JP2004273362A - 耐サージ素子の寿命判定方法及び寿命判定回路 - Google Patents
耐サージ素子の寿命判定方法及び寿命判定回路 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】耐サージ素子の寿命に応じて確実かつタイムリな保守を行えるようにし、これにより耐サージ素子とこの素子を使用した電子機器の信頼性の向上を図る。
【解決手段】バリスタ12にサージが印加された場合に、そのサージ電流を電流センサ13及び電流検出部14により検出すると共に、サージの印加回数をカウントする。そして、寿命判定部15において、上記サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を、固定設定された規約波尾長の最大値をパラメータとしてインパルス寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。そして、寿命に達している場合には、その旨を、判定結果報知部16において表示することにより、保守員等に報知するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】バリスタ12にサージが印加された場合に、そのサージ電流を電流センサ13及び電流検出部14により検出すると共に、サージの印加回数をカウントする。そして、寿命判定部15において、上記サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を、固定設定された規約波尾長の最大値をパラメータとしてインパルス寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。そして、寿命に達している場合には、その旨を、判定結果報知部16において表示することにより、保守員等に報知するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば移動通信システムの基地局装置において、雷サージや静電気放電等から電子回路を保護するために使用される、バリスタやアレスタ等の耐サージ素子の寿命を判定する寿命判定方法及び寿命判定回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、移動通信システムの基地局装置等の電子機器においては、雷サージや静電気放電等のように電源配線や通信線路を伝わって機器内に浸入するサージから機器内の電子回路を保護するために、電源配線や通信線路に耐サージ回路を設けている。
【0003】
図9は従来提案されている耐サージ回路の構成の一例を示すものである。この耐サージ回路は、耐サージ素子としてのバリスタ1と、このバリスタ1に直列に接続された温度ヒューズ2とからなり、外部電源6に接続された負荷5に対し並列に接続される。なお、3は外部電源6からの過電流により溶断するヒューズ、4は電源スイッチである。このような耐サージ回路を設けることにより、電源配線にサージが印加されると、バリスタ1の抵抗値が低下してサージによる過電流はバリスタ1によりバイパスされ、この結果負荷5が保護される(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
発明協会公開技報 公技番号 2002−500636(2002−06−21)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バリスタ1に代表される耐サージ素子は、温度や湿度等の使用環境の変化や、サージが繰り返し印加されると、耐サージ性能の劣化を起こす。そして、耐サージ性能が電子機器で必要とされる性能以下に劣化すると、その後のサージの印加により電子機器内の電子回路が破損するおそれがある。また、バリスタ1のバリスタ電圧が電子機器の回路電圧値まで低下すると、バリスタ1の漏れ電流が増加してバリスタ1が発熱し、最終的に短絡破壊に至って最悪の場合には電子機器の焼損を引き起こすおそれがある。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、耐サージ素子の寿命に応じて確実かつタイムリな保守を行えるようにし、これにより耐サージ素子及びこの素子を使用した電子機器の信頼性の向上を図り得る耐サージ素子の寿命判定方法及び寿命判定回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明に係わる寿命判定方法及び寿命判定回路は、耐サージ素子にサージが印加された場合に、当該サージの電流値を検出すると共に、上記耐サージ素子に対するサージの印加回数を計数する。そして、上記検出されたサージの電流値と、上記計数されたサージの印加回数と、予め用意された上記耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、上記耐サージ素子の寿命を判定し、この寿命の判定結果を報知するようにしたものである。
【0008】
したがってこの発明によれば、耐サージ素子の使用中に、当該耐サージ素子に印加されたサージの電流値と、サージの印加回数と、予め用意された寿命特性とをもとに、耐サージ素子の寿命が判定され、その判定結果が保守員等に報知される。すなわち、耐サージ素子の寿命の自動監視がなされる。このため、例えば保守員は、耐サージ素子が寿命に達したことを認識することが可能となり、これにより耐サージ素子の交換等の保守作業を遅滞なくまた早すぎることもなく常に適切なタイミングで行うことが可能となる。
【0009】
したがって、耐サージ素子を、常に必要とされる耐サージ性能が保証される状態で使用することができ、これにより耐サージ素子及びこの素子を使用する電子機器の破損や焼損を未然に防止して、信頼性を高く保持することができる。また、耐サージ素子の交換を早すぎず常に適切なタイミングで行えるので、不必要な保守作業が行われないようになり、これにより経済性を高めることができる。
【0010】
また、上記印加されたサージの電流値と、サージの印加回数とに加え、サージ波形の波尾長を検出する。そして、この検出されたサージの電流値、波尾長及び印加回数と、予め用意された耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、耐サージ素子の寿命を判定し、この寿命の判定結果を報知するように構成することも可能である。
このように構成することで、検出されたサージの電流値と、サージの印加回数とに加え、サージの波尾長も考慮して耐サージ素子の寿命を判定することが可能となる。このため、例えば常に波尾長が最大となる条件下で寿命判定を行う場合に比べ、さらに正確な寿命判定が可能となる。
【0011】
上記サージの波尾長の検出方法としては、印加されたサージの波形を検出してその波形データを記憶し、この記憶された波形データからその規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点を検出する。そして、この検出された規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点をもとに波尾長を算出する方法を採用するとよい。このようにすると、サージごとにその波形が変化しても波尾長を正確に求めることができる。
【0012】
さらに、サージの印加回数を計数する方法として、印加されたサージの電流値が予め設定した規定値以上であるか否かを判定し、電流値が規定値以上と判定されたサージが印加された場合にのみ印加回数の計数値をカウントアップすることも可能である。このようにすると、耐サージ素子の耐サージ性能にほとんど影響を与えない低電圧のサージが印加された場合に、この低電圧のサージを寿命判定の条件から除くことができ、これによりさらに正確な寿命判定を行うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
この発明に係わる寿命判定方法及び判定回路の第1の実施形態は、耐サージ素子としてのバリスタにサージが印加された場合に、そのサージ電流を検出すると共に、サージの印加回数をカウントアップする。そして、このサージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を、波尾長の最大値をパラメータとして、予め記憶してある上記バリスタの寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタが寿命に達したか否かを判定して、寿命に達した場合にその旨を表示するようにしたものである。
【0014】
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。電子機器内には負荷としての電子回路10が設けられ、この電子回路10には図示しない電源回路から給電線11a,11bを介して電源電圧が供給される。
【0015】
上記給電線11a,11b間には耐サージ素子としてバリスタ12を使用した耐サージ回路が接続されている。また、この耐サージ回路の上記バリスタ12と給電線11bとの間には、電流センサ13が設けられている。この電流センサ13は、例えばコイルを使用した非接触センサからなり、上記耐サージ回路を流れるサージ電流に対応する電圧値を出力する。図2(a)は上記電流センサ13の構造の一例を、また(b)は検出特性の一例をそれぞれ示す図である。
【0016】
上記電流センサ13から出力された検出電圧は電流検出部14に入力される。電流検出部14は、電圧判定器と、電圧/電流変換器と、カウンタとを備える。電圧判定器は、上記電流センサ13から出力された検出電圧をしきい値と比較することにより、当該検出電圧がサージに起因するものであるか否かを判定する。電圧/電流変換器は、上記電圧判定器によりサージが印加されたと判定された場合に、上記電流センサ13から出力された検出電圧を電流値に変換して寿命判定部15へ出力する。カウンタは、上記電圧判定器によりサージが印加されたと判定された場合に、サージ印加回数のカウント値をカウントアップしてそのカウント値を寿命判定部15へ出力する。
【0017】
寿命判定部15は、上記使用中のバリスタ12のインパルス寿命特性を記憶している。このインパルス寿命特性は、例えば図3に示すごとくサージの電流値と、波尾長と、印加回数との関係を表したものである。そして、上記電流検出部14からサージの印加が通知されると、電流検出部14により検出されたサージの電流値及び印加回数のカウント値を上記インパルス寿命特性と比較し、バリスタ12が寿命に到達したか否かを判定する。なお、この判定に際しては波尾長をパラメータとし、その値は規約波尾長の最大値に固定設定する。
【0018】
判定結果通知部16は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又は液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)を使用した表示器を備える。そして、上記寿命判定部15からバリスタ12が寿命に到達したことを表す判定結果が通知された場合に、上記LEDを点灯するか或いはLCDにバリスタが寿命に達した旨を報知するメッセージを表示する。
【0019】
次に、以上のように構成された寿命判定回路の動作を判定手順に従い説明する。保守員は、バリスタ12を新規に接続するか又は交換すると、初期設定として、当該バリスタ12のインパルス寿命特性を表す定格データを寿命判定部15のメモリに記憶し、かつ電流検出部14のカウンタをリセットする。
【0020】
さて、電子機器の使用中に、雷サージが給電線11a,11bに印加されたとする。そうすると、バリスタ12の抵抗値が急減してサージ電流がバリスタ12を介して側流され、これにより電子機器10はサージによる過電流から保護される。
【0021】
一方、このときサージ電流は電流センサ13により電圧値として検出され、この検出電圧は電流検出部14に入力される。電流検出部14では、先ず上記電流センサ13から出力された検出電圧がしきい値と比較され、これにより当該検出電圧がサージに起因するものであるか否かが判定される。そして、サージが印加されたと判定されると、その旨が寿命判定部15に通知されると共に、上記電流センサ13から出力された検出電圧が電圧/電流変換器により電流値に変換され、この変換された電流値が寿命判定部15に供給される。またそれと共に、カウンタのサージ印加回数のカウント値がカウントアップされ、このカウントアップ後のカウント値が寿命判定部15に供給される。
なお、検出電圧がサージに起因するものではないと判定された場合には、上記検出電圧の電流値への変換及び印加回数のカウントアップは行われない。
【0022】
寿命判定部15では、上記電流検出部14からサージの印加が通知されると、サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値が、予め記憶されているインパルス寿命特性と比較され、これによりバリスタ12が寿命に到達したか否かが判定される。
【0023】
例えば、いま電流検出部14から供給されたサージ電流の検出値が10Aでかつサージ印加回数のカウント値が1回だったとする。これらを、波尾長を1000μsecの固定値として図3に示すインパルス寿命特性と照合すると、このときの条件ではサージ印加回数の寿命は10〜100回であるため、上記サージ印加回数のカウント値=1回はまだ寿命に到達していないと判定される。
【0024】
これに対し、電流検出部14から供給されたサージ電流の検出値が20Aでかつサージ印加回数のカウント値が7回だったとする。前述と同様に波尾長を1000μsecの固定値とすると、この条件ではバリスタ12の寿命は図3の“X”に示すようにサージ印加回数が2回〜10回である。このため、上記サージ印加回数のカウント値=7回は寿命に達したと判定され、その旨が判定結果報知部16に通知される。
【0025】
判定結果通知部16は、上記寿命判定部15から寿命に到達した旨の通知を受け取ると、LEDを点灯するか或いはLCDにバリスタ12が寿命に達した旨の報知メッセージを表示する。
【0026】
したがって、保守員は例えば定期点検において、上記LEDの点灯或いはLCDにおける報知メッセージの表示を見ることにより、バリスタ12が寿命に到達しているか否かを一目で確認することができる。そして、寿命に達している場合には、例えばその場でバリスタの交換作業を行うか、或いはメーカ等に交換を依頼することが可能となる。
【0027】
以上述べたように第1の実施形態では、バリスタ12にサージが印加された場合に、そのサージ電流を電流センサ13を介して電流検出部14で検出すると共に、サージの印加回数をカウントアップする。そして、寿命判定部15において、上記サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を、固定設定された規約波尾長の最大値をパラメータとしてインパルス寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。そして、寿命に達していると判定された場合に、その旨を、判定結果報知部16においてLEDを点灯するか或いはLCDに報知メッセージを表示することにより、保守員等に報知するようにしている。
【0028】
したがって、電子機器の運用中にバリスタ12の寿命が自動監視される。このため、保守員はバリスタ12が寿命に達したことを簡単かつ確実に認識することが可能となり、これによりバリスタ12の交換等の保守作業を遅滞なくまた早すぎることもなく常に適切なタイミングで行うことが可能となる。この結果、バリスタ12を、常に必要とされる耐サージ性能が保証される状態で使用することができ、これによりバリスタ12及びこの素子を使用する電子機器の破損や焼損を未然に防止して、信頼性を高く保持することができる。また、バリスタ12の交換を早すぎず常に適切なタイミングで行えるので、不必要な保守作業が行われないようになり、これにより経済性を高めることができる。
【0029】
また、検出電圧がしきい値と比較され、検出電圧がしきい値以上の場合にのみ当該検出電圧がサージに起因するものと判定されて、寿命判定が行われる。このため、バリスタ12の耐サージ性能にほとんど影響を与えない低電圧のサージが印加された場合に、この低電圧のサージを寿命判定の対象から除くことができ、これによりさらに正確な寿命判定を行うことが可能となる。
【0030】
(第2の実施形態)
この発明に係わる寿命判定方法及び判定回路の第2の実施形態は、耐サージ素子としてのバリスタにサージが印加された場合に、そのサージ電流を検出すると共にその電流波形から波尾長を求め、その上で印加回数をカウントアップする。そして、上記検出されたサージ電流値、算出された波尾長及びサージ印加回数のカウント値を、予め記憶してある上記バリスタの寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタが寿命に達したか否かを判定して、寿命に達した場合にその旨の報知メッセージを保守センタに送信するようにしたものである。
【0031】
図4は、この発明の第1の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。この電子機器は、例えば移動通信システムの基地局として使用される。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を付して説明を行う。
【0032】
この実施形態の寿命判定回路は、電流センサ13と、電流検出部17と、マイクロコンピュータ20とを備えている。
電流検出部17は、電圧/電流変換器と、アナログ/ディジタル(A/D)変換器とを備える。そして、上記電流センサ13から出力された検出電圧を電圧/電流変換器で電流値に変換したのち、この変換された検出電流値をA/D変換器でディジタル値に変換する。
【0033】
マイクロコンピュータ20は、中央処理ユニット(CPU)21を備える。このCPU21には、バス22を介して、入力インタフェース23と、通信インタフェース24とが接続され、さらにプログラムメモリ25と、データメモリ26とが接続される。
【0034】
入力インタフェース23は、CPU21の制御の下、上記電流検出部17から検出電流のディジタル値を取り込む。通信インタフェース24は、CPU21の制御の下、寿命報知メッセージを通信回線を介して図示しない保守センタへ送信する。
【0035】
データメモリ26には、寿命特性記憶部26aと、サージ波形記憶部26bと、サージ印加回数記憶部26cとが設けられている。寿命特性記憶部26aには、使用される上記バリスタ12のインパルス寿命特性が記憶される。サージ波形記憶部26bには、電流検出部17で検出されたサージのインパルス電流波形データが記憶される。サージ印加回数記憶部26cは、サージの印加回数のカウント値を記憶するために用いられる。
【0036】
プログラムメモリ25には、この発明に係わる寿命判定機能を実現するアプリケーションプログラムとして、サージ波形検出プログラム25aと、印加回数計数プログラム25bと、波尾長算出プログラム25cと、寿命判定プログラム25dと、通知制御プログラム25eとが記憶されている。
【0037】
このうち先ずサージ波形検出プログラム25aは、バリスタ12にサージが印加されるごとにその電流波形、つまりサージ電流の時間変化を検出するもので、上記電流検出部17において検出されたサージ電流値を所定のサンプリング周期で取り込み、この取り込んだ1波形分のサージ電流値をデータメモリ26のサージ波形記憶部26bに記憶する。
【0038】
印加回数計数プログラム25bは、バリスタ12にサージが印加されるごとにその印加回数を表すカウント値をカウントアップし、そのカウント値を上記データメモリ26のサージ印加回数記憶部26cに記憶する。
【0039】
波尾長算出プログラム25cは、上記サージ波形記憶部26bに記憶されたサージ電流波形のデータをもとに当該波形の規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点を検出する。そして、この検出された規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点をもとに波尾長を算出する。
【0040】
寿命判定プログラム25dは、上記サージ波形記憶部26bに記憶されたサージ電流波形のデータをもとにサージ電流の最大値を検出し、この検出されたサージ電流値、上記波尾長算出プログラム25cにより算出された波尾長、及び上記サージ印加回数記憶部26cに記憶された印加回数のカウント値を、寿命特性記憶部26aに記憶されているインパルス寿命特性と照合する。そして、その照合結果をもとにバリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。
【0041】
通知制御プログラム25eは、上記通知制御プログラム25eによりバリスタ12が寿命に達したと判定された場合に、その旨の報知メッセージを生成し、この報知メッセージを通信インタフェース24から通信回線を介して保守センタへ送信する。
【0042】
次に、以上のように構成された寿命判定回路の動作を判定手順に従い説明する。
電子機器の使用中に、雷サージが給電線11a,11bに印加されると、バリスタ12の抵抗値が急減してサージ電流がバリスタ12を介して側流され、これにより電子機器10はサージによる過電流から保護される。
【0043】
一方、このときサージ電流は電流センサ13により電圧値として検出され、この検出電圧は電流検出部17に入力される。電流検出部14では、上記電流センサ13から出力された検出電圧が先ず電圧/電流変換器により電流値に変換され、続いてA/D変換器によりディジタル値に変換される。
【0044】
さて、上記サージが発生するとマイクロコンピュータ20は次のように寿命判定処理を実行する。図5は、マイクロコンピュータ20の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0045】
すなわち、マイクロコンピュータ20は、ステップ5aでサージの発生を検出するとステップ5に移行し、このステップ5bにおいて上記電流検出部17からサージ電流の検出値を所定のサンプリング周期で順次取り込み、この取り込んだ1波形分のサージ電流値をデータメモリ26のサージ波形記憶部26bに記憶する。例えば、サージ電流波形が図6に示すような単極性インパルス電流波形であれば、一定の周期で設定される複数のサンプリングタイミングt0 ,t1 ,t2 ,…,tn …においてそれぞれ電流値i0 ,i1 ,i2 ,…,in …を検出し、この検出された電流値i0 ,i1 ,i2 ,…,in …をサージ波形記憶部26bに記憶する。
【0046】
そして、1波形分の電流検出値を記憶し終わると、次にマイクロコンピュータ20は上記サージ波形記憶部26bに記憶された1波形分の電流検出値をもとに、ステップ5c〜ステップ5fにおいてそれぞれ規約原点、波高値、波高点及び半波高点を検出する。
【0047】
図7は、その検出方法を説明するための図である。先ず規約原点O1 は、波頭における10%波高点Aと90%波高点Bとを結ぶ直線が時間軸と交わる点として検出される。波高点Pは波形上の最高点として検出され、波高値CF ̄は検出された上記波高点Pにおける電流の瞬時値として検出される。最後に半波高点Q1 ,Q2 は、波高値CF ̄の50%に相当する波形上の点の瞬時値として検出される。
【0048】
続いてマイクロコンピュータ20は、ステップ5gにより、上記検出された各値をもとに波尾長T2 を算出する。波尾長T2 は、波高点Pより後の波形部分(波尾)の継続時間であり、規約原点O1 から波尾の半波高点Q2 までの長さとして算出される。なお、T1 は波頭長を示す。この算出された波尾長T2 は、ステップ5hによりサージ波形記憶部26bに追加記憶される。
【0049】
次にマイクロコンピュータ20は、ステップ5oで、上記検出された波高値CF ̄をしきい値と比較し、波高値CF ̄はしきい値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、波高値CF ̄がしきい値未満だったとすると、上記検出された電流波形はサージではないと判断する。そして、ステップ5pにより、上記検出された各値をサージ波形記憶部26bから消去し、制御を終了する。
【0050】
一方、上記判定の結果、波高値CF ̄がしきい値以上だったとする。この場合マイクロコンピュータ20は、上記検出された電流波形をサージであると判断してステップ5iに移行し、ここでサージ印加回数記憶部26cに記憶されているサージ印加回数のカウント値をカウントアップする。
【0051】
続いてマイクロコンピュータ20は、ステップ5jにより寿命特性記憶部26aからバリスタ12の寿命特性データを読み出し、ステップ5kにおいて上記サージ波形記憶部26bに記憶されている上記サージ電流波形の波高値CF ̄と、上記サージ印加回数記憶部26cに記憶されているサージ印加回数のカウント値を、上記算出された波尾長T2 をパラメータとして、上記読み出された寿命特性データと照合する。そして、この照合結果をもとにステップ5mによりバリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。
【0052】
例えば、いまサージ電流の波高値CF ̄が100A、サージ印加回数のカウント値が10回、サージ波尾長が200μsecだったとし、かつ寿命特性データとして図8に示す特性が記憶されていたとすると、この条件(図8に示す“Y”)での寿命はサージ印加回数が100回から1000回なので、バリスタ12はまだ交換時期に達していないと判定する。
【0053】
これに対し、サージ電流の波高値CF ̄が100Aでサージ波尾長が200μsecの場合で、かつサージ印加回数のカウント値が200回になったとすると、このカウント値=200回は100回から1000回の範囲に達しているため、バリスタ12は交換時期に達したと判定する。
【0054】
上記判定の結果、バリスタ12が交換時期に達したと判定すると、マイクロコンピュータ20はステップ5nに移行する。そして、このステップ5nで寿命報知メッセージを生成し、このメッセージを通信回線、例えば基地局と移動通信交換機との間を接続する制御回線を使用して、図示しない保守センタへ送信する。上記寿命報知メッセージには、交換時期に達した旨のメッセージと、基地局の識別情報(IDコード)とが挿入される。
【0055】
保守センタは、上記寿命報知メッセージが到来すると、この寿命報知メッセージを保守コンソールに表示する。したがって、保守管理担当者は上記表示されたメッセージにより、IDコードで表される基地局のバリスタ12が交換時期に達したことを認識することができ、例えばメーカの保守員を現地に派遣してバリスタ12の交換作業を行わせることができる。
【0056】
以上述べたように第2の実施形態では、バリスタ12にサージが印加された場合に、サージ電流の検出及びサージ印加回数のカウントに加えて、サージ電流波形の波尾長T2を求める。そして、この求められた波尾長T2をパラメータとして、上記サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を寿命特性データと照合し、バリスタ12の寿命を判定するようにしている。
【0057】
したがって、サージごとにその波尾長T2 を考慮してバリスタ12の寿命を判定することができ、これにより電流波形の異なるサージが印加された場合でも、サージごとに正確な寿命判定を行うことが可能となる。
【0058】
また、サージ電流波形を検出して記憶し、この記憶された電流波形から規約原点、波高値、波高点及び半波高点をそれぞれ検出してその検出値をもとに波尾長T2 を算出するようにしている。このため、ただ単に電流値を監視する場合に比べ、波尾長T2 を高精度に求めることができる。
【0059】
さらに、寿命判定の結果、バリスタ12が寿命に達したと判定された場合に寿命報知メッセージを生成し、このメッセージを通信回線を介して保守センタへ送信し表示させるようにしている。このため、保守員は各基地局を巡回することなく、保守センタにおいて各基地局のバリスタの寿命を遠隔監視することができ、これにより保守効率をさらに高めることができる。
【0060】
(その他の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、寿命判定回路を電子回路10とは別に設けた場合を例にとって説明したが、電子回路10内に設けてもよい。寿命判定回路を電子回路10内に設けることにより、電子回路10に既に備えられているマイクロコンピュータにより寿命判定処理を行わせることが可能となり、これにより電子機器の回路構成を簡単かつ小型化することができる。
【0061】
また、寿命報知メッセージに、現時点でのサージ印加回数のカウント値もしくはこのカウント値をもとに推定される交換期限を表す情報を含めて送信するとよい。このようにすると、保守担当者は交換期限をより正確に把握することができ、これにより保守効率が高くかつ的確な保守スケジュールを立案することが可能となる。
【0062】
さらに、サージ印加回数のカウント値と寿命特性データとをもとに交換の緊急度を判定し、この緊急度を表す情報を表示するようにしてもよい。このようにすると、保守管理者はさらに的確な保守スケジュールを立案することが可能となる。
【0063】
さらに、耐サージ素子としてはバリスタ以外にアレスタ等のその他の素子を使用することが可能であり、さらに耐サージ素子単体ではなく複数の素子により耐サージ機能を発揮する耐サージ回路にもこの発明は適用可能である。要するに、サージ電流の印加回数により寿命が決定される特性を持つ素子或いは回路であれば、如何なる素子或いは回路にもこの発明を適用可能である。
その他、電子機器の種類や寿命判定回路の回路構成、判定手順等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、耐サージ素子にサージが印加された場合に、当該サージの電流値を検出すると共に、上記耐サージ素子に対するサージの印加回数を計数する。そして、上記検出されたサージの電流値と、上記計数されたサージの印加回数と、予め用意された上記耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、上記耐サージ素子の寿命を判定し、この寿命の判定結果を報知するようにしている。
【0065】
したがって、この発明によれば、耐サージ素子の寿命に応じて確実かつタイムリな保守を行えるようになり、これにより耐サージ素子及びこの素子を使用した電子機器の信頼性の向上を図り得る耐サージ素子の寿命判定方法及び寿命判定回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した寿命判定回路に使用される電流センサの構造及び検出特性の一例を示す図。
【図3】図1に示す電子機器に使用されるバリスタのインパルス寿命特性の一例を示す図。
【図4】この発明の第2の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示す回路ブロック図。
【図5】図4に示した寿命判定回路に使用されるマイクロコンピュータの処理手順と処理内容を示すフローチャート。
【図6】サージ電流波形の検出方法を説明するための図。
【図7】サージ電流波形から波尾長を算出する方法を説明するための図。
【図8】図4に示す電子機器に使用されるバリスタのインパルス寿命特性を示す図。
【図9】従来における耐サージ回路の構成の一例を示す回路図。
【符号の説明】
10…電子回路、11a,11b…給電線、12…バリスタ、13…電流センサ、14,17…電流検出部、15…寿命判定部、16…判定結果報知部、20…マイクロコンピュータ、21…CPU、22…バス、23…入力インタフェース、24…通信インタフェース、25…プログラムメモリ、25a…サージ波形検出プログラム、25b…印加回数計数プログラム、25c…波尾長算出プログラム、25d…寿命判定プログラム、25e…通知制御プログラム、26…データメモリ、26a…寿命特性記憶部、26b…サージ波形記憶部、26c…サージ印加回数記憶部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば移動通信システムの基地局装置において、雷サージや静電気放電等から電子回路を保護するために使用される、バリスタやアレスタ等の耐サージ素子の寿命を判定する寿命判定方法及び寿命判定回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、移動通信システムの基地局装置等の電子機器においては、雷サージや静電気放電等のように電源配線や通信線路を伝わって機器内に浸入するサージから機器内の電子回路を保護するために、電源配線や通信線路に耐サージ回路を設けている。
【0003】
図9は従来提案されている耐サージ回路の構成の一例を示すものである。この耐サージ回路は、耐サージ素子としてのバリスタ1と、このバリスタ1に直列に接続された温度ヒューズ2とからなり、外部電源6に接続された負荷5に対し並列に接続される。なお、3は外部電源6からの過電流により溶断するヒューズ、4は電源スイッチである。このような耐サージ回路を設けることにより、電源配線にサージが印加されると、バリスタ1の抵抗値が低下してサージによる過電流はバリスタ1によりバイパスされ、この結果負荷5が保護される(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
発明協会公開技報 公技番号 2002−500636(2002−06−21)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バリスタ1に代表される耐サージ素子は、温度や湿度等の使用環境の変化や、サージが繰り返し印加されると、耐サージ性能の劣化を起こす。そして、耐サージ性能が電子機器で必要とされる性能以下に劣化すると、その後のサージの印加により電子機器内の電子回路が破損するおそれがある。また、バリスタ1のバリスタ電圧が電子機器の回路電圧値まで低下すると、バリスタ1の漏れ電流が増加してバリスタ1が発熱し、最終的に短絡破壊に至って最悪の場合には電子機器の焼損を引き起こすおそれがある。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、耐サージ素子の寿命に応じて確実かつタイムリな保守を行えるようにし、これにより耐サージ素子及びこの素子を使用した電子機器の信頼性の向上を図り得る耐サージ素子の寿命判定方法及び寿命判定回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明に係わる寿命判定方法及び寿命判定回路は、耐サージ素子にサージが印加された場合に、当該サージの電流値を検出すると共に、上記耐サージ素子に対するサージの印加回数を計数する。そして、上記検出されたサージの電流値と、上記計数されたサージの印加回数と、予め用意された上記耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、上記耐サージ素子の寿命を判定し、この寿命の判定結果を報知するようにしたものである。
【0008】
したがってこの発明によれば、耐サージ素子の使用中に、当該耐サージ素子に印加されたサージの電流値と、サージの印加回数と、予め用意された寿命特性とをもとに、耐サージ素子の寿命が判定され、その判定結果が保守員等に報知される。すなわち、耐サージ素子の寿命の自動監視がなされる。このため、例えば保守員は、耐サージ素子が寿命に達したことを認識することが可能となり、これにより耐サージ素子の交換等の保守作業を遅滞なくまた早すぎることもなく常に適切なタイミングで行うことが可能となる。
【0009】
したがって、耐サージ素子を、常に必要とされる耐サージ性能が保証される状態で使用することができ、これにより耐サージ素子及びこの素子を使用する電子機器の破損や焼損を未然に防止して、信頼性を高く保持することができる。また、耐サージ素子の交換を早すぎず常に適切なタイミングで行えるので、不必要な保守作業が行われないようになり、これにより経済性を高めることができる。
【0010】
また、上記印加されたサージの電流値と、サージの印加回数とに加え、サージ波形の波尾長を検出する。そして、この検出されたサージの電流値、波尾長及び印加回数と、予め用意された耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、耐サージ素子の寿命を判定し、この寿命の判定結果を報知するように構成することも可能である。
このように構成することで、検出されたサージの電流値と、サージの印加回数とに加え、サージの波尾長も考慮して耐サージ素子の寿命を判定することが可能となる。このため、例えば常に波尾長が最大となる条件下で寿命判定を行う場合に比べ、さらに正確な寿命判定が可能となる。
【0011】
上記サージの波尾長の検出方法としては、印加されたサージの波形を検出してその波形データを記憶し、この記憶された波形データからその規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点を検出する。そして、この検出された規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点をもとに波尾長を算出する方法を採用するとよい。このようにすると、サージごとにその波形が変化しても波尾長を正確に求めることができる。
【0012】
さらに、サージの印加回数を計数する方法として、印加されたサージの電流値が予め設定した規定値以上であるか否かを判定し、電流値が規定値以上と判定されたサージが印加された場合にのみ印加回数の計数値をカウントアップすることも可能である。このようにすると、耐サージ素子の耐サージ性能にほとんど影響を与えない低電圧のサージが印加された場合に、この低電圧のサージを寿命判定の条件から除くことができ、これによりさらに正確な寿命判定を行うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
この発明に係わる寿命判定方法及び判定回路の第1の実施形態は、耐サージ素子としてのバリスタにサージが印加された場合に、そのサージ電流を検出すると共に、サージの印加回数をカウントアップする。そして、このサージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を、波尾長の最大値をパラメータとして、予め記憶してある上記バリスタの寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタが寿命に達したか否かを判定して、寿命に達した場合にその旨を表示するようにしたものである。
【0014】
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。電子機器内には負荷としての電子回路10が設けられ、この電子回路10には図示しない電源回路から給電線11a,11bを介して電源電圧が供給される。
【0015】
上記給電線11a,11b間には耐サージ素子としてバリスタ12を使用した耐サージ回路が接続されている。また、この耐サージ回路の上記バリスタ12と給電線11bとの間には、電流センサ13が設けられている。この電流センサ13は、例えばコイルを使用した非接触センサからなり、上記耐サージ回路を流れるサージ電流に対応する電圧値を出力する。図2(a)は上記電流センサ13の構造の一例を、また(b)は検出特性の一例をそれぞれ示す図である。
【0016】
上記電流センサ13から出力された検出電圧は電流検出部14に入力される。電流検出部14は、電圧判定器と、電圧/電流変換器と、カウンタとを備える。電圧判定器は、上記電流センサ13から出力された検出電圧をしきい値と比較することにより、当該検出電圧がサージに起因するものであるか否かを判定する。電圧/電流変換器は、上記電圧判定器によりサージが印加されたと判定された場合に、上記電流センサ13から出力された検出電圧を電流値に変換して寿命判定部15へ出力する。カウンタは、上記電圧判定器によりサージが印加されたと判定された場合に、サージ印加回数のカウント値をカウントアップしてそのカウント値を寿命判定部15へ出力する。
【0017】
寿命判定部15は、上記使用中のバリスタ12のインパルス寿命特性を記憶している。このインパルス寿命特性は、例えば図3に示すごとくサージの電流値と、波尾長と、印加回数との関係を表したものである。そして、上記電流検出部14からサージの印加が通知されると、電流検出部14により検出されたサージの電流値及び印加回数のカウント値を上記インパルス寿命特性と比較し、バリスタ12が寿命に到達したか否かを判定する。なお、この判定に際しては波尾長をパラメータとし、その値は規約波尾長の最大値に固定設定する。
【0018】
判定結果通知部16は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又は液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)を使用した表示器を備える。そして、上記寿命判定部15からバリスタ12が寿命に到達したことを表す判定結果が通知された場合に、上記LEDを点灯するか或いはLCDにバリスタが寿命に達した旨を報知するメッセージを表示する。
【0019】
次に、以上のように構成された寿命判定回路の動作を判定手順に従い説明する。保守員は、バリスタ12を新規に接続するか又は交換すると、初期設定として、当該バリスタ12のインパルス寿命特性を表す定格データを寿命判定部15のメモリに記憶し、かつ電流検出部14のカウンタをリセットする。
【0020】
さて、電子機器の使用中に、雷サージが給電線11a,11bに印加されたとする。そうすると、バリスタ12の抵抗値が急減してサージ電流がバリスタ12を介して側流され、これにより電子機器10はサージによる過電流から保護される。
【0021】
一方、このときサージ電流は電流センサ13により電圧値として検出され、この検出電圧は電流検出部14に入力される。電流検出部14では、先ず上記電流センサ13から出力された検出電圧がしきい値と比較され、これにより当該検出電圧がサージに起因するものであるか否かが判定される。そして、サージが印加されたと判定されると、その旨が寿命判定部15に通知されると共に、上記電流センサ13から出力された検出電圧が電圧/電流変換器により電流値に変換され、この変換された電流値が寿命判定部15に供給される。またそれと共に、カウンタのサージ印加回数のカウント値がカウントアップされ、このカウントアップ後のカウント値が寿命判定部15に供給される。
なお、検出電圧がサージに起因するものではないと判定された場合には、上記検出電圧の電流値への変換及び印加回数のカウントアップは行われない。
【0022】
寿命判定部15では、上記電流検出部14からサージの印加が通知されると、サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値が、予め記憶されているインパルス寿命特性と比較され、これによりバリスタ12が寿命に到達したか否かが判定される。
【0023】
例えば、いま電流検出部14から供給されたサージ電流の検出値が10Aでかつサージ印加回数のカウント値が1回だったとする。これらを、波尾長を1000μsecの固定値として図3に示すインパルス寿命特性と照合すると、このときの条件ではサージ印加回数の寿命は10〜100回であるため、上記サージ印加回数のカウント値=1回はまだ寿命に到達していないと判定される。
【0024】
これに対し、電流検出部14から供給されたサージ電流の検出値が20Aでかつサージ印加回数のカウント値が7回だったとする。前述と同様に波尾長を1000μsecの固定値とすると、この条件ではバリスタ12の寿命は図3の“X”に示すようにサージ印加回数が2回〜10回である。このため、上記サージ印加回数のカウント値=7回は寿命に達したと判定され、その旨が判定結果報知部16に通知される。
【0025】
判定結果通知部16は、上記寿命判定部15から寿命に到達した旨の通知を受け取ると、LEDを点灯するか或いはLCDにバリスタ12が寿命に達した旨の報知メッセージを表示する。
【0026】
したがって、保守員は例えば定期点検において、上記LEDの点灯或いはLCDにおける報知メッセージの表示を見ることにより、バリスタ12が寿命に到達しているか否かを一目で確認することができる。そして、寿命に達している場合には、例えばその場でバリスタの交換作業を行うか、或いはメーカ等に交換を依頼することが可能となる。
【0027】
以上述べたように第1の実施形態では、バリスタ12にサージが印加された場合に、そのサージ電流を電流センサ13を介して電流検出部14で検出すると共に、サージの印加回数をカウントアップする。そして、寿命判定部15において、上記サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を、固定設定された規約波尾長の最大値をパラメータとしてインパルス寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。そして、寿命に達していると判定された場合に、その旨を、判定結果報知部16においてLEDを点灯するか或いはLCDに報知メッセージを表示することにより、保守員等に報知するようにしている。
【0028】
したがって、電子機器の運用中にバリスタ12の寿命が自動監視される。このため、保守員はバリスタ12が寿命に達したことを簡単かつ確実に認識することが可能となり、これによりバリスタ12の交換等の保守作業を遅滞なくまた早すぎることもなく常に適切なタイミングで行うことが可能となる。この結果、バリスタ12を、常に必要とされる耐サージ性能が保証される状態で使用することができ、これによりバリスタ12及びこの素子を使用する電子機器の破損や焼損を未然に防止して、信頼性を高く保持することができる。また、バリスタ12の交換を早すぎず常に適切なタイミングで行えるので、不必要な保守作業が行われないようになり、これにより経済性を高めることができる。
【0029】
また、検出電圧がしきい値と比較され、検出電圧がしきい値以上の場合にのみ当該検出電圧がサージに起因するものと判定されて、寿命判定が行われる。このため、バリスタ12の耐サージ性能にほとんど影響を与えない低電圧のサージが印加された場合に、この低電圧のサージを寿命判定の対象から除くことができ、これによりさらに正確な寿命判定を行うことが可能となる。
【0030】
(第2の実施形態)
この発明に係わる寿命判定方法及び判定回路の第2の実施形態は、耐サージ素子としてのバリスタにサージが印加された場合に、そのサージ電流を検出すると共にその電流波形から波尾長を求め、その上で印加回数をカウントアップする。そして、上記検出されたサージ電流値、算出された波尾長及びサージ印加回数のカウント値を、予め記憶してある上記バリスタの寿命特性と照合し、その照合結果をもとに上記バリスタが寿命に達したか否かを判定して、寿命に達した場合にその旨の報知メッセージを保守センタに送信するようにしたものである。
【0031】
図4は、この発明の第1の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。この電子機器は、例えば移動通信システムの基地局として使用される。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を付して説明を行う。
【0032】
この実施形態の寿命判定回路は、電流センサ13と、電流検出部17と、マイクロコンピュータ20とを備えている。
電流検出部17は、電圧/電流変換器と、アナログ/ディジタル(A/D)変換器とを備える。そして、上記電流センサ13から出力された検出電圧を電圧/電流変換器で電流値に変換したのち、この変換された検出電流値をA/D変換器でディジタル値に変換する。
【0033】
マイクロコンピュータ20は、中央処理ユニット(CPU)21を備える。このCPU21には、バス22を介して、入力インタフェース23と、通信インタフェース24とが接続され、さらにプログラムメモリ25と、データメモリ26とが接続される。
【0034】
入力インタフェース23は、CPU21の制御の下、上記電流検出部17から検出電流のディジタル値を取り込む。通信インタフェース24は、CPU21の制御の下、寿命報知メッセージを通信回線を介して図示しない保守センタへ送信する。
【0035】
データメモリ26には、寿命特性記憶部26aと、サージ波形記憶部26bと、サージ印加回数記憶部26cとが設けられている。寿命特性記憶部26aには、使用される上記バリスタ12のインパルス寿命特性が記憶される。サージ波形記憶部26bには、電流検出部17で検出されたサージのインパルス電流波形データが記憶される。サージ印加回数記憶部26cは、サージの印加回数のカウント値を記憶するために用いられる。
【0036】
プログラムメモリ25には、この発明に係わる寿命判定機能を実現するアプリケーションプログラムとして、サージ波形検出プログラム25aと、印加回数計数プログラム25bと、波尾長算出プログラム25cと、寿命判定プログラム25dと、通知制御プログラム25eとが記憶されている。
【0037】
このうち先ずサージ波形検出プログラム25aは、バリスタ12にサージが印加されるごとにその電流波形、つまりサージ電流の時間変化を検出するもので、上記電流検出部17において検出されたサージ電流値を所定のサンプリング周期で取り込み、この取り込んだ1波形分のサージ電流値をデータメモリ26のサージ波形記憶部26bに記憶する。
【0038】
印加回数計数プログラム25bは、バリスタ12にサージが印加されるごとにその印加回数を表すカウント値をカウントアップし、そのカウント値を上記データメモリ26のサージ印加回数記憶部26cに記憶する。
【0039】
波尾長算出プログラム25cは、上記サージ波形記憶部26bに記憶されたサージ電流波形のデータをもとに当該波形の規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点を検出する。そして、この検出された規約原点、波高値、波高点及び波尾における半波高点をもとに波尾長を算出する。
【0040】
寿命判定プログラム25dは、上記サージ波形記憶部26bに記憶されたサージ電流波形のデータをもとにサージ電流の最大値を検出し、この検出されたサージ電流値、上記波尾長算出プログラム25cにより算出された波尾長、及び上記サージ印加回数記憶部26cに記憶された印加回数のカウント値を、寿命特性記憶部26aに記憶されているインパルス寿命特性と照合する。そして、その照合結果をもとにバリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。
【0041】
通知制御プログラム25eは、上記通知制御プログラム25eによりバリスタ12が寿命に達したと判定された場合に、その旨の報知メッセージを生成し、この報知メッセージを通信インタフェース24から通信回線を介して保守センタへ送信する。
【0042】
次に、以上のように構成された寿命判定回路の動作を判定手順に従い説明する。
電子機器の使用中に、雷サージが給電線11a,11bに印加されると、バリスタ12の抵抗値が急減してサージ電流がバリスタ12を介して側流され、これにより電子機器10はサージによる過電流から保護される。
【0043】
一方、このときサージ電流は電流センサ13により電圧値として検出され、この検出電圧は電流検出部17に入力される。電流検出部14では、上記電流センサ13から出力された検出電圧が先ず電圧/電流変換器により電流値に変換され、続いてA/D変換器によりディジタル値に変換される。
【0044】
さて、上記サージが発生するとマイクロコンピュータ20は次のように寿命判定処理を実行する。図5は、マイクロコンピュータ20の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0045】
すなわち、マイクロコンピュータ20は、ステップ5aでサージの発生を検出するとステップ5に移行し、このステップ5bにおいて上記電流検出部17からサージ電流の検出値を所定のサンプリング周期で順次取り込み、この取り込んだ1波形分のサージ電流値をデータメモリ26のサージ波形記憶部26bに記憶する。例えば、サージ電流波形が図6に示すような単極性インパルス電流波形であれば、一定の周期で設定される複数のサンプリングタイミングt0 ,t1 ,t2 ,…,tn …においてそれぞれ電流値i0 ,i1 ,i2 ,…,in …を検出し、この検出された電流値i0 ,i1 ,i2 ,…,in …をサージ波形記憶部26bに記憶する。
【0046】
そして、1波形分の電流検出値を記憶し終わると、次にマイクロコンピュータ20は上記サージ波形記憶部26bに記憶された1波形分の電流検出値をもとに、ステップ5c〜ステップ5fにおいてそれぞれ規約原点、波高値、波高点及び半波高点を検出する。
【0047】
図7は、その検出方法を説明するための図である。先ず規約原点O1 は、波頭における10%波高点Aと90%波高点Bとを結ぶ直線が時間軸と交わる点として検出される。波高点Pは波形上の最高点として検出され、波高値CF ̄は検出された上記波高点Pにおける電流の瞬時値として検出される。最後に半波高点Q1 ,Q2 は、波高値CF ̄の50%に相当する波形上の点の瞬時値として検出される。
【0048】
続いてマイクロコンピュータ20は、ステップ5gにより、上記検出された各値をもとに波尾長T2 を算出する。波尾長T2 は、波高点Pより後の波形部分(波尾)の継続時間であり、規約原点O1 から波尾の半波高点Q2 までの長さとして算出される。なお、T1 は波頭長を示す。この算出された波尾長T2 は、ステップ5hによりサージ波形記憶部26bに追加記憶される。
【0049】
次にマイクロコンピュータ20は、ステップ5oで、上記検出された波高値CF ̄をしきい値と比較し、波高値CF ̄はしきい値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、波高値CF ̄がしきい値未満だったとすると、上記検出された電流波形はサージではないと判断する。そして、ステップ5pにより、上記検出された各値をサージ波形記憶部26bから消去し、制御を終了する。
【0050】
一方、上記判定の結果、波高値CF ̄がしきい値以上だったとする。この場合マイクロコンピュータ20は、上記検出された電流波形をサージであると判断してステップ5iに移行し、ここでサージ印加回数記憶部26cに記憶されているサージ印加回数のカウント値をカウントアップする。
【0051】
続いてマイクロコンピュータ20は、ステップ5jにより寿命特性記憶部26aからバリスタ12の寿命特性データを読み出し、ステップ5kにおいて上記サージ波形記憶部26bに記憶されている上記サージ電流波形の波高値CF ̄と、上記サージ印加回数記憶部26cに記憶されているサージ印加回数のカウント値を、上記算出された波尾長T2 をパラメータとして、上記読み出された寿命特性データと照合する。そして、この照合結果をもとにステップ5mによりバリスタ12が寿命に達したか否かを判定する。
【0052】
例えば、いまサージ電流の波高値CF ̄が100A、サージ印加回数のカウント値が10回、サージ波尾長が200μsecだったとし、かつ寿命特性データとして図8に示す特性が記憶されていたとすると、この条件(図8に示す“Y”)での寿命はサージ印加回数が100回から1000回なので、バリスタ12はまだ交換時期に達していないと判定する。
【0053】
これに対し、サージ電流の波高値CF ̄が100Aでサージ波尾長が200μsecの場合で、かつサージ印加回数のカウント値が200回になったとすると、このカウント値=200回は100回から1000回の範囲に達しているため、バリスタ12は交換時期に達したと判定する。
【0054】
上記判定の結果、バリスタ12が交換時期に達したと判定すると、マイクロコンピュータ20はステップ5nに移行する。そして、このステップ5nで寿命報知メッセージを生成し、このメッセージを通信回線、例えば基地局と移動通信交換機との間を接続する制御回線を使用して、図示しない保守センタへ送信する。上記寿命報知メッセージには、交換時期に達した旨のメッセージと、基地局の識別情報(IDコード)とが挿入される。
【0055】
保守センタは、上記寿命報知メッセージが到来すると、この寿命報知メッセージを保守コンソールに表示する。したがって、保守管理担当者は上記表示されたメッセージにより、IDコードで表される基地局のバリスタ12が交換時期に達したことを認識することができ、例えばメーカの保守員を現地に派遣してバリスタ12の交換作業を行わせることができる。
【0056】
以上述べたように第2の実施形態では、バリスタ12にサージが印加された場合に、サージ電流の検出及びサージ印加回数のカウントに加えて、サージ電流波形の波尾長T2を求める。そして、この求められた波尾長T2をパラメータとして、上記サージ電流の検出値及びサージ印加回数のカウント値を寿命特性データと照合し、バリスタ12の寿命を判定するようにしている。
【0057】
したがって、サージごとにその波尾長T2 を考慮してバリスタ12の寿命を判定することができ、これにより電流波形の異なるサージが印加された場合でも、サージごとに正確な寿命判定を行うことが可能となる。
【0058】
また、サージ電流波形を検出して記憶し、この記憶された電流波形から規約原点、波高値、波高点及び半波高点をそれぞれ検出してその検出値をもとに波尾長T2 を算出するようにしている。このため、ただ単に電流値を監視する場合に比べ、波尾長T2 を高精度に求めることができる。
【0059】
さらに、寿命判定の結果、バリスタ12が寿命に達したと判定された場合に寿命報知メッセージを生成し、このメッセージを通信回線を介して保守センタへ送信し表示させるようにしている。このため、保守員は各基地局を巡回することなく、保守センタにおいて各基地局のバリスタの寿命を遠隔監視することができ、これにより保守効率をさらに高めることができる。
【0060】
(その他の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、寿命判定回路を電子回路10とは別に設けた場合を例にとって説明したが、電子回路10内に設けてもよい。寿命判定回路を電子回路10内に設けることにより、電子回路10に既に備えられているマイクロコンピュータにより寿命判定処理を行わせることが可能となり、これにより電子機器の回路構成を簡単かつ小型化することができる。
【0061】
また、寿命報知メッセージに、現時点でのサージ印加回数のカウント値もしくはこのカウント値をもとに推定される交換期限を表す情報を含めて送信するとよい。このようにすると、保守担当者は交換期限をより正確に把握することができ、これにより保守効率が高くかつ的確な保守スケジュールを立案することが可能となる。
【0062】
さらに、サージ印加回数のカウント値と寿命特性データとをもとに交換の緊急度を判定し、この緊急度を表す情報を表示するようにしてもよい。このようにすると、保守管理者はさらに的確な保守スケジュールを立案することが可能となる。
【0063】
さらに、耐サージ素子としてはバリスタ以外にアレスタ等のその他の素子を使用することが可能であり、さらに耐サージ素子単体ではなく複数の素子により耐サージ機能を発揮する耐サージ回路にもこの発明は適用可能である。要するに、サージ電流の印加回数により寿命が決定される特性を持つ素子或いは回路であれば、如何なる素子或いは回路にもこの発明を適用可能である。
その他、電子機器の種類や寿命判定回路の回路構成、判定手順等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、耐サージ素子にサージが印加された場合に、当該サージの電流値を検出すると共に、上記耐サージ素子に対するサージの印加回数を計数する。そして、上記検出されたサージの電流値と、上記計数されたサージの印加回数と、予め用意された上記耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、上記耐サージ素子の寿命を判定し、この寿命の判定結果を報知するようにしている。
【0065】
したがって、この発明によれば、耐サージ素子の寿命に応じて確実かつタイムリな保守を行えるようになり、これにより耐サージ素子及びこの素子を使用した電子機器の信頼性の向上を図り得る耐サージ素子の寿命判定方法及び寿命判定回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した寿命判定回路に使用される電流センサの構造及び検出特性の一例を示す図。
【図3】図1に示す電子機器に使用されるバリスタのインパルス寿命特性の一例を示す図。
【図4】この発明の第2の実施形態に係わる寿命判定回路を備えた電子機器の構成を示す回路ブロック図。
【図5】図4に示した寿命判定回路に使用されるマイクロコンピュータの処理手順と処理内容を示すフローチャート。
【図6】サージ電流波形の検出方法を説明するための図。
【図7】サージ電流波形から波尾長を算出する方法を説明するための図。
【図8】図4に示す電子機器に使用されるバリスタのインパルス寿命特性を示す図。
【図9】従来における耐サージ回路の構成の一例を示す回路図。
【符号の説明】
10…電子回路、11a,11b…給電線、12…バリスタ、13…電流センサ、14,17…電流検出部、15…寿命判定部、16…判定結果報知部、20…マイクロコンピュータ、21…CPU、22…バス、23…入力インタフェース、24…通信インタフェース、25…プログラムメモリ、25a…サージ波形検出プログラム、25b…印加回数計数プログラム、25c…波尾長算出プログラム、25d…寿命判定プログラム、25e…通知制御プログラム、26…データメモリ、26a…寿命特性記憶部、26b…サージ波形記憶部、26c…サージ印加回数記憶部。
Claims (2)
- 耐サージ素子にサージが印加された場合に、当該サージの電流値を検出する工程と、
前記耐サージ素子に対する前記サージの印加回数を計数する工程と、
前記検出されたサージの電流値と、前記計数されたサージの印加回数と、予め用意された前記耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、前記耐サージ素子の寿命を判定する工程と、
前記寿命の判定結果を報知する工程と
を具備したことを特徴とする耐サージ素子の寿命判定方法。 - 耐サージ素子にサージが印加された場合に、当該サージの電流値を検出する検出手段と、
前記耐サージ素子に対する前記サージの印加回数を計数する計数手段と、
前記検出手段により検出されたサージの電流値と、前記計数手段により計数されたサージの印加回数と、予め用意された前記耐サージ素子の寿命特性とに基づいて、前記耐サージ素子の寿命を判定する判定手段と、
前記判定手段による寿命の判定結果を報知する報知手段と
を具備したことを特徴とする耐サージ素子の寿命判定回路。
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