JP2004279329A - 変位センサ - Google Patents

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Yukio Shoji
幸夫 庄司
Tsutomu Fujii
努 藤井
Nobusane Yoshida
伸実 吉田
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Abstract

【課題】磁気感応素子を用いた変位センサにおいて、長い範囲にわたってリニアな感度特性が得られるようにする。
【解決手段】磁気ロッド5が、ホールIC41に対して相対移動する。磁気ロッド5では、非磁性材製の芯ロッド51の外周に、リング状磁石53と、磁性材製の透磁スリーブ57と、リング状磁石55が順に嵌め込まれている。透磁スリーブ57は、中央部でランプ状に凹み、両端近傍でステップ状に凹んだ特殊な外形状に成形されている。この特殊形状により、透磁スリーブ57の周囲にリニアな特性をもった磁界がの形成されるため、長い変位範囲にわたってリニアな感度特性が得られる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、磁気感応素子を用いた変位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、例えば電磁比例制御バルブの変位又は位置の測定のための変位センサであって、電磁比例制御バルブの可動子と連動する棒状磁石と、その棒状磁石の中心軸の同心円周上に配置された磁気感応素子(ホールIC)とを備えたものが開示されている。また、棒状磁石の形状を変えることで感度特性を変えられることも、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2000−258109号
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の変位センサで用いられる棒状磁石は、例えば単純な円柱形の棒磁石の場合、その周囲の磁界強度分布は全体としては非リニアであって、リニアな磁界分布が存在する領域は両磁極近傍の狭い範囲だけに限られてしまう。そのため、従来の変位センサでリニアな感度特性が得られる範囲は、磁気感応素子が両磁極近傍に位置するとき、つまり、可動子のストロークの両エンド(上死点と下死点)付近だけに限られてしまう。そして、適用できるストロークの全長も短い。
【0003】
また、棒状磁石を単純な円柱形ではなく、特別の複雑な形状に成形することで、変位センサの感度特性を改善することは、理論的には可能である。しかし、実際上は、磁石を特別の形状に成形するための加工が難しいという問題がある。例えば、特別の形状に成形した素材を磁化することは困難であり、他方、磁化した磁石に成形加工を加えると減磁してしまう。
【0004】
従って、本発明の目的は、磁気感応素子を用いた変位センサにおいて、長い範囲にわたってリニアな感度特性が得られるようにすることにある。
【0005】
本発明の別の目的は、磁気感応素子を用いた変位センサにおいて、磁石を特別形状に成形加工することなしに、リニアな感度特性が得られるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に従う変位センサは、磁界の所定方向成分の強度をセンスする磁気感応素子と、少なくとも1つの磁石と、前記磁気感応素子に対し相対的に移動可能に設けられた磁性材部材とを備え、前記磁性材部材は、前記磁石と磁気的に結合して、前記磁性材部材の外側に磁界を形成し、そして、前記磁気感応素子の位置における前記磁界の前記所定方向成分の強度が、前記磁性材部材の変位に応じて変化するように、前記磁性材部材が所定の外形状に成形されている。
【0007】
この変位センサによれば、磁気感応素子によってセンスされる磁界を、磁石を直接使って形成するのではなく、磁石に磁気的に結合した磁性材部材を使って形成しているので、磁性材部材を適切な形状に成形することで、広い変位範囲にわたってリニアな特性をもった磁界が形成できるようになる。磁石の成形に比較して、磁性材部材の成形は容易である。結果として、広変位範囲にわたりリニアな検出特性をもった変位センサを、低コストで得ることが可能になる。
【0008】
好適な実施形態においては、本発明に従う変位センサは、2つの磁石を備え、前記磁性材部材は、その移動方向における両端にて前記2つの磁石と磁気的に結合しており、そして、前記磁性材部材は、前記磁気感応素子に対面する側において、前記移動方向における中間部分が凹んだ外形状に成形されている。
【0009】
この構成によれば、磁性材部材の磁気感応素子に対面する側における中央近傍部分の凹みによって、磁気感応素子によってセンスされる磁界の分布をリニアに近づけることができる。
【0010】
好適な実施形態においては、本発明に従う変位センサは、2つの磁石を備え、前記磁性材部材は、その移動方向における両端にて前記2つの磁石と磁気的に結合しており、そして、前記磁性材部材は、前記磁気感応素子に対面する側において、前記移動方向における両端近傍部分が凹んだ外形状に成形されている。
【0011】
この構成によれば、磁性材部材の磁気感応素子に対面する側における両端近傍部分の凹みによって、磁気感応素子によってセンスされる磁界の分布をリニアに近づけ、且つリニアに近い磁界分布の範囲(つまり、検出可能な有効変位範囲)を拡大することができる。
【0012】
好適な実施形態においては、本発明に従う変位センサは、非磁性材シリンダを更に備え、前記磁気感応素子は、前記非磁性材シリンダに取り付けられており、前記磁性材部材(57)は、前記非磁性材シリンダの内側に挿入されている。
【0013】
この構成によれば、非磁性材シリンダを用いることで、磁性材部材が形成する磁界を変形させずに磁気感応素子に伝えることができる。
【0014】
好適な実施形態においては、本発明に従う変位センサは、前記非磁性材シリンダの外周を覆う磁性材カバーを更に備える。更に、前記磁性材部材が、移動方向において非対称な外形状を有する。
【0015】
この構成によれば、磁性材カバーによって外界からの磁気の悪影響を防ぐことができる。また、磁性材カバーの影響によって磁性材部材が形成する磁界が非対称になることを、磁材部材の非対称形状が補償して、対称なリニアな磁界を実現することができる。
【0016】
好適な実施形態においては、本発明に従う変位センサは、前記磁気感応素子の出力信号と変位との関係を随時に学習して、学習された関係に基づいて前記前記磁気感応素子の出力信号を変位値に変換するコントローラを更に備える。
【0017】
このコントローラの学習機能により、経年変化や温度ドリフトなどにより変位センサの特性が多少変化しても、正確な検出性能を維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本発明の一実施形態に係る変位センサ1の中心軸に沿った縦断面を示す。図1は、最小変位(マイナスの最大変位)のときのこの変位センサ1の状態を、図2は中立点(変位ゼロ)のときの状態を、図3は最大変位(プラスの最大変位)のときの状態を、それぞれ示す。図4は、この変位センサ1が例えば電磁比例制御バルブのような被測定対象物に取り付けられた状態の一例を示す。
【0019】
図1〜図4において、永久磁石は交差ハッチングで示されており、磁性材料製の部品であって磁石ではないものは斜めハッチングで示されており、また、非磁性材料(例えば、ステンレス鋼、プラスチック、ゴムなど)製の部品は白抜きで示されている。さらに、黒塗りで示した部品は磁気感応素子(例えば、ホールIC)である。
【0020】
図1〜図4に示すように、この変位センサ1は、概略、2つの部材から構成される。第一の部材は、センシング・シリンダ3であり、これは、細長い円柱状の空間31を内側に有し、前端(図中左端)側で開き、後端(図中右端)側で閉じた形状を有する。第二の部材は、磁気ロッド5であり、これは、概略円柱状の形状を有し、センシング・シリンダ3の内側の空間31内にこれと同軸の位置関係をもって挿入され、そして、空間31内を中心軸方向に往復移動することができる。磁気ロッド5はその周囲に磁界を形成し、その磁界は、空間31を経てセンシング・シリンダ3の内部に入る。センシング・シリンダ3はその内部の特定位置にて、磁気ロッド5からの磁界強度をセンスして、その磁界強度に実質的に比例した電圧信号を出力する。
【0021】
特に図4に示すように、この変位センサ1が被測定対象物、例えば油圧機械の電磁比例制御バルブ、に取り付けられた場合、この変位センサ1のセンシング・シリンダ3は、その電磁比例制御バルブのボディ(又は、その電磁比例制御バルブをもつ油圧機械のボディ)110に、例えば螺子結合の方法で固定される。一方、この変位センサ1の磁気ロッド5は、その前端部(図中左端部)にて、その電磁比例制御バルブの往復運動する可動子110に、例えば螺子結合の方法で結合される。センシング・シリンダ3と磁気ロッド5の間の空間には例えば高圧油が充填される。そして、電磁比例制御バルブのストロークに連動して、磁気ロッド5はセンシング・シリンダ3内側の空間31内を中心軸方向に往復運動する。電磁比例制御バルブがそのストロークの下死点にいる時(最小変位時)、磁気ロッド5とセンシング・シリンダ3との位置関係は図1に示すようになる。電磁比例制御バルブがそのストロークの上死点にいる時(最大変位時)、磁気ロッド5とセンシング・シリンダ3との位置関係は図3に示すようになる。電磁比例制御バルブの可動子110がそのストロークの中点にいる時(中立時)、磁気ロッド5とセンシング・シリンダ3との位置関係は図2に示すようになる。
【0022】
上記のように電磁比例制御バルブのストロークにより磁気ロッド5の位置が変わると、磁気ロッド5がその周囲に形成する磁界強度の中心軸方向での分布に応じてセンスされる磁界強度が変化するから、出力される電圧信号が変化する。以下に詳述するように、磁気ロッド5の構造が工夫されており、そのため、磁気ロッド5周囲の磁界強度の中心軸方向での分布(つまり、変位とセンスされる磁界強度との関係)が、電磁比例制御バルブのストロークの全範囲に亘ってほぼリニアになる。また、センシング・シリンダ3の構造も工夫されており、それにより、磁気ロッド5周囲の磁界が精度良くセンスできる。
【0023】
以下、センシング・シリンダ3と磁気ロッド5との構造を詳細に説明する。
【0024】
センシング・シリンダ3は、上述した磁気ロッド5の往復移動のための空間31を内側に有した非磁性材料製のシリンダ・ボディ33と、シリンダ・ボディ33の外側に被せられてシリンダ・ボディ33の外周面と後端面を覆う磁性材料製のシリンダ・カバー35とを備える。さらに、上述した移動空間31の軸方向中央に近い所定位置(図1〜図3で一点鎖線で示す位置)に対応したシリンダ・ボディ33の外周面上の所定箇所に、内側空間31内を往復移動する磁気ロッド5からの磁界強度をセンスするための磁気感応素子、例えばホールIC41、が取り付けられている。ホールIC41及びその周辺領域の外側は、上述した磁性材料製のシリンダ・カバー35によって覆われている。ホールIC41の電気ケーブル(駆動電流及び検出信号を通すための電線群)43は、シリンダ・ボディ33とシリンダ・カバー35との間の隙間を通って、シリンダ・カバー35の後端部から外部へ引き出されている。ホールIC41はその中央部の部位(図1〜図3で一点鎖線が通るホールIC41の部位、以下、センシング部位という)において、磁界強度をセンスする。ここでセンスされるものは、磁気ロッド5の中心線に垂直な方向の磁界成分(図1〜図3で一点鎖線に沿った方向の磁界成分、以下、垂直磁界成分という)の強度であり、この垂直磁界成分の強度に比例した電圧信号がホールIC41から出力される。
【0025】
シリンダ・ボディ33は、例えばステンレス鋼のような剛性の高い非磁性材料で作ることができ、それにより、高圧の油圧などのストレスに耐えられるとともに、磁気ロッド5が形成する磁界を実質的に乱すことなくホールIC41に伝えることができる。また、シリンダ・カバー35は、磁性材料製であることにより、外界の磁界を遮断してホールIC41への外乱侵入を防ぐことができる。
【0026】
磁気ロッド5は、図2に示す中立時の位置でシリンダ・ボディ33内側の移動空間31に収容されている部分(以下、主要部という)において、その周囲に磁界を形成する。こ磁気ロッド5の主要部は、図示のように、両端にフランジを有した非磁性材料製の芯ロッド51と、この芯ロッド51の両端のフランジの直ぐ内側の部分の外周に嵌め込まれた2個のリング形の永久磁石53、55と、芯ロッド51の外周の永久磁石53、55間に挟まれた部分に嵌め込まれた円筒形の磁性材料製の透磁スリーブ57とから構成される。2個の永久磁石53、55は同一強度に磁化されており、そして、両者の極性が同一方向に揃うように並んでいる。例えば、後に詳述する図5に例示されているように、2個の永久磁石53、55の前側(図中左側)の端面は共に例えばN極であり、後側(図中右側)の端面は共に例えばS極である。従って、透磁スリーブ57は、例えば、その前端面が磁石53のS極に接し、後端面が磁石55のN極に接するというように、2個の磁石53、55のS極とN極の間に挟まれている。そのため、磁石53、55から出る磁力線の多くは、透磁スリーブ57内を通って透磁スリーブ57の外周面から外へその法線に沿って出る(又は、外から外周面にその法線に沿って入る)という経路を通ることになる。
【0027】
透磁スリーブ57の外形状は、その周囲に形成される磁界の分布を左右する。そこで、透磁スリーブ57の周囲に形成される磁界の垂直磁界成分の強度の中心軸方向に沿った分布ができるだけリニアに近くなるとともに、中心軸方向にできるだけ長い範囲にわたってリニアな強度分布が連続するように、透磁スリーブ57の外形状は特別の凹凸をもった形状に設計されている。例えば、図示のように、透磁スリーブ57は、中心軸方向における中央近傍の比較的短距離の部分57Aで、小さい外径を有しており、そこより前側及び後側の比較的長距離の中間部分57B、57Cでは、前端及び後端へそれぞれ近づくに伴って外径が円錐のようにランプ状に拡大していき、そして、前端の近傍及び後端の近傍の比較的短距離の部分57D、57Eでは、前述した前側及び後側の中間部分57B、57Cからステップ状に外径が小さくなっている。要するに、透磁スリーブ57の外形状は、中央近傍部分57Aで凹み、かつ、前端近傍部分57D及び後端近傍部分57Eでも凹んだものとなっている。特に前端近傍部分57D及び後端近傍部分57Eでの透磁スリーブ57の外径は永久磁石53、55の外径よりも小さく、そのため、永久磁石53、55の透磁スリーブ57側の磁極面うち、中心軸に近い一部の領域だけが透磁スリーブ57の前端及び後端と接していて、それより外側の領域は透磁スリーブ57の前端及び後端の外側の空間に露出している。以上のような構成によって、透磁スリーブ57の外側に形成される磁界の中心軸方向での分布は、後に図5を参照して説明するように、前側の中間部分57Dから後側の中間部分57Eまでをカバーする長い範囲の大部分にわたって、リニアにかなり近いものになる。
【0028】
上述した透磁スリーブ57の凹凸をもった外形状は、中心軸方向の中点について、ほぼ前後対称であるが、厳密には、若干非対称に設計されている。若干非対称に設計されている理由は、それにより、シリンダ・カバー33の影響による磁界の非対称性を補償して、リニアな磁界分布を実現するためである。
【0029】
なお、透磁スリーブ57は、磁石ではないので、それを上記のような特別の凹凸形状に成形加工することは全く容易なことである。
【0030】
図1に示すように、被測定対象である例えば電磁比例制御バルブがそのストロークの下死点にある時、センシング・シリンダ3内のホールIC41のセンシング部位の正面には、一点鎖線で示すように、磁気ロッド5の透磁スリーブ57の前側中間部分57Bの前端近くの部位が位置する。また、図2に示すように、電磁比例制御バルブがそのストロークの中立点にある時、ホールIC41のセンシング部位の正面には、図中一点鎖線で示すように、透磁スリーブ57の中央部位が位置する。また、図3に示すように、電磁比例制御バルブがそのストロークの上死点にある時、ホールIC41のセンシング部位の正面には、図中一点鎖線で示すように、透磁スリーブ57の後側中間部分57Cの後端近くの部位が位置する。このように、ホールIC41のセンシング部位の正面に位置する透磁スリーブ57の部位は、前側中間部分57Bの前端近くの部位から後端中間部分57Cの後端近くの部位までの範囲(以下、変位範囲という)で変化する。
【0031】
図5は、ホールIC41によってセンスされる透磁スリーブ57外側の磁界の垂直磁界成分の強度が、上記変位範囲にわたってどのように変化しているかを判りやすく示したものである。
【0032】
図5において、2つの永久磁石53、55及び透磁スリーブ57の表面に出入りしている複数本の矢印は、磁力線を例示している。また、透磁スリーブ57の上方に描かれた一点鎖線の領域61は、透磁スリーブ57に対するホールIC41の相対的位置の移動範囲を示している。すなわち、透磁スリーブ57の外側の垂直磁界成分がホールIC41によってセンスされる領域が領域61である。そして、実線のグラフ63は、2つの永久磁石53、55と透磁スリーブ57とを組み合わせた図示の構成によって形成される、センス領域61における垂直磁界成分の強度分布を示している。また、点線のグラフ65は、2つの永久磁石53、55と透磁スリーブ57とを組み合わせに代えて、従来技術のような単純な円柱磁石を用いた場合に形成されることになる、センス領域61における垂直磁界成分の強度分布を示している。また、範囲DRは、上述した電磁比例制御バルブのストロークによる透磁スリーブ57の変位範囲を示している。
【0033】
図5に示すように、従来の単純な円柱磁石によって形成される、センス領域61における垂直磁界成分の強度分布は、点線グラフ65に示すように明らかに非リニアである。これに対し、2つの永久磁石53、55と透磁スリーブ57とを組み合わせた図示の構成により形成される、センス領域61における垂直磁界成分の強度分布は、実線グラフ63に示すように略リニアであって、しかも、そのような略リニアな磁界強度分布が上述した変位範囲DRの全域にわたって連続している。結果として、この変位センサ1は、電磁比例制御バルブのストロークの全域にわたって、変位に比例したレベルの電圧信号を出力することができる。
【0034】
図6は、上述した変位センサ1を用いて、例えば、電磁比例弁の出力圧をパイロット圧として、操作弁内のスプールを変位させる油圧制御バルブを制御するためのコントローラの構成例を示す。
【0035】
図6に示すように、コントローラ100は、例えば操作レバーのような操作入力装置200と、電磁比例制御バルブ300と、電磁比例制御バルブ300に結合された変位センサ1に、電気的に接続されている。このコントローラ100は、運転者による操作入力装置200の操作に従って電磁比例制御バルブ300の変位(油圧)をフィードバック制御する機能と、このフィードバック制御動作と並行して、変位センサ1の検出特性を常時学習しその学習結果に応じて変位センサ1によって検出された変位を修正する学習制御機能とを備える。
【0036】
まず、フィードバック制御機能について説明する。コントローラ100は、処理101で、操作入力装置200から出力される運転者の指示信号を入力し、そして、入力された指示信号ISを電磁比例制御バルブ300に対する指令変位Dp_sに変換する。また、コントローラ100は、処理109で、変位センサ1から出力される電圧信号Pをフィードバック入力し、そして、変位センサ1の検出特性に合わせて予め用意されたセンサ電圧−変位変換テーブル111を参照して、フィードバック入力されたセンサ電圧信号Pを電磁比例制御バルブ300の現在変位Dp_pに変換する。そして、コントローラ100は、処理103で、指令変位Dp_sと現在変位Dp_pとの偏差Dp_s−Dp_pを演算し、続く処理105で、その変位偏差Dp_s−Dp_pに基づいて電磁比例制御バルブ300に対する油圧の操作量を演算し、続く処理107で、その油圧操作量に基づいて電磁比例制御バルブ300に対する制御電流の操作量を演算して、その制御電流操作量に基づいて電磁比例制御バルブ300に流れる制御電流を操作する。
【0037】
次に、学習制御機能について説明する。コントローラ100は、処理113で、操作入力装置200からの指令信号ISに基づいて、電磁比例制御バルブ300の現在変位Dp_pが所定の確実な代表点に位置すると見なせる時を選択し、その時に変位センサ1から出力される電圧信号Pをサンプリングする。例えば、操作入力装置200からの指令信号ISが、最大変位(上死点)Bmax、最小変位(下死点)Bmin又は変位ゼロ(中立点)Aを一定時間(例えば1秒間)連続して指示している時、電磁比例制御バルブ300の現在変位Dp_pが最大変位(上死点)Bmax、最小変位(下死点)Bmin又は変位ゼロ(中立点)Aの値に確実に位置していると見なすことができるので、その時のセンサ電圧信号P、すなわち、最大変位(上死点)Bmaxに対応する最大電圧信号PBmax、最小変位(下死点)Bminに対応する最小電圧信号PBmin又は変位ゼロ(中立点)Aに対応する中立電圧信号PAがサンプリングされる。指令信号ISが上記条件を満たした都度、上記サンプリングが繰り返されることで、サンプリング時刻の異なる多数の最大電圧信号PBmax、最小電圧信号PBmin及び中立電圧信号PAのサンプリング値がコントローラ100の記憶装置に蓄積される。そして、コントローラ100は、処理113の中で、最大電圧信号PBmax、最小電圧信号PBmin及び中立電圧信号PAの各々に関して、最近過去にサンプリングされた所定個数の(又は、最近過去所定期間内にサンプリングされた複数個の)サンプリング値を用いて(例えば、それら最近過去のサンプリング値の平均値を用いることで)、変位センサ1の特性(すなわち、センサ電圧信号Pと変位Dp_pとの関係)を把握し、把握した特性に基づいて、予め用意されているセンサ電圧−変位変換テーブル111を補正する。これにより、変位センサ1の特性が経時変化や温度ドリフトなどの諸原因により多少変化しても、上述した処理109でセンサ電圧−変位変換テーブル111に基づいてセンサ電圧信号Pから変換される現在変位Dp_pは、実質的に、電磁比例制御バルブ300の真の現在変位Dp_pと一致することになる。
【0038】
さらに、コントローラ100は、処理113の中で、蓄積された最大電圧信号PBmax、最小電圧信号PBmin及び中立電圧信号PAのサンプリング値に基づいて、変位センサ1或いは電磁比例制御バルブ300或いはコントローラ100それ自体の機能に異常がないかどうかを常時チェックする。例えば、サンプリング値が所定の上限電圧値と下限電圧値の間の許容範囲から外れていたり、或いは、最近過去のサンプリング値の変化が異常に急激な変化(例えば、急上昇又は急下降など)を示していたり、或いは、最近過去のサンプリング値の分散が異常に大きかったりした場合、変位センサ1或いは電磁比例制御バルブ300或いはコントローラ100それ自体の機能に何らかの異常があると判断されるので、処理115で、それぞれの異常に応じた所定の対応動作が行なわれる。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、この実施形態のみに本発明の範囲を限定する趣旨ではない。従って、本発明は、その要旨を逸脱することなく、他の様々な形態で実施することが可能である。
【0040】
例えば、図1〜図4に示した変位センサ1の構造は一つの例示に過ぎないから、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形や改変や追加や省略などを加えることができる。
【0041】
図7〜図10は、磁気ロッドの構造の幾つかの変形例を示す。
【0042】
図7に示す磁気ロッド405では、透磁スリーブ457の前端近傍部分457Dと後端近傍部分457Eの凹み形状が、図1〜図4に示したそれと異なっている。すなわち、前端近傍部分457Dと後端近傍部分457Eの外径が、前端及び後端にそれぞれ近づくに伴ってランプ状に縮小している。
【0043】
図8に示す磁気ロッド505では、透磁スリーブ557の中央近傍部分557Aとその両側の部分557B、557Cの外形状が、図1〜図4に示したそれと異なっている。すなわち、両側部分557B、557Cは図1〜図4に示したような円錐形状ではなく、単純な円筒形状であり、これに対し中央近傍部分557Aだけが凹んでいる。
【0044】
図9に示す磁気ロッド605では、透磁スリーブ657は、ホールIC(図示省略)に対面する側でのみ、上述したような磁界分布をリニアにするための特別の凹凸外形状を有しており、他の側では、単純な平坦な外形状となっている。
【0045】
図10に示す磁気ロッド705では、その主要部の基本的構成が、図1〜図4に示したそれと異なっている。すなわち、磁気ロッド705の主要部は、非磁性材料製のベース・ロッド751を有し、このベース・ロッド751のホールIC(図示省略)に対面する側の表面上に、2つの永久磁石753、755と、この永久磁石753、755の間に挟まれた磁性材料製の透磁ロット757が取り付けられている。そして、透磁ロット757は、ホールIC(図示省略)に対面する側において、既に説明したような磁界分布をリニアにするための特別の凹凸外形状を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る変位センサ1の最小変位時の状態を示す縦断面図。
【図2】同変位センサ1の変位ゼロ時の状態を示す縦断面図。
【図3】同変位センサ1の最大変位時の状態を示す縦断面図。
【図4】同変位センサ1の被測定対象物に取り付けられた状態を示す縦断面図。
【図5】ホールIC41によってセンスされる透磁スリーブ57外側の磁界強度の分布の様子を示した説明図。
【図6】同変位センサ1を用いて油圧制御バルブを制御するためのコントローラの構成例を示す。
【図7】磁気ロッドの変形例を示した縦断面図。
【図8】磁気ロッドの別の変形例を示した縦断面図。
【図9】磁気ロッドのまた別の変形例を示した縦断面図。
【図10】磁気ロッドのさらに別の変形例を示した縦断面図。
【符号の説明】
1 変位センサ
3 センシング・シリンダ
31 移動空間
33 シリンダ・ボディ
35 シリンダ・カバー
41 ホールIC
5、405、505、605、705 磁気ロッド
51 芯ロッド
53、55、753、755 永久磁石
57、457、557、657 透磁スリーブ
57A、457A、557A、657A 透磁スリーブの中央近傍部分
57B、457B、557B、657B 透磁スリーブの前側中間部分
57C、457C、557C、657C 透磁スリーブの後側中間部分
57D、457D、557D、657D 透磁スリーブの前端近傍部分
57E、457E、557E、657E 透磁スリーブの後端近傍部分
100 コントローラ
751 ベース・ロッド
757 透磁ロッド
757A 透磁ロッドの中央近傍部分
757B 透磁ロッドの前側中間部分
757C 透磁ロッドの後側中間部分
757D 透磁スリーブの前端近傍部分
757E 透磁スリーブの後端近傍部分

Claims (7)

  1. 磁界の所定方向成分の強度をセンスする磁気感応素子(41)と、
    少なくとも1つの磁石(53、55、753、755)と、
    前記磁気感応素子に対し相対的に移動可能に設けられた磁性材部材(57、457、557、657、757)と
    を備え、
    前記磁性材部材(57、457、557、657、757)は、前記磁石(53、55、753、755)と磁気的に結合して、前記磁性材部材(57、457、557、657、757)の外側に磁界を形成し、そして、
    前記磁気感応素子(41)の位置における前記磁界の前記所定方向成分の強度が、前記磁性材部材(57、457、557、657、757)の変位に応じて変化するように、前記磁性材部材(57、457、557、657、757)が所定の外形状に成形されている、
    変位センサ。
  2. 2つの磁石(53、55、753、755)を備え、
    前記磁性材部材(57、457、557、657、757)は、その移動方向における両端にて前記2つの磁石(53、55、753、755)と磁気的に結合しており、そして、
    前記磁性材部材(57、457、557、657、757)は、前記磁気感応素子に対面する側において、前記移動方向における中間部分(57A、457A、557A、657A、757A)が凹んだ外形状に成形されている、
    請求項1記載の変位センサ。
  3. 2つの磁石(53、55、753、755)を備え、
    前記磁性材部材(57、457、557、657、757)は、その移動方向における両端にて前記2つの磁石(53、55、753、755)と磁気的に結合しており、そして、
    前記磁性材部材(57、457、557、657、757)は、前記磁気感応素子に対面する側において、前記移動方向における両端近傍部分(57D、57E、457D、457E、557D、557E、657D、657E、757D、757E)が凹んだ外形状に成形されている、
    請求項1記載の変位センサ。
  4. 非磁性材シリンダ(33)を更に備え、
    前記磁気感応素子(41)は、前記非磁性材シリンダ(33)に取り付けられており、
    前記磁性材部材(57、457、557、657、757)は、前記非磁性材シリンダ(33)の内側に挿入されている、
    請求項1記載の変位センサ。
  5. 前記非磁性材シリンダ(33)の外周を覆う磁性材カバー(35)を更に備えた請求項4記載の変位センサ。
  6. 前記磁性材部材(57、457、557、657、757)が、移動方向において非対称な外形状を有する請求項5記載の変位センサ。
  7. 前記磁気感応素子(41)の出力信号(P)と変位(Dp_p)との関係(111)を随時に学習して、学習された関係(111)に基づいて前記前記磁気感応素子の出力信号を変位値に変換(109)するコントローラ(100)を更に備えた請求項1〜6のいずれか一項記載の変位センサ。
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