JP2004262168A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可逆性画像記録媒体の使用を容易にして、紙等を得るための資源やエネルギーの節約ができ、使いやすく便利な画像記録装置を提供すること。
【解決手段】普通紙記録媒体及び/又は可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取り記憶手段に記録する画像記録装置において、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取る読取手段と、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去する消去手段を備え、前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体の搬送方向に対して、前記読取手段を前記消去手段の上流側に設けたこと。
【選択図】 図1
【解決手段】普通紙記録媒体及び/又は可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取り記憶手段に記録する画像記録装置において、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取る読取手段と、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去する消去手段を備え、前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体の搬送方向に対して、前記読取手段を前記消去手段の上流側に設けたこと。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿等の画像情報を読み取り記憶手段に記憶する画像記録装置に関し、特に、普通紙等の普通紙記録媒体や書き換え可能な可逆性画像記録媒体の何れの記録媒体に記憶された画像情報も読み取ることができる画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、電子化の技術が進展し、コンピュータやワードプロセッサ等を駆使して作成した文字や記号、或いは図形や写真等から構成された画像情報や、インターネット等を利用して得られた画像情報を他のコンピュータやプリンター等の外部情報機器と送受信したり、これらの画像情報を複写機やプリンター或いはファクシミリ等の画像形成装置により紙等に印刷する機会が増加している。
【0003】
しかしながら、紙等の普通紙記録媒体に印刷した画像情報の大半は保存を目的とするものではなく、その場限りか、数日間経過後に気軽に廃棄されることが多く、印刷に必要な紙やOHPシート等の普通紙記録媒体(普通紙とも言う。)及びトナーやインク等を得るための資源やエネルギー等が大量に無駄になっている。
【0004】
また、コンピュータや複写機、プリンター或いはファクシミリ等の情報機器や画像形成装置を頻繁に作動させると、点検、整備及び修理等のメンテナンスを頻繁に行っていないと、高画質な印刷物を得ることができなくなる。
【0005】
そこで、サービスマンがメンテナンスを実行するたびに、画像形成装置の情報として参考に印刷する画像形成装置に設定された設定条件、例えば、画像形成装置自体に工場出荷時等に予め設定された初期設定情報、画像形成装置よる印刷総回数、トナーやインクの交換時期や残量、前回の点検日、又は点検状況等のメンテナンス情報、或いは、サービスマンや管理者がコンピュータやワードプロセッサやインターネット・サーバー等を画像形成装置に接続したときの条件や使用者が使いやすいように設定した条件等の設定情報や試しに印刷する画像情報等も、その場では必要なものではあるが、同様に保存を目的とするものではないので廃棄され、前述の紙やインク等を得るための資源やエネルギー等が大量に無駄になっている。
【0006】
最近では、紙等の記録部材の他に、反復使用ができる記録部材として、可逆性画像記録媒体が開発されている。
【0007】
例えば、可逆性画像記録媒体としては、2枚の薄膜フィルムの間に特殊な粒子等を介在させ、表面に温度差を与えると白濁状態から透明状態に変化する特性を利用して画像情報を記録し、また、所定の温度に表面を均一に加熱することで全面が白濁し初期化される可逆性感熱記録フィルム(TC)フィルムや、通称、電子ペーパーと呼ばれる可逆性画像表示媒体がある。
【0008】
可逆性画像表示媒体としては、電界駆動型の可逆性画像表示媒体や磁気駆動型の可逆性画像表示媒体があり、電界駆動型の可逆性画像表示媒体としては、乾式帯電粒子内包型、電気泳動型、ツイストボール型等がある。
【0009】
乾式帯電粒子内包型は、所定のギャップを隔てて対向する2枚の基板(少なくとも一方は光透過性を有する)間に形成された現像剤収容セルに乾式現像剤が内包され、この乾式現像剤は互いに帯電極性が異なり、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる(「コントラストの異なる」或いは「色の異なる」)少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含む構成となっている。
【0010】
そして、前記少なくとも2種類の乾式現像粒子が互いに異なる帯電極性に摩擦帯電した状態で、表示しようとする画像に応じた電界を付与することで、媒体内部で電界の向きに応じて、それぞれの極性に帯電した現像粒子が互いに反対方向に移動してコントラストのある画像を表示するものである。
【0011】
また、乾式帯電性粒子内包型の他の例として、前述の乾式帯電粒子内包型と同様の構成で、同様に画像表示できるものであるが、2種類の現像粒子のうち少なくとも一方が磁性粒子となっているものがある。
【0012】
この画像表示媒体は、少なくとも2種類の現像粒子のうち少なくとも一方が磁性粒子であるから、現像剤(現像粒子)を、例えば振動磁場により攪拌することができ、現像剤の攪拌により媒体の初期化、画像形成(画像表示)に先立つ前回画像の消去(初期化を含む。)や、画像表示において現像粒子を画像表示のための静電場で動きやすくすることができ、それだけ良好に画像表示できる利点がある。
【0013】
電気泳動型は、2枚の基板をスペーサを介して間隔を開けて対向配置して密封空間を形成し、この空間に電気泳動能のある粒子をそれと色の異なる分散媒中に分散させた表示液を充填した構成となっており、画像に応じた電界を付与して表示液中の粒子を泳動させることで、粒子の色若しくは分散媒の色で画像表示を行うものである。
【0014】
ツイストボール型は、一方の半球面と他方の半球面とが異なる色を呈する(例えば一方の半球面が白色、他方の半球面が白以外の色、例えば黒色に着色されている)2色球体が液体又は液状ワックス等で囲繞された状態で、絶縁性保持媒質におけるキャビティに封入された構成となっている。
【0015】
そして、画像に応じた外部電界の付与により、このキヤビテイ内で、その電気的異方性に従って2色球体が回転することで画像表示を行うようになっている。
【0016】
また、磁気駆動型の可逆性画像表示媒体としては、次のようなものがある。
一つは、所定のギャップをおいて対向する2枚の基板間に形成されたセルに磁性粒子を分散させた分散液が内包されており、この磁性粒子と分散液は互いに光学的反射濃度が異なった構成になっているもの。
【0017】
もう一つは、基板の片面に、磁性粒子を分散させた分散液を封入したマイクロカプセルの塗布層を形成した構成となっており、マイクロカプセル内の磁性粒子及び分散液は互いに光学的反射濃度が異なっている。
【0018】
これらの可逆性画像表示媒体は、いずれも、付与する電界或いは磁界を選ぶことで画像表示(画像書き込み)、画像消去、一旦書き込んだ画像の書き換えが可能で、繰り返し使用できる。
【0019】
なお、乾式帯電粒子内包型媒体における現像粒子、電気泳動型媒体における電気泳動能を有する粒子等、ツイストボール型媒体における球体等、磁気駆動型媒体における磁性粒子等はいずれも媒体内に閉じ込められていて消費されないし、外部からの現像剤の供給を要しないから、従来における画像表示にまつわる紙等の画像表示媒体、現像剤、インク等の消耗品の使用を大幅に低減することができる。
【0020】
さらに、これら可逆性画像表示媒体はいずれも、普通紙等への従来の画像形成にくらべると、トナー画像の加熱定着、インクの飛翔や転写フィルムからの加熱転写等が不要であり、それだけ作像エネルギー(特に電力)を大幅に節約できる、より高速で画像出力することもできる。そしてこれらにより画像形成装置のランニングコストを低く抑えることが可能となる。
【0021】
従って、今後は、紙等を得るための資源やエネルギーを節約するために、これらの反復使用が可能な可逆性画像記録媒体を利用して画像記録装置により画像情報を記録する機会が増加すると予想される。
【0022】
可逆性画像記録媒体を使用する場合、反復使用が可能なこと及び比較的コストが紙等より高いことなどの理由で、保存を目的とせず、短期間で不用となることが予想される画像情報を可逆性記録媒体に記録することにより、反復使用の回転効率を向上させるようにすることが考えられる。
【0023】
例えば、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を保存したくなった場合には、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取り、画像形成装置で紙等の普通紙に画像形成し保管したり、あるいはパーソナルコンピュータのメモリに保管し、不用になった可逆性画像記録媒体に記録された画像情報は消去されて再使用することになる思われるが、このような作業が行える便利な装置は従来にはなかった。
【0024】
つまり、従来では、可逆性画像記録媒体のように再使用することを目的とした記録媒体がなかったので、紙等の記録媒体に記録した画像情報を消去しようとすると、紙等の記録媒体そのものを焼却するかシュレッダー等により裁断して廃棄するしか方法がなかった。
【0025】
そこで、紙等の記録媒体を誤ってシュレッダー等により裁断して廃棄しまう不都合を解消する技術として、例えば、誤って記録体を寸断しても、その記録体に付された画像情報を再利用し得るように、不要となった記録媒体を寸断する前に、その記録媒体に付された画像情報を読み取り、メモリユニットにその画像情報を記憶するようにした記録体寸断装置(例えば、特許文献1参照。)の技術が公開されている。
【0026】
また、誤って重要書類を投入してしまった場合でも、書類がシュレッダーの案内通路の通過時にイメージ情報をイメージスキャナにより読み取り、そのデータを記憶装置に記憶しており、必要な時に確認、再生することができるようにしたシュレッダー(例えば、特許文献2参照)の技術が公開されている。
【0027】
また、原稿が画像形成装置に入力されると、まずスキャナ装置により原稿を読み取り、作成された画像情報は記憶装置に送られ記憶され、スキャナ装置を通った原稿はシュレッダ装置に送られ裁断されるようにした画像形成装置(例えば、特許文献3参照)の技術が公開されている。
【0028】
また、投入された細断用書類の画像情報を読み取るイメージスキャナを備え、前記画像情報内にあらかじめ設定されたキーワードが存在するか否か判断し、前記画像情報に前記キーワードが存在する場合には細断は行わず前記細断用書類を退避用のトレイに送り、前記キーワードが存在しない場合には、そのまま自動的に細断作業を行うように制御するスキャニング機能付きシュレッダー(例えば、特許文献4参照)の技術が公開されている。
【0029】
しかしながら、これらの従来技術では、記録媒体に記録された画像情報を読み取ることができても、記録媒体自体は裁断され廃棄されてしまので、可逆性画像記録媒体を使用する場合には、再使用することができなくなるという問題が生じていた。
【0030】
すなわち、可逆性画像記録媒体を活用するために、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、再使用したいときには消去できるようにすることが可能な画像記録装置の開発が望まれていた。
【0031】
【特許文献1】
特開平6−238185号公報
【0032】
【特許文献2】
特開平10−249228号公報
【0033】
【特許文献3】
特開2002−158815号公報
【0034】
【特許文献4】
特開2000−42440号公報
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、可逆性画像記録媒体や紙等の普通紙記録媒体の何れの媒体からでも容易に画像情報を読み取り、記憶手段に記憶できるようにすると共に、特に、可逆性画像記録媒体の使用を容易にして、紙等を得るための資源やエネルギーの節約ができ、使いやすく便利な画像記録装置を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明においては、将来的にも可逆性画像記録媒体と普通紙記録媒体が混在して使用される可能性が高いと推測して、何れの記録媒体であっても使用できるようにすると共に、原稿の搬送方向に対して消去手段より上流側に読取手段を配設することにより、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、読み取った後に消去したいときには消去でき、単に消去したいときには消去できるように、使用者の目的に応じた処理が容易にできることを見出し、しかも、記録媒体が普通紙記録媒体か可逆性画像記録媒体かといった種類や画像情報を消去した可逆性画像記録媒体か消去しなかった可逆性画像記録媒体かといったような処理内容によって分別して排出できるようにすることにより、再使用したい場合には画像情報が消去された可逆性画像記録媒体の排出先に排出された可逆性画像記録媒体を取り出せば良く、可逆性画像記録媒体の再使用を便利にすることができるので、資源やエネルギーを節約できることを見出したのです。
【0037】
すなわち、請求項1に記載の発明は、普通紙記録媒体及び/又は可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取り記憶手段に記録する画像記録装置において、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取る読取手段と、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去する消去手段を備え、前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体の搬送方向に対して、前記読取手段を前記消去手段の上流側に設けたことを特徴とする。
【0038】
これにより、読取手段が消去手段の前に配設されているので、普通紙記録媒体や可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取った後に消去したいときには消去でき、単に消去したいときには消去できるように、使用者の目的に応じた処理が容易にでき、紙等を得るための資源やエネルギーを節約できる画像記録装置を提供できる。
【0039】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、記録媒体が前記可逆性画像記録媒体か否かを判断する判断手段を備え、前記判断手段が前記記録媒体を前記可逆性画像記録媒体と判断した場合に、前記読取手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取った後、前記消去手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去することを特徴とする。
【0040】
これにより、画像情報を読み取った後に消去するようにしたので、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を誤って消去してしまうことが防止でき、便利な画像記録装置を提供できる。
【0041】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を前記読取手段で読み取った後、前記消去手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去するか否かの指示を行うための操作入力手段を備えたことを特徴とする。
【0042】
これにより、使用者が目的に応じて画像情報を消去するか否かが選択できるので、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を単に読み取りたいときには読み取れ、読み取った後に消去したいときには消去でき、使用者の目的に応じた処理が容易にできる便利な画像記録装置を提供できる。
【0043】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の発明において、前記画像情報を消去した前記可逆性画像記録媒体と、前記画像情報を消去しなかった前記可逆性画像記録媒体とを分別する分別手段と、前記画像情報を消去した前記可逆性画像記録媒体を排出するための第1のトレイと、前記画像情報を消去しなかった前記可逆性画像記録媒体を排出するための第2のトレイと、前記分別手段の分別に基づき前記第1のトレイ又は前記第2のトレイに前記可逆性画像記録媒体を分別して搬送する搬送手段を備えたことを特徴とする。
【0044】
これにより、記録媒体を処理内容に応じて分別して排出できるので、可逆性画像記録媒体を再使用する場合は、第1のトレイに排出された可逆性画像記録媒体を取り出せば良く、無駄な分別作業を行わずに済むことにより短時間で可逆性画像記録媒体の再使用ができる便利な画像記録装置を提供できる。
【0045】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載の発明において、前記画像情報に基づき前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体に画像形成を行うことができる画像形成手段を備えたことを特徴とする。
【0046】
これにより、装備された画像形成手段で、普通紙記録媒体や可逆性画像記録媒体に画像情報に基く画像を形成できるので、画像情報を普通紙記録媒体に画像形成して保存するようにしたり、可逆性画像記録媒体を再使用する際には、容易に可逆性画像記録媒体に画像情報を記録できるので便利な画像記録装置を提供できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
詳細な説明を行う前に、前述した電界駆動型又は磁気駆動型の可逆性画像表示媒体への画像形成手段に関して説明する。
【0048】
電界駆動型可逆性画像表示媒体への画像形成手段としては、電界駆動型の可逆性画像表示媒体に、形成しようとする画像に応じた電界(静電場)を該媒体に形成することで画像表示できる。従って、このような電界(静電場)を形成できるものとして、静電潜像を利用するもの、書き込み電極を利用するものが考えられる。
【0049】
書き込み電極を利用する画像形成手段は、画像表示媒体の基板に接触又は近接配置される画像書き込み電極を有し、該電極に表示しようとする画像に対応したバイアスを印加するものである。
【0050】
静電潜像を利用する画像形成手段としては、媒体の2枚の基板のうちいずれか一方(例えば画像観察側の基板)の表面に、表示しようとする画像に対応した静電潜像を形成するか、又は外部で形成した静電潜像を接近させ、該静電潜像に基づいて静電場を形成するものがある。
【0051】
このような外部で形成した静電潜像を利用するものとして、特に感光体のような光導電体に静電潜像を形成する画像形成装置は、普通紙記録媒体への画像形成手段が静電潜像担持体として感光体のような光導電体を有する電子写真方式の画像形成手段であるときに、この感光体等の共通化を図ることができる利点がある。
【0052】
磁気駆動型可逆性画像表示媒体への画像形成手段としては、画像書き込み用磁気ヘッドを有する画像形成手段を挙げることができる。
【0053】
画像消去装置としては、例えば画像表示媒体における現像剤を構成している現像粒子を移動させる電界を形成するイレース電界形成装置、現像剤に攪拌力を作用させる攪拌装置、又はこれらの両者を含んでいる装置等がある。
【0054】
また、可逆性感熱記録フィルムに画像を形成装する場合は、静電潜像を利用する電子写真方式の画像形成手段を利用することができる。
【0055】
例えば、感光体に画像情報を露光し、静電潜像をトナーで現像し、可逆性感熱記録フィルムにトナー像を転写した後に、ランプ等で照射することにより、トナー画像部と非画像部との間に温度差が生じ、この温度差により可逆性感熱記録フィルムが白濁状態から透明状態に変色することで、画像を記録することができ、定着手段で再加熱して、容易に記録した画像が失われないようにする。
【0056】
そして、初期化を含めて画像を消去する場合は、所定の温度を均一に与えることで、透明状態に変色した部分が白濁状態に変化するので画像が消去できるようになっている。
【0057】
しかしながら、可逆性感熱記録フィルムに画像を記録した場合は、定着手段で再加熱後に、可逆性感熱記録フィルムに定着されたトナーを除去する必要があるという問題がある。
【0058】
そこで、本発明の実施の形態においては、画像形成及び画像の消去が容易であることを考慮して、複写機等の画像形成装置は、紙やOHPシート等の普通紙記録媒体(以下、単に普通紙ともいう。)に画像形成を行う第1の画像形成手段と電界駆動型可逆性画像表示媒体(以下、単に電子ペーパーともいう。)に画像形成を行う第2の画像形成手段を備えたものとする。
【0059】
すなわち、本発明の実施の形態においては、普通紙に画像を形成する第1の画像形成手段は、表示しようとする画像に応じた静電潜像を静電潜像担持体上に形成し、静電潜像を現像器で現像してトナー像とし、トナー像を転写器で普通紙に転写し、定着手段で定着させた後に画像形成装置の機外に排出するようにした電子写真方式の画像形成手段であり、第2の画像形成手段は、同様に電子写真方式の画像形成手段を利用し、電子ペーパーに画像を形成する画像形成手段となるものであり、詳細は後述するが、画像に応じた静電潜像を静電潜像担持体上に形成した後に、現像器を待避させてトナーによる現像を行わず、電子ペーパーを静電潜像担持体に近接させて画像を形成し、その後、定着手段の定着ローラを待避させて、画像形成装置の機外に排出するものとする。
【0060】
なお、本発明の実施の形態における画像形成装置は、複写機やプリンター或いはファクシミリ等の画像形成装置に関するものであるが、説明を簡単にするために、特に断りのない限り電子写真方式の複写機とする。
【0061】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0062】
図1は本発明に係る画像記録装置の概略図である。図2は本発明に係る画像記録装置の回路構成を示すブロック図である。図3は本発明に係る画像記録装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0063】
図1により本発明に係る画像記録装置について説明する。
なお、本発明の実施の形態においては、本発明に係る画像記録装置40の下側に画像形成装置50を備えており、画像記録装置40で読み取った画像情報を画像形成装置50で普通紙記録媒体(普通紙とも言う。)又は可逆性画像記録媒体(電子ペーパーとも言う。)に画像を形成できるようになっている。
【0064】
本発明の実施の形態における画像記録装置40について説明する。
41は画像記録装置40の外枠で、外枠41には原稿Wを積載する原稿台42、第1の原稿排紙皿43、第2の原稿排紙皿44、及び操作入力手段45が設けられている。
【0065】
外枠41の内部には、原稿Wとしての普通紙及び電子ペーパーに記録されている画像情報を読み取る読取手段Mと電子ペーパーに記録された画像情報を消去する消去手段N、原稿Wを搬送するために、ローラR1〜R6とローラを駆動するモータ等の駆動源(図示せず。)を備えた駆動機構(図示せず。)からなる原稿搬送手段、及び、画像記録装置40全体の駆動制御を行うと共に、画像形成装置50と協働して作動するための駆動制御を行う電気回路等で構成された制御手段(図示せず。)が設けられている。
【0066】
読取手段Mは、例えば、イメージセンサ等により構成され、原稿Wに記憶された画像情報を読み取り、制御手段に設けられた記憶手段(図示せず。)に読み取った画像情報を記憶するようにしている。
【0067】
また、電子ペーパーには、一般に電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されているので、読取手段Mは原稿Wが普通紙か電子ペーパーかを識別するための識別情報を検出する機能を有しており、この識別情報を読み取れば制御手段が電子ペーパーであることを識別することができる。
【0068】
識別情報としては、例えば、電子ペーパーであることを示す識別情報や電子ペーパーが電界駆動型又は磁気駆動型のものかの種別情報、或いは、乾式帯電粒子型、電気永動型、ツイストボール型等の型式情報、製造メーカー名、製造ロット、製造日等の各種情報が、例えば、バーコードとして記録されている。
【0069】
また、電子ペーパーであることを示す識別情報以外の情報を選択して読み取ることで、例えば、本発明の実施の形態の画像記録装置では対応できない種類や型式等の電子ペーパーが混在したときに、適切に分別して排出できるようになっている。
【0070】
消去手段Nは、電子ペーパーに記録されている画像情報を消去するもので、電子ペーパーの種類や型式に応じた、例えば、適切な電界等を電子ペーパーに付与することで画像情報を消去し、初期状態に戻す(初期化ともいう。)ようになっている。
【0071】
原稿搬送手段は、ローラR1〜R6を駆動して、原稿Wを読取手段M及び消去手段Nを経へて搬送し、第1の原稿排紙皿43、又は第2の原稿排紙皿44に排出するように搬送する。
【0072】
ローラR1は原稿Wを一枚毎に分離して原稿台42から読取手段M方向に搬送する機能を有し、ローラR2は原稿Wを消去手段N方向に搬送し、ローラR3は消去手段NからローラR4方向へ搬送し、ローラR5は第1の原稿排紙皿43へと矢印X1方向に原稿Wを搬送するようになっている。
【0073】
また、第2の原稿排紙皿44に原稿Wを搬送する場合は、原稿WがローラR3を経てローラR4に方向に搬送され、原稿Wの後端部がローラR3を通過した後に、ローラR4のローラR5方向への回転が停止され、次に、ローラR4がローラR6方向に回転し、原稿WをローラR6方向に搬送し、ローラR6は第2の原稿排紙皿44方向へと矢印X2方向に搬送することで、原稿Wを第2の原稿排紙皿44に排出できるようになっている。
【0074】
操作入力手段は45は、例えば、複数の釦から構成されたキーボード手段や表示手段、あるいは表示手段を兼ねた液晶タッチパネル方式等で構成され、原稿Wに記憶された画像情報を読み取る読取モードや、特に、原稿Wが電子ペーパーの場合に、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取った後に消去する消去モード、あるいは、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取らずに全てを消去する全消去モード等が選択できるようになっている。
【0075】
なお、全消去モードを選択する場合は、画像情報を読み取らずに全てを消去するようになっているので、すでに電子ペーパーに記録された画像情報が不用になったことが確認できた場合に使用するようにして、誤って必要な画像情報を消去してしまわないように十分に注意しなければならない。
【0076】
また、原稿Wが普通紙か電子ペーパーか否か等の記録媒体の種類や画像情報を消去したか否か等の処理内容別に分別して排出できるように予め設定された原稿Wの排出先を、操作入力手段45により、例えば、排出先に対して予め設定された番号や記号等を記録媒体の種類や処理内容に応じて変更する等により、変更できる排出先変更モードを備えている。
【0077】
そして、これらのモードを選択した後に操作入力手段45に設けられた作動開始釦(図示せず。)を押すと、画像形成装置40が選択されたモードに基づき作動するようになっている。
【0078】
更に、画像記録装置40に特別に設けられたモードとして、画像形成装置50が接続されている場合に選択できるようになっている出力モードがあり、出力モードを選択すると読取手段Mで読み取り記憶手段に記憶された画像情報を画像形成装置50等の外部情報機器(図示せず。)に出力することができるようになっている。
【0079】
なお、操作入力手段45は、画像記録装置40に画像形成装置50を備え、画像形成装置50と協働して作動するように接続された場合は、例えば、画像形成装置50に設けられた操作入力手段(図示せず。)により、画像形成装置50の各種モードと共に、前述の画像記録装置40における読取モードや消去モード、及び出力モード等のモードを実行できるようにしても良い。
【0080】
また、本発明の実施の形態においては、画像記録装置40の読取手段Mを利用して、原稿Wの画像情報を読み取り、読み取った画像情報を画層形成装置50に出力(送信ともいう。)することができるようにしているので、原稿台42に積載した複数枚の原稿Wを自動的に1枚毎に搬送し第1の原稿排紙皿43へ排出する原稿自動送り装置(ADF)としても機能するようになっている。
【0081】
本発明に係る画像記録装置の作動について説明する。
1)電子ペーパーに記録された画像情報を消去する場合
画像記録装置40の操作入力手段45により、電子ペーパーに記録された画像情報を消去する消去モードを選択し、作動開始釦を押すと、画像記録装置40が作動を開始する。
【0082】
原稿台42に積載された普通紙又は電子ペーパーからなる複数の原稿WがローラR1により一枚毎に分離されて読取手段M方向に搬送される。
【0083】
読取手段Mにより、読取手段Mの位置に搬送された原稿Wから電子ペーパーの識別情報を読み取るように作動するが、識別情報が無い場合は、普通紙と判断して、消去手段Nを作動させることなく搬送手段により原稿Wを搬送し第1の原稿排紙皿43に排紙する。
【0084】
読取手段Mにより原稿Wから電子ペーパーの識別情報が検出され、識別情報が読み取られた結果、本発明の実施の形態における画像記録装置40の制御手段により画像記録装置40に通常使用される電子ペーパーと判断されると、読取手段Mは原稿W、すなわち電子ペーパーに記録された画像情報を読み取り、記憶手段に画像情報を記憶させてた後に、消去手段Nで電子ペーパーに記録された画像情報を消去し、搬送手段により第2の原稿排紙皿44に排紙する。
【0085】
読取手段Mにより読み取られた識別情報が、本発明の実施の形態における画像記録装置40で使用できない電子ペーパー、例えば、画像情報は読み取れるが消去方式が異なり消去できない電子ペーパーと判断されると、普通紙の場合と同様に、消去手段Nを作動させることなく搬送手段により原稿Wを搬送し第1の原稿排紙皿43に排紙する。
【0086】
つまり、本発明の実施の形態における画像記録装置40においては、異なる種類や形式の電子ペーパーが混在した場合でも、画像情報が読み取れるものであれば、読み取るようにして、使い勝手の良いものにしている。
【0087】
2)電子ペーパーに記録された画像情報を消去しない場合
画像記録装置40の操作入力手段(図示せず。)により、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取る読取モード又は出力モードを選択し、作動開始釦を押すと、画像記録装置40が作動を開始する。
【0088】
読取モードが選択された場合は、消去手段を不作動にして、搬送手段により原稿台42に積載された普通紙又は電子ペーパーからなる複数の原稿Wが搬送手段のローラR1により一枚毎に分離されて読取手段M方向に搬送され、読取手段Mは原稿Wに記録された画像情報を読み取り、記憶手段に画像情報を記憶させ、原稿Wを第1の原稿排紙皿43に搬送し排紙する。
【0089】
出力モードが選択された場合は、基本的な作動は読取モードと同じで、記憶手段に記憶された画像情報を画像形成装置50へ出力するようになっている。
【0090】
なお、本発明の実施の形態においては、原稿Wの排出先が予め設定されており、例えば、原稿Wが、本発明の実施の形態における画像記録装置40で通常使用可能な電子ペーパーで、記録された画像情報を消去した電子ペーパーの場合は第2の原稿排紙皿44に排紙され、画像情報を消去しなかった電子ペーパーの場合は第1の原稿排紙皿43に排紙されるようになっており、本発明の実施の形態における画像記録装置40で使用できない電子ペーパーや普通紙の場合は、第1の原稿排紙皿43に排紙されるようになっている。
【0091】
つまり、画像情報が消去され再使用可能な状態になった電子ペーパーのみを第2の原稿排紙皿44に分別して排紙することにより、再使用しやすくしている。
【0092】
なお、その他の原稿Wを総て第1の原稿排紙皿43に排紙するようにして、第1の原稿排紙皿43を普通紙排紙先であり、優先排出先としているが、更に原稿排紙皿を増設できるのであれば、その他の原稿Wを普通紙と本発明の実施の形態における画像記録装置40で使用できない電子ペーパー等とに記録媒体の種類や処理内容に応じて分別して排紙できるようにすることが望ましい。
【0093】
また、画像記録装置40に画像形成装置50が備えられている場合に、画像情報が消去され再使用可能な状態になった電子ペーパーが画像記録装置40から排出される際に、画像形成装置50の後述する収納手段30に自動的に収納できる搬送手段を設けるようにすれば、より使い勝手の良いものになることはいうまでもない。
【0094】
本発明の実施の形態における画像形成装置50について説明する。
前述のように、画像形成装置50は本発明に係る画像記録装置40に装備されるもので、画像記録装置40の画像形成手段として機能するようになっている。
【0095】
1は画像形成装置の筐体、2は画像形成がなされた後に排出される普通紙や電子ペーパーを受ける排紙皿、3は画像形成を行うために普通紙や電子ペーパーを必要に応じて挿入できる手差し皿、4は画像形成装置の筐体1を移動可能にするためのローラである。
【0096】
筐体1の内部には、画像形成装置50の画像形成手段としての画像形成部10と定着部20、普通紙や電子ペーパー等の記録媒体を収納数する収納手段30及び記録媒体を搬送するための複数のローラ群と、これらのローラ群を駆動するモータ等の駆動源(図示せず。)で構成され、収納手段30に収納されている記録媒体又は手差し皿3から挿入された記録媒体を画像形成部10や定着部20を経て排紙皿2の方向(矢印Y方向)に搬送する搬送手段が設けられている。
【0097】
また、図示はしないが、これらの各手段を設定された条件等で適切に駆動制御するための電気回路等で構成された制御手段が筐体1の内部に配設されているものとする。
【0098】
50は画像形成装置全体を示すもので、筐体1の上部には前述の本発明に係る画像記録装置40を備えており、画像記録装置40は原稿自動送り装置(ADF)としての機能も有している。
【0099】
なお、画像形成装置50が複写機やファクシミリ機能を備えた複写機の場合は、画像記録装置40のADF機能を使用して原稿の画像情報を読み取ったり、筐体1の上部に設けられたプラテンガラス面(図示せず。)に設置された原稿の画像情報を読み取るために、一般によく知られた読取光学系やCCD(電荷結合素子)等で構成された原稿読取手段(図示せず。)が画像形成手段に含まれているものとする。
【0100】
画像形成部10は、静電潜像担持体としての感光体ドラム11、感光体ドラム11に均一な帯電を行う帯電手段12、感光体ドラム11に原稿の画像情報を露光する露光手段13、感光体ドラム11上に形成された静電潜像をトナー像として顕像化するための現像手段14、トナー像を普通紙に転写・分離するための転写・分離手段15及び、転写・分離後に感光体ドラム11上に残留するトナー等を清掃するための清掃手段16等により構成されている。
【0101】
また、定着部20は外枠21の内部に、普通紙に転写したトナーを溶融して固着するためのヒーター手段(図示せず。)を内包する一対の定着ローラ22、23が設けられている。
【0102】
30は記録媒体を収納する収納手段で、例えば、第1のトレイ31に普通紙P1を収納し、第2のトレイ32に電子ペーパーP2を収納するようになっている。
【0103】
S1、S2は媒体検出手段で、S1は第1のトレイ31に設けられ普通紙P1が収納されているか否かを検出し、例えば、収納されていないことを検出したときに制御手段に検出情報を出力するようになっており、S2は第2のトレイ32に設けられ、S1と同様に、電子ペーパーP2が収納されていないことを検出したときに制御手段に検出情報を出力するようになっている。
【0104】
勿論、トレイの数やどちらのトレイに電子ペーパー又は普通紙を収納するか等に関しては本発明の実施の形態に限定されるものではなく、媒体検出手段に関しても、トレイに記録媒体が収納されていないことを検出できるものであれば、フォトカプラのような光電的な検出手段又はスイッチのような機械的な検出手段等、何れでも良く特に限定するものではない。
【0105】
また、本発明の実施の形態における画像形成装置50おいては、手差し皿3から普通紙又は電子ペーパーを挿入することができるようになっている。
【0106】
S3は、画像形成部10に向けて収納手段30から搬送されてきた、又は手差し皿3から挿入されてきた記録媒体が、普通紙か電子ペーパーか等を識別する媒体識別手段である。
【0107】
媒体識別手段S3により記録媒体が普通紙か電子ペーパーかを識別する場合は、電子ペーパーには、一般に電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されているので、この識別情報を読み取れば電子ペーパーであることを識別することができる。
【0108】
識別情報としては、例えば、電子ペーパーであることを示す識別情報や電子ペーパーが電界駆動型又は磁気駆動型のものかの種別情報、或いは、乾式帯電粒子型、電気永動型、ツイストボール型等の型式情報、製造メーカー名、製造ロット、製造日等の各種情報が、例えば、バーコードとして記録されている。
【0109】
また、電子ペーパーであることを示す識別情報以外の情報を選択して読み取ることで、例えば、本発明の実施の形態における画像形成装置50では対応できない種類や型式等の電子ペーパーが混在したときに、画像形成部10に搬送される前に適切に分別できるので便利である。
【0110】
本発明の実施の形態における画像形成装置50に設けられた画像形成手段について更に説明する。
【0111】
画像形成手段は、2つの機能を共有しており、一つは普通紙に画像を形成するための第1の画像形成手段としての機能であり、もう一つは、電子ペーパーに画像を形成するための第2の画像形成手段としての機能である。
【0112】
普通紙に画像を形成する場合は、画像形成手段が第1の画像形成手段として機能し、画像形成部10の帯電手段12により均一に帯電された感光体ドラム11に、画像情報に基づきレーザー光等で露光がなされ、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像手段14によりトナー像として顕像化した後、適切なタイミングで収納手段30の第1のトレイ31から普通紙P1が感光体ドラム11に向けて搬送され、転写・分離手段15により普通紙P1上にトナー像が転写し分離される。
【0113】
その後、更にトナー像を転写された普通紙P1が定着部20へと搬送され、定着ローラ21と23で挟持されてトナー像を溶融固着し、機外の排出皿2に排出される。
【0114】
電子ペーパーに画像を形成する場合は、画像形成手段が第2の画像形成手段として機能し、感光体ドラム11上に静電潜像を形成するまでの工程は普通紙に画像を形成する場合と同様であるが、その後、現像手段14が初期位置に対して感光体ドラム11から離れる方向に移動し、静電潜像をトナー像として顕像化できなくしている。
【0115】
そして、適切なタイミングで収納手段30の第2のトレイ32から電子ペーパーP2が感光体ドラム11に向けて搬送され、転写・分離手段15の位置で、静電潜像として形成された電界を付与して電子ペーパーに画像を形成するようにしている。
【0116】
その後、電子ペーパーは定着部20へと搬送されるが、電子ペーパーに加熱しないように定着ローラ21と23は初期位置に対してお互いに離れる方向に移動し、電子ペーパーを通過させ、機外の排出皿2に排出する。
【0117】
次に、図2により本発明に係る画像記録装置40の回路構成に関して説明する。
【0118】
100は画像記録装置全体の回路を示し、110は画像記録装置全体の制御を行うCPUで、画像記禄装置を制御するための各種プログラム等が予め記憶されている。
【0119】
CPU110には、情報制御回路120、画像処理回路140、駆動制御回路150等が接続され主な制御手段としての回路が構成されており、CPU110には更に電源回路180が接続されている。
【0120】
情報制御回路120は、CPU110の指示により情報の入出力を行う回路であり、情報の入力機能としては、例えば、図1に示す原稿台42から搬送された原稿Wの画像情報を読取手段M(回路構成においては、後述する読取手段191)により読み取り、読み取った画像情報を記憶手段190に記憶する機能とインタフェース(I/F)130を介して外部情報機器200から原稿の文字や画像等の画像情報や画像形成等に必要な各種情報を入力し、入力した各種情報を記憶手段190に記憶させる機能を有している。
【0121】
情報の出力機能としては、必要に応じて画像処理回路140や駆動制御回路150等に記憶手段190に記憶された各種情報を出力したり、記憶手段190に記憶された画像情報をインタフェース(I/F)130を介して外部情報機器200に出力したりする機能を備えている。
【0122】
特に、本発明に係る画像記録装置が外部情報機器200として図1に示すような画像形成装置50を備えている場合は、記憶手段190に記憶された画像情報をインタフェース(I/F)130を介して画像形成装置50に出力することができるようになっている。
【0123】
なお、外部情報機器200としては、前述の画像形成装置の他に、コンピュータやインターネット・サーバー、或いは、デジタル・カメラや計測した情報を出力可能な計測装置等の本発明の実施の形態に係る画像記録装置に接続可能な情報機器等が想定される。
【0124】
また、情報制御回路120は、画像処理回路140や駆動制御回路150等を含む各手段の作動を制御するために必要な各種情報が操作入力手段160により入力された場合には、入力された情報が画像記録装置や、画像記録装置に備えられた前述の画像形成装置等の作動に支障がないように適宜円滑に各回路や各手段等に伝達されるように作動する。
【0125】
更に、本発明の実施の形態においては、情報制御回路120は、読取手段191が原稿の画像情報の他に電子ペーパーに付与された識別情報を検出した場合には、検出した識別情報を判断する機能を有しており、判断結果に基づき、後述する原稿を予め設定された排紙先に搬送できるように駆動制御回路150を制御することができるようになっている。
【0126】
画像処理回路140は、CPU110の指示により、情報制御回路120を介して画像情報を記憶手段190に記録する際に、画像情報を本発明に係る画像記録装置100に適したデータや信号等に変換して記録するための回路である。
【0127】
また、外部情報機器200に対して記憶手段190に記憶されている画像情報や制御関連の情報等を出力する場合は、外部情報機器200に適したデータや信号等に変換して出力するための回路である。
【0128】
駆動制御回路150は、CPU110の指示により、情報制御回路120や画像処理回路140等と協働して、読取手段191、原稿搬送手段192、及び消去手段193等を作動させるための回路である。
【0129】
操作入力手段160は、例えば、複数の釦から構成されたキーボード手段や表示手段、あるいは表示手段を兼ねた液晶タッチパネル方式等で構成され、前述のように、読取モードや消去モード、あるいは全消去モード等の処理モード、また、原稿の排出先を変更できる排出先変更モード等が選択できるようになっている。
【0130】
そして、これらのモードを選択した後に操作入力手段160に設けられた作動開始釦(図示せず。)を押すと、画像形成装置100が選択されたモードに基づき作動するようになっている。
【0131】
また、外部情報機器200として画像形成装置が接続されている場合に、操作入力手段160により出力モードを選択すると記憶手段190に記憶された画像情報等を画像形成装置に出力することができるようになっている。
【0132】
電源回路180は、電源スイッチ(図示せず。)が投入されると、電源から適切な通電が画像記録装置100全体に行われ、電源スイッチが遮断されると、通電が遮断されるようになっている。
【0133】
また、例えば、CPU110の指示により、画像記録作動が終了したときには、画像記録装置を待機状態における省電状態にするため、或いは、一時的なメモリの記憶内容等の保存のために必要な一部の通電を除いて他の通電を遮断する等の作動が行えるようになっている。
【0134】
記憶手段190は、情報制御回路120を介して、画像情報や各種制御関連の情報等の各種情報を記憶する手段で、電源が遮断されると記憶内容が消去される揮発性メモリや電源が遮断されても記憶内容が保存される不揮発性メモリで構成することができるが、画像情報を記憶する記憶手段190としては、突然の停電等の事故を考慮すると記憶内容の保存のためには不揮発性メモリで構成することが望ましい。
【0135】
読取手段191は、例えば、イメージセンサ等により構成され、原稿の画像情報を読み取るための手段である。
【0136】
また、本発明の実施の形態においては、原稿が電子ペーパーの場合に、電子ペーパーに付与されている識別情報を読み取るための手段でもある。
【0137】
識別情報としては、前述のように、例えば、電子ペーパーであることを示す識別情報や電子ペーパーが電界駆動型又は磁気駆動型のものかの種別情報、或いは、乾式帯電粒子型、電気永動型、ツイストボール型等の型式情報、製造メーカー名、製造ロット、製造日等の各種情報が、電子ペーパーに関する情報として、例えば、バーコード等により記録されているものとする。
【0138】
また、電子ペーパーであることを示す識別情報以外の前述した電子ペーパーに関する情報を選択して読み取ることで、例えば、本発明の実施の形態の画像記録装置では対応できない種類や型式等の電子ペーパーが混在したときに、適切に分別して排出できるようにもなっている。
【0139】
原稿搬送手段192は、駆動制御回路150により駆動制御され、図1に示すように、ローラR1〜R6を駆動して、原稿を読取手段Mや消去手段Nを経由して予め設定された排紙先へ搬送するための手段である。
【0140】
原稿の排紙先への搬送は、読取手段191が検出した電子ペーパーの識別情報等を情報制御回路120が判断して、駆動制御回路150を介して原稿搬送手段192を作動させ、予め設定されたそれぞれの排紙先へ搬送するようになっている。
【0141】
例えば、記録された画像情報を消去した電子ペーパー(消去電子Pともいう。)は消去電子P排紙先へ搬送され、画像情報を消去しなかった電子ペーパー(非消去電子Pともいう。)は、非消去電子P排紙先へ搬送され、普通紙の場合は、普通紙排紙先へ搬送されるようになっており、本発明の実施の形態の画像記録装置に通常使用する電子ペーパーとは異なる種類や型式の電子ペーパー(特殊電子Pともいう。)の場合は、特殊電子P排紙先に搬送されるようになっている。そして、排紙先には、それぞれ図1に示す原稿排紙皿43、44等の排紙用トレイが設けられている。
【0142】
このように原稿を記録媒体の種類や処理内容に応じて分別し、それぞれの排出先に搬送することで、記録された画像情報を消去した電子ペーパーを再使用しやすくし、画像情報を消去しなかった電子ペーパーと異なる排紙先に搬送することで、誤って、画像情報を消去しなかった電子ペーパーを再使用することのないようにしている。
【0143】
なお、画像記録装置の大きさや仕様等により、いくつもの排紙先、例えば、排紙皿が設けられないような場合は、図1により説明した第1の原稿排紙皿43と第2の排紙皿44のように、少なくとも消去電子Pと非消去電子Pが混在しないようにすればよい。
【0144】
また、本発明の実施の形態においては、予め排紙先を設定するようにしたが、操作入力手段160により、排紙先を変更しても良いことはいうまでもない。
【0145】
消去手段193は、電子ペーパーに記録されている画像情報を消去するもので、電子ペーパーの種類や型式に応じた、例えば、適切な電界等を電子ペーパーに付与することで画像情報を消去し、初期状態に戻すようになっている。
【0146】
なお、本発明の実施の形態における画像記録装置に備えられた画像形成装置の回路構成に関しては、説明を簡単にするために詳細な説明は割愛するが、画像形成装置の画像形成制御について簡単に説明する。
【0147】
画像形成装置の制御手段(図示せず。)は、電子ペーパーに画像を形成する場合においてのみ、図1に示す現像装置14を初期位置に対して感光体ドラム11から離れる方向に移動させ、感光体ドラム11に形成された静電潜像をトナーで現像しないようにし、同様に、図1に示す定着部20の定着ローラ22、23を初期位置に対してお互いが離れる方向に移動し、電子ペーパーに加熱しないようにする。
【0148】
そして、電子ペーパーに画像を形成する場合は、感光体ドラム上に静電潜像を形成するまでの工程は後述する普通紙に画像を形成する場合と同様であるが、その後、現像手段を感光体ドラムから離れる方向に移動させ、静電潜像をトナー像として顕像化できなくして、転写・分離手段の位置で、電子ペーパーに静電潜像として形成された電界を付与して電子ペーパーに画像を記録し表示できるようにした後に機外に排出するように制御している。
【0149】
また、普通紙に画像を形成する場合は、図1に示す現像装置14及び定着部20の定着ローラ22、23を、それぞれ初期位置に戻すように作動させる。
【0150】
そして、感光体ドラムを帯電し、感光体ドラムに対して画像情報を露光し、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーで現像し、感光体ドラム上に顕像化されたトナー像を普通紙に転写・分離手段で転写・分離した後に定着装置でトナー像を溶融固着して機外に排出すると共に、感光体ドラムに残留したトナー等を清掃する清掃作動を行うことで一連の電子写真方式による画像形成を行うように制御するものとする。
【0151】
従って、画像記録装置で読み取られた画像情報等が画像形成装置に出力された場合は、画像形成装置の記憶手段に画像情報を記憶した後に、またはほぼ同時に、画像情報に基づき感光体ドラムに露光するようにして、普通紙や電子ペーパーに画像を形成することができるようになっている。
【0152】
図3により本発明に係る画像記録装置の制御手順について説明する。
なお、以降の説明においては、本発明の実施の形態における画像記録装置は、予め操作入力手段で読取モードや消去モード、あるいは全消去モード等の各種モードの何れか一つのモードが選択され、すでに作動開始釦が押されているものとする。
【0153】
また、本発明の実施の形態における画像記録装置は、操作入力手段により排紙先を変更できるようにしているが、説明を簡単にするために、排紙先が予め設定されており、排紙先として、例えば、原稿排紙皿が複数設置されているものとする。
【0154】
(ST1)
原稿を給紙するステップである。
【0155】
図2に示す操作入力手段160で、読取モードや消去モード、あるいは全消去モード等の各種モード等が選択され、例えば、図2に示す操作入力手段160に設けられた作動開始釦(図示せず。)が押されると、情報制御回路120に作動開始釦が押されたことを示す情報が入力され、CPU110の指示により、駆動制御回路150が作動し、原稿搬送手段192を作動させ、図1に示す原稿台42から原稿Wが読取手段Mに向けて給紙搬送が開始され、ST2へ進む。
【0156】
(ST2)
読取指示が有るか否かを判断するステップである。
【0157】
つまり、原稿の画像情報を読み取る指示、例えば、読取モードや消去モードが選択されていたか否かを判断するステップで、本発明の実施の形態においては図2に示す情報制御回路120により判断される。
【0158】
特に、消去モードは、誤って電子ペーパーに記録された画像情報を消去しないように、画像情報を読み取った後に消去するようにしているので、図2に示す操作入力手段160で読取モードや消去モードが選択されている場合は、ST3に進み、全消去モードが選択されている場合には、原稿の画像情報を読み取ることなくST6に飛ぶ。
【0159】
(ST3)
画像情報を読み取るステップである。
【0160】
原稿が普通紙か電子ペーパーかに係わらず、特に、本発明の実施の形態における画像記録装置に通常使用する電子ペーパーと異なる電子ペーパーであっても、画像情報が読み取れるものであるときは図2に示す読取手段191で画像情報を読み取り、ST4に進む。
【0161】
(ST4)
データ変換を行うステップである。
【0162】
つまり、図2に示すように、読取手段191で読み取った画像情報を記憶手段190に記憶するために、情報制御回路120の指示により画像処理回路140を作動させ、記憶手段190に記憶するために適した情報に画像情報をデータ変換して記憶するようにしており、データ変換が終了するとST5に進む。
【0163】
(ST5)
画像情報を保存するステップである。つまり、データ変換された画像情報を記憶手段に記憶するステップで、図2に示す記憶手段190に記憶する作動が完了するとST6に進む。
【0164】
(ST6)
消去指示があったか否かを判断するステップである。
【0165】
図2に示す情報制御回路120の判断により、操作入力手段160で消去モード又は全消去モードが選択されていた場合はST7に進み、選択されていなかった場合、すなわち、読取モードが選択されていた場合はST10に飛ぶ。
【0166】
(ST7)
電子ペーパー(電子Pともいう。)か否かを判断するステップである。
【0167】
図2に示す情報制御回路120が、読取手段191が検出する電子ペーパーの識別情報を判断して、本発明の実施の形態における画像記録装置に通常使用される電子ペーパーと判断した場合はST8に進み、電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されていない普通紙又は通常使用されていない電子ペーパー(特殊電子Pともいう。)と判断した場合はST11に飛ぶ。
【0168】
つまり、本発明の実施の形態における画像記録装置は、通常使用される電子ペーパーに記憶された画像情報を消去できるようにしており、普通紙はもちろんのこと、特殊電子Pは、通常使用される電子ペーパーと種類や型式が異なることにより消去方法等が異なり、記憶された画像情報が消去できない可能性があるので、普通紙又は特殊電子Pと判断されたときは、画像情報を消去する後述するST8ステップに進まないようにしている。
【0169】
(ST8)
電子ペーパーに記憶された画像情報を消去するステップである。
【0170】
CPU110は、情報制御回路120よる消去モード又は全消去モードの情報により駆動制御回路150を作動し消去手段193を作動させて、電子ペーパーに記録された画像情報を消去するとST9に進む。
【0171】
(ST9)
消去電子P排紙先へ搬送するステップである。
【0172】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、画像情報が消去された電子ペーパー(消去電子Pともいう。)を、予め設定された消去電子Pの排紙先、例えば、消去電子P用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0173】
(ST10)
電子Pか否かを判断するステップである。
【0174】
ST7ステップと同様に、図2に示す情報制御回路120が読取手段191が検出する電子ペーパーの識別情報を判断して、本発明の実施の形態における画像記録装置に通常使用される電子ペーパーと判断した場合はST14に進み、電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されていない普通紙又は特殊電子Pと判断した場合はST11に飛ぶ。
【0175】
(ST11)
普通紙か否かを判断するステップである。
【0176】
図2に示す情報制御回路120が読取手段191が検出する電子ペーパーの識別情報を判断して、電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されていない普通紙の場合はST12に進み、特殊電子Pと判断した場合はST13に進む。
【0177】
(ST12)
普通紙を普通紙排紙先へ搬送するステップである。
【0178】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、普通紙を予め設定された普通紙排紙先、例えば、普通氏用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0179】
(ST13)
特殊電子Pを特殊電子P排紙先へ搬送するステップである。
【0180】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、特殊電子Pを予め設定された特殊電子P排紙先、例えば、特殊電子P用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0181】
(ST14)
非消去電子Pを非消去電子P排紙先へ搬送するステップである。
【0182】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、画像情報を消去しなかった非消去電子Pを予め設定された非消去電子P排紙先、例えば、非消去電子P用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0183】
以上のように、本発明に係る画像記録装置においては、普通紙や電子ペーパーが混在しても操作入力手段により読取モードを選択すれば、原稿の画像情報を読み取ることができ、操作入力手段により消去モードを選択すれば、原稿が通常使用する電子ペーパーの場合は、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取った後に消去し、操作入力手段により全消去モードを選択すれば、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取ることなく電子ペーパーに記録された画像情報を消去することができる。
【0184】
また、原稿が通常使用する電子ペーパーでない特殊電子Pの場合は、電子ペーパーに記憶されている画像情報が読み取れる場合は読み取った後、特殊電子P排出先に搬送される。
【0185】
そして、消去電子P、普通紙、特殊電子P、非消去電子Pと原稿が分別され、予め設定されたそれぞれ専用の原稿排紙皿に搬送されるようになっているので、それぞれの原稿排紙皿から原稿を取り出すときには、分別された原稿を取り出せるので、原稿の取り扱いが容易で極めて使い勝手の良い画像記録装置を提供できるようになった。
【0186】
また、前述したように、それぞれ専用の原稿排紙皿を設けられない場合は、図1に示す第2の原稿排紙皿44のように、予め消去電子P用の原稿排紙皿のみを専用に設けるようにしたので、電子ペーパーを再使用する場合は、消去電子P用の原稿排紙皿に排紙された電子ペーパーを使用すればよいので、極めて便利で使い勝手の良い画像記録装置を提供できるようになった。
【0187】
更に、排出先を操作入力手段で選択できるようにしたので、例えば、図1に示す第1の原稿排紙皿43のように、消去電子P以外の原稿を全て第1の原稿排紙皿43に排紙することもでき、一括して原稿を取り出したい場合や使用頻度の少ない排紙皿を有効に活用するためには極めて便利で使い勝手の良い画像記録装置を提供できるようになった。
【0188】
なお、本発明に係る画像記録装置の記憶手段に記憶された画像情報を画像形成装置等の外部情報機器に出力する制御手順に関しては、説明を省略したが、本発明に係る画像記録装置を外部情報機器に接続した場合には、例えば、図2に示す記憶手段190から読み出した画像情報等を画像処理回路140により、外部情報機器200に適した情報にデータ変換した後に、情報制御回路120により適切なタイミングで出力(送信ともいう。)を実行するようにすれば良いことは言うまでもない。
【0189】
【発明の効果】
普通紙記録媒体や可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取った後に消去したいときには消去でき、単に消去したいときには消去できるように、使用者の目的に応じた処理が容易にでき、しかも、記録媒体が種類や処理内容毎に分別して排出されるので、可逆性画像記録媒体の再使用が速やかに実行でき、紙等を得るための資源やエネルギーを節約できる画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像記録装置の概略図である。
【図2】本発明に係る画像記録装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る画像記録装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 筐体
2 排紙皿
3 手差し皿
4 ローラ
10 画像形成部
20 定着部
30 収納手段
40 画像記録装置
41 外枠
42 原稿台
43 第1の原稿排紙皿
44 第2の原稿排紙皿
50 画像形成装置
M 読取手段
N 消去手段
W 原稿
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿等の画像情報を読み取り記憶手段に記憶する画像記録装置に関し、特に、普通紙等の普通紙記録媒体や書き換え可能な可逆性画像記録媒体の何れの記録媒体に記憶された画像情報も読み取ることができる画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、電子化の技術が進展し、コンピュータやワードプロセッサ等を駆使して作成した文字や記号、或いは図形や写真等から構成された画像情報や、インターネット等を利用して得られた画像情報を他のコンピュータやプリンター等の外部情報機器と送受信したり、これらの画像情報を複写機やプリンター或いはファクシミリ等の画像形成装置により紙等に印刷する機会が増加している。
【0003】
しかしながら、紙等の普通紙記録媒体に印刷した画像情報の大半は保存を目的とするものではなく、その場限りか、数日間経過後に気軽に廃棄されることが多く、印刷に必要な紙やOHPシート等の普通紙記録媒体(普通紙とも言う。)及びトナーやインク等を得るための資源やエネルギー等が大量に無駄になっている。
【0004】
また、コンピュータや複写機、プリンター或いはファクシミリ等の情報機器や画像形成装置を頻繁に作動させると、点検、整備及び修理等のメンテナンスを頻繁に行っていないと、高画質な印刷物を得ることができなくなる。
【0005】
そこで、サービスマンがメンテナンスを実行するたびに、画像形成装置の情報として参考に印刷する画像形成装置に設定された設定条件、例えば、画像形成装置自体に工場出荷時等に予め設定された初期設定情報、画像形成装置よる印刷総回数、トナーやインクの交換時期や残量、前回の点検日、又は点検状況等のメンテナンス情報、或いは、サービスマンや管理者がコンピュータやワードプロセッサやインターネット・サーバー等を画像形成装置に接続したときの条件や使用者が使いやすいように設定した条件等の設定情報や試しに印刷する画像情報等も、その場では必要なものではあるが、同様に保存を目的とするものではないので廃棄され、前述の紙やインク等を得るための資源やエネルギー等が大量に無駄になっている。
【0006】
最近では、紙等の記録部材の他に、反復使用ができる記録部材として、可逆性画像記録媒体が開発されている。
【0007】
例えば、可逆性画像記録媒体としては、2枚の薄膜フィルムの間に特殊な粒子等を介在させ、表面に温度差を与えると白濁状態から透明状態に変化する特性を利用して画像情報を記録し、また、所定の温度に表面を均一に加熱することで全面が白濁し初期化される可逆性感熱記録フィルム(TC)フィルムや、通称、電子ペーパーと呼ばれる可逆性画像表示媒体がある。
【0008】
可逆性画像表示媒体としては、電界駆動型の可逆性画像表示媒体や磁気駆動型の可逆性画像表示媒体があり、電界駆動型の可逆性画像表示媒体としては、乾式帯電粒子内包型、電気泳動型、ツイストボール型等がある。
【0009】
乾式帯電粒子内包型は、所定のギャップを隔てて対向する2枚の基板(少なくとも一方は光透過性を有する)間に形成された現像剤収容セルに乾式現像剤が内包され、この乾式現像剤は互いに帯電極性が異なり、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる(「コントラストの異なる」或いは「色の異なる」)少なくとも2種類の、摩擦帯電性を有する乾式現像粒子を含む構成となっている。
【0010】
そして、前記少なくとも2種類の乾式現像粒子が互いに異なる帯電極性に摩擦帯電した状態で、表示しようとする画像に応じた電界を付与することで、媒体内部で電界の向きに応じて、それぞれの極性に帯電した現像粒子が互いに反対方向に移動してコントラストのある画像を表示するものである。
【0011】
また、乾式帯電性粒子内包型の他の例として、前述の乾式帯電粒子内包型と同様の構成で、同様に画像表示できるものであるが、2種類の現像粒子のうち少なくとも一方が磁性粒子となっているものがある。
【0012】
この画像表示媒体は、少なくとも2種類の現像粒子のうち少なくとも一方が磁性粒子であるから、現像剤(現像粒子)を、例えば振動磁場により攪拌することができ、現像剤の攪拌により媒体の初期化、画像形成(画像表示)に先立つ前回画像の消去(初期化を含む。)や、画像表示において現像粒子を画像表示のための静電場で動きやすくすることができ、それだけ良好に画像表示できる利点がある。
【0013】
電気泳動型は、2枚の基板をスペーサを介して間隔を開けて対向配置して密封空間を形成し、この空間に電気泳動能のある粒子をそれと色の異なる分散媒中に分散させた表示液を充填した構成となっており、画像に応じた電界を付与して表示液中の粒子を泳動させることで、粒子の色若しくは分散媒の色で画像表示を行うものである。
【0014】
ツイストボール型は、一方の半球面と他方の半球面とが異なる色を呈する(例えば一方の半球面が白色、他方の半球面が白以外の色、例えば黒色に着色されている)2色球体が液体又は液状ワックス等で囲繞された状態で、絶縁性保持媒質におけるキャビティに封入された構成となっている。
【0015】
そして、画像に応じた外部電界の付与により、このキヤビテイ内で、その電気的異方性に従って2色球体が回転することで画像表示を行うようになっている。
【0016】
また、磁気駆動型の可逆性画像表示媒体としては、次のようなものがある。
一つは、所定のギャップをおいて対向する2枚の基板間に形成されたセルに磁性粒子を分散させた分散液が内包されており、この磁性粒子と分散液は互いに光学的反射濃度が異なった構成になっているもの。
【0017】
もう一つは、基板の片面に、磁性粒子を分散させた分散液を封入したマイクロカプセルの塗布層を形成した構成となっており、マイクロカプセル内の磁性粒子及び分散液は互いに光学的反射濃度が異なっている。
【0018】
これらの可逆性画像表示媒体は、いずれも、付与する電界或いは磁界を選ぶことで画像表示(画像書き込み)、画像消去、一旦書き込んだ画像の書き換えが可能で、繰り返し使用できる。
【0019】
なお、乾式帯電粒子内包型媒体における現像粒子、電気泳動型媒体における電気泳動能を有する粒子等、ツイストボール型媒体における球体等、磁気駆動型媒体における磁性粒子等はいずれも媒体内に閉じ込められていて消費されないし、外部からの現像剤の供給を要しないから、従来における画像表示にまつわる紙等の画像表示媒体、現像剤、インク等の消耗品の使用を大幅に低減することができる。
【0020】
さらに、これら可逆性画像表示媒体はいずれも、普通紙等への従来の画像形成にくらべると、トナー画像の加熱定着、インクの飛翔や転写フィルムからの加熱転写等が不要であり、それだけ作像エネルギー(特に電力)を大幅に節約できる、より高速で画像出力することもできる。そしてこれらにより画像形成装置のランニングコストを低く抑えることが可能となる。
【0021】
従って、今後は、紙等を得るための資源やエネルギーを節約するために、これらの反復使用が可能な可逆性画像記録媒体を利用して画像記録装置により画像情報を記録する機会が増加すると予想される。
【0022】
可逆性画像記録媒体を使用する場合、反復使用が可能なこと及び比較的コストが紙等より高いことなどの理由で、保存を目的とせず、短期間で不用となることが予想される画像情報を可逆性記録媒体に記録することにより、反復使用の回転効率を向上させるようにすることが考えられる。
【0023】
例えば、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を保存したくなった場合には、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取り、画像形成装置で紙等の普通紙に画像形成し保管したり、あるいはパーソナルコンピュータのメモリに保管し、不用になった可逆性画像記録媒体に記録された画像情報は消去されて再使用することになる思われるが、このような作業が行える便利な装置は従来にはなかった。
【0024】
つまり、従来では、可逆性画像記録媒体のように再使用することを目的とした記録媒体がなかったので、紙等の記録媒体に記録した画像情報を消去しようとすると、紙等の記録媒体そのものを焼却するかシュレッダー等により裁断して廃棄するしか方法がなかった。
【0025】
そこで、紙等の記録媒体を誤ってシュレッダー等により裁断して廃棄しまう不都合を解消する技術として、例えば、誤って記録体を寸断しても、その記録体に付された画像情報を再利用し得るように、不要となった記録媒体を寸断する前に、その記録媒体に付された画像情報を読み取り、メモリユニットにその画像情報を記憶するようにした記録体寸断装置(例えば、特許文献1参照。)の技術が公開されている。
【0026】
また、誤って重要書類を投入してしまった場合でも、書類がシュレッダーの案内通路の通過時にイメージ情報をイメージスキャナにより読み取り、そのデータを記憶装置に記憶しており、必要な時に確認、再生することができるようにしたシュレッダー(例えば、特許文献2参照)の技術が公開されている。
【0027】
また、原稿が画像形成装置に入力されると、まずスキャナ装置により原稿を読み取り、作成された画像情報は記憶装置に送られ記憶され、スキャナ装置を通った原稿はシュレッダ装置に送られ裁断されるようにした画像形成装置(例えば、特許文献3参照)の技術が公開されている。
【0028】
また、投入された細断用書類の画像情報を読み取るイメージスキャナを備え、前記画像情報内にあらかじめ設定されたキーワードが存在するか否か判断し、前記画像情報に前記キーワードが存在する場合には細断は行わず前記細断用書類を退避用のトレイに送り、前記キーワードが存在しない場合には、そのまま自動的に細断作業を行うように制御するスキャニング機能付きシュレッダー(例えば、特許文献4参照)の技術が公開されている。
【0029】
しかしながら、これらの従来技術では、記録媒体に記録された画像情報を読み取ることができても、記録媒体自体は裁断され廃棄されてしまので、可逆性画像記録媒体を使用する場合には、再使用することができなくなるという問題が生じていた。
【0030】
すなわち、可逆性画像記録媒体を活用するために、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、再使用したいときには消去できるようにすることが可能な画像記録装置の開発が望まれていた。
【0031】
【特許文献1】
特開平6−238185号公報
【0032】
【特許文献2】
特開平10−249228号公報
【0033】
【特許文献3】
特開2002−158815号公報
【0034】
【特許文献4】
特開2000−42440号公報
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、可逆性画像記録媒体や紙等の普通紙記録媒体の何れの媒体からでも容易に画像情報を読み取り、記憶手段に記憶できるようにすると共に、特に、可逆性画像記録媒体の使用を容易にして、紙等を得るための資源やエネルギーの節約ができ、使いやすく便利な画像記録装置を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明においては、将来的にも可逆性画像記録媒体と普通紙記録媒体が混在して使用される可能性が高いと推測して、何れの記録媒体であっても使用できるようにすると共に、原稿の搬送方向に対して消去手段より上流側に読取手段を配設することにより、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、読み取った後に消去したいときには消去でき、単に消去したいときには消去できるように、使用者の目的に応じた処理が容易にできることを見出し、しかも、記録媒体が普通紙記録媒体か可逆性画像記録媒体かといった種類や画像情報を消去した可逆性画像記録媒体か消去しなかった可逆性画像記録媒体かといったような処理内容によって分別して排出できるようにすることにより、再使用したい場合には画像情報が消去された可逆性画像記録媒体の排出先に排出された可逆性画像記録媒体を取り出せば良く、可逆性画像記録媒体の再使用を便利にすることができるので、資源やエネルギーを節約できることを見出したのです。
【0037】
すなわち、請求項1に記載の発明は、普通紙記録媒体及び/又は可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取り記憶手段に記録する画像記録装置において、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取る読取手段と、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去する消去手段を備え、前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体の搬送方向に対して、前記読取手段を前記消去手段の上流側に設けたことを特徴とする。
【0038】
これにより、読取手段が消去手段の前に配設されているので、普通紙記録媒体や可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取った後に消去したいときには消去でき、単に消去したいときには消去できるように、使用者の目的に応じた処理が容易にでき、紙等を得るための資源やエネルギーを節約できる画像記録装置を提供できる。
【0039】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、記録媒体が前記可逆性画像記録媒体か否かを判断する判断手段を備え、前記判断手段が前記記録媒体を前記可逆性画像記録媒体と判断した場合に、前記読取手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取った後、前記消去手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去することを特徴とする。
【0040】
これにより、画像情報を読み取った後に消去するようにしたので、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を誤って消去してしまうことが防止でき、便利な画像記録装置を提供できる。
【0041】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を前記読取手段で読み取った後、前記消去手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去するか否かの指示を行うための操作入力手段を備えたことを特徴とする。
【0042】
これにより、使用者が目的に応じて画像情報を消去するか否かが選択できるので、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を単に読み取りたいときには読み取れ、読み取った後に消去したいときには消去でき、使用者の目的に応じた処理が容易にできる便利な画像記録装置を提供できる。
【0043】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の発明において、前記画像情報を消去した前記可逆性画像記録媒体と、前記画像情報を消去しなかった前記可逆性画像記録媒体とを分別する分別手段と、前記画像情報を消去した前記可逆性画像記録媒体を排出するための第1のトレイと、前記画像情報を消去しなかった前記可逆性画像記録媒体を排出するための第2のトレイと、前記分別手段の分別に基づき前記第1のトレイ又は前記第2のトレイに前記可逆性画像記録媒体を分別して搬送する搬送手段を備えたことを特徴とする。
【0044】
これにより、記録媒体を処理内容に応じて分別して排出できるので、可逆性画像記録媒体を再使用する場合は、第1のトレイに排出された可逆性画像記録媒体を取り出せば良く、無駄な分別作業を行わずに済むことにより短時間で可逆性画像記録媒体の再使用ができる便利な画像記録装置を提供できる。
【0045】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載の発明において、前記画像情報に基づき前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体に画像形成を行うことができる画像形成手段を備えたことを特徴とする。
【0046】
これにより、装備された画像形成手段で、普通紙記録媒体や可逆性画像記録媒体に画像情報に基く画像を形成できるので、画像情報を普通紙記録媒体に画像形成して保存するようにしたり、可逆性画像記録媒体を再使用する際には、容易に可逆性画像記録媒体に画像情報を記録できるので便利な画像記録装置を提供できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
詳細な説明を行う前に、前述した電界駆動型又は磁気駆動型の可逆性画像表示媒体への画像形成手段に関して説明する。
【0048】
電界駆動型可逆性画像表示媒体への画像形成手段としては、電界駆動型の可逆性画像表示媒体に、形成しようとする画像に応じた電界(静電場)を該媒体に形成することで画像表示できる。従って、このような電界(静電場)を形成できるものとして、静電潜像を利用するもの、書き込み電極を利用するものが考えられる。
【0049】
書き込み電極を利用する画像形成手段は、画像表示媒体の基板に接触又は近接配置される画像書き込み電極を有し、該電極に表示しようとする画像に対応したバイアスを印加するものである。
【0050】
静電潜像を利用する画像形成手段としては、媒体の2枚の基板のうちいずれか一方(例えば画像観察側の基板)の表面に、表示しようとする画像に対応した静電潜像を形成するか、又は外部で形成した静電潜像を接近させ、該静電潜像に基づいて静電場を形成するものがある。
【0051】
このような外部で形成した静電潜像を利用するものとして、特に感光体のような光導電体に静電潜像を形成する画像形成装置は、普通紙記録媒体への画像形成手段が静電潜像担持体として感光体のような光導電体を有する電子写真方式の画像形成手段であるときに、この感光体等の共通化を図ることができる利点がある。
【0052】
磁気駆動型可逆性画像表示媒体への画像形成手段としては、画像書き込み用磁気ヘッドを有する画像形成手段を挙げることができる。
【0053】
画像消去装置としては、例えば画像表示媒体における現像剤を構成している現像粒子を移動させる電界を形成するイレース電界形成装置、現像剤に攪拌力を作用させる攪拌装置、又はこれらの両者を含んでいる装置等がある。
【0054】
また、可逆性感熱記録フィルムに画像を形成装する場合は、静電潜像を利用する電子写真方式の画像形成手段を利用することができる。
【0055】
例えば、感光体に画像情報を露光し、静電潜像をトナーで現像し、可逆性感熱記録フィルムにトナー像を転写した後に、ランプ等で照射することにより、トナー画像部と非画像部との間に温度差が生じ、この温度差により可逆性感熱記録フィルムが白濁状態から透明状態に変色することで、画像を記録することができ、定着手段で再加熱して、容易に記録した画像が失われないようにする。
【0056】
そして、初期化を含めて画像を消去する場合は、所定の温度を均一に与えることで、透明状態に変色した部分が白濁状態に変化するので画像が消去できるようになっている。
【0057】
しかしながら、可逆性感熱記録フィルムに画像を記録した場合は、定着手段で再加熱後に、可逆性感熱記録フィルムに定着されたトナーを除去する必要があるという問題がある。
【0058】
そこで、本発明の実施の形態においては、画像形成及び画像の消去が容易であることを考慮して、複写機等の画像形成装置は、紙やOHPシート等の普通紙記録媒体(以下、単に普通紙ともいう。)に画像形成を行う第1の画像形成手段と電界駆動型可逆性画像表示媒体(以下、単に電子ペーパーともいう。)に画像形成を行う第2の画像形成手段を備えたものとする。
【0059】
すなわち、本発明の実施の形態においては、普通紙に画像を形成する第1の画像形成手段は、表示しようとする画像に応じた静電潜像を静電潜像担持体上に形成し、静電潜像を現像器で現像してトナー像とし、トナー像を転写器で普通紙に転写し、定着手段で定着させた後に画像形成装置の機外に排出するようにした電子写真方式の画像形成手段であり、第2の画像形成手段は、同様に電子写真方式の画像形成手段を利用し、電子ペーパーに画像を形成する画像形成手段となるものであり、詳細は後述するが、画像に応じた静電潜像を静電潜像担持体上に形成した後に、現像器を待避させてトナーによる現像を行わず、電子ペーパーを静電潜像担持体に近接させて画像を形成し、その後、定着手段の定着ローラを待避させて、画像形成装置の機外に排出するものとする。
【0060】
なお、本発明の実施の形態における画像形成装置は、複写機やプリンター或いはファクシミリ等の画像形成装置に関するものであるが、説明を簡単にするために、特に断りのない限り電子写真方式の複写機とする。
【0061】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0062】
図1は本発明に係る画像記録装置の概略図である。図2は本発明に係る画像記録装置の回路構成を示すブロック図である。図3は本発明に係る画像記録装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0063】
図1により本発明に係る画像記録装置について説明する。
なお、本発明の実施の形態においては、本発明に係る画像記録装置40の下側に画像形成装置50を備えており、画像記録装置40で読み取った画像情報を画像形成装置50で普通紙記録媒体(普通紙とも言う。)又は可逆性画像記録媒体(電子ペーパーとも言う。)に画像を形成できるようになっている。
【0064】
本発明の実施の形態における画像記録装置40について説明する。
41は画像記録装置40の外枠で、外枠41には原稿Wを積載する原稿台42、第1の原稿排紙皿43、第2の原稿排紙皿44、及び操作入力手段45が設けられている。
【0065】
外枠41の内部には、原稿Wとしての普通紙及び電子ペーパーに記録されている画像情報を読み取る読取手段Mと電子ペーパーに記録された画像情報を消去する消去手段N、原稿Wを搬送するために、ローラR1〜R6とローラを駆動するモータ等の駆動源(図示せず。)を備えた駆動機構(図示せず。)からなる原稿搬送手段、及び、画像記録装置40全体の駆動制御を行うと共に、画像形成装置50と協働して作動するための駆動制御を行う電気回路等で構成された制御手段(図示せず。)が設けられている。
【0066】
読取手段Mは、例えば、イメージセンサ等により構成され、原稿Wに記憶された画像情報を読み取り、制御手段に設けられた記憶手段(図示せず。)に読み取った画像情報を記憶するようにしている。
【0067】
また、電子ペーパーには、一般に電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されているので、読取手段Mは原稿Wが普通紙か電子ペーパーかを識別するための識別情報を検出する機能を有しており、この識別情報を読み取れば制御手段が電子ペーパーであることを識別することができる。
【0068】
識別情報としては、例えば、電子ペーパーであることを示す識別情報や電子ペーパーが電界駆動型又は磁気駆動型のものかの種別情報、或いは、乾式帯電粒子型、電気永動型、ツイストボール型等の型式情報、製造メーカー名、製造ロット、製造日等の各種情報が、例えば、バーコードとして記録されている。
【0069】
また、電子ペーパーであることを示す識別情報以外の情報を選択して読み取ることで、例えば、本発明の実施の形態の画像記録装置では対応できない種類や型式等の電子ペーパーが混在したときに、適切に分別して排出できるようになっている。
【0070】
消去手段Nは、電子ペーパーに記録されている画像情報を消去するもので、電子ペーパーの種類や型式に応じた、例えば、適切な電界等を電子ペーパーに付与することで画像情報を消去し、初期状態に戻す(初期化ともいう。)ようになっている。
【0071】
原稿搬送手段は、ローラR1〜R6を駆動して、原稿Wを読取手段M及び消去手段Nを経へて搬送し、第1の原稿排紙皿43、又は第2の原稿排紙皿44に排出するように搬送する。
【0072】
ローラR1は原稿Wを一枚毎に分離して原稿台42から読取手段M方向に搬送する機能を有し、ローラR2は原稿Wを消去手段N方向に搬送し、ローラR3は消去手段NからローラR4方向へ搬送し、ローラR5は第1の原稿排紙皿43へと矢印X1方向に原稿Wを搬送するようになっている。
【0073】
また、第2の原稿排紙皿44に原稿Wを搬送する場合は、原稿WがローラR3を経てローラR4に方向に搬送され、原稿Wの後端部がローラR3を通過した後に、ローラR4のローラR5方向への回転が停止され、次に、ローラR4がローラR6方向に回転し、原稿WをローラR6方向に搬送し、ローラR6は第2の原稿排紙皿44方向へと矢印X2方向に搬送することで、原稿Wを第2の原稿排紙皿44に排出できるようになっている。
【0074】
操作入力手段は45は、例えば、複数の釦から構成されたキーボード手段や表示手段、あるいは表示手段を兼ねた液晶タッチパネル方式等で構成され、原稿Wに記憶された画像情報を読み取る読取モードや、特に、原稿Wが電子ペーパーの場合に、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取った後に消去する消去モード、あるいは、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取らずに全てを消去する全消去モード等が選択できるようになっている。
【0075】
なお、全消去モードを選択する場合は、画像情報を読み取らずに全てを消去するようになっているので、すでに電子ペーパーに記録された画像情報が不用になったことが確認できた場合に使用するようにして、誤って必要な画像情報を消去してしまわないように十分に注意しなければならない。
【0076】
また、原稿Wが普通紙か電子ペーパーか否か等の記録媒体の種類や画像情報を消去したか否か等の処理内容別に分別して排出できるように予め設定された原稿Wの排出先を、操作入力手段45により、例えば、排出先に対して予め設定された番号や記号等を記録媒体の種類や処理内容に応じて変更する等により、変更できる排出先変更モードを備えている。
【0077】
そして、これらのモードを選択した後に操作入力手段45に設けられた作動開始釦(図示せず。)を押すと、画像形成装置40が選択されたモードに基づき作動するようになっている。
【0078】
更に、画像記録装置40に特別に設けられたモードとして、画像形成装置50が接続されている場合に選択できるようになっている出力モードがあり、出力モードを選択すると読取手段Mで読み取り記憶手段に記憶された画像情報を画像形成装置50等の外部情報機器(図示せず。)に出力することができるようになっている。
【0079】
なお、操作入力手段45は、画像記録装置40に画像形成装置50を備え、画像形成装置50と協働して作動するように接続された場合は、例えば、画像形成装置50に設けられた操作入力手段(図示せず。)により、画像形成装置50の各種モードと共に、前述の画像記録装置40における読取モードや消去モード、及び出力モード等のモードを実行できるようにしても良い。
【0080】
また、本発明の実施の形態においては、画像記録装置40の読取手段Mを利用して、原稿Wの画像情報を読み取り、読み取った画像情報を画層形成装置50に出力(送信ともいう。)することができるようにしているので、原稿台42に積載した複数枚の原稿Wを自動的に1枚毎に搬送し第1の原稿排紙皿43へ排出する原稿自動送り装置(ADF)としても機能するようになっている。
【0081】
本発明に係る画像記録装置の作動について説明する。
1)電子ペーパーに記録された画像情報を消去する場合
画像記録装置40の操作入力手段45により、電子ペーパーに記録された画像情報を消去する消去モードを選択し、作動開始釦を押すと、画像記録装置40が作動を開始する。
【0082】
原稿台42に積載された普通紙又は電子ペーパーからなる複数の原稿WがローラR1により一枚毎に分離されて読取手段M方向に搬送される。
【0083】
読取手段Mにより、読取手段Mの位置に搬送された原稿Wから電子ペーパーの識別情報を読み取るように作動するが、識別情報が無い場合は、普通紙と判断して、消去手段Nを作動させることなく搬送手段により原稿Wを搬送し第1の原稿排紙皿43に排紙する。
【0084】
読取手段Mにより原稿Wから電子ペーパーの識別情報が検出され、識別情報が読み取られた結果、本発明の実施の形態における画像記録装置40の制御手段により画像記録装置40に通常使用される電子ペーパーと判断されると、読取手段Mは原稿W、すなわち電子ペーパーに記録された画像情報を読み取り、記憶手段に画像情報を記憶させてた後に、消去手段Nで電子ペーパーに記録された画像情報を消去し、搬送手段により第2の原稿排紙皿44に排紙する。
【0085】
読取手段Mにより読み取られた識別情報が、本発明の実施の形態における画像記録装置40で使用できない電子ペーパー、例えば、画像情報は読み取れるが消去方式が異なり消去できない電子ペーパーと判断されると、普通紙の場合と同様に、消去手段Nを作動させることなく搬送手段により原稿Wを搬送し第1の原稿排紙皿43に排紙する。
【0086】
つまり、本発明の実施の形態における画像記録装置40においては、異なる種類や形式の電子ペーパーが混在した場合でも、画像情報が読み取れるものであれば、読み取るようにして、使い勝手の良いものにしている。
【0087】
2)電子ペーパーに記録された画像情報を消去しない場合
画像記録装置40の操作入力手段(図示せず。)により、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取る読取モード又は出力モードを選択し、作動開始釦を押すと、画像記録装置40が作動を開始する。
【0088】
読取モードが選択された場合は、消去手段を不作動にして、搬送手段により原稿台42に積載された普通紙又は電子ペーパーからなる複数の原稿Wが搬送手段のローラR1により一枚毎に分離されて読取手段M方向に搬送され、読取手段Mは原稿Wに記録された画像情報を読み取り、記憶手段に画像情報を記憶させ、原稿Wを第1の原稿排紙皿43に搬送し排紙する。
【0089】
出力モードが選択された場合は、基本的な作動は読取モードと同じで、記憶手段に記憶された画像情報を画像形成装置50へ出力するようになっている。
【0090】
なお、本発明の実施の形態においては、原稿Wの排出先が予め設定されており、例えば、原稿Wが、本発明の実施の形態における画像記録装置40で通常使用可能な電子ペーパーで、記録された画像情報を消去した電子ペーパーの場合は第2の原稿排紙皿44に排紙され、画像情報を消去しなかった電子ペーパーの場合は第1の原稿排紙皿43に排紙されるようになっており、本発明の実施の形態における画像記録装置40で使用できない電子ペーパーや普通紙の場合は、第1の原稿排紙皿43に排紙されるようになっている。
【0091】
つまり、画像情報が消去され再使用可能な状態になった電子ペーパーのみを第2の原稿排紙皿44に分別して排紙することにより、再使用しやすくしている。
【0092】
なお、その他の原稿Wを総て第1の原稿排紙皿43に排紙するようにして、第1の原稿排紙皿43を普通紙排紙先であり、優先排出先としているが、更に原稿排紙皿を増設できるのであれば、その他の原稿Wを普通紙と本発明の実施の形態における画像記録装置40で使用できない電子ペーパー等とに記録媒体の種類や処理内容に応じて分別して排紙できるようにすることが望ましい。
【0093】
また、画像記録装置40に画像形成装置50が備えられている場合に、画像情報が消去され再使用可能な状態になった電子ペーパーが画像記録装置40から排出される際に、画像形成装置50の後述する収納手段30に自動的に収納できる搬送手段を設けるようにすれば、より使い勝手の良いものになることはいうまでもない。
【0094】
本発明の実施の形態における画像形成装置50について説明する。
前述のように、画像形成装置50は本発明に係る画像記録装置40に装備されるもので、画像記録装置40の画像形成手段として機能するようになっている。
【0095】
1は画像形成装置の筐体、2は画像形成がなされた後に排出される普通紙や電子ペーパーを受ける排紙皿、3は画像形成を行うために普通紙や電子ペーパーを必要に応じて挿入できる手差し皿、4は画像形成装置の筐体1を移動可能にするためのローラである。
【0096】
筐体1の内部には、画像形成装置50の画像形成手段としての画像形成部10と定着部20、普通紙や電子ペーパー等の記録媒体を収納数する収納手段30及び記録媒体を搬送するための複数のローラ群と、これらのローラ群を駆動するモータ等の駆動源(図示せず。)で構成され、収納手段30に収納されている記録媒体又は手差し皿3から挿入された記録媒体を画像形成部10や定着部20を経て排紙皿2の方向(矢印Y方向)に搬送する搬送手段が設けられている。
【0097】
また、図示はしないが、これらの各手段を設定された条件等で適切に駆動制御するための電気回路等で構成された制御手段が筐体1の内部に配設されているものとする。
【0098】
50は画像形成装置全体を示すもので、筐体1の上部には前述の本発明に係る画像記録装置40を備えており、画像記録装置40は原稿自動送り装置(ADF)としての機能も有している。
【0099】
なお、画像形成装置50が複写機やファクシミリ機能を備えた複写機の場合は、画像記録装置40のADF機能を使用して原稿の画像情報を読み取ったり、筐体1の上部に設けられたプラテンガラス面(図示せず。)に設置された原稿の画像情報を読み取るために、一般によく知られた読取光学系やCCD(電荷結合素子)等で構成された原稿読取手段(図示せず。)が画像形成手段に含まれているものとする。
【0100】
画像形成部10は、静電潜像担持体としての感光体ドラム11、感光体ドラム11に均一な帯電を行う帯電手段12、感光体ドラム11に原稿の画像情報を露光する露光手段13、感光体ドラム11上に形成された静電潜像をトナー像として顕像化するための現像手段14、トナー像を普通紙に転写・分離するための転写・分離手段15及び、転写・分離後に感光体ドラム11上に残留するトナー等を清掃するための清掃手段16等により構成されている。
【0101】
また、定着部20は外枠21の内部に、普通紙に転写したトナーを溶融して固着するためのヒーター手段(図示せず。)を内包する一対の定着ローラ22、23が設けられている。
【0102】
30は記録媒体を収納する収納手段で、例えば、第1のトレイ31に普通紙P1を収納し、第2のトレイ32に電子ペーパーP2を収納するようになっている。
【0103】
S1、S2は媒体検出手段で、S1は第1のトレイ31に設けられ普通紙P1が収納されているか否かを検出し、例えば、収納されていないことを検出したときに制御手段に検出情報を出力するようになっており、S2は第2のトレイ32に設けられ、S1と同様に、電子ペーパーP2が収納されていないことを検出したときに制御手段に検出情報を出力するようになっている。
【0104】
勿論、トレイの数やどちらのトレイに電子ペーパー又は普通紙を収納するか等に関しては本発明の実施の形態に限定されるものではなく、媒体検出手段に関しても、トレイに記録媒体が収納されていないことを検出できるものであれば、フォトカプラのような光電的な検出手段又はスイッチのような機械的な検出手段等、何れでも良く特に限定するものではない。
【0105】
また、本発明の実施の形態における画像形成装置50おいては、手差し皿3から普通紙又は電子ペーパーを挿入することができるようになっている。
【0106】
S3は、画像形成部10に向けて収納手段30から搬送されてきた、又は手差し皿3から挿入されてきた記録媒体が、普通紙か電子ペーパーか等を識別する媒体識別手段である。
【0107】
媒体識別手段S3により記録媒体が普通紙か電子ペーパーかを識別する場合は、電子ペーパーには、一般に電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されているので、この識別情報を読み取れば電子ペーパーであることを識別することができる。
【0108】
識別情報としては、例えば、電子ペーパーであることを示す識別情報や電子ペーパーが電界駆動型又は磁気駆動型のものかの種別情報、或いは、乾式帯電粒子型、電気永動型、ツイストボール型等の型式情報、製造メーカー名、製造ロット、製造日等の各種情報が、例えば、バーコードとして記録されている。
【0109】
また、電子ペーパーであることを示す識別情報以外の情報を選択して読み取ることで、例えば、本発明の実施の形態における画像形成装置50では対応できない種類や型式等の電子ペーパーが混在したときに、画像形成部10に搬送される前に適切に分別できるので便利である。
【0110】
本発明の実施の形態における画像形成装置50に設けられた画像形成手段について更に説明する。
【0111】
画像形成手段は、2つの機能を共有しており、一つは普通紙に画像を形成するための第1の画像形成手段としての機能であり、もう一つは、電子ペーパーに画像を形成するための第2の画像形成手段としての機能である。
【0112】
普通紙に画像を形成する場合は、画像形成手段が第1の画像形成手段として機能し、画像形成部10の帯電手段12により均一に帯電された感光体ドラム11に、画像情報に基づきレーザー光等で露光がなされ、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像手段14によりトナー像として顕像化した後、適切なタイミングで収納手段30の第1のトレイ31から普通紙P1が感光体ドラム11に向けて搬送され、転写・分離手段15により普通紙P1上にトナー像が転写し分離される。
【0113】
その後、更にトナー像を転写された普通紙P1が定着部20へと搬送され、定着ローラ21と23で挟持されてトナー像を溶融固着し、機外の排出皿2に排出される。
【0114】
電子ペーパーに画像を形成する場合は、画像形成手段が第2の画像形成手段として機能し、感光体ドラム11上に静電潜像を形成するまでの工程は普通紙に画像を形成する場合と同様であるが、その後、現像手段14が初期位置に対して感光体ドラム11から離れる方向に移動し、静電潜像をトナー像として顕像化できなくしている。
【0115】
そして、適切なタイミングで収納手段30の第2のトレイ32から電子ペーパーP2が感光体ドラム11に向けて搬送され、転写・分離手段15の位置で、静電潜像として形成された電界を付与して電子ペーパーに画像を形成するようにしている。
【0116】
その後、電子ペーパーは定着部20へと搬送されるが、電子ペーパーに加熱しないように定着ローラ21と23は初期位置に対してお互いに離れる方向に移動し、電子ペーパーを通過させ、機外の排出皿2に排出する。
【0117】
次に、図2により本発明に係る画像記録装置40の回路構成に関して説明する。
【0118】
100は画像記録装置全体の回路を示し、110は画像記録装置全体の制御を行うCPUで、画像記禄装置を制御するための各種プログラム等が予め記憶されている。
【0119】
CPU110には、情報制御回路120、画像処理回路140、駆動制御回路150等が接続され主な制御手段としての回路が構成されており、CPU110には更に電源回路180が接続されている。
【0120】
情報制御回路120は、CPU110の指示により情報の入出力を行う回路であり、情報の入力機能としては、例えば、図1に示す原稿台42から搬送された原稿Wの画像情報を読取手段M(回路構成においては、後述する読取手段191)により読み取り、読み取った画像情報を記憶手段190に記憶する機能とインタフェース(I/F)130を介して外部情報機器200から原稿の文字や画像等の画像情報や画像形成等に必要な各種情報を入力し、入力した各種情報を記憶手段190に記憶させる機能を有している。
【0121】
情報の出力機能としては、必要に応じて画像処理回路140や駆動制御回路150等に記憶手段190に記憶された各種情報を出力したり、記憶手段190に記憶された画像情報をインタフェース(I/F)130を介して外部情報機器200に出力したりする機能を備えている。
【0122】
特に、本発明に係る画像記録装置が外部情報機器200として図1に示すような画像形成装置50を備えている場合は、記憶手段190に記憶された画像情報をインタフェース(I/F)130を介して画像形成装置50に出力することができるようになっている。
【0123】
なお、外部情報機器200としては、前述の画像形成装置の他に、コンピュータやインターネット・サーバー、或いは、デジタル・カメラや計測した情報を出力可能な計測装置等の本発明の実施の形態に係る画像記録装置に接続可能な情報機器等が想定される。
【0124】
また、情報制御回路120は、画像処理回路140や駆動制御回路150等を含む各手段の作動を制御するために必要な各種情報が操作入力手段160により入力された場合には、入力された情報が画像記録装置や、画像記録装置に備えられた前述の画像形成装置等の作動に支障がないように適宜円滑に各回路や各手段等に伝達されるように作動する。
【0125】
更に、本発明の実施の形態においては、情報制御回路120は、読取手段191が原稿の画像情報の他に電子ペーパーに付与された識別情報を検出した場合には、検出した識別情報を判断する機能を有しており、判断結果に基づき、後述する原稿を予め設定された排紙先に搬送できるように駆動制御回路150を制御することができるようになっている。
【0126】
画像処理回路140は、CPU110の指示により、情報制御回路120を介して画像情報を記憶手段190に記録する際に、画像情報を本発明に係る画像記録装置100に適したデータや信号等に変換して記録するための回路である。
【0127】
また、外部情報機器200に対して記憶手段190に記憶されている画像情報や制御関連の情報等を出力する場合は、外部情報機器200に適したデータや信号等に変換して出力するための回路である。
【0128】
駆動制御回路150は、CPU110の指示により、情報制御回路120や画像処理回路140等と協働して、読取手段191、原稿搬送手段192、及び消去手段193等を作動させるための回路である。
【0129】
操作入力手段160は、例えば、複数の釦から構成されたキーボード手段や表示手段、あるいは表示手段を兼ねた液晶タッチパネル方式等で構成され、前述のように、読取モードや消去モード、あるいは全消去モード等の処理モード、また、原稿の排出先を変更できる排出先変更モード等が選択できるようになっている。
【0130】
そして、これらのモードを選択した後に操作入力手段160に設けられた作動開始釦(図示せず。)を押すと、画像形成装置100が選択されたモードに基づき作動するようになっている。
【0131】
また、外部情報機器200として画像形成装置が接続されている場合に、操作入力手段160により出力モードを選択すると記憶手段190に記憶された画像情報等を画像形成装置に出力することができるようになっている。
【0132】
電源回路180は、電源スイッチ(図示せず。)が投入されると、電源から適切な通電が画像記録装置100全体に行われ、電源スイッチが遮断されると、通電が遮断されるようになっている。
【0133】
また、例えば、CPU110の指示により、画像記録作動が終了したときには、画像記録装置を待機状態における省電状態にするため、或いは、一時的なメモリの記憶内容等の保存のために必要な一部の通電を除いて他の通電を遮断する等の作動が行えるようになっている。
【0134】
記憶手段190は、情報制御回路120を介して、画像情報や各種制御関連の情報等の各種情報を記憶する手段で、電源が遮断されると記憶内容が消去される揮発性メモリや電源が遮断されても記憶内容が保存される不揮発性メモリで構成することができるが、画像情報を記憶する記憶手段190としては、突然の停電等の事故を考慮すると記憶内容の保存のためには不揮発性メモリで構成することが望ましい。
【0135】
読取手段191は、例えば、イメージセンサ等により構成され、原稿の画像情報を読み取るための手段である。
【0136】
また、本発明の実施の形態においては、原稿が電子ペーパーの場合に、電子ペーパーに付与されている識別情報を読み取るための手段でもある。
【0137】
識別情報としては、前述のように、例えば、電子ペーパーであることを示す識別情報や電子ペーパーが電界駆動型又は磁気駆動型のものかの種別情報、或いは、乾式帯電粒子型、電気永動型、ツイストボール型等の型式情報、製造メーカー名、製造ロット、製造日等の各種情報が、電子ペーパーに関する情報として、例えば、バーコード等により記録されているものとする。
【0138】
また、電子ペーパーであることを示す識別情報以外の前述した電子ペーパーに関する情報を選択して読み取ることで、例えば、本発明の実施の形態の画像記録装置では対応できない種類や型式等の電子ペーパーが混在したときに、適切に分別して排出できるようにもなっている。
【0139】
原稿搬送手段192は、駆動制御回路150により駆動制御され、図1に示すように、ローラR1〜R6を駆動して、原稿を読取手段Mや消去手段Nを経由して予め設定された排紙先へ搬送するための手段である。
【0140】
原稿の排紙先への搬送は、読取手段191が検出した電子ペーパーの識別情報等を情報制御回路120が判断して、駆動制御回路150を介して原稿搬送手段192を作動させ、予め設定されたそれぞれの排紙先へ搬送するようになっている。
【0141】
例えば、記録された画像情報を消去した電子ペーパー(消去電子Pともいう。)は消去電子P排紙先へ搬送され、画像情報を消去しなかった電子ペーパー(非消去電子Pともいう。)は、非消去電子P排紙先へ搬送され、普通紙の場合は、普通紙排紙先へ搬送されるようになっており、本発明の実施の形態の画像記録装置に通常使用する電子ペーパーとは異なる種類や型式の電子ペーパー(特殊電子Pともいう。)の場合は、特殊電子P排紙先に搬送されるようになっている。そして、排紙先には、それぞれ図1に示す原稿排紙皿43、44等の排紙用トレイが設けられている。
【0142】
このように原稿を記録媒体の種類や処理内容に応じて分別し、それぞれの排出先に搬送することで、記録された画像情報を消去した電子ペーパーを再使用しやすくし、画像情報を消去しなかった電子ペーパーと異なる排紙先に搬送することで、誤って、画像情報を消去しなかった電子ペーパーを再使用することのないようにしている。
【0143】
なお、画像記録装置の大きさや仕様等により、いくつもの排紙先、例えば、排紙皿が設けられないような場合は、図1により説明した第1の原稿排紙皿43と第2の排紙皿44のように、少なくとも消去電子Pと非消去電子Pが混在しないようにすればよい。
【0144】
また、本発明の実施の形態においては、予め排紙先を設定するようにしたが、操作入力手段160により、排紙先を変更しても良いことはいうまでもない。
【0145】
消去手段193は、電子ペーパーに記録されている画像情報を消去するもので、電子ペーパーの種類や型式に応じた、例えば、適切な電界等を電子ペーパーに付与することで画像情報を消去し、初期状態に戻すようになっている。
【0146】
なお、本発明の実施の形態における画像記録装置に備えられた画像形成装置の回路構成に関しては、説明を簡単にするために詳細な説明は割愛するが、画像形成装置の画像形成制御について簡単に説明する。
【0147】
画像形成装置の制御手段(図示せず。)は、電子ペーパーに画像を形成する場合においてのみ、図1に示す現像装置14を初期位置に対して感光体ドラム11から離れる方向に移動させ、感光体ドラム11に形成された静電潜像をトナーで現像しないようにし、同様に、図1に示す定着部20の定着ローラ22、23を初期位置に対してお互いが離れる方向に移動し、電子ペーパーに加熱しないようにする。
【0148】
そして、電子ペーパーに画像を形成する場合は、感光体ドラム上に静電潜像を形成するまでの工程は後述する普通紙に画像を形成する場合と同様であるが、その後、現像手段を感光体ドラムから離れる方向に移動させ、静電潜像をトナー像として顕像化できなくして、転写・分離手段の位置で、電子ペーパーに静電潜像として形成された電界を付与して電子ペーパーに画像を記録し表示できるようにした後に機外に排出するように制御している。
【0149】
また、普通紙に画像を形成する場合は、図1に示す現像装置14及び定着部20の定着ローラ22、23を、それぞれ初期位置に戻すように作動させる。
【0150】
そして、感光体ドラムを帯電し、感光体ドラムに対して画像情報を露光し、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーで現像し、感光体ドラム上に顕像化されたトナー像を普通紙に転写・分離手段で転写・分離した後に定着装置でトナー像を溶融固着して機外に排出すると共に、感光体ドラムに残留したトナー等を清掃する清掃作動を行うことで一連の電子写真方式による画像形成を行うように制御するものとする。
【0151】
従って、画像記録装置で読み取られた画像情報等が画像形成装置に出力された場合は、画像形成装置の記憶手段に画像情報を記憶した後に、またはほぼ同時に、画像情報に基づき感光体ドラムに露光するようにして、普通紙や電子ペーパーに画像を形成することができるようになっている。
【0152】
図3により本発明に係る画像記録装置の制御手順について説明する。
なお、以降の説明においては、本発明の実施の形態における画像記録装置は、予め操作入力手段で読取モードや消去モード、あるいは全消去モード等の各種モードの何れか一つのモードが選択され、すでに作動開始釦が押されているものとする。
【0153】
また、本発明の実施の形態における画像記録装置は、操作入力手段により排紙先を変更できるようにしているが、説明を簡単にするために、排紙先が予め設定されており、排紙先として、例えば、原稿排紙皿が複数設置されているものとする。
【0154】
(ST1)
原稿を給紙するステップである。
【0155】
図2に示す操作入力手段160で、読取モードや消去モード、あるいは全消去モード等の各種モード等が選択され、例えば、図2に示す操作入力手段160に設けられた作動開始釦(図示せず。)が押されると、情報制御回路120に作動開始釦が押されたことを示す情報が入力され、CPU110の指示により、駆動制御回路150が作動し、原稿搬送手段192を作動させ、図1に示す原稿台42から原稿Wが読取手段Mに向けて給紙搬送が開始され、ST2へ進む。
【0156】
(ST2)
読取指示が有るか否かを判断するステップである。
【0157】
つまり、原稿の画像情報を読み取る指示、例えば、読取モードや消去モードが選択されていたか否かを判断するステップで、本発明の実施の形態においては図2に示す情報制御回路120により判断される。
【0158】
特に、消去モードは、誤って電子ペーパーに記録された画像情報を消去しないように、画像情報を読み取った後に消去するようにしているので、図2に示す操作入力手段160で読取モードや消去モードが選択されている場合は、ST3に進み、全消去モードが選択されている場合には、原稿の画像情報を読み取ることなくST6に飛ぶ。
【0159】
(ST3)
画像情報を読み取るステップである。
【0160】
原稿が普通紙か電子ペーパーかに係わらず、特に、本発明の実施の形態における画像記録装置に通常使用する電子ペーパーと異なる電子ペーパーであっても、画像情報が読み取れるものであるときは図2に示す読取手段191で画像情報を読み取り、ST4に進む。
【0161】
(ST4)
データ変換を行うステップである。
【0162】
つまり、図2に示すように、読取手段191で読み取った画像情報を記憶手段190に記憶するために、情報制御回路120の指示により画像処理回路140を作動させ、記憶手段190に記憶するために適した情報に画像情報をデータ変換して記憶するようにしており、データ変換が終了するとST5に進む。
【0163】
(ST5)
画像情報を保存するステップである。つまり、データ変換された画像情報を記憶手段に記憶するステップで、図2に示す記憶手段190に記憶する作動が完了するとST6に進む。
【0164】
(ST6)
消去指示があったか否かを判断するステップである。
【0165】
図2に示す情報制御回路120の判断により、操作入力手段160で消去モード又は全消去モードが選択されていた場合はST7に進み、選択されていなかった場合、すなわち、読取モードが選択されていた場合はST10に飛ぶ。
【0166】
(ST7)
電子ペーパー(電子Pともいう。)か否かを判断するステップである。
【0167】
図2に示す情報制御回路120が、読取手段191が検出する電子ペーパーの識別情報を判断して、本発明の実施の形態における画像記録装置に通常使用される電子ペーパーと判断した場合はST8に進み、電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されていない普通紙又は通常使用されていない電子ペーパー(特殊電子Pともいう。)と判断した場合はST11に飛ぶ。
【0168】
つまり、本発明の実施の形態における画像記録装置は、通常使用される電子ペーパーに記憶された画像情報を消去できるようにしており、普通紙はもちろんのこと、特殊電子Pは、通常使用される電子ペーパーと種類や型式が異なることにより消去方法等が異なり、記憶された画像情報が消去できない可能性があるので、普通紙又は特殊電子Pと判断されたときは、画像情報を消去する後述するST8ステップに進まないようにしている。
【0169】
(ST8)
電子ペーパーに記憶された画像情報を消去するステップである。
【0170】
CPU110は、情報制御回路120よる消去モード又は全消去モードの情報により駆動制御回路150を作動し消去手段193を作動させて、電子ペーパーに記録された画像情報を消去するとST9に進む。
【0171】
(ST9)
消去電子P排紙先へ搬送するステップである。
【0172】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、画像情報が消去された電子ペーパー(消去電子Pともいう。)を、予め設定された消去電子Pの排紙先、例えば、消去電子P用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0173】
(ST10)
電子Pか否かを判断するステップである。
【0174】
ST7ステップと同様に、図2に示す情報制御回路120が読取手段191が検出する電子ペーパーの識別情報を判断して、本発明の実施の形態における画像記録装置に通常使用される電子ペーパーと判断した場合はST14に進み、電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されていない普通紙又は特殊電子Pと判断した場合はST11に飛ぶ。
【0175】
(ST11)
普通紙か否かを判断するステップである。
【0176】
図2に示す情報制御回路120が読取手段191が検出する電子ペーパーの識別情報を判断して、電子ペーパーであることを示す識別情報が付与されていない普通紙の場合はST12に進み、特殊電子Pと判断した場合はST13に進む。
【0177】
(ST12)
普通紙を普通紙排紙先へ搬送するステップである。
【0178】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、普通紙を予め設定された普通紙排紙先、例えば、普通氏用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0179】
(ST13)
特殊電子Pを特殊電子P排紙先へ搬送するステップである。
【0180】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、特殊電子Pを予め設定された特殊電子P排紙先、例えば、特殊電子P用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0181】
(ST14)
非消去電子Pを非消去電子P排紙先へ搬送するステップである。
【0182】
図2に示す駆動制御回路150は原稿搬送手段193を作動させ、画像情報を消去しなかった非消去電子Pを予め設定された非消去電子P排紙先、例えば、非消去電子P用の原稿排紙皿等へ搬送して、画像記録装置の作動を終了する。
【0183】
以上のように、本発明に係る画像記録装置においては、普通紙や電子ペーパーが混在しても操作入力手段により読取モードを選択すれば、原稿の画像情報を読み取ることができ、操作入力手段により消去モードを選択すれば、原稿が通常使用する電子ペーパーの場合は、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取った後に消去し、操作入力手段により全消去モードを選択すれば、電子ペーパーに記録された画像情報を読み取ることなく電子ペーパーに記録された画像情報を消去することができる。
【0184】
また、原稿が通常使用する電子ペーパーでない特殊電子Pの場合は、電子ペーパーに記憶されている画像情報が読み取れる場合は読み取った後、特殊電子P排出先に搬送される。
【0185】
そして、消去電子P、普通紙、特殊電子P、非消去電子Pと原稿が分別され、予め設定されたそれぞれ専用の原稿排紙皿に搬送されるようになっているので、それぞれの原稿排紙皿から原稿を取り出すときには、分別された原稿を取り出せるので、原稿の取り扱いが容易で極めて使い勝手の良い画像記録装置を提供できるようになった。
【0186】
また、前述したように、それぞれ専用の原稿排紙皿を設けられない場合は、図1に示す第2の原稿排紙皿44のように、予め消去電子P用の原稿排紙皿のみを専用に設けるようにしたので、電子ペーパーを再使用する場合は、消去電子P用の原稿排紙皿に排紙された電子ペーパーを使用すればよいので、極めて便利で使い勝手の良い画像記録装置を提供できるようになった。
【0187】
更に、排出先を操作入力手段で選択できるようにしたので、例えば、図1に示す第1の原稿排紙皿43のように、消去電子P以外の原稿を全て第1の原稿排紙皿43に排紙することもでき、一括して原稿を取り出したい場合や使用頻度の少ない排紙皿を有効に活用するためには極めて便利で使い勝手の良い画像記録装置を提供できるようになった。
【0188】
なお、本発明に係る画像記録装置の記憶手段に記憶された画像情報を画像形成装置等の外部情報機器に出力する制御手順に関しては、説明を省略したが、本発明に係る画像記録装置を外部情報機器に接続した場合には、例えば、図2に示す記憶手段190から読み出した画像情報等を画像処理回路140により、外部情報機器200に適した情報にデータ変換した後に、情報制御回路120により適切なタイミングで出力(送信ともいう。)を実行するようにすれば良いことは言うまでもない。
【0189】
【発明の効果】
普通紙記録媒体や可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取りたいときには読み取れ、可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取った後に消去したいときには消去でき、単に消去したいときには消去できるように、使用者の目的に応じた処理が容易にでき、しかも、記録媒体が種類や処理内容毎に分別して排出されるので、可逆性画像記録媒体の再使用が速やかに実行でき、紙等を得るための資源やエネルギーを節約できる画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像記録装置の概略図である。
【図2】本発明に係る画像記録装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る画像記録装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 筐体
2 排紙皿
3 手差し皿
4 ローラ
10 画像形成部
20 定着部
30 収納手段
40 画像記録装置
41 外枠
42 原稿台
43 第1の原稿排紙皿
44 第2の原稿排紙皿
50 画像形成装置
M 読取手段
N 消去手段
W 原稿
Claims (5)
- 普通紙記録媒体及び/又は可逆性画像記録媒体に記録された画像情報を読み取り記憶手段に記録する画像記録装置において、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取る読取手段と、前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去する消去手段を備え、前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体の搬送方向に対して、前記読取手段を前記消去手段の上流側に設けたことを特徴とする画像記録装置。
- 記録媒体が前記可逆性画像記録媒体か否かを判断する判断手段を備え、前記判断手段が前記記録媒体を前記可逆性画像記録媒体と判断した場合に、前記読取手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を読み取った後、前記消去手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を前記読取手段で読み取った後、前記消去手段により前記可逆性画像記録媒体に記録された前記画像情報を消去するか否かの指示を行うための操作入力手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像記録装置。
- 前記画像情報を消去した前記可逆性画像記録媒体と、前記画像情報を消去しなかった前記可逆性画像記録媒体とを分別する分別手段と、前記画像情報を消去した前記可逆性画像記録媒体を排出するための第1のトレイと、前記画像情報を消去しなかった前記可逆性画像記録媒体を排出するための第2のトレイと、前記分別手段の分別に基づき前記第1のトレイ又は前記第2のトレイに前記可逆性画像記録媒体を分別して搬送する搬送手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の画像記録装置。
- 前記画像情報に基づき前記普通紙記録媒体及び/又は前記可逆性画像記録媒体に画像形成を行うことができる画像形成手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の画像記録装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005031344A (ja) * | 2003-07-11 | 2005-02-03 | Toshiba Corp | 可搬型ディスプレイ端末及びその画像記録装置 |
JP2008147982A (ja) * | 2006-12-08 | 2008-06-26 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置、電子ペーパー印刷方法及び電子ペーパー印刷プログラム |
-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003056937A patent/JP2004262168A/ja active Pending
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