JP2004277549A - 発光強度の増強された無機蛍光体、該無機蛍光体を含む分散液、その製法、および無機蛍光体の発光強度の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機蛍光体、特に希土類含有無機蛍光体の発光強度を増強させる。
【解決手段】その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体。熱失活抑制機能を有する有機物質としてはビストリフルオロメタンスルホニルイミドが好ましい。光増感機能を有する有機物質としては、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンが挙げられる。
【選択図】 なし
【解決手段】その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体。熱失活抑制機能を有する有機物質としてはビストリフルオロメタンスルホニルイミドが好ましい。光増感機能を有する有機物質としては、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンが挙げられる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ことに耐熱性が要求される局面でも使用することができる、発光強度の増強された無機蛍光体、発光強度の増強された無機蛍光体分散液、該分散液の製法および発光強度を増強させて無機蛍光体の発光強度を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光体はその発する蛍光を利用する種々の用途に用いられており、目的に応じて、例えば、溶媒に分散させたり、プラスチックに配合されている。
例えば、特開2002−188026号公報および特開2002−201386号公報には、水性インク組成物に配合される蛍光色素が開示され、そこでは希土類元素と配位子からなる色素が記載されており、配位子としてはテノイルトリフルオロアセトン、ナフトイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、メチルベンゾイルトリフルオロアセトン等が例示されている。
【0003】
しかしながら、これらの公報に開示の蛍光色素は耐熱性が要求される組成物に配合されるものではない。
他方、セキュアリティ等を目的として微量の蛍光体がインクやプラスティックに配合することが検討されている。
このような場合、従来の蛍光体では十分な発光強度が得られず、蛍光強度の増強が要望されていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−188026号公報
【特許文献2】
特開2002−201386号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ことに耐熱性の要求される局面においても使用することができる、無機蛍光体の発光強度を増強させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく、本発明者らは、無機蛍光体粒子が存在する周囲環境からの影響に注目しつつ研究を重ねた結果、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質でその表面を被覆することにより無機蛍光体の発光強度が増強されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の:
(1)その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体、
(2)その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする前記(1)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(3)該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである前記(2)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(4)その表面を、光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする前記(1)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(5)該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される前記(4)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(6)該無機蛍光体が希土類元素を付活剤として含む前記(1)ないし(5)5いずれか1記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(7)該無機蛍光体がY(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euよりなる群から選択される希土類含有無機蛍光体である前記(6)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(8)前記(1)〜(7)いずれか1記載の無機蛍光体を有機溶媒に分散させてなる発光強度の増強された無機蛍光体分散液、
(9)有機溶媒がメタノールまたはアセトンである前記(8)記載の無機蛍光体分散液、
(10)熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させて溶液とし、次いで、無機蛍光体を該溶液に分散させることを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体分散液の製法、
(11)該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである前記(10)記載の製法、
(12)該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される前記(10)または(11)記載の製法、
(13)該無機蛍光体が希土類元素を付活剤として含む前記(10)ないし(12)いずれか1記載の製法、
(14)該無機蛍光体がY(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euよりなる群から選択される希土類含有無機蛍光体である前記(13)記載の製法、
(15)該有機溶媒がメタノールまたはアセトンである前記(10)ないし(14)いずれか1記載の製法、
(16)熱失活抑制機能を有する有機分子および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させ、無機蛍光体を該有機溶媒に分散させ、超音波処理し、放置し、次いで、上澄みを用いて無機蛍光体の発光強度を測定することを特徴とする蛍光強度を増強させて無機蛍光体の発光強度を測定する方法、
(17)該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである前記(16)記載の方法、
(18)該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される前記(16)または(17)記載の方法、
(19)該有機溶媒がメタノールまたはアセトンである前記(16)ないし(18)いずれか1記載の方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の発光強度が増強された無機蛍光体は、その表面が熱失活力抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆されていることをその特徴とする。
【0009】
ここに、対象となる無機蛍光体は特に限定されるものではなく、例えば、蛍光ランプ、水銀ランプ、ブラウン管、X線等用の蛍光体としてこれまで使用されていたものおよび現在使用されているZn2SiO4:Mn2+、MgWO4、(Zn,Be)2SiO4:Mn2+、Cd2B2O5:Mn2+、CaWO4、3Cd3(PO4)2・CdCl2:Mn2+、CaSiO3:Pb,Mn2+、3Cd3(PO4)2・Ca(F,Cl)2:Sb,Mn2+、6MgO・As2O5:Mn4+、(Ca,Zn)3(PO4)2:Tl+、Ba2P2O7:Tl+、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+、(Sr,Ca)3(PO4)2:Sn2+、(Sr,Mg)3(PO4)2:Sn2+、BaSi2O5:Pb2+、3Sr3(PO4)2・SrF2:Sn2+,Mn2+、Sr2P2O7:Sn2+、MgGa2O4:Mn2+、CaWO4、(Zn,Cd)S:Ag+ZnS:Ag、ZnS:Cu,Ag、ZnS:Cu、ZnS:Ag、MgSiO3:Mn2+、(CaMg)SiO3:Ti、MgF2:Mn2+、ZnO:Zn、Zn3(PO4)2:Mn2+、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Ag,Ni、ZnS:Ag,Ni、Zn2SiO4:Mn2+,As、(Zn,Cd)S:Cu,Al、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、Cd5(PO4)3Cl:Mn2+、ZnS:Ag,Ga、BaPt(CN)4・4H2O、CdWO4、CSI/Na、ZnCdS:Ag、ZnCdS:Cu、Zn3(PO4)2:Mn2+、Ca3(PO4)2:Tl+、(MgO)x(As2O5)y:Mn4+、および希土類含有無機蛍光体が挙げられる。
【0010】
好ましくは、希土類含有無機蛍光体が用いられ、その例としては、Y(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euが挙げられる。
【0011】
本発明において、「熱失活抑制機能を有する有機物質」とは、無機蛍光体の励起状態が周りに存在する媒体(分子、溶媒、プラスチック)の振動構造へエネルギー移動して、発光エネルギーが熱エネルギーに変換されるのを抑制する有機物質をいう。その代表的なものとしては、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド(以下、「pms」と略する場合がある)が挙げられる。このpmsは振動数が極めて低く、以下のような構造を有する。
【0012】
【化1】
【0013】
本発明において、「光増感機能を有する有機物質」とは、照射されたエネルギーを効率よく蛍光体に移動させる有機物質をいう。そのような光増感機能を有する有機物質の好ましい例としては、式:
【0014】
【化2】
【0015】
で表わされるペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](以下、「化合物a」という場合がある)、式:
【0016】
【化3】
【0017】
で表わされる2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール(以下、「化合物b」という場合がある)、および式:
【0018】
【化4】
【0019】
で表わされる2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン(以下、「化合物c」という場合がある)が挙げられる。
これらの化合物は、吸光係数が高く、プラスチックの添加剤として用いられているもので、プラスチック成型加工時において良好な耐熱性を有する。
【0020】
その他、本発明において光増感機能を有する有機物質としては、カルボニル基含有化合物(例えば、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン)、カルボキシル基含有化合物(例えば、EDTA誘導体)、テルフェニル型化合物(例えば、m−テルフェニル基含有化合物誘導体)、およびピリジン、キノリン、フェナントロリン型化合物(例えば、1,10−フェナントロリン)が挙げられる。
【0021】
かかる本発明の発光強度が増強された無機蛍光体は、無機蛍光体粒子の表面を熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆することによって得られる。
【0022】
すなわち、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質をメタノールまたはアセトンのごとき有機溶媒に溶解させて溶液とし、蛍光体粉末を該溶液に分散さる。好ましくは、分散に際しては、超音波処理して無機蛍光体の有機溶媒中への分散性を高める。
【0023】
被覆の程度は、無機蛍光体、熱失活抑制機能を有する有機物質および光増感機能を有する有機物質の種類や、蛍光を利用する目的等に応じて適宜に選択することができる。
【0024】
このような手順により、その表面が熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆された無機蛍光体が分散系内で生じる。
【0025】
このような発光強度の増強された無機蛍光体の分散液、およびその製法も本発明の範囲内のものである。熱失活抑制機能を有する有機物質および光増感機能を有する有機物質については前記したに同じである。
【0026】
また、本発明は、前記したごとき熱失活抑制機能を有する有機分子および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させて溶液とし、無機蛍光体を該溶液に分散させ、超音波処理し、放置し、次いで、上澄みを用いて無機蛍光体の発光強度を測定することを特徴とする無機蛍光体の発光強度の測定方法を提供する。好ましくは、窒素をバブリングして上澄みから酸素を除去してから測定を行う。
【0027】
本発明の蛍光強度の増強された無機蛍光体は、例えば、分散液の形態とし、インク、塗料等に添加して好適に用いることができる。また、分散液作成後の処理方法を考慮することにより、照明器具、レーザー、光ファイバー、あるいはプラスチック材料(例えば、様々な情報を識別することが可能な材料)などへの原材料として好適に用いることができる。
【0028】
【実施例】
実施例1
本実施例では、下記表1に示される平均粒径約6μmの希土類含有無機蛍光体を用いた。
【0029】
【表1】
【0030】
メタノールにpmsを溶解させて、濃度2×10−3Mの溶液を作成し、各溶液に各無機蛍光体を0.5g/lの濃度にて分散させた。分散液を超音波処理し、24時間放置した。分散液の上澄みを取り出し、光学セル(1cm×1cm×5cm)に入れ、窒素をバブリングして上澄みから酸素を除去し、蛍光強度を測定した。
【0031】
蛍光強度の測定は、日立製作所製F−4500蛍光分光光度計を用い、ホトマル電圧700V、励起側スリット10nm、受光側スリット5nmおよびスキャン速度60nm/minにて、励起波長395nmで発光スペクトルを測定した。なお、補正光源より励起光源および検出器(ホトマル)の濃度に対する感度補正を予め行った。
得られた発光スペクトルを図1ないし図5に示す。
これらの図から明らかなごとく、pms処理した無機蛍光体は処理を施していない無機蛍光体と比べて増強された発光強度を示す。
【0032】
実施例2
本実施例では、下記表2に示した平均粒径約6μmの希土類含有無機蛍光体を用いた。
【0033】
【表2】
【0034】
メタノールにIRGANOX 1010(化合物aの商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を溶解させて、濃度1×10−4Mの溶液を作成し、各溶液に各無機蛍光体を0.5g/lの濃度にて分散させた。分散液を超音波処理し、24時間放置した。分散液の上澄みを取り出し、光学セル(1cm×1cm×5cm)に入れ、窒素をバブリングして上澄みから酸素を除去し、蛍光強度を測定した。
【0035】
蛍光強度の測定は、実施例1と同様の条件で行った。
未処理無機蛍光体の注目する波長における発光強度を1とし、相対蛍光強度比を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3より明らかなごとく、IRGANOX 1010で処理した無機蛍光体は処理を施していない無機蛍光体と比べて増強された発光強度を示す。
【0038】
実施例3
IRGANOX 1010を化合物cで置き換える以外は実施例2と同様の手順により、無機蛍光体分散液を調製し、発光スペクトルを得た。
未処理無機蛍光体の発光強度に対し、2.1倍の発光強度比(発光波長625nm)が得られた。
【0039】
実施例4
有機溶媒としてのメタノールをアセトンで置き換え、無機蛍光体としてD1120のみを用いる以外は、実施例2と同様にして、化合物a被覆D1120分散液を調製し、実施例2と同様の条件で発光スペクトルを測定した。その結果を図6に示す。625nmのピークの相対的強度比は未処理1に対して10であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、発光強度が増強された無機蛍光体が得られ、従来よりも少量の無機蛍光体を配合することにより所望の発光強度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、未処理Y2O3:Euおよびpmsで処理したY2O3:Euのメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図2】図2は、未処理Y2O2S:Euおよびpmsで処理したY2O2S:Euのメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図3】図3は、未処理NP310およびpmsで処理したNP310のメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図4】図4は、未処理NP360およびpmsで処理したNP360のメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図5】図5は、未処理D1180およびpmsで処理したD1180のメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図6】図6は、未処理D1120およびIRGANOX 1010で処理したD1120のアセトン中での発光スペクトルを示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ことに耐熱性が要求される局面でも使用することができる、発光強度の増強された無機蛍光体、発光強度の増強された無機蛍光体分散液、該分散液の製法および発光強度を増強させて無機蛍光体の発光強度を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光体はその発する蛍光を利用する種々の用途に用いられており、目的に応じて、例えば、溶媒に分散させたり、プラスチックに配合されている。
例えば、特開2002−188026号公報および特開2002−201386号公報には、水性インク組成物に配合される蛍光色素が開示され、そこでは希土類元素と配位子からなる色素が記載されており、配位子としてはテノイルトリフルオロアセトン、ナフトイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、メチルベンゾイルトリフルオロアセトン等が例示されている。
【0003】
しかしながら、これらの公報に開示の蛍光色素は耐熱性が要求される組成物に配合されるものではない。
他方、セキュアリティ等を目的として微量の蛍光体がインクやプラスティックに配合することが検討されている。
このような場合、従来の蛍光体では十分な発光強度が得られず、蛍光強度の増強が要望されていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−188026号公報
【特許文献2】
特開2002−201386号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ことに耐熱性の要求される局面においても使用することができる、無機蛍光体の発光強度を増強させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決すべく、本発明者らは、無機蛍光体粒子が存在する周囲環境からの影響に注目しつつ研究を重ねた結果、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質でその表面を被覆することにより無機蛍光体の発光強度が増強されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の:
(1)その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体、
(2)その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする前記(1)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(3)該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである前記(2)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(4)その表面を、光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする前記(1)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(5)該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される前記(4)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(6)該無機蛍光体が希土類元素を付活剤として含む前記(1)ないし(5)5いずれか1記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(7)該無機蛍光体がY(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euよりなる群から選択される希土類含有無機蛍光体である前記(6)記載の発光強度の増強された無機蛍光体、
(8)前記(1)〜(7)いずれか1記載の無機蛍光体を有機溶媒に分散させてなる発光強度の増強された無機蛍光体分散液、
(9)有機溶媒がメタノールまたはアセトンである前記(8)記載の無機蛍光体分散液、
(10)熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させて溶液とし、次いで、無機蛍光体を該溶液に分散させることを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体分散液の製法、
(11)該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである前記(10)記載の製法、
(12)該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される前記(10)または(11)記載の製法、
(13)該無機蛍光体が希土類元素を付活剤として含む前記(10)ないし(12)いずれか1記載の製法、
(14)該無機蛍光体がY(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euよりなる群から選択される希土類含有無機蛍光体である前記(13)記載の製法、
(15)該有機溶媒がメタノールまたはアセトンである前記(10)ないし(14)いずれか1記載の製法、
(16)熱失活抑制機能を有する有機分子および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させ、無機蛍光体を該有機溶媒に分散させ、超音波処理し、放置し、次いで、上澄みを用いて無機蛍光体の発光強度を測定することを特徴とする蛍光強度を増強させて無機蛍光体の発光強度を測定する方法、
(17)該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである前記(16)記載の方法、
(18)該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される前記(16)または(17)記載の方法、
(19)該有機溶媒がメタノールまたはアセトンである前記(16)ないし(18)いずれか1記載の方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の発光強度が増強された無機蛍光体は、その表面が熱失活力抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆されていることをその特徴とする。
【0009】
ここに、対象となる無機蛍光体は特に限定されるものではなく、例えば、蛍光ランプ、水銀ランプ、ブラウン管、X線等用の蛍光体としてこれまで使用されていたものおよび現在使用されているZn2SiO4:Mn2+、MgWO4、(Zn,Be)2SiO4:Mn2+、Cd2B2O5:Mn2+、CaWO4、3Cd3(PO4)2・CdCl2:Mn2+、CaSiO3:Pb,Mn2+、3Cd3(PO4)2・Ca(F,Cl)2:Sb,Mn2+、6MgO・As2O5:Mn4+、(Ca,Zn)3(PO4)2:Tl+、Ba2P2O7:Tl+、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+、(Sr,Ca)3(PO4)2:Sn2+、(Sr,Mg)3(PO4)2:Sn2+、BaSi2O5:Pb2+、3Sr3(PO4)2・SrF2:Sn2+,Mn2+、Sr2P2O7:Sn2+、MgGa2O4:Mn2+、CaWO4、(Zn,Cd)S:Ag+ZnS:Ag、ZnS:Cu,Ag、ZnS:Cu、ZnS:Ag、MgSiO3:Mn2+、(CaMg)SiO3:Ti、MgF2:Mn2+、ZnO:Zn、Zn3(PO4)2:Mn2+、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Ag,Ni、ZnS:Ag,Ni、Zn2SiO4:Mn2+,As、(Zn,Cd)S:Cu,Al、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、Cd5(PO4)3Cl:Mn2+、ZnS:Ag,Ga、BaPt(CN)4・4H2O、CdWO4、CSI/Na、ZnCdS:Ag、ZnCdS:Cu、Zn3(PO4)2:Mn2+、Ca3(PO4)2:Tl+、(MgO)x(As2O5)y:Mn4+、および希土類含有無機蛍光体が挙げられる。
【0010】
好ましくは、希土類含有無機蛍光体が用いられ、その例としては、Y(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euが挙げられる。
【0011】
本発明において、「熱失活抑制機能を有する有機物質」とは、無機蛍光体の励起状態が周りに存在する媒体(分子、溶媒、プラスチック)の振動構造へエネルギー移動して、発光エネルギーが熱エネルギーに変換されるのを抑制する有機物質をいう。その代表的なものとしては、ビストリフルオロメタンスルホニルイミド(以下、「pms」と略する場合がある)が挙げられる。このpmsは振動数が極めて低く、以下のような構造を有する。
【0012】
【化1】
【0013】
本発明において、「光増感機能を有する有機物質」とは、照射されたエネルギーを効率よく蛍光体に移動させる有機物質をいう。そのような光増感機能を有する有機物質の好ましい例としては、式:
【0014】
【化2】
【0015】
で表わされるペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](以下、「化合物a」という場合がある)、式:
【0016】
【化3】
【0017】
で表わされる2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール(以下、「化合物b」という場合がある)、および式:
【0018】
【化4】
【0019】
で表わされる2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン(以下、「化合物c」という場合がある)が挙げられる。
これらの化合物は、吸光係数が高く、プラスチックの添加剤として用いられているもので、プラスチック成型加工時において良好な耐熱性を有する。
【0020】
その他、本発明において光増感機能を有する有機物質としては、カルボニル基含有化合物(例えば、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン)、カルボキシル基含有化合物(例えば、EDTA誘導体)、テルフェニル型化合物(例えば、m−テルフェニル基含有化合物誘導体)、およびピリジン、キノリン、フェナントロリン型化合物(例えば、1,10−フェナントロリン)が挙げられる。
【0021】
かかる本発明の発光強度が増強された無機蛍光体は、無機蛍光体粒子の表面を熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆することによって得られる。
【0022】
すなわち、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質をメタノールまたはアセトンのごとき有機溶媒に溶解させて溶液とし、蛍光体粉末を該溶液に分散さる。好ましくは、分散に際しては、超音波処理して無機蛍光体の有機溶媒中への分散性を高める。
【0023】
被覆の程度は、無機蛍光体、熱失活抑制機能を有する有機物質および光増感機能を有する有機物質の種類や、蛍光を利用する目的等に応じて適宜に選択することができる。
【0024】
このような手順により、その表面が熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆された無機蛍光体が分散系内で生じる。
【0025】
このような発光強度の増強された無機蛍光体の分散液、およびその製法も本発明の範囲内のものである。熱失活抑制機能を有する有機物質および光増感機能を有する有機物質については前記したに同じである。
【0026】
また、本発明は、前記したごとき熱失活抑制機能を有する有機分子および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させて溶液とし、無機蛍光体を該溶液に分散させ、超音波処理し、放置し、次いで、上澄みを用いて無機蛍光体の発光強度を測定することを特徴とする無機蛍光体の発光強度の測定方法を提供する。好ましくは、窒素をバブリングして上澄みから酸素を除去してから測定を行う。
【0027】
本発明の蛍光強度の増強された無機蛍光体は、例えば、分散液の形態とし、インク、塗料等に添加して好適に用いることができる。また、分散液作成後の処理方法を考慮することにより、照明器具、レーザー、光ファイバー、あるいはプラスチック材料(例えば、様々な情報を識別することが可能な材料)などへの原材料として好適に用いることができる。
【0028】
【実施例】
実施例1
本実施例では、下記表1に示される平均粒径約6μmの希土類含有無機蛍光体を用いた。
【0029】
【表1】
【0030】
メタノールにpmsを溶解させて、濃度2×10−3Mの溶液を作成し、各溶液に各無機蛍光体を0.5g/lの濃度にて分散させた。分散液を超音波処理し、24時間放置した。分散液の上澄みを取り出し、光学セル(1cm×1cm×5cm)に入れ、窒素をバブリングして上澄みから酸素を除去し、蛍光強度を測定した。
【0031】
蛍光強度の測定は、日立製作所製F−4500蛍光分光光度計を用い、ホトマル電圧700V、励起側スリット10nm、受光側スリット5nmおよびスキャン速度60nm/minにて、励起波長395nmで発光スペクトルを測定した。なお、補正光源より励起光源および検出器(ホトマル)の濃度に対する感度補正を予め行った。
得られた発光スペクトルを図1ないし図5に示す。
これらの図から明らかなごとく、pms処理した無機蛍光体は処理を施していない無機蛍光体と比べて増強された発光強度を示す。
【0032】
実施例2
本実施例では、下記表2に示した平均粒径約6μmの希土類含有無機蛍光体を用いた。
【0033】
【表2】
【0034】
メタノールにIRGANOX 1010(化合物aの商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を溶解させて、濃度1×10−4Mの溶液を作成し、各溶液に各無機蛍光体を0.5g/lの濃度にて分散させた。分散液を超音波処理し、24時間放置した。分散液の上澄みを取り出し、光学セル(1cm×1cm×5cm)に入れ、窒素をバブリングして上澄みから酸素を除去し、蛍光強度を測定した。
【0035】
蛍光強度の測定は、実施例1と同様の条件で行った。
未処理無機蛍光体の注目する波長における発光強度を1とし、相対蛍光強度比を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3より明らかなごとく、IRGANOX 1010で処理した無機蛍光体は処理を施していない無機蛍光体と比べて増強された発光強度を示す。
【0038】
実施例3
IRGANOX 1010を化合物cで置き換える以外は実施例2と同様の手順により、無機蛍光体分散液を調製し、発光スペクトルを得た。
未処理無機蛍光体の発光強度に対し、2.1倍の発光強度比(発光波長625nm)が得られた。
【0039】
実施例4
有機溶媒としてのメタノールをアセトンで置き換え、無機蛍光体としてD1120のみを用いる以外は、実施例2と同様にして、化合物a被覆D1120分散液を調製し、実施例2と同様の条件で発光スペクトルを測定した。その結果を図6に示す。625nmのピークの相対的強度比は未処理1に対して10であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、発光強度が増強された無機蛍光体が得られ、従来よりも少量の無機蛍光体を配合することにより所望の発光強度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、未処理Y2O3:Euおよびpmsで処理したY2O3:Euのメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図2】図2は、未処理Y2O2S:Euおよびpmsで処理したY2O2S:Euのメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図3】図3は、未処理NP310およびpmsで処理したNP310のメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図4】図4は、未処理NP360およびpmsで処理したNP360のメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図5】図5は、未処理D1180およびpmsで処理したD1180のメタノール中での発光スペクトルを示す。
【図6】図6は、未処理D1120およびIRGANOX 1010で処理したD1120のアセトン中での発光スペクトルを示す。
Claims (19)
- その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体。
- その表面を、熱失活抑制機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする請求項1記載の発光強度の増強された無機蛍光体。
- 該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである請求項2記載の発光強度の増強された無機蛍光体。
- その表面を、光増感機能を有する有機物質で被覆したことを特徴とする請求項1記載の発光強度の増強された無機蛍光体。
- 該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される請求項4記載の発光強度の増強された無機蛍光体。
- 該無機蛍光体が希土類元素を付活剤として含む請求項1ないし5いずれか1記載の発光強度の増強された無機蛍光体。
- 該無機蛍光体がY(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euよりなる群から選択される希土類含有無機蛍光体である請求項6記載の発光強度の増強された無機蛍光体。
- 請求項1〜7いずれか1記載の無機蛍光体を有機溶媒に分散させてなる発光強度の増強された無機蛍光体分散液。
- 有機溶媒がメタノールまたはアセトンである請求項8記載の無機蛍光体分散液。
- 熱失活抑制機能を有する有機物質および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させて溶液とし、次いで、無機蛍光体を該溶液に分散させることを特徴とする発光強度の増強された無機蛍光体分散液の製法。
- 該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである請求項10記載の製法。
- 該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される請求項10または11記載の製法。
- 該無機蛍光体が希土類元素を付活剤として含む請求項10ないし12いずれか1記載の製法。
- 該無機蛍光体がY(P,V)O4:Eu、Y2O3:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、Y2O2S:Eu、およびBaMg2Al10O17:Euよりなる群から選択される希土類含有無機蛍光体である請求項13記載の製法。
- 該有機溶媒がメタノールまたはアセトンである請求項10ないし14いずれか1記載の製法。
- 熱失活抑制機能を有する有機分子および/または光増感機能を有する有機物質を有機溶媒に溶解させて溶液とし、無機蛍光体を該溶液に分散させ、超音波処理し、放置し、次いで、上澄みを用いて無機蛍光体の発光強度を測定することを特徴とする蛍光強度を増強させて無機蛍光体の発光強度を測定する方法。
- 該熱失活抑制機能を有する有機物質がビストリフルオロメタンスルホニルイミドである請求項16記載の方法。
- 該光増感機能を有する有機物質が、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(2−ヒドロキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メンチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノールおよび2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノンよりなる群から選択される請求項16または17記載の方法。
- 該有機溶媒がメタノールまたはアセトンである請求項16ないし18いずれか1記載の方法。
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JP2014527574A (ja) * | 2011-06-27 | 2014-10-16 | ▲海▼洋王照明科技股▲ふん▼有限公司 | チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜及びその製造方法、並びにその応用 |
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