JP2004270313A - 橋梁、橋梁構造体及び橋梁の施工方法 - Google Patents

橋梁、橋梁構造体及び橋梁の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運搬や、施工作業が容易で、工期が短く、製作及び施工コストが低くて、しかも大きな剛性をもっており、さらに高い耐久性を備えた橋梁、この橋梁を構成する橋梁構造体1及び橋梁の施工方法を提供する。
【解決手段】互いに同心状に配置されている中空状の外側枠体2と中空状の内側枠体3及び当該外側枠体2と内側枠体3との間に形成されている第1の空間部4内に配置されている複数本の鉄筋5とから構成されている中空状橋梁構造体1であって、当該中空状橋梁構造体1に於ける当該鉄筋5は、その少なくとも一部が当該外側枠体2又は内側枠体3の一部に固定せしめられており、且つ当該内側枠体3により形成されている第2の空間部7内には、当該中空状橋梁構造体1の変形を防止するトラス構造体8が挿入されている中空状の橋梁構造1。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁、橋梁を構成する橋梁構造体及び橋梁の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般の橋梁は,概ね4種類の工法が存在している。鋼材による鉄桁橋梁、PC鋼材と鉄筋コンクリートによるPC橋梁、鉄筋コンクリートで構成されているRC橋梁及びプレビーム橋梁ある。
【0003】
図9を参照しながら、従来の橋梁の施工方法及び構成の概略について説明する。
【0004】
即ち、図9(A)から理解される様に、鋼材による鉄桁橋梁は、工場に於いて、桁の製作を行いトレーラーにて橋梁架設現場に搬入した後、桁を架設現場にてベント材という仮設材にブロック毎に預けながら架設を行うものである。
【0005】
また図9(B)から理解されるように、PC鋼材と鉄筋コンクリートによるPC橋梁は、工場または、現場付近にて製作されたものをクレーンなどにより架設を行う工法である。
【0006】
また図9(C)から理解されるようにRC橋梁は、架設現場にて型枠を組み立てて鉄筋、コンクリートを打設して、建設する工法である。
【0007】
一方、図9(D)に示す様に、プレビーム橋梁は工場で床版製作専門の型枠を組み立てて、その中に鉄筋を組み込みPC鋼も組み入れて、コンクリートを流し込み、なお且つ硬化するまで4〜28日間養生をしてから型枠を外すことにより、完成し、現場に運搬した後クレーン等により架設をする工法である。
【0008】
これらの施工方法は,何れも工事施工日数の負担が少ない一方、現場に於いて、行う作業の工数が多くなる事、又、工場にてコンクリートを注入したものを現場に運搬するため運搬作業はその重量からしても効率も悪く、費用と時間を要するまた製作は、専門の大型工場が必要となり設備を要する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、上記した従来技術の欠陥を改良し、運搬や施工作業が容易で、工期は短く、製作及び施工コストが低くて、しかも大きな剛性、耐震性をもっており、さらに高い耐久性を備えた橋梁、この橋梁を構成する橋梁構成体及びこの橋梁の施工方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するため、以下に記載されたような、基本的な技術構成を採用するものである。
【0011】
即ち、本発明における第1の態様としては、互いに同心状に配置されている中空状の外側枠体と中空状の内側枠体及び当該外側枠体と内側枠体との間に形成されている第1の空間部内に配置されている複数本の鉄筋とから構成されている中空状橋梁構造体であって、当該中空状橋梁構造体に於ける当該鉄筋は、その少なくとも一部が当該外側枠体又は内側枠体の一部に固定せしめられており、且つ当該内側枠体により形成されている第2の空間部内には、当該中空状橋梁構造体の変形を防止するトラス構造体が挿入されている中空状の橋梁構造体であり、又、本発明に於ける第2の態様としては、上記した中空状橋梁構造体を複数個連結して構成した橋梁であり、更に、本発明に於ける第3の態様としては、上記した中空状橋梁構造体を複数個を、橋梁架設現場に搬送する工程、当該橋梁架設現場に於いて、所定の個数の当該中空状橋梁構造体を相互に直列状に接続した後、当該接続された複数個の中空状橋梁構造体を橋台上又は橋脚上に架設搭載させるか、当該所定の個数の当該中空状橋梁構造体を橋台上又は橋脚上に架設搭載させた後、相互に直列状に接続する工程、及び当該各中空状橋梁構造体の当該第1の空間部内にコンクリートを注入する工程とから構成されている橋梁構造体の施工方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る当該橋梁構造体、橋梁及び橋梁の施工方法は、上記した様な技術構成を採用しているので、基本的には主構成体は,工場にて製作される構造を有する事によって、従来の橋梁と異なり、現場での工数を低く抑えることが可能となり、コストを低減するのみならず,鋼製型枠が,コンクリートの劣化防止効果を果たすので、寿命の延長とコンクリート落下事故を永久に防止することが、可能である。
【0013】
さらに、橋梁の運搬作業や、施工作業を容易に行うことができるようになるので、工期と工事費を大幅に低減することが可能となる。
【0014】
【実施例】
以下に本発明に係る橋梁構造体及び橋梁ならびに橋梁の施工方法の幾つかの具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
即ち、図1は本発明に於ける中空状橋梁構造体1の一具体例の構成を示す断面図であって、図中、互いに同心状に配置されている中空状の外側枠体2と中空状の内側枠体3及び当該外側枠体2と内側枠体3との間に形成されている第1の空間部4内に配置されている複数本の鉄筋5とから構成されている中空状橋梁構造体1であって、当該中空状橋梁構造体1に於ける当該鉄筋5は、その少なくとも一部が当該外側枠体2又は内側枠体3の一部に固定せしめられており、且つ当該内側枠体3により形成されている第2の空間部7内には、当該中空状橋梁構造体1の変形を防止するトラス構造体8が挿入されている中空状の橋梁構造1が示されている。
【0016】
更に、本発明に於ける当該中空状橋梁構造体1に於いては、当該鉄筋5は、当該外側枠体2と当該内側枠体3の間に形成されている当該第1の空間部4内に複数の層を形成する様に配列されている事が好ましい。
【0017】
そして、当該各鉄筋5は、適宜の鉄筋保持手段6を介して当該外側枠体2と当該内側枠体3の壁面に所定の間隔で固定保持されている事も望ましい。
【0018】
一方、当該鉄筋5は、当該中空状橋梁構造体1の長手方向と一致する方向に互いに平行となる様に配置されている事が好ましく、更に必要によっては、図3に示す様に、当該鉄筋5の内、外側に配置された層に於ける当該鉄筋群5の外周部を囲んで、当該鉄筋5の配置方向と交差する方向に配置された補強巻線50(フープ筋、或いは配力筋とも称される)が設けられる事も望ましい。
【0019】
一方、本発明に於いては、当該中空状橋梁構造体1に於ける当該外側枠体2の一部に開口部20が設けられているものであって、当該開口部20は、後述する様に、当該第1の空間部4内にコンクリートを注入する為に使用されるものである。
【0020】
当該開口部20は、当該中空状橋梁構造体1に於ける当該外側枠体2の上面部、即ち、架橋工事に際して床版が直接載置される面に設けられている事が望ましく、その大きさ、形状(例えば、長尺状の連続的な開口部或いは、個別に独立した小さいな複数個の開口部等)、或いは個数等は、任意に設定する事が可能である。
【0021】
更に、本発明に於ける当該中空状橋梁構造体1に於いては、当該外側枠体2と当該内側枠体3との間は、所定の間隙が形成される様に適宜の巣ペーサー部材9を介して固定されている事が望ましい。
【0022】
当該外側枠体2と当該内側枠体3との間隙は、特に限定されるものではないが、当該橋梁に要求される強度の観点から、又、当該第1の空間部内に配置される鉄筋の数或いは密度等を勘案して決定することが出来る。
【0023】
又、本発明に於ける当該外側枠体2及び当該内側枠体3は、何れも寸法を異にする相似形に構成され、その中心が同心状となる様に、配置されているものである。
【0024】
更に、本発明に於ける当該外側枠体2当該内側枠体3とは、それぞれ相似形の矩形形状を有するものであっても良く、又、台形、三角形等を含む多角形で有っても良く、或いは円形、楕円形を有するものであっても良い。
【0025】
一方、本発明に於ける当該中空状橋梁構造体1に於ける 当該外側枠体2若しくは当該内側枠体3は、鋼材或いは金属材料、プラスチック材料、炭素繊維等の繊維材料を含むプラスチック複合体(FRP)或いは木材等から選択された一つの材料で構成されている事が望ましい。
【0026】
又、本発明に於いて、当該中空状橋梁構造体1の第2の空間部7内に挿入されるトラス構造体8は、その構成は特に限定されるものではなく、当該中空状橋梁構造体1の変形を防止するに十分な機能を有する構造のものであれば如何なる構造のものであっても良い。
【0027】
図1及び図2には、一例として、4本の主枠体部11とその間に配置されるビーム12とで構成されたトラス構造体8が示されている。
【0028】
更に、本発明に於いては、当該中空状橋梁構造体1に於ける当該鉄筋5の端部51が当該外側枠体2及び当該内側枠体3の端縁部から外方に突出している事が望ましく、当該鉄筋5の突出部51は、当該中空状橋梁構造体1を複数個隣接して配置した際、相互に重複する様に形成されている事が望ましく、それによって、隣接する当該中空状橋梁構造体1を固定する際に当該重複配置されている当該鉄筋5の突出部51同士を適宜の固着部材52によって強固に固定連結するものである。
【0029】
上記した説明から明らかな様に、本発明に於ける中空状橋梁構造体1に於いては、例えば、鉄筋と鋼材と鋼製型枠の矩形構造体2、3、であって、外側は、例えば、鉄鈑による鋼製型枠2によって外周をなしており、鉄筋5は,当該構造体1の内側に上下2段に矩形状にて配置され、その上段の鉄筋と下段の鉄筋は,鋼製金具6により固定されている。当該上段鉄筋、下段鉄筋、鋼製金具6の内側には、鉄鈑による鋼製内型枠3が矩形の断面にて構成され、さらに当該内型枠の内側には、鋼管、形鋼、鉄鈑等で形成されたトラス構造体8が、配置されこれらが一体となった構造体である。
【0030】
本発明の当該中空状橋梁構造体1及び橋梁並びに橋梁の架設方法について更に詳細に説明するならば、図1は、本発明に係る橋梁構造体1の具体例の構成を示す断面図であり、図5は、該外部橋台30の上部に適宜の支持体31を介して当該橋梁構造体1が,載置され橋梁として架設されている状態を示している。
【0031】
尚、図5に於ける32は、適宜の構造を有する床板を示す。
【0032】
尚、図8は、当該中空状橋梁構造体1の上に床板32を配置した場合の具体例を示す斜視図である。
【0033】
又、当該橋梁構造体1の構成は,鋼製型枠2の内部に上段鉄筋、下段鉄筋が,鋼製型金具6によって固定されていることを示し、なお且つ鉄鈑による鋼製内型枠3が矩形の断面にて構成され、さらに当該内型枠3の内側7には、鋼管、形鋼、鉄鈑のトラス構造体8が示されている。
【0034】
本発明に於ける当該橋梁構造体1に形成された当該第1の空間領域4内には、後工程に於いてコンクリートが注入される様構成されているものである。
【0035】
又、本発明における当該橋梁構造体1は、全て,工場又は,当該架橋現場外にて製作されるものである。
【0036】
此処で、本発明に於ける橋梁の架設方法の一例を図6を参照して説明するならば、まず、図6(A)で示す通り、工場等で製作された個別の中空状橋梁構造体1は、トラック22等により現場まで運搬されて、クレーン等により地組完了後架設されて行く。
【0037】
ただし、橋梁構造体1を架設する以前の工程としては,橋台又は橋脚30が,既に建設されていることが,前提となる。
【0038】
従って、本発明に於ける当該中空状橋梁構造体1の単位長さは、当該トラック等に搭載しえる長さである事が望ましい。
【0039】
又、当該複数個の中空状橋梁構造体1を直列に接続して接続部60を形成する場合には、図7に示す様に、当該中空状橋梁構造体1に於ける当該鉄筋5の端部51を当該外側枠体2及び当該内側枠体3の端縁部から外方に突出せしめておき、隣接する当該中空状橋梁構造体1同士を接合する場合には、当該鉄筋5の突出部51同士を相互に重複する様に配置し、当該重複配置されている当該鉄筋5の突出部51同士を適宜の固着部材52によって強固に固定連結するものである。
【0040】
そして最後に当該鉄筋5同士の接続部を当該外側枠体2の一部とその一部が重複する様に適宜の幅を有する被覆体53で被覆する様に構成されるものである。
【0041】
尚、上記接続部60を形成する際には、各中空状橋梁構造体1に於ける当該トラス構造部8も隣接する当該中空状橋梁構造体1のトラス構造部と適宜の接続手段を介して相互に接続しておくことが望ましい。
【0042】
さらに図6(C)で示すとおり、橋梁構造体1は,所定の順序で、所定の長さに地組された後、にクレーン等を使用して橋脚或いは橋台30上に架設され完了する。
【0043】
尚、上記作業工程中、当該橋脚或いは橋台30の間に、将来撤去可能な、補助橋脚或いは橋台31を設ける事も可能である。
【0044】
次いで、本発明に於いては、当該隣接する複数個の中空状橋梁構造体1を直列状に接続する作業が完了すると、図6(D)に示す様に、当該橋梁構造体1の第1の空間部領域4にコンクリートを流し込み、養生期間を経て橋梁桁は完成する。
【0045】
又、本発明に於いては、個々の当該中空状橋梁構造体1を補助橋脚或いは橋台31を含む当該橋脚或いは橋台30の間に、クレーン等を使用して、予め搭載配置せしめておき、当該橋脚或いは橋台30上で、上記した当該中空状橋梁構造体1同士の接続操作を実行した後、当該橋梁構造体1の第1の空間部領域4にコンクリートを流し込む様に構成するものであっても良い。
【0046】
一方、本発明における当該橋梁構造体1の製作方法の一例について説明する。
【0047】
又、本発明においては、外側枠体2と内側枠体3が存在し、その材質は、特に限定されるものではないが、金属材料で有っても良く又、プラスチック、セラミックス、繊維補強プラスチック、アルミニウム、ステンレス、炭素繊維複合体などの材質も状況によって選択する。
【0048】
更に、図4で示すとおり, 内型枠体3の内部における第2の空間部7には、トラス構造体8が配置されている。このトラス構造8の断面形状は、当該第2空間部の断面形状に適合する様に形成されるものであって、例えば、4本の長尺状主枠体11と当該主枠体11間を、当該主枠体に設けられた取り付け部材13を介して斜交い状に取り付けられているビーム部12とから構成されている。
【0049】
本発明に於ける当該トラス構造体8は、その剛性により当該構造体1の全重量を支えるとともに、コンクリート出設による加重をコンクリート固化するまでの間、支える効果をはたすものである。
【0050】
更に、トラス構造体8は、内型枠体3と適宜の固定部15を介して相互に、例えば、溶接固着することが好ましい。
【0051】
本発明に於ける当該トラス構造体8のそれぞれの部材は、鋼製であることが望ましいもののプラスチック、セラミックス、アルミニウム、ステンレス、炭素繊維などの材質も状況によって選択する。
【0052】
更に、前記した様に、当該上段鉄筋5−1と下段鉄筋5−2とは、それぞれ適宜の鉄筋保持材6を介してそれぞれ当該外側枠体2及び当該内側枠体3のそれぞれに接合せしめられている。
【0053】
本発明において、最も特徴的であるものは、内型枠体内の第2の空間部領域7にトラス構造体8を配置していることであるが、その理由は、 このトラス構造8の剛性により当該構造体1の全重量を支えるとともに、コンクリート打設による加重をコンクリート固化するまでの間、支える効果をはたすものである。これにより架設工程の大幅な工期短縮と工費の削減を図るものである。
【0054】
更に、本発明に含まれる当該橋梁構造体1に於いては、当該橋桁構造体1の本体部長手方向の引張強度を向上させる為に、PC鋼棒を組み入れることも望ましい。
【0055】
本発明に係る当該橋梁構造体1の施行方法の他の具体例が図6(E)から図6(G)に示されている。
【0056】
即ち、本発明於ける別の具体例としては、当該構造体1を架設後、床版構造体32を架設し一体にてコンクリート打設を実施する方法である。
【0057】
又、本発明に係る当該橋梁構造体1内に打設されるコンクリートは、 当該構造体1内に均一に打設されることが望ましい。又、本発明に係る橋梁構造体1内に打設するコンクリートが,下部に漏れないことが望ましい。
【0058】
次に本発明に係る当該橋梁の施工方法の他の具体例について図5を参照しながら説明する。
【0059】
先ず橋梁構造体1を製造する工場或いは施工現場に於いて、複数個の橋梁構造体1をトラック22などに積載して現場に搬入し、クレーン等により橋梁構造体1を1体づつ順序正しく地組をする。
【0060】
橋梁構造体1の端部同士をボルトや現場溶接などにより接続して一体のものとしてクレーン等により橋台30に架設を行う。
【0061】
上記作業後、コンクリートを最後に鉄筋を含む第1の空間領域内4に打設することにより完成する。
【0062】
コンクリートが固化すると、コンクリート、橋梁構造体1が一体化して、剛性構造となり、大きな剛性をもち、しかも従来の橋梁に比べて同等の剛性の橋梁桁ができるので従来の技術を使用した場合より工期と工費を少なくする事ができる。
【0063】
また、橋梁構造体1の本体が橋梁桁の外壁を構成することになるので、コンクリート型枠を組んだり、これを外したりする必要がない。
【0064】
さらに、仮設材をまったく設けずに橋梁構造体1を施工することが可能となる。
【0065】
即ち、本発明に於ける橋梁の施工方法としては、基本的には、上記した構成からなる当該橋梁構造体1を橋台上又は橋脚30上、に敷設する工程及び当該橋梁構造体1の該空間領域内4にコンクリートを注入する工程とから構成されているものであり、又他の態様としては、複数の当該橋梁構造体1を一定の方向に直線的に配置隣接させ、それぞれの当該橋梁構造体の互いに隣接する端部同士を互いに連結する工程、当該連結された橋梁構造体1を橋台又は橋脚30上に架設搭載させる工程とから構成されている橋梁の施工方法である。
【0066】
以上本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0067】
上記した本発明に係る当該中空状橋梁構造体1の説明から理解される様に、本発明に於ける当該中空状橋梁構造体1は、例えば、当該第1の空間部4内にコンクリートが注入されている事を特徴とする中空状橋梁構造体であり、又、本発明に於ける当該橋梁は、当該中空状橋梁構造体1を複数個連結して構成したものである。
【0068】
更に、本発明に於ける当該橋梁は、隣接配置されているそれぞれの当該中空状橋梁構造体1における当該鉄筋5同士が適宜の接続手段を介して相互に接合されており、且つ当該鉄筋5の接続部60の周辺が当該外側枠体と少なくとも一部が重複する形状に構成された被覆部材53で被覆されている事を特徴とするものである。
【0069】
一方、本発明於ける当該橋梁の施行方法の一具体例としては、例えば、前記した中空状橋梁構造体1を複数個を、橋梁架設現場に搬送する工程、当該橋梁架設現場に於いて、所定の個数の当該中空状橋梁構造体1を相互に直列状に接続し、当該接続された複数個の中空状橋梁構造体1を橋台上又は橋脚30上に架設搭載させるか、当該所定の個数の当該中空状橋梁構造体1を橋台上又は橋脚30上に架設搭載させた後、相互に直列状に接続する工程、及び当該各中空状橋梁構造体1の当該第1の空間部4内にコンクリートを注入する工程とから構成されている橋梁構造体の施工方法である。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来の橋梁は、掛かる性能上、重荷重のトレーラーや大型のクレーン、及び架設のためのおびただしい仮設材料が必要となるが、主要な構造物を全て工場で行い、正確な製品を現場に搬入し、わずか配力筋と内、外型枠を接続して架設するだけの工程を消化するだけで、コンクリート打設作業ができるので工期は早く労働力の縮減を提供できて正確な橋梁桁を完成することができる。
【0071】
さらに、コスト面においては、橋梁の運搬作業や、施工作業を容易に行うことができるようになるので、工事費を大幅に低減することが可能となる。また、外型枠がコンクリート面を保護するため、耐久性の向上に好影響を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の橋梁構造体の一具体例に於ける構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の橋梁構造体の一具体例の構成を示す側部断面図である。
【図3】図3は、本発明の橋梁構造体の一具体例の構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の橋梁構造体の具体例におけるトラス構造体の構成例を示す側面図である。
【図5】図5は、本発明の橋梁構造体における具体例における橋梁全体構造を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の橋梁構造体の一具体例における架設順序を示す断面図である。
【図7】図7は本発明の床橋梁構造体の具体例における接続部分の構造を示す断面図である。
【図8】図8は本発明の橋梁構造体の具体例における構造を示す斜視図である。
【図9】図9は、従来に於ける橋梁の施行方法の例を説明する図である。
【符号の説明】
1…中空状橋梁構造
2…外側枠体
3…内側枠体
4…第1の空間部
5…鉄筋
6…鉄筋固定部
7…第2の空間部
8…トラス構造体
9…スペーサー部材
11…主枠体部
12…ビーム部
13…取り付け部材
14…連結部材
15…固定部
20…開口部
22…トラック
30…橋脚、橋台
31…予備橋脚、橋台
32…床板
33…クレーン
34…コンクリート注入管
50…補助巻線
51…鉄筋の端部
52…固定部
53…被覆部
60…接続部

Claims (14)

  1. 互いに同心状に配置されている中空状の外側枠体と中空状の内側枠体及び当該外側枠体と内側枠体との間に形成されている第1の空間部内に配置されている複数本の鉄筋とから構成されている中空状橋梁構造体であって、当該中空状橋梁構造体に於ける当該鉄筋は、その少なくとも一部が当該外側枠体又は内側枠体の一部に固定せしめられており、且つ当該内側枠体により形成されている第2の空間部内には、当該中空状橋梁構造体の変形を防止するトラス構造体が挿入されている事を特徴とする中空状の橋梁構造体。
  2. 当該鉄筋は、当該外側枠体と当該内側枠体の間に形成されている当該第1の空間部内に複数の層を形成する様に配列されている事を特徴とする請求項1に記載の中空状橋梁構造体。
  3. 当該鉄筋は、少なくともその一部が適宜の固定部材を介して当該外側枠体と当該内側枠体の少なくとも一方に固定されている事を特徴とする請求項1又は2に記載の中空状橋梁構造体。
  4. 当該鉄筋は、当該中空状橋梁構造体の長手方向と一致する方向に互いに平行となる様に配置されている事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の中空状橋梁構造体。
  5. 当該鉄筋の内、外側に配置された層に於ける当該鉄筋群の外周部を囲んで、当該鉄筋の配置方向と交差する方向に配置された補強巻線が設けられている事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の中空状橋梁構造体。
  6. 当該中空状橋梁構造体に於ける当該外側枠体の一部に開口部が設けられている事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の中空状橋梁構造体。
  7. 当該外側枠体と当該内側枠体とは、適宜の固定部材を介して相互に所定の間隙を有する様に固定されている事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の中空状橋梁構造。
  8. 当該外側枠体若しくは当該内側枠体は、鋼材或いは金属材料、プラスチック材料、炭素繊維等の繊維材料を含むプラスチック複合体(FRP)或いは木材等から選択された一つの材料で構成されているものである事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の中空状橋梁構造体。
  9. 当該鉄筋の端部が当該外側枠体及び当該内側枠体の端縁部から外方に突出している事を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の中空状橋梁構造体。
  10. 当該第1の空間部内にコンクリートが注入されている事を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の中空状橋梁構造体。
  11. 請求項1乃至9の何れかに記載の中空状橋梁構造体を複数個連結して構成した事を特徴とする橋梁。
  12. 隣接配置されているそれぞれの当該中空状橋梁構造体における当該鉄筋同士が適宜の接続手段を介して相互に接合されていおり、且つ当該鉄筋の接続部の周辺が当該外側枠体と少なくとも一部が重複する形状に構成された被覆部材で被覆されている事を特徴とする請求項11に記載の橋梁。
  13. 当該各中空状橋梁構造体の当該第1の空間部内に、コンクリートが注入されている事を特徴とする請求項11又は12に記載の橋梁。
  14. 請求項1乃至9の何れかに記載の中空状橋梁構造体を複数個を、橋梁架設現場に搬送する工程、当該橋梁架設現場に於いて、所定の個数の当該中空状橋梁構造体を相互に直列状に接続した後、当該接続された複数個の中空状橋梁構造体を橋台上又は橋脚上に架設搭載させるか、当該所定の個数の当該中空状橋梁構造体を橋台上又は橋脚上に架設搭載させた後、相互に直列状に接続する工程、及び当該各中空状橋梁構造体の当該第1の空間部内にコンクリートを注入する工程とから構成されている事を特徴とする橋梁構造体の施工方法。
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