JP2004069873A - 電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法、および該カプセルを用いた可逆表示媒体 - Google Patents

電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法、および該カプセルを用いた可逆表示媒体 Download PDF

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Yoshiyuki Sakai
酒井 禎之
Kazuhiro Shirouchi
城内 一博
Masashi Arishima
有島 真史
Toshifumi Kamimura
上村 敏文
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】高精細、高コントラストな表示を可能にする電気泳動性粒子分散溶液内包マイクロカプセルの製造方法、および該カプセルを用いた可逆表示媒体を提供する。
【解決手段】分散安定剤と親水性媒体とを含む連続相へ、分散状態の電気泳動性粒子と疎水性分散媒とを含む分散相を、多孔質膜を透過して吐出させ、乳化状態にした後、分散相と連続相との間にマイクロカプセル壁を形成させる事を特徴とする、電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動性粒子分散液を内包する、均一な粒径を持つマイクロカプセルの効果的な製造方法、およびそれを用いた表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロカプセルは感圧記録紙や感熱記録紙などの記録材料、農薬、医薬、香料、液晶、接着剤など多くの分野で用いられている。その製法についても多くの方法が提案されており、代表的なマイクロカプセル化法としては、コアセルベーション法、界面重合法、in−situ重合法などが知られている。
【0003】
ところで近年、情報機器の発展に伴い、各種情報のデータ量は拡大の一途をたどり、情報の出力も様々な形態をとっている。情報出力の形態は一般的にブラウン管や液晶を用いたディスプレイ画面に表示されるが、これらディスプレイにおいては、携帯性や低電力性などが求められており、新規ディスプレイの開発が盛んに行われている。このような新規ディスプレイとして、電気泳動性の粒子を、該粒子とは異なる色調に着色された分散媒に分散した分散系をマイクロカプセルに封入し、これらマイクロカプセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が、特開平1−86116号公報(特許第2551783号)、米国特許第6,241,921号明細書、米国特許第6,262,706号明細書などに提案されている。
【0004】
この方法は、液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としない反射型ディスプレイであるため利用者の目の負担が軽減される、見る角度を変えても見えにくくなるということがない、応答時間が比較的早く書き換えも可能である、さらには電圧をかけることにより電極上に移動した電気泳動性粒子は電圧を取り除いても長期にわたってその状態を維持するメモリー性を有しているため、ある表示を保持する時間は電力を必要としないなどの、表示装置としての優れた性能が期待されている。
【0005】
電気泳動性粒子を内包したマイクロカプセルの製造方法としては、前述したように一般的なマイクロカプセル化方法を用いて行うことが開示されているが、一般的には、粒径の揃った均一なマイクロカプセルを作成することは難しく、現状は分級による篩い分けが行われており製造効率が非常に悪いという問題点があり、当該表示装置普及の妨げになっており、また、さらには、生成されるマイクロカプセルの粒径が不均一になるが故に、内包される電気泳動粒子の含有量も不均一になるため、結果として表示におけるコントラストが低下するという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、電気泳動性粒子を内包したマイクロカプセルを用いた表示装置において、高精細、高コントラストな表示を可能にするため、マイクロカプセルの粒子径を均一に作製するとともに、マイクロカプセル内の電気泳動性粒子の含有率を均一にすることができる電気泳動性粒子分散溶液内包マイクロカプセルの製造方法、および該カプセルを用いた可逆表示媒体を提供するものである。
本製造方法を用いることにより、マイクロカプセルの粒子径を、好ましくは1〜200μm、より好ましくは10〜100μmにするとともに、コントラストが良好なマイクロカプセルの粒子径分布を、好ましくは変動係数で100%以下、より好ましくは70%以下にすることが可能となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討の結果、多孔質膜から、電気泳動性粒子を疎水性分散媒に分散した分散相を吐出させて製造したマイクロカプセルが上記課題を解決できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、分散安定剤と親水性媒体とを含む連続相へ、分散状態の電気泳動性粒子と疎水性分散媒とを含む分散相を、多孔質膜を透過して吐出させ、乳化状態にした後、分散相と連続相との間にマイクロカプセル壁を形成させる事を特徴とする、電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0009】
また、本発明は、多孔質膜が、1〜50μmの実質的に均質な細孔をもつ請求項1記載の電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0010】
また、本発明は、分散安定剤が、カルボキシル基、酸無水基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、および不飽和二重結合から選ばれる一つ以上の反応性官能基を含有し、かつ分散安定剤の重量平均分子量が1000〜2000000である上記電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0011】
また、本発明は、マイクロカプセルの粒径が、1〜200μmである請求項上記電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0012】
また、本発明は、分散相が、1種類以上の分散剤を含有する上記電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0013】
また、本発明は、分散相の電導度が、0〜20pS/cmの範囲である上記電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0014】
また、本発明は、電気泳動性粒子が、色調および電気泳動性の互いに異なる少なくとも2種類以上の着色粒子を含んでなる上記電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法に関する。
【0015】
また、本発明は、上記電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法により、製造されてなる電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセル。
【0016】
また、本発明は、上記電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルの製造方法は、色調および電気泳動性すなわち極性において互いに異なる少なくとも2種類以上の着色粒子を疎水性分散媒に分散させた後、その分散液を、分散安定剤を含む親水性媒体からなる連続相に乳化させマイクロカプセル化を行うが、その工程上、多孔質膜から、電気泳動性粒子を疎水性分散媒に分散した分散相を吐出させ、該分散相を、分散安定剤を含む親水性媒体からなる連続相に送り込んで連続相と接触させ、直ちに乳化状態を経由してマイクロカプセル壁を形成せしめる事により、マイクロカプセルの粒子径を、1〜200μm、より好ましくは10〜100μmにするとともに、コントラストが良好なマイクロカプセルの粒子径分布を、好ましくは変動係数で100%以下、より好ましくは70%以下にすることが可能となった。
【0018】
本発明で用いられる分散相を吐出させる孔は、どういう形状を有していてもかまわないが、細孔径が1〜50μmであることが好ましい。細孔径が1μm以下であれば生成粒子が小さくなりすぎ、コントラスト低下を起こす。細孔径が50μm以上であれば生成粒子が大きくなり、粒子移動距離が増加する結果、反転表示の際の応答時間が増加するためである。
【0019】
このような多孔質膜を用いた膜乳化法としては、例えば特公平8−2416号公報に詳しい記載がある。また、このような多孔質膜としては、例えば特公昭62−25616号公報に開示された、CaO−B−SiO−Al系多孔質ガラス、特開昭61−40841号公報に開示された、CaO−B−SiO−Al−NaO系多孔質ガラスおよびCaO−B−SiO−Al−NaO−MgO系多孔質ガラスや、特開平6−219726号公報、特開平5−58617号公報、特開平10−165791号公報に開示された、ゾル−ゲル法による多孔質膜があげられる。これらの多孔質膜を使用して膜乳化を行うことにより、均一な粒径分布を持つ電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造が可能となる。
【0020】
次に、本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルの製造に使用することができる構成材料について説明する。まず、疎水性分散媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ドデシルベンゼン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、イソプロピルビフェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、2,4−ジターシャリアミノフェノール、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機溶媒はそれぞれ単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0021】
また上記、疎水性分散媒としては、無色、有色のいずれをも用いることができる。電気泳動性粒子として正に帯電した粒子と負に帯電した粒子または、正または負に帯電した粒子と帯電していない粒子のように2種類の粒子を使用する場合は無色の疎水性分散媒を使用するが、1種類の電気泳動性粒子を使用する場合は有色の疎水性分散媒として染料を溶解した分散媒を使用する。その際用いることができる染料としては、油溶性染料が用いられ、例えばスピリットブラック(SB、SSBB、AB)、ニグロシンベース(SA、SAP、SAPL、EE、EEL、EX、EXBP、EB)、オイルイエロー(105、107、129、3G、GGS)、オイルオレンジ(201、PS、PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B、RR、OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン(GR、416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502、BG)、オイルブルー(613、2N、BOS)、オイルブラック(HBB、860、BS)、バリファーストイエロー(1101、1105、3108、4120)、バリファーストオレンジ(3209、3210)、バリファーストレド(1306、1355、2303、3304、3306、3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402、3405)、バリファーストブルー(3405、1501、1603、1605、1607、2606、2610)、バリファーストバイオレット(1701、1702)、ヴァリファーストブラック(1802、1807、3804、3810、3820、3830)等を使用することができる。
【0022】
本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルの製造方法に使用することができる電気泳動性粒子としては、無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることができる。無機顔料粒子としては、例えば鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、チタンブラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉等を使用することができる。
【0023】
また、有機顔料粒子としては、例えばファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等を使用することができる。
【0024】
また、電気泳動性粒子として、高分子微粒子を使用することができる。高分子微粒子としては、従来公知の方法で製造することが可能であり、例えば、乳化重合を利用した方法、シード乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、懸濁重合法等があげられるが、これらの方法によって作製されたものに限定されるものではない。
【0025】
高分子微粒子の材料としては、例えばスチレン系、スチレン−アクリル系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メチルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタクリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアクリレート系、アクリル酸系、アクリロニトリル系、アクリルゴム−メタクリレート系、エチレン系、エチレン−アクリル酸系、ナイロン系、シリコーン系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フェノール系、フッソ(テトラクロロエチレン)系、塩化ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セルロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム等があげられるが、これらのポリマー材料に限定されるものではない。また、本発明で用いる上記の高分子微粒子は必要に応じて染料により染色されているか、または顔料粒子を含有させることにより着色して用いることも可能である。
【0026】
また、これらの顔料成分は、顔料単独の微粒子としてだけでなく、各種表面処理した状態でも用いることが好ましい。この場合の表面処理の方法としては、顔料粒子に対して通常行われる各種の方法を適用することができ、例えば、ポリマーをはじめとする各種化合物を顔料表面にコーティングしたもの、チタネート系・シラン系等の各種カップリング剤によるカップリング処理したもの、グラフト重合処理したもの等があげられる。また、これらの顔料粒子は、メカノケミカル的な処理を施した状態でも用いることが可能であり、顔料粒子相互、又はポリマー粒子・中空ポリマー粒子との間で形成された複合粒子、さらに、各種樹脂との間で形成された複合粒子等の形態としても用いることが可能である。
【0027】
これらの電気泳動性粒子の粒子径は、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5μmの物であるが、これらの粒子径に限定されるものではない。
【0028】
また、本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルに使用される疎水性分散媒の中には、電気泳動性粒子の帯電量を制御したり、分散性を高める目的で、分散剤を1種類以上含有することが好ましい。これらの分散剤としては、分散媒に対して溶解又は分散状態に混ざり合うことのできるノニオン(非イオン)系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤のイオン系界面活性剤を単独又は、2種以上混合して用いる。
【0029】
これらの分散剤としてノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、ポリオキシポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ノニルフェノールエトキシレート等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類。
【0030】
ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンエーテル等のポリオキシアルキレンエーテル類。
【0031】
モノオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、ジオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、トリオールタイプのポリオキシアルキレングリコール、モノオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ジオール系ブロックタイプのポリアルキレングリコール、ランダムタイプのポリアルキレングリコール等のグリコール類。
【0032】
オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート等の第1級直鎖アルコールエトキシレート及び、第2級直鎖アルコールエトキシレート、多核フェノールエトキシレート等のアルキルアルコールエーテル類。
【0033】
ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類。
【0034】
ソルビタンモノラウレイト、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレイト、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキラウレイト、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類。
【0035】
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンジラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンジパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキラウレイト、ポリオキシエチレンソルビタンセスキパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類。
【0036】
飽和脂肪酸メチルエステル、不飽和脂肪酸メチルエステル、飽和脂肪酸ブチルエステル、不飽和脂肪酸ブチルエステル、飽和脂肪酸ステアリルエステル、不飽和脂肪酸ステアリルエステル、飽和脂肪酸オクチルエステル、不飽和脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、オレイン酸ポリエチレングリコールエステル、ロジンポリエチレングリコールエステル等の脂肪酸エステル類。ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類及び、これら脂肪酸のアミド化化合物類。ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアミン類。
【0037】
ラウリル酸モノエタノールアミド、椰子脂肪酸ジエタノールアミド等の高級脂肪酸モノエタノールアミド類、高級脂肪酸ジエタノールアミド類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ヤシジエタノールアミド(1−2型/1−1型)、アルキルアルキロールアミド等のアミド化合物類及び、アルカノールアミド類。R−(CHCHO)mH(CHCHO)nH、R−NH−C−NH〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表されるアルカノールアミン類。
【0038】
R−NH〔R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される1級アミン類。R1R2−NH〔R1・R2=R=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される2級アミン類。R1R2R3N〔R1・R2・R3=オレイル・オクチル・ドデシル・テトラデシル・ヘキサデシル・オクラデシル・ヤシ・牛脂・大豆等〕で表される3級アミン類。各種合成系高級アルコール類及び、各種天然系高級アルコール類。アクリル酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー、ヒドロキシ脂肪酸オリゴマー変成物等の高分子類及び、オリゴマー類を使用することができる。
【0039】
アニオン系界面活性剤としては、例えばポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリカルボン酸型陰イオン活性剤、特殊脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等のカルボン酸塩類。ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルNa塩、ラウリルアルコールの硫酸エステルアミン塩、天然アルコール硫酸エステルNa塩、高級アルコール硫酸エステルNa塩等のアルコール系硫酸エステル塩類及び、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、ラウリルアルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルアミン塩、合成高級アルコールエーテルの硫酸エステルNa塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルアミン塩、アルキルポリエーテル硫酸エステルNa塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、天然アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、合成アルコールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルアミン塩、アルキルフェノールEO(エチレンオキシド)付加体系硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルNa塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルアミン塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルNa塩等の硫酸エステル塩類。各種アルキルアリルスルホン酸アミン塩、各種アルキルアリルスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸アミン塩、ナフタレンスルホン酸Na塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩、各種アルキルベンゼンスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のスルホン酸塩類。
【0040】
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレン特殊アリルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレントリデシルフェニルエーテルスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸Na塩等のポリオキシアルキレン系スルホン酸塩類。ジアルキルスルホサクシネートアミン塩、ジアルキルスルホサクシネートNa塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートアミン塩、多環フェニルポリエトキシスルホサクシネートNa塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホ琥珀酸モノエステルNa塩等のスルホ琥珀酸エステル塩類。アルキルリン酸エステル、アルコキシアルキルリン酸エステル、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールリン酸塩、アルキルフェノール型リン酸エステル、芳香族リン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類及び、リン酸塩類を使用することができる。
【0041】
カチオン系界面活性剤としては、例えばR−N(CH)3X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるアルキルトリメチルアミン系4級アンモニウム塩類。テトラメチルアミン系塩、テトラブチルアミン塩等の4級アンモニウム塩類。(RNH)(CHCOO)〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等〕で表される酢酸塩類。ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム塩(ハロゲン・アミン塩等)等のベンジルアミン系4級アンモニウム塩類。R(CH)N(CO)mH(CO)n・X〔R=ステアリル・セチル・ラウリル・オレイル・ドデシル・ヤシ・大豆・牛脂等/X=ハロゲン・アミン等〕で表されるポリオキシアルキレン系4級アンモニウム塩類を使用することができる。
【0042】
両性系界面活性剤としては、例えば各種ベタイン型界面活性剤、各種イミダゾリン系界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン塩酸塩等を使用することができる。またその他の各種保護コロイド剤を用いることができる。
【0043】
上記からなる電気泳動表示装置用表示液の電導度が0〜20pS/cmになる範囲で効果を発揮できることが好ましい。
【0044】
本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルの作製には、従来から用いられているin−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することが可能であり、その際、マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、アミノ樹脂、ポリアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等があげられる。さらに、本発明に用いられるマイクロカプセルの大きさは、1〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。
【0045】
マイクロカプセルを作製する際、まず疎水性分散液を親水性媒体に多孔質膜を用いて膜乳化を行う。親水性媒体としては水が最も好ましいが、場合によっては水に溶解する有機溶剤、例えばアルコール類等を添加してもよい。
【0046】
また、親水性媒体中に使用する分散安定剤としては、一般的に乳化重合等に使用されるアニオン性、ノニオン性、カチオン性の界面活性剤や、分子中にラジカル重合性の不飽和基を1個以上有する反応性界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、前記した電気泳動性粒子の分散に使用する分散剤を使用することができ、また反応性界面活性剤としては、例えばスルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば花王株式会社製ラテムルS−120,S−180P,S−180A,三洋化成株式会社製エレミノールJS−2等)やアルキルフェノールエーテル系(市販品としては、例えば第一工業製薬株式会社製アクアロンHS−10,RN−20等)を使用することができる。
【0047】
より好ましくは、分散安定剤が反応性官能基としてカルボキシル基、酸無水基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、不飽和二重結合のいずれか一つ以上を含有し、かつ重量平均分子量が1000〜2000000である分散安定剤を使用する。反応性官能基を含有することで、膜乳化した後、直ちに反応させることが可能となり、均一にできた液滴をそのままマイクロカプセル化することができる。
【0048】
このような分散安定剤としては、例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性エポキシ樹脂等が挙げられ、それぞれの樹脂骨格にカルボキシル基、酸無水基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、不飽和二重結合のいずれか一つ以上を含有される様、モノマーを選択して合成、あるいは変性すればよい。また、マレイン酸共重合物(スチレン、エチレン、プロピレン、メチルビニルエーテル、酢酸ビニル、イソブチレン、ブタジエン等とマレイン酸との共重合物等)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム澱粉誘導体、ポリビニルアルコール等も利用することができる。
【0049】
さらに、乳化状態をコントロールするために他の非イオン性界面活性剤やイオン性界面活性剤や無機微粒子としては、例えば、タルク、ベントナイト、有機ベントナイト、ホワイトカーボン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、微粒子シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を併用することができる。
【0050】
以下に本発明に用いられるマイクロカプセルの代表的な合成方法を示す。in−situ法の場合、壁材としては尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等を利用することができる。
【0051】
壁材としてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等を利用する場合、本発明において用いることができるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ビニルトルエン等の芳香族系単量体類。アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸アルキルエステル類。メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸アルキルエステル類。アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有モノマー類。N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミドなどのN−置換アクリル、メタクリル系モノマー類。アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などの重合性不飽和カルボン酸およびそれらの無水物などカルボキシル基含有単量体類。アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー類、並びにアクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどから1種または2種以上を選択することができる。
【0052】
また、本発明においては、上記したラジカル重合性モノマーと共に、多官能性、従つて、架橋性のモノマー類、例えば、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフエノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリル化シアヌレート等を用いることもできる。
【0053】
上記ラジカル重合性モノマーを使用する際、本発明に用いることができるラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、例えばラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、ジーt−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド等や、アゾ系化合物、例えば、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキシル−1−カルボニトリル)、VA−061、VA−080、VR−110、V−601(いずれも、和光純薬工業株式会社)等を使用することができる。また、無機過酸化物、例えばアンモニウムパーオキサイド、ソディウムパーオキサイド等を使用することもできる。これら開始剤は単独で使用することもできるが、ロンガリット等の還元剤との併用によるレドックス型で使用してもよい。また分子量調整のために連鎖移動剤として、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプタン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマーなどを使用することができる。
【0054】
基本的には、次のような工程からなる。分散安定剤を含む水溶液を調製する。分散安定剤の量は、水100重量部に対して、0.2〜10重量部、好ましくは、0.5〜5重量部を用いるのが適当である。
【0055】
次に、疎水性分散媒に電気泳動性粒子、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、場合によっては連鎖移動剤等を混合して疎水性分散液を調整する。この疎水性分散液を多孔質膜を用い、分散安定剤水溶液に乳化分散させる。ここに、電気泳動性粒子の使用量は、上記疎水性分散液100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。ラジカル重合性モノマーの使用量は、上記疎水性分散液100重量部に対して、1〜90重量部、好ましくは、10〜50重量部の範囲である。ラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、ラジカル重合性モノマ−100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部の範囲である。
【0056】
in−situ法によるラジカル重合の場合、疎水性分散媒の中にラジカル重合性モノマーおよびラジカル重合開始剤を混合するのではなく、水中に溶解しておき重合させることも可能である。
【0057】
得られた乳化分散液を所定の温度まで加熱して、ラジカル重合を開始させることにより目的のマイクロカプセルを得る。
【0058】
また、壁材としてアミノ樹脂を利用する場合、本発明において用いることができる成分としては、例えばメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物、尿素/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキル化メチロール尿素アルキル化メチロールメラミン、N−アルキルメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物、グアナミン/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキル尿素/ホルムアルデヒド初期重合物、アルキレン尿素/ホルムアルデヒド初期重合物等を使用することができる。
【0059】
工程としては、疎水性分散媒に電気泳動性粒子を混合して疎水性分散液を調整する。この疎水性分散液を多孔質膜を用い、分散安定剤水溶液に乳化分散させる。ここに、電気泳動性粒子の使用量は、上記疎水性分散液100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。アミノ樹脂成分の使用量は、上記疎水性分散液100重量部に対して、1〜200重量部、より好ましくは10〜60重量部用いる。アミノ樹脂成分が尿素/ホルムアルデヒド初期重合物の場合、この成分を徐々に或は一度に系中に加えても、或はその原料である尿素を予め水性媒体に溶解し、その後徐々に或は一度にホルムアルデヒドを系中に添加してもよい。マイクロカプセル化の反応は好ましくは酸性条件、すなわち系のpHが2.0〜6.8、より好ましくは3.0〜6.0で行う。系の条件は使用するアミノ樹脂成分の種類により適当に調整すればよく、例えばメラミン/ホルムアルデヒド初期重合物やアルキル化メチロールメラミンの場合はpH4.0〜5.5、尿素/ホルムアルデヒド初期重合物の場合はpH2.0〜4.5が適当である。系のpHを3.0〜6.8に調整し、所定の温度に加熱することにより疎水性物質の分散粒子表面上で重縮合し、目的のマイクロカプセルを得る。
【0060】
なお、上記アミノ樹脂成分はホルムアルデヒドと尿素、メラミンなどの初期縮合物であり、常法に従って製造することができる。
【0061】
次に、界面重合法の場合、壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、ポリアミド等を利用することができる。界面重合法では疎水性モノマーを疎水性分散媒に添加し、疎水性分散液を水中に乳化分散した後に親水性モノマーを添加して油滴表面で重合を起こさせる。一般的に疎水性モノマーとしては多価イソシアネートを使用し、親水性モノマーとしては多価アルコール、多価アミンを使用する。
【0062】
ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタンを壁材に利用する場合おいて用いる多価イソシアネート化合物としては、まず分子内に2個以上のイソシアネート基を有する有機化合物を使用する。このような多価イソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート,2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のトリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’ −テトライソシアネート等のテトライソシアネートを利用することができる。また、多価イソシアネート化合物として、例えばヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、2,4 −トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネーとトリメチロールプロパンの付加物等のような多価イソシアネートプレポリマーを利用することもできる。
【0063】
また、多価イソシアネート化合物として、プレポリマー化した化合物も用いることができる。また、上記したものの二種以上を併用することもできる。一方、上記多価イソシアネート化合物に反応性を有する壁膜形成物質としては、多価アルコール類、ヒドロキシポリエステル類、ヒドロキシポリアルキレンエーテル類、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物、多価アミン類等、分子内に活性水素を2個以上有する物質をあげることができる。
【0064】
上記多価アルコール類は、脂肪族、芳香族又は脂環族いずれであってもよく、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,o‘−ビフェノール、p,p’−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等を使用することができる。
【0065】
ヒドロキシポリアルキレンエーテル類としては、上記多価アルコール類とマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルコン酸等のポリカルボン酸とから得られるヒドロキシポリエステル類をあげることができ、ヒドロキシポリアルキレンエーテル類としては、上記多価アルコール類とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサキイドとの縮合生成物であるヒドロキシポリアルキレンエーテル類をあげることができ、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物としては、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等の多価アミンのアミノ基の水素のうちの少なくとも1個以上を前述のアルキレンオキサイドで置換させたものをあげることができる。
【0066】
多価アミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルノメタン、イソフォロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等を使用することができる。また、水も多価イソシアネートに反応性を有する壁膜形成物質として用いることができる。
【0067】
工程としては、疎水性分散媒に電気泳動性粒子、多価イソシアネート化合物、多価アルコール、場合によっては多価アミンを混合して疎水性分散液を調整する。この疎水性分散液を多孔質膜を用い、上記工程において調製した分散安定剤水溶液に乳化分散させる。ここに、電気泳動性粒子の使用量は、上記疎水性分散液100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部の範囲である。多価イソシアネート化合物の使用量は、上記疎水性分散液100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量部の範囲である。また、多価アルコールまたは多価アミンの使用量は、上記疎水性分散液100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、5〜20重量部の範囲である。
【0068】
得られた乳化分散液を所定の温度に加熱して、多価イソシアネートと多価アルコールあるいは、および多価アミンを反応させることにより目的のマイクロカプセルを得る。
【0069】
また、ポリアミドを壁材として使用する場合は、上記の多価イソシアネートに換えて多塩基酸ハライドを疎水性モノマーとして使用し、親水性モノマーとして多価アミンを使用すればよい。多塩基酸ハライドとしてはセバコイルクロライド、テレフタロイルクロライドなどを使用することができる。
【0070】
次に、コアセルベーション法の場合は従来からよく知られているゼラチン−アラビアゴムの複合コアセルベーション法を使用することができる。ゼラチンはアラビアゴムの他にアルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、寒天、ポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸共重合体、その他界面活性剤等のアニオンと反応できる。コアセルベートさせた後はホルムアルデヒドで硬化させるのが一般的である。以上のように様々な方法、材料で作製した電気泳動性粒子含有マイクロカプセルを表示材として使用すると、高精細でコントラストの高い表示を行うことができる。
【0071】
本発明においては、前記の電気泳動性粒子含有マイクロカプセルを用いた電解応答性の可逆的表示方法が提供されるが、これらの電気泳動表示媒体の形態としては、例えば、少なくとも一方が透明である一対の基板のうち、少なくとも一方の基板が片面に電極を有しており、該電極面が一方の基板とスペーサーを介して/又は、介さないで対向配置することで形成された空間に本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルを充填した電気泳動性可逆表示媒体。あるいは、少なくとも一方が透明である一対の基板のうち、少なくとも一方の基板が片面に電極を有しており、該電極面が一方の基板とスペーサーを介して/又は、介さないで対向配置することで形成された空間をマトリックス材料によって不連続に分割し、本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルを充填した電気泳動性可逆表示媒体。あるいは、片面に電極を有している透明又は不透明な基板の電極面側に本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルとマトリックス材料からなる塗工層を形成した電気泳動性可逆表示媒体。あるいは、片面に電極を有している透明又は不透明な基板の電極面側に本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルとマトリックス材料からなる塗工層を形成し、該塗工層上にオーバーコート層を設けた電気泳動性可逆表示媒体などがあげられる。尚、本発明における基板とは、電極面を有するものと有しないものの両方を示している。
【0072】
図1は、スペーサーを介した一対の電極基板によって形成された空間に、マトリックス材料を用いて、本発明の電気泳動性粒子内包マイクロカプセルを可逆的表示記録層として充填し、電気泳動表示媒体を作製したものである。可逆的表示記録層は、本発明の電気泳動性粒子含有マイクロカプセルとマトリックス材料を溶解、分散、懸濁又は乳化し塗工液として調整し、得られる塗工液をワイヤーバーコート、ロールコート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又はグラビアコートなどの方法により電極板上に塗工・乾燥して得られる。この場合、電極板とはガラス板やプラスチックフィルム上にITOなどの導電性膜を形成してなる電極、アルミニウム、銅、金などの導電性金属膜を形成してなる電極などを挙げることができる。
【0073】
マトリックス材としては、前記マイクロカプセルの壁材と同様な材料又は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、アクリル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ジエン樹脂、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、アラミド、ポリイミド、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−キシレン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリヒダントイン、ポリパラバン酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリキノキサリン、前記した熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線硬化樹脂、あるいはそれらの混合物から選択された一種類以上の材料を用いることができる。
【0074】
オーバーコート層を形成する材料としては、前記のマトリックス材料を形成する材料を用いることができる。オーバーコート層は、これらの前記の材料を溶解、分散、懸濁又は乳化する媒体、硬化剤、触媒及び/又は助触媒を加えた保護層材料組成物を、表示層上にワイヤーバーコート、ロールコート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、又はグラビアコートなどの塗布方法、又はスパッタリング及び化学的気相法などにより形成する。オーバーコート層の厚さは、記録層を保護する機能を有する範囲内で可能な限り薄いほうが望ましく、約0.1〜100μm、より好ましくは0.3〜30μmである。
【0075】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。なお、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
【0076】
(実施例1)
分散相1:パラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、油溶性染料のオイルブルー1重量部を溶解して着色した疎水性分散媒を用意した。この疎水性分散媒に電気泳動性粒子として二酸化チタン(デュポン社製、Ti−PURE R104)5重量部、分散剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1部を加え超音波分散機を用いて10分間分散させて、疎水性分散相溶液を作製した。電気伝導度は5pS/cmであった。
連続相1:イオン交換水1500重量部に分散安定剤として重量平均分子量が7万のスチレン−無水マレイン酸の部分中和樹脂20重量部を溶解した水溶液を調整した。
【0077】
上記分散相1、連続相1を用い、本発明で使用の多孔質膜(エス・パー・ジーテクノ(株)社製SPG膜、細孔9.5μm)を用い、マイクロカプセル製造を試みた。その結果、粒径分布30〜40μmの電気泳動性粒子内包マイクロカプセル分散液を得た。この分散液1000重量部に対して、37%ホルマリン90重量部、メラミン30重量部、イオン交換水240重量部からなる混合液を配合し、弱い撹拌下、苛性ソーダ水溶液を用いてpH9.0に調整し、60℃で20分間反応させて、メラミン/ホルムアルデヒド縮合物でカプセル壁の補強をし、粒径分布30〜40μmの電気泳動性粒子内包マイクロカプセル1を得た。
【0078】
ついで、10重量%ポリビニルアルコール水溶液80gに、得られた電気泳動性粒子内包マイクロカプセル−1を20g加え分散塗工液を調整した。この塗工液をギャップ100μmのアプリケーターを用い、ITO膜付きガラス板上(ITO膜上)に塗布、乾燥して電気泳動性粒子内包マイクロカプセル塗膜を形成し、さらにその上にITO膜付きガラス板上(ITO膜がマイクロカプセル塗膜側)を乗せることで、電気泳動表示媒体を作成した。この様にして作成した電気泳動表示媒体を直流電源に接続し、10Hzの矩形周波数で電界方向を切り替えて、±100Vの電圧を印加させることで、二酸化チタン粒子が上部電極に電気泳動した場合は白(この時、上部電極の電界が正)、二酸化チタン粒子が下部電極に電気泳動した場合は青(この時、下部電極の電界が正)の表示が可能であった。
【0079】
得られた電気泳動表示媒体の表示性能を調べるために、大塚電子製PhotalMCPD−1000を用いて、それぞれ白表示、青表示の時の反射光強度を、可視光領域にて45°照射−0°受光で測定し、両表示色の反射率の比を、コントラストとして求めた結果、コントラストは1(青):6.0(白)であった。ちなみに、新聞に印刷された青ベタ印刷部分と新聞紙の白地部分のコントラストは1(青):7.4(白)であり、当該電気泳動表示媒体の表示コントラストが高いことが証明された。
【0080】
(実施例2)
分散相2:パラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、電気泳動性粒子として二酸化チタン(デュポン社製、Ti−PURE R101)5重量部、チタンブラック(赤穂化成製黒色チタン)5重量部、分散剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1部加え、超音波分散機を用いて10分間分散させて、疎水性分散相溶液を作製した。電気伝導度は3pS/cmであった。
連続相2:イオン交換水1500重量部に水溶性高分子として重量平均分子量が7万のエチレン−無水マレイン酸樹脂20重量部を溶解した水溶液を調整した。ついで、上記分散相2、連続相2を用い、実施例1同様の操作にて、粒径分布30〜40μmの電気泳動性粒子内包マイクロカプセル2を得、同様の方法で電気泳動表示媒体の作成、該媒体の反射コントラスト評価を行った。本実施例では、二酸化チタン粒子(Ti−PURE R−101)が、負電極側に電気泳動し、チタンブラック粒子が正電極側に電気泳動し、白、黒の表示が可能であった。両表示色の反射率コントラストは1(黒):8.5(白)であった。ちなみに、新聞に印刷された黒ベタ印刷部分と新聞紙の白地部分のコントラストは1(黒):10.1(白)であり、当該電気泳動表示媒体の表示コントラストが高いことが証明された。
【0081】
(比較例1)
パラフィン系炭化水素アイソパー(エクソン株式会社製)150重量部に対して、油溶性染料のオイルブルー1重量部を溶解して着色した疎水性分散媒を用意した。この疎水性分散媒に電気泳動性粒子として二酸化チタン(デュポン社製、Ti−PURE R104)5重量部、分散剤としてOLOA4382(シェブロン社製)0.1部を加え超音波分散機を用いて5分間分散させて、疎水性分散溶液を作製した。一方、イオン交換水1500重量部に水溶性高分子として重量平均分子量が7万のスチレン−無水マレイン酸の部分中和樹脂20重量部を溶解した水溶液を準備した。次に、この水溶液に先に用意した疎水性分散液を添加し、スクリュー製羽根が付いた攪拌装置を用いて400rpmで5分間乳化分散した。別に、37%ホルマリン150重量部、メラミン50重量部、イオン交換水400重量部からなる混合液を撹拌下、苛性ソーダ水溶液を用いてpH9.0に調整し、60℃で20分間反応させて透明なメラミン/ホルムアルデヒド縮合物を得た。この反応液を反応釜に入れておいた先の乳化分散液に添加して50℃で3時間in−situ法で反応させた。得られた電気泳動性粒子内包マイクロカプセルの粒径分布は5〜120μmであった。このマイクロカプセルをそのまま使用し、実施例1と同様の方法で電気泳動表示媒体を作成し、それぞれ白表示、青表示の時の反射光強度をコントラストとして求めた結果、コントラストは1(青):2.7(白)であった。
【0082】
(比較例2)
比較例1で得られたマイクロカプセルを、篩い式分級装置にて、粒径分布が70〜80μmとなるよう分級し、それを用いて同様の方法で電気泳動表示媒体を作成し、それぞれ白表示、青表示の時の反射光強度をコントラストとして求めた結果、コントラストは1(青):5.7(白)であった。比較例1より良好な結果が得られたが、粒径が70μm以下および80μm以上のマイクロカプセルを完全に分離することが難しく、実施例1と同等のコントラストを得ることは出来なかった。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロカプセルの粒子径を均一に作製することが可能となるとともに、内包する電気泳動性粒子の含有率を均一にすることが可能となるため、当該カプセルを用いた電気泳動表示装置において高コントラストな表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルを用いた電気泳動表示媒体の模式図を表す。
【符号の説明】
25.基板、26.電極、27.透明電極、28.マイクロカプセル充填層(マトリックス層)、29.電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセル、30.スペーサー

Claims (9)

  1. 分散安定剤と親水性媒体とを含む連続相へ、分散状態の電気泳動性粒子と疎水性分散媒とを含む分散相を、多孔質膜を透過して吐出させ、乳化状態にした後、分散相と連続相との間にマイクロカプセル壁を形成させる事を特徴とする、電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
  2. 多孔質膜が、1〜50μmの実質的に均質な細孔をもつ請求項1記載の電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
  3. 分散安定剤が、カルボキシル基、酸無水基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、および不飽和二重結合から選ばれる一つ以上の反応性官能基を含有し、かつ分散安定剤の重量平均分子量が1000〜2000000である請求項1または2記載の電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
  4. マイクロカプセルの粒径が、1〜200μmである請求項1〜3いずれか記載の電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
  5. 分散相が、1種類以上の分散剤を含有する請求項1〜4いずれか記載の電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
  6. 分散相の電導度が、0〜20pS/cmの範囲である請求項1〜5いずれか記載の電気泳動粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
  7. 電気泳動性粒子が、色調および電気泳動性の互いに異なる少なくとも2種類以上の着色粒子を含んでなる請求項1〜6いずれか記載の電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルの製造方法により、製造されてなる電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセル。
  9. 請求項8記載の電気泳動性粒子分散液内包マイクロカプセルを、少なくとも一方が透明な2枚の対向する電極に挟んでなる可逆表示媒体。
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