JP2004262356A - ステータフィン - Google Patents

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    • Y02T70/50Measures to reduce greenhouse gas emissions related to the propulsion system

Abstract

【課題】プロペラの推進効率を更に向上させることができるステータフィンを提供する。
【解決手段】反プロペラ回転方向側(右回転の場合には左舷側)に位置するフィン13aは取付角を平均よりも大きくし、プロペラ回転方向側(右回転の場合には右舷側)に位置するフィン13aは取付角を平均よりも小さくする。更に、反プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を大きくし、プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を小さくすることが望ましい。また、プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さを、反プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さに比べて短くしたり、反プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数を、プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数よりも多くしたり、反プロペラ回転方向側にだけフィンを取り付け、プロペラ回転方向側にはフィンを取り付けないようにしてもよい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロペラの後方に配置され、プロペラによって生じる回転流のエネルギーを推力に変換することによりプロペラの推進効率を向上させるステータフィンに関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶は、船尾に設けられたプロペラの回転によってプロペラの周囲の流体を後方に加速することにより、その反作用として推力を発生させて進む。ところが、プロペラは回転により周囲の流体を後方に加速して推力を発生させるだけでなく、プロペラ回転方向に回転流(旋回流)も発生させる。この回転流は推力に寄与しないため、この回転流のエネルギーの分だけプロペラの推進効率は低下する。このためプロペラの後方には、プロペラ軸中心線から放射状に張り出すように配置した複数枚のフィンを有してなるステータフィンが設置される。このステータフィンは前方のプロペラの回転により発生した回転流のエネルギーを回収して推力を発生する(回転エネルギーを推力に変換する)一種の推進器であり、プロペラの推進効率を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003 】
【特許文献1】
特開平8−192792号公報
【0004 】
ここで図面に基づいて更に詳述する。図6(a)は従来のステータフィンを備えた船舶の船尾部分の縦断面図、図6(b)は図6(a)のA−A線矢視図、図7はプロペラ翼及びフィンの断面と水流や推力などのベクトルとを示す説明図である。
【0005 】
図6に示すように、船体1の船尾にはプロペラ2及び舵5が設けられている。プロペラ2は回転軸であるプロペラ軸2cの中心線(プロペラ軸中心線)から放射状に張り出すようにしてボス2bに取り付けられた複数枚の翼2aを有している。プロペラ2は、プロペラ軸2cを介して船体1内に設置された主機4に接続され、この主機4よって回転駆動されることにより推力Tを発生する。図示例の場合、プロペラ2の回転方向は矢印Bのように右回りである。船体1の進行方向は矢印C方向である。舵5はプロペラ2の後方に位置し、ラダーホーン6を介して船体1に支持されている。
【0006 】
そして、プロペラ2の後方(プロペラ2と舵5の間)にはステータフィン3が設けられている。ステータフィン3はプロペラ軸中心線から放射状に張り出すようにしてボス3bに取り付けられた同一形状の複数枚のフィン3aを有してなり、ボス3bはラダーホーン6を介して船体1に固定支持されている。
【0007 】
このステータフィン3による推力の発生原理は図7に示すとおりである。図7にはプロペラ2の翼2a及びステータフィン3のフィン3aの周方向に切断した断面を示している。フィン3aは何れも、プロペラ軸中心線に対する取付角γが同じになっている。また、図7において、横軸はプロペラ2及びステータフィン3の周方向、縦軸はプロペラ軸3の軸方向(プロペラ軸中心線)、矢印B,Cは前述のようにプロペラ回転方向及び船体進行方向である。
【0008 】
プロペラ2が回転すると、プロペラ2の周囲の流体(海水)が後方に加速されてプロペラ2の後方に水流(図6に示すプロペラ後流7)が生じ、このときの反作用として推力Tが発生するが、図7に示すようにプロペラ後流7には軸方向速度成分Vだけでなく、周方向速度成分Vも含まれている。即ち、プロペラ2の回転によってプロペラ回転方向の回転流(旋回流)も生じる。そして、軸方向速度成分Vと周方向速度成分Vの合速度Wを有するプロペラ後流7が、迎角αを有してフィン3aに流入すると、合速度Wの方向に対して直角な方向にフィン3aの揚力Lを生じ、合速度Wの方向と同方向にフィン3aの抗力Dを生じる。
【0009 】
従って、この揚力Lと抗力Dとの合力FLDの軸方向成分がフィン3aの推力Tとなり、周方向成分Fが回転力Fとなる。かくして、回転エネルギーが推力Tに変換され、船体1の推力が増加してプロペラ2の推進効率が向上する。なお、ステータフィン3全体の推力は1枚のフィン3aにより発生する推力Tとフィン3aの枚数との積になるため、ステータフィン3a全体の推力を増大させるにはできるだけ多数のフィン3aを取り付けたほうがよい。
【001 0】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のステータフィン3では次のような問題点がある。
【0011】
揚力Lは合速度Wと迎角αの積に比例し(L∝W×α)、また、抗力Dは揚力L、合速度W、迎角α、水流に対するフィン3aの摩擦抵抗などによって決まる。従って、迎角αが大き過ぎると抗力Dが大きくなり過ぎるし、迎角αが小さ過ぎると揚力Lが小さくなって十分な推力Tが得られない。このため、迎角αは、フィン3aの取付角γを適宜調整することにより、最も効果的に推力Tを得ることができる角度に設定する。
【0012】
ところが、プロペラ2は船体1の後方で作動するため、プロペラ後方の流場は軸対称でなく、ステータフィン3に流入する回転流の周方向速度が左舷側と右舷側とで同一ではない。詳述すると、図8に示すようにプロペラ後方の流場では速度Vθの上向きの流れが生じるため、反プロペラ回転方向側である左舷側では、図7に一点鎖線で示すようにプロペラ後流7の周方向速度成分Vに流場の上向きの流れの速度Vθが加わることになり(V+Vθ)、迎角αが大きくなってしまう。また、水平に近いフィン3aほど速度Vθによる周方向速度成分Vの増加が大きくなるため、迎角αの増加も大きくなる。逆に、プロペラ回転方向側である右舷側では、図7に二点鎖線で示すようにプロペラ後流7の周方向速度成分Vから流場の上向きの流れの速度Vθが差し引かれることになり(V−Vθ)、迎角αが小さくなってしまう。また、水平に近いフィン3aほど速度Vθによる周方向速度成分Vの減少が大きくため、迎角αの減少も大きくなる。
【0013】
つまり、従来のステータフィン3では同一形状の複数のフィン3aが同一の取付角γで軸対称に取り付けられていたため、左右舷で最適な迎角αとはなっておらず、最も効果的に推力Tが得られるようにはなっていなかったため、プロペラ2の推進効率向上効果が必ずしも十分ではなかった。
【0014】
従って、本発明は上記の事情に鑑み、プロペラの推進効率を更に向上させることができるステータフィンを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1発明のステータフィンは、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
反プロペラ回転方向側に位置するフィンは取付角を平均よりも大きくし、プロペラ回転方向側に位置するフィンは取付角を平均よりも小さくしたことを特徴とする。
【0016】
また、第2発明のステータフィンは、第1発明のステータフィンにおいて、
反プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を大きくし、プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を小さくしたことを特徴とする。
【0017】
また、第3発明のステータフィンは、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さを、反プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さに比べて短くしたことを特徴とする。
【0018】
また、第4発明のステーフィンは、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
反プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数を、プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数よりも多くしたことを特徴とする。
【0019】
また、第5発明のステータフィンは、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
反プロペラ回転方向側にだけフィンを取り付け、プロペラ回転方向側にはフィンを取り付けないようにしたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
<実施の形態1>
図1(a)は本発明の実施の形態1に係るステータフィンを備えた船舶の船尾部分の縦断面図、図1(b)は図1(a)のJ−J線矢視図、図2(a)はプロペラ翼及び左舷側のフィンの断面と水流のベクトルとを示す説明図、図2(b)はプロペラ翼及び右舷側のフィンの断面と水流のベクトルとを示す説明図である。なお、本実施の形態1においてステータフィンのフィン構造以外の構成は従来と同様である(図6〜図8参照)。
【0022】
図1に示すように、船体11の船尾にはプロペラ12及び舵15が設けられている。プロペラ12は回転軸であるプロペラ軸12cの中心線(プロペラ軸中心線)から放射状に張り出すようにしてボス12bに取り付けられた複数枚の翼12aを有している。プロペラ12は、プロペラ軸12cを介して船体11内に設置された主機14に接続され、この主機14よって回転駆動されることにより推力Tを発生する。図示例の場合、プロペラ12の回転方向は矢印Kのように右回りである。船体11の進行方向は矢印M方向にである。舵15はプロペラ12の後方に位置し、ラダーホーン16を介して船体11に支持されている。
【0023】
そして、プロペラ12の後方(プロペラ12と舵15の間)にはステータフィン13が設けられている。ステータフィン13はプロペラ軸中心線から放射状に張り出すようにしてボス13bに取り付けられた同一形状の複数枚(図示例では6枚)のフィン13aを有してなり、プロペラ後流17内に設置されている。ステータフィン13のボス13bはラダーホーン16を介して船体1に固定支持されている。なお、これに限らず、他の固定手段によってステータフィン13を船体11に固定支持してもよい。
【0024】
そして、本実施の形態1のステータフィン13では図2(a)及び図2(b)に示すようにフィン13aの取付角γが設定されている。図2(a)及び図2(b)にはプロペラ12の翼12a及びフィン13aの周方向に切断した断面を示している。また、図2(a)及び図2(b)において、横軸はプロペラ12及びステータフィン13の周方向、縦軸はプロペラ軸13の軸方向(プロペラ軸中心線)、矢印K,Mは前述のようにプロペラ回転方向及び船体進行方向である。
【0025】
図2(a)に示すように反プロペラ回転方向側である左舷側では前述のように図1に示すプロペラ後流17の周方向速度成分Vに流場の上向きの流れの速度Vθが加わることになるため(V+Vθ)、左舷側のフィン13aは取付角γを平均よりも大きくすることにより、迎角αが大きくならないように調整されている。即ち、反プロペラ回転方向側(左舷側)のフィン13aでは、流場の上向きの流れによって周方向速度が増加しても、フィン13aが推力Tを発生するのに適切な迎角αを有するように取付角γが平均よりも大きく設定されている。
【0026】
更に、前述のように反プロペラ回転方向側(左舷側)では水平に近いほど速度Vθによる周方向速度成分Vの増加が大きくなるため、反プロペラ回転方向側(左舷側)に位置するフィン13aは水平に近いものほど取付角γを大きくすることが望ましい。つまり、図1(b)では右舷側に3枚のフィン13aが取り付けられているが、このうちの上下2枚のフィン13aに比べて真ん中の水平なフィン13aのほうが取付角γを大きくする。
【0027】
逆に、図2(b)に示すようにプロペラ回転方向側である右舷側では前述のようにプロペラ後流17の周方向速度成分Vから流場の上向きの流れの速度Vθが差し引かれることになるため(V−Vθ)、右舷側のフィン13aは、取付角γを平均よりも小さくすることにより、迎角αが小さくないように調整されている。即ち、プロペラ回転方向側(右舷側)のフィン13aでは、流場の上向きの流れによって周方向速度が減少しても、フィン13aが推力Tを発生するのに適切な迎角αを有するように取付角γが平均よりも小さく設定されている。
【0028】
更に、前述のようにプロペラ回転方向側(右舷側)では水平に近いフィン13aほど速度Vθによる周方向速度成分Vの減少が大きくなるため、プロペラ回転方向側(右舷側)に位置するフィン13aは水平に近いものほど取付角γを小さくすることが望ましい。つまり、図1(b)では左舷側に3枚のフィン13aが取り付けられているが、このうちの上下2枚のフィン13aに比べて真ん中の水平なフィン13aのほうが取付角γを小さくする。
【0029】
以上のように本実施の形態1のステータフィン13によれば、反プロペラ回転方向側(左舷側)に位置するフィン13aは取付角γを平均よりも大きくし、プロペラ回転方向側(右舷側)に位置するフィン13aは取付角γを平均よりも小さくしたため、プロペラ後方の流場が軸対称ではなく、ステータフィン3に流入する回転流の周方向速度が左舷側と右舷側とで同一でなくても、即ち、反プロペラ回転方向側(左舷側)では流場の上向きの流れによって周方向速度が増加し、プロペラ回転方向側(右舷側)では流場の上向きの流れによって周方向速度が減少しても、フィン13aは推力Tを発生するのに適切な迎角αを有するものとなる。このため、ステータフィン13(フィン13a) へ流入する流れに対してフィン13aの取付角γを左右舷でほぼ最適値とすることが可能となり、従来のように取付角γが同一の場合に比べてプロペラ12の推進効率を更に向上させることができる。
【0030】
また、反プロペラ回転方向側(左舷側)に位置するフィン13aは、水平に近いものほど取付角γが大きくなるようにし、プロペラ回転方向側(右舷側)に位置するフィン13aは、水平に近いものほど取付角γが小さくなるようにすれば、フィン13aは推力Tを発生するのにより一層適切な迎角αを有するものとなり、プロペラ12の推進効率をより一層向上させることができる。
【0031】
<実施の形態2>
図3は本発明の実施の形態2に係るステータフィンの構成図(図1(b)に相当する図)である。なお、本実施の形態2においてステータフィンのフィン構造以外は上記実施の形態1と同様であるため、ここでの説明及び図示は省略する(図1、図2、図6〜図8参照)。
【0032】
本実施の形態2のステータフィン13では、反プロペラ回転方向側(左舷側)に位置する複数(図示例では3枚)のフィン13aの径方向の長さは短くせずに通常のままとし、プロペラ回転方向側(右舷側)に位置する複数(図示例では3枚)のフィン13aの径方向の長さを短くしている。即ち、プロペラ回転方向側(右舷側)に位置するフィン13aの径方向の長さが、反プロペラ回転方向側(左舷側)に位置するフィン13aの径方向の長さに比べて短くなっている。
【0033】
プロペラ12の回転方向が矢印Cのように右回りの場合、前述のようにステータフィン13に流入する回転流の流速は左舷側で大きく、右舷側で小さいため、右舷側ではフィン13aによる回転エネルギーの回収は小さく、フィン13a自体の抵抗(抗力D)が相対的に大きくなる。従って、本実施の形態2のように右舷側のフィン13aの径方向の長さを短くすれば、フィン13a自体の抵抗の増加が小さくなり、ステータフィン13によるプロペラ12の推進効率向上効果が増大する。
【0034】
<実施の形態3>
図4は本発明の実施の形態3に係るステータフィンの構成図(図1(b)に相当する図)である。なお、本実施の形態3においてステータフィンのフィン構造以外は上記実施の形態1と同様であるため、ここでの説明及び図示は省略する(図1、図2、図6〜図8参照)。
【0035】
本実施の形態3のステータフィン13では、反プロペラ回転方向側(左舷側)におけるフィン13aの取り付けを蜜にし、プロペラ回転方向側(右舷側)におけるフィン13aの取り付けを粗にしている。即ち、反プロペラ回転方向側(左舷側)に位置するフィン13aの枚数(図示例では5枚)を、プロペラ回転方向側(右舷側)に位置するフィンの枚数(図示例では2枚)よりも多くしている。
【0036】
プロペラ12の回転方向が矢印Cのように右回りの場合、前述のようにステータフィン13に流入する回転流の流速は左舷側で大きく、右舷側で小さいため、本実施の形態3のように左舷側に多くのフィン13aを取り付ければ、左舷側での回転エネルギーの回収が大きくなり、ステータフィン13によるプロペラ12の推進効率向上効果が増大する。
【0037】
<実施の形態4>
図5は本発明の実施の形態4に係るステータフィンの構成図(図1(b)に相当する図)である。なお、本実施の形態4においてステータフィンのフィン構造以外は上記実施の形態1と同様であるため、ここでの説明及び図示は省略する(図1、図2、図6〜図8参照)。
【0038】
本実施の形態4のステータフィン13では、反プロペラ回転方向側(左舷側)にだけフィン13a(図示例では4枚)を取り付け、プロペラ回転方向側(右舷側)にはフィンを全く取り付けないようにした。
【0039】
プロペラ12の回転方向が矢印Cのように右回りの場合、前述のようにステータフィン13に流入する回転流の回転流は左舷側で大きく、右舷側で小さいため、本実施の形態4のように左舷側にだけ多くのフィン13aを取り付ければ、左舷側での回転エネルギーの回収が大きくなり、右舷側ではフィンの抵抗が全くなるので、ステータフィン13によるプロペラ12の推進効率向上効果が増大する。
【0040】
なお、ステータフィン13におけるフィン13aの枚数は上記実施の形態1〜4に示す枚数に限定するものではなく、適宜設定することができるが、できるだけ多く設けたほうがステータフィン13の推力は大きくなる。
【0041】
また、上記実施の形態1〜4ではプロペラが右回りの場合について説明したが、勿論、プロペラが左回りの場合にも本発明を適用することができる。詳細な説明は省略するが、プロペラが左回りの場合には、勿論、右舷側が反プロペラ回転方向側、左舷側がプロペラ回転方向側となり、左舷側と右舷側のフィンの関係(取付角、長さ、枚数)も上記実施の形態1〜4の場合とは逆になる。
【0042】
【発明の効果】
以上、発明の実施の形態とともに具体的に説明したように、第1発明のステータフィンによれば、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、反プロペラ回転方向側に位置するフィンは取付角を平均よりも大きくし、プロペラ回転方向側に位置するフィンは取付角を平均よりも小さくしたことを特徴とするため、プロペラ後方の流場が軸対称ではなく、ステータフィンに流入する回転流の周方向速度が左舷側と右舷側とで同一でなくても、即ち、反プロペラ回転方向側では流場の上向きの流れによって周方向速度が増加し、プロペラ回転方向側では流場の上向きの流れによって周方向速度が減少しても、フィンは推力を発生するのに適切な迎角を有するものとなる。このため、ステータフィン(フィン) へ流入する流れに対してフィンの取付角を左右舷でほぼ最適値とすることが可能となり、従来のように取付角が同一の場合に比べてプロペラの推進効率を更に向上させることができる。
【0043】
また、第2発明のステータフィンによれば、第1発明のステータフィンにおいて、反プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を大きし、プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を小さくしたことを特徴とするため、フィンは推力を発生するのにより一層適切な迎角を有するものとなり、プロペラの推進効率をより一層向上させることができる。
【0044】
また、第3発明のステータフィンによれば、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さを、反プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さに比べて短くしたことを特徴とするため、フィン自体の抵抗の増加が小さくなり、ステータフィンによるプロペラの推進効率向上効果が増大する。
【0045】
また、第4発明のステーフィンによれば、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、反プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数を、プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数よりも多くしたことを特徴とするため、反プロペラ回転方向側での回転エネルギーの回収が大きくなり、ステータフィンによるプロペラの推進効率向上効果が増大する。
【0046】
また、第5発明のステータフィンによれば、船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、反プロペラ回転方向側にだけフィンを取り付け、プロペラ回転方向側にはフィンを取り付けないようにしたことを特徴とするため、反プロペラ回転方向側での回転エネルギーの回収が大きくなり、プロペラ回転方向側ではフィンの抵抗が全くなるので、ステータフィンによるプロペラの推進効率向上効果が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1に係るステータフィンを備えた船舶の船尾部分の縦断面図、(b)は(a)のJ−J線矢視図である。
【図2】(a)はプロペラ翼及び左舷側のフィンの断面と水流のベクトルとを示す説明図、(b)はプロペラ翼及び右舷側のフィンの断面と水流のベクトルとを示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るステータフィンの構成図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係るステータフィンの構成図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係るステータフィンの構成図である。
【図6】(a)は従来のステータフィンを備えた船舶の船尾部分の縦断面図、(b)は(a)のA−A線矢視図である。
【図7】プロペラ翼及びフィンの断面と水流や推力などのベクトルとを示す説明図である。
【図8】プロペラ後方の流場の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
11 船体
12 プロペラ
12a 翼
12b ボス
12c プロペラ軸
13 ステータフィン
13a フィン
13b ボス
14 主機
15 舵
16 ラダーホーン
17 プロペラ後流

Claims (5)

  1. 船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
    反プロペラ回転方向側に位置するフィンは取付角を平均よりも大きくし、プロペラ回転方向側に位置するフィンは取付角を平均よりも小さくしたことを特徴とするステータフィン。
  2. 請求項1に記載のステータフィンにおいて、
    反プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を大きくし、プロペラ回転方向側に位置するフィンは水平に近いものほど取付角を小さくしたことを特徴とするステータフィン。
  3. 船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
    プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さを、反プロペラ回転方向側に位置するフィンの径方向の長さに比べて短くしたことを特徴とするステータフィン。
  4. 船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
    反プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数を、プロペラ回転方向側に位置するフィンの枚数よりも多くしたことを特徴とするステータフィン。
  5. 船尾においてプロペラの後方に配置されプロペラ軸中心線から放射状に張り出すように船体に固定支持された複数枚のフィンを有してなり、これらのフィンによってプロペラの回転により生じる回転流のエネルギーを推力に変換するステータフィンにおいて、
    反プロペラ回転方向側にだけフィンを取り付け、プロペラ回転方向側にはフィンを取り付けないようにしたことを特徴とするステータフィン。
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