JP2004270209A - 高視認性反射体とその取付工法 - Google Patents

高視認性反射体とその取付工法 Download PDF

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Hiroshi Hino
寛 日野
Yasuhiro Komatsu
安弘 小松
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TENRYU FUAIAPETSUKU KK
Airec Engineering Corp
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Abstract

【課題】ガラスビーズを用いた反射材の貼着方法にあっては、遠距離からの視認性(反射状態)が十分とはいえないため、特に夜間における通信ケーブル引き上げ管路等の通信設備への車両の衝突事故が比較的多く発生している。
【解決手段】通信ケーブル引き上げ管路に取り付けされるアタッチメント1と、該アタッチメント1に装着される高視認性反射手段2とを備える。アタッチメント1は、通信ケーブル引き上げ管路に外装される環状のアタッチメント本体と、該アタッチメント本体の上下両端縁に外設するガイド部とを有する。高視認性反射手段2は、柔軟性を有する合成樹脂製のシート部材と、該シート部材の内面(裏面)に配設されるプリズム型超高輝度反射シートからなる高輝度反射部材と、該高輝度反射部材の内面(裏面)に配設される接着手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として通信ケーブル引き上げ管路に巻装される高視認性反射体の改良に関し、更に詳しくは、遠距離からの視認性及び耐候性に優れて通信設備への車両の衝突事故を大幅に削減することができる他、より簡単かつ正確に取り付けできる有用な高視認性反射体とその取付工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地下通信ケーブル引き上げ管路などの通信設備を示す方法としては、▲1▼球体のガラスビーズからなる高輝度反射材を貼り付ける方法(以下、単に前例▲1▼という)や、▲2▼蛍光塗料のような塗布材を用いて所在を示す方法(以下、単に後例▲2▼という)がとられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開平6−299521号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来工法のうち、前例▲1▼のガラスビーズを用いた反射材の貼着方法にあっては、遠距離からの視認性(反射状態)が十分とはいえないため、特に夜間における通信ケーブル引き上げ管路等の通信設備への車両の衝突事故が比較的多く発生しており、社会的問題として危惧されている。
【0004】
また、後例▲2▼の蛍光塗料等の反射材の場合は、剥がれ易くて位置決めが安定せず、また、未だ耐水性や耐候性が不十分であるといった問題を有する。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、遠距離からの視認性及び耐候性に優れて通信設備への車両の衝突事故を削減することができる他、耐水性や耐候性に優れると共に、より簡単かつ正確に取り付けできる有用な高視認性反射体とその取付工法を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨とする構成は、柔軟性を有する所定大きさのシート部材と、該シート部材の内面及び/又は外面側に配設される高輝度反射部材と、該高輝度反射部材の内面及び/又は外面側に配設される接着手段とを備えてなる高視認性反射体に存する。
【0007】
延いては、通信ケーブル引き上げ管路等の所定部位に取り付けされるアタッチメントと、該アタッチメントに装着される高視認性反射手段とを備えてなり、前記高視認性反射手段は、柔軟性を有する所定大きさのシート部材と、該シート部材の内面及び/又は外面側に配設される高輝度反射部材と、該高輝度反射部材の内面及び/又は外面側に配設される接着手段とを備えてなる高視認性反射体に存する。
【0008】
また、前記高輝度反射部材には、マイクロプリズムシートを使用するのが良く、前記接着手段には、接着層の表面を複数の保護単紙により被覆してなる強力なテープ状接着剤を用いるのが良い。
【0009】
更に好ましくは、高視認性反射体の表面にロゴマークや同反射体の中心位置を示すマーク及び/又は地下ケーブルの存在位置や注意を促す表示欄を備えるのが良い。
【0010】
また、前記アタッチメントは、少なくとも通信ケーブル引き上げ管路の外周長3/4(270度)に接着するだけの面長を有する環状のアタッチメント本体と、該アタッチメント本体の上下両端縁に沿って平行に外設されたガイド部とを有するのが良い。
【0011】
更に、本発明は、通信ケーブル引き上げ管路等の取付部位を特定し表面を処理する工程と、表面処理を得た取付部位にプライマー塗装及び乾燥処理を行う工程と、接着層を介して高視認性反射体を巻装する工程とを有する高視認性反射体の取付工法に存し、延いては、前記高視認性反射体の巻装工程が、高視認性反射体の接着面を複数に区分せしめる保護単紙を連続して貼着し、取付部位に取り付ける際、中心部分の保護単紙を先に剥離した後、露呈した同中心部分の剥離接着面を取付部位の管中心辺りに押し当てて鉛直位置を決め、然る後、同中心部分を中心に左右の保護単紙を順次剥離しながら環状に巻装する高視認性反射体の取付工法に存する。
【0012】
また、高視認性反射体の表面には、ロゴマークや同反射体の中心位置を示す中心マーク及び/又は地下ケーブルの存在位置や注意を促す表示欄を形成しておくのが良い。
【0013】
このように構成される本発明の高視認性反射体及びその取付工法は、薄くて柔軟性があり高輝度の反射手段を使用することによって、引き上げ管路等への貼り付け作業が非常に容易であり、カッターで自由に切断できるなど、短時間で取付作業が完了でき、しかも、遠距離からの高い視認性が得られ、通信設備への車両の衝突事故を大幅に削減し得ることとなる。
【0014】
しかも、斯かる反射体の裏面側には、接着面を複数に区分せしめる保護単紙を連続して貼着してあることから、必要部位に貼着する際に、まず、中心部分の保護単紙を剥離した後、その間に露呈する同中心部分の剥離接着面を取付部位の管中心辺りに押し当てて鉛直位置を決め、然る後、同中心部分を中心に左右の保護単紙を順次剥離しながら貼着することで、管材であっても周面に沿って簡単かつ正確に巻装し得ることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の一例を図面を参照しながら説明する。図中Aは、本発明に係る高視認性反射体であり、この高視認性反射体Aは、図1に示すように、通信ケーブル引き上げ管路Bに取り付けされるアタッチメント1と、該アタッチメント1に装着される高視認性反射手段2とを備えている。
【0016】
アタッチメント1は、通信ケーブル引き上げ管路Bに外装される環状のアタッチメント本体1aと、該アタッチメント本体1aの上下両端縁に外設するガイド部1b、1cとを有する。
【0017】
アタッチメント本体1aは、例えば、図2(b)に示すように、厚寸L :1.5mm、高寸L :83mmの金属若しくは合成樹脂製のシート部材を用いて環状に成形されており、通信ケーブル引き上げ管路Bの外周長3/4(270度)に接着するだけの面長を有する(図5参照)。
【0018】
また、ガイド部1b、1cは、アタッチメント本体1aの上下両端縁に沿って平行に外設されている。このガイド部1b、1cは、後述する高視認性反射手段2の厚みに応じて突出高が変わるものであるが、一例として、突出高:L :0.3mm、幅寸L :3mmの大きさが挙げられる(図2(b)参照)。
【0019】
一方、高視認性反射手段2は、例えば、厚さ0.2mmのシート体からなり、図3(b)に示すように、柔軟性を有する合成樹脂製のシート部材2aと、該シート部材2aの内面(裏面)に配設される高輝度反射部材2bと、該高輝度反射部材2bの内面(裏面)に配設される接着手段2cとを備えている。
【0020】
前記シート部材2aは、高輝度反射部材2bの基材となるものであり、素材としては外面側に硬質の保護コーティング2a を施してなる柔軟性合成樹脂材を使用する。
【0021】
また、前記高輝度反射部材2bは、プリズム型超高輝度反射シート(以下、単にマイクロプリズムシートという)からなり、このマイクロプリズムシートは、例えば、図3(a)に拡大して示すように、超精密(1cm 当たり7400個配列)のキューブコーナープリズム(単層構造)からなるもので、擦れ、キズ、衝撃に強いなど、優れた耐久性を有している。
【0022】
尚、斯かるマイクロプリズムシートを有する高視認性反射手段2の厚みは、本実施例で示した0.2mmに限定されるものではなく、接着手段2cを含めて▲1▼0.1〜2mm程度、就中、▲2▼0.15〜0.5mm、▲3▼0.12〜1mmのものを用いても良い。蓋し、引き上げ管路等への貼り付け作業が非常に容易であり、カッターで自由に切断できるなど、短時間で取付作業が完了できるからである。
【0023】
因に、マイクロプリズムシートを構成するキューブコーナープリズムは、光源から入射した光が、プリズムの三表面を反射するため、従来のガラスビーズ(再帰反射有効率1/3[33%])に比して有効的に光源に帰るため(再帰反射有効率3/4[75%])、僅かな光でも視認性が良好であり、しかも、乱反射が無いので近距離での幻惑(グレア)を防止でき、遠近感も視認できる。
【0024】
更に、マイクロプリズムシートとしては、マイクロプリズムの背面側に金属蒸着層が配設された構造のものを使用するのが良い(図示せず)。具体的には、マイクロプリズムの一方面に金属蒸着層を配置し、そのマイクロプリズムの他方面に着色又は非着色の樹脂層を位置させたものが挙げられる。
【0025】
斯かる樹脂層(図示せず)は、マイクロプリズムを形成するためのキャスティングを厚めに行うことによりマイクロプリズム層と一体的に形成しても良く、マイクロプリズムとは別に樹脂コーティング又は樹脂フィルムの貼着により設けても良い。
【0026】
因に、この樹脂層は、マイクロプリズムの保護の役割を果たすと共に、同樹脂層を着色又は被着色とすることにより、金属蒸着層による色調を金色や銀色にすることができ、更には、マイクロプリズムと金属蒸着層との間に密着性を確保するための蒸着下地層を設けても良い。
【0027】
更に、前記接着手段2cには、表面を保護紙3にて被覆してなる強力な接着テープ(両面テープ)を用いており、保護紙3を剥離するだけでアタッチメント本体1a若しくは取付部位に簡単に貼着できる。
【0028】
保護紙3は、接着手段2の長手方向を複数(好ましくは、3〜4枚)に区分すべく貼着された保護単紙3a,3b,3c,3dを連続せしめて帯状に形成してある(図6(b)参照)。従って、必要部位に貼着する際は、まず、後述する中心部位を示す中心マーク4の裏面に位置する保護単紙3b、3c間を剥離した後、その間に露呈する同中心位置の剥離接着面2cを取付部位の管中心辺りに押し当てて鉛直位置を決め、然る後、同中心位置を中心に左右の保護単紙3a,3dを順次剥離しながら貼着できるため、管材であっても周面に沿って簡単かつ正確に巻装することができる。
【0029】
他方、高視認性反射材2bの表面には、図6に示すように、ロゴマークや同反射体の中心位置を示す中心マーク4と、地下ケーブルの存在位置や注意を促す表示欄5が形成されている。
【0030】
表示欄5は、地下ケーブルの存在方向を矢印で表示し、かつ、その近傍に「重要地下ケーブル有り(注意)」と文字で表記することにより、通行者並びに工事作業員等に注意を促すことができる。
【0031】
このように構成される高視認性反射体は、引き上げ管路B等への貼り付け作業が非常に容易であり、全体をして0.2〜2mmと極薄なのでカッターで自由に切断できるなど、短時間で取付作業が完了できる。しかも、高輝度反射部材2bにマイクロプリズムシートを使用していることによって、遠距離からの視認性に優れるため、引き上げ管路Bの存在が明確となり、また、周囲からの注目度が上がることも相俟って、車両、歩行者等への安全意識の高揚が促進され、通信設備への車両の衝突事故を大幅に削減することができ、延いては、斯かる衝突事故の削減に伴う物損額等の社会的損失をも効果的に削減できる。
【0032】
これは衝突ダメージ[M(車の総重量)×V(スピード)の2乗]の比較にあっても、その差が顕著となる。例えば、2トンの乗用車が60kmで走行し、通信設備に衝突した場合、2×60の2乗で7200の衝突ダメージが発生するが、同反射体からの反射光により、乗用車の運転手が通信設備の存在に気づいて早やめにブレーキを踏み30kmに減速して衝突した場合は、2×30の2乗で1800のダメージですみ、ダメージは75%も小さくなるのである。
【0033】
次に、本発明に係る高視認性反射体を通信ケーブル引き上げ管路Bに直接取り付ける場合の取付工法(直接取付方法)について説明する。尚、理解を容易にするため、前述した高視認性反射体の実施例と同一部分は同一符号で示し、構成の異なる処のみを新たな番号を付して以下に説明する。
【0034】
まず、本取付工法の第1工程について説明する。通信ケーブル引き上げ管路Bの取付部位を特定する。具体的にはマスキングテープ(図示せず)で、取付部位の上端、下端を、約15〜20cm幅に区切る。その際、マスキングテープが水平に張られていることが大事となる。因に、引き上げ管路Bとしては、例えば、柱径φ75mm、φ50mmの二種類が挙げられる。高視認性反射体は、地下面から20〜60cmの高さに取り付けるのが好ましい。
【0035】
次に第2工程について説明する。通信ケーブル引き上げ管路Bの地面周辺を養生紙(図示せず)を用いて養生する。養生紙が浮いたり、剥がれたりしないように養生紙の端縁部をマスキングテープで留める。
【0036】
次に第3工程について説明する。必要部位の表面処理を行う。具体的には、まず、▲1▼マジックロン(商品名)、ワイヤーブラシを併用して、表面の光沢が無くなるか、表面の劣化層が取り除けるまで研磨する。また、▲2▼樹脂管の場合は、マジックロン(商品名)を用いて表面の劣化部や露出した樹脂バリ等を取り除くのが大事となる。仕上がり状態として、樹脂バリのケバや素地物質に起因する突起物等が見られず、表面がスムーズになっていること。
【0037】
また、▲3▼油脂類が付着している場合は、洗浄用アルコールを用いて洗浄し、水分が付着している場合は、ペーパーウエスで拭き取ること。更に、▲4▼洗浄用アルコールを染み込ませたウエスで、付着している粉塵や付着異物を拭き取るのが良い。斯かる▲3▼▲4▼の作業では、取り付けの奥部分も処理されているか、研磨粉等の異物が見られないことが大事となる。
【0038】
次に第4工程について説明する。プライマー塗装及び乾燥処理を行う。プライマー缶を取り出し、軽く振って中身を混濁させる。開缶し、刷毛で塗装するが、たれ、かすみ、塗り残しが無いように行う。塗布後、表面がベタつかなくなるまで、5〜10分放置する。使用量の目安としては、塗布量:約50〜100g/m、乾燥膜厚:約5〜10μmが良い。尚、このプライマー塗装は、通信ケーブル引き上げ管路BがPP管である場合にのみ接着専用のプライマーを塗布するものであり、鋼管の場合は斯かるプライマー塗装は必要はない。
【0039】
次に、第5工程について説明する。高輝度反射手段2の裏側に被装されている保護紙3を剥離して必要部位に巻装する。具体的には、高視認性反射体2の接着面に同接着面を区分すべく複数枚に区分けしてなる保護単紙3a,3b…を貼着しておくのが良い(図6(b)参照)。
【0040】
蓋し、取付部位に取り付ける際、中心部分の保護単紙3a,3b間を先に剥離した後、露呈した同中心部分の剥離接着面2cを取付部位の管中心辺りに押し当てて鉛直位置を決め、然る後、同中心部分を中心に左右の保護単紙3c、3dを順次剥離しながら巻装できるからである。
【0041】
その際、NTT等のロゴマークからなる中心マーク4を、管中心辺りに掲げて鉛直位置を決めるのが良い。上端のマスキングテープに沿って高輝度反射手段2を水平に貼り付け、同反射手段2の全体及び端部を圧着する。
【0042】
次に、第6工程について説明する。マスキングテープを剥がし、養生シートを撤去する。管の周辺を清掃し、残滓物は反射コイルのビニール袋に入れる。最終的に全体的仕上がりを確認した上で取付作業が終了となる。
【0043】
また、本発明の高視認性反射体は、図1に示すように、アタッチメント1を介して取り付けても良い。以下、アタッチメント1を使用して引き上げ管路Bに取り付ける場合の取付工法(間接取付工法)について簡単に説明する。
【0044】
まず、第1工程について説明する。通信ケーブル引き上げ管路Bの取付部位を特定し、表面処理を行う。表面処理については前取付工法の第3工程に同じ。
【0045】
次に、第2工程について説明する。アタッチメント1を接着層を介して引き上げ管路Bに取り付ける。具体的には、表面処理を施した取付部位にプライマーを塗布して接着層を形成し、アタッチメント1を取り付ける。接着層は、例えば、速乾性の接着用専用プライマーを塗布して五分程の接着処理を行うものであるが、取付作業の短縮化を図るために、予めアタッチメント1の裏面に付設しておいた保護紙付き粘着テープで代用しても良い。
【0046】
アタッチメント1としては、通信ケーブル引き上げ管路Bに外装される環状のアタッチメント本体1aと、該アタッチメント本体1aの上下両端縁に外設するガイド部1b、1cとを有する前例のものが好ましい(図2参照)。
【0047】
次に、第3工程について説明する。該アタッチメント1の所定部位に高輝度反射手段2を左右均等の長さ(135度)で水平方向に圧力をかけながら貼着する。具体的には、ガイド部1b、1cに沿って高輝度反射手段2をアタッチメント本体1aの周面に面一で貼り付けることができるため、巻回状態の高輝度反射手段2であっても、テープを巻き付ける如く、より簡単かつ正確に取り付けできる。
【0048】
また、高輝度反射手段2の裏側に保護単紙3a,3b,3c,3dを用いた場合は、前取付方法と同様、中心部位の保護単紙3b、3cの間を剥離した後、露呈した同中心部分の剥離接着面2cを取付部位の管中心辺りに押し当てて鉛直位置を決め、然る後、同中心部分を中心に左右の保護単紙3a,3dを順次剥離しながら巻装し、次いで、その上を左右均等の力で水平方向に圧力をかけながらアタッチメント本体1aの周面に貼着し、特に、隙間ができないように上下両端縁部を入念に押し付けるのが良い。
【0049】
尚、本発明は本実施例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの全てを包摂するものである。例えば、高視認性反射体は、アタッチメント1と使用せずに、引き上げ管路Bに直接に巻装できることは前述した通りである。
【0050】
また、高視認性反射体の取付位置は、前述したように地上から20〜60cmの間が好ましいが、積雪地以外は20〜30cmが望ましい。同反射体の色は、一般的には白色(標準色)を用い、道路の右側及び特別な危険を示す場合は橙色を用いる。
【0051】
更に、高視認性反射体の大きさとしては、本実施例で示したサイズに限定されることなく、幅85mm、長さ100mm以上でも良く、その反射輝度はJIS−D5500及びJIS−Z9117の規格を満足する反射材であれば、必ずしも本実施例で言及するマイクロプリズムシートに限定されるものではない。その他、マイクロプリズムシートは、一般ステッカーと同様、水貼りによる精密位置合わせも可能である。
【0052】
また、前述したアタッチメント本体1aを不要とすべく同アタッチメント本体1aと高視認性反射手段2を構成するシート部材2aとを兼用しても良いものであり、取付部位の取付条件等に応じて仕様態様を変えることができる。
【0053】
尚、高視認性反射材2bの表面には、図6に示すように、地下ケーブルの存在位置や注意を促す表示欄5を白地に黒の矢印と文字で形成しているが、これに限定されることなく、白地で浮き立たないように、換言すれば、白地部分を無くすべく全面模様の上に表示できることは云うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成され、柔軟性を有する所定大きさのシート部材と、該シート部材の内面及び/又は外面側に配設される高輝度反射部材と、該高輝度反射部材の内面及び/又は外面側に配設される接着手段とを備えてなることによって、引き上げ管路等への貼り付け作業が非常に容易であり、カッターで自由に切断できるなど、短時間で取付作業が完了でき、しかも、遠距離での視認性に優れるため、通信設備への車両の衝突事故を大幅に削減することができるといった効果を奏し、延いては、事故削減に伴う物損額等の社会的損失をも削減できるものである。
【0055】
更に、通信ケーブル引き上げ管路等の所定部位に取り付けされるアタッチメントと、該アタッチメントに装着される高視認性反射手段とを備えてなり、前記高視認性反射手段は、柔軟性を有する所定大きさのシート部材と、該シート部材の内面側に配設される高輝度反射部材と、該高輝度反射部材の内面側に配設される接着手段とを備えてなることによって、アタッチメントを介しての高輝度反射部材の正確なる取り付けが可能となり、また、同反射部材がアタッチメントで保護されることから、取付部位に直接貼り付ける場合に比して、保形性に優れて安易に剥がれることがなく耐候性にも優れるといった効果を奏する。
【0056】
また、前記高輝度反射部材に、マイクロプリズムシートを使用することにより、光源から入射した光は、プリズムの三表面を反射し光源に帰るため、従来のビーズシートに比し遠距離からの視認性を向上できると共に、雨中使用時の輝度の低下を防止することができ、安全性を向上できるといった効果を奏する。
【0057】
更に、前記接着手段に、接着層の表面を保護紙により被覆してなるテープ状接着剤を用いることによって、保護紙を剥離するだけで簡単に貼着できるため、作業性及び便宜性に優れるものである。
【0058】
また、延いては、同接着手段が、高視認性反射体の接着面を複数に区分してなる保護単紙により被覆されたテープ状接着剤であることによって、必要部位に貼着する際に、中心部位に位置する保護単紙を剥離した後、その間に露呈する同中心部分の剥離接着面を取付部位の管中心辺りに押し当てて鉛直位置を決め、然る後、同中心部分を中心に左右の保護単紙を順次剥離しながら貼着できるため、管材であっても周面に沿って簡単かつ正確に巻装することができるといった効果を奏するのである。
【0059】
更に、視認性反射材の表面に、ロゴマークや同反射体の中心位置を示す中心マークを表示することによって、取付作業の便宜化が図れると共に、地下ケーブルの存在位置や注意等を促す表示欄が形成されることによって、通行者並びに工事作業員等にも注意を促すことができる。
【0060】
また、前記アタッチメントが、少なくとも通信ケーブル引き上げ管路の外周長3/4(270度)に接着するだけの面長を有する環状のアタッチメント本体と、該アタッチメント本体の上下両端縁に沿って平行に外設されたガイド部とを有することによって、高視認性反射部材を通信ケーブル引き上げ管路に簡単かつ堅固に装着できるといった効果を奏するものである。
【0061】
このように本発明は、引き上げ管路等への貼り付け作業が非常に容易であり、カッターで自由に切断できるなど、短時間で取付作業が完了でき、しかも、遠距離からの視認性を向上できると共に、雨中使用時の輝度の低下を防止することができるなど、安全性を向上できる高視認性反射体を提供できるものであり、また、構成が単純であるため、大量生産に適し、価格も低廉なものとして需要者に供給できる等、本発明を実施することはその実益的価値が甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高視認性反射体を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は同高視認性反射体のアタッチメントを示す斜視図、図2(b)は同縦断面図である。
【図3】図3(a)は本実施例で使用するマイクロプリズムシートを示す拡大図、図3(b)は同縦断面図である。
【図4】マイクロプリズムシートの他の実施例を示す縦断面図である。
【図5】高視認性反射体を通信ケーブル引き上げ管路の外周長3/4(270度)に装着した状態を示す説明図である。
【図6】図6(a)は通信ケーブル引き上げ管路に直接貼り付けるタイプ(環状)の高視認性反射体を帯状に延ばした状態を示す正面図、図6(b)は同拡大横断面図である。
【符号の説明】
A 高視認性反射体
B 通信ケーブル引き上げ管路
1 アタッチメント
1a アタッチメント本体
1b ガイド部
1c ガイド部
2 高視認性反射手段
2a シート部材
2a 保護コーティング
2b 高輝度反射部材
2c 接着手段
3 保護紙
3a 保護単紙
3b 保護単紙
3c 保護単紙
3d 保護単紙
4 中心マーク
5 表示欄

Claims (9)

  1. 柔軟性を有する所定大きさのシート部材と、該シート部材の内面及び/又は外面側に配設される高輝度反射部材と、該高輝度反射部材の内面及び/又は外面側に配設される接着手段とを備えてなることを特徴とする高視認性反射体。
  2. 通信ケーブル引き上げ管路等の所定部位に取り付けされるアタッチメントと、該アタッチメントに装着される高視認性反射手段とを備えてなり、前記高視認性反射手段は、柔軟性を有する所定大きさのシート部材と、該シート部材の内面側に配設される高輝度反射部材と、該高輝度反射部材の内面側に配設される接着手段とを備えてなることを特徴とする高視認性反射体。
  3. 前記高輝度反射部材は、マイクロプリズムシートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高視認性反射体。
  4. ロゴマークや同反射体の中心位置を示すマーク及び/又は地下ケーブルの存在位置や注意を促す表示欄を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の高視認性反射体。
  5. 前記接着手段は、高視認性反射体の接着面を複数に区分してなる保護単紙により被覆されたテープ状接着剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高視認性反射体。
  6. 前記アタッチメントは、少なくとも通信ケーブル引き上げ管路の外周長3/4(270度)に接着するだけの面長を有する環状のアタッチメント本体と、該アタッチメント本体の上下両端縁に沿って平行に外設されたガイド部とを有することを特徴とする請求項2に記載の高視認性反射体。
  7. 通信ケーブル引き上げ管路等の取付部位を特定し表面を処理する工程と、表面処理を得た取付部位にプライマー塗装及び乾燥処理を行う工程と、接着層を介して高視認性反射体を巻装する工程とを有することを特徴とする高視認性反射体の取付工法。
  8. 前記高視認性反射体の巻装工程は、同反射体の接着面を複数に区分せしめる保護単紙を連続して貼着し、取付部位に取り付ける際、中心部分の保護単紙を先に剥離した後、露呈した同中心部分の剥離接着面を取付部位の管中心辺りに押し当てて鉛直位置を決め、然る後、同中心部分を中心に左右の保護単紙を順次剥離しながら環状に巻装することを特徴とする請求項7に記載の高視認性反射体の取付工法。
  9. 高視認性反射体の表面には、ロゴマークや同反射体の中心位置を示す中心マーク及び/又は地下ケーブルの存在位置や注意を促す表示欄を形成してなることを特徴とする請求項7に記載の高視認性反射体の取付工法。
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