JP2004273206A - カラー受像管装置 - Google Patents

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Yasuyuki Ueda
康之 上田
Masahiko Sukeno
雅彦 助野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】電子銃の主レンズにおける水平方向と垂直方向の集束作用の差を拡大し、もって必要なダイナミック電圧を低減できるカラー受像管装置を提供すること。
【解決手段】カラー受像管装置に取り付けられる電子銃6は、第3集束電極17との電位差により主レンズ電界を形成する最終加速電極18と、最終加速電極18の蛍光体スクリーン側に配設されシールドカップ19とを有し、最終加速電極18内には、シールドカップ19のビーム通過孔を垂直方向から挟み込み、かつ、主レンズ電界が形成される方向に延出する状態で一対の衝立状電極22が設けられており、衝立状電極22の端部が、補正電極板21のビーム通過孔内に位置する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー受像管装置に関し、特に、インライン形電子銃の構成の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー受像管装置は、インライン配列された3つの陰極より3本の電子ビームを射出する電子銃を備え、射出された電子ビームを偏向磁界によって偏向させて水平・垂直走査しながら蛍光体スクリーンに照射し、カラー画像を表示する構成となっている。電子銃による最適なフォーカスは、電子ビームのビームスポットが径小かつ真円に近い状態で蛍光体スクリーンに照射された場合に得られ、このとき高解像度の画像が表示される。ところが、現実には、偏向角が増大すると電子ビーム軌道が長くなるため、中央部において最適なフォーカス状態であったとしても、偏向角が増すとオーバーフォーカスとなり、スクリーン周辺部では解像度が低下することになる。そこで、これを改善するため、偏向角が増大するとともに、漸次に上昇するダイナミック電圧を集束電極に印加して主レンズの集束作用を弱め、上記のオーバーフォーカスを解消して全偏向角において最適なフォーカスを得る、いわゆるダイナミックフォーカス技術が多く採用されている。
【0003】
上記フォーカスとは異なる課題としてビームスポット形状の問題がある。すなわち、カラー受像管装置に用いられる偏向磁界は、一般に、3本の電子ビームを画面上で集中させるセルフコンバーゼンス方式を採用しており、このため、水平偏向磁界はピンクッション状に、垂直偏向磁界はバレル状に歪んでいる。この偏向磁界の影響により、ビームスポット形状が変形して解像度が低下する。これを改善するために偏向収差補正用の軸非対称4極レンズを主レンズより陰極側に形成し、主レンズに入射する電子ビーム形状を調整することにより、全偏向角において、最適なビームスポット形状を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図13を参照しながら、ダイナミックフォーカスと偏向収差補正用の軸非対称4極レンズを採用した技術を概説する。図13に示す電子銃は、陰極111a、111b、111cと、制御格子電極112と、第1加速電極113と、第1集束電極114と、第2加速電極115と、筒状の第2集束電極116と、筒状の第3集束電極117と、筒状の最終加速電極118と、シールドカップ119とを電子ビームの進路上に順次配列したものである。第2集束電極116は、第3集束電極117と対向する面に、縦長矩形のビーム通過孔116a、116b、116cが形成されており、第3集束電極117は、第2集束電極116と対向する面に、横長矩形のビーム通過孔117が形成されている。第3集束電極117及び最終加速電極118は、対向する開口部から少し後退した位置に、3つのビーム通過孔を有する補正電極板120、121が、それぞれ配されている。
【0005】
第1加速電極113及び第2加速電極115には、一定の電圧が印加され、第1集束電極及び第2集束電極には一定のフォーカス電圧Vfoc1が印加され、シールドカップ119に接続された最終加速電極118には高圧Vaが与えられる。第3集束電極117には、偏向角の増大にともなって、Vfoc1から漸次に上昇するダイナミック電圧が印加される。なお、図中のVdは、ダイナミック電圧を示す。
【0006】
偏向角が0度のときは、第3集束電極117と最終加速電極118との電位差によって両電極117、118間に主レンズ電界が生成されるが、第2集束電極116と第3集束電極117とは同電位であるため、両電極116、117間にはレンズ電界は生じない。このとき、主レンズ電界によって、電子ビームが集束されて蛍光体スクリーン上にフォーカスされる。
【0007】
偏向角が増大すると、第3集束電極117にはダイナミック電圧が加えられ、その電位は最終加速電極118の電位Vaに近づくので、主レンズのレンズ作用は弱められる。その一方で、第2集束電極116、第3集束電極117間に電位差が生じるので、水平方向で集束作用、垂直方向で発散作用を奏する軸非対称の4極レンズが形成される。この4極レンズのレンズ作用によって、水平方向で発散作用、垂直方向で集束作用を奏する偏向磁界の一部が打ち消されるので、偏向磁界によってビームスポット形状が変形することを防止することができる。
【0008】
上記の技術によって良好なビームスポット形状が得られるが、ダイナミック電圧は、フォーカス電圧Vfoc1に加えて印加されるため、カラー受像管装置の大型化にともない、その必要量も増大し、ダイナミック電圧を発生させる回路構成も煩雑となりコスト高を招くという問題がある。
そこで、本発明者によって、第3集束電極117に印加するダイナミック電圧を、第2集束電極116に印加されるフォーカス電圧Vfoc1より低いフォーカス電圧Vfoc2から上昇させることで、必要とされるダイナミック電圧を低減することが検討された。
【0009】
図14は、かかる電圧が印加される電子銃の構成を示した図である。第3集束電極117には、第2集束電極116に印加されるフォーカス電圧Vfoc1よりも低い電圧Vfoc2から漸次に上昇するダイナミック電圧が印加される。偏向角が0度のとき、第3集束電極117と最終加速電極118とは電位差を有し、両電極117、118間に、水平方向に発散作用、垂直方向に集束作用を奏する軸非対称の4極レンズ電界が形成される。ここで、偏向角が0度のときに、主レンズの集束作用に対して、4極レンズのレンズ作用が加えられるので、最適なビームスポットが得られないという問題が生じる。
【0010】
そこで、本発明者は、主レンズにおいて、水平方向の集束作用が垂直方向の集束作用よりも強い特性をもたせ、水平方向と垂直方向とで集束作用の差(以下、「HV差」と表記する。)をつけることを提案した(例えば、特許文献2)。主レンズにおいてHV差をつけることによって、偏向角が0度のときに生じる4極レンズによる水平方向の発散作用、垂直方向の集束作用が相殺されるので、最適なビームスポットを得ることができる。以上より、主レンズにおいてHV差をつけることによって、ダイナミック電圧をフォーカス電圧Vfoc1よりも低いフォーカス電圧Vfoc2から上昇させることができるので、必要なダイナミック電圧を低減することができる。
【0011】
近年、カラー受像管装置は大型化の一途をたどっており、さらなるダイナミック電圧の低減に対する要請が高まっている。ダイナミック電圧を低減するには、さらに主レンズにおいて大きなHV差をつけてダイナミック電圧をさらに低い値から上昇させる必要がある。
ここで、上記の技術において、主レンズは、OLF(Over Lapping Field)という技術を用いることによって構成されている。OLFは、限られた電子銃の口径の中でレンズ口径を実効的に拡大する技術であり、RGBにそれぞれに対応する3つの各レンズの一部がオーバーラップして、これら3つのレンズが相互に干渉することで、実効的にレンズ口径の拡大が実現される(例えば、特許文献3)。レンズ口径が拡大されると、主レンズにおける球面収差を改善することができ、良好な形状のビームスポットを得ることができる。その一方で、OLFは複雑な構造をなしているため、HV差をさらに拡大することは設計上困難であるという問題を有している。
【0012】
そこで、図15に示すように、最終加速電極118内において、シールドカップ119のビーム通過孔119a、119b、119cを垂直方向から挟み込む一対の衝立状電極122を形成することによって、HV差を拡大する技術がある(例えば、非特許文献1)。ここで、主レンズを生成する主レンズ電界について簡単に説明する。筒状の第3集束電極117に低圧を、筒状の最終加速電極118に高圧を印加すると、両電極117、118の間隙に主レンズ電界が形成される。主レンズ電界は、第3集束電極117では、等電位線が陰極111側へ凸状の分布となり、電子ビームを集束する作用を及ぼし、最終加速電極118では、等電位線が蛍光体スクリーン側へ凸状の分布となり、電子ビームを発散する作用を及ぼす。主レンズ電界全体では、第3集束電極における集束作用の方が強くはたらいて、集束作用を及ぼすことになる。ここで、図15(b)に示すように、シールドカップ119のビーム通過孔を垂直方向から挟み込み、最終加速電極118内において主レンズ電界の方向に伸びる一対の衝立状電極122a、122bを設けると、最終加速電極118内部に浸透する等電位線が垂直方向のみで圧縮され、垂直方向の発散作用だけが強まる。これにより、主レンズ電界においては、垂直方向よりも水平方向の集束作用が強くなるので、主レンズにおけるHV差を拡大することになる。
【0013】
また、最終加速電極118における補正電極板121のビーム通過孔の垂直径を縮小すると、上記と同様に、最終加速電極118内部に浸透する等電位線が垂直方向のみで圧縮され、主レンズにおいて垂直方向の発散作用だけが強まる。これにより、最終加速電極118内に配された補正電極板121のビーム通過孔の垂直径を縮小することによっても、主レンズにおいてHV差を拡大することができる。
【0014】
【特許文献1】
特開昭61−99249号公報
【0015】
【特許文献2】
特許第3040272号公報
【0016】
【特許文献3】
特公平2−18540号公報
【0017】
【非特許文献1】
International Display Workshop (IDW ´97) p.461−464 Fig.10
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に示すカラー陰極線管装置では、衝立状電極122によって主レンズにおけるHV差が拡大されるものの、その大きさは、水平方向と垂直方向とのフォーカス電圧の差で約500〜1000V程度であり、かかる程度のHV差では、近年の陰極線管装置の大画面化に対して、ダイナミック電圧を十分に低下させることができないという問題を有している。
【0019】
また、上述のように、補正電極板121のビーム通過孔の垂直径を縮小することでHV差を拡大する方法も考えられるが、かかる方法は電子銃の設計上において問題がある。以下、その理由について説明する。電子銃は複数の電極から構成されており、各電極の相対的な位置がずれると、レンズの性能が低下する弊害が生じるので、各電極は高精度に位置決めをする必要がある。そこで、電子銃の各電極の位置決めには組立ピンを使用し、各電極のビーム通過孔に組立ピンを貫通させて、複数の電極を最適に配することが通常行われている。ここで、組立ピンは、先端部に近づくほど漸次に細くなる形状をなしており、これを最終加速電極のビーム通過孔から陰極方向の電極のビーム通過孔へ貫通させて各電極の位置決めをするので、各ビーム通過孔の大きさは、通常、最終加速電極側のものほど大きく、陰極側のものほど小さくなるように設計される。したがって、主レンズにおけるHV差を拡大するために、最終加速電極118内の補正電極板121のビーム通過孔を小さくすると、陰極111付近に配されるビーム通過孔が非常に小さいものとなり、電子ビームの多くがビーム通過孔を通過することなく電極に衝突してしまうことが生じる。したがって、補正電極板121のビーム通過孔の垂直径を縮小することによって、主レンズにおけるHV差を拡大することは設計上の理由により限界がある。
【0020】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、電子銃の設計上の問題を生じることなく、主レンズにおけるHV差を拡大し、ひいてはダイナミック電圧を低減することができるカラー受像管装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の電子ビームを射出するインライン形電子銃と、複数の電子ビームが照射される蛍光体スクリーンとを有するカラー受像管装置であって、インライン形電子銃は、集束電極と、当該集束電極の蛍光体スクリーン側に配設され、当該集束電極との電位差により主レンズ電界を形成するとともに、当該集束電極側の筒状開口部より後退した位置に、複数の第1のビーム通過孔が形成された補正電極板を有する最終加速電極と、当該最終加速電極の蛍光体スクリーン側に配設され、複数の第2のビーム通過孔が形成されたシールドカップとを少なくとも有し、第2のビーム通過孔を垂直方向から挟み込み、かつ、主レンズ電界が形成される方向に延出する状態で一対の衝立状電極がシールドカップに設けられ、当該衝立状電極の端部が、第1のビーム通過孔内に位置することを特徴としている。
【0022】
従来の電子銃では、衝立状電極は、補正電極板と最終加速電極間の電位勾配の緩やかなところに設けられていたため、主レンズにおけるHV差を拡大する効果は小さかったが、本発明では、電位勾配がより急峻な第1のビーム通過孔内に衝立状電極の端部を位置させているので、従来の電子銃よりも、主レンズにおけるHV差をより拡大することができる。加えて、衝立状電極は対をなしており、第2のビーム通過孔を垂直方向から挟み込み、かつ、主レンズ電界が形成される方向に延出する状態で設けられており、その端部は、第1のビーム通過孔内に位置するので、衝立状電極は、第1のビーム通過孔の垂直径を縮小する役割を果している。これにより、電子銃の設計上の問題を生じることなく、衝立状電極を設けるという簡易な構成によって第1のビーム通過孔の垂直径を縮小できるので、主レンズにおけるHV差をより拡大することができる。
【0023】
上記のカラー受像管装置において、補正電極板は、センタービームが通過する孔と、サイドビームが通過する一部が切欠かれた孔とが形成されていることが好ましい。これにより、補正電極板と最終加速電極の内面とによって形成されるサイドビームが通過するビーム通過孔の径を大きくできるので、衝立状電極と補正電極板との嵌合に余裕ができ、電子銃の組立が容易になるという利点がある。
【0024】
また、設計上、第1のビーム通過孔のうち中央のビーム通過孔の水平径が小さくなるときには、衝立状電極の端部は、第1のビーム通過孔のうち、サイドビームが通過するビーム通過孔にのみ位置する構成としてもよい。これにより、衝立状電極と補正電極板との嵌合に余裕ができ、電子銃の組立が容易になるという利点がある。
【0025】
また、上記集束電極と最終加速電極との間に、筒状の中間電極を配設することが好ましい。主レンズ電界を生成する集束電極と最終加速電極との間に中間電極を配設することによって、主レンズ電界の生成域を管軸方向に拡大することができる。このため、主レンズの実効的な口径が拡大され、主レンズの球面収差が低減されて、ビームスポットがより良好な形状となるので、解像度の高い映像を表示することができる。
【0026】
さらに、上記集束電極と上記最終加速電極との中間の電位を上記中間電極に与えることが好ましい。中間電極には集束電極と最終加速電極との中間の電位が与えられているので、主レンズ電界の電位勾配が緩やかになる。これにより、主レンズの実効的なレンズ口径がさらに拡大され、レンズの球面収差が低減されるので、解像度の高い映像を表示することができる。
【0027】
また、上記の各カラー受像管装置において、主レンズ電界が形成される位置よりも蛍光体スクリーン側に、水平方向で集束作用、かつ、垂直方向で発散作用を有する4極レンズ電界が形成されることが好ましい。上記の4極レンズ電界は、主レンズにおけるHV差をより拡大するようにはたらくので、ダイナミック電圧をより低い値から上昇させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るカラー受像管装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
はじめに、本発明の実施の形態に係るカラー受像管装置1について説明する。図1は、カラー受像管装置1の構成を示す一部切欠き断面図である。本実施の形態に係るカラー受像管装置1は、パネル2及びファンネル3からなる外囲器を有し、パネル2の内面には、青、緑及び赤の蛍光体が塗布された蛍光体スクリーン4が形成されている。そして、蛍光体スクリーン4と対向するファンネル3のネック部5にはインライン型電子銃(以下、「電子銃」と表記する。)6が収納されている。電子ビーム7は、入力信号に応じて電子銃6から射出され、ネック部5とファンネル部3との境界面に沿って設けられた偏向コイル9によって惹起される偏向磁界の中を通過して垂直・水平方向に所定量偏向され、シャドウマスク8に形成された開孔を通って蛍光体スクリーン4に到達する。以下、カラー受像管装置1に備えられた電子銃6の各実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図2及び図3を参照しながら、第1の実施の形態に係る電子銃6の構成を説明する。図2は、電子銃6の一部切欠き斜視図であり、図3は、電子銃6のインライン面における断面図である。
図2及び図3に示すように、電子銃6は、インライン配置された3組の陰極11a、11b、11cと、これらを収納する制御格子電極12と、板状の第1加速電極13と、板状の第1集束電極14と、板状の第2加速電極15と、筒状の第2集束電極16と、筒状の第3集束電極17と、筒状の最終加速電極18と、シールドカップ19とを順次に配列してなる。
【0030】
制御格子電極12、第1加速電極13、第1集束電極14及び第2加速電極15には、それぞれRGBの電子ビームに対応して3つの電子ビーム通過孔が設けられている。第2集束電極16の第3集束電極17側の面には、図4(a)に示すような縦長矩形の3つの電子ビーム通過孔16a、16b、16cが形成されている。また、第3集束電極17の、第2集束電極16側の面には、図4(b)に示すような横長矩形の3つの電子ビーム通過孔17a、17b、17cが形成されており、第3集束電極17の最終加速電極18側には、1つの開口部を有している。
【0031】
さらに、第3集束電極17は、図5に示すように、非円形の3つのビーム通過孔17e、17f、17gを有する補正電極板20を内部に備えている。この補正電極板20は、第3集束電極17の最終加速電極18側の開口部から少し後退した位置に設けられている。
最終加速電極18は、図3に示すように、第3集束電極17側及びシールドカップ19側に、それぞれ1つの開口部を有している。さらに、最終加速電極18は、図5とほぼ同様な非円形の3つのビーム通過孔(第1のビーム通過孔)が形成された補正電極板21を内部に備えている。補正電極板21は、最終加速電極18の第3集束電極17側の開口から少し後退した位置に設けられている。
【0032】
上記のような補正電極板20、21をそれぞれ第3集束電極17及び最終加速電極18内において、開口部から少し後退した位置に配設すると以下に述べる理由によりレンズの実効径を拡大することができる。筒状の第3集束電極17に低圧を、筒状の最終加速電極18に高圧を印加すると、両電極17、18の間隙に主レンズ電界が形成される。従来技術の項で述べたように、第3集束電極17及び最終加速電極18は筒状であり、それぞれの開口部が対向しているので、第3集束電極17では、高電位が電極内に侵入して等電位線が陰極11側へ凸状の分布となり、電子ビームを集束する作用を及ぼし、最終加速電極18では、低電位が電極内に侵入して等電位線が蛍光体スクリーン側へ凸状の分布となり、電子ビームを発散する作用を及ぼす。主レンズ電界全体では、第3集束電極17における集束作用の方が強くはたらいて、電子ビームに対して集束作用を及ぼすことになる。ここで、補正電極板20、21を両電極17、18の対向面の開口部から少し後退した位置に配すると、両電極17、18内に電位がより深く侵入することになるので、主レンズの実効径が大きくなり、これによって、主レンズの球面収差が改善されるという効果が得られる。
【0033】
また、図6に示すように、シールドカップ19にはビーム通過孔19a、19b、19c(第2のビーム通過孔)が形成され、最終加速電極18側の端部には、シールドカップ19のビーム通過孔19a、19b、19cを垂直方向から挟み込み、主レンズ電界が形成される方向に伸びる一対の衝立状電極22a、22bが設けられている。図3に示すように、最終加速電極18とシールドカップ19とは、電気的に接続されており、矩形状をした衝立状電極22の端部は、最終加速電極18内の補正電極板21のビーム通過孔を貫通するように設けられている。
【0034】
ここで、図7に示すような形状の補正電極板23を最終加速電極18内に配してもよい。図7(a)は、補正電極板23を管軸方向からみた正面図であり、図7(b)は、補正電極板23のインライン面における断面図である。図7(a)に示すように、補正電極板23の輪郭は、左右対称に中央部がくびれた形状となっており、補正電極板23は、センタービームが通過する孔と、サイドビームが通過する一部が切欠かれた孔とを有する。補正電極板23を水平方向に扁平な筒状の最終加速電極18内の開口部から少し後退した位置に配すると、補正電極板23の一部切欠かれた孔は、最終加速電極18の内面によって補完されてビーム通過孔が形成される。補正電極板23を使用することにより、サイドビームが通過するビーム通過孔を大きくできるので、衝立状電極22と補正電極板23との嵌合に余裕ができ、電子銃の組立が容易になるという利点がある。
【0035】
図8(a)は、最終加速電極18内に補正電極板23を配して、シールドカップ19に衝立状電極22を取り付けた状態を管軸方向からみた図であり、図8(b)は、かかる状態におけるインライン方向の断面図である。図8(a)に示すように、衝立状電極22a、22bは、シールドカップ19のビーム通過孔19a、19b、19cを垂直方向から挟み込むように、間隔dを隔てて設けられている。衝立状電極22を形成することによって、最終加速電極18内において蛍光体スクリーン側に凸状の分布をしている等電位線が垂直方向に圧縮され、垂直方向の発散作用のみが強められるので、垂直方向に比して水平方向の集束作用が強くなる。これによって、主レンズにおいてHV差を拡大することができる。
【0036】
さらに、図8(b)に示すように、衝立状電極22の端部は、補正電極板23が形成するビーム通過孔を貫通しているので、図15に示す従来の衝立状電極122と比較して、電位勾配のより急峻な位置に衝立状電極22が位置することになり、水平方向の集束作用が垂直方向の集束作用と比してより強めるようにはたらく。これにより主レンズにおいてHV差を拡大することができる。図8(b)に示す衝立状電極22の管軸方向の大きさh1を大きくすると、よりHV差を拡大することができるが、あまりh1を大きくすると、衝立状電極22の端部に電界が集中して放電が生じ、主レンズ電界が安定的に生成されないという弊害が生じるので、設計時には注意を要する。
【0037】
また、図8(a)及び図8(b)に示すように、衝立状電極22の端部は、最終加速電極18内の補正電極板23のビーム通過孔を貫通しており、衝立状電極22a、22bは、補正電極板23のビーム通過孔の垂直径L2、L3(図7(a)参照)より狭い間隔dで対向しているので、実質的に補正電極板23のビーム通過孔の垂直径を小さくしていることと等価である。従来の技術の項で述べたように、補正電極板23のビーム通過孔自体の垂直径を小さくすることは、電子銃の設計上の問題があったが、本実施の形態では、衝立状電極22を取り付けるという簡易な構成によって、電子銃の設計上の問題を生じることなく、補正電極板23のビーム通過孔の垂直径を小さくできるという利点がある。これにより、最終加速電極18内の等電位線が垂直方向に圧縮されて、垂直方向の発散作用のみが強められるので、主レンズにおけるHV差をより拡大することができる。
【0038】
以上により、図15に示す従来の電子銃101では、主レンズにおけるHV差の大きさは、水平方向と垂直方向とのフォーカス電圧の差で、500V〜1000V程度であったが、本実施の形態に係る電子銃6では、上記構成の衝立状電極22を配することによって、主レンズにおけるHV差の大きさを約3000Vに拡大することができた。
【0039】
ここで、補正電極板23の各部の大きさは、図7において、R1=5mm、r=2.3mm、L1=10.2mm、L2=8.2mm、L3=8.2mm、L4=10.6mm、t1=0.7mmである。
衝立状電極22の各部の大きさは、図8において、h1=4.8mm、h2=3.2mm、f1=2.5mm、f2=1.75mm、f3=3.0mmであり、一対の衝立状電極22a、22bの間隔は、d=5.0mmである。
【0040】
最終加速電極18の管軸方向の長さは、W=6.85mm、であり、補正電極板23は、最終加速電極18の開口部から長さM=2.95mmだけ後退した位置に配されている。
シールドカップ19のビーム通過孔19a、19b、19cは、直径R2=4.5mmであり、中心間隔S=5.5mmでインライン状に配列されている。
【0041】
以上のように構成された電子銃6において、図3に示すように、第1加速電極13及び第2加速電極15には一定の電圧が印加される。また、第1集束電極14及び第2集束電極16には一定のフォーカス電圧Vfoc1が印加され、第3集束電極17には所定のフォーカス電圧Vfoc2から出発して電子ビームの偏向角度の増大に伴い漸次に上昇するダイナミック電圧Vdが印加される。ここで、Vfoc1、Vfoc2には、Vfoc1>Vfoc2の関係がある。シールドカップ19には、一定の高電圧Vaが印加され、シールドカップ19に接続された最終加速電極18の電位はVaに保たれる。
【0042】
続いて、図3、図9及び図10を参照しながら、電子銃6において、レンズ電界を通過する電子ビームの挙動を説明する。図9(a)は、偏向角が0度の時点における水平方向のレンズ作用を、図9(b)は、同時点における垂直方向のレンズ作用を示したものである。図10(a)は、偏向角が増大した時点における水平方向のレンズ作用を、図10(b)は、同時点における垂直方向のレンズ作用を示したものである。なお、図9及び図10において、レンズ作用の強さをレンズの厚みによって表現した。
【0043】
各電極に上記の電圧が印加されると、第1加速電極13と第1集束電極14との間にはプリフォーカスレンズ31が形成され、後述の主レンズに入射する電子ビームの発散角を調整するようにしている。また、第1集束電極14、第2加速電極15、及び第2集束電極16の3つの電極によって、ユニポテンシャル型レンズ32が形成されており、プリフォーカスレンズ31の予備集束を補助するように作用する。第1加速電極13、第1集束電極14、第2加速電極15及び第2集束電極16には一定の電圧が印加されているため、上記のプリフォーカスレンズ31とユニポテンシャル型レンズ32とのレンズ作用は、電子ビームの偏向角の変化にかかわらず定常である。
【0044】
偏向角が0度のときには、ダイナミック電圧Vdは印加されず、Vfoc1>Vfoc2であるので、図9に示すように、第2集束電極16、第3集束電極17間には、偏向収差補正用の4極レンズ33が形成される。4極レンズ33は、水平方向で発散レンズ33h、垂直方向では集束レンズ33vの作用を奏する。また、第3集束電極17と最終加速電極18間には、主レンズ34が形成される。主レンズ34は、水平方向で集束レンズ34h、垂直方向で集束レンズ34vのレンズ作用を奏する。ここで、本実施の形態では、衝立状電極22が取り付けられているため、集束レンズ34hの方が集束レンズ34vより強い集束作用を有している。これによって、4極レンズ33による水平方向の発散作用・垂直方向の集束作用の一部を打ち消すことができるので、各レンズを通過した電子ビームは、蛍光体スクリーン4上に集束される。
【0045】
また、4極レンズ33は、水平方向において発散作用、垂直方向において集束作用を有しており、この作用は、蛍光体スクリーン4上における水平方向の入射角を大きく、垂直方向の入射角を小さくするようにはたらく。レンズ倍率は、入射角の大きさに反比例するので、4極レンズ33によって、垂直方向のレンズ倍率が拡大され、水平方向のレンズ倍率が縮小される。従来のカラー受像管装置では、画面周辺部の走査時に、水平方向のスポット径が過大となって水平解像度が低下し、垂直方向のスポット径が過小となっていわゆるモアレが発生する問題があった。本実施の形態に係る電子銃では、4極レンズ33によって、水平方向のレンズ倍率が小さく、垂直方向のレンズ倍率が大きくなるため、水平スポット径縮小による水平解像度の改善の効果と、垂直方向にモアレが生じることを抑制する効果が得られる。本実施の形態においては、主レンズにおけるHV差が拡大されており、フォーカス電圧Vfoc2を従来の電子銃より低い値とすることができ、これによって4極レンズ33のレンズ作用が強められているので、上記の効果がより多く得られるという利点がある。
【0046】
偏向角が増大すると、第3集束電極17には、漸次に増加するダイナミック電圧Vdがフォーカス電圧Vfoc2に印加され、第3集束電極17の電位は、最終加速電極18の電位Vaに近づくので、図10に示すように、主レンズ34の集束作用は水平・垂直方向のそれぞれについて弱められる。また、第3集束電極17の電位は第2集束電極16の電位Vfoc1に近づくので、4極レンズ33の水平方向の発散レンズ33h、垂直方向の集束レンズ33vのレンズ作用が弱まる。これは、相対的に逆極性の4極レンズが発生したのと等価な作用をする。そして、セルフコンバーゼンス構成をなす偏向磁界によって、主レンズ34の蛍光体スクリーン4側に偏向レンズ35が生じ、偏向レンズ35は、水平方向では発散レンズ35h、垂直方向では集束レンズ35vの作用を奏する。偏向レンズ35のレンズ作用の一部は、上記の逆極性の4極レンズによって打ち消されるので、各レンズを通過した電子ビームは良好なビームスポット形状で蛍光体スクリーン4上に集束する。以上は、電子ビームが蛍光体スクリーン面上で水平方向へ偏向される場合について述べたが、垂直方向へ偏向される場合にも上述と同様の説明があてはまる。
【0047】
本実施の形態に係る電子銃では、第1加速電極13及び第2加速電極15の印加電圧を500V、Vfoc1を8kV、Vfoc2を6.5kV、Vaを32kVとし、第3集束電極の電位は、ダイナミック電圧Vdによって偏向角の増大にともない、8kVまで漸次上昇させた。
以上のように、本実施の形態の電子銃では、衝立状電極22の端部を補正電極板21又は補正電極板23に形成されたビーム通過孔内に位置させており、本実施の形態における主レンズは、従来の電子銃における主レンズよりも大きなHV差を有しているので、フォーカス電圧Vfoc2をより低い値とすることができ、これによりダイナミック電圧を低い値から上昇させることができるので、必要なダイナミック電圧を低減することができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態に係る電子銃は、第1の実施の形態に係る電子銃に対して、図11に示すように、さらに集束電極17と最終加速電極18との間に筒状の中間電極24を配設したものである。なお、図11では、第3集束電極17、中間電極24、最終加速電極18及びシールドカップ19以外の図示を略している。中間電極24は、第3集束電極17側及び最終加速電極18側のそれぞれに1つの開口を有しており、その中央部には3つの非円形のビーム通過孔を有する補正電極板25が配されている。
【0049】
本実施の形態に係る電子銃では、第1の実施の形態に係る電子銃と同様に、第3集束電極17と最終加速電極18との電位差によって、主レンズ電界が形成される。ここで、本実施の形態では、第3集束電極17と最終加速電極18との間に中間電極24が配設されているので、第3集束電極17と最終加速電極18とによって形成される主レンズ電界の生成域を管軸方向に拡大することができる。このため、主レンズの実効的な口径が拡大されるので、主レンズの球面収差が低減されて、ビームスポットがより良好な形状となり、解像度の高い映像が表示される。
【0050】
また、中間電極24を配設することで、電子銃が収納されるファンネルのネック部からの壁電界に対して、主レンズ電界をシールドすることになるので、当該壁電界の影響によって、主レンズ電界が不安定となることを防止することができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電子銃について説明する。第3の実施の形態に係る電子銃は、第2の実施の形態に係る電子銃に対して、図12に示すように、最終加速電極18と、シールドカップ19との間に間隙を設けるとともに、抵抗26、抵抗27及び抵抗28によって、中間電極24及び最終加速電極18にシールドカップ19の電位Vaを分割した電位を与えたものである。なお、中間電極24には、第3集束電極17と最終加速電極18との中間の電位が与えられている。
【0051】
第3集束電極17と最終加速電極18との間に中間電極24を配設しているので、第2の実施の形態に係る電子銃の場合と同様に、主レンズ電界の生成域が管軸方向に拡大され、主レンズの実効的な口径が拡大される。さらに、中間電極24には第3集束電極17と最終加速電極18との中間の電位が与えられているので、主レンズ電界の電位勾配が緩やかになる。これにより、主レンズの実効的なレンズ口径がさらに拡大されてレンズの球面収差が低減されるので、さらなる高解像度の映像を表示することができる。
【0052】
さらに、最終加速電極18及びシールドカップ19には、電位差が与えられているので、最終加速電極18とシールドカップ19との間に第2の4極レンズが生成される。主レンズよりも蛍光体スクリーン側に形成されるこの4極レンズは、水平方向で集束作用、垂直方向で発散作用を奏し、主レンズにおけるHV差を拡大するようにはたらく。かかる構成とすることによってより低い値からダイナミック電圧を上昇させることができるので、必要とされるダイナミック電圧をさらに低減することができるという効果が得られる。
【0053】
(変形例)
以上、本発明を種々の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、主レンズ34の陰極側に、偏向に応じて強さが変化する偏向収差補正用の4極レンズ33を1組だけ形成した例を示したが、必ずしも、4極レンズ33は1個に限定されない。例えば、偏向に応じて変化する偏向収差補正用の4極レンズとは水平方向・垂直方向でそれぞれ逆作用を奏する倍率補正用の4極レンズを4極レンズ33の陰極側に形成してもよい。
【0054】
(2)また、上記においては、衝立状電極22の端部は、補正電極板21又は23の3つのビーム通過孔に貫通させていたが、衝立状電極22の端部を両側の2つのビーム通過孔のみに貫通させる構成としてもよい。主レンズをOLFレンズによって形成する場合には、中央のビーム通過孔の形状を特に高精度に調節する必要があるので、中央のビーム通過孔の形状を変形させる自由度は低い。よって、衝立状電極22の端部を中央のビーム通過孔に貫通させると、設計上の困難性をともなう場合がある。したがって、このような場合には、衝立状電極22の端部を、両側のビーム通過孔のみに貫通させる構成としてもよい。
【0055】
(3)衝立状電極22は、図3に示したような端部が矩形状の板に特定されない。例えば、衝立状電極22の端部先端は、円弧状であってもよいし、また、衝立状電極22の端部の垂直断面は、ビーム通過孔の形状に対応した円弧状となっていてもよい。
(4)また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、衝立状電極22と最終加速電極18内の補正電極板とは同電位であるため、接触していてもよい。
【0056】
(5)第3集束電極17及び最終加速電極18内の補正電極板は、筒状電極と一体化していてもよい。例えば、プレス成型(深絞り)を用いることにより、補正電極板と筒状電極とを一体のものとして成型することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、複数の電子ビームを射出するインライン形電子銃と、複数の電子ビームが照射される蛍光体スクリーンとを有するカラー受像管装置であって、インライン形電子銃は、筒状の第3集束電極と、第3集束電極の蛍光体スクリーン側に配設され、第3集束電極との電位差により主レンズ電界を形成するとともに、第3集束電極側の筒状開口部より後退した位置に、複数の第1のビーム通過孔が形成された補正電極板を有する最終加速電極と、最終加速電極の蛍光体スクリーン側に配設され、複数の第2のビーム通過孔が形成されたシールドカップとを少なくとも有し、第2のビーム通過孔を垂直方向から挟み込み、かつ、主レンズ電界が形成される側に延出する状態で一対の衝立状電極が前記シールドカップに設けられ、衝立状電極の端部が、第1のビーム通過孔内に位置することを特徴としている。従来の電子銃では、衝立状電極は、電位勾配の緩やかな補正電極板とシールドカップとの間に設けられていたため、主レンズにおけるHV差を拡大する効果は小さかったが、本発明では、衝立状電極の端部を電位勾配がより急峻な補正電極板に形成された第1のビーム通過孔内に衝立状電極の端部を位置させているので、従来の電子銃よりも、主レンズにおけるHV差をより拡大することができる。加えて、衝立状電極は対をなしており、シールドカップに形成された第2のビーム通過孔を垂直方向から挟み込み、かつ、主レンズ電界が形成される方向に延出する状態で設けられており、その端部は、第1のビーム通過孔内に位置するので、衝立状電極は、第1のビーム通過孔の垂直径を縮小する役割を果たしている。これにより、電子銃の設計上の問題を生じることなく、衝立状電極を設けるという簡易な構成によって第1のビーム通過孔の垂直径を縮小し、主レンズにおけるHV差をより拡大することができる。以上より、本発明に係るカラー受像管は、電子銃の主レンズにおいてHV差が拡大されており、ダイナミック電圧をより低い値から上昇させることができるので、必要とされるダイナミック電圧を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるカラー受像管装置の一部切欠き断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るインライン型電子銃の構成を示す一部切欠き斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る電子銃のインライン面における断面図である。
【図4】図4(a)は、第2集束電極のビーム通過孔の形状を示す図であり、図4(b)は、第3集束電極のビーム通過孔の形状を示す図である。
【図5】補正電極板のビーム通過孔の形状を示す図である。
【図6】シールドカップに設けられた衝立状電極の外観斜視図である。
【図7】図7(a)は、補正電極板の正面図であり、図7(b)は、補正電極板のインライン平面による断面図である。
【図8】図8(a)は、最終加速電極及びシールドカップを陰極側からみた正面図であり、図8(b)は、最終加速電極及びシールドカップのインライン面による断面図である。
【図9】図9(a)は、偏向角が0度のときの、電子銃における水平方向のレンズ系を示した図であり、 図9(b)は、偏向角が0度のときの、電子銃における垂直方向のレンズ系を示した図である。
【図10】図10(a)は、偏向角が増大したときの、電子銃における水平方向のレンズ系を示した図であり、図10(b)は、偏向角が増大したときの、電子銃における垂直方向のレンズ系を示した図である。
【図11】第2の実施の形態に係る電子銃の一部を示した図である。
【図12】第3の実施の形態に係る電子銃の一部を示した図である。
【図13】従来の電子銃の構成を示したインライン平面による断面図である。
【図14】従来の電子銃の構成を示したインライン平面による断面図である。
【図15】従来の電子銃の構成を示したインライン平面による断面図である。
【符号の説明】
1 カラー受像管装置
4 蛍光体スクリーン
6 電子銃
11 陰極
12 制御格子電極
13 第1加速電極
14 第1集束電極
15 第2加速電極
16 第2集束電極
17 第3集束電極
18 最終加速電極
19 シールドカップ
21、23 補正電極板
22 衝立状電極
24 中間電極
31 プリフォーカスレンズ
32 ユニポテンシャル形レンズ
33 4極レンズ
34 主レンズ
35 偏向レンズ

Claims (6)

  1. 複数の電子ビームを射出するインライン形電子銃と、前記複数の電子ビームが照射される蛍光体スクリーンとを有するカラー受像管装置であって、
    前記インライン形電子銃は、
    集束電極と、
    当該集束電極の前記蛍光体スクリーン側に配設され、前記集束電極との電位差により主レンズ電界を形成するとともに、前記集束電極側の筒状開口部より後退した位置に、複数の第1のビーム通過孔が形成された補正電極板を有する最終加速電極と、
    当該最終加速電極の前記蛍光体スクリーン側に配設され、複数の第2のビーム通過孔が形成されたシールドカップとを少なくとも有し、
    前記第2のビーム通過孔を垂直方向から挟み込み、かつ、前記主レンズ電界が形成される側に延出する状態で一対の衝立状電極が前記シールドカップに設けられ、
    前記衝立状電極の端部が、前記第1のビーム通過孔内に位置することを特徴とするカラー受像管装置。
  2. 前記補正電極板は、センタービームが通過する孔と、サイドビームが通過する一部が切欠かれた孔とが形成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー受像管装置。
  3. 前記衝立状電極の端部は、前記第1のビーム通過孔のうち、サイドビームが通過するビーム通過孔にのみ位置することを特徴とする請求項1及び請求項2記載のカラー受像管装置。
  4. 前記集束電極と、前記最終加速電極との間に、筒状の中間電極を配設することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項記載のカラー受像管装置。
  5. 前記集束電極と前記最終加速電極との中間の電位を前記中間電極に与えることを特徴とする請求項4記載のカラー受像管装置。
  6. 前記主レンズ電界が形成される位置よりも蛍光体スクリーン側に、水平方向で集束作用、かつ、垂直方向で発散作用を有する4極レンズ電界が形成されることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項記載のカラー受像管装置。
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