JP2004258849A - 放射性薬剤のデリバリーシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】放射性薬剤の製造及び発送計画を容易に立案できて、円滑に放射性薬剤を医療機関に輸送できる放射性薬剤のデリバリーシステムを提供する。
【解決手段】本社に設置された本社サーバ17と、通信網30を介して、各地の分室及び運送会社の空港支店に設置される各分室クライアント18〜25及び、関東,関西製造工場26,27のクライアント26a,27aが接続されている。
出荷時間自動選択手段17aでは、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間が自動的に選択されて、放射性薬剤A〜Dの製造指示及び輸送、納品に必要な伝票が、関東,関西工場クライアント26,27あるいは各クライアント18〜25に出力されるように構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本社に設置された本社サーバ17と、通信網30を介して、各地の分室及び運送会社の空港支店に設置される各分室クライアント18〜25及び、関東,関西製造工場26,27のクライアント26a,27aが接続されている。
出荷時間自動選択手段17aでは、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間が自動的に選択されて、放射性薬剤A〜Dの製造指示及び輸送、納品に必要な伝票が、関東,関西工場クライアント26,27あるいは各クライアント18〜25に出力されるように構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像診断に用いられる放射性薬剤を効率良く輸送出来る放射性薬剤のデリバリーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図14又は図15に示すような放射性薬剤のデリバリーシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このようなものでは、サイクロトロン1によって製造された核種が、被験者の体内への導入を容易なものとする水溶液等の試薬と共に、薬剤合成装置2によって合成されて、放射性薬剤となる。
【0004】
この核種を用いて合成された放射性薬剤は、図15に示すように、核種に特有の半減期を有し、時間と共に放射線量が減少してしまうことが知られている。
【0005】
このため、被験者に前記放射性薬剤を投与して、撮像装置3によって撮像することにより診断を行える使用に適した放射線量である時間が、一定時間内に限られていて、画像診断装置4により、有効な診断画像を得るためには、撮像時間に合わせて、核種が、製造される時間が調整されている。
【0006】
また、図16に示す工程管理装置では、営業所5のコンピュータ6により、型名、色、オプション、納期が記載された契約書7に基づく、発注情報が2次元バーコード化されて発注書8に印刷される(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
工場9では、郵送又はFAXにより送られてきた前記発注書8の2次元バーコードを、各コンピュータ10,11,12で読み込むことより、必要とする情報を獲得し、製造仕様書13,工程管理用製造仕様書14及び、納品管理用の出荷書類15が作成される。
【0008】
【非特許文献1】
放射線医学大系台36巻発行所株式会社中山書店1985年3月25日第1刷発行(IVサイクロトロン生産核種、第52頁乃至第67頁参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−334569号公報(0034段落乃至0081段落、図1,図2参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の放射性薬剤の生産方法では、遠隔地の病院で、前記放射性薬剤を用いた画像診断を行う場合等、撮像を行う病院の場所まで、サイクロトロン1が設置されている場所からの距離が離れている場合、例えば、空路を用いる場合には、航空便の本数が限られているため、放射性薬剤の製造時間を、この航空便の発着時間等に合わせて、製造及び発送計画を立案するのが困難であった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、放射性薬剤の製造及び発送計画を容易に立案できて、円滑に放射性薬剤を医療機関に輸送できる放射性薬剤のデリバリーシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題点に着目してなされたもので、請求項1に係る発明では、放射性薬剤の受注データにより、該放射性薬剤の製造、出荷指示を行うデリバリーシステムにおいて、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間を自動的に選択し、放射性薬剤の輸送、納品に必要な伝票を出力するサーバ装置を有する放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴としている。
【0013】
このように構成された請求項1記載のものでは、出荷時間が、診断の際に、使用に適した放射線量となるように所定の複数の出荷時間の中から、自動的に選択されるので、例えば、航空便を用いて輸送しようとする際にも、予め決められた発着時刻の航空便の中から最適な航空便に合わせて、出荷することが出来る。
【0014】
このため、前記核種が生成される場所と、診断が行われる場所とが離れていても、診断に適した放射線量の診断薬を提供出来、製造及び発送計画を容易に立案することができる。
【0015】
また、立案された製造及び出荷計画に沿った放射性薬剤の輸送、納品に必要な伝票が出力されるので、伝票を手書きする必要がなく、そのまま該各伝票に沿って輸送が行われれば、確実に放射性薬剤の運送が完了する。
【0016】
そして、請求項2に記載されたものでは、前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて、輸送、納品伝票の出力を生産・出荷拠点の端末装置で行うか、輸送・在庫拠点の端末装置で行うかを選択する請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴としている。
【0017】
ここで、前記サーバ装置には、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置の全てが接続されている必要はなく、必要に応じて接続されればよい。
【0018】
このように構成された請求項2記載のものでは、前記生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置のうち、輸送、納品伝票の出力が行われる端末装置が、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて選択される。
【0019】
このため、更に、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0020】
特に、航空便を輸送に用いるケースでは、放射性薬剤の輸送に伴う、航空会社に対する申告手続が必要となるが、輸送・在庫拠点において必要伝票、申告書等申告に必要な書類を出力させることで、出荷体制作り、航空会社への申告等の準備などを円滑に進めることができる。
【0021】
また、請求項3に記載されたものでは、前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制を指示するものである請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴している。
【0022】
このように構成された請求項3記載のものでは、通信網を介して接続された営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置に対して、前記サーバ装置から、前記放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。
【0023】
このため、緊急の受注でも、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0024】
更に、請求項4に記載されたものでは、前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、放射性薬剤の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴としている。
【0025】
このように構成された請求項4記載のものでは、前記サーバ装置が、放射性薬剤の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する。
【0026】
このため、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫が、短い時間で、診断が行われる場所に到着するので、通常の輸送では間に合わない受注に対しても対応できる。
【0027】
【発明の実施の形態1】
図1乃至図7は、この発明の実施の形態1の放射性診断薬のデリバリーシステムを示すものである。
【0028】
なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0029】
まず、構成から説明すると、この実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステム16では、放射性薬剤の受注データにより、この放射性薬剤の製造、出荷指示を行うように構成されている。
【0030】
このデリバリーシステム16では、図1に示すように、本社に設置されたサーバ装置としての本社サーバ17と、インターネット若しくは専用線等の通信網30を介して、この本社サーバ17に接続される営業拠点、受注拠点及び一部輸送・在庫拠点を兼ねる各地の分室及び運送会社の空港支店に設置される端末装置としての各分室クライアント18〜25及び、生産・出荷拠点としての関東,関西工場26,27に各々設置される関東,関西工場クライアント26a,27aとを有して、主に構成されている。
【0031】
このうち、前記本社サーバ17には、出荷時間自動選択手段17aが設けられている。
【0032】
この出荷時間自動選択手段17aでは、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間が自動的に選択されて、前記生産拠点であり、製品出荷の起点である関東,関西工場クライアント26a,27aに、伝票の出力を伴って生産指示、出荷、輸送に必要な図4に示す放射性薬剤A〜Dの製造・出荷指示が行われる。
【0033】
ここで、放射性薬剤Aは半減期が数時間で、放射性薬剤Bは半減期が数日である。このため、納入日時が制約されて、放射性薬剤Aは、検査日当日の朝となり、放射性薬剤Bは、2日前に納入されるのが原則となる。
【0034】
また、これらの診断薬のうち、診断薬Cのジェネレータは、例えば、99mTcジェネレータであれば、99モリブデンが、時間経過と共に起こる自然崩壊で、99mテクネチウムが生成されるものである。
【0035】
そして、この生成された99mテクネチウムに、生理食塩水を注ぎ、テクネチウムを取出し、キット製剤Dを使用して、注射用薬剤を病院40で作るように構成されている。
そして、この選択された出荷時間に基づいて、放射性薬剤A〜Dの輸送、納品に必要な伝票が、出荷の拠点である前記各クライアント18〜27に出力されるように構成されている。
【0036】
また、この本社サーバ17には、出力拠点選択手段17bが設けられていて、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて、輸送、納品伝票の出力を生産・出荷拠点である関東,関西工場26,27の関東,関西工場クライアント26a,27aで行うか、輸送・在庫拠点である各分室クライアント18〜25の端末装置で行うかが選択されるように構成されている。
【0037】
更に、この実施の形態1の本社サーバ17には、緊急指示手段17cが設けられていて、放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示されるように構成されている。
【0038】
また、図2に示すように、前記各分室クライアント18〜25の端末装置には、出力手段としてのプリンタ装置が各々接続されていて、各伝票等を出力印刷可能としている。
【0039】
このうち、前記空港分室クライアント18及び運送会社空港クライアント19は、図7に示す関東空港50内の同一又は隣接箇所に存在する関東空港分室51及び運送会社空港支店52内に各々設置されている。この関東空港分室51及び地方の各分室20〜25には、薬剤のうち、見込み生産分が工場と分担されて在庫となる。
【0040】
また、前記プリンタ装置で印刷出力される伝票としては、図8に示す輸送伝票58、図9に示す出荷手配表59、図10に示す引き渡し表60、図11に示す宛先伝票61、図12に示す貨物原票62、図13に示す危険品申告書としての放射性輸送物申告書63が存在する。
【0041】
このうち、前記輸送伝票58は、カスタマーサービス課31で、病院からの注文32を受けて、受注データを入力することにより自動的に発行されて、工場への生産指示、及び出荷指示の役割を果たす。
【0042】
また、前記出荷手配表59は、出荷時間、運送会社、輸送方面毎に作成されて発行される。この出荷手配表59は、運送会社に対して、前記本社サーバ17の出荷時間演算の結果をまとめて、自動で、電子メール或いは、FAX送信し、運送会社に対し、各便の手配の資料に供する。
【0043】
更に、前記引き渡し表60は、前記関東工場クライアント26a又は関西工場クライアント27aから発行されて、各関東製造工場26又は関西製造工場27からの出荷時にドライバー等の集荷人に引き渡す輸送物(通常、複数ユーザ宛の製剤)の明細が記載されている。そして、放射性薬剤の輸送箱の受け渡しと共に、前記集荷人に渡される。この引き渡し表60は、通常中継地点まで使用される。
【0044】
そして、前記宛先伝票61は、最終のお届け先、収納された放射性薬剤名が記載されていて、放射性薬剤が収納された輸送箱に貼り付けられると共に、工場、運送会社を経由して医療機関である病院40まで輸送される様に、納品書と共に、3枚つづりで構成されている。
【0045】
更に、前記貨物原票62は、前記病院40等からの注文毎に、出荷時間毎、お届け先毎に発行作成される。この貨物原票62は、輸送箱と同送(航空便では、輸送箱に貼り付けられる)されて、納入時に医師の受領印又はサインにより取り外されて、控えとなる。
【0046】
そして、前記放射性輸送物申告書63は、空路で航空機による輸送が発生する場合に使用されるもので、輸送物の内容等、航空法で定められた内容が、記載されている。通常、航空会社に輸送物と同時に提出されて、機長の確認又はサインによって、航空機への搭載が可能となるものである。
【0047】
また、輸送ルートとしては、図3に示すように、関東製造工場26或いは関西製造工場27及び地方分室55…と病院40とを結ぶ輸送ルート70,71,74に中継地点500が設けられていて、関東製造工場26或いは関西製造工場27から出荷された前記放射性薬剤A〜Dが中継されて渡されるように構成される。
【0048】
更に、この実施の形態1では、図3に示すように、関東製造工場26又は関西製造工場27から中継地点500を介して、或いは直接、病院40等の医療機関に輸送される輸送ルート70,71に加えて、一旦、北方分室等、地方の分室55に、輸送ルート72,73によって、各放射性薬剤A〜Dを一旦在庫させてから、前記病院40等の医療機関に、輸送ルート74を用いて輸送する方法も併用されている。
【0049】
そして、図6に示すように、関東製造工場26或いは関西製造工場27の付近の病院或いは、両製造工場26,27の間に位置する中京運送会社中継地75a,75b又は関西運送会社中継地75c,75dの付近の病院76までは、各製造工場26,27から輸送ルート77,78、各中継地間の輸送ルート77a,77b,77c、そして、輸送ルート79を用いて陸路で、前記放射性薬剤A〜Dが輸送されるように構成されている。
【0050】
次に、この実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムの作用について説明する。
【0051】
このように構成された実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムでは、図5に示すように、Step1で、病院40からの注文32があると、Step2で、カスタマーサービス課31では、注文情報が入力される。
【0052】
Step3では、病院40の場所及び、必要とされる放射性薬剤A〜Dの種類によって、関東工場で出荷するか、或いは関西工場で出荷するか出荷元の一時的選択が、前記本社サーバ17で行われる。
【0053】
Step4では、前記本社サーバ17の出荷時間自動選択手段17aによって、入力時間によって、製剤の製造(梱包も含む)に要する時間を計算の上、予め決められている複数の出荷時間の中から最適の出荷時間が自動で選択される。
【0054】
そして、Step5では、選択された出荷元にデータが、前記通信網30を介して送信される。
【0055】
Step6では、前記カスタマーサービス課31の入力で、前記データが送られてきた出荷元の前記関東,関西製造工場26,27の関東工場クライアント26a或いは関西工場クライアント27aのプリンタ装置から前記輸送伝票58等の帳票が自動的に出力される。
【0056】
各製造工場26,27では、この出力された輸送伝票58に従って、前記各放射性薬剤A,B,C又はDを製造する。
【0057】
ここでは、計画や予測に基づいて放射性薬剤A〜Dの見込み製造も併せて行われる。
【0058】
Step7では、出荷時間、運送会社、運送会社の担当店所の最終決定が行われる。すなわち、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段17bによって、出荷時間、運送会社、運送ルートの選択により、輸送、納品伝票の出力が生産・出荷拠点である関東,関西製造工場26,27の関東,関西工場クライアント26a,27aで行われる。
【0059】
Step8では、出荷時間、運送会社、担当支店名の任意修正入力が行われる。 そして、前記本社サーバ17では、自動的に前記病院40までの輸送方法及びルートの選択演算が行われる。
【0060】
Step9では、物流課の入力で前記貨物原票62,出荷手配表59,宛先伝票61,引き渡し表60,及び放射性輸送物申告書63等の出力が、各製造工場26,27において行われる。
【0061】
そして、工場から空港、中継地点への出荷の準備がなされる。各分室への在庫分の出荷がある時には、併せて出荷の作業が行われる。
【0062】
この際、Step10では、航空便の出発時刻が迫っていて急ぐ場合には、前記空港分室クライアント18又は運送会社空港クライアント19で、前記各帳票の出力を行うことにより、図4で示すように、例えば、関東製造工場から関東空港50まで放射性薬剤を、トラック53等で輸送している間に、危険品申告等の事務処理を行うことができる。
【0063】
航空輸送の場合、航空会社には、航空機54の出発時間の約1時間30分前までに輸送に必要な放射性輸送物申告書63等の書類と、輸送物とを通常持ち込んで手続きを行う必要がある。
【0064】
特に、前記関東工場の場合、主として、テクネチウム製剤を出荷する17時から17時30分の出荷分は、手続き締切時間まで余裕の無い状態で、輸送が行われている。
【0065】
このため、放射性輸送物申告書63等の必要書類を、関東空港50内に設置された運送会社空港支店52等で、プリントアウト等の出力を行うことにより、前記関東工場から、前記関東空港50まで輸送されている間に、事前通知を含み、必要な手続きが行えるので、放射性薬剤A,B又はC等が関東空港51へ到着すると直ちに、前記航空会社に搬入出来るので、円滑に輸送できる。
【0066】
ここで、在庫転用モードが選択された場合には、Step6の輸送伝票58の出力は、該当分室によりなされる。又、出荷拠点である各分室クライアント18〜25の端末装置で輸送、納品伝票の出力が行われる。
【0067】
次に、北方方面に、前記放射性薬剤A〜Dが出荷される場合について、下記の数種類の例示を行いつつ説明する。通常の関東工場からの出荷では、15時に放射性薬剤A,C,Dの出荷が行われることにより、翌日の診断に間に合う。
【0068】
しかしながら、99mTc製剤等の放射性薬剤Aの半減期の短い診断薬は、17時或いは、17時30分に出荷時間を遅らせることにより、製造された時間からの有効期限内に、診療時間前に納品され、画像診断のための検査が実行できる。
【0069】
ここでは、通常出荷が予め決められた輸送ルートで輸送されると共に、使用する時間に、通常出荷では間に合わない場合には、翌日初便、或いは、Step3〜5で、在庫転用モードとなるように判断されて分室から輸送伝票の出力がStep6で行われ、分室の入力でStep11で宛先伝票61,貨物原票62,放射性輸送物申告書63が出力される。
【0070】
例えば、15時以前に、単独で、Ga等の放射性薬剤Bの注文があった場合、15時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。ここで、出荷が優先されるので、工場に在庫があるものが最も優先され、次に、分室に在庫があるものが優先されて出荷され、間に合うものは、受注製造から出荷となる。そのため、需要予測を元に予め計画を立てた見込み生産体制によって、このような出荷体制が支えられいる。
【0071】
また、15時以前に、放射性薬剤A,Bの注文があった場合、放射性薬剤Bは、15時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。
【0072】
また、放射性薬剤Aは、17時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Aの出荷準備が行われる。
【0073】
更に、例えば、15時以前に、単独で、放射性薬剤Aの注文があった場合、17時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。
【0074】
そして、例えば、16時に、単独で、放射性薬剤Bの注文があった場合、17時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。
【0075】
更に、17時15分に、単独で、放射性薬剤Aの注文があった場合、17時30分出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Aの出荷準備が行われる。
【0076】
また、例えば、17時30分以降に、放射性薬剤A,B若しくはCの注文があった場合、前記本社サーバ17の緊急指示手段17cが、緊急の度合いを自動的に判断して、緊急性が無い場合には、翌日の初便に間に合うように生産及び出荷の指示が行われる。
【0077】
そして、前記緊急指示手段17cによって、緊急性がある場合には、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。この場合、通常使用しない遅い時間の航空便が使用されたり、翌日の早朝の航空便が使用され、到着空港より、陸上の緊急トラック便が手配される。
【0078】
また、前記緊急指示手段17cによって、緊急性があると判断された場合でも、図7中に示すように、病院56の付近の北方分室55に在庫のストックが有る場合には、前記本社サーバ17内に蓄積されたデータの中から、既に、他の病院57の為に出荷されていて、しかも、放射性薬剤Aでは、半減期が短いので困難であるが、放射性薬剤Bでは、半減期が、比較的長く行き先の変更が可能であるので、この放射性薬剤Bを先に、緊急性を有する病院56へ廻すように、前記出荷時間自動選択手段17a及び出力拠点選択手段17bが、この北方分室55の北方分室クライアント21に出荷指示を送る。
【0079】
この際、ストックされていた放射性薬剤Bは、なくなってしまうので、再度、前記関東製造工場に対して、放射性薬剤Bの製造及び出荷指示が、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段17bから送信される。
【0080】
このため、翌日には、前記病院56で緊急を有する放射性薬剤Bを用いた診断が行える。
【0081】
このように、受注データをカスタマーサービス課31が入力して、納品期限までの時間と工場からの出荷、輸送に要する時間を比較し、間に合わないことを判断すると、近くの分室55等の在庫転用モードとなり、前記輸送伝票58を、引き続き宛先伝票61,貨物原票62、必要であれば放射性輸送物申告書63をこの近くの分室55等から出力し、必要であれば、梱包された箱の宛先伝票61を貼り替えて発送される。この実施の形態1では、出荷手配表59、引き渡し表60は、運送会社との連絡を担当する各製造工場26,27の工場物流課から出力される。
【0082】
また、前記本社サーバ17によって、出荷時間が、診断の際に、使用に適した放射線量となるように所定の複数の出荷時間の中から、自動的に選択されるので、例えば、航空便を用いて輸送しようとする際にも、予め決められた発着時刻の航空便の中から最適な航空便に合わせて、出荷することが出来る。
【0083】
このため、前記放射性薬剤A,B及びCの核種が生成される関東或いは関西製造工場の場所と、診断が行われる病院56等の医療機関の場所とが離れていても、診断に適した放射線量の放射性薬剤A,B及びCを提供出来、製造及び出荷計画を容易に立案することができる。
【0084】
また、立案された製造及び発送計画に沿った放射性薬剤A〜Dの輸送、納品に必要な伝票が出力されるので、伝票を手書きする必要がなく、そのまま、これらの各伝票に沿って輸送が行われれば、確実に放射性薬剤A〜Dの運送が完了する。
【0085】
そして、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段17bによって、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の各クライアント18〜27のうち、前記輸送、納品伝票の出力が行われる各クライアント18〜27が、受注した放射性薬剤A〜Dの納品の緊急度に応じて選択される。
【0086】
このため、更に、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤A〜Dを輸送できる。
【0087】
また、通信網30を介して接続された営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の各クライアント18〜27に対して、前記本社サーバ17の緊急指示手段17c及び出力拠点選択手段17bから、前記放射性薬剤A〜Dの緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。
【0088】
このため、例えば、通常の受付時間を超過した緊急の受注でも、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤A等を輸送できる。
【0089】
更に、前記本社サーバ17の緊急指示手段17cが、放射性薬剤A等の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する。
【0090】
このため、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫薬剤が、短い時間で、診断が行われる場所に到着するので、通常の輸送では間に合わない受注に対しても対応できる。
【0091】
更に、この実施の形態1では、図4に示すように、関西製造工場の近くに、関西空港150及び関西第2空港250の2カ所の空港があるので、例えば、前記関東空港50の様に空港分室或いは、運送会社空港支店に端末装置を設置することにより、製造される時間に適合した航空機154が出発する関西空港150及び第2関西空港250を選択して、その空港に設置された端末装置から前記危険物申告書である放射性輸送物申告書63を出力し、これらの伝票に従って、最も効率的な空路を利用することができる。
【0092】
従って、関西空港150が、24時間稼働の空港であれば、通常の輸送ルートを前記関西製造工場27に近い関西第2空港とすると共に、緊急の輸送ルートとして前記関西空港150を夜間利用することができる。
【0093】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムを詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0094】
例えば、前記実施の形態1では、主に、北方空港350まで空路を用い、病院56,57等の医療機関に陸路を用いて輸送するものを示して説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、南方空港450等、他の地方空港まで空路を用い、更に、医療機関等に陸路を用いて輸送するものであっても、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間を自動的に選択し、放射性薬剤A〜Dの輸送、納品に必要な伝票を出力する本社サーバ17が用いられていればよい。
【0095】
この場合、各製造工場から輸送ルート77,78で、前記放射性薬剤A〜Dを前記中京運送会社中継地75aまで輸送する際には、複数の病院の放射性薬剤A〜Dを混載して1台のトラックで輸送し、前記各中継地75a…では、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段によって、発行されて、工場で出力された貨物原票62等の伝票に従って、前記各放射性薬剤A〜Dを、各病院毎に輸送する。
【0096】
更に、図3に示すように、輸送ルート70,71,74に中継地点500を設けても良い。この場合、この中継地点500で混載された一次出荷を受け取り、最終ユーザーである病院40向けに分けて二次出荷とし、前記軽トラック81に渡すように構成される。
【0097】
【発明の効果】
上述してきたように、請求項1記載のものでは、出荷時間が、診断の際に、使用に適した放射線量となるように所定の複数の出荷時間の中から、自動的に選択されるので、例えば、航空便を用いて輸送しようとする際にも、予め決められた発着時刻の航空便の中から最適な航空便に合わせて、出荷することが出来る。
【0098】
このため、前記核種が生成される場所と、診断が行われる場所とが離れていても、診断に適した放射線量の診断薬を提供出来、製造及び輸送計画を容易に立案することができる。
【0099】
また、立案された出荷及び発送計画に沿った放射性薬剤の輸送、納品に必要な伝票が出力されるので、伝票を手書きする必要がなく、そのまま該各伝票に沿って輸送が行われれば、確実に放射性薬剤の輸送が完了する。
【0100】
そして、請求項2に記載されたものでは、前記生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置のうち、前記輸送、納品伝票の出力が行われる端末装置が、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて選択される。
【0101】
このため、更に、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0102】
特に、航空便を輸送に用いるケースでは、放射性薬剤の輸送に伴う、航空会社に対する申告手続が必要となるが、輸送・在庫拠点において必要伝票、申告書等申告に必要な書類を出力させることで、出荷体制作り、航空会社への申告等の準備などを円滑に進めることができる。
【0103】
また、請求項3に記載されたものでは、通信網を介して接続された営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置に対して、前記サーバ装置から、前記放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。
【0104】
このため、緊急の受注でも、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0105】
更に、請求項4に記載されたものでは、前記サーバ装置が、放射性薬剤の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する。
【0106】
このため、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫が、短い時間で、診断が行われる場所に到着するので、通常の輸送では間に合わない受注に対しても対応できる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、全体の構成を説明するシステム構成図である。
【図2】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、デリバリーのデータの入力及び各伝票の出力を説明するフロー図である。
【図3】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、輸送ルートを説明するフロー図である。
【図4】放射性薬剤A〜Dの種類を説明する表図である。
【図5】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、注文から帳票発行、出力までの流れを説明するフロー図である。
【図6】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、陸路の輸送ルート図である。
【図7】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、空路の輸送ルート図である。
【図8】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、輸送伝票の一例を示す正面図である。
【図9】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、出荷手配表の一例を示す正面図である。
【図10】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、引き渡し表の一例を示す正面図である。
【図11】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、宛先伝票の一例を示す正面図である。
【図12】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、貨物原票の一例を示す正面図である。
【図13】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、危険物申告書としての放射性輸送物申告書の一例を示す正面図である。
【図14】放射性薬剤を用いた画像診断の流れを説明するフロー図である。
【図15】放射性薬剤の核種が、半減期で放射線量を減少させる様子を説明するグラフである。
【図16】従来のデリバリーシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
16 デリバリーシステム
17 本社サーバ(サーバ装置)
端末装置
18 空港分室クライアント
19 運送会社空港クライアント
20 (関西)分室クライアント
26 関東工場クライアント
27 関西工場クライアント
30 通信網
40 病院(医療機関)
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像診断に用いられる放射性薬剤を効率良く輸送出来る放射性薬剤のデリバリーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図14又は図15に示すような放射性薬剤のデリバリーシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このようなものでは、サイクロトロン1によって製造された核種が、被験者の体内への導入を容易なものとする水溶液等の試薬と共に、薬剤合成装置2によって合成されて、放射性薬剤となる。
【0004】
この核種を用いて合成された放射性薬剤は、図15に示すように、核種に特有の半減期を有し、時間と共に放射線量が減少してしまうことが知られている。
【0005】
このため、被験者に前記放射性薬剤を投与して、撮像装置3によって撮像することにより診断を行える使用に適した放射線量である時間が、一定時間内に限られていて、画像診断装置4により、有効な診断画像を得るためには、撮像時間に合わせて、核種が、製造される時間が調整されている。
【0006】
また、図16に示す工程管理装置では、営業所5のコンピュータ6により、型名、色、オプション、納期が記載された契約書7に基づく、発注情報が2次元バーコード化されて発注書8に印刷される(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
工場9では、郵送又はFAXにより送られてきた前記発注書8の2次元バーコードを、各コンピュータ10,11,12で読み込むことより、必要とする情報を獲得し、製造仕様書13,工程管理用製造仕様書14及び、納品管理用の出荷書類15が作成される。
【0008】
【非特許文献1】
放射線医学大系台36巻発行所株式会社中山書店1985年3月25日第1刷発行(IVサイクロトロン生産核種、第52頁乃至第67頁参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−334569号公報(0034段落乃至0081段落、図1,図2参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の放射性薬剤の生産方法では、遠隔地の病院で、前記放射性薬剤を用いた画像診断を行う場合等、撮像を行う病院の場所まで、サイクロトロン1が設置されている場所からの距離が離れている場合、例えば、空路を用いる場合には、航空便の本数が限られているため、放射性薬剤の製造時間を、この航空便の発着時間等に合わせて、製造及び発送計画を立案するのが困難であった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、放射性薬剤の製造及び発送計画を容易に立案できて、円滑に放射性薬剤を医療機関に輸送できる放射性薬剤のデリバリーシステムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題点に着目してなされたもので、請求項1に係る発明では、放射性薬剤の受注データにより、該放射性薬剤の製造、出荷指示を行うデリバリーシステムにおいて、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間を自動的に選択し、放射性薬剤の輸送、納品に必要な伝票を出力するサーバ装置を有する放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴としている。
【0013】
このように構成された請求項1記載のものでは、出荷時間が、診断の際に、使用に適した放射線量となるように所定の複数の出荷時間の中から、自動的に選択されるので、例えば、航空便を用いて輸送しようとする際にも、予め決められた発着時刻の航空便の中から最適な航空便に合わせて、出荷することが出来る。
【0014】
このため、前記核種が生成される場所と、診断が行われる場所とが離れていても、診断に適した放射線量の診断薬を提供出来、製造及び発送計画を容易に立案することができる。
【0015】
また、立案された製造及び出荷計画に沿った放射性薬剤の輸送、納品に必要な伝票が出力されるので、伝票を手書きする必要がなく、そのまま該各伝票に沿って輸送が行われれば、確実に放射性薬剤の運送が完了する。
【0016】
そして、請求項2に記載されたものでは、前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて、輸送、納品伝票の出力を生産・出荷拠点の端末装置で行うか、輸送・在庫拠点の端末装置で行うかを選択する請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴としている。
【0017】
ここで、前記サーバ装置には、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置の全てが接続されている必要はなく、必要に応じて接続されればよい。
【0018】
このように構成された請求項2記載のものでは、前記生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置のうち、輸送、納品伝票の出力が行われる端末装置が、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて選択される。
【0019】
このため、更に、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0020】
特に、航空便を輸送に用いるケースでは、放射性薬剤の輸送に伴う、航空会社に対する申告手続が必要となるが、輸送・在庫拠点において必要伝票、申告書等申告に必要な書類を出力させることで、出荷体制作り、航空会社への申告等の準備などを円滑に進めることができる。
【0021】
また、請求項3に記載されたものでは、前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制を指示するものである請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴している。
【0022】
このように構成された請求項3記載のものでは、通信網を介して接続された営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置に対して、前記サーバ装置から、前記放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。
【0023】
このため、緊急の受注でも、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0024】
更に、請求項4に記載されたものでは、前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、放射性薬剤の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステムを特徴としている。
【0025】
このように構成された請求項4記載のものでは、前記サーバ装置が、放射性薬剤の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する。
【0026】
このため、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫が、短い時間で、診断が行われる場所に到着するので、通常の輸送では間に合わない受注に対しても対応できる。
【0027】
【発明の実施の形態1】
図1乃至図7は、この発明の実施の形態1の放射性診断薬のデリバリーシステムを示すものである。
【0028】
なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0029】
まず、構成から説明すると、この実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステム16では、放射性薬剤の受注データにより、この放射性薬剤の製造、出荷指示を行うように構成されている。
【0030】
このデリバリーシステム16では、図1に示すように、本社に設置されたサーバ装置としての本社サーバ17と、インターネット若しくは専用線等の通信網30を介して、この本社サーバ17に接続される営業拠点、受注拠点及び一部輸送・在庫拠点を兼ねる各地の分室及び運送会社の空港支店に設置される端末装置としての各分室クライアント18〜25及び、生産・出荷拠点としての関東,関西工場26,27に各々設置される関東,関西工場クライアント26a,27aとを有して、主に構成されている。
【0031】
このうち、前記本社サーバ17には、出荷時間自動選択手段17aが設けられている。
【0032】
この出荷時間自動選択手段17aでは、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間が自動的に選択されて、前記生産拠点であり、製品出荷の起点である関東,関西工場クライアント26a,27aに、伝票の出力を伴って生産指示、出荷、輸送に必要な図4に示す放射性薬剤A〜Dの製造・出荷指示が行われる。
【0033】
ここで、放射性薬剤Aは半減期が数時間で、放射性薬剤Bは半減期が数日である。このため、納入日時が制約されて、放射性薬剤Aは、検査日当日の朝となり、放射性薬剤Bは、2日前に納入されるのが原則となる。
【0034】
また、これらの診断薬のうち、診断薬Cのジェネレータは、例えば、99mTcジェネレータであれば、99モリブデンが、時間経過と共に起こる自然崩壊で、99mテクネチウムが生成されるものである。
【0035】
そして、この生成された99mテクネチウムに、生理食塩水を注ぎ、テクネチウムを取出し、キット製剤Dを使用して、注射用薬剤を病院40で作るように構成されている。
そして、この選択された出荷時間に基づいて、放射性薬剤A〜Dの輸送、納品に必要な伝票が、出荷の拠点である前記各クライアント18〜27に出力されるように構成されている。
【0036】
また、この本社サーバ17には、出力拠点選択手段17bが設けられていて、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて、輸送、納品伝票の出力を生産・出荷拠点である関東,関西工場26,27の関東,関西工場クライアント26a,27aで行うか、輸送・在庫拠点である各分室クライアント18〜25の端末装置で行うかが選択されるように構成されている。
【0037】
更に、この実施の形態1の本社サーバ17には、緊急指示手段17cが設けられていて、放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示されるように構成されている。
【0038】
また、図2に示すように、前記各分室クライアント18〜25の端末装置には、出力手段としてのプリンタ装置が各々接続されていて、各伝票等を出力印刷可能としている。
【0039】
このうち、前記空港分室クライアント18及び運送会社空港クライアント19は、図7に示す関東空港50内の同一又は隣接箇所に存在する関東空港分室51及び運送会社空港支店52内に各々設置されている。この関東空港分室51及び地方の各分室20〜25には、薬剤のうち、見込み生産分が工場と分担されて在庫となる。
【0040】
また、前記プリンタ装置で印刷出力される伝票としては、図8に示す輸送伝票58、図9に示す出荷手配表59、図10に示す引き渡し表60、図11に示す宛先伝票61、図12に示す貨物原票62、図13に示す危険品申告書としての放射性輸送物申告書63が存在する。
【0041】
このうち、前記輸送伝票58は、カスタマーサービス課31で、病院からの注文32を受けて、受注データを入力することにより自動的に発行されて、工場への生産指示、及び出荷指示の役割を果たす。
【0042】
また、前記出荷手配表59は、出荷時間、運送会社、輸送方面毎に作成されて発行される。この出荷手配表59は、運送会社に対して、前記本社サーバ17の出荷時間演算の結果をまとめて、自動で、電子メール或いは、FAX送信し、運送会社に対し、各便の手配の資料に供する。
【0043】
更に、前記引き渡し表60は、前記関東工場クライアント26a又は関西工場クライアント27aから発行されて、各関東製造工場26又は関西製造工場27からの出荷時にドライバー等の集荷人に引き渡す輸送物(通常、複数ユーザ宛の製剤)の明細が記載されている。そして、放射性薬剤の輸送箱の受け渡しと共に、前記集荷人に渡される。この引き渡し表60は、通常中継地点まで使用される。
【0044】
そして、前記宛先伝票61は、最終のお届け先、収納された放射性薬剤名が記載されていて、放射性薬剤が収納された輸送箱に貼り付けられると共に、工場、運送会社を経由して医療機関である病院40まで輸送される様に、納品書と共に、3枚つづりで構成されている。
【0045】
更に、前記貨物原票62は、前記病院40等からの注文毎に、出荷時間毎、お届け先毎に発行作成される。この貨物原票62は、輸送箱と同送(航空便では、輸送箱に貼り付けられる)されて、納入時に医師の受領印又はサインにより取り外されて、控えとなる。
【0046】
そして、前記放射性輸送物申告書63は、空路で航空機による輸送が発生する場合に使用されるもので、輸送物の内容等、航空法で定められた内容が、記載されている。通常、航空会社に輸送物と同時に提出されて、機長の確認又はサインによって、航空機への搭載が可能となるものである。
【0047】
また、輸送ルートとしては、図3に示すように、関東製造工場26或いは関西製造工場27及び地方分室55…と病院40とを結ぶ輸送ルート70,71,74に中継地点500が設けられていて、関東製造工場26或いは関西製造工場27から出荷された前記放射性薬剤A〜Dが中継されて渡されるように構成される。
【0048】
更に、この実施の形態1では、図3に示すように、関東製造工場26又は関西製造工場27から中継地点500を介して、或いは直接、病院40等の医療機関に輸送される輸送ルート70,71に加えて、一旦、北方分室等、地方の分室55に、輸送ルート72,73によって、各放射性薬剤A〜Dを一旦在庫させてから、前記病院40等の医療機関に、輸送ルート74を用いて輸送する方法も併用されている。
【0049】
そして、図6に示すように、関東製造工場26或いは関西製造工場27の付近の病院或いは、両製造工場26,27の間に位置する中京運送会社中継地75a,75b又は関西運送会社中継地75c,75dの付近の病院76までは、各製造工場26,27から輸送ルート77,78、各中継地間の輸送ルート77a,77b,77c、そして、輸送ルート79を用いて陸路で、前記放射性薬剤A〜Dが輸送されるように構成されている。
【0050】
次に、この実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムの作用について説明する。
【0051】
このように構成された実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムでは、図5に示すように、Step1で、病院40からの注文32があると、Step2で、カスタマーサービス課31では、注文情報が入力される。
【0052】
Step3では、病院40の場所及び、必要とされる放射性薬剤A〜Dの種類によって、関東工場で出荷するか、或いは関西工場で出荷するか出荷元の一時的選択が、前記本社サーバ17で行われる。
【0053】
Step4では、前記本社サーバ17の出荷時間自動選択手段17aによって、入力時間によって、製剤の製造(梱包も含む)に要する時間を計算の上、予め決められている複数の出荷時間の中から最適の出荷時間が自動で選択される。
【0054】
そして、Step5では、選択された出荷元にデータが、前記通信網30を介して送信される。
【0055】
Step6では、前記カスタマーサービス課31の入力で、前記データが送られてきた出荷元の前記関東,関西製造工場26,27の関東工場クライアント26a或いは関西工場クライアント27aのプリンタ装置から前記輸送伝票58等の帳票が自動的に出力される。
【0056】
各製造工場26,27では、この出力された輸送伝票58に従って、前記各放射性薬剤A,B,C又はDを製造する。
【0057】
ここでは、計画や予測に基づいて放射性薬剤A〜Dの見込み製造も併せて行われる。
【0058】
Step7では、出荷時間、運送会社、運送会社の担当店所の最終決定が行われる。すなわち、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段17bによって、出荷時間、運送会社、運送ルートの選択により、輸送、納品伝票の出力が生産・出荷拠点である関東,関西製造工場26,27の関東,関西工場クライアント26a,27aで行われる。
【0059】
Step8では、出荷時間、運送会社、担当支店名の任意修正入力が行われる。 そして、前記本社サーバ17では、自動的に前記病院40までの輸送方法及びルートの選択演算が行われる。
【0060】
Step9では、物流課の入力で前記貨物原票62,出荷手配表59,宛先伝票61,引き渡し表60,及び放射性輸送物申告書63等の出力が、各製造工場26,27において行われる。
【0061】
そして、工場から空港、中継地点への出荷の準備がなされる。各分室への在庫分の出荷がある時には、併せて出荷の作業が行われる。
【0062】
この際、Step10では、航空便の出発時刻が迫っていて急ぐ場合には、前記空港分室クライアント18又は運送会社空港クライアント19で、前記各帳票の出力を行うことにより、図4で示すように、例えば、関東製造工場から関東空港50まで放射性薬剤を、トラック53等で輸送している間に、危険品申告等の事務処理を行うことができる。
【0063】
航空輸送の場合、航空会社には、航空機54の出発時間の約1時間30分前までに輸送に必要な放射性輸送物申告書63等の書類と、輸送物とを通常持ち込んで手続きを行う必要がある。
【0064】
特に、前記関東工場の場合、主として、テクネチウム製剤を出荷する17時から17時30分の出荷分は、手続き締切時間まで余裕の無い状態で、輸送が行われている。
【0065】
このため、放射性輸送物申告書63等の必要書類を、関東空港50内に設置された運送会社空港支店52等で、プリントアウト等の出力を行うことにより、前記関東工場から、前記関東空港50まで輸送されている間に、事前通知を含み、必要な手続きが行えるので、放射性薬剤A,B又はC等が関東空港51へ到着すると直ちに、前記航空会社に搬入出来るので、円滑に輸送できる。
【0066】
ここで、在庫転用モードが選択された場合には、Step6の輸送伝票58の出力は、該当分室によりなされる。又、出荷拠点である各分室クライアント18〜25の端末装置で輸送、納品伝票の出力が行われる。
【0067】
次に、北方方面に、前記放射性薬剤A〜Dが出荷される場合について、下記の数種類の例示を行いつつ説明する。通常の関東工場からの出荷では、15時に放射性薬剤A,C,Dの出荷が行われることにより、翌日の診断に間に合う。
【0068】
しかしながら、99mTc製剤等の放射性薬剤Aの半減期の短い診断薬は、17時或いは、17時30分に出荷時間を遅らせることにより、製造された時間からの有効期限内に、診療時間前に納品され、画像診断のための検査が実行できる。
【0069】
ここでは、通常出荷が予め決められた輸送ルートで輸送されると共に、使用する時間に、通常出荷では間に合わない場合には、翌日初便、或いは、Step3〜5で、在庫転用モードとなるように判断されて分室から輸送伝票の出力がStep6で行われ、分室の入力でStep11で宛先伝票61,貨物原票62,放射性輸送物申告書63が出力される。
【0070】
例えば、15時以前に、単独で、Ga等の放射性薬剤Bの注文があった場合、15時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。ここで、出荷が優先されるので、工場に在庫があるものが最も優先され、次に、分室に在庫があるものが優先されて出荷され、間に合うものは、受注製造から出荷となる。そのため、需要予測を元に予め計画を立てた見込み生産体制によって、このような出荷体制が支えられいる。
【0071】
また、15時以前に、放射性薬剤A,Bの注文があった場合、放射性薬剤Bは、15時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。
【0072】
また、放射性薬剤Aは、17時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Aの出荷準備が行われる。
【0073】
更に、例えば、15時以前に、単独で、放射性薬剤Aの注文があった場合、17時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。
【0074】
そして、例えば、16時に、単独で、放射性薬剤Bの注文があった場合、17時出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Bの出荷準備が行われる。
【0075】
更に、17時15分に、単独で、放射性薬剤Aの注文があった場合、17時30分出荷に自動設定されて、この出荷時刻に間に合うように、前記放射性薬剤Aの出荷準備が行われる。
【0076】
また、例えば、17時30分以降に、放射性薬剤A,B若しくはCの注文があった場合、前記本社サーバ17の緊急指示手段17cが、緊急の度合いを自動的に判断して、緊急性が無い場合には、翌日の初便に間に合うように生産及び出荷の指示が行われる。
【0077】
そして、前記緊急指示手段17cによって、緊急性がある場合には、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。この場合、通常使用しない遅い時間の航空便が使用されたり、翌日の早朝の航空便が使用され、到着空港より、陸上の緊急トラック便が手配される。
【0078】
また、前記緊急指示手段17cによって、緊急性があると判断された場合でも、図7中に示すように、病院56の付近の北方分室55に在庫のストックが有る場合には、前記本社サーバ17内に蓄積されたデータの中から、既に、他の病院57の為に出荷されていて、しかも、放射性薬剤Aでは、半減期が短いので困難であるが、放射性薬剤Bでは、半減期が、比較的長く行き先の変更が可能であるので、この放射性薬剤Bを先に、緊急性を有する病院56へ廻すように、前記出荷時間自動選択手段17a及び出力拠点選択手段17bが、この北方分室55の北方分室クライアント21に出荷指示を送る。
【0079】
この際、ストックされていた放射性薬剤Bは、なくなってしまうので、再度、前記関東製造工場に対して、放射性薬剤Bの製造及び出荷指示が、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段17bから送信される。
【0080】
このため、翌日には、前記病院56で緊急を有する放射性薬剤Bを用いた診断が行える。
【0081】
このように、受注データをカスタマーサービス課31が入力して、納品期限までの時間と工場からの出荷、輸送に要する時間を比較し、間に合わないことを判断すると、近くの分室55等の在庫転用モードとなり、前記輸送伝票58を、引き続き宛先伝票61,貨物原票62、必要であれば放射性輸送物申告書63をこの近くの分室55等から出力し、必要であれば、梱包された箱の宛先伝票61を貼り替えて発送される。この実施の形態1では、出荷手配表59、引き渡し表60は、運送会社との連絡を担当する各製造工場26,27の工場物流課から出力される。
【0082】
また、前記本社サーバ17によって、出荷時間が、診断の際に、使用に適した放射線量となるように所定の複数の出荷時間の中から、自動的に選択されるので、例えば、航空便を用いて輸送しようとする際にも、予め決められた発着時刻の航空便の中から最適な航空便に合わせて、出荷することが出来る。
【0083】
このため、前記放射性薬剤A,B及びCの核種が生成される関東或いは関西製造工場の場所と、診断が行われる病院56等の医療機関の場所とが離れていても、診断に適した放射線量の放射性薬剤A,B及びCを提供出来、製造及び出荷計画を容易に立案することができる。
【0084】
また、立案された製造及び発送計画に沿った放射性薬剤A〜Dの輸送、納品に必要な伝票が出力されるので、伝票を手書きする必要がなく、そのまま、これらの各伝票に沿って輸送が行われれば、確実に放射性薬剤A〜Dの運送が完了する。
【0085】
そして、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段17bによって、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の各クライアント18〜27のうち、前記輸送、納品伝票の出力が行われる各クライアント18〜27が、受注した放射性薬剤A〜Dの納品の緊急度に応じて選択される。
【0086】
このため、更に、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤A〜Dを輸送できる。
【0087】
また、通信網30を介して接続された営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の各クライアント18〜27に対して、前記本社サーバ17の緊急指示手段17c及び出力拠点選択手段17bから、前記放射性薬剤A〜Dの緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。
【0088】
このため、例えば、通常の受付時間を超過した緊急の受注でも、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤A等を輸送できる。
【0089】
更に、前記本社サーバ17の緊急指示手段17cが、放射性薬剤A等の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する。
【0090】
このため、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫薬剤が、短い時間で、診断が行われる場所に到着するので、通常の輸送では間に合わない受注に対しても対応できる。
【0091】
更に、この実施の形態1では、図4に示すように、関西製造工場の近くに、関西空港150及び関西第2空港250の2カ所の空港があるので、例えば、前記関東空港50の様に空港分室或いは、運送会社空港支店に端末装置を設置することにより、製造される時間に適合した航空機154が出発する関西空港150及び第2関西空港250を選択して、その空港に設置された端末装置から前記危険物申告書である放射性輸送物申告書63を出力し、これらの伝票に従って、最も効率的な空路を利用することができる。
【0092】
従って、関西空港150が、24時間稼働の空港であれば、通常の輸送ルートを前記関西製造工場27に近い関西第2空港とすると共に、緊急の輸送ルートとして前記関西空港150を夜間利用することができる。
【0093】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムを詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0094】
例えば、前記実施の形態1では、主に、北方空港350まで空路を用い、病院56,57等の医療機関に陸路を用いて輸送するものを示して説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、南方空港450等、他の地方空港まで空路を用い、更に、医療機関等に陸路を用いて輸送するものであっても、受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間を自動的に選択し、放射性薬剤A〜Dの輸送、納品に必要な伝票を出力する本社サーバ17が用いられていればよい。
【0095】
この場合、各製造工場から輸送ルート77,78で、前記放射性薬剤A〜Dを前記中京運送会社中継地75aまで輸送する際には、複数の病院の放射性薬剤A〜Dを混載して1台のトラックで輸送し、前記各中継地75a…では、前記本社サーバ17の出力拠点選択手段によって、発行されて、工場で出力された貨物原票62等の伝票に従って、前記各放射性薬剤A〜Dを、各病院毎に輸送する。
【0096】
更に、図3に示すように、輸送ルート70,71,74に中継地点500を設けても良い。この場合、この中継地点500で混載された一次出荷を受け取り、最終ユーザーである病院40向けに分けて二次出荷とし、前記軽トラック81に渡すように構成される。
【0097】
【発明の効果】
上述してきたように、請求項1記載のものでは、出荷時間が、診断の際に、使用に適した放射線量となるように所定の複数の出荷時間の中から、自動的に選択されるので、例えば、航空便を用いて輸送しようとする際にも、予め決められた発着時刻の航空便の中から最適な航空便に合わせて、出荷することが出来る。
【0098】
このため、前記核種が生成される場所と、診断が行われる場所とが離れていても、診断に適した放射線量の診断薬を提供出来、製造及び輸送計画を容易に立案することができる。
【0099】
また、立案された出荷及び発送計画に沿った放射性薬剤の輸送、納品に必要な伝票が出力されるので、伝票を手書きする必要がなく、そのまま該各伝票に沿って輸送が行われれば、確実に放射性薬剤の輸送が完了する。
【0100】
そして、請求項2に記載されたものでは、前記生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置のうち、前記輸送、納品伝票の出力が行われる端末装置が、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて選択される。
【0101】
このため、更に、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0102】
特に、航空便を輸送に用いるケースでは、放射性薬剤の輸送に伴う、航空会社に対する申告手続が必要となるが、輸送・在庫拠点において必要伝票、申告書等申告に必要な書類を出力させることで、出荷体制作り、航空会社への申告等の準備などを円滑に進めることができる。
【0103】
また、請求項3に記載されたものでは、通信網を介して接続された営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置に対して、前記サーバ装置から、前記放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制が指示される。
【0104】
このため、緊急の受注でも、良好な輸送効率で、前記放射性薬剤を輸送できる。
【0105】
更に、請求項4に記載されたものでは、前記サーバ装置が、放射性薬剤の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示する。
【0106】
このため、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫が、短い時間で、診断が行われる場所に到着するので、通常の輸送では間に合わない受注に対しても対応できる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、全体の構成を説明するシステム構成図である。
【図2】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、デリバリーのデータの入力及び各伝票の出力を説明するフロー図である。
【図3】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、輸送ルートを説明するフロー図である。
【図4】放射性薬剤A〜Dの種類を説明する表図である。
【図5】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、注文から帳票発行、出力までの流れを説明するフロー図である。
【図6】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、陸路の輸送ルート図である。
【図7】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、空路の輸送ルート図である。
【図8】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、輸送伝票の一例を示す正面図である。
【図9】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、出荷手配表の一例を示す正面図である。
【図10】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、引き渡し表の一例を示す正面図である。
【図11】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、宛先伝票の一例を示す正面図である。
【図12】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、貨物原票の一例を示す正面図である。
【図13】実施の形態1の放射性薬剤のデリバリーシステムで、危険物申告書としての放射性輸送物申告書の一例を示す正面図である。
【図14】放射性薬剤を用いた画像診断の流れを説明するフロー図である。
【図15】放射性薬剤の核種が、半減期で放射線量を減少させる様子を説明するグラフである。
【図16】従来のデリバリーシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
16 デリバリーシステム
17 本社サーバ(サーバ装置)
端末装置
18 空港分室クライアント
19 運送会社空港クライアント
20 (関西)分室クライアント
26 関東工場クライアント
27 関西工場クライアント
30 通信網
40 病院(医療機関)
Claims (4)
- 放射性薬剤の受注データにより、該放射性薬剤の製造、出荷指示を行うデリバリーシステムにおいて、
受注時間、放射性薬剤の核種の半減期を元に、所定の複数の出荷時間の中から、診断の際に、使用に適した放射線量となる出荷時間を自動的に選択し、放射性薬剤の輸送、納品に必要な伝票を出力するサーバ装置を有することを特徴とする放射性薬剤のデリバリーシステム。 - 前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、受注した放射性薬剤の納品の緊急度に応じて、輸送、納品伝票の出力を生産・出荷拠点の端末装置で行うか、輸送・在庫拠点の端末装置で行うかを選択することを特徴とする請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステム。
- 前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、放射性薬剤の緊急の受注に対し、通常の出荷時間とは異なる特別便による出荷体制を指示するものであることを特徴とする請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステム。
- 前記サーバ装置は、営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点、輸送・在庫拠点の端末装置と、通信網を介して接続されると共に、放射性薬剤の緊急の受注に対し、新たな製造指示を行なわず、前記営業拠点、受注拠点、生産・出荷拠点もしくは輸送・在庫拠点の在庫を指定し、且つ該在庫の納入先を変更してあるいは変更せずに出荷を指示することを特徴とする請求項1記載の放射性薬剤のデリバリーシステム。
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-
2003
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