JP2004274607A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッターチャンスを逃さず使い勝手の良いデジタルカメラを提供する。
【解決手段】ボイスレコードモードにおいて、実行ボタンの押下により録音を開始し(時刻t1)、メモリカード内に音声ファイル(Pict0101.wav)を作成するとともに録音処理を順次行いつつ音声ファイルの更新を行う。その後、録音中にレリーズボタンの半押しにより状態S1となると、録音を一旦中断し、撮影処理に含まれるAF等の撮影準備を開始する(時刻t2)。さらに、レリーズボタンの全押しにより状態S2となると、本撮影を開始し(時刻t3)、撮影処理に含まれる露光からメモリへの画像データの記憶までと、画像処理と、画像記録処理とを行い、撮影画像ファイル(Pict0102.jpg)をメモリカード内に記録する。その一方で、画像記録処理が終了する頃に、録音を再開する(時刻t4)。
【選択図】 図8
【解決手段】ボイスレコードモードにおいて、実行ボタンの押下により録音を開始し(時刻t1)、メモリカード内に音声ファイル(Pict0101.wav)を作成するとともに録音処理を順次行いつつ音声ファイルの更新を行う。その後、録音中にレリーズボタンの半押しにより状態S1となると、録音を一旦中断し、撮影処理に含まれるAF等の撮影準備を開始する(時刻t2)。さらに、レリーズボタンの全押しにより状態S2となると、本撮影を開始し(時刻t3)、撮影処理に含まれる露光からメモリへの画像データの記憶までと、画像処理と、画像記録処理とを行い、撮影画像ファイル(Pict0102.jpg)をメモリカード内に記録する。その一方で、画像記録処理が終了する頃に、録音を再開する(時刻t4)。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイスレコードモードを有するデジタルカメラの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラの多機能化により、モードを切替えて、ボイスレコードとして使用可能なデジタルカメラが登場してきた(例えば、特許文献1)。このようなボイスレコードモードを持つデジタルカメラでは、ボイスレコードモードでの録音中に撮影を行うためには、一旦、モードを切替えた後に、レリーズボタンを押下する撮影操作を行う必要があり、操作が非常に煩雑であるとともに、シャッターチャンスを逸するという問題があった。
【0003】
そのような問題に対して、録音中にレリーズボタンが押下されると録音を中断してそれまでの音声を録音し、次の画像記録動作に移行するスチルビデオカメラが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
このような技術に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−223403号公報
【特許文献2】
特開平10−98670号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したスチルビデオカメラにおいては、撮影のために単に録音を中断するだけで、その後の録音等に関しては全く考えられておらず、使い勝手が悪かった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、シャッターチャンスを逃さず使い勝手の良いデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、ボイスレコードモードを有するデジタルカメラであって、被写体に係る撮影画像データを取得する撮像手段と、前記ボイスレコードモードにおける録音中に、撮影処理の開始に応答して前記録音を中断し、前記撮影処理の終了に応答して中断された録音を再開するように制御する録音制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラであって、前記録音制御手段が、操作者による撮影操作の中断に基づいて前記撮影処理が終了したものと判断し、録音の再開を行うように制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のデジタルカメラであって、アフタービュー表示を行う表示手段と、前記ボイスレコードモードにおいては、前記表示手段によるアフタービュー表示を禁止する禁止手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、ボイスレコードモードを有するデジタルカメラであって、前記ボイスレコードモードにおける録音中に、音声データを一時的に記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された音声データを転送して所定の記録媒体に逐次記録するように制御する記録制御手段と、前記録音中に、前記撮影処理の開始に応答して前記録音を中断するように制御する録音制御手段と、を備え、前記一時記憶手段が、前記録音の中断時において当該一時記憶手段に一時的に記憶されている音声データを、消去することなく中断時音声データとして保持することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載のデジタルカメラであって、前記記録制御手段が、前記撮影処理の終了後に、前記中断時音声データを記録するように制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<(1)撮像装置の機能構成>
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の外観構成を示す図である。図1は正面側からみた概略斜視図であり、図2は背面側からみた概略斜視図である。図1及び図2に示すように、デジタルカメラ1は、薄型の略直方体形状を有している。
【0015】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、その正面側に撮影レンズ2と光学ファインダー4とフラッシュ6とを備えており、その上面側に電源スイッチ3とシャッタボタン(レリーズボタン)9とマイク12とを備えている。また、図2に示すように、デジタルカメラ1は、その背面側に液晶表示部(以下、「LCD」という。)5とボタン群7,8とクイックレビューボタン(以下、「QVボタン」とも称する)11とスピーカ13とを備えている。ボタン群7は十字カーソルボタン(ないしカーソルキー)7a〜7dを有しており、ボタン群8は実行ボタン8aとメニューボタン8bとフラッシュモードボタン8cと液晶モニターボタン8dとを有している。さらに、図1及び図2に示すように、デジタルカメラ1は、その側方の面に蓋14とDC入力端子15とUSB端子16とAV出力端子17とを備えている。
【0016】
後述するように、デジタルカメラ1は、撮影レンズ2からの被写体像をCCD(撮像素子)20(図3)によって光電変換すること等によって、被写体に関する画像データを取得する。
【0017】
また、電源スイッチ3は、電源のオン操作及びオフ操作を受け付けるために用いられる。具体的には、電源スイッチ3を押下する毎にオン状態への移行とオフ状態への移行とが交互に繰り返される。
【0018】
レリーズボタン9はユーザ(操作者)による半押し状態(以下、「状態S1」とも称する)と全押し状態(以下、「状態S2」とも称する)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチとなっており、半押し状態のときに自動合焦制御(AF)、自動露光制御(AE)、及び自動ホワイトバランス制御(AWB)等、本撮影を行うための準備(以下、「撮影処理」と称する)を開始する。つまり、レリーズボタン9は、操作者の押下操作に基づいて撮影準備を行う状態S1(以下、「撮影準備状態」とも称する)を検出する。また、全押し状態のときに記録用画像(撮影画像)を撮影するための本撮影動作を開始する。
【0019】
本撮影は、主に露光開始から後述するバッファメモリ54(図3)への撮影画像データの格納までの処理(以下、「画像取得処理」と称する)と、バッファメモリ54に格納された撮影画像データに対する画像処理(以下、「撮影画像処理」と称する)と、バッファメモリ54に格納された撮影画像データを後述するメモリカード90へ記録するまでの処理(以下、「画像記録処理」と称する)とに大別される。なお、以下では、レリーズボタン9の押下操作に基づいた撮影準備と画像取得処理とを含む一連の処理を撮影画像データを取得する処理として「撮影処理」と称する。つまり、ここでは、操作者によるレリーズボタン9の押下操作(以下、「撮影操作」とも称する)によって、主に撮影処理と撮影画像処理と画像記録処理とを含む撮影動作が行われる。
【0020】
LCD5は、本撮影前のプレビュー表示(「ライブビュー表示」とも称する)、本撮影直後に撮影画像を確認するためのクイックビュー表示(「アフタービュー表示」とも称する)、及び記録画像の再生表示等を行う。このLCD5は、所定数(ここでは320×240)の表示画素を有しており、カラー画像を表示することができる。
【0021】
操作者は、LCD5におけるライブビュー表示によって画像における被写体の位置及び大きさ等を知覚し、フレーミング動作を行うことができる。なお、LCD5を用いることなく光学ファインダー4のみを用いてフレーミング動作を行うことも可能である。
【0022】
また、QVボタン11は、撮影モードと再生モードと切り替える機能を有している。具体的には、後述するように、原則としてQVボタン11が押下される毎に、これら2つのモードが順次に且つ循環的に(サイクリックに)選択される。
【0023】
メニューボタン8bは、LCD5へのメニューの表示及び非表示を切り替える機能を有している。具体的には、メニューボタン8bが押下される毎に、メニュー画面と非メニュー画面とが交互にLCD5に表示される。また、LCD5に表示されたメニュー画面における表示カーソルは、十字カーソルボタン7a〜7dを用いて4方向に移動させることができる。さらに、所望の選択肢が選択された状態で実行ボタン8aを押下することによって、その選択肢に対応する設定動作等が実行される。このような操作によって、各種撮影パラメータの設定等を行うことが可能である。
【0024】
フラッシュモードボタン8cは、フラッシュ6のモードを決定するためのボタンである。フラッシュモードボタン8cが押下される毎に、自動発光、強制発光、発光禁止の順序でフラッシュモードが切り替わる。
【0025】
液晶モニターボタン8dは、液晶モニターの表示・非表示を切り替えるためのボタンである。液晶モニターボタン8dが押下される毎に、LCD5に画像等が表示された状態(表示状態)と表示されない状態(非表示状態)とが交互に切り替わる。非表示状態にしておけば消費電力を低減できる。
【0026】
また、マイク12は、動画撮影、ボイスメモ、ボイスレコーディング、アフターレコーディング(アフレコ)時において、記録用の音声データ(「記録音声」とも称する)を取得する(録音する)ために用いられる。
【0027】
スピーカ13は、音声を出力する機能を有しており、音声データあるいは音声付き画像データ(静止画、動画)を再生するとき等に用いられる。
【0028】
さらに、蓋14は、電池室及びメモリカード装着部を覆う部分に設けられている。つまり、蓋14の内部側には、電源電池BTを収容する電池室と着脱自在な記録媒体であるメモリカード90を装着するメモリカード装着部とが設けられている。電源電池BT及びメモリカード90は、それぞれ、電池室及びメモリカード装着部に対して着脱自在に装着される。本撮影によって得られる画像データ(撮影画像データ)及びボイスレコーディング時に得られる音声データ等は、この挿入装着部にセットされるメモリカード90に記録される。つまり、記録媒体としてのメモリカード90は、バッファメモリ54に一時的に記憶された撮影画像データを記録する一方で、録音中にバッファメモリ54に一時的に記憶された音声データの転送を受けてそれを逐次記録する。また、デジタルカメラ1は、電源電池BTからの電力供給を受けることもできるし、DC入力端子15を用いてACアダプタ(不図示)等からの電力供給を受けることもできる。
【0029】
USB端子16は、パーソナルコンピュータ(「パソコン」とも略称する)等とのデータ通信を行うための端子である。USB端子16にUSB規格のケーブル等を接続することによって外部機器(パソコン等)とのデータ通信を行うことができる。
【0030】
AV出力端子17は、テレビ等の外部映像音響機器(AV機器)に接続するための端子である。所定のAVコードをこのAV出力端子17と外部映像音響機器側の入力端子とを接続することによって、その外部映像音響機器に画像及び/又は音声を出力することができる。
【0031】
次に、図3を参照しつつ、デジタルカメラ1の内部構成について説明する。図3は、デジタルカメラ1の内部機能を示すブロック図である。
【0032】
CCD(撮像素子)20は被写体像を撮影して電子的な画像信号(画像データ)、即ち、被写体に係る画像データ(撮影画像データ等)を生成・取得する手段として機能するものであり、例えば1600×1200個の画素を有し、撮影レンズ2によって結像された被写体の光像を、画素毎にR(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。
【0033】
CCD20から得られる画像信号はアナログ信号処理回路21に与えられ、アナログ信号処理回路21において画像信号(アナログ信号)に対して所定のアナログ信号処理が施される。アナログ信号処理回路21は相関二重サンプリング回路(CDS)とオートゲインコントロール回路(AGC)とを有しており、相関二重サンプリング回路により画像信号のノイズ低減処理を行い、オートゲインコントロール回路でゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行う。
【0034】
A/D変換器22は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。変換後のデジタル信号(画像データ)は一時的にRAM50a内のバッファメモリ54に格納される。つまり、CCD20が露光されることにより得られる画像信号がアナログ信号処理回路21及びA/D変換器22を介してデジタル画像データとしてバッファメモリ54に格納される。そして、バッファメモリ54に保持された画像データに対して、後述する画像処理部51による、WB(ホワイトバランス)処理、γ補正処理、及び色補正処理等が施された後、圧縮/伸張部52による圧縮処理等が施される。
【0035】
また、マイク12から得られる音声信号(音声データ)は、音声処理部53に入力される。音声処理部53に入力された音声信号は音声処理部53内に設けられたA/D変換器(不図示)によりデジタル信号(デジタルデータ)に変換され、一時的にバッファメモリ54に格納される。
【0036】
操作部30は、上述した電源スイッチ3、ボタン群7,8、レリーズボタン9、QVボタン11等を含む操作部であり、操作者がデジタルカメラ1の設定状態を変更操作する際や撮影操作を行う際等に用いられる。
【0037】
電源40は、デジタルカメラ1に対する電力供給源である。デジタルカメラ1は、リチウムイオン電池等の二次電池を電源電池BTとして用いて駆動される。
【0038】
全体制御部50は、内部にRAM50a及びROM50bを備えたマイクロコンピュータによって構成され、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上記各部を統括的に制御する手段として機能する。全体制御部50は、たとえば、ライブビュー表示処理、及びメモリカードへの記録処理等をも制御する。なお、RAM50aは、高速アクセス可能な半導体メモリ(たとえばDRAM)であり、ROM50bは電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性の半導体メモリ(たとえばフラッシュROM)として構成される。
【0039】
また、RAM50a内における一部の領域は、一時記憶用のバッファエリアとして機能する。ここでは、このバッファエリアをバッファメモリ54と称するものとする。バッファメモリ54は、撮影処理に基づいて取得されたデジタルデータ化された画像データ(撮影画像データ等)を一時的に記録する一方、録音中にデジタルデータ化された音声データを一時的に記憶する。
【0040】
全体制御部50は、画像処理部51、圧縮/伸張部52、音声処理部53を有している。これらの各処理部51,52,53は、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される機能部である。
【0041】
画像処理部51は、WB処理、γ補正処理等の各種のデジタル画像処理を施す処理部である。WB処理は、R,G,Bの各色成分のレベル変換を行い、カラーバランスを調整する処理であり、γ補正処理は、画素データの階調を補正する処理である。圧縮/伸張部52は、画像データの圧縮処理及び伸張処理を行う処理部である。圧縮方式としては、例えばJPEG方式等が採用される。音声処理部53は、音声データに対する各種のデジタル処理を施す処理部である。
【0042】
また、全体制御部50は、レリーズボタン9の押下操作に応じたAF,AE,及びAWBを含む撮影準備の各動作を制御する機能を有する。さらに、全体制御部50は、ボイスレコードモードにおける録音中にレリーズボタン9が押下されると、撮影処理を開始させるとともに録音を中断し、撮影処理の終了に応答して中断された録音を再開するように制御する。このように、録音中に撮影を割り込ませることを以下では「割り込み撮影」と称し、割り込み撮影については後程詳述する。
【0043】
また、カードインタフェース(カードI/F)60は、デジタルカメラ1側面の挿入装着部に対して装着されるメモリカード90への画像データの書込み及び読出しを行うためのインタフェースである。
【0044】
メモリカード90に対する画像データの読み書き時には、圧縮・伸張部46において例えばJPEG方式で画像データの圧縮処理又は伸張処理が行われ、カードインタフェース60を介して画像データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。また、音声データの読み書き時においてもカードインタフェース60を介して音声データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。
【0045】
さらに、デジタルカメラ1は、このカードインタフェース60を用いて、画像及び音声等のデータを送受信するだけでなく、デジタルカメラ1で動作するプログラムを取り込むことも可能である。たとえば、メモリカード90に記録される制御プログラムを、全体制御部50のRAM50a又はROM50b内に取り込むことができる。これにより、制御プログラムを更新すること等が可能である。
【0046】
また、USB端子16等を介した外部機器(外部コンピュータ等)との通信によっても、画像あるいは音声等の各種のデータ、及び制御プログラム等を送受信することが可能である。たとえば、外部コンピュータの読取装置(光学ドライブ装置等)にセットされた記録媒体(CD−R/RW、CD−ROM等)に記録された各種のデータ及びプログラム等を、USB端子16を介して取得することが可能である。
【0047】
<(2)撮影画像及び記録音声>
つぎに、撮影画像及び記録音声について説明する。
【0048】
図4はメモリカード90内のフォルダ構成を概念的に示す図である。図4に示すように、撮影画像および記録音声のファイルは、DCF(Design rule for Camera File system)の形式にしたがって作成されて記録される。ここでは、各撮影画像ファイル及び音声ファイルは、フォルダ「100MLT09」の中に格納される。フォルダ「100MLT09」は、フォルダ「DCIM」の下に作成されるフォルダであり、フォルダ「DCIM」は、ルートフォルダの下に作成されるフォルダである。以下、このフォルダ「100MLT09」を「記録フォルダ」とも称する。
【0049】
各撮影画像ファイルの名称は、「Pict0102.jpg」等のように、先頭の8文字(Pict0102)とそれに続くピリオド(.)と3文字の拡張子(jpg)とで構成されている。また、各音声ファイルの名称も、同様に、「Pict0101.wav」等のように、先頭の8文字(Pict0101)とそれに続くピリオド(.)と3文字の拡張子(wav)とで構成されている。そして、これらファイルの名称の先頭の8文字のうち、後半の4つの数字は撮影画像(撮影画像ファイル)及び記録音声(音声ファイル)の作成順に連続的に付与されるシリアル番号である。
【0050】
したがって、例えば、デジタルカメラ1による録音と撮影を交互に繰り返すと、メモリカード90内には、「Pict0001.wav」,「Pict0002jpg」,「Pict0003.wav」,「Pict0004.jpg」,「Pict0005.wav」,「Pict0006jpg」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。また、撮影のみを繰り返すと、メモリカード90内には、「Pict0001.jpg」,「Pict0002jpg」,「Pict0003.jpg」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。さらに、録音のみを繰り返すと、メモリカード90内には、「Pict0001.wav」,「Pict0002wav」,「Pict0003.wav」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。
【0051】
図5は撮影画像ファイルの構成を概念的に示す図であり、図6は音声ファイルの構成を概念的に示す図である。
【0052】
図5に示すように、各撮影画像ファイルは、所定形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。具体的には、各撮影画像のファイルは、タグ情報TGと、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像データ(ここでは、1600×1200画素の画像信号)DPと、サムネイル表示用の画像データ(ここでは、80×60画素の画像信号)DMとを有する。このうち、タグ情報TGには、「ファイル名」、「撮影日時」、「撮影に使用されたカメラのシリアルナンバー」、及び「関連する音声ファイル」等の情報が含まれる。
【0053】
また、図6に示すように、各音声ファイルも、所定形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。具体的には、各記録音声のファイルは、タグ情報TGと、デジタル処理された音声データDSとを有する。このうち、タグ情報TGには、「ファイル名」、「録音開始日時」、「録音に使用されたカメラのシリアルナンバー」、及び「関連する画像ファイル」等の情報が含まれる。
【0054】
また、図5及び図6に示すように、各ファイルには、その属性ATが定められている。具体的には、「読み取り専用属性(R)」、「アーカイブ属性(A)」、「システムファイル属性(S)」、及び「隠しファイル属性(H)」の4つの属性のいずれかが各ファイルに対して決定される。撮影画像及び記録音声に対しては、通常、「アーカイブ属性(A)」及び「読み取り専用属性(R)」のいずれかが付与される。「アーカイブ属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作及び書込動作の両方が許可されるが、「読み取り専用属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作のみが許可され、書込動作が禁止される。
【0055】
なお、このデジタルカメラ1では静止画像の撮影だけでなく、動画の撮影等を行うことも可能である。
【0056】
<(3)デジタルカメラにおける状態遷移の概略>
図7はデジタルカメラ1における状態遷移図であり、LCD5における表示状態を中心に示す図である。図7の角丸四角の中には、LCD5における表示画面が示されている。ここでは、まず、図7を参照しながらデジタルカメラ1における状態遷移の概要について説明する。
【0057】
まず、電源スイッチ3の押下に応じて電源がオン状態にされると、デジタルカメラ1は状態ST10に移行する。状態ST10においては、デジタルカメラ1は「撮影モード」に設定され、撮影のためのプレビュー表示であるライブビュー表示がLCD5で行われる。「撮影モード」は画像(動画、静止画)又は音声を、撮影又は録音するモードである。
【0058】
また、デジタルカメラ1は、上述したように、「撮影モード」の他に、「再生モード」を有している。「再生モード」は撮影画像(及び記録音声等)のファイルを再生するモードである。
【0059】
これらのモードの切替には、QVボタン11が用いられる。原則として、QVボタン11が押下される毎に、デジタルカメラ1は2つのモードに対して順次に且つ循環的に(サイクリックに)移行する。ただし、例外的に、撮影画像ファイルおよび音声ファイルがメモリカード90内に存在しないときには「再生モード」には移行しない。
【0060】
以下では、このモード切替についてさらに詳細に説明する。
【0061】
状態ST10においてQVボタン11が一度押下されると、メモリカード90内に撮影画像ファイル又は音声ファイルが保存(格納)されているか否かが判定される(状態ST41)。
【0062】
状態ST41において、メモリカード90内に撮影画像/音声ファイルが1つでも記録されていると判定された場合には状態ST20に移行する。状態ST20は、デジタルカメラ1が「再生モード」に設定され、LCD5に再生画像等が表示されている状態である。状態ST20に移行すると、最初に、直近に撮影された画像又は直近に録音された音声に対応する音声アイコン等がLCD5に表示される。また、左右方向のキー7c又は7dを押下する毎に、LCD5での表示対象ファイルが前方向あるいは後方向に順次に変更される。
【0063】
また、状態ST20においてQVボタン11がもう一度押下されたときには、状態ST10に戻る。
【0064】
一方、状態ST41において、メモリカード90内に撮影画像/音声ファイルが一つも記録されていないと判定された場合には状態ST43に移行し、「メモリカードに画像/音声データが保存されていません」という文字を表示して状態ST10に戻る。このとき、QVボタン11の押下に応じて、「メモリカードに画像/音声データが保存されていません」という文字がLCD5に一時的に表示されるので、操作者はモードを変更することができないことを認識できる。
【0065】
以上の動作によれば、撮影画像/音声ファイルがメモリカード90内に記録されているときには、QVボタン11が押下される毎に、これら2つのモード(「撮影モード」、「再生モード」)が循環的に(サイクリックに)選択される。
【0066】
つぎに、状態ST10,ST20からの更なる状態遷移について説明する。
【0067】
状態ST10においてメニューボタン8bを押下すると状態ST11へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST10に戻る。状態ST11は、撮影モード内のサブモード(「単写モード」、「連写モード」、「ボイスメモモード」、「ボイスレコードモード」、「動画モード」、「カメラのセットアップ」)への変更等を行うことが可能な状態であり、撮影種類等を設定するための「撮影メニュー」がLCD5に表示される。状態ST11においては、ライブビュー表示が背景画像として表示されたまま、撮影メニュー画面がオーバーレイ表示される。
【0068】
また、状態ST20においてメニューボタン8bを押下すると状態ST21へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST20に戻る。状態ST21は、再生モードでの各種の設定(「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「画像編集」、「カメラのセットアップ」の設定)を行うことが可能な状態であり、各種の設定動作を行うためのメニュー画面である「再生メニュー」がLCD5に表示される。状態ST21においては、再生中の撮影画像や音声アイコン等が背景画像として表示されたまま、再生メニュー画面がオーバーレイ表示される。
【0069】
撮影メニューと再生メニューとを比較すると判るように、「カメラのセットアップ」の項目は、いずれのメニューにおいても存在している。したがって、「カメラのセットアップ」の項目は、いずれのモードからでも呼び出せる。
【0070】
また、各メニュー画面の各項目の左端には、3つの種類の記号(具体的には、白い菱形、黒い菱形、×印)のいずれかが表示される。×印は選択不可能な項目であることを意味し、菱形の記号は選択可能な項目であることを意味している。また、黒い菱形は現在選択されている項目を意味している。操作者が、上下方向のキー7a又は7bを用いて選択項目を変更し、所望の選択項目の記号が黒い菱形に変更された状態で、実行ボタン8aを押下すると、その選択項目に対する動作(具体的には、サブモードの設定や更なるサブメニュー画面の表示)が実行される。尚、×印の付与に代えて、選択項目の文字を淡く表示することにより選択不可能な項目であることを意味するようにしてもよい。
【0071】
例えば、状態ST11における撮影メニューにおいて、操作者が、上下方向ののキー7a,7b及び実行ボタン8aの押下操作によって「ボイスレコードモード」を選択した場合には、デジタルカメラ1がボイスレコードモードに設定される。このボイスレコードモードは、通常、音声のみを記録するモードであるが、録音中にも思わずシャッターチャンスを迎えることもあるため、デジタルカメラ1では、録音中において撮影を割り込ませる割り込み撮影が可能となっている。
【0072】
<(4)ボイスレコードモードにおける動作>
<(4−1)録音中の割り込み撮影の概要>
図8はボイスレコードモードにおける録音中の割り込み撮影を説明するためのタイムチャートで、上から順に実行ボタン8aの押下、録音、レリーズボタン9の押下、撮影、及びファイル処理を示すタイミングとなっている。
【0073】
図8に示すように、ボイスレコードモードに設定された状態で、実行ボタン8aが押下されると、録音を開始し(時刻t1)、メモリカード90内に音声ファイル(ここでは、音声ファイル名(Pict0101.wav))を作成する処理(音声ファイル作成処理)を行い、音声データのメモリカード90への記録処理(録音処理)を順次行いつつ音声ファイルの更新を行う。
【0074】
その後、録音中において、レリーズボタン9が半押しされて状態S1となると、バッファメモリ54にて撮影準備の迅速な動作に必要な空き容量を確保するために、録音を一旦中断して、撮影処理に包含されるAF等を含む撮影準備の動作を開始する(時刻t2)。この録音の中断時に、バッファメモリ54に一時的に記憶されている音声データは、消去されずに保持される。
【0075】
さらに、レリーズボタン9が全押しされて状態S2となると、本撮影を開始し(時刻t3)、撮影処理に包含される一連の動作(露光、CCD20からの画像信号(撮影画像データ)の読出し、バッファメモリ54への撮影画像データの一時記憶)と、撮影画像データに対する画像処理(撮影画像処理)とを行うとともに、その撮影画像データのメモリカード90への記録処理(画像記録処理)を行い、その結果、撮影画像データに対応する撮影画像ファイル(ここでは、撮影画像ファイル名(Pict0102.jpg))をメモリカード90内に記録する。
【0076】
そして、撮影画像処理や画像記録処理の途中までは、撮影画像データ等を保持するために、バッファメモリ54には録音に必要な空き容量が確保されないが、撮影処理後であって画像記録処理が終了する頃には、バッファメモリ54には録音に必要な空き容量が確保されるため、自動的に録音を再開し(時刻t4)、メモリカード90内に別の音声ファイル(ここでは、音声ファイル名(Pict0103.wav))を作成する処理を行い、音声データのメモリカード90への記録処理を順次行いつつ音声ファイルの更新を行う。図8では示していないが、録音の中断時においてバッファメモリ54に一時的に記憶されていた音声データを、録音を再開後に、録音の中断前に作成された音声ファイル(ここでは、音声ファイル名(Pict0101.wav))に追記して記録する。なお、この音声データの追記に関しては、後述するボイスレコードモードにおける動作フローにおいてさらに説明する。
【0077】
そして、再度、実行ボタン8aが押下されると、録音が終了し(時刻t5)、図5及び図6に示したように、各ファイルのタグ情報TGに「関連する画像ファイル」や「関連する音声ファイル」を示す情報(リンク情報)が書き込まれる。具体的には、ここでは、撮影画像ファイル(Pict0102.jpg)のタグ情報TGには、関連する音声ファイルとしてファイル名(Pict0101.wav,Pict0103.wav)が記述される。また、音声ファイル(Pict0101.wav,Pict0103.wav)のタグ情報TGには、それぞれ関連する撮影画像ファイルとしてファイル名(Pict0102.jpg)が記述される。
【0078】
<(4−2)ボイスレコードモードにおける動作フロー>
図9から図11はボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。本動作は、全体制御部50の制御によって実行される。
【0079】
まず、ボイスレコードモードに設定されると、ボイスレコードモードの動作フローが開始し、ステップS1に進む。
【0080】
ステップS1では、録音中フラグ(F)=0に設定し、録音の動作の初期化を行い、ステップS2に進む。なお、録音中Fは、録音を行っていないことを示す0、及び録音中であることを示す1に設定することができ、この録音中Fの設定状態は全体制御部50で管理制御される。
【0081】
ステップS2では、アフタービュー表示を行うように設定されているか否かを判別する。ここでは、アフタービュー表示を行うように設定されている場合はステップS3に進み、設定されていない場合はステップS4に進む。アフタービュー表示の有無の設定は全体制御部50において管理制御される。
【0082】
ステップS3では、アフタービュー表示を行わない設定に変更しステップS4に進む。つまり、全体制御部50が、ボイスレコードモードにおいては、LCD5によるアフタービュー表示の実施を禁止する。ここで、仮にボイスレコードモードにおいてアフタービュー表示を行うように設定されるとすれば、録音中に撮影が割り込んだ場合、アフタービュー表示中(例えば10秒間)には撮影画像データがバッファメモリ54に一時的に記憶されたままになるため、その間は、バッファメモリ54に録音を再開するための空き容量が生じないこととなる。そこで、ここでは、アフタービュー表示を行わないように設定する。その結果、撮影処理の終了後に速やかに録音を再開することができる。なお、ステップS3の処理には、カメラの設定で「アフタービュー表示を行う」が選択設定されていてもその設定を無視する場合や、一律にアフタービュー表示を行う仕様のカメラであってもボイスレコードモードに設定されたときだけはアフタービュー表示を禁止するようにする場合等がある。
【0083】
ステップS4では、ライブビュー表示をする状態(ライブビューオン状態)になっているか否かを判別する。ここでは、ライブビューオン状態になっている場合はステップS5に進み、なっていない場合はステップS6に進む。
【0084】
ステップS5では、ライブビュー表示をしない状態(ライブビューオフ状態)としてステップS6に進む。つまり、全体制御部50が、ボイスレコードモードにおいては、LCD5によるライブビュー表示の実施を禁止する。ここで、仮にボイスレコードモードにおいてライブビュー表示を行うように設定されるとすると、ライブビュー表示を行うにはバッファメモリ54に画像データを順次記憶していく必要性があり、バッファメモリ54において録音に必要な空き容量を十分確保することができなくなり、記録音声に音途切れ等の音質の劣化を生じることも考えられる。そこで、ここでは、ライブビュー表示を行わないように設定する。つまり、全体制御部50が、ボイスレコードモードにおいては、ライブビュー表示の実施を禁止する。その結果、録音される音声の品質の劣化等を防止することができる。
【0085】
ステップS6では、実行ボタン8aが押下(オン)されたか否かを判別する。ここでは、実行ボタン8aがオンされた場合はステップS7に進み、実行ボタン8aがオンされていない場合は図10のステップS21に進む。
【0086】
ステップS7では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されている場合はステップS8に進み、録音中F=1に設定されていない場合はステップS10に進む。
【0087】
ステップS8では、録音中F=0に設定しステップS9に進む。ここで、録音中F=0に設定するのは、もともと録音中F=1に設定された状態で実行ボタン8aが押下されているため、録音を終了するために実行ボタン8aが押下されたものと判断することができるからである。
【0088】
ステップS9では、録音を終了し図10のステップS21に進む。
【0089】
ステップS10では、録音中F=1に設定しステップS11に進む。ここで、録音中F=1に設定するのは、もともと録音中F=0に設定された状態で実行ボタン8aが押下されているため、録音を開始するために実行ボタン8aが押下されたものと判断することができるからである。
【0090】
ステップS11では、録音を開始するとともに、メモリカード90内に新規な音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0101.wav)に相当)を作成し、図10のステップS21に進む。
【0091】
ステップS21では、レリーズボタン9が半押しされた状態S1であるか否かを判別する。ここでは、状態S1であればステップS22に進み、状態S1でなければステップS30に進む。つまり、全体制御部50が、レリーズボタン9による状態S1(撮影準備状態)の検出に基づいて撮影処理が開始したものと判断するように制御する。なお、ここで、状態S1である場合には、レリーズボタン9が半押しされることにより状態S1となる場合と、レリーズボタン9が半押しされたまま状態S1が保持されている場合とがある。また、状態S1でない場合には、もともとレリーズボタン9が半押しされていない場合と、状態S1が解除された場合とがある。また、状態S1でない場合には、もともと状態S1でない状態が保持される場合と、もともと状態S1である状態から状態S1となる場合とがある。
【0092】
まず、ステップS21において状態S1であると判断された場合、即ち、撮影処理を行う場合(ステップS22に進む場合)について説明する。
【0093】
ステップS22では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されていればステップS23に進み、録音中F=1に設定されていなければステップS26に進む。
【0094】
ステップS23では、録音中F=0に設定しステップS24に進む。
【0095】
ステップS24では、録音を中断しステップS25に進む。ここでは、上述したように、バッファメモリ54において撮影準備の迅速な動作に必要な空き容量を確保するために、録音を一旦中断するのである。つまり、全体制御部50が、録音中に撮影処理の開始に応答して録音を中断するように制御する。なお、仮に、撮影準備を行う際に録音を中断しないとすれば、容量が大きく非常に高価なメモリをバッファメモリ54に適用しない限り、撮影準備と録音とを並行して迅速かつ確実に行うことが極めて困難となる。例えば、撮影準備と録音とを並行して行う場合は、AF等を含む撮影準備の動作に長時間を要し、操作者の意図よりも実際の撮影タイミングが遅れてしまう等の弊害を生じる。よって、ここでは、低コストで録音中に迅速な割り込み撮影が可能となるように、撮影準備の開始に対応させて録音を一旦中断するのである。なお、ここでは、録音を中断した旨を全体制御部50によって管理する。
【0096】
ステップS25では、録音を中断した際にバッファメモリ54に一時的に記憶されている音声データ(以下、「中断時音声データ」とも称する)を保持するように設定し、ステップS26に進む。つまり、ここでは、バッファメモリ54が、録音の中断時に一時的に記憶されている音声データを消去することなく中断時音声データとして保持する。
【0097】
ステップ26では、AF、AE、AWBを含む撮影準備が行われ、ステップS27に進む。
【0098】
ステップS27では、レリーズボタン9が押下されて状態S2になったか否かを判別する。ここでは、状態S2になっていればステップS28に進み、状態S2になっていなければステップS21に戻る。
【0099】
ステップS28では、CCD20における露光が行われステップS29に進む。ここでは、CCD20に結像された被写体の光像が各画素毎に光電変換されて電荷信号が蓄積される。
【0100】
ステップS29では、ステップS28においてCCD20に蓄積された電荷信号をCCD20から画像信号として読出して、アナログ信号処理回路21及びA/D変換器22を介して、デジタル信号化された画像信号をバッファメモリ54へ転送し、バッファメモリ54に一時的に記憶させ、図11のステップS41に進む。
【0101】
ステップS41では、ステップS29でバッファメモリ54に一時的に記憶された画像信号に対する画像処理(撮影画像処理)とメモリカード90への記録処理(画像記録処理)を開始し、ステップS42に進む。なお、ここでメモリカード90に記録される撮影画像ファイルは、例えば、図8の撮影画像ファイル(Pict0102.jpg)に相当する。
【0102】
ステップS42では、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量があるか否かを判別する。ここでは、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量があると判別される場合はステップS43に進み、所定の空き容量がないと判別される場合はステップS46に進む。ここで、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量が生じる状態とは、撮影処理等が終了した後に画像記録処理に移行することによって、バッファメモリ54からメモリカード90に撮影画像データが転送される等して、バッファメモリ54内の撮影画像データの容量が減少した状態を意味する。そして、ここでは、全体制御部50が、撮影処理によって取得される撮影画像データがバッファメモリ54に一時的に記憶された後に、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量ができた場合には、間接的に撮影処理が終了したものと判断するように制御する。他の観点から言えば、ここでは、全体制御部50が、撮影画像データがバッファメモリ54に記録された後に撮影処理が終了したか否かを判断するのである。
【0103】
ステップS43では、録音中の割り込み撮影によって、録音が中断されたか否かを判別する。ここでは、録音が中断されたと判別される場合にはステップS44に進み、中断されていないと判別される場合にはステップS46に進む。
【0104】
ステップS44では、録音中F=1に設定しステップS45に進む。
【0105】
ステップS45では、割り込み撮影によって中断された録音を再開するとともに、新規音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0103.wav)に相当)を作成しステップS46に進む。
【0106】
よって、ここでは、撮影処理によって得られる撮影画像データの取得後に、ステップS42で撮影処理が終了したか否かを判別し、バッファメモリ54に所定の空き容量ができた場合には、撮影処理が終了したものと判断する。そして、撮影処理の終了に応答して録音を再開する。その結果、特に撮影画像データを取得するまでの撮影処理等に支障を与えることなく速やかに録音を再開することができる。
【0107】
ステップS46では、撮影に伴う撮影画像処理及び画像記録処理が終了したか否かを判別する。ここでは、撮影画像処理及び画像記録処理が終了していないと判別される場合にはステップS47に進み、終了したと判別される場合にはステップS49に進む。
【0108】
ステップS47では、録音中F=1に設定されていればステップS48に進み、設定されていなければステップS41に戻る。
【0109】
ステップS48では、録音処理に伴う音声ファイルの更新を行いステップS41に戻る。つまり、撮影に伴う撮影画像処理及び画像記録処理が終了するまではステップS41からステップS48までの処理が繰り返される。
【0110】
そして、ここでは、ステップS41からステップS48までの処理を繰り返す間、ステップS42でバッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量があると判別された後は、録音と撮影画像処理及び画像記録処理とが並行して行われる。
【0111】
ここでは、シャッターチャンスを逃さないという観点から、撮影処理に含まれる撮影準備の動作を迅速に行うために、撮影処理の間は録音を一旦中断する。しかし、撮影処理が終了し、撮影画像処理及び画像記録処理を残すのみとなった場合には、画像記録処理を迅速に済ませるよりも、中断された録音を再開する方を優先させるべきとの観点から、ここでは、画像記録処理等と録音とが並行して行われる。
【0112】
一方、撮影に伴う撮影画像処理及び画像記録処理が終了した場合には、バッファメモリ54に十分な空き容量が生じるため、バッファメモリ54に中断時音声データが記憶されている場合にも、その音声データを処理するための空き容量をも十分確保することができる。よって、そのような場合にはステップS46からステップS49に進むのである。
【0113】
ステップS49では、バッファメモリ54に中断時音声データが保持されているか否かを判別する。ここでは、中断時音声データが保持されていると判別される場合にはステップS50に進み、保持されていないと判別される場合は図9のステップS6に戻る。
【0114】
ステップS50では、バッファメモリ54に記憶された中断時音声データを録音中断前でかつ直近に作成された音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0101.wav)に相当)に追記し、バッファメモリ54に記憶されていた中断時音声データを削除(クリア)して、図9のステップS6に戻る。つまり、撮影処理の終了後において、メモリカード90に、録音中断前に作成された音声データと中断時音声データとをつなぎ合わせて(合成して)作成される1つの音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0101.wav)に相当)が記録される。
【0115】
次に、図10のステップS21において状態S1でないと判断された場合、即ち、撮影処理を行わない場合(ステップS30に進む場合)について説明する。
【0116】
ステップS30では、操作者によるQVボタン11の押下等により再生モード等の他のモードへ遷移したか否かを判別する。ここでは、他のモードへ遷移したと判別される場合はステップS31に進み、遷移していないと判別される場合はステップS34に進む。
【0117】
ステップS31では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されている場合はステップS32に進み、設定されていない場合はボイスレコードモードを終了するとともに、他のモードへ遷移する。
【0118】
ステップS32では、録音中F=0に設定しステップS33に進む。
【0119】
ステップS33では、録音を終了し、ボイスレコードモードを終了するとともに、他のモードへ遷移する。
【0120】
ステップS34では、録音が割り込み撮影によって中断されたか否かを判別する。ここでは、録音が中断されたと判別される場合はステップS35に進み、中断されていないと判別される場合はステップS39に進む。なお、ここで、録音が中断されたと判別される場合とは、一旦状態S1となってステップS24で録音が中断されたものの、その後、状態S1が解除された場合に相当する。つまり、ここでは、全体制御部50が、レリーズボタン9の押下操作(撮影操作)の中断や中止に基づいて、撮影処理が終了したものと判断するように制御する。
【0121】
ステップS35では、状態S1が解除された(オフ)後に一定時間(例えば、0.3秒)経過したか否かを判別する。ここでは、状態S1の解除から一定時間が経過していなければステップS36に進み、経過していればステップS37に進む。
【0122】
ステップS36では、ステップS21と同様に状態S1であるか否かを判別する。ここでは、状態S1であればステップS22に進み、状態S1でなければステップS35に戻る。つまり、ここでは、ステップS21で一旦状態S1が解除されたと判別されてから一定時間が経過するまで、再び状態S1とならない限り(ステップS36でY)、ステップS35とステップS36の判別が繰り返され、状態S1の解除(ステップS21で一旦状態S1が解除されたと判別された時点)から一定時間経過すればステップS37に進む。よって、ここでは、全体制御部50が、状態S1(撮影準備状態)の解除後所定時間(例えば、0.3秒)の経過に基づいて撮影操作が中断又は中止されたものと判断するように制御する。
【0123】
ステップS37では、録音中F=1に設定しステップS38に進む。
【0124】
ステップS38では、録音を再開するとともに、ステップS39に進む。
【0125】
したがって、ここでは、操作者による撮影操作の中断/中止に基づいて撮影処理が終了したものと判断するため、撮影操作の中断/中止に基づいて即座に録音を再開することができる。また、その一方で、撮影準備状態(状態S1)の解除後、直ちにではなく、例えば、0.3秒といった若干の所定時間が経過した後に録音を再開する。つまり、撮影準備の再開のための若干の猶予期間を設けて操作者が確実に撮影(ここでは、撮影準備)を中止した場合のみ録音を再開する。その結果、操作者が撮影を中止しかけたが、実際には中止しなかった場合等において、録音の再開と中断に伴うタイムラグを防止できるため、シャッターチャンスを逃すことがなくなり、カメラの使い勝手を良くすることができる。
【0126】
ステップS39では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されている場合はステップS40に進み、録音中F=1に設定されていない場合は図9のステップS6に戻る。
【0127】
ステップS40では、録音処理に伴う音声ファイルの更新を行い、図9のステップS6に戻る。
【0128】
以上、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1では、ボイスレコードモードにおいて、全体制御部50の制御下で、撮影処理の開始に応答して録音を中断し、撮影処理の終了に応答して録音を再開する。その結果、シャッターチャンスを逃さず、撮影後の録音再開のし忘れの防止等が可能な使い勝手の良いデジタルカメラを提供することができる。
【0129】
また、撮影処理の開始に応答した録音中断時においてバッファメモリ54に一時的に記憶されている中断時音声データを消去せずに保持する。そして、撮影処理の終了後に、その中断時音声データをメモリカード90に記録する。その結果、録音中における割り込み撮影による音声データの欠落を最小限に留めることができる。さらに、中断時音声データをメモリカード90に記録する際には、録音中断前の直近に作成された音声データに対して追加(合成)して1つの音声ファイルとして記録する。その結果、1つの音声ファイルとして、音声データの欠落を最小限に留めることができる。
【0130】
<(5)変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0131】
◎例えば、上述した実施形態はデジタルカメラを対象とするものであったが、本発明を適用可能な対象としてはこれに限られるものではなく、例えば、適用対象がカメラ付きの携帯電話等であっても良い。なお、カメラ付きの携帯電話等も広い意味ではデジタルカメラとみることができる。
【0132】
◎上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0133】
(1)請求項2に記載のデジタルカメラであって、操作者による操作に基づいて撮影準備状態を検出する検出手段、をさらに備え、前記録音制御手段が、前記検出手段による撮影準備状態の検出に基づいて前記撮影処理が開始されたものと判断し、前記撮影準備状態の解除後所定時間の経過に基づいて前記撮影操作が中断されたものと判断するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0134】
(1)の発明によれば、撮影準備状態の解除後、直ちにではなく、所定時間経過後に録音を再開することにより、確実に撮影を中止した場合にのみ録音を再開するため、シャッターチャンスを逃すことがなくなり、使い勝手を良くすることができる。
【0135】
(2)請求項1に記載のデジタルカメラであって、前記撮影処理に基づいて、デジタルデータ化された前記撮影画像データを一時的に記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された前記撮影画像データを転送して所定の記録媒体に記録するように制御する記録制御手段と、を備え、前記録音制御手段が、前記撮影画像データが前記一時記憶手段に記憶された後に、前記撮影処理が終了したか否かを判断するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0136】
(2)の発明によれば、撮影処理によって得られる撮影画像データの取得後に、撮影処理が終了したか否かを判断するため、撮影に支障を与えることなく速やかに録音を再開することができる。
【0137】
(3)(2)に記載のデジタルカメラであって、前記録音制御手段が、前記一時記憶手段に所定の空き容量ができた場合に前記撮影処理が終了したものと判断するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0138】
(3)の発明によれば、メモリに所定の空き容量ができた場合には、撮影処理が終了したものと判断するため、撮影に支障を与えることなく速やかに録音を再開することができる。
【0139】
(4)請求項1、請求項2、および(1)から(3)のいずれかに記載のデジタルカメラであって、ライブビュー表示を行う表示手段と、前記ボイスレコードモードにおいては、前記表示手段によるライブビュー表示を禁止する禁止手段と、をさらに備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【0140】
(4)の発明によれば、ボイスレコードモードではライブビュー表示をしないため、録音される音声の品質の劣化等を防止することができる。
【0141】
(5)請求項5に記載のデジタルカメラであって、前記記録制御手段が、前記録音の中断前に作成された音声データと、前記中断時音声データとを合成して作成される1つの音声ファイルを前記記録媒体に記録するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0142】
(5)の発明によれば、録音の中断前に作成された音声データに対して、一時的に記憶された録音中断時の音声データを追加して1つの音声ファイルとして記録媒体に記録するため、音声データの欠落を最小限に留めることができる。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、撮影処理の開始に応答して録音を中断し、撮影処理の終了に応答して録音を再開するため、シャッターチャンスを逃さず、使い勝手の良いデジタルカメラを提供することができる。
【0144】
また、請求項2に記載の発明によれば、操作者による撮影操作の中断に基づいて即座に録音を再開することができる。
【0145】
また、請求項3に記載の発明によれば、ボイスレコードモードではアフタービュー表示をしないため、撮影処理終了後に速やかに録音を再開することができる。
【0146】
また、請求項4の発明によれば、撮影処理の開始に応じた録音中断時において一時的に記憶されている音声データを消去せずに保持しておくため、音声データの欠落を最小限に留めることができる。その一方で、録音中断時に音声データの記録処理を中断するため、シャッターチャンスを逃すことも防止することができ、使い勝手の良いデジタルカメラを提供することができる。
【0147】
また、請求項5の発明によれば、撮影処理の終了後に、録音中断時において一時的に保持されていた音声データを記録媒体に記録するため、音声データの欠落を最小限に留めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの外観構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの外観構成を示す図である。
【図3】デジタルカメラの内部機能を示すブロック図である。
【図4】メモリカード内のフォルダ構成を概念的に示す図である。
【図5】撮影画像ファイルの構成を概念的に示す図である。
【図6】音声ファイルの構成を概念的に示す図である。
【図7】デジタルカメラにおける状態遷移図である。
【図8】録音中の割り込み撮影を説明するための概念図である。
【図9】ボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。
【図10】ボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。
【図11】ボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
5 LCD(表示手段)
9 レリーズボタン(検出手段)
20 CCD(撮像手段)
50 全体制御部(録音制御手段、記録制御手段、禁止手段)
54 バッファメモリ(一時記憶手段)
90 メモリカード(記録媒体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイスレコードモードを有するデジタルカメラの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラの多機能化により、モードを切替えて、ボイスレコードとして使用可能なデジタルカメラが登場してきた(例えば、特許文献1)。このようなボイスレコードモードを持つデジタルカメラでは、ボイスレコードモードでの録音中に撮影を行うためには、一旦、モードを切替えた後に、レリーズボタンを押下する撮影操作を行う必要があり、操作が非常に煩雑であるとともに、シャッターチャンスを逸するという問題があった。
【0003】
そのような問題に対して、録音中にレリーズボタンが押下されると録音を中断してそれまでの音声を録音し、次の画像記録動作に移行するスチルビデオカメラが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
このような技術に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−223403号公報
【特許文献2】
特開平10−98670号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したスチルビデオカメラにおいては、撮影のために単に録音を中断するだけで、その後の録音等に関しては全く考えられておらず、使い勝手が悪かった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、シャッターチャンスを逃さず使い勝手の良いデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、ボイスレコードモードを有するデジタルカメラであって、被写体に係る撮影画像データを取得する撮像手段と、前記ボイスレコードモードにおける録音中に、撮影処理の開始に応答して前記録音を中断し、前記撮影処理の終了に応答して中断された録音を再開するように制御する録音制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラであって、前記録音制御手段が、操作者による撮影操作の中断に基づいて前記撮影処理が終了したものと判断し、録音の再開を行うように制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のデジタルカメラであって、アフタービュー表示を行う表示手段と、前記ボイスレコードモードにおいては、前記表示手段によるアフタービュー表示を禁止する禁止手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、ボイスレコードモードを有するデジタルカメラであって、前記ボイスレコードモードにおける録音中に、音声データを一時的に記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された音声データを転送して所定の記録媒体に逐次記録するように制御する記録制御手段と、前記録音中に、前記撮影処理の開始に応答して前記録音を中断するように制御する録音制御手段と、を備え、前記一時記憶手段が、前記録音の中断時において当該一時記憶手段に一時的に記憶されている音声データを、消去することなく中断時音声データとして保持することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載のデジタルカメラであって、前記記録制御手段が、前記撮影処理の終了後に、前記中断時音声データを記録するように制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<(1)撮像装置の機能構成>
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の外観構成を示す図である。図1は正面側からみた概略斜視図であり、図2は背面側からみた概略斜視図である。図1及び図2に示すように、デジタルカメラ1は、薄型の略直方体形状を有している。
【0015】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、その正面側に撮影レンズ2と光学ファインダー4とフラッシュ6とを備えており、その上面側に電源スイッチ3とシャッタボタン(レリーズボタン)9とマイク12とを備えている。また、図2に示すように、デジタルカメラ1は、その背面側に液晶表示部(以下、「LCD」という。)5とボタン群7,8とクイックレビューボタン(以下、「QVボタン」とも称する)11とスピーカ13とを備えている。ボタン群7は十字カーソルボタン(ないしカーソルキー)7a〜7dを有しており、ボタン群8は実行ボタン8aとメニューボタン8bとフラッシュモードボタン8cと液晶モニターボタン8dとを有している。さらに、図1及び図2に示すように、デジタルカメラ1は、その側方の面に蓋14とDC入力端子15とUSB端子16とAV出力端子17とを備えている。
【0016】
後述するように、デジタルカメラ1は、撮影レンズ2からの被写体像をCCD(撮像素子)20(図3)によって光電変換すること等によって、被写体に関する画像データを取得する。
【0017】
また、電源スイッチ3は、電源のオン操作及びオフ操作を受け付けるために用いられる。具体的には、電源スイッチ3を押下する毎にオン状態への移行とオフ状態への移行とが交互に繰り返される。
【0018】
レリーズボタン9はユーザ(操作者)による半押し状態(以下、「状態S1」とも称する)と全押し状態(以下、「状態S2」とも称する)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチとなっており、半押し状態のときに自動合焦制御(AF)、自動露光制御(AE)、及び自動ホワイトバランス制御(AWB)等、本撮影を行うための準備(以下、「撮影処理」と称する)を開始する。つまり、レリーズボタン9は、操作者の押下操作に基づいて撮影準備を行う状態S1(以下、「撮影準備状態」とも称する)を検出する。また、全押し状態のときに記録用画像(撮影画像)を撮影するための本撮影動作を開始する。
【0019】
本撮影は、主に露光開始から後述するバッファメモリ54(図3)への撮影画像データの格納までの処理(以下、「画像取得処理」と称する)と、バッファメモリ54に格納された撮影画像データに対する画像処理(以下、「撮影画像処理」と称する)と、バッファメモリ54に格納された撮影画像データを後述するメモリカード90へ記録するまでの処理(以下、「画像記録処理」と称する)とに大別される。なお、以下では、レリーズボタン9の押下操作に基づいた撮影準備と画像取得処理とを含む一連の処理を撮影画像データを取得する処理として「撮影処理」と称する。つまり、ここでは、操作者によるレリーズボタン9の押下操作(以下、「撮影操作」とも称する)によって、主に撮影処理と撮影画像処理と画像記録処理とを含む撮影動作が行われる。
【0020】
LCD5は、本撮影前のプレビュー表示(「ライブビュー表示」とも称する)、本撮影直後に撮影画像を確認するためのクイックビュー表示(「アフタービュー表示」とも称する)、及び記録画像の再生表示等を行う。このLCD5は、所定数(ここでは320×240)の表示画素を有しており、カラー画像を表示することができる。
【0021】
操作者は、LCD5におけるライブビュー表示によって画像における被写体の位置及び大きさ等を知覚し、フレーミング動作を行うことができる。なお、LCD5を用いることなく光学ファインダー4のみを用いてフレーミング動作を行うことも可能である。
【0022】
また、QVボタン11は、撮影モードと再生モードと切り替える機能を有している。具体的には、後述するように、原則としてQVボタン11が押下される毎に、これら2つのモードが順次に且つ循環的に(サイクリックに)選択される。
【0023】
メニューボタン8bは、LCD5へのメニューの表示及び非表示を切り替える機能を有している。具体的には、メニューボタン8bが押下される毎に、メニュー画面と非メニュー画面とが交互にLCD5に表示される。また、LCD5に表示されたメニュー画面における表示カーソルは、十字カーソルボタン7a〜7dを用いて4方向に移動させることができる。さらに、所望の選択肢が選択された状態で実行ボタン8aを押下することによって、その選択肢に対応する設定動作等が実行される。このような操作によって、各種撮影パラメータの設定等を行うことが可能である。
【0024】
フラッシュモードボタン8cは、フラッシュ6のモードを決定するためのボタンである。フラッシュモードボタン8cが押下される毎に、自動発光、強制発光、発光禁止の順序でフラッシュモードが切り替わる。
【0025】
液晶モニターボタン8dは、液晶モニターの表示・非表示を切り替えるためのボタンである。液晶モニターボタン8dが押下される毎に、LCD5に画像等が表示された状態(表示状態)と表示されない状態(非表示状態)とが交互に切り替わる。非表示状態にしておけば消費電力を低減できる。
【0026】
また、マイク12は、動画撮影、ボイスメモ、ボイスレコーディング、アフターレコーディング(アフレコ)時において、記録用の音声データ(「記録音声」とも称する)を取得する(録音する)ために用いられる。
【0027】
スピーカ13は、音声を出力する機能を有しており、音声データあるいは音声付き画像データ(静止画、動画)を再生するとき等に用いられる。
【0028】
さらに、蓋14は、電池室及びメモリカード装着部を覆う部分に設けられている。つまり、蓋14の内部側には、電源電池BTを収容する電池室と着脱自在な記録媒体であるメモリカード90を装着するメモリカード装着部とが設けられている。電源電池BT及びメモリカード90は、それぞれ、電池室及びメモリカード装着部に対して着脱自在に装着される。本撮影によって得られる画像データ(撮影画像データ)及びボイスレコーディング時に得られる音声データ等は、この挿入装着部にセットされるメモリカード90に記録される。つまり、記録媒体としてのメモリカード90は、バッファメモリ54に一時的に記憶された撮影画像データを記録する一方で、録音中にバッファメモリ54に一時的に記憶された音声データの転送を受けてそれを逐次記録する。また、デジタルカメラ1は、電源電池BTからの電力供給を受けることもできるし、DC入力端子15を用いてACアダプタ(不図示)等からの電力供給を受けることもできる。
【0029】
USB端子16は、パーソナルコンピュータ(「パソコン」とも略称する)等とのデータ通信を行うための端子である。USB端子16にUSB規格のケーブル等を接続することによって外部機器(パソコン等)とのデータ通信を行うことができる。
【0030】
AV出力端子17は、テレビ等の外部映像音響機器(AV機器)に接続するための端子である。所定のAVコードをこのAV出力端子17と外部映像音響機器側の入力端子とを接続することによって、その外部映像音響機器に画像及び/又は音声を出力することができる。
【0031】
次に、図3を参照しつつ、デジタルカメラ1の内部構成について説明する。図3は、デジタルカメラ1の内部機能を示すブロック図である。
【0032】
CCD(撮像素子)20は被写体像を撮影して電子的な画像信号(画像データ)、即ち、被写体に係る画像データ(撮影画像データ等)を生成・取得する手段として機能するものであり、例えば1600×1200個の画素を有し、撮影レンズ2によって結像された被写体の光像を、画素毎にR(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。
【0033】
CCD20から得られる画像信号はアナログ信号処理回路21に与えられ、アナログ信号処理回路21において画像信号(アナログ信号)に対して所定のアナログ信号処理が施される。アナログ信号処理回路21は相関二重サンプリング回路(CDS)とオートゲインコントロール回路(AGC)とを有しており、相関二重サンプリング回路により画像信号のノイズ低減処理を行い、オートゲインコントロール回路でゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行う。
【0034】
A/D変換器22は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。変換後のデジタル信号(画像データ)は一時的にRAM50a内のバッファメモリ54に格納される。つまり、CCD20が露光されることにより得られる画像信号がアナログ信号処理回路21及びA/D変換器22を介してデジタル画像データとしてバッファメモリ54に格納される。そして、バッファメモリ54に保持された画像データに対して、後述する画像処理部51による、WB(ホワイトバランス)処理、γ補正処理、及び色補正処理等が施された後、圧縮/伸張部52による圧縮処理等が施される。
【0035】
また、マイク12から得られる音声信号(音声データ)は、音声処理部53に入力される。音声処理部53に入力された音声信号は音声処理部53内に設けられたA/D変換器(不図示)によりデジタル信号(デジタルデータ)に変換され、一時的にバッファメモリ54に格納される。
【0036】
操作部30は、上述した電源スイッチ3、ボタン群7,8、レリーズボタン9、QVボタン11等を含む操作部であり、操作者がデジタルカメラ1の設定状態を変更操作する際や撮影操作を行う際等に用いられる。
【0037】
電源40は、デジタルカメラ1に対する電力供給源である。デジタルカメラ1は、リチウムイオン電池等の二次電池を電源電池BTとして用いて駆動される。
【0038】
全体制御部50は、内部にRAM50a及びROM50bを備えたマイクロコンピュータによって構成され、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上記各部を統括的に制御する手段として機能する。全体制御部50は、たとえば、ライブビュー表示処理、及びメモリカードへの記録処理等をも制御する。なお、RAM50aは、高速アクセス可能な半導体メモリ(たとえばDRAM)であり、ROM50bは電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性の半導体メモリ(たとえばフラッシュROM)として構成される。
【0039】
また、RAM50a内における一部の領域は、一時記憶用のバッファエリアとして機能する。ここでは、このバッファエリアをバッファメモリ54と称するものとする。バッファメモリ54は、撮影処理に基づいて取得されたデジタルデータ化された画像データ(撮影画像データ等)を一時的に記録する一方、録音中にデジタルデータ化された音声データを一時的に記憶する。
【0040】
全体制御部50は、画像処理部51、圧縮/伸張部52、音声処理部53を有している。これらの各処理部51,52,53は、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される機能部である。
【0041】
画像処理部51は、WB処理、γ補正処理等の各種のデジタル画像処理を施す処理部である。WB処理は、R,G,Bの各色成分のレベル変換を行い、カラーバランスを調整する処理であり、γ補正処理は、画素データの階調を補正する処理である。圧縮/伸張部52は、画像データの圧縮処理及び伸張処理を行う処理部である。圧縮方式としては、例えばJPEG方式等が採用される。音声処理部53は、音声データに対する各種のデジタル処理を施す処理部である。
【0042】
また、全体制御部50は、レリーズボタン9の押下操作に応じたAF,AE,及びAWBを含む撮影準備の各動作を制御する機能を有する。さらに、全体制御部50は、ボイスレコードモードにおける録音中にレリーズボタン9が押下されると、撮影処理を開始させるとともに録音を中断し、撮影処理の終了に応答して中断された録音を再開するように制御する。このように、録音中に撮影を割り込ませることを以下では「割り込み撮影」と称し、割り込み撮影については後程詳述する。
【0043】
また、カードインタフェース(カードI/F)60は、デジタルカメラ1側面の挿入装着部に対して装着されるメモリカード90への画像データの書込み及び読出しを行うためのインタフェースである。
【0044】
メモリカード90に対する画像データの読み書き時には、圧縮・伸張部46において例えばJPEG方式で画像データの圧縮処理又は伸張処理が行われ、カードインタフェース60を介して画像データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。また、音声データの読み書き時においてもカードインタフェース60を介して音声データがバッファメモリ54とメモリカード90との間で送受信される。
【0045】
さらに、デジタルカメラ1は、このカードインタフェース60を用いて、画像及び音声等のデータを送受信するだけでなく、デジタルカメラ1で動作するプログラムを取り込むことも可能である。たとえば、メモリカード90に記録される制御プログラムを、全体制御部50のRAM50a又はROM50b内に取り込むことができる。これにより、制御プログラムを更新すること等が可能である。
【0046】
また、USB端子16等を介した外部機器(外部コンピュータ等)との通信によっても、画像あるいは音声等の各種のデータ、及び制御プログラム等を送受信することが可能である。たとえば、外部コンピュータの読取装置(光学ドライブ装置等)にセットされた記録媒体(CD−R/RW、CD−ROM等)に記録された各種のデータ及びプログラム等を、USB端子16を介して取得することが可能である。
【0047】
<(2)撮影画像及び記録音声>
つぎに、撮影画像及び記録音声について説明する。
【0048】
図4はメモリカード90内のフォルダ構成を概念的に示す図である。図4に示すように、撮影画像および記録音声のファイルは、DCF(Design rule for Camera File system)の形式にしたがって作成されて記録される。ここでは、各撮影画像ファイル及び音声ファイルは、フォルダ「100MLT09」の中に格納される。フォルダ「100MLT09」は、フォルダ「DCIM」の下に作成されるフォルダであり、フォルダ「DCIM」は、ルートフォルダの下に作成されるフォルダである。以下、このフォルダ「100MLT09」を「記録フォルダ」とも称する。
【0049】
各撮影画像ファイルの名称は、「Pict0102.jpg」等のように、先頭の8文字(Pict0102)とそれに続くピリオド(.)と3文字の拡張子(jpg)とで構成されている。また、各音声ファイルの名称も、同様に、「Pict0101.wav」等のように、先頭の8文字(Pict0101)とそれに続くピリオド(.)と3文字の拡張子(wav)とで構成されている。そして、これらファイルの名称の先頭の8文字のうち、後半の4つの数字は撮影画像(撮影画像ファイル)及び記録音声(音声ファイル)の作成順に連続的に付与されるシリアル番号である。
【0050】
したがって、例えば、デジタルカメラ1による録音と撮影を交互に繰り返すと、メモリカード90内には、「Pict0001.wav」,「Pict0002jpg」,「Pict0003.wav」,「Pict0004.jpg」,「Pict0005.wav」,「Pict0006jpg」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。また、撮影のみを繰り返すと、メモリカード90内には、「Pict0001.jpg」,「Pict0002jpg」,「Pict0003.jpg」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。さらに、録音のみを繰り返すと、メモリカード90内には、「Pict0001.wav」,「Pict0002wav」,「Pict0003.wav」,...という名称のファイルがこの順序で作成されて格納される。
【0051】
図5は撮影画像ファイルの構成を概念的に示す図であり、図6は音声ファイルの構成を概念的に示す図である。
【0052】
図5に示すように、各撮影画像ファイルは、所定形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。具体的には、各撮影画像のファイルは、タグ情報TGと、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像データ(ここでは、1600×1200画素の画像信号)DPと、サムネイル表示用の画像データ(ここでは、80×60画素の画像信号)DMとを有する。このうち、タグ情報TGには、「ファイル名」、「撮影日時」、「撮影に使用されたカメラのシリアルナンバー」、及び「関連する音声ファイル」等の情報が含まれる。
【0053】
また、図6に示すように、各音声ファイルも、所定形式(ここではExif形式)のファイルとして作成される。具体的には、各記録音声のファイルは、タグ情報TGと、デジタル処理された音声データDSとを有する。このうち、タグ情報TGには、「ファイル名」、「録音開始日時」、「録音に使用されたカメラのシリアルナンバー」、及び「関連する画像ファイル」等の情報が含まれる。
【0054】
また、図5及び図6に示すように、各ファイルには、その属性ATが定められている。具体的には、「読み取り専用属性(R)」、「アーカイブ属性(A)」、「システムファイル属性(S)」、及び「隠しファイル属性(H)」の4つの属性のいずれかが各ファイルに対して決定される。撮影画像及び記録音声に対しては、通常、「アーカイブ属性(A)」及び「読み取り専用属性(R)」のいずれかが付与される。「アーカイブ属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作及び書込動作の両方が許可されるが、「読み取り専用属性」が与えられたファイルに対しては、読出動作のみが許可され、書込動作が禁止される。
【0055】
なお、このデジタルカメラ1では静止画像の撮影だけでなく、動画の撮影等を行うことも可能である。
【0056】
<(3)デジタルカメラにおける状態遷移の概略>
図7はデジタルカメラ1における状態遷移図であり、LCD5における表示状態を中心に示す図である。図7の角丸四角の中には、LCD5における表示画面が示されている。ここでは、まず、図7を参照しながらデジタルカメラ1における状態遷移の概要について説明する。
【0057】
まず、電源スイッチ3の押下に応じて電源がオン状態にされると、デジタルカメラ1は状態ST10に移行する。状態ST10においては、デジタルカメラ1は「撮影モード」に設定され、撮影のためのプレビュー表示であるライブビュー表示がLCD5で行われる。「撮影モード」は画像(動画、静止画)又は音声を、撮影又は録音するモードである。
【0058】
また、デジタルカメラ1は、上述したように、「撮影モード」の他に、「再生モード」を有している。「再生モード」は撮影画像(及び記録音声等)のファイルを再生するモードである。
【0059】
これらのモードの切替には、QVボタン11が用いられる。原則として、QVボタン11が押下される毎に、デジタルカメラ1は2つのモードに対して順次に且つ循環的に(サイクリックに)移行する。ただし、例外的に、撮影画像ファイルおよび音声ファイルがメモリカード90内に存在しないときには「再生モード」には移行しない。
【0060】
以下では、このモード切替についてさらに詳細に説明する。
【0061】
状態ST10においてQVボタン11が一度押下されると、メモリカード90内に撮影画像ファイル又は音声ファイルが保存(格納)されているか否かが判定される(状態ST41)。
【0062】
状態ST41において、メモリカード90内に撮影画像/音声ファイルが1つでも記録されていると判定された場合には状態ST20に移行する。状態ST20は、デジタルカメラ1が「再生モード」に設定され、LCD5に再生画像等が表示されている状態である。状態ST20に移行すると、最初に、直近に撮影された画像又は直近に録音された音声に対応する音声アイコン等がLCD5に表示される。また、左右方向のキー7c又は7dを押下する毎に、LCD5での表示対象ファイルが前方向あるいは後方向に順次に変更される。
【0063】
また、状態ST20においてQVボタン11がもう一度押下されたときには、状態ST10に戻る。
【0064】
一方、状態ST41において、メモリカード90内に撮影画像/音声ファイルが一つも記録されていないと判定された場合には状態ST43に移行し、「メモリカードに画像/音声データが保存されていません」という文字を表示して状態ST10に戻る。このとき、QVボタン11の押下に応じて、「メモリカードに画像/音声データが保存されていません」という文字がLCD5に一時的に表示されるので、操作者はモードを変更することができないことを認識できる。
【0065】
以上の動作によれば、撮影画像/音声ファイルがメモリカード90内に記録されているときには、QVボタン11が押下される毎に、これら2つのモード(「撮影モード」、「再生モード」)が循環的に(サイクリックに)選択される。
【0066】
つぎに、状態ST10,ST20からの更なる状態遷移について説明する。
【0067】
状態ST10においてメニューボタン8bを押下すると状態ST11へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST10に戻る。状態ST11は、撮影モード内のサブモード(「単写モード」、「連写モード」、「ボイスメモモード」、「ボイスレコードモード」、「動画モード」、「カメラのセットアップ」)への変更等を行うことが可能な状態であり、撮影種類等を設定するための「撮影メニュー」がLCD5に表示される。状態ST11においては、ライブビュー表示が背景画像として表示されたまま、撮影メニュー画面がオーバーレイ表示される。
【0068】
また、状態ST20においてメニューボタン8bを押下すると状態ST21へと移行し、再びメニューボタン8bを押下すると状態ST20に戻る。状態ST21は、再生モードでの各種の設定(「プロテクト」、「削除」、「スライドショー」、「プリント指定」、「画像編集」、「カメラのセットアップ」の設定)を行うことが可能な状態であり、各種の設定動作を行うためのメニュー画面である「再生メニュー」がLCD5に表示される。状態ST21においては、再生中の撮影画像や音声アイコン等が背景画像として表示されたまま、再生メニュー画面がオーバーレイ表示される。
【0069】
撮影メニューと再生メニューとを比較すると判るように、「カメラのセットアップ」の項目は、いずれのメニューにおいても存在している。したがって、「カメラのセットアップ」の項目は、いずれのモードからでも呼び出せる。
【0070】
また、各メニュー画面の各項目の左端には、3つの種類の記号(具体的には、白い菱形、黒い菱形、×印)のいずれかが表示される。×印は選択不可能な項目であることを意味し、菱形の記号は選択可能な項目であることを意味している。また、黒い菱形は現在選択されている項目を意味している。操作者が、上下方向のキー7a又は7bを用いて選択項目を変更し、所望の選択項目の記号が黒い菱形に変更された状態で、実行ボタン8aを押下すると、その選択項目に対する動作(具体的には、サブモードの設定や更なるサブメニュー画面の表示)が実行される。尚、×印の付与に代えて、選択項目の文字を淡く表示することにより選択不可能な項目であることを意味するようにしてもよい。
【0071】
例えば、状態ST11における撮影メニューにおいて、操作者が、上下方向ののキー7a,7b及び実行ボタン8aの押下操作によって「ボイスレコードモード」を選択した場合には、デジタルカメラ1がボイスレコードモードに設定される。このボイスレコードモードは、通常、音声のみを記録するモードであるが、録音中にも思わずシャッターチャンスを迎えることもあるため、デジタルカメラ1では、録音中において撮影を割り込ませる割り込み撮影が可能となっている。
【0072】
<(4)ボイスレコードモードにおける動作>
<(4−1)録音中の割り込み撮影の概要>
図8はボイスレコードモードにおける録音中の割り込み撮影を説明するためのタイムチャートで、上から順に実行ボタン8aの押下、録音、レリーズボタン9の押下、撮影、及びファイル処理を示すタイミングとなっている。
【0073】
図8に示すように、ボイスレコードモードに設定された状態で、実行ボタン8aが押下されると、録音を開始し(時刻t1)、メモリカード90内に音声ファイル(ここでは、音声ファイル名(Pict0101.wav))を作成する処理(音声ファイル作成処理)を行い、音声データのメモリカード90への記録処理(録音処理)を順次行いつつ音声ファイルの更新を行う。
【0074】
その後、録音中において、レリーズボタン9が半押しされて状態S1となると、バッファメモリ54にて撮影準備の迅速な動作に必要な空き容量を確保するために、録音を一旦中断して、撮影処理に包含されるAF等を含む撮影準備の動作を開始する(時刻t2)。この録音の中断時に、バッファメモリ54に一時的に記憶されている音声データは、消去されずに保持される。
【0075】
さらに、レリーズボタン9が全押しされて状態S2となると、本撮影を開始し(時刻t3)、撮影処理に包含される一連の動作(露光、CCD20からの画像信号(撮影画像データ)の読出し、バッファメモリ54への撮影画像データの一時記憶)と、撮影画像データに対する画像処理(撮影画像処理)とを行うとともに、その撮影画像データのメモリカード90への記録処理(画像記録処理)を行い、その結果、撮影画像データに対応する撮影画像ファイル(ここでは、撮影画像ファイル名(Pict0102.jpg))をメモリカード90内に記録する。
【0076】
そして、撮影画像処理や画像記録処理の途中までは、撮影画像データ等を保持するために、バッファメモリ54には録音に必要な空き容量が確保されないが、撮影処理後であって画像記録処理が終了する頃には、バッファメモリ54には録音に必要な空き容量が確保されるため、自動的に録音を再開し(時刻t4)、メモリカード90内に別の音声ファイル(ここでは、音声ファイル名(Pict0103.wav))を作成する処理を行い、音声データのメモリカード90への記録処理を順次行いつつ音声ファイルの更新を行う。図8では示していないが、録音の中断時においてバッファメモリ54に一時的に記憶されていた音声データを、録音を再開後に、録音の中断前に作成された音声ファイル(ここでは、音声ファイル名(Pict0101.wav))に追記して記録する。なお、この音声データの追記に関しては、後述するボイスレコードモードにおける動作フローにおいてさらに説明する。
【0077】
そして、再度、実行ボタン8aが押下されると、録音が終了し(時刻t5)、図5及び図6に示したように、各ファイルのタグ情報TGに「関連する画像ファイル」や「関連する音声ファイル」を示す情報(リンク情報)が書き込まれる。具体的には、ここでは、撮影画像ファイル(Pict0102.jpg)のタグ情報TGには、関連する音声ファイルとしてファイル名(Pict0101.wav,Pict0103.wav)が記述される。また、音声ファイル(Pict0101.wav,Pict0103.wav)のタグ情報TGには、それぞれ関連する撮影画像ファイルとしてファイル名(Pict0102.jpg)が記述される。
【0078】
<(4−2)ボイスレコードモードにおける動作フロー>
図9から図11はボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。本動作は、全体制御部50の制御によって実行される。
【0079】
まず、ボイスレコードモードに設定されると、ボイスレコードモードの動作フローが開始し、ステップS1に進む。
【0080】
ステップS1では、録音中フラグ(F)=0に設定し、録音の動作の初期化を行い、ステップS2に進む。なお、録音中Fは、録音を行っていないことを示す0、及び録音中であることを示す1に設定することができ、この録音中Fの設定状態は全体制御部50で管理制御される。
【0081】
ステップS2では、アフタービュー表示を行うように設定されているか否かを判別する。ここでは、アフタービュー表示を行うように設定されている場合はステップS3に進み、設定されていない場合はステップS4に進む。アフタービュー表示の有無の設定は全体制御部50において管理制御される。
【0082】
ステップS3では、アフタービュー表示を行わない設定に変更しステップS4に進む。つまり、全体制御部50が、ボイスレコードモードにおいては、LCD5によるアフタービュー表示の実施を禁止する。ここで、仮にボイスレコードモードにおいてアフタービュー表示を行うように設定されるとすれば、録音中に撮影が割り込んだ場合、アフタービュー表示中(例えば10秒間)には撮影画像データがバッファメモリ54に一時的に記憶されたままになるため、その間は、バッファメモリ54に録音を再開するための空き容量が生じないこととなる。そこで、ここでは、アフタービュー表示を行わないように設定する。その結果、撮影処理の終了後に速やかに録音を再開することができる。なお、ステップS3の処理には、カメラの設定で「アフタービュー表示を行う」が選択設定されていてもその設定を無視する場合や、一律にアフタービュー表示を行う仕様のカメラであってもボイスレコードモードに設定されたときだけはアフタービュー表示を禁止するようにする場合等がある。
【0083】
ステップS4では、ライブビュー表示をする状態(ライブビューオン状態)になっているか否かを判別する。ここでは、ライブビューオン状態になっている場合はステップS5に進み、なっていない場合はステップS6に進む。
【0084】
ステップS5では、ライブビュー表示をしない状態(ライブビューオフ状態)としてステップS6に進む。つまり、全体制御部50が、ボイスレコードモードにおいては、LCD5によるライブビュー表示の実施を禁止する。ここで、仮にボイスレコードモードにおいてライブビュー表示を行うように設定されるとすると、ライブビュー表示を行うにはバッファメモリ54に画像データを順次記憶していく必要性があり、バッファメモリ54において録音に必要な空き容量を十分確保することができなくなり、記録音声に音途切れ等の音質の劣化を生じることも考えられる。そこで、ここでは、ライブビュー表示を行わないように設定する。つまり、全体制御部50が、ボイスレコードモードにおいては、ライブビュー表示の実施を禁止する。その結果、録音される音声の品質の劣化等を防止することができる。
【0085】
ステップS6では、実行ボタン8aが押下(オン)されたか否かを判別する。ここでは、実行ボタン8aがオンされた場合はステップS7に進み、実行ボタン8aがオンされていない場合は図10のステップS21に進む。
【0086】
ステップS7では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されている場合はステップS8に進み、録音中F=1に設定されていない場合はステップS10に進む。
【0087】
ステップS8では、録音中F=0に設定しステップS9に進む。ここで、録音中F=0に設定するのは、もともと録音中F=1に設定された状態で実行ボタン8aが押下されているため、録音を終了するために実行ボタン8aが押下されたものと判断することができるからである。
【0088】
ステップS9では、録音を終了し図10のステップS21に進む。
【0089】
ステップS10では、録音中F=1に設定しステップS11に進む。ここで、録音中F=1に設定するのは、もともと録音中F=0に設定された状態で実行ボタン8aが押下されているため、録音を開始するために実行ボタン8aが押下されたものと判断することができるからである。
【0090】
ステップS11では、録音を開始するとともに、メモリカード90内に新規な音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0101.wav)に相当)を作成し、図10のステップS21に進む。
【0091】
ステップS21では、レリーズボタン9が半押しされた状態S1であるか否かを判別する。ここでは、状態S1であればステップS22に進み、状態S1でなければステップS30に進む。つまり、全体制御部50が、レリーズボタン9による状態S1(撮影準備状態)の検出に基づいて撮影処理が開始したものと判断するように制御する。なお、ここで、状態S1である場合には、レリーズボタン9が半押しされることにより状態S1となる場合と、レリーズボタン9が半押しされたまま状態S1が保持されている場合とがある。また、状態S1でない場合には、もともとレリーズボタン9が半押しされていない場合と、状態S1が解除された場合とがある。また、状態S1でない場合には、もともと状態S1でない状態が保持される場合と、もともと状態S1である状態から状態S1となる場合とがある。
【0092】
まず、ステップS21において状態S1であると判断された場合、即ち、撮影処理を行う場合(ステップS22に進む場合)について説明する。
【0093】
ステップS22では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されていればステップS23に進み、録音中F=1に設定されていなければステップS26に進む。
【0094】
ステップS23では、録音中F=0に設定しステップS24に進む。
【0095】
ステップS24では、録音を中断しステップS25に進む。ここでは、上述したように、バッファメモリ54において撮影準備の迅速な動作に必要な空き容量を確保するために、録音を一旦中断するのである。つまり、全体制御部50が、録音中に撮影処理の開始に応答して録音を中断するように制御する。なお、仮に、撮影準備を行う際に録音を中断しないとすれば、容量が大きく非常に高価なメモリをバッファメモリ54に適用しない限り、撮影準備と録音とを並行して迅速かつ確実に行うことが極めて困難となる。例えば、撮影準備と録音とを並行して行う場合は、AF等を含む撮影準備の動作に長時間を要し、操作者の意図よりも実際の撮影タイミングが遅れてしまう等の弊害を生じる。よって、ここでは、低コストで録音中に迅速な割り込み撮影が可能となるように、撮影準備の開始に対応させて録音を一旦中断するのである。なお、ここでは、録音を中断した旨を全体制御部50によって管理する。
【0096】
ステップS25では、録音を中断した際にバッファメモリ54に一時的に記憶されている音声データ(以下、「中断時音声データ」とも称する)を保持するように設定し、ステップS26に進む。つまり、ここでは、バッファメモリ54が、録音の中断時に一時的に記憶されている音声データを消去することなく中断時音声データとして保持する。
【0097】
ステップ26では、AF、AE、AWBを含む撮影準備が行われ、ステップS27に進む。
【0098】
ステップS27では、レリーズボタン9が押下されて状態S2になったか否かを判別する。ここでは、状態S2になっていればステップS28に進み、状態S2になっていなければステップS21に戻る。
【0099】
ステップS28では、CCD20における露光が行われステップS29に進む。ここでは、CCD20に結像された被写体の光像が各画素毎に光電変換されて電荷信号が蓄積される。
【0100】
ステップS29では、ステップS28においてCCD20に蓄積された電荷信号をCCD20から画像信号として読出して、アナログ信号処理回路21及びA/D変換器22を介して、デジタル信号化された画像信号をバッファメモリ54へ転送し、バッファメモリ54に一時的に記憶させ、図11のステップS41に進む。
【0101】
ステップS41では、ステップS29でバッファメモリ54に一時的に記憶された画像信号に対する画像処理(撮影画像処理)とメモリカード90への記録処理(画像記録処理)を開始し、ステップS42に進む。なお、ここでメモリカード90に記録される撮影画像ファイルは、例えば、図8の撮影画像ファイル(Pict0102.jpg)に相当する。
【0102】
ステップS42では、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量があるか否かを判別する。ここでは、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量があると判別される場合はステップS43に進み、所定の空き容量がないと判別される場合はステップS46に進む。ここで、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量が生じる状態とは、撮影処理等が終了した後に画像記録処理に移行することによって、バッファメモリ54からメモリカード90に撮影画像データが転送される等して、バッファメモリ54内の撮影画像データの容量が減少した状態を意味する。そして、ここでは、全体制御部50が、撮影処理によって取得される撮影画像データがバッファメモリ54に一時的に記憶された後に、バッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量ができた場合には、間接的に撮影処理が終了したものと判断するように制御する。他の観点から言えば、ここでは、全体制御部50が、撮影画像データがバッファメモリ54に記録された後に撮影処理が終了したか否かを判断するのである。
【0103】
ステップS43では、録音中の割り込み撮影によって、録音が中断されたか否かを判別する。ここでは、録音が中断されたと判別される場合にはステップS44に進み、中断されていないと判別される場合にはステップS46に進む。
【0104】
ステップS44では、録音中F=1に設定しステップS45に進む。
【0105】
ステップS45では、割り込み撮影によって中断された録音を再開するとともに、新規音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0103.wav)に相当)を作成しステップS46に進む。
【0106】
よって、ここでは、撮影処理によって得られる撮影画像データの取得後に、ステップS42で撮影処理が終了したか否かを判別し、バッファメモリ54に所定の空き容量ができた場合には、撮影処理が終了したものと判断する。そして、撮影処理の終了に応答して録音を再開する。その結果、特に撮影画像データを取得するまでの撮影処理等に支障を与えることなく速やかに録音を再開することができる。
【0107】
ステップS46では、撮影に伴う撮影画像処理及び画像記録処理が終了したか否かを判別する。ここでは、撮影画像処理及び画像記録処理が終了していないと判別される場合にはステップS47に進み、終了したと判別される場合にはステップS49に進む。
【0108】
ステップS47では、録音中F=1に設定されていればステップS48に進み、設定されていなければステップS41に戻る。
【0109】
ステップS48では、録音処理に伴う音声ファイルの更新を行いステップS41に戻る。つまり、撮影に伴う撮影画像処理及び画像記録処理が終了するまではステップS41からステップS48までの処理が繰り返される。
【0110】
そして、ここでは、ステップS41からステップS48までの処理を繰り返す間、ステップS42でバッファメモリ54において録音に要する所定の空き容量があると判別された後は、録音と撮影画像処理及び画像記録処理とが並行して行われる。
【0111】
ここでは、シャッターチャンスを逃さないという観点から、撮影処理に含まれる撮影準備の動作を迅速に行うために、撮影処理の間は録音を一旦中断する。しかし、撮影処理が終了し、撮影画像処理及び画像記録処理を残すのみとなった場合には、画像記録処理を迅速に済ませるよりも、中断された録音を再開する方を優先させるべきとの観点から、ここでは、画像記録処理等と録音とが並行して行われる。
【0112】
一方、撮影に伴う撮影画像処理及び画像記録処理が終了した場合には、バッファメモリ54に十分な空き容量が生じるため、バッファメモリ54に中断時音声データが記憶されている場合にも、その音声データを処理するための空き容量をも十分確保することができる。よって、そのような場合にはステップS46からステップS49に進むのである。
【0113】
ステップS49では、バッファメモリ54に中断時音声データが保持されているか否かを判別する。ここでは、中断時音声データが保持されていると判別される場合にはステップS50に進み、保持されていないと判別される場合は図9のステップS6に戻る。
【0114】
ステップS50では、バッファメモリ54に記憶された中断時音声データを録音中断前でかつ直近に作成された音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0101.wav)に相当)に追記し、バッファメモリ54に記憶されていた中断時音声データを削除(クリア)して、図9のステップS6に戻る。つまり、撮影処理の終了後において、メモリカード90に、録音中断前に作成された音声データと中断時音声データとをつなぎ合わせて(合成して)作成される1つの音声ファイル(例えば、図8の音声ファイル(Pict0101.wav)に相当)が記録される。
【0115】
次に、図10のステップS21において状態S1でないと判断された場合、即ち、撮影処理を行わない場合(ステップS30に進む場合)について説明する。
【0116】
ステップS30では、操作者によるQVボタン11の押下等により再生モード等の他のモードへ遷移したか否かを判別する。ここでは、他のモードへ遷移したと判別される場合はステップS31に進み、遷移していないと判別される場合はステップS34に進む。
【0117】
ステップS31では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されている場合はステップS32に進み、設定されていない場合はボイスレコードモードを終了するとともに、他のモードへ遷移する。
【0118】
ステップS32では、録音中F=0に設定しステップS33に進む。
【0119】
ステップS33では、録音を終了し、ボイスレコードモードを終了するとともに、他のモードへ遷移する。
【0120】
ステップS34では、録音が割り込み撮影によって中断されたか否かを判別する。ここでは、録音が中断されたと判別される場合はステップS35に進み、中断されていないと判別される場合はステップS39に進む。なお、ここで、録音が中断されたと判別される場合とは、一旦状態S1となってステップS24で録音が中断されたものの、その後、状態S1が解除された場合に相当する。つまり、ここでは、全体制御部50が、レリーズボタン9の押下操作(撮影操作)の中断や中止に基づいて、撮影処理が終了したものと判断するように制御する。
【0121】
ステップS35では、状態S1が解除された(オフ)後に一定時間(例えば、0.3秒)経過したか否かを判別する。ここでは、状態S1の解除から一定時間が経過していなければステップS36に進み、経過していればステップS37に進む。
【0122】
ステップS36では、ステップS21と同様に状態S1であるか否かを判別する。ここでは、状態S1であればステップS22に進み、状態S1でなければステップS35に戻る。つまり、ここでは、ステップS21で一旦状態S1が解除されたと判別されてから一定時間が経過するまで、再び状態S1とならない限り(ステップS36でY)、ステップS35とステップS36の判別が繰り返され、状態S1の解除(ステップS21で一旦状態S1が解除されたと判別された時点)から一定時間経過すればステップS37に進む。よって、ここでは、全体制御部50が、状態S1(撮影準備状態)の解除後所定時間(例えば、0.3秒)の経過に基づいて撮影操作が中断又は中止されたものと判断するように制御する。
【0123】
ステップS37では、録音中F=1に設定しステップS38に進む。
【0124】
ステップS38では、録音を再開するとともに、ステップS39に進む。
【0125】
したがって、ここでは、操作者による撮影操作の中断/中止に基づいて撮影処理が終了したものと判断するため、撮影操作の中断/中止に基づいて即座に録音を再開することができる。また、その一方で、撮影準備状態(状態S1)の解除後、直ちにではなく、例えば、0.3秒といった若干の所定時間が経過した後に録音を再開する。つまり、撮影準備の再開のための若干の猶予期間を設けて操作者が確実に撮影(ここでは、撮影準備)を中止した場合のみ録音を再開する。その結果、操作者が撮影を中止しかけたが、実際には中止しなかった場合等において、録音の再開と中断に伴うタイムラグを防止できるため、シャッターチャンスを逃すことがなくなり、カメラの使い勝手を良くすることができる。
【0126】
ステップS39では、録音中F=1に設定されているか否かを判別する。ここでは、録音中F=1に設定されている場合はステップS40に進み、録音中F=1に設定されていない場合は図9のステップS6に戻る。
【0127】
ステップS40では、録音処理に伴う音声ファイルの更新を行い、図9のステップS6に戻る。
【0128】
以上、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1では、ボイスレコードモードにおいて、全体制御部50の制御下で、撮影処理の開始に応答して録音を中断し、撮影処理の終了に応答して録音を再開する。その結果、シャッターチャンスを逃さず、撮影後の録音再開のし忘れの防止等が可能な使い勝手の良いデジタルカメラを提供することができる。
【0129】
また、撮影処理の開始に応答した録音中断時においてバッファメモリ54に一時的に記憶されている中断時音声データを消去せずに保持する。そして、撮影処理の終了後に、その中断時音声データをメモリカード90に記録する。その結果、録音中における割り込み撮影による音声データの欠落を最小限に留めることができる。さらに、中断時音声データをメモリカード90に記録する際には、録音中断前の直近に作成された音声データに対して追加(合成)して1つの音声ファイルとして記録する。その結果、1つの音声ファイルとして、音声データの欠落を最小限に留めることができる。
【0130】
<(5)変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0131】
◎例えば、上述した実施形態はデジタルカメラを対象とするものであったが、本発明を適用可能な対象としてはこれに限られるものではなく、例えば、適用対象がカメラ付きの携帯電話等であっても良い。なお、カメラ付きの携帯電話等も広い意味ではデジタルカメラとみることができる。
【0132】
◎上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0133】
(1)請求項2に記載のデジタルカメラであって、操作者による操作に基づいて撮影準備状態を検出する検出手段、をさらに備え、前記録音制御手段が、前記検出手段による撮影準備状態の検出に基づいて前記撮影処理が開始されたものと判断し、前記撮影準備状態の解除後所定時間の経過に基づいて前記撮影操作が中断されたものと判断するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0134】
(1)の発明によれば、撮影準備状態の解除後、直ちにではなく、所定時間経過後に録音を再開することにより、確実に撮影を中止した場合にのみ録音を再開するため、シャッターチャンスを逃すことがなくなり、使い勝手を良くすることができる。
【0135】
(2)請求項1に記載のデジタルカメラであって、前記撮影処理に基づいて、デジタルデータ化された前記撮影画像データを一時的に記憶する一時記憶手段と、前記一時記憶手段に記憶された前記撮影画像データを転送して所定の記録媒体に記録するように制御する記録制御手段と、を備え、前記録音制御手段が、前記撮影画像データが前記一時記憶手段に記憶された後に、前記撮影処理が終了したか否かを判断するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0136】
(2)の発明によれば、撮影処理によって得られる撮影画像データの取得後に、撮影処理が終了したか否かを判断するため、撮影に支障を与えることなく速やかに録音を再開することができる。
【0137】
(3)(2)に記載のデジタルカメラであって、前記録音制御手段が、前記一時記憶手段に所定の空き容量ができた場合に前記撮影処理が終了したものと判断するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0138】
(3)の発明によれば、メモリに所定の空き容量ができた場合には、撮影処理が終了したものと判断するため、撮影に支障を与えることなく速やかに録音を再開することができる。
【0139】
(4)請求項1、請求項2、および(1)から(3)のいずれかに記載のデジタルカメラであって、ライブビュー表示を行う表示手段と、前記ボイスレコードモードにおいては、前記表示手段によるライブビュー表示を禁止する禁止手段と、をさらに備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【0140】
(4)の発明によれば、ボイスレコードモードではライブビュー表示をしないため、録音される音声の品質の劣化等を防止することができる。
【0141】
(5)請求項5に記載のデジタルカメラであって、前記記録制御手段が、前記録音の中断前に作成された音声データと、前記中断時音声データとを合成して作成される1つの音声ファイルを前記記録媒体に記録するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
【0142】
(5)の発明によれば、録音の中断前に作成された音声データに対して、一時的に記憶された録音中断時の音声データを追加して1つの音声ファイルとして記録媒体に記録するため、音声データの欠落を最小限に留めることができる。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、撮影処理の開始に応答して録音を中断し、撮影処理の終了に応答して録音を再開するため、シャッターチャンスを逃さず、使い勝手の良いデジタルカメラを提供することができる。
【0144】
また、請求項2に記載の発明によれば、操作者による撮影操作の中断に基づいて即座に録音を再開することができる。
【0145】
また、請求項3に記載の発明によれば、ボイスレコードモードではアフタービュー表示をしないため、撮影処理終了後に速やかに録音を再開することができる。
【0146】
また、請求項4の発明によれば、撮影処理の開始に応じた録音中断時において一時的に記憶されている音声データを消去せずに保持しておくため、音声データの欠落を最小限に留めることができる。その一方で、録音中断時に音声データの記録処理を中断するため、シャッターチャンスを逃すことも防止することができ、使い勝手の良いデジタルカメラを提供することができる。
【0147】
また、請求項5の発明によれば、撮影処理の終了後に、録音中断時において一時的に保持されていた音声データを記録媒体に記録するため、音声データの欠落を最小限に留めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの外観構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの外観構成を示す図である。
【図3】デジタルカメラの内部機能を示すブロック図である。
【図4】メモリカード内のフォルダ構成を概念的に示す図である。
【図5】撮影画像ファイルの構成を概念的に示す図である。
【図6】音声ファイルの構成を概念的に示す図である。
【図7】デジタルカメラにおける状態遷移図である。
【図8】録音中の割り込み撮影を説明するための概念図である。
【図9】ボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。
【図10】ボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。
【図11】ボイスレコードモードにおける動作フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
5 LCD(表示手段)
9 レリーズボタン(検出手段)
20 CCD(撮像手段)
50 全体制御部(録音制御手段、記録制御手段、禁止手段)
54 バッファメモリ(一時記憶手段)
90 メモリカード(記録媒体)
Claims (5)
- ボイスレコードモードを有するデジタルカメラであって、
被写体に係る撮影画像データを取得する撮像手段と、
前記ボイスレコードモードにおける録音中に、撮影処理の開始に応答して前記録音を中断し、前記撮影処理の終了に応答して中断された録音を再開するように制御する録音制御手段と、
を備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラであって、
前記録音制御手段が、
操作者による撮影操作の中断に基づいて前記撮影処理が終了したものと判断し、録音の再開を行うように制御することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1又は請求項2に記載のデジタルカメラであって、
アフタービュー表示を行う表示手段と、
前記ボイスレコードモードにおいては、前記表示手段によるアフタービュー表示を禁止する禁止手段と、
をさらに備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - ボイスレコードモードを有するデジタルカメラであって、
前記ボイスレコードモードにおける録音中に、音声データを一時的に記憶する一時記憶手段と、
前記一時記憶手段に記憶された音声データを転送して所定の記録媒体に逐次記録するように制御する記録制御手段と、
前記録音中に、前記撮影処理の開始に応答して前記録音を中断するように制御する録音制御手段と、
を備え、
前記一時記憶手段が、
前記録音の中断時において当該一時記憶手段に一時的に記憶されている音声データを、消去することなく中断時音声データとして保持することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項4に記載のデジタルカメラであって、
前記記録制御手段が、
前記撮影処理の終了後に、前記中断時音声データを前記記録媒体に記録するように制御することを特徴とするデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003065450A JP2004274607A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | デジタルカメラ |
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JP2003065450A JP2004274607A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | デジタルカメラ |
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JP2003065450A Pending JP2004274607A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | デジタルカメラ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102146946B1 (ko) * | 2020-04-17 | 2020-08-21 | 이준규 | 구조화된 녹음 파일의 제공 방법, 장치 및 컴퓨터-판독가능 기록 매체 |
KR102216524B1 (ko) * | 2020-04-17 | 2021-02-16 | 이준규 | 데이터 구조화를 통한 녹음 파일 제공 방법, 장치 및 컴퓨터-판독가능 기록 매체 |
-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003065450A patent/JP2004274607A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102216524B1 (ko) * | 2020-04-17 | 2021-02-16 | 이준규 | 데이터 구조화를 통한 녹음 파일 제공 방법, 장치 및 컴퓨터-판독가능 기록 매체 |
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