JP2004270893A - 回転炉加熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッキン部材の熱劣化を防止するとともに、保守点検を容易にする。
【解決手段】シール部13を、投入ボックス14に設けられ、回転炉8を隙間を介して囲繞する筒部14aと、筒部14aの外周に係合するグランドパッキン4と、回転炉8の外周に径方向に突出して設けられ、グランドパッキン4の軸方向端部と係合するパッキン係合部8cと、グランドパッキン4の外周と係合し、パッキン係合部8cと気密に結合された分割自在の筒状のパッキン室枠22と、パッキン室枠22と結合され、グランドパッキン4を軸方向に押圧する分割自在のパッキン押さえ26とから構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】シール部13を、投入ボックス14に設けられ、回転炉8を隙間を介して囲繞する筒部14aと、筒部14aの外周に係合するグランドパッキン4と、回転炉8の外周に径方向に突出して設けられ、グランドパッキン4の軸方向端部と係合するパッキン係合部8cと、グランドパッキン4の外周と係合し、パッキン係合部8cと気密に結合された分割自在の筒状のパッキン室枠22と、パッキン室枠22と結合され、グランドパッキン4を軸方向に押圧する分割自在のパッキン押さえ26とから構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転炉加熱処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種被処理物(各種の汚泥、有機性物質、生産活動で発生した端材など)を乾燥処理や熱分解処理(炭化処理)などの加熱処理することが行われており、加熱処理においては、被処理物を回転炉内に導入し、かつ外部から間接加熱により内部の被処理物を熱分解して処理することが行われている。このような間接加熱の利点は、被処理物を直接加熱しないで、熱分解により水分を除去して乾物を得る、又はさらに加熱して、可燃性の揮発成分を分解除去して炭化物を得ることから、被処理物の素材の特徴を生かすことができることである。
【0003】
しかし、間接加熱においては、回転炉内への空気の浸入を制限して分解することから、回転炉とその両端の固定部材との間に位置するシール部の気密性が重要となる。即ち、シール部がその機能を十分に発揮しないで空気が浸入すると、分解した可燃性成分が発火して回転炉の内部で燃焼することにより、装置が損傷し、あるいは安定した加熱処理を行うことが困難となった。従来のシール部は、回転炉の外周に直接グランドパッキンを装着し、このグランドパッキンを回転炉に押し付け、固定して、気密を確保するようにしているのが一般的である。
【0004】
この種の、固定されたパッキンを直接回転炉に接触させてシールするシール部を備えた回転炉加熱処理装置としては、特許文献1〜特許文献9に示されたものがあり、これらについて図5及び図6により説明する。図5において、1は円筒状の回転炉であり、その外周側には回転炉1を加熱する加熱手段が設けられる。2は回転炉1の端部に位置する被処理物の固定された排出ボックスであり、回転炉1と排出ボックス2との間には熱風の放出や外部空気の浸入を防止するシール部3が設けられる。
【0005】
シール部3においては、排出ボックス2に内部と連通する円筒部2aが設けられ、円筒部2aの軸方向外端には径方向内方に突出したパッキン係合部2bが設けられ、円筒部2aの軸方向内端には径方向外方に突出した取付部2cが設けられる。円筒部2aと回転炉1との間には、図6に示すように、グランドパッキン4が工具を用いて軸方向に挿入される。5は外径が円筒部2aの内径にほぼ等しい円筒部5aと円筒部5aの軸方向内端に径方向外方に突出して形成された突出部5bとからなるパッキン押さえであり、図6に示すように、突出部5bに設けられた挿通孔5cに挿通された取付ねじ6を取付部2cに設けられた雌ねじ部2dに螺合することにより、グランドパッキン4をパッキン押さえ5の円筒部5aとパッキン係合部2bとの間に保持する。このように、円筒部2a、パッキン係合部2b、取付部2c、グランドパッキン4、パッキン押さえ5及び取付ねじ6によりシール部3は構成される。なお、7は回転炉1が熱により膨張、収縮する方向(軸方向)を示す。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−159367号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平9−72666号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平6−300453号公報(図8)
【0009】
【特許文献4】
特開昭60−159585号公報(図2)
【0010】
【特許文献5】
実公平3−8946号公報
【0011】
【特許文献6】
実開昭63−129192号公報
【0012】
【特許文献7】
実開昭62−195094号公報
【0013】
【特許文献8】
実開昭62−91197号公報
【0014】
【特許文献9】
実公昭55−56398号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の回転炉加熱処理装置のシール部3においては、加熱により高温(300〜650℃)となる回転炉1にグランドパッキン4が直接接触することから、グランドパッキン4に熱劣化を生じ易い。又、グランドパッキン4は定期的に交換しないと劣化し、この部分から空気が浸入し、分解ガスが発火燃焼することとなるが、排出ボックス2の円筒部2aとパッキン係合部2bと取付部2cとが一体に形成されていることから、グランドパッキン4の交換作業が容易でなかった。
【0016】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、シール部のパッキン部材の耐久性を向上するとともに、シール部の気密特性が安定して得られ、かつパッキン部材の交換が容易な回転炉加熱処理装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は、回転炉より温度が低い固定部材側にシール部を構成することに着目することにより、熱的劣化損失を防止して耐久性の高いシール部を構成できることを見出した。
【0018】
この発明の請求項1に係る回転炉加熱処理装置は、回転自在に支持された回転炉の一端側から投入ボックスを介して被処理物を投入し、回転炉の他端側から排出ボックスを介して排出又は次回転炉に移動させ、該被処理物を回転炉の外周側から間接加熱により加熱処理する回転炉加熱処理装置であって、投入又は排出ボックスと回転炉との間隔に、該間隔を気密にシールするシール部を備えた回転炉加熱処理装置において、シール部を、上記ボックスに設けられ、回転炉を隙間を介して囲繞する筒部と、筒部の外周に係合するパッキン部材と、回転炉に設けられ、パッキン部材の軸方向端部と係合するパッキン係合部と、パッキン部材の外周と係合し、パッキン係合部と気密に結合された筒状のパッキン室枠と、パッキン室枠と結合され、パッキン室枠内におけるパッキン部材をその軸方向に押圧するパッキン押さえとにより構成したのである。
【0019】
請求項2に係る回転炉加熱処理装置は、上記パッキン係合部を回転炉の外周に径方向に突出させて形成したものである。
【0020】
請求項3に係る回転炉加熱処理装置は、上記パッキン室枠を周方向に分割自在としたものである。
【0021】
請求項4に係る回転炉加熱処理装置は、上記パッキン押さえを周方向に分割自在としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。図2はこの発明の実施形態による回転炉加熱処理装置の正面図を示し、回転炉8は被処理物(前述したように、汚泥、有機性物質、生産活動で発生した端材など)を間接加熱により乾燥処理、熱分解処理することが可能であり、回転炉8の周囲には回転炉8を外部から加熱する外部加熱手段9が設けられ、外部加熱手段9内には熱風ガスが導入され、この熱風ガスは回転炉8を外部加熱した後、排出、循環される。回転炉8と外部加熱手段9とにより回転加熱処理炉10が形成され、乾燥炉(加熱熱風温度300〜450℃)、炭化炉(加熱熱風温度400〜650℃)等として利用される。
【0023】
回転炉8の一端側にはシール部11を介して被処理物の投入ボックス12が設けられ、回転炉8の他端側には同じくシール部13を介して排出ボックス14が設けられ、回転炉8内には被処理物を攪拌搬送するための送り羽根(図示省略)が複数枚設けられる。又、回転炉8の両端側に環状の突出部8a,8bが設けられ、突出部8a,8bは回転支持ローラ15,16により回転自在に支持され、回転支持ローラ16は加熱時回転炉8に伸びが生じても回転炉8の排出側が伸びの基点となるように両端に鍔部16aが設けられ、鍔部16aは突出部8bと嵌合している。このため、回転炉8は加熱時投入ボックス12側に主に伸び、排出側にも少し伸びる。又、回転炉8における突出部8bの端部側にはスプロケット17が設けられ、スプロケット17に係合されたチェーン18は駆動源であるモータ19に取り付けられたスプロケット20と係合する。
【0024】
投入ボックス12から投入された被処理物は、ガイド21を介して回転炉8内に導入される。回転炉8はモータ19により回転駆動され、回転炉8内に導入された被処理物は攪拌されながら排出側へ移送される。回転炉8内は上記したように熱風ガスにより所定温度に加熱され、被処理物は間接加熱により乾燥(水分除去)されて乾燥物となり、またこの乾燥物はさらに間接加熱により熱分解処理(炭化処理)されて炭化物となり、これらの乾燥物や炭化物は排出ボックス14を介して処理物として取り出される。又、回転炉8内で発生した水蒸気、熱分解ガス、可燃性成分等の被処理ガスも排出ボックス14を介して取り出される。
【0025】
図1はシール部13の縦断正面図を示し、排出ボックス14には回転炉8を隙間を介して囲繞する筒部14aが水平方向に突出して設けられ、筒部14aの外周にはグランドパッキン4が係合して設けられる。一方、回転炉8の外周には径方向外方に突出してパッキン係合部8cが形成される。22はグランドパッキン4の外周と係合する円筒状のパッキン室枠であり、その軸方向の内外端には径方向外方に突出した突出部22a,22bが設けられる。パッキン室枠22は図3に示すように周方向に複数に分割されて各分割片23となり、その突出部22aに立設された接続部23a間をボルト24により連結することにより、パッキン室枠22は環状に組み合わされる。パッキン室枠22の突出部22aには挿通孔22cが形成され、挿通孔22cに挿通したボルト25をパッキン係合部8cに設けた雌ねじ部8dに螺合することにより、パッキン係合部8cと突出部22aとは気密に結合される。26は外径がパッキン室枠22の内径とほぼ等しい円筒部26aと、円筒部26aの軸方向外端に径方向外方に突出して形成された突出部26bとからなるパッキン押さえ26であり、突出部26bに設けられた挿通孔26cに挿通されたボルト27をパッキン室枠22の突出部22bに設けられた雌ねじ部22dに螺合することにより、パッキン押さえ26とパッキン室枠22とは結合される。パッキン押さえ26も周方向に複数に分割された構造で、かつ一体化可能な構造となっている。なお、シール部11もシール部13と同様な構造となっている。
【0026】
次に、図4によりシール部13の形成手順を説明する。まず、筒部14aと回転炉8との隙間28は回転炉8が熱により伸びても相互に接触しない大きさとする。筒部14aの外周にグランドパッキン4を複数条巻回し、端部を粘着テープ等により仮止めする。次に、パッキン室枠22の各分割片23をグランドパッキン4の外周に配置し、ボルト24により円筒状のパッキン室枠22として一体化して装着する。次に、挿通孔22cに挿通したボルト25をパッキン係合部8cの雌ねじ部8dに螺合することによりパッキン室枠22とパッキン係合部8cとを気密に結合し、次に筒部14aの外周で分割構造のパッキン押さえ26を一体化し、その挿通孔26cに挿通したボルト27をパッキン室枠22の雌ねじ部22dに螺合することにより、グランドパッキン4を軸方向に押圧するとともに、パッキン押さえ26とパッキン室枠22とを結合する。グランドパッキン43は、外周をパッキン室枠22により包囲されるとともに、軸方向両端部をパッキン係合部8cとパッキン押さえ26により係止される。回転炉8の回転時には、パッキン係合部8c、パッキン室枠22、パッキン押さえ26及びグランドパッキン4は回転炉8と共に回転する。
【0027】
上記実施形態においては、加熱処理時に、グランドパッキン4の内周側は排出ボックス14の筒部14aと係合するとともに、グランドパッキン4の外周側はパッキン室枠22と係合するが、筒部14a及びパッキン室枠22の温度はいずれも回転炉8の温度より低いので、グランドパッキン4の熱的劣化は低減され、耐久性を向上することができる。このため、シール部11,13の気密特性を安定して維持することができ、空気の浸入を効果的に防止することができ、被処理物から分解した揮発性成分が発火燃焼するといった過程を阻止することができ、加熱処理を安定して行うことができるとともに、装置の耐久性も安定して維持、確保することができる。又、グランドパッキン4の外周側を係合包囲するパッキン室枠22は分割可能であるため、その着脱は極めて容易であり、装置の保守点検を短時間で行うことができ、装置の停止時間を短縮することができる。
【0028】
なお、上記実施形態においては、回転炉8の一端側から投入された被処理物を他端側から排出するようにしているが、この排出された被処理物を次段の回転炉に供給するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、パッキン部材の内周側はボックスの筒部と係合し、パッキン部材の外周側はパッキン室枠と係合しているが、筒部及びパッキン室枠はいずれも回転炉より温度が低いので、パッキン部材の熱的劣化は防止され、その耐久性を向上することができる。このため、シール部の気密特性を安定して維持することができ、空気の浸入は阻止され、加熱処理を安定して行うことができる。
【0030】
又、パッキン室枠又はパッキン押さえを周方向に分割自在としており、この結果パッキン部材の着脱が容易となり、装置の保守点検やそのための停止時間を短時間にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による回転炉加熱処理装置のシール部の縦断正面図である。
【図2】この発明による回転炉加熱処理装置の正面図である。
【図3】この発明による回転炉加熱処理装置の部分縦断側面図である。
【図4】この発明による回転炉加熱処理装置のシール部の形成手順を示す図である。
【図5】従来の回転炉加熱処理装置のシール部の縦断正面図である。
【図6】従来の回転炉加熱処理装置のシール部の形成手順を示す図である。
【符号の説明】
4…グランドパッキン
8…回転炉
8c…パッキン係合部
9…外部加熱手段
10…回転加熱処理炉
11,13…シール部
12…投入ボックス
14…排出ボックス
14a…筒部
15,16…回転支持ローラ
22…パッキン室枠
22a,22b,26b…突出部
23…分割片
26…パッキン押さえ
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転炉加熱処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種被処理物(各種の汚泥、有機性物質、生産活動で発生した端材など)を乾燥処理や熱分解処理(炭化処理)などの加熱処理することが行われており、加熱処理においては、被処理物を回転炉内に導入し、かつ外部から間接加熱により内部の被処理物を熱分解して処理することが行われている。このような間接加熱の利点は、被処理物を直接加熱しないで、熱分解により水分を除去して乾物を得る、又はさらに加熱して、可燃性の揮発成分を分解除去して炭化物を得ることから、被処理物の素材の特徴を生かすことができることである。
【0003】
しかし、間接加熱においては、回転炉内への空気の浸入を制限して分解することから、回転炉とその両端の固定部材との間に位置するシール部の気密性が重要となる。即ち、シール部がその機能を十分に発揮しないで空気が浸入すると、分解した可燃性成分が発火して回転炉の内部で燃焼することにより、装置が損傷し、あるいは安定した加熱処理を行うことが困難となった。従来のシール部は、回転炉の外周に直接グランドパッキンを装着し、このグランドパッキンを回転炉に押し付け、固定して、気密を確保するようにしているのが一般的である。
【0004】
この種の、固定されたパッキンを直接回転炉に接触させてシールするシール部を備えた回転炉加熱処理装置としては、特許文献1〜特許文献9に示されたものがあり、これらについて図5及び図6により説明する。図5において、1は円筒状の回転炉であり、その外周側には回転炉1を加熱する加熱手段が設けられる。2は回転炉1の端部に位置する被処理物の固定された排出ボックスであり、回転炉1と排出ボックス2との間には熱風の放出や外部空気の浸入を防止するシール部3が設けられる。
【0005】
シール部3においては、排出ボックス2に内部と連通する円筒部2aが設けられ、円筒部2aの軸方向外端には径方向内方に突出したパッキン係合部2bが設けられ、円筒部2aの軸方向内端には径方向外方に突出した取付部2cが設けられる。円筒部2aと回転炉1との間には、図6に示すように、グランドパッキン4が工具を用いて軸方向に挿入される。5は外径が円筒部2aの内径にほぼ等しい円筒部5aと円筒部5aの軸方向内端に径方向外方に突出して形成された突出部5bとからなるパッキン押さえであり、図6に示すように、突出部5bに設けられた挿通孔5cに挿通された取付ねじ6を取付部2cに設けられた雌ねじ部2dに螺合することにより、グランドパッキン4をパッキン押さえ5の円筒部5aとパッキン係合部2bとの間に保持する。このように、円筒部2a、パッキン係合部2b、取付部2c、グランドパッキン4、パッキン押さえ5及び取付ねじ6によりシール部3は構成される。なお、7は回転炉1が熱により膨張、収縮する方向(軸方向)を示す。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−159367号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平9−72666号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平6−300453号公報(図8)
【0009】
【特許文献4】
特開昭60−159585号公報(図2)
【0010】
【特許文献5】
実公平3−8946号公報
【0011】
【特許文献6】
実開昭63−129192号公報
【0012】
【特許文献7】
実開昭62−195094号公報
【0013】
【特許文献8】
実開昭62−91197号公報
【0014】
【特許文献9】
実公昭55−56398号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の回転炉加熱処理装置のシール部3においては、加熱により高温(300〜650℃)となる回転炉1にグランドパッキン4が直接接触することから、グランドパッキン4に熱劣化を生じ易い。又、グランドパッキン4は定期的に交換しないと劣化し、この部分から空気が浸入し、分解ガスが発火燃焼することとなるが、排出ボックス2の円筒部2aとパッキン係合部2bと取付部2cとが一体に形成されていることから、グランドパッキン4の交換作業が容易でなかった。
【0016】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、シール部のパッキン部材の耐久性を向上するとともに、シール部の気密特性が安定して得られ、かつパッキン部材の交換が容易な回転炉加熱処理装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者は、回転炉より温度が低い固定部材側にシール部を構成することに着目することにより、熱的劣化損失を防止して耐久性の高いシール部を構成できることを見出した。
【0018】
この発明の請求項1に係る回転炉加熱処理装置は、回転自在に支持された回転炉の一端側から投入ボックスを介して被処理物を投入し、回転炉の他端側から排出ボックスを介して排出又は次回転炉に移動させ、該被処理物を回転炉の外周側から間接加熱により加熱処理する回転炉加熱処理装置であって、投入又は排出ボックスと回転炉との間隔に、該間隔を気密にシールするシール部を備えた回転炉加熱処理装置において、シール部を、上記ボックスに設けられ、回転炉を隙間を介して囲繞する筒部と、筒部の外周に係合するパッキン部材と、回転炉に設けられ、パッキン部材の軸方向端部と係合するパッキン係合部と、パッキン部材の外周と係合し、パッキン係合部と気密に結合された筒状のパッキン室枠と、パッキン室枠と結合され、パッキン室枠内におけるパッキン部材をその軸方向に押圧するパッキン押さえとにより構成したのである。
【0019】
請求項2に係る回転炉加熱処理装置は、上記パッキン係合部を回転炉の外周に径方向に突出させて形成したものである。
【0020】
請求項3に係る回転炉加熱処理装置は、上記パッキン室枠を周方向に分割自在としたものである。
【0021】
請求項4に係る回転炉加熱処理装置は、上記パッキン押さえを周方向に分割自在としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。図2はこの発明の実施形態による回転炉加熱処理装置の正面図を示し、回転炉8は被処理物(前述したように、汚泥、有機性物質、生産活動で発生した端材など)を間接加熱により乾燥処理、熱分解処理することが可能であり、回転炉8の周囲には回転炉8を外部から加熱する外部加熱手段9が設けられ、外部加熱手段9内には熱風ガスが導入され、この熱風ガスは回転炉8を外部加熱した後、排出、循環される。回転炉8と外部加熱手段9とにより回転加熱処理炉10が形成され、乾燥炉(加熱熱風温度300〜450℃)、炭化炉(加熱熱風温度400〜650℃)等として利用される。
【0023】
回転炉8の一端側にはシール部11を介して被処理物の投入ボックス12が設けられ、回転炉8の他端側には同じくシール部13を介して排出ボックス14が設けられ、回転炉8内には被処理物を攪拌搬送するための送り羽根(図示省略)が複数枚設けられる。又、回転炉8の両端側に環状の突出部8a,8bが設けられ、突出部8a,8bは回転支持ローラ15,16により回転自在に支持され、回転支持ローラ16は加熱時回転炉8に伸びが生じても回転炉8の排出側が伸びの基点となるように両端に鍔部16aが設けられ、鍔部16aは突出部8bと嵌合している。このため、回転炉8は加熱時投入ボックス12側に主に伸び、排出側にも少し伸びる。又、回転炉8における突出部8bの端部側にはスプロケット17が設けられ、スプロケット17に係合されたチェーン18は駆動源であるモータ19に取り付けられたスプロケット20と係合する。
【0024】
投入ボックス12から投入された被処理物は、ガイド21を介して回転炉8内に導入される。回転炉8はモータ19により回転駆動され、回転炉8内に導入された被処理物は攪拌されながら排出側へ移送される。回転炉8内は上記したように熱風ガスにより所定温度に加熱され、被処理物は間接加熱により乾燥(水分除去)されて乾燥物となり、またこの乾燥物はさらに間接加熱により熱分解処理(炭化処理)されて炭化物となり、これらの乾燥物や炭化物は排出ボックス14を介して処理物として取り出される。又、回転炉8内で発生した水蒸気、熱分解ガス、可燃性成分等の被処理ガスも排出ボックス14を介して取り出される。
【0025】
図1はシール部13の縦断正面図を示し、排出ボックス14には回転炉8を隙間を介して囲繞する筒部14aが水平方向に突出して設けられ、筒部14aの外周にはグランドパッキン4が係合して設けられる。一方、回転炉8の外周には径方向外方に突出してパッキン係合部8cが形成される。22はグランドパッキン4の外周と係合する円筒状のパッキン室枠であり、その軸方向の内外端には径方向外方に突出した突出部22a,22bが設けられる。パッキン室枠22は図3に示すように周方向に複数に分割されて各分割片23となり、その突出部22aに立設された接続部23a間をボルト24により連結することにより、パッキン室枠22は環状に組み合わされる。パッキン室枠22の突出部22aには挿通孔22cが形成され、挿通孔22cに挿通したボルト25をパッキン係合部8cに設けた雌ねじ部8dに螺合することにより、パッキン係合部8cと突出部22aとは気密に結合される。26は外径がパッキン室枠22の内径とほぼ等しい円筒部26aと、円筒部26aの軸方向外端に径方向外方に突出して形成された突出部26bとからなるパッキン押さえ26であり、突出部26bに設けられた挿通孔26cに挿通されたボルト27をパッキン室枠22の突出部22bに設けられた雌ねじ部22dに螺合することにより、パッキン押さえ26とパッキン室枠22とは結合される。パッキン押さえ26も周方向に複数に分割された構造で、かつ一体化可能な構造となっている。なお、シール部11もシール部13と同様な構造となっている。
【0026】
次に、図4によりシール部13の形成手順を説明する。まず、筒部14aと回転炉8との隙間28は回転炉8が熱により伸びても相互に接触しない大きさとする。筒部14aの外周にグランドパッキン4を複数条巻回し、端部を粘着テープ等により仮止めする。次に、パッキン室枠22の各分割片23をグランドパッキン4の外周に配置し、ボルト24により円筒状のパッキン室枠22として一体化して装着する。次に、挿通孔22cに挿通したボルト25をパッキン係合部8cの雌ねじ部8dに螺合することによりパッキン室枠22とパッキン係合部8cとを気密に結合し、次に筒部14aの外周で分割構造のパッキン押さえ26を一体化し、その挿通孔26cに挿通したボルト27をパッキン室枠22の雌ねじ部22dに螺合することにより、グランドパッキン4を軸方向に押圧するとともに、パッキン押さえ26とパッキン室枠22とを結合する。グランドパッキン43は、外周をパッキン室枠22により包囲されるとともに、軸方向両端部をパッキン係合部8cとパッキン押さえ26により係止される。回転炉8の回転時には、パッキン係合部8c、パッキン室枠22、パッキン押さえ26及びグランドパッキン4は回転炉8と共に回転する。
【0027】
上記実施形態においては、加熱処理時に、グランドパッキン4の内周側は排出ボックス14の筒部14aと係合するとともに、グランドパッキン4の外周側はパッキン室枠22と係合するが、筒部14a及びパッキン室枠22の温度はいずれも回転炉8の温度より低いので、グランドパッキン4の熱的劣化は低減され、耐久性を向上することができる。このため、シール部11,13の気密特性を安定して維持することができ、空気の浸入を効果的に防止することができ、被処理物から分解した揮発性成分が発火燃焼するといった過程を阻止することができ、加熱処理を安定して行うことができるとともに、装置の耐久性も安定して維持、確保することができる。又、グランドパッキン4の外周側を係合包囲するパッキン室枠22は分割可能であるため、その着脱は極めて容易であり、装置の保守点検を短時間で行うことができ、装置の停止時間を短縮することができる。
【0028】
なお、上記実施形態においては、回転炉8の一端側から投入された被処理物を他端側から排出するようにしているが、この排出された被処理物を次段の回転炉に供給するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、パッキン部材の内周側はボックスの筒部と係合し、パッキン部材の外周側はパッキン室枠と係合しているが、筒部及びパッキン室枠はいずれも回転炉より温度が低いので、パッキン部材の熱的劣化は防止され、その耐久性を向上することができる。このため、シール部の気密特性を安定して維持することができ、空気の浸入は阻止され、加熱処理を安定して行うことができる。
【0030】
又、パッキン室枠又はパッキン押さえを周方向に分割自在としており、この結果パッキン部材の着脱が容易となり、装置の保守点検やそのための停止時間を短時間にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による回転炉加熱処理装置のシール部の縦断正面図である。
【図2】この発明による回転炉加熱処理装置の正面図である。
【図3】この発明による回転炉加熱処理装置の部分縦断側面図である。
【図4】この発明による回転炉加熱処理装置のシール部の形成手順を示す図である。
【図5】従来の回転炉加熱処理装置のシール部の縦断正面図である。
【図6】従来の回転炉加熱処理装置のシール部の形成手順を示す図である。
【符号の説明】
4…グランドパッキン
8…回転炉
8c…パッキン係合部
9…外部加熱手段
10…回転加熱処理炉
11,13…シール部
12…投入ボックス
14…排出ボックス
14a…筒部
15,16…回転支持ローラ
22…パッキン室枠
22a,22b,26b…突出部
23…分割片
26…パッキン押さえ
Claims (4)
- 回転自在に支持された回転炉の一端側から投入ボックスを介して被処理物を投入し、回転炉の他端側から排出ボックスを介して排出又は次回転炉に移動させ、該被処理物を回転炉の外周側から間接加熱により加熱処理する回転炉加熱処理装置であって、投入又は排出ボックスと回転炉との間隔に、該間隔を気密にシールするシール部を備えた回転炉加熱処理装置において、シール部を、上記ボックスに設けられ、回転炉を隙間を介して囲繞する筒部と、筒部の外周に係合するパッキン部材と、回転炉に設けられ、パッキン部材の軸方向端部と係合するパッキン係合部と、パッキン部材の外周と係合し、パッキン係合部と気密に結合された筒状のパッキン室枠と、パッキン室枠と結合され、パッキン室枠内におけるパッキン部材をその軸方向に押圧するパッキン押さえとにより構成したことを特徴とする回転炉加熱処理装置。
- 上記パッキン係合部を回転炉の外周に径方向に突出させて形成したことを特徴とする請求項1記載の回転炉加熱処理装置。
- 上記パッキン室枠を周方向に分割自在としたことを特徴とする請求項1又は2記載の回転炉加熱処理装置。
- 上記パッキン押さえを周方向に分割自在としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の回転炉加熱処理装置。
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Cited By (3)
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CN107079943A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-08-22 | 无锡市锡东金属磁材厂 | 热风旋转炉旋转滚轮 |
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CN114485149A (zh) * | 2022-01-28 | 2022-05-13 | 广东中鹏新能科技有限公司 | 一种具有多重密封结构的锂电材料烧结回转窑 |
-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003065925A patent/JP2004270893A/ja active Pending
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