JP2004263585A - ポンプの軸封装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング2の軸孔5の内周面に油溝6を設け、ケーシング2の背部に複数のラビリンスLl 、L2 、L3 を形成するシールボックス8を設ける。ラビリンスL2 、L3 を、軸方向に削設されたラビリンス溝17A、17Bと軸方向に延出し軸半径方向に変形可能な弾性フィン19A、19Bを有するラビリンスリング11A、11Bとで形成する。シールボックス8は一体として着脱可能なカートリッジ構造とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体輸送用のポンプの軸封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポンプの軸封装置には、グランドパッキン、メカニカルシール、オイルシール等のシール部材が使用されている。また、シール部材としてストップリングとオイルシールを組み合わせて使用するものもある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公昭62−20715号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、グランドパッキン、メカニカルシール、オイルシール等を用いた軸封装置は何れも接触形シール方式であるため、摺動部の摩耗にともなって軸封部から外部への被送液の漏出量が増加するという問題がある。
本発明はポンプの軸封装置における上記問題を解決するものであって、摺動部の摩耗による被送液の漏れを防止することのできるポンプの軸封装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のポンプの軸封装置は、ケーシングの軸孔の内周面に油溝を設け、ケーシングの背部に複数のラビリンスを形成するシールボックスを設けることにより、上記課題を解決している。
このポンプの軸封装置では、ケーシングの軸孔の内周面に油溝を設け、ラビリンス溝とフィンとの隙間で形成される複数のラビリンスを組み合わせることで軸封効果を高めている。ラビリンスは非接触であって摺動部が存在しないため、摺動部の摩耗による被送液の漏れが生じることはない。
【0006】
少なくとも一つのラビリンスを、軸方向に削設されたラビリンス溝と軸方向に延出し軸半径方向に変形可能な弾性フィンを有するラビリンスリングとで形成すれば、弾性フィンが軸半径方向の変形によりラビリンス溝の側面との接触を生じ、接触形シールの効果も得られる。また、ポンプ仕様によって異なる軸封部の圧力(正圧・負圧)にも柔軟に対応できる。
シールボックスを一体として着脱可能なカートリッジ構造とすると、複雑な構造のラビリンスの組み付けを容易に行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態を示すポンプの軸封装置の縦断面図、図2はラビリンスリングの断面形状の説明図である。
ポンプの基本的な構成は従来のものと同様であり、インペラ1、ケーシング2、主軸3、軸受(図示略)を備えている。主軸3上にはシャフトスリーブ4が設けられている。
【0008】
このポンプの主軸3とシャフトスリーブ4が貫通するケーシング2の軸孔5の内周面には、油溝6が設けられている。ケーシング2の背面には、主軸3と同心環状のラビリンス溝7が、図1上、軸方向に削設されている。
ケーシング2の背部には、シールボックス8が設けられている。シールボックス8は、シャフトスリーブ4の外周上に取り付けられたシールスリーブ10、シールスリーブ10の外側に設けられたラビリンスリング11、ケーシング2に固定されたラビリンスライナ12及びハウジング14で構成されている。このシールボックス8は、シャフトスリーブ4上に一体として着脱可能なカートリッジ構造となっている。
【0009】
シールスリーブ10は円筒形で前端がフランジ状の大径部10Aとなっており、その前面に前方へ延出してケーシング2の複数のラビリンス溝7にそれぞれ挿入され、第1ラビリンスLl を形成する複数のフィン15が設けられている。
ラビリンスライナ12は、フランジ部12Fがハウジング14によって所定間隔で保持された前後一対のライナ部材12A、12Bからなり、スルーボルト16でハウジング14と一体としてケーシング2に固定されている。前側のライナ部材12Aの後面には主軸3と同心環状のラビリンス溝17Aが前方に向けて、後側のライナ部材12Bの前面には主軸3と同心環状のラビリンス溝17Bが後方に向けて、それぞれ削設されている。
【0010】
シールスリーブ10の中央部外周には取付部材8が固定されており、ラビリンスリング11がこの取付部材18に嵌着されている。ラビリンスリング11はゴム製であって、図2に示すように、軸方向に延出し軸半径方向に変形可能な複数の弾性フィン19を有しており、弾性フィン19の先端部は断面円形状となっている。
【0011】
前側に設けられたラビリンスリング11Aの弾性フィン19Aは、前側のライナ部材12Aのラビリンス溝17Aに挿入されて第2ラビリンスL2 を形成し、後側に設けられたラビリンスリング11Bの弾性フィン19Bは、後方のライナ部材12Bのラビリンス溝17Bに挿入されて第3ラビリンスL3 を形成している。
【0012】
ハウジング14には、シールボックス8の内部に油を供給するための給油孔20が設けられている。また、シールスリーブ10の後部には、リップが後側のライナ部材12Bの後面に摺接して油の漏出を防止するVリング21が設けられている。
ポンプの運転時には、昇圧された被送液がインペラ1とケーシング2の間を通り、軸封部の軸孔5とシャフトスリーブ4の隙間から外部へ漏出しようとする。このとき、被送液は、初めに油溝6の部分で遠心力により主軸3と直角方向へ飛ばされて1段目のシール作用を受ける。
【0013】
次にケーシング2のラビリンス溝7とシールスリーブ10のフィン15とで形成された第1ラビリンスLl で2段目のシール作用を受ける。
その後、前側のライナ部材12Aのラビリンス溝17Aと前側に設けられたラビリンスリング11Aの弾性フィン19Aとで形成された第2ラビリンスL2 で3段目のシール作用を受ける。ここでは、弾性フィン19Aの先端部がシールボックス8内の被送液の圧力(正圧・負圧)に応じてラビリンス溝17Aの外側面又は内側面に摺接し、接触形シールの機能も併せて発揮する。
【0014】
さらに、後側のライナ部材12Bのラビリンス溝17Bと後側に設けられたラビリンスリング11Bの弾性フィン19Bとで形成された第3ラビリンスL3 で4段目のシール作用を受ける。ここでも、弾性フィン19Bの先端部がシールボックス8内の被送液の圧力(正圧・負圧)に応じてラビリンス溝17Bの内側面又は外側面に摺接し、接触形シールの機能を併せて発揮する。
【0015】
このポンプの軸封装置では、ケーシング2の軸孔5の内周面に油溝6を設け、複数のラビリンスLl 、L2 、L3 を組み合わせているので軸封性能が高い。また、これらは何れも非接触形のシールであるので摺動部の摩耗による被送液の漏れが生じることはなく、軸封装置の耐久性に優れ長期使用が可能となる。
しかも、シールボックス8を一体として着脱可能なカートリッジ構造としているので、複雑な構造のラビリンスの組み付けを容易に行うことができ、作業効率も向上する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポンプの軸封装置は、ケーシングの軸孔内周面の油溝と複数のラビリンスを組み合わせた非接触形のシールで構成されているので、軸封装置の軸封性能が高く、摺動部が存在しないため摺動部の摩耗による被送液の漏れが生じることはなく、耐久性に優れ長期使用が可能となる。
【0017】
少なくとも一つのラビリンスを、軸方向に削設されたラビリンス溝と軸方向に延出し軸半径方向に変形可能な弾性フィンを有するラビリンスリングとで形成すれば、弾性フィンの軸半径方向の変形によりラビリンス溝の側面との接触を生じ、接触形シールの効果も得られる。また、ポンプ仕様によって異なる軸封部の圧力(正圧・負圧)にも柔軟に対応できる。
シールボックスを一体として着脱可能なカートリッジ構造とすると、複雑な構造のラビリンスの組み付けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すポンプの軸封装置の縦断面図である。
【図2】ラビリンスリングの断面形状の説明図である。
【符号の説明】
1 インペラ
2 ケーシング
3 主軸
4 シャフトスリーブ
5 軸孔
6 油溝
7 ラビリンス溝
8 シールボックス
10 シールスリーブ
10A 大径部
11 ラビリンスリング
12 ラビリンスライナ
14 ハウジング
15 フィン
17A、17B ラビリンス溝
18 取付部材
19 弾性フィン
20 給油孔
Claims (3)
- ケーシングの軸孔の内周面に油溝を設け、ケーシングの背部に複数のラビリンスを形成するシールボックスを設けたポンプの軸封装置。
- 少なくとも一つのラビリンスを、軸方向に削設されたラビリンス溝と軸方向に延出し軸半径方向に変形可能な弾性フィンを有するラビリンスリングとで形成したことを特徴とする請求項1記載のポンプの軸封装置。
- シールボックスを一体として着脱可能なカートリッジ構造としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポンプの軸封装置。
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Publications (2)
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Cited By (3)
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2003
- 2003-02-28 JP JP2003052544A patent/JP4372436B2/ja not_active Expired - Lifetime
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