JP2004264146A - 簡易な汚れ防止および補正機能を有する光学装置および分析計 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚れたサンプルガスを流したときにも光学面が汚れることを防止でき、汚れによる光量低下を抑えて、分析計の感度を長期間にわたって保つと共に、たとえ幾らかの汚れが生じたとしてもこれに影響されることのない安定した分析を行うことができる光学系および光を用いた分析計を提供する。
【解決手段】サンプルガス流路11内のサンプルガスExに対して光L0 を照射すると共にこのサンプルガスExを通った光L1 ,L2 を検出する光学系23であって、サンプルガス流路11内にこの流路11を狭くすることでサンプルガスExの流れを速くし、このサンプルガスExの流れに伴った減圧部24を形成すると共に、内部に光学面14a〜14cを備えた筒状体13a〜13cを設け、この光学面14a〜14cとサンプルガス流路に臨む部分13dとの間の筒状体13a〜13c内を介して前記減圧部24に清浄ガスAを流入可能とする隙間20を設けてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】サンプルガス流路11内のサンプルガスExに対して光L0 を照射すると共にこのサンプルガスExを通った光L1 ,L2 を検出する光学系23であって、サンプルガス流路11内にこの流路11を狭くすることでサンプルガスExの流れを速くし、このサンプルガスExの流れに伴った減圧部24を形成すると共に、内部に光学面14a〜14cを備えた筒状体13a〜13cを設け、この光学面14a〜14cとサンプルガス流路に臨む部分13dとの間の筒状体13a〜13c内を介して前記減圧部24に清浄ガスAを流入可能とする隙間20を設けてなる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学装置および分析計に関するものであり、より詳細には、サンプルガスを直接的に測定する場合に、サンプルガスに面する光透過窓などの光学面が汚れることを防止すると共に、この光学面が汚染したとしても高精度な分析が可能である光学装置および分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−183379号公報
【特許文献2】特許第3263085号公報
【0003】
従来より、光を用いた分析計は、サンプルガスに光を照射すると共にサンプルガスを通った光(透過光や散乱光)を検出する光学系を備えてなる。また、このサンプルガスの光学系は例えばサンプルガスに光を照射する発光部と、この発光部から出射してサンプルガスを透過した光を受光する受光部と、発光部および受光部がサンプルガスに直接接触しないようにサンプルガスから隔離すると共に光を透過させる光透過窓からなる光学面とを有してなる。
【0004】
光を用いた分析計の一例としては、ディーゼルエンジンの排気ガスやエンジンケース内のクランクシャフト焼きつき前に発生するオイルミスト等の粒状物質を検知する光散乱式の濃度分析計などが考えられる。また、従来のオイルミスト等の粒子状物質の測定方法としては、光学的に測定する光学測定方式が主であって、この光学測定方式には光透過吸収式および光散乱式の2つがある。
【0005】
図9は光透過吸収方式の濃度分析計の例を示している。図9において、41は発光部である発光ダイオード(LED)などの光源、42は受光部であるフォトダイオードなどの検出器であり、47は光源から出射した光を受光部へ反射するミラーである。また、43は発光部41から出射する光Lp1 と受光部42に入射する光Lp2 を透過すると共に発光部41,受光部42および反射ミラー47をサンプルガスから隔離した状態に保つ光学面(光透過窓)、44はサンプルガスSをT字状に流すように構成されたサンプル供給管である。
【0006】
図9に示す例の場合、発光部41から受光部42までの間の粒子状物質の有無を光吸収による透過光Lpの減衰によって検知する。このとき、光透過窓43の汚れによる光の減衰が生じると、粒子状物質の光吸収により透過光Lpの減衰と同様の信号変化となり、測定誤差を発生することがあった。
【0007】
そこで、この光透過窓43の汚れを防止するために、前記サンプル供給管44内の光透過窓43の前部にそれぞれ開孔44aを形成し、この開孔44aの外側にファン45を配置することで、清浄ガス(大気中の空気)を強制的に吹きつけて、この光透過窓43の周囲をパージすることで、エアカーテンを形成することが行われている。
【0008】
特許文献1では前記ファン45に代えて、車両の走行に伴って生じる風を引き込むためのベルマウス状の空気とり入れ口を設けることが提案されており、車両が走行している状態で、かつ、風を受けることができる状態では、ファン45のようなものを回さなくても光透過窓43の周囲にエアーカーテンを形成することが可能となる。
【0009】
一方、図10は、特許文献2に詳細に開示されているように、光散乱方式の濃度分析計では前記発光部41(LED33)の光軸Lp上から前記受光部42(フォトトランジスタ34b)を外して、粒子サイズによって斜め前方または斜め後方に生じる側方散乱Lpsを、発光部41の前方または後方に配置された受光部42によって検知する例を示している。なお、発光部41に対面する位置には受光強度を一定に保つためのフィードバック制御を行なう受光部46(フォトトランジスタ34a)を設けている。なお、()内は特許文献2における名称および符号を示している。
【0010】
この方法では、発光部41によって発光する光の強度を、受光部46によって受光できる光の強度が一定になるように、フィードバック制御によって調整する制御回路Cを有しているので、光学面43(管体32)の汚れによる影響を小さくすることができる。また、サンプルガスSに粒子状物質が存在しない場合は原理的には発光部41から出射した光が側方散乱を検知する受光部42には入射しないと考えられるので、光学面43の汚れが微量の粒子状物質によって生じる側方散乱に大きな影響を与えるものとはならず、感度の多少の変化はあるものの粒子状物質の検知には影響されにくいというメリットがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記図9に示すように構成された分析計では、別置きのファン45を必要としているので、分析計の構成が大型化すると共に複雑になり、製造コストが引き上げられるという問題があった。さらに、ファン45を駆動するために動力を必要としているので、その消費電力が増加することは避けられず、車両のバッテリに負担をかけるので車載するための可搬型分析計や、オンボード型の分析計の形成が困難であった。
【0012】
そこで、特許文献1に示されるように構成することで、車両が走行している状態で、かつ、風を受けることができる状態では、ファン45のようなものを回さなくても光学面43の周囲にエアーカーテンを形成することができるので、分析計の消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0013】
ところが、特許文献1に示されるような構成は車両の走行に伴って生じる周囲雰囲気との相対的な移動に伴って生じる大気中の空気の流れ(風)を利用してエアーカーテンを形成するので、車両が停止している状態におけるアイドリング状態や追い風を受けている状態では、このエアーカーテンが形成されないという問題があった。また、シャシダイナモ上の車両から排出される排ガスをサンプルガスとして測定する場合にも車両の移動がないのでエアカーテンが形成されないという問題があった。
【0014】
そして、受光面43に汚れが発生するとサンプルガスSを流していない状態のベース光による出力が変動し、粒子状物質が正常に検知できないことがあった。そこで、受光面43が汚れてしまった場合には、汚れによる光の減衰をキャンセルするために、サンプルガスSの代わりに別途用意された清浄ガスなどを供給して定期的な校正を行なう必要があった。
【0015】
一方、図10に示した特許文献2のように光学系とフィードバック制御回路Cを組み合わせた複雑な構成による補正を行なうことにより、光学面43の汚れ43aによる影響をできるだけ小さくすることが行われている。
【0016】
しかし、粒子状物質が導入される空間は一般的に小さな容積であるから、発光部41の光軸Lpと、この光軸Lp上の一部からの散乱光Lpsの光軸を交差させるようにしても、たとえば光学面43(空間内壁)に付着した汚れ43aによる散乱光Lpeなどによって、粒子状物質が存在しない場合であっても、受光部42に多くの光が入射することがあった。
【0017】
また、受光部42の位置関係と、フィードバック制御に用いる受光部46の位置関係が異なるので、一部拡大図に示すように、受光部42に入射する光Lpsが汚れ43aを通過する距離d1 と、受光部46に入射する光Lpが汚れ43aを通過する距離d2 が異なったり、光学面43の表面に入射する角度θpが異なるために反射率が変わるので、これらの違いによる光Lp2 ,Lpsの減衰程度は異なるものであり、これを補正することができなかった。加えて、一般的に排気ガスにはオイルミストなどの光学面43に付着しやすい汚れ成分が含まれているので、汚れ43aは直ぐに形成されるので、クリーンエアなどを用いて極頻繁に校正を行なう必要が生じていた。
【0018】
本発明は、上述の点を考慮に入れてなされたものであって、その目的は、汚れたサンプルガスを流したときにも光学面が汚れることを防止でき、汚れによる光量低下を抑えて、分析計の感度を長期間にわたって保つと共に、たとえ幾らかの汚れが生じたとしてもこれに影響されることのない安定した分析を行うことができる光学系および分析計を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、第1発明の光学系は、サンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系であって、サンプルガス流路内にこの流路を狭くすることでサンプルガスの流れを速くし、このサンプルガスの流れに伴った減圧部を形成すると共に内部に光学面を備えた筒状体を設け、この光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とする隙間を設けてなることを特徴としている(請求項1)。
【0020】
つまり、筒状体を例えばサンプルガス流路内に突出させることで、この部分の断面積を他の部分の断面積より小さな面積とする(狭くする)ことができるから、この筒状体を設けた部分におけるサンプルガスの流速は他の部分の流速より速くなる。そして、ベルヌーイの定理により流速の速い部分の圧力が低くなって減圧部を形成する。
なお、ベルヌーイの定理は以下の式(1)に示すものである。
0.5q2 +P/ρ+gz=一定 … 式(1)
但し、qは速度、Pは圧力、ρは密度、gは重力加速度、zは高さである。
【0021】
さらに、前記減圧部を形成することにより、上記隙間から清浄ガス(大気中の空気)を光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に流入させる(引き込む)ような流れを生じさせることができる。つまり、サンプルガスの流れそのものを用いて光学面の前面に清浄ガスによるエアカーテンを形成でき、これによって光学面が直接サンプルガスに触れることがなくなるので、サンプルガスが流れるときには常時光学面をパージすることができ、その汚れを効果的に防止できる。なお、前記光学面は光を透過する光透過面としても、光を反射する反射面とすることも可能である。
【0022】
また、光学面の前面に清浄ガスによるエアカーテンを形成するための構成は、サンプルガス流路に清浄ガス流入用の隙間(細孔)を設けた筒状体(光学面や発光部,受光部のケース)を臨ませるだけの簡易な構造であるから、製造コストを削減できるだけでなく、動力を全く必要としておらず、それだけ省エネルギに寄与できる。これは、とりわけ分析計を車両に搭載するような小型かつ可搬型のものが要求されるときに極めて有用である。
【0023】
なお、前記隙間はこの光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とするものであるから、例えば、この隙間を光学面を保持する筒状体の光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間に設けられた開孔とすることで容易に形成できる。あるいは、この隙間を光学面の外周と筒状体の内周面の間に形成した場合には、隙間は光学面の外周にほぼ均等に設けることができるので、この光学面の表面にエアカーテンを確実に形成できる。
【0024】
前記隙間を通る清浄ガスの流れに流量制限を設ける流量制御弁を設けた場合(請求項2)には、サンプルガスの流量が極めて大きくなった場合にも、光学面の表面に清浄ガスによるエアカーテンを形成するための流量を制限でき、この清浄ガスがサンプルガス流路内に多量に流れ込むことを防止できる。従って、清浄ガスの流れがサンプルガス流路内のサンプルガスの流れを圧迫することがなく、光学系によるサンプルガスの検出感度を一定に保つことができる。
【0025】
前記隙間に連通する部分に外気から清浄ガスを生成するためのフィルタを設けた場合(請求項3)には、窒素ガスや不活性ガスなどの特別な清浄ガスの供給源を必要としておらず、装置の小型化が図れランニングコストを低く抑えることができる。
【0026】
前記隙間を被覆して清浄ガスを導入可能とすると共に異物が入らないように保護するカバーを有する場合(請求項4)には、この光学系を例えば車両の排気管などの異物が多数存在する環境に設置する場合おいても、隙間に異物が挟まるなどしてこれを閉鎖することがなくなる。
【0027】
ところが、このような汚れ防止機能付きの光学系(筒状体)も設置場所や隙間の大きさ、挿入深さによる減圧量や経年変化等によって汚れが付着する場合も考えられる。このような場合の対応について考える。
【0028】
サンプルガスに前記光を照射する発光部と、この発光部の光路上に配置された第1の受光部と、この光路上の一部分を観測するように配置された第2の受光部とを有し、かつ、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されてなる場合(請求項5)には、第1の受光部を用いた測定によって透過光の検出を行うことができ、第2の受光部を用いた測定によって散乱光の検出を行うことができる。また、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されているので、各光学面は同じ条件でサンプルガス流路に面することになり、たとえこれが汚れることがあったとしても同程度に汚れることになる。つまり、透過光と散乱光の両方の測定値を組み合わて演算することで、光学面に汚れが生じることがあってもこの汚れによる影響をキャンセルする演算を行うことが可能となり、より高精度な分析を行うことができる。
【0029】
第2発明の分析計は、サンプルガスを流通するサンプルガス流路と、このサンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系とを有する分析計であって、この光学系が、前記サンプルガス流路内にこの流路を狭くすることでサンプルガスの流れに伴った減圧部を形成する筒状体と、この筒状体内に配置された光学面と、この光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とする隙間とを設けてなることを特徴としている。(請求項6)
【0030】
したがって、上述の分析計はサンプルガスの流れを用いて前記式(1)に示したベルヌーイの定理を用いた減圧部を形成し、これによって清浄ガスを光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に流入できるので、外部からの動力を一切用いることなく、サンプルガスが流れるときには常に光学面の前面に清浄ガスによるエアカーテンを形成できる。
【0031】
第3発明の分析計は、サンプルガスを流通するサンプルガス流路と、このサンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系とを有する分析計であって、この光学系が、前記サンプルガス流路内に光を照射する発光部と、この発光部の光路上に配置された第1の受光部と、この光路上の一部分からのサンプルガスによる散乱光を観測するように発光部の光路から所定の角度を形成する位置に配置された第2の受光部と、前記発光部から出射する光および両受光部に入射する光を透過すると共に発光部および両受光部をサンプルガスから隔離するようにそれぞれ設けてなる光学面とを有し、かつ、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されており、両受光部によって受光される光の強度比から光学面の汚れの程度に依存しないサンプルガスの濃度を求める演算処理部を設けたことを特徴としている。(請求項7)
【0032】
すなわち、第1の受光部を用いた測定によって透過光の検出を行うことができ、第2の受光部を用いた測定によって散乱光の検出を行うことができる。また、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されているので、各光学面に対する汚れの付着状況は全て同じであると仮定することができ、各光学面における汚れによって生じる減衰率dは全て同程度生じると考えることができる。したがって、透過光と散乱光の両方を用いてその強度比から濃度を演算することで、光学面に汚れが生じることがあってもこの汚れによる影響を除算によってキャンセルすることができ、これによって理論上光学面の汚れによる影響を完全にキャンセルした、より高精度な濃度分析を行うことが可能となる。
【0033】
前記演算処理部がガスによる光の吸収の無い状態で第1の受光部において受光した光の強度と、所定濃度のガスによる光の吸収を起こした状態で第1の受光部および第2の受光部においてそれぞれ受光した光の各強度と、このときの濃度とから演算して、前記両受光部によって受光される光の強度比からサンプルガス濃度を求めるための補正係数を求める場合(請求項8)には、前記光学面の汚れによる光の減衰が大きくなったとしても、これに応じた補正係数を求めることで確実にその影響を除去する演算処理を行うことができる。
【0034】
前記演算処理部がガスによる光の吸収の無い状態で第1の受光部において受光した光の強度と、サンプルガスによる光の吸収を起こした状態で第1の受光部および第2の受光部においてそれぞれ受光した光の各強度から演算して、前記両受光部によって受光される光の強度比からサンプルガス濃度を求めるための補正係数を求める場合(請求項9)には、前記光学面の汚れによる光の減衰が各光学面によって異なってきたとしても、これに応じた補正係数を求めることで確実にその影響を除去する演算処理を行なうことができる。
【0035】
前記発光部から前記受光部までの間の光路を確保する開口部を有すると共に、発光部から出射する光で各受光部の測定対象となる光以外の不要な光を遮断するための遮蔽部材を設けてなる場合(請求項10)には、発光部からの光の照射に伴って例えばサンプル流路の内壁面から生じる散乱光などの不要な光が測定感度に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0036】
とりわけ、サンプルガスが流れる部分の容積が比較的小さい場合には、サンプルガス流路の内壁面によって多くの散乱光が生じるが、第1の受光部および第2の受光部がこの不要な散乱光によって誤動作することを防止できる。また、遮蔽部材によって発光部からの光が直接的に第2の受光部に入射することを防止することも可能である。つまり、前記測定対象となる光以外の不要な光とはサンプルガス流路の内壁面による散乱光や発光部からの第2の受光部に直接的に入射する光などを示している。なお、サンプルガス流路内や遮蔽部材の表面は前記光を吸収するように黒体または黒体に近い光の吸収を可能とするように、黒に着色されたものであることが望ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の分析計1の全体的な構成を示す図である。図1において、2は分析計1を搭載する測定対象となる車両、3はこの車両2のエンジン、4はエンジン3からの排気ガスExを排出するための排気管、5は排気管4上に設けた触媒、6は消音器、7は排気管(テールパイプ)である。
【0038】
本例に示す分析計1は車載型であり、演算処理部8と、前記排気管7の下流端に接続される測定部9と、この測定部9を安定的に制御すると共にこの測定部9からの測定信号を演算処理部8に出力するコントローラ10とを有している。なお、以下の説明において、本発明の分析計1は車載型である例を示しているが、本発明はこの点に限定されるものではない。
【0039】
また、本発明の分析計1は演算処理部8と測定部9とコントローラ10を別体にすることに限定されるものではなく、一体型の装置としてもよい。この場合、演算処理部8をマイクロコンピュータとして可搬型とすることも可能である。
【0040】
図2,3は前記測定部9の構成を拡大して示す断面図である。図2,3において、11は前記排気管7の下流端に着脱自在に連設されるサンプルガス流路、12はサンプルガス流路11を例えば締付けによって取付ける取付け機構、13a〜13cはサンプルガス流路11の適所に開設した孔11a〜11cに挿入されてサンプルガス流路を狭くするように幾らか内側に突出させるように固定してなる筒状体、14a〜14cは各筒状体13a内に形成された光透過窓(光学面)である。
【0041】
また、15は光透過窓14aによってサンプルガス流路11内の排気ガス(サンプルガス)Exに光L0 を照射する例えば発光ダイオード(LED)からなる発光部、16はこの発光部の光路La上に配置されて透過光L1 を受光する例えばフォトダイオード(PD)からなる第1の受光部、17はサンプルガス流路11の中心Oで光路Laの一部分からの散乱光L2 を観測するように光路Laから所定の角度θを形成する光路Ls上の位置に配置された例えばフォトダイオード(PD)からなる第2の受光部である。
【0042】
そして、18は発光部15から受光部16,17までの間の光路La,Lsを確保する開口部18aを有すると共に、発光部15から出射する光で各受光部16,17の測定対象となる光L0 〜L2 以外の不要な光を遮断する遮蔽部材であり、19は両受光部16,17からの出力を増幅することで安定した信号をコントローラ10に出力するプリアンプ、20は各光学面14a〜14cよりもサンプルガス流路11内側の筒状体13a〜13cに開設された開孔からなる隙間、21は各隙間20を被覆して異物が入らないように保護するカバー、22はこのカバー21内に収められたエアフィルタである。
【0043】
すなわち、本例の分析計1は3つの筒状体13a〜13cと、この筒状体13a〜13cにそれぞれ配置された発光部15と2つの受光部16,17と、これらの発光部15および受光部16,17を排気ガスExから隔離するようにそれぞれ設けた光学面14a〜14cと、隙間20と、カバー21と、フィルタ22とを有する光学系23を設けている。
【0044】
図4は前記光学系23の構成を概略的に示し、前記光学面14a〜14cを汚さないようにするための本発明の構成と、その動作を説明する。
【0045】
図4に示すように、筒状体13a〜13c(図示は筒状態13a,13bのみである)を設けていない部分におけるサンプルガス流路11の流路面積S1 よりも、筒状体13a〜13cを内側に所定深さhだけ突出させた部分における流路面積S2 が狭くなり、これによって排気ガスExは矢印F1 に示すように筒状体13a〜13cの間の部分において絞られるように流れる。このため、筒状体13a〜13cの間における流速V2 がその他の部分における流速V1 よりも速くなる。
【0046】
したがって、前記筒状体13a〜13cの間においては前記式(1)に示したベルヌーイの定理で表わされているように、その圧力P2 がその他の部分における圧力P1 よりも低くなる。この圧力P2 の低下は排気ガスExの流量が多ければ多いほど著しくなり、外気圧よりも低い減圧部24となる。これにより、大気中空気が矢印F2 に示すように隙間20を通って筒状体13a〜13c内に導かれ、光学面14a〜14cとサンプルガス流路11に臨む部分13dの間の筒状体13a〜13cを介して減圧部24側に流入する。
【0047】
式(1)のベルヌーイの定理で表されているように、減圧部24の圧力P2 低下は速度比V2 /V1 の二乗に比例して生じるので、前記深さhに合わせて変化する前記面積比S2 /S1 が適宜の大きさになるように調整する。また、各筒状体13a〜13cの外周には孔11a〜11cに対して螺合するための雄螺子を形成しており、各筒状体13a〜13cを突出させる深さhは全て同じとなるように設定する。さらに、減圧部24における圧力P2 が大気圧よりも低い場合には、前記深さhを0とすることも可能である。
【0048】
なお、大気中空気はエアフィルタ22によって清浄化されているので、これが清浄ガスAとして筒状体13a〜13c内に流入し、各光学面14a〜14cの表面に清浄ガスAによるエアカーテンを形成する。
【0049】
つまり、光学面14a〜14cは排気ガスEx自体の流れに伴って流れる清浄ガスAの流れによって汚れから保護されるので、光学面14a〜14cは排気ガスExに含まれるオイルミスト等の粒状物質の付着から確実に保護される。また、清浄ガスAの流れを形成するために電動ファンのような動力を必要とする部材がないので分析計1の消費エネルギを必要最小限に抑えることができる。これは、分析計1を車載型または携帯型とするときにバッテリにかける負担を小さくする点で効果的である。
【0050】
図5は前記隙間20の構成を示す図である。隙間20は図5(A)に示すように筒状体13a〜13cの周囲に少なくとも2つ設けることで矢印F3 に示すように光学面14a〜14cの全体に広がって、その表面にエアカーテンを形成する。また、図5(B)に示すように隙間20を筒状体13a〜13cの周囲に3つ以上設けることで、清浄ガスAは光学面14a〜14cの全体により万遍なく広がる。
【0051】
次に、再び図3に戻って、前記光学面14a〜14cが幾らか汚れることがあっても正確な濃度分析を行なうための演算方法を説明する。
【0052】
始めに、本例に示す光学系23は、前記筒状体13a〜13bをサンプルガス流路11の中心Oに対して対称となるように設けているので、全ての筒状体13a〜13bは同じ条件でサンプルガス流路11内の排気ガスExの流れに接触する。したがって、各筒状体13a〜13b内に設けた光学面14a〜14cの汚れ状況も全て同じ条件であると考えることができる。
【0053】
また、光学面14a,14bの表面は光軸Lsに対して垂直に配置され、光学面14cは散乱光Lsに対して垂直に配置されているので、この光学面14a〜14cの表面における汚れは全て同じ程度の光の減衰を生じさせると考えることができる。さらに、発光部15から受光部16,17までの間の光路La,Ls上には各光L0 〜L2 を透過させると共に、不要な光Leを遮断するための遮蔽部材18を設けているので、例えば、発光部15から直接的に受光部17に入射するような不要な光Leやサンプルガス流路11の内壁面における反射光などの不要な光を遮蔽部材18によって遮蔽して、測定精度を高めることができる。
【0054】
加えて、前記コントローラ10は発光部15が安定した所定の光量の光を所定の周波数で断続的に出射するように制御すると共に、各受光部16,17によって検出した光の強度信号に含まれる交流成分のうち前記周波数で変動する信号を取り出してこれを各測定値I0 〜I2 として出力するものである。これによって、外部から入射する光による影響やその他のノイズ成分を確実に除去することができ、さらなる精度向上を達成できる。
【0055】
そして、本例に示す分析計1は排気ガスExに含まれるオイルミスト等の粒状物質を検知する光散乱式の濃度分析計である。したがって、この濃度分析計1は例えばその製造時に、光の吸収率がμである所定の濃度Cの粒状物質(測定対称)を含む校正ガスをサンプルガス流路11内に供給し、この校正ガスを透過した状態における受光部16の測定値を透過光L1 の測定値I1 、受光部17の測定値を散乱光L2 の測定値I2 とし、オイルミストを含まない清浄ガスをサンプルガス流路11内に供給した状態における受光部16の測定値をベース光(または出射光)L0 の測定値I0 とする。
【0056】
このとき受光部16が測定した各測定値I0 ,I1 の間には、オイルミストによる透過光の減衰を式(2)に示すランバート・ベアの法則に基づく関係が成り立っている。また、排気ガスExに含まれるオイルミストなどの汚染物質は、近年特に低濃度になっているので、濃度Cが極めて低濃度であるときには、この式(2)は直線的に近似でき、式(3)に示すように表すことができる。
I1 =I0 ×exp(−μCL) … 式(2)
I1 =I0 ×(1−C/β) … 式(3)
但し、Lは光路長、βは比例係数である。
【0057】
つまり、濃度Cは不透過率(オパシティ=1−I1 /I0 )に比例するとして式(4)に示すように表すことができる。そして、この光学系23におけるβの値を校正ガスに用いたオイルミストの濃度Cと、前記測定値I0 ,I1 から求めることができる。したがって、濃度と透過率の関係をあらかじめ求めておけば、比例係数βを決定して、不透過率から直接的に粒子上物質濃度を求めることができる。
C=β(1−I1 /I0 ) … 式(4)
【0058】
他方、散乱光L2 の強度は受光部17の測定値I2 から求めることができ、この散乱光L2 の強度I2 も粒子上物質の濃度Cが低い領域においてはやはり直線的に近似することができ、散乱光L2 の強度I2 は濃度Cに比例する。
【0059】
ところで、窓の汚れがある場合は、不透過率で濃度Cを求めると、窓の透過率が汚れによって低下するために、ベース光の減少と、透過光L1 の感度の低下によって誤差が著しく大きくなる。一方、散乱光L2 の強度I2 で濃度Cを求める場合は、窓の汚れは散乱光強度I2 の低下により、感度のみが低下することとなる。
【0060】
そこで、本発明の分析計1は、粒子状物質の濃度Cを以下の式(5)に示すように、透過光L1 の測定値I1 とこの光路La上の一部分から生じる散乱光L2 の測定値I2 との比から求める演算を演算処理部8によって行う。
C=αI2 /I1 … 式(5)
但し、αは補正係数である。
【0061】
なお、既に詳述したように、本発明の光学系23において、各光学面14a〜14cがサンプルガス流路11の中心Oから対称となる位置関係に設置されてなるので、第1の受光部16と第2の受光部17の出力I1 ,I2 が各光学面14b,14cによって同じ比率で減少する。つまり、各測定値I1 ,I2 に光学面光学面14a〜14cの汚れによる減衰dが生じている状況であったとしても、両光学面14b,14cによって生じる減衰が同じであるとして、前記式(5)において汚れによる減衰率dの影響を計算に入れたとしても式(6)に示すように、光透過窓14a〜14cの汚れによる光損失項を消去でき、理論上その影響を全く無くすことができる。
C=αdI2 /(dI1 )=αI2 /I1 … 式(6)
【0062】
なお、前記式(5)における濃度Cは式(4)における濃度Cと同じであるから、両式(4),(5)の関係から、式(5)における補正係数αの大きさを式(7)に示すように求めることができる。
α=β(I1 /I2 −I1 2 /(I0 I2 )) … 式(7)
【0063】
そして、この補正係数αは光透過窓14a〜14cが幾らか汚れることがあったとしても汚れ方が同じであるかぎり、変わることのない値である。したがって、前記演算処理部8はこの補正係数αを記憶して、測定対象である排気ガスExの濃度を式(5)によって算出するときに用いる。
【0064】
以上詳述したように、本発明の分析計1においては、粒子状物質の濃度が0から検知すべき粒子状物質濃度までの範囲において、上記式の関係が成り立つように光路長Lを決めて定数αを求めておくことにより、仮に光透過窓14a〜14cが汚れるようなことがあったとしても窓の汚れに対してもフレッシュエアなどを用いて校正を行なう必要を無くすことができる。
【0065】
長期的な使用によって各光透過窓14a〜14cの汚れ方に差が生じてきた場合でもフレッシュエアとサンプルガスを用いれば、式(7)かαを再度求め直すことができる。このため現場では扱いにくい校正ガスを用いる必要もない。
【0066】
なお、上述した例において、エアフィルタ22は周囲の空気から不純物を取り除いて清浄ガスAとして使用可能とするものであるが、このエアフィルタ22が隙間20を通る清浄ガスAの流れに流量制限を設ける流量制御弁(調圧弁)としての機能を有するものであることが望ましい。これによって、清浄ガスAの流れは所定流量に制限されるので、清浄ガスAの流れが排気ガスExの流れを圧迫することを防止でき、前記光路長Lを正確に保つことができる。
【0067】
図6,7は本発明の別の光学系25の例を示す図である。図6はこの光学系25の全体の断面図、図7は筒状体13a〜13c内の構成を示す断面図である。これらの図6,7において、図1〜5と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その詳細な説明を省略する。
【0068】
また、図6,7において、26は発光部15および受光部16(受光部17も含む)の外周と筒状体13a,13b(筒状体13cも含む)の間に形成された隙間であり、27はこの隙間26を形成すると共に発光部15および受光部16,17を筒状体13a〜13c内に保持する係止片である。
【0069】
本例のように構成することにより、清浄ガスAは矢印F5 に示すように光学面14a〜14cの周囲の隙間26からムラなく流れ込み、この光学面14a〜14cの全面を粒子状物質などの汚染物質から、より確実に保護することができる。
【0070】
図8は本発明の別の光学系28の全体構成を示す断面図である。図8において、図1〜7と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分である。本例において、29はサンプルガス流路11の内周面に形成した絞り部であって、この絞り部29の最も絞られた部分で、前記筒状体13a〜13cに対応する位相角に開口を開設して形成される共にこれに連接される筒状体30a〜30c(図示は30a,30bのみ)を設けている。
【0071】
本例のように構成された光学系28は矢印F6 に示すように排気ガスExの流れを絞り部29の形状にあわせて徐々に絞り込むことが可能となり、これによって乱流の発生を可及的に小さくすることができる。すなわち、矢印F7 に示す清浄ガスAの引き込みを安定して行うことが可能であると共に、安定した分析を行うことが可能となる。
【0072】
上述した各例においては、サンプルガスの一例として車両2からの排気ガスExを例示しており、この排気ガスExに対する光の照射に伴って生じる透過光と散乱光を用いてこの排気ガスExに含まれる粒子状物質の濃度Cを測定する濃度分析計1を例示して説明しているが、本発明はこの点に限定されるものではない。すなわち、本発明の分析計1は粒径分布計のように回折光を検出する場合も同様の効果を得ることができる。他にも、FTIRなどのその他の分析手法を用いたものであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学装置および分析計によれば、電力のような別途の動力を一切用いることなく、サンプルガスの流れだけを利用して光学系の測定感度に影響を及ぼす光学面の状態をその汚れから効果的に保護できると共に、たとえ光学面に幾らかの汚れが生じたとしても簡単な補正によって高精度の分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分析計の全体的な構成を示す図である。
【図2】前記分析計の光学系の全体構成を示す断面図である。
【図3】前記光学系の一部を別の角度から切断して示す断面図である。
【図4】前記光学系の動作を説明する図である。
【図5】前記光学系の要部を拡大して示す図である。
【図6】別の光学系の構成および動作を説明する図である。
【図7】図6に示す光学系の要部を拡大して示す図である。
【図8】別の光学系の構成および動作を説明する図である。
【図9】従来の濃度分析計における光学系の構成を示す図である。
【図10】従来の別の濃度分析計における光学系の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…分析計、8…演算処理部、11…サンプルガス流路、13a〜13c…筒状体、13d…サンプルガスに臨む部分、14a〜14c…光学面、15…発光部、16…第1の受光部、17…第2の受光部、18…遮蔽部材、18a…開口部、20…隙間、21…カバー、22…フィルタ(流量制御弁)、23,25,28…光学系、24…減圧部、A…清浄ガス、C…濃度、Ex…サンプルガス、L0 …照射光、L1 …透過光、L2 …散乱光、Le…不要な光、La,Ls…光路、α…補正係数。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学装置および分析計に関するものであり、より詳細には、サンプルガスを直接的に測定する場合に、サンプルガスに面する光透過窓などの光学面が汚れることを防止すると共に、この光学面が汚染したとしても高精度な分析が可能である光学装置および分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−183379号公報
【特許文献2】特許第3263085号公報
【0003】
従来より、光を用いた分析計は、サンプルガスに光を照射すると共にサンプルガスを通った光(透過光や散乱光)を検出する光学系を備えてなる。また、このサンプルガスの光学系は例えばサンプルガスに光を照射する発光部と、この発光部から出射してサンプルガスを透過した光を受光する受光部と、発光部および受光部がサンプルガスに直接接触しないようにサンプルガスから隔離すると共に光を透過させる光透過窓からなる光学面とを有してなる。
【0004】
光を用いた分析計の一例としては、ディーゼルエンジンの排気ガスやエンジンケース内のクランクシャフト焼きつき前に発生するオイルミスト等の粒状物質を検知する光散乱式の濃度分析計などが考えられる。また、従来のオイルミスト等の粒子状物質の測定方法としては、光学的に測定する光学測定方式が主であって、この光学測定方式には光透過吸収式および光散乱式の2つがある。
【0005】
図9は光透過吸収方式の濃度分析計の例を示している。図9において、41は発光部である発光ダイオード(LED)などの光源、42は受光部であるフォトダイオードなどの検出器であり、47は光源から出射した光を受光部へ反射するミラーである。また、43は発光部41から出射する光Lp1 と受光部42に入射する光Lp2 を透過すると共に発光部41,受光部42および反射ミラー47をサンプルガスから隔離した状態に保つ光学面(光透過窓)、44はサンプルガスSをT字状に流すように構成されたサンプル供給管である。
【0006】
図9に示す例の場合、発光部41から受光部42までの間の粒子状物質の有無を光吸収による透過光Lpの減衰によって検知する。このとき、光透過窓43の汚れによる光の減衰が生じると、粒子状物質の光吸収により透過光Lpの減衰と同様の信号変化となり、測定誤差を発生することがあった。
【0007】
そこで、この光透過窓43の汚れを防止するために、前記サンプル供給管44内の光透過窓43の前部にそれぞれ開孔44aを形成し、この開孔44aの外側にファン45を配置することで、清浄ガス(大気中の空気)を強制的に吹きつけて、この光透過窓43の周囲をパージすることで、エアカーテンを形成することが行われている。
【0008】
特許文献1では前記ファン45に代えて、車両の走行に伴って生じる風を引き込むためのベルマウス状の空気とり入れ口を設けることが提案されており、車両が走行している状態で、かつ、風を受けることができる状態では、ファン45のようなものを回さなくても光透過窓43の周囲にエアーカーテンを形成することが可能となる。
【0009】
一方、図10は、特許文献2に詳細に開示されているように、光散乱方式の濃度分析計では前記発光部41(LED33)の光軸Lp上から前記受光部42(フォトトランジスタ34b)を外して、粒子サイズによって斜め前方または斜め後方に生じる側方散乱Lpsを、発光部41の前方または後方に配置された受光部42によって検知する例を示している。なお、発光部41に対面する位置には受光強度を一定に保つためのフィードバック制御を行なう受光部46(フォトトランジスタ34a)を設けている。なお、()内は特許文献2における名称および符号を示している。
【0010】
この方法では、発光部41によって発光する光の強度を、受光部46によって受光できる光の強度が一定になるように、フィードバック制御によって調整する制御回路Cを有しているので、光学面43(管体32)の汚れによる影響を小さくすることができる。また、サンプルガスSに粒子状物質が存在しない場合は原理的には発光部41から出射した光が側方散乱を検知する受光部42には入射しないと考えられるので、光学面43の汚れが微量の粒子状物質によって生じる側方散乱に大きな影響を与えるものとはならず、感度の多少の変化はあるものの粒子状物質の検知には影響されにくいというメリットがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記図9に示すように構成された分析計では、別置きのファン45を必要としているので、分析計の構成が大型化すると共に複雑になり、製造コストが引き上げられるという問題があった。さらに、ファン45を駆動するために動力を必要としているので、その消費電力が増加することは避けられず、車両のバッテリに負担をかけるので車載するための可搬型分析計や、オンボード型の分析計の形成が困難であった。
【0012】
そこで、特許文献1に示されるように構成することで、車両が走行している状態で、かつ、風を受けることができる状態では、ファン45のようなものを回さなくても光学面43の周囲にエアーカーテンを形成することができるので、分析計の消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0013】
ところが、特許文献1に示されるような構成は車両の走行に伴って生じる周囲雰囲気との相対的な移動に伴って生じる大気中の空気の流れ(風)を利用してエアーカーテンを形成するので、車両が停止している状態におけるアイドリング状態や追い風を受けている状態では、このエアーカーテンが形成されないという問題があった。また、シャシダイナモ上の車両から排出される排ガスをサンプルガスとして測定する場合にも車両の移動がないのでエアカーテンが形成されないという問題があった。
【0014】
そして、受光面43に汚れが発生するとサンプルガスSを流していない状態のベース光による出力が変動し、粒子状物質が正常に検知できないことがあった。そこで、受光面43が汚れてしまった場合には、汚れによる光の減衰をキャンセルするために、サンプルガスSの代わりに別途用意された清浄ガスなどを供給して定期的な校正を行なう必要があった。
【0015】
一方、図10に示した特許文献2のように光学系とフィードバック制御回路Cを組み合わせた複雑な構成による補正を行なうことにより、光学面43の汚れ43aによる影響をできるだけ小さくすることが行われている。
【0016】
しかし、粒子状物質が導入される空間は一般的に小さな容積であるから、発光部41の光軸Lpと、この光軸Lp上の一部からの散乱光Lpsの光軸を交差させるようにしても、たとえば光学面43(空間内壁)に付着した汚れ43aによる散乱光Lpeなどによって、粒子状物質が存在しない場合であっても、受光部42に多くの光が入射することがあった。
【0017】
また、受光部42の位置関係と、フィードバック制御に用いる受光部46の位置関係が異なるので、一部拡大図に示すように、受光部42に入射する光Lpsが汚れ43aを通過する距離d1 と、受光部46に入射する光Lpが汚れ43aを通過する距離d2 が異なったり、光学面43の表面に入射する角度θpが異なるために反射率が変わるので、これらの違いによる光Lp2 ,Lpsの減衰程度は異なるものであり、これを補正することができなかった。加えて、一般的に排気ガスにはオイルミストなどの光学面43に付着しやすい汚れ成分が含まれているので、汚れ43aは直ぐに形成されるので、クリーンエアなどを用いて極頻繁に校正を行なう必要が生じていた。
【0018】
本発明は、上述の点を考慮に入れてなされたものであって、その目的は、汚れたサンプルガスを流したときにも光学面が汚れることを防止でき、汚れによる光量低下を抑えて、分析計の感度を長期間にわたって保つと共に、たとえ幾らかの汚れが生じたとしてもこれに影響されることのない安定した分析を行うことができる光学系および分析計を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、第1発明の光学系は、サンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系であって、サンプルガス流路内にこの流路を狭くすることでサンプルガスの流れを速くし、このサンプルガスの流れに伴った減圧部を形成すると共に内部に光学面を備えた筒状体を設け、この光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とする隙間を設けてなることを特徴としている(請求項1)。
【0020】
つまり、筒状体を例えばサンプルガス流路内に突出させることで、この部分の断面積を他の部分の断面積より小さな面積とする(狭くする)ことができるから、この筒状体を設けた部分におけるサンプルガスの流速は他の部分の流速より速くなる。そして、ベルヌーイの定理により流速の速い部分の圧力が低くなって減圧部を形成する。
なお、ベルヌーイの定理は以下の式(1)に示すものである。
0.5q2 +P/ρ+gz=一定 … 式(1)
但し、qは速度、Pは圧力、ρは密度、gは重力加速度、zは高さである。
【0021】
さらに、前記減圧部を形成することにより、上記隙間から清浄ガス(大気中の空気)を光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に流入させる(引き込む)ような流れを生じさせることができる。つまり、サンプルガスの流れそのものを用いて光学面の前面に清浄ガスによるエアカーテンを形成でき、これによって光学面が直接サンプルガスに触れることがなくなるので、サンプルガスが流れるときには常時光学面をパージすることができ、その汚れを効果的に防止できる。なお、前記光学面は光を透過する光透過面としても、光を反射する反射面とすることも可能である。
【0022】
また、光学面の前面に清浄ガスによるエアカーテンを形成するための構成は、サンプルガス流路に清浄ガス流入用の隙間(細孔)を設けた筒状体(光学面や発光部,受光部のケース)を臨ませるだけの簡易な構造であるから、製造コストを削減できるだけでなく、動力を全く必要としておらず、それだけ省エネルギに寄与できる。これは、とりわけ分析計を車両に搭載するような小型かつ可搬型のものが要求されるときに極めて有用である。
【0023】
なお、前記隙間はこの光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とするものであるから、例えば、この隙間を光学面を保持する筒状体の光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間に設けられた開孔とすることで容易に形成できる。あるいは、この隙間を光学面の外周と筒状体の内周面の間に形成した場合には、隙間は光学面の外周にほぼ均等に設けることができるので、この光学面の表面にエアカーテンを確実に形成できる。
【0024】
前記隙間を通る清浄ガスの流れに流量制限を設ける流量制御弁を設けた場合(請求項2)には、サンプルガスの流量が極めて大きくなった場合にも、光学面の表面に清浄ガスによるエアカーテンを形成するための流量を制限でき、この清浄ガスがサンプルガス流路内に多量に流れ込むことを防止できる。従って、清浄ガスの流れがサンプルガス流路内のサンプルガスの流れを圧迫することがなく、光学系によるサンプルガスの検出感度を一定に保つことができる。
【0025】
前記隙間に連通する部分に外気から清浄ガスを生成するためのフィルタを設けた場合(請求項3)には、窒素ガスや不活性ガスなどの特別な清浄ガスの供給源を必要としておらず、装置の小型化が図れランニングコストを低く抑えることができる。
【0026】
前記隙間を被覆して清浄ガスを導入可能とすると共に異物が入らないように保護するカバーを有する場合(請求項4)には、この光学系を例えば車両の排気管などの異物が多数存在する環境に設置する場合おいても、隙間に異物が挟まるなどしてこれを閉鎖することがなくなる。
【0027】
ところが、このような汚れ防止機能付きの光学系(筒状体)も設置場所や隙間の大きさ、挿入深さによる減圧量や経年変化等によって汚れが付着する場合も考えられる。このような場合の対応について考える。
【0028】
サンプルガスに前記光を照射する発光部と、この発光部の光路上に配置された第1の受光部と、この光路上の一部分を観測するように配置された第2の受光部とを有し、かつ、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されてなる場合(請求項5)には、第1の受光部を用いた測定によって透過光の検出を行うことができ、第2の受光部を用いた測定によって散乱光の検出を行うことができる。また、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されているので、各光学面は同じ条件でサンプルガス流路に面することになり、たとえこれが汚れることがあったとしても同程度に汚れることになる。つまり、透過光と散乱光の両方の測定値を組み合わて演算することで、光学面に汚れが生じることがあってもこの汚れによる影響をキャンセルする演算を行うことが可能となり、より高精度な分析を行うことができる。
【0029】
第2発明の分析計は、サンプルガスを流通するサンプルガス流路と、このサンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系とを有する分析計であって、この光学系が、前記サンプルガス流路内にこの流路を狭くすることでサンプルガスの流れに伴った減圧部を形成する筒状体と、この筒状体内に配置された光学面と、この光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とする隙間とを設けてなることを特徴としている。(請求項6)
【0030】
したがって、上述の分析計はサンプルガスの流れを用いて前記式(1)に示したベルヌーイの定理を用いた減圧部を形成し、これによって清浄ガスを光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に流入できるので、外部からの動力を一切用いることなく、サンプルガスが流れるときには常に光学面の前面に清浄ガスによるエアカーテンを形成できる。
【0031】
第3発明の分析計は、サンプルガスを流通するサンプルガス流路と、このサンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系とを有する分析計であって、この光学系が、前記サンプルガス流路内に光を照射する発光部と、この発光部の光路上に配置された第1の受光部と、この光路上の一部分からのサンプルガスによる散乱光を観測するように発光部の光路から所定の角度を形成する位置に配置された第2の受光部と、前記発光部から出射する光および両受光部に入射する光を透過すると共に発光部および両受光部をサンプルガスから隔離するようにそれぞれ設けてなる光学面とを有し、かつ、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されており、両受光部によって受光される光の強度比から光学面の汚れの程度に依存しないサンプルガスの濃度を求める演算処理部を設けたことを特徴としている。(請求項7)
【0032】
すなわち、第1の受光部を用いた測定によって透過光の検出を行うことができ、第2の受光部を用いた測定によって散乱光の検出を行うことができる。また、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されているので、各光学面に対する汚れの付着状況は全て同じであると仮定することができ、各光学面における汚れによって生じる減衰率dは全て同程度生じると考えることができる。したがって、透過光と散乱光の両方を用いてその強度比から濃度を演算することで、光学面に汚れが生じることがあってもこの汚れによる影響を除算によってキャンセルすることができ、これによって理論上光学面の汚れによる影響を完全にキャンセルした、より高精度な濃度分析を行うことが可能となる。
【0033】
前記演算処理部がガスによる光の吸収の無い状態で第1の受光部において受光した光の強度と、所定濃度のガスによる光の吸収を起こした状態で第1の受光部および第2の受光部においてそれぞれ受光した光の各強度と、このときの濃度とから演算して、前記両受光部によって受光される光の強度比からサンプルガス濃度を求めるための補正係数を求める場合(請求項8)には、前記光学面の汚れによる光の減衰が大きくなったとしても、これに応じた補正係数を求めることで確実にその影響を除去する演算処理を行うことができる。
【0034】
前記演算処理部がガスによる光の吸収の無い状態で第1の受光部において受光した光の強度と、サンプルガスによる光の吸収を起こした状態で第1の受光部および第2の受光部においてそれぞれ受光した光の各強度から演算して、前記両受光部によって受光される光の強度比からサンプルガス濃度を求めるための補正係数を求める場合(請求項9)には、前記光学面の汚れによる光の減衰が各光学面によって異なってきたとしても、これに応じた補正係数を求めることで確実にその影響を除去する演算処理を行なうことができる。
【0035】
前記発光部から前記受光部までの間の光路を確保する開口部を有すると共に、発光部から出射する光で各受光部の測定対象となる光以外の不要な光を遮断するための遮蔽部材を設けてなる場合(請求項10)には、発光部からの光の照射に伴って例えばサンプル流路の内壁面から生じる散乱光などの不要な光が測定感度に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0036】
とりわけ、サンプルガスが流れる部分の容積が比較的小さい場合には、サンプルガス流路の内壁面によって多くの散乱光が生じるが、第1の受光部および第2の受光部がこの不要な散乱光によって誤動作することを防止できる。また、遮蔽部材によって発光部からの光が直接的に第2の受光部に入射することを防止することも可能である。つまり、前記測定対象となる光以外の不要な光とはサンプルガス流路の内壁面による散乱光や発光部からの第2の受光部に直接的に入射する光などを示している。なお、サンプルガス流路内や遮蔽部材の表面は前記光を吸収するように黒体または黒体に近い光の吸収を可能とするように、黒に着色されたものであることが望ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の分析計1の全体的な構成を示す図である。図1において、2は分析計1を搭載する測定対象となる車両、3はこの車両2のエンジン、4はエンジン3からの排気ガスExを排出するための排気管、5は排気管4上に設けた触媒、6は消音器、7は排気管(テールパイプ)である。
【0038】
本例に示す分析計1は車載型であり、演算処理部8と、前記排気管7の下流端に接続される測定部9と、この測定部9を安定的に制御すると共にこの測定部9からの測定信号を演算処理部8に出力するコントローラ10とを有している。なお、以下の説明において、本発明の分析計1は車載型である例を示しているが、本発明はこの点に限定されるものではない。
【0039】
また、本発明の分析計1は演算処理部8と測定部9とコントローラ10を別体にすることに限定されるものではなく、一体型の装置としてもよい。この場合、演算処理部8をマイクロコンピュータとして可搬型とすることも可能である。
【0040】
図2,3は前記測定部9の構成を拡大して示す断面図である。図2,3において、11は前記排気管7の下流端に着脱自在に連設されるサンプルガス流路、12はサンプルガス流路11を例えば締付けによって取付ける取付け機構、13a〜13cはサンプルガス流路11の適所に開設した孔11a〜11cに挿入されてサンプルガス流路を狭くするように幾らか内側に突出させるように固定してなる筒状体、14a〜14cは各筒状体13a内に形成された光透過窓(光学面)である。
【0041】
また、15は光透過窓14aによってサンプルガス流路11内の排気ガス(サンプルガス)Exに光L0 を照射する例えば発光ダイオード(LED)からなる発光部、16はこの発光部の光路La上に配置されて透過光L1 を受光する例えばフォトダイオード(PD)からなる第1の受光部、17はサンプルガス流路11の中心Oで光路Laの一部分からの散乱光L2 を観測するように光路Laから所定の角度θを形成する光路Ls上の位置に配置された例えばフォトダイオード(PD)からなる第2の受光部である。
【0042】
そして、18は発光部15から受光部16,17までの間の光路La,Lsを確保する開口部18aを有すると共に、発光部15から出射する光で各受光部16,17の測定対象となる光L0 〜L2 以外の不要な光を遮断する遮蔽部材であり、19は両受光部16,17からの出力を増幅することで安定した信号をコントローラ10に出力するプリアンプ、20は各光学面14a〜14cよりもサンプルガス流路11内側の筒状体13a〜13cに開設された開孔からなる隙間、21は各隙間20を被覆して異物が入らないように保護するカバー、22はこのカバー21内に収められたエアフィルタである。
【0043】
すなわち、本例の分析計1は3つの筒状体13a〜13cと、この筒状体13a〜13cにそれぞれ配置された発光部15と2つの受光部16,17と、これらの発光部15および受光部16,17を排気ガスExから隔離するようにそれぞれ設けた光学面14a〜14cと、隙間20と、カバー21と、フィルタ22とを有する光学系23を設けている。
【0044】
図4は前記光学系23の構成を概略的に示し、前記光学面14a〜14cを汚さないようにするための本発明の構成と、その動作を説明する。
【0045】
図4に示すように、筒状体13a〜13c(図示は筒状態13a,13bのみである)を設けていない部分におけるサンプルガス流路11の流路面積S1 よりも、筒状体13a〜13cを内側に所定深さhだけ突出させた部分における流路面積S2 が狭くなり、これによって排気ガスExは矢印F1 に示すように筒状体13a〜13cの間の部分において絞られるように流れる。このため、筒状体13a〜13cの間における流速V2 がその他の部分における流速V1 よりも速くなる。
【0046】
したがって、前記筒状体13a〜13cの間においては前記式(1)に示したベルヌーイの定理で表わされているように、その圧力P2 がその他の部分における圧力P1 よりも低くなる。この圧力P2 の低下は排気ガスExの流量が多ければ多いほど著しくなり、外気圧よりも低い減圧部24となる。これにより、大気中空気が矢印F2 に示すように隙間20を通って筒状体13a〜13c内に導かれ、光学面14a〜14cとサンプルガス流路11に臨む部分13dの間の筒状体13a〜13cを介して減圧部24側に流入する。
【0047】
式(1)のベルヌーイの定理で表されているように、減圧部24の圧力P2 低下は速度比V2 /V1 の二乗に比例して生じるので、前記深さhに合わせて変化する前記面積比S2 /S1 が適宜の大きさになるように調整する。また、各筒状体13a〜13cの外周には孔11a〜11cに対して螺合するための雄螺子を形成しており、各筒状体13a〜13cを突出させる深さhは全て同じとなるように設定する。さらに、減圧部24における圧力P2 が大気圧よりも低い場合には、前記深さhを0とすることも可能である。
【0048】
なお、大気中空気はエアフィルタ22によって清浄化されているので、これが清浄ガスAとして筒状体13a〜13c内に流入し、各光学面14a〜14cの表面に清浄ガスAによるエアカーテンを形成する。
【0049】
つまり、光学面14a〜14cは排気ガスEx自体の流れに伴って流れる清浄ガスAの流れによって汚れから保護されるので、光学面14a〜14cは排気ガスExに含まれるオイルミスト等の粒状物質の付着から確実に保護される。また、清浄ガスAの流れを形成するために電動ファンのような動力を必要とする部材がないので分析計1の消費エネルギを必要最小限に抑えることができる。これは、分析計1を車載型または携帯型とするときにバッテリにかける負担を小さくする点で効果的である。
【0050】
図5は前記隙間20の構成を示す図である。隙間20は図5(A)に示すように筒状体13a〜13cの周囲に少なくとも2つ設けることで矢印F3 に示すように光学面14a〜14cの全体に広がって、その表面にエアカーテンを形成する。また、図5(B)に示すように隙間20を筒状体13a〜13cの周囲に3つ以上設けることで、清浄ガスAは光学面14a〜14cの全体により万遍なく広がる。
【0051】
次に、再び図3に戻って、前記光学面14a〜14cが幾らか汚れることがあっても正確な濃度分析を行なうための演算方法を説明する。
【0052】
始めに、本例に示す光学系23は、前記筒状体13a〜13bをサンプルガス流路11の中心Oに対して対称となるように設けているので、全ての筒状体13a〜13bは同じ条件でサンプルガス流路11内の排気ガスExの流れに接触する。したがって、各筒状体13a〜13b内に設けた光学面14a〜14cの汚れ状況も全て同じ条件であると考えることができる。
【0053】
また、光学面14a,14bの表面は光軸Lsに対して垂直に配置され、光学面14cは散乱光Lsに対して垂直に配置されているので、この光学面14a〜14cの表面における汚れは全て同じ程度の光の減衰を生じさせると考えることができる。さらに、発光部15から受光部16,17までの間の光路La,Ls上には各光L0 〜L2 を透過させると共に、不要な光Leを遮断するための遮蔽部材18を設けているので、例えば、発光部15から直接的に受光部17に入射するような不要な光Leやサンプルガス流路11の内壁面における反射光などの不要な光を遮蔽部材18によって遮蔽して、測定精度を高めることができる。
【0054】
加えて、前記コントローラ10は発光部15が安定した所定の光量の光を所定の周波数で断続的に出射するように制御すると共に、各受光部16,17によって検出した光の強度信号に含まれる交流成分のうち前記周波数で変動する信号を取り出してこれを各測定値I0 〜I2 として出力するものである。これによって、外部から入射する光による影響やその他のノイズ成分を確実に除去することができ、さらなる精度向上を達成できる。
【0055】
そして、本例に示す分析計1は排気ガスExに含まれるオイルミスト等の粒状物質を検知する光散乱式の濃度分析計である。したがって、この濃度分析計1は例えばその製造時に、光の吸収率がμである所定の濃度Cの粒状物質(測定対称)を含む校正ガスをサンプルガス流路11内に供給し、この校正ガスを透過した状態における受光部16の測定値を透過光L1 の測定値I1 、受光部17の測定値を散乱光L2 の測定値I2 とし、オイルミストを含まない清浄ガスをサンプルガス流路11内に供給した状態における受光部16の測定値をベース光(または出射光)L0 の測定値I0 とする。
【0056】
このとき受光部16が測定した各測定値I0 ,I1 の間には、オイルミストによる透過光の減衰を式(2)に示すランバート・ベアの法則に基づく関係が成り立っている。また、排気ガスExに含まれるオイルミストなどの汚染物質は、近年特に低濃度になっているので、濃度Cが極めて低濃度であるときには、この式(2)は直線的に近似でき、式(3)に示すように表すことができる。
I1 =I0 ×exp(−μCL) … 式(2)
I1 =I0 ×(1−C/β) … 式(3)
但し、Lは光路長、βは比例係数である。
【0057】
つまり、濃度Cは不透過率(オパシティ=1−I1 /I0 )に比例するとして式(4)に示すように表すことができる。そして、この光学系23におけるβの値を校正ガスに用いたオイルミストの濃度Cと、前記測定値I0 ,I1 から求めることができる。したがって、濃度と透過率の関係をあらかじめ求めておけば、比例係数βを決定して、不透過率から直接的に粒子上物質濃度を求めることができる。
C=β(1−I1 /I0 ) … 式(4)
【0058】
他方、散乱光L2 の強度は受光部17の測定値I2 から求めることができ、この散乱光L2 の強度I2 も粒子上物質の濃度Cが低い領域においてはやはり直線的に近似することができ、散乱光L2 の強度I2 は濃度Cに比例する。
【0059】
ところで、窓の汚れがある場合は、不透過率で濃度Cを求めると、窓の透過率が汚れによって低下するために、ベース光の減少と、透過光L1 の感度の低下によって誤差が著しく大きくなる。一方、散乱光L2 の強度I2 で濃度Cを求める場合は、窓の汚れは散乱光強度I2 の低下により、感度のみが低下することとなる。
【0060】
そこで、本発明の分析計1は、粒子状物質の濃度Cを以下の式(5)に示すように、透過光L1 の測定値I1 とこの光路La上の一部分から生じる散乱光L2 の測定値I2 との比から求める演算を演算処理部8によって行う。
C=αI2 /I1 … 式(5)
但し、αは補正係数である。
【0061】
なお、既に詳述したように、本発明の光学系23において、各光学面14a〜14cがサンプルガス流路11の中心Oから対称となる位置関係に設置されてなるので、第1の受光部16と第2の受光部17の出力I1 ,I2 が各光学面14b,14cによって同じ比率で減少する。つまり、各測定値I1 ,I2 に光学面光学面14a〜14cの汚れによる減衰dが生じている状況であったとしても、両光学面14b,14cによって生じる減衰が同じであるとして、前記式(5)において汚れによる減衰率dの影響を計算に入れたとしても式(6)に示すように、光透過窓14a〜14cの汚れによる光損失項を消去でき、理論上その影響を全く無くすことができる。
C=αdI2 /(dI1 )=αI2 /I1 … 式(6)
【0062】
なお、前記式(5)における濃度Cは式(4)における濃度Cと同じであるから、両式(4),(5)の関係から、式(5)における補正係数αの大きさを式(7)に示すように求めることができる。
α=β(I1 /I2 −I1 2 /(I0 I2 )) … 式(7)
【0063】
そして、この補正係数αは光透過窓14a〜14cが幾らか汚れることがあったとしても汚れ方が同じであるかぎり、変わることのない値である。したがって、前記演算処理部8はこの補正係数αを記憶して、測定対象である排気ガスExの濃度を式(5)によって算出するときに用いる。
【0064】
以上詳述したように、本発明の分析計1においては、粒子状物質の濃度が0から検知すべき粒子状物質濃度までの範囲において、上記式の関係が成り立つように光路長Lを決めて定数αを求めておくことにより、仮に光透過窓14a〜14cが汚れるようなことがあったとしても窓の汚れに対してもフレッシュエアなどを用いて校正を行なう必要を無くすことができる。
【0065】
長期的な使用によって各光透過窓14a〜14cの汚れ方に差が生じてきた場合でもフレッシュエアとサンプルガスを用いれば、式(7)かαを再度求め直すことができる。このため現場では扱いにくい校正ガスを用いる必要もない。
【0066】
なお、上述した例において、エアフィルタ22は周囲の空気から不純物を取り除いて清浄ガスAとして使用可能とするものであるが、このエアフィルタ22が隙間20を通る清浄ガスAの流れに流量制限を設ける流量制御弁(調圧弁)としての機能を有するものであることが望ましい。これによって、清浄ガスAの流れは所定流量に制限されるので、清浄ガスAの流れが排気ガスExの流れを圧迫することを防止でき、前記光路長Lを正確に保つことができる。
【0067】
図6,7は本発明の別の光学系25の例を示す図である。図6はこの光学系25の全体の断面図、図7は筒状体13a〜13c内の構成を示す断面図である。これらの図6,7において、図1〜5と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分であるから、その詳細な説明を省略する。
【0068】
また、図6,7において、26は発光部15および受光部16(受光部17も含む)の外周と筒状体13a,13b(筒状体13cも含む)の間に形成された隙間であり、27はこの隙間26を形成すると共に発光部15および受光部16,17を筒状体13a〜13c内に保持する係止片である。
【0069】
本例のように構成することにより、清浄ガスAは矢印F5 に示すように光学面14a〜14cの周囲の隙間26からムラなく流れ込み、この光学面14a〜14cの全面を粒子状物質などの汚染物質から、より確実に保護することができる。
【0070】
図8は本発明の別の光学系28の全体構成を示す断面図である。図8において、図1〜7と同じ符号を付した部分は同一または同等の部分である。本例において、29はサンプルガス流路11の内周面に形成した絞り部であって、この絞り部29の最も絞られた部分で、前記筒状体13a〜13cに対応する位相角に開口を開設して形成される共にこれに連接される筒状体30a〜30c(図示は30a,30bのみ)を設けている。
【0071】
本例のように構成された光学系28は矢印F6 に示すように排気ガスExの流れを絞り部29の形状にあわせて徐々に絞り込むことが可能となり、これによって乱流の発生を可及的に小さくすることができる。すなわち、矢印F7 に示す清浄ガスAの引き込みを安定して行うことが可能であると共に、安定した分析を行うことが可能となる。
【0072】
上述した各例においては、サンプルガスの一例として車両2からの排気ガスExを例示しており、この排気ガスExに対する光の照射に伴って生じる透過光と散乱光を用いてこの排気ガスExに含まれる粒子状物質の濃度Cを測定する濃度分析計1を例示して説明しているが、本発明はこの点に限定されるものではない。すなわち、本発明の分析計1は粒径分布計のように回折光を検出する場合も同様の効果を得ることができる。他にも、FTIRなどのその他の分析手法を用いたものであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学装置および分析計によれば、電力のような別途の動力を一切用いることなく、サンプルガスの流れだけを利用して光学系の測定感度に影響を及ぼす光学面の状態をその汚れから効果的に保護できると共に、たとえ光学面に幾らかの汚れが生じたとしても簡単な補正によって高精度の分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分析計の全体的な構成を示す図である。
【図2】前記分析計の光学系の全体構成を示す断面図である。
【図3】前記光学系の一部を別の角度から切断して示す断面図である。
【図4】前記光学系の動作を説明する図である。
【図5】前記光学系の要部を拡大して示す図である。
【図6】別の光学系の構成および動作を説明する図である。
【図7】図6に示す光学系の要部を拡大して示す図である。
【図8】別の光学系の構成および動作を説明する図である。
【図9】従来の濃度分析計における光学系の構成を示す図である。
【図10】従来の別の濃度分析計における光学系の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…分析計、8…演算処理部、11…サンプルガス流路、13a〜13c…筒状体、13d…サンプルガスに臨む部分、14a〜14c…光学面、15…発光部、16…第1の受光部、17…第2の受光部、18…遮蔽部材、18a…開口部、20…隙間、21…カバー、22…フィルタ(流量制御弁)、23,25,28…光学系、24…減圧部、A…清浄ガス、C…濃度、Ex…サンプルガス、L0 …照射光、L1 …透過光、L2 …散乱光、Le…不要な光、La,Ls…光路、α…補正係数。
Claims (10)
- サンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系であって、
サンプルガス流路内にこの流路を狭くすることでサンプルガスの流れを速くし、このサンプルガスの流れに伴った減圧部を形成すると共に内部に光学面を備えた筒状体を設け、
この光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とする隙間を設けてなることを特徴とする光学系。 - 前記隙間を通る清浄ガスの流れに流量制限を設ける流量制御弁を設けた請求項1に記載の光学系。
- 前記隙間に連通する部分に外気から清浄ガスを生成するためのフィルタを設けた請求項1または2に記載の光学系。
- 前記隙間を被覆して清浄ガスを導入可能とすると共に異物が入らないように保護するカバーを有する請求項1〜3の何れかに記載の光学系。
- サンプルガスに前記光を照射する発光部と、この発光部の光路上に配置された第1の受光部と、この光路上の一部分を観測するように配置された第2の受光部とを有し、かつ、各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されてなる請求項1〜4の何れかに記載の光学系。
- サンプルガスを流通するサンプルガス流路と、
このサンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系とを有する分析計であって、
この光学系が、前記サンプルガス流路内にこの流路を狭くすることでサンプルガスの流れに伴った減圧部を形成する筒状体と、
この筒状体内に配置された光学面と、
この光学面とサンプルガス流路に臨む部分との間の筒状体内を介して前記減圧部に清浄ガスを流入可能とする隙間とを設けてなることを特徴とする分析計。 - サンプルガスを流通するサンプルガス流路と、
このサンプルガス流路内のサンプルガスに対して光を照射すると共にこのサンプルガスを通った光を検出する光学系とを有する分析計であって、
この光学系が、
前記サンプルガス流路内に光を照射する発光部と、
この発光部の光路上に配置された第1の受光部と、
この光路上の一部分からのサンプルガスによる散乱光を観測するように発光部の光路から所定の角度を形成する位置に配置された第2の受光部と、
前記発光部から出射する光および両受光部に入射する光を透過すると共に発光部および両受光部をサンプルガスから隔離するようにそれぞれ設けてなる光学面とを有し、かつ、
各光学面がサンプルガス流路の中心から対称となる位置関係に設置されており、両受光部によって受光される光の強度比から光学面の汚れの程度に依存しないサンプルガスの濃度を求める演算処理部を設けたことを特徴とする分析計。 - 前記演算処理部がガスによる光の吸収の無い状態で第1の受光部において受光した光の強度と、
所定濃度のガスによる光の吸収を起こした状態で第1の受光部および第2の受光部においてそれぞれ受光した光の各強度と、
このときの濃度とから演算して、
前記両受光部によって受光される光の強度比からサンプルガス濃度を求めるための補正係数を求める請求項7に記載の分析計。 - 前記演算処理部がガスによる光の吸収の無い状態で第1の受光部において受光した光の強度と、サンプルガスによる光の吸収を起こした状態で第1の受光部および第2の受光部においてそれぞれ受光した光の各強度から演算して、前記両受光部によって受光される光の強度比からサンプルガス濃度を求めるための補正係数を求める請求項7または8に記載の分析計。
- 前記発光部から前記受光部までの間の光路を確保する開口部を有すると共に、発光部から出射する光で各受光部の測定対象となる光以外の不要な光を遮断するための遮蔽部材を設けてなる請求項7〜9の何れかに記載の分析計。
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