JP2004277282A - 塩化水素ガスに含まれる硫黄成分の除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塩化水素ガス(1)の水分量を増加させることなく、塩化水素ガス(1)に含まれる硫黄成分を除去できる方法を提供する。
【解決手段】 本発明の除去方法は、硫黄成分を含む塩化水素ガス(1)を金属酸化物(2)と接触させて、硫黄成分を除去する。例えば金属酸化物は酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素であり、BET比表面積が10m2/g以上、半径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.05cm3/g以上の粒子状金属酸化物を用いる。硫黄成分を含まない純塩化水素ガス(1')を容易に得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の除去方法は、硫黄成分を含む塩化水素ガス(1)を金属酸化物(2)と接触させて、硫黄成分を除去する。例えば金属酸化物は酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素であり、BET比表面積が10m2/g以上、半径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.05cm3/g以上の粒子状金属酸化物を用いる。硫黄成分を含まない純塩化水素ガス(1')を容易に得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は塩化水素ガスに含まれる硫黄成分の除去方法に関する。
硫酸ミスト、酸化硫黄などの硫黄(S)分を含む塩化水素(HCl)ガスから、この硫黄成分を除去する方法はこれまで知られていない。
特許文献1(特開2002−136825号公報)には、硫黄成分を含むガスを水にバブリングさせて硫黄成分を除去する方法が開示されているが、塩化水素ガスを水にバブリングさせたのでは、塩化水素が水に溶解してしまう。また、乾燥状態の塩化水素ガスから硫黄成分を除去しようとしても、バブリング後の塩化水素ガスには飽和水蒸気圧に相当する程度の水分が含まれてしまう。
そこで本発明者は、塩化水素ガスの水分量を増加させることなく、塩化水素ガスに含まれる硫黄成分を除去できる方法を開発するべく鋭意検討した結果、塩化水素ガスを金属酸化物と接触させることで、塩化水素ガスに含まれる水分量を増加させることなく、硫黄成分を除去できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、硫黄成分を含む塩化水素ガス(1)を金属酸化物(2)と接触させることを特徴とする前記塩化水素ガス(1)に含まれる硫黄成分の除去方法を提供するものである。図1に本発明の除去方法によって塩化水素ガス(1)に含まれる硫黄成分を除去するための装置(3)の一例を模式的に示す。
本発明の除去方法によれば、体積百万分率2ppm以下で塩化水素ガスに含まれる硫黄成分を除去することができ、硫黄成分の除去に水を使用しないので、塩化水素ガスの水分含有量が増加することもない。
本発明の製造方法において用いられる塩化水素ガス(1)は、硫黄成分を含むものである。硫黄成分としては、例えば硫酸(H2SO4)、硫化水素(H2S)、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、一酸化一硫化炭素(COS)などが挙げられる。これらの硫黄成分は通常、ミスト状またはガス状で塩化水素ガス(1)に含まれており、例えば硫酸は通常ミスト状で含まれ、硫化水素、二酸化硫黄、三酸化硫黄、一酸化一硫化炭素などはガス状で含まれている。かかる塩化水素ガスに含まれる水分の含有量は通常0.1%以下である。
かかる塩化水素ガス(1)は通常0.1MPa以上1MPa以下程度の圧力で、0℃以上400℃以下程度の温度で金属酸化物(2)と接触させる。
金属酸化物(2)としては、塩化水素に対して不活性な化合物からなるものが用いられ、例えば活性アルミナ、γアルミナなどに代表される酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン(チタニア)、酸化ケイ素(シリカゲル)などが用いられる。
金属酸化物(2)は、塩化水素ガス(1)との接触面積を容易に大きくできることから、球状(粒子状)のものや円柱状のものが用いられる。球状の金属酸化物を用いる場合、その粒子径があまりに小さいと、塩化水素ガス(1)に同伴されるため、好ましくなく、また、あまりに大きいと十分な面積で接触できず、好ましくない。このため、粒子状金属酸化物の粒子径は通常0.1mm以上5mm以下程度、好ましくは1mm以上である。また、同様の理由で、円柱状の金属酸化物を用いる場合、その直径は通常0.5mm以上5mm以下、長さは1mm以上10mm以下程度である。
粒子状金属酸化物(2)は、その表面のBET比表面積が大きいもの、具体的には10m2/g以上の粒子状金属酸化物であることが好ましい。BET比表面積は通常1000m2/g程度以下である。
粒子状金属酸化物(2)は、半径0.1μm以上1μm以下の細孔(マクロポア)を有しているもの、具体的には半径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.05cm3/g以上の粒子状金属酸化物であることが、硫酸ミストをより効率よく除去できる点で、好ましい。かかるマクロポアの細孔容積は通常1.5cm3/g以下である。かかるマクロポアの細孔容積は、例えば水銀圧入法により測定される細孔分布から求めることができる。
金属酸化物(2)として粒子状の金属酸化物を用いる場合、この粒子状金属酸化物(2)は通常、カラム(4)に充填されて用いられる。このカラム(4)を塩化水素ガス(1)が通過することで、塩化水素ガス(1)がカラム内で金属酸化物(2)と接触して、硫黄成分が除去される。
カラム(4)を通過させる塩化水素ガス(1)の体積は、絶対圧力0.1MPa換算の単位時間あたりの金属酸化物の体積に対する比(SV)で、硫黄成分を確実に除去できる点で通常は通常5000hr-1以下程度であり、実用的には通常100hr-1以上、好ましくは200hr-1以上である。
かかる本発明の除去方法によれば、硫黄成分を含む塩化水素ガス(1)から、硫黄成分を除去して、硫黄成分を含まない純塩化水素ガス(1')を容易に製造することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1に示すように、酸化アルミニウム〔住友化学工業(株)製の活性アルミナ、商品名は「NKHD−24」、粒子径は2mm〜4mm〕(2)をカラム〔ステンレス製、内径1.6cm、カラム長200cm、内容積402cm3〕(4)に充填した。充填された酸化アルミニウムは250gであった。また、この酸化アルミニウムのBET比表面積を測定したところ約300m2/gであり、半径0.1μm〜1μmの細孔容積を測定したところ0.10cm3/gであった。
図1に示すように、酸化アルミニウム〔住友化学工業(株)製の活性アルミナ、商品名は「NKHD−24」、粒子径は2mm〜4mm〕(2)をカラム〔ステンレス製、内径1.6cm、カラム長200cm、内容積402cm3〕(4)に充填した。充填された酸化アルミニウムは250gであった。また、この酸化アルミニウムのBET比表面積を測定したところ約300m2/gであり、半径0.1μm〜1μmの細孔容積を測定したところ0.10cm3/gであった。
このカラム(4)に、SO2(ガス)および硫酸ミスト(H2SO4)を体積百万分率で合計1.1ppm含む塩化水素ガス〔20℃、絶対圧力で約0.1MPa、水分含有量は1ppm未満〕(1)を0.5m3/時間の流量〔SVは約1240hr-1〕で供給して通過させたところ、カラムを通過した後の塩化水素ガス(1')には、硫黄(S)成分が検出されなかった(検出下限は体積百万分率で0.12ppm)。
実施例2
酸化チタン粉末〔堺化学工業株式会社製、「STR−60R」〕を押出成形し、600℃で焼成して、円柱状の酸化チタン〔直径1mm〜2mm×長さ4mm〜6mm〕を得た。この円柱状の酸化チタンのBET比表面積は30m2/gであり、半径0.1μm〜1μmの細孔容積は0.30cm3/gであった。
酸化チタン粉末〔堺化学工業株式会社製、「STR−60R」〕を押出成形し、600℃で焼成して、円柱状の酸化チタン〔直径1mm〜2mm×長さ4mm〜6mm〕を得た。この円柱状の酸化チタンのBET比表面積は30m2/gであり、半径0.1μm〜1μmの細孔容積は0.30cm3/gであった。
酸化アルミニウム〔NKHD−24〕に代えて上記で得た球状の酸化チタン(2)をカラム(4)に充填した。円柱状の酸化チタンの充填量は450gであった。このカラム(4)に塩化水素ガス(1)を通過させたところ、カラムを通過したのちの塩化水素ガス(1')には、硫黄分(S)が検出されなかった。
1:塩化水素ガス、1':カラムを通過した後の塩化水素ガス(純塩化水素ガス)、2:金属酸化物、3:装置、4:カラム
Claims (6)
- 硫黄成分を含む塩化水素ガスを金属酸化物と接触させることを特徴とする前記塩化水素ガスに含まれる硫黄成分の除去方法。
- 金属酸化物が酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化ケイ素である請求項1に記載の除去方法。
- 金属酸化物が粒子状金属酸化物である請求項1に記載の除去方法。
- 金属酸化物が、BET比表面積が10m2/g以上の粒子状金属酸化物である請求項3に記載の除去方法。
- 金属酸化物が、半径0.1μm以上1μm以下の細孔容積が0.05cm3/g以上の粒子状金属酸化物である請求項3に記載の除去方法。
- 請求項1〜請求項5の何れかに記載の除去方法により、硫黄成分を含む塩化水素ガスから硫黄成分を除去することを特徴とする純塩化水素ガスの製造方法。
Priority Applications (1)
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WO2010050546A1 (ja) | 2008-10-30 | 2010-05-06 | 住友化学株式会社 | 塩素の製造方法 |
JP2011121845A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 塩素の製造方法 |
EP3730202A1 (de) * | 2019-04-26 | 2020-10-28 | Covestro Deutschland AG | Verfahren zur reinigung von schwefelhaltigen korrosiven prozessgasen |
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JP2010105857A (ja) * | 2008-10-30 | 2010-05-13 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 塩素の製造方法 |
JP2011121845A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 塩素の製造方法 |
EP3730202A1 (de) * | 2019-04-26 | 2020-10-28 | Covestro Deutschland AG | Verfahren zur reinigung von schwefelhaltigen korrosiven prozessgasen |
WO2020216837A1 (de) * | 2019-04-26 | 2020-10-29 | Covestro Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Verfahren zur reinigung von schwefelhaltigen korrosiven prozessgasen |
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