JP2004260293A - トラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク全体に係る動的変化に追随して、最適なマルチキャストトラヒック集約契機を判定し、当該複数ユニキャストトラヒックを集約することが可能な、トラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラムを提供すること。
【解決手段】NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも一つ以上の情報に基づき即集約可能か否かの判定を行い、即集約が不可能な場合には、さらに、所定時間が経過すれば集約可能か否かの判定を行い、前記所定時間が経過するまではそれまでの転送を継続し、所定時間が経過した後に、新たなマルチキャストアドレスによるトラヒック集約を行う。これにより、中継NW上のトラヒック量の削減が可能になるという効果が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも一つ以上の情報に基づき即集約可能か否かの判定を行い、即集約が不可能な場合には、さらに、所定時間が経過すれば集約可能か否かの判定を行い、前記所定時間が経過するまではそれまでの転送を継続し、所定時間が経過した後に、新たなマルチキャストアドレスによるトラヒック集約を行う。これにより、中継NW上のトラヒック量の削減が可能になるという効果が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテンツ配信サービス等において、NW(ネットワーク)情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報を基準に、同一トラヒックの複数のユニキャストトラヒックを集約する動的転送変更システムに関し、特に、トラヒック集約システムが、システム内部およびネットワーク上の複数ユーザ端末を監視・情報収集/更新を行い、同一のトラヒックについて、ある関係にある複数のマルチキャストトラヒックを集約することで、中継ネットワークの帯域使用量の低下を実現するトラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、複数のユーザ端末に対して、トラヒック転送システムがオンデマンドにユニキャストトラヒックを転送する方式(いわゆる、VOD:Video onDemand)が一般的であった。従来のVODサービスにおけるトラヒック転送方式では、ユーザ端末からのオンデマンドによるトラヒック転送要求に対して、ユニキャストで転送を行うために、ネットワーク上ではユーザ数に比例した帯域が必要であり、トラヒック転送量が増大する問題点がある。
【0003】
これに対して、近年、IT技術の進歩により、中継ネットワークの帯域使用量を抑えながらも、多くのユーザ端末に対して一斉に同報転送を行うIPマルチキャスト転送技術が確立されつつあり(例えば、非特許文献1参照)、これを用いるユニキャスト/マルチキャスト切替方法も提案されている。
【0004】
例えば、一つの方法としては、長いコンテンツが存在した場合に、それをある一定の長さのブロックに分割して、分割したブロックそれぞれに特定のマルチキャストアドレスを振って、ユーザは、その各ブロックを順番に取って行くという方法がある(非特許文献2参照)。
【0005】
【非特許文献1】
IETF:RFC1458,1584,1949,2217
【非特許文献2】
IEICE Transaction VOL.E84−B NO1 JANUARY 2001
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、ブロックサイズが固定されているので、受信環境に応じた柔軟なマルチキャスト集約変換ができないという問題があった。すなわち、上述のようなコンテンツをブロック化する方法において、マルチキャスト集約対象となるトラヒックは、各ブロックの転送周期単位内に発生したユニキャストトラヒックであり、その転送周期間隔が長い場合は、マルチキャスト集約における帯域削減効果が発生するまでに多くの時間を費やすために帯域削減効果が小さい。また、転送周期間隔が短い場合には、多数のマルチキャストIPアドレスを用いることから、ノードおよび各種管理系サーバで管理するマルチキャストIPアドレス,マルチキャストトポロジーの管理負担が増大する。以上の理由から、適切な転送周期間隔の設定が難しいという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の技術における上述のような問題を解消し、中継ネットワーク上のトラヒック量の削減を柔軟に行うため、NW情報と、ユーザ情報,トラヒック転送情報を用いて、同一種類のトラヒックからなる複数のユニキャストトラヒックを集約することが可能な、トラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報等、ネットワーク全体に係る動的変化に追随して、最適なマルチキャストトラヒック集約契機を判定し、当該複数ユニキャストトラヒックを集約することが可能な、トラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るトラヒック集約システムは、トラヒックを要求・受信する複数のユーザ端末と、トラヒック転送管理・トラヒック集約管理を行う集約システムを、ネットワークを介して接続するとともに、ユーザ端末は、再生状態の管理および再生状態の通知を行う再生状態管理機能と、受信状態の管理および受信状態の通知を行う受信状態管理機能から構成し、集約システムは、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報のデータベースと、トラヒックの転送制御を行うトラヒック転送機能と、転送管理やデータベース管理・更新を行う転送管理機能と、データベースの各情報に基づいて複数のユニキャストトラヒックのマルチキャスト集約判定を行う判定機能,時間管理を行うタイマ機能から構成し、同一種類の複数マルチキャストトラヒックの未転送共通部分を集約して転送制御を行うことを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明に係るトラヒック集約システムの再生状態管理機能は、要求に基づきトラヒック再生情報を通知することを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック主役システムの受信状態管理機能は、要求に基づきトラヒック受信情報を通知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの判定機能は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも1つ以上の情報に基づき演算を行うプログラムを有し、同一トラヒックの転送状態が異なる複数のユニキャストトラヒックを調整することにより、NW内のリソース削減が可能と判断した場合には、転送変更要求を通知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送変更要求は、各トラヒックの未転送共通部分を1つのマルチキャストトラヒックにて転送することを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送変更要求は、未転送でありかつ非共通な部分のトラヒックを、未転送共通部分マルチキャストトラヒックとは独立して転送することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送変更要求は、当該トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックである場合に、各トラヒックの転送速度をユーザ端末にて連続再生が可能な速度とすることを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック集約システムの判定機能は、当該トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックでありかつある時間の経過後にリソース削減が可能と判断した場合には、転送変更要求を通知することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの判定機能は、予め定められた時間、もしくは外部機能からの判定要求に対して、演算・トラヒック集約判定を行うことを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送管理機能は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報を管理するプログラムを有し、予め定められた時間、もしくは外部機能からの更新要求に対して、各情報を更新することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送管理機能は、転送変更要求に基づいて、当該ユーザ端末への転送状態変更通知、およびトラヒック転送機能に対して転送変更要求を行うことを特徴とする。
【0016】
一方、本発明に係るトラヒック集約方法は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも一つ以上の情報に基づき即集約可能か否かの判定を行い、即集約が不可能な場合には、さらに、所定時間が経過すれば集約可能か否かの判定を行い、前記所定時間が経過するまではそれまでのユニキャストアドレスによる転送を継続し、所定時間が経過した後に、マルチキャストアドレスを用いてトラヒック集約を行うことを特徴とする。
【0017】
なお、本発明に係るトラヒック集約システムを実現するための各機能ないしはトラヒック集約方法は、これをコンピュータによるプログラム制御により実現することが可能であり、本発明はこのためのプログラム、並びにこのプログラムを記録した、コンピュータにより読取り可能な記録媒体にも及ぶものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す好適実施例に基づいて、詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るトラヒック集約システムが適用されるネットワーク構成、およびユーザ端末と集約システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るネットワークは、ネットワーク3により、互いに接続された複数のユーザ端末1,2と集約システム4から構成される。ユーザ端末1,2と集約システム4は、ネットワーク3を介してデータを送受信するものである。
【0020】
ユーザ端末1,2は、トラヒック再生状態の管理および再生状態の通知を行う再生状態管理機能12と、受信状態の管理および受信状態の通知を行う受信状態管理機能13とを備え、集約システム4は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の各データベース44,45,46と、トラヒック転送制御を行うトラヒック転送機能40と、転送管理やデータベース管理・更新を行う転送管理機能41と、データベースの各情報に基づいてマルチキャスト集約判定を行う判定機能42,時間管理を行うタイマ機能43を備える。
【0021】
以下、本実施形態にかかるトラヒック集約システムの動作手順を説明する。
【0022】
集約システム4の転送管理機能41は、タイマ機能43からの情報収集要求通知の受信毎もしくは外部要求契機毎(特に集約時の情報更新要求契機毎)に、NW情報(NWトポロジー,経路制御等)、ユーザ情報(端末IPアドレス,ユーザID,インタフェース速度,受信速度,受信量等)、転送トラヒック情報(マルチキャストIPアドレス,転送経過時間,転送速度,転送トラヒックの種類等)の中で、必要な情報を取得し、取得した情報は、各データベース44,45,46に格納・情報更新を行う。
【0023】
トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックの場合は、上述の情報に加えて、ユーザ情報(再生速度,コンテンツの再生/未再生時間等)を追加する。なお、ユーザ端末1,2の受信情報(端末IPアドレス,受信速度,受信量等)やリアルタイム再生トラヒックに係る再生情報(端末IPアドレス,再生速度,再生/未再生時間等)の転送管理機能41への通知方法は、
1)定期的に再生状態管理機能12,受信状態管理機能13から通知
2)転送管理機能41からの情報通知要求に対して、再生状態管理機能12,受信状態管理機能13から再生情報や受信情報を通知
の、主に2通りのケースが考えられる。
【0024】
上述のような環境の下で、集約システム4の判定機能42は、タイマ機能43や外部機能から判定要求通知を受信する毎に、各データベース44,45,46から情報を取得し、図2,図3に示すアルゴリズム(詳細については後述)を用いて、対象ユニキャスト転送トラヒックのマルチキャスト集約可否判断を行う。
【0025】
トラヒック集約が不可能な場合は、当該トラヒックの転送状態を維持する。トラヒック集約が可能な場合には、判定機能42が転送管理機能41に対して転送変更要求通知を行う。転送管理機能41は、転送変更要求通知の内容に基づいて、当該ユーザ端末の転送変更の手続きを行う。
【0026】
以下、この手続きの具体的な動作手順を説明する。
既存のトラヒック受信に加え集約トラヒックを受信するためのマルチキャストIPアドレスが転送管理機能41から当該ユーザ端末1,2に通知される。当該ユーザ端末1,2においては、通知されたマルチキャストIPアドレスを用いてIGMP−Joinメッセージをネットワーク3に対して発信する。ユーザ端末によるIGMP−Joinメッセージの発信からマルチキャスト集約トラヒックを受信するまでの過程としては、以下に述べる3通りの手順が考えられる。
【0027】
a)該当ユーザ端末がネットワーク3に対してIGMP−Joinメッセージを発信後に、該当ユーザ端末が転送管理機能41に対して、IGMP−Joinメッセージ発信通知を行う。転送管理機能41は、該当全ユーザ端末からのIGMP−Joinメッセージ発信通知情報を確認した後に、トラヒック転送機能40に対して転送変更要求通知を送信する。その後、トラヒック転送機能40は、転送管理機能41から通知された転送変更要求通知の内容に基づいて、トラヒック転送状態を、以下のトラヒック集約アルゴリズム内で説明する状態に変更する。
【0028】
b)転送管理機能41は、トラヒック転送機能40に対して転送変更要求通知の送付を一定時間待機し、その間に該当ユーザ端末はネットワーク3に対しIGMP−Joinメッセージを発信する。一定時間経過後に、転送管理機能41はトラヒック転送機能40に対して転送変更要求を通知する。その後、トラヒック転送機能40は、転送管理機能41から通知された転送変更要求通知の内容に基づいて、トラヒック転送状態を、以下のトラヒック集約アルゴリズム内で説明する状態に変更する。
【0029】
c)当該ユーザ端末がネットワーク3に対してIGMP−Joinメッセージを発信後に受信する集約マルチキャストトラヒックの受信開始位置を特定し、特定位置を転送管理機能41に通知する。集約トラヒックの受信開始位置までの未受信トラヒックは、集約前の既存転送トラヒックを継続受信し、未受信全トラヒックを転送終了後にトラヒック転送機能40は既存トラヒック転送を終了する。
【0030】
その後、転送管理機能41は、各データベース44,45,46のNW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の更新を行う。
【0031】
図2,図3,図4は、判定機能42における、トラヒック集約判定アルゴリズムを示す。
以下に、マルチキャストトラヒック集約が可能な場合に、各アルゴリズムを用いて、対象ユーザ端末への各ユニキャストトラヒック転送状態を集約する一連の作業を、上に説明した手順に沿って、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
まず、図2,図3,図4に示すアルゴリズムについて説明する。
所定の時間、もしくは外部機能(タイマ機能43等)による情報収集要求通知毎に、NW状況,トラヒック転送状況,ユーザ状況をチェックする(ステップ00)。
【0033】
図2(a)は、ある時間T=α1以前における各ユニキャストトラヒックの転送状態(=各ユーザ端末のトラヒック受信状態)を示す。本アルゴリズムでは、各ユニキャストトラヒックを集約するため、各トラヒックの未転送共通部分と未転送非共通部分を判断する(図2(b)参照)。
【0034】
この詳細は、図5のステップ01〜06に示される通りである。すなわち、T=α1時において、即、トラヒック集約が可能な複数のユニキャストトラヒックが存在するか否かを調べて(図5、ステップ01)、存在すれば、集約後に転送するマルチキャストトラヒックの転送パラメータ(転送速度,マルチキャストIPアドレス等)を決定し(図5、ステップ04)、システムから通知されたマルチキャストIPアドレスを用いてユーザ端末はIGMP−Joinをネットワークに対して発信を行う(図5、ステップ05)過程を経て、T=α1以後は、図2(c)に示すように、未転送共通部分を1つのマルチキャストトラヒックにて転送を行い、未転送非共通部分は既存のトラヒック転送を継続する(図5、ステップ06)。
【0035】
その後、NW状態,トラヒック転送状態,ユーザ状態の各状態の情報更新を行う(図5、ステップ07)。
なお、図5のステップ01におけるチェックでN、すなわち、即、集約可能な複数のユニキャストトラヒックが存在しない場合は、さらに、ある時間が経過すれば、集約可能な複数のユニキャストトラヒックが存在するか否かを調べて(図5、ステップ02)、存在すれば、その時間までの各ユニキャストトラヒックの転送状態は継続する(図5、ステップ03)と共に、集約後のマルチキャスト転送パラメータ(転送速度,マルチキャストIPアドレス等)を決定する(図5、ステップ04)。
【0036】
一方、ある時間が経過しても、集約可能な複数のユニキャストトラヒックが存在しない場合は、次のマルチキャストトラヒック集約判定時のチェックに移る(図5、ステップ00)。
【0037】
図3は、アルゴリズムについて、リアルタイム再生トラヒックの集約を行う場合の補足説明図(1)である。
この場合は、各ユニキャストトラヒックを受信している各ユーザ端末のトラヒックの再生/未再生情報を考慮した上で、各トラヒックの集約を実行しても、ユーザ端末側の連続再生が可能と判断した場合には、図3(b)に示す通り、T=α1時において、各トラヒックの未転送共通部分と、未転送非共通部分を判断する。そして、図3(c)に示す通り、未転送共通部分を1つのマルチキャストトラヒックにて転送を行い、未転送非共通部分は既存のトラヒック転送を継続する。
【0038】
図4は、アルゴリズムについて、リアルタイム再生トラヒックの集約を行う場合の補足説明図(2)である。
図4(a)は、T=β1以前における各ユニキャストトラヒックを受信している各ユーザ端末の再生状態/未再生状態を示す。
【0039】
この状態においては、受信量の少ないトラヒックBの未再生余剰時間が少ないため、トラヒック集約後の連続再生が行えず、この時点では図3で説明したアルゴリズムは直接は適用できない。このため、図4(b)に示すように、トラヒック集約を可能にする時間T=β2を算出し、その差分時間T=β2−β1内においては、各ユーザ端末に対して既存のトラヒック転送を継続する。
【0040】
そして、T=β2時には、図4(c)に示すように、既に述べたアルゴリズムを用いて各ユーザ端末への各トラヒック転送状態を、トラヒック集約後の転送状態に切り替える。
【0041】
上記実施形態によれば、各ユーザ端末が取得したトラヒックの受信量,再生/未再生情報等、ネットワーク全体に係る動的変化に追随して、最適なトラヒック集約契機を判定し、当該各ユニキャストトラヒック転送を集約することが可能なトラヒック集約システムを実現することができる。
【0042】
なお、上記実施形態は本発明の一例を示したものであり、本発明はこれに限定されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、適宜の変更,改良を行ってよいことはいうまでもない。
【0043】
すなわち、本発明は、トラヒック集約方法としても有効なものであり、上述のトラヒック集約システムを実現するための各機能ないしトラヒック集約方法は、これをコンピュータによるプログラム制御により実現することが可能であり、本発明はこのためのプログラム、並びにこのプログラムを記録した、コンピュータにより読取り可能な記録媒体にも及ぶことは、前述の通りである。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、まず第1に、ネットワークの使用帯域を削減することができるという効果が得られる。
その理由は、集約システムが、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報を集中的に集め、その情報に基づいて、同一トラヒックの転送状態が異なる複数のユニキャストトラヒックの集約可否を判定し、適切にネットワークのトラヒック転送量を削減することが可能であるためである。
【0045】
また、第2に、本発明によれば、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報等のネットワークに係る動的変化に対して、適切なトラヒック集約契機を決定し、転送方式を、転送状態が異なる複数のユニキャストトラヒック転送から集約後のマルチキャストトラヒック転送に変換することが可能となるという効果が得られる。
その理由は、予め定められた時間、もしくは外部機能からの判定要求に対して、各種情報を収集して、適切なトラヒック集約変換可否の判断を行うようにしたためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるネットワークの構成、およびユーザ端末と集約システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る、集約システムから制御する、複数ユニキャストトラヒックの集約アルゴリズムを示す説明図(その1)である。
【図3】実施形態に係る、集約システムから制御する、複数ユニチキャストトラヒックの集約アルゴリズムを示す説明図(その2)である。
【図4】実施形態に係る、集約システムから制御する、複数ユニキャストトラヒックの集約アルゴリズムを示す説明図(その3)である。
【図5】図2,図3,図4に示したアルゴリズムの流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,2 ユーザ端末
12 再生状態管理機能
13 受信状態管理機能
3 ネットワーク
4 集約システム
40 トラヒック転送機能
41 転送管理機能
42 判定機能
43 タイマ機能
44 データベース(NW情報)
45 データベース(ユーザ情報)
46 データベース(トラヒック転送情報)
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテンツ配信サービス等において、NW(ネットワーク)情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報を基準に、同一トラヒックの複数のユニキャストトラヒックを集約する動的転送変更システムに関し、特に、トラヒック集約システムが、システム内部およびネットワーク上の複数ユーザ端末を監視・情報収集/更新を行い、同一のトラヒックについて、ある関係にある複数のマルチキャストトラヒックを集約することで、中継ネットワークの帯域使用量の低下を実現するトラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、複数のユーザ端末に対して、トラヒック転送システムがオンデマンドにユニキャストトラヒックを転送する方式(いわゆる、VOD:Video onDemand)が一般的であった。従来のVODサービスにおけるトラヒック転送方式では、ユーザ端末からのオンデマンドによるトラヒック転送要求に対して、ユニキャストで転送を行うために、ネットワーク上ではユーザ数に比例した帯域が必要であり、トラヒック転送量が増大する問題点がある。
【0003】
これに対して、近年、IT技術の進歩により、中継ネットワークの帯域使用量を抑えながらも、多くのユーザ端末に対して一斉に同報転送を行うIPマルチキャスト転送技術が確立されつつあり(例えば、非特許文献1参照)、これを用いるユニキャスト/マルチキャスト切替方法も提案されている。
【0004】
例えば、一つの方法としては、長いコンテンツが存在した場合に、それをある一定の長さのブロックに分割して、分割したブロックそれぞれに特定のマルチキャストアドレスを振って、ユーザは、その各ブロックを順番に取って行くという方法がある(非特許文献2参照)。
【0005】
【非特許文献1】
IETF:RFC1458,1584,1949,2217
【非特許文献2】
IEICE Transaction VOL.E84−B NO1 JANUARY 2001
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、ブロックサイズが固定されているので、受信環境に応じた柔軟なマルチキャスト集約変換ができないという問題があった。すなわち、上述のようなコンテンツをブロック化する方法において、マルチキャスト集約対象となるトラヒックは、各ブロックの転送周期単位内に発生したユニキャストトラヒックであり、その転送周期間隔が長い場合は、マルチキャスト集約における帯域削減効果が発生するまでに多くの時間を費やすために帯域削減効果が小さい。また、転送周期間隔が短い場合には、多数のマルチキャストIPアドレスを用いることから、ノードおよび各種管理系サーバで管理するマルチキャストIPアドレス,マルチキャストトポロジーの管理負担が増大する。以上の理由から、適切な転送周期間隔の設定が難しいという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の技術における上述のような問題を解消し、中継ネットワーク上のトラヒック量の削減を柔軟に行うため、NW情報と、ユーザ情報,トラヒック転送情報を用いて、同一種類のトラヒックからなる複数のユニキャストトラヒックを集約することが可能な、トラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報等、ネットワーク全体に係る動的変化に追随して、最適なマルチキャストトラヒック集約契機を判定し、当該複数ユニキャストトラヒックを集約することが可能な、トラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るトラヒック集約システムは、トラヒックを要求・受信する複数のユーザ端末と、トラヒック転送管理・トラヒック集約管理を行う集約システムを、ネットワークを介して接続するとともに、ユーザ端末は、再生状態の管理および再生状態の通知を行う再生状態管理機能と、受信状態の管理および受信状態の通知を行う受信状態管理機能から構成し、集約システムは、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報のデータベースと、トラヒックの転送制御を行うトラヒック転送機能と、転送管理やデータベース管理・更新を行う転送管理機能と、データベースの各情報に基づいて複数のユニキャストトラヒックのマルチキャスト集約判定を行う判定機能,時間管理を行うタイマ機能から構成し、同一種類の複数マルチキャストトラヒックの未転送共通部分を集約して転送制御を行うことを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明に係るトラヒック集約システムの再生状態管理機能は、要求に基づきトラヒック再生情報を通知することを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック主役システムの受信状態管理機能は、要求に基づきトラヒック受信情報を通知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの判定機能は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも1つ以上の情報に基づき演算を行うプログラムを有し、同一トラヒックの転送状態が異なる複数のユニキャストトラヒックを調整することにより、NW内のリソース削減が可能と判断した場合には、転送変更要求を通知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送変更要求は、各トラヒックの未転送共通部分を1つのマルチキャストトラヒックにて転送することを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送変更要求は、未転送でありかつ非共通な部分のトラヒックを、未転送共通部分マルチキャストトラヒックとは独立して転送することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送変更要求は、当該トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックである場合に、各トラヒックの転送速度をユーザ端末にて連続再生が可能な速度とすることを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック集約システムの判定機能は、当該トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックでありかつある時間の経過後にリソース削減が可能と判断した場合には、転送変更要求を通知することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの判定機能は、予め定められた時間、もしくは外部機能からの判定要求に対して、演算・トラヒック集約判定を行うことを特徴とする。
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送管理機能は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報を管理するプログラムを有し、予め定められた時間、もしくは外部機能からの更新要求に対して、各情報を更新することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るトラヒック集約システムの転送管理機能は、転送変更要求に基づいて、当該ユーザ端末への転送状態変更通知、およびトラヒック転送機能に対して転送変更要求を行うことを特徴とする。
【0016】
一方、本発明に係るトラヒック集約方法は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも一つ以上の情報に基づき即集約可能か否かの判定を行い、即集約が不可能な場合には、さらに、所定時間が経過すれば集約可能か否かの判定を行い、前記所定時間が経過するまではそれまでのユニキャストアドレスによる転送を継続し、所定時間が経過した後に、マルチキャストアドレスを用いてトラヒック集約を行うことを特徴とする。
【0017】
なお、本発明に係るトラヒック集約システムを実現するための各機能ないしはトラヒック集約方法は、これをコンピュータによるプログラム制御により実現することが可能であり、本発明はこのためのプログラム、並びにこのプログラムを記録した、コンピュータにより読取り可能な記録媒体にも及ぶものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す好適実施例に基づいて、詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るトラヒック集約システムが適用されるネットワーク構成、およびユーザ端末と集約システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るネットワークは、ネットワーク3により、互いに接続された複数のユーザ端末1,2と集約システム4から構成される。ユーザ端末1,2と集約システム4は、ネットワーク3を介してデータを送受信するものである。
【0020】
ユーザ端末1,2は、トラヒック再生状態の管理および再生状態の通知を行う再生状態管理機能12と、受信状態の管理および受信状態の通知を行う受信状態管理機能13とを備え、集約システム4は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の各データベース44,45,46と、トラヒック転送制御を行うトラヒック転送機能40と、転送管理やデータベース管理・更新を行う転送管理機能41と、データベースの各情報に基づいてマルチキャスト集約判定を行う判定機能42,時間管理を行うタイマ機能43を備える。
【0021】
以下、本実施形態にかかるトラヒック集約システムの動作手順を説明する。
【0022】
集約システム4の転送管理機能41は、タイマ機能43からの情報収集要求通知の受信毎もしくは外部要求契機毎(特に集約時の情報更新要求契機毎)に、NW情報(NWトポロジー,経路制御等)、ユーザ情報(端末IPアドレス,ユーザID,インタフェース速度,受信速度,受信量等)、転送トラヒック情報(マルチキャストIPアドレス,転送経過時間,転送速度,転送トラヒックの種類等)の中で、必要な情報を取得し、取得した情報は、各データベース44,45,46に格納・情報更新を行う。
【0023】
トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックの場合は、上述の情報に加えて、ユーザ情報(再生速度,コンテンツの再生/未再生時間等)を追加する。なお、ユーザ端末1,2の受信情報(端末IPアドレス,受信速度,受信量等)やリアルタイム再生トラヒックに係る再生情報(端末IPアドレス,再生速度,再生/未再生時間等)の転送管理機能41への通知方法は、
1)定期的に再生状態管理機能12,受信状態管理機能13から通知
2)転送管理機能41からの情報通知要求に対して、再生状態管理機能12,受信状態管理機能13から再生情報や受信情報を通知
の、主に2通りのケースが考えられる。
【0024】
上述のような環境の下で、集約システム4の判定機能42は、タイマ機能43や外部機能から判定要求通知を受信する毎に、各データベース44,45,46から情報を取得し、図2,図3に示すアルゴリズム(詳細については後述)を用いて、対象ユニキャスト転送トラヒックのマルチキャスト集約可否判断を行う。
【0025】
トラヒック集約が不可能な場合は、当該トラヒックの転送状態を維持する。トラヒック集約が可能な場合には、判定機能42が転送管理機能41に対して転送変更要求通知を行う。転送管理機能41は、転送変更要求通知の内容に基づいて、当該ユーザ端末の転送変更の手続きを行う。
【0026】
以下、この手続きの具体的な動作手順を説明する。
既存のトラヒック受信に加え集約トラヒックを受信するためのマルチキャストIPアドレスが転送管理機能41から当該ユーザ端末1,2に通知される。当該ユーザ端末1,2においては、通知されたマルチキャストIPアドレスを用いてIGMP−Joinメッセージをネットワーク3に対して発信する。ユーザ端末によるIGMP−Joinメッセージの発信からマルチキャスト集約トラヒックを受信するまでの過程としては、以下に述べる3通りの手順が考えられる。
【0027】
a)該当ユーザ端末がネットワーク3に対してIGMP−Joinメッセージを発信後に、該当ユーザ端末が転送管理機能41に対して、IGMP−Joinメッセージ発信通知を行う。転送管理機能41は、該当全ユーザ端末からのIGMP−Joinメッセージ発信通知情報を確認した後に、トラヒック転送機能40に対して転送変更要求通知を送信する。その後、トラヒック転送機能40は、転送管理機能41から通知された転送変更要求通知の内容に基づいて、トラヒック転送状態を、以下のトラヒック集約アルゴリズム内で説明する状態に変更する。
【0028】
b)転送管理機能41は、トラヒック転送機能40に対して転送変更要求通知の送付を一定時間待機し、その間に該当ユーザ端末はネットワーク3に対しIGMP−Joinメッセージを発信する。一定時間経過後に、転送管理機能41はトラヒック転送機能40に対して転送変更要求を通知する。その後、トラヒック転送機能40は、転送管理機能41から通知された転送変更要求通知の内容に基づいて、トラヒック転送状態を、以下のトラヒック集約アルゴリズム内で説明する状態に変更する。
【0029】
c)当該ユーザ端末がネットワーク3に対してIGMP−Joinメッセージを発信後に受信する集約マルチキャストトラヒックの受信開始位置を特定し、特定位置を転送管理機能41に通知する。集約トラヒックの受信開始位置までの未受信トラヒックは、集約前の既存転送トラヒックを継続受信し、未受信全トラヒックを転送終了後にトラヒック転送機能40は既存トラヒック転送を終了する。
【0030】
その後、転送管理機能41は、各データベース44,45,46のNW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の更新を行う。
【0031】
図2,図3,図4は、判定機能42における、トラヒック集約判定アルゴリズムを示す。
以下に、マルチキャストトラヒック集約が可能な場合に、各アルゴリズムを用いて、対象ユーザ端末への各ユニキャストトラヒック転送状態を集約する一連の作業を、上に説明した手順に沿って、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
まず、図2,図3,図4に示すアルゴリズムについて説明する。
所定の時間、もしくは外部機能(タイマ機能43等)による情報収集要求通知毎に、NW状況,トラヒック転送状況,ユーザ状況をチェックする(ステップ00)。
【0033】
図2(a)は、ある時間T=α1以前における各ユニキャストトラヒックの転送状態(=各ユーザ端末のトラヒック受信状態)を示す。本アルゴリズムでは、各ユニキャストトラヒックを集約するため、各トラヒックの未転送共通部分と未転送非共通部分を判断する(図2(b)参照)。
【0034】
この詳細は、図5のステップ01〜06に示される通りである。すなわち、T=α1時において、即、トラヒック集約が可能な複数のユニキャストトラヒックが存在するか否かを調べて(図5、ステップ01)、存在すれば、集約後に転送するマルチキャストトラヒックの転送パラメータ(転送速度,マルチキャストIPアドレス等)を決定し(図5、ステップ04)、システムから通知されたマルチキャストIPアドレスを用いてユーザ端末はIGMP−Joinをネットワークに対して発信を行う(図5、ステップ05)過程を経て、T=α1以後は、図2(c)に示すように、未転送共通部分を1つのマルチキャストトラヒックにて転送を行い、未転送非共通部分は既存のトラヒック転送を継続する(図5、ステップ06)。
【0035】
その後、NW状態,トラヒック転送状態,ユーザ状態の各状態の情報更新を行う(図5、ステップ07)。
なお、図5のステップ01におけるチェックでN、すなわち、即、集約可能な複数のユニキャストトラヒックが存在しない場合は、さらに、ある時間が経過すれば、集約可能な複数のユニキャストトラヒックが存在するか否かを調べて(図5、ステップ02)、存在すれば、その時間までの各ユニキャストトラヒックの転送状態は継続する(図5、ステップ03)と共に、集約後のマルチキャスト転送パラメータ(転送速度,マルチキャストIPアドレス等)を決定する(図5、ステップ04)。
【0036】
一方、ある時間が経過しても、集約可能な複数のユニキャストトラヒックが存在しない場合は、次のマルチキャストトラヒック集約判定時のチェックに移る(図5、ステップ00)。
【0037】
図3は、アルゴリズムについて、リアルタイム再生トラヒックの集約を行う場合の補足説明図(1)である。
この場合は、各ユニキャストトラヒックを受信している各ユーザ端末のトラヒックの再生/未再生情報を考慮した上で、各トラヒックの集約を実行しても、ユーザ端末側の連続再生が可能と判断した場合には、図3(b)に示す通り、T=α1時において、各トラヒックの未転送共通部分と、未転送非共通部分を判断する。そして、図3(c)に示す通り、未転送共通部分を1つのマルチキャストトラヒックにて転送を行い、未転送非共通部分は既存のトラヒック転送を継続する。
【0038】
図4は、アルゴリズムについて、リアルタイム再生トラヒックの集約を行う場合の補足説明図(2)である。
図4(a)は、T=β1以前における各ユニキャストトラヒックを受信している各ユーザ端末の再生状態/未再生状態を示す。
【0039】
この状態においては、受信量の少ないトラヒックBの未再生余剰時間が少ないため、トラヒック集約後の連続再生が行えず、この時点では図3で説明したアルゴリズムは直接は適用できない。このため、図4(b)に示すように、トラヒック集約を可能にする時間T=β2を算出し、その差分時間T=β2−β1内においては、各ユーザ端末に対して既存のトラヒック転送を継続する。
【0040】
そして、T=β2時には、図4(c)に示すように、既に述べたアルゴリズムを用いて各ユーザ端末への各トラヒック転送状態を、トラヒック集約後の転送状態に切り替える。
【0041】
上記実施形態によれば、各ユーザ端末が取得したトラヒックの受信量,再生/未再生情報等、ネットワーク全体に係る動的変化に追随して、最適なトラヒック集約契機を判定し、当該各ユニキャストトラヒック転送を集約することが可能なトラヒック集約システムを実現することができる。
【0042】
なお、上記実施形態は本発明の一例を示したものであり、本発明はこれに限定されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、適宜の変更,改良を行ってよいことはいうまでもない。
【0043】
すなわち、本発明は、トラヒック集約方法としても有効なものであり、上述のトラヒック集約システムを実現するための各機能ないしトラヒック集約方法は、これをコンピュータによるプログラム制御により実現することが可能であり、本発明はこのためのプログラム、並びにこのプログラムを記録した、コンピュータにより読取り可能な記録媒体にも及ぶことは、前述の通りである。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、まず第1に、ネットワークの使用帯域を削減することができるという効果が得られる。
その理由は、集約システムが、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報を集中的に集め、その情報に基づいて、同一トラヒックの転送状態が異なる複数のユニキャストトラヒックの集約可否を判定し、適切にネットワークのトラヒック転送量を削減することが可能であるためである。
【0045】
また、第2に、本発明によれば、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報等のネットワークに係る動的変化に対して、適切なトラヒック集約契機を決定し、転送方式を、転送状態が異なる複数のユニキャストトラヒック転送から集約後のマルチキャストトラヒック転送に変換することが可能となるという効果が得られる。
その理由は、予め定められた時間、もしくは外部機能からの判定要求に対して、各種情報を収集して、適切なトラヒック集約変換可否の判断を行うようにしたためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるネットワークの構成、およびユーザ端末と集約システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る、集約システムから制御する、複数ユニキャストトラヒックの集約アルゴリズムを示す説明図(その1)である。
【図3】実施形態に係る、集約システムから制御する、複数ユニチキャストトラヒックの集約アルゴリズムを示す説明図(その2)である。
【図4】実施形態に係る、集約システムから制御する、複数ユニキャストトラヒックの集約アルゴリズムを示す説明図(その3)である。
【図5】図2,図3,図4に示したアルゴリズムの流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,2 ユーザ端末
12 再生状態管理機能
13 受信状態管理機能
3 ネットワーク
4 集約システム
40 トラヒック転送機能
41 転送管理機能
42 判定機能
43 タイマ機能
44 データベース(NW情報)
45 データベース(ユーザ情報)
46 データベース(トラヒック転送情報)
Claims (14)
- トラヒックを要求・受信する複数のユーザ端末と、トラヒック転送管理・トラヒック集約管理を行う集約システムを、ネットワークを介して接続するとともに、
前記ユーザ端末は、再生状態の管理および再生状態の通知を行う再生状態管理機能と、受信状態の管理および受信状態の通知を行う受信状態管理機能から構成し、
前記集約システムは、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報のデータベースと、トラヒックの転送制御を行うトラヒック転送機能と、転送管理やデータベース管理・更新を行う転送管理機能と、データベースの各情報に基づいて複数のユニキャストトラヒックのマルチキャスト集約判定を行う判定機能,時間管理を行うタイマ機能から構成し、同一種類の複数マルチキャストトラヒックの未転送共通部分を集約して転送制御を行うことを特徴とする、トラヒック集約システム。 - 前記ユーザ端末の再生状態管理機能は、要求に基づきトラヒック再生情報を通知することを特徴とする請求項1に記載のトラヒック集約システム。
- 前記ユーザ端末の受信状態管理機能は、要求に基づきトラヒック受信情報を通知することを特徴とする請求項1に記載のトラヒック集約システム。
- 前記集約システムの判定機能は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも一つ以上の情報に基づき演算を行うプログラムを有し、同一トラヒックの転送状態が異なる複数のユニキャストトラヒックを調整することにより、NW内のリソース削減が可能と判断した場合には、転送変更要求を通知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトラヒック集約システム。
- 前記転送変更要求は、各トラヒックの未転送共通部分を1つのマルチキャストトラヒックにて転送することを特徴とする請求項4に記載のトラヒック集約システム。
- 前記転送変更要求は、未転送でありかつ非共通な部分のトラヒックを、未転送共通部分マルチキャストトラヒックとは独立して転送することを特徴とする請求項4に記載のトラヒック集約システム。
- 前記転送変更要求は、当該トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックである場合に、各トラヒックの転送速度を、ユーザ端末にて連続再生が可能な速度とすることを特徴とする請求項4に記載のトラヒック集約システム。
- 前記集約システムの判定機能は、当該トラヒックの種類がリアルタイム再生トラヒックでありかつある時間の経過後にリソース削減が可能と判断した場合には、転送変更要求を通知することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のトラヒック集約システム。
- 前記集約システムの判定機能は、予め定められた時間、もしくは外部機能からの判定要求に対して、演算・トラヒック集約判定を行うことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のトラヒック集約システム。
- 前記集約システムの転送管理機能は、NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報を管理するプログラムを有し、予め定められた時間、もしくは外部機能からの更新要求に対して、各情報を更新することを特徴とする請求項1に記載のトラヒック集約システム。
- 前記集約システムの転送管理機能は、前記転送変更要求に基づいて、当該ユーザ端末への転送状態変更通知、およびトラヒック転送機能に対して転送変更要求を行うことを特徴とする請求項4に記載のトラヒック集約システム。
- NW情報,ユーザ情報,トラヒック転送情報の少なくとも一つ以上の情報に基づき即集約可能か否かの判定を行い、即集約が不可能な場合には、さらに、所定時間が経過すれば集約可能か否かの判定を行い、前記所定時間が経過するまではそれまでのユニキャストアドレスによる転送を継続し、所定時間が経過した後に、マルチキャストアドレスを用いてトラヒック集約を行うことを特徴とするトラヒック集約方法。
- 請求項12に記載のトラヒック集約方法をコンピュータ制御により実現するためのプログラム。
- 請求項13に記載のトラヒック集約方法のプログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
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JP2003045950A JP2004260293A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | トラヒック集約システムおよびトラヒック集約方法並びにそのプログラム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007104236A1 (en) * | 2006-03-13 | 2007-09-20 | Huawei Technologies Co., Ltd. | Method of providing vedio-on-demand, method, server and terminal for video-on-demand |
JP2009094715A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 配信予約方法及び予約管理装置及び配信予約プログラム |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003045950A patent/JP2004260293A/ja active Pending
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