JP2004269462A - デプシペプチドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基と、無保護のカルボキシル基を有するオキシ酸のヒドロキシ基とを、アミノピリジン化合物を触媒として反応させ、ジデプシペプチドを生成する。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オキシ酸のヒドロキシ基と、アミノ酸のカルボキシル基との反応を容易にし、ポリデプシペプチドの製造を容易にできるデプシペプチドの製造方法や、生体内や、環境中で任意の期間で分解・消滅させることができるデプシペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内にある疾病器官の近傍に埋め込んで、その疾病の治療に有効な薬物を有効濃度で疾病の完治までの期間、徐々に放出する徐放性薬物送達系(DDS)は、薬物が疾病患部に到達するまでに分解されることを考慮して有効濃度を遥かに超えた濃度の薬物を投与する経口又は注射による投与と比較して、副作用を抑制することができるため、現在の医療研究の重要なテーマである。DDSの一つとして、生体内で分解、消化されながら内部に包み込まれた薬物を放出し、薬物放出後には完全に生体内から消失する系が理想的である。DDSに使用可能な薬物を保持する生分解性高分子材料においては、▲1▼容易に生分解を受ける、▲2▼薬物を変成させることなく容易に混合でき、且つ成型することができる、▲3▼薬物の放出が均一で制御が可能である等の性質を備えていることが要請される。かかる生分解性高分子材料として、主鎖がアミド結合で連結したポリアミノ酸が挙げられるが、アミド結合は分子間あるいは分子内で強固な水素結合を形成して安定な高次構造を有するため、ポリアミドを生分解によって分解するためには、この強固な水素結合で支持された高次構造を切断する必要があり、不安定構造を有するラセミ体や、イオン化する極性側鎖を有する特殊なポリアミノ酸を除き、完全には生分解されないことが明らかにされている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
生分解が可能なDDS用の高分子として、水酸基とカルボキシル基を分子内に有するオキシ酸がエステル縮合したポリオキシ酸がその対象とされ、ポリオキシ酸について、エステル結合が水素原子を有しないことから、エステル結合においては水素結合が生じることがなく、ポリアミノ酸より容易に生分解されることが明らかにされている。更に、オキシ酸と水から無触媒でオキシ酸を重合する方法が開発され、触媒の残渣の混入がないオリゴマーを重縮合したポリマーは、DDSに使用した場合、金属触媒を使用して生成したものと比較して異物反応を誘発するおそれがなく、また、分子間相互作用が弱いため溶融成型も容易に行なえることから、DDSの好ましい材料とされている。ポリオキシ酸は低分子量の試料ほど生分解速度が速く、特に、低分子量ポリ−DL−乳酸が好ましいDDSとして採用されている(例えば、非特許文献2〜4参照。)。
【0004】
更に、ポリオキシ酸のオリゴマーの生分解機構が明らかになれば、所望の生分解性を有する材料が得られることが予測される。配列順序(シークエンス)が明らかなオキシ酸を用い、どの部位から生分解が開始されるかの知見が得られれば、更なる機能を備えたDDS材料を得ることも可能であり、このようなシーケンスが決められた系として、オキシ酸とアミノ酸とが結合したポリデプシペプチドを選択することができる。
【0005】
一方、生分解物質として、触媒存在下、光学活性3−置換−2,5−モルホリンジオン1.0モルと、環状ラクトン約0.02モルから1.0モルを重合せしめることからなるデプシペプチド共重合体や、ポリデプシペプチドから製造される生物吸収外科用装置等(例えば、特許文献1参照。)や、特定のポリアミドユニットと、特定のポリエステルユニットと、特定のポリラクトンユニットとを有し、ポリアミドユニットのモル数Ma、ポリエステルユニットのモル数Mb、ポリラクトニュニットのモル数Mcが30/70≦(Ma+Mb)/Mc≦99/1である生分解性ポリラクトンエステルアミド(例えば、特許文献2参照。)等が知られている。また、特定のデプシペプチド1〜50重量部%と、乳酸99〜50重量%とからなり、その数平均分子量が5000〜200000である乳酸系生分解性重合体が、良好な生分解性を有し、強度を保持したまま、柔軟性を向上させること(例えば、特許文献3参照。)等や、ラクチドと水酸基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性置換基を有するε−カプロラクトンとを開環重合して得られる生分解性共重合体が、成形性が良好で各種の利用形態に応じた機能性を有し、生分解性に優れていること(例えば、特許文献4参照。)等が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−188411号公報
【特許文献2】
特開平11−35679号公報
【特許文献3】
特開2001−31762号公報
【特許文献4】
特開2002−234934
【非特許文献1】
M.Asano,M.Yoshida,I.Kaetsu,K.Nakai,H.Yamanaka,H.Yuasa,K.Shida,K.Suzuki,M.Oya著「 Makromol.Chem.,184」1983年p.1761
【非特許文献2】
M.Asano,H.Fukuzaki,M.Yoshida,M.Kumakura,T.Mashimo,H.Yuasa,K.Imai,H.Yamanaka,K.Suzuki著「J.Controlled Rlease,9」1989年p.111
【非特許文献3】
M.Asano,H.Fukuzaki,M.Yoshida,M.Kumakura,T.Mashimo,H.Yuasa,K.Imai,H.Yamanaka著「Biomaterials,10」1989年p.569
【非特許文献4】
真下透、湯浅久子、今井強一、山中英寿、浅野雅春、吉田勝、熊倉稔著「北関東医学41」1991年p.311
【非特許文献6】
著「Synlett」2001年p.1245
【0007】
しかしながら、これらの文献に記載される生分解物質の生成においては、オキシ酸とアミノ酸が一定の配列となった定序配列ポリデプシペプチドを得るため、式(IV−1)に示すように、オキシ酸(a)のヒドロキシ基とアミノ酸のカルボキシル基とのエステル化反応にあたり、オキシ酸においてヒドロキシ基はカルボキシル基より反応性が低いため、カルボキシル基をベンジルエステルとして保護したオキシ酸ベンジルエステル(b)に誘導した後、保護基によりアミノ基が保護されたアミノ酸(c)と縮合させてN−保護ジデプシペプチドベンジルエステル(d)を得る。N−保護ジデプシペプチドベンジルエステルのN−保護基を塩酸で除去し、ジデプシペプチドベンジルエステル(e)とする。そして、再びN−保護アミノ酸(c)を反応させてN−保護トリデプシペプチドベンジルエステル(f)を得る。このようにして様々な一定のアミノ酸とオキシ酸の配列をもつN−保護オリゴデプシペプチドベンジルエステルを得る。更に、式(IV−2)に示すように、このN−保護オリゴデプシペプチドベンジルエステルのベンジル保護基を除去して、N−保護オリゴデプシペプチド(g)に誘導し、そのカルボキシル基を活性エステル(h)とする。N−保護基を外し、遊離アミノ基をもつオリゴデプシペプチド活性エステル(i)の重縮合を行って目的とするポリマー(j)を得る。
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】
かかる従来の方法においては、まずオキシ酸をベンジルエステル誘導体に導きペプチド合成法に従ってアミノ酸を伸張させ、その後ベンジルエステルを除去して活性エステルに取り替える工程が必須である。この工程、即ちベンジルエステルの導入は反応収率が低く、工程全体の収率の低下を招くという問題点を有する。また、ベンジルエステル除去の工程は一般のエステルと異なり、デプシペプチド中にもエステル結合が含まれているために、このエステル結合を壊さない状態でベンジルエステル除去する必要がある。通常は、パラジウム触媒を用いた接触水素化により除去されるが、活性の高いパラジウム触媒による水素化は危険を伴う等の難点を持っており、また、生成物が生体内に埋め込まれたとき、生体内で材料に残留する触媒金属の異物反応が生じるおそれもある。
【0011】
また、ポリデプシペプチドの合成法として、遊離オキシ酸を用いるヒドロキシ合成法もある。この方法は遊離オキシ酸をピリジン存在下、N−Nps−アミノ酸N−カルボン酸無水物(NCA)と反応させてN−Nps−ジデプシペプチドを合成する方法である。この方法は高活性のNps−NCAを用いた高収率合成法であるが、NCAの合成には猛毒なフォスゲンを使わなければならず、Nps−NCAの合成にも極めて高度な合成手法を必要とするので、一般的な製造方法にはなり得ないという難点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、オキシ酸のカルボキシル基の保護基を導入する工程、即ち、ベンジルアルコールと反応させてエステルを形成する収率の低い反応の工程を経ることなく、ベンジルエステルの導入と除去を含まずに、単純な工程で、高収率でアミノ基を保護したN−保護アミノ酸とオキシ酸とを縮合させてN−保護ジデプシペプチドを直接製造することができるデプシペプチドの製造方法や、得られたジデプシペプチドからアミノ酸とオキシ酸が所望の配列に連結した基本単位のオリゴデプシペプチドを作成し、次いでオリゴデプシペプチドを重縮合させることにより、高収率で定序配列のポリデプシペプチドを製造することができるポリデプシペプチドの製造方法や、製造が容易なポリデプシペプチドを含有するDDSの薬物徐放性材料、薬物結合ターゲティング材料、人工軟骨等の再生医療用機能材料、機能性薬物等の生体内で分解される材料や、生分解性プラスチック等の生分解性環境保全材料、更に、これらオリゴデプシペプチド又はポリデプシペプチドの生体内や環境中での分解消・滅期間を調整する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アミド結合とエステル結合から構成され、ポリアミノ酸とポリオキシ酸との中間の構造を有するポリデプシペプチドについて研究を行い、アミド結合部分では水素結合により安定性が高いが、エステル結合部分では安定性が低く、分子間凝集力が弱められるため、生分解性の速度はポリアミノ酸より速く、しかも、完全に分解することを既に明らかにしている。また、分子間凝集力が弱められる結果、側鎖が疎水性のアルキル基からなるものでも溶融成型が可能であり、また、この側鎖の疎水性は側鎖が小さい程弱く、側鎖が大きい、即ち、疎水性の強い側鎖を持つポリデプシペプチド程生分解速度が遅くなることを報告している(「表面」Vol.31No.1、1993)。このようなポリデプシペプチドはDDSの薬物徐放性材料、薬物結合ターゲティング材料、人工軟骨等の再生医療用機能材料、機能性薬物等の生体内で分解される材料や、生分解性プラスチック等の生分解性環境保全材料に好適であることの確信を得て、かかる特性を有するポリデプシペプチドを効率よく生成する方法として、オキシ酸をベンジルエステルとする工程を省略して、オキシ酸をそのまま用いる合成方法においては、ヒドロキシ基とカルボキシル基が存在するオキシ酸のヒドロキシ基にN−保護アミノ酸のカルボキシル基をどのようにして選択的に反応させるかが成否を決定することに着目した。特に、ヒドロキシ基は反応性がカルボキシル基に比べて非常に低いので、どのようにして遊離オキシ酸のヒドロキシ基とN−保護アミノ酸のカルボキシル基とを反応させるかが問題となる。そして、鋭意研究の結果、N−保護アミノ酸をN−オキシコハク酸イミド誘導体とし、これを4−N,N−ジメチルアミノピリジンを触媒として遊離オキシ酸と反応させると、遊離オキシ酸のヒドロキシ基が選択的に反応することを見い出した。更に、得られたN−保護ジデプシペプチドの遊離カルボキシル基をN−オキシコハク酸イミド誘導体とし、これからN−保護基を除去し、生じた遊離アミノ基をN−保護アミノ酸とを酸無水物を縮合剤として反応させ、N−保護トリデプシペプチド−N−オキシコハク酸イミドエステルを得る。その後のペプチド鎖の伸長はすべて同様な方法で行い、一定の配列で連なったアミノ酸のカルボキシル末端が、オキシ酸N−オキシコハク酸イミドエステルからなるN−保護オリゴデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステルを得て、N−保護基を無水塩酸/有機溶媒で除去しオリゴデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル塩酸塩とし、この塩酸塩を高濃度でN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドのような有機溶媒に融解し、トリエチルアミンのような塩基を加えて重縮合させることにより目的とするポリデプシペプチドが得られるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち本発明は、保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基と、無保護のカルボキシル基を有するオキシ酸のヒドロキシ基とを、アミノピリジン化合物を触媒として反応させ、ジデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法に関し、好ましくは、オキシ酸が、一般式(I)
【0015】
【化6】
【0016】
(式中、R1、R2は、独立して水素原子、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、又は、未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、相互に結合して環を形成していてもよい。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1記載のデプシペプチドの製造方法(請求項2)や、アミノ酸が、一般式(II)
【0017】
【化7】
【0018】
(式中、R3、R4は、独立して水素原子、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、又は、未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、相互に結合して環を形成していてもよい。)で表されるαアミノ酸であることを特徴とする請求項1又は2記載のデプシペプチドの製造方法(請求項3)や、保護されたアミノ基を有するアミノ酸が、アルコキシカルボニル基で保護されたアミノ基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法(請求項4)や、 保護されたアミノ基を有するアミノ酸が、活性化されたカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法(請求項5)や、アミノ酸のカルボキシル基が、N−ヒドロオキシコハク酸イミドと結合したイミド誘導体となっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法(請求項6)や、アミノピリジン化合物が、一般式(III)
【0019】
【化8】
【0020】
(式中、R5、R4は、独立して水素原子、又は、未置換若しくは置換基を有するアルキル基を表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法(請求項7)や、アミノピリジン化合物が、N,N−ジメチルアミノピリジンであることを特徴とする請求項7記載のデプシペプチド重合体の製造方法(請求項8)や、テトラヒドロフランを溶媒として反応を行なうことを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法(請求項9)や、保護されたアミノ基を有するジデプシペプチドのアミノ基の脱保護を行なうことを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法(請求項10)や、アミノ基の脱保護が、酸溶液に接触させて行なうことを特徴とする請求項10記載のデプシペプチドの製造方法(請求項11)に関する。
【0021】
また、本発明は、請求項1〜9のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって得られたジデプシペプチドのカルボキシル基をイミド誘導体とする工程と、ジデプシペプチドの保護されたアミノ基の脱保護を行なう工程と、これら工程で得られたジデプシペプチドの脱保護されたアミノ基と、保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させる工程とを有し、オリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法(請求項12)に関し、好ましくは、ジデプシペプチドのカルボキシル基のイミド誘導体が、N−ヒドロオキシコハク酸イミドであることを特徴とする請求項12記載のデプシペプチドの製造方法(請求項13)に関する。
【0022】
また、本発明は、請求項12又は13記載のジデプシペプチドの保護されたアミノ基の脱保護を行なう工程と、ジデプシペプチドの脱保護されたアミノ基と保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させる工程とを反復してオリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法(請求項14)に関する。
【0023】
また、本発明は、請求項10又は11記載のデプシペプチドの製造方法によって得られた脱保護されたアミノ基を有するジデプシペプチドのアミノ基と、保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸のカルボキシル基又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させ、オリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法(請求項15)や、請求項15記載のデプシペプチドの製造方法によって得られたオリゴデプシペプチドの保護されたヒドロキシ基又はアミノ基の脱保護を行ない、オキシ酸のカルボキシル基又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させ、オリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法(請求項16)に関し、好ましくは、保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸が、ヒドロキシ基をジクロロアセチル基で保護されていることを特徴とする請求項15又は16記載のデプシペプチドの製造方法(請求項17)や、保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸のカルボキシル基及び/又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基が、イミド誘導体であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法(請求項18)や、保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸のカルボキシル基及び/又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基のイミド誘導体が、N−オキシコハク酸イミドエステルであることを特徴とする請求項18記載のデプシペプチドの製造方法(請求項19)に関する。
【0024】
また、本発明は、請求項12〜19のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって得られるオリゴデプシペプチドのアミノ基の脱保護をした後、重合してポリデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法(請求項20)に関する。
【0025】
また、本発明は、請求項1〜11のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって製造されたことを特徴とするジデプシペプチド(請求項21)や、請求項12〜19のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって得られ、アミノ酸とオキシ酸が一定の配列で連結された構造を有することを特徴とするオリゴデプシペプチド(請求項22)や、請求項20記載のデプシペプチドの製造方法によって得られ、アミノ酸とオキシ酸が一定の配列で連結された構造を有することを特徴とするポリデプシペプチド(請求項23)に関し、これらを用いた請求項23記載のポリデプジペプチドを含有することを特徴とする生体内で分解・消滅させる材料(請求項24)や、徐放性薬物送達系(DDS)材料であることを特徴とする請求項24記載の生体内で分解・消滅させる材料(請求項25)や、請求項23記載のポリデプジペプチドを含有することを特徴とする環境中で分解・消滅させる材料(請求項26)や、請求項22記載のオリゴデプシペプチド又は請求項23記載のポリデプシペプチドにおけるアミノ酸とオキシ酸の配列を変えることを特徴とする生体内又は環境中でのデプシペプチドの分解・消滅期間を調整する方法(請求項27)に関する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のデプシペプチドの製造方法としては、保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基と、無保護のカルボキシル基を有するオキシ酸のヒドロキシ基とを、アミノピリジン化合物を触媒として反応させ、ジデプシペプチドを生成する方法であれば、特に制限されるものではない。
【0027】
本発明のデプシペプチドの製造方法において用いられるオキシ酸は、1分子中にカルボキシル基とアルコール性ヒドロキシ基を有するものであれば、β−オキシ酸や、γ−オキシ酸でもあってもよいが、一般式(I)で示されるα−オキシ酸が好ましい。式中、R1、R2は独立して水素原子、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、又は、未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、相互に結合して環を形成していてもよい。かかるR1、R2が表すアルキル基としては、直鎖状、環状いずれでもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−アダマンチル基等を挙げることができ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基等を挙げることができる。また、R1、R2が表すアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等を挙げることができ、アリール基としては、フェニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基等を挙げることができ、R1、R2が相互に結合して形成する環としては、上記に例示した環状アルキル基や、アリール基等を挙げることができる。かかるR1、R2が表すアルキル基等の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基等のアリール基等を挙げることができるが、置換基を含めたオキシ酸が嵩高いものは、生分解性を低下させるため、置換基として嵩高くないものが好ましい。
【0028】
かかるオキシ酸としては、基具体的に、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、α−オキシ酪酸、ヒドロアクリル酸、マンデル酸等を例示することができる。
【0029】
本発明のデプシペプチドの製造方法において用いられるアミノ酸は、1分子中にカルボキシル基とアミノ基を有するものであれば、β−アミノ酸や、γ−アミノ酸でもあってもよいが、一般式(II)で示されるα−アミノ酸が好ましい。式中、R3、R4は独立して水素原子、未置換若しくは置換基を有するアルキル基、未置換若しくは置換基を有するアルケニル基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシ基、未置換若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、又は、未置換若しくは置換基を有するアリール基を表し、相互に結合して環を形成していてもよい。かかるR3、R4が表すアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、相互に結合して形成する環としては、上記一般式(I)で示されるオキシ酸における置換基R1、R2と同様のものを挙げることができる。
【0030】
かかるアミノ酸としては、具体的に、グリシン、アラニン、バリン、ロシン、フェニルアラニン等を挙げることができる。
【0031】
本発明に用いられるアミノ酸は、アミノ基が保護されて用いられる。かかるアミノ酸のアミノ基の保護基は、特に限定されず、アミノ酸のカルボキシル基の反応性より低い反応性を有するものであれば、いずれのものであってもよい。かかるアミノ基の保護基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基や、トリクロロエチルオキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基、メチルスルホニルエトキシカルボニル基、トリクロロエトキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基や、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等のシクロアルキルオキシカルボニル基や、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ブロモベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基、2−フェニルイソプロピルオキシカルボニル基、p−メチルフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシ−α,α−ジメチルベンジルオキシカルボニル基等のar−アルコオキシカルボニル基や、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアリール基や、トリフルオロアセチル基、フタロイル基、ホルミル基、ジチアスクシノイル基、ベンゼンスルホニル基、o−ニトロフェニルスルフェニル基、2,4−ジニトロフェニルスルフェニル基、ジフェニルフォスフィノチオイル基等を挙げることができる。このうち、特にアルコキシ基を好ましい保護基として挙げることができる。
【0032】
本発明のデプシペプチドの製造方法において用いられるアミノ酸は、保護されたアミノ基を有すると共に、そのカルボキシル基が活性化されていることが好ましい。かかる活性化されたカルボキシル基として、イミド誘導体となっていることが好ましい。かかるイミド誘導体としては、N−ヒドロオキシコハク酸イミド、N−ヒドロオキシグルタル酸イミド、N−ヒドロオキシアジピン酸イミド、N−ヒドロオキシピメリン酸イミド、N−ヒドロオキシスベリン酸イミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の誘導体を挙げることができ、このうち、特に、N−ヒドロオキシコハク酸イミドを好ましい具体例として例示することができる。
【0033】
かかる本発明に用いるアミノ酸を調製するには、式(V−1)に示すように、t−ブタノールとアミノ酸を反応させる等の公知の方法により、アミノ基にアルコキシ基等の保護基を導入したアミノ酸(A)のカルボキシル基に、N−ヒドロオキシコハク酸イミド等を結合させる方法、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム等の塩化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒類等の溶液中で、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下、N−t−ブチトキシアミノ酸とN−ヒドロオキシコハク酸イミド等を室温で撹拌し、N−t−ブチトキシ−N−オキシコハク酸イミドエステル(B)を得る方法等によることができる。
【0034】
【化9】
【0035】
本発明のデプシペプチドの製造方法において触媒として用いられるアミノピリジン化合物は、特に限定されるものではないが、一般式(III)で示される化合物であることが好ましく、式中、R5、R4は、独立して水素原子、又は、未置換若しくは置換基を有するアルキル基を表す。R5、R4が表すアルキル基としては、直鎖状に限定されるものではなく、環状、分枝状、置換基を有していてもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。かかるアミノピリシン化合物としては、ジメチルアミノピリジン、ジエチルアミノピリジン、ジプロピルアミノピリジン等を具体的に例示することができるが、ジメチルアミノピリジンを好ましい具体例として挙げることができる。
【0036】
本発明のデプシペプチドの製造方法において、上記保護されたアミノ基を有し、活性化されたカルボキシル基を有するアミノ酸(B)と、無保護のヒドロキシ基を有するオキシ酸とからジデプシペプチドを生成する反応としては、アミノピリジン化合物存在下、溶媒中、0〜60℃、好ましくは室温で、10〜100時間、好ましくは、20〜50時間等撹拌する方法を挙げることができる。使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、酢酸エチル等のエステル系、クロロホルム等の塩化炭化水素等を挙げることができる。アミノ酸とオキシ酸の使用量としては、アミノ酸に対して、オキシ酸を1〜3当量、好ましくは、1.5〜2.5当量とすることができ、触媒の使用量としては、アミノ酸に対して、5〜20モル%、好ましくは10モル%前後とすることができる。反応終了後は公知の方法により、分離、精製することができる。かかる本発明のデプシペプチドの製造方法により、遊離のオキシ酸のヒドロキシ基が、カルボキシル基がイミドエステルとされて活性化されたアミノ酸のアルコオキシカルボニル基と選択的に反応し、アミノ基に保護基を有するジデプシペプチド(C)が得られる。
【0037】
更に、本発明のデプシペプチドの製造方法において、上記の方法により得られたジデプシペプチドからポリデプシペプチドを製造するには、ジデプシペプチドを伸張させてオリゴデプシペプチドとし、オリゴデプシペプチドを重縮合する方法によることができる。ジデプシペプチドを伸張させてオリゴデプシペプチドを製造するには、得られたジデプシペプチドのカルボキシル基をイミド誘導体とする工程と、ジデプシペプチドの保護されたアミノ基の脱保護を行なう工程と、ジデプシペプチドの脱保護されたアミノ基と保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させる工程とを有する方法により、トリデプシペプチドを生成させ、更に、得られたトリデプシペプチドの保護されたアミノ基の脱保護を行なう工程と、この脱保護基されたトリデプシペプチドのアミノ基と保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させる工程とを反復する方法によることができる。
【0038】
具体的には、上記方法によって得られたジデプシペプチドは、アミノ基の保護基を有するジデプシペプチド(C)であり、このジデプシペプチド(C)をテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム等の塩化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性溶媒類の溶媒中で、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下、最初は0℃前後、その後室温等の条件下で撹拌し、ジデプシペプチド(C)のカルボキシル基をN−オキシコハク酸イミドと反応させ、ジデプシペプチドのイミドエステル(D)とする。ジデプシペプチドのイミドエステル(D)を、例えば無水塩酸/ジオキサン溶液等の酸性溶液中に放置することにより、ジデプシペプチドのイミドエステル(D)のアミノ基の保護基を外し、遊離アミノ基を有するジデプシペプチドのイミドエステル(E)を得る。その後、式(V−2)に示すように、上記と同様のアミノ基に保護基を有するアミノ酸をトリエチルアミン等の存在下、テトラヒドロフラン等に溶解し、メチルモルフォリン存在下、塩化イソブチロキシカルボニル等の酸無水物を縮合剤として遊離アミノ基を有するジデプシペプチドのイミドエステル(E)にアミノ基に保護基を有するアミノ酸を縮合させ、アミノ基に保護基を有するトリデプシペプチド−N−オキシコハク酸イミドエステル(F)を得る。その後、ペプチド鎖の伸長はすべて同様な方法で行い、アミノ基を保護したアミノ酸を順次、デプシペプチドに結合させ、デプシペプチドのカルボキシル末端が、オキシ酸−N−オキシコハク酸イミドエステルからなるアミノ基に保護基を有するオリゴデプシペプチドのイミドエステルを得る。
【0039】
【化10】
【0040】
また、本発明のデプシペプチドの製造方法におけるジデプシペプチドを伸張してオリゴデプシペプチドを生成する方法として、ジデプシペプチドのオキシ酸側にアミノ酸やオキシ酸を結合させる方法や、ジデプシペプチドのアミノ酸側にオキシ酸を結合させる方法も挙げることができる。
具体的には、アミノ酸側のアミノ基にオキシ酸を結合させて、デプシペプチド鎖を延長させる方法としては、例えば、保護されたアミノ基を有するジデプシペプチドを塩酸/ジオキサンと反応させ、保護基を除去して得られるジデプシペプチド塩酸塩を、例えば、テトラヒドロフランや、クロロホルム等の有機溶媒に溶解し、N−メチルモルフォリンで塩酸塩の塩酸をトラップして、脱保護した遊離のジデプシペプチドとする。一方、オキシ酸のヒドロキシ基をジクロロアセチル基で保護し、カルボキシル基をイミド誘導体として活性化したジクロロアセチルオキシ酸N−オキシコハク酸イミドエステル等として、遊離のジデプシペプチドと反応させることにより、ジクロロアセチルオキシ酸がジデプシペプチドのアミノ酸に結合したトリデプシペプチドを得る方法等を挙げることができる。かかるオキシ酸のヒドロキシル基をジクロロアセチル基で保護し、このジクロロアセチルオキシ酸のカルボキシル基とアミノ基を結合させる方法は、本発明者による文献(J. Chem. Soc., Chem. Commun.,1229−1230 (1988))記載の方法等によることができる。
【0041】
また、デプシペプチドのアミノ酸側のアミノ基にアミノ酸を結合させて、ジデプシペプチド鎖を延長させる方法としては、例えば、脱保護された遊離のジデプシペプチドのアミノ基に、アミノ酸のアミノ基を保護し、カルボキシル基をイミド誘導体とした、アミノ基保護アミノ酸N−オキシコハク酸イミドエステル等として反応させることにより、アミノ基が保護されたアミノ酸がジデプシペプチドのアミノ酸に結合したトリデプシペプチドを得る方法等を挙げることができる。
【0042】
また、上記ジクロロアセチルオキシ酸がジデプシペプチドのアミノ酸側に結合したトリデプシペプチドを、薄い炭酸水素ナトリウム水溶液で処理してジクロロアセチル基を除去し、有機溶媒に易溶の遊離のトリデプシペプチドとし、これに保護基を有しない遊離のオキシ酸を結合させ、デプシペプチドの鎖を延長したオリゴデプシペプチドを合成することもできる。かかる方法により、保護されたアミノ基を有するジデプシペプチドのカルボキシル基の活性化を図らずに、必要なオリゴデプシペプチドを合成した後、オリゴデプシペプチドのカルボキシル基をN−オキシコハク酸イミドエステル等として活性エステルに導くこともできる。
【0043】
かかるオリゴデプシペプチドのイミドエステルは、アミノ酸が一定の配列で連結されており、又はアミノ酸とオキシ酸が一定の配列で連結されており、アミド結合と共にエステル結合を有するため、アミド結合のみからなるペプチドと比較して分子内の結合が弱められ、生分解を受けやすいものである。
【0044】
更に、本発明のデプシペプチドの製造方法において、上記の方法により得られたアミノ基に保護基を有するオリゴデプシペプチドからポリデプシペプチドを製造する方法としては、オリゴデプシペプチドアミノ基の保護基を無水塩酸/有機溶媒等に放置することにより除去し、オリゴデプシペプチドのイミドエステル塩酸塩(G)とし、この塩酸塩を高濃度でN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドのような有機溶媒に溶解し、トリエチルアミンのような重合剤を加えて高速撹拌し、0〜60℃、好ましくは室温で重縮合させることにより目的とするポリデプシペプチド(H)を得ることができる。
【0045】
本発明のデプシペプチドの製造方法によって得られる本発明のポリデプシペプチドは、エステル結合の存在により、分子内の結合がアミノ結合のみを有するアミノ酸より弱く、このため生分解を受けやすい。また、アミノ酸や、オキシ酸の側鎖が小さいポリデプシペプチドは、生分解速度が速く、アミノ酸や、オキシ酸の側鎖を適宜選択し、即ち、連結するアミノ酸やオキシ酸を適宜選択し、分子内におけるエステル結合の割合を適宜選択することにより、デプシペプチドの生分解速度を調整することができ、デプシペプチドを用いた材料の生体内又は環境中における分解・消滅期間を容易に調整することができる。本発明のポリデプシペプチドを含有するDDSの薬物徐放性材料、薬物結合ターゲティング材料、人工軟骨等の再生医療用機能材料、機能性薬物等の生体内で分解される材料や、生分解性プラスチック等の生分解性環境保全材料は、生分解し、生体内や環境中で完全に消滅させることができ、更に、これらの材料の生体内又は環境中における分解・消滅期間を所望のものにすることができる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1:ジデプシペプチドの調製
オキシ酸0.2モルをテトラヒドロフラン200mLに融解し、ピリジン0.2モルを加えた。これにN−保護アミノ酸N−オキシコハク酸イミドエステル0.1モルを加え、更に4−N,N−ジメチルアミノピリジン0.01モルを加えて、室温で2日撹拌した。溶液を酢酸エチル200mLで希釈し、クエン酸水溶液で洗った。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出し、得られた抽出水溶液を希塩酸でpH2まで酸性にした。酸性水溶液を酢酸エチル300mLで2回抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、濃縮し、N−保護ジデプシペプチドを得た。組成生物を再結晶、あるいはカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な目的物が得られた。
【0047】
実施例2:ジデプシペプチドのカルボキシル基の活性化
得られたN−ジデプシペプチド0.1モルをテトラヒドロフラン200mLに溶解し、N−オキシコハク酸イミド0.12モルを加えた。溶液に0℃でN,N−ジシクロヘキシカルボジイミド0.105モルを加え、0℃で1時間、室温で一夜撹拌した。系を10℃で濃縮し、酢酸エチル300mLに溶解し、不溶物をろ過して除き、溶液を手早く希薄な炭酸水素ナトリウム水溶液、ついで飽和食塩水で洗い、乾燥した。溶液を濃縮し、ヘキサンを加えて結晶化し、更に、酢酸エチルから再結晶して、純粋なN−保護ジデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステルを得た。
【0048】
実施例3:ジデプシペプチドのアミノ基の脱保護
N−保護ジデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル0.05モルを4M無水塩酸/ジオキシ酸溶液mLに溶解し、室温で1時間放置した。溶液を濃縮し、エーテルを加えるとジデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル塩酸塩が結晶化した。結晶をろ過して集め、エーテルで洗浄し、乾燥した。
【0049】
実施例4:トリデプジペプチドの調製
N−保護アミノ酸0.07モルをテトラヒドロフラン100mLに溶解し、トリエチルアミン9.8mLを加え、−5℃に冷却した。溶液を撹拌しながら塩化イソブチロキシカルボニル0.07モルを加え、−5℃で10分間撹拌した。この系に、ジデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル塩酸塩のテトラヒドロフラン溶液100mLとN−メチルモルフォリン7.7mLを徐々に滴下し、−5℃で1時間、室温で2時間撹拌した。系を濃縮し、酢酸エチル300mLに溶解し、溶液を水、10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗い、乾燥した。溶液を濃縮し、ヘキサンを加えて生成物を結晶化した。テトラヒドルフランから再結晶すると、純粋なN−保護トリデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステルが得られた。
【0050】
実施例5:トリデプシペプチドのアミノ基の脱保護
N−保護トリデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル0.04モルを4M乾燥塩酸/ヂオキサン溶液30mLに溶解し、室温で数時間放置した。溶液を濃縮し、エーテルを加えるとトリデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル塩酸塩が結晶化した。テトラヒドロフランから再結晶すると純粋なトリデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル塩酸塩が得られた。
【0051】
実施例6:ポリデプシペプチドの調製
トリデプシペプチドN−オキシコハク酸イミドエステル塩酸塩0.03モルをジメチルスルフォキシド10mLに溶解し、高速撹拌下トリエチルアミン4.2mLを加え、室温で撹拌を2日間継続した。系を100mLの水に注ぐと白色沈殿が析出した。沈殿をろ取し、水、エタノール、エーテルで洗浄し、乾燥した。沈殿をジクロロ酢酸からエーテルにより再沈殿した。
【0052】
実施例7:
上記方法により得られたポリ(Ala−Ala−Glu(OEt)−Lac)とLH−RHアゴニスト等の薬物を単純に混合した分散型DDSと薬物を高分子で包み込んだ包含型DDSを作成した。これらのDDSを雄ラットの体内に埋め込んだ。円柱状の高分子は均一に分解されていることがわかる。この系は24週後に完全に生分解され、ラット体内から消失した。埋め込み後3週間の試料の表面にクレーター状の穴が開いていることがわかった。一方、高分子を埋め込まれたラットの組織写真では生体組織が高分子表面のクレーター状に見える穴の部分に入り込んでいることがわかった。生体内に埋め込まれたDDSは生体組織からの分解酵素の働きによりその表面に小さな穴ができ、この穴に組織が入り込んで更に分解が進行していく機構が考えられる。分散型DDSからは埋め込み直後から薬物の急激な放出が見られ、6週以内で薬物はすべて系外に放出された。一方、包含型DDSからはほぼ一定濃度で16週まで薬物の放出が観察された。この薬物放出挙動とよく対応して、ラット内の三つの臓器VP,SVと前立腺側背葉(dorsolateral prostates,DPLs)の重量変化が観察された。分散型DDSを埋め込んだ場合には三つの臓器の著しい重量減がすぐに現れたが、8週以降は薬物の効果が消失した。一方包含型DDSでは、薬効が3週後から16週まで持続した。
【0053】
これら二つのタイプの薬物放出挙動と生分解挙動を比較すると、分散型DDSからの薬物の急激な初期放出はDDS表面に穴が開くと、内部に分散されている薬物がポリデプシペプチド層を浸透して容易に移動し、その穴から次々に外部に放出されると考えるのが妥当である。一方、包含型DDSでは、内部の薬物が表面の高分子層を通して徐々に放出され、生分解が進行しても急激な放出が起こらないことを示している。従ってこの系では、生体組織に接しているDDS表面の高分子層の厚さの設定が非常に重要であることが示された。更に、理想的な薬物放出挙動を示すDDSの構築のためには、異なる特性を持った二種類以上のポリデプシペプチドからなる多層構造を設計することも可能となることが分かった。
【0054】
【発明の効果】
本発明のデプシペプチドの製造方法によれば、オキシ酸のカルボキシル基の保護基を導入する工程、即ち、ベンジルアルコールと反応させてエステルを形成する収率の低い反応の工程を経ることなく、ベンジルエステルの導入と除去を含まずに、単純な工程で、高収率でアミノ基を保護したN−保護アミノ酸とオキシ酸とを縮合させてN−保護ジデプシペプチドを直接製造することができる。このため、ジデプシペプチドからアミノ酸とオキシ酸が所望の配列に連結した基本単位のオリゴデプシペプチドを作成し、次いでオリゴデプシペプチドを重縮合させることにより、高収率で定序配列のポリデプシペプチドを効率よく、容易に製造することができ、DDSの薬物徐放性材料、薬物結合ターゲティング材料、人工軟骨等の再生医療用機能材料、機能性薬物等の生体内で分解される材料や、生分解性プラスチック等の生分解性環境保全材料を提供し、更に、生体内や環境中での分解消・滅期間を調整できるデプシペプチドを提供することができる。
Claims (27)
- 保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基と、無保護のカルボキシル基を有するオキシ酸のヒドロキシ基とを、アミノピリジン化合物を触媒として反応させ、ジデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法。
- 保護されたアミノ基を有するアミノ酸が、アルコキシカルボニル基で保護されたアミノ基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法。
- 保護されたアミノ基を有するアミノ酸が、活性化されたカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法。
- アミノ酸のカルボキシル基が、N−ヒドロオキシコハク酸イミドと結合したイミド誘導体となっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法。
- アミノピリジン化合物が、N,N−ジメチルアミノピリジンであることを特徴とする請求項7記載のデプシペプチド重合体の製造方法。
- テトラヒドロフランを溶媒として反応を行なうことを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法。
- 保護されたアミノ基を有するジデプシペプチドのアミノ基の脱保護を行なうことを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法。
- アミノ基の脱保護が、酸溶液に接触させて行なうことを特徴とする請求項10記載のデプシペプチドの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって得られたジデプシペプチドのカルボキシル基をイミド誘導体とする工程と、ジデプシペプチドの保護されたアミノ基の脱保護を行なう工程と、これら工程で得られたジデプシペプチドの脱保護されたアミノ基と、保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させる工程とを有し、オリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法。
- ジデプシペプチドのカルボキシル基のイミド誘導体が、N−ヒドロオキシコハク酸イミドであることを特徴とする請求項12記載のデプシペプチドの製造方法。
- 請求項12又は13記載のジデプシペプチドの保護されたアミノ基の脱保護を行なう工程と、ジデプシペプチドの脱保護されたアミノ基と保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させる工程とを反復してオリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法。
- 請求項10又は11記載のデプシペプチドの製造方法によって得られた脱保護されたアミノ基を有するジデプシペプチドのアミノ基と、保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸のカルボキシル基又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させ、オリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法。
- 請求項15記載のデプシペプチドの製造方法によって得られたオリゴデプシペプチドの保護されたヒドロキシ基又はアミノ基の脱保護を行ない、オキシ酸のカルボキシル基又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基とを反応させ、オリゴデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法。
- 保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸が、ヒドロキシ基をジクロロアセチル基で保護されていることを特徴とする請求項15又は16記載のデプシペプチドの製造方法。
- 保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸のカルボキシル基及び/又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基が、イミド誘導体であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法。
- 保護されたヒドロキシ基を有するオキシ酸のカルボキシル基及び/又は保護されたアミノ基を有するアミノ酸のカルボキシル基のイミド誘導体が、N−オキシコハク酸イミドエステルであることを特徴とする請求項18記載のデプシペプチドの製造方法。
- 請求項12〜19のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって得られるオリゴデプシペプチドのアミノ基の脱保護をした後、重合してポリデプシペプチドを合成することを特徴とするデプシペプチドの製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって製造されたことを特徴とするジデプシペプチド。
- 請求項12〜19のいずれか記載のデプシペプチドの製造方法によって得られ、アミノ酸とオキシ酸が一定の配列で連結された構造を有することを特徴とするオリゴデプシペプチド。
- 請求項20記載のデプシペプチドの製造方法によって得られ、アミノ酸とオキシ酸が一定の配列で連結された構造を有することを特徴とするポリデプシペプチド。
- 請求項23記載のポリデプジペプチドを含有することを特徴とする生体内で分解・消滅させる材料。
- 徐放性薬物送達系(DDS)材料であることを特徴とする請求項24記載の生体内で分解・消滅させる材料。
- 請求項23記載のポリデプジペプチドを含有することを特徴とする環境中で分解・消滅させる材料。
- 請求項22記載のオリゴデプシペプチド又は請求項23記載のポリデプシペプチドにおけるアミノ酸とオキシ酸の配列を変えることを特徴とする生体内又は環境中でのデプシペプチドの分解・消滅期間を調整する方法。
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WO2005056637A1 (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-23 | Yuichi Ohya | 温度応答性及び生分解性ポリデプシペプチド並びにその製造方法 |
WO2007043486A1 (ja) | 2005-10-05 | 2007-04-19 | Tokyo Cro, Inc. | 生体適合性ブロック共重合体、その用途および製造法 |
WO2008023582A1 (fr) | 2006-08-24 | 2008-02-28 | National University Corporation Gunma University | Depsipeptide contenant un résidu d'acide lactique |
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2003
- 2003-03-11 JP JP2003065578A patent/JP4219709B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2005056637A1 (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-23 | Yuichi Ohya | 温度応答性及び生分解性ポリデプシペプチド並びにその製造方法 |
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