JP2004267979A - 光触媒フィルタ装置 - Google Patents

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Norio Kobayashi
紀雄 小林
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Abstract

【課題】フィルタ素材の表面に形成された光触媒層に、この光触媒層を活性化させる光を効率よく照射することによって、高い光触媒作用を発現する高性能な光触媒フィルタ装置を提供することである。
【解決手段】本発明の課題は、光触媒フィルタ装置1において、光触媒層が形成されたガラスファイバ束5を収容する収容部6と、ガラスファイバ束5の端部50aに対向して配設された光透過性の窓部材7aと、被処理流体11の流入口8と流出口9とを備えた容器2と、ガラスファイバ束5の内部に伝播して、前記光触媒層を照射することにより、この光触媒層を活性化させる光を入射させる光源3と、光源3の先端部30cを内包して、光源3よりの光軸とガラスファイバ束5の中心軸とを合わせるとともに、光源3よりの光の一部をその内面42にて反射して、窓部材7aを介してガラスファイバ束5の端部50aに入射させる筒状部材4とを具備することにより解決される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、流入させた被処理流体より除去対象物を取り除く、光触媒作用を利用した光触媒フィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒作用、すなわち、光触媒の機能を有する半導体などの物質、例えば二酸化チタン(TiO)に、そのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射すると、雰囲気中の酸素や水と反応し、その表面に活性酸素(OHラジカルやO )を生成する。この活性酸素は、反応性が非常に高く、強い酸化還元反応によって、その表面に接している物質を分解する。この光触媒作用を利用して、流入させた被処理流体より除去対象物、すなわちベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等の有機化合物を取り除く光触媒フィルタ装置に関して、数多くの試みがなされている。
【0003】
1つの試みとして、特開2001−9292号公報に記載の漏光型光触媒フィルタが提案されている。図7は、この漏光型光触媒フィルタ100の長手方向の断面を示す図であり、図8は、光触媒ファイバ束101の径方向の断面の一部を示す図である。これらによれば、図8に示す漏光型光触媒ファイバ102は、導光体からなるファイバ素線103と、二酸化チタンなどの光触媒を含む表面層104とにより構成され、予め、その表面に粒状スペーサ105が固着されている。
【0004】
この漏光型光触媒ファイバ102を多数束ねて光触媒ファイバ束101を構成し、これを図7に示す容器106に収容することによって、これら多数の漏光型光触媒ファイバ102の長手方向に連通する無数の微細空隙を得て、被処理流体の流路を形成する。さらに、光触媒ファイバ束101の両端面付近に窓部材107,107を介して光が入射するよう光源108,108が設けられ、この光源108,108よりの光が、多数の漏光型光触媒ファイバ102の内部を伝搬して、漏洩しながら伝達し、表面層104の光触媒を活性化する。この光触媒フィルタ100の流入口109より被処理流体110を導入すると、この被処理流体110は、光触媒作用によってフィルタ処理されるとしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−9292号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような漏光型光触媒フィルタにおいて、高性能の光触媒フィルタを得るための条件として、フィルタ素材に形成された光触媒に、この光触媒を活性化させる光を効率よく照射することによって、高い光触媒作用を発現させる必要がある。しかしながら、上記した漏光型光触媒フィルタ100は、フィルタ素材である光触媒ファイバ102に形成された表面層104の光触媒に、この光触媒を活性化させる光を効率よく照射する点において、必ずしも充分ではなく、改善の余地が残されていた。
【0007】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、その課題は、フィルタ素材の表面に形成された光触媒層に、この光触媒層を活性化させる光を効率よく照射することによって、高い光触媒作用を発現する高性能な光触媒フィルタ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決する手段として、
本発明の請求項1に係る光触媒フィルタ装置は、光触媒層が形成されたガラスファイバ束を収容する収容部と、前記ガラスファイバ束の端部に対向して配設された光透過性の窓部材と、被処理流体の流入口と流出口とを備えた容器と、前記ガラスファイバ束の内部に伝播して、前記光触媒層を照射することにより、この光触媒層を活性化させる光を入射させる光源と、前記光源の先端部を内包して、前記光源よりの光軸と前記ガラスファイバ束の中心軸とを合わせるとともに、前記光源よりの光の一部をその内面にて反射して、前記窓部材を介して前記ガラスファイバ束の端部に入射させる筒状部材とを、備えたことを特徴とする光触媒フィルタ装置である。
【0009】
本発明の請求項2に係る光触媒フィルタ装置は、前記光源が、その発光管が曲げ加工された先端部を有する発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯であって、前記発光管の先端部と、前記窓部材を介して前記ガラファイバ束の端部とを対向させて配置することを特徴とする請求項1に記載の光触媒フィルタ装置 である。
【0010】
本発明の請求項3に係る光触媒フィルタ装置は、前記筒状部材の内面に反射処理加工を施していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光触媒フィルタ装置である。
【0011】
本発明の請求項4に係る光触媒フィルタ装置は、前記筒状部材の長手方向の寸法が、前記発光管の長手方向の寸法に対して、10%以上40%以下の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の光触媒フィルタ装置である。
【0012】
本発明の請求項5に係る光触媒フィルタ装置は、前記光触媒層を形成されたガラスファイバ束が、ガラスファイバの外側面に多数の突起を分布させて形成し、その外側面とそれら突起との上に光触媒層を形成した突起付きガラスファイバを、少なくとも一方の端部を揃えて多数束ねることにより、隣接する突起付きガラスファイバの相互間に、前記被処理流体の流路となる空隙部を形成した突起付きガラスファイバ束であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の光触媒フィルタ装置である。
【0013】
ここで、上記した「光触媒層を形成したガラスファイバ束」は、その外側面に光触媒層を形成した、多数のガラスファイバを束ねることにより構成される。このガラスファイバは、その材質が、後述する光触媒層を活性化する光の波長に対して光透過性を有するガラスであり、多成分ガラスや石英ガラスを用いることができる。長さ100mmあたりの透過率としては、光触媒層を活性化する波長の光において、90%以上であることが好ましい。また、好ましい外径としては、30φμm〜10φmm程度のものを、長手方向の寸法は、目的とする製品の設計値に基づいて所定の長さで切断されたものを、それぞれ用いることができる。
【0014】
前記ガラスファイバは、その外側面に光触媒層が形成され、この光触媒層の材質としては、特に限定されないが、代表例として二酸化チタンや、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ナトリウム、二酸化ジルコニウム、硫化カドミウム、α−Fe2O3などを挙げることができる。
【0015】
前記ガラスファイバ束は、前記ガラスファイバが、使用目的に応じて数十本〜数万本束ねられて、少なくとも一方を揃えて切断され、かつ、必要に応じて研磨されており、光を入射させるための端部を少なくとも1つ有するものである。この端部の断面形状は、円形、矩形、多角形とすることが可能であり、例えば、この形状が円形である場合、実用上、この断面形状の寸法は、直径1φmm〜100φmmの範囲に及ぶ。
【0016】
上記した「容器」は、被処理流体を流入させる流入口、これに続く前記ガラスファイバ束を収納する収容部、及び被処理流体を外部に流出する流出口を備えている。さらに、前記ガラスファイバ束の少なくとも一方に光を入射させるために、後述する光源よりの光を透過させるための少なくとも1つの「窓部材」が、前記ガラスファイバ束の少なくとも一方の端部に対向するように配設される。
【0017】
この容器の材料としては、金属、樹脂、セラミックスなど、特に限定されないが、この材料から、有機物の発生のないものを用いることが好ましい。代表的なものとして、ステンレス合金、アルミ合金などを挙げることができる。また、容器の形状及び寸法、とりわけ前記ガラスファイバ束を収容する収容部の形状及び内部寸法は、前記ガラスファイバ束の形状及び外形寸法、この光触媒フィルタ装置としての処理能力、すなわち除去対象物の除去性能、及び前記流出口よりの吐出流量などを考慮して設計される。
【0018】
つぎに、前記「窓部材」は、後述する光源より放射され、前記光触媒層を活性化する光の波長に対して透過性を有するガラス製が有利であり、多成分ガラスや石英ガラスを用いることができる。また、この「窓部材」は、前記容器の気密性、及び耐圧性を確保するために所定の強度を要することから、その厚みは、必要とする前記強度に応じて、0.5mm〜20mmの範囲で設計される。高性能な光触媒フィルタ装置を得るためには、前記光触媒層を活性化させる波長の光の内部透過率は、100%に近いことが好ましい。
【0019】
つぎに、上記した「光源」は、前記光触媒層を活性化する波長の光を放射するランプであり、例えば光触媒層の材料が二酸化チタン(ルチル型)の場合、そのバンドギャップが、3.0eVであることから、413nm以下の波長の光を含む光を、二酸化チタン(アナターゼ型)の場合、そのバンドギャップが3.2eVであることから、380nm以下の波長の光を含む光を放射するランプであることが必要である。具体的には、ブラックライト蛍光灯、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、キセノンランプ、ケミカルライト、及びLEDなどを用いることができる。
【0020】
ここで、前記光源には、高性能な光触媒フィルタ、すなわち前記被処理流体に含まれる除去対象物の高い除去率〔(光触媒フィルタの流入口における除去対象物濃度Cin−光触媒フィルタの流出口における除去対象物濃度Cout)/Cin〕を得る手段として、高い光触媒作用を発現させることが重要であり、その作用の強弱が、光触媒層に照射される光強度に比例することから、前記ガラスファイバに形成された光触媒層に、すなわち、ここでは、前記ガラスファイバ束の端部に、前記窓部材を介して効率よく高い強度の光を照射することが求められる。
【0021】
このような観点より、前記光源に、「電球型ブラックライト蛍光灯」を用いることがさらに好ましい。この電球型ブラックライト蛍光灯は、その内周面に紫外線を発光する蛍光物質が塗布され、コの字状又はU字状に曲げ加工が施された蛍光管、又は、同様に内周面に蛍光物質が塗布され、先端部を封じた直管状の蛍光管、これらを複数本用いて、その胴部にて、これら蛍光管を結合管により結合して放電空間を設け、この空間に水銀を封入して発光管を構成し、この発光管の両端部に電極を設け、この両電極と口金(例:JIS−E26型)との間に、電子点灯回路(インバータ回路)を内蔵させ、その蛍光灯全体の形状を電球型としたものであり、前記発光管がボール型の拡散ガラスに包囲されない、発光管露出型のブラックライト蛍光灯である。この発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯は、市販品を使用することが可能である。
【0022】
この「発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯」、とりわけコの字状の蛍光管を2本用い、その蛍光管の胴部で結合されて構成される発光管を備えた発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯において、発明者は、その発光強度が、発光管の胴部と比較して、先端部の方が、すなわちコの字状の曲げ加工を施した発光管の先端面の方が、10%程度高いことを見出した。これは、発光管の材料であるガラス管が熱加工されたときに、外側の先端面付近のガラス管が引き伸ばされ、この箇所のガラス管の厚みが薄くなることによって、発光空間よりの光が、より多く透過され放射されることによるものと考えられる。
【0023】
したがって、効率よく高い強度の光を、前記ガラスファイバ束の端部に入射させるためには、前記発光管の先端部と、前記ガラスファイバ束の端部とを対向させて配置し、これらの距離を可能な限り近接させることが好ましい。この発光管の先端部と、前記端部との距離(L0)は、短いほど、前記端部へ入射される光の強度は高くなるが、実用上、この距離(L0)は、1mm〜10mmの範囲であることが好ましい。さらに、高性能の光触媒フィルタ装置を、長期間安定して駆動させるために、この蛍光灯の光強度の経時劣化を考慮した場合、この距離(L0)は、1mm〜5mmの範囲であることが、より好ましい。
【0024】
また、この発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯において、その発光管の先端部からの平面光強度分布は、その発光管断面の中央部付近が高く、周囲に向かって次第に低くなる。したがって、効率よく高い強度の光を、前記端部に入射させるためには、この発光管より放射される光の軸と、前記端部の中心軸を合わせることが好ましい。
【0025】
ここで、上記した「筒状部材」は、前記光源の先端部を内包して、前記窓部材に近接して設けられる筒状部材であり、この筒状部の中心軸と、前記ガラスファイバ束の端部の中心軸とが、同一線上となるよう配設される。この筒状部材は、専用の保持具により単独で固定されるか、あるいは、この筒状部より延長されたフランジ部を設けて、前記光源の先端部と、前記窓部材の入射面とを覆うように前記容器に固定してもよい。
【0026】
この筒状部材は、その材質は、特に限定されず、金属、樹脂、又はセラミックスなどを用いることが可能であり、その筒状部断面の内部寸法は、前記した光源、例えば前記電球型ブラックライト蛍光灯の先端部を内包し得るよう、この先端部の断面の寸法よりも多少大きくなるよう設計される。
【0027】
この筒状部の内面は、材質が金属である場合、充分な反射が得られるよう鏡面処理、すなわち、電解研磨、化学研磨などの研磨処理等、及び陽極酸化皮膜処理などの防蝕処理を施すことが好ましい。これら鏡面処理は、筒状部の内面にて前記発光管よりの光の一部を、効率よく反射するために必要であり、一方、防蝕処理は、紫外線による、この筒状部内面の反射率の経時劣化を防止するために、施すことが好ましい。また、筒状部材の材質が、樹脂又はセラミックスである場合、その内面に、金属フィルム、例えば、光沢アルミ箔を接着等により固定することも可能である。
【0028】
この筒状部材は、以下に述べる2つの作用効果を有する。
第1の作用は、前記ガラスファイバ束の端部の中心軸と、前記光源との光軸を合わせる作用である。前記光源、例えば、光源が、前記発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯である場合、この発光管は、直管状の蛍光管を熱により曲げ加工することから、この蛍光管自体に外形寸法のばらつきがあり、蛍光灯全体の外形寸法にもばらつきがある。とりわけ、この蛍光灯に電力を供給する口金の長手方向の軸と、発光管の長手方向の軸とにズレがあり、そのズレの度合も個々の蛍光灯でばらつきがある。
【0029】
さらに、前記蛍光灯よりの光を、前記ガラスファイバ束の端部に入射させる場合、一般に、前記蛍光灯の口金をソケットに装着し、このソケットの中心軸と、前記ガラスファイバ束の端部の中心軸が同一線状に並ぶように配置される。しかしながら、この口金と、前記ソケットとの嵌合公差も大きいことから、それぞれの長手方向の軸と、それぞれの径方向とに、ズレが生じやすく、かつ、前記蛍光灯自体の軸のズレと相まって、この蛍光灯の発光管より放射される光の軸と、前記ガラスファイバ束の端部の中心軸とに、比較的大きなズレが生じる。したがって、必ずしも、前記ガラスファイバ束の端部に、効率よく高い強度の光を入射することができない。
【0030】
ここで、前記ガラスファイバ束の端部の中心軸と前記発光管の長手方向の軸とに、比較的大きなズレがある場合、前記した前記発光管の断面方向の外形寸法よりも、多少大きい断面方向の内部寸法を有する筒状部材が、前記発光管の先端部を内包するよう配設されることで、前記発光管の先端部の少なくとも一箇所が、前記筒状部材の内面に接触して、この大きなズレを減少させる。結果として、前記した発光管より放射される光の軸と、前記ガラスファイバ束の端部の中心軸とのズレも所定の範囲に減少され、ひいては、前記蛍光灯の発光管より効率よく高い強度の光が、前記ガラスファイバ束の端部に入射される。
【0031】
つぎに、この筒状部材の第2の作用は、前記光源よりの光の一部をその内面によって反射して、前記ガラスファイバ束の端部へ入射させることである。
前記した光源、すなわち、ブラックライト蛍光灯、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、キセノンランプ、ケミカルライト、及びLEDにおいて、その発光部に管球面を有する光源は、一般に光を放射する角度が大きく、前記した光源と、前記ガラスファイバ束の端部とを近付けることのみでは、多くの光がこの端部以外の周辺部にも照射され、光の利用効率の点で問題があった。
【0032】
この筒状部材は、例えば、光源が、前記発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯である場合、この発光管の先端部を内包するように配設されているので、先端部より、窓部材を介して前記ガラスファイバ束の端部に向かって、直進して入射する光に加えて、前記発光管の先端部及び胴部より筒状部材の内面に向かって照射された光の一部が、その内面にて反射されることにより、前記窓部材を介して前記ガラスファイバ束の端部に入射される。これにより、この筒状部材が配設されない場合、前記ガラスファイバ束に入射され得ない前記発光管よりの光の一部が、前記ガラスファイバ束の端部に入射され、高い効率で、前記蛍光灯よりの光が利用される。この筒状部材の長手方向の寸法は、光源が、前記発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯である場合、その発光部の長手方向の寸法に対して、10%〜40%の範囲にあることが好ましい。
【0033】
この第2の作用について、上述した第1の作用において、前記発光管の先端部より放射される光のうち、前記筒状部材の内面に接触する箇所付近より放射される光が、前記ガラスファイバ束の端部に入射される効果はごく僅かであるが、接触する箇所付近以外より放射される光は、前記筒状部材の内面にて反射され、その一部の光は、前記窓部材を介して前記ガラスファイバ束の端部に入射される。したがって、第1及び第2の作用は、矛盾なくそれぞれ効果を奏するものである。
【0034】
上記した「筒状部材」は、前記容器と分離した構造物であるが、前記容器に配設される前記窓部材の入射面の周囲より突出する筒状の構造物として、前記容器に一体的で設けることも可能である。
【0035】
ここで、請求項5に記載の前記「突起付きガラスファイバ束」を説明する。
この突起付きガラスファイバ束は、多数のガラスファイバにより構成される。このガラスファイバは、その材質、好ましい透過率、好ましい外径、及び長手方向の寸法は、請求項1に記載の前記「ガラスファイバ束」に用いたガラスファイバと同様である。このガラスファイバの外側面には、多数の突起が分布させて形成される。突起の材質は、多成分ガラスや石英ガラスの概略球状の粒状物が一層、又は多層に形成されることが好ましい。
【0036】
ここで、前記「突起」を前記ガラスファイバの外側面に形成する好ましい方法を以下に記す。
(1)バインダー成分に、粒状物を混合、分散、又は懸濁させて作成した塗布液をガラスファイバの外側面に塗布して、突起を形成する方法。
(2)ガラスファイバの外側面にバインダー成分を塗布し、バインダー成分が固化する前に、粒状物を付着させて、突起を形成する方法。
(3)ガラスファイバの外側面に粒状物を熱融着して、突起を形成する方法。この場合、双方を共に加熱することも可能であり、加熱したガラスファイバの外側面にこの粒状物を散布することも可能である。あるいは、ガラスファイバの外側面に加熱した粒状物又は溶融した粒状物を散布することも可能である。
(4)ガラスファイバの外側面に、固化後に粒状物を形成する液体を散布し、又は噴霧し、その後、固化させ粒状物を形成させ、突起を形成する方法。
(5)ガラスファイバの外側面を試薬等で、その外側面を粘着質に変質させ、粒状物を付着させ、固化させ、粒状物を付着させ、突起を形成する方法。
【0037】
次に、前記光触媒層を、前記突起付きガラスファイバの外側面、及び前記突起の表面に形成する好ましい方法としては、ディップ法、ゾルゲル法、パエロゾル法、ウォッシュ・コート法、蒸着法、スパッタ法、熱分解法、金属酸化法等を採用することができ、これらの1種、又は2種以上を組み合せて用いることができる。光触媒層の厚みは、0.1μm〜10μmとすることが好ましい。
上記した前記外側面に突起を形成する方法、及び前記外側面と突起の表面に光触媒層を形成する何れかの方法によって、前記突起付きガラスファイバが製作される。前記突起付きガラスファイバ束は、このガラスファイバを少なくとも一方端部を揃えて、長手方向に多数束ね、少なくとも一方端部を切断し、必要に応じて研磨され、光を入射させるための端部を少なくとも1つ備えるものである。この突起付きガラスファイバ束を構成する突起付きガラスファイバの数量、端部の断面形状、及び端部の断面寸法は、前記「ガラスファイバ束」と同様である。
【0038】
ここで、前記突起付きガラスファイバ束の作用を説明する。多数束ねられた突起付きガラスファイバは、それぞれの突起付きガラスファイバの外側面に形成された前記突起が母体となって、隣り合う突起付きガラスファイバの外側面との間に多数の空隙を生ずる。この「空隙部」が、この突起付きガラスファイバ束に前記被処理流体を流させた場合の流路となる。
【0039】
そして、前記光源よりこの突起付きガラスファイバ束の端部に照射された光のうち、多数の前記突起付きガラスファイバの端部に到達したものは、その内部に入射される。この入射光は、それぞれのガラスファイバの内部を伝播しながら、この突起付きガラスファイバの外側面と、突起の表面より光触媒層に漏れ出て、この光触媒層を活性化させる。一方、前記突起付きガラスファイバ束の端部に照射された光のうち、前記突起付きガラスファイバの端部の存在しない箇所、すなわち空所に照射された光は、前記被処理流体の流路となる空隙部を通路として、前記光触媒層を表面からも照射し、同様に、光触媒層を活性化させる。
【0040】
この突起付きガラスファイバ束の前記空隙部に、除去対象物を含む被処理流体を流すと、前記除去対象物が前記光触媒層に接触することで、捕捉され、分解除去される。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明に係る光触媒フィルタ装置の実施の形態の構成を、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態の光触媒フィルタ装置1の長手方向の一部断面を示す概略図である。この光触媒フィルタ装置1は、容器として、その材質がステンレス製のケース2と、このケース2の両側に、光源として、電球型ブラックライト蛍光灯3,3と、筒状部材として、材質がアルミ合金製のリング状部材4,4とを設置することにより構成される。さらに、ケース2には、突起付きガラスファイバ束5、これを収容する収容部6、窓部材として、ガラスファイバ束5の端部50a,50bに対向するように設けられた石英ガラス窓7a,7b、被処理流体11の流入口8、及び流出口9が備えられている。
【0042】
ここで、突起付きガラスファイバ束5の形態について、図1及び図2を用いて説明する。図2は、このガラスファイバ束5を構成する多数のガラスファイバ51のうち、2本の隣接するガラスファイバ51a,51bの長手方向の断面を示す模式図である。図1及び図2において、被処理流体11の流れを白抜き矢印で、電球型ブラックライト蛍光灯3より入射される光を黒矢印でそれぞれ示している。
【0043】
ガラスファイバ55a,55bは、直径約125μm、長さ約200mmの多成分ガラスファイバで、波長365nmの紫外光の内部透過率は、長さ100mm換算で96%以上である。この外側面52a,52bには、平均粒径50μmの石英ガラス球53が、1段又は2段以上積み重ねられ、かつ2個以上を単位にして、横並びの隣接した集合物として分布している。この石英ガラス球53は、吸い取り法(特開2002−102623号公報参照)により、外側面52a,52bに接着固定されている。この外側面52a,52bと石英ガラス球53の表面に、光触媒層として、膜厚2μmの二酸化チタン層54がディップ法、又はブローアウェイ法(特開2000−5691号公報参照)を使用して形成されて、ガラスファイバ51a,51bを製造する。
【0044】
このようにして製造されたガラスファイバ51a,51bを約13,000本用意し、それらの両端部50a,50bを概略揃えて束ねて、両端部50a,50bが切断され、研磨されて、図1に示すガラスファイバ束5が製作される。ガラスファイバ束5は、各ガラスファイバ(55a,55b,・・・)の外側面(52a,52b,・・・)に石英ガラス球53が分布して形成された突起付きガラスファイバ(51a,51b,・・・)を多数(本実施の形態においては、13,000本)束ねることによって、図2に示すとおり、これら石英ガラス球53が母体となって多数の空隙部56が形成され、この空隙部56が、白抜き矢印で示す被処理流体11の流路となる。なお、図2では、一断面を示していることから、それぞれの流路は閉鎖されているように示されるが、他の断面において連通している。したがって、突起付きガラスファイバ束5の端部50aより流入した被処理流体11は、この空隙部56を流通して、他方の端部50bより流出する。
【0045】
つぎに、収容部6は、長さ196mm、内径30φmmのステンレス製パイプであり、この収容部6に、ガラスファイバ束5が挿入され収容される。収納部6の一方端部が、後述する流入部20に、その他方端部は、後述する流出部21にそれぞれ挿入され、固定される。
【0046】
石英ガラス窓7a,7bは、その寸法が、直径47φmm、厚みが2mmの石英ガラス製の板状体であり、波長365nmの紫外光の内部透過率は、92%以上である。この石英窓ガラス7a,7bは、ケース2に設けられたステンレス製の中空円柱状の流入部20、及び流出部21の径方向の端部断面に、ガラスファイバ束5の両端部50a,50bに対向するよう設けられた開口に、それぞれ、図示しないOリングを介して、後述するリング状部材4により気密固定される。流入口8は、この流入部20の外周面に設けられる中空内部への貫通穴であり、被処理流体11を流入させる。同様に、流出口9も、流出部21の外周面に設けられる、中空内部への貫通穴であり、被処理流体11を流出させる。本実施の形態においては、この流入口8に、外部よりこの被処理流体11を流入させるための配管12aが、コネクタ13aを介して接続され、同様に、被処理流体11を流出させるための配管12bが、コネクタ13bを介して接続される。
【0047】
つぎに、電球型ブラックライト蛍光灯3の形態を、図3を用いて説明する。図3(A)は、この蛍光灯3の側面方向よりの外観図であり、図3(B)は、断面方向よりの外観図である。この蛍光灯3は、市販品(東芝ライテック(株)社製、型式:FED15BLB)で、ガラスファイバ(51a,51b,・・・)に形成された二酸化チタン層54を活性化させる352nmの波長を中心とする紫外線を放射する15W型の発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯である。
【0048】
この蛍光灯3の外形寸法は、その外径が約12.5φmm、長さ、約180mmの蛍光管をコの字状に折り曲げた発光管、2本(30a,30b)を結合して1本の発光管とし、この発光管(30a,30b)の端部は点灯回路収容部31に挿入され、この収容部31に内蔵された図示しない電極及び点灯回路を介して、片口金32(JIS−E26型)が設けられたもので、点灯回路を内蔵していることから、電球用のソケット32に接続して、電力を供給することによって点灯する。
【0049】
本実施の形態においては、説明の便宜上、図3(A)に点線の枠aで示す箇所を、この発光管(30a,30b)の先端部30cと、点線の枠bで示す箇所を、同じく胴部30dと称することとする。発光管(30a,30b)の収容部31付近の胴部30dに、この発光管(30a,30b)を結合して、この内部の放電空間を連通させる結合管33が施されている。この電球型ブラックライト蛍光灯3の発光管(30a,30b)は、その長手方向の寸法(L1)が75mmであり、発光管30a,30bのピッチを15mmとして、図3(B)に示す平行に配列された発光管30a,30b間の対角の寸法(W)は、約33.5mmである。
【0050】
ここで、リング状部材4の形態を、図4を用いて説明する。図4(A)は、このリング状部材4の平面図であり、図4(B)は、断面図である。このリング状部材4は、筒状部40、及びフランジ部41により構成され、筒状部40の寸法は、その内径は、34φmmであり、長手方向の寸法(L2)は、11mmである。フランジ部41の寸法は、約60mm角の板体で、厚みが3mmであり、四隅にケース2へ固定するための貫通穴43が備えられている。筒状部40の内周面42には、電解研磨処理と光沢アルマイト処理が施されている。また、このリング状部材4のフランジ部41は、石英窓ガラス7aを容器2に固定する押さえ板を兼ねている。
【0051】
つぎに、図1に戻り、本実施の形態を構成するケース2、電球型ブラックライト蛍光灯3,3、及びリング状部材4,4の配置構成を説明する。本実施の形態においては、ケース2に内蔵された突起付きガラスファイバ束5の両端部50a,50bそれぞれに、蛍光灯3,3より光を入射させるため、端部50a,50bにそれぞれ対向するように、2つの蛍光灯3,3を配置させる。両者の配置構成の形態は、同様であることから、ここでは、代表して流入部20側における配置構成を以下に説明する。
【0052】
ケース2の一方端部に設けられた流入部20の径方向の端部断面に、ガラスファイバ束5の中心軸と、リング状部材4の中心軸とが重なり、かつ石英ガラス窓7aの入射面を覆うように、リング状部材4がフランジ部41の貫通穴43を通してネジ止めされる。
【0053】
一方、蛍光灯3は、ソケット32に装着され、このソケット32は、その長手方向の中心軸と、ガラスファイバ束5の端部50aの中心軸とが重なるように、図示しない固定板によって予め固定される。さらに、蛍光灯3の先端部30cは、リング状部材4の筒状部40に挿入され、この先端部30cは、石英ガラス窓7aとの距離が1mm、ガラスファイバ束5の端部50aとの距離(L0)が5mmとなるよう配置され固定される。
【0054】
ここで、蛍光灯3の先端部30cは、この蛍光灯3の発光管(30a及び図示されない30b)の軸と、ソケット32の軸とにズレがあることに起因して、先端部30cの一部が、リング状部材4の筒状部40の内周面42に一箇所で接触する。これにより、この発光管(30a及び図示されない30b)の軸が矯正され、結果として、蛍光灯3よりの光軸と、ガラスファイバ束5の中心軸とのズレを減少させ、先端部30cよりの光を高い効率で端部50aに入射させる。ケース2の他方端部に設けられた流出口21側においても、リング状部材4、及び電球型ブラックライト蛍光灯3が同様に配設される。
【0055】
ここで、上記した構成により本実施の形態に係る光触媒フィルタ装置1を、4本直列に連結させて駆動させた。すなわち、図1に示すソケット32,32を介して電力を供給して、予め、電球型ブラックライト蛍光灯3,3を発光させ、1本目のケース2の流入口8に接続された配管12aより、除去対象物である有機化合物を含む被処理流体11を、流量2L/minで流入させた。この流体11に含まれる総揮発性有機化合物の濃度を、図示されない濃縮操作を伴うGC−MS(捕集管による濃縮操作を伴うガスクロマトグラフ質量分析計)によって測定したところ、その濃度は、188μg/mであった。この被処理流体11は、収容部6に収容されたガラスファイバ束5に、端部50aより流入し、図2に示す空隙部56を流通する。
【0056】
一方、電球型ブラックライト蛍光灯3,3の先端部30cより放射された光のうち、一部は直進して、石英ガラス窓7a,7bを透過して、ガラスファイバ束5の端部50a,50bに入射される。さらに、リング状部材4,4の内周面42,42に照射された光の一部は、この内周面42,42において反射され、同様に石英ガラス窓7a,7bを透過して、端部50a,50bに入射される。これら入射された光は、上述した「突起付きガラスファイバの作用」に基づき、図2に示す二酸化チタン層54を活性化させ、空隙部56を流通する被処理流体11に含まれる揮発性有機化合物を捕捉し、分解除去する。
【0057】
直列に連結された4本の光触媒フィルタ装置1の4本目の流出口9に接続された配管12bより採取された被処理流体11に含まれる総揮発有機化合物の濃度を測定したところ、その濃度は、0.1μg/m以下であり、除去対象物の除去率は99.95%以上に及び、高性能な光触媒フィルタ装置が得られた。
【0058】
【比較例1】
ここで、本実施の形態に係る筒状部材を備える意義、及び発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯の発光管先端部をガラスファイバ束の端部に対向させて配置することの意義を、さらに明らかにするため、以下、比較例1を説明する。
本実施の形態において、光触媒作用の強弱は、図2に示す光触媒層54に照射される光の強度に比例して発現する。すなわち、高性能な光触媒フィルタを得るためには、図1に示す突起付きガラスファイバ束5の端部50a,50bに、高い強度の光を入射させるとともに、この端部50a,50bに、強度ムラの少ない光を入射させて、ガラスファイバ束5に形成された光触媒層54を効率よく、ムラを少なく活性化させることが重要である。
【0059】
図5は、この端部50a,50bに入射される光の強度とその強度分布を測定する装置の構成を示す模式図である。この測定装置60は、本実施の形態において用いた、光源として電球型ブラックライト蛍光灯3、及び筒状部材としてリング状部材4の配置構成を変更して、この蛍光灯3より放射され、端部50a,50bの任意の箇所に入射される光に相当する光の強度を測定し、この端部50a,50bに相当する範囲の強度分布を測定する装置である。この装置60は、紫外線受光器61、図示しない移動ステージ及び紫外線強度表示器によって構成される。蛍光灯3の発光部30cより、測定面62、すなわち、端部50a,50bが仮想上配置される測定面までの距離(L0)は、厚み2mmの石英ガラス板7cを挟んで、5mmである。この測定面62に、紫外線受光器61の受光面が配置される。
【0060】
ここで、図5(A)は、本実施の形態における配置構成と同じ構成を表したものである。蛍光灯3は、その発光管の先端部30cを測定面62に対向させて、測定面62より5mm上方に、石英ガラス板7cを挟んで、図示しない保持具により固定される。同様に、リング状部材4は、その下面が、蛍光灯3の先端部30cより1mm下方に位置するよう配置され、図示しない保持具により固定される。図5(B)に示す構成は、(A)の構成より、リング状部材4を取り除いた構成である。
【0061】
図6(A)及び(B)は、それぞれ図5(A)及び(B)に示す構成において、移動ステージを用いて、端部50a,50bの直径30φmm範囲を、X軸,Y軸それぞれ1mmピッチで紫外線受光器61の測定箇所を移動させて測定し、その30φmmの範囲の光強度分布を示す図表である。図6(A)は、図5(A)の構成による測定結果を示し、この30φmmの範囲における平均紫外線強度は、11.1mW/cm、その強度分布〔(最大値−最小値)/最大値〕は、約26%であった。図6(B)は、図5(B)の構成による測定結果を示し、同じく平均紫外線強度は、8.4mW/cmであり、その強度分布は、約51%であった。
【0062】
図6(B)と同(A)とを比較すると、電球型ブラックライト蛍光灯3の先端部30cを対向させて配置した構成において、リング状部材4を備えた(A)の場合、平均紫外線強度が、約32%向上し、強度分布においても約25%の改善が確認された。
【0063】
【比較例2】
つぎに、請求項4に記載の筒状部材、すなわち図4(B)に示すリング状部材4の長手方向の寸法(L2)が、図3(A)に示す発光管の長手方向の寸法(L1)に対して、10%以上40%以下の範囲にあることの意義について、これをさらに明らかにするため、以下、比較例2を説明する。本実施の形態において、リング状部材4の長手方向の寸法(L2)は、11mmである。このリング状部材4は、その長手寸法(L2)が、10mmを下回ると、発光管の先端部30cが、管状の蛍光管が曲げ加工されて構成され、その円弧状の箇所と、筒状部材の内周面42が接した場合に、先端部30cよりの光軸とガラスファイバ束5の中心軸とを合わせる作用、すなわち、前記した筒状部材としての第1の作用を充分に奏し得ない。
【0064】
さらに、図5(A)の構成を用いて、この長手方向の寸法(L2)を、13mm、30mm、60mmとして、比較例1と同様の測定を行った。これによれば、平均紫外線強度は、このリング状部材4を設けない場合を基準として、L2=11mmの場合、約1.3倍、L2=13mmの場合、約1.5倍、L2=30mmの場合、約1.7倍、L=60mmの場合、約1.7倍であった。
【0065】
これらの結果より、発光管の長手方向の寸法(L1)に対して、リング状部材4の長手方向の寸法(L2)の比率(L2/L1)が、10%未満であると、先端部30cよりの光軸とガラスファイバ束5の中心軸とを合わせることができず、このリング状部材4を設ける効果えを充分に奏し得ない。この比率(L2/L1)が10%以上であると、このリング状部材4の内周面42に向かう光の一部が、この内周面42にて反射され、ガラスファイバ束5の端部50a,50bに効率よく入射される。さらに、この寸法比(L2/L1)は、40%を越えると、平均紫外線強度の、それ以上の増加は認められないことと、この寸法(L2)が、長いほど、発光管そのものを覆うこととなり、その安定した点灯のために、複雑な放熱対策を施す必要が生じる。したがって、ガラスファイバ束の端部50a,50bに、高い強度の光を、効率よく入射させるためには、リング状部材4の長手方向の寸法(L2)が、発光管の長手方向の寸法(L1)に対して、40%以内であることが好ましいと確認された。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明に係る光触媒フィルタ装置によれば、フィルタ素材の表面に形成された光触媒層に、この光触媒層を活性化させる光を効率よく照射することによって、高い光触媒作用を発現する高性能な光触媒フィルタ装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る光触媒フィルタ装置の一部断面を示す図である。
【図2】実施の形態に係る突起付きガラスファイバ束の一部断面を示す図である。
【図3】実施の形態に係る電球型ブラックライト蛍光灯の外観を示す図である。
【図4】実施の形態に係るリング状部材の態様を示す図である。
【図5】比較例に係るガラスファイバ束に入射される光の強度と、その強度分布を測定する測定装置の構成を示す図ある。
【図6】比較例に係る前記測定装置による測定結果を示す図表である。
【図7】従来の光触媒フィルタ装置の一部断面を示す図である。
【図8】従来の光触媒ファイバ束の一部断面を示す図である。
【符号の説明】
1 光触媒フィルタ装置
2 ケース,容器
3 電球型ブラックライト蛍光灯,光源
4 リング状部材,筒状部材
5 ガラスファイバ束,突起付きガラスファイバ束
6 収容部
7a,7b 石英ガラス窓,窓部材
8 流入口
9 流出口
11 被処理流体
30a,30b 電球型ブラックライト蛍光灯の発光管
30c 電球型ブラックライト蛍光灯の先端部,光源の先端部
42 リング状部材の内周面,筒状部材の内面
50a,50b 突起付きガラスファイバ束の端部,ガラスファイバ束の端部
51a,51b 突起付きガラスファイバ
52a,52b ガラスファイバの外側面
53 石英ガラス球,突起
54 二酸化チタン層,光触媒層
56 空隙部

Claims (5)

  1. 光触媒層が形成されたガラスファイバ束を収容する収容部と、前記ガラスファイバ束の端部に対向して配設された光透過性の窓部材と、被処理流体の流入口と流出口とを備えた容器と、
    前記ガラスファイバ束の内部に伝播して、前記光触媒層を照射することにより、この光触媒層を活性化させる光を入射させる光源と、
    前記光源の先端部を内包して、前記光源よりの光軸と前記ガラスファイバ束の中心軸とを合わせるとともに、前記光源よりの光の一部をその内面にて反射して、前記窓部材を介して前記ガラスファイバ束の端部に入射させる筒状部材とを、
    備えたことを特徴とする光触媒フィルタ装置。
  2. 前記光源が、その発光管が曲げ加工された先端部を有する発光管露出型の電球型ブラックライト蛍光灯であって、前記発光管の先端部と、前記窓部材を介して前記ガラファイバ束の端部とを対向させて配置することを特徴とする請求項1に記載の光触媒フィルタ装置。
  3. 前記筒状部材の内面に反射処理を施していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光触媒フィルタ装置。
  4. 前記筒状部材の長手方向の寸法が、前記発光管の長手方向の寸法に対して、10%以上40%以下の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の光触媒フィルタ装置。
  5. 前記光触媒層を形成されたガラスファイバ束が、ガラスファイバの外側面に多数の突起を分布させて形成し、その外側面とそれら突起との上に光触媒層を形成した突起付きガラスファイバを、少なくとも一方の端部を揃えて多数束ねることにより、隣接する突起付きガラスファイバの相互間に、前記被処理流体の流路となる空隙部を形成した突起付きガラスファイバ束であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の光触媒フィルタ装置。
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CN109160649A (zh) * 2018-10-17 2019-01-08 北京科技大学 一种全天候可见光催化应急净水杯

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