JP2004273582A - Rare earth permanent magnet assuring excellent adhesive property - Google Patents

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JP2004273582A
JP2004273582A JP2003059344A JP2003059344A JP2004273582A JP 2004273582 A JP2004273582 A JP 2004273582A JP 2003059344 A JP2003059344 A JP 2003059344A JP 2003059344 A JP2003059344 A JP 2003059344A JP 2004273582 A JP2004273582 A JP 2004273582A
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phosphate
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rare earth
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Yoichi Yoshimura
洋一 吉村
Ryota Uchiyama
良太 内山
Takashi Furuhashi
敬司 古橋
Tomomi Yamamoto
智実 山本
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Original Assignee
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a R-TM-B system permanent magnet which suppress changes in color and oxidation of a Cu layer at the surface of magnet while Cu maintains higher reaction property for an anaerobic adhesive agent as the intrinsic property thereof. <P>SOLUTION: The R-TM-B system permanent magnet comprises R (formed of at least one or more kinds of rare earth elements including Y), TM (a transitional element mainly formed of Fe), a sintered magnet body mainly formed of boron (B), and a Cu layer formed over the surface of this sintered magnet body. The outermost surface of the Cu layer is formed through the phosphoric acid salt process. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モーターなどの回転機器、アクチュエータおよびクランパー等に使用されるR−TM−B系永久磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平6−318512号公報
【0003】
Nd−Fe−B系磁石は、磁気特性が高いことや、主要材料であるFeが豊富で安価であり、しかもNdがSmと比べて資源的に有利で安価であることから、Sm−Co系磁石に代わって希土類磁石の主流となっている。
【0004】
しかしながら、Nd−Fe−B系磁石は、一般鉄鋼材質やSm−Co系磁石と比較して非常に腐食し易いという欠点を有しているため、従来よりさまざまな表面処理の提案がなされてきた。
【0005】
Nd−Fe−B系磁石の防錆処理としては、例えば、安価で耐食性に優れるNiメッキが広く採用されており、このような防錆処理がなされた磁石は、通常、接着剤等で他の部材に固定して使用される。使用される接着剤としては、エポキシ系、嫌気性アクリル系接着剤が多く、特に嫌気性アクリル系接着剤は作業性が良いことから好んで選定されることが多い。
【0006】
ところが、嫌気性アクリル系接着剤は、被着体がNiである場合、反応性が乏しいという欠点がある。そのため、Niを代表とする反応不活性な被着体を接着する場合、一般に、接着面にプライマー(活性剤)処理が施される。しかしながら、このようなプライマー(活性剤)処理は作業性を著しく低下させ、本来の嫌気性アクリル系接着剤の作業性の良さという長所を生かせず、接着工程における作業コストをアップさせる要因となっていた。また、プライマー処理を省いた場合、接着剤を必要な強度が得られるレベルまで反応させるために高い温度および時間を必要とする。このため、加熱による作業性低下、リードタイム長時間化、エネルギーロス、また、着磁した磁石を接着すると熱減磁による特性劣化を引き起こすことがあった。
【0007】
また、嫌気性接着剤に活性な金属として、Fe,Cuが例示できるが、これらはいずれも腐食および変色しやすい金属であるため磁石の防錆被膜として実際に最表面に使用されることはなかった。特にCuに関しては、Niメッキの下地としてしか用いられることがなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、上記の課題を解決し、Cuが本来持つ嫌気性接着剤に対する高い反応性を維持しつつ、磁石表面のCu層の変色・酸化を抑制したR−TM−B系永久磁石を提供することにある。さらには、接着剤の硬化時における加熱温度の低下または加熱を不要とすることで、工程内のリードタイムの短縮、環境負荷の低減を促進する磁石を提供する事である。また、着磁した磁石を接着する過程で生じる熱減磁を抑制することで、高特性磁石の使用範囲を広げることを可能とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明は、R(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種類以上からなる)、TM(Feを主成分とする遷移元素)、およびホウ素(B)を主成分として含む焼結磁石体と、この焼結磁石体の最表面に形成されたCu層とを有するR−TM−B系永久磁石であって、前記Cu層の表面は、リン酸塩処理されてなるように構成される。
【0010】
また、本発明の好ましい態様として、前記リン酸塩処理は、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸鉄のいずれか1種類以上を主成分として含む処理溶液に浸漬して乾燥させることにより行なわれる。
【0011】
また、本発明の好ましい態様として、接着対象物との接着のために前記リン酸塩処理された磁石表面の上に塗設される接着剤が嫌気性アクリル系接着剤であるように構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のR−TM−B系永久磁石について詳細に説明する。
【0013】
本発明のR−TM−B系永久磁石は、R(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種類以上からなる)、TM(Feを主成分とする遷移元素)、およびホウ素(B)を主成分として含む焼結された磁石体と、この磁石体の最表面に形成されたCu層とを有しており、さらに、このCu層の表面には、リン酸塩処理が施されている。
【0014】
まず、最初に永久磁石の本体となる磁石体について、説明する。
〔磁石体の形成〕
本発明において磁石体は、R(Yを含む希土類元素の1種類以上)、TM(Feを主成分とする遷移元素)、およびホウ素(B)を含有するものである。
【0015】
R、TM、およびBの含有量は、それぞれ、5.5at%≦R≦30at%、42at%≦TM≦90at%、2at%≦B≦28at%、であることが好ましい。なお、TMは基本的に主成分たるFeとその置換元素、および不可避の不純物とから構成される。
【0016】
本発明における磁石体を粉末冶金法により製造する場合、下記の組成であることが好ましい。
【0017】
上記の希土類元素Rは、Nd、Pr、Ho、Tbのうち少なくとも1種、あるいはさらにLa、Sm、Ce、Gd、Er、Dy、Eu、Pm、Tm、Yb、Yのうち1種以上を含むものが好ましい。なお、Rとして2種類以上の元素を用いる場合、原料としてミッシュメタル等の混合物を用いることができる。
【0018】
Rの含有量は、特に、5.5〜30at%であることが好ましい。5.5at%未満では、結晶構造がα−Feと同一構造の立方晶組織となるため、高い保磁力(Hcj)が得られず、30at%を超えると、Rリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)が低下する。
【0019】
TMの含有量は42〜90at%であることが好ましい。TMが42at%未満であると残留磁束密度(Br)が低下し、90at%を超えると保磁力(Hcj)が低下する。Feの一部をCoで置換することにより、磁気特性を損なうことなく温度特性を改善することができるが、Co置換量がFeの50%を超えると磁気特性が低下するため、Co置換量は50%以下とすることが好ましい。
【0020】
B(ホウ素)の含有量は2〜28at%であることが好ましい。Bが2at%未満であると菱面体組織となり保磁力(Hcj)が不十分であり、28at%を超えるとBリッチな非磁性相が多くなるため、残留磁束密度(Br)が低下する。
【0021】
また、上記のR、TM、Bの他、不可避不純物としてNi、Si、Al、Cu、Ca、O、C等が全体の3at%以下含有されていてもよい。
【0022】
さらに、Bの一部をC、P、S、Cuのうち1種以上で置換することにより、生産性の向上および低コスト化が実現できる。この場合、置換量は全体の4at%以下であることが好ましい。また、保磁力の向上、生産性の向上、低コスト化のためにAl、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Hf、Ga、Cu等の1種以上を添加してもよい。この場合、添加量は総計で10at%以下とすることが好ましい。
【0023】
R−TM−B系磁石素体は実質的に正方晶系の結晶構造の主相を有する。この主相の粒径は0.5〜100μm程度であることが好ましい。さらに通常、体積比で0.5〜50%の非磁性相を含むものである。このような磁石素体は、以下に述べるような粉末冶金法により製造されることが好ましい。
【0024】
まず、所望の組成の合金を鋳造法、ストリップキャスト法等のプロセスで作製する。得られた合金をジョークラッシャー、ブラウンミル、スタンプミル等により、粒径10〜800μm程度に粗粉砕し、次いでジェットミル、アトライター等により0.5〜10μm程度の粒径に微粉砕する。
【0025】
得られた粉末を、好ましくは磁場中にて成型する。この場合、磁場強度は600kA/m以上、成型圧力は0.5〜5ton/cm程度であることが好ましい。得られた成型体を、900〜1200℃の温度で、0.5〜24hr焼結し、急冷する。なお、焼結雰囲気はArガス等の不活性ガスまたは真空中であることが好ましい。この後、好ましくは不活性ガス雰囲気中または真空中で500〜900℃にて1〜24hrの時効処理を行う。また、焼結処理および時効処理は複数回に分けて行なってもよい。
【0026】
〔Cu層の形成〕
このようにして形成された磁石体(永久磁石)の表面には、いわゆる保護膜としてのCu層が形成される。Cu層の形成方法に関しては特に制限はなく、電気メッキ等の湿式メッキ法や;機械メッキ法や;蒸着、スパッタ、イオンプレーティング等の真空成膜法や;CVD(Chemical Vapor Deposition)法や;PVD(Physical Vapor Deposition)法などいずれの方法を用いてもよい。
【0027】
代表的Cu層形成法の一例として電気メッキ法を取り挙げて、以下詳細に説明する。
【0028】
上記の要領で得られた磁石体にCu層をメッキ形成する前に、下記の要領で所定の前処理をおこなうことが好ましい。すなわち、メッキ処理前に、磁石体の加工面のバリ等を取り除くために、バレル研磨を行う。さらに磁石体の表面の汚れを取り除くため脱脂処理を行い、酸による化学エッチングを施し表面を清浄化する。脱脂処理で用いる脱脂液は、通常の鉄鋼用に使用されているものであればよい。一般には、NaOHを主成分とするものであって、その他の添加剤は特定されるものでない。化学エッチングで使用する酸としては硝酸を用いることが好ましい。一般の鋼材にメッキ処理を施す場合、塩酸、硫酸等の非酸化性の酸が用いられることが多い。
【0029】
しかしながら、本発明のごとく磁石体が希土類元素を含む場合には、塩酸、硫酸等の非酸化性の酸を用いて処理を行うと、酸により発生する水素が永久磁石表面に吸蔵され、吸蔵部位が脆化して多量の粉状未溶解物が発生する。この粉状未溶解物はメッキ後の面粗れ、欠陥および密着不良を引き起こしてしまう。
【0030】
このため、これらの酸は化学エッチング処理液に含有させないことが好ましい。したがって、水素の発生が少ない酸化性の酸である硝酸を用いることが好ましく、さらにアルドン酸またはその塩が同時に含有されているのが表面に目視で確認不可なレベルの凹凸が形成され、被膜の密着力が向上するのでより一層好ましい。
【0031】
なお、このような密着性の向上はアルドン酸またはその塩によって選択的に実現し、他の有機酸、例えばクエン酸、酒石酸等では実現しない。
【0032】
前処理に用いられる処理液の硝酸濃度は1規定以下、特に0.5規定以下とするのがより好ましい。硝酸濃度が1規定を超える場合は磁石体の溶解速度が極めて速く、溶解量の制御が困難となり、特にバレル処理のような大量処理では溶解量のバラツキが大きくなり、製品の寸法精度が維持できなくなってしまう。また、硝酸濃度が薄くなり過ぎると溶解量の不足となる。このため、硝酸濃度は前述のごとく1規定以下、特に0.5〜0.05規定とするのが望ましい。また、処理終了時のFeの溶解量は、1〜10g/l程度とされる。
【0033】
さらに、前処理を行った磁石体表面から少量の未溶解物、残留酸成分を完全に除去するため、超音波を使用した洗浄を実施することが好ましい。この超音波洗浄は、磁石体の表面に錆を発生させる塩素イオンが極めて少ないイオン交換水の中で行うのが好ましい。また、前記超音波洗浄の前後、および前記前処理の各過程で必要に応じて同様な水洗を行ってもよい。
【0034】
上記の前処理を行った磁石体の表面上に電気メッキによりCu層を設層する。Cu層を電気メッキにより設層することにより、特に小物形状においては量産性に優れた高性能耐食膜を形成することができる。なお、磁石体表面に直接、電気メッキによりCu層を形成する場合、磁石体表面へのCuの置換析出を防止するため、pH7〜10の弱アルカリ浴中で処理することが好ましい。
【0035】
このときメッキ浴は有機ホスホン酸化合物、EDTA、シアンのいずれかを浴中に含んでいることが好ましい。特に、有機ホスホン酸化合物、EDTAは環境負荷が小さいため好ましい。なお、本発明の効果である嫌気性接着剤に対するCuの優れた反応性は、金属皮膜の最表面にCuが存在すれば下地層の種類にかかわらず発現させることができる。本発明におけるCu層の厚さは、1〜60μm、好ましくは5〜30μmとされる。
【0036】
〔リン酸塩処理〕
Cu層の表面は、リン酸塩処理され、これによりCu層の変色が抑制される。
このようなリン酸塩処理は、R−TM−B系永久磁石の磁石体表面に形成されたCu層を洗浄後、リン酸塩溶液(リン酸塩処理溶液)に浸漬して乾燥させることにより変色を抑制したCu層が形成される。
【0037】
本発明におけるリン酸塩溶液(リン酸塩処理溶液)としては、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸鉄のいずれか1種類以上を主成分として含む処理溶液が好適に使用される。
【0038】
本発明におけるリン酸塩処理は、pHが4以下(特にpH=2〜4)、浴温20〜90℃で処理されることが好適である。また、リン酸塩溶液(処理溶液)にはNO が2〜30g/lの割合で含まれるのが好ましい。
【0039】
具体的な処理操作として、表面がCuで覆われた磁石体を所定時間浸漬した後、磁石体を引き上げて純水で洗浄を行なった後、乾燥させる。浸漬時間は、1〜30分程度が好ましい。浸漬時間が短くなりすぎると、処理ムラが生じてしまう。また、浸漬時間をこれ以上長くしても効果に変化は見られずコストの面から好ましくない。乾燥に際しては、通常、室温〜120℃の温度範囲で乾燥を行い表面の水分を除去するようにすることが望ましいが、工程簡略化のためアルコール等有機溶剤に浸漬して風乾するようにしてもかまわない。
【0040】
本発明においては、上記のごとくリン酸塩処理することによって、Cu層の変色を抑制し、かつ優れた接着強度(特に嫌気性アクリル系接着剤)を確保することができる。すなわち、本発明の好ましい態様として、リン酸塩処理された磁石表面の上に嫌気性アクリル系接着剤が塗設され、ヨーク部材等の接着対象物との接着が行なわれる。
【0041】
本発明で好適に使用される嫌気性アクリル系接着剤としては、一般的に使用される種類の中でも硬化速度の速いものが良く、UV併用型でも構わない。具体的には、ロックタイト(株)社製のロックタイトシリーズや、電気化学工業(株)社製のハードロックシリーズ等が例示できる。
【0042】
なお、上記リン酸塩溶液(リン酸塩処理溶液)には、リン酸塩成分以外に、例えば、チタンコロイドやリン酸塩以外の酸(硝酸、硫酸)を本発明の目的を損なわない範囲内で含有させてもよい。
【0043】
【実施例】
以下、具体的実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
〔実施例1〕
磁石サンプルの作製
(14.1)Nd−(0.4)Dy−(78.8)Fe−(0.6)Co−(6.1)B組成からなる鋳塊を粗粉砕し、さらに不活性ガスによるジェットミル粉砕で平均粒径約3.5μmの微粉末を得た。これを磁場中で成型し、焼結、熱処理を経て焼結磁石を得た。次いで、これを5mm×5mm、厚さ1mmに切り出し加工した。
【0045】
加工後の磁石は、バレル研磨、脱脂、エッチングの工程を経てCuメッキを行ない、磁石表面に15μmのCu層を形成した。
【0046】
Cu層をメッキにて形成した磁石を、リン酸亜鉛カルシウム溶液(日本パーカライジング(株)製;商品名 パルボンド880)を60g/lに希釈した溶液に、60℃の浴温で10min浸漬後、純水洗を行いアルコール置換後風乾させて実施例1のサンプルを作製した。
【0047】
〔実施例2〕
磁石サンプルの作製
上記実施例1において、リン酸塩処理溶液をリン酸亜鉛溶液(日本パーカライジング(株)製;商品名 パルボンドL47)に変え、70g/lに希釈した。それ以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2のサンプルを作製した。
【0048】
〔比較例1〕
磁石サンプルの作製
(14.1)Nd−(0.4)Dy−(78.8)Fe−(0.6)Co−(6.1)B組成からなる鋳塊を粗粉砕し、さらに不活性ガスによるジェットミル粉砕で平均粒径約3.5μmの微粉末を得た。これを磁場中で成型し、焼結、熱処理を経て焼結磁石を得た。次いで、これを5mm×5mm、厚さ1mmに切り出し加工した。
【0049】
加工後の磁石は、バレル研磨、脱脂、エッチングの工程を経てNiメッキを行ない、磁石表面に15μmのNi層を形成し、比較例1のサンプルを作製した。
【0050】
〔比較例2〕
磁石サンプルの作製
上記比較例1において、磁石表面のNi層をCu層に変えた。それ以外は、上記比較例1と同様にして、比較例2のサンプルを作製した。
【0051】
〔比較例3〕
磁石サンプルの作製
上記比較例1において、磁石表面のNi層をAl層に変えた。それ以外は、上記比較例1と同様にして、比較例3のサンプルを作製した。
【0052】
〔比較例4〕
磁石サンプルの作製
(14.1)Nd−(0.4)Dy−(78.8)Fe−(0.6)Co−(6.1)B組成からなる鋳塊を粗粉砕し、さらに不活性ガスによるジェットミル粉砕で平均粒径約3.5μmの微粉末を得た。これを磁場中で成型し、焼結、熱処理を経て焼結磁石を得た。次いで、これを5mm×5mm、厚さ1mmに切り出し加工した。
【0053】
加工後の磁石は、バレル研磨、脱脂、エッチングの工程を経てNiメッキを行ない、磁石表面に15μmのNi層を形成した。
【0054】
Ni層をメッキにて形成した磁石を、リン酸亜鉛カルシウム溶液(日本パーカライジング(株)製;商品名 パルボンド880)を60g/lに希釈した溶液に、60℃の浴温で10min浸漬後、純水洗を行いアルコール置換後風乾させて比較例4のサンプルを作製した。
【0055】
このように作製した各サンプルについて、下記の要領で、(1)接着強度および(2)外観検査の評価をそれぞれ行った。
【0056】
(1)接着強度
各サンプルについて嫌気性アクリル系接着剤(ロックタイト638UV)を0.003g程度塗布し、この塗布面を、表面が洗浄された鉄板に圧着した。その後、室温で1min、3min、5min、10min放置し、圧縮せん断試験をおこなった。サンプル数は各10とし、測定値の平均をとり接着強度とした。
なお、圧縮せん断試験はハンドプレスで強度測定を行った。
【0057】
(2)外観検査
外観変化については、プレッシャー・クッカー・テストを行った。試験条件は120℃、0.2MPa、100%RHとした。
【0058】
接着強度の結果を下記表1に示し、外観検査の結果を下記表2に示した。なお,表1中の数値の単位はKgf/cmである。
【0059】
【表1】

Figure 2004273582
【0060】
なお、比較例1および比較例4の( )内の数値は、接着剤で鉄板に圧着する際に、130℃で熱硬化処理をした場合のデータである。ちなみに、図1に示される磁石の減磁率データによれば、130℃の加熱により、磁石の減磁率はー40%程度になってしまう。
【0061】
【表2】
Figure 2004273582
【0062】
上記表1および表2の結果より、磁石表面のCu層にリン酸塩処理を行なった本発明サンプルは、耐湿試験下において外観変化が非常に少なく、嫌気性接着剤との反応性に優れていることがわかる。
【0063】
また、上記の評価実験に加えて、本発明サンプル1〜2および比較例サンプル2について、意図的に表面Cu層にピンホール(孔径約200μm)を空けた不良サンプルを作製した後、プレッシャー・クッカー・テスト(120℃、0.2MPa、100%RHの環境下に60時間放置)を行ない、しかる後、各サンプルを取り出し、ピンホール部分を確認したところ、本発明サンプルでは、Cu層の変色が少ないために、ピンホール箇所から発生している磁石の錆びを容易に確認することができた。
【0064】
しかしながら、比較例サンプル2のものでは、Cu層が磁石錆びと同様な色に変色しているためにピンホール箇所から発生している磁石の錆びを発見することは極めて困難であった。このことより、本発明サンプルは、製造後、所定の期間倉庫等に保存され、その後に磁石接合部品として組み立てられる際の不良の検出が早期かつ確実で行えるので、製造コストの低減化にもつながる。
【0065】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、R(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種類以上からなる)、TM(Feを主成分とする遷移元素)、およびホウ素(B)を主成分として含む焼結磁石体と、この焼結磁石体の表面に形成されたCu層とを有するR−TM−B系永久磁石であって、前記Cu層の表面は、リン酸塩処理されているので、Cuが本来持つ嫌気性接着剤に対する高い反応性を維持しつつ、磁石表面のCu層の変色・酸化が抑制できる。
これにより、例えば、小型モータ機器等の接着工程におけるプライマー処理を省略できるため、組み立て作業のスピードアップが可能となる。また、このとき従来のように高い加熱を必要としないため、接着工程における磁気特性の損失がほとんどない。また、昇降温作業が不要となりリードタイムの短縮につながり、環境負荷が小さくなる。さらに、磁石接合部品として組み立てられる際の不良の検出が早期かつ確実で行えるので、製造コストの低減化にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(14.1)Nd−(0.4)Dy−(78.8)Fe−(0.6)Co−(6.1)B組成からなる5mm×5mm、厚さ1mmに切り出し加工した磁石の減磁率データをグラフに示したものである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to R-TM-B permanent magnets used for rotating devices such as motors, actuators, clampers, and the like.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1] JP-A-6-318512
Nd-Fe-B magnets have high magnetic properties, are rich in Fe, which is a main material, are inexpensive, and Nd is advantageous in terms of resources as compared with Sm and is inexpensive. Rare earth magnets have become the mainstream in place of magnets.
[0004]
However, Nd-Fe-B-based magnets have the disadvantage that they are much more easily corroded than general steel materials or Sm-Co-based magnets, and various surface treatments have been proposed conventionally. .
[0005]
For example, inexpensive Ni plating, which is inexpensive and has excellent corrosion resistance, is widely used as a rust-preventive treatment for Nd-Fe-B-based magnets. Used fixed to a member. As an adhesive to be used, there are many epoxy-based and anaerobic acrylic-based adhesives, and particularly, an anaerobic acrylic-based adhesive is often selected because of good workability.
[0006]
However, the anaerobic acrylic adhesive has a disadvantage that the reactivity is poor when the adherend is Ni. Therefore, when a reaction-inactive adherend represented by Ni is bonded, a primer (activator) treatment is generally applied to the bonding surface. However, such a primer (activator) treatment significantly reduces the workability, does not take advantage of the good workability of the original anaerobic acrylic adhesive, and is a factor that increases the work cost in the bonding process. Was. In addition, when the primer treatment is omitted, a high temperature and time are required to react the adhesive to a level at which the required strength is obtained. For this reason, the workability may be reduced due to heating, the lead time may be prolonged, energy loss may occur, and if magnetized magnets are bonded, the characteristics may be degraded due to thermal demagnetization.
[0007]
Examples of the metal active in the anaerobic adhesive include Fe and Cu. However, since these are metals that are easily corroded and discolored, they are not actually used on the outermost surface as a rust preventive coating for the magnet. Was. In particular, Cu was only used as a base for Ni plating.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present invention has been devised. It is an object of the present invention to solve the above-described problems and to maintain the high reactivity of Cu with respect to the anaerobic adhesive inherent in Cu while maintaining the Cu on the surface of the magnet. An object of the present invention is to provide an R-TM-B-based permanent magnet in which discoloration and oxidation of a layer are suppressed. Further, it is an object of the present invention to provide a magnet which promotes a reduction in lead time in a process and a reduction in environmental load by lowering or eliminating the need for heating at the time of curing an adhesive. Further, by suppressing thermal demagnetization generated in the process of bonding the magnetized magnets, it is possible to expand the range of use of high-performance magnets.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such a problem, the present invention relates to R (R is at least one kind of rare earth element including Y), TM (transition element mainly composed of Fe), and boron (B). An R-TM-B-based permanent magnet having a sintered magnet body as a main component and a Cu layer formed on the outermost surface of the sintered magnet body, wherein the surface of the Cu layer is phosphate-treated. It is configured to be.
[0010]
As a preferred embodiment of the present invention, the phosphate treatment is performed by immersing in a treatment solution containing at least one of zinc calcium phosphate, zinc phosphate, manganese phosphate and iron phosphate as a main component and drying. This is done by letting
[0011]
Further, as a preferred embodiment of the present invention, the adhesive applied on the surface of the phosphate-treated magnet for adhesion to an object to be bonded is configured to be an anaerobic acrylic adhesive. .
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the R-TM-B-based permanent magnet of the present invention will be described in detail.
[0013]
The R-TM-B-based permanent magnet of the present invention mainly comprises R (R is at least one kind of rare earth element including Y), TM (transition element containing Fe as a main component), and boron (B). It has a sintered magnet body as a component and a Cu layer formed on the outermost surface of the magnet body, and the surface of this Cu layer is subjected to a phosphate treatment.
[0014]
First, a description will be given of a magnet body serving as a main body of a permanent magnet.
(Formation of magnet body)
In the present invention, the magnet body contains R (at least one kind of rare earth element including Y), TM (transition element having Fe as a main component), and boron (B).
[0015]
The contents of R, TM, and B are preferably 5.5 at% ≤ R ≤ 30 at%, 42 at% ≤ TM ≤ 90 at%, and 2 at% ≤ B ≤ 28 at%. It should be noted that TM is basically composed of Fe as a main component, its substitution element, and inevitable impurities.
[0016]
When the magnet body in the present invention is manufactured by the powder metallurgy method, the magnet body preferably has the following composition.
[0017]
The rare earth element R includes at least one of Nd, Pr, Ho, and Tb, or further includes at least one of La, Sm, Ce, Gd, Er, Dy, Eu, Pm, Tm, Yb, and Y. Are preferred. When two or more elements are used as R, a mixture such as misch metal can be used as a raw material.
[0018]
The content of R is particularly preferably 5.5 to 30 at%. If it is less than 5.5 at%, the crystal structure becomes a cubic structure having the same structure as that of α-Fe. Therefore, a high coercive force (Hcj) cannot be obtained. If it exceeds 30 at%, the R-rich nonmagnetic phase increases. , The residual magnetic flux density (Br) decreases.
[0019]
The content of TM is preferably from 42 to 90 at%. When the TM is less than 42 at%, the residual magnetic flux density (Br) decreases, and when the TM exceeds 90 at%, the coercive force (Hcj) decreases. By substituting a part of Fe with Co, the temperature characteristics can be improved without impairing the magnetic characteristics. However, when the Co substitution amount exceeds 50% of Fe, the magnetic characteristics deteriorate, so that the Co substitution amount is reduced. It is preferable to set it to 50% or less.
[0020]
The content of B (boron) is preferably 2 to 28 at%. If B is less than 2 at%, a rhombohedral structure is formed, and the coercive force (Hcj) is insufficient. If it exceeds 28 at%, the B-rich non-magnetic phase increases, and the residual magnetic flux density (Br) decreases.
[0021]
Further, in addition to R, TM, and B, Ni, Si, Al, Cu, Ca, O, and C may be contained as unavoidable impurities in an amount of 3 at% or less.
[0022]
Further, by replacing a part of B with one or more of C, P, S, and Cu, improvement in productivity and reduction in cost can be realized. In this case, the substitution amount is preferably 4 at% or less of the whole. In addition, Al, Ti, V, Cr, Mn, Bi, Nb, Ta, Mo, W, Sb, Ge, Sn, Zr, Ni, Si, for improving coercive force, improving productivity, and reducing cost. One or more of Hf, Ga, Cu and the like may be added. In this case, it is preferable that the total amount be 10 at% or less.
[0023]
The R-TM-B magnet body has a main phase having a substantially tetragonal crystal structure. The particle size of the main phase is preferably about 0.5 to 100 μm. Further, it usually contains 0.5 to 50% by volume of a non-magnetic phase. Such a magnet body is preferably manufactured by a powder metallurgy method as described below.
[0024]
First, an alloy having a desired composition is produced by a process such as a casting method or a strip casting method. The obtained alloy is roughly pulverized by a jaw crusher, a brown mill, a stamp mill or the like to a particle size of about 10 to 800 μm, and then finely pulverized to a particle size of about 0.5 to 10 μm by a jet mill, an attritor or the like.
[0025]
The obtained powder is molded preferably in a magnetic field. In this case, the magnetic field strength is preferably 600 kA / m or more, and the molding pressure is preferably about 0.5 to 5 ton / cm 2 . The obtained molded body is sintered at a temperature of 900 to 1200 ° C. for 0.5 to 24 hours and rapidly cooled. The sintering atmosphere is preferably an inert gas such as Ar gas or a vacuum. Thereafter, aging treatment is preferably performed at 500 to 900 ° C. for 1 to 24 hours in an inert gas atmosphere or vacuum. Further, the sintering process and the aging process may be performed a plurality of times.
[0026]
[Formation of Cu layer]
On the surface of the magnet body (permanent magnet) thus formed, a Cu layer as a so-called protective film is formed. There is no particular limitation on the method of forming the Cu layer, and wet plating methods such as electroplating; mechanical plating methods; vacuum film forming methods such as vapor deposition, sputtering, and ion plating; and CVD (Chemical Vapor Deposition) methods; Any method such as a PVD (Physical Vapor Deposition) method may be used.
[0027]
The electroplating method will be described in detail below as an example of a typical Cu layer forming method.
[0028]
Before plating the Cu layer on the magnet body obtained in the above manner, it is preferable to perform a predetermined pretreatment in the following manner. That is, before the plating process, barrel polishing is performed to remove burrs and the like on the processed surface of the magnet body. Further, a degreasing process is performed to remove dirt on the surface of the magnet body, and chemical etching with an acid is performed to clean the surface. The degreasing liquid used in the degreasing treatment may be any liquid used for ordinary steel. Generally, NaOH is a main component, and other additives are not specified. It is preferable to use nitric acid as the acid used in the chemical etching. When a general steel material is plated, a non-oxidizing acid such as hydrochloric acid or sulfuric acid is often used.
[0029]
However, when the magnet body contains a rare earth element as in the present invention, if the treatment is performed using a non-oxidizing acid such as hydrochloric acid or sulfuric acid, hydrogen generated by the acid is occluded on the surface of the permanent magnet, and the occlusion site is not absorbed. Embrittles and generates a large amount of powdery undissolved matter. This powdery undissolved material causes surface roughness, defects and poor adhesion after plating.
[0030]
Therefore, it is preferable that these acids are not contained in the chemical etching solution. Therefore, it is preferable to use nitric acid, which is an oxidizing acid that generates less hydrogen, and furthermore, aldonic acid or a salt thereof is simultaneously contained. It is more preferable because the adhesion is improved.
[0031]
In addition, such an improvement in adhesiveness is selectively realized by aldonic acid or a salt thereof, and is not realized by another organic acid such as citric acid or tartaric acid.
[0032]
The nitric acid concentration of the treatment liquid used for the pretreatment is preferably 1 N or lower, more preferably 0.5 N or lower. When the nitric acid concentration exceeds 1N, the dissolution rate of the magnet body is extremely high, and it is difficult to control the amount of dissolution. In particular, the dispersion of the amount of dissolution increases in large-scale processing such as barrel processing, and the dimensional accuracy of the product can be maintained. Will be gone. On the other hand, if the nitric acid concentration is too low, the dissolution amount becomes insufficient. For this reason, it is desirable that the nitric acid concentration be 1 N or less as described above, particularly 0.5 to 0.05 N. The amount of Fe dissolved at the end of the treatment is about 1 to 10 g / l.
[0033]
Further, in order to completely remove a small amount of undissolved substances and residual acid components from the pretreated magnet body surface, it is preferable to perform cleaning using ultrasonic waves. This ultrasonic cleaning is preferably performed in ion-exchanged water that has very little chlorine ions that generate rust on the surface of the magnet body. In addition, similar water washing may be performed before and after the ultrasonic cleaning and in each step of the pretreatment as needed.
[0034]
A Cu layer is formed by electroplating on the surface of the magnet body that has been subjected to the above pretreatment. By forming the Cu layer by electroplating, it is possible to form a high-performance corrosion-resistant film having excellent mass productivity, especially in the case of small articles. When a Cu layer is directly formed on the surface of the magnet body by electroplating, it is preferable that the treatment is performed in a weak alkaline bath having a pH of 7 to 10 in order to prevent substitution precipitation of Cu on the surface of the magnet body.
[0035]
At this time, the plating bath preferably contains any of an organic phosphonic acid compound, EDTA, and cyan in the bath. In particular, organic phosphonic acid compounds and EDTA are preferable since they have a small environmental load. In addition, the excellent reactivity of Cu to the anaerobic adhesive, which is an effect of the present invention, can be exhibited regardless of the type of the underlayer, as long as Cu exists on the outermost surface of the metal film. In the present invention, the thickness of the Cu layer is 1 to 60 μm, preferably 5 to 30 μm.
[0036]
(Phosphate treatment)
The surface of the Cu layer is subjected to a phosphate treatment, thereby suppressing discoloration of the Cu layer.
Such a phosphate treatment is performed by washing a Cu layer formed on the surface of the magnet body of the R-TM-B-based permanent magnet, and then immersing the Cu layer in a phosphate solution (phosphate treatment solution) and drying. A Cu layer with suppressed discoloration is formed.
[0037]
As the phosphate solution (phosphate treatment solution) in the present invention, a treatment solution containing at least one of zinc calcium phosphate, zinc phosphate, manganese phosphate, and iron phosphate as a main component is preferably used. Is done.
[0038]
The phosphate treatment in the present invention is preferably carried out at a pH of 4 or less (particularly pH = 2 to 4) and a bath temperature of 20 to 90 ° C. Further, it is preferable that NO 3 is contained in the phosphate solution (treatment solution) at a ratio of 2 to 30 g / l.
[0039]
As a specific processing operation, the magnet body whose surface is covered with Cu is immersed for a predetermined time, then the magnet body is pulled up, washed with pure water, and then dried. The immersion time is preferably about 1 to 30 minutes. If the immersion time is too short, processing unevenness occurs. Further, even if the immersion time is made longer, the effect is not changed and it is not preferable in terms of cost. In drying, it is usually desirable to dry at a temperature in the range of room temperature to 120 ° C. to remove water on the surface, but it is also possible to immerse in an organic solvent such as alcohol and air-dry to simplify the process. I don't care.
[0040]
In the present invention, by performing the phosphate treatment as described above, discoloration of the Cu layer can be suppressed, and excellent adhesive strength (particularly, anaerobic acrylic adhesive) can be secured. That is, as a preferred embodiment of the present invention, an anaerobic acrylic adhesive is applied on the surface of the phosphate-treated magnet, and the anaerobic acrylic adhesive is adhered to an object to be adhered such as a yoke member.
[0041]
As the anaerobic acrylic adhesive suitably used in the present invention, an anaerobic acrylic adhesive having a high curing speed is preferable among commonly used types, and a UV combined type may be used. Specifically, Loctite series manufactured by Loctite Co., Ltd., and Hard Rock series manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd. can be exemplified.
[0042]
In addition, in addition to the phosphate component, for example, an acid (nitric acid, sulfuric acid) other than titanium colloid or phosphate may be added to the phosphate solution (phosphate treatment solution) within a range that does not impair the object of the present invention. May be contained.
[0043]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to specific examples. Note that the present invention is not limited to these.
[0044]
[Example 1]
Preparation of Magnet Sample (14.1) Nd- (0.4) Dy- (78.8) Fe- (0.6) Co- (6.1) B Fine powder having an average particle size of about 3.5 μm was obtained by jet mill pulverization with an active gas. This was molded in a magnetic field, sintered and heat-treated to obtain a sintered magnet. Next, this was cut out to a size of 5 mm × 5 mm and a thickness of 1 mm.
[0045]
The processed magnet was plated with Cu through barrel polishing, degreasing, and etching steps to form a 15 μm Cu layer on the magnet surface.
[0046]
A magnet having a Cu layer formed by plating was immersed in a solution obtained by diluting a zinc calcium phosphate solution (manufactured by Nippon Parkerizing Co., Ltd .; trade name: Palbond 880) to 60 g / l at a bath temperature of 60 ° C. for 10 minutes, and then purified. After washing with water and substituting with alcohol, the sample was air-dried to prepare a sample of Example 1.
[0047]
[Example 2]
Preparation of magnet sample In Example 1, the phosphate treatment solution was changed to a zinc phosphate solution (manufactured by Nippon Parkerizing Co., Ltd .; trade name Palbond L47) and diluted to 70 g / l. Otherwise, in the same manner as in Example 1, a sample of Example 2 was produced.
[0048]
[Comparative Example 1]
Preparation of Magnet Sample (14.1) Nd- (0.4) Dy- (78.8) Fe- (0.6) Co- (6.1) B Fine powder having an average particle size of about 3.5 μm was obtained by jet mill pulverization with an active gas. This was molded in a magnetic field, sintered and heat-treated to obtain a sintered magnet. Next, this was cut out to a size of 5 mm × 5 mm and a thickness of 1 mm.
[0049]
The processed magnet was plated with Ni through the steps of barrel polishing, degreasing, and etching to form a 15 μm Ni layer on the magnet surface, thereby producing a sample of Comparative Example 1.
[0050]
[Comparative Example 2]
Preparation of magnet sample In Comparative Example 1, the Ni layer on the magnet surface was changed to a Cu layer. Otherwise, in the same manner as in Comparative Example 1, a sample of Comparative Example 2 was produced.
[0051]
[Comparative Example 3]
Preparation of magnet sample In Comparative Example 1, the Ni layer on the magnet surface was changed to an Al layer. Otherwise, in the same manner as in Comparative Example 1, a sample of Comparative Example 3 was produced.
[0052]
[Comparative Example 4]
Preparation of Magnet Sample (14.1) Nd- (0.4) Dy- (78.8) Fe- (0.6) Co- (6.1) B Fine powder having an average particle size of about 3.5 μm was obtained by jet mill pulverization with an active gas. This was molded in a magnetic field, sintered and heat-treated to obtain a sintered magnet. Next, this was cut out to a size of 5 mm × 5 mm and a thickness of 1 mm.
[0053]
The processed magnet was plated with Ni through the steps of barrel polishing, degreasing, and etching to form a 15 μm Ni layer on the magnet surface.
[0054]
A magnet having a Ni layer formed by plating is immersed in a solution obtained by diluting a zinc calcium phosphate solution (manufactured by Nippon Parkerizing Co., Ltd .; trade name: Palbond 880) to 60 g / l at a bath temperature of 60 ° C. for 10 minutes, and then purified. After washing with water and substituting with alcohol, the sample was air-dried to prepare a sample of Comparative Example 4.
[0055]
Each sample thus produced was evaluated for (1) adhesion strength and (2) appearance inspection in the following manner.
[0056]
(1) Adhesive strength About 0.003 g of an anaerobic acrylic adhesive (Loctite 638UV) was applied to each sample, and the applied surface was pressed against an iron plate whose surface was washed. Then, it was left at room temperature for 1 min, 3 min, 5 min, and 10 min, and a compression shear test was performed. The number of samples was 10 each, and the average of the measured values was taken as the adhesive strength.
In the compression shear test, the strength was measured by a hand press.
[0057]
(2) Appearance inspection A pressure cooker test was performed for changes in appearance. The test conditions were 120 ° C., 0.2 MPa, and 100% RH.
[0058]
The results of the adhesive strength are shown in Table 1 below, and the results of the appearance inspection are shown in Table 2 below. The unit of the numerical values in Table 1 is Kgf / cm 2 .
[0059]
[Table 1]
Figure 2004273582
[0060]
The values in parentheses in Comparative Example 1 and Comparative Example 4 are data obtained when a thermosetting treatment was performed at 130 ° C. when the steel plate was pressed against an iron plate with an adhesive. Incidentally, according to the demagnetization rate data of the magnet shown in FIG. 1, the demagnetization rate of the magnet is reduced to about −40% by heating at 130 ° C.
[0061]
[Table 2]
Figure 2004273582
[0062]
From the results shown in Tables 1 and 2, the sample of the present invention in which the Cu layer on the magnet surface was subjected to the phosphate treatment showed very little change in appearance under the moisture resistance test, and was excellent in reactivity with the anaerobic adhesive. You can see that there is.
[0063]
Further, in addition to the above-described evaluation experiment, for the samples 1 and 2 of the present invention and the sample 2 of the comparative example, a defective sample in which a pinhole (a hole diameter of about 200 μm) was intentionally formed in the surface Cu layer was prepared. A test (leaving in an environment of 120 ° C., 0.2 MPa, and 100% RH for 60 hours) was performed, and after that, each sample was taken out and pinhole portions were confirmed. Because of the small number, the rust of the magnet generated from the pinhole was easily confirmed.
[0064]
However, in the sample of Comparative Example 2, since the Cu layer was discolored to the same color as the magnet rust, it was extremely difficult to find the rust of the magnet generated from the pinhole. This allows the sample of the present invention to be stored in a warehouse or the like for a predetermined period of time after manufacture, and to detect defects when assembled as a magnet-joined part early and reliably, leading to a reduction in manufacturing cost. .
[0065]
【The invention's effect】
The effects of the present invention are clear from the above results. That is, the present invention provides a sintered magnet body containing R (where R is at least one or more rare earth elements containing Y), TM (a transition element containing Fe as a main component), and boron (B) as a main component. And an R-TM-B-based permanent magnet having a Cu layer formed on the surface of the sintered magnet body. Since the surface of the Cu layer is phosphate-treated, Cu originally has Discoloration and oxidation of the Cu layer on the magnet surface can be suppressed while maintaining high reactivity with the anaerobic adhesive.
Thereby, for example, the primer treatment in the bonding step of a small motor device or the like can be omitted, so that the speed of the assembling work can be increased. At this time, since high heating is not required unlike the conventional case, there is almost no loss of magnetic characteristics in the bonding step. In addition, the temperature raising / lowering operation is not required, which leads to a reduction in lead time and a reduction in environmental load. In addition, the detection of defects when assembled as a magnet-joined part can be performed quickly and reliably, leading to a reduction in manufacturing costs.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is cut out into a 5 mm × 5 mm, 1 mm thick made of (14.1) Nd- (0.4) Dy- (78.8) Fe- (0.6) Co- (6.1) B composition It is the graph which showed the demagnetization rate data of the processed magnet.

Claims (3)

R(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種類以上からなる)、TM(Feを主成分とする遷移元素)、およびホウ素(B)を主成分として含む焼結磁石体と、この焼結磁石体の最表面に形成されたCu層とを有するR−TM−B系永久磁石であって、
前記Cu層の表面は、リン酸塩処理されてなることを特徴とするR−TM−B系永久磁石。
A sintered magnet body containing R (R is at least one or more rare earth elements containing Y), TM (transition element containing Fe as a main component), and boron (B) as a main component; R-TM-B permanent magnet having a Cu layer formed on the outermost surface of the body,
An R-TM-B-based permanent magnet, wherein the surface of the Cu layer is subjected to a phosphate treatment.
前記リン酸塩処理は、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸鉄のいずれか1種類以上を主成分として含む処理溶液に浸漬して乾燥させることにより行なわれる請求項1に記載のR−TM−B系永久磁石。The method according to claim 1, wherein the phosphate treatment is performed by immersing in a treatment solution containing at least one of zinc calcium phosphate, zinc phosphate, manganese phosphate, and iron phosphate as a main component and drying. The R-TM-B-based permanent magnet described in the above. 接着対象物との接着のために前記リン酸塩処理された磁石表面の上に塗設される接着剤が嫌気性アクリル系接着剤である請求項1または請求項2に記載のR−TM−B系永久磁石。The R-TM- according to claim 1 or 2, wherein the adhesive applied on the surface of the phosphate-treated magnet for adhesion to an object to be adhered is an anaerobic acrylic adhesive. B type permanent magnet.
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