JP2004273161A - インバータ装置 - Google Patents

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Yukio Watanabe
幸雄 渡辺
Nariaki Watanabe
也晃 渡辺
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Abstract

【課題】回路構成、特に制御回路が簡単で部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させるインバータ装置の提供。
【解決手段】交流電力を整流回路2が整流して出力した直流電力を、スイッチング回路37,38及び漏洩変圧器33の一次巻線33a,33a′を含むインバータにより交流電力に変換し、変換した交流電力を漏洩変圧器33の二次巻線33dにより昇圧する昇圧インバータ部3と、昇圧インバータ部3が出力した交流電力を整流する整流回路5と、整流回路5が整流した直流電力を交流電力に変換するインバータ部6とを備え、インバータ部6が出力した交流電力によりHIDランプ8を点灯すべくなしてあるインバータ装置。整流回路5が整流した直流電力を降圧する降圧コンバータ10を備え、インバータ部6は、降圧コンバータ10が降圧した直流電力を交流電力に変換する構成である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧ナトリウム灯、メタルハライド灯及び高圧水銀灯等のHID(High−Intensity Discharge)ランプ(高輝度放電ランプ)を点灯する為のインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、HIDランプを点灯する為の従来のインバータ装置の構成例を示すブロック図である。このインバータ装置では、商用交流電源Vsが整流回路101により全波整流され、全波整流された直流電力は、昇圧コンバータ102により350V〜400V程度に一旦昇圧され、昇圧コンバータ102が出力端に内蔵する電解コンデンサ(図示せず)に充電される。この電解コンデンサの両端電圧は降圧コンバータ103により300V程度に降圧され、降圧された直流電圧は、フルブリッジに構成された低周波インバータ104により、矩形波交流電圧(周波数は100〜500Hz程度)に変換される。
【0003】
一方、整流回路101の出力電圧を検出する電圧検出器h、昇圧コンバータ102の出力電圧を検出する電圧検出器i、及び降圧コンバータ103の出力電圧を検出する電圧検出器jの各検出結果が、制御回路107に与えられ、制御回路107は、与えられた各検出結果に基づき、昇圧コンバータ102、降圧コンバータ103及び低周波インバータ104をそれぞれ制御している。
【0004】
低周波インバータ104により変換された矩形波交流電圧は、高圧パルス発生回路105を通じて、HIDランプ106の両電極に加えられ、HIDランプ106を点灯する。高圧パルス発生回路105は、始動点灯時に制御回路107から制御されて高圧パルスを発生させ、HIDランプ106を始動点灯させる。HIDランプ106が高圧水銀灯の場合は不要である。
HIDランプ106の点灯に矩形波を使用することにより、HIDランプ106に音響的共鳴現象が発生するのを防止している。尚、降圧コンバータ103と低周波インバータ104との間には、点灯初期の急峻な短絡電流を防止する為に、図示しない誘導素子を設けてあるが、その必要が無ければ省略しても良い。
【0005】
また、特許文献1には、図15に従来例として、交流電源を全波整流する全波整流器と、全波整流器の脈流出力を昇圧する昇圧チョッパ回路と、昇圧チョッパ回路の直流出力を降圧する降圧チョッパ回路と、降圧チョッパ回路の直流出力を極性反転させて、高圧放電灯を含む負荷回路に印加する極性反転回路とを備えたインバータ装置が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−354843号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインバータ装置(図5)では、上述したような構成により、IEC(電気標準会議)規格(電子機器から発生する高調波電流の電磁環境へのガイドライン)への整合性を図っている。しかし、昇圧コンバータ102及び降圧コンバータ103を、互いに密接な関連を保たせながら制御する必要がある為、制御回路107が煩雑化して、大幅な部品コストの上昇を招き、また、電力効率も低下するという問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るインバータ装置は、交流電力を整流する第1整流回路と、該第1整流回路が整流して出力した直流電力を、スイッチング回路及び漏洩変圧器の一次巻線を含むインバータにより交流電力に変換し、変換した交流電力を前記漏洩変圧器の二次巻線により昇圧する昇圧インバータ部と、該昇圧インバータ部が出力した交流電力を整流する第2整流回路と、該第2整流回路が整流した直流電力を交流電力に変換するインバータ部とを備え、該インバータ部が出力した交流電力によりHIDランプを点灯すべくなしてあるインバータ装置であって、前記第2整流回路が整流した直流電力を降圧する降圧コンバータを備え、前記インバータ部は、該降圧コンバータが降圧した直流電力を交流電力に変換すべくなしてあることを特徴とする。
【0009】
このインバータ装置では、第1整流回路が交流電力を整流し、昇圧インバータ部が、第1整流回路が整流して出力した直流電力を、スイッチング回路及び漏洩変圧器の一次巻線を含むインバータにより交流電力に変換し、変換した交流電力を前記漏洩変圧器の二次巻線により昇圧する。第2整流回路が、昇圧インバータ部が出力した交流電力を整流し、インバータ部が、第2整流回路が整流した直流電力を交流電力に変換し、インバータ部が出力した交流電力によりHIDランプを点灯する。降圧コンバータが、第2整流回路が整流した直流電力を降圧し、インバータ部は、降圧コンバータが降圧した直流電力を交流電力に変換する。
これにより、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0010】
第2発明に係るインバータ装置は、前記二次巻線に直列接続されたコンデンサを含み、前記二次巻線に流れる交流電力を制限する限流回路を更に備え、前記第2整流回路は、該限流回路が出力した交流電力を整流すべくなしてあることを特徴とする。
【0011】
このインバータ装置では、限流回路が、二次巻線に直列接続されたコンデンサを含み、二次巻線に流れる交流電力を制限し、第2整流回路は、限流回路が出力した交流電力を整流する。
これにより、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0012】
第3発明に係るインバータ装置は、前記第1整流回路に代えて、直流電力が与えられるべき2つの端子を備え、前記スイッチング回路及び漏洩変圧器の一次巻線を含むインバータは、前記端子に与えられた直流電力を交流電力に変換すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】
このインバータ装置では、第1整流回路に代えて、直流電力が与えられるべき2つの端子を備え、スイッチング回路及び漏洩変圧器の一次巻線を含むインバータは、2つの端子に与えられた直流電力を交流電力に変換する。
これにより、直流電源で作動し、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0014】
第4発明に係るインバータ装置は、前記スイッチング回路は、プッシュプル動作により作動すべくなしてあることを特徴とする。
【0015】
このインバータ装置では、スイッチング回路は、プッシュプル動作により作動するので、回路構成、特に制御回路が更に簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0016】
第5発明に係るインバータ装置は、前記スイッチング回路は、ハーフブリッジ回路であることを特徴とする。
【0017】
このインバータ装置では、スイッチング回路は、ハーフブリッジ回路であるので、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0018】
第6発明に係るインバータ装置は、前記インバータ部が出力する交流電力の電圧は矩形波電圧であることを特徴とする。
【0019】
このインバータ装置では、インバータ部が出力する交流電力の電圧は矩形波電圧であるので、音響的共鳴現象が発生するのを防止出来、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0020】
第7発明に係るインバータ装置は、前記インバータ部が出力する交流電力の電圧より高圧のパルスを発生させる高圧パルス発生回路を更に備え、該高圧パルス発生回路が発生させたパルスにより前記HIDランプを始動点灯すべくなしてあることを特徴とする。
【0021】
このインバータ装置では、高圧パルス発生回路が、インバータ部が出力する交流電力の電圧より高圧のパルスを発生させ、高圧パルス発生回路が発生させたパルスによりHIDランプを始動点灯するので、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係るインバータ装置の実施の形態1の要部構成を示すブロック図である。このインバータ装置は、整流回路2が商用交流電力Vsを全波整流し、整流回路2が全波整流した直流電力を、昇圧インバータ部3が交流電力に変換して350V〜400V程度に一旦昇圧する。昇圧インバータ部3が出力する交流電力を、限流回路4が制限し、昇圧インバータ部3が出力し、限流回路4が制限した交流電力を、整流回路5が整流する。
【0023】
整流回路5が整流した直流電力を、降圧コンバータ10が300V程度に降圧し、降圧コンバータ10が降圧した直流電力は、フルブリッジに構成された低周波インバータ6により、矩形波交流電圧(周波数は100〜500Hz程度)に変換される。
低周波インバータ6(インバータ部)により変換された矩形波交流電圧は、高圧パルス発生回路7を通じて、HIDランプ8の両電極に加えられ、HIDランプ8を点灯する。HIDランプ8の点灯に矩形波を使用することにより、HIDランプ8に音響的共鳴現象が発生するのを防止している。
【0024】
高圧パルス発生回路7は、始動点灯時に制御回路9から制御されて高圧パルスを発生させ、HIDランプ8を始動点灯させる。高圧パルス発生回路7は、HIDランプ8が高圧水銀灯の場合は不要である。
一方、整流回路2の出力電圧を検出する電圧検出器hの検出結果が、制御回路9に与えられ、制御回路9は、与えられた検出結果に基づき、降圧コンバータ10及び低周波インバータ6をそれぞれ制御している。
【0025】
図2は、図1に示すインバータ装置の具体的な回路の例を示すブロック図である。整流回路2は、商用交流電力Vsをダイオードブリッジ回路21により全波整流した後、チョークコイル22よりダイオード23を通じて出力する。ダイオードブリッジ回路21の出力電圧は、電圧検出回路hに検出され、その検出した電圧は、制御回路9に与えられる。
【0026】
昇圧インバータ部3は、NPN型トランジスタ37,38が、プッシュプル回路を構成し、エミッタ同士が接続されている。NPN型トランジスタ37のコレクタは、リーケージトランス33(漏洩変圧器)の一次巻線33a′の一端(いったん、以下、同じ)に接続され、NPN型トランジスタ38のコレクタは、リーケージトランス33の一次巻線33aの一端に接続されている。一次巻線33a′,33aの各他端は、リーケージトランス33の一次巻線の中間タップTとなっており、中間タップTは、ダイオード23のカソードに接続されている。
【0027】
NPN型トランジスタ37,38の各コレクタ間にはコンデンサ39が接続され、各ベース間には、リーケージトランス33の帰還巻線33bが接続されている。
NPN型トランジスタ37,38の各エミッタの接続節点は、ダイオードブリッジ回路21の負側出力端子、及び電解コンデンサ331の陰極に接続されている。
NPN型トランジスタ37のベースには抵抗35の一端が、NPN型トランジスタ38のベースには抵抗36の一端がそれぞれ接続され、抵抗35,36の各他端は、抵抗34,332の各一端に接続されている。
【0028】
抵抗34の他端は、ダイオード23のアノードに接続され、抵抗332の他端は、電解コンデンサ331の陽極に接続されている。
リーケージトランス33のベースドライブ用巻線33cの両端には、ダイオード33e,33fの各アノ−ドがそれぞれ接続され、ダイオード33e,33fの各カソ−ドは、抵抗332の他端及び電解コンデンサ331の陽極に共通接続されている。ベースドライブ用巻線33cの中間タップが、電解コンデンサ331の陰極に接続されている。
昇圧インバータ部3は、リーケージトランス33の二次巻線33dの両端から、昇圧した交流電力を出力する。
【0029】
限流回路4は、リーケージトランス33の二次巻線33dの一端と、整流回路5のダイオードブリッジ回路51の一方の入力端との間に接続されたコンデンサ41を備えている。
限流回路4は、リーケージトランス33が有する誘導性インピーダンスとコンデンサ41の容量性インピーダンスとの合成インピーダンスにより、負荷であるHIDランプ8の状態に応じて、二次巻線33dからの出力電圧及び出力電流を略定める。尚、負荷であるランプの種類によっては、コンデンサ41が不要の場合もある。
二次巻線33dの他端は、ダイオードブリッジ回路51の他方の入力端に接続されている。
整流回路5は、ダイオードブリッジ回路51の両出力端に平滑コンデンサ52が接続され、平滑コンデンサ52の両端から直流電力を出力する。
【0030】
降圧コンバータ10は、平滑コンデンサ52の陽極にFET53のドレインが接続され、FET53のソースが、チョークコイル54の一端に接続され、FET53のゲートは、制御回路9によりオン/オフ制御される。チョークコイル54の他端が、平滑コンデンサ55の陽極に接続され、平滑コンデンサ55の陰極は、平滑コンデンサ52の陰極に接続されている。
チョークコイル54の一端には、還流ダイオード56のカソードが接続され、還流ダイオード56のアノードは、平滑コンデンサ52の陰極に接続されている。
降圧コンバータ10は、平滑コンデンサ55の両端から直流電力を出力する。
【0031】
低周波インバータ6は、フルブリッジ回路であり、FET61,62の直列回路及びFET63,64の直列回路が、平滑コンデンサ55の陽極及び陰極間に並列接続されており、FET61,62,63,64には、それぞれ還流ダイオードが逆並列に接続されている。FET61,62,63,64は、制御回路9によりそれぞれオン/オフ制御される。
低周波インバータ6が、FET61,62の接続節点及びFET63,64の接続節点から出力した矩形波交流電力は、高圧パルス発生回路7を通じて、HIDランプ8の両電極に加えられ、HIDランプ8を点灯する。
【0032】
以下に、このような構成のインバータ装置の動作を説明する。
整流回路2が整流した直流電力の電圧が、ダイオード23を通じて、リーケージトランス33の一次巻線33a′,33aの中間タップTに与えられる。
また、整流回路2が整流した直流電力の電圧が、抵抗34,35,36を通じて、トランジスタ37,38の各ベースに与えられる。
【0033】
ここで、整流回路2からの直流電圧が立ち上がったとき、トランジスタ37,38がオンする速度には僅かの差があるから、何れかが先にオンになる。例えば、トランジスタ37が先にオン状態になると、一次巻線33a′→トランジスタ37→電解コンデンサ331の陰極の経路で電流が流れる。このとき、リーケージトランス33の帰還巻線33bに発生した誘導電圧により、トランジスタ38のベース・エミッタ間には逆電圧がかかるので、トランジスタ37はオンからオフに、トランジスタ38はオフからオンになるよう帰還がかかる。
【0034】
トランジスタ38がオン状態になると、一次巻線33a→トランジスタ38→電解コンデンサ331の陰極の経路で電流が流れる。このとき、帰還巻線33bに発生した誘導電圧により、トランジスタ37のベース・エミッタ間には逆電圧がかかるので、トランジスタ37がオンに、トランジスタ38はオフ状態になる。
以下、同様なことを繰返し、コンデンサ39及びリーケージトランス33の一次巻線33a′,33aとによって発振を起こす。
【0035】
また、上述した共振回路の共振過程で、リーケージトランス33のベースドライブ用巻線33cにも誘導電圧が発生し、この誘導電圧による電流をダイオード33e,33fにより整流して電解コンデンサ331に充電し、電解コンデンサ331から抵抗332,35,36を通じて、トランジスタ37,38の各ベースに電流が供給される。このベース電流の供給により急速に正常発振に至る。
【0036】
上述したように、昇圧インバータ部3が発振して定常状態になると、一次巻線33a′,33aに高周波の正弦波電圧が発生するので、二次巻線33dにも、一次巻線33a′,33aと二次巻線33dとの巻数比に応じて昇圧された正弦波電圧が発生する。
尚、一次巻線33a′,33aのインダクタンスをL、コンデンサ39の容量をCとすると、昇圧インバータ部3の発振周波数fは、
f=1/(2π√(LC))
であり、20kHz〜100kHz程度に設定する。
【0037】
限流回路4は、リーケージトランス33が有する誘導性インピーダンスとコンデンサ41の容量性インピーダンスとの合成インピーダンス、及びHIDランプ8の状態(始動から定常点灯状態に至るHIDランプ8のランプ電流の変動状態)に応じて、その二次巻線33dからの出力電圧及び出力電流の概略値が決まる。
【0038】
リーケージトランス33は、等価回路的にはトランス+チョークコイルと見做すことも出来る。コンデンサ41が存在しない場合、負荷(整流回路5以降の回路)が直接かかると、その動作を示すベクトル図は図4(a)に示すようになり、二次巻線33dに流れる負荷電流Iによる電圧降下により、二次巻線33dの両端電圧EはVとなる。
一方、コンデンサ41を図2に示すように接続し、進相回路とした場合、コンデンサ41を介して負荷(整流回路5以降)がかかると、その動作を示すベクトル図は図4(b)に示すようになり、二次巻線33dに流れる負荷電流Iによる電圧降下により、二次巻線33dの両端電圧EはVとなる。
【0039】
但し、無負荷のときの一次巻線33a′の両端電圧をE、一次巻線33a′に流れる電流をI、二次巻線33dの両端電圧をEとし、負荷がかかっているときの一次巻線33a′の両端電圧をV、一次巻線33a′に流れる電流をI、二次巻線33dの両端電圧をV、二次巻線33dに流れる電流をIとし、一次巻線33a′側の抵抗をr、一次巻線33a′側のリアクタンスをx、二次巻線33d側の抵抗をr、二次巻線33d側のリアクタンスをxとする。
上述したように、何れの場合でも、負荷電流Iの変動に応じて二次巻線33dの両端電圧Vの値も自動的に変動し、各部の各値もあるべき値に遷移する。
尚、以上は、トランジスタ37がオンのときであるが、トランジスタ38がオンのときは、図4(a)(b)のベクトル図をπだけ回転すれば良い。
【0040】
限流回路4からの高周波電力は、整流回路5により全波整流されて平滑される。
降圧コンバータ10は、整流回路5が出力した直流電力を、FET53によりチョっピングし、チョッピングした電力を、チョークコイル54、平滑コンデンサ55及び還流ダイオード56により平均化することにより、直流電力を降圧する。従って、FET53のオン/オフのデューティ比を、制御回路9により調整して、降圧コンバータ10が出力する直流電力の電圧を調整することが出来る。
【0041】
低周波インバータ6は、FET61,64がオンであり、FET62,63がオフであるとき、降圧コンバータ10の正側出力端子(平滑コンデンサ55の陽極)→FET61→HIDランプ8→FET64→降圧コンバータ10の負側出力端子(平滑コンデンサ55の陰極)の経路で電流が流れる。
一方、FET62,63がオンであり、FET61,64がオフであるとき、降圧コンバータ10の正側出力端子→FET63→HIDランプ8→FET62→降圧コンバータ10の負側出力端子の経路で電流が流れる。
【0042】
このように、FET61,62,63,64がオン/オフを繰り返すことにより、矩形波交流電圧がHIDランプ8に印加され、これにより、HIDランプ8の音響的共鳴現象を防止することが出来る。この矩形波交流電圧は、上述したように、100〜500Hz程度である。
【0043】
高圧パルス発生回路7は、HIDランプ8の放電開始時に3〜5kV程度の高圧パルスを、HIDランプ8の両電極に印加して、HIDランプ8内にグロー放電を発生させ、これがアーク放電へと移行して行く。アーク放電へ移行した後は、低周波インバータ6により矩形波交流電圧がHIDランプ8に印加され、音響的共鳴現象を発生させることなく、正常にアーク放電を維持することが出来る。
【0044】
このように、本実施の形態1のインバータ装置では、昇圧インバータ部3を構成するリーケージトランス33の二次巻線33dからの出力電圧及び出力電流を、リーケージトランス33が有する誘導性インピーダンスとコンデンサ41の容量性インピーダンスとの合成インピーダンスにより、負荷の変動に応じて概略定めることが出来る。更に、リーケージトランス33の無負荷時の出力電圧、HIDランプ8の放電初期時の短絡電流、及び正常点灯に至った後のランプ電流値を適正値に保つことが出来る。更に加えて、降圧コンバータ10のFET53のオン/オフのデューティ比を調整することにより、負荷変動に対応する出力特性を得ることがより容易になる。
【0045】
また、このインバータ装置では、ダイオード23を設けているので、昇圧インバータ部3のスイッチングによるノイズも軽減することが出来る。更に、昇圧インバータ部3を構成するリーケージトランス33は、絶縁形(一次側及び二次側は磁気的に結合されているだけである)である為、HIDランプ8側のノイズが入力側にフィードバックされることも極めて軽微である。
【0046】
しかも、図5に示す従来のインバータ装置のように、昇圧コンバータと降圧コンバータとを、互いに密接な関連を保つように制御する必要が無くなるので、制御回路を簡略化することが出来、部品コストも大幅に低減させることが可能となと共に、電力効率の向上にも資することが出来る。
尚、HIDランプには、放電始動装置を内蔵するものが有り、その場合は、高圧パルス発生回路7は格別に設ける必要は無い。
また、リーケージトランス33は、等価回路的には単なるトランスとチョークコイルとを直列接続したものと同じであるから、リーケージトランス33に代えて、直列接続したトランスとチョークコイルとを用いても良い。
【0047】
実施の形態2.
図3は、本発明に係るインバータ装置の実施の形態2のの具体的な回路の例を示すブロック図である。このインバータ装置は、整流回路2aが、商用交流電力Vsをダイオードブリッジ回路21により全波整流した後、チョークコイル122よりダイオード123を通じて出力する。ダイオードブリッジ回路21の出力電圧は、電圧検出回路hに検出され、その検出した電圧は、制御回路9aに与えられる。
【0048】
昇圧インバータ部13は、FET134,135が、ハーフブリッジ回路を構成している。FET134のドレーンは、電解コンデンサ133の陽極及びコンデンサ138の一端に接続され、電解コンデンサ133の陰極は、ダイオードブリッジ回路21の負側出力端子に接続されている。FET134には、還流ダイオード134′が逆並列に接続されている。
FET135のソースは、電解コンデンサ133の陰極及びコンデンサ139の一端に接続され、コンデンサ139の他端は、コンデンサ138の他端と接続され、その接続節点は、コンデンサ137を通じてリーケージトランス136の一次巻線136aの一端に接続されている。FET135には、還流ダイオード135′が逆並列に接続されている。
【0049】
FET134,135は直列接続され、その接続節点は、ダイオード123のカソード及び一次巻線136aの他端に接続されている。
FET134,135の各ゲートは、制御回路9aによりそれぞれオン/オフ制御される。
昇圧インバータ部13は、リーケージトランス136の二次巻線136bの両端から、昇圧した交流電力を出力する。
【0050】
限流回路4は、二次巻線136bの一端と、整流回路5のダイオードブリッジ回路51の一方の入力端との間に接続されたコンデンサ41を備えている。
限流回路4は、リーケージトランス136が有する誘導性インピーダンスとコンデンサ41の容量性インピーダンスとの合成インピーダンスにより、負荷であるHIDランプ8の状態に応じて、二次巻線136bからの出力電圧及び出力電流を略定める。その他の構成は、上述した実施の形態1のインバータ装置の構成(図1,2)と同様であるので、同一個所には同一符号を付して、説明を省略する。
【0051】
以下に、このような構成のインバータ装置の動作を説明する。
昇圧インバータ部13は、制御回路9aがFET134,135をオン/オフ制御する以前は、整流回路2aのチョークコイル122→ダイオード123→一次巻線136a→コンデンサ137→コンデンサ139→ダイオードブリッジ回路21の負側出力端子の経路で電流が流れ、コンデンサ139が充電される。また、ダイオード123,134′を経由して、電解コンデンサ133及びコンデンサ138,139も充電される。
【0052】
この状態で、制御回路9aが、FET134をオン,135をオフにすると、チョークコイル122→ダイオード123→一次巻線136a→コンデンサ137→コンデンサ139→ダイオードブリッジ回路21の負側出力端子の経路で電流が流れ、コンデンサ139が充電される。また、同時に、電解コンデンサ133及びコンデンサ138からも、FET134→一次巻線136a→コンデンサ137→コンデンサ139→ダイオードブリッジ回路21の負側出力端子の経路で電流が流れる。
上述した動作が経過するとき、一次巻線136aに磁気エネルギーが蓄積される。
【0053】
次に、制御回路9aは、FET134,135を共にオフにする。このとき、一次巻線136aに蓄積されていた磁気エネルギーが放出され、還流ダイオード134′を通じて電解コンデンサ133及びコンデンサ138へと電流が流れ、電解コンデンサ133及びコンデンサ138が充電される。
次に、制御回路9aは、FET134をオフ,135をオンにする。このとき、コンデンサ139が放電し、コンデンサ139→コンデンサ137→一次巻線136a→FET135の経路で電流が流れる。
【0054】
昇圧インバータ部13は、以上の動作を順次繰り返し、これに伴って、リーケージトランス136の一次巻線136aとコンデンサ137とからなる回路に振動電流が流れ、正弦波状の定常電流が流れるようになる。
この一次巻線136aに流れる電流は、正弦波状の交流電流であるから、リーケージトランス136の二次巻線136bに、一次巻線136aと二次巻線136bとの巻数比に応じて昇圧された正弦波電圧が発生する。
【0055】
限流回路4は、リーケージトランス136が有する誘導性インピーダンスとコンデンサ41の容量性インピーダンスとの合成インピーダンス、及びHIDランプ8の状態(始動から定常点灯状態に至るHIDランプ8のランプ電流の変動状態)に応じて、その二次巻線136bからの出力電圧及び出力電流の概略値が決まる。その他の動作は、上述した実施の形態1のインバータ装置の動作と同様であるので、説明を省略する。
尚、本発明に係るインバータ装置は、IEC(電気標準会議)規格IEC61000の高調波ガイドラインを満たしていることは勿論のことである。また、商用交流電源を整流する整流回路を、直流電源に置き換えても、同様の効果を得ることが出来、何ら支障はない。
【0056】
【発明の効果】
第1,2,4,5,7発明に係るインバータ装置によれば、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
つまり、昇圧インバータ部のスイッチング回路をプッシュプル方式又はハーフブリッジ方式により作動させることが出来るので(自励又は他励の何れでも良い)、制御回路を簡略化出来、大幅なコストダウンを実現することが出来る。
更に、従来のインバータ装置の昇圧コンバータ及び降圧コンバータを構成するスイッチング素子による多様なノイズ発生が少なくなるので、ノイズ対策が極めて容易である。
【0057】
第3発明に係るインバータ装置によれば、直流電源で作動し、回路構成が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【0058】
第6発明に係るインバータ装置によれば、音響的共鳴現象が発生するのを防止出来、回路構成、特に制御回路が簡単であり、部品コストを低減させ、電力効率を向上させることが可能な、HIDランプを点灯させる為のインバータ装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインバータ装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すインバータ装置の具体的な回路の例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るインバータ装置の実施の形態のの具体的な回路の例を示すブロック図である。
【図4】昇圧インバータ部及び限流回路の動作の例を説明するベクトル図である。
【図5】従来のインバータ装置の要部構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
2,2a 整流回路(第1整流回路)
3,13 昇圧インバータ部
4 限流回路
5 整流回路(第2整流回路)
6 低周波インバータ(インバータ部)
7 高圧パルス発生回路
8 HIDランプ
9,9a 制御回路
10 降圧コンバータ
33,136 リーケージトランス(漏洩変圧器)
33a,33a′,136a 一次巻線
33b 帰還巻線
33c ベースドライブ用巻線
33d,136b 二次巻線
37,38 NPN型トランジスタ(スイッチング回路)
41 コンデンサ
53 FET
54,122 チョークコイル
55 平滑コンデンサ
56 還流ダイオード
134,135 FET(スイッチング回路、ハーフブリッジ回路)
h 電圧検出器
Vs 商用交流電力

Claims (7)

  1. 交流電力を整流する第1整流回路と、該第1整流回路が整流して出力した直流電力を、スイッチング回路及び漏洩変圧器の一次巻線を含むインバータにより交流電力に変換し、変換した交流電力を前記漏洩変圧器の二次巻線により昇圧する昇圧インバータ部と、該昇圧インバータ部が出力した交流電力を整流する第2整流回路と、該第2整流回路が整流した直流電力を交流電力に変換するインバータ部とを備え、該インバータ部が出力した交流電力によりHIDランプを点灯すべくなしてあるインバータ装置であって、
    前記第2整流回路が整流した直流電力を降圧する降圧コンバータを備え、前記インバータ部は、該降圧コンバータが降圧した直流電力を交流電力に変換すべくなしてあることを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記二次巻線に直列接続されたコンデンサを含み、前記二次巻線に流れる交流電力を制限する限流回路を更に備え、前記第2整流回路は、該限流回路が出力した交流電力を整流すべくなしてある請求項1記載のインバータ装置。
  3. 前記第1整流回路に代えて、直流電力が与えられるべき2つの端子を備え、前記スイッチング回路及び漏洩変圧器の一次巻線を含むインバータは、前記端子に与えられた直流電力を交流電力に変換すべくなしてある請求項1又は2記載のインバータ装置。
  4. 前記スイッチング回路は、プッシュプル動作により作動すべくなしてある請求項1乃至3の何れかに記載のインバータ装置。
  5. 前記スイッチング回路は、ハーフブリッジ回路である請求項1乃至3の何れかに記載のインバータ装置。
  6. 前記インバータ部が出力する交流電力の電圧は矩形波電圧である請求項1乃至5の何れかに記載のインバータ装置。
  7. 前記インバータ部が出力する交流電力の電圧より高圧のパルスを発生させる高圧パルス発生回路を更に備え、該高圧パルス発生回路が発生させたパルスにより前記HIDランプを始動点灯すべくなしてある請求項1乃至6の何れかに記載のインバータ装置。
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