JP2004261769A - マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、および画像表示媒体 - Google Patents
マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、および画像表示媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004261769A JP2004261769A JP2003056976A JP2003056976A JP2004261769A JP 2004261769 A JP2004261769 A JP 2004261769A JP 2003056976 A JP2003056976 A JP 2003056976A JP 2003056976 A JP2003056976 A JP 2003056976A JP 2004261769 A JP2004261769 A JP 2004261769A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- fine particles
- substance
- parts
- microcapsule
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/54—Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids
Landscapes
- Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
- Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、高速応答性、安全衛生性、画質の安定性を満足することができる画像表示媒体、及び同画像表示媒体を利用した画像表示装置を低コストで提供することが目的である。
【解決手段】分散媒および分散質の存在下でカプセル壁を形成する工程を含むマイクロカプセルの製造方法であって、分散質が、常温常圧下で気体である物質(A)であって、かつ、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態であるマイクロカプセルの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】分散媒および分散質の存在下でカプセル壁を形成する工程を含むマイクロカプセルの製造方法であって、分散質が、常温常圧下で気体である物質(A)であって、かつ、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態であるマイクロカプセルの製造方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、およびそれを利用した繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器の発展に伴い、各種情報のデータ量は拡大の一途をたどり、情報の出力も様々な形態をとっている。情報出力の形態は一般的にブラウン管や液晶を用いたディスプレイ画面に表示されるが、これらディスプレイにおいては、携帯性や低電力性などが求められており、新規ディスプレイの開発が盛んに行われている。このような新規ディスプレイとして、着色粒子の回転(Twisting Ball Display)、電気泳動、サーマルリライタブル、メモリ性を有する液晶、エレクトロクロミー、トナーディスプレイ等の技術が知られている。前記表示技術の内、サーマルリライタブル媒体、メモリ性液晶などは、画像のメモリ性には優れるが、表示面を紙のように十分な白表示とすることができず、そのため画像を表示した場合に、画像を表示した部分と表示しない部分との区別を目視で確認しにくい、すなわち、画質が悪くなるという問題があった。
【0003】
また、Twisting Ball Displayは表示のメモリ性もあり、画像表示媒体の内部は、粒子周囲のキャビティにのみオイルが存在するが、ほとんど固体状態なのでシート化は比較的容易である。しかし、白く塗り分けられた半球面を表示側に完全に揃えた場合でも、球と球の隙間に入り込んだ光線は反射されず内部でロスしてしまうため、原理的にカバレッジ100%の白色表示はできず、やや灰色がかってしまうという問題がある。また、粒子サイズは画素サイズよりも小さいサイズであることが要求されるため、高解像度表示のためには色が塗り分けられた微細な粒子を製造しなければならず、高度な製造技術を要するといった問題もある。
【0004】
一方、電気泳動方式においては、電気泳動性の粒子を、該粒子とは異なる色調に着色された分散媒に分散した分散系をマイクロカプセルに封入し、これらマイクロカプセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が知られている(特許文献1〜3参照)。この方法は、液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としない反射型ディスプレイであるため利用者の目の負担が軽減される、見る角度を変えても見えにくくなるということがない、応答時間が比較的早く書き換えも可能である、さらには電圧をかけることにより電極上に移動した電気泳動性粒子は電圧を取り除いても長期にわたってその状態を維持するメモリー性を有しているため、ある表示を保持する時間は電力を必要としないなどの、表示装置としての優れた性能が期待されている。
【0005】
また、トナーディスプレイについては、トナーを用いて表示する画像表示媒体として、導電性の着色トナーと白色粒子とを対向する表示基板と非表示基板との間に空気を媒体として封入し、両基板の内側に電荷輸送層と電極が形成された画像表示媒体がある(非特許文献1参照)。このような画像表示媒体は、電荷輸送層を介して導電性着色トナーへ電荷が注入され、電荷注入された導電性着色トナーが電極により画像に応じて形成された基板間の電界により移動して表示基板へ付着する。これにより、表示基板側に導電性着色トナーと白色粒子とのコントラストとしての画像が表示される。
【0006】
【特許文献1】特開平1−86116号公報
【特許文献2】米国特許第6,241,921号明細書
【特許文献3】米国特許第6,262,706号明細書
【非特許文献1】トナーディスプレイ、日本画像学会、Japan Hardcopy ’99 論文集p249−p251、Japan Hardcopy ’99fall予稿集p10−p13
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、電気泳動およびトナーディスプレイが新規表示方式として有力視されており、粒子の電界移動を用いている点で共通しているが、それぞれ個別の課題がある。電気泳動方式では、マイクロカプセル中に液状の非水媒質を含むことから、それに通常用いられる石油系溶剤等への引火性や、大気中への揮発による衛生性の懸念がある。また、媒質の粘性抵抗のために粒子の移動速度が遅いことから、応答速度に限界があり、動画の表示や印刷物のページをめくるような視覚効果の得られる速度での表示が困難である。
【0008】
一方、トナーディスプレイでは、表示材料である粉体トナーが画素毎に分割されていないため、粒子群の偏りが発生し、画像の反射濃度が不均一になるという欠点がある。セル構造を形成して分割する手段が考えられるが、極めて微細な構造であるために技術的難度が高く、製造コストが高い、耐久性や柔軟性に欠けるなど多くの問題点がある。
【0009】
これらの欠点を克服するため、内部に中空構造を有するマイクロカプセルの使用する方法が検討されている。例えば、アルカリ溶解方式によるマイクロカプセルの製造である。この方法では、芯物質を溶出させて取り出すため、不完全な中空化による着色微粒子の固定化、溶出処理によるカプセル壁欠損が懸念されるうえ、10μm以上のマイクロカプセル製造が困難なため微粒子内包率が小さく、所望のコントラストが得られないなどの問題を有していた。
【0010】
また、中空構造を有するマイクロカプセルを製造する方法として、液状油性物質を揮発または有機溶媒などで溶出させる方法が報告されている。この方法でも、不完全な中空化による液状油性物質の残存、溶出処理によるカプセル壁欠損が懸念されるうえ、液状油性物質除去による着色微粒子の凝集を引き起こし、電圧印加による表示が行えないなどの問題を有していた。
【0011】
また、中空構造を有するマイクロカプセルを製造する方法として、熱膨張方式が報告されている。この方法では、カプセル径および形状の制御が困難であるため、所望の表示特性が得られないという欠点を有するうえ、疎水性液状発泡剤が液状のまま残存し、電圧印加による着色微粒子の応答速度が低いなどの問題を有していた。よって、均一なカプセル径および形状を実現でき、カプセル壁に欠損を与えず、液状物質を残存させず、微粒子内包率に優れ、微粒子の凝集や固定化を引き起こさず、着色微粒子の応答性を高く保持できるマイクロカプセルを製造する方法が求められてきた。
【0012】
また、中空構造を有するマイクロカプセルは白色顔料代替物質としても用いられるが、上記の方法では、不完全な中空化や、カプセル径および形状の制御の問題を有するため、所望の特性を有するマイクロカプセルは得られていなかった。
【0013】
本発明は、上記事実に鑑み成されたものであり、マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、およびそれを利用した画像表示媒体、及び同画像表示媒体を利用した画像表示装置を提供することが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討の結果、常温常圧下で気体である物質(A)を、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態で分散質として用いて、マイクロカプセルを製造することによって、上記課題を解決できることを見出した。
【0015】
すなわち、本発明は分散媒および分散質の存在下でカプセル壁を形成する工程を含むマイクロカプセルの製造方法であって、
分散質が、常温常圧下で気体である物質(A)であって、かつ、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態であるマイクロカプセルの製造方法に関する。
【0016】
また、本発明は、さらに、カプセル壁形成後に、物質(A)を気体状態に戻す工程を含む上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0017】
また、本発明は、常温常圧下で気体である物質(A)が、二酸化炭素である上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0018】
また、本発明は、カプセル壁内に電気泳動性粒子(B)を内包する上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0019】
また、本発明は、上記製造方法により得られるマイクロカプセルに関する。
【0020】
また、本発明は、上記マイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のマイクロカプセルは、常温常圧下で気体である物質(A)を液体状態または超臨界状態または亜臨界状態として分散質として用いて、分散媒中でマイクロカプセル壁の形成反応を進行させることにより得られる。
【0022】
本発明で用いられる常温常圧下で気体である物質(A)としては、常温常圧下で気体であればいかなる物質も用いることができる。具体的には、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、一酸化ニ窒素、アルゴン、キセノン、クリプトン、メタン、エタン、エチレン、プロパン、モノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、モノフルオロエタン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、クロロメタン、クロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの常温常圧下で気体である物質(A)はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0023】
常温常圧下で気体である物質(A)として好ましくは、二酸化炭素である。比較的常温常圧に近い緩やかな条件で、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態を実現できるうえ、毒性や爆発性も無く安全性の面でも優れているため好ましい。
【0024】
常温常圧下で気体である物質(A)は一定の圧力以上とすることによって液体状態または超臨界状態または亜臨界状態となり、分散質として用いることができる。さらに、臨界圧力および臨界温度を超えると超臨界状態として用いることができる。臨界圧力および臨界温度は、常温常圧下で気体である物質(A)に固有の値であり、例えば二酸化炭素の場合は、それぞれ31.3℃および7.38MPaである。よって、このような条件を保つことによって、常温常圧下で気体である物質(A)を液体状態または超臨界状態または亜臨界状態で用いることができる。
【0025】
常温常圧下で気体である物質(A)を液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とするための装置として、上記のような高圧条件に耐えられる反応容器を用いる必要がある。また、反応容器に原料を輸送するためのポンプ類一式を備えている必要がある。具体的には、日本分光株式会社製の超臨界二酸化炭素送液システムなどを用いることができる。
【0026】
さらに分散質の流動性制御や、帯電微粒子を内包させた時の帯電微粒子の分散性向上などを目的として、常温常圧下で液体である物質(C)を用いることができる。常温常圧下で液体である物質(C)は常温常圧下で気体である物質(A)と混合して用いられる。常温常圧下で液体である物質(C)としては、常温常圧下で液体であり、常温常圧下で気体である物質(A)と任意の比率で互いに相溶する物質であればいかなる物質も用いることができる。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、
【0027】
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデシルベンゼン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、
【0028】
クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、
【0029】
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ドデカノールなどのアルコール類、
【0030】
ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、
【0031】
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
【0032】
アセトニトリルなどのニトリル類、
【0033】
リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、
【0034】
フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、
【0035】
イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0036】
常温常圧下で液体である物質(C)は常温常圧下で気体である物質(A)に対して、等重量以下の比率で混合して使用するのが好ましい。上記以上の範囲を超えて使用すると、マイクロカプセル製造が困難となるためである。さらに好ましくは4分の1重量以下であり、さらに好ましくは10分の1重量以下である。
【0037】
本発明で用いられる常温常圧下で気体である物質(A)を、分散質として分散するために使用する分散媒としては、常温常圧下で液体である物質(C)と同様のものを用いることができるが、常温常圧下で気体である物質(A)と相溶しないものを選択する必要がある。さらに、分散媒として水も使用することができるがこれらに限定されるものではなく、それぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0038】
また、分散媒中における分散質の分散状態を安定化するために界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、分散媒に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独又は、2種以上混合して用いることができる。また、分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を1個以上有する反応性界面活性剤も使用することができる。
【0039】
これらの界面活性剤としてノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。
ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。
【0040】
モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。
【0041】
オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。
ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。
【0042】
ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。
【0043】
飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化化合物類。ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類。
【0044】
ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CH2CH2O)mH(CH2CH2O)nH、R−NH−C3H6−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等、mおよびnは、0以上の整数。〕で表されるアルカノールアミン類。
【0045】
R−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R1R2−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R1R2R3N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。アクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類及び、オリゴマー類を使用することができる。
【0046】
アニオン系界面活性剤としては、例えばポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類。
【0047】
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類を使用することができる。
【0048】
カチオン系界面活性剤としては、例えばR−N(CH3)3X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH3)(CH3COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH3)N(C2H4O)mH(C2H4O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等、mおよびnは、0以上の整数〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類を使用することができる。
【0049】
両性系界面活性剤としては、例えば各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等を使用することができる。またその他の各種保護コロイド剤を用いることができる。
【0050】
また反応性界面活性剤としては、例えばスルフォン酸塩系(市販品としては、例えば花王株式会社製ラテムルS−120,S−180P,S−180A,三洋化成株式会社製エレミノールJS−2,RS−30等)やアルキルフェノールエーテル系(市販品としては、例えば第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10,RN−20等)を使用することができる。
【0051】
また、界面活性剤として、例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、それぞれの樹脂骨格に不飽和二重結合を含有される様、モノマーを選択して合成、あるいは変性すれば反応性界面活性剤として用いることができ、より好ましい。また、マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレン、ブタジエン等とマレイン酸との共重合物等)、無水マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレン、ブタジエン等と無水マレイン酸との共重合物等)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム澱粉誘導体、ポリビニルアルコール等も界面活性剤として利用することができる。
【0052】
さらに、乳化状態をコントロールするために他の非イオン性界面活性剤やイオン性界面活性剤や無機微粒子としては、例えば、タルク、ベントナイト、有機ベントナイト、ホワイトカーボン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、微粒子シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を併用することができる。
【0053】
本発明のマイクロカプセルを画像表示装置として応用するには、カプセル内に帯電微粒子(B)を存在させる必要がある。帯電微粒子(B)は分散質に分散させて用いる。帯電微粒子(B)としては、無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることができる。
【0054】
無機顔料粒子としては、例えば鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、チタンブラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等を使用することができる。
【0055】
また、有機顔料粒子としては、例えばファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等を使用することができる。
【0056】
また、帯電微粒子(B)として、高分子微粒子を使用することができる。高分子微粒子としては、従来公知の方法で製造することが可能であり、例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法等があげられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
【0057】
高分子微粒子の材料としては、例えばスチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッソ(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等があげられるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。また、本発明で用いる上記の高分子微粒子は必要に応じて染料により染色されているか、または顔料粒子を含有させることにより着色して用いることも可能である。このようにして合成される高分子微粒子の例として、綜研化学より販売されているケミスノーMX、MR、MP、SXシリーズなどがある。
【0058】
また、これらの帯電微粒子(B)は、各種表面処理した状態で用いることができる。この場合の表面処理の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコーティングしたもの、チタネート系・シラン系等の各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したもの等があげられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、顔料粒子相互、又はポリマー粒子・中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、さらに、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
【0059】
これらの帯電微粒子(B)の粒子径は、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5μmの物であるが、これらの粒子径に限定されるものではない。
【0060】
これら帯電微粒子(B)の帯電特性を制御する方法としては、粒子の組成自体の持つ帯電特性に加えて、上記表面処理によって望ましい特性に制御することができる。また、帯電特性の向上を目的として、粒子に電荷制御剤を添加しても良い。
【0061】
電荷制御剤としては一般的に電子写真の分野で使用されている材料を使用することができ、トナーに正荷電を与えるものとしては、例えばニグロシン系染料やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料あるいは第4級アンモニウム塩等の電子供与性物質が、またトナーに負荷電を与えるものとしては、例えばモノアゾ染料の金属錯体、含クロム有機染料(銅フタロシアニングリーン、含クロムモノアゾ染料)のごとき含金属染料があげられるが、これらの材料に限定されるものではない。これら電荷制御剤は、例えば電子写真用のトナーの製法と同様に樹脂と混練して粉砕する方法や、重合トナー法などによって粒子に固定化することができるが、特にこれら方法に限定されるものではない。
【0062】
帯電微粒子(B)の帯電量は、粒子表面に存在する材質とマイクロカプセルに封入する帯電微粒子(B)どうしの組み合わせによって決定され、絶縁粒子であれば、封入後表示媒体自体を振って、粒子を攪拌・摩擦帯電させることでそれぞれ逆極性に帯電させることが可能である。さらに、帯電微粒子(B)の帯電量を高める、または精度良く制御するためにマイクロカプセル外部より電荷を供給しても良い。電荷は電極よりカプセル壁を介して直接供給しても良いが、強度を持たせるためにカプセル壁の厚さを薄くするには限界があるため、電極と帯電微粒子(B)が直接電荷の授受を行うことは実質上困難である。従って、カプセル壁材に電荷輸送機能を持つ材料を添加して、電荷輸送層を形成することが望ましい。正孔輸送機能をもつ材料としては、ヒドラゾン化合物やスチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等があげられ、電子輸送機能を持つ材料としては、フルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等があげられるが、これらの材料に限定されるものではない。
【0063】
また、本発明のマイクロカプセルに内包される分散質の中には、帯電微粒子(B)の分散性を高めたり、帯電量を制御する目的で、添加剤を1種類以上含有させることが好ましい。これらの添加剤としては、前記の界面活性剤と同様のものを用いることができ、分散質に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるものが好ましい。
【0064】
本発明のマイクロカプセルは、従来から用いられているin−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することが可能であり、その際、マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、アミノ樹脂、ポリアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等があげられる。さらに、本発明に用いられるマイクロカプセルの大きさは、1〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。
【0065】
in−situ法の場合、壁材としては尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、(メタ)アクリレート化合物などのラジカル重合性モノマー等を利用することができる。
【0066】
壁材として(メタ)アクリレート化合物などのラジカル重合性モノマーを利用する場合、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アミノアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジアクリレート、アクリル化シアヌレート等の(メタ)アクリレート化合物、
【0067】
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、
【0068】
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体、
【0069】
クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和二重結合を有するモノ又はジカルボン酸、および前記ジカルボン酸の酸無水物、モノアルキルエステル、モノアミド類、
【0070】
(メタ)アクリロニトリル、フマロニトリル、クロトンニトリル等の不飽和二重結合を有するニトリル化合物、
【0071】
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、
【0072】
エチレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、シクロペンタジエンなどのオレフィン化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0073】
また、ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生させることができる化合物を用いることができる。具体的には、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物、
【0074】
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物、
【0075】
のほか、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の酸化剤と、ロンガリット等の還元剤の組み合わせによるレドックス開始剤を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの重合開始剤はそれぞれ単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0076】
また分子量調整のために連鎖移動剤として、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマーなどを使用することができる。
【0077】
基本的には、次のような工程からなる。界面活性剤を含む分散媒溶液を調製する。界面活性剤の量は、分散媒100重量部に対して、0.2〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部を用いるのが適当である。
【0078】
次に、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とした常温常圧下で気体である物質(A)に、ジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、場合によっては帯電微粒子(B)、添加剤、連鎖移動剤等を混合して分散質溶液を調整する。この分散質液を分散媒溶液に攪拌下加えることにより分散させる。ラジカル重合性モノマーの使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜90重量部、好ましくは、10〜50重量部の範囲である。ラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、ラジカル重合性モノマー100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部の範囲である。帯電微粒子(B)の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。
【0079】
in−situ法によるラジカル重合の場合、分散質中にラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤を混合するのではなく、分散媒中に溶解しておき重合させることも可能である。
【0080】
得られた乳化分散液を所定の温度まで加熱して、ラジカル重合を開始させることにより目的のマイクロカプセルを得る。重合温度は、好ましくは5〜95℃、さらに好ましくは50〜90℃である。
【0081】
また、壁材としてアミノ樹脂を利用する場合、本発明において用いることができる成分としては、例えばメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物、尿素/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキル化メチロール尿素アルキル化メチロールメラミン、N−アルキルメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物、グアナミン/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキル尿素/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキレン尿素/ホルムアルデヒド初期重合物等を使用することができる。
【0082】
工程としては、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とした常温常圧下で気体である物質(A)に、場合によっては帯電微粒子(B)、添加剤、連鎖移動剤等を混合して分散質溶液を調整する。この分散質液を分散媒溶液に攪拌下加えることにより分散させる。アミノ樹脂成分の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜200重量部、より好ましくは10〜60重量部用いる。帯電微粒子(B)の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。アミノ樹脂成分が尿素/ホルムアルデヒド初期重合物の場合、この成分を徐々に或は一度に系中に加えても、或はその原料である尿素を予め分散媒に溶解し、その後徐々に或は一度にホルムアルデヒドを系中に添加してもよい。マイクロカプセル化の反応は好ましくは酸性条件、すなわち系のpHが2.0〜6.8、より好ましくは3.0〜6.0で行う。系の条件は使用するアミノ樹脂成分の種類により適当に調整すればよく、例えばメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物やアルキル化メチロールメラミンの場合はpH4.0〜5.5、尿素/ホルムアルデヒド初期重合物の場合はpH2.0〜4.5が適当である。系のpHを3.0〜6.8に調整し、所定の温度に加熱することにより、目的のマイクロカプセルを得る。
【0083】
なお、上記アミノ樹脂成分はホルムアルデヒドと尿素、メラミンなどの初期縮合物であり、常法に従って製造することができる。
【0084】
次に、界面重合法の場合、壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、ポリアミド等を利用することができる。界面重合法では疎水性モノマーを常温常圧下で気体である物質(A)に添加し、分散質溶液を分散媒中に乳化分散した後に親水性モノマーを添加して乳化界面で重合を起こさせる。一般的に疎水性モノマーとしては多価イソシアネートを使用し、親水性モノマーとしては多価アルコール、多価アミンを使用する。
【0085】
ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタンを壁材に利用する場合おいて用いる多価イソシアネート化合物としては、まず分子内に2個以上のイソシアネート基を有する有機化合物を使用する。このような多価イソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート,2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4 ’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のトリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’ −テトライソシアネート等のテトライソシアネートを利用することができる。また、多価イソシアネート化合物として、例えばヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、2,4 −トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネーとトリメチロールプロパンの付加物等のような多価イソシアネートプレポリマーを利用することもできる。
【0086】
また、多価イソシアネート化合物として、プレポリマー化した化合物も用いることができる。また、上記したものの二種以上を併用することもできる。一方、上記多価イソシアネート化合物に反応性を有する壁膜形成物質としては、多価アルコール類、ヒドロキシポリエステル類、ヒドロキシポリアルキレンエーテル類、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物、多価アミン類等、分子内に活性水素を2個以上有する物質をあげることができる。
【0087】
上記多価アルコール類は、脂肪族、芳香族又は脂環族いずれであってもよく、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,o‘−ビフェノール、p,p’−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等を使用することができる。
【0088】
ヒドロキシポリアルキレンエーテル類としては、上記多価アルコール類とマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルコン酸等のポリカルボン酸とから得られるヒドロキシポリエステル類をあげることができ、ヒドロキシポリアルキレンエーテル類としては、上記多価アルコール類とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサキイドとの縮合生成物であるヒドロキシポリアルキレンエーテル類をあげることができ、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物としては、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等の多価アミンのアミノ基の水素のうちの少なくとも1個以上を前述のアルキレンオキサイドで置換させたものをあげることができる。
【0089】
多価アミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルノメタン、イソフォロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等を使用することができる。また、水も多価イソシアネートに反応性を有する壁膜形成物質として用いることができる。
【0090】
工程としては、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とした常温常圧下で気体である物質(A)に、多価イソシアネート化合物、多価アルコール、場合によっては帯電微粒子(B)、添加剤、多価アミンを混合して分散質溶液を調整する。分散質溶液を分散媒溶液に攪拌下加えることにより分散させる。多価イソシアネート化合物の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量部の範囲である。また、多価アルコールまたは多価アミンの使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量部の範囲である。帯電微粒子(B)の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。
【0091】
得られた乳化分散液を所定の温度に加熱して、多価イソシアネートと多価アルコールあるいは、および多価アミンを反応させることにより目的のマイクロカプセルを得る。
【0092】
また、ポリアミドを壁材として使用する場合は、上記の多価イソシアネートに換えて多塩基酸ハライドを疎水性モノマーとして使用し、親水性モノマーとして多価アミンを使用すればよい。多塩基酸ハライドとしてはセバコイルクロライド、テレフタロイルクロライドなどを使用することができる。
【0093】
次に、コアセルベーション法の場合は従来からよく知られているゼラチン−アラビアゴムの複合コアセルベーション法を使用することができる。ゼラチンはアラビアゴムの他にアルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、寒天、ポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸共重合体、その他界面活性剤等のアニオンと反応できる。コアセルベートさせた後はホルムアルデヒドで硬化させるのが一般的である。
【0094】
上記のように各種作製方法で得られたマイクロカプセル内の圧力を制御することにより、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態または気体状態のうち任意の状態とすることができる。なかでも好ましくは超臨界状態または亜臨界状態または気体状態に制御するものであり、さらに好ましくは気体状態に制御するものである。画像表示装置として応用するため帯電微粒子(B)をカプセル壁内に内包させた場合、上記制御により帯電微粒子(B)の高速移動が可能となり、電圧印加により高応答性の画像表示装置を提供することができるため好ましい。
【0095】
帯電微粒子(B)含むマイクロカプセルを用いた画像表示装置の一例としては、次のような形態が挙げられる。
(1)一対のガラス基板の透明部材の一方に所望のパターンで形成された透明電極を有するものを、スペーサーを介して対向配置させて空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。
(2)全面電極を施した基板に、多数のスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させ不連続の空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。
(3)一対のガラス基板等の透明部材の一方に所望のパターンで形成された透明電極を有するものを、スペーサーを介して対向配置させて空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。なお、この例では空間の代りにバインダーが存在していてもよい。
(4)全面電極を施した基板に多数のスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させ不連続の空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。なお、この例では空間の代りにバインダーが存在していてもよい。
(5)全面電極を施した基板に、本発明のマイクロカプセルをバインダーとともに塗布する。
【0096】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
また、実施例における20MPaの圧力下でのマイクロカプセルの製造は、日本分光株式会社製の超臨界二酸化炭素送液システムを用いて行った。前記システムは超臨界二酸化炭素送液ポンプSCF−Getおよび全自動圧力調整弁SCF−Bpgを含むシステムである。
<帯電微粒子(B)−1(黒・負帯電性)の調製>
着色剤であるカーボンブラック100部と樹脂であるN1110H(三井デュポンポリケミカル社製 エチレン−メタクリル酸共重合体)480部を、二本ロールで加熱混練後1〜10mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。次いで、液体窒素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、150μmの目開きのメッシュで分級すると、平均粒子径49μm(SA−CP3L、島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定機)でシャープな粒度分布をもつ粉砕物が得られた。この粉砕物を下記の処方で混合しDCPミルで湿式粉砕を行った。
【0097】
上記粉砕物 120部 ヘキサン 520部 ボントロン E−89(オリエント化学工業社製 フェノール系縮合物) 10部を粉砕し平均粒子径2.5μm(MS2000 シスメックス社製)の微粒子分散液を得た。分散時間は60分であった。この分散液を濾過し残留微粒子を十分乾燥することで、黒色で良好な負帯電性を示す帯電微粒子(B)−1を得た。
【0098】
<帯電微粒子(B)−2(白・正帯電性)の調整>
着色剤である酸化チタン300部と樹脂であるN1110H(三井デュポンポリケミカル社製 エチレン−メタクリル酸共重合体)300部とを、二本ロールで加熱混練後1〜10mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。次いで、液体窒素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、150μmの目開きのメッシュで分級すると、平均粒子径46μm(SA−CP3L、島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定機)でシャープな粒度分布をもつ粉砕物が得られた。この粉砕物を下記の処方で混合しDCPミル(ドライスヴェルケ社製)で湿式粉砕を行った。
【0099】
上記粉砕物 120部 アイソパーL(エクソン化学社製) 520部 ボントロン P−51(オリエント化学工業社製 第4級アンモニウム塩) 10部を粉砕し平均粒子径2.2μm(MS2000 シスメックス社製)の微粒子分散液を得た。分散時間は60分であった。この分散液を濾過し残留微粒子を十分乾燥することで、白色で良好な正帯電性を示す帯電微粒子(B)−2を得た。
(実施例1)
分散質溶液1:常温常圧下で気体である物質(A)として、20MPaの圧力下、35℃にて超臨界状態とした二酸化炭素150重量部に対して、帯電微粒子(B)として帯電微粒子(B)−1を10重量部、帯電微粒子(B)−2を10重量部を加え、3時間強攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1:イオン交換水1500重量部に界面活性剤として重量平均分子量が7万のスチレン−無水マレイン酸の部分中和樹脂20重量部を溶解した分散媒水溶液を調整した。
【0100】
20MPaの圧力下、35℃において、上記分散媒溶液1に分散質溶液1を加え10分間攪拌したのち、37%ホルマリン150重量部、メラミン50重量部、イオン交換水400重量部を加えた。さらに弱い撹拌下、苛性ソーダ水溶液を用いてpH9.0に調整し、60℃で20分間反応させることにより得られたマイクロカプセルを取り出し乾燥させることによりマイクロカプセル1を得た。
【0101】
ついで、10重量%ポリビニルアルコール水溶液80gに、得られたマイクロカプセル1を20g加え分散塗工液を調整した。この塗工液をギャップ100μmのアプリケーターを用い、ITO膜付きガラス板上(ITO膜上)に塗布、乾燥して帯電微粒子内包マイクロカプセル塗膜を形成し、さらにその上にITO膜付きガラス板上(ITO膜がマイクロカプセル塗膜側)を乗せることで、表示媒体を作成した。この様にして作成した表示媒体を直流電源に接続し、10Hzの矩形周波数で電界方向を切り替えて、±100Vの電圧を印加させることで、微粒子1が上部電極に移動し微粒子2が下部電極に移動した場合は黒(この時、上部電極の電界が正)、微粒子1が下部電極に移動し微粒子2が下部電極に移動した場合は白(この時、下部電極の電界が正)の表示が可能であった。
【0102】
得られた表示媒体の表示性能を調べるために、大塚電子製Photal MCPD−1000を用いて、それぞれ白表示、黒表示の時の反射光強度を、可視光領域にて45°照射−0°受光で測定し、両表示色の反射率の比を、コントラストとして求めたところ、7:1であった。また、浜松ホトニクス製フェムト秒ストリークカメラC6860を用いて応答時間を求めたところ、1.5ミリ秒であった。
【0103】
(実施例2)
分散媒溶液2:pH6に調整したゼラチン濃度1.8%の水溶液500重量部にアラビアゴム1.8%の水溶液500重量部を加えて分散媒溶液を調整した。
【0104】
20MPaの圧力下、上記分散媒溶液2を約50℃に昇温してpHを5に調整したのち、分散質溶液1を加え10分間攪拌した。さらに500重量部の水を加えたのち10℃まで冷却して、グルタールアルデヒド25%濃度の水溶液200重量部を加えた。7時間反応させることにより得られたマイクロカプセルを取り出し乾燥させることによりマイクロカプセル2を得た。
実施例1と同様に表示媒体を作成し、評価したところ、コントラストが7:1、応答時間1.6ミリ秒であった。
【0105】
(実施例3)
分散質溶液2:常温常圧下で気体である物質(A)として、20MPaの圧力下、35℃にて超臨界状態とした二酸化炭素150重量部に対して、帯電微粒子(B)として帯電微粒子(B)−1を10重量部、帯電微粒子(B)−2を10重量部加え、3時間強攪拌した。さらにラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5重量部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液3:イオン交換水1500重量部に界面活性剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)15重量部、ラジカル重合性モノマーとしてメチルアクリレート150重量部を加え攪拌することにより分散媒溶液を調整した。
【0106】
20MPaの圧力下、35℃において、上記分散媒溶液3に分散質溶液2を加え窒素雰囲気下10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることにより得られたマイクロカプセルを取り出し乾燥させることによりマイクロカプセル3を得た。
実施例1と同様に表示媒体を作成し、評価したところ、コントラストが7:1、応答時間1.8ミリ秒であった。
【0107】
(比較例1)
分散質溶液4:常温常圧下で液体である物質(C)としてパラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、帯電微粒子(B)として帯電微粒子(B)−1を10重量部、帯電微粒子(B)−2を10重量部、添加剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1重量部加え、3時間強攪拌させることにより分散質溶液を作製した。
【0108】
上記分散媒溶液1に、分散質溶液4を加え25℃で10分間攪拌したのち、37%ホルマリン150重量部、メラミン50重量部、イオン交換水400重量部を加えた。さらに弱い撹拌下、苛性ソーダ水溶液を用いてpH9.0に調整し、60℃で20分間反応させることによりマイクロカプセル7を得た。
実施例1と同様に表示媒体を作成し、評価したところ、コントラストが7:1、応答時間150ミリ秒であった。
【0109】
【発明の効果】
本発明により、マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、およびそれを利用した、高速応答性、安全衛生性、画質の安定性を満足することができる画像表示媒体、及び同画像表示媒体を利用した画像表示装置を低コストで提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電微粒子内包マイクロカプセルを用いた画像表示媒体の模式図を表す。
【符号の説明】
1.基板、2.電極、3.透明電極、4.マイクロカプセル充填層(マトリックス層)、5.帯電微粒子内包マイクロカプセル、6.スペーサー
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、およびそれを利用した繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器の発展に伴い、各種情報のデータ量は拡大の一途をたどり、情報の出力も様々な形態をとっている。情報出力の形態は一般的にブラウン管や液晶を用いたディスプレイ画面に表示されるが、これらディスプレイにおいては、携帯性や低電力性などが求められており、新規ディスプレイの開発が盛んに行われている。このような新規ディスプレイとして、着色粒子の回転(Twisting Ball Display)、電気泳動、サーマルリライタブル、メモリ性を有する液晶、エレクトロクロミー、トナーディスプレイ等の技術が知られている。前記表示技術の内、サーマルリライタブル媒体、メモリ性液晶などは、画像のメモリ性には優れるが、表示面を紙のように十分な白表示とすることができず、そのため画像を表示した場合に、画像を表示した部分と表示しない部分との区別を目視で確認しにくい、すなわち、画質が悪くなるという問題があった。
【0003】
また、Twisting Ball Displayは表示のメモリ性もあり、画像表示媒体の内部は、粒子周囲のキャビティにのみオイルが存在するが、ほとんど固体状態なのでシート化は比較的容易である。しかし、白く塗り分けられた半球面を表示側に完全に揃えた場合でも、球と球の隙間に入り込んだ光線は反射されず内部でロスしてしまうため、原理的にカバレッジ100%の白色表示はできず、やや灰色がかってしまうという問題がある。また、粒子サイズは画素サイズよりも小さいサイズであることが要求されるため、高解像度表示のためには色が塗り分けられた微細な粒子を製造しなければならず、高度な製造技術を要するといった問題もある。
【0004】
一方、電気泳動方式においては、電気泳動性の粒子を、該粒子とは異なる色調に着色された分散媒に分散した分散系をマイクロカプセルに封入し、これらマイクロカプセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が知られている(特許文献1〜3参照)。この方法は、液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としない反射型ディスプレイであるため利用者の目の負担が軽減される、見る角度を変えても見えにくくなるということがない、応答時間が比較的早く書き換えも可能である、さらには電圧をかけることにより電極上に移動した電気泳動性粒子は電圧を取り除いても長期にわたってその状態を維持するメモリー性を有しているため、ある表示を保持する時間は電力を必要としないなどの、表示装置としての優れた性能が期待されている。
【0005】
また、トナーディスプレイについては、トナーを用いて表示する画像表示媒体として、導電性の着色トナーと白色粒子とを対向する表示基板と非表示基板との間に空気を媒体として封入し、両基板の内側に電荷輸送層と電極が形成された画像表示媒体がある(非特許文献1参照)。このような画像表示媒体は、電荷輸送層を介して導電性着色トナーへ電荷が注入され、電荷注入された導電性着色トナーが電極により画像に応じて形成された基板間の電界により移動して表示基板へ付着する。これにより、表示基板側に導電性着色トナーと白色粒子とのコントラストとしての画像が表示される。
【0006】
【特許文献1】特開平1−86116号公報
【特許文献2】米国特許第6,241,921号明細書
【特許文献3】米国特許第6,262,706号明細書
【非特許文献1】トナーディスプレイ、日本画像学会、Japan Hardcopy ’99 論文集p249−p251、Japan Hardcopy ’99fall予稿集p10−p13
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、電気泳動およびトナーディスプレイが新規表示方式として有力視されており、粒子の電界移動を用いている点で共通しているが、それぞれ個別の課題がある。電気泳動方式では、マイクロカプセル中に液状の非水媒質を含むことから、それに通常用いられる石油系溶剤等への引火性や、大気中への揮発による衛生性の懸念がある。また、媒質の粘性抵抗のために粒子の移動速度が遅いことから、応答速度に限界があり、動画の表示や印刷物のページをめくるような視覚効果の得られる速度での表示が困難である。
【0008】
一方、トナーディスプレイでは、表示材料である粉体トナーが画素毎に分割されていないため、粒子群の偏りが発生し、画像の反射濃度が不均一になるという欠点がある。セル構造を形成して分割する手段が考えられるが、極めて微細な構造であるために技術的難度が高く、製造コストが高い、耐久性や柔軟性に欠けるなど多くの問題点がある。
【0009】
これらの欠点を克服するため、内部に中空構造を有するマイクロカプセルの使用する方法が検討されている。例えば、アルカリ溶解方式によるマイクロカプセルの製造である。この方法では、芯物質を溶出させて取り出すため、不完全な中空化による着色微粒子の固定化、溶出処理によるカプセル壁欠損が懸念されるうえ、10μm以上のマイクロカプセル製造が困難なため微粒子内包率が小さく、所望のコントラストが得られないなどの問題を有していた。
【0010】
また、中空構造を有するマイクロカプセルを製造する方法として、液状油性物質を揮発または有機溶媒などで溶出させる方法が報告されている。この方法でも、不完全な中空化による液状油性物質の残存、溶出処理によるカプセル壁欠損が懸念されるうえ、液状油性物質除去による着色微粒子の凝集を引き起こし、電圧印加による表示が行えないなどの問題を有していた。
【0011】
また、中空構造を有するマイクロカプセルを製造する方法として、熱膨張方式が報告されている。この方法では、カプセル径および形状の制御が困難であるため、所望の表示特性が得られないという欠点を有するうえ、疎水性液状発泡剤が液状のまま残存し、電圧印加による着色微粒子の応答速度が低いなどの問題を有していた。よって、均一なカプセル径および形状を実現でき、カプセル壁に欠損を与えず、液状物質を残存させず、微粒子内包率に優れ、微粒子の凝集や固定化を引き起こさず、着色微粒子の応答性を高く保持できるマイクロカプセルを製造する方法が求められてきた。
【0012】
また、中空構造を有するマイクロカプセルは白色顔料代替物質としても用いられるが、上記の方法では、不完全な中空化や、カプセル径および形状の制御の問題を有するため、所望の特性を有するマイクロカプセルは得られていなかった。
【0013】
本発明は、上記事実に鑑み成されたものであり、マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、およびそれを利用した画像表示媒体、及び同画像表示媒体を利用した画像表示装置を提供することが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討の結果、常温常圧下で気体である物質(A)を、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態で分散質として用いて、マイクロカプセルを製造することによって、上記課題を解決できることを見出した。
【0015】
すなわち、本発明は分散媒および分散質の存在下でカプセル壁を形成する工程を含むマイクロカプセルの製造方法であって、
分散質が、常温常圧下で気体である物質(A)であって、かつ、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態であるマイクロカプセルの製造方法に関する。
【0016】
また、本発明は、さらに、カプセル壁形成後に、物質(A)を気体状態に戻す工程を含む上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0017】
また、本発明は、常温常圧下で気体である物質(A)が、二酸化炭素である上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0018】
また、本発明は、カプセル壁内に電気泳動性粒子(B)を内包する上記マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0019】
また、本発明は、上記製造方法により得られるマイクロカプセルに関する。
【0020】
また、本発明は、上記マイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のマイクロカプセルは、常温常圧下で気体である物質(A)を液体状態または超臨界状態または亜臨界状態として分散質として用いて、分散媒中でマイクロカプセル壁の形成反応を進行させることにより得られる。
【0022】
本発明で用いられる常温常圧下で気体である物質(A)としては、常温常圧下で気体であればいかなる物質も用いることができる。具体的には、水素、窒素、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、一酸化ニ窒素、アルゴン、キセノン、クリプトン、メタン、エタン、エチレン、プロパン、モノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、モノフルオロエタン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、クロロメタン、クロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの常温常圧下で気体である物質(A)はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0023】
常温常圧下で気体である物質(A)として好ましくは、二酸化炭素である。比較的常温常圧に近い緩やかな条件で、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態を実現できるうえ、毒性や爆発性も無く安全性の面でも優れているため好ましい。
【0024】
常温常圧下で気体である物質(A)は一定の圧力以上とすることによって液体状態または超臨界状態または亜臨界状態となり、分散質として用いることができる。さらに、臨界圧力および臨界温度を超えると超臨界状態として用いることができる。臨界圧力および臨界温度は、常温常圧下で気体である物質(A)に固有の値であり、例えば二酸化炭素の場合は、それぞれ31.3℃および7.38MPaである。よって、このような条件を保つことによって、常温常圧下で気体である物質(A)を液体状態または超臨界状態または亜臨界状態で用いることができる。
【0025】
常温常圧下で気体である物質(A)を液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とするための装置として、上記のような高圧条件に耐えられる反応容器を用いる必要がある。また、反応容器に原料を輸送するためのポンプ類一式を備えている必要がある。具体的には、日本分光株式会社製の超臨界二酸化炭素送液システムなどを用いることができる。
【0026】
さらに分散質の流動性制御や、帯電微粒子を内包させた時の帯電微粒子の分散性向上などを目的として、常温常圧下で液体である物質(C)を用いることができる。常温常圧下で液体である物質(C)は常温常圧下で気体である物質(A)と混合して用いられる。常温常圧下で液体である物質(C)としては、常温常圧下で液体であり、常温常圧下で気体である物質(A)と任意の比率で互いに相溶する物質であればいかなる物質も用いることができる。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、
【0027】
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデシルベンゼン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、
【0028】
クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、
【0029】
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ドデカノールなどのアルコール類、
【0030】
ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、
【0031】
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
【0032】
アセトニトリルなどのニトリル類、
【0033】
リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、
【0034】
フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、
【0035】
イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0036】
常温常圧下で液体である物質(C)は常温常圧下で気体である物質(A)に対して、等重量以下の比率で混合して使用するのが好ましい。上記以上の範囲を超えて使用すると、マイクロカプセル製造が困難となるためである。さらに好ましくは4分の1重量以下であり、さらに好ましくは10分の1重量以下である。
【0037】
本発明で用いられる常温常圧下で気体である物質(A)を、分散質として分散するために使用する分散媒としては、常温常圧下で液体である物質(C)と同様のものを用いることができるが、常温常圧下で気体である物質(A)と相溶しないものを選択する必要がある。さらに、分散媒として水も使用することができるがこれらに限定されるものではなく、それぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0038】
また、分散媒中における分散質の分散状態を安定化するために界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、分散媒に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独又は、2種以上混合して用いることができる。また、分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合を1個以上有する反応性界面活性剤も使用することができる。
【0039】
これらの界面活性剤としてノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。
ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。
【0040】
モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。
【0041】
オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。
ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。
【0042】
ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。
【0043】
飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化化合物類。ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類。
【0044】
ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CH2CH2O)mH(CH2CH2O)nH、R−NH−C3H6−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等、mおよびnは、0以上の整数。〕で表されるアルカノールアミン類。
【0045】
R−NH2〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R1R2−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R1R2R3N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。アクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類及び、オリゴマー類を使用することができる。
【0046】
アニオン系界面活性剤としては、例えばポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類。
【0047】
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類を使用することができる。
【0048】
カチオン系界面活性剤としては、例えばR−N(CH3)3X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH3)(CH3COO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH3)N(C2H4O)mH(C2H4O)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等、mおよびnは、0以上の整数〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類を使用することができる。
【0049】
両性系界面活性剤としては、例えば各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等を使用することができる。またその他の各種保護コロイド剤を用いることができる。
【0050】
また反応性界面活性剤としては、例えばスルフォン酸塩系(市販品としては、例えば花王株式会社製ラテムルS−120,S−180P,S−180A,三洋化成株式会社製エレミノールJS−2,RS−30等)やアルキルフェノールエーテル系(市販品としては、例えば第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10,RN−20等)を使用することができる。
【0051】
また、界面活性剤として、例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、それぞれの樹脂骨格に不飽和二重結合を含有される様、モノマーを選択して合成、あるいは変性すれば反応性界面活性剤として用いることができ、より好ましい。また、マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレン、ブタジエン等とマレイン酸との共重合物等)、無水マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレン、ブタジエン等と無水マレイン酸との共重合物等)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム澱粉誘導体、ポリビニルアルコール等も界面活性剤として利用することができる。
【0052】
さらに、乳化状態をコントロールするために他の非イオン性界面活性剤やイオン性界面活性剤や無機微粒子としては、例えば、タルク、ベントナイト、有機ベントナイト、ホワイトカーボン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、微粒子シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を併用することができる。
【0053】
本発明のマイクロカプセルを画像表示装置として応用するには、カプセル内に帯電微粒子(B)を存在させる必要がある。帯電微粒子(B)は分散質に分散させて用いる。帯電微粒子(B)としては、無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることができる。
【0054】
無機顔料粒子としては、例えば鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、チタンブラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等を使用することができる。
【0055】
また、有機顔料粒子としては、例えばファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等を使用することができる。
【0056】
また、帯電微粒子(B)として、高分子微粒子を使用することができる。高分子微粒子としては、従来公知の方法で製造することが可能であり、例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法等があげられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
【0057】
高分子微粒子の材料としては、例えばスチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッソ(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等があげられるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。また、本発明で用いる上記の高分子微粒子は必要に応じて染料により染色されているか、または顔料粒子を含有させることにより着色して用いることも可能である。このようにして合成される高分子微粒子の例として、綜研化学より販売されているケミスノーMX、MR、MP、SXシリーズなどがある。
【0058】
また、これらの帯電微粒子(B)は、各種表面処理した状態で用いることができる。この場合の表面処理の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコーティングしたもの、チタネート系・シラン系等の各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したもの等があげられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、顔料粒子相互、又はポリマー粒子・中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、さらに、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
【0059】
これらの帯電微粒子(B)の粒子径は、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5μmの物であるが、これらの粒子径に限定されるものではない。
【0060】
これら帯電微粒子(B)の帯電特性を制御する方法としては、粒子の組成自体の持つ帯電特性に加えて、上記表面処理によって望ましい特性に制御することができる。また、帯電特性の向上を目的として、粒子に電荷制御剤を添加しても良い。
【0061】
電荷制御剤としては一般的に電子写真の分野で使用されている材料を使用することができ、トナーに正荷電を与えるものとしては、例えばニグロシン系染料やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料あるいは第4級アンモニウム塩等の電子供与性物質が、またトナーに負荷電を与えるものとしては、例えばモノアゾ染料の金属錯体、含クロム有機染料(銅フタロシアニングリーン、含クロムモノアゾ染料)のごとき含金属染料があげられるが、これらの材料に限定されるものではない。これら電荷制御剤は、例えば電子写真用のトナーの製法と同様に樹脂と混練して粉砕する方法や、重合トナー法などによって粒子に固定化することができるが、特にこれら方法に限定されるものではない。
【0062】
帯電微粒子(B)の帯電量は、粒子表面に存在する材質とマイクロカプセルに封入する帯電微粒子(B)どうしの組み合わせによって決定され、絶縁粒子であれば、封入後表示媒体自体を振って、粒子を攪拌・摩擦帯電させることでそれぞれ逆極性に帯電させることが可能である。さらに、帯電微粒子(B)の帯電量を高める、または精度良く制御するためにマイクロカプセル外部より電荷を供給しても良い。電荷は電極よりカプセル壁を介して直接供給しても良いが、強度を持たせるためにカプセル壁の厚さを薄くするには限界があるため、電極と帯電微粒子(B)が直接電荷の授受を行うことは実質上困難である。従って、カプセル壁材に電荷輸送機能を持つ材料を添加して、電荷輸送層を形成することが望ましい。正孔輸送機能をもつ材料としては、ヒドラゾン化合物やスチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等があげられ、電子輸送機能を持つ材料としては、フルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等があげられるが、これらの材料に限定されるものではない。
【0063】
また、本発明のマイクロカプセルに内包される分散質の中には、帯電微粒子(B)の分散性を高めたり、帯電量を制御する目的で、添加剤を1種類以上含有させることが好ましい。これらの添加剤としては、前記の界面活性剤と同様のものを用いることができ、分散質に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるものが好ましい。
【0064】
本発明のマイクロカプセルは、従来から用いられているin−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することが可能であり、その際、マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、アミノ樹脂、ポリアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等があげられる。さらに、本発明に用いられるマイクロカプセルの大きさは、1〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。
【0065】
in−situ法の場合、壁材としては尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、(メタ)アクリレート化合物などのラジカル重合性モノマー等を利用することができる。
【0066】
壁材として(メタ)アクリレート化合物などのラジカル重合性モノマーを利用する場合、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アミノアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジアクリレート、アクリル化シアヌレート等の(メタ)アクリレート化合物、
【0067】
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、
【0068】
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体、
【0069】
クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和二重結合を有するモノ又はジカルボン酸、および前記ジカルボン酸の酸無水物、モノアルキルエステル、モノアミド類、
【0070】
(メタ)アクリロニトリル、フマロニトリル、クロトンニトリル等の不飽和二重結合を有するニトリル化合物、
【0071】
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物、
【0072】
エチレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、シクロペンタジエンなどのオレフィン化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0073】
また、ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生させることができる化合物を用いることができる。具体的には、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物、
【0074】
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物、
【0075】
のほか、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の酸化剤と、ロンガリット等の還元剤の組み合わせによるレドックス開始剤を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの重合開始剤はそれぞれ単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0076】
また分子量調整のために連鎖移動剤として、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマーなどを使用することができる。
【0077】
基本的には、次のような工程からなる。界面活性剤を含む分散媒溶液を調製する。界面活性剤の量は、分散媒100重量部に対して、0.2〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部を用いるのが適当である。
【0078】
次に、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とした常温常圧下で気体である物質(A)に、ジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、場合によっては帯電微粒子(B)、添加剤、連鎖移動剤等を混合して分散質溶液を調整する。この分散質液を分散媒溶液に攪拌下加えることにより分散させる。ラジカル重合性モノマーの使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜90重量部、好ましくは、10〜50重量部の範囲である。ラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、ラジカル重合性モノマー100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部の範囲である。帯電微粒子(B)の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。
【0079】
in−situ法によるラジカル重合の場合、分散質中にラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤を混合するのではなく、分散媒中に溶解しておき重合させることも可能である。
【0080】
得られた乳化分散液を所定の温度まで加熱して、ラジカル重合を開始させることにより目的のマイクロカプセルを得る。重合温度は、好ましくは5〜95℃、さらに好ましくは50〜90℃である。
【0081】
また、壁材としてアミノ樹脂を利用する場合、本発明において用いることができる成分としては、例えばメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物、尿素/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキル化メチロール尿素アルキル化メチロールメラミン、N−アルキルメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物、グアナミン/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキル尿素/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキレン尿素/ホルムアルデヒド初期重合物等を使用することができる。
【0082】
工程としては、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とした常温常圧下で気体である物質(A)に、場合によっては帯電微粒子(B)、添加剤、連鎖移動剤等を混合して分散質溶液を調整する。この分散質液を分散媒溶液に攪拌下加えることにより分散させる。アミノ樹脂成分の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜200重量部、より好ましくは10〜60重量部用いる。帯電微粒子(B)の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。アミノ樹脂成分が尿素/ホルムアルデヒド初期重合物の場合、この成分を徐々に或は一度に系中に加えても、或はその原料である尿素を予め分散媒に溶解し、その後徐々に或は一度にホルムアルデヒドを系中に添加してもよい。マイクロカプセル化の反応は好ましくは酸性条件、すなわち系のpHが2.0〜6.8、より好ましくは3.0〜6.0で行う。系の条件は使用するアミノ樹脂成分の種類により適当に調整すればよく、例えばメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物やアルキル化メチロールメラミンの場合はpH4.0〜5.5、尿素/ホルムアルデヒド初期重合物の場合はpH2.0〜4.5が適当である。系のpHを3.0〜6.8に調整し、所定の温度に加熱することにより、目的のマイクロカプセルを得る。
【0083】
なお、上記アミノ樹脂成分はホルムアルデヒドと尿素、メラミンなどの初期縮合物であり、常法に従って製造することができる。
【0084】
次に、界面重合法の場合、壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、ポリアミド等を利用することができる。界面重合法では疎水性モノマーを常温常圧下で気体である物質(A)に添加し、分散質溶液を分散媒中に乳化分散した後に親水性モノマーを添加して乳化界面で重合を起こさせる。一般的に疎水性モノマーとしては多価イソシアネートを使用し、親水性モノマーとしては多価アルコール、多価アミンを使用する。
【0085】
ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタンを壁材に利用する場合おいて用いる多価イソシアネート化合物としては、まず分子内に2個以上のイソシアネート基を有する有機化合物を使用する。このような多価イソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート,2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4 ’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のトリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’ −テトライソシアネート等のテトライソシアネートを利用することができる。また、多価イソシアネート化合物として、例えばヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、2,4 −トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネーとトリメチロールプロパンの付加物等のような多価イソシアネートプレポリマーを利用することもできる。
【0086】
また、多価イソシアネート化合物として、プレポリマー化した化合物も用いることができる。また、上記したものの二種以上を併用することもできる。一方、上記多価イソシアネート化合物に反応性を有する壁膜形成物質としては、多価アルコール類、ヒドロキシポリエステル類、ヒドロキシポリアルキレンエーテル類、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物、多価アミン類等、分子内に活性水素を2個以上有する物質をあげることができる。
【0087】
上記多価アルコール類は、脂肪族、芳香族又は脂環族いずれであってもよく、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,o‘−ビフェノール、p,p’−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等を使用することができる。
【0088】
ヒドロキシポリアルキレンエーテル類としては、上記多価アルコール類とマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルコン酸等のポリカルボン酸とから得られるヒドロキシポリエステル類をあげることができ、ヒドロキシポリアルキレンエーテル類としては、上記多価アルコール類とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサキイドとの縮合生成物であるヒドロキシポリアルキレンエーテル類をあげることができ、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物としては、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等の多価アミンのアミノ基の水素のうちの少なくとも1個以上を前述のアルキレンオキサイドで置換させたものをあげることができる。
【0089】
多価アミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルノメタン、イソフォロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等を使用することができる。また、水も多価イソシアネートに反応性を有する壁膜形成物質として用いることができる。
【0090】
工程としては、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態とした常温常圧下で気体である物質(A)に、多価イソシアネート化合物、多価アルコール、場合によっては帯電微粒子(B)、添加剤、多価アミンを混合して分散質溶液を調整する。分散質溶液を分散媒溶液に攪拌下加えることにより分散させる。多価イソシアネート化合物の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量部の範囲である。また、多価アルコールまたは多価アミンの使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量部の範囲である。帯電微粒子(B)の使用量は、常温常圧下で気体である物質(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。
【0091】
得られた乳化分散液を所定の温度に加熱して、多価イソシアネートと多価アルコールあるいは、および多価アミンを反応させることにより目的のマイクロカプセルを得る。
【0092】
また、ポリアミドを壁材として使用する場合は、上記の多価イソシアネートに換えて多塩基酸ハライドを疎水性モノマーとして使用し、親水性モノマーとして多価アミンを使用すればよい。多塩基酸ハライドとしてはセバコイルクロライド、テレフタロイルクロライドなどを使用することができる。
【0093】
次に、コアセルベーション法の場合は従来からよく知られているゼラチン−アラビアゴムの複合コアセルベーション法を使用することができる。ゼラチンはアラビアゴムの他にアルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、寒天、ポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸共重合体、その他界面活性剤等のアニオンと反応できる。コアセルベートさせた後はホルムアルデヒドで硬化させるのが一般的である。
【0094】
上記のように各種作製方法で得られたマイクロカプセル内の圧力を制御することにより、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態または気体状態のうち任意の状態とすることができる。なかでも好ましくは超臨界状態または亜臨界状態または気体状態に制御するものであり、さらに好ましくは気体状態に制御するものである。画像表示装置として応用するため帯電微粒子(B)をカプセル壁内に内包させた場合、上記制御により帯電微粒子(B)の高速移動が可能となり、電圧印加により高応答性の画像表示装置を提供することができるため好ましい。
【0095】
帯電微粒子(B)含むマイクロカプセルを用いた画像表示装置の一例としては、次のような形態が挙げられる。
(1)一対のガラス基板の透明部材の一方に所望のパターンで形成された透明電極を有するものを、スペーサーを介して対向配置させて空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。
(2)全面電極を施した基板に、多数のスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させ不連続の空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。
(3)一対のガラス基板等の透明部材の一方に所望のパターンで形成された透明電極を有するものを、スペーサーを介して対向配置させて空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。なお、この例では空間の代りにバインダーが存在していてもよい。
(4)全面電極を施した基板に多数のスペーサーを介して絶縁フィルムを対向させ不連続の空間をつくり、その空間に本発明のマイクロカプセルを充填する。なお、この例では空間の代りにバインダーが存在していてもよい。
(5)全面電極を施した基板に、本発明のマイクロカプセルをバインダーとともに塗布する。
【0096】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
また、実施例における20MPaの圧力下でのマイクロカプセルの製造は、日本分光株式会社製の超臨界二酸化炭素送液システムを用いて行った。前記システムは超臨界二酸化炭素送液ポンプSCF−Getおよび全自動圧力調整弁SCF−Bpgを含むシステムである。
<帯電微粒子(B)−1(黒・負帯電性)の調製>
着色剤であるカーボンブラック100部と樹脂であるN1110H(三井デュポンポリケミカル社製 エチレン−メタクリル酸共重合体)480部を、二本ロールで加熱混練後1〜10mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。次いで、液体窒素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、150μmの目開きのメッシュで分級すると、平均粒子径49μm(SA−CP3L、島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定機)でシャープな粒度分布をもつ粉砕物が得られた。この粉砕物を下記の処方で混合しDCPミルで湿式粉砕を行った。
【0097】
上記粉砕物 120部 ヘキサン 520部 ボントロン E−89(オリエント化学工業社製 フェノール系縮合物) 10部を粉砕し平均粒子径2.5μm(MS2000 シスメックス社製)の微粒子分散液を得た。分散時間は60分であった。この分散液を濾過し残留微粒子を十分乾燥することで、黒色で良好な負帯電性を示す帯電微粒子(B)−1を得た。
【0098】
<帯電微粒子(B)−2(白・正帯電性)の調整>
着色剤である酸化チタン300部と樹脂であるN1110H(三井デュポンポリケミカル社製 エチレン−メタクリル酸共重合体)300部とを、二本ロールで加熱混練後1〜10mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。次いで、液体窒素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、150μmの目開きのメッシュで分級すると、平均粒子径46μm(SA−CP3L、島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定機)でシャープな粒度分布をもつ粉砕物が得られた。この粉砕物を下記の処方で混合しDCPミル(ドライスヴェルケ社製)で湿式粉砕を行った。
【0099】
上記粉砕物 120部 アイソパーL(エクソン化学社製) 520部 ボントロン P−51(オリエント化学工業社製 第4級アンモニウム塩) 10部を粉砕し平均粒子径2.2μm(MS2000 シスメックス社製)の微粒子分散液を得た。分散時間は60分であった。この分散液を濾過し残留微粒子を十分乾燥することで、白色で良好な正帯電性を示す帯電微粒子(B)−2を得た。
(実施例1)
分散質溶液1:常温常圧下で気体である物質(A)として、20MPaの圧力下、35℃にて超臨界状態とした二酸化炭素150重量部に対して、帯電微粒子(B)として帯電微粒子(B)−1を10重量部、帯電微粒子(B)−2を10重量部を加え、3時間強攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液1:イオン交換水1500重量部に界面活性剤として重量平均分子量が7万のスチレン−無水マレイン酸の部分中和樹脂20重量部を溶解した分散媒水溶液を調整した。
【0100】
20MPaの圧力下、35℃において、上記分散媒溶液1に分散質溶液1を加え10分間攪拌したのち、37%ホルマリン150重量部、メラミン50重量部、イオン交換水400重量部を加えた。さらに弱い撹拌下、苛性ソーダ水溶液を用いてpH9.0に調整し、60℃で20分間反応させることにより得られたマイクロカプセルを取り出し乾燥させることによりマイクロカプセル1を得た。
【0101】
ついで、10重量%ポリビニルアルコール水溶液80gに、得られたマイクロカプセル1を20g加え分散塗工液を調整した。この塗工液をギャップ100μmのアプリケーターを用い、ITO膜付きガラス板上(ITO膜上)に塗布、乾燥して帯電微粒子内包マイクロカプセル塗膜を形成し、さらにその上にITO膜付きガラス板上(ITO膜がマイクロカプセル塗膜側)を乗せることで、表示媒体を作成した。この様にして作成した表示媒体を直流電源に接続し、10Hzの矩形周波数で電界方向を切り替えて、±100Vの電圧を印加させることで、微粒子1が上部電極に移動し微粒子2が下部電極に移動した場合は黒(この時、上部電極の電界が正)、微粒子1が下部電極に移動し微粒子2が下部電極に移動した場合は白(この時、下部電極の電界が正)の表示が可能であった。
【0102】
得られた表示媒体の表示性能を調べるために、大塚電子製Photal MCPD−1000を用いて、それぞれ白表示、黒表示の時の反射光強度を、可視光領域にて45°照射−0°受光で測定し、両表示色の反射率の比を、コントラストとして求めたところ、7:1であった。また、浜松ホトニクス製フェムト秒ストリークカメラC6860を用いて応答時間を求めたところ、1.5ミリ秒であった。
【0103】
(実施例2)
分散媒溶液2:pH6に調整したゼラチン濃度1.8%の水溶液500重量部にアラビアゴム1.8%の水溶液500重量部を加えて分散媒溶液を調整した。
【0104】
20MPaの圧力下、上記分散媒溶液2を約50℃に昇温してpHを5に調整したのち、分散質溶液1を加え10分間攪拌した。さらに500重量部の水を加えたのち10℃まで冷却して、グルタールアルデヒド25%濃度の水溶液200重量部を加えた。7時間反応させることにより得られたマイクロカプセルを取り出し乾燥させることによりマイクロカプセル2を得た。
実施例1と同様に表示媒体を作成し、評価したところ、コントラストが7:1、応答時間1.6ミリ秒であった。
【0105】
(実施例3)
分散質溶液2:常温常圧下で気体である物質(A)として、20MPaの圧力下、35℃にて超臨界状態とした二酸化炭素150重量部に対して、帯電微粒子(B)として帯電微粒子(B)−1を10重量部、帯電微粒子(B)−2を10重量部加え、3時間強攪拌した。さらにラジカル重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5重量部加え攪拌することにより分散質溶液を作製した。
分散媒溶液3:イオン交換水1500重量部に界面活性剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)15重量部、ラジカル重合性モノマーとしてメチルアクリレート150重量部を加え攪拌することにより分散媒溶液を調整した。
【0106】
20MPaの圧力下、35℃において、上記分散媒溶液3に分散質溶液2を加え窒素雰囲気下10分間攪拌したのち、60℃に加熱し3時間反応させることにより得られたマイクロカプセルを取り出し乾燥させることによりマイクロカプセル3を得た。
実施例1と同様に表示媒体を作成し、評価したところ、コントラストが7:1、応答時間1.8ミリ秒であった。
【0107】
(比較例1)
分散質溶液4:常温常圧下で液体である物質(C)としてパラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、帯電微粒子(B)として帯電微粒子(B)−1を10重量部、帯電微粒子(B)−2を10重量部、添加剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1重量部加え、3時間強攪拌させることにより分散質溶液を作製した。
【0108】
上記分散媒溶液1に、分散質溶液4を加え25℃で10分間攪拌したのち、37%ホルマリン150重量部、メラミン50重量部、イオン交換水400重量部を加えた。さらに弱い撹拌下、苛性ソーダ水溶液を用いてpH9.0に調整し、60℃で20分間反応させることによりマイクロカプセル7を得た。
実施例1と同様に表示媒体を作成し、評価したところ、コントラストが7:1、応答時間150ミリ秒であった。
【0109】
【発明の効果】
本発明により、マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、およびそれを利用した、高速応答性、安全衛生性、画質の安定性を満足することができる画像表示媒体、及び同画像表示媒体を利用した画像表示装置を低コストで提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電微粒子内包マイクロカプセルを用いた画像表示媒体の模式図を表す。
【符号の説明】
1.基板、2.電極、3.透明電極、4.マイクロカプセル充填層(マトリックス層)、5.帯電微粒子内包マイクロカプセル、6.スペーサー
Claims (6)
- 分散媒および分散質の存在下でカプセル壁を形成する工程を含むマイクロカプセルの製造方法であって、
分散質が、常温常圧下で気体である物質(A)であって、かつ、液体状態または超臨界状態または亜臨界状態であるマイクロカプセルの製造方法。 - さらに、カプセル壁形成後に、物質(A)を気体状態に戻す工程を含む請求項1に記載のマイクロカプセルの製造方法。
- 常温常圧下で気体である物質(A)が、二酸化炭素である請求項1または2に記載のマイクロカプセルの製造方法。
- さらに、カプセル壁内に帯電微粒子(B)を内包する請求項1ないし3いずれかに記載のマイクロカプセルの製造方法。
- 請求項1ないし4いずれか1項に記載の製造方法により得られるマイクロカプセル。
- 請求項5に記載のマイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003056976A JP2004261769A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、および画像表示媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003056976A JP2004261769A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、および画像表示媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004261769A true JP2004261769A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33120506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003056976A Pending JP2004261769A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、および画像表示媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004261769A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006326457A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Casio Electronics Co Ltd | 中空マイクロカプセル及びその製造方法 |
JP2011245452A (ja) * | 2010-05-28 | 2011-12-08 | Hisanori Makuta | 気泡から作る中空粒子およびその製造方法 |
WO2023167294A1 (ja) * | 2022-03-04 | 2023-09-07 | 株式会社トクヤマ | 超臨界液体を用いた微小中空粒子の製造方法 |
-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003056976A patent/JP2004261769A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006326457A (ja) * | 2005-05-25 | 2006-12-07 | Casio Electronics Co Ltd | 中空マイクロカプセル及びその製造方法 |
JP2011245452A (ja) * | 2010-05-28 | 2011-12-08 | Hisanori Makuta | 気泡から作る中空粒子およびその製造方法 |
WO2023167294A1 (ja) * | 2022-03-04 | 2023-09-07 | 株式会社トクヤマ | 超臨界液体を用いた微小中空粒子の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7488513B2 (en) | Process for producing microcapsule enclosing electrophoretic particle dispersion, microcapsule enclosing electrophoretic particle dispersion and reversible display medium containing the same | |
JP2006126839A (ja) | ドライパウダー電気泳動ディスプレイに使用するトナー組成物 | |
JP2007187693A (ja) | 表示媒体用マイクロカプセル内包着色微粒子 | |
JPWO2005024505A1 (ja) | 電気泳動表示用液、それを用いた表示媒体及び表示装置 | |
JP2004261769A (ja) | マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、および画像表示媒体 | |
JP4428032B2 (ja) | 電気泳動表示媒体用表示液 | |
JP4200764B2 (ja) | マイクロカプセルおよびその製造方法 | |
JP2007187691A (ja) | 微粒子を内包するマイクロカプセルの製造方法 | |
JP2003290647A (ja) | 電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法、および該カプセルを用いた可逆表示媒体 | |
JP2004117935A (ja) | マイクロカプセル | |
CN100432817C (zh) | 电泳粒子的制造方法、电泳分散液、微囊、电泳显示装置和电子机器 | |
JP2007187692A (ja) | 微粒子を内包するマイクロカプセルの製造方法 | |
WO2004049053A1 (ja) | 電気泳動表示媒体用表示液 | |
JP4815844B2 (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
JP2004113840A (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
JP4675059B2 (ja) | 電気泳動表示用液、それを用いた表示媒体及び表示装置 | |
JP2005266433A (ja) | マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、および画像表示媒体 | |
JP2003275565A (ja) | 電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法、および該カプセルを用いた可逆表示媒体 | |
JP2006293028A (ja) | 電気泳動粒子、その製造方法及び電気泳動表示装置 | |
JP2004219828A (ja) | 電気泳動表示媒体用表示液 | |
JP4366937B2 (ja) | マイクロカプセルおよびその製造方法 | |
JP2004219830A (ja) | 電気泳動表示装置用表示液 | |
JP2006281142A (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
JP2004037592A (ja) | 電気泳動表示媒体用表示液 | |
JP2004069873A (ja) | 電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法、および該カプセルを用いた可逆表示媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050915 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081014 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090310 |