JP2004259836A - 受発光素子および光ヘッド並びに光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受発光素子10は、半導体基板12、発光素子16、第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、プリズム20、IV変換回路22、高周波重畳回路24を備えている。半導体基板12の内部には各受光素子18A、18B、18C、IV変換回路22、高周波重畳回路24が形成されている。高周波重畳回路24は、高周波信号を、発光素子16に供給される駆動信号に重畳させて発光素子16に供給する。各受光素子18A、18B、18CおよびIV変換回路22を囲むように分離帯40が設けられるとともに、高周波重畳回路24を囲むように分離帯40が設けられている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受発光素子、光ヘッドおよび光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク装置において、光ヘッドのレーザダイオードの戻り光ノイズを抑制する方法として、高周波重畳回路で生成した高周波信号をレーザ駆動電流に重畳させる方法が採られている。そして、この高周波重畳回路は,特性上光ヘッド上に設置される必要がある。
しかしながら、高周波重畳回路は不要輻射を発生するため、その対策としてシールドを施したり、前記高周波重畳回路に電源を供給する接続回路上に輻射対策素子を挿入したりする必要があるので、部品点数が増加して構造が複雑となり、小型化を図る上でも不利である。また、前記輻射対策素子で消費される電力を消費するため、重畳回路に供給する動作電圧も高く設定しなくてはならず低消費電力化を図る上で不利であった。
このように高周波重畳回路は、光ヘッドおよびポータブル光ディスク記録再生装置の小型化および低消費電力化にとって大きな障害の一因となっている。
前記障害を回避するため、半導体基板に光源、受光素子、電流電圧変換回路、高周波重畳回路の全てを設けることで、光源と高周波重畳回路間の距離を短縮することで高周波重畳回路の電力ロスを抑制し、これにより低電力化を図ることが提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−90466号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した半導体基板上に光源、受光素子、IV変換回路、高周波重畳回路の全てを設けた構成は、前記高周波重畳回路の低電力化により前記不要輻射を低減する上で一定の効果があるものの、光ヘッドから出力されるエラー信号や再生信号の品質の向上を図る上で前記不要輻射の影響をさらに抑制することが要請され、やはり不要輻射の影響を抑制するための部品点数が増加して構造が複雑となり、小型化を図る上で不利があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、小型化、低コスト化、低消費電力化を図りつつ、高周波重畳回路の不要輻射の影響を抑制する上で有利な受発光素子、光ヘッドおよび光ディスク装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の受発光素子は、前記目的を達成するため、供給される駆動信号に基づいて出射光ビームを出射する発光素子と、前記駆動信号に高周波電流を重畳する高周波重畳回路と、前記出射光ビームが光記録媒体で反射された反射光ビームを検出して電流信号を出力する受光素子と、前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路と、半導体基板とを備え、前記発光素子が前記半導体基板の表面に取着され、前記高周波重畳回路、受光素子、電流電圧変換回路が前記半導体基板の内部に形成された受発光素子において、前記高周波重畳回路と、受光素子および電流電圧変換回路との間を電気的に分離する分離帯が前記半導体基板の内部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の光ヘッドは、受発光素子と、前記受発光素子と光記録媒体との間に配設され、前記受発光素子から出射された出射光ビームを前記光記録媒体に導くとともに、該光記録媒体で反射された反射光ビームを前記受発光素子に導く対物レンズとを備えた光ヘッドであって、前記受発光素子は、供給される駆動信号に基づいて前記出射光ビームを出射する発光素子と、前記駆動信号に高周波電流を重畳する高周波重畳回路と、前記反射光ビームを検出して電流信号を出力する受光素子と、前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路と、半導体基板とを備え、前記発光素子が前記半導体基板の表面に取着され、前記高周波重畳回路、受光素子、電流電圧変換回路が前記半導体基板の内部に形成された光ヘッドにおいて、前記高周波重畳回路と、受光素子および電流電圧変換回路との間を電気的に分離する分離帯が前記半導体基板の内部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の光ディスク装置は、光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、出射光ビームを照射し、前記光記録媒体からの反射光ビームを検出する光ヘッドとを有し、前記光ヘッドは、受発光素子と、前記受発光素子と光記録媒体との間に配設され、前記受発光素子から出射された出射光ビームを前記光記録媒体に導くとともに、該光記録媒体で反射された反射光ビームを前記受発光素子に導く対物レンズとを備え、前記受発光素子は、供給される駆動信号に基づいて前記出射光ビームを出射する発光素子と、前記駆動信号に高周波電流を重畳する高周波重畳回路と、前記反射光ビームを検出して電流信号を出力する受光素子と、前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路と、半導体基板とを備え、前記発光素子が前記半導体基板の表面に取着され、前記高周波重畳回路、受光素子、電流電圧変換回路が前記半導体基板の内部に形成された光ディスク装置において、前記高周波重畳回路と、受光素子および電流電圧変換回路との間を電気的に分離する分離帯が前記半導体基板の内部に設けられていることを特徴とする。
そのため、本発明によれば、半導体基板に発光素子が取着され、半導体基板の内部に高周波重畳回路、受光素子、電流電圧変換回路が設けられていることにより輻射対策素子が不要となるので、部品点数を削減して小型化、低コスト化、低消費電力化を図る上で有利となる。
また、半導体基板の内部に分離帯を設けることにより、部品点数を増やすことなく簡単な構成によって高周波重畳回路で発生する不要輻射の影響を抑制することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による受発光素子、光ヘッド及び光ディスク装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における光ディスク装置の構成を示すブロック図、図2は本発明の第1の実施の形態による受発光素子の斜視図、図3は受発光素子の側面図、図4は受発光素子の高周波重畳回路部分の回路図、図5は受発光素子を構成する半導体基板の断面図である。
図1を参照して説明すると、光ディスク装置101は、光記録媒体102を回転駆動する駆動手段としてのスピンドルモータ103と、光ヘッド104と、その駆動手段としての送りモータ105とを備えている。ここで、スピンドルモータ103は、システムコントローラ107及びサーボ制御回路109により駆動制御され、所定の回転数で回転される。本実施の形態では、前記光記録媒体102がMOやMD(録音タイプ)などのような光磁気ディスクである。
【0007】
信号変復調部及びECCブロック108は、信号の変調、復調及びECC(エラー訂正符号)の付加を行う。
光ヘッド104は、信号変調およびECCブロック108の指令に従って、回転する光記録媒体102の信号記録面に対して、それぞれ光照射を行う。このような光照射により光記録媒体102に対する記録、再生が行われる。また、光ヘッド104は、本発明に係る受発光素子10(図2参照)を備え、光記録媒体102の信号記録面からの反射光ビームに基づいて検出信号を生成するように構成されている。
プリアンプ120は、前記検出信号を演算することによりフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号等を生成しこれらの信号を前記サーボ制御回路109に供給するように構成されている。
前記サーボ制御回路109、信号変調及びECCブロック108等は、再生対象とされる記録媒体の種類に応じ、前記プリアンプ120から出力されるRF信号に基づいて復調及び誤り訂正処理等の所定の処理を行なう。
これにより、復調された記録信号は、例えばコンピュータのデータストレージ用であれば、インタフェース111を介して外部コンピュータ130等に送出される。これにより、外部コンピュータ130等は光記録媒体102に記録された信号を再生信号として受け取ることができるようになっている。
また、レーザ制御部121は、前記光ヘッド104、すなわち受発光素子10から出射される出射光ビームの出力の制御を行なう。
【0008】
また、オーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器112のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル処理部113に供給される。そして、このオーディオ・ビジュアル処理部113でオーディオ・ビデオ信号処理が行われ、オーディオ・ビジュアル信号入出力部114を介して外部の撮像・映写機器に伝送される。
上記光ヘッド104には、例えば光記録媒体102上の所定の記録トラックまで、移動させるための送りモータ105が接続されている。
スピンドルモータ103の制御と、送りモータ105の制御と、光ヘッド104の対物レンズ(不図示)を保持する二軸アクチュエータのフォーカシング方向及びトラッキング方向の制御とは、それぞれサーボ制御回路109が前記フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づいて行なうように構成されている。
なお、本実施の形態では前記光ディスク装置が記録および再生の双方の動作を行なうものとして説明するが、本発明は前記光ディスク装置が記録および再生の一方を行なうように構成されたものであってもよく、本明細書においては、前記光ディスク装置は少なくとも記録および再生の一方を行なうように構成されたものを含むものとする。
【0009】
図2に示すように、受発光素子10は、半導体基板12、光出力用半導体基板14、発光素子16、第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、フロントモニター用受光素子19、プリズム20、電流電圧変換回路(以下IV変換回路という)22、高周波重畳回路24を備え、不図示のパッケージに収容保持されている。
前記半導体基板12は長方形板状に形成され、一方の半部の表面に前記光出力用半導体基板14が取着されるとともに、この一方の半部の内部に前記高周波重畳回路24が形成されている。
また、前記半導体基板12の他方の半部の表面に前記プリズム20が取着され、この他方の半部の内部に前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、IV変換回路22が形成されている。
【0010】
前記光出力用半導体基板14は、前記半導体基板12よりも小さな長方形板状に形成されその裏面が前記半導体基板12の表面に接着剤などにより接着されている。
前記発光素子16は、ブロック状のレーザーダイオードチップで構成され、出射光ビームを前記プリズム20に向けて出射するように前記光出力用半導体基板14の表面箇所に取着されている。本実施の形態では前記発光素子16としてシングルモードタイプのレーザーダイオードを用いている。
前記発光素子16の裏面に設けられたアノード端子1602は、前記光出力用半導体基板14の表面に形成されたボンディングパッド1402と接続され、該ボンディングパッド1402は前記パッケージ側に設けられたアノード側の接続端子と不図示のリード線を介して接続されている。前記発光素子16の表面に設けられたカソード端子は前記パッケージ側に設けられたカソード側の接続端子と不図示のリード線で接続されている。
そして、前記レーザ制御部121からの駆動信号が前記パッケージ側のアノード側およびカソード側の接続端子を介して発光素子16に供給されるように構成されている。
【0011】
前記高周波重畳回路24は、前記半導体基板12の前記長手方向の一方寄り箇所に配置され、前記レーザ制御部121から供給される電源に基づいて高周波信号を生成し、該高周波信号を、前記レーザ制御部121から前記発光素子16に供給される前記駆動信号に重畳させて前記発光素子16に供給するように構成されている。
前記高周波重畳回路24の出力端子は前記半導体基板12の表面に形成されたボンディングパッド1201に接続され、該ボンディングパッド1201は前記ボンディングパッド1402にリード線1203を介して接続されている。これにより、前記高周波重畳回路24の高周波信号は前記ボンディングパッド1201、1402を介して前記発光素子16のアノード端子に印加されるように構成されている。
更に詳しく説明すれば、図4に示すように、発光素子16のアノード端子1602、カソード端子1604には、前記サーボ制御回路120からアノード側電位LDA、カソード側電位LDKがそれぞれ印加されている。前記高周波重畳回路24はサーボ制御回路120から電源VCCが供給され、該高周波重畳回路24の高周波信号(Modout)がアノード側電位LDAに重畳され、該高周波重畳回路24のグランド電位が前記発光素子16のカソード側電位LDKと共通電位となるように構成されている。
【0012】
前記プリズム20は、例えばKTP(KTiOPO4)などの複屈折結晶で構成されている。
図2、図3に示すように、プリズム20は、前記発光素子16から出射される出射光ビームの光路および前記光記録媒体102で反射した反射光ビームの光路の双方に対して45度傾斜する光分岐面と、該光分岐面と45度をなして前記半導体基板12の上面に対面する底面と、前記光分岐面と45度をなし前記底面と間隔をおいて平行をなす上面とを有している。
前記光分岐面のほぼ全域には前記出射光ビームを反射させるとともに、前記反射光ビームを通過させる光分離膜2002が形成されている。
前記底面は矩形状に形成され、該底面のほぼ前記発光素子16寄りの半部には、前記光分離膜2002を通過した反射光ビームの一部を通過させるとともに、前記光分離膜2002を通過した反射光ビームの残りを前記上面に向けて反射する反射膜2004が形成されている。前記底面の前記発光素子16と反対側寄りの半部は反射膜2004が形成されない光透過部2005として構成されている。
前記上面のほぼ全域には前記反射膜2004で反射された反射光ビームの一部を再び前記光透過部2005に向けて反射する反射膜2006が形成されている。
したがって、図3に示すように、前記発光素子16から出射された出射光ビームが光分離膜2002で反射され、前記対物レンズを介して前記光記録媒体102の記録面に照射される第1の光路L1と、前記記録面102Aで反射された反射光ビームが前記対物レンズを介して光分離膜2002を透過し前記プリズム20に入射し、前記底面の反射膜2004を透過する第2の光路L2と、前記底面の反射膜2004で反射され、前記上面の反射膜2006で反射され前記底面の光透過部2005に到達する第3の光路L3とを構成する。
また、前記プリズム20は複屈折性結晶で構成されているので、プリズム20内を進行する反射光ビームの常光線に対する屈折率と、異常光線に対する屈折率とが異なる。したがって、前記第2の光路L2においては、前記光分離膜2002を透過した反射光ビームの常光線と異常光線とでは到達する位置がずれるが、第2の光路L2の距離が短いためこの位置ずれはほとんど無視することができる。また、前記光分離膜を透過した反射光ビームが前記第2の光路L2および第3の光路L3を通過する場合、その距離が長くなるため前記位置ずれは無視することができず、反射光ビームの常光線と異常光線とでは到達する位置がずれることになる。
【0013】
前記第1の受光素子18Aは、前記底面の反射膜2004に対面する箇所で前記第2の光路L2の延長上の半導体基板12の内部に配設され、本実施の形態では受光領域が4分割されて構成されている。
前記第2、第3の受光素子18B、18Cは、前記底面の光透過部2005に対面する箇所で前記第3の光路L3の延長上の半導体基板12の内部にそれぞれ配設され、本実施の形態では受光領域がそれぞれ3分割されて構成されている。更に詳しく説明すれば、前記第2の受光素子18Bは前記反射光ビームの常光線および異常光線の一方が到達する位置に設けられ、第3の受光素子18Cは前記反射光ビームの常光線および異常光線の他方が到達する位置に設けられている。
前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18Cは分割された領域のそれぞれから検出信号を出力するように構成されている。
前記プリズム20の底面に臨む箇所を含む半導体基板12の領域内で、前記受光素子18A、18B、18C、フロントパワーモニター用受光素子19を除く内部部分には前記IV変換回路22が形成されている。
前記IV変換回路22は、前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18Cから出力される検出信号を電流信号から電圧信号に変換し増幅して前記プリアンプ120に供給するように構成されている。なお、本実施の形態では、前記プリアンプ120で前記検出信号に基づいて前記フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成したが、これら前記フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号をIV変換回路22で演算して生成する構成としてもよい。
【0014】
前記発光素子16と前記プリズム20の間に位置する半導体基板12の内部には、前記フロントモニター用光検出素子19が配設され、発光素子16から出射される出射光ビームの一部を検出して出射光検出信号を前記レーザ制御部121に供給している。前記発光素子16の出射光ビームの出力制御は前記レーザ制御部121が前記出射光検出信号に基づいて行なうように構成されている。
【0015】
次に、前記半導体基板12の構成について詳細に説明する。
図5に示すように、前記半導体基板12は、基板部30、素子形成層32、第1乃至第3の配線層34、36、38、分離帯40などを備えて構成されている。
前記基板部30は、例えばP−層で構成され、前記素子形成層32、第1乃至第3の配線層34、36、38を保持するとともに、バイアス電圧が印加されるものである。
前記素子形成層32は、該基板部30の上に位置し種々の回路素子が設けられるものであり、前記基板部30に臨む素子形成層32の領域は、該基板部30と反対の導電型である例えばN−層で形成されている。
前記素子形成層32は、第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、フロントパワーモニター用受光素子19、IV変換回路22が形成されている第1の素子形成層部分50と、前記第1の素子形成層部分50とは離れた箇所で前記高周波重畳回路24が形成されている第2の素子形成層部分52とを含んで構成されている。
【0016】
前記第1の配線層34は前記素子形成層32の上に形成され、前記第2の配線層36は前記第1の配線層34の上に形成され、これら第1、第2の配線層34、36に形成された配線44によって前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、フロントパワーモニター用受光素子19、IV変換回路22、高周波重畳回路24を構成する回路素子への電源供給または信号の授受が行なわれるように構成されている。
また、前記第1、第2の配線層34、36において、前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、フロントパワーモニター用受光素子19、IV変換回路22の電源線およびグランド線と、前記高周波重畳回路24の電源線およびグランド線とは、独立して構成されている。
前記第3の配線層38のうち、前記IV変換回路22が臨む箇所のほぼ全域を覆う部分には、導電体材料からなり光を透過しない遮光部46が形成され、該遮光部46のうち、前記第1、第2、第3の受光素子18A、18B、18Cに臨む箇所は光が通過するように開口が形成されている。前記遮光部46は、前記基板部30の電位と同電位となるように構成され、本例ではIV変換回路22のグランドと同電位となっている。なお、前記遮光部46の電位は、前記IV変換回路22の電源電圧と同電位としてもよい。
前記第3の配線層1210のうち、前記高周波重畳回路24が臨む箇所のほぼ全域を覆う部分には、導電体材料からなるシールド層48が形成され、該シールド層48で前記高周波重畳回路24を電磁的に遮蔽している。前記シールド層48は前記基板部30の電位であるバイアス電圧と同電位となるように構成されており、本例では高周波重畳回路24のグランドと同電位となっている。
また、前記遮光部46、シールド層48を形成する導電体材料としては、例えば前記配線と同じアルミを用いることができる。
【0017】
前記分離帯40は、前記基板部30と同じ導電型の例えばP+の領域で形成され、図2、図5に示すように、前記第1の素子形成層部分50を囲むように前記素子形成層32に設けられるとともに、前記第2の素子形成層部分52を囲むように前記素子形成層32に設けられている。更に詳しく説明すると、前記分離帯40は、図5に示すように、前記基板部30と前記第1の配線層34との間にわたって前記素子形成層32を貫通して設けられている。
前記分離帯40は、前記半導体基板12の製造工程において、例えばP型の導電型の不純物をイオン注入や熱拡散によって添加することによって形成される。したがって、前記第1の素子形成層部分50と、第2の素子形成層部分52とは前記分離帯40によって電気的に分離されている。
【0018】
次に、光ディスク装置101の動作について説明する。
前記レーザ制御部121は、前記発光素子16に駆動信号を供給するとともに、前記高周波重畳回路24に電源を供給する。これにより、前記高周波重畳回路24から出力された前記高周波信号が前記発光素子16に供給される駆動信号に重畳される。
これにより、前記発光素子16が動作して出射光ビームを出射する。該出射光ビームは、前記第1の光路L1により前記対物レンズを通過して前記光記録媒体102の記録面に照射される。そして、前記記録面102Aで反射され前記対物レンズを通過した反射光ビームの一部は、前記第2の光路L2により第1の受光素子18Aに照射され該第1の受光素子18Aで検出信号が生成される。また、前記記録面102Aで反射された反射光ビームの残りは、前記第3の光路L3により第2の受光素子18B、第3の受光素子18Cで検出され、それぞれ検出信号が生成される。
この際、前記発光素子16に前記高周波信号が重畳されているため、前記検出信号における戻り光ノイズの発生が確実に抑制される。
前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18Cの検出信号は、前記IV変換回路22によって電流電圧変換されるとともに増幅され、該増幅された検出信号を入力した前記プリアンプ120によってRF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号が生成される。
前記RF信号は、前記信号変復調部及びECCブロック108によって再生され、インターフェース111を介して外部に出力される。
前記フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号は、前記サーボ制御部109に出力される。前記サーボ制御部109は、これらエラー信号に基づいて前記光ヘッド104のフォーカスおよびトラッキングのサーボ制御を行なう。
【0019】
前記光ヘッド104による光記記録媒体102への記録動作は、前記レーザ制御部121が前記発光素子16から出射される出射光ビームの光量を記録データに基づいて変調することにより、前記記録面に記録がなされる点が上述した再生時の動作と異なるだけであるため、説明を省略する。
【0020】
上述した第1の実施の形態によれば、前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、フロントパワーモニター用受光素子19、IV変換回路22が形成されている第1の素子形成層部分50と、前記高周波重畳回路24が形成されている第2の素子形成層部分52との間が前記分離帯40によって電気的に分離されているので、前記高周波重畳回路24で発生する不要輻射、言い換えれば不要な高周波信号が前記素子形成層32を介して前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18C、フロントパワーモニター用受光素子19、IV変換回路22に伝達することを確実に防止することができる。
したがって、受発光素子10、光ヘッド109、光ディスク装置101の小型化、低コスト化、低消費電力化を図りつつ、高周波重畳回路24の不要輻射の影響を抑制して検出信号の信号品質を向上させることができる。
そして、以上の効果を、輻射対策素子を不要とし、半導体基板の内部に分離帯を設けるといった簡単な構成により達成できる。
また、前記シールド層48で前記高周波重畳回路24を電磁的に遮蔽する構成としたので、高周波重畳回路24の不要な高周波信号の伝達を抑制する上でさらに有利となる。
また、このように高周波重畳回路24からの不要輻射を抑制することができるので、光ディスク装置101を周辺機器として情報処理装置に接続する際に適用される輻射レベルの規制を満たす上で有利となる。
また、前記遮光部46でIV変換回路22を覆う構成としたので、前記プリズム20内を進行する反射光ビームの迷光が前記プリズム20の底面から前記IV変換回路22を構成する回路素子に進入して有害な光電流が発生することを防止することができ、前記検出信号の信号品質を向上させる上で有利となる。
【0021】
図6は比較例としての従来の光ヘッドの構成を示す回路図である。
高周波重畳回路24から発生する不要輻射を防止する輻射対策素子として、高周波重畳回路24の電源線に直列に挿入されたコイルLVと、発光素子16のアノードおよびカソードに接続されたコイルLA、LK、コンデンサCとを設けた構成となっている。この比較例と図4に示す本実施の形態とを比較してわかるように本発明では、これら輻射対策素子が全て不要となっており、部品点数を大幅に削減できることがわかる。
【0022】
なお、上述した実施の形態では、前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18CおよびIV変換回路22が形成されている前記第1の素子形成層部分50と前記高周波重畳回路24が形成されている第2の素子形成層部分52との双方を囲むように分離帯40を前記素子形成層32に設けたが、前記分離帯40は、第1、第2の素子形成層部分50、52の何れか一方を囲むように設けてもよい。
また、本実施の形態では、前記分離帯40としてP+の領域を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記第1乃至第3の受光素子18A、18B、18CおよびIV変換回路22と、前記高周波重畳回路24とを電気的に分離することができるものであればよい。
また、本実施の形態では、光記録媒体が光磁気ディスクである場合について説明したが、本発明は光記録媒体がCD、CD−R、CD−ROM、MD(再生専用タイプ)、DVDなどのような光ディスクである場合にも無論適用される。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の受発光素子、光ヘッドおよび光ディスク装置によれば、小型化、低コスト化、低消費電力化を図りつつ、高周波重畳回路の不要輻射の影響を抑制する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による受発光素子の斜視図、図3は受発光素子の側面図である。
【図3】受発光素子の側面図である。
【図4】受発光素子の高周波重畳回路部分の回路図である。
【図5】受発光素子を構成する半導体基板の断面図である。
【図6】比較例としての従来の光ヘッドの構成を示す回路図である。
【符号の説明】
101……光ディスク装置、102……光記録媒体、104……光ヘッド、10……受発光素子、12……半導体基板、16……発光素子、18A、18B、18C……第1、第2、第3の受光素子、22……IV変換回路、24……高周波重畳回路、40……分離帯。
Claims (18)
- 供給される駆動信号に基づいて出射光ビームを出射する発光素子と、
前記駆動信号に高周波電流を重畳する高周波重畳回路と、
前記出射光ビームが光記録媒体で反射された反射光ビームを検出して電流信号を出力する受光素子と、
前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路と、
半導体基板とを備え、
前記発光素子が前記半導体基板の表面に取着され、
前記高周波重畳回路、受光素子、電流電圧変換回路が前記半導体基板の内部に形成された受発光素子において、
前記高周波重畳回路と、受光素子および電流電圧変換回路との間を電気的に分離する分離帯が前記半導体基板の内部に設けられている、
ことを特徴とする受発光素子。 - 前記半導体基板は、バイアス電圧が印加される基板部と、この基板部の上に位置し前記高周波重畳回路、受光素子および電流電圧変換回路などを構成する回路素子が設けられた素子形成層と、この素子形成層の上に設けられ前記回路素子への電源供給または信号の授受を行なう配線層とを有し、前記分離帯は、前記高周波重畳回路と、前記受光素子および電流電圧変換回路との少なくとも一方を囲むように前記素子形成層に設けられていることを特徴とする請求項1記載の受発光素子。
- 前記分離帯は、前記基板部と前記配線層との間にわたって前記素子形成層を貫通して設けられていることを特徴とする請求項2記載の受発光素子。
- 前記配線層は2層以上で構成され、前記配線層の少なくとも1層には、前記高周波重畳回路が前記配線層に臨む箇所のほぼ全域を覆う導電体材料からなるシールド部が形成され、前記シールド部で前記高周波重畳回路を電磁的に遮蔽することを特徴とする請求項2または3記載の受発光素子。
- 前記シールド部は前記基板部の電位と同電位であることを特徴とする請求項4記載の受発光素子。
- 前記配線層は2層以上で構成され、前記配線層の少なくとも1層には、前記電流電圧変換回路が前記配線層に臨む箇所のほぼ全域を覆う導電体材料からなり光を透過しない遮光部が形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の受発光素子。
- 受発光素子と、前記受発光素子と光記録媒体との間に配設され、前記受発光素子から出射された出射光ビームを前記光記録媒体に導くとともに、該光記録媒体で反射された反射光ビームを前記受発光素子に導く対物レンズとを備えた光ヘッドであって、
前記受発光素子は、
供給される駆動信号に基づいて前記出射光ビームを出射する発光素子と、
前記駆動信号に高周波電流を重畳する高周波重畳回路と、
前記反射光ビームを検出して電流信号を出力する受光素子と、
前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路と、
半導体基板とを備え、
前記発光素子が前記半導体基板の表面に取着され、
前記高周波重畳回路、受光素子、電流電圧変換回路が前記半導体基板の内部に形成された光ヘッドにおいて、
前記高周波重畳回路と、受光素子および電流電圧変換回路との間を電気的に分離する分離帯が前記半導体基板の内部に設けられている、
ことを特徴とする光ヘッド。 - 前記半導体基板は、バイアス電圧が印加される基板部と、この基板部の上に位置し前記高周波重畳回路、受光素子および電流電圧変換回路などを構成する回路素子が設けられた素子形成層と、この素子形成層の上に設けられ前記回路素子への電源供給または信号の授受を行なう配線層とを有し、前記分離帯は、前記高周波重畳回路と、前記受光素子および電流電圧変換回路との少なくとも一方を囲むように前記素子形成層に設けられていることを特徴とする請求項7記載の光ヘッド。
- 前記分離帯は、前記基板部と前記配線層との間にわたって前記素子形成層を貫通して設けられていることを特徴とする請求項8記載の光ヘッド。
- 前記配線層は2層以上で構成され、前記配線層の少なくとも1層には、前記高周波重畳回路が前記配線層に臨む箇所のほぼ全域を覆う導電体材料からなるシールド部が形成され、前記シールド部で前記高周波重畳回路を電磁的に遮蔽することを特徴とする請求項7または8記載の光ヘッド。
- 前記シールド部は前記基板部の電位と同電位であることを特徴とする請求項10記載の光ヘッド。
- 前記配線層は2層以上で構成され、前記配線層の少なくとも1層には、前記電流電圧変換回路が前記配線層に臨む箇所のほぼ全域を覆う導電体材料からなり光を透過しない遮光部が形成されていることを特徴とする請求項7または8記載の光ヘッド。
- 光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、出射光ビームを照射し、前記光記録媒体からの反射光ビームを検出する光ヘッドとを有し、
前記光ヘッドは、受発光素子と、前記受発光素子と光記録媒体との間に配設され、前記受発光素子から出射された出射光ビームを前記光記録媒体に導くとともに、該光記録媒体で反射された反射光ビームを前記受発光素子に導く対物レンズとを備え、
前記受発光素子は、供給される駆動信号に基づいて前記出射光ビームを出射する発光素子と、前記駆動信号に高周波電流を重畳する高周波重畳回路と、前記反射光ビームを検出して電流信号を出力する受光素子と、前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路と、半導体基板とを備え、
前記発光素子が前記半導体基板の表面に取着され、
前記高周波重畳回路、受光素子、電流電圧変換回路が前記半導体基板の内部に形成された光ディスク装置において、
前記高周波重畳回路と、受光素子および電流電圧変換回路との間を電気的に分離する分離帯が前記半導体基板の内部に設けられている、
ことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記半導体基板は、バイアス電圧が印加される基板部と、この基板部の上に位置し前記高周波重畳回路、受光素子および電流電圧変換回路などを構成する回路素子が設けられた素子形成層と、この素子形成層の上に設けられ前記回路素子への電源供給または信号の授受を行なう配線層とを有し、前記分離帯は、前記高周波重畳回路と、前記受光素子および電流電圧変換回路との少なくとも一方を囲むように前記素子形成層に設けられていることを特徴とする請求項13記載の光ディスク装置。
- 前記分離帯は、前記基板部と前記配線層との間にわたって前記素子形成層を貫通して設けられていることを特徴とする請求項14記載の光ディスク装置。
- 前記配線層は2層以上で構成され、前記配線層の少なくとも1層には、前記高周波重畳回路が前記配線層に臨む箇所のほぼ全域を覆う導電体材料からなるシールド部が形成され、前記シールド部で前記高周波重畳回路を電磁的に遮蔽することを特徴とする請求項14または15記載の光ディスク装置。
- 前記シールド部は前記基板部の電位と同電位であることを特徴とする請求項16記載の光ディスク装置。
- 前記配線層は2層以上で構成され、前記配線層の少なくとも1層には、前記電流電圧変換回路が前記配線層に臨む箇所のほぼ全域を覆う導電体材料からなり光を透過しない遮光部が形成されていることを特徴とする請求項14または15記載の光ディスク装置。
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