JP2004264123A - 光波干渉計 - Google Patents

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雄一郎 横山
Yutaka Kuriyama
豊 栗山
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Abstract

【課題】本発明の目的は、試料の測定部位に関する情報とは無関係なノイズの影響を簡単に、しかも効果的に低減することのできる光波干渉計を提供することにある。
【解決手段】光源12と、ビームスプリッタ14と、参照鏡16と、撮像手段18と、を備え、該撮像手段18により得られた干渉縞画像に基づいて試料30の測定部位に関する情報を得る光波干渉計において、該撮像手段18に設けられ、該撮像手段18をその光軸方向jへ変位させる変位手段42と、該撮像手段18による干渉縞の撮像の際に、該ビームスプリッタ14と該撮像手段18間の光路長が連続的に変化するように、該変位手段42による該撮像手段18の変位を行わせる制御手段20と、を備えたことを特徴とする光波干渉計10。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光波干渉計、特にその干渉ノイズ低減機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、試料の表面形状や寸法等を測定するため、種々の測定装置が用いられている。最近は、その測定が非接触、非破壊で行える光波干渉計が特に注目されている。
光波干渉計は、光源、ビームスプリッタ、参照鏡、撮像手段を備える。そして、光源からの可干渉光をビームスプリッタにより参照鏡を照射する参照光と試料の測定部位を照射する試料光に分割する。参照鏡で反射された参照光と試料の測定部位で反射された試料光をビームスプリッタで合成する。撮像手段により、参照鏡で反射された参照光と該試料の測定部位で反射された試料光の干渉によって生じる干渉縞を撮像する。撮像手段により得られた干渉縞画像に基づいて、試料の表面形状や寸法等に関する情報を得ている。
【0003】
ところで、光波干渉計を用いて試料の表面形状測定や寸法測定をより正確に行うには、測定の妨げとなる干渉のない高精度な干渉縞画像を得ることが非常に重要である。このためには測定すべき干渉縞以外の干渉ノイズを低減する必要がある。
従来は、光学的ノイズの影響を低減するため、光学部品に減反射コートを施す方法、光源からの可干渉光のコヒーレンシーを拡散板により悪くする方法、得られた干渉縞画像の画像補正を行う方法が考えられる(特許文献1,特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−198319号公報
【特許文献2】
特開2002−13920号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記減反射コートを施す従来方法であっても、高価な割にはノイズを効果的に低減することが難しい。また前記拡散板を用いた従来方法では、該拡散板により光強度、分解能が低下してしまう。また前記画像補正を行う従来方法であっても、既に劣化のある干渉縞画像に画像補正を行っても、ノイズによる劣化のみを十分に除去するのは事実上困難であった。
したがって、前記従来方法は何れも本発明の解決手段として採用するには至らなかった。
【0006】
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その第一の目的は、試料の測定部位に関する情報とは無関係なノイズの影響を簡単に、しかも効果的に低減することのできる光波干渉計を提供することにある。また本発明の第二の目的は、前記本発明の第一の目的を安価に達成することのできる光波干渉計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが前記ノイズの影響の低減化について鋭意検討を重ねた結果、干渉縞画像の劣化は、撮像手段での反射光により生じる干渉ノイズ成分の影響が大きいことがわかった。
すなわち、光波干渉計を用いて試料の表面形状や寸法等の測定を行うには、干渉縞画像を得る撮像手段としてCCDカメラを用いることが一般的であるが、CCDカメラの撮像素子面や結像レンズ表面での反射光によって干渉ノイズ成分が発生している。このような干渉ノイズ成分が測定すべき干渉縞画像と混在してCCDカメラにより撮像されてしまうことが本発明者らにより確認された。
【0008】
そして、本発明者らは、このような干渉ノイズ成分の影響を低減するには、CCDカメラにより撮像される干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分を一定値とすることが効果的であるとの知見に至った。
すなわち、CCDカメラを光軸方向に変位させれば、CCDカメラでの反射光により生じる干渉ノイズ成分の光路長を連続的に変化させることができる。これにより干渉ノイズ成分の強度変化が発生する。この干渉ノイズ成分の強度変化の周期が、CCDカメラのサンプリング時間(周期)よりも短ければ、CCDカメラでは干渉ノイズ成分の強度変化をとらえることができないのである。
【0009】
そして、本発明者らは、このような現象を積極的に利用して、干渉ノイズ成分が強度変化の平均値としてCCDカメラにより撮像されるようにすることにより、簡単に、測定すべき干渉縞画像への影響を大幅に低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記第一の目的を達成するために本発明にかかる光波干渉計は、光源と、ビームスプリッタと、参照鏡と、撮像手段と、を備え、該光源からの可干渉光を該ビームスプリッタにより該参照鏡を照射する参照光と試料の測定部位を照射する試料光に分割し、該参照鏡で反射された参照光と該試料の測定部位で反射された試料光をビームスプリッタで合成し、その干渉によって生じる干渉縞を該撮像手段により撮像し、該撮像手段により得られた干渉縞画像に基づいて試料の測定部位に関する情報を得る光波干渉計において、変位手段と、制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記変位手段は、前記撮像手段に設けられ、該撮像手段をその光軸方向へ加振する。
また前記制御手段は、前記撮像手段による干渉縞の撮像の際に、前記ビームスプリッタと前記撮像手段間の光路長が連続的に変化するように、前記変位手段による撮像手段の変位を行わせる。
ここにいう変位とは、ビームスプリッタと撮像手段間の光路長を変化させることができるものであれば、任意の動作をいう。このため変位としては、例えば撮像手段をその光軸方向に振動させること、撮像手段をその光軸方向の一方向に移動させること等が一例として挙げられる。
【0011】
またここにいうビームスプリッタと撮像手段間の光路長が連続的に変化するとは、該光路長の変化によっても、測定すべき干渉縞の位相変化は生じさせることなく、干渉ノイズ成分の位相変化のみを生じさせることをいう。
本発明の試料の測定部位に関する情報としては、例えば試料の表面形状、寸法等が一例として挙げられる。
【0012】
なお、本発明において、前記変位手段は、前記撮像手段をその光軸方向に加振する。前記撮像手段は、前記参照鏡で反射された参照光と前記試料の測定部位で反射された試料光の干渉によって生じる干渉縞を所定のサンプリング周期でサンプリングする。前記制御手段は、前記変位手段による撮像手段の振動の振幅が、前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2の場合は、前記ビームスプリッタと前記撮像手段間の光路長が、前記撮像手段によるサンプリング周期よりも短い周期で変化するように、前記変位手段による撮像手段の加振を行わせる。また前記制御手段は、前記変位手段による撮像手段の振動の振幅が、前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2よりも大きい場合は、前記撮像手段によるサンプリング周期内に、前記撮像手段が前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2以上の距離を変位するように、前記変位手段による撮像手段の加振を行わせることが好適である。
【0013】
ここにいう撮像手段によるサンプリング周期とは、例えばシャッターを用いているCCDカメラであれば、そのシャッタースピード(時間)に相当し、シャッターを用いていないCCDカメラであれば、CCDの電荷蓄積時間等に相当する。
また本発明においては、前記変位手段は、前記撮像手段をその光軸方向の一方向に移動する。前記撮像手段は、前記参照鏡で反射された参照光と前記試料の測定部位で反射された試料光の干渉によって生じる干渉縞を所定のサンプリング周期でサンプリングする。前記制御手段は、前記撮像手段によるサンプリング周期内に、前記撮像手段が前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2以上の距離を移動するように、前記変位手段による撮像手段の移動を行わせることが好適である。
【0014】
また前記第二の目的を達成するために本発明にかかる光波干渉計は、前記変位手段として、入手の容易性、価格等の面で優れた振動モータないし圧電素子を用いることが好適である。
また本発明において、前記参照鏡で反射された参照光は、前記試料の測定部位に関する情報を得るのに必要な参照鏡側測定光と、該試料の測定部位に関する情報を得るのに不要な参照鏡側ノイズ光が含まれる。また前記試料で反射された試料光は、前記試料の測定部位に関する情報を得るのに必要な試料側測定光と、該試料の測定部位に関する情報を得るのに不要な試料側ノイズ光が含まれる。前記撮像手段は、前記変位手段により一体的に変位する、前記参照鏡で反射された参照光と前記試料の測定部位で反射された試料光の合成によって生じる干渉光が入射され、その干渉縞を撮像するカメラ本体、及び前記ビームスプリッタと前記カメラ本体間に設けられ、該ビームスプリッタよりの干渉光を該カメラ本体に結像させるレンズを含む。そして、前記変位手段による撮像手段の光軸方向への変位により、前記ビームスプリッタから前記撮像手段への干渉光が前記カメラ本体ないしレンズで反射され、その反射光が該ビームスプリッタで前記参照鏡側ノイズ光と前記試料側ノイズ光に分割され、該参照鏡で反射された参照鏡側ノイズ光と該試料の測定部位で反射された試料側ノイズ光が、該参照鏡で反射された参照鏡側測定光と該試料の測定部位で反射された試料側測定光のそれぞれと合成されることにより生じる干渉ノイズ成分の位相を連続的に変化させることが好適である。
【0015】
ここにいう参照鏡で反射された参照鏡側ノイズ光と該試料の測定部位で反射された試料側ノイズ光が、該参照鏡で反射された参照鏡側測定光と該試料の測定部位で反射された試料側測定光のそれぞれと合成されるとは、参照鏡側ノイズ光が参照鏡側測定光ないし試料側測定光と干渉すること、試料側ノイズ光が参照鏡側測定光ないし試料側測定光と干渉することを含めていう。
その一例としては、参照鏡側ノイズ光と参照鏡側測定光がビームスプリッタと参照鏡間の光路上で干渉すること、試料側ノイズ光と試料側測定光がビームスプリッタと試料間の光路上で干渉すること、参照鏡側ノイズ光と試料側測定光がビームスプリッタで干渉すること、試料側ノイズ光と参照鏡側測定光がビームスプリッタで干渉すること等が一例として挙げられる。
【0016】
本発明においては、変位手段によりカメラ本体とレンズを一体的に変位させているが、これは変位によっても、カメラ本体とレンズ間の光路長を変えることなく、カメラ本体とレンズを一緒に変位させることをいうが、形体を限定するものではない。すなわち、これはカメラ本体とレンズを一緒に変位させることができるものであれば、カメラ本体とレンズは、形体が一体化されているもの、別体化されているものを含めていう。
またここにいうカメラ本体とは、カメラ本体に配置された電荷結合素子(CCD)等の撮像素子をいい、該撮像素子への入射光を光電変換し、その電荷の蓄積とその読取りを所定の時間間隔で繰り返すものをいう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施形態について説明する。
図1には本発明の一実施形態にかかる光波干渉計の概略構成が示されている。なお、本実施形態では、光波干渉計としてマイケルソン型を想定し、該光波干渉計による位相シフト法を用いて干渉縞解析を行う例について説明する。
同図に示す光波干渉計10は、レーザ光源(光源)12と、ビームスプリッタ14と、参照鏡16と、CCDカメラ(撮像手段)18と、コンピュータ(制御手段)20を備える。
【0018】
そして、レーザ光源12からの波長λのレーザ光(可干渉光)22は、ビームエキスパンダ24でビーム径が拡大され、さらにビームスプリッタ14により試料光26と参照光28に分離される。試料光26は試料30へ、参照光28はオプティカルウェッジ32を介して参照鏡16へと向かう。試料30の測定部位で反射された試料光34と、参照鏡16で反射された参照光36は、ビームスプリッタ14で合成される。その干渉によって生じる干渉光38は干渉縞としてCCDカメラ18により撮像される。
【0019】
すなわち、CCDカメラ18は、結像レンズ(レンズ)40と、CCDカメラ本体41を備える。結像レンズ40と、CCDカメラ本体41は、結像レンズ40ないしCCDカメラ本体41の加振(変位)によっても、焦点がずれることがないように、結像レンズ40とCCDカメラ本体41間の光軸方向の位置関係(光路長)が固定されている。
そして、光波干渉計10で発生している干渉縞の画像を、結像レンズ40を介してCCDカメラ本体41により得ている。
【0020】
CCDカメラ18は、シャッターを用いておらず、例えば1秒間に複数枚の干渉縞画像を得ている。
CCDカメラ18は、光波干渉計10で発生している干渉縞の位相をシフトさせて得られた位相の異なる干渉縞画像を複数枚得ている。
コンピュータ20は、CCDカメラ18により得られた位相の異なる複数の干渉縞画像から位相を例えば最小二乗法等で算出する。さらに算出された位相を滑らかに接続し、試料30の表面形状に関する情報(試料の測定部位に関する情報)を得ている。
【0021】
本実施形態において特徴的なことは、光波干渉計に要求される干渉ノイズの影響の低減化に応えるため、加振手段(変位手段)42と、コンピュータ(制御手段)20を備えたことである。
加振手段42は、ノイズ発生要素となるCCDカメラ18の結像レンズ40に設けられている。
加振手段42は、CCDカメラ18の結像レンズ40をその光軸方向(図中、矢印j方向)へ加振することにより、結像レンズ40とCCDカメラ本体41を一緒に加振している。
【0022】
なお、このような加振手段42による結像レンズ40の加振によっても、結像レンズ40とCCDカメラ本体41間の光路長は変わらないので、焦点がずれることはない。
コンピュータ20は、CCDカメラ18による干渉縞の撮像の際に、干渉ノイズ成分の光路長を連続的に変化させるため、ビームスプリッタ14とCCDカメラ18間の光路長が連続的に変化するように、ドライバ44を介して加振手段42によるCCDカメラ18への加振制御を行っている。
【0023】
加振手段42によるCCDカメラ18への加振は、CCDカメラ18の電荷蓄積時間よりも短い時間内に、ビームスプリッタ14とCCDカメラ18間の光路長がレーザ光源12からのレーザ光22の波長λの1波長以上変化するように設定しており、干渉ノイズ成分の位相を1周期以上変化させている。
この加振手段42によるCCDカメラ18への加振は、その他の光学部品等には振動を与えていない。
コンピュータ20は、このようなCCDカメラ18の加振を干渉縞の位相シフト中、常に行っている。例えば光波干渉計10で発生している干渉縞の位相シフトの開始時から、CCDカメラ18による撮像終了まで行っている。
【0024】
なお、本実施形態においては、光波干渉計10で発生している干渉縞の位相を変えるため、オプティカルウェッジ32の左右方向の微動(図中、矢印i方向)、或いは参照鏡16の上下方向の微動(図中、矢印j方向)を行っている。前記オプティカルウェッジ32の微動は、コンピュータ20によりドライバ46を介して行われている。前記参照鏡16の微動は、コンピュータ20によりドライバ48を介して行われている。この微動は、光波干渉計10で発生している干渉縞の位相が一定速度で連続的に変化するように行うこと、あるいは一定間隔でステップ状に変化するように行うこともできる。これを光波干渉計10で発生している干渉縞の位相変化が、所望の任意シフト量に達するまで行う。
【0025】
本実施形態にかかる光波干渉計10は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
光波干渉計10では、試料の表面形状や寸法に関する情報を干渉縞画像より得ているので、試料の表面形状や寸法に関する情報を高精度に得るためには、ノイズの影響を低減することが非常に重要となる。
ここで、従来、ノイズとしては、光波干渉計の光学部品内部での内部反射によって発生する干渉ノイズ、光学部品に付着したごみにより発生するものが重要視されていた。従来はこのようなノイズの影響を低減するため、特許文献1,2等を用いることが考えられるが、何れも簡単に、しかも満足のゆくノイズの影響の低減化が得られるものでなかった。
【0026】
これに対し、本発明者らは、干渉縞の劣化の原因としては、従来考えられていた光学部品内部での内部反射や、光学部品に付着したごみ等によるノイズ成分の影響よりも、後述する干渉ノイズ成分による影響が非常に大きいことを突き止めた。
すなわち、干渉縞画像を得る撮像手段としては、CCDカメラ18を用いることが一般的であるが、CCDカメラ18のCCDカメラ本体41の撮像素子面や、その前部に取付けられる結像レンズ40の表面では反射がしばしば生じている。このCCDカメラ18からの反射光(ノイズ光)はビームスプリッタ14を透過または反射し、参照鏡16ないし試料30で反射された後、再びビームスプリッタ14に戻る。このようなノイズ光は、ビームスプリッタ14に戻るまでの間ないしビームスプリッタ14で、本来測定すべき光と干渉し、干渉ノイズ成分を生じることがある。
【0027】
すなわち、参照鏡16で反射された参照光36には、試料30の測定部位に関する情報を得るのに必要な参照鏡側測定光と、該試料30の測定部位に関する情報を得るのに不要な参照鏡側ノイズ光が含まれていることがある。
また試料30で反射された試料光34には、該試料30の測定部位に関する情報を得るのに必要な試料側測定光と、該試料30の測定部位に関する情報を得るのに不要な試料側ノイズ光が含まれていることがある。
そして、参照鏡側ノイズ光が参照鏡側測定光ないし試料側測定光と干渉することがある。試料側ノイズ光が参照鏡側測定光ないし試料側測定光と干渉することがある。
【0028】
例えば参照鏡側ノイズ光と参照鏡側測定光がビームスプリッタ14と参照鏡16間の光路上で干渉することがある。試料側ノイズ光と試料側測定光がビームスプリッタ14と試料30間の光路上で干渉することがある。参照鏡側ノイズ光と試料側測定光がビームスプリッタ14で干渉することがある。試料側ノイズ光と参照鏡側測定光がビームスプリッタ14で干渉することがある。
そして、このようなノイズ光により生じた干渉は、干渉ノイズ成分として、試料側測定光と参照鏡側測定光により形成された干渉縞と混在してCCDカメラ18により撮像されてしまうのである。
【0029】
そこで、本発明においては、CCDカメラでの反射光により生じる干渉ノイズ成分の影響を簡単に、しかも大幅に低減するため、CCDカメラをその光軸方向へ変位させている。
このために本実施形態においては、加振手段42をCCDカメラ18の結像レンズ40に取付け、結像レンズ40をCCDカメラ本体41と共に光軸方向に加振している。
【0030】
ここで、本実施形態においては、測定すべき干渉縞の位相をシフトするため、オプティカルウェッジ32の左右方向の微動(図中、矢印i方向)、或いは参照鏡16の上下方向の微動(図中、矢印j方向)を行っているが、各位相シフトでの干渉縞を撮像するとき、前記オプティカルウェッジ32もしくは参照鏡16は、撮像のために静止させていてもよいし、あるいは微動させながら撮像を行ってもよい。
【0031】
このようなCCDカメラ18のj方向への加振により、例えば現在の結像レンズ40の表面位置を基準に、振幅が例えばレーザ光源12からのレーザ光22のもつ波長λの1/2以上等の一定の範囲で、CCDカメラ18の結像レンズ42の表面およびCCDカメラ本体41の撮像素子面を光軸方向に一体的に往復移動させている。
このような往復移動により、CCDカメラ18の結像レンズ40の表面ないしCCDカメラ本体41の撮像素子面での反射光の光路を、加振手段42によるCCDカメラ18の振動の周期に応じて、連続的に変化させることができる。
【0032】
このようなCCDカメラ18での反射光により生じる干渉ノイズ成分の光路の変化により、CCDカメラ18の結像レンズ40の表面ないし該CCDカメラ本体41の撮像素子面での反射光により生じる干渉ノイズ成分の位相を、CCDカメラ18のj方向への振動周期に応じて、連続的に変化させることができる。
このようにして干渉ノイズ成分の通過してきた光路を変化させることにより、干渉ノイズ成分の位相を連続的に変化させている。このような干渉ノイズ成分の位相の連続的な変化に対して、干渉ノイズ成分の強度が例えば正弦的に変化する。
【0033】
このとき、干渉ノイズ成分の強度変化の周期が、CCDカメラ本体41のサンプリング時間(周期)よりも短ければ、CCDカメラ本体41は、干渉ノイズ成分の強度の変化をとらえることができないため、干渉ノイズ成分は強度変化の平均値(直流成分)としてCCDカメラ本体41により撮像される。
このため、CCDカメラ本体41により撮像された干渉縞画像における干渉ノイズ成分の影響を簡単に、しかも大幅に低減することができる。
ここで、CCDカメラ18の結像レンズ40の表面ないしCCDカメラ本体41の撮像素子面での反射光は、干渉ノイズ成分の原因となる光だけである。
【0034】
このため、結像レンズ40およびCCDカメラ本体41を加振しても、試料30と参照鏡16による撮像すべき干渉縞は静止させたまま、干渉ノイズ成分の位相のみを変化させることができる。したがって、CCDカメラ18で撮像される干渉縞画像上で不要な干渉ノイズ成分の強度変化は一定にさせつつ、測定すべき干渉縞の観測は支障なく行うことができる。
このように本実施形態においては、干渉ノイズ成分は強度変化の平均値(直流成分)としてCCDカメラ本体41に撮像されるため、CCDカメラ本体41により撮像された干渉縞画像における干渉ノイズ成分の影響を確実に低減することができる。
【0035】
干渉ノイズ成分の光路変化
本実施形態において、前述のような干渉ノイズ成分の影響の低減化をより確実に行うためには、CCDカメラ18の電荷蓄積時間に相当するサンプリング時間(周期)と、加振手段42による干渉ノイズ成分の光路変化の周期との関係の設定は非常に重要である。
【0036】
そこで、本実施形態においては、CCDカメラ18が参照鏡16で反射された参照光36と試料30の測定部位で反射された試料光34の干渉によって生じる干渉縞を撮像する際に、コンピュータ20は、ビームスプリッタ14とCCDカメラ18間の光路長が、CCDカメラ18の電荷蓄積時間に相当するサンプリング時間(周期)よりも十分に短い周期で変化するように、加振手段42によるCCDカメラ18の結像レンズ40の加振を行わせることが特に好ましい。
【0037】
コンピュータ20による加振制御を、より具体的に示す。
すなわち、本実施形態において、コンピュータ20は、加振手段42によるCCDカメラ18の振動の振幅が、レーザ光源12からのレーザ光22のもつ波長λの1/2の場合は、ビームスプリッタ14とCCDカメラ18間の光路長が、CCDカメラ18の電荷蓄積時間に相当するサンプリング時間(周期)よりも短い周期で変化するように、加振手段42によるCCDカメラ18の加振を行わせる。例えば図2に示すような加振を行わせる。
【0038】
例えば図2(A)に示されるようなCCDカメラによる撮像の際に、CCDカメラの電荷蓄積時間に相当するサンプリング時間(周期)Tよりも、同図(B)に示されるような結像レンズの加振によるノイズ成分の光路変化の周期Tを、十分に短い周期としている。これにより干渉ノイズ成分は強度変化の平均値(直流成分)としてCCDカメラに撮像される。これによりCCDカメラにより撮像された干渉縞画像上での干渉ノイズ成分の影響を、より確実に低減することができる。
【0039】
またコンピュータ20は、加振手段42によるCCDカメラ18の振動の振幅が、レーザ光源12からのレーザ光22のもつ波長λの1/2よりも大きい場合は、CCDカメラ18の電荷蓄積時間に相当するサンプリング時間内に、CCDカメラ18が光源12からの可干渉光22のもつ波長λの1/2以上の距離を変位するように、加振手段42によるCCDカメラ18の結像レンズ40の加振を行わせることが好適である。
【0040】
以下に本発明の干渉ノイズの影響の低減効果について、詳細に説明する。
まず前述のように本発明において特徴的なことは、干渉ノイズ成分の位相変化を観測(サンプリング)の周波数よりも高い周波数で行い、CCDカメラにより撮像される干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分を一定値として得たことである。
すなわち、サンプリングの定理上、観測の周波数は観測したい現象の周波数の2倍以上に設定しなければならない。もし前記周波数の関係を満たさない場合、観測したい現象は正しくとらえることができなくなる。このような現象を積極的に利用しているのが、本発明の干渉ノイズの影響の低減機構である。
【0041】
より具体的には、CCDカメラにより撮像される干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分の位相を連続的に変化させことにより、干渉ノイズ成分の強度変化を周期的に発生させる。このときの干渉ノイズ成分の強度変化の周期が、CCDカメラの電荷蓄積時間よりも短かければ、干渉ノイズ成分については、CCDカメラの応答周波数を越える変化になるため、CCDカメラでは干渉ノイズ成分の強度変化のみが撮像不可能になる。
【0042】
ここで、CCDカメラは干渉ノイズ成分の強度変化を追えなくなるだけで、干渉ノイズ成分が完全に0にはならない。すなわち、干渉ノイズ成分を平均化してオフセット成分(直流成分)にして、このオフセット成分を持った上で測定すべき干渉縞を観測する。つまり前述のように本発明では、光波干渉計から干渉ノイズ成分を完全に取り除くことは理想ではあるものの、事実上は不可能であることから、CCDカメラにより撮像される干渉縞の画像上では干渉ノイズ成分を常に一定値として得るようにしている。これにより本実施形態においては、以下に示すような優れた効果を得ることができる。
【0043】
第一に本実施形態においては、ノイズ低減効果を得ることができる。例えば干渉縞の様子をCCDカメラで撮像し、モニタ上で人間が目視で観察するような場合においては、オフセット分が本来観測したい干渉縞の強度に比べて通常は非常に小さいため、干渉ノイズ成分の影響が低減された綺麗な干渉縞画像として観察することができる。
【0044】
第二に本実施形態においては、位相解析後の結果を、ノイズ除去効果が得られたものとして得ることができる。すなわち、本実施形態のように位相シフト法を用いた干渉縞測定の場合、CCDカメラにより一定値として得られた干渉ノイズ成分は、試料の形状・寸法に依存しないバイアス(直流)成分となるので、コンピュータでの位相解析時に位相として計算されなくなる。このため結果的にノイズを完全に除去して解析した場合と全く同様な効果を得ることができる。
ここで、本実施形態においては、干渉ノイズ成分を一定値で得ることが非常に重要であるから、基本的には干渉ノイズ成分の強度は一定であれば、その強度は大きくてもかまわない。
【0045】
なお、前述のように本実施形態においては、干渉ノイズ成分は、平均値としてとらえることが重要であるため、撮像手段としては、フィルムカメラを用いるのではなく、CCDカメラやCMOSカメラ等の光電変換素子を使用したカメラを用いることが特に好ましい。
変位手段
また前記第一の目的を安価に達成することも非常に重要であり、このために本実施形態においては、変位手段の種類と、配置位置の選択は非常に重要である。
【0046】
<種類>
変位手段は、撮像手段を光軸方向に変位させることのできるものであれば、任意のものを用いることができるが、本発明においては、前記第一の目的を安価に達成するため、変位手段の種類としては、数ある変位手段の中から、入手が容易な点、価格が安価な点に優れ、さらに小型な振動モータないし圧電素子を選択することが特に好ましい。本実施形態においては、変位手段として例えば携帯電話機のバイブレーション用等に用いられる小型で、しかも安価な振動モータを用いている。
【0047】
より詳しくは、振動モータは撮像手段を加振する場合に用いることが好ましい。また圧電素子は撮像手段の加振と一方向の移動の両方の場合に用いることが好ましい。また撮像手段を一方向に移動するための変位手段としては、オプティカルウェッジの微動機構と同様の駆動機構、例えばリニアなアクチュエータ等を用いることも好ましい。
【0048】
<配置位置>
また本発明においては、変位手段を、既存の光波干渉計の光学部品であるCCDカメラのCCDカメラ本体ないし結像レンズに設けることが特に好適である。本実施形態においては、光測定の邪魔にならないで、しかも変位もしっかりと行えるようにCCDカメラ18の結像レンズ40の側壁部に変位手段の一例である加振手段42を設けている。
この結果、本実施形態においては、拡散板を設ける従来方法に比較し、より安価で、しかも簡単な構成で、高精度の干渉縞画像を得ることができる。さらに変位手段の一例である加振手段42を既存の光波干渉計10の光学部品であるCCDカメラ18に適用することにより、拡散板を設ける従来方法に比較し、光強度、分解能の低下を防ぐことができるので、より高精度の干渉縞画像を得ることができる。
【0049】
しかも、変位手段の一例である加振手段42を光波干渉計10の光学部品であれば、どの光学部品に設けてもよいというのではなく、特にCCDカメラ18での反射光により生じる干渉ノイズ成分の影響を積極的に低減するには、光波干渉計10のビームスプリッタ14とCCDカメラ18間の光路中に配置されている光学部品であるCCDカメラ18に設けることが特に好適である。
以上のように本実施形態にかかる光波干渉計によれば、加振手段により干渉ノイズの発生要因となるCCDカメラを光軸方向に加振し、CCDカメラでの反射光により生じる干渉ノイズ成分の位相を連続的に変化させることとした。
【0050】
この結果、本実施形態においては、CCDカメラにより撮像される干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分を一定値と得ることができるので、干渉ノイズ成分による、測定すべき干渉縞画像への影響を大幅に低減することができる。
したがって、本実施形態においては、撮像手段にCCDカメラを用いても、前述のようにして得られた高精度な干渉縞画像に基づいて、試料の表面形状の測定が高精度に行える。
また本実施形態においては、変位手段として、入手が容易であり、しかも安価な振動モータないし圧電素子等の加振手段を用いることにより、さらに前記干渉ノイズ成分の影響の低減化を、より安価に達成することができる。
【0051】
変形例
<試料に関する情報>
なお、前記構成では、試料の表面形状を測定した例について説明したが、本発明の光波干渉計は、これに限定されるものではなく、光波干渉法を用いたものであれば、試料の測定部位に関する他の情報、例えば寸法の測定にも適用することができる。
【0052】
<変位手段>
前記構成では、撮像手段の変位の一例として、CCDカメラを加振手段により加振した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変位手段の変形例である移動手段により、撮像手段をその光軸方向の一方向に移動させることも好適である。このような撮像手段の変位であっても、前記撮像手段を光軸方向に振動させる場合と同様の効果が得られる。
【0053】
ここで、移動手段により、撮像手段をその光軸方向の一方向に移動させる場合であっても、CCDカメラにより撮像された干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分を一定値とするため、例えばコンピュータは、CCDカメラの電荷蓄積時間に相当するサンプリング時間(周期)内に、CCDカメラが光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2以上の距離を移動するように、移動手段によるCCDカメラの移動を行わせることが好適である。
【0054】
<光波干渉計>
また本発明の光波干渉計は、前記図1に示した光学配置に限定されるものではなく、光波干渉計であれば、任意の光学配置に適用することができるが、例えば図3に示すような環状の光学配置に適用することも好ましい。すなわち、以下に示す環状の光学配置は、もともと高精度な寸法測定が短時間に及び容易に行える点で非常に優れたものであるが、本発明にかかるノイズの影響の低減機構を適用することにより、より高精度な寸法測定が行えるからである。
【0055】
図3には図1に示した光波干渉計の光学配置の変形例が示されている。なお、同図では、予備値が既知のブロックゲージの相対向する端面間の寸法測定を行う例について説明する。前記図1と対応する部分には符号100を加えて示し説明を省略する。
同図に示す光波干渉計110は、環状の光学配置とするため、第一ビームスプリッタ160と、ブロックゲージ(試料)130の測長軸と一致した光軸を有し、かつ所定の離隔距離をおいて配置された第二ビームスプリッタ(ビームスプリッタ)114a及び第三ビームスプリッタ(ビームスプリッタ)114bを備える。
【0056】
また第一参照鏡(参照鏡)116a、及び第二参照鏡(参照鏡)116bを備える。
また第二ビームスプリッタ114aでそれそれ形成される干渉光の位相差を観察するため、第一CCDカメラ(撮像手段)118aを備える。第一CCDカメラ118aは、第一結像レンズ(レンズ)140aと、第一CCDカメラ本体(CCDカメラ本体)141aを備える。
【0057】
また第三ビームスプリッタ114bでそれそれ形成される干渉光の位相差を観察するため、第二CCDカメラ(撮像手段)118bを備える。第二CCDカメラ118bは、第二結像レンズ(レンズ)140bと、第二CCDカメラ本体(CCDカメラ本体)141bを備える。
本実施形態においては、第二ビームスプリッタ114aと第一CCDカメラ118a間の第一結像レンズ140aに第一加振手段(変位手段)142aを設けている。また第三ビームスプリッタ114bと第二CCDカメラ118b間の第二結像レンズ140bに第二加振手段(変位手段)142bを設けている。
【0058】
そして、レーザ光源112から出射された波長λをもつレーザ光122は、ビームエキスパンダ124によりブロックゲージ130の測定端面130a,130bよりも大きいビーム径に拡大され、反射鏡162を介して第一ビームスプリッタ160に入射される。
第一ビームスプリッタ160は、反射鏡162からのレーザ光122を図中、時計回りの光路と半時計回りの光路に二分割し、各分割光を環状の光波干渉計に入射させる。
【0059】
すなわち、一方の分割光を第二ビームスプリッタ114aに入射させ、他方の分割光を第三ビームスプリッタ114bに入射させる。
そして、第二ビームスプリッタ114aは、第一ビームスプリッタ160からのレーザ光122を二分割し、その一方をブロックゲージ130の測長方向の図中右方に向けて出射し、他方を第一参照鏡116aに入射させる。第二ビームスプリッタ114aによりブロックゲージ130の測長方向の図中右方に向けて照射された光の一部は、ブロックゲージ130の左端面130aに入射する。その残りの光は、ブロックゲージ130の左端面130aに入射することなく、その脇を通過し、第三ビームスプリッタ114bに入射する。
【0060】
一方、第一ビームスプリッタ160により分割された他方の分割光は、第三ビームスプリッタ114bに入射する。この第三ビームスプリッタ114bは、第一ビームスプリッタ160からのレーザ光122を二分割し、その一方をブロックゲージ130の測長方向の図中左方に向けて照射し、他方を第二参照鏡116bに入射させる。第三ビームスプリッタ114bによりブロックゲージ130の図中左方に向けて出射された光の一部は、ブロックゲージ130の右端面130bに入射する。その残りの光はブロックゲージ130の右端面130bに入射することなくその脇を通過し、第二ビームスプリッタ114aに入射する。
そして、第一CCDカメラ118aでは、位相差(ε−ε)が観測される。
【0061】
すなわち、第二ビームスプリッタ114aにより第一参照鏡116aに向けて出射された光は、第一参照鏡116aで反射し、再度第二ビームスプリッタ114aに戻る。
このため、第二ビームスプリッタ114aでは、ブロックゲージ130の脇を通過してきた第三ビームスプリッタ114bからのレーザ光(光路L)と第一参照鏡116aからのレーザ光とを重ね合わせて干渉させる。この第一基準干渉光は、第一結像レンズ140aを介して第一CCDカメラ本体141aで第一基準干渉縞として観測される。この観測と同時に、この第二ビームスプリッタ114aでは、第二ビームスプリッタ114aによりブロックゲージ130の左端面130aに向けて出射され、該左端面130aで反射し、再度第二ビームスプリッタ114aに戻った光(光路L)と、第一参照鏡116aからのレーザ光を重ね合わせて干渉させる。この第一測定干渉光は、第一結像レンズ140aを介して第一CCDカメラ本体141aに入射され、第一CCDカメラ本体141aで第一測定干渉縞として、第一基準干渉縞と同時に観測される。
【0062】
ここで、第一加振手段142aにより、第一CCDカメラ118aはその光軸方向(図中、矢印j方向)に加振されている。その加振周期は第一CCDカメラ118aの電荷蓄積時間に相当するサンプリング(時間)周期よりも十分に短い周期としている。これにより第一CCDカメラ118aにより撮像される干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分を一定値として得ることができる。
一方、第二CCDカメラ118bでは、位相差(ε−ε)が観測される。
すなわち、第三ビームスプリッタ114bにより、第二参照鏡116bに向けて照射された光は、第二参照鏡116bで反射し、再度第三ビームスプリッタ114bに戻る。
【0063】
このため、第三ビームスプリッタ114bでは、ブロックゲージ130の脇を通過してきた第二ビームスプリッタ114aからのレーザ光(光路L)と第二参照鏡116bからの反射光を重ね合わせて干渉させる。この第二基準干渉光は、第二結像レンズ140bを介して第二CCDカメラ本体141bに入射され、第二CCDカメラ本体141bで第二基準干渉縞として観測される。この観測と同時に、この第三ビームスプリッタ114bでは、第三ビームスプリッタ114bによりブロックゲージ130の右端面130bに向けて出射され、該右端面130bで反射し、再度第三ビームスプリッタ114bに戻った光(光路L)と、第二参照鏡116bからのレーザ光を重ね合わせて干渉させる。この第二測定干渉光は第二結像レンズ140bを介して第二CCDカメラ本体141bに入射され、第二CCDカメラ本体141bで第二測定干渉縞として、第二基準干渉縞と同時に観測される。
【0064】
ここで、第二加振手段142bにより、第二CCDカメラ118bはその光軸方向(図中、矢印j方向)に加振されている。その加振周期は第二CCDカメラ118bのサンプリング周期よりも十分に短い周期としている。これにより第二CCDカメラ118bにより撮像される干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分を一定値として得ることができる。
同図では、コンピュータ120で、第一CCDカメラ118aで撮像された第一基準干渉縞184と第一測定干渉縞186の位相差を読取る。これを位相差情報(ε−ε)情報とする。またコンピュータ120で、第二CCDカメラ118bで撮像された第二基準干渉縞188と第二測定干渉縞190の位相差を同時に読取る。これを位相差情報(ε−ε)情報とする。
【0065】
そして、予め得ておいたブロックゲージの予備値の情報等と、前記位相差情報(ε−ε),(ε−ε)に、例えば合致法を用いてブロックゲージ130の測長方向の相対向する端面130a,130b間の寸法を求めることができる。
このように同図では、高精度な寸法測定が短時間に及び容易に行える点で優れた環状の光波干渉計に、本実施形態において特徴的なノイズ低減化機構を適用している。
【0066】
すなわち、同図では、第一CCDカメラ118aでの基準干渉縞及び測定干渉縞の観察と、第二CCDカメラ118bでの基準干渉縞及び測定干渉縞の観察とを同時に行っているが、各CCDカメラ118a,118bによる干渉縞の撮像の際に、各CCDカメラ118a,118bは前記構成と同様、光軸方向に十分に加振(変位)されている。
【0067】
この結果、同図では、各CCDカメラ118a,118により撮像される干渉縞の画像上で不要な干渉ノイズ成分を一定値として得ることができる。したがって、同図では、さらにブロックゲージの寸法に関する情報(試料の測定部位に関する情報)とは無関係な干渉ノイズの影響を、前記構成と同様、簡単に、しかも効果的に低減することができるので、高精度な干渉縞画像を得ることができる。これにより、同図では、このようにして得られた高精度な干渉縞画像に基づいてブロックゲージの寸法に関する情報を高精度に得ることができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる光波干渉計によれば、ノイズ発生要因である撮像手段を光軸方向に変位させる変位手段と、撮像手段とビームスプリッタ間の光路長が連続的に変化するように変位手段による撮像手段の変位を行わせる制御手段を備えることとした。
この結果、本発明においては、試料の測定部位に関する情報とは無関係なノイズの影響を簡単に、しかも大幅に低減することができる。
また本発明においては、ビームスプリッタと撮像手段間の光路長が撮像手段によるサンプリング周期よりも十分に短い周期で変化するように、変位手段による撮像手段の変位を行わせることにより、前記ノイズの影響の低減化をより大幅に図ることができる。
また本発明においては、変位手段に振動モータないし圧電素子を用いることにより、前記ノイズの影響の大幅な低減化を安価に達成することができる。
また本発明においては、光波干渉計の光学部品である撮像手段に変位手段を設けることにより、前記ノイズの影響の大幅な低減化を、より安価に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる光波干渉計の概略構成の説明図である。
【図2】CCDカメラのサンプリング時間と該CCDカメラの加振による干渉ノイズ成分の光路変化との関係の説明図である。
【図3】本実施形態において特徴的なノイズ低減機構の他の光波干渉計への適用例である。
【符号の説明】
10,110 光波干渉計
12,112 レーザ光源(光源)
14,114a,114b ビームスプリッタ
16,116a,116b 参照鏡
18,118a,118b CCDカメラ(撮像手段)
20,120 コンピュータ(制御手段)
40,140a,140b 結像レンズ(レンズ)
42,142a,142b 加振手段(変位手段)

Claims (5)

  1. 光源と、ビームスプリッタと、参照鏡と、撮像手段と、を備え、該光源からの可干渉光を該ビームスプリッタにより該参照鏡を照射する参照光と試料の測定部位を照射する試料光に分割し、該参照鏡で反射された参照光と該試料の測定部位で反射された試料光をビームスプリッタで合成し、その干渉によって生じる干渉縞を該撮像手段により撮像し、該撮像手段により得られた干渉縞画像に基づいて試料の測定部位に関する情報を得る光波干渉計において、
    前記撮像手段に設けられ、該撮像手段をその光軸方向へ変位させる変位手段と、
    前記撮像手段による干渉縞の撮像の際に、前記ビームスプリッタと前記撮像手段間の光路長が連続的に変化するように、前記変位手段による撮像手段の変位を行わせる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする光波干渉計。
  2. 請求項1記載の光波干渉計において、
    前記変位手段は、前記撮像手段をその光軸方向に加振し、
    前記撮像手段は、前記参照鏡で反射された参照光と前記試料の測定部位で反射された試料光の干渉によって生じる干渉縞を所定のサンプリング周期でサンプリングし、
    前記制御手段は、前記変位手段による撮像手段の振動の振幅が、前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2の場合は、前記ビームスプリッタと前記撮像手段間の光路長が、前記撮像手段によるサンプリング周期よりも短い周期で変化するように、前記変位手段による撮像手段の加振を行わせ、また前記変位手段による撮像手段の振動の振幅が、前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2よりも大きい場合は、前記撮像手段によるサンプリング周期内に、前記撮像手段が前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2以上の距離を変位するように、前記変位手段による撮像手段の加振を行わせることを特徴とする光波干渉計。
  3. 請求項1記載の光波干渉計において、
    前記変位手段は、前記撮像手段をその光軸方向の一方向に移動し、
    前記撮像手段は、前記参照鏡で反射された参照光と前記試料の測定部位で反射された試料光の干渉によって生じる干渉縞を所定のサンプリング周期でサンプリングし、
    前記制御手段は、前記撮像手段によるサンプリング周期内に、前記撮像手段が前記光源からの可干渉光のもつ波長λの1/2以上の距離を移動するように、前記変位手段による撮像手段の移動を行わせることを特徴とする光波干渉計。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光波干渉計において、
    前記変位手段は、振動モータないし圧電素子であることを特徴とする光波干渉計。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光波干渉計において、
    前記参照鏡で反射された参照光は、前記試料の測定部位に関する情報を得るのに必要な参照鏡側測定光と、該試料の測定部位に関する情報を得るのに不要な参照鏡側ノイズ光が含まれ、
    また前記試料で反射された試料光は、前記試料の測定部位に関する情報を得るのに必要な試料側測定光と、該試料の測定部位に関する情報を得るのに不要な試料側ノイズ光が含まれ、
    前記撮像手段は、前記変位手段により一体的に変位する、前記参照鏡で反射された参照光と前記試料の測定部位で反射された試料光の合成によって生じる干渉光が入射され、その干渉縞を撮像するカメラ本体、及び前記ビームスプリッタと前記カメラ本体間に設けられ、該ビームスプリッタよりの干渉光を該カメラ本体に結像させるレンズを含み、
    前記変位手段による撮像手段の光軸方向への変位により、前記ビームスプリッタから前記撮像手段への干渉光が前記カメラ本体ないしレンズで反射され、その反射光が該ビームスプリッタで前記参照鏡側ノイズ光と前記試料側ノイズ光に分割され、該参照鏡で反射された参照鏡側ノイズ光と該試料の測定部位で反射された試料側ノイズ光が、該参照鏡で反射された参照鏡側測定光と該試料の測定部位で反射された試料側測定光のそれぞれと合成されることにより生じる干渉ノイズ成分の位相を連続的に変化させることを特徴とする光波干渉計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019239618A1 (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 株式会社島津製作所 欠陥検出方法及び装置

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