JP2004262925A - アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂、アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂の製造法、ならびにこれにより製造される生物学的に活性な物質および治療薬 - Google Patents
アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂、アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂の製造法、ならびにこれにより製造される生物学的に活性な物質および治療薬 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004262925A JP2004262925A JP2004033153A JP2004033153A JP2004262925A JP 2004262925 A JP2004262925 A JP 2004262925A JP 2004033153 A JP2004033153 A JP 2004033153A JP 2004033153 A JP2004033153 A JP 2004033153A JP 2004262925 A JP2004262925 A JP 2004262925A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- amino acid
- peptide
- fragment
- biologically active
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K1/00—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
- C07K1/06—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length using protecting groups or activating agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/005—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K1/00—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
- C07K1/04—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length on carriers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K1/00—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
- C07K1/04—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length on carriers
- C07K1/042—General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length on carriers characterised by the nature of the carrier
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2740/00—Reverse transcribing RNA viruses
- C12N2740/00011—Details
- C12N2740/10011—Retroviridae
- C12N2740/16011—Human Immunodeficiency Virus, HIV
- C12N2740/16111—Human Immunodeficiency Virus, HIV concerning HIV env
- C12N2740/16122—New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Virology (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【課題】クロロトリチルクロリドリンカー樹脂を必要としない生物学的に活性な物質または治療薬を製造する方法に関する。
【解決手段】該方法は、活性化アミノ酸または活性化アミノ酸誘導体を置換または非置換トリチルアルコールと反応させて、樹脂−CT−AA生成物を得;樹脂−CT−AA生成物を生物学的に活性な物質または治療薬の他のビルディングブロックと反応させて、前記生物学的に活性な物質または治療薬を得ることを含む。この方法により製造される生成物も含まれる。T−20およびT−1249治療薬を製造するのに特に有用である。
【選択図】なし
【解決手段】該方法は、活性化アミノ酸または活性化アミノ酸誘導体を置換または非置換トリチルアルコールと反応させて、樹脂−CT−AA生成物を得;樹脂−CT−AA生成物を生物学的に活性な物質または治療薬の他のビルディングブロックと反応させて、前記生物学的に活性な物質または治療薬を得ることを含む。この方法により製造される生成物も含まれる。T−20およびT−1249治療薬を製造するのに特に有用である。
【選択図】なし
Description
生物学的活性を有するペプチドおよび他の治療薬を構築するために、固相ペプチド合成法を使用する様々な技術が存在する。昨今、ペプチドを構築するために最適の樹脂は、1%のDVBポリスチレン上のクロロトリチルクロリドリンカーである。これらの樹脂は、CTC樹脂として知られ、感湿性であり、非常に高価である。2’CTCはArgonaut Technologies,Inc.から1kgあたり13,500ドルで、100g単位で購入することができる。(Argonaut樹脂および試薬カタログ、2002、170ページ)。しかし、ペプチド療法が進歩すると、商業的な量の治療ペプチド、生物学的に活性な物質、およびCTC樹脂についての費用有効的な代替物を合成するために、さらに多量で、リーズナブルな価格の量の樹脂が必要とされる。
CTC樹脂の高い価格、およびこのペプチド構築プラットホームの他の欠点にもかかわらず、技術者はCTC固体支持体を調製するための技術にについて改良を試みてきた。チオニルクロリド(SOCl2)に対して2当量のピリジンを使用することを示唆する、Advanced Chem Tech Handbook、William D.Bennettら、1998、341ページを参照せよ。ピリジンは有毒で、かつ悪臭がある。Oroszらは過剰のトリメチルシリルクロリドとジメチルスルホキシドを使用し、続いてAcClで処理することを報告している。Oroszら、Tetrahedron Letters 39(1998)3241−3242参照。Oroszの方法は費用がかかる。これはさらに、ジメチルスルホキシド(DMSO)残留物を除去するためにさらなる洗浄を必要とする。Harreらは、樹脂を過剰のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、次いでジクロロメタン(DCM)で洗浄し、次いでSOCl2で処理することを開示している。Harreはさらに、この特定の反応に関連する問題も指摘している。Harreら、Reactive and Functional Polymers 41(1999)111−114参照。Sanghviら(米国特許第6239220号)は実施例1において、アセチルクロリド(AcCl)を用いたジメトキシトリチルアルコールをジメトキシトリチルクロリドへの転化を開示している。
米国特許第5,563,220号の実施例2は、2−クロロベンゾイルクロリドを一夜使用してケト樹脂を形成し、これを続いてアルコール樹脂に転化することを記載している。アルコール樹脂はアセチルクロリドでの処理によりクロリド形態に転化される。これらの方法は、その上にアミノ酸をロードする前提としてCTC樹脂を必要とする。当該技術分野において、生物学的に活性な物質およびペプチド治療薬の生成においてCTC樹脂を使用することを省略する方法が必要とされている。
本出願者らは、当該技術分野における問題を克服し、大規模な量を効率的に製造するための着実な方法を求める需要を満たす、アミノ酸がロードされ固体に支持された樹脂を製造する方法を見いだした。さらに、本発明の方法により、ロードされたCTC樹脂を使用する方法と比較して、実質的にサイクル時間が減少し、原材料の使用量が減少し、感湿性固体に関連する取り扱いの問題を回避でき、ある態様においては、CTC樹脂の使用を完全に省略することができる。
本発明の以前には、非求核性塩基、例えばジイソプロピルエチルアミンの存在下で、N−保護アミノ酸、例えばFMOC−ロイシンとCTC樹脂を接触させることにより、最初の樹脂に第一のアミノ酸をロードしていた。DCMが典型的には最上の溶媒であった。このローディグにより、最初のアミノ酸が2’クロロトリチル基を介して樹脂と結合した。樹脂を活性化してアミノ酸と反応させるために、感湿性で製造するには高価なクロリドがCTC中に組み入れられていた。ローディングのためにクロロトリチル樹脂をクロリド形態に転化しなければならないことが以前に示唆されている(米国特許第5198531号)。従来技術はいずれも、置換または非置換トリチルアルコールに結合したポリマーの直接ローディングをほとんどまたは全く示唆していない。
本発明の1つの目的は、クロロトリチルクロリドリンカー樹脂を必要としない、生物学的に活性な物質または治療薬を製造する方法を提供することである。該方法は、活性化されたN−保護アミノ酸または活性化されたアミノ酸誘導体を置換または非置換トリチルアルコール樹脂と反応させて、樹脂−CT−AA生成物を得;脱保護し;次いで樹脂−CT−AA生成物を生物学的に活性な物質または治療薬の他のビルディングブロックと反応させて生物学的に活性な物質または治療薬を得ることを含む。
一態様において、この方法により製造される生成物も本発明において提供される。さらに別の態様において、治療薬または他の生物学的に活性な物質を製造するための基体が提供される。
これらおよび他の本発明の目的は、本発明の詳細な記載、および本明細書の他の部分から明らかになるであろう。
本発明は、当該技術分野の問題を克服し、大規模な量を製造するための着実な方法に対する需要を満たす、アミノ酸が固体に支持された樹脂を製造する方法を提供する。さらに、本発明の方法により、ロードされたCTC樹脂と比較して、サイクル時間が実質的に減少し、原材料の使用量が減少し、取り扱いの問題が軽減される。本発明の利点の多くおよび得られる試験結果は予想外であった。
一態様において、本発明は、クロロトリチルクロリドリンカー樹脂または他のハロゲン含有リンカー樹脂を必要としない、生物学的に活性な物質または治療薬を製造する方法を提供する。該方法は、活性化されたN−保護アミノ酸または活性化されたアミノ酸誘導体を、置換または非置換トリチルアルコール樹脂と反応させて、樹脂−CT−AA−PG(保護基)生成物を得ることを含む。樹脂−CT−AA−PG生成物を脱保護し、生物学的に活性な物質または治療薬の他の所望のビルディングブロックと反応させて、生物学的に活性な物質または治療薬を得る。
一態様において、N−保護された活性化アミノ酸は、アミノ酸塩化物、アミノ酸フッ化物、アミノ酸臭化物、アミノ酸混合無水物、アミノ酸活性化エステル、ハロゲン含有アミノ酸からなる群から選択され、好ましくはFMOC−アミノ酸塩化物である。本発明において用いられる置換または非置換トリチルアルコール樹脂としては、クロロトリチルアルコール樹脂、メトキシトリチルアルコール樹脂、ジメトキシトリチルアルコール樹脂エトキシトリチルアルコール樹脂、および/またはジメトキシトリチルアルコール樹脂が挙げられる。一例として、クロロトリチルアルコール樹脂は2’クロロトリチルアルコール樹脂である。
さらなる態様において、本明細書において記載される方法は、プロセスをFDAに対応させるための実行プロセス工程を含むことができる。様々なFDAコンプライアンス獲得工程は当業者には公知である。
さらに別の態様において、本発明は、本明細書において記載される方法により製造される生成物を提供する。本明細書に記載される方法の利点のために、本明細書において記載される治療薬または生物学的に活性な物質を製造する場合、アミノ酸またはアミノ酸誘導体の使用量が、予想外に著しく減少すると理解される。さらに、本明細書において記載される方法を用いるとサイクル時間が減少するので、より多くの薬剤または物質をより短時間で製造することができる。
さらに別の態様において、本発明はその上で治療薬または他の生物学的に活性な物質を生成することのできる基体を調製する方法を包含する。該方法は、活性化されたアミノ酸またはその誘導体を、置換または非置換トリチルアルコール樹脂と反応させて、樹脂−CT−AA生成物を得ることを含む。樹脂−CT−AA生成物を次に、他のアミノ酸、または本明細書において記載される他の成分を含む他の所望の成分を付加させるための基体として使用する。
さらに別の態様において、本発明は樹脂−CT−AA生成物を形成する方法を提供する。この樹脂は、湿度安定性であり、製造に要する工程が少ないので費用がかからない。該方法はまた、CTC樹脂プロセスと比較して生成する廃棄物が少ない。中間体2’クロロトリチルアルコール樹脂から直接ロードされた樹脂を製造する方法を説明する。典型的には、アルコールをアミノ酸と結合させるために、カップリング剤、例えば、DIC、DCC、HBTU、TATU、PyBOPまたは他のカップリング剤が使用される。これらのアクチベーターは高価であり、有害である場合もあり、さらに嵩高く、妨害されたトリチルアルコール基との反応を遅らせるかまたは停止させる。非求核性塩基の存在下でFMOC−アミノ酸塩化物を使用することにより、アミノ酸をアルコール樹脂と直接結合させることが可能である。アミノ酸塩化物はAdvanced ChemTech(Louisville、KY)から商業的に入手可能であるか、または通常の技術により容易に調製することができる。
固体に支持された2’トリチルアルコールは、Aldrich Chemicalから商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の方法により合成することができる。例えば、Orosz、Tetrahedron Letters(39)1998、3241〜3241ページ参照。ここにおいて、架橋されたポリスチレンビーズをベンゾイルクロリドおよびルイス酸触媒でポリマー支持ベンゾフェノンに転化することができる。結果として得られるベンゾフェノン官能基を次いでフェニルリチウムでトリチルアルコール官能基に変換する。固体支持されたトリチルアルコールは次いで本発明の方法でアミノ酸がロードされた樹脂に転化することができる。
固体に支持されたトリチルアルコールは置換されていても、置換されていなくてもよい。置換基としては、これらに限定されないが、クロロ、ブロモおよびフルオロをはじめとするハロゲン;これらに限定されないがエトキシ、メトキシ、プロピルオキシ、メチレンオキシ、エチレンオキシ、エチレングリコール、およびプロパンジオールをはじめとする置換または非置換アルコキシ基;これらに限定されないが、ジエチレングリコール、ジプロパンジオール、トリエチレングリコール、およびトリプロピレングリコールをはじめとする置換または非置換アルキル多価エーテル基;これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、およびトリフルオロメチルをはじめとする1〜6個の炭素原子を有する置換または非置換低級アルキル基;これらに限定されないが、フェニル、ベンジル、トリル、メトキシフェニル、およびクロロフェニルをはじめとする置換または非置換アリール基、置換または非置換ヘテロアリール、および置換または非置換シクロアルカンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の実施において有用な非求核性塩基化合物としては、これらに限定されないが、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミン、ピリジン、2,4,6−コリジン、DMAP、フェニルジメチルアミン、他の置換アミンおよびその混合物が挙げられる。さらに好ましい非求核性塩基化合物は、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミン、およびピリジンならびにその混合物である。最も好ましい非求核性塩基化合物はトリエチルアミンである。
アミド含有触媒化合物の好ましい範囲は、0.5〜10.00当量であり、さらに好ましい範囲は0.7〜5当量であり、最も好ましい範囲は1〜3当量である。
本発明の一態様において、費用がかかる樹脂官能化工程と関連する洗浄工程は排除される。この方法はさらに、貯蔵寿命が限定された湿度感受性樹脂の使用を、貯蔵寿命がずっと長い、湿度安定性で、より安価な樹脂と置き換える。従って、本明細書に記載された方法は、通常の樹脂よりも長く、優れた貯蔵寿命を示すロードされた樹脂を提供する。本発明のこれらの利点は予想外であると理解される。
典型的には、ペプチド樹脂はローディング後にエンドキャップされる。これはメタノールを用いて行うことができ、置換または非置換トリチルメチルエーテルを与える。これは、新規ペプチド鎖が、第一アミノ酸でエステル化されなかった基を成長させて収率純度を損なわないようにするために行われる。本発明の反応性の低いCTOH樹脂を用いることにより、メタノールでエンドキャップすることなくペプチドを構築することができる。本発明の一態様において、CTOHは活性化されないで、むしろ遮蔽され、典型的な嵩高い活性化された(DCC、HBTU、PyBOPなど)アミノ酸と反応しないので、エンドキャップする必要はない。これはまた樹脂をさらに親水性にし、ポリマーゲル内のペプチド/アミノ酸溶解度を増大させる。残存するCTOHが反応性であることが判明している本発明の別の態様において、これはアセチルクロリド、無水酢酸または他の所望のエンドキャッピング化合物で任意にエンドキャップされる。
本発明は樹脂のリサイクルに大きな影響を及ぼし、リサイクル可能性が増大した樹脂を提供すると理解される。米国仮特許出願番号60/404,045号(Bohlingら、2002年8月16日出願、標題「低ボイドスペース樹脂」)(特願2003−293726号、2003年8月15日出願)(本明細書中に完全に記載されているものとして本発明の一部として参照される)に記載されている新規低ボイドスペース(low void space)コポリマーと組み合わせる場合に、なお一層よくこの利点が得られる。
典型的には、この樹脂をリサイクルするために、有機溶媒中希酸でペプチドを樹脂から開裂させる。結果として得られるトリチルカルボカチオンを次いで塩基で排除し、CTOH樹脂を得、これを次いでSOCl2またはAcClで洗浄し、処理して、湿度感受性CTCを再生する。この方法はUS6239220B1(完全に前記されているものとして本発明の一部とされる)におおよその概略が記載され、Harreら(Reactive and functional Polymers 41(1999)111−114)において論議されている。加えて塩素化反応を省略し、湿度非感受性生成物を生じる利益のために、該方法はさらに、エンドキャッピングメトキシ基を開裂させる必要性を回避し、さらに穏やかな開裂条件とさらに高いリサイクル収率を可能にする。
本発明において用いることができ、本明細書において記載される樹脂上にロードされることができる「アミノ酸」の例は、NH2−CHR−COOH(式中、RはH、脂肪族基、置換脂肪族基、芳香族基または置換芳香族基である)により表される化合物である。「天然に存在するアミノ酸」は自然界において見いだされる。例としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、リジン、オルニチン、プロリン、ヒドロキシプロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システイン、メチオニンおよびヒスチジンが挙げられる。Rはアミノ酸の側鎖である。天然に存在するアミノ酸側鎖の例としては、メチル(アラニン)、イソプロピル(バリン)、sec−ブチル(イソロイシン)、−CH2CH(−CH3)2(ロイシン)、ベンジル(フェニルアラニン)、p−ヒドロキシベンジル(チロシン)、−CH2OH(セリン)、−CHOHCH3(スレオニン)、−CH2−3−インドイル(トリプトファン)、−CH2COOH(アスパラギン酸)、CH2CH2COOH(グルタミン酸)、−CH2C(O)NH2(アスパラギン)、−CH2CH2C(O)NH2(グルタミン)、−CH2SH(システイン)、−CH2CH2SCH3(メチオニン)、−(CH2)4NH2(リジン)、−(CH2)3NH2(オミチン)、−[(CH2)3]NHC(=NH)NH2(アルギニン)および−CH2−3−イミダゾイル(ヒスチジン)が挙げられる。アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンの側鎖は脂肪族であり、すなわち、炭素および水素のみを含み、本明細書において、それぞれ「天然に存在するアミノ酸の脂肪族側鎖」と呼ばれる。
本発明において用いることができる他の天然に存在するアミノ酸の側鎖としては、ヘテロ原子含有官能基、例えば、アルコール(セリン、チロシン、ヒドロキシプロリンおよびスレオニン)、アミン(リジン、オミチン、ヒスチジンおよびアルギニン)、チオール(システイン)またはカルボン酸(アスパラギン酸およびグルタミン酸)が挙げられる。ヘテロ原子含有官能基が保護基を含むように修飾される場合、側鎖はアミノ酸の「保護された側鎖」と呼ばれる。
適当な保護基の選択は、保護される官能基、保護基および分子中に存在し得る他の官能基がさらされる条件によって変わる。前記官能基の適当な保護基は、Greene and Wuts、“Protective Groups in Organic Synthesis”、John Wiley & Sons(1991)(その全内容は本明細書に完全に前記されているものとして参照され、本出願の一部とされる)に記載されている。当業者は、単に慣例の実験を用いるだけで、以下に記載する以外の保護基をはじめとする、開示された合成における使用に適当な保護基、ならびに保護基を適用し、除去するための条件を選択することができる。
適当なアルコール保護基の例としては、ベンジル、アリル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、アセテートなどが挙げられる。適当なアミノ保護基の例としては、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、tert−ブチル、ベンジルおよびフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。tert−ブトキシカルボニルが好ましいアミン保護基である。適当なカルボン酸保護基の例としては、tert−ブチル、Fmoc、メチル、メトキシメチル、トリメチルシリル、ベンジルオキシメチル、tert−ブチルジメチルシリルなどが挙げられる。tert−ブチルが好ましいカルボン酸保護基である。適当なチオール保護基の例としては、S−ベンジル、S−tert−ブチル、S−アセチル、S−メトキシメチル、S−トリチルなどが挙げられる。
リジン、アスパルテートおよびスレオニンが本発明の一態様において好ましく保護されるアミノ酸側鎖の例である。脂肪族基は、完全に飽和しているか、または1以上の不飽和の単位を含む直鎖、分岐鎖C1−C8、または環状C3−C8炭化水素を含む。一例において、脂肪族基は、C1−C4アルキル基である。芳香族基は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシルおよび2−アントラシルなどの炭素環式芳香族基、ならびにN−イミダゾリル、2−イミダゾール、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、2−ピラニル、3−ピラニル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−ピラジニル、2−チアゾール、4−チアゾール、5−チアゾール、2−オキサゾリル、4−オキサゾリルおよび5−オキサゾリルなどの複素環式芳香族基を包含する。
芳香族基はさらに、炭素環式芳香環またはヘテロアリール環が1以上の他のヘテロアリール環と縮合した縮合多環式芳香族環系を含む。例としては、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、2−インドリル、3−インドリル、2−キノリニル、3−キノリニル、2−ベンゾチアゾール、2−ベンゾオキサゾール、2−ベンズイミダゾール、2−キノリニル、3−キノリニル、1−イソキノリニル、3−キノリニル、1−イソインドリル、3−イソインドリル、およびアクリジンチルが挙げられる。
アリール基および脂肪族基の適当な置換基は、開示された反応と適合性である、すなわち、反応の収率を著しく低下させず、著しい量の副反応を引き起こさないものである。適当な置換基は、一般に、脂肪族基、置換脂肪族基、アリール基、ハロゲン、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリハロメチル)、ニトロ、ニトリル、−CONHR、−CON(R)2、−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)2R(式中、各Rは独立して、脂肪族基、またはアリール基である)を包含する。ある官能基は1以上の開示された反応と適合性でないが、これらの官能基は保護された形態で存在し得る。保護基を次いで除去して、元の官能基を再生することができる。当業者は、単に慣例の実験を用いるだけで、開示された反応に適合性の保護基を選択することができる。
ペプチド模倣物、またはそのコンポーネントは、本発明において使用することができ、本明細書において記載したように樹脂上にロードすることができ、または本明細書において記載した方法により製造することができる。ペプチド模倣物は、ペプチドの所望の特性が模倣物により保持されるようにペプチドと十分な構造的類似性を有する化合物である。例えば、HIV感染症を治療するためにプロテアーゼ阻害剤として用いられるペプチド模倣物は、Tungら、WO94/05639号、Vazquezら、WO94/04491号、Vazquezら、WO94/10134号およびVaquezら、WO94/04493号に開示されている。これらの開示の関連する教唆全体は参照として本発明の一部とされる。薬剤として有用であるためには、ペプチド模倣物はペプチドの生物学的活性を保持するだけでなく、模倣されるペプチドと比較して向上された1以上の特性を有しているべきである。例えば、あるペプチド模倣物は、インビボでの加水分解または分解に対して耐性がある。ペプチド模倣物を調製するための一方法は、ペプチド中の1以上のアミノ酸残基を、置換されるアミノ酸残基と構造的に関連し、ペプチド結合を形成することができる基と置換することである。ペプチド中のアミノ酸残基を置換するために用いることができる新規アミノ酸誘導体の開発は、新規ペプチド模倣薬剤の開発を進展させる。
ペプチド模倣物の例は、米国特許出願番号20020188135号(Gabriel、Richard L.ら、2002年12月12日出願、標題「アミノ酸誘導体およびその製造法」)に記載されている。この特許出願は、完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる。これらの化合物の生理学的に許容される塩もまた本発明において有用である。アミンまたは他の塩基性基を含有する化合物の塩は、例えば、適当な有機または無機酸、例えば、塩化水素、臭化水素、酢酸、過塩素酸などと反応させることにより得ることができる。4級アンモニウム基を有する化合物も、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アセテート、パークロレートなどのカウンターアニオンを含む。カルボン酸または他の酸性官能基を含有する化合物の塩は、適当な塩基、例えば、水酸化物塩基と反応させることにより調製することができる。酸性官能基の塩は、ナトリウム、カリウムなどのカウンターカチオンを含む。
本発明は、1以上のペプチド、ペプチド誘導体またはペプチド模倣物をビルディングブロックまたはその構成成分として有する治療薬および生物学的に活性な物質の生成および製造においても有用である。末端がエステル官能基である化合物または化合物のフラグメントも本発明により生成することができる。本発明を用いて製造または生成することができる治療薬は、組成物の目的に関して広範囲に及びうる。薬剤は、単一構成または組み合わせ構成として処方することができる。デリバリーシステムは、放出速度が制御されたデリバリーシステムをもたらすために、水溶性が高い治療薬ならびに水溶性が低い治療薬に関して使用されるように設計される。「治療薬」および「生物学的に活性な物質」なる用語は、限定されないが、医薬;ビタミン;ミネラルサプリメント;疾患または疾病を治療、予防、診断、治癒または緩和するために使用される物質;あるいは身体の構造または機能に影響を及ぼす物質;あるいは所定の生理学的環境中に置かれた後に生物学的に活性化するまたはさらに活性になるプロドラッグを包含する。
有用な治療薬および生物学的に活性な物質の例は、次の拡張された治療カテゴリーを包含する:同化薬、制酸剤、抗喘息薬、抗コレステロール血症薬および抗脂質薬、抗凝血薬、抗痙攣薬、下痢止め薬、制吐剤、抗感染薬、抗炎症薬、抗躁病薬、制嘔吐薬、抗腫瘍薬、肥満抑制薬、解熱薬および鎮痛薬、鎮痙薬、抗血栓症薬、抗尿酸血症薬、抗狭心薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、食欲抑制薬、生物学的製剤、脳拡張薬、冠状動脈拡張薬、鬱血除去薬、利尿薬、診断薬、赤血球生成促進薬、去痰薬、胃腸鎮静薬、高血糖症薬、催眠薬、低血糖薬、イオン交換樹脂、緩下薬、ミネラルサプリメント、ムコ多糖類加水分解薬、神経筋薬、末梢血管拡張薬、向精神薬、鎮静薬、興奮薬、甲状腺薬および抗甲状腺薬、子宮弛緩薬、ビタミン、抗原性物質、およびプロドラッグ。
有用な治療薬および生物学的に活性な物質の他の例はさらに:(a)抗腫瘍薬、代謝拮抗物質、細胞傷害性薬、免疫調節剤;(b)鎮咳薬;(c)抗ヒスタミン薬;(d)鬱血除去剤;(e)様々なアルカロイド;(f)抗不整脈薬;(g)解熱薬;(h)食欲抑制薬;(i)去痰薬;(j)制酸剤;(k)生物学的製剤、例えば、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質およびアミノ酸、ホルモン、インターフェロンまたはサイトカインおよび他の生活性なペプチド化合物、例えば、HGH、tPA、カルシトニン、ANF、EPOおよびインシュリン;(l)抗感染薬、例えば、抗真菌薬、抗ウイルス薬、殺菌剤および抗生物質;ならびに(m)抗原性物質、特にワクチン用途において有用なものを包含する。
治療薬または生物学的に活性な物質は、任意に、DNAまたはRNAを含有する生物学的に活性な物質、ポリサッカライドを含有する生物学的に活性な物質、成長因子、ホルモン、抗血管形成因子、インターフェロンまたはサイトカイン、およびプロドラッグを含むことができる。本明細書に記載された方法を用いて生成される治療薬は、治療的に有効な量において用いられる。治療薬の有効量は用いられる具体的な物質によって変わるが、約1%から約65%の治療薬量が有用である。ある治療薬の治療の効果的な治療レベルを達成するために、さらに少ない量またはさらに多い量を用いることができる。
実施例1
Fmoc−L−ロイシンクロリドでの表面官能化架橋ビーズのローディング
米国仮特許出願番号60/404,044号(Bohlingら、2002年8月16日出願、標題「固相合成用樹脂」(特願2003−293728号、2003年8月15日出願)(完全に前記されているものとして本発明の一部とされる)にしたがって製造された2−クロロトリチルアルコール樹脂に、Fmoc−L−ロイシンをロードし、メタノールで処理して残存する溶媒を除去し、乾燥する。ローディングを定量化するために重量増加を用いる。樹脂は1.3ミリモル/gの容量を有すると仮定される。樹脂の一部を1%TFA/DCMで開裂させ、アミノ酸の開裂量(cleaved yield)(回収率)を決定するためにHPLCにより溶液を分析する。
Fmoc−L−ロイシンクロリドでの表面官能化架橋ビーズのローディング
米国仮特許出願番号60/404,044号(Bohlingら、2002年8月16日出願、標題「固相合成用樹脂」(特願2003−293728号、2003年8月15日出願)(完全に前記されているものとして本発明の一部とされる)にしたがって製造された2−クロロトリチルアルコール樹脂に、Fmoc−L−ロイシンをロードし、メタノールで処理して残存する溶媒を除去し、乾燥する。ローディングを定量化するために重量増加を用いる。樹脂は1.3ミリモル/gの容量を有すると仮定される。樹脂の一部を1%TFA/DCMで開裂させ、アミノ酸の開裂量(cleaved yield)(回収率)を決定するためにHPLCにより溶液を分析する。
樹脂の各サンプル(1.0000±0.05g)を、サイドポートおよび着脱可能なディスクを有する60mLのガラス製合成容器中に秤取する。合成器中の樹脂をあらかじめジクロロメタン(DCM)で膨潤させる。DCMを排出し、各合成器にDCM10ml中のFmoc−L−Leu−Clおよびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)溶液を添加する。ゆっくりした窒素撹拌を開始する。サンプルごとのFmoc−L−Leu−OHの量は0.358グラムであり、DIEAの量は0.177mLである。各混合物を周囲温度で2時間反応させ、次いで溶液を排出する。必要ならば、任意の残存するトリチルアルコール末端基を、少なくとも30分間DCM(10mL)中のDIEA(1mL)およびアセチルクロリド(2mL)で処理することによりキャップすることができる。樹脂の各サンプルを5×10mLのDCMで洗浄し、風袋を測定した30mLガラス濾過器に移し、次いでさらに2×10mLのDCMで洗浄する。各ロードされた樹脂を次いで4×10mLのイソプロパノール(IPA)で脱膨潤させ、フィルターケークを通して真空で空気を吸引することにより部分的に乾燥させ、フィルターおよび樹脂を真空オーブン中30℃で一夜乾燥する。フィルターおよび樹脂を次いで再度秤量し、質量の差を計算する。
Leuの質量=最終重量−(フィルターの風袋+樹脂1.000g)。
Leuの質量=最終重量−(フィルターの風袋+樹脂1.000g)。
T−20実施例
この実施例は、17〜26のアミノ酸を含有する、T−20(米国特許第6,015,881号(表1)にペプチドNo.11として記載されている)と呼ばれるペプチドの10−ペプチドフラグメントの調製を記載する。米国特許第6,015,881号は完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる。反応の速度は、カップリング中に定期的に樹脂をサンプリングし、Kaiser試験を行って未反応の1級アミンの存在を確認することにより追跡する。樹脂を2つの競合する樹脂(一方はNovabiochemから得られるものであり、他方はPolymer Labs.から得られるものである)と比較する。
この実施例は、17〜26のアミノ酸を含有する、T−20(米国特許第6,015,881号(表1)にペプチドNo.11として記載されている)と呼ばれるペプチドの10−ペプチドフラグメントの調製を記載する。米国特許第6,015,881号は完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる。反応の速度は、カップリング中に定期的に樹脂をサンプリングし、Kaiser試験を行って未反応の1級アミンの存在を確認することにより追跡する。樹脂を2つの競合する樹脂(一方はNovabiochemから得られるものであり、他方はPolymer Labs.から得られるものである)と比較する。
実施例1に記載するようにして2−クロロトリチルアルコール樹脂にFmoc−L−ロイシンClをロードする。樹脂のサンプル(1.0g)を、サイドポートおよび着脱可能なディスクを有する60mLのガラス合成容器中に秤取する。DCM(10mL)を容器に入れ、窒素とともに30分間撹拌し、次いで排液する。次いでロイシン誘導化樹脂を10mLのN−メチルピロリドン(NMP)中のピペリジン25%溶液を入れることにより脱保護し、10分間撹拌し、排液し、もう1回繰り返す。7×10mLの体積のNMPで洗浄することにより、脱保護残基を除去する。1.5当量のアミノ酸(この配列中で、Fmoc−glu(t−Bu)−OHをまず添加する。装填量および式量は表参照)、1.5当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(0.149g)および1.5当量のDIEA(0.126g)を7.5mLのNMP中に室温で溶解させることにより、配列中の次のアミノ酸の活性化エステルを調製する。溶液を次いで冷却し、1.5当量のO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)(0.370g)を添加し、30分間撹拌する。DCM(2.5mL)を次いで溶液に添加し、30分間静置する。活性化されたアミノ酸溶液を次いで排液した樹脂に添加し、窒素と共に撹拌する。サンプルを得、それぞれ15分分析(Kaiser試験)し、結果を記録する。反応が完了すると、樹脂を排液し、NMP(3×10mL)で洗浄する。このプロセスを次いで、配列中のアミノ酸の残りについてのピペリジンでの脱保護から繰り返す。(Glu(tBu)、Lys(Boc)、Asn(trt)、Glu(tBu)、Gln(trt)、Glu(tBu)、leu、leu、)。本明細書において記載される方法および成分を用いたペプチド合成サイクル時間は他の公知技術と比較して大きく減少すると考えられる。
本明細書に記載する方法はペプチド、特にT−20、およびT−20様ペプチドの非常に低コストで効率のよい合成に使用することができると理解される。前記の方法は、特定のペプチドフラグメント群を合成し、組み合わせて、意図するペプチドを得るために、固相および液相合成法を利用する。他の態様において、意図するペプチド(例えば、T−20)の合成において中間体として作用する個々のペプチドフラグメントもまた生成される。さらに別の態様において、本発明は、完全長T−20およびT−20様ペプチドを生成するために一緒に使用することができる前記のペプチド中間体フラグメント群の生成を提供する。当業者は、これに限定されないが、多くのさらに小さなフラグメントの集合体を含むT−20をはじめとするペプチドを製造するためのサイクル時間が、全体として実質的に減少することを理解するであろう。サイクル時間が減少するだけでなく、廃棄物も大幅に減少し、効率が大きく増大する。
さらに別の態様において、本明細書において記載される方法により生成されるペプチドまたはペプチドのフラグメントは精製され、および/または対象となるペプチドの合成において中間体として作用する個々のペプチドフラグメントもまた精製される。
本発明は、融合に関連する事象を阻害する能力を示し、さらに重要なことに有効な抗ウイルス活性も示すペプチドおよびペプチドフラグメントを生成するためにも用いることができると理解される。これらのペプチドおよびペプチドフラグメントは、米国特許第5,464,933号;第5,656,480号およびPCT公開番号WO96/19495号(前記されているものとして参照され本発明の一部とされる)に記載されている。本発明は、大規模な量においてこれらの治療薬を製造する方法を提供する。
T−20およびT−20フラグメントは、特定のペプチドフラグメント群を合成し、組み合わせて、意図するペプチドを得るための固相および液相合成法を用いて調製される。一般に、本発明の方法は、特定の側鎖が保護されたT−20またはT−20様ペプチドのペプチドフラグメント中間体を、本明細書に記載した本発明により製造された固体支持体上で合成し、保護されたフラグメントを溶液中でカップリングして保護されたT−20またはT−20様ペプチドを形成し、続いて側鎖を脱保護して、最終T−20またはT−20様ペプチドを得ることを含む。本発明の方法の好ましい具体例は、米国特許第6,015,881号(「’881特許」)に示されるようなアミノ酸配列を有するT−20ペプチドの合成を含む。
本発明はさらに、意図するペプチド(例えば、T−20)の合成において中間体として作用する個々のペプチドフラグメントに関する。本発明のペプチドフラグメントとしては、これらに限定されないが、‘881特許に記載されているようなアミノ酸配列を有するものが挙げられる。
本発明は、CTC−樹脂を用いた通常の技術を用いて1以上のペプチドフラグメントを生成することもでき、またアルコール系樹脂を用いた本明細書に記載する技術を用いて1以上のペプチドフラグメントを生成することもできると理解される。結果として得られるペプチドは、その後、組み合わせてT−20ペプチドまたはT−20様ペプチドを得ることができる。
本発明の方法、フラグメントおよびフラグメント群、ならびにフラグメントおよびフラグメント群を選択するために用いられる技術を、T−20に加えてT−20様フラグメントを合成するために用いることができることは理解されるであろう。本明細書において用いられる「T−20様」なる用語は、米国特許第5,464,933号;第5,656,480号またはPCT公開番号WO96/19495号(それぞれ前記されているものとして参照され本発明の一部とされる)に列挙されている任意のHIVまたは非HIVペプチドを意味する。
前記のT−20およびT−20様ペプチドに加えて、本発明の方法、フラグメントおよびフラグメント群は、修飾されたアミノ末端および/またはカルボキシル末端を有するペプチドを合成するために用いることができる。
好ましい態様において、本発明の方法は、Xがアセチル基であり、Zがアミド基である式を有するペプチドを合成するために用いられる。好ましい方法において、T−20およびT−20様ペプチドおよび中間体は、これらに限定されないが、高い(7より高い)pH範囲で安定なジルコニウムベースパッキング、ポリスチレン、ポリアクリルまたは他のポリマーベースのパッキングを包含する任意の非シリカベースのカラムパッキングを(ローディング容量を最大にするために)用いて精製することができる。例えば、Tosohaus(Montgomeryville、Pa.)により販売されているものよりも高いpH値を含む広いpH範囲を示す非シリカ充填カラムパッキングの中で、かかる物質で充填されたカラムは低、中または高圧クロマトグラフィーにおいて使用することができる。
本発明はまた、上記の‘881特許の表1に列挙されている特定のアミノ酸配列を有するT−20およびT−20様ペプチドのペプチドフラグメント中間体、および‘881特許の表2に列挙されているペプチドフラグメント中間体群の大規模の有効な製造法も提供する。特に‘881特許の表2に列挙されている群のかかるペプチド中間体は、T−20およびT−20様ペプチドを製造するために用いられる。
ペプチドフラグメントのアミノ酸残基の任意の1以上の側鎖は、t−ブチル(t−Bu)、トリチル(trt)およびt−ブチルオキシカルボニル(Boc)などの標準的な保護基で保護することができる。t−Bu基がアミノ酸残基Tyr(Y)、Thr(T)、Ser(S)およびAsp(D)の好ましい側鎖保護基であり;trt基はアミノ酸残基His(H)、Gln(Q)およびAsn(N)の好ましい側鎖保護基であり;Boc基はアミノ酸残基Lys(K)およびTrp(W)の好ましい側鎖保護基である。
フラグメントの合成中、ヒスチジン残基の側鎖は、好ましくはトリチル(trt)保護基で保護される。保護されない場合、ペプチドフラグメントを樹脂から開裂させるために用いられる酸が、ヒスチジン残基と不利益に反応し、ペプチドフラグメントの分解を引き起こし得る。
本発明のペプチドフラグメントのグルタミン残基は、トリチル(trt)基で保護される。しかしながら、あるフラグメントのカルボキシ末端においてグルタミン残基を保護しないことは可能である。本発明の各ペプチドフラグメントのアスパラギン残基はすべて保護されることができる。加えて、トリプトファン残基はBoc基で保護される。
個々のペプチドフラグメントのいくつかは、本明細書に記載される固相合成技術を用いて製造され、本発明の他のペプチドは任意に固相および溶液相合成技術の組み合わせを用いて製造される。本発明のペプチドは別法として、ペプチドのアミノ酸残基と結合する1以上の結合が非ペプチド結合となるように合成することができる。これらの別の非ペプチド結合は、当業者に周知の反応を用いて形成することができ、これらに限定されないが、数例を挙げると、イミノ、エステル、ヒドラジド、セミカルバジド、およびアゾ結合を包含する。
本発明のさらに別の態様において、前記の配列を含むT−20およびT−20様ペプチドは、例えば、ペプチドの安定性、反応性および/または溶解性が向上されるように、そのアミノおよび/またはカルボキシ末端に存在するさらに別の化学基を有するように合成することができる。例えば、カルボベンゾキシル、ダンシル、アセチルまたはt−ブチルオキシカルボニル基などの疎水性基をペプチドのアミノ末端に添加することができる。同様に、アセチル基または9−フルオレニルメトキシ−カルボニル基をペプチドのアミノ末端に置くことができる。さらに、疎水性基、t−ブチルオキシカルボニル、またはアミド基をペプチドのカルボキシ末端に添加することができる。同様に、パラ−ニトロベンジルエステル基をペプチドのカルボキシ末端に置くことができる。
さらに、その立体配置が変更するようにT−20およびT−20様ペプチドを合成することができる。例えば、通常のL−異性体ではなく、ペプチドの1以上のアミノ酸残基のD−異性体を用いることができる。
さらに、本発明のペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つは、周知の天然に存在しないアミノ酸残基の1つにより置換することができる。これらの変更は、本発明のペプチドの安定性、反応性および/または溶解度を増大させるように作用しうる。
好ましくは、本発明の1以上のペプチドフラグメントは、標準的FMOC手順を用いて本明細書に記載される固相ペプチド合成(SPPS)技術により合成される。例えば、Carpinoら、1970、J.Am.Chem.Soc.92(19):5748−5749;Carpinoら、1972、J.Org.Chem.37(22):3404−3409参照。本発明の別の態様において、これらに限定されないが、2−クロロトリチルクロリド樹脂(例えば、Barlosら、1989、Tetrahedron Letters 30(30):3943−3946参照)および4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸樹脂(例えば、Seiber、1987、Tetrahedron Letters 28(49):6147−6150、およびRichterら、1994、Tetrahedron Letters 35(27):4705−4706参照)を含む超酸感受性固体支持体上で行われる本発明のペプチドフラグメントの固相合成を用いて1以上のフラグメントが製造される。2−クロロトリチルクロリドおよび4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ酪酸樹脂は両方ともCalbiochem−Novabiochem Corp.,San Diego,Calif.から購入することができる。
通常の技術を用いた樹脂の製造およびローディングのための一般的手順を、本明細書に記載されている新規技術に加えて、またはこれと組み合わせて用いることができる。いくつかのフラグメントは、例えば次の技術によりローディングが行われる樹脂を用いて製造することができる。樹脂、好ましくは2−クロロトリチル樹脂などの超酸感受性樹脂を反応チャンバー中に入れる。樹脂を塩素化溶媒、例えば、ジクロロメタン(DCM)で洗浄する。床を排液し、1.5当量のアミノ酸および2.7当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の約8〜10体積のジクロロエタン(DCE)中溶液を添加する。アミノ酸のN−末端は、好ましくはFmocで保護されるべきであり、アミノ酸の側鎖は、必要または適当であるならば保護するべきである。窒素をバブリングしながら混合物を2時間撹拌する。撹拌後、床を排液し、DCMで洗浄する。樹脂上の活性部位を9:1MeOH:DIEA溶液で約20〜30分間エンドキャップする。床を排液し、DCMで4回洗浄し、窒素パージで乾燥して、ロードされた樹脂を得る。フラグメントを次いで標準的洗浄、脱保護、カップリングおよび開裂手順にしたがって構築する。他のフラグメントを本明細書に記載された新規技術を用いて製造する。様々な技術により製造されたフラグメントを次いで記載されたように組み合わせる。
Fmocがアミノ酸のN−末端の好ましい保護基である。どのアミノ酸がロードされるかによって、その側鎖を保護してもよいし、保護しなくてもよい。例えば、Trpがロードされる場合、その側鎖はBocで保護するべきである。同様に、Glnの側鎖はtrtで保護することができる。しかしながら、Glnが1〜16のペプチドフラグメントの合成のための調製においてロードされる場合、その側鎖は保護するべきでない。Leuの側鎖を保護する必要はない。
樹脂のローディングおよびペプチド合成において用いられるFmoc保護されたアミノ酸は、必要に応じて側鎖保護基の有無にかかわらず、SeanまたはGenzymeから入手可能である。米国特許第6,281,331号(完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる)に記載されるペプチドおよびフラグメントの他の例は、本明細書に記載された新規技術を、単独または他の通常の技術と組み合わせて用いて製造することができる。
実施例2
ヒトカルシトニンの側鎖保護されたフラグメント24〜33の合成
(Boc−Cys(Trt)−Gly−Asn(Trt)−Leu−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Cys(Trt)−Met−Leu−Gly−OH)
特願2003−293728号、2003年8月15日出願、米国仮特許出願番号60/404,044(2002年8月16日出願、Bohlingら、標題「固相合成用樹脂」(完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる))に従って製造された2−クロロトリチルアルコール樹脂にFmoc−L−グリシンをロードし、メタノールで処理して残存する溶媒を除去し、乾燥する。ローディングを定量化するために重量増加を用いる。樹脂は1.3ミリモル/gの容量を有すると算出される。樹脂の一部を1%TFA/DCMで開裂させ、溶液をHPLCで分析して、アミノ酸の開裂量(回収率)を決定する。
ヒトカルシトニンの側鎖保護されたフラグメント24〜33の合成
(Boc−Cys(Trt)−Gly−Asn(Trt)−Leu−Ser(tBu)−Thr(tBu)−Cys(Trt)−Met−Leu−Gly−OH)
特願2003−293728号、2003年8月15日出願、米国仮特許出願番号60/404,044(2002年8月16日出願、Bohlingら、標題「固相合成用樹脂」(完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる))に従って製造された2−クロロトリチルアルコール樹脂にFmoc−L−グリシンをロードし、メタノールで処理して残存する溶媒を除去し、乾燥する。ローディングを定量化するために重量増加を用いる。樹脂は1.3ミリモル/gの容量を有すると算出される。樹脂の一部を1%TFA/DCMで開裂させ、溶液をHPLCで分析して、アミノ酸の開裂量(回収率)を決定する。
初期ローディング
樹脂の各サンプル(1.0000±0.05g)を、サイドポートおよび着脱可能なディスクを有する60mLのガラス製合成容器中に秤取する。合成器中の樹脂をジクロロメタン(DCM)であらかじめ膨潤させる。DCMを排液し、各合成器にDCM10ml中のFmoc−L−Gly−Clおよびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)溶液を添加する。ゆっくりした窒素撹拌を開始する。各サンプルにつき、Fmoc−L−Gly−OHの量は0.358グラムであり、DIEAの量は0.177mLである。各混合物を周囲温度で2時間反応させ、次いで溶液を排出する。必要な場合、任意の残存するトリチルアルコール末端基を、少なくとも30分間DCM(10mL)中のDIEA(1mL)およびアセチルクロリド(2mL)で処理することによりキャップすることができる。樹脂の各サンプルを5×10mLのDCMで洗浄し、風袋を測定した30mLガラス濾過器に移し、次いでさらに2×10mLのDCMで洗浄する。各ロードされた樹脂を次いで4×10mLのイソプロパノール(IPA)で脱膨潤させ、次いで、フィルターケークをとおして真空で空気を吸引することにより部分的に乾燥させ、フィルターおよび樹脂を真空オーブン中30℃で一夜乾燥する。フィルターおよび樹脂を次いで再度秤量し、質量の差を計算する。
Glyの質量=最終重量−(フィルターの風袋+樹脂1.000g)。
樹脂の各サンプル(1.0000±0.05g)を、サイドポートおよび着脱可能なディスクを有する60mLのガラス製合成容器中に秤取する。合成器中の樹脂をジクロロメタン(DCM)であらかじめ膨潤させる。DCMを排液し、各合成器にDCM10ml中のFmoc−L−Gly−Clおよびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)溶液を添加する。ゆっくりした窒素撹拌を開始する。各サンプルにつき、Fmoc−L−Gly−OHの量は0.358グラムであり、DIEAの量は0.177mLである。各混合物を周囲温度で2時間反応させ、次いで溶液を排出する。必要な場合、任意の残存するトリチルアルコール末端基を、少なくとも30分間DCM(10mL)中のDIEA(1mL)およびアセチルクロリド(2mL)で処理することによりキャップすることができる。樹脂の各サンプルを5×10mLのDCMで洗浄し、風袋を測定した30mLガラス濾過器に移し、次いでさらに2×10mLのDCMで洗浄する。各ロードされた樹脂を次いで4×10mLのイソプロパノール(IPA)で脱膨潤させ、次いで、フィルターケークをとおして真空で空気を吸引することにより部分的に乾燥させ、フィルターおよび樹脂を真空オーブン中30℃で一夜乾燥する。フィルターおよび樹脂を次いで再度秤量し、質量の差を計算する。
Glyの質量=最終重量−(フィルターの風袋+樹脂1.000g)。
ペプチド構築
2−クロロトリチルアルコール樹脂を実施例1と同様にしてFmoc−L−Gly−Clでロードする。樹脂のサンプル(1.0g)を、サイドポートおよび着脱可能なディスクを有する60mLのガラス製合成容器中に秤取する。DCM(10mL)を容器に入れ、窒素と共に30分間撹拌し、次いで排液する。次いでグリシン誘導化樹脂をN−メチルピロリドン(NMP)中のピペリジン25%溶液10mLを入れることにより脱保護し、10分間撹拌し、排液し、1回繰り返す。7×10mLの体積のNMPで洗浄することにより脱保護残基を除去する。1.5当量のアミノ酸(この配列において、Fmoc−Leu−OHをまず添加する、添加量および式量については表を参照のこと)、1.5当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(0.149g)および1.5当量のDIEA(0.126g)を7.5mLのNMP中に室温で溶解させることにより、配列中の次のアミノ酸の活性化エステルを調製する。溶液を次いで冷却し、1.5当量のO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)(0.370g)を添加し、30分間撹拌する。DCM(2.5mL)を次いで溶液に添加し、30分間静置する。活性化アミノ酸溶液を次いで排液した樹脂に添加し、窒素と共に撹拌する。サンプルを得、それぞれ15分間分析(Kaiser試験)し、結果を記録する。反応が完了したら、樹脂は排液され、NMP(3×10mL)で洗浄される。このプロセスを次に、配列の残りのアミノ酸についてピペリジンでの脱保護から繰り返す。(Met、Cys(Trt)、Thr(tBu)、Ser(tBu)、Leu、Asn(Trt)、Gly、Cys(Trt))。
2−クロロトリチルアルコール樹脂を実施例1と同様にしてFmoc−L−Gly−Clでロードする。樹脂のサンプル(1.0g)を、サイドポートおよび着脱可能なディスクを有する60mLのガラス製合成容器中に秤取する。DCM(10mL)を容器に入れ、窒素と共に30分間撹拌し、次いで排液する。次いでグリシン誘導化樹脂をN−メチルピロリドン(NMP)中のピペリジン25%溶液10mLを入れることにより脱保護し、10分間撹拌し、排液し、1回繰り返す。7×10mLの体積のNMPで洗浄することにより脱保護残基を除去する。1.5当量のアミノ酸(この配列において、Fmoc−Leu−OHをまず添加する、添加量および式量については表を参照のこと)、1.5当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(0.149g)および1.5当量のDIEA(0.126g)を7.5mLのNMP中に室温で溶解させることにより、配列中の次のアミノ酸の活性化エステルを調製する。溶液を次いで冷却し、1.5当量のO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)(0.370g)を添加し、30分間撹拌する。DCM(2.5mL)を次いで溶液に添加し、30分間静置する。活性化アミノ酸溶液を次いで排液した樹脂に添加し、窒素と共に撹拌する。サンプルを得、それぞれ15分間分析(Kaiser試験)し、結果を記録する。反応が完了したら、樹脂は排液され、NMP(3×10mL)で洗浄される。このプロセスを次に、配列の残りのアミノ酸についてピペリジンでの脱保護から繰り返す。(Met、Cys(Trt)、Thr(tBu)、Ser(tBu)、Leu、Asn(Trt)、Gly、Cys(Trt))。
次いでDCM中の1%TFA14mLを添加し、5分間混合することにより、ペプチドを開裂させる。開裂溶液を次いで、TFAと等しい量のピリジンを含有するフラスコ中に集める。開裂を繰り返し、2つの開裂溶液を合わせる。溶媒をエタノールと交換し、水を添加することにより生成物を沈殿させる。固形分を集め、水で洗浄し、次いで室温で真空下で乾燥させる。
実施例3
T−1249の合成
本明細書に記載された方法および基体は、米国特許第6,469,136号(「’136特許」)(完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる)に記載されたポリペプチドを構築するために用いることができる。特に、本明細書においてT−1249およびT−1249様ペプチドと称するペプチドは、本明細書において記載する新規方法を単独または本明細書において記載する通常の方法と組み合わせて用いて構築することができる。これらの方法は、特定のペプチドフラグメント群を合成し、組み合わせて、意図するペプチドを得るために固相および液相合成法を用いる。
T−1249の合成
本明細書に記載された方法および基体は、米国特許第6,469,136号(「’136特許」)(完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる)に記載されたポリペプチドを構築するために用いることができる。特に、本明細書においてT−1249およびT−1249様ペプチドと称するペプチドは、本明細書において記載する新規方法を単独または本明細書において記載する通常の方法と組み合わせて用いて構築することができる。これらの方法は、特定のペプチドフラグメント群を合成し、組み合わせて、意図するペプチドを得るために固相および液相合成法を用いる。
ペプチド、特に本明細書においてT−1249およびT−1249様ペプチドと称するペプチドの合成のための新規方法を本明細書において記載する。これらの方法は、特定のペプチドフラグメント群を合成し、組み合わせて、意図するペプチドを得るために、固相および液相合成法を利用する。一般に、該方法は、固体支持体上でT−1249またはT−1249様ペプチドの特定の側鎖保護ペプチドフラグメント中間体を合成し、保護されたフラグメントを溶液中でカップリングして保護されたT−1249またはT−1249様ペプチドを形成し、続いて側鎖を脱保護して、最終T−1249またはT−1249様ペプチドを得ることを包含する。本発明の方法の好ましい態様は、‘136特許に示すようなアミノ酸配列を有するT−1249ペプチドの合成を包含する。
本発明はさらに、意図するペプチド(例えば、T−1249)の合成において中間体としての働きをする個々のペプチドフラグメントを構築するための、低コストで、効率の高い方法を提供する。本発明のペプチドフラグメントとしては、これらに限定されないが、‘136特許の表1に示されるようなアミノ酸配列を有するものが挙げられる。
本明細書に記載するような固相液相合成反応の組み合わせは、当該技術分野において記載されるものよりも高いスループットと高い収率で、高純度のT−1249およびT−1249様ペプチドの大規模な製造を可能にする。T−1249およびT−1249様ペプチドは1キログラム以上の規模で合成することができる。
完全長ペプチドの調製
本発明は、T−1249と呼ばれるペプチドを合成するために用いられる。T−1249は、その配列が、HIV−1、HIV−2およびSIVgp41ウイルスポリペプチド配列由来である39のアミノ酸残基のポリペプチドである。本発明の方法、フラグメントおよびフラグメント群ならびにフラグメントおよびフラグメント群を選択するために用いられる技術を、T−1249に加えてT−1249様フラグメントを合成するために用いることができると理解される。本明細書において用いられる「T−1249様」なる用語は、国際特許出願番号PCT/US99/11219号(1999年5月20日出願)、国際特許公開番号WO99/59615号(1999年11月25日公開)(その全体は参照として本発明の一部とされる)に列挙されている任意のHIVまたは非HIVペプチドを意味する。
本発明は、T−1249と呼ばれるペプチドを合成するために用いられる。T−1249は、その配列が、HIV−1、HIV−2およびSIVgp41ウイルスポリペプチド配列由来である39のアミノ酸残基のポリペプチドである。本発明の方法、フラグメントおよびフラグメント群ならびにフラグメントおよびフラグメント群を選択するために用いられる技術を、T−1249に加えてT−1249様フラグメントを合成するために用いることができると理解される。本明細書において用いられる「T−1249様」なる用語は、国際特許出願番号PCT/US99/11219号(1999年5月20日出願)、国際特許公開番号WO99/59615号(1999年11月25日公開)(その全体は参照として本発明の一部とされる)に列挙されている任意のHIVまたは非HIVペプチドを意味する。
前記のT−1249およびT−1249様ペプチドに加えて、本発明の方法、フラグメントおよびフラグメント群を用いて、修飾されたアミノ末端および/またはカルボキシル末端を有するペプチドまたは高および低pH範囲で安定な他のポリマーベースパッキングを合成することができる。
ペプチド中間体
‘136特許の表1に列挙される特定のアミノ酸配列を有するT−1249およびT−1249様ペプチドの1以上のペプチドフラグメント中間体、ならびに‘136特許の表2に列挙されるペプチドフラグメント中間体群の1以上もまた、本明細書に記載される新規プロセスを単独または他の技術プロセスと組み合わせて用いて調製される。
‘136特許の表1に列挙される特定のアミノ酸配列を有するT−1249およびT−1249様ペプチドの1以上のペプチドフラグメント中間体、ならびに‘136特許の表2に列挙されるペプチドフラグメント中間体群の1以上もまた、本明細書に記載される新規プロセスを単独または他の技術プロセスと組み合わせて用いて調製される。
ペプチド合成
個々のペプチドフラグメントは好ましくは固相合成技術を用いて調製されるが、本発明の他のペプチドは、任意に固相および溶液相合成技術の組み合わせを用いて調製される。合成法によりT−1249またはT−1249様ペプチドが製造される。
個々のペプチドフラグメントは好ましくは固相合成技術を用いて調製されるが、本発明の他のペプチドは、任意に固相および溶液相合成技術の組み合わせを用いて調製される。合成法によりT−1249またはT−1249様ペプチドが製造される。
本発明のペプチドは代替として、ペプチドのアミノ酸残基をつなげる1以上の結合が非ペプチド結合となるように合成することができる。これらの代替の非ペプチド結合は、当業者に周知の反応を利用して形成することができ、これらに限定されないが、数例を挙げると、イミノ、エステル、ヒドラジド、セミカルバジド、およびアゾ結合が挙げられる。さらに、T−1249およびT−1249様ペプチドは、立体配置が変更するように合成することができる。例えば、通常のL−異性体でなく、ペプチドの1以上のアミノ酸残基のD−異性体を用いることができる。
さらに、本発明のペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つは、周知の天然に存在しないアミノ酸残基の一つで置換することができる。これらのような代替は、本発明のペプチドの安定性、反応性および/または溶解度を増大するようにすることができる。任意のT−1249またはT−1249様ペプチドは、そのアミノ末端および/またはカルボキシ末端と共有結合するマクロモレキュラーキャリア基をさらに有するように合成することができる。このようなマクロモレキュラーキャリア基としては、例えば、脂質−脂肪酸接合体、ポリエチレングリコール、炭水化物またはさらなるペプチドが挙げられる。
アミノ酸がロードされた樹脂は、本明細書に記載される新規技術を用いて調製される。撹拌後、床を排液し、DCMで洗浄する。床を排液し、DCMで4回洗浄し、窒素パージで乾燥して、ロードされた樹脂を得る。
Fmocはアミノ酸のN−末端について好ましい保護基である。ロードされるアミノ酸に応じて、その側鎖は保護してもよいし、保護しなくてもよい。たとえば、トリプトファン(Trp)がロードされる場合、その側鎖はBocで保護すべきである。しかしながら、ロイシン(Leu)の側鎖は保護する必要がない。好ましくは、グルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)、スレオニン(Thr)およびセリン(Ser)はt−ブチルエーテルまたはt−ブチルエステルとして保護され、トリプトファン(Trp)およびリジン(Lys)はt−ブトキシカルボニルカーバメート(Boc)として保護される。アスパラギン(Asn)およびグルタミン(Gln)のアミド側鎖はトリチル基で保護してもよいし、保護しなくてもよい。
一方、樹脂に添加される配列における次のアミノ酸は、そのカルボキシ末端で反応について活性化される。各アミノ酸のアミン末端はFmocで保護すべきである。どのアミノ酸が添加されるかにより、その側鎖は保護してもよいし、保護しなくてもよい。好ましくは、tyr(Y)、Thr(T)、Ser(S)、Glu(E)およびAsp(P)の側鎖は、t−Buで保護され、Gln(Q)およびAsn(N)の側鎖はtrtで保護され、Lys(K)およびTrp(w)の側鎖はBocで保護される。LeuまたはIleの側鎖を保護する必要はない。
アミノ酸は次のようにして活性化することができる。Fmoc保護されたアミノ酸(1.5当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)(1.5当量)、およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(1.5当量)を、極性で非プロトン性の溶媒、例えば、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルアセトアミド(DMAC)(約7.5体積)中に室温で溶解させる。溶液を0〜5℃に冷却し、次いでO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)またはO−ベンゾトリアゾール−1−イル−テトラメチルテトラフルオロボレート(TBTU)(1.5当量)を添加し、続いて5〜15分間撹拌して溶解させる。アミノ酸のラセミ化を最小限に抑えるために、活性化を0〜5℃で行うのが重要である。活性化およびラセミ化はHBTUの非存在下で起こり得ないので、HBTUは冷溶液に最後に添加される試薬である。
活性化されたアミノ酸の溶液を、排液した樹脂に添加し、DCM(約2.5体積)で洗浄する。アミノ酸の活性化は、HBTUがDCM中に溶解しないために、NMP中で行われる。しかしながら、DCMは樹脂ビーズの適当な膨潤を維持するためにこの時点で反応に添加される。約1時間20〜30℃でN2をバブリングしながら反応物を撹拌する。
樹脂がカップリングサイクルの間に一夜貯蔵される場合、樹脂床を排液し、窒素ブランケット下で、NMPでカバーすることができる。別法として、床を排液し、窒素ブランケット下で貯蔵し、次いで次のカップリングサイクルに進む前にDCM洗浄で調整することができる。完了したフラグメントが開裂前に一夜貯蔵される場合、著しいFmoc脱保護がNMP中で起こり得るので、樹脂床をIPAで洗浄してNMPを除去すべきである。
カップリングが完了したと判断された後、樹脂を排液し、3回NMP(約10体積)で洗浄する。サイクルをペプチドフラグメントの次の単位(すなわちアミノ酸)について繰り返す。最終カップリング反応後、樹脂を4回NMP(約10体積)で、次いで2回DCM(約10体積)で、2回IPAで洗浄する。樹脂に結合したペプチドを窒素パージまたはオーブン中で乾燥させることができる。
固相合成技術により合成されたペプチドを、例えば以下の非制限的技術に従って開裂させ、単離することができる。ペプチドは、当業者に周知の技術を用いて樹脂から開裂させることができる。例えば、ペプチドを開裂させるために、DCM中1%または2%のトリフルオロ酢酸(TFA)溶液、あるいはDCM中1%および2%のTFA溶液の組み合わせを用いることができる。酢酸(HOAC)、塩酸(HCl)または蟻酸もペプチドを開裂させるために用いることができる。開裂に必要な特定の開裂試薬、溶媒および時間は、開裂させる特定のペプチドによって変わる。開裂後、開裂フラクションは、標準的仕上げ処置を受けて、ペプチドを単離する。典型的には、組み合わされた開裂フラクションを真空下で濃縮し、続いて極性非プロトン性または極性非プロトン性溶媒、例えば、エタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、アセトニトリル(ACN)、ジメチルホルムアミド(DMF)、NMD、DMAC、DCMなどで復元し、続いて非溶媒、例えば、水またはヘキサンで沈殿または結晶化させ、真空濾過により集める。別法として、ペプチドの単離後、生成物を有機溶媒または水で磨砕してもよい。
完全長T−1249ペプチドを合成するために、ペプチド中間体を一緒にカップリングさせて、T−1249ペプチドを得ることができる。例えば、本明細書に記載された1以上の方法を用いて、前記ペプチド中間体群を一緒にカップリングさせて、T−1249完全長ペプチドを製造することができる。
一態様において、T−1249を合成するための3フラグメント法を行うことができる。「3フラグメント法」合成とは、3つのT−1249中間体ペプチドフラグメントから出発するT−1249合成スキームを意味し、このフラグメントは固相および液相合成技術を用いて合成され、カップリングされて、完全長T−1249ペプチドを得る。
固相ペプチド合成法(SPPS);一般的手順
SPPSチャンバーにFmocLeu樹脂(1当量)を添加する。樹脂を5%ピペリジンDCM(7.5体積)中で窒素をパージしながら15〜30分間調整する。溶媒を排液し、樹脂を2回NMP中20%のピペリジン(5体積)で30分間処理して、Fmoc保護基を除去する。2回目の20%ピペリジン/NMP処理後、樹脂を5〜7回NMP(5体積)で洗浄することにより、コラニル(choranil)試験が陰性になる。
SPPSチャンバーにFmocLeu樹脂(1当量)を添加する。樹脂を5%ピペリジンDCM(7.5体積)中で窒素をパージしながら15〜30分間調整する。溶媒を排液し、樹脂を2回NMP中20%のピペリジン(5体積)で30分間処理して、Fmoc保護基を除去する。2回目の20%ピペリジン/NMP処理後、樹脂を5〜7回NMP(5体積)で洗浄することにより、コラニル(choranil)試験が陰性になる。
一方、次のアミノ酸(1.5当量)、HOBT(1.5当量)およびDIEA(1.5当量)を3:1NMP/DCM(10体積)中で組み合わせ、室温で完全に溶解させ、0℃に冷却する。HBTUを添加し、溶液を10〜15分間撹拌して、固形分を溶解させ、次いで樹脂に添加する。懸濁液を窒素雰囲気下で1〜3時間撹拌し、かき混ぜる。定量的ニンヒドリン試験でカップリングの完了をモニターする。反応が3時間後に不完全である(ニンヒドリン試験陽性が持続する)場合、反応器を排液し、活性化されたアミノ酸の新しい溶液(0.5当量)でリカップリングを行うべきである。通常30分〜1時間のリカップリング後、ニンヒドリン試験が陰性になる。このサイクルをフラグメント中の残りのアミノ酸について繰り返す。フラグメントが構築されると、洗浄において用いられる溶媒体積は必然的に5体積から増大しうる。最終カップリング後、樹脂を3回5〜8体積のNMPで、次いで2回10体積のDCMで洗浄し、40℃の真空オーブン中で一定重量になるまで乾燥する。
樹脂からペプチドを開裂させるための好ましい方法
以下の方法は、ペプチドAcAA1−12OHの樹脂からの開裂を説明する。しかしながら、同じ方法を、本発明の他のペプチドフラグメントの開裂に用いることができる。
以下の方法は、ペプチドAcAA1−12OHの樹脂からの開裂を説明する。しかしながら、同じ方法を、本発明の他のペプチドフラグメントの開裂に用いることができる。
方法A:HOAcの使用
樹脂(1g、0.370ミリモル)を、窒素とともに撹拌しながら1.5時間AcOH/MeOH/DCM(5:1:4、20体積、20mL)の混合物で処理し、溶液を丸底フラスコに移し、撹拌し、水(20体積)で処理した。結果として得られる白色スラリーを濃縮して(rotavap、40℃浴)、DCMを除去し、生成物を濾過により集めた。一定重量まで乾燥して、0.69g(74%)のAcAA1−12OHを87A%純度で得る。前記のような樹脂の第二の処理により、さらに0.08g(8.5%)の純度の低い(83面積%)AcAA1−12OHを得、このことは、所望の反応時間は1.5時間より若干長めであることを示唆した。
樹脂(1g、0.370ミリモル)を、窒素とともに撹拌しながら1.5時間AcOH/MeOH/DCM(5:1:4、20体積、20mL)の混合物で処理し、溶液を丸底フラスコに移し、撹拌し、水(20体積)で処理した。結果として得られる白色スラリーを濃縮して(rotavap、40℃浴)、DCMを除去し、生成物を濾過により集めた。一定重量まで乾燥して、0.69g(74%)のAcAA1−12OHを87A%純度で得る。前記のような樹脂の第二の処理により、さらに0.08g(8.5%)の純度の低い(83面積%)AcAA1−12OHを得、このことは、所望の反応時間は1.5時間より若干長めであることを示唆した。
方法B:TFAの使用
樹脂(1重量、20g)を5〜6回1.7体積のDCM中1%のTFA溶液で洗浄する(各回3〜5分)。1%TFA/DCM洗浄液を、ピリジンを含むフラスコ中に集める(洗浄液中TFAと体積比1:1)。生成物を含む洗浄液を合わせ(600mL、30体積)、最少ポット体積(もとの体積のほぼ1/3)まで蒸留することによりDCMを除去する。真空を調節し、15〜25℃のポット温度を維持する。エタノール(6.5体積)を添加し、DCMが除去されるまで(蒸留液の温度の上昇により決められる)蒸留を続ける。再び、真空を調節し、15〜20℃のポット温度を維持する。最終ポット体積は約8〜9体積であるはずである。溶液を5〜10℃に冷却し、水(6.5体積)を30分かけて添加して、AcAA1−12OHを沈殿させる。固形分を真空濾過により集め、水(2〜3体積)で洗浄する。スラリーを0〜5℃で30分間撹拌し、固形分を真空濾過により集め、一定重量になるまで乾燥して、16.80gのAcAA1−12OHを90%の収率および84面積%(A%)純度で得る。
樹脂(1重量、20g)を5〜6回1.7体積のDCM中1%のTFA溶液で洗浄する(各回3〜5分)。1%TFA/DCM洗浄液を、ピリジンを含むフラスコ中に集める(洗浄液中TFAと体積比1:1)。生成物を含む洗浄液を合わせ(600mL、30体積)、最少ポット体積(もとの体積のほぼ1/3)まで蒸留することによりDCMを除去する。真空を調節し、15〜25℃のポット温度を維持する。エタノール(6.5体積)を添加し、DCMが除去されるまで(蒸留液の温度の上昇により決められる)蒸留を続ける。再び、真空を調節し、15〜20℃のポット温度を維持する。最終ポット体積は約8〜9体積であるはずである。溶液を5〜10℃に冷却し、水(6.5体積)を30分かけて添加して、AcAA1−12OHを沈殿させる。固形分を真空濾過により集め、水(2〜3体積)で洗浄する。スラリーを0〜5℃で30分間撹拌し、固形分を真空濾過により集め、一定重量になるまで乾燥して、16.80gのAcAA1−12OHを90%の収率および84面積%(A%)純度で得る。
FmocAA27−38OHのSPPSおよび樹脂からの開裂
FmocAA27−38OHのSPPSを、0.75ミリモル/gでロードされた10gのFmocTrp(Boc)ORで出発して前記のようにして行った。開裂法Bを用いた(169/120/1、収率78%、87.9A%)。
FmocAA27−38OHのSPPSを、0.75ミリモル/gでロードされた10gのFmocTrp(Boc)ORで出発して前記のようにして行った。開裂法Bを用いた(169/120/1、収率78%、87.9A%)。
HPLC条件:Vydac C8、カタログ番号208TP54、5u、300A、0.9mL/分、280nm。A:0.1%TFA/水、B:80%I−PrOH/20%アセトニトリルおよび0.1%TFAの混合物。60〜80% B/30分。典型的なサンプル調製法:1mgを0.10mLのNMP中に溶解し、1mLのアセトニトリルで希釈する。20μLを20μLループ中に注入する。
CTOH樹脂のリサイクリング
本発明は、置換トリチル樹脂をリサイクルするのに特に有用である。これらの樹脂をリサイクルするために典型的には、まず弱酸で樹脂から生成物を開裂させて、未結合ペプチドおよびクロロトリチルカチオンを形成する。カチオンを次いで塩基性溶液、例えばメタノール中の水酸化ナトリウムで処理し(例えば、米国特許第6,239,220号を参照、これは完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる)、洗浄し、乾燥して、置換トリチルアルコールを再生する。伝統的な方法は、次に置換トリチルアルコール樹脂を置換トリチルクロリド樹脂に転化することにより活性化させる。この工程は問題があり、多くの難題を提示するが、これらはかわりに保護されたアミノ酸を活性化する場合回避することができる。樹脂は典型的には5〜8cc/gほど膨潤するので、樹脂の活性化は樹脂の体積につき大きな装置容積を必要とする。樹脂を洗浄する場合に物質構成の問題があることが多く、例えば、転化にしばしば用いられるチオニルクロリドは標準的なステンレス鋼フィルターに損傷を与える可能性があり、腐食を防止するためにはさらに新種の物質を使用することが必要とされる。ガラスで裏打ちされた反応釜が一般的である。塩化物耐性のフィルターは一般的でなく、高価である。OHをClに転化した後の樹脂の洗浄はさらに、多量の溶媒を必要とし、これはその後、リサイクルするかまたは廃棄しなければならない。最終的に、置換されたトリチルクロリド樹脂生成物は湿度感受性であり、これは取り扱いおよび乾燥の問題につながる。アミノ酸の活性化を利用する本発明は、固体でなく液体生成物を利用するので、難題がずっと少ない。フィルターの使用は排除され、多量の洗浄溶媒は排除されるかまたは軽減される。アミノ酸は樹脂の様に膨潤しないので、これはまたさらに容積測定的に有効である。さらに、本発明はメトキシエンドキャッピングを必要とせず、従って、リサイクリング開裂条件はさらに穏やかである。さらに、ヒドロキシ基は樹脂をさらに親水性にし、ゲル相による試薬および生成物の輸送を向上させる。
本発明は、置換トリチル樹脂をリサイクルするのに特に有用である。これらの樹脂をリサイクルするために典型的には、まず弱酸で樹脂から生成物を開裂させて、未結合ペプチドおよびクロロトリチルカチオンを形成する。カチオンを次いで塩基性溶液、例えばメタノール中の水酸化ナトリウムで処理し(例えば、米国特許第6,239,220号を参照、これは完全に前記されているものとして参照され本発明の一部とされる)、洗浄し、乾燥して、置換トリチルアルコールを再生する。伝統的な方法は、次に置換トリチルアルコール樹脂を置換トリチルクロリド樹脂に転化することにより活性化させる。この工程は問題があり、多くの難題を提示するが、これらはかわりに保護されたアミノ酸を活性化する場合回避することができる。樹脂は典型的には5〜8cc/gほど膨潤するので、樹脂の活性化は樹脂の体積につき大きな装置容積を必要とする。樹脂を洗浄する場合に物質構成の問題があることが多く、例えば、転化にしばしば用いられるチオニルクロリドは標準的なステンレス鋼フィルターに損傷を与える可能性があり、腐食を防止するためにはさらに新種の物質を使用することが必要とされる。ガラスで裏打ちされた反応釜が一般的である。塩化物耐性のフィルターは一般的でなく、高価である。OHをClに転化した後の樹脂の洗浄はさらに、多量の溶媒を必要とし、これはその後、リサイクルするかまたは廃棄しなければならない。最終的に、置換されたトリチルクロリド樹脂生成物は湿度感受性であり、これは取り扱いおよび乾燥の問題につながる。アミノ酸の活性化を利用する本発明は、固体でなく液体生成物を利用するので、難題がずっと少ない。フィルターの使用は排除され、多量の洗浄溶媒は排除されるかまたは軽減される。アミノ酸は樹脂の様に膨潤しないので、これはまたさらに容積測定的に有効である。さらに、本発明はメトキシエンドキャッピングを必要とせず、従って、リサイクリング開裂条件はさらに穏やかである。さらに、ヒドロキシ基は樹脂をさらに親水性にし、ゲル相による試薬および生成物の輸送を向上させる。
本発明のわずかな好ましい具体例を記載したが、当業者らはこの具体例は本発明の主な精神および範囲から逸脱することなく修飾でき、変更することができることは理解するであろう。従って、前記の好ましい具体例は、あらゆる点において例示的であって、制限的でないと考えるべきであり、本発明の範囲は、前記載事項ではなく、添付の請求の範囲により示され、請求の範囲の意味および同等のものの範囲内にある全ての変更は本発明の包含されるものである。
Claims (12)
- 生物学的に活性な物質、生物学的に活性な物質のフラグメント、治療薬、または治療薬のフラグメントを製造する方法であって、当該方法はクロロトリチルクロリドリンカー樹脂を必要とせず:
活性化アミノ酸または活性化アミノ酸誘導体を置換または非置換トリチルアルコール樹脂と反応させて、樹脂−CT−AA生成物を得;さらに
前記樹脂−CT−AA生成物を、前記の生物学的に活性な物質、前記治療薬、または前記フラグメントの、他のビルディングブロックと反応させて、前記生物学的に活性な物質、前記治療薬、前記生物学的に活性な物質の前記フラグメント、または前記治療薬の前記フラグメントを得ることを含む方法。 - 前記活性化アミノ酸が、保護アミノ酸塩化物、保護アミノ酸フッ化物、保護アミノ酸臭化物、および保護アミノ酸混合無水物、保護アミノ酸活性化エステル、およびFMOC−アミノ酸塩化物からなる群から選択される請求項1記載の方法。
- 前記置換または非置換トリチルアルコール樹脂が、クロロトリチルアルコール樹脂、アルコキシを有する置換トリチルアルコール樹脂、ハロゲンを有する置換トリチルアルコール樹脂、置換アルキル基を有する置換トリチルアルコール樹脂、およびトリチル基の芳香環と結合する1以上の基を有する置換トリチルアルコール樹脂からなる群から選択される請求項1記載の方法。
- 前記クロロトリチルアルコール樹脂が2’クロロトリチルアルコール樹脂である請求項3記載の方法。
- さらに、前記フラグメント、前記の生物学的に活性な物質、または前記治療薬の1以上を開裂させることを含む請求項1記載の方法。
- さらに前記樹脂をリサイクルすることを含む請求項1記載の方法。
- 請求項1記載の方法により製造される生成物。
- 前記の生物学的に活性な物質またはそのフラグメントが、T−20のフラグメント、T−20、T−20様ペプチドのフラグメント、およびT−20様ペプチド、T−1249のフラグメント、T−1249、T−1249様ペプチドのフラグメント、およびT−1249様ペプチドからなる群から選択される請求項7記載の生成物。
- 生物学的に活性な物質または治療薬を製造するために用いられる基体を製造する方法であって:
活性化アミノ酸またはその誘導体を、置換または非置換トリチルアルコール樹脂と反応させて、樹脂−CT−AA生成物を得ることを含む方法。 - さらに、生物学的に活性な物質の前駆体、治療薬の前駆体、前記の生物学的に活性な物質、または前記治療薬を製造するために前記樹脂−CT−AA生成物を使用することを含む請求項9記載の方法。
- さらに、その後の製造工程において使用するために前記樹脂をリサイクルすることを含む請求項9記載の方法。
- 前記置換または非置換トリチルアルコール樹脂が、低ボイドスペース樹脂を含む請求項1記載の方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US44720203P | 2003-02-12 | 2003-02-12 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004262925A true JP2004262925A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=32825419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004033153A Withdrawn JP2004262925A (ja) | 2003-02-12 | 2004-02-10 | アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂、アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂の製造法、ならびにこれにより製造される生物学的に活性な物質および治療薬 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20040158037A1 (ja) |
EP (1) | EP1447408A1 (ja) |
JP (1) | JP2004262925A (ja) |
KR (1) | KR20040073389A (ja) |
CN (1) | CN1520827A (ja) |
AU (1) | AU2004200374A1 (ja) |
BR (1) | BRPI0400343A (ja) |
CA (1) | CA2453809A1 (ja) |
MX (1) | MXPA04000923A (ja) |
TW (1) | TW200418894A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007130275A2 (en) | 2006-05-03 | 2007-11-15 | Mallinckrodt Inc. | Composition and method for the release of protected peptides from a resin |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5198531A (en) * | 1991-06-14 | 1993-03-30 | Research Diagnostic Antibodies | Polymeric resin for peptide synthesis |
DE4306839A1 (de) * | 1993-03-05 | 1994-09-08 | Bayer Ernst Prof Dr | Tritylgruppe enthaltendes Festphasensystem, Verfahren zu seiner Herstellung und seine Verwendung in Festphasenreaktionen |
US6281331B1 (en) * | 1998-03-23 | 2001-08-28 | Trimeris, Inc. | Methods and compositions for peptide synthesis |
US6469136B1 (en) * | 1999-07-07 | 2002-10-22 | Trimeris, Inc. | Methods and composition for peptide synthesis |
JP2004503673A (ja) * | 2000-07-14 | 2004-02-05 | ミモトープス・プロプライエタリー・リミテッド | 活性化モジュラーグラフト重合表面 |
-
2004
- 2004-01-22 US US10/762,401 patent/US20040158037A1/en not_active Abandoned
- 2004-01-29 MX MXPA04000923A patent/MXPA04000923A/es not_active Application Discontinuation
- 2004-01-30 TW TW093102216A patent/TW200418894A/zh unknown
- 2004-01-30 BR BR0400343-8A patent/BRPI0400343A/pt not_active IP Right Cessation
- 2004-02-02 AU AU2004200374A patent/AU2004200374A1/en not_active Abandoned
- 2004-02-03 CA CA002453809A patent/CA2453809A1/en not_active Abandoned
- 2004-02-06 EP EP04250640A patent/EP1447408A1/en not_active Withdrawn
- 2004-02-10 JP JP2004033153A patent/JP2004262925A/ja not_active Withdrawn
- 2004-02-10 CN CNA2004100048666A patent/CN1520827A/zh active Pending
- 2004-02-12 KR KR1020040009372A patent/KR20040073389A/ko not_active Application Discontinuation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
MXPA04000923A (es) | 2004-08-16 |
TW200418894A (en) | 2004-10-01 |
AU2004200374A1 (en) | 2004-08-26 |
EP1447408A1 (en) | 2004-08-18 |
CA2453809A1 (en) | 2004-08-12 |
CN1520827A (zh) | 2004-08-18 |
KR20040073389A (ko) | 2004-08-19 |
US20040158037A1 (en) | 2004-08-12 |
BRPI0400343A (pt) | 2005-01-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4537495B2 (ja) | インスリン分泌性ペプチドの合成 | |
JP2003530311A (ja) | ペプチド合成の方法および組成物 | |
TW200831527A (en) | Method of peptide synthesis | |
JP4886702B2 (ja) | ペプチド中間体断片を使用するペプチドt−20の合成 | |
JP4886703B2 (ja) | ペプチド中間体断片を使用するペプチドt−1249の合成 | |
JP4886701B2 (ja) | ペプチド中間体断片iiiを使用する合成 | |
JP2004262925A (ja) | アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂、アミノ酸がロードされたトリチルアルコール樹脂の製造法、ならびにこれにより製造される生物学的に活性な物質および治療薬 | |
JP2008534639A (ja) | Peg樹脂上におけるアルファ−ヘリックスのペプチド合成 | |
US20230044268A1 (en) | An improved process for preparation of liraglutide |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060915 |