JP2004278323A - ダイヤフラムポンプ - Google Patents

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宏 竹原
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Abstract

【課題】液体、気体、気液混合体等を搬送供給できるメンテナンスが簡易な構造のダイヤフラムフポンプを提供する。
【解決手段】ポンプヘッド11内を気密に形成するように、周縁を固着して中心部を往復動させるダイヤフラム4と、このポンプヘッド11に流入口178と排出口17とを備え、前記ダイヤフラムの中心部に固着した作動杆3の上下動によりポンプ作用を行うダイヤフラムポンプにおいて、前記ダイヤフラム4の作動杆3側の負荷を制御するポンプ本体の内側に設けたダイヤフラム4の受部7を、前記ダイヤフラムの周縁から中心部にかけて傾斜面とし、ダイヤフラム4の押さえ板5を大きめにし、気体、液体、気液混合体の流体物質を前記流入口から供給し、前記排出口から一定量吐出するダイヤフラムポンプの構造である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送される流体物質として液体、気体に特定化されず、あらゆる流体物質を一定量搬送供給可能なダイヤフラムポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダイヤフラムポンプは使用する用途に応じて構造の相違するポンプが使用されている。特に、空気など気体の場合はシート弁の負荷が小さく、ダイヤフラムの往復動も円滑に行われるが、水、液体などの非圧縮流体の場合はシート弁への負荷が大きくなることになっていた。
このようなダイヤフラムポンプとしては、駆動軸に固定したダイヤフラムの急激な変形を防止するために駆動側に押さえ鍔部を配置し、ポンプ室内の面積が最小のときダイヤフラムの形状がポンプ室側壁と同じになるようにしたものが知られている(特許文献1)。また、ダイヤフラムの周縁の挟着構造として、ダイヤフラムの押さえ部に先端が細くなったリブを設けると共にこの押さえ面との反対側面に二段形状の受け面を形成したものが知られている(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】実開平7−14179号公報
【特許文献2】実用新案登録第2547590号公報
【0004】
特許文献1はクランク運動する駆動軸側のダイヤフラムの押え部(鍔部)をポンプ室内の押え板より大きい径にしてダイヤフラムの変形を防止するのである。このように駆動軸側に大きな径の押え板を設けると、搬送される流体が空気などの圧縮流体の場合は問題ないが、水などの非圧縮流体の場合は駆動減に大きな負荷を与えるために有効ではない。また、特許文献2のダイヤフラムポンプは小さい口径に適する液体供給用のダイヤフラム弁に関するもので、流入口や排出口にシート弁を使用しないポンプである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来のダイヤフラムポンプのような液体の搬送用、気体の搬送用などの専用の流体の搬送にしか適用できないものを改善したものである。
本発明の課題は、ダイヤフラムの円滑な往復(腹)動作を行うことができるダイヤフラムポンプを提供することである。
また、本発明の課題は流入口や排出口のシート弁を簡易に着脱でき、作動時には強固に固着されるポンプヘッドを備えた供給用ダイヤフラムポンプを提供することである。
更に、本発明の課題は、メンテナンスや修理に際して簡易に行なうことができるダイヤフラムポンプを提供することである。
本発明はあらゆる流体の搬送に液体や気体などの流体に特定化されることなく、気液混合体の供給にも使用できるダイヤフラムポンプを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を達成するため、ポンプヘッド内を気密に形成するように、周縁を固着して中心部を往復動させるダイヤフラムと、このポンプヘッドに流入口と排出口とを備え、前記ダイヤフラムの中心部に固着した作動杆の上下動によりポンプ作用を行うダイヤフラムポンプにおいて、前記ダイヤフラムの作動杆側の負荷を制御するポンプ本体の内側に設けたダイヤフラムの受部を、前記ダイヤフラムの周縁から中心部にかけて傾斜面とし、気体や液体、気液混合体の流体物質を前記流入口から供給し、前記排出口から一定量吐出するダイヤフラムポンプの構成である。
【0007】
また、本発明の前記課題は、前記流入口および/または前記排出口に固着するシート弁の中心の円孔を嵌合させる前記ポンプヘッドの係止頭が楕円形になっており、シート弁が容易に嵌着できる構成、前記ポンプヘッドの係止頭に嵌着した一対のシート弁に接触する前記ポンプヘッドの当接面に前記係止頭を中心にしてリング状のリブを突設してある構成によって達成できる。
【0008】
前記課題は、ポンプ本体の上面に段部を設け、中心部を開口した凹部を形成し、このポンプ本体の凹部のダイヤフラムの受部が、周縁から中心部にかけて傾斜面とするとともに前記ダイヤフラムの中心部における硬質の押え板の径をダイヤフラムの径の3/8〜5/8前後とし、前記流入口および/または前記排出口に固着するシート弁の中心の円孔を嵌合させる前記ポンプヘッドの係止頭を楕円形に形成し、このシート弁に接触する前記ポンプヘッドの当接面に前記係止頭を中心にしてリング状のリブを突設してなり、前記ダイヤフラムの腹動によって前記流入口、前記排出口のシート弁を交互に開閉してポンプヘッドを経由して前記気体、液体、気液混合体等の流体物質を前記流入口から供給し、前記排出口から一定量吐出するダイヤフラムポンプの構成によって達成できる。
【0009】
本発明の前記課題は、駆動源と、この駆動源の回転軸に連結したクランク軸を配置し、このクランク軸の上に開口周縁から下方に傾斜面を形成してある受部を備えたポンプ本体と、前記開口周縁に嵌合載置し、前記クランク軸に螺着する中心部の押え板の径が外周径の3/8〜5/8の大きさの径であるダイヤフラムと、前記ポンプ本体に螺止され、通路孔を穿設してある流入口、排出口のそれぞれの係止頭にシート弁を嵌着して、空間部を有するポンプヘッドAと、このポンプヘッドAに脈動吸収用ダイヤフラムを内蔵し、中間室を有するポンプヘッドBと,このポンプヘッドBの中間室を塞ぎ、この上面に螺着する外側板とからなり、ポンプ本体のクランク軸上に嵌合したダイヤフラム以外のポンプヘッドA、ポンプヘッドB、外側板は順次重ねて個々に着脱できるように螺止されているダイヤフラムポンプの構成によって達成できる。
【0010】
本発明のダイヤフラムポンプは、ダイヤフラムの腹動する中心部の押え板が従来のように小さくなく、押え板の径を大きくしてダイヤフラムが確実に変形せずに腹動することができる。しかも、非圧縮性の液体などのダイヤフラムに大きな負荷がかかっても、ポンプ本体の受部の傾斜面によって作動範囲が制御されるからダイヤフラムの故障や損傷のおそれがない。
【0011】
本発明のダイヤフラムポンプは、ポンプヘッドの一対のシート弁の取付孔が円形になっているのに対して本体の突設してある係止頭が楕円形になっているからシート弁を係止頭に嵌合するときに容易に嵌めて固着することができる。しかもシート弁に接触する本体の当接面にリブリングを突設してあるからシート弁の接触面がリブ先端に確実に密着するので流体の洩れがない。
【0012】
本発明のダイヤフラムポンプはポンプ本体の上にダイヤフラムを密着し、ポンプヘッドA,ポンプヘッドBを重ねて螺子止めしてあるから、ポンプヘッドの取外しが簡単であり、ヘッド内の清掃が簡易にできる。しかも、シート弁の交換も容易である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダイヤフラムポンプの実施形態を図面に基づき詳述する。
図1は本発明に係るダイヤフラムポンプの縦断面図である。図2は図1aのA−A線断面側面図である。図3は本発明のダイヤフラムポンプ1の全構成要素を分割的に示す斜視図である。図4は本発明のダイヤフラムポンプのポンプヘッドの実施形態を示す説明用斜視図である。図5は本発明のダイヤフラムポンプのポンプヘッドを除去した状態の説明斜視図である。
【0014】
ポンプ本体に配設した駆動源1の回転軸1aに嵌合したクランク軸2の作動杆3にダイヤフラム4の押え板である下押え板5aが螺合してあり、上押え板5bとによりダイヤフラム4が挟着されている。この押さえ板5はダイヤフラム4と一体にインサート金具によって形成されていてもよい。この上下押さえ板5a,5bの大きさはダイヤフラム4の外周径の約3/8位であるが、この大きさはダイヤフラム4の大きさや材質によって相異する。
【0015】
ポンプヘッドAであるポンプヘッド11aに穿設した流入口13には突設して楕円形の係止頭12、12が配置され、シート弁8が嵌着してある。シート弁8に接触するポンプヘッド11aの当接面のリング状のリブ11cが突設してある。シート弁8が閉塞しているときはリブ11c先端に密着して確実に閉塞される。
【0016】
ポンプヘッドBであるポンプヘッド11bは前記ポンプヘッド11aと共にポンプ室を形成し、中間室15には脈動吸収用ダイヤフラム16を配置し、流入口18、排出口17を備えてある。このポンプヘッド11bは外側板14によって閉塞されている。
【0017】
本発明のダイヤフラムポンプについて図面に示す実施形態に基いて作動を説明する。
駆動源1の駆動に伴ってクランク軸2により作動杆3が上下動し、下押え板5a、上押え板5bにより挟持されているダイヤフラム4を腹動させる。このときダイヤフラム4の下側えの過剰な負荷は受部7の傾斜面によって制御され、流体が液体であってもダイヤフラム4を損傷させることがない。その上、上下押え板5a,5bが大きく形成してあるから流体が液体・気体であってもその吐出流量、吸引圧力及び吐出圧力が増加する。また、受部7の傾斜角度を調節することによりダイヤフラム4との接触面積が制御でき、吐出流量を調整することができる。
【0018】
この受部7の傾斜角度と液体、気体における流量との関係グラフを図6に表す。これによって搬送する液体や気体に応じて好適な傾斜角度を選択することができる。
また、ダイヤフラム4の押え板5の径を変化させて液体(水)・気体の場合の流量の変化を測定したダイヤフラム押え板の径と流量特性との関係グラフを図7に示す。このことからダイヤフラム4の径が大きければ流量は増加するが、駆動源1の出力も増加することになる。
【0019】
ポンプヘッド11a,11bのシート弁8,9を流入口18及び排出口17に固着するとき楕円形の係止頭12にシート弁8,9の円孔に嵌合して簡単に取付けることができる。この場合係止面が楕円形であるから取付け、取外しが容易にでき、しかも動作時には脱離しがたい。
また、このシート弁8は閉塞時にポンプヘッド11bの当接面のリング状のリブ11cの先端に密着するので液洩れやエア漏れの恐れはないから一定量の供給を行うことができる。シート弁8の形状や材質によってこのリブ11cは必ずしも必要ではない。
【0020】
本発明のダイヤフラムポンプにおいては外側板14に脈動吸収用ダイヤフラム16を配置してあるから流体として液体を使用した場合に脈動を抑制することができる。
【0021】
本発明のダイヤフラムポンプは、メンテナンスやシート弁8やダイヤフラム4の交換作業時にはポンプの設置場所において、図3の分解斜視図にあるように外側板14,ポンプヘッド11a,ポンプヘッド11bを一度に取り除くことができ、ポンプヘッド全体を取り外せるから個々に分離して外す必要がないので作業が簡易である。また、これらは一体的に取り外すので部品の取付けに間違いなく作業ができる。
このときポンプヘッド11内に残留する液体が飛び散らないように段部6が形成されている。例えば、劇薬などの場合は取扱いに際し、液体のたまり部を形成し、メンテナンス等のとき分解時に液体などが飛散しないようになっている。
【0022】
【発明の効果】
本発明のダイヤフラムポンプによれば、ダイヤフラムの過剰な負荷に対して受部の傾斜面によって制御でき、気体や液体、これらの混合状態のものなどの何れにもダイヤフラムに影響を与えることなく腹動させることができる。しかもダイヤフラムの押さえ板が通常より大きめに形成してあるから、ダイヤフラムの取付部がインナータイプの場合により効果的で、ダイヤフラムの損傷を防止することができる。
【0023】
本発明のダイヤフラムポンプは流入口や排出口のシート弁の交換作業が容易であり、簡易な構造であるから、装備性及びメンテナンス性の大幅な向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤフラムポンプの縦断面図(a),要部拡大図(b)である。
【図2】図1aのA−A線断面図である。
【図3】本発明のダイヤフラムポンプ1の全構成要素を分割的に示す斜視図である。
【図4】本発明のダイヤフラムポンプのポンプヘッドの実施形態を示す説明用斜視図である。
【図5】本発明のダイヤフラムポンプのポンプヘッドを除去した状態の説明斜視図である。
【図6】本発明のダイヤフラム受部の傾斜角度と流量との関係グラフである。
【図7】本発明のダイヤフラム押え板径と流量特性との関係グラフである。
【符号の説明】
1 駆動源
2 クランク軸
3 作動杆
4 ダイヤフラム
5 押え板
6 段部
7 受部
8 シート弁
9 シート弁
11 ポンプヘッド
12 係止頭
13 通路孔
14 外側板
15 中間室
16 脈動吸収用ダイヤフラム
17 排出口
18 流入口

Claims (5)

  1. ポンプヘッド内を気密に形成するように、周縁を固着して中心部を往復動させるダイヤフラムと、このポンプヘッドに流入口と排出口とを備え、前記ダイヤフラムの中心部に固着した作動杆の上下動によりポンプ作用を行うダイヤフラムポンプにおいて、
    前記ダイヤフラムの作動杆側の負荷を制御するポンプ本体の内側に設けたダイヤフラムの受部を、周縁から中心部にかけて傾斜面とし、気体や液体又は気液混合体の流体物質を前記流入口から供給し、前記排出口から一定量吐出することを特徴としたダイヤフラムポンプ。
  2. ポンプヘッド内を気密に形成するように、周縁を固着して中心部を往復動させるダイヤフラムと、このポンプヘッドに流入口と排出口とを備え、前記ダイヤフラムの中心部に固着した作動杆の上下動によりポンプ作用を行うダイヤフラムポンプにおいて、
    前記ダイヤフラムの作動杆側の負荷を制御するポンプ本体の内側に設けたダイヤフラムの受部を、前記ダイヤフラムの周縁から中心部にかけて傾斜面にするとともに前記ダイヤフラムの中心部における硬質の押え部の径をダイヤフラムの径の3/8〜5/8にし、気体、液体気液混合体の流体物質を前記流入口から供給し、前記排出口から一定量吐出することを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  3. ポンプヘッド内を気密に形成するように、周縁を固着して中心部を往復動させるダイヤフラムと、このポンプヘッドに流入口と排出口とを備え、前記ダイヤフラムの中心部に固着した作動杆の上下動によりポンプ作用を行うダイヤフラムポンプにおいて、
    前記流入口および/または前記排出口に固着するシート弁の中心の円孔を嵌合させる前記ポンプヘッドの係止頭が楕円形になっており、シート弁が容易に嵌着できることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  4. ポンプヘッド内を気密に形成するように、周縁を固着して中心部を往復動させるダイヤフラムと、このポンプヘッドに流入口と排出口とを備え、前記ダイヤフラムの中心部に固着した作動杆の上下動によりポンプ作用を行うダイヤフラムポンプにおいて、
    ポンプ本体の上面に段部を設け、中心部を開口した凹部を形成し、このポンプ本体の凹部のダイヤフラムの受部が、周縁から中心部にかけて傾斜面とするとともに前記ダイヤフラムの中心部における硬質の押え部の径をダイヤフラムの径の3/8〜5/8とし、
    前記流入口および/または前記排出口に固着するシート弁の中心の円孔を嵌合させる前記ポンプヘッドの係止頭を楕円形に形成し、このシート弁に接触する前記ポンプヘッドの当接面に前記係止頭を中心にしてリング状のリブを突設してなり、
    前記ダイヤフラムの腹動によって前記流入口、前記排出口のシート弁を交互に開閉してポンプヘッドを経由して前記気体や液体の流体物質を前記流入口から供給し、前記排出口から一定量吐出することを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  5. 駆動源と、
    この駆動源の回転軸に連結したクランクを配置し、このクランクの上方に位置する開口周縁から下方に傾斜面を形成してある受部を備えたポンプ本体と、
    前記開口周縁に嵌合載置し、前記クランク軸に螺着する中心部の押え板の径が外周径の3/8〜5/8の大きさの径であるダイヤフラムと、
    前記ポンプ本体に螺止され、通路孔を穿設してある流入口、排出口のそれぞれの係止頭にシート弁を嵌着して、空間部を有するポンプヘッドAと、
    このポンプヘッドAに脈動吸収用ダイヤフラムを内蔵し、中間室を有するポンプヘッドBと,
    このポンプヘッドBの中間室を塞ぎ、この上面に螺着する外側板とからなり、
    ポンプ本体のクランク軸上に嵌合したダイヤフラム以外のポンプヘッドA、ポンプヘッドB、外側板は順次重ねて個々に着脱できるように螺止されていることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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