JP2004267922A - 洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】石英チューブの洗浄に用いる洗浄装置は、保持アームと接する箇所の石英チューブ表面は洗浄できないという問題があった。
【解決手段】保持アーム3と石英チューブ5とが接する部分に突起部を設け、洗浄時において、石英チューブ5を保持アーム3の突起部に載置する第1の状態と、石英チューブ5を台座2に載置する第2の状態とを有する。これによって、保持アーム3が石英チューブ5の表面の特定の箇所と常に接触していることがなく、石英チューブ5の表面をくまなく洗浄することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】保持アーム3と石英チューブ5とが接する部分に突起部を設け、洗浄時において、石英チューブ5を保持アーム3の突起部に載置する第1の状態と、石英チューブ5を台座2に載置する第2の状態とを有する。これによって、保持アーム3が石英チューブ5の表面の特定の箇所と常に接触していることがなく、石英チューブ5の表面をくまなく洗浄することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の洗浄装置と洗浄方法に関するものである。さらに詳しくは、石英チューブの洗浄装置と洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
[背景]
半導体装置の製造工程の一部である拡散工程や熱酸化工程および膜の堆積工程で用いられる製造装置は、その内部に石英チューブが設置されている。その製造装置を用いた製造工程は、半導体装置を石英チューブの内部に並べた状態で行われる。石英チューブを取り囲んだヒーターで石英チューブと石英チューブの内部とに熱を加え、石英チューブの内部にガスを流すことで、半導体装置の表面および内部で各種の反応が起きる。この反応を利用し、不純物の拡散や膜の堆積を行う。
【0003】
[汚染の説明]
半導体装置の製造工程において、石英チューブを使用し続けていると、様々な微粒子や有機汚染物および金属不純物等が徐々に付着していく。このような付着物の主たる発生源としては、以下のものが考えられる。
第1は、半導体装置の製造を行うクリーンルームの環境である。ここでいうクリーンルームの環境は、クリーンルームを構成する要素の総称であり、その要素には、クリーンルーム内の天井や床および壁とクリーンルーム内を充たす空気が含まれる。第2は、半導体装置の製造装置(例えばヒーターや駆動部)である。第3は、半導体装置の製造装置を操作する人間である。
【0004】
このような発生源からの付着物は、石英チューブに付着している状態から剥離して、その石英チューブを用いて製造する半導体装置に付着する。その付着物の影響により、所望の半導体装置が製造できなくなることを付着物による汚染と言う。ここでは、代表的な付着物による汚染の類型を2つ取り上げて説明する。
【0005】
第1に、半導体装置の製造工程において、付着物の存在そのものが、物理的な妨げとなる場合である。半導体装置は、マスクパターンを半導体装置に転写し素子領域の形成や配線や電極の形成を行う。半導体装置の表面に付着物が付着すると、その付着した箇所では、マスクパターンの転写が正常に行われないために、配線の断線や短絡といった欠陥を生じてしまう。
【0006】
第2に、付着物が半導体装置の内部に取り込まれることにより、半導体装置の電気特性を変化させる場合である。例えば、半導体装置の絶縁膜の製造工程で、この絶縁膜に付着物が取り込まれると絶縁膜の破壊などが生じてしまう。すなわち、絶縁膜中の結晶に結晶欠陥と呼ばれる原子の配列の乱れが生じる。結晶欠陥は、エネルギー準位を形成し、自由キャリア(電子または正孔)を捕獲する。この捕獲されたキャリアは、強い電界のなかに置かれることで、再び伝導帯もしくは価電子帯に解放され、電気伝導に寄与する。このようなキャリアの存在は、絶縁膜の電気特性に影響を与え、半導体装置の使用状況によっては絶縁膜を破壊してしまう。
【0007】
以上のように、付着物による汚染は、半導体装置に致命的な問題を引き起こす。この問題を解決するための手法は様々であるが、一旦汚染された半導体装置を正常な状態に回復させることはまず不可能であり、また、付着物の発生自体を防ぐことにも限界がある。そこで、最も効果的な手法として、石英チューブを定期的に洗浄し、付着物のないクリーンな状態を常に維持することが必要である。
【0008】
石英チューブをクリーンな状態に保つことは、所望の半導体装置を製造するためだけではなく、半導体装置のコストダウンにも寄与する。
石英チューブの付着物の影響は石英チューブそのものと、その石英チューブを用いる半導体装置とだけにおよぶものではない。石英チューブの付着物が石英チューブから剥離し、半導体装置を製造する別の製造装置へと付着する場合がある。このことを製造装置の汚染と言う。例えば、石英チューブの保管装置などが汚染される場合がある。本来汚染の発生源とはなり得ない保管装置を介してさらに汚染が広がってしまうのである。
一旦半導体装置の製造装置が汚染されると、汚染した部位を丸ごと交換するか、汚染した部位を取り外し洗浄するなどの専門的な作業が必要となり、そのためには多大な費用と時間を要してしまう。
すなわち、石英チューブをクリーンな状態に保つことは、無駄な費用と時間の発生を防いでいると言え、半導体装置のコストアップを防止する。
【0009】
半導体装置の製造工程において、石英チューブの洗浄は非常に重要である。さらに、その洗浄の善し悪しは、洗浄に用いる洗浄装置の洗浄能力に左右される。よって、半導体装置の製造工程では、より洗浄能力の高い洗浄装置および洗浄方法が求められている。
【0010】
[半導体装置や部品の洗浄を説明する概念図:図7]
以下図面を用いて説明する。図7は、半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄するための洗浄装置の概念図である。図7(a)は、洗浄開始時の状態を示し、図7(b)は、洗浄中の状態を示す。この図において、4は洗浄槽、6は機構部、7は洗浄液、23は保持アーム、25は被洗浄物、28は可動部である。
【0011】
保持アーム23は可動部28により、図7の矢印Bで示すように開閉が可能である。これにより、被洗浄物25を把持することができる。また、保持アーム23は、その上部において機構部6と接続している。機構部6は、図7の矢印A1またはA2の示す方向へ移動可能な機構を有している。洗浄槽4は、その内部に洗浄液7が入っている。
【0012】
次に図7に示す洗浄装置の動作を説明する。図7(a)に示すように、保持アーム23で被洗浄物25を把持して搬送する。保持アーム23を矢印A1の方向に移動し被洗浄物25を洗浄槽4に浸漬させる。保持アーム23は被洗浄物25を離し、図7(b)に示す矢印A2の方向に移動する。これにより、洗浄液7の中には被洗浄物25のみ置かれる。この状態で所定の洗浄時間が経過するのを待つ。この時間の経過に合わせて洗浄液7が被洗浄物25を洗浄する。最後に、保持アーム23で被洗浄物25を再び把持し、洗浄槽4から引き上げ、一連の動作は終了する。
【0013】
以上の説明のように、半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄する際には、被洗浄物25を洗浄液7に浸漬し、洗浄液7の化学作用によって付着物を除去する方法が用いられる。
被洗浄物25に物理的な力を加える方法、例えば、ブラシを押し当て磨くといった方法は一般には用いられない。その理由は、被洗浄物25に物理的な力を加えると、被洗浄物25が破壊されるだけでなく、破壊した被洗浄物25の破片が他の被洗浄物25へと付着し、汚染を引き起こすからである。
【0014】
ところが、図7に示す洗浄装置は、被洗浄物25が半導体装置の製造工程で用いる石英チューブである場合には問題がある。つまり、石英チューブは、石英を材料としているため物理的な強度が低い。そのため、石英チューブを保持アーム23で把持しようとすると、傷が付いたり破損してしまうという問題である。
この問題を回避するために様々な方法が提案されているが、石英チューブを下方より支える方法が知られている。(例えば特許文献1参照)
【0015】
[従来の技術:図6]
図6は特許文献1に示した従来の洗浄装置の構成を表した図である。図6において、3は保持アーム、4は洗浄槽、5は石英チューブ、6は機構部、7は洗浄液である。
保持アーム3は、石英チューブ5の長手方向に直交するように位置している。さらに保持アーム3は、石英チューブ5の外形に沿ったU字型の形状を有し、石英チューブ5を抱えるように支える。また、保持アーム3は、その上部において、機構部6と接続している。機構部6は、図6の矢印Aで示す方向へ移動可能な機構を有している。なお、洗浄槽4には洗浄液7が入っている。
【0016】
次に図6を用いて従来の洗浄装置の動作を説明する。図6に示すように、石英チューブ5を保持アーム3で支える。ちなみに、この後説明する動作は、特に断りがない限り、機構部6の機構によって行われている。
続いて、石英チューブ5を、洗浄槽4に入っている洗浄液7に浸漬させ、洗浄に必要な所定時間を待つ。先に述べたとおり、この所定時間中に洗浄液7の化学作用で石英チューブ5の付着物が除去される。
ところで、洗浄液7の例としては、フッ化水素酸HFと純水H2Oの混合液などを用いる場合が多いが、このような洗浄液7を用いても、石英チューブ5はすぐさまクリーンな状態になるものではない。石英チューブ5を洗浄液7に浸漬させた後に、保持アーム3を上下に揺動するなどして洗浄液7の水流を作り、洗浄効果を上げるなどの動作も合わせて行われる場合が多い。最後に、石英チューブ5を洗浄液7から引き上げ、一連の動作は終了する。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−203801号公報(第4頁、第1−2図)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示した従来の洗浄装置においては、以下のような問題があった。
特許文献1に示した従来の洗浄装置の保持アーム3は、洗浄中は常に石英チューブ5の同じ場所を保持している。このため、石英チューブ5の表面の保持アーム3と接する部分が洗浄できないという問題がある。
保持アーム3の形状は、石英チューブ5の外形に沿ったU字型の形状をしており、この形状は洗浄中に石英チューブ5の脱落を防止するためには有効であるが、保持アーム3と石英チューブ5との接触面積が多く、よって、石英チューブ5の表面で洗浄できない面積も多くなってしまう。
したがって、従来の洗浄装置は、石英チューブ5への付着物を完全に除去することはできず汚染抑制の効果が不十分であり、洗浄装置に本来求められている洗浄能力を満たしていないと言える。
【0019】
本発明の目的は、上記問題を解決し、石英チューブ5の表面をくまなく洗浄することができる洗浄装置および洗浄方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨は、次のような洗浄装置と洗浄方法とを提供する。
この発明による洗浄装置は、保持アームには被洗浄物を載置するための突起部を設けるとともに、洗浄槽の底部には保持アームの下降位置と平面的に重ならない位置に被洗浄物を載置するための台座を設け、突起部で被洗浄物を載置する第1の状態と、保持アームを下降し被洗浄物を保持アームから台座に乗せかえる第2の状態とがある。
【0021】
この発明による洗浄方法は、保持アームに突起部を設けて被洗浄物を載置して被洗浄物と洗浄槽の底部に保持アームの下降位置に対して平面的に重ならない位置に設ける台座とを離間させる第1の洗浄工程と、台座で被洗浄物を載置して被洗浄物と保持アームとを離間させる第2の洗浄工程とを繰り返すものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態を示す図である。ここで、従来の洗浄装置と同一の構成要素には同一の番号を付与している。図2は本発明の洗浄装置の動作を説明するために用いる図であり、図3と図4とは図1に示す本発明の第1の実施の形態の細部を説明するために用いる図である。
【0023】
[構造説明:図1]
まず、図1を用いて説明する。図1に示す洗浄装置において、1は突起用プレート、2は台座、3は保持アーム、4は洗浄槽、5は石英チューブである。
保持アーム3には突起用プレート1を設ける。洗浄槽4の底部には台座2を設ける。保持アーム3と台座2とは平面的に重ならないように設ける。また、保持アーム3は、その上部において、図示はしない機構部6を接続する。機構部6は、図1の矢印Aで示す方向へ移動可能な機構を有するものである。図1には図示はしないが、洗浄槽4には洗浄液7を入れる。
【0024】
図1に示すように、石英チューブ5を保持アーム3に設けた突起用プレート1に載置する。図1において、保持アーム3には突起用プレート1を2つ設け、保持アーム3および台座2はそれぞれ2つ設ける場合を示す。ちなみに、この後説明する動作は、特に断りがない限り、図示しない機構部6の機構によって行う。
【0025】
[本発明の動作の説明:図2]
次に図2を用いて本発明の洗浄装置の動作を説明する。図2は保持アーム3の上下の揺動により洗浄槽4に設ける台座2との間で石英チューブ5を受け渡す様子を示したものである。図2においては、図1では省略した洗浄液7を図示したが、特に洗浄液7の量は意味を持つものではない。
【0026】
本発明の洗浄装置は、洗浄中に第1の状態と第2の状態とを設けることにより、洗浄効果を上げている。
第1の状態とは、保持アーム3が上下に揺動する際の上点における保持アーム3と石英チューブ5との状態を示し、第2の状態とは、保持アーム3が上下に揺動する際の下点における台座2と石英チューブ5との状態を示すものである。次に詳しく説明する。
【0027】
図2(a)は第1の状態として保持アーム3の揺動の上点を表した縦断側面図であり、図2(b)は第2の状態として保持アーム3の揺動の下点を表した縦断側面図である。
保持アーム3と台座2とは平面的に重ならないように設置しているために、保持アーム3の移動によって保持アーム3と台座2とが接触することはない。
保持アーム3を移動し、石英チューブ5を洗浄槽4に入っている洗浄液7に浸漬させる。この状態が第1の状態である。洗浄液7の例としては、フッ化水素酸HFと純水H2Oの混合液がある。第1の状態では、石英チューブ5と台座2とは完全に離間している。
保持アーム3を洗浄槽4の底部方向に移動し、突起用プレート1の位置が台座2の上面より下になると、石英チューブ5は保持アーム3から離れ台座2の上面に乗る。この状態が第2の状態である。第2の状態では、石英チューブ5と保持アーム3とは完全に離間している。
この第1の状態と第2の状態との違いは、石英チューブ5が載置される場所が異なることである。これによって、石英チューブ5と他の部材とが接する場所が変わるために石英チューブ5はくまなく洗浄できる。
保持アーム3を洗浄槽4の上部方向に移動し、突起用プレート1の位置が台座2の上面より上になると、石英チューブ5は台座2から離れ保持アーム3に乗る。つまり、再び第1の状態に戻る。
【0028】
すなわち、保持アーム3を上下に揺動することで、第1の状態と第2の状態とになり、保持アーム3と台座2とで石英チューブ5の受け渡しを行うことができる。
先に説明した通り、洗浄液7の化学作用によって石英チューブ5が洗浄されるのであるから、その洗浄の度合いは同じ洗浄液であれば浸漬している時間で決まる。本発明の第1の状態も第2の状態も石英チューブ5が洗浄液7に浸漬している状態であるから、第1の状態であっても第2の状態であっても洗浄が行われている。
したがって、洗浄効果を上げるには、第1の状態で所定の時間を待っても良いし、第2の状態で所定の時間を待っても良い。また、保持アーム3の上下の揺動を洗浄に必要な所定時間だけ続け、第1の状態と第2の状態とを繰り返しても良い。被洗浄物である石英チューブ5の汚染の状況に応じて変更が可能である。
洗浄が終了すると、保持アーム3を引き上げ、石英チューブ5を洗浄槽4から出し一連の動作は終了する。
【0029】
本発明の特徴は、この第1の状態と第2の状態とを持つことにある。従来にはない2つの状態を持つことにより、保持アーム3と石英チューブ5とが常に接している部分が無くなり、石英チューブ5をくまなく洗浄することができる。もちろん、第1の状態での洗浄時間と第2の状態での洗浄時間とを変えてもよい。
次に図を用いて本発明の細部を説明する。
【0030】
[保持アームの構造説明:図3]
次に、本発明の洗浄装置の保持アーム3について図3を用いて説明する。図3は、保持アーム3の湾曲部の内側に設ける突起用プレート1を示す図である。図3(a)は、斜視図であり、図3(b)は、石英チューブ5を載置した状態での縦断側面図である。
【0031】
図3(a)に示すように、保持アーム3に突起用プレート1を設ける。図3(b)に示すように、この突起用プレート1が石英チューブ5と直接接触する部分となる。図3においては、保持アーム3には突起用プレート1を2つ設ける場合を示す。
特許文献1に示した従来の技術に比べ、この突起用プレート1により保持アーム3と石英チューブ5との接触面積が小さくなっている。したがって、石英チューブ5の外周面はより多くの洗浄液7と接触することができ、洗浄できない箇所は極めて小さくなる。
また、洗浄開始時には石英チューブ5は汚染されているが、この汚染されている石英チューブ5と保持アーム3との接触面積が小さいほど、保持アーム3への汚染の進行をより少なくすることができるという利点もある。
保持アーム3は、石英チューブ5の外形に沿って湾曲したU字型の形状である。このような形状であるから、突起用プレート1により保持アーム3と石英チューブ5との接触面積が小さくても、洗浄中に保持アーム3から石英チューブ5が脱落することはない。
【0032】
[台座の説明:図4]
次に、本発明の洗浄装置の台座2について図4を用いて説明する。図4は、洗浄槽4に設けた台座2を示す図である。図4(a)は斜視図であり、図4(b)は石英チューブ5を載置した状態での縦断側面図である。台座2の上端は側面から見てV字型の形状をしており、この台座2のV字型の上面にて石英チューブ5の外周と接触する。
台座2はこのようにV字型の形状とすることによって、石英チューブ5を確実に載置することができる。
【0033】
[本発明の第2の実施の形態:図5]
図5は本発明の第2の実施の形態を示す。図5(a)は斜視図であり、図5(b)は石英チューブ5を支持した状態での縦断側面図である。5は石英チューブ、11は突起部、13は保持アームである。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、保持アーム13である。保持アーム13は、湾曲部の内側に突起部11を設ける。突起部11は、保持アーム13と一体に形成している。図5においては、突起部11を保持アーム13に2つ設ける場合を示す。
【0034】
図5(b)で示すように、石英チューブ5を保持アーム13の湾曲部の内側に設けた突起部11上に載置することにより、保持アーム13に突起部を設けない場合と比べ、石英チューブ5との接触面積が小さくなる。その理由と効果は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態の洗浄装置は、突起部11が保持アーム13と一体に形成しているために、洗浄装置を構成する部品数を減らし、コストダウンに寄与するものである。
【0035】
以上、本発明を具体的に説明したが、本発明は、既に説明した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。
【0036】
本発明の第1の実施の形態で示す保持アーム3に設ける突起用プレート1および本発明の第2の実施の形態で示す保持アーム13に設ける突起部11の表面には、微小な凹凸を設けて摩擦力を高めることで石英チューブ5のがたつきを防止することもできる。
また、保持アーム3に設ける突起用プレート1を保持アーム3と異なる材質で構成しても良い。例えば、ふっ素樹脂やふっ素ゴムで構成する。このような構成にすることで、石英チューブ5が滑りにくくなり洗浄中の石英チューブ5の落下などの不測の事態を防止できる。
【0037】
さらに、保持アーム3(あるいは保持アーム13)の動作により洗浄効果を上げることもできる。すでに、第1の状態と第2の状態とを繰り返すことによって洗浄効果を上げることは説明したが、それに限定するものではない。
第1の状態において、保持アーム3(あるいは保持アーム13)を上下に揺動させてもよい。石英チューブ5を保持アーム3(あるいは保持アーム13)から台座2に受け渡すことがないほどの微小な上下の揺動を行うのである。それによって、保持アーム3(あるいは保持アーム13)の上下の揺動により発生した洗浄液7の水流を用いて石英チューブ5を洗浄するものである。
【0038】
また、図4に示す台座2の上端の形状は、V字型の形状に限定されるものではない。被洗浄物である石英チューブ5の形状に合わせて形状の変更が可能である。例えば、石英チューブ5の外形の形状に合わせてU字型の形状にしてもよい。この場合の効果としては、洗浄液7の水流による石英チューブ5と台座2との不測のがたつきを低減し、より確実に支持できるというものである。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の洗浄装置は、保持アームの保持部に突起部を設け、石英チューブを突起部に載置し、保持アームと台座との間で石英チューブの受け渡しを行う機能を有する。石英チューブを保持アームに載置し洗浄液に浸漬する第1の状態と、石英チューブを台座に載置する第2の状態とを有するものである。
これにより、本発明の洗浄装置は、石英チューブの表面において、石英チューブが他の部材と常に接触している部分がなくなり、石英チューブの表面をくまなく洗浄することができるという従来にはない優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す洗浄装置の斜視図である。
【図2】(a)本発明の洗浄装置の第1の状態を説明する縦断側面図である。
(b)本発明の洗浄装置の第2の状態を説明する縦断側面図である。
【図3】(a)本発明の第1の実施の形態における保持アームを示す斜視図である。
(b)本発明の第1の実施の形態における石英チューブが保持アームに載置した状態を示す縦断側面図である。
【図4】(a)本発明の洗浄装置における台座を示す斜視図である。
(b)本発明の洗浄装置における石英チューブが台座に載置した状態を示す縦断側面図である。
【図5】(a)本発明の第2の実施の形態における保持アームを示す斜視図である。
(b)本発明の第2の実施の形態における石英チューブが保持アームに載置した状態を示す縦断側面図である。
【図6】従来の洗浄装置の斜視図である。
【図7】(a)半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄する際の概念図である。
(b)半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄する際の概念図である。
【符号の説明】
1 突起用プレート
2 台座
3 保持アーム
4 洗浄槽
5 石英チューブ
6 機構部
7 洗浄液
11 突起部
13 保持アーム
23 保持アーム
25 被洗浄物
28 可動部
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の洗浄装置と洗浄方法に関するものである。さらに詳しくは、石英チューブの洗浄装置と洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
[背景]
半導体装置の製造工程の一部である拡散工程や熱酸化工程および膜の堆積工程で用いられる製造装置は、その内部に石英チューブが設置されている。その製造装置を用いた製造工程は、半導体装置を石英チューブの内部に並べた状態で行われる。石英チューブを取り囲んだヒーターで石英チューブと石英チューブの内部とに熱を加え、石英チューブの内部にガスを流すことで、半導体装置の表面および内部で各種の反応が起きる。この反応を利用し、不純物の拡散や膜の堆積を行う。
【0003】
[汚染の説明]
半導体装置の製造工程において、石英チューブを使用し続けていると、様々な微粒子や有機汚染物および金属不純物等が徐々に付着していく。このような付着物の主たる発生源としては、以下のものが考えられる。
第1は、半導体装置の製造を行うクリーンルームの環境である。ここでいうクリーンルームの環境は、クリーンルームを構成する要素の総称であり、その要素には、クリーンルーム内の天井や床および壁とクリーンルーム内を充たす空気が含まれる。第2は、半導体装置の製造装置(例えばヒーターや駆動部)である。第3は、半導体装置の製造装置を操作する人間である。
【0004】
このような発生源からの付着物は、石英チューブに付着している状態から剥離して、その石英チューブを用いて製造する半導体装置に付着する。その付着物の影響により、所望の半導体装置が製造できなくなることを付着物による汚染と言う。ここでは、代表的な付着物による汚染の類型を2つ取り上げて説明する。
【0005】
第1に、半導体装置の製造工程において、付着物の存在そのものが、物理的な妨げとなる場合である。半導体装置は、マスクパターンを半導体装置に転写し素子領域の形成や配線や電極の形成を行う。半導体装置の表面に付着物が付着すると、その付着した箇所では、マスクパターンの転写が正常に行われないために、配線の断線や短絡といった欠陥を生じてしまう。
【0006】
第2に、付着物が半導体装置の内部に取り込まれることにより、半導体装置の電気特性を変化させる場合である。例えば、半導体装置の絶縁膜の製造工程で、この絶縁膜に付着物が取り込まれると絶縁膜の破壊などが生じてしまう。すなわち、絶縁膜中の結晶に結晶欠陥と呼ばれる原子の配列の乱れが生じる。結晶欠陥は、エネルギー準位を形成し、自由キャリア(電子または正孔)を捕獲する。この捕獲されたキャリアは、強い電界のなかに置かれることで、再び伝導帯もしくは価電子帯に解放され、電気伝導に寄与する。このようなキャリアの存在は、絶縁膜の電気特性に影響を与え、半導体装置の使用状況によっては絶縁膜を破壊してしまう。
【0007】
以上のように、付着物による汚染は、半導体装置に致命的な問題を引き起こす。この問題を解決するための手法は様々であるが、一旦汚染された半導体装置を正常な状態に回復させることはまず不可能であり、また、付着物の発生自体を防ぐことにも限界がある。そこで、最も効果的な手法として、石英チューブを定期的に洗浄し、付着物のないクリーンな状態を常に維持することが必要である。
【0008】
石英チューブをクリーンな状態に保つことは、所望の半導体装置を製造するためだけではなく、半導体装置のコストダウンにも寄与する。
石英チューブの付着物の影響は石英チューブそのものと、その石英チューブを用いる半導体装置とだけにおよぶものではない。石英チューブの付着物が石英チューブから剥離し、半導体装置を製造する別の製造装置へと付着する場合がある。このことを製造装置の汚染と言う。例えば、石英チューブの保管装置などが汚染される場合がある。本来汚染の発生源とはなり得ない保管装置を介してさらに汚染が広がってしまうのである。
一旦半導体装置の製造装置が汚染されると、汚染した部位を丸ごと交換するか、汚染した部位を取り外し洗浄するなどの専門的な作業が必要となり、そのためには多大な費用と時間を要してしまう。
すなわち、石英チューブをクリーンな状態に保つことは、無駄な費用と時間の発生を防いでいると言え、半導体装置のコストアップを防止する。
【0009】
半導体装置の製造工程において、石英チューブの洗浄は非常に重要である。さらに、その洗浄の善し悪しは、洗浄に用いる洗浄装置の洗浄能力に左右される。よって、半導体装置の製造工程では、より洗浄能力の高い洗浄装置および洗浄方法が求められている。
【0010】
[半導体装置や部品の洗浄を説明する概念図:図7]
以下図面を用いて説明する。図7は、半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄するための洗浄装置の概念図である。図7(a)は、洗浄開始時の状態を示し、図7(b)は、洗浄中の状態を示す。この図において、4は洗浄槽、6は機構部、7は洗浄液、23は保持アーム、25は被洗浄物、28は可動部である。
【0011】
保持アーム23は可動部28により、図7の矢印Bで示すように開閉が可能である。これにより、被洗浄物25を把持することができる。また、保持アーム23は、その上部において機構部6と接続している。機構部6は、図7の矢印A1またはA2の示す方向へ移動可能な機構を有している。洗浄槽4は、その内部に洗浄液7が入っている。
【0012】
次に図7に示す洗浄装置の動作を説明する。図7(a)に示すように、保持アーム23で被洗浄物25を把持して搬送する。保持アーム23を矢印A1の方向に移動し被洗浄物25を洗浄槽4に浸漬させる。保持アーム23は被洗浄物25を離し、図7(b)に示す矢印A2の方向に移動する。これにより、洗浄液7の中には被洗浄物25のみ置かれる。この状態で所定の洗浄時間が経過するのを待つ。この時間の経過に合わせて洗浄液7が被洗浄物25を洗浄する。最後に、保持アーム23で被洗浄物25を再び把持し、洗浄槽4から引き上げ、一連の動作は終了する。
【0013】
以上の説明のように、半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄する際には、被洗浄物25を洗浄液7に浸漬し、洗浄液7の化学作用によって付着物を除去する方法が用いられる。
被洗浄物25に物理的な力を加える方法、例えば、ブラシを押し当て磨くといった方法は一般には用いられない。その理由は、被洗浄物25に物理的な力を加えると、被洗浄物25が破壊されるだけでなく、破壊した被洗浄物25の破片が他の被洗浄物25へと付着し、汚染を引き起こすからである。
【0014】
ところが、図7に示す洗浄装置は、被洗浄物25が半導体装置の製造工程で用いる石英チューブである場合には問題がある。つまり、石英チューブは、石英を材料としているため物理的な強度が低い。そのため、石英チューブを保持アーム23で把持しようとすると、傷が付いたり破損してしまうという問題である。
この問題を回避するために様々な方法が提案されているが、石英チューブを下方より支える方法が知られている。(例えば特許文献1参照)
【0015】
[従来の技術:図6]
図6は特許文献1に示した従来の洗浄装置の構成を表した図である。図6において、3は保持アーム、4は洗浄槽、5は石英チューブ、6は機構部、7は洗浄液である。
保持アーム3は、石英チューブ5の長手方向に直交するように位置している。さらに保持アーム3は、石英チューブ5の外形に沿ったU字型の形状を有し、石英チューブ5を抱えるように支える。また、保持アーム3は、その上部において、機構部6と接続している。機構部6は、図6の矢印Aで示す方向へ移動可能な機構を有している。なお、洗浄槽4には洗浄液7が入っている。
【0016】
次に図6を用いて従来の洗浄装置の動作を説明する。図6に示すように、石英チューブ5を保持アーム3で支える。ちなみに、この後説明する動作は、特に断りがない限り、機構部6の機構によって行われている。
続いて、石英チューブ5を、洗浄槽4に入っている洗浄液7に浸漬させ、洗浄に必要な所定時間を待つ。先に述べたとおり、この所定時間中に洗浄液7の化学作用で石英チューブ5の付着物が除去される。
ところで、洗浄液7の例としては、フッ化水素酸HFと純水H2Oの混合液などを用いる場合が多いが、このような洗浄液7を用いても、石英チューブ5はすぐさまクリーンな状態になるものではない。石英チューブ5を洗浄液7に浸漬させた後に、保持アーム3を上下に揺動するなどして洗浄液7の水流を作り、洗浄効果を上げるなどの動作も合わせて行われる場合が多い。最後に、石英チューブ5を洗浄液7から引き上げ、一連の動作は終了する。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−203801号公報(第4頁、第1−2図)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示した従来の洗浄装置においては、以下のような問題があった。
特許文献1に示した従来の洗浄装置の保持アーム3は、洗浄中は常に石英チューブ5の同じ場所を保持している。このため、石英チューブ5の表面の保持アーム3と接する部分が洗浄できないという問題がある。
保持アーム3の形状は、石英チューブ5の外形に沿ったU字型の形状をしており、この形状は洗浄中に石英チューブ5の脱落を防止するためには有効であるが、保持アーム3と石英チューブ5との接触面積が多く、よって、石英チューブ5の表面で洗浄できない面積も多くなってしまう。
したがって、従来の洗浄装置は、石英チューブ5への付着物を完全に除去することはできず汚染抑制の効果が不十分であり、洗浄装置に本来求められている洗浄能力を満たしていないと言える。
【0019】
本発明の目的は、上記問題を解決し、石英チューブ5の表面をくまなく洗浄することができる洗浄装置および洗浄方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨は、次のような洗浄装置と洗浄方法とを提供する。
この発明による洗浄装置は、保持アームには被洗浄物を載置するための突起部を設けるとともに、洗浄槽の底部には保持アームの下降位置と平面的に重ならない位置に被洗浄物を載置するための台座を設け、突起部で被洗浄物を載置する第1の状態と、保持アームを下降し被洗浄物を保持アームから台座に乗せかえる第2の状態とがある。
【0021】
この発明による洗浄方法は、保持アームに突起部を設けて被洗浄物を載置して被洗浄物と洗浄槽の底部に保持アームの下降位置に対して平面的に重ならない位置に設ける台座とを離間させる第1の洗浄工程と、台座で被洗浄物を載置して被洗浄物と保持アームとを離間させる第2の洗浄工程とを繰り返すものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態を示す図である。ここで、従来の洗浄装置と同一の構成要素には同一の番号を付与している。図2は本発明の洗浄装置の動作を説明するために用いる図であり、図3と図4とは図1に示す本発明の第1の実施の形態の細部を説明するために用いる図である。
【0023】
[構造説明:図1]
まず、図1を用いて説明する。図1に示す洗浄装置において、1は突起用プレート、2は台座、3は保持アーム、4は洗浄槽、5は石英チューブである。
保持アーム3には突起用プレート1を設ける。洗浄槽4の底部には台座2を設ける。保持アーム3と台座2とは平面的に重ならないように設ける。また、保持アーム3は、その上部において、図示はしない機構部6を接続する。機構部6は、図1の矢印Aで示す方向へ移動可能な機構を有するものである。図1には図示はしないが、洗浄槽4には洗浄液7を入れる。
【0024】
図1に示すように、石英チューブ5を保持アーム3に設けた突起用プレート1に載置する。図1において、保持アーム3には突起用プレート1を2つ設け、保持アーム3および台座2はそれぞれ2つ設ける場合を示す。ちなみに、この後説明する動作は、特に断りがない限り、図示しない機構部6の機構によって行う。
【0025】
[本発明の動作の説明:図2]
次に図2を用いて本発明の洗浄装置の動作を説明する。図2は保持アーム3の上下の揺動により洗浄槽4に設ける台座2との間で石英チューブ5を受け渡す様子を示したものである。図2においては、図1では省略した洗浄液7を図示したが、特に洗浄液7の量は意味を持つものではない。
【0026】
本発明の洗浄装置は、洗浄中に第1の状態と第2の状態とを設けることにより、洗浄効果を上げている。
第1の状態とは、保持アーム3が上下に揺動する際の上点における保持アーム3と石英チューブ5との状態を示し、第2の状態とは、保持アーム3が上下に揺動する際の下点における台座2と石英チューブ5との状態を示すものである。次に詳しく説明する。
【0027】
図2(a)は第1の状態として保持アーム3の揺動の上点を表した縦断側面図であり、図2(b)は第2の状態として保持アーム3の揺動の下点を表した縦断側面図である。
保持アーム3と台座2とは平面的に重ならないように設置しているために、保持アーム3の移動によって保持アーム3と台座2とが接触することはない。
保持アーム3を移動し、石英チューブ5を洗浄槽4に入っている洗浄液7に浸漬させる。この状態が第1の状態である。洗浄液7の例としては、フッ化水素酸HFと純水H2Oの混合液がある。第1の状態では、石英チューブ5と台座2とは完全に離間している。
保持アーム3を洗浄槽4の底部方向に移動し、突起用プレート1の位置が台座2の上面より下になると、石英チューブ5は保持アーム3から離れ台座2の上面に乗る。この状態が第2の状態である。第2の状態では、石英チューブ5と保持アーム3とは完全に離間している。
この第1の状態と第2の状態との違いは、石英チューブ5が載置される場所が異なることである。これによって、石英チューブ5と他の部材とが接する場所が変わるために石英チューブ5はくまなく洗浄できる。
保持アーム3を洗浄槽4の上部方向に移動し、突起用プレート1の位置が台座2の上面より上になると、石英チューブ5は台座2から離れ保持アーム3に乗る。つまり、再び第1の状態に戻る。
【0028】
すなわち、保持アーム3を上下に揺動することで、第1の状態と第2の状態とになり、保持アーム3と台座2とで石英チューブ5の受け渡しを行うことができる。
先に説明した通り、洗浄液7の化学作用によって石英チューブ5が洗浄されるのであるから、その洗浄の度合いは同じ洗浄液であれば浸漬している時間で決まる。本発明の第1の状態も第2の状態も石英チューブ5が洗浄液7に浸漬している状態であるから、第1の状態であっても第2の状態であっても洗浄が行われている。
したがって、洗浄効果を上げるには、第1の状態で所定の時間を待っても良いし、第2の状態で所定の時間を待っても良い。また、保持アーム3の上下の揺動を洗浄に必要な所定時間だけ続け、第1の状態と第2の状態とを繰り返しても良い。被洗浄物である石英チューブ5の汚染の状況に応じて変更が可能である。
洗浄が終了すると、保持アーム3を引き上げ、石英チューブ5を洗浄槽4から出し一連の動作は終了する。
【0029】
本発明の特徴は、この第1の状態と第2の状態とを持つことにある。従来にはない2つの状態を持つことにより、保持アーム3と石英チューブ5とが常に接している部分が無くなり、石英チューブ5をくまなく洗浄することができる。もちろん、第1の状態での洗浄時間と第2の状態での洗浄時間とを変えてもよい。
次に図を用いて本発明の細部を説明する。
【0030】
[保持アームの構造説明:図3]
次に、本発明の洗浄装置の保持アーム3について図3を用いて説明する。図3は、保持アーム3の湾曲部の内側に設ける突起用プレート1を示す図である。図3(a)は、斜視図であり、図3(b)は、石英チューブ5を載置した状態での縦断側面図である。
【0031】
図3(a)に示すように、保持アーム3に突起用プレート1を設ける。図3(b)に示すように、この突起用プレート1が石英チューブ5と直接接触する部分となる。図3においては、保持アーム3には突起用プレート1を2つ設ける場合を示す。
特許文献1に示した従来の技術に比べ、この突起用プレート1により保持アーム3と石英チューブ5との接触面積が小さくなっている。したがって、石英チューブ5の外周面はより多くの洗浄液7と接触することができ、洗浄できない箇所は極めて小さくなる。
また、洗浄開始時には石英チューブ5は汚染されているが、この汚染されている石英チューブ5と保持アーム3との接触面積が小さいほど、保持アーム3への汚染の進行をより少なくすることができるという利点もある。
保持アーム3は、石英チューブ5の外形に沿って湾曲したU字型の形状である。このような形状であるから、突起用プレート1により保持アーム3と石英チューブ5との接触面積が小さくても、洗浄中に保持アーム3から石英チューブ5が脱落することはない。
【0032】
[台座の説明:図4]
次に、本発明の洗浄装置の台座2について図4を用いて説明する。図4は、洗浄槽4に設けた台座2を示す図である。図4(a)は斜視図であり、図4(b)は石英チューブ5を載置した状態での縦断側面図である。台座2の上端は側面から見てV字型の形状をしており、この台座2のV字型の上面にて石英チューブ5の外周と接触する。
台座2はこのようにV字型の形状とすることによって、石英チューブ5を確実に載置することができる。
【0033】
[本発明の第2の実施の形態:図5]
図5は本発明の第2の実施の形態を示す。図5(a)は斜視図であり、図5(b)は石英チューブ5を支持した状態での縦断側面図である。5は石英チューブ、11は突起部、13は保持アームである。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、保持アーム13である。保持アーム13は、湾曲部の内側に突起部11を設ける。突起部11は、保持アーム13と一体に形成している。図5においては、突起部11を保持アーム13に2つ設ける場合を示す。
【0034】
図5(b)で示すように、石英チューブ5を保持アーム13の湾曲部の内側に設けた突起部11上に載置することにより、保持アーム13に突起部を設けない場合と比べ、石英チューブ5との接触面積が小さくなる。その理由と効果は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態の洗浄装置は、突起部11が保持アーム13と一体に形成しているために、洗浄装置を構成する部品数を減らし、コストダウンに寄与するものである。
【0035】
以上、本発明を具体的に説明したが、本発明は、既に説明した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。
【0036】
本発明の第1の実施の形態で示す保持アーム3に設ける突起用プレート1および本発明の第2の実施の形態で示す保持アーム13に設ける突起部11の表面には、微小な凹凸を設けて摩擦力を高めることで石英チューブ5のがたつきを防止することもできる。
また、保持アーム3に設ける突起用プレート1を保持アーム3と異なる材質で構成しても良い。例えば、ふっ素樹脂やふっ素ゴムで構成する。このような構成にすることで、石英チューブ5が滑りにくくなり洗浄中の石英チューブ5の落下などの不測の事態を防止できる。
【0037】
さらに、保持アーム3(あるいは保持アーム13)の動作により洗浄効果を上げることもできる。すでに、第1の状態と第2の状態とを繰り返すことによって洗浄効果を上げることは説明したが、それに限定するものではない。
第1の状態において、保持アーム3(あるいは保持アーム13)を上下に揺動させてもよい。石英チューブ5を保持アーム3(あるいは保持アーム13)から台座2に受け渡すことがないほどの微小な上下の揺動を行うのである。それによって、保持アーム3(あるいは保持アーム13)の上下の揺動により発生した洗浄液7の水流を用いて石英チューブ5を洗浄するものである。
【0038】
また、図4に示す台座2の上端の形状は、V字型の形状に限定されるものではない。被洗浄物である石英チューブ5の形状に合わせて形状の変更が可能である。例えば、石英チューブ5の外形の形状に合わせてU字型の形状にしてもよい。この場合の効果としては、洗浄液7の水流による石英チューブ5と台座2との不測のがたつきを低減し、より確実に支持できるというものである。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の洗浄装置は、保持アームの保持部に突起部を設け、石英チューブを突起部に載置し、保持アームと台座との間で石英チューブの受け渡しを行う機能を有する。石英チューブを保持アームに載置し洗浄液に浸漬する第1の状態と、石英チューブを台座に載置する第2の状態とを有するものである。
これにより、本発明の洗浄装置は、石英チューブの表面において、石英チューブが他の部材と常に接触している部分がなくなり、石英チューブの表面をくまなく洗浄することができるという従来にはない優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す洗浄装置の斜視図である。
【図2】(a)本発明の洗浄装置の第1の状態を説明する縦断側面図である。
(b)本発明の洗浄装置の第2の状態を説明する縦断側面図である。
【図3】(a)本発明の第1の実施の形態における保持アームを示す斜視図である。
(b)本発明の第1の実施の形態における石英チューブが保持アームに載置した状態を示す縦断側面図である。
【図4】(a)本発明の洗浄装置における台座を示す斜視図である。
(b)本発明の洗浄装置における石英チューブが台座に載置した状態を示す縦断側面図である。
【図5】(a)本発明の第2の実施の形態における保持アームを示す斜視図である。
(b)本発明の第2の実施の形態における石英チューブが保持アームに載置した状態を示す縦断側面図である。
【図6】従来の洗浄装置の斜視図である。
【図7】(a)半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄する際の概念図である。
(b)半導体装置および半導体装置の製造装置(部品を含む)を洗浄する際の概念図である。
【符号の説明】
1 突起用プレート
2 台座
3 保持アーム
4 洗浄槽
5 石英チューブ
6 機構部
7 洗浄液
11 突起部
13 保持アーム
23 保持アーム
25 被洗浄物
28 可動部
Claims (7)
- 被洗浄物を支える保持アームと洗浄液を入れた洗浄槽とよりなり、前記保持アームで保持した被洗浄物を前記洗浄槽の洗浄液に浸漬して洗浄を行う洗浄装置において、
前記保持アームには前記被洗浄物を載置するための突起部を設けるとともに、
前記洗浄槽の底部には、前記保持アームの下降位置と平面的に重ならない位置に前記被洗浄物を載置するための台座を設け、
前記突起部で前記被洗浄物を載置する第1の状態と、
前記保持アームを下降し前記被洗浄物を前記保持アームから前記台座に乗せかえる第2の状態とがあることを特徴とする洗浄装置。 - 前記第1の状態と前記第2の状態とを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
- 前記突起部と前記台座とが複数設けていることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
- 前記突起部は、前記保持アームとは別部材で構成することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
- 前記突起部は、前記保持アームの表面に凹凸を設けることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
- 前記突起部は、ふっ素樹脂またはふっ素ゴムを用いることを特徴とする請求項4に記載の洗浄装置。
- 被洗浄物を支える保持アームと洗浄液を入れた洗浄槽とよりなり、前記保持アームで保持した被洗浄物を前記洗浄槽の洗浄液に浸漬して洗浄を行う洗浄方法において、
前記保持アームに突起部を設けて前記被洗浄物を載置して前記被洗浄物と前記洗浄槽の底部に前記保持アームの下降位置に対して平面的に重ならない位置に設ける台座とを離間させる第1の洗浄工程と、
前記台座で前記被洗浄物を載置して前記被洗浄物と前記保持アームとを離間させる第2の洗浄工程とを繰り返すことを特徴とする洗浄方法。
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Cited By (2)
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JP2005288333A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Mitsubishi Materials Polycrystalline Silicon Corp | 多結晶シリコンの洗浄方法と洗浄装置 |
CN102658277A (zh) * | 2012-05-07 | 2012-09-12 | 苏州金牛精密机械有限公司 | 驱动轴清洗工装 |
-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003062817A patent/JP2004267922A/ja active Pending
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