【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用顔料塗被紙に関するものである。特に、オフセット印刷が可能な顔料塗被層強度を有し、かつ、水性インク及び水性顔料インクを用いたインクジェット記録において、ブリーディング、コックリング及び画像耐水性に優れた印刷用顔料塗被紙に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
オフセット印刷は、高速かつ大量印刷が可能であることから、印刷物の主流となっている。一方、近年、可変情報が容易に印刷でき、少量印刷も可能であることから、インクジェット記録方式が、急速に普及している。
【０００３】
このインクジェット記録方式は、水性や油性の染料インクおよび顔料インクを用い、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易であること、高速記録が可能であること等の理由から、端末用プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷などへの応用が進められている。そして、最近では、ダイレクトメール等で見られるように、共通情報は、オフセット印刷で行い、個人向け情報である宛名やバーコード等は、インクジェット記録方式を採用するという、ハイブリッド印刷が行われるようになってきた。
【０００４】
このようなオフセット印刷とインクジェット記録の両方がなされる顔料塗被紙には、オフセット印刷におけるピッキングやブリスターなどが発生しない顔料塗被層強度が求められ、またインクジェット記録の際には、多色印刷における異なる色の境界部分の滲み（ブリーディング）がないこと、印字部に水滴が付着した場合などでもインキが滲み出してこないこと（画像耐水性）、更に、特に水性インクの場合には、吸水による印字部の波打ち（コックリング）を抑制することなどが要求される。
【０００５】
このようなオフセット印刷適性とインクジェット記録適性の要求に対して、これまで、いくつかの提案が行われている。
インクジェット記録適性とオフセット印刷に耐えれる顔料塗被層強度を得る為に、灰分とサイズ度を規定した基紙上に特定の顔料を含むインク受容層を設ける方法（例えば特許文献１）、特定の特性の顔料塗被層の最表層にカチオン性染料定着剤の層を設ける方法（例えば特許文献２）等が示されている。
【０００６】
しかし、上記の方法で得られた顔料塗被紙は、水性インク及び水性顔料インクで記録した場合、インク溶媒によって記録後のシートに波打ち（コックリング）を生じ、見栄えの悪い記録物となってしまう。更に、最近、記録画像も写真調の品質が求められていることから、打込むインク量が多く、その結果、記録後のシートのコックリングが助長され、またインク量が多量な為、ブリーディングも発生し易い。
【０００７】
ブリーディング防止に対しては、インクジェット記録専用紙において、特定の特性のインク受容層を設ける方法（特開２００２−２６４４８６号公報）等が示され、コックリング防止に対しては、特定の特性の基紙上にインク受容層を設ける方法（特開平１１−１１００８号公報）、特定の特性のインク受容層を有する方法（特開２００２−６７４９２号公報）等が提案されているが、オフセット印刷が可能で、かつインクジェット記録も可能である顔料塗被紙では、コックリングやブリーディングが解決できていないのが現状である。
【０００８】
【特許文献１】
特開２００１−３０６１９号公報
【特許文献２】
特開２０００−２５６９９２号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、オフセット印刷が可能であり、かつブリーディング、コックリング及び画像耐水性に優れたインクジェット記録も可能である兼用紙を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、顔料塗被層を有する顔料塗被紙の中で、特定のコブサイズ度を有するものを用い、これにカチオン性樹脂を特定量塗被含浸した塗被紙が課題を解決することを見出した。
即ち、本発明は、シート状支持体の少なくとも一方の面に顔料塗被層を有し、且つ該顔料塗被層面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１〜１７ｇ／ｍ２である顔料塗被紙の顔料塗被層に、カチオン性樹脂を０．０２〜５．０ｇ／ｍ２塗被含浸したことを特徴とする印刷用顔料塗被紙である。
更に、カチオン性樹脂を塗被含浸した面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１〜１７ｇ／ｍ２である上記の印刷用顔料塗被紙である。
【００１１】
また、顔料塗被層を有する顔料塗被紙の顔料塗被層に、カチオン性樹脂を含浸させ、得られた顔料塗被紙が特定のコブサイズ度を有することにより課題を解決することを見出した。
【００１２】
即ち、本発明は、シート状支持体の少なくとも一方の面に顔料塗被層を有する顔料塗被紙において、該顔料塗被層上にカチオン性樹脂を０．０２〜５．０ｇ／ｍ２塗被含浸し、該カチオン性樹脂を塗被含浸した面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１〜１７ｇ／ｍ２であることを特徴とする印刷用顔料塗被紙である。
【００１３】
更にまた、特定の顔料を有し、カチオン性樹脂を含有する顔料塗被層を有する顔料塗被紙の顔料塗被層が特定のコブサイズ度を有することにより課題を解決することを見出した。
【００１４】
シート状支持体の少なくとも一方の面に、カオリン、タルク、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも１種の顔料とバインダーを主成分とし、更にカチオン性樹脂を含有する顔料塗被層を有し、且つ、該顔料塗被層面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１〜１７ｇ／ｍ２であることを特徴とする印刷用顔料塗被紙である。
【００１５】
【発明の実施の形態】
シート状支持体の少なくとも一方の面に顔料塗被層を設けた顔料塗被紙としては、公知のアート紙、コート紙、キャストコート紙、顔料塗工フィルムなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。
シート状支持体としては、透明または不透明支持体が使用でき、例えば、上質紙、中質紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、金属フォイル、合成紙などが適宜使用される。
【００１６】
シート状支持体上に設けられる顔料塗被層は、単層でもよく、複数層有してもよい。顔料としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、擬ベーマイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化チタン、サチンホワイト、非晶質シリカ等のシリカやプラスチックピグメント等の有機顔料等の一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料の１種以上を適宜使用する。
【００１７】
また、顔料塗被層のバインダーとしては、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、デンプン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体等の水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の一般に塗工紙に使用されているバインダーを１種あるいは２種以上を併用して用いることができる。
【００１８】
更に、必要に応じて、界面活性剤、粘度調整剤、ｐＨ調整剤、表面サイズ剤、浸透剤、消泡剤、防カビ剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等の各種助剤を適宜使用しても良い。
顔料塗被層は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、キャストコーター等の各種公知の塗工装置やサイズプレス等の含浸装置により設けることができる。
【００１９】
顔料塗被層を形成した後、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、マットキャレンダ等を用いて表面処理を行っても何ら差し支えなく、これらキャレンダは、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の処理装置に準じて適宜調節される。
【００２０】
顔料塗被層は、カオリン、タルク、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも１種の顔料を主成分にすると、オフセット印刷適性が優れるので好ましい。
またバインダーとしては、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用すると、顔料の接着力が大きく、またオフセット印刷でのインキ保持性が優れるので好ましい。
【００２１】
第１の発明は、こうして得られた顔料塗被紙の顔料塗被層面と水との接触時間を１０秒としたコッブサイズ度（ＪＩＳ Ｐ８１４０）が１〜１７ｇ／ｍ２であるものを使用する。
コッブサイズ度が、１ｇ／ｍ２未満では、顔料塗被層上へカチオン性樹脂を塗被含浸した際の、該顔料塗被層中へのカチオン性樹脂の浸透が抑えられ、ブリーディングが発生し易く、良好な画像を得ることができない。また、この時、ブリーディング防止の為に、該顔料塗被層上にカチオン性樹脂を多量に存在させた場合、ブリーディングは改善されるが、水に浸漬した印字部は、カチオン性樹脂の水への溶出と共に、インクも溶出し、画像耐水性が低下する結果となる。
コッブサイズ度が、１７ｇ／ｍ２を超える場合、該顔料塗被層中へのカチオン性樹脂の浸透が促進され、ブリーディングが発生し易くなる。この理由としては、塗被含浸したカチオン性樹脂が、該顔料塗被層の下部あるいは支持体（吸水性支持体の場合）にまで浸透している為であると考えられる。
好ましいコッブサイズ度は、２〜１６ｇ／ｍ２である。
【００２２】
本発明の顔料塗被層に塗被するカチオン性樹脂は、特に限定するものではないが、水溶性或いは水性エマルジョンタイプなどが好ましく使用される。例えば、ポリアルキレンポリアミン系樹脂、またはその誘導体、第３級アミノ基や第４級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等のカチオン性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン、ジシアンジアミドホルムアルデヒド、ジアクリルアミン、カチオン性ポリビニルピロリドン、ポリ−トリメチルアンモニウムメタクリレート、ビニルイミダゾリウムメタクロライド−ビニルピロリドン共重合体、ジアリルジメチル４級アンモニウム塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンポリアミン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド−メチルクロライド４級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、ポリオキシプロピル４級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩−アクリルアミド共重合体、ポリジメチルアミン−アンモニア−エピクロルヒドリン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド重合物、ポリアルコキシジアルキル第４級アンモニウム塩、モノアリルアミン−ジアリルアミン塩酸塩共重合体、ポリアリルアミン塩酸塩、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・ＳＯ２ 共重合物、ジアリルアミン塩・ＳＯ２ 共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル（メタ）アクリレート４級塩重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合体等が挙げられ、１種あるいは２種以上を併用しても良い。これらカチオン性樹脂の分子量は、特に限定するものではないが、顔料塗被層中へ浸透させる為に、分子量３００００以下が好ましい。
【００２３】
このカチオン性樹脂の塗被量は、０．０２〜５．０ｇ／ｍ２である。０．０２ｇ／ｍ２未満では、インク定着不良の為、ブリーディングや画像耐水性が悪くなる。また、５．０ｇ／ｍ２を超える場合、カチオン性樹脂が基紙の最表層上に多量に存在する為、カチオン性樹脂のプロファイルムラが印字の濃淡ムラとなり、また水に浸漬した印字部は、カチオン性樹脂の水への溶出と共に、インクも溶出し、画像耐水性が低下する結果となる。好ましいカチオン性樹脂の塗布量は、０．０５〜４．５ｇ／ｍ２であり、より好ましい塗布量は０．１〜４．０ｇ／ｍ２である。
【００２４】
また、カチオン性樹脂を塗被する際、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、デンプン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体等の水溶性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等のバインダーを一種あるいは二種以上を用いても何ら差し支えない。更に、界面活性剤、粘度調整剤、ｐＨ調整剤、表面サイズ剤、浸透剤、消泡剤、防カビ剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等も適宜使用しても良い。
【００２５】
カチオン性樹脂の塗被には、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、スプレー等の各種公知の塗工装置やサイズプレス等の含浸装置を用いることができる。
【００２６】
カチオン性樹脂を塗被含浸した後、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ、マットキャレンダ等を用いて表面処理を行っても何ら差し支えなく、これらキャレンダは、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の処理装置に準じて適宜調節される。
【００２７】
更に、カチオン性樹脂を塗被含浸した面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１〜１７ｇ／ｍ２であることが好ましい。
コッブサイズ度が、１ｇ／ｍ２未満では、水性インクが顔料塗被層に浸透しないため、ブリーディングが発生する結果となる。
一方、コッブサイズ度が、１７ｇ／ｍ２を超える場合、水性インクの溶媒が支持体内部まで浸透してしまい、コックリングが発生してしまう。
好ましくは、２〜１６ｇ／ｍ２であり、より好ましくは、３〜１４ｇ／ｍ２である。
【００２８】
第２の発明は、シート状支持体の少なくとも一方の面に顔料塗被層を有する顔料塗被紙の顔料塗被層上にカチオン性樹脂を０．０２〜５．０ｇ／ｍ２塗被含浸し、該カチオン性樹脂を塗被含浸した面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１〜１７ｇ／ｍ２である印刷用顔料塗被紙である。
【００２９】
顔料塗被層に塗被含浸させるカチオン性樹脂としては、上記例示したカチオン性樹脂が例示できる。カチオン性樹脂を含浸させる際、上記塗被の際に例示したバインダーや各種助剤を併用することもできる。含浸させる方法としては、各種公知の塗工装置や含浸装置を用いることができる。
カチオン性樹脂を含浸した面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１ｇ／ｍ２含浸に満たない場合、水性インクが顔料塗被層に浸透しないため、ブリーディングが発生する結果となる。
一方、コッブサイズ度が、１７ｇ／ｍ２を超える場合、水性インクの溶媒が支持体内部まで浸透してしまい、コックリングが発生してしまう。
好ましくは、２〜１６ｇ／ｍ２であり、より好ましくは、３〜１４ｇ／ｍ２である。
【００３０】
第３の発明は、シート状支持体の少なくとも一方の面にカオリン、タルク、炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも１種の顔料とバインダーを主成分とし、更に、カチオン性樹脂を含有する顔料塗被層を有し、且つ、該顔料塗被層面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１〜１７ｇ／ｍ２である印刷用顔料塗被紙である。
【００３１】
顔料塗被層に含有するカチオン性樹脂としては、上記例示したカチオン性樹脂が例示できる。含有させる方法は特に限定しないが、カチオン性樹脂を含浸させる方法が好ましい。含浸させる場合、上記塗被の際に例示したバインダーや各種助剤を併用することもできる。含浸させる方法としては、各種公知の塗工装置や含浸装置を用いることができる。
【００３２】
顔料塗被層面と水との接触時間を１０秒とした以外はＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じたコッブサイズ度が１ｇ／ｍ２含浸に満たない場合、水性インクが顔料塗被層に浸透しないため、ブリーディングが発生する結果となる。
一方、コッブサイズ度が、１７ｇ／ｍ２を超える場合、水性インクの溶媒が支持体内部まで浸透してしまい、コックリングが発生してしまう。
好ましくは、２〜１６ｇ／ｍ２であり、より好ましくは、３〜１４ｇ／ｍ２である。
【００３３】
本発明の印刷用顔料塗被紙は、裏面に各種の粘着剤層を設けたり、擬似接着層を設けたり、接着剤などにより別のシートと貼合わせ積層体を形成したりすることなど、公知の加工を適宜行なうことができる。
【００３４】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部及び％は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量％を示す。また、本発明のコッブサイズ度は、サンプルと蒸留水の接触時間を１０秒とした以外は、ＪＩＳ Ｐ８１４０に記載されるコッブ法による吸水度試験方法に準じて測定した。
【００３５】
実施例１
紙支持体上に、炭酸カルシウムを顔料の主成分とし、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを主成分とした顔料被覆層を設けた、コッブサイズ度が５ｇ／ｍ２であるコート紙（商品名：ＯＫロイヤルコート、坪量１２７．９ｇ／ｍ２、王子製紙製）を用い、ロッドブレードコーターでカチオン性樹脂（商品名：ネオフィックスＥ−１１７、日華化学社製）を０．５ｇ／ｍ２塗被し、塗被後のコッブサイズ度が４ｇ／ｍ２である、本発明の印刷用顔料塗被紙を製造した。
【００３６】
実施例２
紙支持体上に、炭酸カルシウムとカオリンを顔料の主成分とし、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを主成分とした顔料被覆層を設けた、コッブサイズ度が１６．５ｇ／ｍ２であるコート紙（商品名：ＯＫトップコートＮ、坪量７６ｇ／ｍ２、王子製紙製）を用い、カチオン性樹脂の塗被量を４ｇ／ｍ２、カチオン性樹脂塗被後のコッブサイズ度を１４．５ｇ／ｍ２とした以外は、実施例１と同様にして、本発明の印刷用顔料塗被紙を製造した。
【００３７】
比較例１
合成紙（商品名：ユポＦＰＧ−８０、ユポコーポレーション製）上に、カオリンを顔料の主成分とし、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを主成分とした顔料塗被層を設けた、コッブサイズ度が０．７ｇ／ｍ２である顔料塗工紙を用い、カチオン性樹脂塗被後のコッブサイズ度を０．３ｇ／ｍ２とした以外は、実施例１と同様にして、印刷用顔料塗被紙を製造した。
【００３８】
比較例２
コッブサイズ度が３５ｇ／ｍ２である市販のインクジェット記録用紙（マットタイプ）に、カチオン性樹脂の塗被量を５ｇ／ｍ２、カチオン性樹脂塗被後のコッブサイズ度を１７．５ｇ／ｍ２とした以外は、実施例２と同様にして、印刷用顔料塗被紙を製造した。
【００３９】
比較例３
カチオン性樹脂の塗被量を０．０１ｇ／ｍ２とし、カチオン性樹脂塗被後のコッブサイズ度を４．５ｇ／ｍ２とした以外は、実施例１と同様にして、本発明の印刷用顔料塗被紙を製造した。
【００４０】
比較例４
カチオン性樹脂の塗被量を６．５ｇ／ｍ２とし、カチオン性樹脂塗被後のコッブサイズ度を１０ｇ／ｍ２とした以外は、実施例２と同様にして、本発明の印刷用顔料塗被紙を製造した。
【００４１】
比較例５
カチオン性樹脂の塗被量を４ｇ／ｍ２とし、カチオン性樹脂塗被後のコッブサイズ度を０．６ｇ／ｍ２とした以外は、実施例１と同様にして、本発明の印刷用顔料塗被紙を製造した。
【００４２】
得られた印刷用顔料塗被紙について、以下に示す方法により評価を行った。
【００４３】
「印字」
エプソン社製インクジェットプリンター（ＰＸ−９０００）を用い、インクはその標準インクを使用し、単色および重色（２色、３色、４色）のベタ印字を行い、ブリーディングおよびコックリングを目視評価し、更に印刷物を蒸留水に３０秒浸漬し、その後、水中から取出し、吊るして自然乾燥させ、乾燥後の印字の滲み状態（画像耐水性）を目視評価した。
【００４４】
「ブリーデイング評価」
○：４重色と２重色との境界において、インクの滲みが見られない。
△：４重色と２重色との境界において、インクの滲みが見られるが、単色と単色との境界においては、インクの滲みは見られない。
×：４重色と２重色との境界において、インクの滲みが見られ、単色と単色との境界においても、インクの滲みが見られる。
【００４５】
「コックリング評価」
◎：印字部の波打ちが殆ど見られず、見栄えの良い印刷物である。
○：印字部の波打ちが若干発生するが、見栄えの良い印刷物である。
△：印字部の波打ちがやや発生し、見栄えもやや悪い印刷物である。
×：印字部の波打ちが激しく、見栄えの悪い印刷物である。
【００４６】
「画像耐水性評価」
○：全く滲みがみられず、画像の視認性は良好である。
△：やや滲みが見られるが、画像の視認性は良好である。
×：滲みが酷く、画像の視認性が不良である。
【００４７】
「画像耐水性評価」
○：全く滲みがみられず、画像の視認性は良好である。
△：やや滲みが見られるが、画像の視認性は良好である。
×：滲みが酷く、画像の視認性が不良である。
【００４８】
「オフセット印刷適性（顔料塗被層強度）」
明製作所製ＲＩ印刷機を用いて、サンプルにタック値１３の紅インキを印刷し、印刷面のピッキング（以下、ドライピックと記す）を目視評価した。また、サンプルに水を付着させた後、タック値１３の紅インキを印刷し、印刷面のピッキング（以下、ウェットピックと記す）を目視評価した。更に、オフセット輪転印刷用インキをサンプルの両面に印刷し、その印刷サンプルを１５０℃のシリコンオイルに５秒間浸漬し、そのブリスターの出方を目視評価した。
Ａ：ドライピック、ウェットピックおよびブリスターの何れも発生せず
Ｂ：ドライピック、ウェットピックおよびブリスターの何れか１つが発生
Ｃ：ドライピック、ウェットピックおよびブリスターの何れか２つが発生
Ｄ：ドライピック、ウェットピックおよびブリスターの何れも発生
【００４９】
【表１】
【００５０】
表１からわかるように、基紙にカチオン性樹脂を塗被含浸した本発明に係る印刷用顔料塗被紙は、ブリーディング、コックリング及び画像耐水性に優れている（実施例１〜２）。一方、基紙のコッブサイズ度、カチオン性樹脂塗被量、或はカチオン性樹脂塗被後のコッブサイズ度の内、一つでも本発明の範囲外となった場合、ブリーディング、コックリング及び画像耐水性の全てを満足することはできない（比較例１〜５）。
【００５１】
【発明の効果】
このように、本発明において得られた印刷用顔料塗被紙は、オフセット印刷が可能であり、かつブリーディング、コックリング及び画像耐水性に優れたインクジェット記録も可能である兼用紙である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a pigment coated paper for printing. In particular, the present invention relates to a pigment coated paper for printing which has a pigment coated layer strength capable of offset printing, and is excellent in bleeding, cockling and image water resistance in ink jet recording using an aqueous ink and an aqueous pigment ink. It is.
[0002]
[Prior art]
Offset printing has become the mainstream of printed matter because high-speed and large-volume printing is possible. On the other hand, in recent years, since the variable information can be easily printed and a small amount of printing is possible, the ink jet recording method is rapidly spreading.
[0003]
This ink jet recording method uses a water-based or oil-based dye ink and a pigment ink, and has a low noise at the time of recording, is easy to colorize, and is capable of high-speed recording. Applications to plotters, form printing, and the like are in progress. Recently, as seen in direct mail, etc., common printing is performed by offset printing, and address printing and barcodes, which are personal information, adopt an inkjet recording method, so that hybrid printing is performed. It has become.
[0004]
Pigment-coated paper on which both offset printing and ink-jet recording are performed is required to have a pigment-coated layer strength that does not cause picking or blisters in offset printing. No bleeding (bleeding) at the boundary between different colors in (1), (2) the ink does not bleed out even when water droplets adhere to the printed area (image water resistance), and especially in the case of water-based ink, water absorption It is required to suppress waving (cockling) of the printing unit.
[0005]
Several proposals have been made to date for such requirements for suitability for offset printing and inkjet recording.
A method of providing an ink receiving layer containing a specific pigment on a base paper defining ash content and sizing degree in order to obtain ink jet recording suitability and a pigment coating layer strength that can withstand offset printing (for example, Patent Document 1), specific characteristics (For example, Patent Document 2) in which a layer of a cationic dye fixing agent is provided as the outermost layer of the pigment coating layer.
[0006]
However, when the pigment-coated paper obtained by the above method is recorded with an aqueous ink and an aqueous pigment ink, the sheet after the recording is corrugated (cockled) due to the ink solvent, resulting in a printed matter having a poor appearance. I will. Furthermore, recently, since the quality of the recorded image is also required to be photographic, the amount of ink to be ejected is large, as a result, cockling of the sheet after recording is promoted, and since the amount of ink is large, bleeding also occurs. Easy to occur.
[0007]
In order to prevent bleeding, a method of providing an ink receiving layer having specific characteristics on paper dedicated to ink jet recording (Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-264486) and the like are disclosed. A method of providing an ink receiving layer on paper (JP-A-11-11008), a method of having an ink-receiving layer having specific characteristics (JP-A-2002-67492), and the like have been proposed. At present, cockling and bleeding have not been solved with pigment-coated paper that is also capable of ink-jet recording.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-30619 [Patent Document 2]
JP 2000-256992 A
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide a double-sheet paper capable of performing offset printing and capable of performing ink jet recording excellent in bleeding, cockling, and image water resistance.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies in order to solve the above problems, and as a result, among pigment coated papers having a pigment coated layer, using those having a specific degree of bump size, and specifying a cationic resin therefor It has been found that coated paper impregnated with a small amount solves the problem.
That is, the present invention relates to a method for coating a sheet described in JIS P8140 except that the sheet-like support has a pigment coating layer on at least one surface, and the contact time between the pigment coating layer surface and water is 10 seconds. The pigment-coated layer of a pigment-coated paper having a Cobb size degree of 1 to 17 g / m 2 according to the water absorption test method according to the method was impregnated with 0.02 to 5.0 g / m 2 of the cationic resin. A pigment-coated paper for printing characterized by the following.
Further, the Cobb sizing degree was 1 to 17 g / m 2 according to the water absorption test method according to the Cobb method described in JIS P8140 except that the contact time between the surface impregnated with the coating with the cationic resin and water was 10 seconds. Is a pigment-coated paper for printing described above.
[0011]
In addition, the present inventors have found that a pigment coating layer of a pigment coated paper having a pigment coating layer is impregnated with a cationic resin, and that the problem is solved by that the obtained pigment coated paper has a specific degree of bump size. .
[0012]
That is, the present invention relates to a pigment-coated paper having a pigment-coated layer on at least one surface of a sheet-like support, wherein a cationic resin is coated on the pigment-coated layer in an amount of 0.02 to 5.0 g / m 2. Cobb size of 1 to 17 g according to the water absorption test method according to the Cobb method described in JIS P8140 except that the contact time between the surface impregnated and coated with the cationic resin and impregnated with water was 10 seconds. / M 2, which is a pigment-coated paper for printing.
[0013]
Furthermore, it has been found that the problem is solved by the pigment coating layer of the pigment coated paper having the specific pigment and having the pigment coating layer containing the cationic resin, having a specific degree of bump size.
[0014]
At least one surface of the sheet-shaped support has at least one pigment selected from kaolin, talc, and calcium carbonate and a binder as main components, and further has a pigment coating layer containing a cationic resin, and The Cobb size is 1 to 17 g / m 2 according to the water absorption test method according to the Cobb method described in JIS P8140 except that the contact time between the pigment coating layer surface and water is 10 seconds. It is a pigment-coated paper for printing.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Examples of the pigment-coated paper provided with the pigment-coated layer on at least one surface of the sheet-like support include known art paper, coated paper, cast-coated paper, and pigment-coated film, but are not limited thereto. Not something.
As the sheet-like support, a transparent or opaque support can be used, and examples thereof include papers such as fine paper, medium paper, foil paper, kraft paper, polyethylene laminated paper, impregnated paper, vapor-deposited paper, and water-soluble paper, and cellophane. Plastic films such as polyethylene, polypropylene, soft polyvinyl chloride, hard polyvinyl chloride, and polyester, metal foil, and synthetic paper are used as appropriate.
[0016]
The pigment coating layer provided on the sheet-like support may be a single layer or may have a plurality of layers. Examples of the pigment include kaolin, calcined kaolin, heavy calcium carbonate, light calcium carbonate, aluminum hydroxide, zinc oxide, tin oxide, magnesium sulfate, aluminum oxide, pseudoboehmite, aluminum silicate, smectite, zeolite, magnesium silicate, and carbonic acid. One or more kinds of various publicly known and used pigments in the general coated paper field such as magnesium, magnesium oxide, diatomaceous earth, titanium oxide, silica such as satin white and amorphous silica, and organic pigments such as plastic pigment are appropriately used.
[0017]
Examples of the binder for the pigment coating layer include polyvinyl alcohol, casein, soy protein, synthetic proteins, starch, water-soluble resins such as cellulose derivatives such as carboxymethyl cellulose and methyl cellulose, styrene-butadiene copolymer, methyl methacrylate-butadiene. One or two binders commonly used in coated paper such as conjugated diene-based polymer latex of copolymer, acrylic-based polymer latex, vinyl-based copolymer latex such as styrene-vinyl acetate copolymer, etc. The above can be used in combination.
[0018]
Further, if necessary, various auxiliaries such as a surfactant, a viscosity adjuster, a pH adjuster, a surface sizing agent, a penetrant, an antifoaming agent, a fungicide, a coloring agent, a release agent, a flow modifier, etc. You may use it suitably.
The pigment coating layer includes various known coating devices such as a blade coater, an air knife coater, a roll coater, a bar coater, a gravure coater, a rod blade coater, a lip coater, a curtain coater, a die coater, a cast coater, and a size press. It can be provided by an impregnation device.
[0019]
After forming the pigment coating layer, surface treatment using a normal super calender, gross calender, soft calender, mat calender, etc. can be performed without any problem.These calenders can be used on-machine or off-machine. It is used as appropriate, and the form of the pressurizing device, the number of pressurizing nips, heating and the like are also appropriately adjusted according to the usual processing apparatus.
[0020]
It is preferable that the pigment coating layer contains at least one pigment selected from kaolin, talc, and calcium carbonate as a main component, since offset printing suitability is excellent.
It is preferable to use a styrene-butadiene copolymer latex as the binder, since the adhesive strength of the pigment is large and the ink retention in offset printing is excellent.
[0021]
The first invention uses the thus obtained pigment coated paper having a Cobb sizing degree (JIS P8140) of 1 to 17 g / m 2 with the contact time between the pigment coated layer surface and water being 10 seconds. .
When the cobb size is less than 1 g / m 2 , the penetration of the cationic resin into the pigment coating layer when the cationic resin is coated and impregnated on the pigment coating layer is suppressed, and bleeding occurs. It is not easy to obtain a good image. At this time, in order to prevent bleeding, when a large amount of the cationic resin is present on the pigment coating layer, bleeding is improved, but the printed portion immersed in water is washed with water of the cationic resin. , The ink also elutes, resulting in a reduction in image water resistance.
When the cobb size exceeds 17 g / m 2 , penetration of the cationic resin into the pigment coating layer is promoted, and bleeding is easily caused. This is considered to be because the cationic resin impregnated with the coating has penetrated into the lower part of the pigment coating layer or even into the support (in the case of a water-absorbing support).
A preferred degree of cobb size is 2 to 16 g / m 2 .
[0022]
The cationic resin applied to the pigment coating layer of the present invention is not particularly limited, but a water-soluble or aqueous emulsion type is preferably used. For example, a polyalkylene polyamine resin or a derivative thereof, an acrylic resin having a tertiary amino group or a quaternary ammonium group, a polyethyleneimine resin, a polyamide resin, a polyamide epichlorohydrin resin, a polyamine epichlorohydrin resin, or a polyamide polyamine Examples include cationic resins such as epichlorohydrin-based resins, polydiallylamine-based resins, polyamine-based resins, and dicyandiamide condensates.Specifically, polyethyleneamine, polypropylene polyamine, dicyandiamide-polyethyleneamine, dicyandiamideformaldehyde, diacrylamine, cationic Polyvinylpyrrolidone, poly-trimethylammonium methacrylate, vinylimidazolium methchloride-vinylpyrrolidone copolymer, dia Dimethyl quaternary ammonium hydrochloride, dicyandiamide-polyethylene polyamine, dimethylaminopropylacrylamide-methyl chloride quaternary salt polymer, acrylamide-diallylamine copolymer, polyoxypropyl quaternary ammonium salt, diallyldimethylammonium hydrochloride-acrylamide copolymer , Polydimethylamine-ammonia-epichlorohydrin, dimethylaminopropylacrylamide polymer, polyalkoxydialkyl quaternary ammonium salt, monoallylamine-diallylamine hydrochloride copolymer, polyallylamine hydrochloride, dicyandiamide-formalin polycondensate, dicyandiamide-diethylenetriamine Polycondensate, epichlorohydrin-dimethylamine addition polymer, dimethyldiallylammonium chloride · SO 2 copolymer, diallylamine salt · SO 2 copolymer, dimethyl diallyl ammonium chloride polymer, polymer of allylamine salt, dialkylaminoethyl (meth) acrylate quaternary salt polymer, acrylamide - diallylamine salt copolymer May be used alone or in combination of two or more. Although the molecular weight of these cationic resins is not particularly limited, the molecular weight is preferably 30,000 or less so as to penetrate into the pigment coating layer.
[0023]
The coating amount of the cationic resin is 0.02 to 5.0 g / m 2 . If it is less than 0.02 g / m 2 , bleeding and image water resistance deteriorate due to poor ink fixing. When the amount exceeds 5.0 g / m 2 , since the cationic resin is present in a large amount on the outermost layer of the base paper, the profile unevenness of the cationic resin becomes shading of the print, and the printed portion immersed in water has In addition, the ink is eluted together with the elution of the cationic resin into water, resulting in a decrease in image water resistance. A preferable coating amount of the cationic resin is 0.05 to 4.5 g / m 2 , and a more preferable coating amount is 0.1 to 4.0 g / m 2 .
[0024]
In addition, when coating the cationic resin, polyvinyl alcohol, casein, soy protein, synthetic proteins, starch, water-soluble resins such as cellulose derivatives such as carboxymethyl cellulose and methyl cellulose, styrene-butadiene copolymer, methyl methacrylate-butadiene A binder such as a conjugated diene-based polymer latex of a copolymer, an acrylic-based polymer latex, or a vinyl-based copolymer latex such as a styrene-vinyl acetate copolymer may be used alone or in combination of two or more. Further, a surfactant, a viscosity adjusting agent, a pH adjusting agent, a surface sizing agent, a penetrating agent, an antifoaming agent, a fungicide, a coloring agent, a release agent, a flow modifier, and the like may be appropriately used.
[0025]
For coating of the cationic resin, various known coating apparatuses such as a blade coater, an air knife coater, a roll coater, a bar coater, a gravure coater, a rod blade coater, a lip coater, a curtain coater, a die coater, and a spray, and a size press are used. And the like can be used.
[0026]
After coating and impregnating the cationic resin, surface treatment using a normal super calender, gross calender, soft calender, mat calender, etc. can be performed without any problem. And the form of the pressurizing device, the number of pressurizing nips, heating and the like are also appropriately adjusted according to the usual processing apparatus.
[0027]
Further, the Cobb sizing degree was 1 to 17 g / m 2 according to the water absorption test method according to the Cobb method described in JIS P8140 except that the contact time between the surface impregnated with the coating with the cationic resin and water was 10 seconds. It is preferable that
When the cobb size is less than 1 g / m 2 , the aqueous ink does not penetrate into the pigment coating layer, resulting in bleeding.
On the other hand, when the cobb size exceeds 17 g / m 2 , the solvent of the aqueous ink permeates into the inside of the support, and cockling occurs.
Preferably, a 2~16g / m 2, more preferably 3~14g / m 2.
[0028]
According to a second aspect of the invention, a cationic resin is coated on a pigment-coated layer of a pigment-coated paper having a pigment-coated layer on at least one surface of a sheet-like support at 0.02 to 5.0 g / m 2. The Cobb sizing degree according to the Cobb method described in JIS P8140 was 1 to 17 g / m2 except that the contact time between the surface impregnated with the cationic resin and impregnated with water was 10 seconds. 2 is a printing pigment coated paper.
[0029]
Examples of the cationic resin to be impregnated into the pigment coating layer include the cationic resins described above. When the cationic resin is impregnated, the binders and various auxiliaries exemplified in the above coating can be used in combination. As a method for impregnation, various known coating apparatuses and impregnation apparatuses can be used.
Except that the contact time between the surface impregnated with the cationic resin and water was 10 seconds, when the Cobb size degree according to the water absorption test method by the Cobb method described in JIS P8140 is less than 1 g / m 2 impregnation, Because the aqueous ink does not penetrate the pigmented coating, bleeding results.
On the other hand, when the cobb size exceeds 17 g / m 2 , the solvent of the aqueous ink permeates into the inside of the support, and cockling occurs.
Preferably, a 2~16g / m 2, more preferably 3~14g / m 2.
[0030]
According to a third aspect of the present invention, at least one surface of the sheet-like support has at least one pigment selected from kaolin, talc, and calcium carbonate and a binder as main components, and further has a pigment coating layer containing a cationic resin. And a Cobb size of 1 to 17 g / m 2 according to the water absorption test method according to the Cobb method described in JIS P8140 except that the contact time between the pigment coating layer surface and water was 10 seconds. Certain printing pigment coated papers.
[0031]
Examples of the cationic resin contained in the pigment coating layer include the cationic resins exemplified above. There is no particular limitation on the method of incorporation, but a method of impregnating with a cationic resin is preferred. In the case of impregnation, the binders and various auxiliaries exemplified for the above-mentioned coating can be used in combination. As a method for impregnation, various known coating apparatuses and impregnation apparatuses can be used.
[0032]
Except that the contact time between the pigment coating layer surface and water was set to 10 seconds, when the Cobb size degree according to the water absorption test method according to the Cobb method described in JIS P8140 was less than 1 g / m 2 impregnation, the aqueous ink was Since it does not penetrate the pigment coating layer, bleeding occurs.
On the other hand, when the cobb size exceeds 17 g / m 2 , the solvent of the aqueous ink permeates into the inside of the support, and cockling occurs.
Preferably, a 2~16g / m 2, more preferably 3~14g / m 2.
[0033]
The printing pigment-coated paper of the present invention is known in the art, such as providing various pressure-sensitive adhesive layers on the back surface, providing a pseudo-adhesive layer, or forming a laminate with another sheet with an adhesive or the like. Can be appropriately performed.
[0034]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but is not limited thereto. Unless otherwise specified, parts and% in the examples are solid contents excluding water, and indicate parts by mass and% by mass, respectively. The Cobb sizing degree of the present invention was measured according to the water absorption test method by the Cobb method described in JIS P8140 except that the contact time of the sample with distilled water was 10 seconds.
[0035]
Example 1
Coated paper (product having a Cobb size of 5 g / m 2) provided on a paper support with a pigment coating layer containing calcium carbonate as a main component of a pigment and styrene-butadiene copolymer latex as a binder as a main component. Name: OK Royal Court, basis weight: 127.9 g / m 2 , manufactured by Oji Paper Co., Ltd.), and 0.5 g / cationic resin (trade name: Neofix E-117, manufactured by Nikka Kagaku) with a rod blade coater. The pigment-coated paper for printing of the present invention, which had an m 2 coating and a Cobb size degree of 4 g / m 2 after coating, was produced.
[0036]
Example 2
A pigment coating layer containing calcium carbonate and kaolin as main components of a pigment and a styrene-butadiene copolymer latex as a main component as a binder was provided on a paper support. The degree of cobb size was 16.5 g / m 2 . Using coated paper (trade name: OK Topcoat N, basis weight 76 g / m 2 , manufactured by Oji Paper), the coating amount of the cationic resin was 4 g / m 2 , and the cobb size after coating with the cationic resin was 14 A pigment coated paper for printing of the present invention was produced in the same manner as in Example 1 except that the amount was changed to 0.5 g / m 2 .
[0037]
Comparative Example 1
Cob size on a synthetic paper (trade name: YUPO FPG-80, manufactured by YUPO Corporation) provided with a pigment coating layer containing kaolin as a main component of a pigment and styrene-butadiene copolymer latex as a binder as a main component. A pigment for printing was prepared in the same manner as in Example 1 except that a pigment-coated paper having a degree of 0.7 g / m 2 was used, and the Cobb size after coating with the cationic resin was changed to 0.3 g / m 2. A coated paper was produced.
[0038]
Comparative Example 2
On a commercially available inkjet recording paper (mat type) having a cobb size of 35 g / m 2 , the coating amount of the cationic resin was 5 g / m 2 , and the cobb size after the coating of the cationic resin was 17.5 g / m 2. A pigment coated paper for printing was produced in the same manner as in Example 2 except that the composition was changed to 2.
[0039]
Comparative Example 3
The printing of the present invention was performed in the same manner as in Example 1 except that the coating amount of the cationic resin was 0.01 g / m 2 and the degree of cobb size after the coating of the cationic resin was 4.5 g / m 2. A pigment coated paper was produced.
[0040]
Comparative Example 4
The printing pigment of the present invention was prepared in the same manner as in Example 2 except that the coating amount of the cationic resin was 6.5 g / m 2 and the degree of cobb size after the coating of the cationic resin was 10 g / m 2. A coated paper was produced.
[0041]
Comparative Example 5
The printing pigment of the present invention was prepared in the same manner as in Example 1 except that the coating amount of the cationic resin was 4 g / m 2 and the degree of cobb size after the coating of the cationic resin was 0.6 g / m 2. A coated paper was produced.
[0042]
The obtained pigment-coated paper for printing was evaluated by the following method.
[0043]
"Print"
Using an ink-jet printer (PX-9000) manufactured by Epson Corporation, using the standard ink as the ink, solid printing of single color and multiple colors (2 colors, 3 colors, 4 colors) was performed, and bleeding and cockling were visually evaluated. The printed matter was further immersed in distilled water for 30 seconds, then taken out of the water, suspended and air-dried, and the printed bleeding state (image water resistance) after drying was visually evaluated.
[0044]
"Breeding evaluation"
：: No ink bleeding was observed at the boundary between the quadruple color and the double color.
Δ: Bleeding of the ink was observed at the boundary between the four colors and the two colors, but no bleeding of the ink was observed at the boundary between the single colors.
×: Bleeding of the ink was observed at the boundary between the quadruple color and the double color, and the bleeding of the ink was also observed at the boundary between the single color and the single color.
[0045]
"Cockling evaluation"
◎: The printed portion has almost no undulation and good appearance.
：: The printed portion is slightly undulating but has a good appearance.
Δ: The printed portion was slightly wavy and the appearance was somewhat poor.
X: The printed portion has severe undulation and has a poor appearance.
[0046]
"Image water resistance evaluation"
：: No bleeding was observed at all, and the visibility of the image was good.
Δ: Slight bleeding was observed, but the visibility of the image was good.
×: Severe bleeding, poor image visibility.
[0047]
"Image water resistance evaluation"
：: No bleeding was observed at all, and the visibility of the image was good.
Δ: Slight bleeding was observed, but the visibility of the image was good.
×: Severe bleeding, poor image visibility.
[0048]
"Offset printing suitability (pigment coating layer strength)"
A red ink having a tack value of 13 was printed on the sample using an RI printing machine manufactured by Akira Seisakusho, and picking of the printed surface (hereinafter referred to as dry pick) was visually evaluated. Further, after attaching water to the sample, a red ink having a tack value of 13 was printed, and picking (hereinafter referred to as a wet pick) on the printed surface was visually evaluated. Further, an ink for web offset printing was printed on both sides of the sample, and the printed sample was immersed in silicone oil at 150 ° C. for 5 seconds, and the appearance of the blister was visually evaluated.
A: Dry pick, wet pick, and blister are not generated. B: Dry pick, wet pick, or blister is generated. C: Dry pick, wet pick, or blister is generated. D: Dry pick, Both wet pick and blister are generated.
[Table 1]
[0050]
As can be seen from Table 1, the pigment coated paper for printing according to the present invention in which the base paper is coated and impregnated with the cationic resin is excellent in bleeding, cockling and image water resistance (Examples 1 and 2). On the other hand, if at least one of the cob sizing degree of the base paper, the coating amount of the cationic resin, or the cob sizing degree after the coating of the cationic resin is out of the range of the present invention, bleeding, cockling and image It is not possible to satisfy all of the water resistance (Comparative Examples 1 to 5).
[0051]
【The invention's effect】
As described above, the pigment-coated paper for printing obtained in the present invention is a double-coated paper capable of performing offset printing and also capable of performing inkjet recording excellent in bleeding, cockling, and image water resistance.
