JP2004259097A - 居住者の安否確認システムおよびこれを用いた居住者の安否確認方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】メッセージデータと動作を感知するセンサにより、居住者の安否を確認する安否確認システムを提供する。
【解決手段】居住者の動きを感知するセンサ20と;データ送信装置30と;センサの観測データの記憶手段44と、観測データから居住者の安否の判断を行う制御部49と、指定先への連絡手段46を有するデータ格納サーバ40と;メッセージデータ入出力手段52と、メッセージデータの送受信手段56を有するメッセージ端末50と;メッセージデータ入出力手段62と、メッセージデータの送受信手段66を有するデータ送受信装置60とを有し、制御部49が、観測データに基づいて居住者の安否を確認し、異常の場合に連絡手段46がデータ送受信装置60に通知すること及び、メッセージデータの受信により、居住者の安否を確認することを特徴とする居住者の安否確認システム10である。
【選択図】 図1
【解決手段】居住者の動きを感知するセンサ20と;データ送信装置30と;センサの観測データの記憶手段44と、観測データから居住者の安否の判断を行う制御部49と、指定先への連絡手段46を有するデータ格納サーバ40と;メッセージデータ入出力手段52と、メッセージデータの送受信手段56を有するメッセージ端末50と;メッセージデータ入出力手段62と、メッセージデータの送受信手段66を有するデータ送受信装置60とを有し、制御部49が、観測データに基づいて居住者の安否を確認し、異常の場合に連絡手段46がデータ送受信装置60に通知すること及び、メッセージデータの受信により、居住者の安否を確認することを特徴とする居住者の安否確認システム10である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔地の居住者の安否確認システムおよびこれを用いた居住者の安否確認方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遠隔地の居住者の安否を確認する手段として、電話が主に用いられてきた。
近年においてはインターネットの普及に伴い、電子メールをやり取りすることや動作センサによる観測データの転送をすることにより、遠隔地の居住者の安否を確認することができるシステムが特許文献1や特許文献2において開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−178488号公報
【特許文献2】特開2001−236583号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電話による安否の確認は手軽であるので、便利ではあるが、電話をかける側と受ける側との生活パターンが異なる場合においては、しばしば不便になるという課題がある。
また、電子メールのやり取りにおいては、相手の都合の良い時間に電子メールを確認すればよいので、生活パターンの相違による不便さの解消は可能になるが、居住者が電子メールの操作方法を習得しなければならないため、居住者が老人の場合には操作方法の習得に時間がかかることや、抵抗感を覚えてしまうといった課題もある。
【0005】
本発明は、万が一の場合においては、動作感知センサにより居住者の安否を確認し通報するとともに、通常時においては、ユーザどうしがメッセージ端末によるメッセージデータのやり取りをすることで、互いのコミュニケーションを促進することができる安否確認システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上に説明した課題を解決するべくなされたものであり、次のような構成を有する。
すなわち、居住者宅に配設され、居住者の動きを感知する動作感知センサと;前記動作感知センサの観測データを一時記憶する記憶手段と、ネットワークへ接続する接続手段を有するデータ送信装置と;ネットワークに接続され、前記データ送信装置により送信された前記動作感知センサの観測データを格納する記憶手段と、該観測データから居住者の安否の判断を行う制御部と、所定の連絡先に連絡をする連絡手段を有するデータ格納サーバと;居住者宅に配設されて、ネットワークへ接続されるものであって、居住者側と安否確認側間のメッセージデータを入出力するメッセージデータ入出力手段と、該メッセージデータを格納する記憶手段と、該メッセージデータの送受信手段を有するメッセージ端末と;安否確認側に配設されて、ネットワークへ接続されるものであって、安否確認側と居住者側間のメッセージデータを入出力するメッセージデータ入出力手段と、該メッセージデータを格納する記憶手段と、該メッセージデータの送受信手段を有するデータ送受信装置とを有し、前記データ格納サーバ中の前記制御部が、前記ネットワークを介して前記データ送信装置により送信された前記動作感知センサの観測データに基づいて居住者の安否を確認し、異常の場合に前記連絡手段を駆動して前記データ送受信装置へ異常信号を送信することおよび、安否確認側が前記居住者側からのメッセージデータの受信により、居住者の安否を確認することを特徴とする居住者の安否確認システムである。
これにより、通常時においては、居住者の意思によってコミュニケーションのやり取りをしながら安否の確認をすることができ、居住者本人から近況を確認することができる。一方、非常時においては、動作感知センサにより、居住者の安否を確認することができるので、遠隔地の居住者の安否を容易にしかも確実に確認することができる。
【0007】
さらに、前記メッセージ端末のメッセージデータ入出力手段は、音声入力方式を用いていることが好ましい。
これによれば、メッセージの作成に要する手間を大幅に軽減させることができるので、メッセージ端末の使用頻度を高めることができる。また、居住者と音声を交えてコミュニケーションをとることもできるので、より確実に居住者の安否を確認することができる。
【0008】
また、前記メッセージ端末の記憶手段には、定型メッセージデータが記憶されていることが好ましい。
これによれば、居住者に特に異常がない場合において、居住者のメッセージ作成にかかる手間が大幅に軽減されるため、煩わしさがなくなるので、メッセージ端末の確実な使用を促すことができ、信頼性が高い居住者の安否確認システムにすることができる。
【0009】
さらに、前記データ格納サーバには、前記動作感知センサが、連続して居住者の動作を検出しない時間をカウントするカウンタが設けられていると共に、前記データ格納サーバの記憶手段にはカウンタの閾値が設定されており、前記制御部は、前記カウンタの値が前記閾値以上になった場合には、前記連絡手段により、あらかじめ指定されている連絡先に異常を通報する処理を実行させることが好ましい。
これによれば、居住者が病気等の理由で動けなくなってしまった場合、可及的速やかに連絡先に居住者の異常を通報することができる。また、居住者が病気だった場合においては、病状の悪化を最小限に抑えることができる。
【0010】
さらにまた、前記制御部は、あらかじめ設定された時間内においては、前記カウンタの値の累積を中断する処理を実行させることが好ましい。
これによれば、睡眠中等の通常の生活をしているにもかかわらず、異常とみなされて、緊急連絡先に連絡してしまう等の誤作動のおそれがなくなり、居住者の正確な安否確認をすることができる。
【0011】
さらに他の発明は、以上のいずれかに記載の居住者の安否確認システムを用い、前記データ格納サーバに格納された居住者の観測データを安否確認側が直接観測することにより、当該安否確認側が前記居住者の安否を判断することを特徴とする安否確認方法である。
これによれば、安否確認側の経験等を動作感知センサの観測データに反映させることができるので、居住者の安否を画一的に判断するのではなく、総合的に判断することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る居住者の安否確認システムの好適な実施の形態を図面に沿って説明する。図1は本実施の形態に係る居住者の安否確認システムの全体構成図である。図2はデータ送信装置の構成図である。図3は、データ格納サーバの構成図である。図4は、メッセージ端末の構成図である。図5はデータ送受信装置の構造図である。
本実施の形態における居住者の安否確認システム10は、図1から5に示すように、居住者宅Hに配設され、居住者の動きを感知する動作感知センサ20と;ネットワークへ接続する接続手段32と、動作感知センサ20からの観測データを受信するデータ受信部33と、動作感知センサ20の観測データを一時記憶する記憶手段34と、これらを協働させる制御部36とを有するデータ送信装置30と;ネットワークに接続する接続手段42と、データ送信装置30により送信された動作感知センサ20の観測データを格納する記憶手段44と、観測データの解析や装置全体の動作を制御する制御部49と、一定条件下において、所定の連絡先に連絡をする連絡手段46と、これらを協働させる制御部49とを有するデータ格納サーバ40と;ネットワークへ接続可能に設定され、メッセージデータ入出力手段52と、データを記憶する記憶手段54と、データの送受信手段56と、これらを協働させる制御部58とから成るメッセージ端末50と;ネットワークへ接続可能に設定され、メッセージデータ入出力手段62と、記憶手段64と、データの送受信手段66と、これらを協働させる制御部68とから成るデータ送受信装置60とによって概略が構成されている。
【0013】
動作感知センサ20は、居住者宅Hの複数箇所に配設されている。具体的には、台所のシンク付近や、浴室、トイレ等、居住者が日常的に行き来する場所に配設されている。居住者の習慣により、その他の場所に配設してもよい。
動作を感知するためのセンサとしては、様々なセンサが提供されているが、赤外線センサ等の安価で単純な機構のセンサを用いることにより、多数の場所に配設しても設備費の高騰を抑えることができると共にメンテナンスを容易にすることができる。
【0014】
データ送信装置30は、動作感知センサ20と一組になって居住者宅Hに配設される。データ送信装置30は動作感知センサ20とケーブル等により接続されていて、動作感知センサ20の観測データをデータ受信装置33に送信し、データ送信装置30は受信した観測データを記憶手段34に一時的に記憶させた後に、ルータやモデム等の接続手段32を用いてネットワークを介してデータ格納サーバ40に観測データを送信する装置である。このようなデータ送信装置30は専用装置により実現しても良いが、一般的なパーソナルコンピュータによっても構成することができる。
【0015】
データ格納サーバ40は、後述のメッセージ端末50により作成されたボイスメッセージ等のデータや、居住者宅Hに配設されている動作感知センサ20の観測データ等の各種データを接続手段42を用いてネットワークを介して収集する。収集したデータは記憶手段44に格納され、必要に応じて各種データが接続手段42により送受信可能に設定されているものである。また、制御部49により、記憶手段44に格納した観測データに基づいて居住者の安否を確認することも可能である。
このようなデータ格納サーバ40は一般的に用いられているサーバコンピュータにより構成することができる。本実施の形態におけるデータ格納サーバ40は、メールサーバとしての役割も果たしている。なお、メールサーバはデータ格納サーバ40と別に単独で設置させてもよいのはもちろんである。
【0016】
データ格納サーバ40には、所定の連絡先に連絡をする連絡手段46と、カウンタ48が設けられている。連絡手段46の連絡先としては、子供世帯の電話や、子供の携帯電話、地方公共団体の福祉担当や、介護サービス提供会社の電話等が好ましい。
データ格納サーバ40のカウンタ48は、居住者宅Hに配設したすべての動作感知センサ20(例えば動作感知センサ20a、20b、20cとする。)が居住者の動作を全く感知しない状態の時間(動作感知センサ20a、20b、20cのいずれも居住者の動作を全く感知しない状態が続いている継続時間)を累積する。データ格納サーバ40の記憶手段44には、あらかじめ、カウンタ48の値が所定時間以上になった場合には、居住者に異常があったものとみなす閾値が設定されている。CPU等の制御部49はカウンタ48の値が閾値以上になった場合は、居住者に異常が生じたものと判断し、連絡手段46により所定の連絡先に連絡する処理を実行させるようにプログラムが設定されている。
【0017】
メッセージ端末50は、居住者宅Hにおいて使用されるものであり、動作感知センサ20とデータ送信装置30と共に配設されている。メッセージ端末50は、ボイスメッセージ等を入出力するマイク52a、スピーカ52b等のメッセージデータ入出力手段52と、ボイスメッセージ等のメッセージデータを記憶する記憶手段54と、記憶手段54に記憶されているメッセージデータをネットワークを介して送受信するルータやモデム等の送受信手段56と、これらを協働させる制御部58とにより構成されている。
データの送受信手段56は単数または複数の連絡先を選択する選択ボタン56aと、送受信ボタン56b、着信したメッセージデータを操作するメッセージ操作ボタン56c、緊急時の連絡先に連絡をするための緊急連絡ボタン56dおよびメッセージデータの着信の有無を示す着信表示部56eも設けられている。
【0018】
データ送受信装置60は、安否を確認する側に配設される。通常、安否を確認される側は一人暮らしの老人であって、安否を確認する側はその子供世帯である。子供世帯においては、電子メールの作成は習得していることが多く、たとえ未修得であっても、習得するまでに要する時間は短期間で済むので、データ送受信装置60は一般的なパーソナルコンピュータにより構成されている。データ送受信装置60はメッセージデータや観測データを入出力するメッセージデータ入出力手段62(表示装置62a、スピーカ62bを含む)、メッセージデータや観測データを記憶する記憶手段64、メッセージデータや観測データを送受信する送受信手段66およびこれらを協働させる制御部68とを備え、ネットワークへの接続、電子メールの作成および閲覧が可能な状態に設定されているのは言うまでもない。ただし、データ送受信装置60は、パーソナルコンピュータに限定するものではなく、メッセージ端末50を使用する場合もある。
【0019】
居住者の状態に不具合がなく、居住者の意思により連絡をすることができる場合においては、居住者は、メッセージ端末50により簡単にメッセージを作成することができる。電子メールを用いたメッセージであれば、相手の都合の良い時にメッセージを確認してもらうことができるので、互いに生活パターンが相違する場合であっても、気軽にメッセージを送ることができ、頻繁に連絡を取り合うことができるため好適である。
【0020】
居住者は、メッセージ端末50のメッセージデータ入出力手段52のマイク52aを用いて、音声によるメッセージデータを作成し、必要に応じて図示しないカメラによって撮影した写真を添付することができる。作成したメッセージデータは、音声データとしてそのまま送信する形態であっても、音声認識によりテキスト変換したテキストデータとして送信する形態のいずれであっても構わない。なお、音声により作成した音声データを電子メールとして送信する際には、ネットワークの負担を軽減させるために音声データの圧縮を行えばより好適である。
このようにして作成された電子メール(メッセージデータ)は、選択ボタン56aにより電子メールの送信先を選択し、送受信ボタン56bを押すだけで、選択された宛先に送信される。メッセージ端末50に電子メールが届いている場合には、着信表示部56eが点滅し、メッセージ端末50に電子メールが届いていることを表示する。居住者は、メッセージ操作ボタン56cを押すことにより、受信した電子メールをスピーカ52bや図示しないモニタにより出力し、電子メールの内容を確認することができる。
また、メッセージ端末50には予め定型メッセージデータを設定しておくことも可能であり、居住者に特に異常がない場合において、居住者のメッセージの作成にかかる手間を大幅に軽減させることができる。
【0021】
このように、ボタン操作のみの簡単な操作によりメッセージデータの作成、送受信、確認を可能にしているので、居住者が一人暮らしの老人のように機械操作の習得を不得手としている場合であっても、すぐに操作方法を習得することができるので、本発明の安否確認システム10の導入に対する抵抗感が大幅に軽減される。
また、音声データをそのまま電子メールとして送信可能にしたことにより、近親者等に対して居住者の肉声を伝えることや、自らの近況を容易に伝達することができるので、僅かな身体の異変等についても気軽に伝えることが可能になる。このように普段のコミュニケーションを密に取ることができるので、事前に居住者の病状等をある程度の範囲で推測することができ、メッセージデータを受信した側が適切なアドバイスをすることも可能になるため、病気による事故の予防に非常に効果的である。
【0022】
データ送受信装置60が一般的なパーソナルコンピュータである場合、ユーザはメールソフトやブラウザソフトを用いた一般的な手法により電子メールを作成する。必要に応じてデジタルカメラ等により写真や動画を添付することももちろん可能である。
また、データ送受信装置60は、データ格納サーバ40の記憶手段44に記憶された動作感知センサ20のデータを受信することも可能である。動作感知センサ20の観測データを入手し、子供世帯等の安否確認側でデータ送受信装置60により観測データ確認することにより、居住者の動きを把握することも可能である。このように観測データに基づく居住者の安否確認の判断をデータ格納サーバ40のみに行わせずに、データ送受信装置60側においても、居住者の安否確認を行うことができるので、より確実な安否確認システム10にすることができる。
【0023】
本発明に係る安否確認システム10の動作感知センサ20による居住者の安否確認の処理フローを説明する。図6は、本実施の形態における動作感知センサによる居住者の安否確認の処理フローを示す説明図である。
居住者宅Hに配設された動作感知センサ20a、20b、20cが居住者宅Hにおける居住者の動作を観測する(S101)。居住者の動作が観測された観測データは所定の間隔でデータ送信装置30の接続手段32を用いてデータ格納サーバ40にネットワークを介して送信され(S102)、記憶手段44に記憶される(S103)。データ格納サーバ40の制御部49は現在の時刻を確認し、記憶手段44にあらかじめ記憶されているデータを収集をする時間(通常、居住者が活動している時間。例えば、夜間の睡眠時間や昼寝の時間を除いた時間)内にあるか否かを判断する(S104)。
【0024】
現在時刻が観測データを収集する時間帯である場合には、データ格納サーバ40の制御部49は、すべての動作感知センサ20a、20b、20cがいずれも居住者の動作を感知しないと判断した場合(S105)、カウンタ48を進める(S106)。そして、データ格納サーバ40の制御部49はカウンタ48の値が記憶手段44にあらかじめ設定されている閾値以上であるかを判断する(S107)。もし、カウンタ48の値が閾値以上だった場合には、データ格納サーバ40の制御部49が居住者に異常があったとみなし、連絡手段46によりあらかじめ設定されている連絡先に緊急連絡をし(S108)、カウンタ48の値をリセットする(S109)。一方、カウンタ48の値が閾値未満である場合には、動作感知センサ20からの観測データを継続して監視する。データ格納サーバ40の制御部49は、カウンタ48で居住者の動作を一切感知しない時間の累積を継続している間に、動作感知センサ20a、20b、20cのいずれかが居住者の動きを検出した場合には、カウンタ48の値をリセットし(S110)、動作感知センサ20a、20b、20cによる居住者の動作の観測(S101)に戻る。
【0025】
なお、動作感知センサ20a、20b、20cのいずれも居住者の動作を感知せず、カウンタ48が進んでいる場合であっても、データ収集をする時間帯から外れてしまった場合(S104のNo側)には、カウンタ48の値を維持させたまま、再度データを収集する時間になるまでの間、カウンタ48の値の累積を一時停止させる(S111)。再びデータ収集をする時間帯になったら、一時停止させた時点におけるカウンタ48の値から、動作感知センサ20a、20b、20cのいずれも居住者の動作を感知しない時間の累積を再開する(S104のYes側)。
なお、夜間の睡眠時間等居住者が活動していない時間帯であっても、いずれかの動作感知センサが居住者の動作を検出した場合においては、維持させていたカウンタの値を解除させるような処理をさせることももちろん可能である。
【0026】
なお、データ送信装置30の制御部36には、居住者が外出している間において、すべての動作感知センサ20a、20b、20cが居住者の動作を感知しない状態が一定時間継続したとしても、データ格納サーバ40の制御部49が居住者に異常が生じたと判断させないように、カウンタ48の値をリセットし、居住者が帰宅するまでカウンタ48を動作させない外出モードも組み込まれており、データ送信装置30に設けられた切替スイッチ(図示せず)により、外出モードを選択可能に設定されている。
この外出モードは手動による切替スイッチだけでなく、外出先からの電話による操作によっても切り替え可能に設定されていれば、外出時に切替スイッチを作動させなくても、電話をかければ外出モードに切り替えができるので、尚好適である。
【0027】
なお、カウンタの値が閾値に至らずデータ収集の対象時間帯から外れた後に、データ収集の対象時間帯が再来した場合においては、データ収集の対象時間が再来してから元々の閾値とは異なる所定の時間がカウンタに累積された時点で、データ格納サーバの制御部が居住者に異常が生じたものとみなし、連絡手段により、緊急連絡をする処理をさせても良い。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲において各種の改変がなされても本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
例えば、本実施の形態における安否確認システムの使用形態は、一人暮らしの老人とその子供世帯を想定しているが、一人暮らしの老人と、自治体の福祉課または介護サービスの提供会社の担当者との間や、老人介護施設における各部屋と事務局との間等といった利用形態としても良いのはもちろんである。これらの実施の形態においても、基本的なシステムの構築は同一であり、メッセージ端末の連絡先を適宜変更するだけでよいため、容易に適用することができる。
【0029】
また、本発明に係る安否確認システムを地域社会における相互連絡手段として用いれば、子供世帯との連絡がつかない場合や、地方自治体の行政サービスが提供されていない場合、さらには、介護サービスを受けられない場合であっても、本発明に係る安否確認システムを導入すれば、仲間内での連絡のやり取りや、相互援助により互いの安否を確認しあうことができるので好適である。
【0030】
さらに本実施の形態においては、動作感知センサの観測データによる居住者の安否確認の判断をデータ格納サーバの制御部が行い、データ格納サーバの連絡手段が連絡をとる構成としているが、データ送信装置の制御部に、観測データを解析して居住者の安否確認を判断する判断手段や、所定の連絡先に連絡をする連絡手段を組み込んでおけば、データ送信装置によってでも居住者の安否確認をすることができるので、サーバを簡易的なものにすることができる。これによりシステムの構築に要する費用を抑え、運営コストの削減が可能になる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、居住者の意思とは無関係に作動する動作感知センサと、居住者の意思により実行されるメッセージのやり取りとを組み合わせた安否確認システムとしているため、通常時においては、居住者とコミュニケーションをとりながら安否の確認をすることができ、居住者本人から直接近況を確認することができる。一方、非常時においては、動作感知センサにより、居住者の安否を確認することができるので、遠隔地の居住者の安否を容易にしかも確実に確認することができる。
また、メッセージ端末に音声によるメッセージ作成手段を設けたことにより、居住者のメッセージ作成に要する手間を大幅に軽減することができると共に、居住者と音声によるコミュニケーションを取ることも可能になる。
【0032】
さらにまた、メッセージ端末に定型メッセージデータを設定可能にしてあるので、居住者に特に異常がない場合において、居住者のメッセージの作成にかかる手間が大幅に軽減されるため、確実な使用を促すことができ、信頼性が高い居住者の安否確認システムにすることができる。
【0033】
さらに、動作感知センサの観測データに基いて、自動的に連絡をする構成としたことにより、居住者が病気等の理由で動けなくなってしまった場合、可及的速やかに連絡先に異常の発生を通知することができる。また、このような場合において病状の悪化を最小限に抑えることができる。
また、動作感知センサの観測データのデータ収集の対象時間帯を設定しておくことにより、睡眠中等の通常の生活をしているにもかかわらず、異常とみなされること等の誤認識のおそれがなくなり、居住者の正確な安否確認をすることができる。
【0034】
さらにまた、データ格納サーバに格納した観測データを安否確認側が直接調べることにより、居住者の安否確認をする際に柔軟性に富んだ判断を下すことができる等といった著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る居住者の安否確認システムの全体構成図である。
【図2】データ送信装置の構成図である。
【図3】データ格納サーバの構成図である。
【図4】メッセージ端末の構成図である。
【図5】データ送受信装置の構造図である。
【図6】本実施の形態における動作感知センサによる居住者の安否確認の処理フローを示す説明図である。
【符号の説明】
H 居住者宅
10 安否確認システム
20 動作感知センサ
30 データ送信装置
32 接続手段
34 記憶手段
40 データ格納サーバ
44 記憶手段
46 連絡手段
48 カウンタ
49 制御部
50 メッセージ端末
52 メッセージデータ入出力手段
54 記憶手段
56 送受信手段
60 データ送受信装置
62 メッセージデータ入出力手段
64 記憶手段
66 送受信手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔地の居住者の安否確認システムおよびこれを用いた居住者の安否確認方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遠隔地の居住者の安否を確認する手段として、電話が主に用いられてきた。
近年においてはインターネットの普及に伴い、電子メールをやり取りすることや動作センサによる観測データの転送をすることにより、遠隔地の居住者の安否を確認することができるシステムが特許文献1や特許文献2において開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−178488号公報
【特許文献2】特開2001−236583号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電話による安否の確認は手軽であるので、便利ではあるが、電話をかける側と受ける側との生活パターンが異なる場合においては、しばしば不便になるという課題がある。
また、電子メールのやり取りにおいては、相手の都合の良い時間に電子メールを確認すればよいので、生活パターンの相違による不便さの解消は可能になるが、居住者が電子メールの操作方法を習得しなければならないため、居住者が老人の場合には操作方法の習得に時間がかかることや、抵抗感を覚えてしまうといった課題もある。
【0005】
本発明は、万が一の場合においては、動作感知センサにより居住者の安否を確認し通報するとともに、通常時においては、ユーザどうしがメッセージ端末によるメッセージデータのやり取りをすることで、互いのコミュニケーションを促進することができる安否確認システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上に説明した課題を解決するべくなされたものであり、次のような構成を有する。
すなわち、居住者宅に配設され、居住者の動きを感知する動作感知センサと;前記動作感知センサの観測データを一時記憶する記憶手段と、ネットワークへ接続する接続手段を有するデータ送信装置と;ネットワークに接続され、前記データ送信装置により送信された前記動作感知センサの観測データを格納する記憶手段と、該観測データから居住者の安否の判断を行う制御部と、所定の連絡先に連絡をする連絡手段を有するデータ格納サーバと;居住者宅に配設されて、ネットワークへ接続されるものであって、居住者側と安否確認側間のメッセージデータを入出力するメッセージデータ入出力手段と、該メッセージデータを格納する記憶手段と、該メッセージデータの送受信手段を有するメッセージ端末と;安否確認側に配設されて、ネットワークへ接続されるものであって、安否確認側と居住者側間のメッセージデータを入出力するメッセージデータ入出力手段と、該メッセージデータを格納する記憶手段と、該メッセージデータの送受信手段を有するデータ送受信装置とを有し、前記データ格納サーバ中の前記制御部が、前記ネットワークを介して前記データ送信装置により送信された前記動作感知センサの観測データに基づいて居住者の安否を確認し、異常の場合に前記連絡手段を駆動して前記データ送受信装置へ異常信号を送信することおよび、安否確認側が前記居住者側からのメッセージデータの受信により、居住者の安否を確認することを特徴とする居住者の安否確認システムである。
これにより、通常時においては、居住者の意思によってコミュニケーションのやり取りをしながら安否の確認をすることができ、居住者本人から近況を確認することができる。一方、非常時においては、動作感知センサにより、居住者の安否を確認することができるので、遠隔地の居住者の安否を容易にしかも確実に確認することができる。
【0007】
さらに、前記メッセージ端末のメッセージデータ入出力手段は、音声入力方式を用いていることが好ましい。
これによれば、メッセージの作成に要する手間を大幅に軽減させることができるので、メッセージ端末の使用頻度を高めることができる。また、居住者と音声を交えてコミュニケーションをとることもできるので、より確実に居住者の安否を確認することができる。
【0008】
また、前記メッセージ端末の記憶手段には、定型メッセージデータが記憶されていることが好ましい。
これによれば、居住者に特に異常がない場合において、居住者のメッセージ作成にかかる手間が大幅に軽減されるため、煩わしさがなくなるので、メッセージ端末の確実な使用を促すことができ、信頼性が高い居住者の安否確認システムにすることができる。
【0009】
さらに、前記データ格納サーバには、前記動作感知センサが、連続して居住者の動作を検出しない時間をカウントするカウンタが設けられていると共に、前記データ格納サーバの記憶手段にはカウンタの閾値が設定されており、前記制御部は、前記カウンタの値が前記閾値以上になった場合には、前記連絡手段により、あらかじめ指定されている連絡先に異常を通報する処理を実行させることが好ましい。
これによれば、居住者が病気等の理由で動けなくなってしまった場合、可及的速やかに連絡先に居住者の異常を通報することができる。また、居住者が病気だった場合においては、病状の悪化を最小限に抑えることができる。
【0010】
さらにまた、前記制御部は、あらかじめ設定された時間内においては、前記カウンタの値の累積を中断する処理を実行させることが好ましい。
これによれば、睡眠中等の通常の生活をしているにもかかわらず、異常とみなされて、緊急連絡先に連絡してしまう等の誤作動のおそれがなくなり、居住者の正確な安否確認をすることができる。
【0011】
さらに他の発明は、以上のいずれかに記載の居住者の安否確認システムを用い、前記データ格納サーバに格納された居住者の観測データを安否確認側が直接観測することにより、当該安否確認側が前記居住者の安否を判断することを特徴とする安否確認方法である。
これによれば、安否確認側の経験等を動作感知センサの観測データに反映させることができるので、居住者の安否を画一的に判断するのではなく、総合的に判断することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る居住者の安否確認システムの好適な実施の形態を図面に沿って説明する。図1は本実施の形態に係る居住者の安否確認システムの全体構成図である。図2はデータ送信装置の構成図である。図3は、データ格納サーバの構成図である。図4は、メッセージ端末の構成図である。図5はデータ送受信装置の構造図である。
本実施の形態における居住者の安否確認システム10は、図1から5に示すように、居住者宅Hに配設され、居住者の動きを感知する動作感知センサ20と;ネットワークへ接続する接続手段32と、動作感知センサ20からの観測データを受信するデータ受信部33と、動作感知センサ20の観測データを一時記憶する記憶手段34と、これらを協働させる制御部36とを有するデータ送信装置30と;ネットワークに接続する接続手段42と、データ送信装置30により送信された動作感知センサ20の観測データを格納する記憶手段44と、観測データの解析や装置全体の動作を制御する制御部49と、一定条件下において、所定の連絡先に連絡をする連絡手段46と、これらを協働させる制御部49とを有するデータ格納サーバ40と;ネットワークへ接続可能に設定され、メッセージデータ入出力手段52と、データを記憶する記憶手段54と、データの送受信手段56と、これらを協働させる制御部58とから成るメッセージ端末50と;ネットワークへ接続可能に設定され、メッセージデータ入出力手段62と、記憶手段64と、データの送受信手段66と、これらを協働させる制御部68とから成るデータ送受信装置60とによって概略が構成されている。
【0013】
動作感知センサ20は、居住者宅Hの複数箇所に配設されている。具体的には、台所のシンク付近や、浴室、トイレ等、居住者が日常的に行き来する場所に配設されている。居住者の習慣により、その他の場所に配設してもよい。
動作を感知するためのセンサとしては、様々なセンサが提供されているが、赤外線センサ等の安価で単純な機構のセンサを用いることにより、多数の場所に配設しても設備費の高騰を抑えることができると共にメンテナンスを容易にすることができる。
【0014】
データ送信装置30は、動作感知センサ20と一組になって居住者宅Hに配設される。データ送信装置30は動作感知センサ20とケーブル等により接続されていて、動作感知センサ20の観測データをデータ受信装置33に送信し、データ送信装置30は受信した観測データを記憶手段34に一時的に記憶させた後に、ルータやモデム等の接続手段32を用いてネットワークを介してデータ格納サーバ40に観測データを送信する装置である。このようなデータ送信装置30は専用装置により実現しても良いが、一般的なパーソナルコンピュータによっても構成することができる。
【0015】
データ格納サーバ40は、後述のメッセージ端末50により作成されたボイスメッセージ等のデータや、居住者宅Hに配設されている動作感知センサ20の観測データ等の各種データを接続手段42を用いてネットワークを介して収集する。収集したデータは記憶手段44に格納され、必要に応じて各種データが接続手段42により送受信可能に設定されているものである。また、制御部49により、記憶手段44に格納した観測データに基づいて居住者の安否を確認することも可能である。
このようなデータ格納サーバ40は一般的に用いられているサーバコンピュータにより構成することができる。本実施の形態におけるデータ格納サーバ40は、メールサーバとしての役割も果たしている。なお、メールサーバはデータ格納サーバ40と別に単独で設置させてもよいのはもちろんである。
【0016】
データ格納サーバ40には、所定の連絡先に連絡をする連絡手段46と、カウンタ48が設けられている。連絡手段46の連絡先としては、子供世帯の電話や、子供の携帯電話、地方公共団体の福祉担当や、介護サービス提供会社の電話等が好ましい。
データ格納サーバ40のカウンタ48は、居住者宅Hに配設したすべての動作感知センサ20(例えば動作感知センサ20a、20b、20cとする。)が居住者の動作を全く感知しない状態の時間(動作感知センサ20a、20b、20cのいずれも居住者の動作を全く感知しない状態が続いている継続時間)を累積する。データ格納サーバ40の記憶手段44には、あらかじめ、カウンタ48の値が所定時間以上になった場合には、居住者に異常があったものとみなす閾値が設定されている。CPU等の制御部49はカウンタ48の値が閾値以上になった場合は、居住者に異常が生じたものと判断し、連絡手段46により所定の連絡先に連絡する処理を実行させるようにプログラムが設定されている。
【0017】
メッセージ端末50は、居住者宅Hにおいて使用されるものであり、動作感知センサ20とデータ送信装置30と共に配設されている。メッセージ端末50は、ボイスメッセージ等を入出力するマイク52a、スピーカ52b等のメッセージデータ入出力手段52と、ボイスメッセージ等のメッセージデータを記憶する記憶手段54と、記憶手段54に記憶されているメッセージデータをネットワークを介して送受信するルータやモデム等の送受信手段56と、これらを協働させる制御部58とにより構成されている。
データの送受信手段56は単数または複数の連絡先を選択する選択ボタン56aと、送受信ボタン56b、着信したメッセージデータを操作するメッセージ操作ボタン56c、緊急時の連絡先に連絡をするための緊急連絡ボタン56dおよびメッセージデータの着信の有無を示す着信表示部56eも設けられている。
【0018】
データ送受信装置60は、安否を確認する側に配設される。通常、安否を確認される側は一人暮らしの老人であって、安否を確認する側はその子供世帯である。子供世帯においては、電子メールの作成は習得していることが多く、たとえ未修得であっても、習得するまでに要する時間は短期間で済むので、データ送受信装置60は一般的なパーソナルコンピュータにより構成されている。データ送受信装置60はメッセージデータや観測データを入出力するメッセージデータ入出力手段62(表示装置62a、スピーカ62bを含む)、メッセージデータや観測データを記憶する記憶手段64、メッセージデータや観測データを送受信する送受信手段66およびこれらを協働させる制御部68とを備え、ネットワークへの接続、電子メールの作成および閲覧が可能な状態に設定されているのは言うまでもない。ただし、データ送受信装置60は、パーソナルコンピュータに限定するものではなく、メッセージ端末50を使用する場合もある。
【0019】
居住者の状態に不具合がなく、居住者の意思により連絡をすることができる場合においては、居住者は、メッセージ端末50により簡単にメッセージを作成することができる。電子メールを用いたメッセージであれば、相手の都合の良い時にメッセージを確認してもらうことができるので、互いに生活パターンが相違する場合であっても、気軽にメッセージを送ることができ、頻繁に連絡を取り合うことができるため好適である。
【0020】
居住者は、メッセージ端末50のメッセージデータ入出力手段52のマイク52aを用いて、音声によるメッセージデータを作成し、必要に応じて図示しないカメラによって撮影した写真を添付することができる。作成したメッセージデータは、音声データとしてそのまま送信する形態であっても、音声認識によりテキスト変換したテキストデータとして送信する形態のいずれであっても構わない。なお、音声により作成した音声データを電子メールとして送信する際には、ネットワークの負担を軽減させるために音声データの圧縮を行えばより好適である。
このようにして作成された電子メール(メッセージデータ)は、選択ボタン56aにより電子メールの送信先を選択し、送受信ボタン56bを押すだけで、選択された宛先に送信される。メッセージ端末50に電子メールが届いている場合には、着信表示部56eが点滅し、メッセージ端末50に電子メールが届いていることを表示する。居住者は、メッセージ操作ボタン56cを押すことにより、受信した電子メールをスピーカ52bや図示しないモニタにより出力し、電子メールの内容を確認することができる。
また、メッセージ端末50には予め定型メッセージデータを設定しておくことも可能であり、居住者に特に異常がない場合において、居住者のメッセージの作成にかかる手間を大幅に軽減させることができる。
【0021】
このように、ボタン操作のみの簡単な操作によりメッセージデータの作成、送受信、確認を可能にしているので、居住者が一人暮らしの老人のように機械操作の習得を不得手としている場合であっても、すぐに操作方法を習得することができるので、本発明の安否確認システム10の導入に対する抵抗感が大幅に軽減される。
また、音声データをそのまま電子メールとして送信可能にしたことにより、近親者等に対して居住者の肉声を伝えることや、自らの近況を容易に伝達することができるので、僅かな身体の異変等についても気軽に伝えることが可能になる。このように普段のコミュニケーションを密に取ることができるので、事前に居住者の病状等をある程度の範囲で推測することができ、メッセージデータを受信した側が適切なアドバイスをすることも可能になるため、病気による事故の予防に非常に効果的である。
【0022】
データ送受信装置60が一般的なパーソナルコンピュータである場合、ユーザはメールソフトやブラウザソフトを用いた一般的な手法により電子メールを作成する。必要に応じてデジタルカメラ等により写真や動画を添付することももちろん可能である。
また、データ送受信装置60は、データ格納サーバ40の記憶手段44に記憶された動作感知センサ20のデータを受信することも可能である。動作感知センサ20の観測データを入手し、子供世帯等の安否確認側でデータ送受信装置60により観測データ確認することにより、居住者の動きを把握することも可能である。このように観測データに基づく居住者の安否確認の判断をデータ格納サーバ40のみに行わせずに、データ送受信装置60側においても、居住者の安否確認を行うことができるので、より確実な安否確認システム10にすることができる。
【0023】
本発明に係る安否確認システム10の動作感知センサ20による居住者の安否確認の処理フローを説明する。図6は、本実施の形態における動作感知センサによる居住者の安否確認の処理フローを示す説明図である。
居住者宅Hに配設された動作感知センサ20a、20b、20cが居住者宅Hにおける居住者の動作を観測する(S101)。居住者の動作が観測された観測データは所定の間隔でデータ送信装置30の接続手段32を用いてデータ格納サーバ40にネットワークを介して送信され(S102)、記憶手段44に記憶される(S103)。データ格納サーバ40の制御部49は現在の時刻を確認し、記憶手段44にあらかじめ記憶されているデータを収集をする時間(通常、居住者が活動している時間。例えば、夜間の睡眠時間や昼寝の時間を除いた時間)内にあるか否かを判断する(S104)。
【0024】
現在時刻が観測データを収集する時間帯である場合には、データ格納サーバ40の制御部49は、すべての動作感知センサ20a、20b、20cがいずれも居住者の動作を感知しないと判断した場合(S105)、カウンタ48を進める(S106)。そして、データ格納サーバ40の制御部49はカウンタ48の値が記憶手段44にあらかじめ設定されている閾値以上であるかを判断する(S107)。もし、カウンタ48の値が閾値以上だった場合には、データ格納サーバ40の制御部49が居住者に異常があったとみなし、連絡手段46によりあらかじめ設定されている連絡先に緊急連絡をし(S108)、カウンタ48の値をリセットする(S109)。一方、カウンタ48の値が閾値未満である場合には、動作感知センサ20からの観測データを継続して監視する。データ格納サーバ40の制御部49は、カウンタ48で居住者の動作を一切感知しない時間の累積を継続している間に、動作感知センサ20a、20b、20cのいずれかが居住者の動きを検出した場合には、カウンタ48の値をリセットし(S110)、動作感知センサ20a、20b、20cによる居住者の動作の観測(S101)に戻る。
【0025】
なお、動作感知センサ20a、20b、20cのいずれも居住者の動作を感知せず、カウンタ48が進んでいる場合であっても、データ収集をする時間帯から外れてしまった場合(S104のNo側)には、カウンタ48の値を維持させたまま、再度データを収集する時間になるまでの間、カウンタ48の値の累積を一時停止させる(S111)。再びデータ収集をする時間帯になったら、一時停止させた時点におけるカウンタ48の値から、動作感知センサ20a、20b、20cのいずれも居住者の動作を感知しない時間の累積を再開する(S104のYes側)。
なお、夜間の睡眠時間等居住者が活動していない時間帯であっても、いずれかの動作感知センサが居住者の動作を検出した場合においては、維持させていたカウンタの値を解除させるような処理をさせることももちろん可能である。
【0026】
なお、データ送信装置30の制御部36には、居住者が外出している間において、すべての動作感知センサ20a、20b、20cが居住者の動作を感知しない状態が一定時間継続したとしても、データ格納サーバ40の制御部49が居住者に異常が生じたと判断させないように、カウンタ48の値をリセットし、居住者が帰宅するまでカウンタ48を動作させない外出モードも組み込まれており、データ送信装置30に設けられた切替スイッチ(図示せず)により、外出モードを選択可能に設定されている。
この外出モードは手動による切替スイッチだけでなく、外出先からの電話による操作によっても切り替え可能に設定されていれば、外出時に切替スイッチを作動させなくても、電話をかければ外出モードに切り替えができるので、尚好適である。
【0027】
なお、カウンタの値が閾値に至らずデータ収集の対象時間帯から外れた後に、データ収集の対象時間帯が再来した場合においては、データ収集の対象時間が再来してから元々の閾値とは異なる所定の時間がカウンタに累積された時点で、データ格納サーバの制御部が居住者に異常が生じたものとみなし、連絡手段により、緊急連絡をする処理をさせても良い。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲において各種の改変がなされても本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
例えば、本実施の形態における安否確認システムの使用形態は、一人暮らしの老人とその子供世帯を想定しているが、一人暮らしの老人と、自治体の福祉課または介護サービスの提供会社の担当者との間や、老人介護施設における各部屋と事務局との間等といった利用形態としても良いのはもちろんである。これらの実施の形態においても、基本的なシステムの構築は同一であり、メッセージ端末の連絡先を適宜変更するだけでよいため、容易に適用することができる。
【0029】
また、本発明に係る安否確認システムを地域社会における相互連絡手段として用いれば、子供世帯との連絡がつかない場合や、地方自治体の行政サービスが提供されていない場合、さらには、介護サービスを受けられない場合であっても、本発明に係る安否確認システムを導入すれば、仲間内での連絡のやり取りや、相互援助により互いの安否を確認しあうことができるので好適である。
【0030】
さらに本実施の形態においては、動作感知センサの観測データによる居住者の安否確認の判断をデータ格納サーバの制御部が行い、データ格納サーバの連絡手段が連絡をとる構成としているが、データ送信装置の制御部に、観測データを解析して居住者の安否確認を判断する判断手段や、所定の連絡先に連絡をする連絡手段を組み込んでおけば、データ送信装置によってでも居住者の安否確認をすることができるので、サーバを簡易的なものにすることができる。これによりシステムの構築に要する費用を抑え、運営コストの削減が可能になる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、居住者の意思とは無関係に作動する動作感知センサと、居住者の意思により実行されるメッセージのやり取りとを組み合わせた安否確認システムとしているため、通常時においては、居住者とコミュニケーションをとりながら安否の確認をすることができ、居住者本人から直接近況を確認することができる。一方、非常時においては、動作感知センサにより、居住者の安否を確認することができるので、遠隔地の居住者の安否を容易にしかも確実に確認することができる。
また、メッセージ端末に音声によるメッセージ作成手段を設けたことにより、居住者のメッセージ作成に要する手間を大幅に軽減することができると共に、居住者と音声によるコミュニケーションを取ることも可能になる。
【0032】
さらにまた、メッセージ端末に定型メッセージデータを設定可能にしてあるので、居住者に特に異常がない場合において、居住者のメッセージの作成にかかる手間が大幅に軽減されるため、確実な使用を促すことができ、信頼性が高い居住者の安否確認システムにすることができる。
【0033】
さらに、動作感知センサの観測データに基いて、自動的に連絡をする構成としたことにより、居住者が病気等の理由で動けなくなってしまった場合、可及的速やかに連絡先に異常の発生を通知することができる。また、このような場合において病状の悪化を最小限に抑えることができる。
また、動作感知センサの観測データのデータ収集の対象時間帯を設定しておくことにより、睡眠中等の通常の生活をしているにもかかわらず、異常とみなされること等の誤認識のおそれがなくなり、居住者の正確な安否確認をすることができる。
【0034】
さらにまた、データ格納サーバに格納した観測データを安否確認側が直接調べることにより、居住者の安否確認をする際に柔軟性に富んだ判断を下すことができる等といった著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る居住者の安否確認システムの全体構成図である。
【図2】データ送信装置の構成図である。
【図3】データ格納サーバの構成図である。
【図4】メッセージ端末の構成図である。
【図5】データ送受信装置の構造図である。
【図6】本実施の形態における動作感知センサによる居住者の安否確認の処理フローを示す説明図である。
【符号の説明】
H 居住者宅
10 安否確認システム
20 動作感知センサ
30 データ送信装置
32 接続手段
34 記憶手段
40 データ格納サーバ
44 記憶手段
46 連絡手段
48 カウンタ
49 制御部
50 メッセージ端末
52 メッセージデータ入出力手段
54 記憶手段
56 送受信手段
60 データ送受信装置
62 メッセージデータ入出力手段
64 記憶手段
66 送受信手段
Claims (6)
- 居住者宅に配設され、居住者の動きを感知する動作感知センサと;
前記動作感知センサの観測データを一時記憶する記憶手段と、ネットワークへ接続する接続手段を有するデータ送信装置と;
ネットワークに接続され、前記データ送信装置により送信された前記動作感知センサの観測データを格納する記憶手段と、該観測データから居住者の安否の判断を行う制御部と、所定の連絡先に連絡をする連絡手段を有するデータ格納サーバと;
居住者宅に配設されて、ネットワークへ接続されるものであって、居住者側と安否確認側間のメッセージデータを入出力するメッセージデータ入出力手段と、該メッセージデータを格納する記憶手段と、該メッセージデータの送受信手段を有するメッセージ端末と;
安否確認側に配設されて、ネットワークへ接続されるものであって、安否確認側と居住者側間のメッセージデータを入出力するメッセージデータ入出力手段と、該メッセージデータを格納する記憶手段と、該メッセージデータの送受信手段を有するデータ送受信装置とを有し、
前記データ格納サーバ中の前記制御部が、前記ネットワークを介して前記データ送信装置により送信された前記動作感知センサの観測データに基づいて居住者の安否を確認し、異常の場合に前記連絡手段を駆動して前記データ送受信装置へ異常信号を送信することおよび、安否確認側が前記居住者側からのメッセージデータの受信により、居住者の安否を確認することを特徴とする居住者の安否確認システム。 - 前記メッセージ端末のメッセージデータ入出力手段は、音声入力方式を用いていることを特徴とする請求項1記載の居住者の安否確認システム。
- 前記メッセージ端末の記憶手段には、定型メッセージデータが記憶されていることを特徴とする請求項1または2に記載の居住者の安否確認システム。
- 前記データ格納サーバには、前記動作感知センサが、連続して居住者の動作を検出しない時間をカウントするカウンタが設けられていると共に、前記データ格納サーバの記憶手段にはカウンタの閾値が設定されており、
前記制御部は、前記カウンタの値が前記閾値以上になった場合には、前記連絡手段により、あらかじめ指定されている連絡先に異常を通報する処理を実行させることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の居住者の安否確認システム。 - 前記制御部は、あらかじめ設定された時間内においては、前記カウンタの値の累積を中断する処理を実行させることを特徴とする請求項4記載の居住者の安否確認システム。
- 請求項1乃至5いずれか一項に記載の居住者の安否確認システムを用い、
前記データ格納サーバに格納された居住者の観測データを安否確認側が直接観測することにより、当該安否確認側が前記居住者の安否を判断することを特徴とする居住者の安否確認方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015056031A (ja) * | 2013-09-12 | 2015-03-23 | 株式会社 ハローシステム | 安否監視システムと安否監視サーバと安否監視プログラム並びに安否監視方法 |
JP2017038266A (ja) * | 2015-08-11 | 2017-02-16 | 国立大学法人 長崎大学 | 見守り装置 |
JP2019087158A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | Smk株式会社 | 室内状況監視システム |
JP2021149897A (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-27 | 菊洋 萬屋 | 安否確認システム及び方法 |
-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003050531A patent/JP2004259097A/ja active Pending
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