JP2004278889A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロ波加熱時および誘電加熱時のそれぞれで被加熱物の加熱の均一化を保証する高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】加熱室10と、被加熱物17を載置する載置板18と、載置板18の下方に設けその略中央部に開穴19aを配する下電極19と、載置板18の上方に設けスライドしながら上下方向に可動する上電極20と、下電極19の下方に設けた電波放射手段21とを備え、開穴19aを誘電加熱時での開穴周辺の電界集中と、マイクロ波加熱時のマイクロ波の通過との両方に作用させて、被加熱物17の加熱の均一化を保証する装置が提供できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波加熱および被加熱物を電極間に挟んで加熱する誘電加熱が併用できる高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波加熱装置の代表である電子レンジは、被加熱物を直接的に加熱できるので、なべ釜を準備する必要がない簡便さでもって生活上の不可欠な機器になっている。また、この電子レンジの加熱の特徴は加熱エネルギーを食品内部にまで供給できることであり、この特徴を冷凍食品の解凍に利用するということで冷凍食品が大量に流通してきた。
【0003】
電子レンジは、被加熱物を収納する加熱室の大きさが大概、幅寸法および奥行き寸法がそれぞれ30〜40cm、高さ寸法が20cm前後である。一方、使用している周波数の波長は約12cmであり、加熱室内には強弱の電界分布が必ず生じ、さらには被加熱物の形状やその物理特性の影響が相乗されて局所加熱が発生することがある。冷凍食品の解凍においては、氷が解けて水になった領域に加熱エネルギーが集中するので、局所加熱現象が顕著に現れ、部分煮えと未解凍とが共存してしまう問題を有している。
【0004】
また、波長の長い高周波を利用し、加熱電極を用いて被加熱物を誘電加熱する方法は、歴史が古くいまでも工業用としてバッチ方式やベルトコンベア方式が用いられている。これらは大型の冷凍品の処理や冷凍品の多量処理のために大型の装置構成であり、かつ装置の操作も熟練者が行っている。一方、この加熱電極を用いた装置の家庭用装置への展開も古くから検討されてきたが、生活上の利便性、あるいは使用上の利便性の価値をユーザに提供できるまでには至っていない。家庭用装置としての実用価値を提供することを目的とした従来のこの種の高周波加熱装置は、誘電加熱時に使用する加熱電極の一方が電子レンジ使用時に被加熱物を載置するターンテーブルと兼用させ、他方の加熱電極は上下方向に昇降する構成としている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−82468号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、上下昇降する加熱電極は、加熱電極間に電界を集中させるために少なくとも100mm程度の昇降範囲が必要であり、しかも電界分布を均一化させるためにターンテーブルを兼用する下加熱電極との間の平行度を保って保持させることも要求されるので、昇降構成の組込みにより装置の高さ方向の形状が大きくなり、台所への設置が困難になる課題を有していた。
【0007】
また、下側に位置する電極に関しては、電子レンジ使用時に被加熱物を載置するターンテーブルとして使用し、そのターンテーブルの表面に非金属製の保護材を装着したものであるが、底面積の大きな被加熱物をマイクロ波の電波で加熱する場合に、このようなターンテーブル構成では被加熱物の中心部の加熱が不足する課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、誘電加熱用の電極、電波放射手段の構成、および配置を工夫し、マイクロ波加熱時および誘電加熱時のそれぞれで被加熱物の加熱の均一化を保証する高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内において被加熱物を挟むように配置する上電極および下電極と、前記下電極の下方に設けた電波放射手段とを備えたものである。
【0010】
これによって、誘電加熱における電極間に生じる電界方向と同様の方向である被加熱物の下方からマイクロ波を放射する構成とすることで、被加熱物の載置方法はターンテーブル無しの共用構成にでき、使い勝手のよい装置を提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内において被加熱物を挟むように配置する上電極および下電極と、前記下電極の下方に設けた電波放射手段とを備えたもので、これにより誘電加熱における電極間に生じる電界方向と同様の方向である被加熱物の下方からマイクロ波を放射する構成とすることで、被加熱物の載置方法はターンテーブル無しの共用構成にでき、使い勝手のよい装置を提供できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載の下電極は、少なくとも略中央部に開穴を設けた構成としたものであり、これにより底面積の大きな被加熱物に対しても開穴を介してマイクロ波エネルギーを供給することにより、被加熱物の中央部の加熱を促進でき、ひいては被加熱物全体の加熱の均一化を図ることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項2に記載の開穴は、略円形形状とし、その内径は使用する電波の波長の1/4以上としたものであり、これにより開穴はマイクロ波を確実に通過できる形状にして、被加熱物のマイクロ波加熱時の均一加熱をより確実に保証するとともに、誘電加熱時には開穴周辺の端面と上電極との間に生じる電界分布の集中を利用して被加熱物の中央部の加熱を同様に促進する装置を提供できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項1に記載の下電極は、開穴を分散配置した構成からなるものであり、これにより誘電加熱時に開穴周辺の端面と上電極との間に生じる電界分布の集中を分散し、被加熱物の加熱の均一化を促進できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項1に記載の高周波加熱装置において、少なくとも下電極の周縁は、対向する電極に対して反対側に丸曲げ加工をしたものであり、これにより電極周辺の端部における電界分布の集中を緩和することで、被加熱物の電極間への収納位置を細かく気遣うことなく、加熱の均一化を図れる利便性のよい装置を提供することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、特に、請求項1に記載の高周波加熱装置において、下電極と加熱室の壁面との距離は、少なくとも使用する電波の波長の1/4以上としたものであり、これにより下電極の周辺からも満遍なくマイクロ波を被加熱側に供給し、被加熱物の加熱の均一化を図ることができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、特に、請求項1に記載の高周波加熱装置において、上電極の周縁部は、下電極の周縁部よりも加熱室の壁面側に近い構成としたものであり、これにより被加熱物の収納位置が広いという印象の安心感を使用者に与えるとともに、電極周辺部における端部での電界分布の集中を緩和して使い勝手の良い装置を提供できる。
【0018】
請求項8に記載の発明は、特に、請求項1に記載の高周波加熱装置において、被加熱物を載置する誘電材料からなる載置板を備え、載置板の下方にあって空気層を介して下電極を設けた構成からなるものであり、これによりマイクロ波加熱時に被加熱物と下電極との間にマイクロ波が伝搬する空間を形成してマイクロ波加熱の均一化を図ることができる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、特に、請求項1に記載の上電極は、下電極に対して略平行に対向しながら対向間隔を可変するように可動する構成としたものであり、被加熱物の厚みに応じて対向間隔を調整することで、被加熱物に供給する誘電加熱エネルギーを最大化し短時間加熱を図ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【0021】
(実施例1)
図1〜図3は本発明の実施例1における高周波加熱装置を示すものである。
【0022】
図において、10は被加熱物17を収納する加熱室である。この加熱室10は、マイクロ波を閉じ込めることができる金属材料の境界面である左壁面11、右壁面12、底壁面13、上壁面14、奥壁面15および加熱室10内を透視できるパンチング板を有する開閉扉16とで構成し、加熱室10内には、被加熱物17を載置する誘電材料からなる載置板18を配置している。載置板18の下方には、誘電加熱用の下電極19を配し、載置板18の上方には、下電極19に対して略平行に対向しながら対向間隔を可変するように可動する上電極20を配している。
【0023】
また、下電極19の下方にはマイクロ波を放射する電波放射手段21を配置している。22はマイクロ波発生手段であるマグネトロンである。23はマイクロ波を伝送する導波管であり、一端側にマグネトロン22を配し、他端側に電波放射手段21の回転軸を挿入している。24は電波放射手段21の回転軸と嵌合する出力軸を有するモータであり、このモータ24を動作させることで電波放射手段21が回転する。電波放射手段21は、長板、開口部を有する円板、導波管型アンテナなどの構成からなり、回転に伴って電波の放射方向あるいは放射分布が変化するように構成している。
【0024】
下電極19は、少なくともその略中央部(加熱室10の左右および前後方向の略中央部に対応)に略円形形状の開穴19aを配し、少なくともその周辺部は対向する上電極20に対して反対側に丸曲げ加工19bを施した構成としている。前記開穴19aの内径は、使用するマイクロ波の波長の1/4以上としている。2450MHz帯のマイクロ波を使用する場合、開穴19aの内径は、31mm以上が好ましく、一方、最大でも50mm以下に選択する。また、周辺の丸曲げ加工19bの曲径は、略10mm程度から大きくても30mm程度までとする。
【0025】
また、下電極19と加熱室10の壁面との距離G1、G2は、少なくとも使用するマイクロ波の波長の1/4以上としている。
【0026】
一方、上電極20の周縁部は、下電極19の周縁部よりも加熱室10の壁面側に近い構成(図1のW1、図2のW2が相当する)としている。上電極20の周縁部も下電極19相当の丸曲げ加工を施してもかまわない。そして、上電極20には、支持部25を介して二つの回転軸26、27を組み立てている。これら二つの回転軸26、27は支持部25に設けた貫通穴の中を自由に回転できるような関係に構成し、回転軸26、27の回転に伴う上電極20の昇降動作において、上電極20が下電極19に対して略平行に対向しながら対向間隔を可変するように可動する構成としている。
【0027】
また、一方の回転軸27にはスプリング状の金属ワイヤ28を設けている。この金属ワイヤ28は一端を上電極20に接続し、他端は回転軸27に溶接固定している。さらに、上電極20はこの金属ワイヤ28、回転軸27を介して加熱室10の金属壁面と導通させている。回転軸26、27はモータ29により回転駆動されるものである。なお、この回転駆動には複数の歯車などを用いて構成した駆動系を用いるが、その構成は図示していない。また、駆動軸26、27は加熱室10の壁面を貫通させて回転支持しており、この支持部にはそれぞれ電波シール機構30を配している。
【0028】
また、下電極19は、載置板18の下方にあって載置板18との間に空気層31を形成するように、絶縁材料からなる支持柱32にて加熱室10の底壁面13から所定の間隙でもって支持されている。
【0029】
なお、図中、33は上下電極20、19に供給する高周波(例えば、13.56MHz、27.12MHz)を発生する高周波電源、34は高周波電源33から電極の方向に伝送する入射電力および電極側から高周波電源側に戻ってくる反射電力を検知する電力検知部(CM型SWR回路など)、35は電極に直列接続したコイルと並列接続したコンデンサとの回路構成からなり、少なくともコイルはそのインピーダンスを連続的に可変できる構成としたインピーダンス整合回路である。インピーダンス整合回路35の高圧側は下電極19に結線し、アース側は加熱室10の壁面に結線している。高圧側のリード線36には加熱室10の壁面部に高絶縁性の電波シール部37を配している。38は制御部、39は装置本体ボディ、図3に示す40はリード線結線用の穴である。
【0030】
以上のような構成において、下電極19の下方に電波放射手段21を設けた構成とすることで、誘電加熱における電極間に生じる電界方向と同様の方向である被加熱物17の下方からマイクロ波を放射させることにより、被加熱物17の載置方法はターンテーブル無しの共用構成(載置板18構成)にでき、使い勝手のよい装置を提供できる。
【0031】
また、下電極19の略中央部に開穴19aを設けたことにより、マイクロ波加熱において底面積の大きな被加熱物17に対しても開穴19aを介してマイクロ波エネルギーを供給することで、被加熱物17の中央部の加熱を促進でき、ひいては被加熱物17全体の加熱の均一化を図ることができる。
【0032】
また、開穴19aは、略円形形状とし、その内径は使用する電波の波長の1/4以上としたことより、開穴19aはマイクロ波を確実に通過させることができ、被加熱物17のマイクロ波加熱時の均一加熱をより確実に保証できる。また、開穴19aを最大50mm以下にすることで、誘電加熱時には開穴19aの外周部の端部と上電極20との間に生じる電界分布の集中を利用して、被加熱物17の中央部の加熱を同様に促進する装置を提供できる。
【0033】
また、少なくとも下電極19の周縁は、対向する上電極20に対して反対側に丸曲げ加工19bをしたことにより、電極自体の機械的強度を高くし熱歪の発生を抑制するとともに、電極周辺の端部における電界分布の集中を緩和することで、被加熱物17の電極間への収納位置を細かく気遣うことなく、加熱の均一化を図れる利便性のよい装置を提供することができる。
【0034】
また、下電極19と加熱室10の壁面との距離は、少なくとも使用する電波の波長の1/4以上としたものであり、これにより下電極19の周辺からも満遍なくマイクロ波を被加熱物側に供給し被加熱物17の加熱の均一化を図ることができる。
【0035】
また、上電極20の周縁部は、下電極19の周縁部よりも加熱室10の壁面側に近い構成としたことにより、被加熱物17の収納位置が広いという印象の安心感を使用者に与えるとともに、電極周辺部における端部での電界分布の集中を緩和して使い勝手の良い装置を提供できる。
【0036】
また、載置板18の下方にあって空気層31を介して下電極19を設けたことにより、マイクロ波が伝搬する空気層31の作用でマイクロ波加熱の均一化を図ることができる。
【0037】
さらに、上電極20は、単なる上下昇降ではなく、スライドしながら昇降するものである。そして、上壁面14の直下に収納する構成としている。この昇降動作の中で、上電極20は下電極19に対して略平行に対向しながら対向間隔を可変するように動作させており、これにより、被加熱物17の厚みに応じた対向間隔の調整を可能にし、被加熱物17に供給する誘電加熱エネルギーを最大化し、短時間加熱を図ることができる。
【0038】
次に、制御部38の誘電加熱時の動作を説明する。ここで、被加熱物17が収納された後、誘電加熱の開始キーが押印されると、モータ29を動作させて上電極20を被加熱物17と所定の間隙を有する位置にセットする。その後、高周波電源33を50W程度の小電力出力にて動作させ、電力検知部34から得られる反射電力を最小にするようにインピーダンス整合回路35を動作させる。反射電力が最小になった後、高周波電源33の出力を最大化し、被加熱物17を誘電加熱していく。この加熱中にも電力検知部34からの検知信号を随時取り込み、反射電力が最小になるようにインピーダンス整合回路35(あるいはモータ29)を動作制御する。その後、所定の加熱時間の経過、あるいは電力検知部34の信号変化などに基づく加熱終了時期判定により、誘電加熱の終了時期が来ると高周波電源33の動作を停止し、モータ29を動作して上電極20を加熱室10の上壁面14直下に移動収納する。なお、誘電加熱時には加熱室10内の空気を対流あるいは給排気させることが望ましい。
【0039】
次に、マイクロ波加熱の場合の主要動作について説明する。マイクロ波加熱の場合、上電極20は、加熱室10上壁面14の直下に収納した状態のままで加熱を実行する。
【0040】
被加熱物17を載置板18の上に載置した後、開閉扉16を閉じ、操作パネル(図示していない)内の操作キーを用いて加熱条件を入力し、加熱開始キーを押すことで、マイクロ波加熱が開始する。装置に組込んだ制御部(図示していない)は、この加熱開始キーが押されたことを認識すると、マグネトロン22を駆動する電源(図示していない)を動作させる。これによりマグネトロン22がマイクロ波を発生する。発生したマイクロ波は、導波管23を伝送し、導波管23の終端側に設けた電波放射手段21に供給され、加熱室10に放射される。ここで放射したマイクロ波は、下電極19の周縁と加熱室10壁面との間隙部および下電極19の中央に設けた開穴19aを通り、載置板18を透過して被加熱物17にマイクロ波エネルギーを供給し、被加熱物17を均一にマイクロ波加熱する。
【0041】
次に、誘電加熱とマイクロ波加熱とを併用する場合の主要動作について説明する。このような加熱として、冷凍食品の「解凍温め」がある。「解凍温め」に対して、まず、誘電加熱を行い、引続いてマイクロ波加熱を実行する。
【0042】
各加熱方法の引渡し時の動作について説明する。誘電加熱の終了に伴って高周波電源33の動作を停止するとともに、上電極20を上壁面14の直下に上昇移動させる。その後、直ちにマグネトロン22を動作させてマイクロ波加熱への移行を完成させる。
【0043】
対向する上下電極20、19間に生じる高周波電界は冷凍食品を貫通するので、冷凍食品は食品内部まで確実に昇温され、均一解凍の状態になる。この状態からマイクロ波加熱をすることで、解凍された食品は融解のための熱エネルギー消費を抑制でき、食品全体は所望の適温まで短時間に昇温する。
【0044】
なお、本発明の実施例における構成寸法の一例は、下電極19の形状は、幅250mm、奥行180mm、上電極20の形状は、幅300mm、奥行220mm、載置板18と下電極19との間隙は5mmである。
【0045】
(実施例2)
次に、図4に基づき、本発明の実施例2における高周波加熱装置について説明する。
【0046】
本実施例においては、下電極に設けた開穴を分散配置した点で実施例1と相違する。すなわち、図に示すように、下電極41は、その略中央部(加熱室10の左右および前後方向の略中央部に対応)に略円形形状の開穴41aを配し、その周辺に開穴42を略45度ピッチで分散配置している。また、この下電極41の周縁は、実施例1と同様、丸曲げ加工41bを施した構成とし、電極の機械的強度を上げている。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0047】
そして、略円形形状の開穴41aの内径は、マイクロ波の波長の1/4以上としている。また、分散配置した開穴42は、中央に配した開穴41aを含めて、下電極41の平板時における対向面積に対して開口率は多くても20%以下、好ましくは10%以下が望ましい。また、分散配置の開穴42は、誘電加熱時の加熱分布の性能を優先に考えて、その開穴42の配置を決定させている。開口率を高めることはマイクロ波加熱に対しては利点があるが、誘電加熱に対しては上電極20との間で形成できるコンデンサ容量が小さくなり、インピーダンス整合回路35の回路素子の大型化、あるいは回路素子の熱損失の増加などの不利益を生じるためである。具体的な開穴42の穴形状としては、幅が5〜10mm、長さは30mm程度とする。
【0048】
そして、下電極19に開穴を分散配置した構成より、誘電加熱時に開穴周辺の端面と上電極20との間に生じる電界分布の集中を分散し、被加熱物17の加熱の均一化を促進できる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明の高周波加熱装置によれば、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内において被加熱物を挟むように配置する上電極および下電極と、前記下電極の下方に設けた電波放射手段とを備えたものであり、これによって、誘電加熱における電極間に生じる電界方向と同様の方向である被加熱物の下方からマイクロ波を放射する構成とすることで、被加熱物の載置方法はターンテーブル無しの共用構成にでき、使い勝手のよい装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における高周波加熱装置の誘電加熱時の正断面図
【図2】同高周波加熱装置の側断面図
【図3】同高周波加熱装置の下電極の平面図
【図4】本発明の実施例2における高周波加熱装置の下電極を示す平面図
【符号の説明】
10 加熱室
17 被加熱物
18 載置板
19、41 下電極
19a、41a、42 開穴
19b、41b 丸曲げ加工
20 上電極
21 電波放射手段
31 空気層

Claims (9)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内において被加熱物を挟むように配置する上電極および下電極と、前記下電極の下方に設けた電波放射手段とを備えた高周波加熱装置。
  2. 下電極は、少なくとも略中央部に開穴を設けた構成からなる請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 開穴は、略円形形状とし、その内径は使用する電波の波長の1/4以上とした請求項2に記載の高周波加熱装置。
  4. 下電極は、開穴を分散配置した構成からなる請求項1に記載の高周波加熱装置。
  5. 少なくとも下電極の周縁は、対向する電極に対して反対側に丸曲げ加工をした請求項1に記載の高周波加熱装置。
  6. 下電極と加熱室の壁面との距離は、少なくとも使用する電波の波長の1/4以上とした請求項1に記載の高周波加熱装置。
  7. 上電極の周縁部は、下電極の周縁部よりも加熱室の壁面側に近い構成とした請求項1に記載の高周波加熱装置。
  8. 被加熱物を載置する誘電材料からなる載置板を備え、載置板の下方にあって空気層を介して下電極を設けた構成からなる請求項1に記載の高周波加熱装置。
  9. 上電極は、下電極に対して略平行に対向しながら対向間隔を可変するように可動する構成とした請求項1に記載の高周波加熱装置。
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