JP2004267445A - 手術装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】体内に挿入する挿入部外周の温度を術者が知り得るようにした手術装置を提供することにある。
【解決手段】先端に処置部を有し、かつ、処置部の後方から手元側に延出する挿入部を有した手術装置において、上記挿入部の少くとも一部に温度変化により視認形態が変化する視認部15を設けたもの。
【選択図】 図1
【解決手段】先端に処置部を有し、かつ、処置部の後方から手元側に延出する挿入部を有した手術装置において、上記挿入部の少くとも一部に温度変化により視認形態が変化する視認部15を設けたもの。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内の結石や組織に超音波または高周波や電磁波その他のエネルギーを与え、結石破砕や組織の乳化、切開または凝固等の処置を行なう手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉗子や超音波メス等の処置具において、体腔内に挿入する挿入部の外周壁部分はステンレス等の金属やテフロン、ポリサルホン、PEEK等の樹脂で形成されてきた。また、高周波電流を通電して使用する高周波処置鉗子や超音波振動による超音波メス等の手術装置では物理的エネルギーを熱に変換し、その熱を利用して手術するようにしている。しかし、熱を手術に利用する場合、発生した熱が挿入部外周に伝わったり、冷却液が何らかの理由で流れなかったりした場合には挿入部の外周温度が上昇する虞がある。
【0003】
下記の特許文献1では内視鏡の操作部、内視鏡と照明光供給ユニットとの接続部、またはライトガイドコネクターに可逆性の感温変色性色素を含む塗料を用いて温度が上昇すると変色する高温表示部を設けて高温を感知するようにした内視鏡装置が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−51869号公報(明細書の段落番号「0045」及び「0046」の欄または図1を参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の内視鏡装置は照明光を伝達するライトガイドやランプのコネクタやソケット等の接続部付近で照明光に含まれる熱により上昇する温度を表示させようとするものであり、この内視鏡装置は体腔内の生体組織部位に熱を加えて手術しようとするものではない。
【0006】
一方、高周波処置鉗子や超音波メス等の処置具では体腔内に挿入した挿入部において高周波電流を通電したり、超音波振動を与えたりすることによる発生する熱で体腔内の生体組織部位を手術しようとする。このような装置では物理的エネルギーを熱に変換してその熱を手術に利用するため、体内に挿入する挿入部も加熱され、その挿入部の外周温度が上昇しやすい。このような場合、処置具の挿入部を体内に挿入して使用するため、挿入部が体内の目的組織以外の組織に接触するので、挿入部の温度上昇は監視しておきたい。しかし、肉眼では温度が上昇した事態は分からなかった。
【0007】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、体内に挿入する挿入部外周の温度を術者が識別できるようにした手術装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、先端に処置部を有し、かつ、処置部の後方から手元側に延出する挿入部を有した手術装置において、
上記挿入部の少くとも一部に温度の変化により形態を変える示温部を設けたことを特徴とする手術装置である。
請求項2に係る発明は、上記示温部は色が温度により可逆的に変化して形態が視認可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の手術装置である。
請求項3に係る発明は、上記示温部は挿入部の外周形状が温度により可逆的に変化して形態が視認可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の手術装置である。
請求項4に係る発明は、上記挿入部は周壁部に断熱層を有したシースにより形成され、上記示温部を上記挿入部の外周に設けたことを特徴とする請求項1に記載の手術装置である。
請求項5に係る発明は、上記挿入部の温度変化により形態が変化する示温部を手元部に設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の手術装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る手術装置について説明する。図1は本実施形態に係る超音波処置具1の縦断面図である。
【0010】
超音波処置具1は体腔内に挿入する挿入部としてのシース2を備え、このシース2内にプローブ3を挿通するようになっている。シース2の基端には、超音波処置具1の手元部を構成し、かつ上記超音波振動子4を着脱自在に接続する接続部5が設けられている。この接続部5には送水口金6が設けられ、この送水口金6は上記シース2内に連通している。送水口金6には送水チューブ(図示せず)が接続され、送水口金6からシース2内へ送水できるようになっている。
【0011】
上記プローブ3は超音波振動子4に連結されて、プローブユニットを構成している。このプローブユニットはプローブ3の部分をシース2内に挿入し、超音波振動子4の部分を接続部5に係着することによりシース2に対して着脱自在に装着できるようになっている。
【0012】
上記プローブ3の中間部はシース2によって覆われており、プローブ3の中間部が直接に生体組織に接触することを防ぐようになっている。また、プローブ3の先端部分はシース2の先端から突き出して露出しており、この露出した先端部分によって処置部7を形成している。上記シース2は処置部7の後方から手元側に延出して挿入部を形成している。
【0013】
また、シース2とプローブ3の間には所定の隙間8が空けられ、その隙間8によって送水口金6に通じた送水通路9を形成している。
超音波振動子4の後端にはケーブル11が接続されている。ケーブル11は図示しない電源に接続され、その電源から供給される駆動電流を超音波振動子4内部の電歪素子あるいは磁歪素子に微小振動を発生させるようになっている。
【0014】
超音波振動子4内にはプローブ3の内孔12から吸引した結石の破砕片や組織片または体液等を体外に排出するための吸引孔(図示せず)が設けられている。また、超音波振動子4の後端には上記吸引孔に通じた吸引口金13が設けられている。そして、この吸引口金13に接続した図示しない吸引チューブを通じて破砕片や組織片または体液等を体外に吸引するようになっている。
【0015】
上記挿入部の少くとも一部には温度変化により性状や形状などの視認できる形態が変化するように構成した示温部が設けられている。ここでの示温部は、挿入部としてのシース2には例えば、その先端部等の少くとも一部を温度変化に応じて色が変化する材料で構成した視認部15としている。この視認部15を構成する材料としては例えば温度により色が変化する粒子素材を樹脂ペレットに混合して成型した樹脂、温度により色が変化する粒子素材を混合した塗装、または温度上昇により光沢度や色調が変化する金属等が利用できる。
【0016】
ここでの視認部15は色が変化する塗装等のコーティングによる可逆性のものであり、この視認部15をプローブ3の先端からの熱が伝わり易い先端部近傍にわたり形成した。しかし、視認部15はシース2の挿入部全長にわたって設けても良い。また、挿入部としてのシース2の先端から100mm以内の範囲では目的以外の組織にシース2が接触する可能性が高いため、少くとも、この範囲に視認部15を設けると効果的である。
【0017】
また、視認部15の色は通常、体腔内に存在する赤等の色でなく、体腔内に存在しない色、例えば緑、青等に変色させると、周囲組織、血液等と識別し易く、視認が容易になる。
【0018】
この超音波処置具1を使用して、例えば、腹腔鏡下で外科手術を行なう場合について説明する。この場合、超音波処置具1はトロッカーや内視鏡等のガイド手段を用いてシース2の部分を腹腔内に導入する。
【0019】
そして、図示しないフットスイッチ等を操作して電源からケーブル11を通じて超音波振動子4に駆動電流を供給し、その超音波振動子4を駆動する。プローブ3は超音波振動子4で発生した超音波振動を受けてプローブ3の先端まで超音波振動を伝達する。プローブ3の先端部分はシース2の先端から突き出しており、プローブ3の先端部分を腹腔内の組織部位に当てると、接触した組織部分を超音波振動で処置することができる。超音波振動の振動モード等を選択することにより、プローブ3の先端を接触させた生体組織の乳化、切開または凝固、結石破砕等の処置を使い分けることができる。また、処置の種類を特定した専用の装置としても良い。
【0020】
また、送水機能を働かせて、プローブ3の冷却及び処置部位の組織の洗滌をする。この洗滌は、送水口金6からシース2とプローブ3の間の隙間8を通じてシース2の先端から送水することにより行なう。
【0021】
プローブ3の先端を体腔内の結石や組織に接触させることにより処置を行なった際に発生する結石の破砕片や組織片または体液等はプローブ3の内孔12から吸引し、超音波振動子4の吸引孔および吸引口金13から図示しない吸引チューブを通じて体外に排出する。
【0022】
上記使用にあたり、プローブ3の処置部7によって処置するが、その際、処置部7及びプローブ3が発熱し、この熱が直接または間接にシース2に伝わり、挿入部外周の温度が上昇すると、この部分に触れる生体組織を加熱する虞がある。しかし、視認部15により挿入部としてのシース2の外周の温度変化を視認できるため、体内での目的組織以外の組織に接触する可能性のあるシース2の温度上昇を未然に知ることができる。体内に挿入されるシース2の特に体内での目的組織以外の組織に接触する可能性の高いシース2の先端側に位置する部位付近に視認部15を設けた場合はそのメリットが大きい。
【0023】
(第2の実施形態)
図2及び図3を参照して本発明の第2の実施形態に係る手術装置について説明する。図2は本実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図であり、図3はその一部を拡大して示す縦断面図である。
【0024】
本実施形態に係る超音波処置具は上述した第1の実施形態に係る超音波処置具1のシース2を変形した例であり、その他の部分は上述した第1の実施形態と同様に構成されている。
【0025】
本実施形態に係る超音波処置具1のシース2はその壁部が被覆内層21と被覆外層22とその層間に配置された多数の微小な小孔を有するポーラス構造の素材からなる断熱層23とで形成されている。断熱層23の多数のポーラス内には空気が含まれており、この空気の断熱効果により、シース2の外周面への伝熱を防止し、シース2の外周の温度上昇を低減させるようにしたものである。
【0026】
上記ポーラス構造の素材としては金属、樹脂、セラミック等を使用できる。ポーラス内に含まれるものを空気の代わりに、さらに断熱効果の高い気体あるいは液体とし、これをポーラス内に満たすように設けるようにしても良い。また、シース2はポーラス素材の内外周を他の充填素材で挟み込んだ3重構造のものとしても良い。
【0027】
この超音波処置具1を実際の使用する時にはプローブ3がシース2に触れることがあり、プローブ3の熱が直接にシース2に伝わるが、本実施形態のように挿入部のシース2に断熱手段を組み込むと、シース2外周への熱伝達を極力遮断し、シース2外周の温度上昇を抑制することができる。
【0028】
(第3の実施形態)
図4を参照して本発明の第3の実施形態に係る手術装置について説明する。図4は本実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図である。
本実施形態に係る超音波処置具は上述した第1の実施形態に係る超音波処置具1のシース2を変形した例であり、その他の部分は上述した第1の実施形態と同様に構成されている。
【0029】
本実施形態に係る超音波処置具1のシース2は内筒26と外筒27とからなり、その両筒26,27の間は空間として形成されており、その空間内の空気を断熱層として利用する。この空気の断熱効果により、シース2の外周面への伝熱を防止し、シース2の外周の温度上昇を低減させることができる。
【0030】
また、両筒26,27の先端と後端は閉塞され、両筒26,27内の空間を密閉している。このため、両筒26,27の間の隙間への血液等の侵入を防止することができる。筒26,27は金属でも樹脂でもよく、端部の閉塞方法としては半田などのろう付け、溶接または溶着等の如何なる方式であっても良い。また、筒26,27の間の隙間を送水通路として利用してもよく、この場合はその送水によりシース2を冷却することができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図5を参照して本発明の第4の実施形態に係る手術装置について説明する。図5(A)(B)は本実施形態に係る超音波処置具におけるシースの先端部付近の側面図である。
【0032】
本実施形態では温度変化により形状が変化するシース2を用いたものである。図5(A)は通常の使用時の状態であり、シース2の外周は滑らかでストレートであるが、温度が上昇した場合は図5(B)のようにシース2の外周に微小な凹凸31が発現する。この場合、凹凸31でなく、溝や皺のような形状に変化するようにしても良い。例えば、シース2を形状記憶金属あるいは樹脂で形成し、ある温度以上になると形状が変化するように形状記憶させた素材を用いる。
【0033】
なお、本発明の示温部は形態が視認可能な視認部を構成するものに限らず、例えば、熱可塑性樹脂のようにある温度以上になると柔くなり、その硬さ変化で温度を識別できるようにした示温部でも良い。その他、温度変化により表面の光沢が変化するもの、透明素材で形成し温度変化により透明度が変化するもの等、温度変化を視認できる構成を用いる事も可能である。
【0034】
また、本発明は高周波や超音波振動等の物理的エネルギーを用いた手術装置に適用できる。さらに、本発明は超音波処置具に限らず、高周波焼灼用の高周波メスや鉗子などの処置具、レーザーメスやマイクロ波メスまたは内視鏡等、手術に用いるあらゆる器具や装置を含み、それらの挿入部の一部又は全長にわたり示温部を設ける事が可能である。上述した実施形態では超音波処置具の挿入部としてのシースに視認部を設けた例であったが、手元部としての接続部にも温度変化により形態が変化する示温部を設けるようにしても良い。上記実施形態ではシースと処置部が別々に形成されているが、挿入部の先端部分に形成する方式のものであっても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入部外周の温度変化を識別できるため、装置の温度上昇を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波処置具の縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図。
【図3】同じく第2の実施形態に係る超音波処置具のシースの一部を拡大して示す断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図。
【図5】(A)(B)は本発明の第4の実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図。
【符号の説明】
1…超音波処置具
2…シース
3…プローブ
4…超音波振動子
5…接続部
7…隙間
8…送水通路
15…視認部
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内の結石や組織に超音波または高周波や電磁波その他のエネルギーを与え、結石破砕や組織の乳化、切開または凝固等の処置を行なう手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉗子や超音波メス等の処置具において、体腔内に挿入する挿入部の外周壁部分はステンレス等の金属やテフロン、ポリサルホン、PEEK等の樹脂で形成されてきた。また、高周波電流を通電して使用する高周波処置鉗子や超音波振動による超音波メス等の手術装置では物理的エネルギーを熱に変換し、その熱を利用して手術するようにしている。しかし、熱を手術に利用する場合、発生した熱が挿入部外周に伝わったり、冷却液が何らかの理由で流れなかったりした場合には挿入部の外周温度が上昇する虞がある。
【0003】
下記の特許文献1では内視鏡の操作部、内視鏡と照明光供給ユニットとの接続部、またはライトガイドコネクターに可逆性の感温変色性色素を含む塗料を用いて温度が上昇すると変色する高温表示部を設けて高温を感知するようにした内視鏡装置が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−51869号公報(明細書の段落番号「0045」及び「0046」の欄または図1を参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の内視鏡装置は照明光を伝達するライトガイドやランプのコネクタやソケット等の接続部付近で照明光に含まれる熱により上昇する温度を表示させようとするものであり、この内視鏡装置は体腔内の生体組織部位に熱を加えて手術しようとするものではない。
【0006】
一方、高周波処置鉗子や超音波メス等の処置具では体腔内に挿入した挿入部において高周波電流を通電したり、超音波振動を与えたりすることによる発生する熱で体腔内の生体組織部位を手術しようとする。このような装置では物理的エネルギーを熱に変換してその熱を手術に利用するため、体内に挿入する挿入部も加熱され、その挿入部の外周温度が上昇しやすい。このような場合、処置具の挿入部を体内に挿入して使用するため、挿入部が体内の目的組織以外の組織に接触するので、挿入部の温度上昇は監視しておきたい。しかし、肉眼では温度が上昇した事態は分からなかった。
【0007】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、体内に挿入する挿入部外周の温度を術者が識別できるようにした手術装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、先端に処置部を有し、かつ、処置部の後方から手元側に延出する挿入部を有した手術装置において、
上記挿入部の少くとも一部に温度の変化により形態を変える示温部を設けたことを特徴とする手術装置である。
請求項2に係る発明は、上記示温部は色が温度により可逆的に変化して形態が視認可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の手術装置である。
請求項3に係る発明は、上記示温部は挿入部の外周形状が温度により可逆的に変化して形態が視認可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の手術装置である。
請求項4に係る発明は、上記挿入部は周壁部に断熱層を有したシースにより形成され、上記示温部を上記挿入部の外周に設けたことを特徴とする請求項1に記載の手術装置である。
請求項5に係る発明は、上記挿入部の温度変化により形態が変化する示温部を手元部に設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の手術装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る手術装置について説明する。図1は本実施形態に係る超音波処置具1の縦断面図である。
【0010】
超音波処置具1は体腔内に挿入する挿入部としてのシース2を備え、このシース2内にプローブ3を挿通するようになっている。シース2の基端には、超音波処置具1の手元部を構成し、かつ上記超音波振動子4を着脱自在に接続する接続部5が設けられている。この接続部5には送水口金6が設けられ、この送水口金6は上記シース2内に連通している。送水口金6には送水チューブ(図示せず)が接続され、送水口金6からシース2内へ送水できるようになっている。
【0011】
上記プローブ3は超音波振動子4に連結されて、プローブユニットを構成している。このプローブユニットはプローブ3の部分をシース2内に挿入し、超音波振動子4の部分を接続部5に係着することによりシース2に対して着脱自在に装着できるようになっている。
【0012】
上記プローブ3の中間部はシース2によって覆われており、プローブ3の中間部が直接に生体組織に接触することを防ぐようになっている。また、プローブ3の先端部分はシース2の先端から突き出して露出しており、この露出した先端部分によって処置部7を形成している。上記シース2は処置部7の後方から手元側に延出して挿入部を形成している。
【0013】
また、シース2とプローブ3の間には所定の隙間8が空けられ、その隙間8によって送水口金6に通じた送水通路9を形成している。
超音波振動子4の後端にはケーブル11が接続されている。ケーブル11は図示しない電源に接続され、その電源から供給される駆動電流を超音波振動子4内部の電歪素子あるいは磁歪素子に微小振動を発生させるようになっている。
【0014】
超音波振動子4内にはプローブ3の内孔12から吸引した結石の破砕片や組織片または体液等を体外に排出するための吸引孔(図示せず)が設けられている。また、超音波振動子4の後端には上記吸引孔に通じた吸引口金13が設けられている。そして、この吸引口金13に接続した図示しない吸引チューブを通じて破砕片や組織片または体液等を体外に吸引するようになっている。
【0015】
上記挿入部の少くとも一部には温度変化により性状や形状などの視認できる形態が変化するように構成した示温部が設けられている。ここでの示温部は、挿入部としてのシース2には例えば、その先端部等の少くとも一部を温度変化に応じて色が変化する材料で構成した視認部15としている。この視認部15を構成する材料としては例えば温度により色が変化する粒子素材を樹脂ペレットに混合して成型した樹脂、温度により色が変化する粒子素材を混合した塗装、または温度上昇により光沢度や色調が変化する金属等が利用できる。
【0016】
ここでの視認部15は色が変化する塗装等のコーティングによる可逆性のものであり、この視認部15をプローブ3の先端からの熱が伝わり易い先端部近傍にわたり形成した。しかし、視認部15はシース2の挿入部全長にわたって設けても良い。また、挿入部としてのシース2の先端から100mm以内の範囲では目的以外の組織にシース2が接触する可能性が高いため、少くとも、この範囲に視認部15を設けると効果的である。
【0017】
また、視認部15の色は通常、体腔内に存在する赤等の色でなく、体腔内に存在しない色、例えば緑、青等に変色させると、周囲組織、血液等と識別し易く、視認が容易になる。
【0018】
この超音波処置具1を使用して、例えば、腹腔鏡下で外科手術を行なう場合について説明する。この場合、超音波処置具1はトロッカーや内視鏡等のガイド手段を用いてシース2の部分を腹腔内に導入する。
【0019】
そして、図示しないフットスイッチ等を操作して電源からケーブル11を通じて超音波振動子4に駆動電流を供給し、その超音波振動子4を駆動する。プローブ3は超音波振動子4で発生した超音波振動を受けてプローブ3の先端まで超音波振動を伝達する。プローブ3の先端部分はシース2の先端から突き出しており、プローブ3の先端部分を腹腔内の組織部位に当てると、接触した組織部分を超音波振動で処置することができる。超音波振動の振動モード等を選択することにより、プローブ3の先端を接触させた生体組織の乳化、切開または凝固、結石破砕等の処置を使い分けることができる。また、処置の種類を特定した専用の装置としても良い。
【0020】
また、送水機能を働かせて、プローブ3の冷却及び処置部位の組織の洗滌をする。この洗滌は、送水口金6からシース2とプローブ3の間の隙間8を通じてシース2の先端から送水することにより行なう。
【0021】
プローブ3の先端を体腔内の結石や組織に接触させることにより処置を行なった際に発生する結石の破砕片や組織片または体液等はプローブ3の内孔12から吸引し、超音波振動子4の吸引孔および吸引口金13から図示しない吸引チューブを通じて体外に排出する。
【0022】
上記使用にあたり、プローブ3の処置部7によって処置するが、その際、処置部7及びプローブ3が発熱し、この熱が直接または間接にシース2に伝わり、挿入部外周の温度が上昇すると、この部分に触れる生体組織を加熱する虞がある。しかし、視認部15により挿入部としてのシース2の外周の温度変化を視認できるため、体内での目的組織以外の組織に接触する可能性のあるシース2の温度上昇を未然に知ることができる。体内に挿入されるシース2の特に体内での目的組織以外の組織に接触する可能性の高いシース2の先端側に位置する部位付近に視認部15を設けた場合はそのメリットが大きい。
【0023】
(第2の実施形態)
図2及び図3を参照して本発明の第2の実施形態に係る手術装置について説明する。図2は本実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図であり、図3はその一部を拡大して示す縦断面図である。
【0024】
本実施形態に係る超音波処置具は上述した第1の実施形態に係る超音波処置具1のシース2を変形した例であり、その他の部分は上述した第1の実施形態と同様に構成されている。
【0025】
本実施形態に係る超音波処置具1のシース2はその壁部が被覆内層21と被覆外層22とその層間に配置された多数の微小な小孔を有するポーラス構造の素材からなる断熱層23とで形成されている。断熱層23の多数のポーラス内には空気が含まれており、この空気の断熱効果により、シース2の外周面への伝熱を防止し、シース2の外周の温度上昇を低減させるようにしたものである。
【0026】
上記ポーラス構造の素材としては金属、樹脂、セラミック等を使用できる。ポーラス内に含まれるものを空気の代わりに、さらに断熱効果の高い気体あるいは液体とし、これをポーラス内に満たすように設けるようにしても良い。また、シース2はポーラス素材の内外周を他の充填素材で挟み込んだ3重構造のものとしても良い。
【0027】
この超音波処置具1を実際の使用する時にはプローブ3がシース2に触れることがあり、プローブ3の熱が直接にシース2に伝わるが、本実施形態のように挿入部のシース2に断熱手段を組み込むと、シース2外周への熱伝達を極力遮断し、シース2外周の温度上昇を抑制することができる。
【0028】
(第3の実施形態)
図4を参照して本発明の第3の実施形態に係る手術装置について説明する。図4は本実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図である。
本実施形態に係る超音波処置具は上述した第1の実施形態に係る超音波処置具1のシース2を変形した例であり、その他の部分は上述した第1の実施形態と同様に構成されている。
【0029】
本実施形態に係る超音波処置具1のシース2は内筒26と外筒27とからなり、その両筒26,27の間は空間として形成されており、その空間内の空気を断熱層として利用する。この空気の断熱効果により、シース2の外周面への伝熱を防止し、シース2の外周の温度上昇を低減させることができる。
【0030】
また、両筒26,27の先端と後端は閉塞され、両筒26,27内の空間を密閉している。このため、両筒26,27の間の隙間への血液等の侵入を防止することができる。筒26,27は金属でも樹脂でもよく、端部の閉塞方法としては半田などのろう付け、溶接または溶着等の如何なる方式であっても良い。また、筒26,27の間の隙間を送水通路として利用してもよく、この場合はその送水によりシース2を冷却することができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図5を参照して本発明の第4の実施形態に係る手術装置について説明する。図5(A)(B)は本実施形態に係る超音波処置具におけるシースの先端部付近の側面図である。
【0032】
本実施形態では温度変化により形状が変化するシース2を用いたものである。図5(A)は通常の使用時の状態であり、シース2の外周は滑らかでストレートであるが、温度が上昇した場合は図5(B)のようにシース2の外周に微小な凹凸31が発現する。この場合、凹凸31でなく、溝や皺のような形状に変化するようにしても良い。例えば、シース2を形状記憶金属あるいは樹脂で形成し、ある温度以上になると形状が変化するように形状記憶させた素材を用いる。
【0033】
なお、本発明の示温部は形態が視認可能な視認部を構成するものに限らず、例えば、熱可塑性樹脂のようにある温度以上になると柔くなり、その硬さ変化で温度を識別できるようにした示温部でも良い。その他、温度変化により表面の光沢が変化するもの、透明素材で形成し温度変化により透明度が変化するもの等、温度変化を視認できる構成を用いる事も可能である。
【0034】
また、本発明は高周波や超音波振動等の物理的エネルギーを用いた手術装置に適用できる。さらに、本発明は超音波処置具に限らず、高周波焼灼用の高周波メスや鉗子などの処置具、レーザーメスやマイクロ波メスまたは内視鏡等、手術に用いるあらゆる器具や装置を含み、それらの挿入部の一部又は全長にわたり示温部を設ける事が可能である。上述した実施形態では超音波処置具の挿入部としてのシースに視認部を設けた例であったが、手元部としての接続部にも温度変化により形態が変化する示温部を設けるようにしても良い。上記実施形態ではシースと処置部が別々に形成されているが、挿入部の先端部分に形成する方式のものであっても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入部外周の温度変化を識別できるため、装置の温度上昇を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波処置具の縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図。
【図3】同じく第2の実施形態に係る超音波処置具のシースの一部を拡大して示す断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図。
【図5】(A)(B)は本発明の第4の実施形態に係る超音波処置具の先端部付近の縦断面図。
【符号の説明】
1…超音波処置具
2…シース
3…プローブ
4…超音波振動子
5…接続部
7…隙間
8…送水通路
15…視認部
Claims (5)
- 先端に処置部を有し、かつ、処置部の後方から手元側に延出する挿入部を有した手術装置において、
上記挿入部の少くとも一部に温度の変化により形態を変える示温部を設けたことを特徴とする手術装置。 - 上記示温部は色が温度により可逆的に変化して形態が視認可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の手術装置。
- 上記示温部は挿入部の外周形状が温度により可逆的に変化して形態が視認可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の手術装置。
- 上記挿入部は周壁部に断熱層を有したシースにより形成され、上記示温部を上記挿入部の外周に設けたことを特徴とする請求項1に記載の手術装置。
- 上記挿入部の温度変化により形態が変化する示温部を手元部に設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の手術装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008534081A (ja) * | 2005-03-25 | 2008-08-28 | リタ メディカル システムズ、インコーポレイテッド | 空洞を除去する装置および方法 |
WO2015094745A1 (en) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | Ethicon Endo-Surgery, Inc. | Clamp arm features for ultrasonic surgical instrument |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003061754A patent/JP2004267445A/ja not_active Withdrawn
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