JP2004271667A - インデックスラベル - Google Patents
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Abstract
【課題】低温時にも被着体への粘着力が強く、被着体から剥がれることを防止でき、粘着剤層面同士の自着力が強く、粘着剤層面同士の剥がれを防止でき、パルプを再生する際に粘着剤の悪影響を受けることなく、貼付した紙製品又は他の紙製品と共にリサイクル工程で離解可能なインデックスラベルを提供することを目的とする。
【解決手段】基材の片表面に粘着剤層を設け、該粘着剤層を構成する粘着剤として、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有し、粘着剤層同士の自着力が5.0N/25mm以上である粘着剤にするインデックスラベル。
【選択図】 なし
【解決手段】基材の片表面に粘着剤層を設け、該粘着剤層を構成する粘着剤として、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有し、粘着剤層同士の自着力が5.0N/25mm以上である粘着剤にするインデックスラベル。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、帳簿、ノート等の紙製品等に貼付するインデックスラベルに関し、パルプを再生する際に粘着剤の悪影響を受けることなく、貼付した紙製品又は他の紙製品と共にリサイクル工程で離解可能なインデックスラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙製品の廃棄物は、パルプ資源の有効利用を図るため、パルプ再生のためにリサイクルされている。
また、帳簿、ノート等の紙製品等に貼付するインデックスラベルが普及しており、インデックスラベルが貼付された紙製品が廃棄された場合、その紙製品の廃棄物からパルプ再生をする際に、インデックスラベルに使用されている粘着剤が再生パルプの離解性を阻害することがある。
一方、離解可能な粘着剤は、種々提案されている。例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマーを主成分とする共重合体に、可塑性付与可能な界面活性剤を添加した粘着剤(特許文献1参照)や、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物、(メタ)アクリル酸及びアクリル酸アルキルエステルを共重合して得られる共重合体に、第三アミノアルコール、又は第三アミノアルコールと非イオン性界面活性剤を添加した粘着剤(特許文献2、特許文献3参照)や、アクリル酸アルコキシエチルエステル20〜99質量%、スチレンスルホン酸塩30〜1質量%、他の共重合性モノマー50〜0質量%を共重合して得られる共重合体からなる粘着剤(特許文献4参照)が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−156222号公報
【特許文献2】
特開平10−110149号公報
【特許文献3】
特開平11−124552号公報
【特許文献4】
特開平5−70755号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの粘着剤は、アクリル系共重合体においてアクリル酸含有モノマーに基づく単位の含有量が多いので、低温での粘着力が低いという欠点がある。これらの粘着剤をインデックスラベルの粘着剤として使用すると、冬場など低温環境では、インデックスラベル粘着剤層と被着体との界面で浮きが発生し、インデックスラベルが被着体から剥がれるなどの問題が生じる。また、界面活性剤が存在するために、粘着剤層面同士の自着力を阻害するという問題も生じる。さらに、インデックスラベルは、被着体に対する貼付面積よりも、粘着剤層面同士の自着面積の方が大きいという特徴を持っており、また、紙基材の強度を大きくすることが必要であるため、紙基材として秤量の大きいものが用いられている。このため、紙基材のコシの強さ、粘着剤層面同士の自着力の弱さが原因となり、剥がれなどの問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決し、低温時にも被着体への粘着力が強く、被着体から剥がれることを防止でき、粘着剤層面同士の自着力が強く、粘着剤層面同士の剥がれを防止でき、パルプを再生する際に粘着剤の悪影響を受けることなく、貼付した紙製品又は他の紙製品と共にリサイクル工程で離解可能なインデックスラベルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材の片表面に設けられた粘着剤層を構成する粘着剤として、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有し、粘着剤層同士の自着力が5.0N/25mm以上の粘着剤を使用することにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、基材の片表面に粘着剤層が設けられており、該粘着剤層を構成する粘着剤が(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有し、粘着剤層同士の自着力が5.0N/25mm以上であることを特徴とするインデックスラベルを提供するものである。
【0007】
また、本発明は、上記インデックスラベルにおいて、可塑性付与可能な可塑剤を、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して2〜15質量部含有するインデックスラベルを提供するものである。
また、本発明は、上記インデックスラベルにおいて、粘着付与剤がロジン系粘着付与剤であるインデックスラベルを提供するものである。
さらに、本発明は、上記インデックスラベルにおいて、可塑剤が界面活性剤又は水溶性ポリマーであるインデックスラベルを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のインデックスラベルにおいて、基材は、上質紙、セミグラシン紙等の紙、コート紙などの紙基材が使用できる。これらのうち、紙基材が好ましく、中でも上質紙がより好ましく、古紙を利用した上質紙が特に好ましく用いられる。なお、炭酸カルシウムを含む基材は、粘着剤中のカルボキシル基と炭酸カルシウムの相互作用により、粘着力、タックなどが低下し、インデックスラベルの剥がれの原因になるので、好ましくない。
基材の坪量は、通常80g/m2以上が好ましく、90〜300g/m2の範囲が特に好ましい。80g/m2未満であると、インデックスラベルのコシの強度が弱くなり易く、耐久性に劣るので、好ましくない。
【0009】
本発明においては、基材の片表面に粘着剤層が設けられている。
粘着剤層を構成する粘着剤の主成分は、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体である。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタアクリル酸の両者を意味する。
(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量は、5質量%以上であるが、その含有量の上限値は特に制限ないが、20質量%以下が好ましく、15質量%以下が特に好ましい。(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%未満であると、離解性が小さい。一方、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が20質量%を超えると、タックが劣り、また、粘度が高くなるので塗工し難いので好ましくない。
上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、主成分としてのエステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。
【0010】
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸プロポキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル、(メタ)アクリル酸プロポキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシペンチル、(メタ)アクリル酸エトキシペンチル、(メタ)アクリル酸メトキシヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸であり、これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。
【0011】
また、所望により用いられる他の単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;メタクリル酸グリシジルなどの(メタ)アクリル酸グリシジルエステル;クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN,N−ジアルキル置換アクリルアミド類などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0012】
上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の好適な具体例としては、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル50〜90質量%、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル5〜45質量%、(メタ)アクリル酸5〜15質量%、及びその他の共重合可能なモノマー0〜30質量%を共重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が挙げられる。
【0013】
上記粘着剤層には、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有する。
粘着付与剤の軟化点は、140℃以上であるが、150℃以上が好ましい。
軟化点が140℃以上の粘着付与剤としては、ロジン系粘着付与剤が好ましく挙げられる。ロジン系粘着付与剤としては、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジンなどが好ましく挙げられる。ロジン系粘着付与剤の分子量は、300〜1400が好ましく、400〜1200が特に好ましい。
粘着付与剤の軟化点の上限は、180℃以下が好ましく、165℃以下が特に好ましい。180℃を超えると低温時での粘着力が低くなるので、好ましくない。
軟化点が140℃以上の粘着付与剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して5〜15質量部であり、5〜10質量部が好ましい。
【0014】
また、上記粘着剤層には、可塑性付与可能な可塑剤を含有させることが好ましい。これにより、再パルプ化工程での粘着剤の再分散化がさらに容易になり、また、再分散化の時間を短くすることができる。
可塑性付与可能な可塑剤としては、界面活性剤、水溶性ポリマーなどが挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、HLB値が9〜18の非イオン性界面活性剤が特に好ましい。HLB値が9未満であると、離解性が低くなるので好ましくない。HLB値が18を超えると、インデックスラベルとしての経時安定性が低くなるので好ましくない。
水溶性ポリマーとしては、各種重合度のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
水溶性ポリマーの分子量は、100〜1000が好ましい。分子量が100未満であると、水溶性ポリマーが粘着剤層からブリードする傾向があり、経時安定性が低くなる。分子量が1000を超えると、タックが低くなる傾向がある上、離解性が低下するので好ましくない。
可塑性付与可能な可塑剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
可塑性付与可能な可塑剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して2〜15質量部が好ましく、3〜10質量部が特に好ましい。
【0015】
粘着剤層は、基材の片表面に直接塗布、形成してもよく、また、剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布、乾燥させ粘着剤層を形成した後、基材の片表面と貼り合わせてもよい。剥離シートとしては、グラシン紙などの高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙などの紙基材に、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの剥離剤を乾燥後の塗布量が0.1〜3g/m2になるように塗布して、乾燥し、必要に応じて熱硬化、紫外線硬化などの硬化を施して剥離層を設けたものが好ましい。
【0016】
粘着剤層の形成方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどによる塗布が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、特に制限ないが、通常乾燥後の塗布量で5〜60g/m2が好ましく、10〜30g/m2が特に好ましい。
本発明においては、粘着剤層面同士の自着力を、5.0N/25mm以上になるように、上記成分を調節する。粘着剤層面同士の自着力の上限は、特に制限ないが、15N/25mm以下が好ましく、10N/25mm以下が特に好ましい。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの例によって、何ら限定されるものではない。
【0018】
(製造例1)
アクリル酸エステル系共重合体の製造
温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸−2−エチルヘキシル40質量部、アクリル酸ブチル40質量部、アクリル酸メトキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、酢酸ビニル5質量部、水140質量部、アニオン性界面活性剤2質量部を仕込み、トリポリリン酸ソーダ3質量部、過硫酸アンモニウム0.4質量部加え、混合しながら窒素ガス雰囲気中80℃で8時間重合して、アクリル酸に基づく単位を5質量%含有するアクリル酸エステル系共重合体を得た。
【0019】
(実施例1)
製造例1で得たアクリル酸エステル系共重合体100質量部(固形分量)に対して、可塑性付与可能な可塑剤としてHLB値が13.3の非イオン性界面活性剤(商品名「ノニオンNS−210」、日本油脂株式会社製)を5質量部、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤(商品名「スーパーエステルE−650」、荒川化学工業株式会社製、分子量636)を8質量部(固形分量)混合して粘着剤を得た。
古紙からなる上質紙の片面上にマイヤーバーコーティング法にて乾燥厚が2g/m2になる様に剥離剤(シリコーン樹脂)を塗布し、乾燥させ剥離フィルムを得た。次に、その剥離フィルムの剥離剤層の表面に、上記粘着剤をナイフコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥させ、粘着剤層(乾燥後の塗布量25g/m2)を形成し、その粘着剤層の表面に古紙からなる上質紙(商品名「ジョウシツマイセン100 104.7G」、三菱製紙株式会社製、坪量104.7g/m2)を貼着し、粘着シートを作成し、適当な大きさに切断し、インデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表1に示す。
【0020】
(実施例2)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点145℃のロジンエステル系粘着付与剤(商品名「ハリエスターSK−816E」、ハリマ化成株式会社製、分子量636)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表1に示す。
【0021】
(実施例3)
実施例1において、非イオン性界面活性剤の代わりに、水溶性ポリマーとしてポリエチレングリコール(分子量300)を5.0質量部使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表1に示す。
【0022】
(比較例1)
製造例1で得たアクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して、可塑性付与可能な可塑剤としてHLB値が13.3の非イオン性界面活性剤(商品名「ノニオンNS−210」、日本油脂株式会社製)を20質量部、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤(商品名「スーパーエステルE−650」、荒川化学工業株式会社製、分子量636)を10質量部(固形分量)混合して粘着剤を得た。
この粘着剤を、実施例1の粘着剤の代わりに使用して、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0023】
(比較例2)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点75℃のロジン系粘着付与剤(商品名「エマルジョンSE−50」、荒川化学工業株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0024】
(比較例3)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点105℃のテルペン系粘着付与剤(商品名「ナノレットR105」、ヤスハラケミカル株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0025】
(比較例4)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点100℃の石油系粘着付与剤(商品名「KE756B」、荒川化学工業株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0026】
(比較例5)
製造例1において、アクリル酸−2−エチルヘキシルを44質量部に、アクリル酸を1質量部に変えた以外は、製造例1と同様にして得られたアクリル酸に基づく単位を1質量%含有するアクリル酸エステル共重合体を使用した以外、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0027】
<実施例及び比較例のインデックスラベルの物性>
実施例及び比較例のインデックスラベルの粘着力、自着力を下記の方法で測定した。それらの結果を表1〜表2に示す。
(1)離解性
上質紙17g、インデックスラベル0.5gを水800mlに入れて、30分間浸漬した。その後、家庭用ジューサーミキサー(商品名「ナショナルミキサーMX−X103」)に上記サンプルと苛性ソーダ0.17gを加え、70Vで2分間、100Vで5分間、スライダックを使用して、撹拌した。その後、離解液250mlを用いて、手漉きシートを作成し、再生紙に再分散した粘着剤粒子の大きさを目視にて観察し、再生パルプ分散液の離解性を下記の基準で評価した。
○:残留物なし
△:1〜2mmの残留物が確認された(わずかにタックあり)
×:2mm以上の残留物が確認された(タックあり)
【0028】
(2)粘着力測定試験
インデックスラベルの粘着剤層面の粘着力は、JIS Z0237.8.3.1に従って測定した。
インデックスラベルの粘着剤層の一般上質紙に対する粘着力は、以下に示す常態、促進後、低温下で、それぞれ測定した。
常態:23℃、50%RHの環境下
促進後:60℃、95%RHの環境下に6日間放置し、その後23℃、50%RHの環境下で1日間調湿した後の同環境下
低温下:5℃、乾燥環境下で1日間調湿後の同環境下
(3)自着力測定試験
25mm×300mmのインデックスラベルの粘着剤層面同士を圧着させ、500gのローラーにて0.5往復の圧着を行う。次に、T字剥離による粘着剤層面を引張り速度100mm/minで剥離し、測定した。
【0029】
(4)実貼りテスト
34mm×28mmのインデックスラベルを上質紙(厚さ90μm)に下記の条件a、条件b、条件cの環境下で貼付し、下記の1〜5の基準で評価した。
条件a:5℃、乾燥環境下で6時間放置し、次に5℃、乾燥環境下で上質紙に貼付し、その後5℃、乾燥環境下で7日間放置した。
条件b:5℃、乾燥環境下で6時間放置し、次に5℃、乾燥環境下で上質紙に貼付し、その後23℃、50%RH環境下で7日間放置した。
条件c:23℃、50%RH環境下で6時間放置し、次に23℃、50%RH環境下で上質紙に貼付し、その後23℃、50%RH環境下で7日間放置した。
なお、上記貼付は、インデックスラベルの長辺の中央部で2つに折り曲げ、両端部の粘着面で被着体を挟み込むように貼付した後、気泡の入らないように圧着することにより行った。
【0030】
評価基準
1:インデックスラベルの浮き、剥がれがなかった。
2:インデックスラベルの折り曲げ部において、粘着剤層面同士に若干浮きが見られた。
3:インデックスラベルの粘着剤層面同士の中央部に浮きが見られた。
4:インデックスラベルの粘着剤層面同士の全面に浮きが見られた。
5:インデックスラベルが上質紙から剥がれた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明のインデックスラベルは、低温時にも被着体への粘着力が強く、被着体から剥がれることを防止でき、粘着剤層面同士の自着力が強く、粘着剤層面同士の剥がれを防止でき、パルプを再生する際に粘着剤の悪影響を受けることなく、貼付した紙製品又は他の紙製品と共にリサイクル工程で離解することができる。
【発明が属する技術分野】
本発明は、帳簿、ノート等の紙製品等に貼付するインデックスラベルに関し、パルプを再生する際に粘着剤の悪影響を受けることなく、貼付した紙製品又は他の紙製品と共にリサイクル工程で離解可能なインデックスラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙製品の廃棄物は、パルプ資源の有効利用を図るため、パルプ再生のためにリサイクルされている。
また、帳簿、ノート等の紙製品等に貼付するインデックスラベルが普及しており、インデックスラベルが貼付された紙製品が廃棄された場合、その紙製品の廃棄物からパルプ再生をする際に、インデックスラベルに使用されている粘着剤が再生パルプの離解性を阻害することがある。
一方、離解可能な粘着剤は、種々提案されている。例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマーを主成分とする共重合体に、可塑性付与可能な界面活性剤を添加した粘着剤(特許文献1参照)や、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物、(メタ)アクリル酸及びアクリル酸アルキルエステルを共重合して得られる共重合体に、第三アミノアルコール、又は第三アミノアルコールと非イオン性界面活性剤を添加した粘着剤(特許文献2、特許文献3参照)や、アクリル酸アルコキシエチルエステル20〜99質量%、スチレンスルホン酸塩30〜1質量%、他の共重合性モノマー50〜0質量%を共重合して得られる共重合体からなる粘着剤(特許文献4参照)が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−156222号公報
【特許文献2】
特開平10−110149号公報
【特許文献3】
特開平11−124552号公報
【特許文献4】
特開平5−70755号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの粘着剤は、アクリル系共重合体においてアクリル酸含有モノマーに基づく単位の含有量が多いので、低温での粘着力が低いという欠点がある。これらの粘着剤をインデックスラベルの粘着剤として使用すると、冬場など低温環境では、インデックスラベル粘着剤層と被着体との界面で浮きが発生し、インデックスラベルが被着体から剥がれるなどの問題が生じる。また、界面活性剤が存在するために、粘着剤層面同士の自着力を阻害するという問題も生じる。さらに、インデックスラベルは、被着体に対する貼付面積よりも、粘着剤層面同士の自着面積の方が大きいという特徴を持っており、また、紙基材の強度を大きくすることが必要であるため、紙基材として秤量の大きいものが用いられている。このため、紙基材のコシの強さ、粘着剤層面同士の自着力の弱さが原因となり、剥がれなどの問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決し、低温時にも被着体への粘着力が強く、被着体から剥がれることを防止でき、粘着剤層面同士の自着力が強く、粘着剤層面同士の剥がれを防止でき、パルプを再生する際に粘着剤の悪影響を受けることなく、貼付した紙製品又は他の紙製品と共にリサイクル工程で離解可能なインデックスラベルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材の片表面に設けられた粘着剤層を構成する粘着剤として、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有し、粘着剤層同士の自着力が5.0N/25mm以上の粘着剤を使用することにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、基材の片表面に粘着剤層が設けられており、該粘着剤層を構成する粘着剤が(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有し、粘着剤層同士の自着力が5.0N/25mm以上であることを特徴とするインデックスラベルを提供するものである。
【0007】
また、本発明は、上記インデックスラベルにおいて、可塑性付与可能な可塑剤を、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して2〜15質量部含有するインデックスラベルを提供するものである。
また、本発明は、上記インデックスラベルにおいて、粘着付与剤がロジン系粘着付与剤であるインデックスラベルを提供するものである。
さらに、本発明は、上記インデックスラベルにおいて、可塑剤が界面活性剤又は水溶性ポリマーであるインデックスラベルを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のインデックスラベルにおいて、基材は、上質紙、セミグラシン紙等の紙、コート紙などの紙基材が使用できる。これらのうち、紙基材が好ましく、中でも上質紙がより好ましく、古紙を利用した上質紙が特に好ましく用いられる。なお、炭酸カルシウムを含む基材は、粘着剤中のカルボキシル基と炭酸カルシウムの相互作用により、粘着力、タックなどが低下し、インデックスラベルの剥がれの原因になるので、好ましくない。
基材の坪量は、通常80g/m2以上が好ましく、90〜300g/m2の範囲が特に好ましい。80g/m2未満であると、インデックスラベルのコシの強度が弱くなり易く、耐久性に劣るので、好ましくない。
【0009】
本発明においては、基材の片表面に粘着剤層が設けられている。
粘着剤層を構成する粘着剤の主成分は、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体である。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタアクリル酸の両者を意味する。
(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量は、5質量%以上であるが、その含有量の上限値は特に制限ないが、20質量%以下が好ましく、15質量%以下が特に好ましい。(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%未満であると、離解性が小さい。一方、(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が20質量%を超えると、タックが劣り、また、粘度が高くなるので塗工し難いので好ましくない。
上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、主成分としてのエステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。
【0010】
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸プロポキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル、(メタ)アクリル酸プロポキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシペンチル、(メタ)アクリル酸エトキシペンチル、(メタ)アクリル酸メトキシヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸であり、これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。
【0011】
また、所望により用いられる他の単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;メタクリル酸グリシジルなどの(メタ)アクリル酸グリシジルエステル;クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN,N−ジアルキル置換アクリルアミド類などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0012】
上記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の好適な具体例としては、炭素数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル50〜90質量%、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル5〜45質量%、(メタ)アクリル酸5〜15質量%、及びその他の共重合可能なモノマー0〜30質量%を共重合させて得られる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が挙げられる。
【0013】
上記粘着剤層には、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有する。
粘着付与剤の軟化点は、140℃以上であるが、150℃以上が好ましい。
軟化点が140℃以上の粘着付与剤としては、ロジン系粘着付与剤が好ましく挙げられる。ロジン系粘着付与剤としては、ロジンエステル、重合ロジン、水添ロジンなどが好ましく挙げられる。ロジン系粘着付与剤の分子量は、300〜1400が好ましく、400〜1200が特に好ましい。
粘着付与剤の軟化点の上限は、180℃以下が好ましく、165℃以下が特に好ましい。180℃を超えると低温時での粘着力が低くなるので、好ましくない。
軟化点が140℃以上の粘着付与剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して5〜15質量部であり、5〜10質量部が好ましい。
【0014】
また、上記粘着剤層には、可塑性付与可能な可塑剤を含有させることが好ましい。これにより、再パルプ化工程での粘着剤の再分散化がさらに容易になり、また、再分散化の時間を短くすることができる。
可塑性付与可能な可塑剤としては、界面活性剤、水溶性ポリマーなどが挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、HLB値が9〜18の非イオン性界面活性剤が特に好ましい。HLB値が9未満であると、離解性が低くなるので好ましくない。HLB値が18を超えると、インデックスラベルとしての経時安定性が低くなるので好ましくない。
水溶性ポリマーとしては、各種重合度のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
水溶性ポリマーの分子量は、100〜1000が好ましい。分子量が100未満であると、水溶性ポリマーが粘着剤層からブリードする傾向があり、経時安定性が低くなる。分子量が1000を超えると、タックが低くなる傾向がある上、離解性が低下するので好ましくない。
可塑性付与可能な可塑剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
可塑性付与可能な可塑剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して2〜15質量部が好ましく、3〜10質量部が特に好ましい。
【0015】
粘着剤層は、基材の片表面に直接塗布、形成してもよく、また、剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布、乾燥させ粘着剤層を形成した後、基材の片表面と貼り合わせてもよい。剥離シートとしては、グラシン紙などの高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙などの紙基材に、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの剥離剤を乾燥後の塗布量が0.1〜3g/m2になるように塗布して、乾燥し、必要に応じて熱硬化、紫外線硬化などの硬化を施して剥離層を設けたものが好ましい。
【0016】
粘着剤層の形成方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどによる塗布が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、特に制限ないが、通常乾燥後の塗布量で5〜60g/m2が好ましく、10〜30g/m2が特に好ましい。
本発明においては、粘着剤層面同士の自着力を、5.0N/25mm以上になるように、上記成分を調節する。粘着剤層面同士の自着力の上限は、特に制限ないが、15N/25mm以下が好ましく、10N/25mm以下が特に好ましい。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの例によって、何ら限定されるものではない。
【0018】
(製造例1)
アクリル酸エステル系共重合体の製造
温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、アクリル酸−2−エチルヘキシル40質量部、アクリル酸ブチル40質量部、アクリル酸メトキシエチル10質量部、アクリル酸5質量部、酢酸ビニル5質量部、水140質量部、アニオン性界面活性剤2質量部を仕込み、トリポリリン酸ソーダ3質量部、過硫酸アンモニウム0.4質量部加え、混合しながら窒素ガス雰囲気中80℃で8時間重合して、アクリル酸に基づく単位を5質量%含有するアクリル酸エステル系共重合体を得た。
【0019】
(実施例1)
製造例1で得たアクリル酸エステル系共重合体100質量部(固形分量)に対して、可塑性付与可能な可塑剤としてHLB値が13.3の非イオン性界面活性剤(商品名「ノニオンNS−210」、日本油脂株式会社製)を5質量部、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤(商品名「スーパーエステルE−650」、荒川化学工業株式会社製、分子量636)を8質量部(固形分量)混合して粘着剤を得た。
古紙からなる上質紙の片面上にマイヤーバーコーティング法にて乾燥厚が2g/m2になる様に剥離剤(シリコーン樹脂)を塗布し、乾燥させ剥離フィルムを得た。次に、その剥離フィルムの剥離剤層の表面に、上記粘着剤をナイフコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥させ、粘着剤層(乾燥後の塗布量25g/m2)を形成し、その粘着剤層の表面に古紙からなる上質紙(商品名「ジョウシツマイセン100 104.7G」、三菱製紙株式会社製、坪量104.7g/m2)を貼着し、粘着シートを作成し、適当な大きさに切断し、インデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表1に示す。
【0020】
(実施例2)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点145℃のロジンエステル系粘着付与剤(商品名「ハリエスターSK−816E」、ハリマ化成株式会社製、分子量636)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表1に示す。
【0021】
(実施例3)
実施例1において、非イオン性界面活性剤の代わりに、水溶性ポリマーとしてポリエチレングリコール(分子量300)を5.0質量部使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表1に示す。
【0022】
(比較例1)
製造例1で得たアクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して、可塑性付与可能な可塑剤としてHLB値が13.3の非イオン性界面活性剤(商品名「ノニオンNS−210」、日本油脂株式会社製)を20質量部、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤(商品名「スーパーエステルE−650」、荒川化学工業株式会社製、分子量636)を10質量部(固形分量)混合して粘着剤を得た。
この粘着剤を、実施例1の粘着剤の代わりに使用して、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0023】
(比較例2)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点75℃のロジン系粘着付与剤(商品名「エマルジョンSE−50」、荒川化学工業株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0024】
(比較例3)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点105℃のテルペン系粘着付与剤(商品名「ナノレットR105」、ヤスハラケミカル株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0025】
(比較例4)
実施例1において、軟化点160℃のロジンエステル系粘着付与剤の代わりに、軟化点100℃の石油系粘着付与剤(商品名「KE756B」、荒川化学工業株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0026】
(比較例5)
製造例1において、アクリル酸−2−エチルヘキシルを44質量部に、アクリル酸を1質量部に変えた以外は、製造例1と同様にして得られたアクリル酸に基づく単位を1質量%含有するアクリル酸エステル共重合体を使用した以外、実施例1と同様にしてインデックスラベルを得た。得られたインデックスラベルの物性を表2に示す。
【0027】
<実施例及び比較例のインデックスラベルの物性>
実施例及び比較例のインデックスラベルの粘着力、自着力を下記の方法で測定した。それらの結果を表1〜表2に示す。
(1)離解性
上質紙17g、インデックスラベル0.5gを水800mlに入れて、30分間浸漬した。その後、家庭用ジューサーミキサー(商品名「ナショナルミキサーMX−X103」)に上記サンプルと苛性ソーダ0.17gを加え、70Vで2分間、100Vで5分間、スライダックを使用して、撹拌した。その後、離解液250mlを用いて、手漉きシートを作成し、再生紙に再分散した粘着剤粒子の大きさを目視にて観察し、再生パルプ分散液の離解性を下記の基準で評価した。
○:残留物なし
△:1〜2mmの残留物が確認された(わずかにタックあり)
×:2mm以上の残留物が確認された(タックあり)
【0028】
(2)粘着力測定試験
インデックスラベルの粘着剤層面の粘着力は、JIS Z0237.8.3.1に従って測定した。
インデックスラベルの粘着剤層の一般上質紙に対する粘着力は、以下に示す常態、促進後、低温下で、それぞれ測定した。
常態:23℃、50%RHの環境下
促進後:60℃、95%RHの環境下に6日間放置し、その後23℃、50%RHの環境下で1日間調湿した後の同環境下
低温下:5℃、乾燥環境下で1日間調湿後の同環境下
(3)自着力測定試験
25mm×300mmのインデックスラベルの粘着剤層面同士を圧着させ、500gのローラーにて0.5往復の圧着を行う。次に、T字剥離による粘着剤層面を引張り速度100mm/minで剥離し、測定した。
【0029】
(4)実貼りテスト
34mm×28mmのインデックスラベルを上質紙(厚さ90μm)に下記の条件a、条件b、条件cの環境下で貼付し、下記の1〜5の基準で評価した。
条件a:5℃、乾燥環境下で6時間放置し、次に5℃、乾燥環境下で上質紙に貼付し、その後5℃、乾燥環境下で7日間放置した。
条件b:5℃、乾燥環境下で6時間放置し、次に5℃、乾燥環境下で上質紙に貼付し、その後23℃、50%RH環境下で7日間放置した。
条件c:23℃、50%RH環境下で6時間放置し、次に23℃、50%RH環境下で上質紙に貼付し、その後23℃、50%RH環境下で7日間放置した。
なお、上記貼付は、インデックスラベルの長辺の中央部で2つに折り曲げ、両端部の粘着面で被着体を挟み込むように貼付した後、気泡の入らないように圧着することにより行った。
【0030】
評価基準
1:インデックスラベルの浮き、剥がれがなかった。
2:インデックスラベルの折り曲げ部において、粘着剤層面同士に若干浮きが見られた。
3:インデックスラベルの粘着剤層面同士の中央部に浮きが見られた。
4:インデックスラベルの粘着剤層面同士の全面に浮きが見られた。
5:インデックスラベルが上質紙から剥がれた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明のインデックスラベルは、低温時にも被着体への粘着力が強く、被着体から剥がれることを防止でき、粘着剤層面同士の自着力が強く、粘着剤層面同士の剥がれを防止でき、パルプを再生する際に粘着剤の悪影響を受けることなく、貼付した紙製品又は他の紙製品と共にリサイクル工程で離解することができる。
Claims (4)
- 基材の片表面に粘着剤層が設けられており、該粘着剤層を構成する粘着剤が(メタ)アクリル酸に基づく単位の含有量が5質量%以上である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、軟化点が140℃以上の粘着付与剤を含有し、粘着剤層同士の自着力が5.0N/25mm以上であることを特徴とするインデックスラベル。
- 可塑性付与可能な可塑剤を、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対して2〜15質量部含有する請求項1に記載のインデックスラベル。
- 粘着付与剤がロジン系粘着付与剤である請求項1又は2に記載のインデックスラベル。
- 可塑剤が界面活性剤又は水溶性ポリマーである請求項1〜3のいずれかに記載のインデックスラベル。
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Cited By (2)
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JP2008248035A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Daio Paper Corp | 粘着シート及びその製造方法 |
JP2015189782A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | ニチバン株式会社 | 粘着剤、当該粘着剤が適用された両面粘着テープ又はシート |
-
2003
- 2003-03-06 JP JP2003059526A patent/JP2004271667A/ja active Pending
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