JP2004272001A - 非球面単レンズ光学系および非球面単レンズ光学系を備えた光学システム。 - Google Patents
非球面単レンズ光学系および非球面単レンズ光学系を備えた光学システム。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】入射した光の全てにおいて残存する波面収差が小さく、かつ像面湾曲が小さく光学系で発生するロスを極小に抑えることを可能とする前記非球面単レンズを提供する。
【解決手段】入射側から順に、入射瞳形成部と、入射側の面が正パワーの非球面である非球面単レンズとで構成され、前記非球面単レンズは以下の条件(1)から(3)を満たす。
(1) 0.05<R1/f<1.0
(2) 0.2<(D+SB)/f<1.0
(3) 0.01<IH/f<0.1
ただし、R1はレンズの入射側から第1面の基準曲率半径、fは焦点距離、Dはレンズ中心の厚さ、SBは入射瞳形成部で決まる入射瞳位置から非球面単レンズの第1面までの長さ、IHは非球面単レンズに入射する入力光の最大像高である。
【選択図】 図1
【解決手段】入射側から順に、入射瞳形成部と、入射側の面が正パワーの非球面である非球面単レンズとで構成され、前記非球面単レンズは以下の条件(1)から(3)を満たす。
(1) 0.05<R1/f<1.0
(2) 0.2<(D+SB)/f<1.0
(3) 0.01<IH/f<0.1
ただし、R1はレンズの入射側から第1面の基準曲率半径、fは焦点距離、Dはレンズ中心の厚さ、SBは入射瞳形成部で決まる入射瞳位置から非球面単レンズの第1面までの長さ、IHは非球面単レンズに入射する入力光の最大像高である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、光通信等に用いられる非球面単レンズ光学系、及び非球面単レンズ光学系を備えた光学システムに関するものである。特には光合分波器や分散補償器に用いられる非球面単レンズ光学系、及びその非球面単レンズ光学系を備えた光学システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信においては、通信トラフィックの増大に伴って通信速度の高速化、波長多重による大容量化が計られている。通信速度の高速化に伴い、温度変化などの環境の影響などでも光信号が劣化する現象が生じることが知られている。
【0003】
その光信号の劣化を補償するために、例えば、光ファイバーの分散、分散スロープ、偏波分散などを可変で補償することが必要である。これまでに提案された分散補償器には、角分散素子を用い、波長によって光路を変化させ、それぞれの波長による光路長差を生じさせることによって補償を行う装置がある。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
また、波長多重によって、光ファイバーに数波〜数100波の波長を用いて光信号を伝送する場合には、伝送中における操作として、分岐、ADD/DROP、各補償のための分波、合波を行うものがある。(例えば、参考文献2参照)
【0005】
このような、光信号の操作において、入力光をコリメート或いは結合する場合には、波長により射出角の異なる軸上光線以外の入力光をそれぞれ所望の像高で集光する必要がある。しかし、従来の光ファイバー用コリメートレンズでは、軸上光線のみの収差を補正しているため、軸外光線の入射により焦点位置のずれが発生する。また、入射角の変化に十分対応していないため、入射角が変化すると光ファイバーとの結合効率の低下が発生し、光量ロスが大きくなるといった問題がある。よって軸上性能のみよいコリメートレンズは、このような軸外光束を含む光学系には適していない。
【0006】
また、光通信、光記録用途には、波面収差が0.1λ以下もしくは、0.07λ以下であるレンズ、いわゆる無収差レンズが望ましい。そこで、入力光を集光する光学系としては、2枚以上の組み合わせレンズや屈折率分布型レンズ等を適用することも考えられる。しかし、2枚以上の組み合わせレンズでは接合面での光量ロスや装置が大型化するといった問題がある。また、屈折率分布型レンズでは、製造工程の複雑化によるコストの上昇といった問題がある。したがって、上記光信号の操作のための入力光を集光する光学系としては、均質なガラスの単レンズを用いた光学系が望まれる。
【0007】
単レンズを用いた光学系には以下のようなものがある。
▲1▼絞りとこの絞りに凹面を向けた正のメニスカスレンズで構成されたもの(特許文献3参照)、
▲2▼コスト低減のため第1面を非球面、第2面を球面で構成したもの(特許文献4参照)、
▲3▼第1面が凸、第2面が凹のメニスカスレンズで第1面、第2面とも非球面係数を使用しない非球面に形成し、製造誤差を減らしコスト低減を図ったもの(特許文献5参照)、
▲4▼物体側から順に、前置き絞り、メニスカス形状の正の単レンズで、単レンズは物体側より非球面からなる第1面、像側に凸面を向けた非球面からなる第2面で構成されたもの(特許文献6参照)
【0008】
【特許文献1】
特表2000−511655号公報
【特許文献2】
特開平9−430579号公報
【特許文献3】
特開平7−5358号公報(第5頁、図8、図11、図17)
【特許文献4】
特開平7−261074号公報(第5頁、図1)
【特許文献5】
特開平8−313806号公報(第4頁、図1)
【特許文献6】
特開2002−98885号公報(第8頁、図1、図3、図5、図7)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記▲1▼の光学系では、画角を有する周辺光線が絞りから第1面に入射するとレンズでの光線高が高くなる。これにより軸外収差が補正不足となり、軸外の波面収差が残存してしまうという問題がある。
【0010】
また、前記▲2▼の光学系では、コリメートレンズで両凸レンズであるため、ペッツバール和が大きく、画角の大きい場合には像面湾曲補正が困難になる。そのため像面湾曲により光信号の結合時の光束が広がり、光量のロスが発生するといった問題がある。
【0011】
同様に、前記▲3▼の光学系では非球面形状を円錐定数のみとしているため、周辺光線の収差補正特にコマ収差や非点収差等の補正が困難となるといった問題がある。
【0012】
また、前記▲4▼の光学系では前置絞りが光学系に近い構成のため、画角が小さい角分散素子からの射出光を分波することが難しいといった問題がある。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑み、入射した光の全てにおいて残存する波面収差が小さく、かつ像面湾曲が小さく光学系で発生する光量ロスを極小に抑えることのできる非球面単レンズ光学系を提供することを目的とする。また、その非球面単レンズ光学系を用いた光学システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1の発明による非球面単レンズ光学系は、入射側から順に、入射瞳形成部と、入射側の面が正パワーの非球面である非球面単レンズとで構成され、前記非球面単レンズは以下の条件(1)から(3)を満たすことを特徴としている。
(1) 0.05<R1/f<1.0
(2) 0.2<(D+SB)/f<1.0
(3) 0.01<IH/f<0.1
ただし、R1はレンズの入射側から第1面の基準曲率半径、fは焦点距離、Dはレンズ中心の厚さ、SBは入射瞳形成部で決まる入射瞳位置から非球面単レンズの第1面までの長さ、IHは非球面単レンズに入射する入力光の最大像高である。
【0015】
また、本発明による非球面単レンズ光学系を用いた光学システムは、光ファイバーから射出した光を角分散素子と集光レンズと導波路を用いて分合波を行う光学システムであって、集光レンズに上記の非球面単レンズ光学系を備えたこと特徴としている。
【0016】
また、本発明による非球面単レンズ光学系を用いた光学システムは、光ファイバーから射出した光を角分散素子と集光レンズと反射ミラーを用いて分散補償を行う光学システムであって、集光レンズに上記の非球面単レンズ光学系を備えたこと特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用について説明する。
本発明の非球面単レンズ光学系は、入射側から順に、入射瞳形成部と、入射側の面が正パワーの非球面である非球面単レンズとで構成され、前記非球面単レンズは後述の条件式を満たすものである。これにより入射した光の全てにおいて残存する波面収差が小さく、かつ像面湾曲が小さいために光学系で発生する光量ロスを極小に抑えることができる。
なお、光路中に角分散素子を配置した場合、角分散素子で波長により異なる射出角度を有す光束に分岐される。そこで本発明の非球面単レンズ光学系を用いることにより、このような構成であってもそれぞれ各波長毎に異なる角度をもつ光束を良好に焦点面に集光させることができる。
【0018】
次に、条件式について説明する。条件(1)はレンズの主な正のパワーを有する面である第1面の適正なパワーの範囲を規定している。
(1) 0.05<R1/f<1.0
ただし、R1はレンズの入射側から第1面の非球面成分を除いた基準曲率半径、fは単レンズの焦点距離である。
【0019】
ここで上限の1.0を超えると、第1面のパワーが小さくなり、メリジオナル像面が像側に倒れる。したがって、軸外における非点隔差が大きくなり、結像性能を悪化させる。一方、下限の0.05を超えて小さくなると、第1面のパワーが大きくなり、球面収差、コマ収差がマイナスに大きくなる。下限値は0.1または0.15であればより望ましく、上限値は0.8または0.78であればより望ましい。例えば、次の条件式(1−1)あるいは(1−2)を満足するのがより望ましい。
(1−1) 0.1 <R1/f <0.8
また、上限値が0.4であればより望ましく、例えば、次の条件式(1−2)を満足するのがより望ましい。
(1−2) 0.4 <R1/f <0.8
【0020】
条件(2)は結像面での像高を確保し、かつ像面湾曲の範囲を適正にする条件である。
(2)0.2<(D+SB)/f<1.0
ただし、Dはレンズ中心の厚さ、SBは入射瞳位置から非球面単レンズの第1面までの長さである。特にSBは入射瞳が偏心している場合は非球面単レンズの光軸上における長さとする。
【0021】
ここで上限1.0を超える場合は瞳からレンズまでの距離が大きくなり、像面が像側に大きく傾く。また、装置の大型化を招く。下限0.2を超えて小さくなると、メリジオナル像面が物体側に大きく傾く。また、焦点面に入射する主光線の傾きが大きくなる。そのため、テレセントリック性が重要な光学系では、上記条件式(2)を満足しないと光量のロスが発生し不都合となる。
【0022】
下限値は0.3であればより望ましく、上限値は0.9であればより望ましい。例えば、次の条件式(2−1)を満足するのがより望ましい。
(2−1) 0.3<(D+SB)/f<0.9
また、上限値が0.45であればさらにより望ましく、例えば、次の条件式(2−2)を満足するのがより望ましい。
(2−2) 0.3<(D+SB)/f<0.45
【0023】
条件(3)はレンズに入射した光が焦点面に集光する高さの適正な範囲を規定する。
(3)0.01<IH/f<0.1
ただし、IHは非球面単レンズに入射する入力光の最大像高である。
【0024】
ここで上限の0.1を超えるとレンズに入射する入射角が大きくなりすぎ、単レンズでは収差補正しきれないレベルになってしまう。下限の0.01を超えて小さくなると、画角が小さくなりすぎるため、十分な波長分岐を行うため光路長を長くする必要があり、装置の大型化を引き起こしてしまう。
【0025】
下限値は0.03または0.04であればより望ましく、上限値は0.08または0.079であればより望ましい。例えば、次の条件式(3−1)を満足するのがより望ましい。
(3−1) 0.03<IH/f<0.08
また、上限値が0.06であればより望ましく、例えば、次の条件式(3−2)を満足するのがより望ましい。
(3−2) 0.03<IH/f<0.06
【0026】
本発明の非球面単レンズ光学系は、角分散素子を有することが望ましい。この角分散素子により、入射光の波長毎にその射出角度を変化させ、波長毎の分岐ができる。
【0027】
本発明の非球面単レンズ光学系は、第2面が平面である正の凸平レンズであることが望ましい。第2面を平面にすることで1面の加工上の制約が緩和され、低コスト化が図ることができる。また、第2面の曲率半径を大きくし、凸平レンズに近い形状とすることによっても同様の効果を得ることができる。
【0028】
また、本発明の非球面単レンズ光学系は、非球面単レンズの第2面が凹面である正のメニスカスレンズであってもよい。第2面を像面側に対して凹面とすることで、第1面と第2面の2つ面で収差補正ができるため、特に軸外収差補正において有利になる。例えば軸外収差を示すものとしてペッツバール和がある。ペッツバール和は、各光学面のパワーを屈折率で割った値の積算で求められる。そのため、第2面を凹面とすることで、ペッツバール和を小さくすることが可能になり像面湾曲が低減される。
【0029】
下記の条件(4)は、メニスカスレンズの各面のパワー配分を適正な範囲を規定するものである。特に球面収差、コマ収差、像面湾曲の状態をバランスよく補正するための条件となる。
(4) 1 < R2/R1 < 10
ただし、R1、R2は非球面単レンズの入射面側から第1面、第2面の曲率半径である。
【0030】
ここで上限の10を超えて大きくなると、第2面に対する第1面の正のパワーが大きくなり、球面収差、コマ収差の補正が困難になる。下限の1を超えて小さくなると、メニスカス凸レンズの効果がえられず、像面湾曲の補正が困難になる。
【0031】
上限値は9であればより望ましい。例えば、次の条件式(4−1)を満足するのがより望ましい。
(4−1) 1 < R2/R1 < 9
また、下限値が7であればより望ましく、例えば、次の条件式(4−2)を満足するのがより望ましい。
(4−2) 7 < R2/R1 < 10
また、メニスカス形状としたときは、上限値が2.5であればより望ましく、例えば、次の条件式(4−3)を満足するのがより望ましい。
(4−3) 1 < R2/R1 < 2.5
【0032】
本発明の非球面単レンズは、第1面が凸面の非球面であり、形状は次の非球面形状の式で表される。
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、yを光軸と垂直な方向にとり、Rは近軸曲率半径、k は円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0033】
条件式(5)は、上記非球面の形状を表す式の円錐定数kの値の適正な範囲を規定するもので、第1面のベースとなる形状を決めている。
(5) −40 < k < 15
【0034】
ここで、上限の15超えるて大きくなると、周辺の面のかたむきが急峻になり、加工が困難になる場合がある。また下限の−40を超えて小さくなると、主な正のパワーを有する第1面において光軸周辺の十分なパワーが得られなくなる。
【0035】
下限値は−30または−20であればより望ましく、上限値は10または1であればより望ましい。例えば、次の条件式(5−1)あるいは(5−2)を満足するのがより望ましい。
(5−1) −30 < k < 10
(5−2) −20 < k < 1
また、上限値が−0.7であればより望ましく、例えば、次の条件式(5−3)を満足するのがより望ましい。
(5−3) −20 < k < −0.7
また、メニスカス形状としたとき下限値が−0.1であればより望ましく、例えば、次の条件式(5−4)を満足するのがより望ましい。
(5−4) −0.1 < k < 1
【0036】
また、条件(6)は、4次の非球面係数aの適正な範囲を規定している。
(6) 1.0×10−8 < a < 9.0×10−4
【0037】
上限の9.0×10−4を超えるて大きくなると、周辺のサグ量が増大し、加工が困難になる場合がある。下限の1.0×10−8 を超えて小さくなると、面形状における非球面形状効果が軽微になり、十分な非球面効果が得られない。
【0038】
下限値は、1.0×10−7または3.0×10−6 であればより望ましく、上限値は、5.0×10−4または6.0×10−5であればより望ましい。例えば、次の条件式(6−1)あるいは(6−2)を満足するのがより望ましい。
(6−1) 1.0×10−7 < a < 5.0×10−4
(6−2) 3.0×10−6 < a < 6.0×10−5
【0039】
下記の条件式(7)は、レンズの開口数の適正な範囲を規定する条件式である。
(7) 0.05 < NA’ < 0.25
ただし、NAは、非球面単レンズの像側の開口数である。
【0040】
回折格子、ファブリペロー干渉計、VIPA板などの角分散素子を用いる場合には、角分散素子からの射出光束が素子による多重干渉によって生成される。このとき、多重干渉する方向、つまり角分散する方向の素子の長さが不足していれば、十分な射出光の光量を得ることが出来ない。非球面単レンズに導かれる入力光束の大きさは大きい方が好ましい。したがって、レンズの像側の開口数NA’はある値を持つ必要があり、その最適な範囲を規定している。
【0041】
上限の0.25を超えて大きくなると、高次のコマ収差が発生し、周辺光線の結像性能を悪化させる。下限の0.05を超えて小さくなると、バックフォーカスが長くなりすぎ装置全体が大型化してしまう。
【0042】
下限値は0.08であればより望ましく、上限値は0.2であればより望ましい。例えば、次の条件式(7−1)を満足するのがより望ましい。
(7−1) 0.08 < NA’ < 0.2
【0043】
下記の条件式(8)は非球面単レンズの硝材のアッベ数の最適な範囲を規定している。
(8) 20 < νd < 95
ただし、νdは非球面単レンズの硝材のアッベ数である。
【0044】
大容量のデータを伝送するため、1本の光ファイバに異なる波長の光を通してチャネルを多重化が行われている。使用する波長帯域を広げればそれだけ多くの波長数が得られるため有利である。そこで、例えば約1200nmから約1700nmまでの波長の帯域の光を通信に用いることが考えられる。その場合、本発明の非球面単レンズに用いる硝材の有する分散は低い方が望ましい。ここで通常、光学素子に用いられる硝材の分散値はアッベ数νd、νeで表現されており、可視域の波長における分散を表現しているが、通常の光学材料はこれらで分散を表現するため、本発明における硝材の分散特性もνdで規定する。
【0045】
上限の95を超えるて大きくなると、含有する元素が特殊な構成になり、安定した品質を確保できない。下限の20を超えて小さくなると、分散が大きくなり広い波長帯域における良好な結像性能が得られない。
【0046】
下限値は30または40であればより望ましく、上限値は90または85であればより望ましい。例えば、次式のようであれば望ましい。
(8−1) 30 < νd < 90
(8−2) 40 < νd < 85
【0047】
下記の条件式(9)は本発明の光学系の焦点距離の適正な範囲を規定する条件式である。
(9) 10(mm) < f < 100(mm)
ただし、fは非球面単レンズの焦点距離である。
【0048】
角分散素子に入射した光は、入射光の波長によって射出角が異なる。その射出角は非常に小さいため、分合波器や分散補償器などでは、焦点で隣合う波長のどうしの光が重ならず、十分に分岐される間隔を確保する必要がある。そのため角分散素子から集光レンズの焦点を結ぶ位置までの距離はある程度の長さが必要である。
例えば1.51μm及び1.6μmの波長の光を格子定数33の回折格子に入射した場合の回折角はそれぞれ2.579degと2.751degであり、その差は0.172degである。焦点距離f=50mmのレンズを用いた場合には、焦点位置における波長による位置(像高)の差は、0.15mmである。よって、導波路列としてシングルモードファイバー列(アレイ)を用いても、0.15mmはファイバーの外形よりも大きい分離量であり、入力光を分岐することが可能となる。
【0049】
上限の100を超えるて大きくなると、装置全体が大型化してしまう。下限の10を超えて小さくなると、角分散効果が小さいものを用いる場合には、特に波長の差による射出角の変化が小さくなり、波長分岐が十分に行えない。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例の図面を用いて説明する。
図1から図6は、本発明非球面単レンズ光学系の1つの形態を示す図である。
【0051】
第1の実施例
図1は本発明非球面単レンズ光学系の第1実施例の断面図であり、図7は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が平面で構成されている。
入射瞳位置1において波長毎に角度成分をもった略平行光束が非球面単レンズ2に入射し、焦点面3に焦点を結ぶ。
以下の単レンズ光学系においても同様に作用するので省略する。また、以下符号は同じ機能を有する構成については同じ番号を付すこととする。
次に、第1実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0052】
【0053】
第2実施例
図2は本発明非球面単レンズ光学系の第2実施例の断面図であり、図8は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、実施例1と同様に入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が平面で構成されている。
次に、第2実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0054】
【0055】
第3実施例
図3は本発明非球面単レンズ光学系の第3実施例の断面図であり、図9は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面がゆるい曲率半径を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第3実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0056】
【0057】
第4実施例
図4は本発明非球面単レンズ光学系の第4実施例の断面図であり、図10は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、実施例3と同様に入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面がゆるい曲率半径を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第4実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0058】
【0059】
第5実施例
図5は本発明非球面単レンズ光学系の第5実施例の断面図であり、図11は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が像側に凹面を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第5実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0060】
【0061】
第6実施例
図6は本発明非球面単レンズ光学系の第6実施例の断面図であり、図12は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、実施例3と同様に入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が像側に凹面を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第6実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0062】
【0063】
表1に本発明の条件式(1)から(9)の値と波面収差の値を示す。
【表1】
【0064】
図13および図14は、本発明の非球面単レンズを備えた光学システムの一実施形態を示す概略構成図である。この概略構成図は各実施例に共通である。
【0065】
図13は本発明の光学システムである光分合波器の概略構成図である。図13では角分散素子の分散方向を含む面内の断面の様子を示している。5は光分合波器に入力光を導く入力光ファイバである。6はコリメータレンズであり、入力光ファイバ5からの発散光を略平行光にする。7は角分散素子として用いられた回折格子であり、入力された光の波長により射出角度を変える作用をもつ。8、9はそれぞれ回折格子の入射面、射出面であり、この射出面9は回折格子が加工された領域と加工されていない領域に分かれている。加工された領域内がそのまま入射瞳形成部として本発明の非球面単レンズ光学系の入射瞳となっている。10は本発明の非球面単レンズ2である集光レンズである。ここでは、入射側の第1面11が非球面で入射側に凸面を向けている。また、射出面である第2面12は、平面または凹面で構成されている。13は波長に対応した光信号をそれぞれ受ける出力光ファイバである。このように光分合波器4は、光の進む順に、入力光ファイバ5、コリメータレンズ6、角分散素子7、出力光ファイバ13とで構成されている。
なお、集光レンズ10は非球面単レンズ2と同じものである。よって、以後光学システムの説明では集光レンズ10で表す。
【0066】
次に、光分合波器の作用について説明する。光は光合分波器4の入力部である入力光ファイバ5から射出され、入力光ファイバ5のNAによって決まる発散角で広がりながら進む。この光はコリメータレンズ6で略平行光となり、角分散素子である回折格子にある角度を持って入射する。角分散素子の回折格子7からの射出光は、波長によって射出角が変化する。波長毎の画角を有する平行光は、角分散素子の回折格子7から射出し、この全ての射出光に対して高い収差補正能力のある集光レンズ10によって波長ごとに焦点面の異なる位置に集光する。焦点面に各波長毎に対応した位置に出力光ファイバ13を置くことにより分波を行う。
【0067】
ここで、集光レンズ10(本発明の非球面単レンズ2)は、高い収差補正能力のあるレンズである。よってこの集光レンズ10で集光した全ての画角の光線は、像面湾曲量が少なく、波面収差の小さい焦点を形成することができる。それにより、その焦点位置に配設された出力光ファイバ13に高い結合効率で結合する。この結果、本実施の形態の光合分波器4では、光量ロスが少なく光信号を伝送することができる。
また、入力する光を逆に出力光ファイバ13から出すことによって、逆方向に光を送ることにより合波することも可能である。
【0068】
なお、光分合波器4では、コリメータレンズ6は必ずしも必要なものではない。また回折格子7の入射面8に回折格子を加工してもよい。また、射出面9に遮光塗料塗布やリンセイ銅板などによる絞りを設けることにより、不必要な高次の回折光を除去することができる。これらの絞りは入射瞳形成部となる。
【0069】
角分散素子としては、入射される光の波長によって射出する光の射出角が異なるものであれば利用することができる。ただし、角分散素子の分散量が小さければ出力ファイバ13までの距離が長くなり、装置の大型化を招く。あるいは、波長毎の分離が困難となる。そのため、角分散素子の分散量がある程度大きいものが好ましい。回折格子7のかわりに用いることができるものとしては、ファブリーペローエタロン、ファブリーペロー干渉計、VIPA板、プリズム等がある。
【0070】
また、光学系の入射瞳形成部として、前述の様に回折格子の加工領域の有無をそのまま絞りとしての入射瞳形成部とすることができる。その格子面上に遮光塗料等で絞り形状に遮光する、リンセイ銅板などの絞りの貼り付け、メカ枠での絞り作製などで瞳の形成を行っても良い。必ずしも角分散素子の面上にある必要はない。例えば光路中に必要次数の回折光を通過させるよう、角分散素子から離して配置してもよい。また、回折格子の加工領域を入射光束の大きさより大きくし、絞りを設けないこともできる。この場合、入射光ファイバやコリメータレンズからの回折格子面上の光束形状がそのまま入射瞳となる。このときは回折格子面が入射瞳形成部となる。角分散素子として前述のものを替わりに用いても、同様に入射瞳形成部としての構成を選択できる。
【0071】
また、図中には導波路として出力光ファイバ13としたが、代わりに半導体等で製造された導波路に置き換えることもできる。
【0072】
図14は本発明の光学システムである分散補償器の概略構成図である。図14では角分散素子の分散方向を含む面内の断面の様子を示している。5は分散補償器に入力光を導く入力光ファイバである。6はコリメータレンズであり、入力光ファイバ5からの発散光を平行光にする。15はシリンドリカルレンズである。16は角分散素子として用いられたファブリーペロー干渉計であり、入力された光の波長により射出角度を変える作用をもつ。17、18はそれぞれファブリーペロー干渉計の入射面、射出面である。この射出面18に加工された有効射出領域内が、そのまま本発明の非球面単レンズ光学系の入射瞳となっている。10は非球面単レンズ2からなる集光レンズである。入射側の第1面11が、非球面形状で入射側に凸面を向けている。また、射出面である第2面12は、平面または凹面で構成されている。19は反射ミラーであり3次元の曲面たとえば回転非対称の自由曲面等で構成されている。このように、分散補償器14は光の光の進む順に、入力光ファイバ5、コリメータレンズ6、シリンドリカルレンズ15、角分散素子16、集光レンズ10、反射ミラー19によって構成されている。
【0073】
次に分散補償器14の作用について説明する。光ファイバを伝送された光は、分散補償器の入力部である入力光ファイバ5の端から射出される。入力光である入力光ファイバ5の端から射出した光はファイバのNAによって決まる発散角で広がりながら進む。この光はコリメータレンズ6によって略平行光になり、シリンドリカルレンズ15に入射する。このシリンドリカルレンズ15は角分散素子16の分散方向にのみにパワーを有している。よって、シリンドリカルレンズを射出した光は1軸方向にのみ集光した略直線状の光となってファブリペロー干渉計16に入射する。このとき略直線状の光は、ファブリペロー干渉計16の入射部に対して角度を持って入射する。なお、本実施の形態では、ファブリペロー干渉計16が角分散素子に用いられている。
【0074】
ファブリペロー干渉計16の媒質は光学ガラスである。そして図14における入射面17の入射部分17aの透過率は100%に近く、またそれ以外の面は略100%の反射率を有する入射側反射面17bとなっている。一方、射出面18は、入射側反射面17bの反射率よりも小さい内部反射率を有している。このような構造であるため、入射した光は内部において多重反射を生じる。その結果、波長毎に干渉した光それぞれについて射出する角度に違いが生じる。また、ファブリペロー干渉計16から射出した光線は略平行光束となっており、通常の平行光として取り扱うことができる。
【0075】
このように角分散素子は1方向に分散を与えられるような構成になっており、射出する光は1軸方向にのみ波長によって射出角の違う光となる。ファブリペロー干渉計16の代わりにファブリペローエタロン、VIPA板を用いることもできる。シリンドリカルレンズによって1軸方向にのみ集光した略一直線状の光を入射させることができる。これにより、シリンドリカルレンズにより集光した方向と同方向にのみ波長によって射出角の異なる光を射出させることができる。ここで波長によって射出角の異なる光を射出させる方向(紙面に沿った上下方向)を分散方向とする。
【0076】
角分散素子からの射出光は集光レンズ10によって波長毎に異なる焦点をもつ焦点面に集光する。この集光レンズ10は波長による射出角の変化に対して対応できる収差補正能力を有している。この集光レンズ10は波長による射出角の違いにより、略焦点面に配置された反射ミラー19面上の角分散素子の分散方向での波長毎の反射位置の変化を生じさせる。
【0077】
反射ミラー19は、分散値に対応した光路長差を生じさせるよう3次元の曲面に形成されている。このように本実施の形態の分散補償器は、この光路長差を持たせることで波長による群遅延差(分散)を補償することができる。なお、入力された光信号が波長毎にもつ群遅延差に合わせ、光路差を可変とする必要がある。つまり、波長毎に反射ミラー19面までの距離を適正な光路差が得られる距離にする必要がある。そのためには、反射ミラー19を移動させることにより、適切な光路差が得られる構成としている。
図14においては、分散方向(紙面上の上下方向)にある反射ミラー19の反射点を反射ミラー19の移動により変化させることになる。例えば、反射ミラー19を紙面に垂直な方向に動かすとき、反射ミラー19の紙面に沿った断面形状が、集光レンズ10側から見ると凸形状から凹形状変化する自由曲面にすれば、反射ミラーを紙面に垂直な方向の適正な位置に移動させることで、正分散または負分散といった分散に対しても光信号の分散を補償することができる。
【0078】
各波長の光は光路差を有したまま波長毎に異なる反射面の位置で反射し、前述の光路を逆方向にすすみ、再度入射光ファイバに入射する。また、途中サーキュレータ等(不図示)を配置し、光信号を分岐することによって、分散が補償された光信号を得ることができる。
【0079】
前述の様に角分散素子と集光レンズと反射ミラーを含む構成することにより、補償する分散量にかかわらず、挿入損失が少ない分散補償器を実現することができる。また、光ファイバ等の光学部品の持つ分散による光信号の劣化を補償する分散補償器を実現することができる。
【0080】
このような本発明の光システムにおいて、角分散素子から射出する光線は、射出角の異なる光線すなわち画角を有する光線となる。この画角のある全ての光線は、反射ミラー面において反射されるときに波面収差が小さいことが望ましい。集光レンズである本発明の非球面単レンズはその焦点位置で、全ての光線において波面収差量WがW≦0.1λを満たすよう設計されているので、光量ロスが少ない光学システムとすることができる。
【0081】
なお、分散補償器14では、コリメータレンズ6は必ずしも必要なものではない。角分散素子としては、入射される光の波長によって射出する光の射出角が異なるものであれば利用することができる、ただし、角分散素子の分散量が小さいと出力ファイバ13までの距離が長くなり、装置の大型化を招く。あるいは、波長分離が困難となり分散補償することが困難となる。そのため、角分散素子の分散量がある程度大きいものが好ましい。角分散素子としてファブリーペロー干渉計16のかわりに、回折格子、ファブリーペローエタロン、VIPA板、プリズム等に置き換えることもできる。
【0082】
光学系の入射瞳形成部として、前述のように干渉計16射出面18の有効領域をそのまま入射瞳形成部とすることができる。その射出面18上に遮光塗料等で絞り形状に遮光する、リンセイ銅板などの絞りの貼り付け、メカ枠での絞り作製などで行っても良い。入射瞳形成部は必ずしも角分散素子の面上にある必要はない。例えば、光路中に必要次数の回折光を通過させるよう、角分散素子から離して配置してもよい。また、干渉計の加工領域を入射光束の大きさより大きくし、絞りを設けないこともできる。この場合、入射光ファイバやコリメータレンズからの干渉計射出面上の光束形状がそのまま入射瞳となる。このときは干渉計射出面が入射瞳形成部となる。角分散素子として前述のものを替わりに用いても、同様に入射瞳形成部としての構成を選択できる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明の非球面単レンズ光学系、及び、その非球面単レンズ光学系を備えた光学システムは、入射した光の全てにおいて残存する波面収差が小さく、かつ像面湾曲が小さく光学系で発生するロスを極小に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非球面単レンズ光学系の第1実施例の断面図である。
【図2】本発明の非球面単レンズ光学系の第2実施例の断面図である。
【図3】本発明の非球面単レンズ光学系の第3実施例の断面図である。
【図4】本発明の非球面単レンズ光学系の第4実施例の断面図である。
【図5】本発明の非球面単レンズ光学系の第5実施例の断面図である。
【図6】本発明の非球面単レンズ光学系の第6実施例の断面図である。
【図7】本発明の実施例1の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図8】本発明の実施例2の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図9】本発明の実施例3の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図10】本発明の実施例4の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図11】本発明の実施例5の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図12】本発明の実施例6の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図13】本発明の光学システムである光分合波器の概略構成図である。
【図14】本発明の光学システムである分散補償器の概略構成図である。
【符号の説明】
1 入射瞳位置
2 非球面単レンズ
3 焦点面
4 光分合波器
5 入力光ファイバ
6 コリメータレンズ
7 回折格子(角分散素子)
8 回折格子入射面
9 回折格子射射面
10 集光レンズ(非球面単レンズ)
11 集光レンズ入射面
12 集光レンズ射出面
13 出力光ファイバ
14 分散補償器
15 シリンドリカルレンズ
16 ファブリーペロー干渉計
17 干渉計入射面
17a 干渉計入射面(入射部分)
17b 干渉計入射面(100%反射部分)
18 干渉計射出面
19 反射ミラー
【発明が属する技術分野】
本発明は、光通信等に用いられる非球面単レンズ光学系、及び非球面単レンズ光学系を備えた光学システムに関するものである。特には光合分波器や分散補償器に用いられる非球面単レンズ光学系、及びその非球面単レンズ光学系を備えた光学システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信においては、通信トラフィックの増大に伴って通信速度の高速化、波長多重による大容量化が計られている。通信速度の高速化に伴い、温度変化などの環境の影響などでも光信号が劣化する現象が生じることが知られている。
【0003】
その光信号の劣化を補償するために、例えば、光ファイバーの分散、分散スロープ、偏波分散などを可変で補償することが必要である。これまでに提案された分散補償器には、角分散素子を用い、波長によって光路を変化させ、それぞれの波長による光路長差を生じさせることによって補償を行う装置がある。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
また、波長多重によって、光ファイバーに数波〜数100波の波長を用いて光信号を伝送する場合には、伝送中における操作として、分岐、ADD/DROP、各補償のための分波、合波を行うものがある。(例えば、参考文献2参照)
【0005】
このような、光信号の操作において、入力光をコリメート或いは結合する場合には、波長により射出角の異なる軸上光線以外の入力光をそれぞれ所望の像高で集光する必要がある。しかし、従来の光ファイバー用コリメートレンズでは、軸上光線のみの収差を補正しているため、軸外光線の入射により焦点位置のずれが発生する。また、入射角の変化に十分対応していないため、入射角が変化すると光ファイバーとの結合効率の低下が発生し、光量ロスが大きくなるといった問題がある。よって軸上性能のみよいコリメートレンズは、このような軸外光束を含む光学系には適していない。
【0006】
また、光通信、光記録用途には、波面収差が0.1λ以下もしくは、0.07λ以下であるレンズ、いわゆる無収差レンズが望ましい。そこで、入力光を集光する光学系としては、2枚以上の組み合わせレンズや屈折率分布型レンズ等を適用することも考えられる。しかし、2枚以上の組み合わせレンズでは接合面での光量ロスや装置が大型化するといった問題がある。また、屈折率分布型レンズでは、製造工程の複雑化によるコストの上昇といった問題がある。したがって、上記光信号の操作のための入力光を集光する光学系としては、均質なガラスの単レンズを用いた光学系が望まれる。
【0007】
単レンズを用いた光学系には以下のようなものがある。
▲1▼絞りとこの絞りに凹面を向けた正のメニスカスレンズで構成されたもの(特許文献3参照)、
▲2▼コスト低減のため第1面を非球面、第2面を球面で構成したもの(特許文献4参照)、
▲3▼第1面が凸、第2面が凹のメニスカスレンズで第1面、第2面とも非球面係数を使用しない非球面に形成し、製造誤差を減らしコスト低減を図ったもの(特許文献5参照)、
▲4▼物体側から順に、前置き絞り、メニスカス形状の正の単レンズで、単レンズは物体側より非球面からなる第1面、像側に凸面を向けた非球面からなる第2面で構成されたもの(特許文献6参照)
【0008】
【特許文献1】
特表2000−511655号公報
【特許文献2】
特開平9−430579号公報
【特許文献3】
特開平7−5358号公報(第5頁、図8、図11、図17)
【特許文献4】
特開平7−261074号公報(第5頁、図1)
【特許文献5】
特開平8−313806号公報(第4頁、図1)
【特許文献6】
特開2002−98885号公報(第8頁、図1、図3、図5、図7)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記▲1▼の光学系では、画角を有する周辺光線が絞りから第1面に入射するとレンズでの光線高が高くなる。これにより軸外収差が補正不足となり、軸外の波面収差が残存してしまうという問題がある。
【0010】
また、前記▲2▼の光学系では、コリメートレンズで両凸レンズであるため、ペッツバール和が大きく、画角の大きい場合には像面湾曲補正が困難になる。そのため像面湾曲により光信号の結合時の光束が広がり、光量のロスが発生するといった問題がある。
【0011】
同様に、前記▲3▼の光学系では非球面形状を円錐定数のみとしているため、周辺光線の収差補正特にコマ収差や非点収差等の補正が困難となるといった問題がある。
【0012】
また、前記▲4▼の光学系では前置絞りが光学系に近い構成のため、画角が小さい角分散素子からの射出光を分波することが難しいといった問題がある。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑み、入射した光の全てにおいて残存する波面収差が小さく、かつ像面湾曲が小さく光学系で発生する光量ロスを極小に抑えることのできる非球面単レンズ光学系を提供することを目的とする。また、その非球面単レンズ光学系を用いた光学システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1の発明による非球面単レンズ光学系は、入射側から順に、入射瞳形成部と、入射側の面が正パワーの非球面である非球面単レンズとで構成され、前記非球面単レンズは以下の条件(1)から(3)を満たすことを特徴としている。
(1) 0.05<R1/f<1.0
(2) 0.2<(D+SB)/f<1.0
(3) 0.01<IH/f<0.1
ただし、R1はレンズの入射側から第1面の基準曲率半径、fは焦点距離、Dはレンズ中心の厚さ、SBは入射瞳形成部で決まる入射瞳位置から非球面単レンズの第1面までの長さ、IHは非球面単レンズに入射する入力光の最大像高である。
【0015】
また、本発明による非球面単レンズ光学系を用いた光学システムは、光ファイバーから射出した光を角分散素子と集光レンズと導波路を用いて分合波を行う光学システムであって、集光レンズに上記の非球面単レンズ光学系を備えたこと特徴としている。
【0016】
また、本発明による非球面単レンズ光学系を用いた光学システムは、光ファイバーから射出した光を角分散素子と集光レンズと反射ミラーを用いて分散補償を行う光学システムであって、集光レンズに上記の非球面単レンズ光学系を備えたこと特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用について説明する。
本発明の非球面単レンズ光学系は、入射側から順に、入射瞳形成部と、入射側の面が正パワーの非球面である非球面単レンズとで構成され、前記非球面単レンズは後述の条件式を満たすものである。これにより入射した光の全てにおいて残存する波面収差が小さく、かつ像面湾曲が小さいために光学系で発生する光量ロスを極小に抑えることができる。
なお、光路中に角分散素子を配置した場合、角分散素子で波長により異なる射出角度を有す光束に分岐される。そこで本発明の非球面単レンズ光学系を用いることにより、このような構成であってもそれぞれ各波長毎に異なる角度をもつ光束を良好に焦点面に集光させることができる。
【0018】
次に、条件式について説明する。条件(1)はレンズの主な正のパワーを有する面である第1面の適正なパワーの範囲を規定している。
(1) 0.05<R1/f<1.0
ただし、R1はレンズの入射側から第1面の非球面成分を除いた基準曲率半径、fは単レンズの焦点距離である。
【0019】
ここで上限の1.0を超えると、第1面のパワーが小さくなり、メリジオナル像面が像側に倒れる。したがって、軸外における非点隔差が大きくなり、結像性能を悪化させる。一方、下限の0.05を超えて小さくなると、第1面のパワーが大きくなり、球面収差、コマ収差がマイナスに大きくなる。下限値は0.1または0.15であればより望ましく、上限値は0.8または0.78であればより望ましい。例えば、次の条件式(1−1)あるいは(1−2)を満足するのがより望ましい。
(1−1) 0.1 <R1/f <0.8
また、上限値が0.4であればより望ましく、例えば、次の条件式(1−2)を満足するのがより望ましい。
(1−2) 0.4 <R1/f <0.8
【0020】
条件(2)は結像面での像高を確保し、かつ像面湾曲の範囲を適正にする条件である。
(2)0.2<(D+SB)/f<1.0
ただし、Dはレンズ中心の厚さ、SBは入射瞳位置から非球面単レンズの第1面までの長さである。特にSBは入射瞳が偏心している場合は非球面単レンズの光軸上における長さとする。
【0021】
ここで上限1.0を超える場合は瞳からレンズまでの距離が大きくなり、像面が像側に大きく傾く。また、装置の大型化を招く。下限0.2を超えて小さくなると、メリジオナル像面が物体側に大きく傾く。また、焦点面に入射する主光線の傾きが大きくなる。そのため、テレセントリック性が重要な光学系では、上記条件式(2)を満足しないと光量のロスが発生し不都合となる。
【0022】
下限値は0.3であればより望ましく、上限値は0.9であればより望ましい。例えば、次の条件式(2−1)を満足するのがより望ましい。
(2−1) 0.3<(D+SB)/f<0.9
また、上限値が0.45であればさらにより望ましく、例えば、次の条件式(2−2)を満足するのがより望ましい。
(2−2) 0.3<(D+SB)/f<0.45
【0023】
条件(3)はレンズに入射した光が焦点面に集光する高さの適正な範囲を規定する。
(3)0.01<IH/f<0.1
ただし、IHは非球面単レンズに入射する入力光の最大像高である。
【0024】
ここで上限の0.1を超えるとレンズに入射する入射角が大きくなりすぎ、単レンズでは収差補正しきれないレベルになってしまう。下限の0.01を超えて小さくなると、画角が小さくなりすぎるため、十分な波長分岐を行うため光路長を長くする必要があり、装置の大型化を引き起こしてしまう。
【0025】
下限値は0.03または0.04であればより望ましく、上限値は0.08または0.079であればより望ましい。例えば、次の条件式(3−1)を満足するのがより望ましい。
(3−1) 0.03<IH/f<0.08
また、上限値が0.06であればより望ましく、例えば、次の条件式(3−2)を満足するのがより望ましい。
(3−2) 0.03<IH/f<0.06
【0026】
本発明の非球面単レンズ光学系は、角分散素子を有することが望ましい。この角分散素子により、入射光の波長毎にその射出角度を変化させ、波長毎の分岐ができる。
【0027】
本発明の非球面単レンズ光学系は、第2面が平面である正の凸平レンズであることが望ましい。第2面を平面にすることで1面の加工上の制約が緩和され、低コスト化が図ることができる。また、第2面の曲率半径を大きくし、凸平レンズに近い形状とすることによっても同様の効果を得ることができる。
【0028】
また、本発明の非球面単レンズ光学系は、非球面単レンズの第2面が凹面である正のメニスカスレンズであってもよい。第2面を像面側に対して凹面とすることで、第1面と第2面の2つ面で収差補正ができるため、特に軸外収差補正において有利になる。例えば軸外収差を示すものとしてペッツバール和がある。ペッツバール和は、各光学面のパワーを屈折率で割った値の積算で求められる。そのため、第2面を凹面とすることで、ペッツバール和を小さくすることが可能になり像面湾曲が低減される。
【0029】
下記の条件(4)は、メニスカスレンズの各面のパワー配分を適正な範囲を規定するものである。特に球面収差、コマ収差、像面湾曲の状態をバランスよく補正するための条件となる。
(4) 1 < R2/R1 < 10
ただし、R1、R2は非球面単レンズの入射面側から第1面、第2面の曲率半径である。
【0030】
ここで上限の10を超えて大きくなると、第2面に対する第1面の正のパワーが大きくなり、球面収差、コマ収差の補正が困難になる。下限の1を超えて小さくなると、メニスカス凸レンズの効果がえられず、像面湾曲の補正が困難になる。
【0031】
上限値は9であればより望ましい。例えば、次の条件式(4−1)を満足するのがより望ましい。
(4−1) 1 < R2/R1 < 9
また、下限値が7であればより望ましく、例えば、次の条件式(4−2)を満足するのがより望ましい。
(4−2) 7 < R2/R1 < 10
また、メニスカス形状としたときは、上限値が2.5であればより望ましく、例えば、次の条件式(4−3)を満足するのがより望ましい。
(4−3) 1 < R2/R1 < 2.5
【0032】
本発明の非球面単レンズは、第1面が凸面の非球面であり、形状は次の非球面形状の式で表される。
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、yを光軸と垂直な方向にとり、Rは近軸曲率半径、k は円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0033】
条件式(5)は、上記非球面の形状を表す式の円錐定数kの値の適正な範囲を規定するもので、第1面のベースとなる形状を決めている。
(5) −40 < k < 15
【0034】
ここで、上限の15超えるて大きくなると、周辺の面のかたむきが急峻になり、加工が困難になる場合がある。また下限の−40を超えて小さくなると、主な正のパワーを有する第1面において光軸周辺の十分なパワーが得られなくなる。
【0035】
下限値は−30または−20であればより望ましく、上限値は10または1であればより望ましい。例えば、次の条件式(5−1)あるいは(5−2)を満足するのがより望ましい。
(5−1) −30 < k < 10
(5−2) −20 < k < 1
また、上限値が−0.7であればより望ましく、例えば、次の条件式(5−3)を満足するのがより望ましい。
(5−3) −20 < k < −0.7
また、メニスカス形状としたとき下限値が−0.1であればより望ましく、例えば、次の条件式(5−4)を満足するのがより望ましい。
(5−4) −0.1 < k < 1
【0036】
また、条件(6)は、4次の非球面係数aの適正な範囲を規定している。
(6) 1.0×10−8 < a < 9.0×10−4
【0037】
上限の9.0×10−4を超えるて大きくなると、周辺のサグ量が増大し、加工が困難になる場合がある。下限の1.0×10−8 を超えて小さくなると、面形状における非球面形状効果が軽微になり、十分な非球面効果が得られない。
【0038】
下限値は、1.0×10−7または3.0×10−6 であればより望ましく、上限値は、5.0×10−4または6.0×10−5であればより望ましい。例えば、次の条件式(6−1)あるいは(6−2)を満足するのがより望ましい。
(6−1) 1.0×10−7 < a < 5.0×10−4
(6−2) 3.0×10−6 < a < 6.0×10−5
【0039】
下記の条件式(7)は、レンズの開口数の適正な範囲を規定する条件式である。
(7) 0.05 < NA’ < 0.25
ただし、NAは、非球面単レンズの像側の開口数である。
【0040】
回折格子、ファブリペロー干渉計、VIPA板などの角分散素子を用いる場合には、角分散素子からの射出光束が素子による多重干渉によって生成される。このとき、多重干渉する方向、つまり角分散する方向の素子の長さが不足していれば、十分な射出光の光量を得ることが出来ない。非球面単レンズに導かれる入力光束の大きさは大きい方が好ましい。したがって、レンズの像側の開口数NA’はある値を持つ必要があり、その最適な範囲を規定している。
【0041】
上限の0.25を超えて大きくなると、高次のコマ収差が発生し、周辺光線の結像性能を悪化させる。下限の0.05を超えて小さくなると、バックフォーカスが長くなりすぎ装置全体が大型化してしまう。
【0042】
下限値は0.08であればより望ましく、上限値は0.2であればより望ましい。例えば、次の条件式(7−1)を満足するのがより望ましい。
(7−1) 0.08 < NA’ < 0.2
【0043】
下記の条件式(8)は非球面単レンズの硝材のアッベ数の最適な範囲を規定している。
(8) 20 < νd < 95
ただし、νdは非球面単レンズの硝材のアッベ数である。
【0044】
大容量のデータを伝送するため、1本の光ファイバに異なる波長の光を通してチャネルを多重化が行われている。使用する波長帯域を広げればそれだけ多くの波長数が得られるため有利である。そこで、例えば約1200nmから約1700nmまでの波長の帯域の光を通信に用いることが考えられる。その場合、本発明の非球面単レンズに用いる硝材の有する分散は低い方が望ましい。ここで通常、光学素子に用いられる硝材の分散値はアッベ数νd、νeで表現されており、可視域の波長における分散を表現しているが、通常の光学材料はこれらで分散を表現するため、本発明における硝材の分散特性もνdで規定する。
【0045】
上限の95を超えるて大きくなると、含有する元素が特殊な構成になり、安定した品質を確保できない。下限の20を超えて小さくなると、分散が大きくなり広い波長帯域における良好な結像性能が得られない。
【0046】
下限値は30または40であればより望ましく、上限値は90または85であればより望ましい。例えば、次式のようであれば望ましい。
(8−1) 30 < νd < 90
(8−2) 40 < νd < 85
【0047】
下記の条件式(9)は本発明の光学系の焦点距離の適正な範囲を規定する条件式である。
(9) 10(mm) < f < 100(mm)
ただし、fは非球面単レンズの焦点距離である。
【0048】
角分散素子に入射した光は、入射光の波長によって射出角が異なる。その射出角は非常に小さいため、分合波器や分散補償器などでは、焦点で隣合う波長のどうしの光が重ならず、十分に分岐される間隔を確保する必要がある。そのため角分散素子から集光レンズの焦点を結ぶ位置までの距離はある程度の長さが必要である。
例えば1.51μm及び1.6μmの波長の光を格子定数33の回折格子に入射した場合の回折角はそれぞれ2.579degと2.751degであり、その差は0.172degである。焦点距離f=50mmのレンズを用いた場合には、焦点位置における波長による位置(像高)の差は、0.15mmである。よって、導波路列としてシングルモードファイバー列(アレイ)を用いても、0.15mmはファイバーの外形よりも大きい分離量であり、入力光を分岐することが可能となる。
【0049】
上限の100を超えるて大きくなると、装置全体が大型化してしまう。下限の10を超えて小さくなると、角分散効果が小さいものを用いる場合には、特に波長の差による射出角の変化が小さくなり、波長分岐が十分に行えない。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例の図面を用いて説明する。
図1から図6は、本発明非球面単レンズ光学系の1つの形態を示す図である。
【0051】
第1の実施例
図1は本発明非球面単レンズ光学系の第1実施例の断面図であり、図7は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が平面で構成されている。
入射瞳位置1において波長毎に角度成分をもった略平行光束が非球面単レンズ2に入射し、焦点面3に焦点を結ぶ。
以下の単レンズ光学系においても同様に作用するので省略する。また、以下符号は同じ機能を有する構成については同じ番号を付すこととする。
次に、第1実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0052】
【0053】
第2実施例
図2は本発明非球面単レンズ光学系の第2実施例の断面図であり、図8は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、実施例1と同様に入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が平面で構成されている。
次に、第2実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0054】
【0055】
第3実施例
図3は本発明非球面単レンズ光学系の第3実施例の断面図であり、図9は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面がゆるい曲率半径を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第3実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0056】
【0057】
第4実施例
図4は本発明非球面単レンズ光学系の第4実施例の断面図であり、図10は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、実施例3と同様に入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面がゆるい曲率半径を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第4実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0058】
【0059】
第5実施例
図5は本発明非球面単レンズ光学系の第5実施例の断面図であり、図11は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が像側に凹面を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第5実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0060】
【0061】
第6実施例
図6は本発明非球面単レンズ光学系の第6実施例の断面図であり、図12は第1実施例における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。非球面単レンズ2は、実施例3と同様に入射側の第1面が入射側に凸面を向けた非球面、射出側の第2面が像側に凹面を有するメニスカス形状で構成されている。
次に、第6実施例にかかる非球面単レンズを構成する光学系の数値データを示す。
【0062】
【0063】
表1に本発明の条件式(1)から(9)の値と波面収差の値を示す。
【表1】
【0064】
図13および図14は、本発明の非球面単レンズを備えた光学システムの一実施形態を示す概略構成図である。この概略構成図は各実施例に共通である。
【0065】
図13は本発明の光学システムである光分合波器の概略構成図である。図13では角分散素子の分散方向を含む面内の断面の様子を示している。5は光分合波器に入力光を導く入力光ファイバである。6はコリメータレンズであり、入力光ファイバ5からの発散光を略平行光にする。7は角分散素子として用いられた回折格子であり、入力された光の波長により射出角度を変える作用をもつ。8、9はそれぞれ回折格子の入射面、射出面であり、この射出面9は回折格子が加工された領域と加工されていない領域に分かれている。加工された領域内がそのまま入射瞳形成部として本発明の非球面単レンズ光学系の入射瞳となっている。10は本発明の非球面単レンズ2である集光レンズである。ここでは、入射側の第1面11が非球面で入射側に凸面を向けている。また、射出面である第2面12は、平面または凹面で構成されている。13は波長に対応した光信号をそれぞれ受ける出力光ファイバである。このように光分合波器4は、光の進む順に、入力光ファイバ5、コリメータレンズ6、角分散素子7、出力光ファイバ13とで構成されている。
なお、集光レンズ10は非球面単レンズ2と同じものである。よって、以後光学システムの説明では集光レンズ10で表す。
【0066】
次に、光分合波器の作用について説明する。光は光合分波器4の入力部である入力光ファイバ5から射出され、入力光ファイバ5のNAによって決まる発散角で広がりながら進む。この光はコリメータレンズ6で略平行光となり、角分散素子である回折格子にある角度を持って入射する。角分散素子の回折格子7からの射出光は、波長によって射出角が変化する。波長毎の画角を有する平行光は、角分散素子の回折格子7から射出し、この全ての射出光に対して高い収差補正能力のある集光レンズ10によって波長ごとに焦点面の異なる位置に集光する。焦点面に各波長毎に対応した位置に出力光ファイバ13を置くことにより分波を行う。
【0067】
ここで、集光レンズ10(本発明の非球面単レンズ2)は、高い収差補正能力のあるレンズである。よってこの集光レンズ10で集光した全ての画角の光線は、像面湾曲量が少なく、波面収差の小さい焦点を形成することができる。それにより、その焦点位置に配設された出力光ファイバ13に高い結合効率で結合する。この結果、本実施の形態の光合分波器4では、光量ロスが少なく光信号を伝送することができる。
また、入力する光を逆に出力光ファイバ13から出すことによって、逆方向に光を送ることにより合波することも可能である。
【0068】
なお、光分合波器4では、コリメータレンズ6は必ずしも必要なものではない。また回折格子7の入射面8に回折格子を加工してもよい。また、射出面9に遮光塗料塗布やリンセイ銅板などによる絞りを設けることにより、不必要な高次の回折光を除去することができる。これらの絞りは入射瞳形成部となる。
【0069】
角分散素子としては、入射される光の波長によって射出する光の射出角が異なるものであれば利用することができる。ただし、角分散素子の分散量が小さければ出力ファイバ13までの距離が長くなり、装置の大型化を招く。あるいは、波長毎の分離が困難となる。そのため、角分散素子の分散量がある程度大きいものが好ましい。回折格子7のかわりに用いることができるものとしては、ファブリーペローエタロン、ファブリーペロー干渉計、VIPA板、プリズム等がある。
【0070】
また、光学系の入射瞳形成部として、前述の様に回折格子の加工領域の有無をそのまま絞りとしての入射瞳形成部とすることができる。その格子面上に遮光塗料等で絞り形状に遮光する、リンセイ銅板などの絞りの貼り付け、メカ枠での絞り作製などで瞳の形成を行っても良い。必ずしも角分散素子の面上にある必要はない。例えば光路中に必要次数の回折光を通過させるよう、角分散素子から離して配置してもよい。また、回折格子の加工領域を入射光束の大きさより大きくし、絞りを設けないこともできる。この場合、入射光ファイバやコリメータレンズからの回折格子面上の光束形状がそのまま入射瞳となる。このときは回折格子面が入射瞳形成部となる。角分散素子として前述のものを替わりに用いても、同様に入射瞳形成部としての構成を選択できる。
【0071】
また、図中には導波路として出力光ファイバ13としたが、代わりに半導体等で製造された導波路に置き換えることもできる。
【0072】
図14は本発明の光学システムである分散補償器の概略構成図である。図14では角分散素子の分散方向を含む面内の断面の様子を示している。5は分散補償器に入力光を導く入力光ファイバである。6はコリメータレンズであり、入力光ファイバ5からの発散光を平行光にする。15はシリンドリカルレンズである。16は角分散素子として用いられたファブリーペロー干渉計であり、入力された光の波長により射出角度を変える作用をもつ。17、18はそれぞれファブリーペロー干渉計の入射面、射出面である。この射出面18に加工された有効射出領域内が、そのまま本発明の非球面単レンズ光学系の入射瞳となっている。10は非球面単レンズ2からなる集光レンズである。入射側の第1面11が、非球面形状で入射側に凸面を向けている。また、射出面である第2面12は、平面または凹面で構成されている。19は反射ミラーであり3次元の曲面たとえば回転非対称の自由曲面等で構成されている。このように、分散補償器14は光の光の進む順に、入力光ファイバ5、コリメータレンズ6、シリンドリカルレンズ15、角分散素子16、集光レンズ10、反射ミラー19によって構成されている。
【0073】
次に分散補償器14の作用について説明する。光ファイバを伝送された光は、分散補償器の入力部である入力光ファイバ5の端から射出される。入力光である入力光ファイバ5の端から射出した光はファイバのNAによって決まる発散角で広がりながら進む。この光はコリメータレンズ6によって略平行光になり、シリンドリカルレンズ15に入射する。このシリンドリカルレンズ15は角分散素子16の分散方向にのみにパワーを有している。よって、シリンドリカルレンズを射出した光は1軸方向にのみ集光した略直線状の光となってファブリペロー干渉計16に入射する。このとき略直線状の光は、ファブリペロー干渉計16の入射部に対して角度を持って入射する。なお、本実施の形態では、ファブリペロー干渉計16が角分散素子に用いられている。
【0074】
ファブリペロー干渉計16の媒質は光学ガラスである。そして図14における入射面17の入射部分17aの透過率は100%に近く、またそれ以外の面は略100%の反射率を有する入射側反射面17bとなっている。一方、射出面18は、入射側反射面17bの反射率よりも小さい内部反射率を有している。このような構造であるため、入射した光は内部において多重反射を生じる。その結果、波長毎に干渉した光それぞれについて射出する角度に違いが生じる。また、ファブリペロー干渉計16から射出した光線は略平行光束となっており、通常の平行光として取り扱うことができる。
【0075】
このように角分散素子は1方向に分散を与えられるような構成になっており、射出する光は1軸方向にのみ波長によって射出角の違う光となる。ファブリペロー干渉計16の代わりにファブリペローエタロン、VIPA板を用いることもできる。シリンドリカルレンズによって1軸方向にのみ集光した略一直線状の光を入射させることができる。これにより、シリンドリカルレンズにより集光した方向と同方向にのみ波長によって射出角の異なる光を射出させることができる。ここで波長によって射出角の異なる光を射出させる方向(紙面に沿った上下方向)を分散方向とする。
【0076】
角分散素子からの射出光は集光レンズ10によって波長毎に異なる焦点をもつ焦点面に集光する。この集光レンズ10は波長による射出角の変化に対して対応できる収差補正能力を有している。この集光レンズ10は波長による射出角の違いにより、略焦点面に配置された反射ミラー19面上の角分散素子の分散方向での波長毎の反射位置の変化を生じさせる。
【0077】
反射ミラー19は、分散値に対応した光路長差を生じさせるよう3次元の曲面に形成されている。このように本実施の形態の分散補償器は、この光路長差を持たせることで波長による群遅延差(分散)を補償することができる。なお、入力された光信号が波長毎にもつ群遅延差に合わせ、光路差を可変とする必要がある。つまり、波長毎に反射ミラー19面までの距離を適正な光路差が得られる距離にする必要がある。そのためには、反射ミラー19を移動させることにより、適切な光路差が得られる構成としている。
図14においては、分散方向(紙面上の上下方向)にある反射ミラー19の反射点を反射ミラー19の移動により変化させることになる。例えば、反射ミラー19を紙面に垂直な方向に動かすとき、反射ミラー19の紙面に沿った断面形状が、集光レンズ10側から見ると凸形状から凹形状変化する自由曲面にすれば、反射ミラーを紙面に垂直な方向の適正な位置に移動させることで、正分散または負分散といった分散に対しても光信号の分散を補償することができる。
【0078】
各波長の光は光路差を有したまま波長毎に異なる反射面の位置で反射し、前述の光路を逆方向にすすみ、再度入射光ファイバに入射する。また、途中サーキュレータ等(不図示)を配置し、光信号を分岐することによって、分散が補償された光信号を得ることができる。
【0079】
前述の様に角分散素子と集光レンズと反射ミラーを含む構成することにより、補償する分散量にかかわらず、挿入損失が少ない分散補償器を実現することができる。また、光ファイバ等の光学部品の持つ分散による光信号の劣化を補償する分散補償器を実現することができる。
【0080】
このような本発明の光システムにおいて、角分散素子から射出する光線は、射出角の異なる光線すなわち画角を有する光線となる。この画角のある全ての光線は、反射ミラー面において反射されるときに波面収差が小さいことが望ましい。集光レンズである本発明の非球面単レンズはその焦点位置で、全ての光線において波面収差量WがW≦0.1λを満たすよう設計されているので、光量ロスが少ない光学システムとすることができる。
【0081】
なお、分散補償器14では、コリメータレンズ6は必ずしも必要なものではない。角分散素子としては、入射される光の波長によって射出する光の射出角が異なるものであれば利用することができる、ただし、角分散素子の分散量が小さいと出力ファイバ13までの距離が長くなり、装置の大型化を招く。あるいは、波長分離が困難となり分散補償することが困難となる。そのため、角分散素子の分散量がある程度大きいものが好ましい。角分散素子としてファブリーペロー干渉計16のかわりに、回折格子、ファブリーペローエタロン、VIPA板、プリズム等に置き換えることもできる。
【0082】
光学系の入射瞳形成部として、前述のように干渉計16射出面18の有効領域をそのまま入射瞳形成部とすることができる。その射出面18上に遮光塗料等で絞り形状に遮光する、リンセイ銅板などの絞りの貼り付け、メカ枠での絞り作製などで行っても良い。入射瞳形成部は必ずしも角分散素子の面上にある必要はない。例えば、光路中に必要次数の回折光を通過させるよう、角分散素子から離して配置してもよい。また、干渉計の加工領域を入射光束の大きさより大きくし、絞りを設けないこともできる。この場合、入射光ファイバやコリメータレンズからの干渉計射出面上の光束形状がそのまま入射瞳となる。このときは干渉計射出面が入射瞳形成部となる。角分散素子として前述のものを替わりに用いても、同様に入射瞳形成部としての構成を選択できる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明の非球面単レンズ光学系、及び、その非球面単レンズ光学系を備えた光学システムは、入射した光の全てにおいて残存する波面収差が小さく、かつ像面湾曲が小さく光学系で発生するロスを極小に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非球面単レンズ光学系の第1実施例の断面図である。
【図2】本発明の非球面単レンズ光学系の第2実施例の断面図である。
【図3】本発明の非球面単レンズ光学系の第3実施例の断面図である。
【図4】本発明の非球面単レンズ光学系の第4実施例の断面図である。
【図5】本発明の非球面単レンズ光学系の第5実施例の断面図である。
【図6】本発明の非球面単レンズ光学系の第6実施例の断面図である。
【図7】本発明の実施例1の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図8】本発明の実施例2の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図9】本発明の実施例3の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図10】本発明の実施例4の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図11】本発明の実施例5の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図12】本発明の実施例6の非球面単レンズ光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
【図13】本発明の光学システムである光分合波器の概略構成図である。
【図14】本発明の光学システムである分散補償器の概略構成図である。
【符号の説明】
1 入射瞳位置
2 非球面単レンズ
3 焦点面
4 光分合波器
5 入力光ファイバ
6 コリメータレンズ
7 回折格子(角分散素子)
8 回折格子入射面
9 回折格子射射面
10 集光レンズ(非球面単レンズ)
11 集光レンズ入射面
12 集光レンズ射出面
13 出力光ファイバ
14 分散補償器
15 シリンドリカルレンズ
16 ファブリーペロー干渉計
17 干渉計入射面
17a 干渉計入射面(入射部分)
17b 干渉計入射面(100%反射部分)
18 干渉計射出面
19 反射ミラー
Claims (11)
- 入射側から順に、入射瞳形成部と、入射側の面が正パワーの非球面である非球面単レンズとで構成され、前記非球面単レンズは以下の条件(1)から(3)を満たすことを特徴とする非球面単レンズ光学系。
(1) 0.05<R1/f<1.0
(2) 0.2<(D+SB)/f<1.0
(3) 0.01<IH/f<0.1
ただし、R1はレンズの入射側から第1面の基準曲率半径、fは焦点距離、Dはレンズ中心の厚さ、SBは前記入射瞳形成部で決まる入射瞳位置から非球面単レンズの第1面までの長さ、IHは非球面単レンズに入射する入力光の最大像高である。 - 前記非球面単レンズ光学系は、角分散素子を有することを特徴する請求項1に記載の非球面単レンズ光学系。
- 前記非球面単レンズの第2面は平面であることを特徴とする請求項1または2に記載の非球面単レンズ光学系。
- 前記非球面単レンズの第2面は凹面であることを特徴とする請求項1または2に記載の非球面単レンズ光学系。
- 条件(4)を満足することを特徴とする請求項4に記載の非球面単レンズ光学系。
(4) 1 < R2/R1 < 10
ただし、R1、R2は非球面単レンズの入射面側から第1面、第2面の曲率半径である。 - 前記非球面単レンズの第1面が凸面であり、かつ、条件(5)、(6)を満たす非球面であることを特徴とする請求項1から5に記載の非球面単レンズ光学系。
(5) −40 < k < 15
(6) 1.0×10−8 < a < 9.0×10−4
ただし、k は非球面形状の式の円錐定数、aは非球面式の4次の非球面係数である。 - 条件(7)を満足することを特徴とする請求項1から6に記載の非球面単レンズ光学系。
(7) 0.05 < NA’ < 0.25
ただし、NA’は非球面単レンズの像側の開口数である - 条件(8)を満足することを特徴とする請求項1から7に記載の非球面単レンズ光学系。
(8) 20 < νd < 95
ただし、νdは非球面単レンズの硝材のアッベ数である。 - 条件(9)を満足することを特徴とする請求項1から8に記載の非球面単レンズ光学系。
(9) 10 < f < 100
ただし、fは非球面単レンズの焦点距離である。 - 光ファイバーから射出した光を前記角分散素子と集光レンズと導波路を用いて分合波を行う光学システムであって、集光レンズに請求項1から9に記載の非球面単レンズ光学系を備えたこと特徴とする光学システム。
- 光ファイバーから射出した光を前記角分散素子と集光レンズと反射ミラーを用いて分散補償を行う光学システムであって、集光レンズに請求項1から9に記載の非球面単レンズ光学系を備えたこと特徴とする光学システム。
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