JP2004271079A - 可逆式冷媒サイクル装置 - Google Patents

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Toshiyuki Ebara
俊行 江原
Hiroyuki Matsumori
裕之 松森
Takashi Sato
孝 佐藤
Masaru Matsuura
大 松浦
Takayasu Saito
隆泰 斎藤
Aritomo Yoshida
有智 吉田
Shigeo Takakusaki
茂夫 高草木
Hiroshi Takazawa
浩 高沢
Naoki Kousen
直紀 江泉
Toshiaki Takei
利晃 武井
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Abstract

【課題】冷媒の流れを可逆とされた冷媒サイクル装置において、熱交換器内におけるオイルの寝込み現象を解消する。
【解決手段】ロータリコンプレッサ10、室外熱交換器110、膨張弁111及び室内熱交換器114を備えて構成され、ロータリコンプレッサ10から吐出された冷媒を室外熱交換器110−膨張弁111−室内熱交換器114へと流す冷却サイクルと、ロータリコンプレッサ10から吐出された冷媒を室内熱交換器114−膨張弁111−室外熱交換器110へと流す加熱サイクルとを構成する。冷却サイクルと加熱サイクルの双方において、室外熱交換器110及び室内熱交換器114に流れる冷媒の方向が同一となるように冷媒流路を切り換える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒の流れを可逆として冷却と加熱の両サイクルを構成すると共に、高圧側が超臨界圧力となる可逆式冷媒サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より空気調和機などは、コンプレッサ、室外熱交換器、減圧装置及び室内熱交換器などから冷媒回路が構成されており、コンプレッサから吐出された冷媒を室外熱交換器−減圧装置−室内熱交換器の順で流すことで冷却サイクルを構成し、室内熱交換器で冷媒を蒸発させて冷房すると共に、コンプレッサから吐出された冷媒を室内熱交換器−減圧装置−室外熱交換器の順で流すことで加熱サイクルを構成し、室外熱交換器で冷媒を蒸発させて外気から吸熱し、室内熱交換器で放熱させることでヒートポンプによる暖房を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−14061号公報
【0004】
図3に従来の係る空気調和機の冷媒回路の一例を示す。10はロータリコンプレッサ、110は室外に設置される室外熱交換器、112は高圧側と低圧側の冷媒を熱交換させるための内部熱交換器、114は室内に設置される室内熱交換器、115はレシーバータンクである。ロータリコンプレッサ10の吐出側は電磁弁213を介して室外熱交換器110に接続され、この室外熱交換器110は冷房用膨張弁(減圧装置)211に接続されている。この冷房用膨張弁211は内部熱交換器112を経て暖房用膨張弁(減圧装置)212に接続され、この暖房用膨張弁212は室内熱交換器114に接続されている。そして、室内熱交換器114は電磁弁216を介してレシーバータンク115の入口に接続され、レシーバータンク115の出口は、内部熱交換器112を経てロータリコンプレッサ10の吸込側に接続されている。尚、内部熱交換器112は図では離れて二箇所示しているが、実際には高圧側の冷媒通路と低圧側の冷媒通路を備えてそれらを相互に熱交換させる単体のものである。
【0005】
ロータリコンプレッサ10と電磁弁213の間は、電磁弁214を介して室内熱交換器114と電磁弁216との間に配管接続されている。また、電磁弁213と室外熱交換器110の間は、電磁弁215を介して電磁弁216とレシーバータンク115の間に接続されている。
【0006】
そして、冷房運転時には電磁弁213と電磁弁216が開放され、電磁弁214と電磁弁215が閉じられる。また、暖房用膨張弁212は全開とされる。この状態でロータリコンプレッサ10が運転されると、ロータリコンプレッサ10から吐出された高温の冷媒ガスは図中黒矢印の如く電磁弁213を経て室外熱交換器110に入り、そこで放熱する。室外熱交換器110で放熱して温度低下した冷媒は冷房用膨張弁211にて絞られ、内部熱交換器112にて低圧側の冷媒により冷却された後、暖房用膨張弁212を通過して室内熱交換器114に入り、蒸発する。このときの吸熱作用で室内の冷房を行う。
【0007】
室内熱交換器114を出た低温の冷媒は電磁弁216を経てレシーバータンク115に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が内部熱交換器112に入る。そこで、高圧側の冷媒から熱を奪って過熱状態となり、ロータリコンプレッサ10に吸い込まれる。
【0008】
次に、暖房運転時には電磁弁214と電磁弁215が開放され、電磁弁213と電磁弁216が閉じられる。また、冷房用膨張弁211は全開とされる。この状態でロータリコンプレッサ10が運転されると、ロータリコンプレッサ10から吐出された高温の冷媒ガスは図中破線矢印の如く電磁弁214を経て室内熱交換器114に入り、そこで放熱することで室内の暖房を行う。室内熱交換器114で放熱して温度低下した冷媒は暖房用膨張弁212にて絞られ、内部熱交換器112にて低圧側の冷媒により冷却された後、冷房用膨張弁211を経て室外熱交換器110に入り、蒸発する。このときに外気から吸熱する。
【0009】
室外熱交換器110を出た冷媒は電磁弁215を経てレシーバータンク115に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が内部熱交換器112に入る。そこで、高圧側の冷媒から熱を奪って過熱状態となり、ロータリコンプレッサ10に吸い込まれるものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では冷媒回路内の冷媒の流れを逆にすることで、冷房と暖房を行うものであったが、室外熱交換器110と室内熱交換器114の双方において、冷房時の冷媒の流れと暖房時の冷媒の流れは逆方向となる。このように熱交換器内の冷媒の流れが逆方向となると、何れかの流れのときに冷媒に溶け込んでロータリコンプレッサ10から吐出されたオイルが内部に寝込んでしまい、ロータリコンプレッサ10に戻らなくなる問題が生じていた。また、高圧側が超臨界圧力となる超臨界サイクルでは空気条件、熱交特性により、超臨界条件に達しない場合にまだオイル単独状態の場合もあり、オイルが高圧側となる熱交換器等に対流する問題が生じる。
【0011】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、冷媒の流れを可逆とされた冷媒サイクル装置において、熱交換器内におけるオイルの寝込み現象、滞留現象を解消することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の可逆式冷媒サイクル装置では、コンプレッサ、室外熱交換器、減圧装置及び室内熱交換器を備えて構成され、コンプレッサから吐出された冷媒を室外熱交換器−減圧装置−室内熱交換器へと流す冷却サイクルと、コンプレッサから吐出された冷媒を室内熱交換器−減圧装置−室外熱交換器へと流す加熱サイクルとを構成する流路制御装置を備えており、流路制御装置は、冷却サイクルと加熱サイクルの双方において、室外熱交換器及び室内熱交換器に流れる冷媒の方向が同一となるように冷媒流路を切り換えるので、請求項2の如きオイル吐出が多くなる二段圧縮式のコンプレッサを使用する場合に、室外熱交換器及び室内熱交換器内にオイル戻りが悪いと云う不都合を抑制若しくは解消することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の可逆式冷媒サイクル装置の一例としての空気調和機ACの冷媒回路図、図2は空気調和機ACで使用する第1及び第2の回転圧縮要素を備えた内部中間圧型の多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断側面図である。
【0014】
先ず図2において、10は二酸化炭素(CO)を冷媒として使用する縦型の内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサで、この多段圧縮式のロータリコンプレッサ10は鋼板からなる円筒状の密閉容器12と、この密閉容器12の内部空間の上側に配置収納された駆動要素14及びこの駆動要素14の下側に配置され、駆動要素14の回転軸16により駆動される第1の回転圧縮要素32(1段目)及び第2の回転圧縮要素34(2段目)からなる回転圧縮機構部18にて構成されている。
【0015】
密閉容器12は底部をオイル溜めとし、駆動要素14と回転圧縮機構部18を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成されている。エンドキャップ12Bの上面中心には円形の取付孔12Dが形成されており、この取付孔12Dには駆動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
【0016】
駆動要素14は、密閉容器12の上部空間の内周面に沿って環状に取り付けられたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータ24とからなる。このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に固定されている。
【0017】
ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部(図示せず)に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成され、この積層体30内に永久磁石MGを挿入して形成されている。
【0018】
前記第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34との間には中間仕切板36が挟持されている。即ち、第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34は、中間仕切板36と、この中間仕切板36の上下に配置された上シリンダ38、下シリンダ40と、この上下シリンダ38、40内を180度の位相差を有して回転軸16に設けた上下偏心部42、44にて偏心回転する上下ローラ46、48と、この上下ローラ46、48に当接して上下シリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画するベーン50、52と、上シリンダ38の上側の開口面及び下シリンダ40の下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する上部支持部材54及び下部支持部材56にて構成されている。
【0019】
一方、上部支持部材54及び下部支持部材56には、図示しない吸込ポートにて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路60(上側の吸込通路は図示せず)と、一部を凹陥させ、この凹陥部を上カバー66、下カバー68にて閉塞することにより形成される吐出消音室62、64とが設けられている。
【0020】
尚、吐出消音室64と密閉容器12内とは、上下シリンダ38、40や中間仕切板36を貫通する図示しない連通路にて連通されており、連通路の上端には中間吐出管121が立設され、この中間吐出管121から第1の回転圧縮要素32で圧縮された中間圧の冷媒が密閉容器12内に吐出される。
【0021】
また、第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38内部と連通する吐出消音室62の上面開口部を閉塞する上部カバー66は、密閉容器12内を吐出消音室62と駆動要素14側とに仕切る。
【0022】
密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上部支持部材54と下部支持部材56の吸込通路60(上側は図示せず)、吐出消音室62、上部カバー66の上側(駆動要素14の下端に略対応する位置)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は上下に隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ141の略対角線上に位置している。また、スリーブ144はスリーブ141と略90度ずれた位置にある。
【0023】
そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の図示しない吸込通路と連通する。この冷媒導入管92は密閉容器12の上側を通過してスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
【0024】
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路60と連通する。この冷媒導入管94の他端は図1に示すレシーバータンク115の下側に接続される。また、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒吐出管96の一端は吐出消音室62と連通する。
【0025】
前記レシーバータンク115は吸込冷媒の気液分離を行うタンクである。該レシーバータンク115は、密閉容器12の容器本体12Aの上部側面に溶接固定されたブラケット147に、図示しないブラケットにて取り付けられる。
【0026】
そして、ロータリコンプレッサ10の密閉容器12内には冷媒として地球環境にやさしく、可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である前述した二酸化炭素(CO)が所定量封入される。また、密閉容器12内には、オイル(潤滑油)として、例えばPAG(ポリアルキルグリコール)が所定量封入される。
【0027】
次に、図1において110はマイクロチューブから構成され、室外に設置される室外熱交換器、112は高圧側と低圧側の冷媒を熱交換させるための内部熱交換器、111は膨張弁(減圧装置)、114は同じくマイクロチューブから構成され、室内に設置される室内熱交換器、115は前記レシーバータンクである。ロータリコンプレッサ10の冷媒吐出管96は電磁弁123を介して室外熱交換器110に接続され、この室外熱交換器110は電磁弁113を介して内部熱交換器112に接続されている。内部熱交換器112は膨張弁111に接続され、この膨張弁111は電磁弁117を介して室内熱交換器114に接続されている。
【0028】
そして、室内熱交換器114は電磁弁125を介してレシーバータンク115の入口に接続され、レシーバータンク115の出口は、内部熱交換器112を経てロータリコンプレッサ10の冷媒導入管94に接続されている。尚、内部熱交換器112は図1では離れて二箇所示しているが、実際には高圧側の冷媒通路と低圧側の冷媒通路を備えてそれらを相互に熱交換させる単体のものである。
【0029】
ロータリコンプレッサ10と電磁弁123の間は、電磁弁124を介して電磁弁117と室内熱交換器114との間に配管接続されている。また、電磁弁123と室外熱交換器110の間は、電磁弁120を介して膨張弁111と電磁弁117の間に接続されている。また、室外熱交換器110と電磁弁113の間は、電磁弁119を介して電磁弁125とレシーバータンク115との間に配管接続されている。また、電磁弁113と内部熱交換器112の間は、電磁弁118を介して室内熱交換器114と電磁弁125との間に配管接続されている。尚、これら電磁弁123、電磁弁113、電磁弁117、電磁弁125、電磁弁118、電磁弁119、電磁弁120及び電磁弁124により本発明における流路制御装置が構成される。
【0030】
以上の構成で、次に動作を説明する。先ず、冷房運転時には電磁弁123、電磁弁113、電磁弁117及び電磁弁125が開放され、電磁弁120、電磁弁124、電磁弁118及び電磁弁119は閉じられる。そして、ロータリコンプレッサ10のターミナル20及び図示しない配線を介して駆動要素14のステータコイル28に通電されると、駆動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けた上下偏心部42、44に嵌合された上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
【0031】
これにより、冷媒導入管94及び下部支持部材56に形成された吸込通路60を経由して図示しない吸込ポートからシリンダ40の低圧室側に吸入された低圧の冷媒は、ローラ48とベーン52の動作により圧縮されて中間圧となり下シリンダ40の高圧室側より図示しない連通路を経て中間吐出管121から密閉容器12内に吐出される。これによって、密閉容器12内は中間圧となる。
【0032】
そして、密閉容器12内の中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て冷媒導入管92に流出する。冷媒導入管92に流入した冷媒はスリーブ141に至り、上部支持部材54に形成された図示しない吸込通路を経由して図示しない吸込ポートから上シリンダ38の低圧室側に吸入される。
【0033】
上シリンダ38の低圧室側に吸入された中間圧の冷媒ガスは、ローラ46とベーン50の動作により2段目の圧縮が行われて高圧高温の冷媒ガスとなり、高圧室側から図示しない吐出ポートを通り上部支持部材54に形成された吐出消音室62、冷媒吐出管96を経由して吐出される。冷媒はこの時点で超臨界圧力まで達している。ロータリコンプレッサ10から吐出された高温のガス冷媒は図中黒矢印の如く電磁弁123を経て室外熱交換器110に入り、そこで放熱する。COなど超臨界サイクルでは、前述の如く室外熱交換器110にマイクロチューブを採用しているため、ヘッダー部(連通部)が大きくなりガス流速を下げている。このため、ここにオイルが滞留し易い構造となっている。室外熱交換器110で放熱して温度低下した冷媒は電磁弁113を経て内部熱交換器112に入り、そこで低圧側の冷媒により冷却された後、膨張弁111で絞られ、電磁弁117を経て室内熱交換器114に入り、蒸発する。このときの吸熱作用で室内の冷房を行う。
【0034】
室内熱交換器114を出た低温の冷媒は電磁弁125を経てレシーバータンク115に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が内部熱交換器112に入る。そこで、高圧側の冷媒から熱を奪って過熱状態となり、冷媒導入管94からロータリコンプレッサ10に吸い込まれる(冷却サイクル)。
【0035】
次に、暖房運転時には電磁弁123、電磁弁113、電磁弁117及び電磁弁125が閉じられ、電磁弁120、電磁弁124、電磁弁118及び電磁弁119が開放される。この状態でロータリコンプレッサ10が運転されると、ロータリコンプレッサ10の冷媒吐出管96から吐出された高温の冷媒ガスは図中破線矢印の如く電磁弁124を経て室内熱交換器114に入り、そこで放熱することで室内の暖房を行う。COなど超臨界サイクルでは、前述の如く室内熱交換器114にマイクロチューブを採用しているため、ヘッダー部(連通部)が大きくなりガス流速を下げている。このため、ここにオイルが滞留し易い構造となっている。室内熱交換器114で放熱して温度低下した冷媒は電磁弁118を経て内部熱交換器112に入り、そこで低圧側の冷媒により冷却された後、膨張弁111で絞られ、電磁弁120を経て室外熱交換器110に入り、蒸発する。このときに外気から吸熱する。
【0036】
室外熱交換器110を出た冷媒は電磁弁119を経てレシーバータンク115に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が内部熱交換器112に入る。そこで、高圧側の冷媒から熱を奪って過熱状態となり、ロータリコンプレッサ10の冷媒導入管94に吸い込まれる(加熱サイクル)。
【0037】
ここで、実施例のロータリコンプレッサ10の第2の回転圧縮要素34からは冷媒と共に吐出されるオイル量が多くなるが、図1に矢印で示したように、本発明では室外熱交換器110、室内熱交換器114及び内部熱交換器112の全てにおいて、冷房運転時の冷媒の流れの方向(黒矢印)と暖房運転時の冷媒の流れの方向(破線矢印)は同一となる。従って、各熱交換器内にオイルが寝込み難い方向をこの矢印の方向とすることで、ロータリコンプレッサ10から冷媒と共に吐出されたオイルが各熱交換器110、114、112内に溜まり難くなる。これにより、ロータリコンプレッサ10へのオイル戻りが良くなり、オイル枯渇によるロータリコンプレッサ10の焼き付きやシール性の悪化、冷媒回路内の冷房・暖房能力の低下を防ぐことができるようになる。
【0038】
尚、実施例で示した冷媒回路はそれに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、コンプレッサ、室外熱交換器、減圧装置及び室内熱交換器を備えて構成され、コンプレッサから吐出された冷媒を室外熱交換器−減圧装置−室内熱交換器へと流す冷却サイクルと、コンプレッサから吐出された冷媒を室内熱交換器−減圧装置−室外熱交換器へと流す加熱サイクルとを構成する流路制御装置を備え、高圧側が超臨界圧力となる冷媒サイクル装置において、流路制御装置は、冷却サイクルと加熱サイクルの双方において、室外熱交換器及び室内熱交換器に流れる冷媒の方向が同一となるように冷媒流路を切り換えるので、請求項2の如きオイル吐出が多くなる二段圧縮式のコンプレッサを使用する場合に、室外熱交換器及び室内熱交換器内にオイルが寝込む不都合を抑制若しくは解消することができるようになる。
【0040】
特に、実施例の如く上記熱交換器をマイクロチューブから構成した場合には、ヘッダー部は流速が遅くなり易く、オイルが滞留し易い。本発明の如く一定の流れとすることでオイルの滞留を抑制若しくは解消することができるようになる。これにより、オイルが熱交換器に滞留しなくなるため、熱交換器の特性を充分に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した冷媒サイクル装置の実施例の空気調和機の冷媒回路図である。
【図2】図1のロータリコンプレッサの縦断面図である。
【図3】従来の空気調和機の冷媒回路図である。
【符号の説明】
10 多段圧縮式ロータリコンプレッサ
14 駆動要素
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
92、94 冷媒導入管
96 冷媒吐出管
110 室外熱交換器
111 膨張弁(減圧装置)
112 内部熱交換器
113、117、118、119、120、123、124、125 電磁弁
114 室内熱交換器

Claims (2)

  1. コンプレッサ、室外熱交換器、減圧装置及び室内熱交換器を備えて構成され、コンプレッサから吐出された冷媒を前記室外熱交換器−減圧装置−室内熱交換器へと流す冷却サイクルと、前記コンプレッサから吐出された冷媒を前記室内熱交換器−減圧装置−室外熱交換器へと流す加熱サイクルとを構成する流路制御装置を備え、高圧側が超臨界圧力となる可逆式冷媒サイクル装置において、
    前記流路制御装置は、前記冷却サイクルと加熱サイクルの双方において、前記室外熱交換器及び室内熱交換器に流れる冷媒の方向が同一となるように冷媒流路を切り換えることを特徴とする可逆式冷媒サイクル装置。
  2. 前記コンプレッサは、密閉容器内に駆動要素及び該駆動要素により駆動される第1及び第2の圧縮要素を備え、前記第1の圧縮要素にて圧縮された冷媒を前記第2の圧縮要素に吸い込んで圧縮し、吐出することを特徴とする請求項1の可逆式冷媒サイクル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008116135A (ja) * 2006-11-06 2008-05-22 Daikin Ind Ltd 熱交換器及び冷凍装置

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