GL1j が選択される場合、第1のデータ信号線SL1j に対して画像データに応じた電圧を印加すれば、画素PIX(i,j)の表示状態を画像データに合わせて変化させることができる。
【0036】
図2に示す第1の走査信号線駆動回路104は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つ(例えば、第1の走査信号線GL11 )を選択し、データ信号線駆動回路105は、データ信号として所定の画像データを第1のデータ信号線SL11 〜SL1m に出力する。この画像データは、選択された第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つと全ての第1のデータ信号線SL11 〜SL1m との組み合わせに対応する全ての画素PIXに表示すべき画像データであり、選択された第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つ(例えば、第1の走査信号線GL11 )に接続される全ての画素PIXに書き込まれる。その後、走査信号線駆動回路104は、次に選択すべき第1の走査信号線GL11 〜GL1n の1つ(例えば、第1の走査信号線GL12 )を選択し、データ信号線駆動回路105は、データ信号として所定の画像データを第1のデータ信号線SL11 〜SL1m に出力する。この動作が順次繰り返されることにより、画面メモリアレイ101の画素PIXに表示すべき画像データが書き込まれる。
【0037】
さらに上記動作につき詳説する。制御回路120は、アクティブマトリクス基板の外部に設けられており、画素PIXに与えられるべき画像データであって時分割された映像信号(以下「映像信号DAT1」という)をデータ信号線駆動回路105へ伝送する。また、制御回路120は、タイミング信号である所定の周期を有するクロック信号CKSおよび後述するスタート信号SPSをデータ信号線駆動回路105に与える。データ信号線駆動回路105は、受け取ったクロック信号CKSおよびスタート信号SPSに基づく所定のタイミングで、映像信号DAT1からデータ信号として出力すべき画像データを抽出し出力する。
【0038】
このデータ信号線駆動回路105は、1クロックずつタイミングが異なる出力信号S1 〜Sm を生成するシフトレジスタ1051と、出力信号S1 〜Sm に基づき第1のデータ信号線SL11 〜SL1m へデータ信号を出力するサンプリング部1052とを備える。シフトレジスタ1051は、制御回路120から与えられるクロック信号CKSに同期してスタート信号SPSを順次シフトすることにより、1クロックずつタイミングが異なる出力信号S1 〜Sm を生成する。サンプリング部1052は、出力信号S1 〜Sm が示すタイミングで、映像信号DAT1をサンプリングすることにより、第1のデータ信号線SL11〜SL1m へ出力すべき画像データを映像信号DAT1から抽出する。
【0039】
同様に、制御回路120は、タイミング信号である所定の周期を有するクロック信号CKGと後述するスタート信号SPGとを走査信号線駆動回路104に与える。走査信号線駆動回路104は、シフトレジスタ1041を含んでおり、このシフトレジスタ1041によって上記クロック信号CKGに同期してスタート信号SPGを順次シフトすることにより、1クロックずつタイミングが異なる走査信号を第1の走査信号線GL11 〜GL1n に出力する。
【0040】
以上のように全ての画素PIXに書き込まれることにより表示される表示データは、画像メモリ読み出し部106により読み出され、データプロセッサ111によりデータ処理されることにより高精細の画像データとなり、表示データ書き込み部112により再び映像信号(以下「映像信号DAT2」という)として再びデータ信号線駆動回路105へ与えられる。よって、このデータ信号線駆動回路105は、制御回路120から与えられる映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む動作と、データプロセッサ111によりデータ処理された映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込む動作とを交互に切り替えるように繰り返す。以下、これら2つの動作を交互に切り替えるための構成および動作につき説明する。
【0041】
図4は、図2に示すシフトレジスタの構成例を示す回路図である。このシフトレジスタ1051は、複数のフリップフロップと、電界効果トランジスタからなる複数のスイッチング素子と、NOT(ゲート)回路であるインバータとを含んでおり、外部より与えられる切り替え信号IPに基づき、図の上側に示すスイッチング素子群と下側に示すスイッチング素子群とを交互に開閉することにより上記2つの動作を切り替える。すなわち、外部より供給される画像データに基づく映像信号DAT1が画素へ書き込まれる場合、切り替え信号IPはLOWとなるため、インバータにより反転された信号が入力される図の上側に示すスイッチング素子がONされる。よって、シフトレジスタ1051は、1段おきに(具体的には出力信号S1 ,S3 ,S5 ,…の順に)信号を出力する。また、データ処理後の映像信号DAT2が画素PIXに再び書き込まれる場合、切り替え信号IPはHIGHとなるため、図の下側に示すスイッチング素子がONされる。よって、シフトレジスタ1051は、1段毎に(具体的には出力信号S1 ,S2 ,S3 ,…の順に)信号を出力する。
【0042】
また、第1の走査信号線駆動回路104のシフトレジスタ1041も、データ信号線駆動回路105のシフトレジスタ1051とほぼ同様に構成され動作する。すなわち、シフトレジスタ1041も、複数のフリップフロップと、複数のスイッチング素子とを含んでおり、切り替え信号IPに基づき1段おきに出力する場合と1段毎に出力する場合とが切り替えられることにより、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む動作と、映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込む動作とが交互に切り替わるように順次行われる。すなわち、映像信号DAT1が画素へ書き込まれる場合、切り替え信号IPはLOWとなるため、シフトレジスタ1041は、1段おきに(具体的には第1の走査信号線GL11 ,GL13 ,GL15 ,…の順に)走査信号線を選択し、走査信号を出力する。また、映像信号DAT2が画素PIXに再び書き込まれる場合、切り替え信号IPはHIGHとなるため、シフトレジスタ1041は、1段毎に(具体的には第1の走査信号線GL11 ,GL12 ,GL13 ,…の順に)走査信号線を選択し、走査信号を出力する。
【0043】
次に、画面メモリ読み出し部106および表示データ保持部107の構成および動作につき詳述する。図5は、表示データ保持部と関連する回路とを示す図である。図では関連する回路として、画面メモリ読み出し部106、第2の走査信号線駆動回路110、データプロセッサ111、表示データ書き込み部112、および制御回路120が示されている。
【0044】
画面メモリ読み出し部106は、複数の増幅回路からなる増幅回路群1061を含む。この増幅回路群1061の各増幅回路は、対応する画素容量から取り出された電荷により変化する第1のデータ信号線SL11 〜SL1m のうちの1つの電位変位量を増幅し出力する。これらの増幅回路は、上述した切り替え信号IPに基づき映像信号DAT1が画素PIXへ書き込まれる場合と、映像信号DAT2が画素PIXへ再び書き込まれる場合とで作動状態が切り替えられる。すなわち、切り替え信号IPがHIGHのとき、増幅回路は動作状態(ON状態)となり、切り替え信号IPがLOWのとき、増幅回路は停止状態(OFF状態)となる。
【0045】
また、上記画面メモリ読み出し部106は、以下のプリチャージ回路を含んでいてもよい。図6は、プリチャージ回路を含む画面メモリ読み出し部の構成を示す図である。このプリチャージ回路1062は、全ての第1のデータ信号線SL11 〜SL1m を予め定められた電位になるよう充電する。このようにプリチャージ(充電)を行うのは、以下の理由による。すなわち、より高精細な表示を行うために表示部の画素数が増加するに従って、データ信号線の容量は必然的に大きくなる。そのため、その充放電に要する時間は増加することになる。また、一般にNチャネル型電界効果トランジスタで回路を構成する場合、放電に比べて充電に多くの時間を要する。そのため、データ信号線からデータを読み出す前にプリチャージを行い、読み出し時には、データ信号線が充電状態を保持しているか、または放電しているかのいずれの状態であるかが判定される。このプリチャージ回路1062の構成につき詳述する。
【0046】
プリチャージ回路1062は、m本の第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と、これらのデータ信号線SL11 〜SL1m に接続されるトランスファーゲート(アナログスイッチ)から構成される。図7(a)は、プリチャージ回路の一構成例を示す回路図であり、図7(b)は、他の構成例を示す回路図であり、図7(c)は、さらに他の構成例を示す回路図である。図7(a)に示されるように、トランスファーゲートはCMOSトランジスタによって構成されてもよいし、図7(b)に示されるようにNチャネルトランジスタのみよって構成されてもよいし、図7(c)に示されるようにPチャネルトランジスタのみよって構成されてもよい。
【0047】
上記プリチャージ回路1062のトランスファーゲートは、図示されるように、そのゲート端子が制御回路120からのプリチャージ制御信号線P_CTLまたはP_CTLBに、そのソース端子が制御回路120からのプリチャージ電位線P_VIDに、そのドレイン端子が第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の1つにそれぞれ接続される。制御回路120によりプリチャージ制御信号線P_CTLまたはP_CTLBが選択される場合、トランスファーゲートが導通するため、プリチャージ電位線P_VIDに印加される電圧が全ての第1のデータ信号線SL11 〜SL1m に印加される。また、プリチャージ制御信号線P_CTLまたはP_CTLBが選択されない場合(選択期間が終了した場合)、トランスファーゲートが遮断されるため、第1のデータ信号線SL11 〜SL1m は、次にデータ信号が書き込まれるまで遮断時の電圧を保持する。
【0048】
増幅回路群1061の各増幅回路は、その一方の入力端子を介して制御回路120から供給される基準電位Vrefを受け取り、その他方の入力端子を介して画素容量から取り出された電荷により変化する第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の1つの電位を受け取る。増幅回路群1061は、基準電位Vrefと第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の電位との電位差を所定の割合で増幅し、増幅された信号を第2のデータ信号線SL21 〜SL2m に出力する。
【0049】
表示データ保持部107は、データを記憶するためのメモリセルMEMと、図1に示すデータ信号線108に対応するm本の第2のデータ信号線SL21 〜SL2m と、図1に示す第2の走査信号線109に対応する3本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 とを備える。このように走査信号線が3本でよい理由については後述する。
【0050】
なお、上述のようにデータ信号線駆動回路105(のシフトレジスタ1051)は、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む場合には1段おきに(具体的には出力信号S1 ,S3 ,S5 ,…の順に)信号を出力するため、第2のデータ信号線SL21 〜SL2m は第1のデータ信号線SL11 〜SL1m の半数とすることができる。しかし、アクティブマトリクス基板上の回路形成を簡易にするため、ここでは同数のm本であるものとする。
【0051】
上記第2のデータ信号線SL21 〜SL2m と第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 とは格子状にそれぞれが交差するよう配置されており、メモリセルMEMは隣接する2本の第2のデータ信号線および隣接する2本の第2の走査信号線により囲まれた領域に配置される。より詳しくは、m以下の任意の正整数をiとし、3以下の任意の正整数をjとする場合、第2のデータ信号線SL2i と第2の走査信号線GL2j との組み合せ毎に、1つのメモリセルMEM(i,j)が設けられる。このメモリセルMEM(i,j)は、隣接する2本の第2のデータ信号線SL2i ,SL2i+1 、および隣接する2本の第2の走査信号線GL2j ,GL2j+1 により囲まれた領域に配置されている。このメモリセルMEM(i,j)の構成および動作についてさらに説明する。
【0052】
図8は、メモリセルMEM(i,j)の構成を示す回路図である。このメモリセルMEM(i,j)は、上記第2のスイッチング素子に対応する電界効果トランジスタSW2と、所定の静電容量を有するコンデンサCmとを備える。上記電界効果トランジスタSW2のゲートには第2の走査信号線GL2j が接続され、そのドレインには第2のデータ信号線SL2i が接続される。また、コンデンサCmの一端は電界効果トランジスタSW2のソースに接続されており、その他端は全メモリセルに共通の電極である共通電極線に接続されている。
【0053】
第2の走査信号線駆動回路110により第2の走査信号線GL2j に対して走査信号が与えられるとき、すなわち第2の走査信号線GL2j が選択されるとき、上記メモリセルMEM(i,j)の電界効果トランジスタSW2は導通状態になるため、画面メモリ読み出し部106により第2のデータ信号線SL2iに印加される電位がコンデンサCmに印加される。具体的には、第2の走査信号線GL2j が選択されるタイミングに合わせて第1の走査信号線GL1j も同時に選択されるため、画素PIX(i,j)のデータがメモリセルMEM(i,j)に書き込まれる。なお、この画素PIX(i,j)のデータは、上述のように画面メモリ読み出し部106により読み出されるため、この画面メモリ読み出し部106および第2の走査信号線駆動回路110により画面メモリ読み出し手段が実現される。その後、第2の走査信号線GL2j に対して第2の走査信号線駆動回路110により与えられていた走査信号が停止されるとき、すなわち当該第2の走査信号線GL1j の選択期間が終了するとき、電界効果トランジスタSW2は遮断状態となるが、コンデンサCmに蓄積された電荷により遮断時の電圧は保持され続ける。このようにメモリセルMEMのコンデンサCmは、画素PIXとほぼ同様の構成により印加された電位を保持する。よって、第2の走査信号線駆動回路110により第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 の1つを選択する動作が順に行われることにより、表示データ保持部107の全てのメモリセルMEMに対して、所定の範囲の画素PIXにおいて表示される表示(画像)データに対応する電位が書き込まれる。このメモリセルMEMに書き込まれたデータは、データプロセッサ111により参照される。以下、データプロセッサ111の構成および動作につき詳述する。
【0054】
本実施形態において外部から与えられる映像信号は、表示画面に表示されるべき行および列がともに1ラインおきの(すなわち走査線数が走査信号線の半数でありデータ線数がデータ信号線の半数である)低解像度の映像信号である。この低解像度の映像信号に含まれる画像データは、第1のデータ信号線SL11 〜SL1m と第1の走査信号線GL11 〜GL1n とがともに1本おきに用いられることにより画素PIXに書き込まれる。上記データプロセッサ111は、この低解像度の画像データを表示する画素であって1ラインおきに隣接する画素のデータに基づき、後述する論理演算回路でデータ処理(データプロセッシング)を行うことにより高解像度の画像データを形成するための所定の補間データを作成する。この補間データは、1ラインおきに隣接する上記画素の間に位置する画素PIXに書き込まれ、これにより高解像度の画像表示が行われる。
【0055】
図9は、複数の画素からなる画素アレイを示す図である。図9に示す9つの画素は、3×3の画素アレイであり、(i−1)番目および(i+1)番目のデータ信号線と(j−1)番目および(j+1)番目の走査信号線とに囲まれた画素に着目している。ここで実際には、これらの画素のデータを含む上記走査信号線3本分のデータは一括して同時に論理演算されるが、以下では説明を簡単にするため、この3×3の画素アレイに関する論理演算のみにつき考える。また、以下ではこの3×3の画素アレイを「ブロックセル」と呼ぶ。このブロックセルに対して、外部より供給される映像信号に基づくデータが(i−1)番目および(i+1)番目のデータ信号線と(j−1)番目および(j+1)番目の走査信号線とを介して、画素PIX(i−1,j−1)、画素PIX(i−1,j+1)、画素PIX(i+1,j−1)、および画素PIX(i+1,j+1)に書き込まれる場合、画素PIX(i,j−1)、画素PIX(i−1,j)、画素PIX(i,j)、画素PIX(i+1,j)、および画素PIX(i,j+1)の画像データは所定の論理演算処理により生成される。
【0056】
ここで、上述のように映像信号は2値のディジタル信号であるため、データプロセッサも2値のディジタル論理回路によって構成される。そして、ブロックセルを構成する各画素のデータは所定数の組み合わせに限定されるため、上記論理演算処理は所定の対応関係または対応関係を示すパターンに表すことができる。このパターンはいくつか考えられるが、以下では第1から第3までの論理演算処理パターンを例示する。なお、これらの論理演算処理方法は例示であって以下の方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0057】
まず、第1の論理演算処理について、図10(a)および図10(b)を参照して説明する。図10(a)は、第1の論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図10(b)は、図10(a)に示す各ブロックセルに対して第1の論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。なお、この図中の「1」は当該画素の表示データに対応する論理レベルがHIGHであり、「0」は論理レベルがLOWであることを示しており、他の図においても同様であるものとする。また、説明の便宜のため、以下では画素PIXの表示データに対応する論理値を単に画素PIXともいう。
【0058】
画素PIX(i,j−1)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、画素PIX(i,j−1)は、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により決定される。画素PIX(i,j+1)も同様に、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0059】
画素PIX(i−1,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i−1,j+1)の論理積により決定される。画素PIX(i+1,j)も同様に、画素PIX(i+1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0060】
画素PIX(i,j)は、当該画素を通る2本の対角線のうち、どちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0061】
以上の第1の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0062】
これらの論理演算処理は、専用のハードウェア、例えばゲートアレイにより実現される。図11は、ゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。図示されるように6つのANDゲートと1つのORゲートからなる組み合わせ論理回路により、図の上側に示すブロックセルが表示すべき低解像度の画像データ(具体的にはメモリセルMEMより同時に読み出されるデータ)から図の下側に示すブロックセルが表示すべき高解像度の画像データを得ることができる。なお、上記論理演算処理は、所定のソフトウェア処理を行うコンピュータにより実現することもできる。
【0063】
次に、第2の論理演算処理について、図10(c)および図10(d)を参照して説明する。図10(c)は、第2の論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図10(d)は、図10(c)に示す各ブロックセルに対して第2の論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0064】
画素PIX(i,j−1)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により決定される。画素PIX(i,j+1)も同様に、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0065】
画素PIX(i−1,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i−1,j+1)の論理積により決定される。画素PIX(i+1,j)も同様に、画素PIX(i+1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0066】
画素PIX(i,j)は、隣接する画素の論理値に関わらず0(すなわちLOW)になる。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0067】
以上の第2の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0068】
これらの論理演算処理や以下の論理演算処理も図11に示すようなゲートアレイと同様の演算処理回路により実現することができるが詳しい説明は省略する。なお、上記論理演算処理の方法は例示であって上記方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0069】
次に、第3の論理演算処理について、図10(e)および図10(f)を参照して説明する。図10(e)は、第3の論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図10(f)は、図10(e)に示す各ブロックセルに対して第3の論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0070】
画素PIX(i,j−1)および画素PIX(i,j+1)は、隣接する画素の論理値に関わらず0になる。同様に、画素PIX(i−1,j)および画素PIX(i+1,j)も、隣接する画素の論理値に関わらず0になる。
【0071】
画素PIX(i,j)は、当該画素を通る2本の対角線のうち、どちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0072】
以上の第3の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0073】
次に、図5を再び参照して、表示データ書き込み部112について説明する。表示データ書き込み部112は、図5に示すマルチプレクサ回路1121を含む。図12は、トランスファーゲートからなるマルチプレクサ回路の構成例を示す図である。より詳しくは、図12(a)に示すマルチプレクサ回路1121は、CMOSトランジスタからなるm個のトランスファーゲートで構成される。図12(b)に示すマルチプレクサ回路1121は、Nチャネルトランジスタのみからなるm個のトランスファーゲートで構成される。図12(c)に示すマルチプレクサ回路1121は、Pチャネルトランジスタのみからなるm個のトランスファーゲートで構成される。また、図13は、論理回路からなるマルチプレクサ回路の別例を示す図である。このマルチプレクサ回路1121は、m個のANDゲートおよび1つの(多入力)ORゲートからなる論理回路で構成される。このマルチプレクサ回路1121は、各データ信号線に分割された映像信号を多重化し、高精細の画像データである映像信号DAT2として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する。この構成により高解像度の画像表示が行われる。
【0074】
具体的には、上記表示データ書き込み部112からの映像信号DAT2を受け取ったデータ信号線駆動回路105は、上述の第2のクロック信号に同期することにより映像信号DAT2から各画素に表示されるべきデータ信号を順次抽出し、第1のデータ信号線103へ与える。また、このときの切り替え信号IPはHIGHとなるため、第1の走査信号線駆動回路104(のシフトレジスタ1041)は、1段毎に(例えば第1の走査信号線GL11 ,GL12 ,GL13 の順に)3つの走査信号線を選択し、走査信号を出力する。このような動作により、映像信号DAT2に含まれる画像データは、対応する3本の第1の走査信号線に配置される画素PIXに書き込まれる。
【0075】
以上の書き込み動作が終了すると、次の3本の第1の走査信号線および第2の走査信号線が1段毎に選択されることにより、対応する画素PIXに書き込まれている低解像度の画像データがメモリセルMEMに書き込まれ、さらにデータプロセッサ111により高解像度の画像データに変換される。このようにブロックセル毎(3行毎)に画素PIXに書き込まれている低解像度の画像データが読み込まれ、これらの画像データを変換することにより生成される高解像度の画像データがブロックセル毎(3行毎)に再度画素PIXに書き込まれる、という動作が繰り返されることになる。なお、このような動作を実現するため、例えば第1の走査信号線駆動回路104は、画素PIXに書き込まれている低解像度の画像データを読み取るためのシフトレジスタと、高解像度の画像データを書き込むためシフトレジスタとを含み、これらのシフトレジスタをブロックセル毎(3つの走査信号線毎)に所定のタイミングで交互に動作させる構成も考えられる。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る画像処理機能を有する表示装置は、画面メモリアレイ101の画素アレイを画像処理におけるメモリアレイとして用いるため、外部に別にメモリアレイを設ける必要がない。したがって、装置の規模を小さくすることができる。
【0077】
また、本実施形態に係る表示装置は、内部でデータプロセッシングをするため、入力すべき画像データをデータサイズの小さい低解像度データに予め変換しておくことにより、装置に入力すべき画像データの転送速度を上げることができる。よって、本表示装置は、表示画面の大型化や高解像化の要求に伴い大容量化する画像データを速やかに表示することができる。
【0078】
さらに、本実施形態に係る表示装置は、画面メモリアレイ101の画素アレイおよび関連回路が互いに同一基板上に形成されているため、互いを接続する配線も当該基板上に形成される。よって、基板外に配線を引き出す必要がないので、画素数の増加に伴いデータ信号線の数および走査信号線の数が増加する場合であっても、基板外に信号線を引き出す配線作業が不要である。そのため、本表示装置を組み立てる際の手間および製造コストを削減することができる。また、各信号線を基板外に接続するための端子を設ける必要もないため、各信号線の不要な静電容量の増大を防止することができるとともに、装置全体の集積度を上げることができる。
【0079】
さらにまた、本実施形態に係る表示装置は、表示に関連する回路を画素の内部に形成せず、画素アレイを含む画面メモリアレイ101の周囲近傍に配置するため、画素の開口率を低下させることがない。したがって、本表示装置は、反射型の画像表示装置だけでなく、透過型の画像表示装置にも好適な構成である。
【0080】
(第1の実施形態の変形例)
上記第1の実施形態における表示データ保持部107は、3本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を備えるが、これはブロックセルが3×3の画素アレイからなることに基づく。したがって、ブロックセルがさらに多くの画素アレイからなる場合には、上記第2の走査信号線の数は多くなる。
【0081】
また、上記第1の実施形態では、画素データがメモリセルMEMに書き込まれるとき、第1の走査信号線駆動回路104は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n を1段毎に順に選択し、同時に第2の走査信号線駆動回路110は、第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を1段毎に順に選択する。しかし、上記第1の実施形態では、低解像度の画像データが1段おきに画素PIXに対して書き込まれるため、ブロックセルのうち画像データを含む行は1行目と3行目のみである。したがって、切り替え信号IPがLOWに設定されることにより、第1の走査信号線駆動回路104により第1の走査信号線GL11 〜GL1n が1段おきに順に選択され、同時に第2の走査信号線駆動回路110により2本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 が選択されるように構成してもよい。この場合、第2の走査信号線GL23 およびこれに対応する行の全てのメモリセルMEMは省略される。なお、この場合、第2の走査信号線GL21から受け取られたメモリセルMEMの画像データは、画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の画像データであり、第2の走査信号線GL22 から受け取られたメモリセルMEMの画像データは、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の画像データであるため、図11に示す論理回路により高解像度の画像データを得ることができる。
【0082】
上記第1の実施形態では、データプロセッサ111は、典型的には図11に示す組み合わせ論理回路のみからなるが、これらの論理回路はメモリセルMEMの間に形成されてもよい。この場合、データ処理手段であるデータプロセッサ111とデータ保持手段であるメモリセルMEMとが一体的に機能する。また、メモリセルMEMに相当する記憶部がデータプロセッサ111に内蔵される場合、画素PIXから読み出される低解像度の画像データが直接データプロセッサ111に与えられてもよい。この場合、第2の走査信号線駆動回路110、第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 、およびメモリセルMEMの各機能はデータプロセッサ111に内蔵されることになるため、上記構成要素は省略され、データプロセッサ111はデータ処理手段およびデータ保持手段として一体的に機能する。
【0083】
上記第1の実施形態では、低解像度の画像データは一旦画素PIXに書き込まれるが、直接メモリセルMEMに書き込まれるように構成されてもよい。この場合、第1の走査信号線駆動回路104は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n を全て非選択とし、第2の走査信号線駆動回路110は、第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を1段毎に順に選択する。このようにメモリセルMEMに書き込まれた低解像度の画像データに基づきデータプロセッサ111により作成された高解像度の画像データが画素PIXに書き込まれた後、次の低解像度の画像データがメモリセルMEMに書き込まれる。
【0084】
上記第1の実施形態における表示データ保持部107は、3本の第2の走査信号線GL21 ,GL22 ,GL23 を備えるが、第1の走査信号線GL11 〜GL1n の半数であるk(=n/2)本の第2の走査信号線GL21 〜GL2k を備える構成であってもよい。この場合には、切り替え信号IPがLOWに設定されることによって、第1の走査信号線駆動回路104は第1の走査信号線GL11 〜GL1n を1段おきに順に選択し、同時に第2の走査信号線駆動回路110は第2の走査信号線GL21 〜GL2k を1段毎に順に選択する。この動作により、画素PIXに書き込まれた低解像度の画像データは、一旦全てがメモリセルMEMに書き込まれる。この動作が終了した後、第2の走査信号線駆動回路110により第2の走査信号線GL21 〜GL2k が1段毎に順に選択されることにより、データプロセッサ111(に内蔵される記憶部)に低解像度の画像データが与えられ、このデータに基づきブロックセル毎に上述の論理演算が行われることにより高解像度の画像データが生成される。このような構成では、k本の第2の走査信号線GL21 〜GL2k および同数行のメモリセルMEMが必要となるが、第1の走査信号線駆動回路104および第2の走査信号線駆動回路110は、順に走査信号線を選択する動作を行えばよいため、簡易な構成とすることができる。
【0085】
なお、上記第1の実施形態の構成は、EL素子などの電流駆動型その他の発光素子を含む表示装置にも適用可能である。
【0086】
(第2の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、外部より供給される映像信号は、1列おきかつ1行毎の(すなわち走査線数が走査信号線と同数でありデータ線数がデータ信号線の半数である)映像信号を構成する低解像度データである点が異なる。以下、第1の実施形態の構成と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記低解像度の映像信号は、第1のデータ信号線SL11〜SL1m が1本おきに用いられることにより画素形成部に書き込まれる。そのため、データプロセッサ111は、この低解像度の画像データを表示する1列おきの画素のデータに基づき、後述するデータ処理(データプロセッシング)を行うことにより高解像度の画像データを形成するための所定の補間データを作成する。この補間データは、1列おきの上記画素の間に位置する画素へ書き込まれ、これにより高解像度の画像表示が行われる。なお、本実施形態における第1の走査信号線駆動回路104(のシフトレジスタ1041)は、上記第1の実施形態の場合とは異なり、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込む場合に1段毎に第1の走査信号線GL11 〜GL1n を選択することになる。
【0087】
ここで、図9に示すブロックセルに関する論理演算について説明する。このブロックセルに対して、外部より供給される映像信号が(i−1)番目および(i+1)番目のデータ信号線と(j−1)番目から(j+1)番目までの走査信号線とを介して、画素PIX(i−1,j−1)、画素PIX(i−1,j)、画素PIX(i−1,j+1)、画素PIX(i+1,j−1)、画素PIX(i+1,j)、および画素PIX(i+1,j+1)に書き込まれる場合、画素PIX(i,j−1)、画素PIX(i,j)、および画素PIX(i,j+1)の画像データは所定の論理演算処理により生成される。そして、上記論理演算処理は所定のパターンに表すことができるので、以下ではその1つを例示する。なお、論理演算処理方法は以下の方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0088】
図14(a)は、上記論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図14(b)は、図14(a)に示す各ブロックセルに対して論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0089】
画素PIX(i,j−1)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、画素PIX(i,j−1)は、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により決定される。画素PIX(i,j+1)も同様に、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0090】
画素PIX(i,j)は、左右に隣接する2画素がともにHIGHのとき、または当該画素を通る2本の対角線のうちどちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのとき、HIGHになる。すなわち、同一の走査信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j)およびPIX(i+1,j)の論理積により得られる値と、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0091】
以上の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0092】
これらの論理演算処理は、例えばゲートアレイにより実現される。図15は、ゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。図示されるように7つのANDゲートと1つのORゲートからなる組み合わせ論理回路により、図の上側に示すブロックセルが表示すべき低解像度の画像データ(具体的にはメモリセルMEMより同時に読み出されるデータ)から図の下側に示すブロックセルが表示すべき高解像度の画像データを得ることができる。なお、上記論理演算処理は、所定のソフトウェア処理により実現することもできる。
【0093】
これらの演算結果は表示データ書き込み部112に与えられ、表示データ書き込み部112は、各データ信号線に分割された映像信号を多重化し、高精細の画像データである映像信号DAT2として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する。この構成により高解像度の画像表示が行われる。
【0094】
(第3の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、外部より供給される映像信号は、1行おきかつ1列毎の(すなわち走査線数が走査信号線の半数でありデータ線数がデータ信号線と同数である)映像信号により構成される低解像度データである点が異なる。以下、第1の実施形態の構成と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。上記低解像度の映像信号は、第1の走査信号線GL11 〜GL1n が1本おきに用いられることにより画素形成部に書き込まれるため、データプロセッサ111は、この低解像度の画像データを表示する1行おきの画素のデータに基づき、後述するデータ処理(データプロセッシング)を行うことにより高解像度の画像データを形成するための所定の補間データを作成する。この補間データは、1行おきの上記画素の間に位置する画素へ書き込まれ、これにより高解像度の画像表示が行われる。
【0095】
ここで、図9に示すブロックセルに関する論理演算について説明する。このブロックセルに対して、外部より供給される映像信号が(i−1)番目から(i+1)番目までのデータ信号線と(j−1)番目および(j+1)番目の走査信号線とを介して、画素PIX(i−1,j−1)、画素PIX(i,j−1)、画素PIX(i+1,j−1)、画素PIX(i−1,j+1)、画素PIX(i,j+1)、および画素PIX(i+1,j+1)に書き込まれる場合に、画素PIX(i−1,j)、画素PIX(i,j)、および画素PIX(i+1,j)の画像データは所定の論理演算処理により生成される。そして、上記論理演算処理は所定のパターンに表すことができるので、以下ではその1つを例示する。なお、論理演算処理方法は以下の方法には限定されず、他の方法が用いられてもよい。
【0096】
図16(a)は、上記論理演算処理前におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図であり、図16(b)は、図16(a)に示す各ブロックセルに対して論理演算処理後に得られる各ブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【0097】
画素PIX(i−1,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのときHIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i−1,j+1)の論理積により決定される。画素PIX(i+1,j)も同様に、画素PIX(i+1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により決定される。
【0098】
画素PIX(i,j)は、上下に隣接する2画素がともにHIGHのとき、または当該画素を通る2本の対角線のうちどちらか一方の対角線上で隣接する2画素がともにHIGHのとき、HIGHになる。すなわち、同一のデータ信号線に接続された隣接する2個の画素PIX(i,j−1)および画素PIX(i,j+1)の論理積により得られる値と、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j−1)および画素PIX(i+1,j+1)の論理積により得られる値と、対角線上で隣接する2個の画素PIX(i−1,j+1)および画素PIX(i+1,j−1)の論理積により得られる値との論理和により決定される。なお、その他の画素PIXは論理演算処理の前後で変化しない。
【0099】
以上の論理演算処理は、論理演算式を用いると以下のように表される。
【0100】
これらの論理演算処理は、例えばゲートアレイにより実現される。図17は、ゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。図示されるように7つのANDゲートと1つのORゲートからなる組み合わせ論理回路により、図の上側に示すブロックセルが表示すべき低解像度の画像データ(具体的にはメモリセルMEMより同時に読み出されるデータ)から図の下側に示すブロックセルが表示すべき(高解像度の)画像データを得ることができる。なお、上記論理演算処理は、所定のソフトウェア処理により実現することもできる。
【0101】
これらの演算結果は表示データ書き込み部112に与えられ、表示データ書き込み部112は、各データ信号線に分割された映像信号を多重化し、高精細の画像データである映像信号DAT2として再びデータ信号線駆動回路105へ出力する。この構成により高解像度の画像表示が行われる。
【0102】
(第4の実施形態)
本実施形態に係る表示装置であるアクティブマトリクス型画像表示装置の構成は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、第1の走査信号線駆動回路104およびデータ信号線駆動回路105の構成が異なる。すなわち、図2に示す第1の走査信号線駆動回路104は、シフトレジスタ1041を含み、データ信号線駆動回路105は、シフトレジスタ1051およびサンプリング部1052を含むが、本実施形態では、上記シフトレジスタ1041および上記シフトレジスタ1051に代えて、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むためのシフトレジスタ1041a,1051aおよび映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込むためのシフトレジスタ1041b,1051bと、シフトレジスタ1051a,1051bからの信号を受け取るサンプリング部1052a,1052bとがそれぞれに設けられる。以下、第1の実施形態の構成と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0103】
図18は、これらのシフトレジスタおよびサンプリング部を含む第1の走査信号線駆動回路およびデータ信号線駆動回路を示す図である。映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むためのシフトレジスタ1051aは、複数のフリップフロップを含んでおり、これらのフリップフロップは、制御回路120から与えられる切り替え信号IPがLOWのときに図の上部に示されるインバータで反転された信号(HIGH)が入力されることにより、1段おきに(具体的には出力信号S1 ,S3 ,S5 ,…の順に)信号を出力する。これらの信号はサンプリング部1052aに入力され、出力信号S1 〜Sm が示すタイミングで、映像信号DAT1をサンプリングすることにより、第1のデータ信号線SL11 〜SL1m へ出力すべき画像データを映像信号DAT1から抽出し出力する。
【0104】
また、映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込むためのシフトレジスタ1051bも、複数のフリップフロップを含んでおり、切り替え信号IPがHIGHのときに1段毎に(具体的には出力信号S1 ,S2 ,S3 ,…の順に)信号を出力する。これらの信号はサンプリング部1052bに入力され、同様にデータ信号が生成される。
【0105】
なお、シフトレジスタ1051a,1051bに含まれるフリップフロップは、入力される信号(切り替え信号IPまたはその反転信号)がHIGHである場合には動作し、LOWである場合には動作を停止する機能を有している。したがって、切り替え信号IPにより、シフトレジスタ1051a,1051b(に含まれるフリップフロップ)のいずれか一方の動作が停止するため、消費電力の増加を抑えることができる。
【0106】
このように、データ信号線駆動回路105は、外部の制御回路120から供給される映像信号DAT1を各画素PIXへ書き込むためのデータ信号線駆動回路と、データプロセッサによって演算処理された映像信号DAT2を各画素PIXへ再び書き込むためのデータ信号線駆動回路の2系統のデータ信号線駆動回路によって構成される。また、第1の走査信号線駆動回路104も同様に2系統の走査信号線駆動回路によって構成される。すなわち、第1の走査信号線駆動回路104は、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むためのシフトレジスタ1041aおよび映像信号DAT2を画素PIXへ再び書き込むためのシフトレジスタ1041bを含む。これらのシフトレジスタ1041a,1041bの構成は、上述のシフトレジスタとほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。
【0107】
なお、第1の走査信号線駆動回路104のシフトレジスタ1041aは、映像信号DAT1を画素PIXへ書き込むときの他、メモリセルMEMに書き込むために、画素PIXに書き込まれた低解像度の画像データを読み出すときに動作してもよい。この場合、シフトレジスタ1041aとシフトレジスタ1041bとは、所定のタイミングでブロックセル毎(3つの走査信号線毎)に交互に動作する。
【0108】
また、本実施形態における第1の走査信号線駆動回路104およびデータ信号線駆動回路105はともに2系統の回路構成であるが、いずれか一方のみが2系統の回路構成であってもよい。
【0109】
【発明の効果】
第1の発明によれば、画素形成部を画像処理におけるメモリアレイとして用いるため、外部に別にメモリアレイを設ける必要がない。したがって、装置の規模を小さくすることができる。また、データ処理手段の内部でデータプロセッシングをするため、入力すべき画像データをデータサイズの小さい低解像度データに予め変換しておくことにより、装置に入力すべき画像データの転送速度を上げることができる。よって、本表示装置は、表示画面の大型化や高解像化の要求に伴い大容量化する画像データを速やかに表示することができる。
【0110】
第2の発明によれば、所定の画像データを記憶するためのコンデンサと、スイッチング素子と、データ信号線と、走査信号線とによりデータ保持手段を構成するため、簡易な構成で画素形成部に保持される画像データを上記コンデンサに容易に保持させることができる。
【0111】
第3の発明によれば、第2のデータ信号線は第1のデータ信号線と同数であるため、共通の配線で容易に構成することができ、また第2の走査信号線は第1の走査信号線よりも少ないため、データ保持手段をより小さく形成することができる。
【0112】
第4の発明によれば、第2の走査信号線の数は、データ処理手段により一括して処理される画像データの行数に応じて、2本または3本であるため、データ保持手段をより小さく形成することができる。
【0113】
第5の発明によれば、段数が変更可能であるシフトレジスタにより、装置外部から与えられる画像データを画素形成部に与えるべき場合と表示データ書き込み部からの画像データを画素形成部に与えるべき場合とが容易に切り替え可能に構成することができる。
【0114】
第6の発明によれば、第1の走査信号線駆動回路および第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は2系統の駆動回路からなるため、シフトレジスタを省略することができる。
【0115】
第7の発明によれば、2系統の駆動回路の一方の動作が停止されるため、消費電力を抑えることができる。
【0116】
第8の発明によれば、装置外部から与えられる画像データを含む映像信号の走査線数またはデータ線数が少ない低解像度のデータ入力される。そのため、装置に入力すべき画像データの転送速度を上げることができるので、高精細な表示を速やかに行うことができる。
【0117】
第9の発明によれば、画素形成部および関連回路が互いに同一基板上に形成されているため、互いを接続する配線も当該基板上に形成される。よって、基板外に配線を引き出す必要がないので、画素数の増加に伴いデータ信号線の数および走査信号線の数が増加する場合であっても、基板外に信号線を引き出す配線作業が不要である。そのため、本表示装置を組み立てる際の手間および製造コストを削減することができる。また、各信号線を基板外に接続するための端子を設ける必要もないため、各信号線の不要な静電容量の増大を防止することができるとともに、装置全体の集積度を上げることができる。さらに、表示に関連する回路を画素の内部に形成せず、画素アレイを含む画面メモリアレイ101の周囲近傍に配置するため、画素の開口率を低下させることがない。したがって、本表示装置は、反射型の画像表示装置だけでなく、透過型の画像表示装置にも好適な構成である。
【0118】
第10の発明によれば、600℃以下のプロセス温度で半導体素子(例えばポリシリコン薄膜トランジスタ)を形成する構成により、安価で大型化が容易なガラスを基板として用いることができるため、大型の画像表示装置を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置におけるアクティブマトリクス基板の構成を示す模式図である。
【図2】上記実施形態における画面メモリアレイ(表示部)と関連する回路とを示す図である。
【図3】上記実施形態における画素PIX(i,j)の構成を示す回路図である。
【図4】上記実施形態におけるシフトレジスタの構成例を示す回路図である。
【図5】上記実施形態における表示データ保持部と関連する回路とを示す図である。
【図6】上記実施形態におけるプリチャージ回路を含む画面メモリ読み出し部の構成を示す図である。
【図7】上記実施形態におけるプリチャージ回路の構成例を示す回路図であり、
【図8】上記実施形態におけるメモリセルMEM(i,j)の構成を示す回路図である。
【図9】上記実施形態における複数の画素からなる画素アレイを示す図である。
【図10】上記実施形態における論理演算処理前および処理後におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【図11】上記実施形態におけるゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。
【図12】上記実施形態におけるトランスファーゲートからなるマルチプレクサ回路の構成例を示す図である。
【図13】上記実施形態における論理回路からなるマルチプレクサ回路の別例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態における論理演算処理前および処理後におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【図15】上記実施形態におけるゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態における論理演算処理前および処理後におけるブロックセルの画像データの組み合わせを示す図である。
【図17】上記実施形態におけるゲートアレイにより構成される演算処理回路の一例を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施形態におけるシフトレジスタおよびサンプリング部を含む第1の走査信号線駆動回路およびデータ信号線駆動回路を示す図である。
【符号の説明】
101…画面メモリアレイ
102…走査信号線
103…データ信号線
104…走査信号線駆動回路
105…データ信号線駆動回路
106…画面メモリ読み出し部
107…表示データ保持部
108…データ信号線
109…走査信号線
110…走査信号線駆動回路
111…データプロセッサ
112…表示データ書き込み部
120…制御回路
1041,1051…シフトレジスタ
1052…サンプリング部
1061…増幅回路群
1062…プリチャージ回路
1121…マルチプレクサ回路
PIX…画素
MEM…メモリセル
GL1,GL2…走査信号線
SL1,SL2…データ信号線
DAT1,DAT2…映像信号
Claims (11)
- 表示画素を形成するために入力されるデータ信号に含まれる画像データを保持可能に構成される画素形成部と、前記画素形成部に入力されるべきデータ信号を選択的に与える第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を介して前記画素形成部に前記データ信号を供給する第1のデータ信号線と、前記データ信号を与えることにより前記第1のデータ信号線を駆動するデータ信号線駆動回路と、前記第1のスイッチング素子を制御するための第1の走査信号を前記第1のスイッチング素子に与える第1の走査信号線と、前記第1の走査信号を与えることにより前記第1の走査信号線を駆動する第1の走査信号線駆動回路とを備えるアクティブマトリクス型の表示装置であって、
前記画素形成部で保持される画像データを前記第1のデータ信号線を介して読み出す画面メモリ読み出し手段と、
前記画面メモリ読み出し手段により読み出された画像データを一時的に保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段により一時的に保持された画像データに対して所定のデータ処理を行うことにより得られる画像データを出力するデータ処理手段と、
前記データ処理手段からの画像データを前記第1のデータ信号線を介して前記画素形成部に書き込むデータ書き込み手段とを備え、
前記画素形成部は、装置外部からの画像データを受け取る場合には複数のうちの所定の一部のみが表示画素を形成し、前記データ書き込み手段からの画像データを受け取る場合には前記所定の一部よりも多くが表示画素を形成することを特徴とする、表示装置。 - 前記データ保持手段は、
前記画像データを記憶するためのコンデンサと、
前記コンデンサに記憶されるべき画像データを選択的に与える第2のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子を介して前記コンデンサに前記画像データを供給する第2のデータ信号線と、
前記第2のスイッチング素子を制御するための第2の走査信号を前記第2のスイッチング素子に与える第2の走査信号線とを含み、
前記画面メモリ読み出し手段は、前記第2のデータ信号線を介して前記データ保持手段に前記画像データを与えるために、前記第2の走査信号を与えることにより前記第2の走査信号線を駆動する第2の走査信号線駆動回路を含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。 - 前記第2のデータ信号線は、前記第1のデータ信号線と同数であり、
前記第2の走査信号線は、前記第1の走査信号線よりも少ないことを特徴とする、請求項2に記載の表示装置。 - 前記第2の走査信号線は、2本または3本であることを特徴とする、請求項3に記載の表示装置。
- 前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合と前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合とで段数が変更可能に構成されるシフトレジスタを含むことを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路と、前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路との2系統の駆動回路からなることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
- 前記第1の走査信号線駆動回路および前記第1のデータ信号線駆動回路の一方または双方は、前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合には装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路が停止され、装置外部からの画像データを前記画素形成部に与えるべき場合には前記データ書き込み手段からの画像データを前記画素形成部に与えるための駆動回路が停止されることを特徴とする、請求項6に記載の表示装置。
- 前記第1の走査信号線の本数は、装置外部からの画像データを含む映像信号の走査線数よりも多くが設けられること、および/または、前記第1のデータ信号線の本数は、装置外部からの画像データを含む映像信号の一走査線あたりの画素数よりも多くが設けられることを特徴とする、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記画素形成部および前記第1のスイッチング素子は、同一基板上に一体形成されており、
前記データ信号線駆動回路、前記第1の走査信号線駆動回路、前記画面メモリ読み出し手段、前記データ保持手段、前記データ処理手段、前記データ書き込み手段のうちの少なくとも1つは前記画素形成部近傍の前記同一基板上に一体形成されることを特徴とする、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記画素形成部、前記第1のスイッチング素子、前記データ信号線駆動回路、前記第1の走査信号線駆動回路、前記画面メモリ読み出し手段、前記データ保持手段、前記データ処理手段、前記データ書き込み手段は、600℃以下の低温プロセスで形成された半導体素子を含むことを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記画素形成部は、液晶素子またはEL素子を含むことを特徴とする、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の表示装置。
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