JP2004260258A - 無線lanシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】大容量のデータを高速に伝送し得る通信形態の切換機能を有する無線LANシステム提供する。
【解決手段】中継局と複数の端末局から成る無線LANシステムにおいて、端末局間の通常のデータ伝送は中継局を介しての中継交換方式による通信モードで行う。端末局間で大容量のデータ伝送が必要となった場合は、中継交換に使用するものと異なる無線通信チャンネルを用いて該当する端末局間で直接にデータを伝送する通信モードを一時的に採用する。かかる2つの通信モードの切換は、中継局が主導して行っても良いし、或いはデータ伝送を実施する端末局同士が行っても良い。
【選択図】 図2
【解決手段】中継局と複数の端末局から成る無線LANシステムにおいて、端末局間の通常のデータ伝送は中継局を介しての中継交換方式による通信モードで行う。端末局間で大容量のデータ伝送が必要となった場合は、中継交換に使用するものと異なる無線通信チャンネルを用いて該当する端末局間で直接にデータを伝送する通信モードを一時的に採用する。かかる2つの通信モードの切換は、中継局が主導して行っても良いし、或いはデータ伝送を実施する端末局同士が行っても良い。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信形態の切換制御機能を有する無線LAN(Local Area Network)システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線を利用した構内データ通信網(以下単に“無線LAN”と称する)としては、例えば、IEEE802.11等の規格に基づいた無線LANシステムが知られている(非特許文献1を参照のこと)。
一般に、これらの無線LANシステムにおける通信形態は、主に、以下に示す2つの形態に大別される。その一つは、無線LANシステムに含まれる複数の端末局の各々が直接に1対1で通信を行う通信モードであり、以下これを“アドホック・モード”と称する。また、他の一つは、各端末局が無線LANシステム内に設けられた中継局による中継交換によって、所望の相手局との通信を逐次行う通信モードであり、以下これを“インフラストラクチャー・モード”と称する。
【0003】
無線LANシステムの規模が大きくなりシステム内に含まれる端末局の数が増えた場合は、中継局にシステム内のトラフィックを集中させて中継交換を行い、星状の通信網を構成できるインフラストラクチャー・モードが有利であることは明らかである。何故なら、インフラストラクチャー・モードを採ることによってシステム及び各端末局の構成が簡易・標準化され、システム構成時のコスト低減、及びシステム運営時の単純化を図ることができるからである。
【0004】
しかしながら、特定の端末局どうしのデータ通信を考えたとき、アドホック・モードの場合、伝送されるデータパケットは、送信元の端末局から送信先の端末局へ直接に伝送することができる。つまり、1つのデータパケットが無線区間を伝送される回数は1回で済むことになる。これに対してインフラストラクチャー・モードの場合は、伝送されるデータパケットは、送信元の端末局から一旦中継局に伝送され、その後、所定のタイミングで中継局から送信先の端末局に伝送されることになる。つまり、インフラストラクチャー・モードでは、1つのデータパケットが2つの無線区間を順次伝送されることになり、単純に比較してもアドホック・モードのときの2倍の送信受信処理が必要となる。また、中継局の内部における処理も考慮する必要があるため、両端末局間においてデータパケットの伝送に要する時間は、アドホック・モードの時に較べて大幅に増加することは明らかである。
【0005】
さらに、特定の端末局間で大量のデータファイルを伝送する場合、中継局の機能がかかる伝送処理に拘束されて、無線LANシステム内における他の端末局同士のデータ伝送速度が低下するおそれもある。また、かかる大量のデータ伝送の実施によって、中継局のトラフィックが占有されてしまい、他の端末局が中継局にアクセスが不可能となるいわゆるビジー状態が発生するおそれもある。
【0006】
【非特許文献1】
IEEE 802.11:Wireless Access Method and Physical Layer
Specifications, March,10,1993
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題には上述した問題が一例として挙げられる。また、本発明は、データの伝送効率が高く、かつ利便性の高い無線LANシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、中継無線通信チャンネルを用いてデータ信号の伝送を行う複数の端末局と、前記中継無線通信チャンネルの交換制御を行って前記端末局の各々からのデータ信号を交換中継する中継局と、を含む無線LANシステムであって、
前記複数の端末局のうち少なくとも1つの第1の端末局と、少なくとも1つの第2の端末局とを前記中継局を介することなく接続する少なくとも1つの直通無線通信チャンネルを設定して、前記直通無線通信チャンネルを介して両端末局間のデータ信号伝送を制御する直通無線通信チャンネル設定手段と、前記直通無線通信チャンネルを介するデータ信号伝送が終了した後、前記直通無線通信チャンネルを解除して、前記第1及び第2の端末局間のデータ信号伝送を前記中継無線通信チャンネルを用いる動作に復旧させる直通無線通信チャンネル解除手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による無線LANシステムの実施例を図1に示す。
本実施例に基づく無線LANシステムは、図1に示される如く、1つの中継局10(AP)と複数の端末局20(STA1〜n)で構成されており、通常は、前述のインフラストラクチャー・モードによってシステム内のデータ伝送が為されている。即ち、端末局STA1が端末局STA2にデータパケットを送信する場合、STA1は、一旦、データパケットを中継局10に送信する。その後、中継局10は、所定のタイミングでかかるデータパケットをSTA2に送信する。なお、システム内に含まれる中継局10の数は、図1の事例に限定されるものではなく、システムの構成或いはシステムの運用方法によって2以上の数を含むようにしても良い。
【0010】
図1に示されるシステム内の各機器の構成を説明すれば次のようになる。
先ず、中継局10は、無線信号の送受信を担う無線処理部、送受信データの変調・復調処理を担う変復調部、及びシステムに含まれる各々の端末局間の接続を制御するトラフィック制御部等の各構成部分から成っている。
一方、端末局20は、無線信号の送受信を担う無線処理部、送受信データの変調・復調処理を担う変復調部、及び送受信データの入出力処理を担うデータ入出力部等の各構成部分から成っている。なお、各々の端末局におけるデータ入出力部には、さらに、例えば、データ・ターミナルやPOS端末等の外部端末機器(図示せず)が接続されるようにしても良い。因みに、中継局10及び端末局20は、一般の無線LANシステムにおいて通常用いられる機器と、そのハードウェア構成を同じにするため、上述した各機器の構成部分についての詳細説明は省略する。
【0011】
次に、図1の無線LANシステムにおける通信形態の切換制御方法について、第1の実施例を図2に示されるシーケンスチャートに基づいて説明を行う。なお、図2のシーケンスチャートにおいては、端末局STA1からSTA2に大容量のデータファイルを送信する場合を例に採っている。
図2において、データの送信元であるSTA1は、大容量のデータファイルをSTA2に送信する必要が生じた場合、先ず、アドホック・モード移行要求パケットを中継局10に送信する(ステップS101)。
【0012】
ここで、アドホック・モード移行要求パケットのパケットフレームの構成例を図3に示す。STA1は、該フレーム内のアドホック・モード移行要求識別子に予め定めたビットパターンをセットして、これを中継局10に送信する。中継局10は、かかるビットパターンをチェックすることにより、STA1から受信したデータパケットが通常のインフラストラクチャー・モードを利用したデータパケットか、或いはアドホック・モードへの移行要求パケットであるかを判定するのである。
【0013】
この場合、図3に示されるフレーム構成において、送信元STAアドレスにはSTA1の端末局アドレスがセットされ、送信先STAアドレスにはSTA2の端末局アドレスがセットされることは言うまでもない。また、フレーム中のデータ部には、種々の情報を設定することが可能であり、例えば、これからアドホック・モードで送信を行うデータファイルのデータ長等の情報を設定するようにしても良い。
【0014】
また、図3に示されるフレーム構成は、あくまでも一つの実施例であり、IEEE802.11の規格に準拠する場合は、フレーム内のデータ部に、例えば、制御情報などと同様の内容を有する任意データを設定するようにしても良い。なお、本発明の実施の形態がかかる事例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0015】
STA1からアドホック・モード移行要求パケットを受信した中継局10は、ステップS102において、STA2に対して状態確認パケットを送信してSTA2が一時的にアドホック・モードへの移行が可能であるか否かを問い合わせる。かかる状態確認パケットのフレーム構成は省略するが、例えば、図3に示されたフレーム構成図において、アドホック・モード移行要求識別子の部分に状態確認パケットであると識別できる所定のビットパターンを設定して行うようにしても良い。
【0016】
状態確認パケットを受信したSTA2は、ステップS103において、状態確認パケット受信時の自局の状態を表す状態応答パケットを中継局10に返送する。かかる状態応答パケットには、STA2の現状を表す所定のビットパターンがセットされていることは言うまでもない。
状態応答パケットを受信した中継局10は、ステップS104において、当該パケットに含まれるSTA2の状態表示ビットパターンを解析して、STA2がアドホック・モードに移行できるか否かを判断する。そして、かかる判断の結果、STA2がアドホック・モードへの移行が不可能であると判断された場合、中継局10は、STA1に対して移行要求拒絶パケットを返信(図示せず)して、一連の処理を終了させる。この場合、STA1は、例えば、内蔵タイマーを起動して所定の時間経過後、再度アドホック・モードへの移行要求を中継局10に対して行うようにしても良い。或いは、通常のインフラストラクチャー・モードを利用して、STA2に送るべきデータを小出しに伝送するようにしても良い。
【0017】
一方、ステップS104において、STA2のアドホック・モードへの移行が可能であると判断された場合、中継局10は、STA1及びSTA2の双方に対してアドホック・モード移行許可パケットを送信する(ステップS105、S106)。同パケットのフレーム構成は省略するが、前述した図3のフレーム構成図のアドホック・モード移行要求識別子の部分に、移行許可を示す所定のビットパターンをセットすることにより同パケットを構成するようにしても良い。
【0018】
また、中継局10は、アドホック・モード移行許可パケットのフレーム中のデータ部において、これから実行されるアドホック・モードにおいて使用される無線通信チャンネルの指定や、アドホック・モードへの移行タイミングなどの各種の指示を設定するようにしても良い。
アドホック・モード移行許可パケットを受信したSTA1及びSTA2の各々は、同パケットに含まれる中継局10からの指示に従って自局内の無線処理部に所定の指令を行い、アドホック・モードで使用する無線通信チャンネルやアドホック・モードへの移行タイミングなどの諸条件を無線処理部に設定する。例えば、インフラストラクチャー・モードで使用される無線通信チャンネルの周波数と異なる周波数を、アドホック・モードで使用される無線通信チャンネルの周波数として設定する。
【0019】
かかる処置を講ずることによって、図1の無線LANシステムにおいて常時実行されているインフラストラクチャー・モードのデータ通信に何ら影響を与えることなく、STA1とSTA2の両端末局は、一時的にアドホック・モードへ移行して両端末局間で直接に大容量のデータ伝送を行うことが可能となる。
なお、単に、システム内の通信回数が減ることによるパフォーマンスの向上を目的とするのであれば、例えば、伝送フォーマット上のタイムスロットや、電波の偏波面を切り替えて、インフラストラクチャー・モードからアドホック・モードへの移行を行うようにしても良い。
【0020】
STA1からSTA2へのデータ送信(ステップS109)が終了すると、STA1は、中継局10にアドホック・モード終了要求パケットを送信してデータの送信が終了した旨を通知する(ステップS110)。中継局10は、かかるパケットを受信すると、STA1及びSTA2の各々にアドホック・モード終了指示パケットを送信する(ステップS111、S112)。これを受けて、STA1及びSTA2の両端末局は、自局内の無線処理部に所定の指令を行い、無線通信チャンネルの設定条件を通常のインフラストラクチャー・モードにおける設定条件に復旧させる(ステップS113、S114)。
【0021】
なお、図2のシーケンスチャートでは、アドホック・モード終了についてSTA1側から起動を行う事例を示したが、本実施例はかかる事例に限定されるものではない。例えば、伝送されるデータパケット時系列の最終部分にデータファイルの終了を示す所定の通信終了識別子パケットを設けておき、かかるパケットを受信したSTA2が、アドホック・モードの終了について起動を行うようにしても良い。
【0022】
また、何らかの理由によって、所定のデータ伝送が終了しなかった場合を想定して、STA1若しくは、STA2の何れかが所定のタイマーのタイムアウトによって、アドホック・モードの終了を起動するようにしても良い。
なお、アドホック・モードで使用される無線通信チャンネルの数は1つに限定されるものではない。例えば、アドホック・モードにおける無線通信チャンネルが、インフラストラクチャー・モードの無線チャンネルと異なる周波数を使用する場合、アドホック・モード用に複数の周波数を予め用意するようにしても良い。これによって、特定の端末局どうしのアドホック・モードによる通信を、複数の端末局のペアにおいて同時に行うことが可能となり、無線LANシステム全体の利用効率を向上させることができる。
【0023】
また、アドホック・モードにおいて通信中の両端末局に他の端末局がアクセスを掛けてきた場合は、中継局10がこれを記憶して、アドホック・モードによる通信の終了後、両端末局にかかる着信履歴を通知するようにしても良い。
以上説明した如く、本実施例に示す通信形態の切換制御方法によれば、無線LANシステムは、通常インフラストラクチャー・モードによって運営されているが、大容量のデータ伝送が必要になった端末局どうしを随時アドホック・モードに移行させて運営させることができる。それ故、インフラストラクチャー・モードによるシステム運営の利便性を保持しつつ、大容量のデータ伝送を高速度で実施することが可能となる。
【0024】
また、アドホック・モードによるデータの伝送中は、中継局10がこれに関与しないのでアドホック・モードによるデータ伝送を実行した場合でも、元のインフラストラクチャー・モードの下で動作している他の端末局の通信速度が低下するおそれもない。さらに、インフラストラクチャー・モードとアドホック・モードの各々において使用される無線通信チャンネルが明確に分離されているため、双方のモードで使用する電波の干渉や伝送されるデータパケットの衝突を防止することができる。
【0025】
次に、本発明による無線LANシステムにおける通信形態の切換制御方法について第2の実施例を説明する。因みに、以下に説明する第2の実施例においても、無線LANシステム自体の構成は、上述の第1の実施例に示されたシステム構成(図1)と同様とする。
第2の実施例においても、端末局STA1からSTA2に大容量のデータファイルを伝送する必要が生じた場合、両端末局間の通信形態がインフラストラクチャー・モードから一時的にアドホック・モードに切り換えられて、中継局10を介さずに直接にデータファイルの伝送が行われる。しかしながら、本実施例の場合は、データファイルの伝送処理のみならず、インフラストラクチャー・モードからアドホック・モードへの通信形態の切換処理、及びアドホック・モードからインフラストラクチャー・モードへの通信形態の復旧処理をも含めて、中継局10を介さずに両端末局間で処理が為されることに特徴がある。
【0026】
以下、本実施例の処理手順を時系列に従って説明するが、例えば、中継局10或いは端末局20の構成に関しては、上述の第1実施例の場合と同様であるためその説明を省略する。
(1) 先ず、データファイルの送信元である端末局STA1は、現在実行されているインフラストラクチャー・モードの通信形態において、一時的にアドホック・モードの通信形態に移行して通信を行いたいという旨の要求パケットを相手先の端末局STA2に送信する。
(2) 要求パケットを受信した端末局STA2は、その時点において中継局10又は他の端末局と通信を行っておらず、一時的にアドホック・モードの通信形態への移行が可能であると判断した場合、端末局STA1に要求を許可する応答パケットを返信する。なお、移行が不可能の場合、STA2は、STA1に要求不許可の応答パケットを返信することは言うまでもない。
(3) 要求許可の応答パケットを受信した端末局STA1は、端末局STA2との間で所定の制御パケットを用いて、両端末局間におけるアドホック・モードの通信形態において使用する無線通信チャンネルや、アドホック・モードに移行するタイミング等の諸条件の情報交換を行う。
(4) その後、STA1及びSTA2の両端末局は、各々の端末局に内蔵される無線処理部に所定の指令を行って、アドホック・モードの通信形態への移行と、当該モードで使用する無線通信チャンネルの変更を実施して、アドホック・モードによるデータファイルの伝送を開始する。
【0027】
なお、アドホック・モードで使用する無線通信チャンネルは、インフラストラクチャー・モードで使用する無線通信チャンネルとは異なるものとすることは、上述の第1の実施例の場合と同様である。
(5) 端末局STA1からSTA2へのデータファイルの送信が完了すると送信元のSTA1は、アドホック・モードによる通信形態の終了を通知する終了通知パケットを相手先のSTA2に送信する。STA2は、これを受けて、通信形態を従前のインフラストラクチャー・モードに復旧させる。また、STA1も、上述の終了通知パケットを送信後所定の時間が経過した後、或いはSTA2からの終了通知パケットに対する応答パケットを受信後、インフラストラクチャー・モードに戻る。
(6) なお、アドホック・モードによるデータファイルの伝送中に何らかの障害が発生して全てのデータファイルの伝送が完了しなかった場合は、所定のタイマーを設けて、当該タイマーのタイムアウトによって、アドホック・モードからインフラストラクチャー・モードに強制的に復旧させるようにしても良い。因みに、かかるタイマーは端末局STA1側に設けるようにしても良いし、端末局STA2側に設けるようにしても良い。或いは、両端末局の双方に設けても良い。
【0028】
上述した如く、本実施例に示す通信形態の切換制御方法によれば、通常はインフラストラクチャー・モードによって運営されている無線LANシステムにおいて、大容量のデータ伝送が必要になった端末局どうしを随時アドホック・モードに移行させて運営させることができる。それ故、インフラストラクチャー・モードによるシステム運営の利便性を保持しつつ、大容量のデータ伝送を高速度で実施することが可能となる。
【0029】
また、アドホック・モードにおけるデータの伝送に中継局10が直接に関与しないのでアドホック・モードによるデータ伝送を実行した場合でも、元のインフラストラクチャー・モードの下で動作している他の端末局の通信速度が低下するおそれもない。さらに、インフラストラクチャー・モードとアドホック・モードの各々において使用される無線通信チャンネルが明確に分離されているため、双方のモードで使用される電波の干渉や伝送されるデータパケットの衝突を防止することができる。
【0030】
また、本実施例の場合は、インフラストラクチャー・モードからアドホック・モードへの移行、及びアドホック・モードからインフラストラクチャー・モードへの復旧に関しても、中継局10を介することなくデータ伝送を行う両端末局間で処理が為される。それ故、上述した第1の実施例に比較して、中継局10の負荷を軽減することが可能となり、元のインフラストラクチャー・モードの下で動作している他の端末局間の通信に与える影響を更に低下させることができる。
【0031】
なお、本実施例においても、複数の無線通信チャンネルを用いて、複数の端末局ペアの間で同時にアドホック・モードを実行することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による無線LANシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の無線LANシステムにおいて実施される通信形態の切換方法の第1の実施例を示すシーケンスチャートである。
【図3】図3は、図2のシーケンスチャートにおいて用いられる制御パケットのフレーム構成を示すパケットフレーム構成図である。
【符号の説明】
10 … 中継局
20 … 端末局
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信形態の切換制御機能を有する無線LAN(Local Area Network)システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線を利用した構内データ通信網(以下単に“無線LAN”と称する)としては、例えば、IEEE802.11等の規格に基づいた無線LANシステムが知られている(非特許文献1を参照のこと)。
一般に、これらの無線LANシステムにおける通信形態は、主に、以下に示す2つの形態に大別される。その一つは、無線LANシステムに含まれる複数の端末局の各々が直接に1対1で通信を行う通信モードであり、以下これを“アドホック・モード”と称する。また、他の一つは、各端末局が無線LANシステム内に設けられた中継局による中継交換によって、所望の相手局との通信を逐次行う通信モードであり、以下これを“インフラストラクチャー・モード”と称する。
【0003】
無線LANシステムの規模が大きくなりシステム内に含まれる端末局の数が増えた場合は、中継局にシステム内のトラフィックを集中させて中継交換を行い、星状の通信網を構成できるインフラストラクチャー・モードが有利であることは明らかである。何故なら、インフラストラクチャー・モードを採ることによってシステム及び各端末局の構成が簡易・標準化され、システム構成時のコスト低減、及びシステム運営時の単純化を図ることができるからである。
【0004】
しかしながら、特定の端末局どうしのデータ通信を考えたとき、アドホック・モードの場合、伝送されるデータパケットは、送信元の端末局から送信先の端末局へ直接に伝送することができる。つまり、1つのデータパケットが無線区間を伝送される回数は1回で済むことになる。これに対してインフラストラクチャー・モードの場合は、伝送されるデータパケットは、送信元の端末局から一旦中継局に伝送され、その後、所定のタイミングで中継局から送信先の端末局に伝送されることになる。つまり、インフラストラクチャー・モードでは、1つのデータパケットが2つの無線区間を順次伝送されることになり、単純に比較してもアドホック・モードのときの2倍の送信受信処理が必要となる。また、中継局の内部における処理も考慮する必要があるため、両端末局間においてデータパケットの伝送に要する時間は、アドホック・モードの時に較べて大幅に増加することは明らかである。
【0005】
さらに、特定の端末局間で大量のデータファイルを伝送する場合、中継局の機能がかかる伝送処理に拘束されて、無線LANシステム内における他の端末局同士のデータ伝送速度が低下するおそれもある。また、かかる大量のデータ伝送の実施によって、中継局のトラフィックが占有されてしまい、他の端末局が中継局にアクセスが不可能となるいわゆるビジー状態が発生するおそれもある。
【0006】
【非特許文献1】
IEEE 802.11:Wireless Access Method and Physical Layer
Specifications, March,10,1993
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題には上述した問題が一例として挙げられる。また、本発明は、データの伝送効率が高く、かつ利便性の高い無線LANシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、中継無線通信チャンネルを用いてデータ信号の伝送を行う複数の端末局と、前記中継無線通信チャンネルの交換制御を行って前記端末局の各々からのデータ信号を交換中継する中継局と、を含む無線LANシステムであって、
前記複数の端末局のうち少なくとも1つの第1の端末局と、少なくとも1つの第2の端末局とを前記中継局を介することなく接続する少なくとも1つの直通無線通信チャンネルを設定して、前記直通無線通信チャンネルを介して両端末局間のデータ信号伝送を制御する直通無線通信チャンネル設定手段と、前記直通無線通信チャンネルを介するデータ信号伝送が終了した後、前記直通無線通信チャンネルを解除して、前記第1及び第2の端末局間のデータ信号伝送を前記中継無線通信チャンネルを用いる動作に復旧させる直通無線通信チャンネル解除手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による無線LANシステムの実施例を図1に示す。
本実施例に基づく無線LANシステムは、図1に示される如く、1つの中継局10(AP)と複数の端末局20(STA1〜n)で構成されており、通常は、前述のインフラストラクチャー・モードによってシステム内のデータ伝送が為されている。即ち、端末局STA1が端末局STA2にデータパケットを送信する場合、STA1は、一旦、データパケットを中継局10に送信する。その後、中継局10は、所定のタイミングでかかるデータパケットをSTA2に送信する。なお、システム内に含まれる中継局10の数は、図1の事例に限定されるものではなく、システムの構成或いはシステムの運用方法によって2以上の数を含むようにしても良い。
【0010】
図1に示されるシステム内の各機器の構成を説明すれば次のようになる。
先ず、中継局10は、無線信号の送受信を担う無線処理部、送受信データの変調・復調処理を担う変復調部、及びシステムに含まれる各々の端末局間の接続を制御するトラフィック制御部等の各構成部分から成っている。
一方、端末局20は、無線信号の送受信を担う無線処理部、送受信データの変調・復調処理を担う変復調部、及び送受信データの入出力処理を担うデータ入出力部等の各構成部分から成っている。なお、各々の端末局におけるデータ入出力部には、さらに、例えば、データ・ターミナルやPOS端末等の外部端末機器(図示せず)が接続されるようにしても良い。因みに、中継局10及び端末局20は、一般の無線LANシステムにおいて通常用いられる機器と、そのハードウェア構成を同じにするため、上述した各機器の構成部分についての詳細説明は省略する。
【0011】
次に、図1の無線LANシステムにおける通信形態の切換制御方法について、第1の実施例を図2に示されるシーケンスチャートに基づいて説明を行う。なお、図2のシーケンスチャートにおいては、端末局STA1からSTA2に大容量のデータファイルを送信する場合を例に採っている。
図2において、データの送信元であるSTA1は、大容量のデータファイルをSTA2に送信する必要が生じた場合、先ず、アドホック・モード移行要求パケットを中継局10に送信する(ステップS101)。
【0012】
ここで、アドホック・モード移行要求パケットのパケットフレームの構成例を図3に示す。STA1は、該フレーム内のアドホック・モード移行要求識別子に予め定めたビットパターンをセットして、これを中継局10に送信する。中継局10は、かかるビットパターンをチェックすることにより、STA1から受信したデータパケットが通常のインフラストラクチャー・モードを利用したデータパケットか、或いはアドホック・モードへの移行要求パケットであるかを判定するのである。
【0013】
この場合、図3に示されるフレーム構成において、送信元STAアドレスにはSTA1の端末局アドレスがセットされ、送信先STAアドレスにはSTA2の端末局アドレスがセットされることは言うまでもない。また、フレーム中のデータ部には、種々の情報を設定することが可能であり、例えば、これからアドホック・モードで送信を行うデータファイルのデータ長等の情報を設定するようにしても良い。
【0014】
また、図3に示されるフレーム構成は、あくまでも一つの実施例であり、IEEE802.11の規格に準拠する場合は、フレーム内のデータ部に、例えば、制御情報などと同様の内容を有する任意データを設定するようにしても良い。なお、本発明の実施の形態がかかる事例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0015】
STA1からアドホック・モード移行要求パケットを受信した中継局10は、ステップS102において、STA2に対して状態確認パケットを送信してSTA2が一時的にアドホック・モードへの移行が可能であるか否かを問い合わせる。かかる状態確認パケットのフレーム構成は省略するが、例えば、図3に示されたフレーム構成図において、アドホック・モード移行要求識別子の部分に状態確認パケットであると識別できる所定のビットパターンを設定して行うようにしても良い。
【0016】
状態確認パケットを受信したSTA2は、ステップS103において、状態確認パケット受信時の自局の状態を表す状態応答パケットを中継局10に返送する。かかる状態応答パケットには、STA2の現状を表す所定のビットパターンがセットされていることは言うまでもない。
状態応答パケットを受信した中継局10は、ステップS104において、当該パケットに含まれるSTA2の状態表示ビットパターンを解析して、STA2がアドホック・モードに移行できるか否かを判断する。そして、かかる判断の結果、STA2がアドホック・モードへの移行が不可能であると判断された場合、中継局10は、STA1に対して移行要求拒絶パケットを返信(図示せず)して、一連の処理を終了させる。この場合、STA1は、例えば、内蔵タイマーを起動して所定の時間経過後、再度アドホック・モードへの移行要求を中継局10に対して行うようにしても良い。或いは、通常のインフラストラクチャー・モードを利用して、STA2に送るべきデータを小出しに伝送するようにしても良い。
【0017】
一方、ステップS104において、STA2のアドホック・モードへの移行が可能であると判断された場合、中継局10は、STA1及びSTA2の双方に対してアドホック・モード移行許可パケットを送信する(ステップS105、S106)。同パケットのフレーム構成は省略するが、前述した図3のフレーム構成図のアドホック・モード移行要求識別子の部分に、移行許可を示す所定のビットパターンをセットすることにより同パケットを構成するようにしても良い。
【0018】
また、中継局10は、アドホック・モード移行許可パケットのフレーム中のデータ部において、これから実行されるアドホック・モードにおいて使用される無線通信チャンネルの指定や、アドホック・モードへの移行タイミングなどの各種の指示を設定するようにしても良い。
アドホック・モード移行許可パケットを受信したSTA1及びSTA2の各々は、同パケットに含まれる中継局10からの指示に従って自局内の無線処理部に所定の指令を行い、アドホック・モードで使用する無線通信チャンネルやアドホック・モードへの移行タイミングなどの諸条件を無線処理部に設定する。例えば、インフラストラクチャー・モードで使用される無線通信チャンネルの周波数と異なる周波数を、アドホック・モードで使用される無線通信チャンネルの周波数として設定する。
【0019】
かかる処置を講ずることによって、図1の無線LANシステムにおいて常時実行されているインフラストラクチャー・モードのデータ通信に何ら影響を与えることなく、STA1とSTA2の両端末局は、一時的にアドホック・モードへ移行して両端末局間で直接に大容量のデータ伝送を行うことが可能となる。
なお、単に、システム内の通信回数が減ることによるパフォーマンスの向上を目的とするのであれば、例えば、伝送フォーマット上のタイムスロットや、電波の偏波面を切り替えて、インフラストラクチャー・モードからアドホック・モードへの移行を行うようにしても良い。
【0020】
STA1からSTA2へのデータ送信(ステップS109)が終了すると、STA1は、中継局10にアドホック・モード終了要求パケットを送信してデータの送信が終了した旨を通知する(ステップS110)。中継局10は、かかるパケットを受信すると、STA1及びSTA2の各々にアドホック・モード終了指示パケットを送信する(ステップS111、S112)。これを受けて、STA1及びSTA2の両端末局は、自局内の無線処理部に所定の指令を行い、無線通信チャンネルの設定条件を通常のインフラストラクチャー・モードにおける設定条件に復旧させる(ステップS113、S114)。
【0021】
なお、図2のシーケンスチャートでは、アドホック・モード終了についてSTA1側から起動を行う事例を示したが、本実施例はかかる事例に限定されるものではない。例えば、伝送されるデータパケット時系列の最終部分にデータファイルの終了を示す所定の通信終了識別子パケットを設けておき、かかるパケットを受信したSTA2が、アドホック・モードの終了について起動を行うようにしても良い。
【0022】
また、何らかの理由によって、所定のデータ伝送が終了しなかった場合を想定して、STA1若しくは、STA2の何れかが所定のタイマーのタイムアウトによって、アドホック・モードの終了を起動するようにしても良い。
なお、アドホック・モードで使用される無線通信チャンネルの数は1つに限定されるものではない。例えば、アドホック・モードにおける無線通信チャンネルが、インフラストラクチャー・モードの無線チャンネルと異なる周波数を使用する場合、アドホック・モード用に複数の周波数を予め用意するようにしても良い。これによって、特定の端末局どうしのアドホック・モードによる通信を、複数の端末局のペアにおいて同時に行うことが可能となり、無線LANシステム全体の利用効率を向上させることができる。
【0023】
また、アドホック・モードにおいて通信中の両端末局に他の端末局がアクセスを掛けてきた場合は、中継局10がこれを記憶して、アドホック・モードによる通信の終了後、両端末局にかかる着信履歴を通知するようにしても良い。
以上説明した如く、本実施例に示す通信形態の切換制御方法によれば、無線LANシステムは、通常インフラストラクチャー・モードによって運営されているが、大容量のデータ伝送が必要になった端末局どうしを随時アドホック・モードに移行させて運営させることができる。それ故、インフラストラクチャー・モードによるシステム運営の利便性を保持しつつ、大容量のデータ伝送を高速度で実施することが可能となる。
【0024】
また、アドホック・モードによるデータの伝送中は、中継局10がこれに関与しないのでアドホック・モードによるデータ伝送を実行した場合でも、元のインフラストラクチャー・モードの下で動作している他の端末局の通信速度が低下するおそれもない。さらに、インフラストラクチャー・モードとアドホック・モードの各々において使用される無線通信チャンネルが明確に分離されているため、双方のモードで使用する電波の干渉や伝送されるデータパケットの衝突を防止することができる。
【0025】
次に、本発明による無線LANシステムにおける通信形態の切換制御方法について第2の実施例を説明する。因みに、以下に説明する第2の実施例においても、無線LANシステム自体の構成は、上述の第1の実施例に示されたシステム構成(図1)と同様とする。
第2の実施例においても、端末局STA1からSTA2に大容量のデータファイルを伝送する必要が生じた場合、両端末局間の通信形態がインフラストラクチャー・モードから一時的にアドホック・モードに切り換えられて、中継局10を介さずに直接にデータファイルの伝送が行われる。しかしながら、本実施例の場合は、データファイルの伝送処理のみならず、インフラストラクチャー・モードからアドホック・モードへの通信形態の切換処理、及びアドホック・モードからインフラストラクチャー・モードへの通信形態の復旧処理をも含めて、中継局10を介さずに両端末局間で処理が為されることに特徴がある。
【0026】
以下、本実施例の処理手順を時系列に従って説明するが、例えば、中継局10或いは端末局20の構成に関しては、上述の第1実施例の場合と同様であるためその説明を省略する。
(1) 先ず、データファイルの送信元である端末局STA1は、現在実行されているインフラストラクチャー・モードの通信形態において、一時的にアドホック・モードの通信形態に移行して通信を行いたいという旨の要求パケットを相手先の端末局STA2に送信する。
(2) 要求パケットを受信した端末局STA2は、その時点において中継局10又は他の端末局と通信を行っておらず、一時的にアドホック・モードの通信形態への移行が可能であると判断した場合、端末局STA1に要求を許可する応答パケットを返信する。なお、移行が不可能の場合、STA2は、STA1に要求不許可の応答パケットを返信することは言うまでもない。
(3) 要求許可の応答パケットを受信した端末局STA1は、端末局STA2との間で所定の制御パケットを用いて、両端末局間におけるアドホック・モードの通信形態において使用する無線通信チャンネルや、アドホック・モードに移行するタイミング等の諸条件の情報交換を行う。
(4) その後、STA1及びSTA2の両端末局は、各々の端末局に内蔵される無線処理部に所定の指令を行って、アドホック・モードの通信形態への移行と、当該モードで使用する無線通信チャンネルの変更を実施して、アドホック・モードによるデータファイルの伝送を開始する。
【0027】
なお、アドホック・モードで使用する無線通信チャンネルは、インフラストラクチャー・モードで使用する無線通信チャンネルとは異なるものとすることは、上述の第1の実施例の場合と同様である。
(5) 端末局STA1からSTA2へのデータファイルの送信が完了すると送信元のSTA1は、アドホック・モードによる通信形態の終了を通知する終了通知パケットを相手先のSTA2に送信する。STA2は、これを受けて、通信形態を従前のインフラストラクチャー・モードに復旧させる。また、STA1も、上述の終了通知パケットを送信後所定の時間が経過した後、或いはSTA2からの終了通知パケットに対する応答パケットを受信後、インフラストラクチャー・モードに戻る。
(6) なお、アドホック・モードによるデータファイルの伝送中に何らかの障害が発生して全てのデータファイルの伝送が完了しなかった場合は、所定のタイマーを設けて、当該タイマーのタイムアウトによって、アドホック・モードからインフラストラクチャー・モードに強制的に復旧させるようにしても良い。因みに、かかるタイマーは端末局STA1側に設けるようにしても良いし、端末局STA2側に設けるようにしても良い。或いは、両端末局の双方に設けても良い。
【0028】
上述した如く、本実施例に示す通信形態の切換制御方法によれば、通常はインフラストラクチャー・モードによって運営されている無線LANシステムにおいて、大容量のデータ伝送が必要になった端末局どうしを随時アドホック・モードに移行させて運営させることができる。それ故、インフラストラクチャー・モードによるシステム運営の利便性を保持しつつ、大容量のデータ伝送を高速度で実施することが可能となる。
【0029】
また、アドホック・モードにおけるデータの伝送に中継局10が直接に関与しないのでアドホック・モードによるデータ伝送を実行した場合でも、元のインフラストラクチャー・モードの下で動作している他の端末局の通信速度が低下するおそれもない。さらに、インフラストラクチャー・モードとアドホック・モードの各々において使用される無線通信チャンネルが明確に分離されているため、双方のモードで使用される電波の干渉や伝送されるデータパケットの衝突を防止することができる。
【0030】
また、本実施例の場合は、インフラストラクチャー・モードからアドホック・モードへの移行、及びアドホック・モードからインフラストラクチャー・モードへの復旧に関しても、中継局10を介することなくデータ伝送を行う両端末局間で処理が為される。それ故、上述した第1の実施例に比較して、中継局10の負荷を軽減することが可能となり、元のインフラストラクチャー・モードの下で動作している他の端末局間の通信に与える影響を更に低下させることができる。
【0031】
なお、本実施例においても、複数の無線通信チャンネルを用いて、複数の端末局ペアの間で同時にアドホック・モードを実行することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による無線LANシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の無線LANシステムにおいて実施される通信形態の切換方法の第1の実施例を示すシーケンスチャートである。
【図3】図3は、図2のシーケンスチャートにおいて用いられる制御パケットのフレーム構成を示すパケットフレーム構成図である。
【符号の説明】
10 … 中継局
20 … 端末局
Claims (6)
- 中継無線通信チャンネルを用いてデータ信号の伝送を行う複数の端末局と、前記中継無線通信チャンネルの交換制御を行って前記端末局の各々からのデータ信号を交換中継する中継局と、を含む無線LANシステムであって、
前記複数の端末局のうち少なくとも1つの第1の端末局と、少なくとも1つの第2の端末局とを前記中継局を介することなく接続する少なくとも1つの直通無線通信チャンネルを設定して、前記直通無線通信チャンネルを介して両端末局間のデータ信号伝送を制御する直通無線通信チャンネル設定手段と、
前記直通無線通信チャンネルを介するデータ信号伝送が終了した後、前記直通無線通信チャンネルを解除して、前記第1及び第2の端末局間のデータ信号伝送を前記中継無線通信チャンネルを用いる動作に復旧させる直通無線通信チャンネル解除手段と、を含むことを特徴とする無線LANシステム。 - 前記直通無線通信チャンネル設定手段及び直通無線通信チャンネル解除手段は、前記中継局に含まれることを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
- 前記直通無線通信チャンネル設定手段及び直通無線通信チャンネル解除手段は、前記第1及び第2の端末局に含まれることを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
- 前記直通無線通信チャンネルは、前記中継無線通信チャンネルと使用電波の周波数を異にすることを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
- 前記直通無線通信チャンネルは、前記中継無線通信チャンネルと使用電波の送受信タイミングを異にすることを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
- 前記直通無線通信チャンネルは、前記中継無線通信チャンネルと使用電波の偏波形式を異にすることを特徴とする請求項1に記載の無線LANシステム。
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