JP2004267815A - 水質調整装置及び水質調整方法 - Google Patents

水質調整装置及び水質調整方法 Download PDF

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Kiyoaki Matsui
清明 松井
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Abstract

【課題】原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水等を効率良く生成することにより、所望の水質に効率良く調整する水質調整装置及び水質調整方法を提供することを目的とする。
【解決手段】炭酸成分を含む原水から炭酸成分を除去した処理水を生成する前処理用の処理装置3と、一対の電極が設けられた電解槽とを備え、電極に通電することによって水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整装置であって、処理装置3が、原水を加熱する加熱・冷却ユニット17を備え、原水を加熱することによって炭酸成分を気化して除去することを特徴とする。これにより、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水を効率良く生成することができ、所望の水質に効率良く調整することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水、井戸水などの原水の水質を調整する水質調整装置及び水質調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、「健康ブーム」を反映してアルカリ性や酸性のイオン水(電解水)を生成するイオン水生成器(水質調整装置)が普及しつつある。一般に、アルカリ性の電解水は、健康増進に効果があると考えられており、また、酸性の電解水は、洗顔などに適していると考えられている。このイオン水生成器は、陰極と陽極を有する電解槽内で水道水、井戸水など原水を電気分解することによって、陰極および陽極側にそれぞれアルカリ性および酸性の電解水を生成するものである。
【0003】
しかしながら、井戸水などの地下水を原水として用いた場合には、適度なアルカリ性の電解水が得られない場合が多々発生する。これは地下水に含まれる炭酸成分に起因する。以下、これについて説明する。
【0004】
炭酸は弱酸であり、一部が乖離して下式のように水素イオン(H)と炭酸水素イオン(HCO )を生成している。
【0005】
CO+HO→H+HCO (式1)
一方、炭酸を含んだ水はpHが低下しており、pH5.6で、炭酸は20%程度乖離した状態にある。電気分解により、陰極及び陽極では以下の反応が生じる。
【0006】
(陰極)
2HO+2e→H+2OH (式2)
(陽極)
2HO→O+4H+2e (式3)
陰極で生成したOHは乖離した炭酸のHと反応し、HOとなる。乖離したHが消費されると、(式1)における炭酸の乖離平衡が右辺側に傾き、更にHの乖離が生じてOHが消費され、最終的に炭酸成分が無くなるまでpHはアルカリ性に移行しない。したがって、炭酸成分を含んだ水を原水として用いた場合には、所望の電解水を効率良く生成できないという問題があった。
【0007】
この問題を解決するために、原水から炭酸成分を除去するための技術が種々試みられている。例えば、塩基性陰イオン交換樹脂を用いて炭酸水素イオンを吸着し、水酸化物イオンと交換する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
これは、電解槽に原水を導く前に略筒状の空間にイオン交換樹脂層を構成し、直径が例えば0.3mm〜2mm程度の粒子状のイオン交換樹脂によって炭酸水素イオンを吸着除去するというものである。
【0009】
一方、消費されるOHを予め見込んでおき、消費される以上のOHを生成する電気分解を行なうことにより、所望のアルカリ性の電解水を得ようとする技術もある(例えば、特許文献2参照。)。この技術は、処理前の原水の電気伝導度を測定し、これに基づいて炭酸の濃度を推定し、推定された濃度の炭酸を消費する以上の電気量を与え、所望のアルカリ性の電解水を得るというものである。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−76268号公報
【特許文献2】
特開平7−108272号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、イオン交換樹脂の実用的な交換サイクル(例えば半年)を考慮すると、大量のイオン交換樹脂が必要となって装置が極めて大型化するという問題があった。また、イオン交換樹脂量を少なくすると極めて短サイクルで樹脂を交換する必要が生じ、メンテナンス作業が非常に煩雑となるという問題があった。
【0012】
また、特許文献2に開示された技術では、(式1)の反応が瞬時に進むものではないことから、電気分解直後のpHが非常に高く、時間の経過とともに徐々に所定のpHに落ち着くため、所望のpHの電解水を効率良く生成できないという問題があった。また、電気伝導度に対する炭酸の寄与度は必ずしも高いものではないため、炭酸濃度を誤って推定する可能性が高く、所望のpHの電解水を得られないという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水等を効率良く生成することにより、所望の水質に効率良く調整することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、炭酸成分を含む原水から炭酸成分を除去した処理水を生成する前処理部と、一対の電極が設けられた電解槽とを備え、電極に通電することによって処理水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整装置であって、前処理部が、原水を加熱する加熱器を備え、原水を加熱することによって炭酸成分を気化して除去することを特徴とする。
【0015】
これにより、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水を効率良く生成することができ、所望の水質に効率良く調整することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成する前処理部と、一対の電極が設けられた電解槽とを備え、該電極に通電することによって処理水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整装置であって、前処理部が、原水を加熱する加熱器を備え、原水を加熱することによって炭酸成分を気化して除去するように構成したものであり、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水を効率良く生成することができ、所望の水質に効率良く調整することができる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前処理部が、原水を貯留する貯留室を備えるように構成したものであり、原水を貯留することができる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、貯留室が、気体と液体を分離するための気液分離膜で形成され、かつ、前処理部が、貯留室を気液分離膜を介して吸引する真空ポンプを備え、加熱により気化した炭酸成分を真空ポンプによって吸引するように構成したので、加熱により気化した炭酸成分を速やかに排除することができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、気液分離膜は保持体によって保持されており、保持体が多孔質体で形成されるように構成したので、通気性を確保しつつ気液分離膜の形状を保持することができる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項3の発明において、前処理部が、原水を貯留室の中で循環させる循環ポンプを備えるように構成したので、炭酸成分の排除を促進することができる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項2の発明において、貯留室が、水を循環させる循環路を備えるように構成したので、水をスムーズに循環させることができる。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、水を冷却するための冷却器を備えるように構成したので、加熱して温度が上昇した水を所望の温度に冷却することができる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、請求項1の発明の加熱器に代えて、加熱と冷却の双方が可能な加熱冷却手段を備えるように構成したので、前処理部をコンパクトに構成することができる。
【0024】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、加熱冷却手段がペルチェ素子で構成されているので、加熱冷却手段を簡易かつ低コストで構成することができる。
【0025】
請求項10の発明は、炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成する前処理部と、一対の電極が設けられた電解槽とを備え、該電極に通電することによって水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整装置であって、さらに処理水に炭酸ガスを供給して炭酸水を生成するための炭酸ガス供給手段を備え、電解水を生成する場合には処理水を電解槽に導いて電気分解し、炭酸水を生成する場合には炭酸ガス供給手段により処理水に炭酸ガスを供給するように構成したので、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水または所望の炭酸ガスを含む炭酸水を効率良く生成することができ、所望の水質に効率良く調整することができる。
【0026】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前処理部が、原水を加熱する加熱器を備え、原水を加熱することによって炭酸成分を気化して除去するように構成したので、気化した炭酸成分を速やかに排除することができる。
【0027】
請求項12の発明は、炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成した後、該処理水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整方法であって、処理水が、原水を加熱し炭酸成分を気化して除去することによって生成されるように構成したので、電解水の生成をメンテナンス容易に実現でき、所望の水質に効率良く調整することができる。
【0028】
請求項13の発明は、請求項12の発明において、炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成した後、該処理水に炭酸ガスを供給し、水質を炭酸水に調整するように構成したので、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望の炭酸ガスを含む炭酸水を効率良く生成することができ、所望の水質に効率良く調整することができる。
【0029】
請求項14の発明は、請求項13の発明において、処理水が、原水を加熱し炭酸成分を気化して除去することによって生成されるように構成したので、炭酸水の生成ををメンテナンス容易に実現できる。
【0030】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における水質調整装置の概要を示す図、図2は本発明の実施の形態1における前処理部の概要を示す図である。以下、これらの図面を参照しながら本発明の実施の形態1について説明する。まず、装置について説明する。
【0031】
図1において、1は原水供給パイプ、2は浄水カートリッジ、3は処理装置(本発明の前処理部)、4は電解槽、5は陰極、6は陽極、7はアルカリ水吐水管、8は酸性水吐水管、9は隔膜、10は陰極室、11は陽極室、12は連絡バルブ、26は流量センサーである。
【0032】
この水質調整装置は、炭酸成分を含んだ水道水、井戸水などの原水から炭酸成分を除去することによって、水質の調整が容易で取り扱いやすい処理水を生成した後、その処理水を電気分解して、種々の用途があるアルカリ性や酸性の電解水を生成したり、あるいは、処理水に炭酸ガスを添加して、さわやかな清涼感のある炭酸水を生成したりする、というような水質調整を行うものである。
【0033】
炭酸成分を含んだ水道水、井戸水などの原水が原水供給パイプ1から供給され、浄水カートリッジ2において原水の中の不純物が取り除かれる。浄水カートリッジ2は、活性炭部と中空糸膜部からなり、活性炭部で残留塩素の分解及びTHM等の消毒副生成物やシマジンやチウラム等の残留農薬及び2−MIB等の臭気物質を吸着除去し、中空糸膜部で微細な濁り成分や細菌類を濾過する。浄水カートリッジ2によって不純物が取り除かれた原水は、流量センサー26を通過して処理装置3に導かれる。流量センサー26は、処理装置3に流入する原水の流量を検出する。流量センサー26が検出する流量に基づいて、原水供給パイプからの通水(原水の供給)の有無が判断される。処理装置3は、不純物が取り除かれた原水を処理する(詳細は後述)。処理装置3で処理された処理水は、水の電気分解を行う電解槽4に導かれる。電解槽4は、隔膜9で隔てられた陰極室10と陽極室1とからなっている。陰極室10には陰極5が、陽極室11には陽極6が設けられている。陰極室10と陽極室11は連絡バルブ12の開閉により、連通・遮断が可能となっている。電解槽4における電気分解によって陰極5に生成されたアルカリ性の電解水(アルカリ水)はアルカリ水吐出管7から吐出され、陽極6に生成された酸性の電解水(酸性水)は酸性水吐出管8から吐出される。
【0034】
以下、処理装置3の構成について説明する。図2において、13は貯留槽分離バルブ、14は外ケース、15は内ケース、16は保持体、17は加熱・冷却ユニット、18はヒートシンク、19は炭酸ガス貯蔵槽、20は真空ポンプ、21は循環ポンプ、22は炭酸ガスバルブ、23は真空バルブ、24は貯留槽、25は給・排気管である。
【0035】
この処理装置3は、電解水や炭酸水を生成する前に、原水に対して前処理を行って処理水を生成するものであり、炭酸成分を含んだ水道水、井戸水などの原水から炭酸成分を除去することによって、水質の調整が容易で取り扱いやすい処理水を生成するものである。
【0036】
そして処理装置3は、原水を貯留する貯留槽24を備えている。貯留槽24の容量は、一回分の飲用に適するように、1L〜5L程度となっている。なお、貯留槽24は必須のものではないが、貯留槽24を備えていた方が、水の循環・冷却等も可能となるので望ましい。また、貯留槽24を備えていると、電解水や炭酸水を使用しない時(例えば、夜間等)に予め処理水を生成し所望の温度に保持して貯留することができ、水質調整前に水の加熱・冷却時間を待つ必要がなくなるので望ましい。
【0037】
貯留槽24は外形を形成する外ケース14と、外ケース14の内部に設けられ原水と接する内ケース15で構成されている。内ケース15は、気体と液体を分離可能な薄膜の気液分離膜からなる高分子の袋状のケースである。袋状の内ケース15の内部は、原水を貯留する貯留室を形成する。薄膜で形成された内ケース15は、ある程度の剛性を有する保持体16に保持されることによって、その形状を保っている。保持体16は、ポーラスセラミックス等からなる多孔質体で構成されている。この多孔質体には微小な孔が多数形成されておりその孔を空気が透過できるようになっている。これにより、通気性を確保しつつ気液分離膜の形状を保持することができる。なお、保持体16は、網目を有する金属網などによって構成してもよい。
【0038】
内ケース15に密着して加熱器及び冷却器の2つの機能を兼ね備えた加熱冷却手段としての加熱・冷却ユニット17が配置されている。これにより、装置をコンパクトに構成することが可能となっている。加熱・冷却ユニット17を加熱器として機能させることによって貯留槽24に貯留された原水を加熱すると、原水の水温が上昇し、原水に含まれた炭酸成分は気化して原水から放出・除去される。加熱されて温度が上昇し炭酸成分が取り除かれた処理水は、加熱・冷却ユニット17を冷却器として機能させることによって所望の温度まで冷却される。また、加熱・冷却ユニット17は、主として、印加する電圧の極性を切り替えることによって加熱と冷却の双方が可能となるペルチェ素子によって構成されているため、簡易かつ低コストで加熱・冷却ユニット17を構成することが可能となっている。加熱・冷却ユニット17に接してヒートシンク18が設けられている。ヒートシンク18は、加熱・冷却ユニット17で発生した熱の放熱を促進する。
【0039】
貯留槽24における内ケース15の内部の貯留室には、貯留された水を循環させる循環ポンプ21が設けられている。これにより、水の循環・攪拌によって炭酸成分を効率良く排除できるとともに、貯留された水を効率良く加熱・冷却することが可能となっている。また、貯留槽24には内ケース15によって貯留室を一巡する循環路が形成されている(図2における矢印参照)。これにより、貯留された水が循環路に沿ってスムーズに循環することが可能となっている。貯留槽24の下流側(図2における上方)の流出口には、開閉により貯留槽24からの水の流出を許容・停止できる貯留槽分離バルブ13を備えている。
【0040】
内ケース15の内部の貯留室は給・排気管25を介して真空ポンプ20に接続されており、真空ポンプ20を作動させることによって、気液分離膜からなる内ケース15を介して、貯留室を吸引・減圧することが可能となっている。この吸引により、加熱により気化した炭酸成分を速やかに排除することができる。
【0041】
真空ポンプ20と給・排気管25の間には、開閉により真空ポンプ20と給・排気管25の間を接続・遮断する真空バルブ23が設けられている。真空ポンプ20は、到達圧力が10〜50kPa程度のダイアフラム型真空ポンプとなっている。
【0042】
また、給・排気管25の途中から分岐して炭酸ガス貯蔵槽19が接続されている。炭酸ガス貯蔵槽19と給・排気管25の間には、開閉により炭酸ガス貯蔵槽19と給・排気管25の間を接続・遮断する炭酸ガスバルブ22が設けられている。炭酸ガスバルブ22を開くと、気液分離膜からなる内ケース15を介して、貯留室に炭酸ガスが供給され、貯留室に貯留された処理水に炭酸ガスが供給されて、処理水に炭酸ガスが溶解する。炭酸ガス貯蔵槽19と炭酸ガスバルブ22は、処理水に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給手段を構成する。なお、この炭酸ガス供給手段は、処理水が吐出される前の位置であればどこに設けてもよいが、処理装置3の内部に設けると、水質調整装置をまとまりよくコンパクトに構成することができるので望ましい。
【0043】
上述のように、この水質調整装置は、一対の電極が設けられた電解槽の電極に通電することによって水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整するための電解水生成装置としての機能と、炭酸ガス供給手段によって処理水に炭酸ガスを供給し、水質を炭酸水に調整する炭酸水生成装置としての機能との2つの機能を兼ね備えたものとなっている。なお、炭酸ガス供給手段は必須のものではなく、したがって、炭酸水生成装置としての機能も必須のものではないが、炭酸ガス供給手段を備えた方が、必要に応じて電解水と炭酸水を選択的に生成できるので望ましい。
【0044】
次に、動作について説明する。流量センサー26によって貯留槽24への通水が停止されたことを検知すると、貯留槽24の吐水側に配置した貯留槽分離バルブ13が閉じる。次いで、循環ポンプ21が作動することにより、貯留槽24に貯留された原水が循環を始める。貯留槽24には内ケース15によって貯留室を一巡する循環路が形成されているので、貯留室に貯留された原水はこの循環路に沿ってスムーズに循環する(図2における矢印参照)。この時の循環流量は0.1L/分〜1L/分程度が望ましいが、特にこれに限定されるものではない。また、循環ポンプ21の作動中に、加熱・冷却ユニット17を加熱器として機能させることによって貯留槽24に貯留された原水を加熱する。更に、加熱の際、貯留室が保持体16を介して真空ポンプ20によって吸引・減圧される。
【0045】
所定時間経過後、真空ポンプ20の作動を停止する。なお、このとき、保温状態を維持するため、真空ポンプ20の手前の真空バルブ23を閉じておき、減圧状態は保ったままにしておく。次に、加熱・冷却ユニット17の極性を切替えて冷却器として機能させ、処理水を冷却する。この時、循環ポンプ21は継続して作動させている。処理水が冷却され水温が所定の温度まで低下すれば、処理水の循環および冷却を停止し、流出口の貯留槽分離バルブ13を開き、次の使用に備える。
【0046】
原水供給バルブ1の上流に設けられた元止めの給水バルブ(図示せず)を開くと、水道水(原水)が貯留槽24に流入し、炭酸が除去され、かつ冷却され所望の温度となった貯留槽24内の水は押し出され、電解槽4に運ばれる。
【0047】
電解槽4は隔膜9により、陰極室10と陽極室11に分離されており、電解水を生成して利用する場合には、連絡バルブ12が開いてそれぞれの室に前処理された水が送り込まれる。次いで、連絡バルブ12を閉じ、陰極5と陽極6の間に所定の電圧を印加し、処理水が電気分解された後、アルカリ水吐水管7からアルカリ水を、酸性水吐水管8から酸性水を分離して吐出する。これにより、所望のpHの電解水が効率良く生成される。
【0048】
また、電解水は生成・利用せず、炭酸水を生成して利用する場合には、炭酸成分が除去された処理水を冷却して所望の温度とした後、炭酸ガス貯蔵槽19の炭酸ガスバルブ22を開き、気液分離膜からなる内ケース15を介して炭酸ガスを貯留室に注入することによって処理水に炭酸ガスを供給する。貯留槽24から吐水される水は所望の炭酸ガスが溶解した炭酸水となっており、この炭酸水は、アルカリ水吐水管7から吐水される。これにより、所望の炭酸ガスを含みさわやかな清涼感のある炭酸水が効率良く生成される。なお、この時、酸性水槽11とつながる連絡バルブ12は閉じられており、かつ、電解槽4の陰極5と陽極6の間には、電圧が印加されていないため、電気分解が生じない状態となっている。
【0049】
上述のように、炭酸成分を含む原水から炭酸成分を除去した処理水を生成した後に、この処理水を用いて電解水生成・炭酸水生成などの水質調整を行うので、炭酸成分を多く含む地下水等の水を原水として使用する場合でも、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水または所望の炭酸ガスを含む炭酸水を効率良く生成することができる。
【0050】
また、炭酸成分を含む原水を加熱することによって炭酸成分を気化して除去するので、大量のイオン交換樹脂を必要とせず、イオン交換樹脂のメンテナンスも必要としない。したがって、水質調整装置をコンパクトかつメンテナンス容易に構成できる。
【0051】
さらに、気体と液体を分離するための気液分離膜で形成された貯留室を、この気液分離膜を介して真空ポンプで吸引するので、加熱により気化した炭酸成分を速やかに排除することが出来る。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、炭酸成分を含む原水から炭酸成分を除去した処理水を生成した後に、この処理水を用いて電解水生成・炭酸水生成などの水質調整を行うので、炭酸成分を多く含む地下水等の水を原水として使用する場合でも、原水の炭酸濃度の影響を受けずに、所望のpHの電解水または所望の炭酸ガスを含む炭酸水を効率良く生成することができ、所望の水質に効率良く調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における水質調整装置の概要を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における処理装置の概要を示す図
【符号の説明】
1 原水供給パイプ
2 浄水カートリッジ
3 処理装置
4 電解槽
5 陰極
6 陽極
7 アルカリ水吐水管
8 酸性水吐水管
9 隔膜
10 陰極室
11 陽極室
12 連絡バルブ
13 貯留槽分離バルブ
14 外ケース
15 内ケース
16 保持体
17 加熱・冷却ユニット
18 ヒートシンク
19 炭酸ガス貯蔵槽
20 真空ポンプ
21 循環ポンプ
22 炭酸ガスバルブ
23 真空バルブ
24 貯留槽
25 給・排気管
26 流量センサー

Claims (14)

  1. 炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成する前処理部と、一対の電極が設けられた電解槽とを備え、該電極に通電することによって前記処理水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整装置であって、
    前記前処理部が、前記原水を加熱する加熱器を備え、前記原水を加熱することによって前記炭酸成分を気化して除去することを特徴とする水質調整装置。
  2. 前記前処理部が、前記原水を貯留する貯留室を備えたことを特徴とする請求項1記載の水質調整装置。
  3. 前記貯留室が、気体と液体を分離するための気液分離膜で形成され、かつ、前記前処理部が、前記貯留室を前記気液分離膜を介して吸引する真空ポンプを備え、加熱により気化した炭酸成分を前記真空ポンプによって吸引することを特徴とする請求項2記載の水質調整装置。
  4. 前記気液分離膜は保持体によって保持されており、前記保持体が多孔質体で形成されていることを特徴とする請求項3記載の水質調整装置。
  5. 前記前処理部が、前記原水を前記貯留室の中で循環させる循環ポンプを備えたことを特徴とする請求項2記載の水質調整装置。
  6. 前記貯留室が、水を循環させる循環路を備えたことを特徴とする請求項2記載の水質調整装置。
  7. 水を冷却するための冷却器を備えたことを特徴とする請求項1記載の水質調整装置。
  8. 請求項1記載の加熱器に代えて、加熱と冷却の双方が可能な加熱冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の水質調整装置。
  9. 前記加熱冷却手段がペルチェ素子で構成されたことを特徴とする請求項8記載の水質調整装置。
  10. 炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成する前処理部と、一対の電極が設けられた電解槽とを備え、該電極に通電することによって前記処理水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整装置であって、
    さらに前記処理水に炭酸ガスを供給して炭酸水を生成するための炭酸ガス供給手段を備え、前記電解水を生成する場合には前記処理水を前記電解槽に導いて電気分解し、前記炭酸水を生成する場合には前記炭酸ガス供給手段により前記処理水に炭酸ガスを供給することを特徴とする水質調整装置。
  11. 前記前処理部が、前記原水を加熱する加熱器を備え、前記原水を加熱することによって前記炭酸成分を気化して除去することを特徴とする請求項10記載の水質調整装置。
  12. 炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成した後、該処理水を電気分解し、水質をアルカリ性または酸性の電解水に調整する水質調整方法であって、
    前記処理水が、前記原水を加熱し前記炭酸成分を気化して除去することによって生成されることを特徴とする水質調整方法。
  13. 炭酸成分を含む原水から該炭酸成分を除去した処理水を生成した後、該処理水に炭酸ガスを供給し、水質を炭酸水に調整することを特徴とする請求項12記載の水質調整方法。
  14. 前記処理水が、前記原水を加熱し前記炭酸成分を気化して除去することによって生成されることを特徴とする請求項13記載の水質調整方法。
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